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英国のEU離脱問題で楽観論後退 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円はアジア時間では上値が重かったものの、NYでは再び
108円台後半まで上昇。米中貿易協議の先行きを懸念する
声が出たもののドルは堅調に推移。
◆ユーロドルは続伸。一時は1.1085を付け、1カ月ぶりの
ユーロ高を記録。ユーロ円も120円47銭前後まで上昇。
◆株式市場は小幅に反落。小売売上高が予想に反して減少して
いたことや、英国のEU離脱問題が依然不透明なことなどが
材料視された。ダウは22ドル下落するも2万7千ドルの大台は
維持。
◆債券相場は反発。長期金利は小幅に低下し、1.74%台に。
◆金と原油は反発。

◆9月小売売上高         →  -0.3%
◆10月NAHB住宅市場指数   →  71

本日の注目イベント

◆豪   豪9月雇用統計
◆英   英9月小売売上高
◆米   9月住宅着工件数
◆米   9月建設許可件数
◆米   10月フィラデルフィア連銀景況指数
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   9月鉱工業生産
◆米   9月設備稼働率
◆米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
◆米  企業決算 → モルガンスタンレー

先週末の米中通商協議で部分的な合意に達したことで、今後の米中関係に楽観的な
見方が広がり、足元の金融市場ではリスク選好が強まっていますが、事はそう簡単
ではないようです。
昨日米下院で香港人権法案が可決したことを受け、中国政府は直ちに断固反対する
との声明を出しました。
中国外務省は「内政干渉」だとし、法案が成立したら報復措置を講じると発表して
います。法案はこの後、上院で可決後トランプ大統領の署名を経て発効しますが、
今後の通商問題にも影響を及ぼす可能性があり、こじれるようだと、再び制裁関税
引き上げ問題に発展することも予想されます。
今朝の報道では、米上院外交委員長のリッシュ氏は「香港は私にとって優先順位が
高い」として、同法案を迅速に審議する意向を示しています。(ブルームバーグ)

楽観的な見方が支配的だった「BREXIT」もまだゴールは遠いようです。
前日、英国とアイルランドの交渉担当者が合意案の作成に近づいているとの報道が
ありましたが、北アイルランドのプロテスタント強硬派、民主統一党(DUP)が
合意案に抵抗しており、離脱合意は難しいとの認識が広がっています。EU側も修
正された合意案について、税制や補助金、環境基準などの分野でEUの統制が利か
なくなる事態を懸念していると伝えられています。
EU首脳会議は本日から2日間の日程で行われますが、合意案はこの会議に間に合
わない可能性があるとブルームバーグが報じています。

地区連銀経済報告(ベージュブック)が公開されましたが、米経済への見通しをや
や下方修正しています。
報告書は「調査対象企業はおおむね景気拡大が続くと予想しているが、多くの企業
が向こう6-12カ月の成長見通しを引き下げた」と指摘しており、「長引く貿易
摩擦と世界的な景気減速が企業活動への重しとなった」と報告されています。
一方で同報告書は、家計支出は「堅調」だとありますが、昨日発表された9月の小
売売上高は予想に反してマイナス0.3%でした。
市場予想はプラス0.3%で、マイナスを記録したのは7カ月ぶりです。
ブルームバーグは、米経済の主要な柱である個人消費が不安定になり始めているこ
とが示唆され、FRBが今月、3会合連続となる政策金利の引き下げを決定する論
拠が強まった可能性があると報じています。

このような状況の中、昨日のドル円は堅調でした。
堅調というよりも、円が弱いと言った方が適切かもしれません。
ユーロ円は120円台半ばまで上昇し、8月1日以来の水準を回復しています。
また、ポンド円も139円台半ば、豪ドル円も73円台半ばと、いずれも円安傾向
です。市場では総じてリスクオンが続いていると見ることができますが、この状況
がいつ反転するのかわかりません。
トランプ大統領の「ちゃぶ台返し」がいつ起きるのか予想がつかないことから、利
益はこまめに確定していく手法が有利かと思います。
本日のドル円は108円30銭~109円程度を予想しますが、引き続き「200
日移動平均線」を抜くことができるかどうかが注目されます。


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英、EU離脱合意観測高まりポンド全面高 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は続伸。英国とEUの交渉担当者が離脱合意の草案
取りまとめに近づいているとの報道に、リスクオンが強まり、
ドル円は108円90銭まで上昇。
◆ユーロドルも英国のEU離脱合意が近いとの見方から
買われ1.1045までユーロ高が進む、ユーロは対円でも
120円22銭近辺まで上昇し、2カ月半ぶりの高値を付ける。
◆株式市場は大幅に反発。欧州の政治的リスクが後退したことを
好感しダウは一時300ドルを超える上昇。引け値は237ドル高と、
2万7000ドルの大台を回復。
◆リスク選好が進み、債券は続落。長期金利は1.77%台へと上昇。
◆ドル高から金は反落し、原油は続落。

◆10月NY連銀製造業景況指数   →  4.0

本日の注目イベント

◆欧   ユーロ圏9月消費者物価指数(改定値)
◆英   英9月消費者物価指数
◆米   9月小売売上高
◆米   10月NAHB住宅市場指数
◆加   カナダ9月消費者物価指数
◆米   ベージュブック(地区連銀経済報告)
◆米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
◆米  企業決算 → ネットフリックス


イギリスとEUの交渉担当者らが離脱合意の草案の取りまとめに近づいており、15日
中にも事態が打開されるとの期待からポンドが全面高の展開です。一方、リスク選好が
強まり、株価が上昇。長期金利も上昇したことから円は全面安となり、ドル円は109
円には届かなかったものの、108円90銭までドル高円安が進みました。
昨日この欄で指摘したように、この直ぐ上方には重要な「200日移動平均線」があり、
その点も意識されたようです。

米中通商協議では部分合意したものの、中国側は、米国が報復関税を維持する限り年間
500億ドル(約5兆4200億円)相当の米国産農産物の購入は難しいと見ており、
米国側が主張する購入額を達成するのは困難との見方を、事情に詳しい関係者の話とし
てブルームバーグが伝えています。
それによると、中国企業はこれまでに大豆2000万トン、豚肉70万トンをはじめと
する米国産農産物を購入しており、購入を加速させるには、まず関税を撤廃することが
先だといった考えが、中国側にあるようです。
今回の部分合意に関しては詳細を詰め、11月16-17日に南米チリで開催されるA
PEC首脳会議の席で、トランプ大統領と習近平主席が署名する見通しです。ただ、今
回発動が回避された関税が撤廃されるのか、あるいは12月15日に予定されている別
の関税と併せて発動になるのかまだ決まっていないようです。
従って、今後の中国の対応次第ではまだ紆余曲折が十分ありそうです。

IMFは昨日「世界景気見通し」を発表しました。
世界全体の成長率を、7月時点から0.2ポイント下方修正し「3.0%」とし、米国
も0.2ポイント下方修正し「2.4%」にしました。また、日本については今年の成
長率を「0.9%」と据え置いたものの、20年については0.1ポイント引き上げ
「0.5%」とし、中国は今年を「6.1%」、20年を「5.8%」にいずれも下方
修正しています。IMFは四半期ごとに「世界経済見通し」を発表していますが、これ
で5期連続の下方修正となります。IMFのチーフエコノミストは、「減速の同時発生と
不確かな回復に伴い、グローバルな見通しはなお不安定だ。政策ミスの余地はなく、政
策担当者が貿易摩擦を地政学的緊張の緩和で協調することが急務だ」と指摘しています。
(ブルームバーグ)

ドル円は依然として貿易摩擦や、中東の地政学的リスクがありながらも、上昇してきま
した。昨日はイギリスの「ソフトブレグジット」が高まり、ポンドが買われたことによ
る影響があったと思われますが、これまでにも述べてきたように、今月末には日米欧の
金融政策の発表も控えており、相場のボラティリティは上昇する傾向にあります。
昨日もセントルイス連銀のブラード総裁は、米中の貿易摩擦といった経済へのリスクに
備え、金融当局は追加利下げを検討すべきとの考えを示しています。
今月末のFOMCで、25ベーシスの利下げはほぼ間違いないと思われますが、併せて
今回は日銀も何らかの政策変更に踏み切ると予想しています。
今月末に向けて相場が乱高下する可能性は高いと見られます。

本日は109円台を回復できるのかどうかが焦点です。上記「200日移動平均線」も
あり、ある程度の抵抗が見られるでしょう。
109円前後にあると思われるドル売り注文をこなしながら上昇できるかどうかですが、
本日のドル円は108円30銭~109円20銭程度を予想します。


ドル円108円台半ばで推移 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆先週末、米中貿易交渉の一部合意を受け108円62銭まで
買われたドル円は小幅に反落。欧州時間には108円02銭まで
下げたが108円台は維持し、NY時間には108円46銭まで反発。
◆ユーロドルは1.10台前半で小動き。高値は1.1033
◆株式市場は3指数とも揃って反落。先週末に大幅上昇したが、
中国がさらなる交渉を求めていることで今後の交渉難航も
予想されることでダウは29ドル安。
◆債券は続落。長期金利は1.73%近辺まで上昇。
◆金は反発し、原油は反落。

本日の注目イベント

◆豪   RBA議事録
◆日   黒田日銀総裁講演
◆日   日銀さくらリポート公表
◆日   8月鉱工業生産(確定値)
◆中   中国9月消費者物価指数
◆中   中国9月生産者物価指数
◆独   独10月ZEW景気期待指数
◆英   英9月失業率
◆英   カーニー・BOE総裁議会証言
◆米   10月NY連銀製造業景況指数
◆米  企業決算 → シティーグループ、JPモルガン、ウェルズファーゴ、ジョンソン&ジョンソン、ブラックロック
◆米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演
◆米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
◆米   デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演

先週2日間の日程で行われた米中通商協議が「部分的合意」に至ったことで、
市場は一気にリスクオンに傾き、ドル円はこれまで「壁」になっていた108円台
半ばを抜け、108円62銭までドル高が進みました。
株式市場も「部分的合意」を好感し、ダウは319ドル上昇し、ほぼ全面高の展
開を見せ、安全資産の債券は下落し、長期金利が上昇しています。

合意内容は、中国が米農産品を400-500億ドル(約5兆4000億円)輸入
することや、中国を為替操作国に認定している件については今後検討すること。
さらにはファーウェイへの禁輸措置についても、今後協議を行うというものです。
これら「部分的合意」に達したことで、トランプ政権は本来なら本日15日から発
動予定であった中国製品2500億ドルに対する制裁関税を延期することを決め
ています。
「部分的合意」の可能性は予想されていましたが、これまでトランプ大統領は
「部分的な合意はしない」と明言していたことから、合意は難しいと個人的には
予想していました。この辺りの方針変更も、いかにもトランプ流と言えます。最初
に脅しをかけ、その後相手の出方を見極めながら、手綱をゆっくりと緩めていくや
り方です。

昨日は先週末と異なりややリスクオンの流れが後退しました。
中国側が詳細を詰めるためのさらなる協議を早ければ今月末にも持ちたい意向
を示し、習近平主席が署名に合意するのは、その後だと主張しているようです。
また、米国は本日発動する予定だった関税引き上げを見送りましたが、12月に
予定している関税引き上げについては保留しています。中国側はこの関税引き
上げも撤回を望んでいると、ブルームバーグは報じています。
ムニューシン財務長官は14日にCNBCとのインタビューで、米中が第一段階の
合意署名できるよう両国当局者が今後数週間かけて作業する。これが実現しな
ければ、12月15日に予定している追加関税の発動に踏み切ると述べています。
同時にムニューシン氏は、トランプ氏と習氏が来月チリで開かれるサミットで最終
合意する見通しだとも述べています。

米中貿易戦争については、ひとまず最悪の事態は避けられることになりましたが、
EUに対する関税引き上げは18日に発動される予定で、さらに米国はトルコに対
する鉄鋼関税を50%に引き上げるとともに、貿易協定を巡る交渉を停止すること
を明らかにしています。目先の最大の貿易摩擦は回避できましたが、まだ米国で
発生した「関税引き上げ」という嵐は猛威を振るいそうです。

ドル円は108円台半ばを超え、さらには「120日移動平均線」も超えてきました。
円高材料が多く見られる中、テクニカルの示唆が優勢な展開です。
次の上値のメドは「200日移動平均線」がある、109円前後ということになります。
本日のレンジは108円~108円70銭程度を予想します。


ドル円一時108円台を回復 

ひと目で分かる昨晩の動き 

NY市場

◆ドル円は米中通商協議への楽観的な見方が強まり一時
108円台を回復。トランプ大統領が中国の劉鶴副首相と
会うとツイートしたことで協議の進展期待が強まった。
◆ユーロドルは反発。ECBのQE観測が弱まり、ユーロ買い
ドル売りに1.1033までユーロ高が進む。ユーロは対円でも
9月20日以来となる118円台後半まで上昇。
◆米中通商協議を巡る好材料に株価は続伸。ダウは150ドルを
超える上昇。他の主要指数も揃って続伸。
◆債券相場はリスクオンの流れが強まり続落。長期金利は
1.66%台へと大幅上昇。
◆金は反落し、原油は4日ぶりに反発。

◆9月消費者物価指数   →  0.0%
◆ 新規失業保険申請件数  →  21.0万人

本日の注目イベント

◆独   独9月消費者物価指数(改定値)
◆欧   国際エネルギー機関(IEA)月報
◆米 9月輸入物価指数
◆米   10月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
◆米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
◆米   ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
◆米   カプラン・ダラス連銀総裁講演
◆加   カナダ9月就業者数
◆加   カナダ9月失業率

引き続き錯綜する米中通商協議を巡る情報に振らされる相場が続いています。
昨日の東京時間朝方には、香港紙が「次官級協議では進展がなかった」と伝
えたことから、ドル円は107円近くまで売られましたがそこから切り返し、
今度は15日発動予定の「中国製品に対する30%の関税賦課を延期する可
能性がある」との一部報道に、107円80銭前後までドルが急進。
さらにNY時間には、トランプ政権が中国のファーウェイに対し、機密保持
の必要性の低い製品を供給するライセンスを一部米国企業に与える方針だと
の報道に、欧州時間では下落していたドルが再び上昇。トランプ氏が劉鶴副
首相と会うとツイートしたことで108円台までドル高が進む展開でした。

トランプ氏は、「中国との交渉において重要な日だ。彼らは取引を望んでい
るが、私はどうだろうか。私は明日、ホワイトハウスで副首相に会う」とツ
イートしています。また、初日の協議についても、「非常にうまく行った」
述べ、「われわれはここで明日彼らと会うだろう。極めて順調だ」と、記者
団に話しています。ただ、米中は共に、まずは部分的な合意を取りまとめ、
双方の立場に大きな開きがある問題はその後に議論することにしているよう
に見受けられる。(ブルームバーグ)との見方もあり、トランプ氏の口からは
15日発動予定の関税引き上げについては言及がありません。米中協議に楽
観的な見方が急速に強まり、各金融市場ではリスクオンの流れに傾いていま
すが、まだ予断は許しません。
協議は日本時間明日の朝方に終える予定ですが、ワシントン時間土曜日にト
ランプ氏が突然想定外の発言を行い、翌週の月曜日には市場が大混乱したこ
とは記憶に新しいところです。安心仕切るのはまだ早いでしょう。

昨日はBREXITに関しても進展がありました。
ジョンソン英首相とアイルランドのバラッカー首相はEUからの離脱条件の
合意へ「道筋」が見えるとの見解で一致しました。
両首相はイングランド北西部で1対1の会談を行い、会談は2時間半に及び
ました。声明では、両国ともに「離脱合意を成立させることがあらゆる関係
者の利益にかなうと引き続き確信している」と言明し、「合意への道筋が見
込めるとの点で一致した」と述べています。この声明を受けてポンド円は1
31円台前半から2円ほど上昇しています。

ドル円は一時は108円台まで乗せましたが、この水準には「120日移動
平均線」があり、前回10月1日にも上昇を抑えられた経緯があります。
昨日もこの水準で一旦上昇が止まっており、市場参加者が意識している証か
と思います。先ずはこの水準を抜けるかどうかが注目され、抜けたら今度は
さらに重要なレジスタンスである108円台半ばが抜けるかどうかが焦点で
す。この水準を抜けば、ドルが上昇トレンドに弾みをつける可能性があると
予想しています。108円~108円台半ばにはドル売り注文が集まってい
ることは想像に難くありません。従って、それらの売り注文をこなすだけの
材料が必要です。
一方で、その水準を超えた所には「ストップロスのドル買い」もあると見ら
れ、抜けると以外に上昇が早い可能性もあります。
全てはワシントンでの協議次第です。

本日のドル円は107円50銭~108円50銭といったところでしょうか。


中国、一部合意を排除しない 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は上昇し、107円63銭まで買われた。通商協議で中国が部分的な合意を受け入れることを排除しないと一部のメディアが報じたことが材料となり円が売られた。

  • ユーロドルは小動き。1.09台半ばから後半で推移し、値幅も16ポイント程度に収まる。

  • 株式市場は米中通商協議に部分合意の可能性が出てきたことで主要指数は反発。ダウは181ドル上昇し、VIX指数も低下。

  • 債券相場は反落。長期金利は1.58%台へと上昇。

  • 金は続伸し、原油は小幅ながら3日続落。

本日の注目イベント

  • 独 8月貿易収支
  • 独 8月経常収支
  • 英 8月鉱工業生産
  • 英 8月貿易収支
  • 欧 ECB議事要旨
  • 欧 OPEC月報
  • 米 9月消費者物価指数
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
  • 米 米中閣僚通商協議(11日まで)

昨日この欄で述べたように,足元の金融市場は、為替も含めて米中協議に関する情報がネガティブがポジティブかで方向が決まる展開が続いています。昨日のNY時間では一部メディアが、中国は米国との部分的な貿易協定への合意をまだ排除していないと伝えたことが材料視され、本日から始まる米中通商協議への楽観的な見方が広がり、ややリスクオンに傾いています。また、英フィナンシャルタイムズ(FT)は、中国が米国産大豆の購入を年3000万トンと現在の2000万トンから増やすことを提案していると、事情に詳しい関係者の話を基に報じています。

ただ米中協議の合意については、これまでトランプ大統領は「部分的合意」に否定的で、米国の望むところではないと繰り返し述べています。従って、この報道をそのまま鵜呑みにするわけにもいきません。中国共産党機関紙・人民日報系の新聞である「環球時報」は論説で、「貿易協議が開かれるたびに最善の結果を目指して努力する必要はあるが、新たな緊張を恐れずにわが国の中核的な利益を守ることも大事だ」と述べており、「貿易戦争の終了時期は中国が決めることではない」と論じ、中国側は既に譲歩しており、ボールは米国側にあることを主張しています。また先行して行われた次官級協議では、中国側は強制的な技術移転への対処を拒否し、中国政府の補助金問題の協議も避けられたと、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が報じています。(ブルームバーグ)

先月17-18日に開催され、25ベーシスの利下げを決めたFOMCの議事録が公開されました。議事録では、「経済活動の見通しに対する下振れリスクは7月会合以降に幾分か強まり、貿易政策に関する不透明感や海外事情に起因するものが顕著だというのが、参加者の全般的な判断だ」と記述されていました。また市場の追加緩和期待と当局者の政策見通しに隔たりがあることに、「数人の参加者」が違和感を覚えつつあったことも示されており、参加者の金利予測もばらばらであったと記述されています。

それでも昨日のドル円は1週間ぶりのドル高水準まで上昇しています。本稿執筆時には、上記サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙のニュースに反応したのか、107円近辺まで押し戻されていますが、いずれにしても明確な方向感はなく、106円台半ば~107円台半ばでのもみ合いになっています。本日からは閣僚級の協議が始まります。個人的には合意の可能性は極めて低い状況ですが、それでも景気減速が鮮明な中国としては、米国による30%の関税賦課は避けたいところ。一方のトランプ政権も、弾劾調査問題や製造業を中心に景気後退の足音が聞こえる状況の中、貿易戦争の激化で景気悪化の種を撒くことは避けたいといった事情もあります。トランプ氏自身にとっても、来年の大統領選を巡る戦いではバイデン候補を攻撃している間に、ウォーレン候補の台頭が著しく、直近の調査では支持率ではトップになっている模様です。ここで、効果的で勝利を手繰り寄せるホームランも欲しいところです。協議に関する報道を注視したいと思います。本日のドル円は106円70銭~107円70銭程度を予想します。

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