米景気回復期待からドル続伸。
1926年創業ですから今年で83年目になります。
米クライスラーがついに83年間の歴史に幕を閉じます。
先日、日経新聞の「大機小機」で興味深い記事を見つけました。
米ビッグスリーの凋落の理由を「経営トップの意識の違いと」指摘しています。
筆者はこれらトップに会った時の印象を、「売上や利益を高める計画はどんどん
口をついて出てくるが、生産現場の泥臭い話や開発秘話などはほとんどなかった。」
と記述しています。
そして最後に、日本のホンダと比較して、「6月に新社長に就く伊東孝紳氏を含め、歴代社長
の全員が研究開発部門である本田技術研究所のトップ経験者だが、GMのトップは3月に
辞任したワゴナー氏まで4人中3人が財務部門の出身だ。」と分析し、
「自動車メーカーの盛衰を決める環境技術で開いた差は、決して偶然ではない。」
と断じていました。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は欧州市場の流れを受け、ドル高円安で推移、一時99円54銭と2週間ぶりの水準まで
ドルは上昇。 - 4月ISM製造業景況指数は40.1と市場予想を大きく上回っており、4か月連続の
改善を示す。 - 4月ミシガン大学景気信頼感指数(確報値)→65.1(速報値を上方修正)
- 米経済指標の改善をうけNYダウは終始プラスで推移し、大引けは44ドル高と8200ドル台を回復。
- 米景気回復の期待感から原油価格は大幅に上昇、3月末以来となる53台での引け。
本日の注目点
- 欧 ユーロ圏財務相会合
- 米 3月中古住宅販売留保
先週水曜日には、ストレステストの結果大手米銀に資本注入の必要がある、クライスラーが破たん
などの一部メディアのニュースを背景にドル円は95円台半ばまで円高が進みましたが、その日の
NY市場ではほとんど材料視されず、米経済指標の改善を元にドルは大きく値を戻しています。
週末の欧州では一時99円58銭までドル高が進んでおり、ドルの底堅さを強く印象づけています。
結局、上記材料はすでに織り込まれており、米経済の回復を先取りした形でドルへの資金流入が
続き、同時に失業率の悪化など日本のファンダメンタルズの悪さに改めて注目したことが
原因のようです。
米経済指標は先月あたりからまだら模様ではあったものの改善傾向を示すようになってきました。
住宅関連にその傾向が顕著に確認され始めた訳ですが、先週末のISM製造業景況指数も
大幅な改善を見せ、米景気の底入れ期待が広がりました。
4月のISM指数は40.1と好不況の分かれ目の50を下回ったものの、これで4ヶ月
連続の改善で、在庫調整が進み新規受注が伸びていることを示しています。
テクニカル的にも、日足で見ると200日移動平均線を上抜けし、その上の21日移動平均線も
抜けてきました。
またMACDでもゼロの軸付近でゴールデンクロスをしそうな気配です。
このような状況をみると、ドルショートには分が悪く、100円を超える水準では
ストップロスも誘発し、ドル上昇に弾みがつきそうです。
ドル下落の要因として考えられるのは、ストレステストの結果、噂されているシティーとバンカメ
以外の「大手銀行への資本増強が必要」いう事態になることであろうか。
現状では上記2行のみというストレステストの結果ではドル売りに繋がらない可能性が高いと
思えます。
今週は週末に米雇用統計、7日にはECB理事会、また注目のストレステストの結果も
早ければ今週にも公表されます。
ドル円、ユーロ円ともにレートが大きき動く可能性が高いと思われます。
明確なトレンドがつかめない中、目先円安傾向が優性かと思います。ここは流れに沿って、
「順張り」で臨むのが得策です。
明日5月5日(火)のデイリーコメントはお休みさせていただきます。
5月6日(水)より通常どおりとなりますのでご了承ください。
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- [2009/05/04 09:49]
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