fc2ブログ

円、売られ易い地合いが続く 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は小幅に続伸し132円96銭まで買われたが、
133円には届かず。引き続きリスクオンの流れが
優勢で円が売られ易い。
◆ドイツの3月のCPIが上振れしたことで、ECBの
利上げが継続するとの見方からユーロドルは続伸。
1.0926まで買われ、対円でも145円台を示現。
◆株式市場は3指数が揃って続伸。ナスダックは87ポイント
上昇し、1万2000の大台を回復。
◆債券は小幅に上昇。長期金利は3.54%台に低下。
◆金と原油は反発。

◆新規失業保険申請件数        →  19.8万件
◆10-12月GDP(確定値)    →  2.6%

本日の注目イベント

◆日   2月失業率
◆日   2月鉱工業生産
◆中   3月中国製造業PMI
◆中   3月中国サービス業PMI
◆独   独3月雇用統計
◆英   英10-12月期GDP(改定値)
◆欧   ユーロ圏2月失業率
◆欧   ユーロ圏3月消費者物価指数(速報値)
◆欧  ラガルド・ECB総裁講演
◆米   2月個人所得
◆米   2月個人支出
◆米 2月PCEデフレータ(前月比)
◆米 2月PCEデフレータ(前年比)    
◆米 2月PCEコアデフレータ(前月比)
◆米 2月PCEコアデフレータ(前年比)
◆米   3月シカゴ購買部協会景気指数
◆米   3月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
◆米   ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
◆米   クック・FRB理事講演

ドル円は引き続き底堅い動きが続き、日米の株価が持ち直していることも
あり、円が売られ易い展開となっています。円は対ユーロでも売られ、ユ
ーロ円は約2週間ぶりに145円台まで上昇しています。ドイツの3月の
CPIが予想の「0.7%」を上回る「0.8%」(前年同月比では7.
4%)だったことで、ECBの利上げが継続されるといった観測からユー
ロ円を買う動きもあったようです。

予定されていたFOMCメンバーである3地区連銀総裁による講演では、
概ねインフレに対する強い警戒感が維持されていたように思えます。
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、「シリコンバレー銀行が米経済に
影響を判断するには時期尚早だ」と述べ、「米金融当局はインフレ押し下
げに注力する必要がある」との見解を示しました。
ボストン連銀のコリンズ総裁は、「インフレ率は依然として高すぎる」と
指摘し、「物価の安定を伴いつつインフレ率を目標の2%まで引き下げる
にはまだ問題があるという私の見解を、最近の各指標が裏付けている」と
述べています。
さらに信用不安に関しても、「銀行システムは引き続き強固だが、最近の
動向によって銀行がやや保守的になって貸し出し基準を引き締め、その結
果、景気減速とインフレ圧力低下に寄与する可能性がある。
こうした動きが追加利上げの必要性を部分的に相殺するかもしれない」と
語っています。

さらにリッチモンド連銀のバーキン総裁は、「インフレとの闘いで性急に
手を緩めればインフレは勢いを増して戻ってくる。金融当局はさらなる措
置をこうじなければならなくなり、そうなれば一層ひどいダメージを与え
る」とし、「インフレが高水準かつ広範囲で、根強いことを踏まえれば、
私はそのリスクを冒したくない」と述べ、その上で「インフレが根強く続
くようであれば、われわれは追加利上げで対応可能だ」と続けています。
(ブルームバーグ)
本レポートでも指摘したように、FOMCメンバーの発言は依然として「
タカ派寄り」を維持しており、これがドル円を支える一助になっていると
も考えられます。
この日はイエレン財務長官の講演もありました。長官は、2008年の
金融危機後に実施した規制強化の一部を緩和した取り組みについて、「そ
の行き過ぎが最近の銀行危機につながった可能性がある」との見解を示し
ています。
インフレ抑制を最優先課題として引き続き利上げを行うのか、あるいは金
融システムの安定化を念頭に利上げを見送るのかという点が焦点になりま
す。
次回のFOMC会合は、4月には開催されず5月2-3日となりますが、
この会合での利上げの確率は、現時点では「五分五分」となっており、見
方が分かれているのが現状です。

NY州マンハッタン地区の大陪審は、トランプ前大統領を起訴しました。
大統領経験者が起訴されるのは初めてのことになりますが、トランプ氏は
声明で、「これは歴史上、最高レベルでの政治的迫害と選挙介入だ」と主
張しています。すでに2024年の大統領選への出馬宣言を行ったトラン
プ氏にとって、今後の選挙活動に大きな影響を与えそうです。
共和党の大統領候補にはトランプ氏の他に、フロリダ州知事のデサンティ
ス氏、前副大統領のペンス氏、さらに国連大使やサウスカロライナ州知事
を務めたヘイリー氏が名乗りを上げており、激戦が予想されています。

本日は重要指標であるPCE価格指数が発表されます。
結果次第では、まだ先の話ですが、5月会合での利上げ確率に影響を与え
ることにもなります。

本日のドル円は132円~134円程度を予想します。


スポンサーサイト



ドル円大きく反発し132円台後半に。 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は大幅に続伸。日米で株価が大きく上昇したことで
「リスクオン」が強まり、NYでは132円89銭までドル高が進む。
◆ユーロドルは横ばい。1.08台前半から半ばで推移。
◆株式市場は3指数が大幅に上昇。ナスダックは210ポイント
買われ、「強気相場入りした」との声も。
◆債券はほぼ変わらず。
◆金と原油は反落。

◆2月中古住宅販売成約件数 → 0.8% 

本日の注目イベント

◆独   独3月消費者物価指数(速報値)
◆欧   ユーロ圏3月消費者信頼感(確定値)
◆欧   ユーロ圏3月景況感指数
◆欧   ECB経済報告
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   10-12月GDP(確定値)
◆米   バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
◆米   コリンズ・ボストン連銀総裁講演
◆米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演

シリコンバレー銀行(SVB)などの破綻から一気に金融システム不安が広がり、
リスク回避の円買いが強まり一時は、129円65銭まで売られたドル円でしたが
、昨日の東京時間から底堅い動きを見せていました。日経平均株価は期末配当を受
け取れる最終日ということもあり、高配当銘柄を中心に買いが先行し前日比365
円高と、ほぼ高値引けで取引を終えました。
「リスクオン」の兆しが見えたことでドル円も徐々に買いが優勢となり、夕方には
132円に乗せています。

NYでもその流れから132円89銭までドル高が進み、高値圏で引けています。
円は全面安の展開で、ユーロ円も144円台に乗せ約2週間ぶりの高水準を付けま
した。「円全面高」の流れから一転して「円全面安」へと変わっています。SVB
などの売却が上手く進み、UBSがクレディスイスを買収したことで銀行に対する
不安は急速に低下していますが、まだ「火だね」は残っているというのが、大方の
見方です。
今後FRBがさらに利上げを継続するようだと、中小の金融機関に再び経営危機が
広がるといった観測もあります。
ただ、FRBが今後も利上げを継続するのかどうかは、インフレ次第ですが、
予想されるターミナルレートから推測すれば、あと1回から最大でも2回といった
ところでしょうか。言えることは、今回の地銀2行の破綻がFRBの利上げムード
に一石を投じ、金融システムの安定化にも十分な目配りが必要となったことは、間
違いないと思われます。

FRBは今月の会合では0.25ポイントの利上げを決めましたが、パウエル議長
は会見で、「利上げの一時停止も検討した」と述べています。
多くのFOMCメンバーも同じような考えかと思われ、NY株式市場ではこれを先
取りしている面もありそうです。
米ナスダック指数は昨日「210ポイント」上昇し、株式市場からは「強気相場入
りした」といった声も出ています。
パウエル議長は29日、議員らと非公開に会合を持ち、「政策金利は今年、どこま
で引き上げられるのか」という質問に対し、「最新のFOMC予測を指摘すること
で回答した」と、会合に出席した共和党のケビン・ハーン下院議員が明らかにして
います。(ブルームバーグ)
現在のフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標レンジは4.75~5.0%
です。先の会合で発表された参加者の金利予想は、2023年末時点で約5.1%
と予想されています。

ドル円は日足チャートで、3月8日に付けた137円92銭を起点とした右肩下が
りの「レジスタンス・ライン」を昨日上抜けしています。短期的にはドルの下落が
止まった可能性があります。
もっとも、「MACD」では、マックD、シグナルが依然としてマイナス圏で推移
していることから、「本格的な上昇」は現時点では見込めないとは思います。
明日発表される2月のPCE価格データが注目されます。

本日のドル円は131円50銭~133円程度を予想します。


3月の米消費者マインド改善 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は方向感のない展開。朝方は売られ130円42銭
まで下落したが、その後は131円台前半まで上昇。
◆ユーロドルは続伸。1.0848までユーロ高が進む。
対ユーロではドル安の流れが優勢の展開。
◆株式市場は3指数が揃って下落。ハイテク株が売られ、
ナスダックは52ポイントの下げに。
◆債券は小幅ながら続落。長期金利は3.57%台に上昇。
◆金は3日ぶりに反発。原油も続伸。

◆1月FHFA住宅価格指数           →  0.2%
◆1月ケース・シラ-住宅価格指数        →  -0.43%
◆3月リッチモンド連銀製造業景況指数      →  -5
◆3月コンファレンスボード消費者信頼感指数   →  104.2

本日の注目イベント

◆豪   豪2月消費者物価指数
◆独   独4月GFK消費者信頼調査
◆英   英2月消費者信用残高
◆米   2月中古住宅販売成約件数

ドル円は131円台を回復したものの、方向感の出ない動きが続き、130円
台後半でNYでの取引を終えています。ユーロドルは1.08台半ばまで続伸
し、ここではドル安が継続されており、ドル円の上値を抑える格好になってい
るようです。米地銀の破綻処理は一応終わってはいますが、金融不安の「火だ
ね」は残っているようで、市場では株価の乱高下が続いているドイツ銀行の動
向に注目しているようです。

先週24日同行の株価が急落し、その影響が世界の銀行株の大幅な下げにつな
がった経緯があります。ブルームバーグが伝えるところによると、同日に同行
の劣後債に関わるCDSで、およそ500万ユーロ(約7億1000万円)の
取引があったようです。金額からしたら小粒な取引ですが、CDSの取引は流
動性に乏しく、この取引がドミノ効果を引き起こして銀行株を急落させ、国債
が上昇、金融機関が発行した社債のデフォルトに備える保証料が跳ね上がった
と説明しています。
ドイツ銀行では約16億ユーロ(約2250億円)、欧州銀行株指数では30
0億ユーロ余りの時価総額がそれぞれ失われています。
誰が、何のために行った取引かは分かっていませんが、当局はこの取引に注目
しているようです。

昨日発表された3月のコンファレンスボード消費者マインドは市場予想の「1
01」を上回る「104.2」でした。また2月分も「102.9」から「1
03.4」に上方修正され、ここでは消費者心理の改善が見られています。
同指数の担当者は、「期待指数の上昇で3月は若干改善したが、2022年の
平均をなお下回っている。上昇は55歳未満の消費者と年収5万ドル以上の家
計の見通し改善を反映している」と説明しています。
同調査はシリコンバレー銀行(SVB)の破綻から1週間余り経過した3月2
0日までの回答が基になっており、銀行不安は、今のところ消費者信頼感にほ
とんど影響していないことがうかがえます。
セントルイス連銀のブラード総裁は28日、同連銀のウェブサイトに掲載され
た論文で、「最近の一連の銀行破綻や混乱の影響で金融市場ではストレスが溜
まっている。こうした事象に対するマクロプルデンシャル政策(金融システム
全体を安定化する取り組み)の対応は迅速であり、適切だった。監督当局はマ
クロ経済へのダメージを抑えるため2007-2009年の金融危機時に開発
、もしくは初めて利用した手段の幾つかを今回適用した。当局は必要に応じて
さらに行動を取る用意がある」と述べています。

欧米各国によるウクライナへの武器供与が加速しています。
ドイツは27日までに、主力戦車「レオパルト2」18両をウクライナに引き
渡したとメディアが報じ、イギリスもすでに同国の主力戦車「チャレンジャー
2」14両の供与を終えている模様です。米国も装甲車「ストライカー」を供
与しています。
ウクライナへの武器の供与は隣国ポーランドがいち早く行動し、製造国ドイツ
の了承の下、14両の「レオパルト2」を引き渡しています。
またドイツは歩兵戦闘車「マルダー」40両なども引き渡し、「レオパルト2
」や「マルダー」を運用するウクライナ兵に対しドイツ国内で数週間の訓練を
実施したことを明らかにしています。
このような最新の武器を供与されたウクライナのレズニコフ国防相は「1年前
は、これほど強力な支援を得られるとは誰も思わなかった」と述べています。
これら最新の武器供与を得たウクライナは、ロシア軍への攻勢を強めるとみら
れています。

本日のドル円は130円~131円80銭程度を予想します。


WTI原油、大幅反発 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は堅調く推移。東京時間に131円台を回復し、NYでは
銀行株が買い戻され、米金利が上昇したことで131円75銭まで
ドルが反発。
◆ユーロドルは小幅に上昇し1.08近辺まで買われる。
独ifo期待指数が上振れしたことや、欧州の銀行株が上昇した
ことが背景。
◆株式市場はまちまち。ダウとS&P500は買われたが、
ハイテク株の多いナスダックは下げる。
◆債券は反落。長期金利は3.43%台へと大きく上昇。
◆金は大幅続落。原油は3ドルを超える上昇。

本日の注目イベント

◆豪   豪2月小売売上高
◆英   ベイリー・BOE総裁、シリコンバレー銀行(SVB)巡り証言
◆米   1月FHFA住宅価格指数
◆米   1月ケース・シラ-住宅価格指数
◆米   3月リッチモンド連銀製造業景況指数
◆米   3月コンファレンスボード消費者信頼感指数


先週末の欧州市場で129円65銭までドル売りが進み、1カ月半ぶりの安値
を付けたドル円は大きく反発しました。東京時間でも底堅い動きを見せ、一時
は131円台を回復し、NYでは131円75銭まで反発しました。
ドルが売られ、円が買われた要因が「リスク回避」の流れにともなう「避難通
貨」として選好されたことが挙げられることを考えれば、昨日は「リスクオン
」の流れが優勢となり円が売られたのは当然と言えます。
破綻したシリコンバレー銀行(SVB)を、米地銀ファースト・シチズンズ・
バンクシェアーズが買収することで合意したことが、リスクオンにつながり、
この日は欧米の銀行株が大きく上昇しています
SVBを買収する同行の株価も50%を超える大幅高だったようです。
一方で、安全資産の米国債は大きく売られ、長期金利は先週末から15bpも
上昇したことが、ドルを押し上げた格好です。

FRBで銀行監督を担当するバー副議長は本日開催される上院銀行委員会での
証言で、「ここ数週間に発生した出来事は、進化するリスクと共に、特定の銀
行問題が健全な銀行の信頼を損なわせ、銀行システム全体の安定性を脅かすこ
とがないようにするには、何がさらに出来、何がなされるべきかという問題を
投げかけている」と証言し、「銀行システムの状況を注意深く監視し続けると
ともに、システムの安全性と健全性を維持するため、いかなる規模の機関に対
しても必要ならあらゆる手段を活用する用意がある」と続ける模様です。(ブ
ルームバーグ)
米金融当局の迅速な対応とUBSによるクレディスイス買収でやや落ち着きを
取り戻しつつある市場ですが、クレディスイスの発行した「AT1債」の価値
がスイス当局の措置によってゼロになった影響は残っているようです。
同債券は「永久債」として発行されることから、債券でありながら株式の側面
もあります。金利が高目に設定されているため、ピムコなど多くの資産運用会
社が同債券を組み入れていたことが判明しています。
雪だるま式に肥大化する投資資金の運用先として、同債券が無くなることはな
いと思われますが、2008年の「リーマンショック」の引き金となったと言
われる、「パリバショック」はリスクの高いサブプライムローンなどの混乱か
ら価格が付けられず、資金を凍結したことから発生したことを想い出します。
まだしばらくは「Cash is King」の運用方針は継続されそうです。

台湾の蔡英文総統が明日から中米グアテマラとベリーズを訪問し、その後マッ
カーシー米下院議長と会談する予定です。一方、馬英九前総統は27日に中国
を訪問し、要人との会談が予定されており、台湾の現総統、前総統が同じタイ
ミングで米中を訪問する異例の事態になっています。
蔡氏は親米派で馬氏は親中派ということのようですが、台湾を巡る米中の関係
にも影響を与えそうです。昨年8月のペロシ前下院議長の訪台もあり、このと
ころの台湾は急速に米国に接近しているようです。

上値の重いドル円ですが、それでも先週の金曜日から今週の月曜日の2日間だ
けでも2円以上も反発する荒っぽい動きを見せています。
動きは「米金利次第」というところでしょうが、その米金利が「リスクオン」
か「リスクオフ」かで、大きく乱高下しています。
まだドルの下げ余地があると考え、ドル売り水準を探るスタンスの方が有効か
と思いますが、大きく下げたら拾うことも必要です。
金融不安や信用不安から円買いと見る一方、地政学的リスクや貿易赤字・対外
投資の面では円売りということでしょうか。

本日のドル円は130円~132円程度と予想します。


ドル円1カ月半ぶりに129円台半ばまで下落 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆130円台維持を続けていたドル円は欧州時間にドル売りが
加速し、2月3日以来となる129円65銭まで下落。
NYではセントルイス連銀総裁の発言などもあり、ドル円は
反発。130円台後半まで上昇する。
◆ドル安の中、ユーロドルは上値が重く1.07台で推移。
◆株式市場は欧州で銀行株下落の影響を受け小安く始まったものの、
引けでは3指数が揃って上昇。
◆債券は続伸。長期金利は3.37%台へと低下。
◆金は3日ぶりに反落。原油も売られ、69ドル台前半に。

◆3月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)        →  49.3
◆3月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)      →  53.8
◆3月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値)     →  53.3
◆2月耐久財受注                      →  -0.1%

本日の注目イベント

◆日  1月景気先行指数(CI)(改定値)
◆中   馬英九・前台湾総統、中国訪問
◆独   独3月ifo景況感指数
◆欧   ユーロ圏2月マネーサプライ
◆英   ベイリー・BOE総裁講演



上値の重い展開が続いていた中でも130円台を維持していたドル円は、
ついに欧州時間に130円台を割り込み、129円65銭と、2月3日以
来のドル安水準を付けました。
米国発の金融システム不安が欧州にも伝播し、クレディスイスの経営危機
が一気に表面化。UBSによる買収もありましたが、依然として金融不安
はくすぶり続けています。
先週末の欧州では、各国主要銀行の株価が大きく売られ、「第二のクレデ
ィスイス探し」をする動きになっています。
ドイツではドイツ銀行、イギリスではバークレーズ銀行、さらにフランス
でもソシエテジェネラル銀行など、金融株が大きく下げています。

銀行株の大幅安を背景に「リスクオフ」が加速し円が買われ、ドル円は1
29円台半ば、ユーロ円も139円目前まで売られ、「円全面高」の様相
でした。
「安全通貨」としての円の存在が意識されるのは久しぶりの印象ですが、
今回の金融不安が「米国発」だったことと、3月のFOMC会合でも、イ
ンフレ阻止を優先し0.25ポイントの利上げを決めたことで、米経済の
リセッション入りの可能性が高まってきたとの観測もあり、結局、ドルも
ユーロも買えないということから、「消去法的に円が選好された」と考え
ています。
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は26日、CBS番組でのインタビュ
ーで、銀行問題がリセッションをもたらすかどうかを問われ、「明らかに
近づいている」と答え、「銀行セクターのストレスが広範な信用逼迫にど
の程度つながるか不明だ。景気減速につながるかどうかを注意深く見守っ
ている」と語っています。
足下では、「安全通貨の円」「避難通貨の円」が戻ってきたようですが、
この傾向がこのまま続くかどうかは不明です。
欧州を除けば、日本は北朝鮮、中国、台湾、あるいはロシアなどと地理的
に近く、「地政学的リスク」はかなり高いと言えるでしょう。
一旦、130円を割り込んだドル円の次の焦点は、1月に記録した127
円22銭を割り込む円高が進むかどうかです。

FRBが24日に発表したデータでは、シリコンバレー銀行(SVB)な
どの破綻で、15日までの週に中小金融機関の預金は1200億ドル(約
15兆6000億円)減少し、リーマンショック時をも上回り、過去最大
の落ち込みとなっています。一方大手銀行25行の預金は670億ドル増
加したと報告されています。
さらに、引き出された預金は、MMF(マネー・マーケット・ファンド)
にも多く流れており、米国では「Flight to quality」(質への逃避)が高
まっています。
今朝の報道では、米国のバレー・ナショナル・バンコープとファースト・
シチズンズ・バンクシェアーズの2行が、破綻したSVBの買収を目指し
ているとあります。
また、クレディスイスに関しても、「スイス政府が介入して救済しなけれ
ば、クレディスイス・グループはあと1営業日を生き延びることができな
かった」と、同国のケラーズッター財務相が明らかにしています。(ブル
ームバーグ)スイス金融当局は早くからクレディスイスの経営リスクを察
知していたようです。

ベラルーシがロシアの同盟国であることはよく知られていますが、プーチ
ン氏は同国に「戦術核兵器」を配備することを明らかにしました。
米国はこれに対して、「米当局はロシアの発表について認識しており、そ
の影響を監視する」と、国家安全保障会議(NSC)の報道官は述べてい
ます。
ロシアのウクライナでの戦況はそれほど好転しておらず、加えて、日米の
トップがウクライナを電撃訪問するなど、プーチン氏としても劣勢を打開
したいといった焦りもありそうです。
欧米もウクライナへ約束した武器や弾薬の発送を早めており、雪解けとと
もに戦況はさらに激しくなる気配です。

本日のドル円は129円50銭~131円50銭程度を予想します。


このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判
断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊
社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外国為替証拠金取引とは、元本や利益が保証された金融商品ではありません。お取引した通貨にて、
相場の変動による価格変動やスワップポイントの変動により、損失が発生する場合があります。
レバレッジ効果では、お客様がお預けになった証拠金以上のお取引が可能となりますが、証拠金以上の
損失が発生するおそれもあります。個人のお客様の取引に必要な証拠金は、各通貨のレートにより
決定され、お取引額の4%相当となります。証拠金の25倍までのお取引が可能です。
(法人のお客様の取引に必要な証拠金は、通貨ペア、取引コースにより1万通貨あたり3,500円から
34,000円の範囲内であり、証拠金の約200倍までの取引が可能です。)当社では、
「オフセット注文™」以外の取引手数料、口座維持手数料を無料としておりますが、
取引レートの売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があり、
また諸費用等については別途掛かる場合があります。当社は法令上要求される区分管理方法の
信託一本化を整備いたしておりますが、区分管理必要額算出日と追加信託期限に時間差があること
等から、いかなる状況でも必ずお客様から預かった証拠金が全額返還されることを保証するもの
ではありません。ロスカット取引は、必ず約束した損失の額で限定するというものではありません。
通常、あらかじめ約束した損失の額の水準(以下、「ロスカット水準」といいます。)に達した時点から
決済取引の手続きが始まりますので、実際の損失はロスカット水準より大きくなる場合が考えられます。
また、ルール通りにロスカット取引が行われた場合であっても、相場の状況によってはお客様より
お預かりした証拠金以上の損失の額が生じることがあります。お取引の開始あたり、
契約締結前交付書面を熟読の上、十分に仕組みやリスクをご理解いただき、ご自身の判断にて
開始していただくようお願いいたします。