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ドル高、G20では懸念を示すにとどまる 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆ドル円は引き続き底堅く推移。G20閉幕後の鈴木財務相の会見には
反応せず、NY連銀総裁のコメントではドルが買われ154円68銭まで上昇。
◆ユーロドルも大きな動きはなく、1.06台半ばから後半で推移。
◆株式市場は連日上値の重い展開が続き、3指数はまちまち。
◆債券は反落。長期金利は4.63%台に上昇。
◆金は反発し、原油は横ばい。

◆新規失業保険申請件数        →  21.2万件
◆3月景気先行指標総合指数      →  -0.3%
◆3月中古住宅販売件数        →  41.9万

本日の注目イベント

◆日  3月消費者物価指数
◆日   植田日銀総裁講演(ワシントンDC)
◆独   独3月生産者物価指数
◆英   英3月小売売上高
◆米   グールズビー・シカゴ連銀総裁、質疑応答に参加
◆米  企業決算 → P&G、アメックス


昨日の昼前、財務省の神田財務官がワシントンで開催されたG7
(G20ではなく)で、「為替の過度な変動は経済に悪影響を与
えるとしたコミットメントを共同声明で再確認した」と記者団に
語ったと報じられました。このニュースにドル円は一時154円
台を割り込む動きを見せましたが、直ぐに154円台に押し戻さ
れました。市場はこの種のニュースに敏感になっており、注目は
ドル高が「G20」の議題に採用されるのかどうといった点でし
た。その「G20」では、為替は議題にはならなかったようで、
鈴木財務相は「G20」閉幕後の記者会見で、「為替は金利差だ
けで決まるわけではない」と述べ、「さまざまなことが要因にな
っている」と発言しました。為替が金利差以外のさまざまな事象
に影響されることは、多くの市場参加者は十分理解しており、会
見での発言はほとんど意味がなかったようです。
為替は金利差以外の要因でも決まりますが、「金利差が最も大き
な要因」であることも事実です。

ワシントンでの財務相の発言では動かなかったドル円でしたが、
FOMCメンバーの発言、特に昨日はNY連銀のウィリアムズ総
裁の発言でドルが買われる場面がありました。ウィリアムズ総裁
は司会者から「利上げの可能性」を聞かれて、「金融政策は良い
位置にいる。利上げは自分の基本的なシナリオではない」としな
がらも、「金融当局のインフレ目標を達成する上で経済データが
正当化する場合は、利上げもあり得る」と答えています。
また総裁は講演でも、「現行の金融政策を維持すれば、徐々にわ
れわれの目標に近づいていくだろう。利下げの緊急性は全く感じ
ていない」と話していました。

この発言を受け米金利が上昇し、ドル円は154円68銭までド
ル高が進んでいます。
またウィリアムズ総裁以外にも、タカ派のミネアポリス連銀のカ
シュカリ総裁は、「米金融当局が利下げに踏み切る前にインフレ
が減速していると確信を強める必要があり、利下げを2024年
より後に遅らせる可能性もある」とFOニュースの番組で話して
います。
さらに、年内の利下げを1回と予想しているアトランタ連銀のポ
スティック総裁も、「インフレ率は高すぎる。2%の目標まで引
き下げる必要がある。忍耐強い姿勢で臨むことに違和感はない」
と述べています。パウエル議長が3月7日の議会証言で、「今か
ら遠くないその時点で、景気抑制の度合いを巻き戻し始めるのが
適切になるだろう」と発言し、利下げはそう先のことではないと
受け止めた市場がドル売りで攻めたことで、この時ドル円は14
7円台前半まで下げました。その後インフレの再燃を示唆する経
済指標が相次ぎ、利下げは年内1回との発言や、利下げ開始は2
025年といった見方も出てきました。
さらに上述のように、データ次第では利上げも排除できないとの
認識を示すメンバーも出て来ており、特に12ある地区連銀の中
でも「別格」であるNY連銀の総裁が上記の発言を行ったことは
影響もありそうです。

イランがイスラエルへの報復攻撃を行ったことで一段と緊張が高
まっている中東情勢ですが、イスラエルのネタニヤフ首相はイラ
ンへ報復する方針を改めて示しています。
ネタニヤフ氏は、「自衛のために必要なことはすべてする」と述
べ攻撃の準備をしているとの報道もあります。一方イランのアブ
ドラヒン外相は国連の安保理で、「イスラエルがイランの権益に
対するさらなる軍事行動をやめることに同意すれば、イランには
イスラエルとの緊張緩和を図る用意がある」と述べています。
高度な軍事力を有するイスラエルと今後戦闘をさらに激化するの
は得策ではないと考えているふしもありそうです。

ドル円は依然として155円をうかがう状況のようです。「G2
0」や「日米韓財務相会談」を終え、さらに今日は週末です。
仮に155円に近づく動きがあるようなら、「実弾介入」には注
意が必要です。155円を突破するようだと、152円の時もそ
うでしたが、上昇に勢いが付くからです。その場合、これまで以
上に介入の可能性は高まってくると思われます。

本日のドル円は154円~155円50銭程度と予想します。



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ドル円、G20を前に上昇一服 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆ドル円は上昇が一服。米金利が低下したことや、本日から
開催される「G20」でのドル高是正議論への警戒などで
154円17銭まで下落する場面も。
◆ユーロドルも下げが一服し、1.06台でもみ合う。
◆株式市場は3指数が下落。半導体銘柄の下げがきつく、
ナスダックは181ポイント下落。
◆債券が反発。長期金利は4.58%台に低下。
◆金は5日ぶりに反落。原油も大きく売られ82ドル台に。

本日の注目イベント

◆豪   豪3月雇用統計
◆台  企業決算 → TSMC
◆米   新規失業保険申請件数
◆米   3月景気先行指標総合指数
◆米   3月中古住宅販売件数
◆米   ボウマン・FRB理事、2つの討論会に参加
◆米   ウィリアムズ・NY連銀総裁、討論会に参加
◆米   ボスティック・アトランタ連銀総裁、2つの討論会に参加
◆米  企業決算 → ブラックストーン、ネットフリックス


連日上値を切り上げて来たドル円は、節目の155円を前に上昇も一
服でした。この日は154円71銭を高値にドルが売られ154円1
7銭まで下げましたが、それでも154円台は維持しています。
米長期金利が低下したことや、本日からワシントンで開催される「G
20」で、ドル高が議題に上る可能性があることも意識され、ひとま
ずポジションの一部が巻き戻されたものと見られます。

「G20」に参加するためワシントンを訪れている鈴木財務大臣は1
7日、日米韓の3カ国による財務相会合を初めて開きました。
3氏は為替についても意見交換を行った模様です。
ブルームバーグによると、共同声明には「最近の急速な円安およびウ
ォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識しつつ、既存の20カ国・地
域(G20)コミットメントに沿って、外国為替市場の動向に関して
引き続き緊密に協議する」という文言が盛り込まれたと伝えられてい
ます。この問題がこのまま「G20]での議題に移行するのかどうか
は分かりませんが、会談後、鈴木財務相は「急激な円安、ウォン安に
ついて認識を共有した」と述べ、「為替で具体的にどうゆう対応をす
るのかについてはコメントを控える」と語っています。
また、同行している神田財務官も、「円安、ウォン安への認識共有を
声明文で明記することは、最近ではなかったことだ」と強調していま
す。共同声明に盛り込まれた「深刻な懸念」は、英語で「serious c
oncern」と明記されたようです。円だけではなく、ウォンやブラジル
・レアルなど新興国通貨も大きく下落していることから、足並みを揃
えて米国に対してドル高是正を要求する可能性もないとは言えません
が、その可能性は低いと思われます。そもそも仮に「実弾介入」があ
ったとしても、ドル高の「主原因」である米国のインフレが鈍化する
ことが不可欠です。米国を巻き込んだ「協調介入」はないとは思いま
すが、日本の通貨当局とすれば、せめて日本の「単独介入」には米国
が理解を示すという「言質」だけは確保しておきたいはずです。

ドイツ証券は昨日「ドル円レートは、日米金利差よりも、日米の金融
緩和度合いに違いの影響を強く受ける」という内容のレポートを発表
しています。レポートでは「足許のドル円レートは、米国の利下げ期
待の後退によるドル高の影響が大きいが、年初からの主要通貨の対ド
ル変化率を比較すると、主要通貨に対して円安が進んでいる。
この間、日銀はマイナス金利の撤廃を含む大規模緩和の終了を決定し
ている。それにも関わらず、円安の方が大きい背景として、日銀がマ
イナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持することを強調したこと
で長期金利の上昇が相対的に抑えられている一方、予想物価の上昇率
や潜在成長率が緩やかに上昇することで、金融緩和が強化されている
ことが挙げられよう」と分析しています。インフレ率や貿易環境、成
長率など、総合的に考えられる「円の実力」は130円とも140円
とも言われていますが、実力以上に大きく売られている足元の円の水
準を理解する上で一理あるかと思われます。ただ為替は、市場の持つ
センチメントも非常に重要で、センチメントが加速するエネルギーは
想像を超えます。「ドルが上がるから買う。買うからまた上がる」と
いったモメンタムも非常に重要な要素かと思います。

本日のドル円は153円20銭~155円程度を予想します。
「G20」を前に、利益確定の売りに押されるのか、あるいは再び1
55円をテストするのか、目が離せません。


ドル円、急落するも154円79銭まで続伸 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 介入警戒感を残しながらもドル円の上昇は止まらず。NYでは朝方、153円台後半まで急落したがその後反発。154円79銭までドル高が進む。

  • ユーロドルも下値を切り下げ、1.0602まで下落。

  • 株式市場はまちまち。ダウは7日ぶりに小幅高。他の2指数は小幅安で引ける。パウエル議長の発言が重石に。

  • 債券は続落。長期金利は一段と上昇し、4.66%台に。

  • 金は続伸し、初の2400ドル台に。原油は小幅に続落。

本日の注目イベント

  • 日 3月貿易統計
  • 欧 ユーロ圏3月消費者物価指数(改定値)
  • 英 3月消費者物価指数
  • 英 ベイリー・BOE総裁講演
  • 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
  • 米 G20財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン)
  • 米 ボウマン・FRB理事講演
  • 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
  • 米 企業決算 → アルコア

前日のNYでのドル高を受け昨日の東京時間も154円台半ばまでドルが買われる場面もありましたが、政府日銀からは「なしのつぶて」。市場関係者の間にも介入レベルを上方修正する動きも出ており、聞こえてくるコメントはドルに対してかなり強気の内容に変わってきました。幾つか紹介すると、JPモルガンのプライベートバンキング部門と、バンク・オブ・アメリカは「160円が次の節目になる可能性がある」と見ており、三菱UFJモルガンスタンレー証券のチューフストラテジストは、「155円を超えれば介入の可能性が高まるが、なければ1990年4月の水準である160円20銭まで円が下落する可能性がある」とコメントしています。またシンガポールの「ストーンXファイナンシャル」の通貨トレーダーは、「ファンダメンタルズに何らかの変化が起きない限り、次は160円というのがもっともらしいシナリオだ」と話しています。(ブルームバーグ)

このように、介入警戒感が高まりながらも何ら動きがないことを踏まえて、市場のセンチメントも含め、かなり「ドルブル」に変わってきたと言えます。昨日のNYでは朝方、154円75銭前後からドルが急落し、一時は154円台を割り込み「すわぁ、介入か」と思わせる場面もありましたが、その後直ぐに154円79銭まで反発しています。介入であれば、1円程度の急落で収まるはずがないことは、多くの市場参加者が知っており、1円程度で下げ止まったことを見て、再びドル買いに転じたようです。

昨日はパウエル議長の発言がドル買いにつながったようです。議長はワシントンで行われたカナダ中銀のマックレム総裁とのパネル討論会に参加し、「最近のデータがわれわれの確信を深めるものでないことは明らかで、それどころか確信を得るには想定以上の時間がかかる可能性が高いことを示唆している」と語り、「労働市場の強さと、これまでのインフレ面での進展を踏まえると、景気抑制的な金融政策が作用する時間をさらに与え、当局としてデータと変化する見通しを指針とすることが適切となろう」と発言しました。これまでFOMCメンバーの中でも「最もハト派寄り」と見られていた議長でしたが、さすがに相次ぐ指標の上振れを受け、利下げ開始見通しを後ずれさせたようです。またジェファーソンFRB副議長も講演で、「政策金利を現行水準で据え置いたままでインフレは一段と鈍化し、労働市場は需給バランスの改善が続く中で強さを維持するというのが、引き続き私のシナリオだ」と述べ、「もちろん先行きはなお非常に不透明であり、インフレが現在私の想定よりも根強いことが今後入手するデータで示唆されれば、現行の景気抑制的な政策スタンスをより長期にわたって維持するのが適切となろう」と、両者とも今後のデータ次第であるとの認識を示しました。

足元では、市場のコンセンサスは7月会合での利下げ開始と、年内2回の利下げに収斂されつつありますが、今後さらに指標が上振れするようだと「年内利下げなし」、あるいは「追加利上げ」の可能性も全く夢物語ではなくなり、その場合ドル円は160円に向うことにもなりそうです。もちろん、現時点ではその可能性は非常に低いと思われますが、今後インフレ指標がさらに重要な鍵を握ることになります。どうやらこのままでは155円台まで「実弾介入」は見られない可能性が高まってきました。筆者は少なくとも政府日銀は、155円までには介入に踏み切ると予想していましたが、まだわかりませんが、予想は外れることになりそうです。口では市場をけん制する必要から、かなり強めの口調でしたが、足元の円の動きは必ずしも「円独歩安」というわけではありません。ここに来て、ユーロやポンドなどもドルに対して下げ足を速めており、「ドル独歩高」という言い方が適切な状況です。ここで当局がドル円で「円買い・ドル売り」を行えば、米財務省から「為替操作国」と見なされるリスクもあります。明日からワシントンで始まる「G20」でトルコ、ブラジル、メキシコなど新興国と歩調を合わせ、「ドル高是正」にスクラムを組めるのかが重要かもしれません。「実弾介入」の準備は出来てはいるものの、そのタイミングが難しいということでしょうか。155円台はすぐそこに迫っています。

本日のドル円は153円50銭~155円50銭程度を予想します。

ドル円154円台半ばまで続伸 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆ドル円は大きく続伸。ジリ高の中、NYでは154円台に乗せ、
米金利が上昇したことで、154円45銭まで上昇。
◆ユーロドルはわずかに続落し、1.0621を付ける。
◆金利上昇を嫌気し、株式市場はほぼ全面安の展開。ダウは6日続落し、
ナスダックは290ポイント下げ1万6000の大台を割り込む。
◆小売売上高の上振れを受け、債券は反落。長期金利は4.6%台に乗せる。
◆金は続伸。原油は小幅安。

◆4月NY連銀製造業景況指数   →  ―14.3
◆3月小売売上高         →  0.7%
◆4月NAHB住宅市場指数    →  51

本日の注目イベント

◆中   中国3月小売売上高
◆中   中国3月鉱工業生産
◆中   1-3月GDP
◆独   独4月ZEW景況感指数
◆英   英3月失業率
◆英   英ILO失業率(2023年12月-24年2月)
◆欧   ユーロ圏2月貿易収支
◆英   ベイリー・BOE総裁講演
◆米   3月住宅着工件数
◆米   3月建設許可件数
◆米   3月鉱工業生産
◆米   3月設備稼働率
◆米   IMF世界経済見通し(WEO)
◆米   ジェファーソン・FRB副議長講演
◆米   ウィリアムズ・NY連銀総裁、討論会で司会
◆米   パウエル・FRB議長、討論会に参加
◆米   バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
◆米  企業決算 → J&J、BofA、モルガンスタンレー
◆加   カナダ3月消費者物価指数

ドル円はついに155円が視野に入る水準まで上昇してきました。
米3月の小売売上高が前年同月比で「0.7%」と市場予想を上回
り、2月分も速報値の「0.6%」から「0.9%」に上方修正さ
れました。
底堅い消費需要が、驚くほど堅調な米経済成長を支える構図が明確
になり、FRBによる利下げ開始のタイミングをさらに遅らせると
いった見方に米金利が上昇。ドル円は154円45銭まで買われま
した。個人投資家も注目する「実弾介入」はこの日も見られず、ド
ルの買い方にも微妙に安心感も出て来ている状況です。
昨日も個人投資家からは「介入はないのか」、「政府日銀は何やっ
ているのだろう」と言った、問い合わせが筆者にも何件かありまし
た。これまで何度も繰り返してきた、「行き過ぎた動きに対しては
あらゆる手段を排除せずに適切な対応を取る」といった言葉がむな
しくなるなばかりです。

シカゴ通貨先物市場では、円売りのポジションがおよそ17年ぶり
の高水準に積み上がっており、このポジションの推移も当局の「介
入決断の一つの材料」になるはずですが、まだ動く気配はありませ
ん。米大手資産運用会社の「ティー・ロウ・プライス」のグローバ
ル債券ポートフォリオ・マネージャーは、「現時点で大幅な円高は
日本の利益にならない。債務の持続可能性を巡る懸念があるため、
利上げするにしてもあまりにも大幅な利上げは望んでいないだろう
」と述べ、その上で、「円相場は引き続き下落し、さらに10%下
げて1980年代以降の水準に沈む可能性がある」と述べています
(ブルームバーグ)かなり衝撃的なコメントですが、ここからさら
に10%となれば、170円に近づくことになります。筆者は個人
的には「ドル高論者」です。当社で開催しているセミナーでは日ご
ろから「長期、例えば5年~10年先を見るのであれば、170-
180円もないことはない」と話しており、基本的には支持したい
と思いますが、それはあくまでも「長期スパン」で見た場合で、こ
のコメントは現実的ではないと思われます。
上記「債務の持続可能性を巡る懸念」というのは、日本の国債発行
残高が巨額であることを指しているものと思われ、大幅な利上げは
債務に関わる金利負担が増えるため大幅な利上げができないという
論法かと思いますが、仮にドル円が170円に上昇するようなら、
日本のインフレも高水準となり、大幅な利上げは避けられないと思
われますが、どうでしょう。


先週の消費者物価指数(CPI)の発表以来、景気の拡大を示唆す
る経済指標が相次いでいます。
そのため、FRBによる景気抑制政策の転換が後ずれになるとの見
方は市場を席巻し、FOMCメンバー自身の口からも出て来る状況
です。
NY連銀のウィリアムズ総裁はそのような状況の中でも、年内の利
下げ開始を支持していました。総裁はブルームバーグ・テレビジョ
ンとのインタビューで、「金利をより正常な水準に戻すには、どこ
かの時点でプロセスを開始する必要があり、私自身の見解では、そ
のプロセスはおそらく今年開始されるだろう」と話し、インフレが
徐々に低下し続ければ、年内に利下げを開始する可能性が高いと指
摘しています。
市場の動きを見ると、高水準の指標が相次いだことで、市場関係者
には利下げ後ずれの「バイアス」がかかっている状況に見えます。
米株式市場も「調整局面」に入って来た感もあり、期待される資産
効果も減速すると見ています。いつものことですが、市場はオーバ
ーシュート気味になっていることも想定されます。

ここまで来たら、やはり次のメドは155円です。「それまでは介
入はない」という見方も徐々に増している雰囲気ですが、ここはや
はり最大限の注意が必要と考えます。
本日のドル円は153円30銭~155円程度でしょうか。
投機筋のポジションの偏りと節目の155円。本日はパウエル議長
も討論会に登場する予定で、発言にも注意したいところです。


ドル円リスク回避で売られるも底堅い 

ひと目で分かる昨晩の動き  

NY市場

◆ドル円は日本時間夕方に153円39銭まで買われたが、
NYでは朝方からリスク回避の円買いが加速。一時152円60銭まで
売られたが、その後は153円台前半まで反発。
◆ユーロドルは続落。1.0623近辺まで売られ、昨年11月3日
以来となる安値に沈む。
◆株式市場では3指数が大幅安。イランがイスラエルを攻撃したことで、
中東情勢が一段と緊張するとの見方からダウは475ドル売られ、およそ
3カ月ぶりに3万8000ドルの大台を割り込む。
◆債券は反発。長期金利は4.52%台に低下。
◆金は小幅に続伸。原油も買われたが、現時点では中東情勢の
影響は限定的。

◆3月輸入物価指数               → 0.4%
◆3月輸出物価指数               → 0.3%
◆4月ミシガン大学消費者マインド(速報値)   → 77.9

本日の注目イベント

◆欧   ユーロ圏2月鉱工業生産
◆米   4月NY連銀製造業景況指数
◆米   3月小売売上高
◆米   4月NAHB住宅市場指数
◆米   ローガン・ダラス連銀総裁、パネル討論会に参加(東京)
◆米   デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
◆米  企業決算 →  ゴールドマン

中東情勢が一段と不透明さを増してきました。
予想されてはいましたが、イランがミサイルと無人機を使ってイスラエル
を攻撃しました。イラン国内からは1000キロも離れているイスラエル
を攻撃したのは初めてですが、その多くは迎撃され、死亡者は出ていない
模様です。

中東での緊張の高まりを背景にドル円はNY時間朝方には152円60銭
まで売られ、株価の大幅下落もあり「リスク回避の円買い」が進みました
が、その後は再び153円台前半まで反発しています。ドル円はその前に
は東京時間夕方に153円39銭まで上昇する場面もあったことから、週
末の海外市場でもしかしたら「実弾介入」もあるのではないかと予想して
いましたが、杞憂に終わったようです。「リスク回避の円買い」が一時的
なものなのかどうか、注意深く見て行く必要があります。中東情勢がさら
に混迷を増すようだと、「金と原油」が買われそうですが、原油高が続く
ようだと、むしろ円売り材料と見られるかことから、それほど円買いが進
むとは考えにくいと思われますが、どうでしょう。

G7首脳は14日、緊急のテレビ会議を行い、イスラエルに対する直接的
かつ前例のない攻撃を「最も強い言葉で」非難しています。
G7は共同声明で、「イスラエルに対する全面的な連帯と支援」を表明し
ましたが、直近まで欧米からは「ネタニヤフ氏の独裁」と、強い口調でパ
レスチナ自治区ガザにおける非人道的行為を非難していましたが、やや風
向きが変わってきたのかもしれません。そもそも今回のイランの攻撃は、
今月1日にシリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館を攻撃し、イラン
軍将校が死亡したことに対する報復です。依然としてガザ地区への攻撃を
続けるイスラエルに対するG7諸国の対応にもやや疑問を感じます。
ハマスは、米国がエジプト、カタールが仲介する停戦案について「最新の
戦闘休止案を拒否した」と発表しています。一方イスラエルでも、「米政
府から数週間にわたって非人道的行為を批判されてきたが、イスラエル国
民は再び一体感を取り戻した」(ブルームバーグ)との見方もあります。


今週18日(木)からワシントンで「G20」が開催されます。
昨日の日経新聞は、この会合で「ドル高」が議題になるのではないかと報
じていました。「ドル一強」が続く中、円はもとより、トルコリラ、イン
ドネシアルピー、フィリピンペソなどが大きく売られています。とりわけ
新興国では通貨安によるインフレを懸念する声が高まっていると報じられ
ています。今回の機会を利用して鈴木財務相が、ドル売り介入に理解を求
める可能性も指摘されています。
もしそうだとしたらそれまでは、政府日銀の「実弾介入」は控えられるこ
とも想定されます。
ただ、インフレ再燃に直面している米国にとって、「ドル高」はインフレ
抑制には、金利引き上げに相当する効果もあり、そう簡単に首を縦に振る
ことは出来ない相談かとは思います。少なくとも米国も巻き込んだ「協調
介入」といったことにはならないでしょう。

先週末にも多くのFOMCメンバーが講演などで米金融政策の今後の在り
方について触れていましたが、ほぼ全てのメンバーが「利下げを急がない
」というスタンスで一致しています。これで6月会合での利下げは消滅し
たと思われますが、年内1回なのか2回なのか、あるいは年内はゼロなの
か、今後のデータ次第であり、ドルの水準もこれで決まってきます。

本日のドル円は152円50銭~153円80銭程度を予想します。


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