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追加緩和の思惑から円再び80円台後半に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル売りの流れが再び強まり、円も2日振りに81円台を割り込み
    80円86銭まで上昇。
  • FRBがディーラーや投資家に対して国債購入策の規模などについて
    聞き取り調査をしたとの報道も手ががりに。
  • ドルはユーロ、豪ドルなどの上昇に伴い下落、来週のFOMCでの
    買い取規模が改めて大きいとの見通しもドル売りに作用。
  • 株価は日中大幅に下落したが引けにかけて買い戻しも入り、ダウは
    12ドル安と続落。ナスダックは小幅に反発。
  • FOMCを巡る思惑から債券相場は8営業日振りに上昇。長期金利は
    2.6%台に下落。
  • このところ調整を続けていた金は大幅反発。原油価格は小幅に上昇。
  • 週間失業保険申請件数 → 43.4万件(2週連続で減少)



本日の注目イベント


  • 日   9月失業率
  • 日   9月消費者物価指数
  • 日   9月鉱工業生産
  • 欧   10月ユーロ圏消費者物価指数
  • 欧   9月ユーロ圏失業率
  • 加   8月GDP
  • 米   第3四半期GDP(速報値)
  • 米   10月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米   10月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)





来週のFOMCを睨み、日銀も動き始めました。

昨日の日銀の発表によると、11月15-16日に予定していた次回の金融政策決定会合を

前倒しにして、4-5日に開催する事を決めました。

米FOMCが2-3日に開催され、そこで大規模な追加緩和策が決まった場合には

大きくドル安円高に振れることも予想され、日銀としても対応策を早めに協議したいことから

次回会合を早めたとの観測が大勢を占めています。

円高が進んだ場合に備えて、次の一手を打つ体制を整えたという見方ができます。

前回決定された「包括緩和」もそうでしたが、円高阻止に向けた日銀の強い意志が

伺え、歓迎される決定かと思います。



また、2012年度の物価上昇率の予測値をはじめて公表し、

前年度比上昇率を0.6%と、予測したことを明らかにしました。

日銀は既に消費者物価が1%程度まで上昇するまでは

利上げをしない方針を明らかにしていることから、

今後2年間は利上げを行わなず「ゼロ金利政策」を

長期化させる姿勢を示したことになります。

日銀の政策を明確に市場に示すことで円高阻止を狙った、

いわば「本気度」を現した施策とも言えます。



昨日もFOMCでの追加緩和の量を巡り思惑が入り乱れた格好になりました。

国債購入規模の予測については現在のところ

2500億ドルから2兆ドルまで大きく分かれています。

ブルームバーグは昨日のニュースで、NY連銀はディーラーや投資家に対し、

国債購入の新たなプログラムの当初の規模や、

完了するまでの期間について予想を示すよう求めたと報じています。

FRBとしても市場の需要を的確に把握し、

量的緩和の規模を決める際の参考値にしたいということで、

現状ではその規模に関しては「白紙」だということが伺えます。



円は再び81円を割り込み80円台後半まで上昇しました。

先週までの「円高一色」の相場観はやや修正され、

一気に史上最高値更新を目指す展開ではなくなった様には思いますが、

改めてドルの上値が重いことも確認された格好になっています。

今週月曜日に80円41銭を記録し、

「80円割れは時間の問題」といった見方が大勢を占めた状況から、

特に明確な理由もないままドルが反発しましたが、それでも82円台乗せは失敗に終わり

81円99銭で頭を押さえられ下落に転じました。

結局10月11日のNY市場で82円19銭のドル高値を記録して以来、

約2週間の間、82円台にさえも戻さない展開が続いていることになります。

翌日の12日には81円97銭で頭を抑えられ、13日は81円98銭がドルの高値でした。

そして今回のドル反発局面でも81円99銭と、「1銭の重み」を感じざるを得ません。



本日は金曜日であり、月末でもあります。

巷間言われるように、

円資金の必要性から輸出筋がドル売りを持ち込むとの観測もありますが、

逆に、輸入決済も月末要因から高水準の可能性もあります。

さらにNY時間ではGDPをはじめ重要な経済指標の発表も控えています。

相場水準にとらわれず、柔軟な対応が求められると思われます。


良い週末を・・・。










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ドル引き続き堅調。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドルの底堅い動きが続き、円は81円台半ばから後半での展開。
    米経済指標の好転と長期金利の上昇がドルを支える。
  • ドルは円以外の主要通貨に対しも堅調だった。来週のFOMC
    を控え、ドル買い戻しの流れが優勢に。
  • ユーロはポルトガルとギリシャのCDSが上昇したことで
    リスク回避の動きから売られ、豪ドルは7-9月期のCPIが
    市場予想を下回ったことから下落。いずれもドル買い戻しに繋がる。
  • WSJは一面トップで、米国債購入の規模が小規模にとどまる
    可能性が高く、追加緩和が実施されても市場予想ほどの内容には
    ならないと報道。
  • このため、米株式市場は金利先安観が後退し、ダウは43ドル下落。
  • 長期金利は一段高となり、9月20日以来の2.7%台乗せ。
  • ドル高から金は大幅安、原油価格も下落。 
  • 9月耐久財受注 → 3.3%(市場予想を上回る)
  • 9月新築住宅販売件数 → 6.6%(市場予想を上回る)



本日の注目イベント


  • 日   日銀金融政策決定会合 
  • 独   10月失業率
  • 欧   10月ユーロ圏消費者頼感(確報)
  • 米   週間失業保険申請件数





前日に続き、昨日もドルは主要通貨に対して堅調に推移しています。

ネット上にもにわかに、

「ドルは底を打ったのか?」といった見出しも躍るようになっています。

円は昨日の東京市場でも、実需筋のドル売りが予想されたなか堅調でした。

朝方は81円台前半から半ばでの動きでしたが、

後場に入ると日経平均がプラスからマイナスに転じる

場面でも反応せず、むしろドルが買われる展開となり、

欧州時間にかけては一時81円99銭までドル高が進みました。

その後も、NY時間では81円半ばを割り込まずに推移しています。



ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)は一面トップで、

来週開催されるFOMCでは

FRBによる米国債の購入額が小規模に収まる可能性が高いと報じました。

この報道を受けて、追加緩和期待が急速に後退。

為替市場ではドル買い戻しが優勢になり、

債券市場では将来のインフレ期待から債券が売られ、長期金利は大幅高に。

株式市場では金利先高観から株価が下落し、

さらにドルが買い戻されたことから金価格は大幅安となりました。

ある意味、非常に分かりやすい動きと言えます。

これまでのドル先安観を背景に買われていたものが全て巻き戻され、

売られたという流れでした。



では、ドル円は80円41銭で底を打ったのでしょうか・・・?

残念ながらそうとは言い切れません。

正解は数ヵ月後でなければ分かりませんが、

足元のドル反発は「単なる調整」にすぎないと観ています。

主要通貨では対ドルの上値が重くなっていることは事実です。

円の80円台半ば、ユーロの1,40台半ばから1.41台半ば、

そして豪ドルのパリティーである1.0台がそれぞれ遠くなりつつありますが、

こと円に関してはまだ大幅な下落は観られません。

円のドルに対する下落幅が少ない分、クロス円ではやや円高傾向が強まっています。

9月15日の政府・日銀の市場介入でドル円は85円94銭まで上昇し、

その後、上記80円41銭まで下落したわけですが、

フィボナッチ・リトリ-スメントでは下落幅の38.2%にあたる、

82円の半ばを超えるまでは調整の域を抜けきれません。

さらに言えば「日足のローソク足」では、今年のドルの最高値である

94円99銭を起点とするとトレンドラインを一度も上抜けしておらず、

現在その値位置は83円10銭前後にあることから、

ドル反転にはこの水準を明確に抜け切ることが必要です。



また、経済指標の好転も散見されますが、今週出揃った住宅関連の指標を観ても、

中古、新築ともに改善はしていますが、

絶対量の不足は否めず、住宅価格の上昇率も鈍化傾向です。

住宅市場改善に不可欠な「雇用」に至っては、

失業率、雇用者数の増加は巡航速度に程遠い状況です。

テクニカル、ファンダメンタルズの両面からも

ドルの本格的な反発にはまだ時間がかかると言えるでしょう。



それにしても次回のFOMCに関しては事前の予想が猫の目のように変わります。

当初、追加緩和の規模は小規模との観測だったものが、

先週は一部では2兆ドルの可能もあるとの予測を行ったことからドル売りが加速し、

今回また「小規模のようだ」との観測記事でドルが買い戻されています。

背景は、昨日も述べましたが

FRB内でも意見が分かれており「流動的」だということだと思います。

その意味では明日の米3QGDPも重要な要素になりうるかと思われます。











ドル反発81円台半ばへ。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 円は欧州時間から軟調に推移し、NYでは81円台半ばを超え
    81円66銭まで売られ、終始81円台での取引に。
  • 米長期金利の上昇と、ドル買い戻しの動きが優勢だったことから
    ユーロ、豪ドルなども利食いの売りに押され下落。
  • 株式市場は前日引け水準を挟む一進一退。引けはダウ、ナスダック
    ともに小幅高。
  • イギリスの7-9月期GDPが予想を上回り、ポンドは対ドルなど
    主要通貨に対して上昇。S&Pは同国の格付け見通しを引き上げた。
  • 米経済指標はまちまち。住宅価格の上昇率は鈍化し、全米20都市では
    前年比で上昇したものの、前月比では5ヵ月振りに下落。
  • 債券相場は下落し、長期金利は約1ヵ月振りに2.6%台半ばに大幅上昇。
  • 金は小反落、原油は前日引け値とほぼ変わらず。
  • 8月ケース・シラー住宅価格指数 → +1.7%
  • 10月消費者信頼感指数 → 50.2
  • 10月リッチモンド連銀製造業指数 → 5




本日の注目イベント


  • 独   10月消費者物価指数(速報)
  • 米   9月耐久財受注
  • 米   9月新築住宅販売件数





ドル円が反発しています。

前日の欧州市場での円最高値から約1円強の戻しですから、

ポジション調整の域は出ていませんが、介入などの力によるものではなく、

米長期金利の上昇などに助けられた面があります。

円はNY市場では終日81円台での取引で、安値は81円66銭まで売られました。



前日の欧州市場で80円41銭まで円高が進み「80円割れは時間の問題」といった

相場観が急速に高まったことに加えて、政府・日銀の市場介入がないことから、

市場参加者の多くが円高一辺倒に傾いたことも無視できない背景かと思います。

昨日もこの欄で象徴的な相場観の変化を指摘しましたが、

基本的には為替相場は「人間」が動かしている以上、

「人間の行動心理」も重要なファクターになっています。

最近何かと話題に上る「行動ファイナンス理論」でも、

ポジションと相場観の偏りが相場の急変を引き起こす、とも教えています。

むろん、大きな相場の流れはドル安傾向で変わりませんが、

今後もこの相場観の「変化」は頭の片隅に入れておきたいものです。



ドル買い戻しを誘発した直接的な要因は米国の長期金利の上昇です。

2.6%台半ばは9月20日以来の高水準です。

米10年物債券の利回りは10月17日の2.3%台後半を底値に上昇に転じています。

その後下げ渋って2.5%を挟む展開が続いていましたが、

昨日一気に2.6%台半ばまで上昇して来ました。

米10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)との利回り格差は2%を超え、

約半年ぶりの水準に拡大しています。

昨日入札のあった5年物インフレ連動債の落札利回りではマイナス0.5%を記録し、

多くの市場関係者が「米国はいずれインフレになる」と

観ていることが反映された格好になりました。

こうなると、物価上昇率はFRBが想定するインフレ率には届いていないものの、

デフレスパイラルに陥る可能性は低いとも言えます。

来週行われるFOMCに何らかの影響を与える可能性もあります。

FRB内部でも「追加緩和については何も決まっていない」としていることから、

議論は正にこれからで、今週発表される経済指標も考慮しながら

2日間かけてじっくりと議論される模様です。



ドル円は短期的なチャートである「30分足」や「1時間足」では上昇傾向強めています。

月末も近いことから81円台では輸出筋のドル売り円買いも予想されます。

日経平均も上昇が予想されることから、ドルが買われ81円半ばを超える水準からは

実需のドル売りと、ポジション調整のドル買いとの綱引きが考えられます。

上値ではNY市場でのドル高値、81円66銭近辺が抜けるかどうか。

下値では「1時間足」での200日移動平均線がある81円21銭前後と、

その下の81円9銭に注目しています。

81円台がキープできるかどうかが今後の相場展開にも影響を与えると思われます。

本来なら、市場がややドル買い戻しに傾いているこのようなタイミングで、

政府・日銀が介入に踏み切れば効果もあると考えますが、それは望むべくもありません。









円、欧州市場で80円41銭を記録。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 円は欧州市場で80円41銭を記録。80円台半ばを割り込んだ
    ことから史上最高値が現実的に。
  • NY市場では米住宅関連の指標が改善していたことからドル買い戻しの
    動きが優勢となり円は80円台後半で引け。
  • ユーロ、豪ドルも欧州市場にかけて続伸したものの、NY市場では
    利食いの売りに反落。
  • 株式市場は追加緩和観測から買い優勢の展開となりダウは31ドル高
    と、引け値で直近高値を更新。
  • 債券相場は小動き。上昇する場面もあったが続かず、株高から長期債は
    小幅下落し、長期金利は先週末とほぼ変わらず。
  • ドル安から金相場は大幅上昇。原油も小幅に続伸。
  • バーナンキFRB議長は講演で、住宅保有政策のリスクについて言及。
    注目された追加緩和に関しては言及なし。
  • 9月中古住宅販売件数 → 453万件(+10.0%)



本日の注目イベント


  • 独   11月GFK消費者信頼感調査
  • 英   第3四半期GDP(速報値)
  • 米   8月ケース・シラー住宅価格指数
  • 米   10月消費者信頼感指数
  • 米   8月住宅価格指数
  • 米   10月リッチモンド連銀製造業指数





先週末のG20共同声明を受けて、為替市場がどのように反応するか注目されていましたが

市場はこれまで通り「ドル安」の流れは変わらないと判断した様です。

円は昨日のアジア市場では81円台前半で推移していましたが、

ドルが売られ、ユーロ、豪ドルなど主要通貨が上昇すると、円もじり高の展開になりました。

欧州市場に入ると80円台後半から勢いも増し、一時80円41銭まで円高が進みました。

80円の半ばを割り込んだことで、NY市場では80円割れも意識されましたが、

9月中古住宅販売件数が市場予想を大きく上回ったことから

ドル買い戻しが優勢となり80円台後半で引けています。



G20では「通貨安競争」を回避するとの文言も盛り込まれましたが、

米国の追加緩和観測が根強いことと、

ドル反発の「唯一の手段」である政府・日銀による市場介入も難しいとの見方が、

改めてドル売り円買いを誘発したものと考えられます。

円は先週の高値80円84銭を抜き、80円台半ばまで続伸しました。

NYでは欧州市場を上回る円高は避けられましたが、

それでも引け値で80円台後半で取引を終えており、

先週までの動きと異なり81円台には戻していません。

先週にも述べましたが、どうやら市場は、

一度は史上最高値である79円75銭を観ないと収まらない様です。



円が80円半ばを割り込んだことで、市場関係者の相場観は「円高一色」です。

「円は今週中にも80円を割り込む」といったコメントが圧倒的です。

象徴的なのが、これまで約1年間「ドルは反発する。

円がそれほど強い理由はない」との立場を一貫して取り続けてきた知人のエコノミストが、

昨日の相場を見て「円高」を予想する立場に変わってしまったことです。

相場は、全員が下を見だしたら下落もそろそろクライマックスに近いかも知れません。

「誰が最後のババを引くのか」という段階にきているのかもしれません。

足元ではドル安の流れは変わらないとしても、

上記「アノマリー」も頭の片隅に入れておきたいところです。



とは言え、上記意見は少数意見で、

市場の関心は80円割れでは介入が観られるのかどうかという点に絞られます。

史上最高値という点もありますが、

やはり80円という「大台」は重要な意味があると思われます。

輸出企業の中には2010年9月からの下半期の為替レートを

80円に設定したとの報もありました。

80円を大きく割り込むと下値のメドもつきにくくなり、「未踏の世界」に入ります。

個人的には、この水準では政府・日銀は動かざるを得ないと予想していますが、

これまで通り「断固とした措置を取る」を繰り返すだけでは、

市場に足元を見られることになります。



本日もケース・シラーなど米住宅関連の指標が発表になります。

同指標は5月をピークに住宅価格の上昇率は鈍化しており、

8月の数字は前年同月比3.18%のプラスでした。

9月の予想は概ね2%前後の様ですが、これを下回ると再び追加緩和期待が高まり、

市場はドル売りに傾くと言ったシナリオですが、どうでしょうか・・・。










G20共同声明受け市場はやや混乱。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • アジア市場ではややドル安傾向だったものの、NY市場では
    G20を控えドル買い戻しの勢いが優勢。
  • 円は81円台前半でのもみ合いから81円台半ばを試す展開に。
    しかし、週末とG20を控えポジション調整の域を出ず取り引きは閑散。
  • ドル買い戻し優勢の流れから、ユーロは対ドルで1.38台を伺うが
    勢いはなく1.39台前半で引け。
  • 株式市場は小幅反落し、ダウは14ドル安、
  • 債券相場は小動きながら売り優勢で、長期金利は小幅上昇。
  • 原油は反発、金は小幅安。
  • 注目のG20共同声明では、輸出促進のための自国通貨安を回避する事を明記。
    ただ米国などが提案した、GDPに対する経常収支の数値基準は見送られた。



本日の注目イベント


  • 日   9月貿易統計
  • 米   9月中古住宅販売件数
  • 米   バーナンキFRB議長講演





G20で為替問題が議論されることは想定されていましたが、

事前の予想では通貨問題での合意は難しいだろうと観られていました。

しかし、共同声明では、

1.通貨競争は回避

2.先進国は為替レートの過度の変動や無秩序な動きを監視

との文言が挿入され、為替問題に関しては一定の成果を上げたと言えます。



更に、G20会合後の記者会見では、

ガイトナー財務長官は「米国は強いドル政策」」を支持すると述べています。

これまで、ドル安が大幅に進んだ過程でも「ドル安懸念」の声はまったく聞かれず、

先週もこの欄で記述しましたが、

ようやく先週になって「ドル高は米国の国益」との発言が突如でてきました。

また、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)とのインタビューでは、

「ドルが対ユーロや円でこれ以上下落する必要はない。

ユーロと円はほぼ整合的な水準」と、これまでとはうって変わって

「ドル安懸念」を口にし出し始めました。

G20というイベントに合わせた「ポーズ」とも見れますが、

今後さらにドル安が進んだ時にどのようなスタンスを見せるのか、

さらに円とユーロの水準を名指しで「整合的」と言及したことから

今後の米通貨当局の対応に注目したいと思います。



今朝のオセアニア市場では先週末のNY引け水準からは、上下に大きく動いた様ですが

上記共同声明やガイトナー財務長の発言を受け市場はやや混乱している事が伺えます。

円は81円割れ、ユーロも1.40に迫る水準を試しに行ったようです。

結局、米FOMCを1週間後に控え、

依然として追加緩和期待が根強いということのようです。

G20共同声明に、自国通貨安の誘導を回避すべし、との文言が加えられ政府・日銀としても

簡単には市場介入に踏み切れないだろうとの読みも働いてきます。



円は先週80円84銭まで上昇し、現在も81円台前半です。

上記発言などを考慮すれば、これまで通り単純にドルを売っていればいいわけではない

ようにも思えますが、1995年4月に記録した円の最高値である

79円75銭が視界に入っていることも事実です。

こうなると、やはり来週の米追加緩和のの内容と、規模をめぐる思惑。

さらには、G20合意を受け中国通貨当局が

どこまで人民元高を容認してくるかが重要なポイントになりそうです。

一気に人民元高を容認するようだと、

政府・日銀も介入しづらいとの見方から円高ドル安が進む可能性があるからです。

個人的には先週までと同様に80円前後では介入に踏み切ると予想していますが、

そのような展開になるかどうか・・・。

FOMCまで1週間に迫った今週もユーロ、豪ドルを中心に大きな値動きが想定されます。











ドル円81円割れを試すもG20控え堅調。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 円は東京時間、ガイトナー財務長官の発言内容をWSJ紙が
    伝えたことをきっかけに売りが膨らみ、81円84銭まで下落。
    しかし、円買い意欲は依然強く円の下落幅は限定的となり、
    その後81円台を割り込む場面もあったが、
    G20を控え小動きとなり81円台前半で引け。
  • ユーロは欧州時間に発表された独PMIが好調だったことから
    買いが優勢となり、対ドルでは1.40台半ば、対円でも113円台
    後半まで強含んだがNY市場ではドル買い戻しに押された。
  • 株式市場は続伸。朝方は企業の好決算が発表され大幅高に。
    その後はやや軟調となり上げ幅を縮小して取引終了。ダウは38ドル高。
  • 株価が続伸したことで債券は軟調。長期金利は3日ぶりに2.5%台を回復。
  • 金、原油は反落。金の上昇傾向にややブレイキも。
  • 週間失業保険申請件数 → 45.2万件
  • 10月フィラデルフィア連銀景況指数 → 1.0
  • 9月景気先行指数 → +0.3%



本日の注目イベント


  • 独   10月ifo景況指数
  • 加   9月消費者物価指数
  • 加   8月小売売上高
  • 米   ホーニング・カンザスシティ連銀総裁講演
  • 米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演





「2度目の介入か?」・・・。

昨日の朝方10時すぎ、ドル円が丁度81円を割り込むタイミングから

ドルが急速に反発しました。

1時間ほどの間に81円84銭までドルが買い戻され、市場はやや混乱状態に。

知人の証券マンからも「日銀の介入?」との問い合わせが何本かありましたが、

結局そうでは無かったようです。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の電子版が、

ガイトナー財務長官の「ドルがユーロや円に対してこれ以上下落する必要は無い」との

発言を伝えたことが原因でした。



短時間の間に約1円も「円安ドル高」に振れる状況は、

ドルショートが積み上がっている証拠ですが、

ただ、それでもドル買い戻しが終わると再び元の位置(?)に戻り、

さらに円高水準を記録してしまうのは、

市場には根強い円先高観があることの証拠でもあります。

政府・日銀も、こういったタイミングをうまく利用して、

円高の流れを止める工夫も必要かと思います。



それにしても、ある材料をきっかけにした「ドル買い戻しの流れ」は

三度目の正直とはならなかったようです。

一度目は、9月15日の政府・日銀による大規模介入。

これによって約3円ドル高方向に持って行かれ85円94銭までドル高に振れましたが、

その後は時間をかけながら元の鞘に。

2度目は2日前の中国の突然の利上げです。

主要通貨でドル買い戻しが加速し、円は81円93銭まで下落し、

82円台乗せには至りませんでした。

そして3度目は昨日ガイトナー発言でした。



いずれもドルが反発するものの、上値は限定的で、

むしろドルが反発したら「絶好の売り場」と見てドル売りが持ち込まれ、

ふたたび円高が加速する展開です。

この背景には円はいずれ80円を割り込む、といった相場観が支配的だからだと言えます。

FRBの追加緩和観測と、介入観測が後退したことが円先高観を醸成しています。

そのため、円はゆっくりとではありますが高値を更新し、

前日のNY市場では80円84銭までの円高を記録しています。

円の史上最高値である79円75銭へも「残り1円程度ののりしろ」となっており、

市場関係者の間では「一度はつけないと気が済まないだろう」

あるいは「80円割れを見ないと収まらないだろう」といった意見が交わされています。

市場の多くの見方が円高方向に傾いていることが気になりますが、足元の状況を考えると、

やはりこれらの見方に歩み寄らざる得ない状況かと思います。



注目のG20では通貨問題が議題の中心になることは必至です。

米通貨当局としても「通貨安戦争」は避けたいところですが、

そのための具体案は見つかっていない状況です。

日本としては「単独介入」に対する批判は避けたく、

円安誘導を目的としたものではないことを明確に伝えるべきでしょう。

米ガイトナー長官もこれまでのドル安黙認姿勢から、

ここへきてややスタンスを変えてきているようにも見えます。

上記発言に加え、今朝のブルームバーグは以下の記事を伝えてます。

「ブラジルのマンテガ財務相は記者団に対して、

ガイトナー長官と20日実施した電話会談で、

同長官が米国はドル下落を容認しないと表明したと語った。

マンテガ財務相はまた、G20で、ドル下落を防ぐ手段を模索することで合意した。」



この内容はG20を控えての「ポーズ」と見られないことはありませんが、

週末に向けポジションは軽めにしておくべきでしょう。



良い週末を・・・。










再びドル安傾向強まる。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 地区連銀経済報告(ベージュブック)では景気は緩やかに成長
    しているものの、雇用、住宅が低迷している、との報告。
  • このため追加緩和への期待が再度高まり、ドル全面安の展開に。
  • 円は、一時80円84銭を記録し、先週の円最高値を更新。
  • 前日売り込まれたユーロ、豪ドル、カナダなども軒並み上昇。
    ユーロは1.39台後半まで買われ、中国利上げ前の水準を回復。
  • ドイツのメルケル首相が、金融危機は終息に向かいつつある
    ことから「出口戦略」を見い出す必要があるとの発言もユーロを押し上げた。
  • 株式市場は一時160ドルを超える上昇を見せ、前日の大幅下落を
    取り消した格好に。ダウは129ドル高の1万1100ドル台に。
  • 追加緩和期待の高まりから債券は売られ、長期金利は小幅上昇。
  • ドル安が進んだため、金、原油は上昇。
    特に原油価格は在庫の減少もあり大幅反発。



本日の注目イベント


  • 中   7-9月期GDP
  • 中   9月消費者物価指数
  • 中   9月卸売物価指数
  • 中   9月工業生産高
  • 中   9月小売売上高
  • 英   9月小売売上高
  • 加   9月景気先行指数
  • 欧   10月ユーロ圏消費者信頼感
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   10月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米   9月景気先行指数





来月のFOMCで大幅な追加緩和が実施されるとの期待感が再び高まって、

ドル全面安の展開になっています。

FRBは5千億ドル以上の国債購入を予定しているとの有力調査会社の報道や、

この日発表されたベージュブックでは、景気は総じて緩やかに回復しているとしながらも、

アトランタ地区など一部の地域で景気は依然と低迷していると報告。

また住宅市場は脆弱とし、企業は依然として雇用を拡大しないと指摘されていたことから、

来月のFOMCでの追加緩和期待が再び高まり、

株高、ドル安、商品相場高に繋がっています。



円は、一時80円84銭まで買いが進み、わずかながら先週の高値を更新しました。

さすがに80円台後半では介入警戒感からややドルが買い戻されてはいますが、

前日のドル高値からは1円以上の「円高ドル安」に振れ、

一旦、ドルの買い戻しが進みそうなムードも打ち消された格好です。

市場は再び政府・日銀による介入を警戒しながらも

「80円割れ」を意識する流れになっていると観られます。



前日の中国の突然の利上げに翻弄させられた為替市場でしたが、

ユーロや豪ドルなどが資源価格の反発を背景に一日で上昇に転じました。

円売りも進みましたが、それでも82円には届かなかったことから円先高観は根強く、

主要通貨でドル安が進むと歩調を合わせるように円買いも活発になり、

時には円買いがその他通貨を引っ張るような展開も観られます。



やや後退しかけた追加緩和期待も、再び高まっています。

フィッシャー・アトランタ連銀総裁の「追加緩和は何も決まっていない」との発言や、

実施されてもその規模は小さい、といった見方もわずか一日で後退し、

市場は「リスク選好」を強め、株式、金、原油などに資金が戻っています。

考えてみれば、次回のFOMCほど、注目され、

為替相場に影響を与えた会合は過去にもそうは無かった思います。

会合までまだ2週間あります。

決定内容を巡って市場はまだまだ揺れそうです。



中国の利上げの影響はひとまず落ち着いた様です。

利上げ受けて日米の株式市場は大きく下げましたが、

おひざ元の上海株式市場が小幅に上昇したことが影響の拡大を防いだ様です。

本日は11時に中国の主要経済指標が発表されます。(上記「本日の注目イベント」参照)

突然の利上げの理由の一つに「インフレを未然に防ぐ」ことが挙げられます。

このため、最も注目されるのは消費者物価指数です。

市場予想は+3.6%程度ですが、この数値が上振れするようだと、

追加利上げ観測が高まり豪ドルやカナダドルなどの通貨に

売り圧力が高まることも想定されますので注意が必要です。










中国利上げで豪ドル急落。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 中国人民銀行は基準金利を0.25%引き上げると発表。
  • この発表を受け、金融市場には激震が走り、ドル買い戻し、株式市場の
    大幅下落、商品相場の急落など大きな影響を与えた。
  • 豪ドルが急落。アジア市場の0.99台からNY市場では0.96台後半まで
    一気に下落。ユーロも歩調を合わせるように大幅下落。
  • 円はドル買い戻しが優勢の中81円台後半まで売られたものの、
    他の主要通貨に比べ下落幅も緩やか。このためクロス円は軒並み大幅な円高に。
  • NY株式市場は全面安。中国の利上げに加え、BOAの赤字決算など
    売り材料に大きく反応。ダウは165ドル安で1万1千ドルの大台割れ。
  • 安全資産の債券は大幅上昇。長期金利は1週間ぶりに2.4%台に。
  • 金、原油はともに大幅に値を崩す。両相場とも一日の下げ幅としては
    過去最大級の下落。
  • 9月住宅着工件数 → 61.0万件
  • 9月建設許可件数 → 53.9万件



本日の注目イベント


  • 日   8月景気動向指数(改定値)
  • 英   BOE議事録
  • 米   地区連銀経済報告(ベージュブック)
  • 米   7-9月期決算発表 → ウェルズ・ファーゴ、モルガン・スタンレー
  • 米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
  • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演





中国の突然の利上げに各金融市場は大きく反応しました。

中国人民銀行はインフレを抑制をするために貸し出しと預金の基準金利0.25%引き上げ

本日より実施すると発表しました。

これまでも消費者物価指数の上昇傾向が続いていため、インフレを未然に防ぐことから

金融機関が中央銀行に預ける預金準備率を調整することで緩やかな成長を促してきました。

しかし、ここにきて消費者物価と不動産価格に

さらなる上昇圧力が加わったことから利上げに踏み切った様です。

また、G20を前にして欧米からの人民元切り上げ圧力をかわす

という意味合いも考えられます。



突然の利上げで、

これまで中国経済の成長の恩恵を最も受けているとされる豪ドルが急落しました。

先週末には、対ドルでパリティの1.0を超える水準まで

買われていた豪ドルが、0.96台までドル買い豪ドル売りが進み、

ユーロなどもこれに引っ張られる形で大きく売られています。

主要通貨の中で最も売り込まれたのが豪ドルでしたが、

一方で円売りの勢いは緩やかでした。



昨日の東京時間からドル買い戻しが優勢で、円もジリジリと売られる展開でしたが、

NYでは82円台に乗せることは無く、引けにかけてはやや円の買い戻しも入った様です。

その結果、クロス円では円高が大きく進んでいます。

中国の利上げをきっかけにドル買い戻しが進み、

さらに安全通貨としての円が注目される様な展開に

なると「円の独歩高」になる可能性もあります。

ここは今しばらく、ユーロや豪ドルなどがどこまで売られるのかということと、

週末のG20の内容を見極める必要があります。

中国の利上げがきっかけでドル安の流れが変わったとも思えませんが、

これまでの量的緩和で過剰流動性が進み、

行き場の無い資金が商品市場や高金利通貨に向かい、

高まる「リスク選好」に急ブレイキがかかった状況かと思います。



中国からの思わぬニュースに大きく揺れた為替市場ですが、

今後の最大の関心事が今週末のG20と、

来月初めの米FOMCであることには変わりはありません。

米追加緩和は市場に徐々に織り込まれつつある中、

仮に実施されてもその規模は当初言われていた程のものではなく

少規模に留まるとの見方も出て来ました。

今朝のテレビでは、フィッシャー・ダラス連銀総裁とのインタビューを放映しており、

同総裁はその中で「追加緩和については何も決まっていない」

「追加緩和をしないこともあり得る」と述べています。

同総裁はもともと追加緩和には消極的で、

FOMCでの政策決定に関する投票権は持っていませんが、

FOMC内部での議論はこれからだというニュアンスは伝わってきました。

バーナンキ議長はこれまでも「必要なら追加緩和を行う用意がる」との

立場を繰り返してきましたが、

昨日のガイトナー財務長官の「強いドル」発言と併せ、

風向きが少しだけ変わってきたと感じています。



ドル円は81円93銭まで上昇したことで、

1時間足までの短期のテクニカルではドル反発を示唆しています。

しかし、4時間足から長めのテクニカルでは上値に依然として一目均衡表の雲があり、

そう簡単には上昇に転じないことを暗示しているようにも見えます。

G20,FOMCを控え相場の混乱は続きそうです。









円、81円台前半で動かず。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 米経済指標はまちまちだったものの、9月の鉱工業生産が市場予想を
    下回ったことでややドル売りが優勢。
  • 円は値幅がわずか20銭強と、81円台前半で動意なし。
  • ユーロドルは1.40台に迫る水準まで買い戻されたものの
    後が続かず1.39台前半へ。
  • 株式市場は大幅高。アップルが四半期での最高益決算を発表。
    金融でもシティグループが好決算を発表したことから、
    ダウは80ドルを超す大幅高で1万1100ドル台乗せ。
  • 債券相場はロックハート・アトランタ連銀総裁が改めて追加緩和に
    前向きな発言をしたことから上昇し、長期金利は小幅に低下。
  • ドル安を背景に、金は小幅上昇、原油は大幅に反発。
  • 9月鉱工業生産 → -0.2%(市場は小幅なプラスを予想)
  • 9月設備稼働率 → 74.7(ほぼ予想通り)
  • 10月NAHB住宅市場指数 → 16(市場予想は14)



本日の注目イベント


  • 豪   RBA議事録
  • 独   10月ZEW景況感調査
  • 欧   10月ユーロ圏景況感調査
  • 米   9月住宅着工件数
  • 米   9月建設許可件数
  • 米   7-9月期決算発表 → BOA,ゴールドマン・サックス
  • 米   エバンズ・シカゴ連銀総裁講演
  • 米   イエレン・FRB副議長講演(フランクフルト)
  • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
  • 米   ダドリー・NY連銀総裁講演
  • 米   デューク・FRB理事講演
  • 加   カナダ中銀政策金利発表





NY市場での円はわずか24銭の値動きでした。

ロックハート・アトランタ連銀総はFRBによる新たな国債購入を支持する可能性があるとの

認識を示し、債券に買い物が入り長期金利は下落。

さらに9月の鉱工業生産は予想に反して前月比マイナスと、

ドル売り材料には事欠かなかったと思われましたが、

ドル円への影響はほとんどありませんでした。

ユーロ、豪ドルがドルに対して上昇したため、

クロス円がアジア時間に比べ円安方向に推移しましたが、

この方面からのドル円への影響も見られませんでした。

やや「ドル売り円買い」での仕掛けに飽きたというところかもしれませんが、

依然として水準が81円台前半だけに予断は許しません。

もう一段のドル安も考えられるし、

政府・日銀による市場介入も全くないとは言いきれないレベルだとも言えます。



米株式市場では好決算が相次ぎ、ダウは直近の高値を更新しています。

これまでなら、株高はドル高に繋がっていました。

株価の上昇を背景にリスク選好が高まり低金利の円が売られ、

高金利の豪ドルやユーロが買われる「ドル安、円安」の流れでした。

しかし、追加緩和観測が強く意識され始めたころから、低金利継続は株式市場には

プラスに作用するものの、

ドル円ではむしろ金利差縮小からドル安要因として捉えらえれています。

そのため、現在は株高とドル高の相関が崩れています。



昨日も、追加緩和は市場にかなり織り込まれてきたのでは、と書きました。

上記ロックハート総裁のコメントにもこれまでほど強くドル売りで反応はしてません。

それほど大きな記事ではありませんが一つ変化が見られました。

ガイトナー財務長官は、米国は「強いドル」への信頼を保持するだろうと言明した、

とブルームバーグは伝えています。

同長官がカリフォルニア州での会合で、

米国が通貨切り下げに携わることはないだろうと語った、としています。

詳しい内容は分かりませんが、

これまで米国は輸出倍増計画を推し進めるため「ドル安」を容認してきた経緯があります。

「強いドル」を標榜したのは、

かつてクリントン政権時代のルービン財務長官以来のことです。

ドル安政策が変更されたとは思えませんが、

今後の動きに何か変化があるかどうか注視したいところです。



先週末に発表されたシカゴ通貨先物市場のポジションに大きな変化はありません。

円の買い持ちがやや減少し、ユーロの買い持ちがそれ以上に減少しています。

豪ドルの買い持ちは相変わらずの高水準です。

市場ではユーロや豪ドルに少し達成感がでてきたとの見方もありますが、

少なくとも今のところヘッジファンド等の大口投資家の動きは見られません。



本日も米通貨当局者の講演が多く予定されています。

中でもフィッシャー・ダラス連銀総裁は追加緩和には消去的と観られています。

他にもダドリーNY連銀総裁は追加緩和には一貫して前向きであり、

FOMCでの投票権も有しています。

住宅関連の経済指標と同時に、各連銀総裁の発言が相場に影響を与えるかもしれません。








ドル円80円台後半で下げ渋る。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • バーナンキFRB議長は朝方の講演で、インフレ率が低すぎ、失業率が高すぎる
    状況にあることから、追加金融緩和が正当化されるとの認識を示した。
  • このため、為替市場ではドル安が進み、円は一時80円88銭まで上昇。
    その後、介入警戒感や米債券が下落し、
    金利が上昇したことでドルの買い戻しが優勢となりほぼ高値圏の81円40銭で引け。
  • バーナンキ議長の講演内容を受け、豪ドルは変動相場制後はじめて
    対ドルで1.0004のパリティーまで買われ、ユーロも1.4161まで上昇。
    その後は利食いの売りに押され豪ドルは100ポイント以上、
    ユーロは200ポイント以上の大幅下落。
  • 株式市場は金融株を中心に売られ、ダウが31ドル安、ナスダックは小幅高。
  • 債券は長期債が下落。バーナンキ発言を受け、FRBが今後インフレを喚起する政策をとるとの観測が背景。2年物利回りは下落、10年債は一時2.59%まで上昇。
  • 金、原油はともに利益確定の売りに押され小幅反落。
  • 9月消費者物価指数 → +0.1%
  • 9月小売売上高   → +0.6%
  • 10月NY連銀製造業景気指数 → 15.7(事前予想は6.0)
  • 10月ミシガン大学消費者信頼感指数 → 67.9



本日の注目イベント


  • 米   9月鉱工業生産
  • 米   9月設備稼働率
  • 米   10月NAHB住宅市場指数
  • 米   7-9月期決算発表 → アップル、シティーグループ、IBM





バーナンキFRB議長の講演内容を受けて、ドル円は80円88銭まで売られました。

この水準は前日記録した円の高値と同じで、

その後ドルは81円台半ばまで反発しています。

「80円割れは時間の問題」との相場観が支配的な中、

政府・日銀の市場介入も無く「自律反発」した格好になっています。

この結果、短期的には「1時間足」のローソク足では長い「下ヒゲ」が現れ

「ダブルボトム」を形成し、目先、ドルの反発を予想できなくもありません。



先週末のドル急落後の反発は、米長期金利の上昇が最大の理由と観られます。

このところの米長期金利はやや底打ち感が出ており、

一時2.3%台後半まで低下した金利は

先週末には2.6%近くまで上昇する場面もありました。

消費者物価指数が低位で安定していることから、

FRBがインフレ喚起政策(リフレ政策)を取るのではないかという見方が台頭し、

10年物長期債や30年物の超長期債などが売られたことが背景です。

バーナンキ議長は物価水準については

「デフレのリスクは妥当と言える水準を超えている」という言いまわしで言及しています。



FOMCでどのような追加緩和が決定されるのか・・?

今、市場参加者が最も注目している材料です。

増えない雇用者数と高止まりしている失業率。

追加緩和の実施はほぼ確実と観ていますが、

国債やMBSの購入だけでは米労働市場の改善は望めません。

バーナンキ議長は

「非伝統的な政策にはコストと限界があるため、実施するかどうか考慮する必要がある」

とも述べています。

景気を刺激し雇用を増大させる一方、

デフレリスクを避けるという難しい政策を迫られています。

11月のFOMCまで、あと3週間あります。

FRBメンバーの発言には注意したいところです。



一方、もう一つの最大の関心事は政府・日銀の市場介入です。

先週81円台を割り込んでも介入の動きはありませんでした。

財務大臣も「必要な時には断固たる措置を取る」と繰り返すばかりです。

先週も少し触れましたが、問題は「必要な時」とはいつなのかということですが、

やはり水準で言えば、80円前後でさらに、

円高から株価が急落したような状況を指すのではないかと思います。

今週金曜日からは韓国でG20が開催されます。

人民元に対する切り上げ圧力が増す中、介入しづらいとの観測もありますが、

「80円」という節目の水準では介入に踏み切らないわけにはいかないはずです。

1995年に記録した79円75銭を割り込んだ水準では、

大量のストップロス(損切り)のドル売りが控えているとの観測もあります。

また、この水準を割り込むと円高が加速し、「底値」が見えなくなる可能性もあります。



今週もドルの戻り売りのスタンスは継続としても、

突っ込みすぎのドル売りには注意が必要です。

同時に、豪ドルが再びパリティーに向かって上昇するのか、

ユーロが1.41台を目指すのかも見極めたいところです。







続くドル全面安。ドル円は80円台も。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 欧州タイムでドル円が80円台に突入するも、介入警戒感を背景にNYタイムに入ると
    欧州タイムまでの急激なドル売りの買い戻しが進み81円40銭台を中心に終始もみ合う展開に。
  • ユーロは対ドルで買われ過ぎ警戒感があるものの1.41台まで上昇。
    高金利、資源国通貨である豪ドルも対ドルで0.9993まで続伸するがパリティー(等価)には届かず、若干調整が入るも0.99台をキープ。
  • NYダウは5営業日ぶりに小幅に反落。この日発表された貿易収支や週間失業保険申請件数が予想以上に悪く、一時70ドルほどまで下げたが、根強い追加緩和観測から引けにかけて積極的な買いが入った。
  • 債券は反落。長期金利は上昇し2.5%台に戻す。
  • 金は前日に続き史上最高値を更新。原油は反落。
  • 米8月貿易収支 → -463億ドル(市場予想は-440億ドル)
  • 米週間失業保険申請件数 → 46.2万件(市場予想は44.5万件)



本日の注目イベント


  • 日   日銀支店長会議
  • 欧   8月ユーロ圏貿易収支
  • 米   9月消費者物価指数
  • 米   9月小売売上高
  • 米   10月NY連銀製造業景気指数
  • 米   10月ミシガン大学消費者信頼感指数
  • 米   バーナンキFRB議長講演





昨日もまたドル安の流れが加速しました。

ドル円にいたっては東京タイムからのドル安円高が止まらず、

欧州タイムに入り80円台に入りました。

この背景は昨日朝方のシンガポール金融通貨庁が

シンガポールドルの変動幅拡大を発表したことがきっかけで、

米ドル売りに拍車がかかった結果、ドル全面安で対主要通貨は上昇しました。



シンガポールがドル売りにまわったことでアジア通貨の連れ高を誘い、

しかし、その反面、アジアでは日本、韓国、タイなどが為替介入に着手しています。

昨日にはインドが為替介入を行いました。

アジア以外ではブラジルなども介入をしています。

ドルを売る国とドルを買う国…まさに通貨戦争というのが分かります。

この通貨戦争の根源はやはり中国と米国ではないでしょうか。

中国管理相場制と米国追加金融緩和観測が焦点であり

来週のソウルで開かれるG20や

11月のFOMCでの追加緩和の内容などに注目が集まっています。

特にG20ではこの通貨戦争に対して話し合われる予定ですが、

米国はもちろんEU諸国なども中国牽制の姿勢を強めてきています。

米国にいたっては昨日発表された貿易収支で中国からの輸入が過去最大となり

今朝にはギブズ大統領報道官が

「中国が責務を果たすようオバマ大統領やガイトナー財務長官らが

同国政府に対し圧力をかけ続けることに疑いはない」(ロイター)と発言しています。

中国に対しての圧力は増す中、G20で何らかの動きがあると思われますので、

市場としてはポジション調整に入りやすい地合いと言えます。

とはいえ依然ドル安基調は崩れそうにないです。



米追加金融緩和にも動きが見えてきています。

1ヶ月以上も前から追加緩和観測が浮上し、ドルキャリートレードが盛んとなっていますが、

織込み済という声が徐々に増えてきています。

ユーロを見ましてもファンダメンタルズを無視した買われ過ぎ警戒感が高まっており、

EU諸国の要人等もユーロ高に不服を表し始めています。

さらには今朝、ローゼングレン米ボストン連銀総裁が

「景気が改善すれば、金融緩和は不要となる可能性がある」と発言しました。

この発言は過度の追加緩和への期待を抑えると共に、

人民元高になれば景気回復が見込めるといった意味を含んでいると考えます。

ということは中国の行動が

現在のドル安の流れを変えるきっかけになるのではないでしょうか。

人民元高 → 米ファンダメンタルズ改善 → ドル高 ようなシナリオが想定出来ますが

かなりの時間が必要だと思われます。



ドル円に関しては

80円台を付けてしまいましたが、菅首相は昨日の発言で

「どうしても必要なら断固たる措置とる」と言っています。

9月の介入前後では聞かれなかった「どうしても必要なら」という言葉が加わっており、

私には円の史上最高値付近までは、介入はほぼ無いと言っているように感じます。

G20を目前に介入をするのであれば、

やはり80円台割れが条件になってくると読んでいます。

しかし、単独介入には限界があり、中国や米国に変化が見られないと

円の史上最高値更新が連日見られる日が迫っているという可能性も忘れてはいけません。

ドル安がそう簡単に止まらないという認識を持っておくべきだと思います。



よい週末を・・・。







ドル円膠着、クロス円はやや円安に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は81円台半ばから後半での狭いレンジで膠着。
    クロス円では豪ドル、ユーロ等に対して売られる場面も。
  • 主要通貨は対ドルで堅調。豪ドルは一時0.9937と最高値を
    更新。カナダドルもパリティー(1:1)に迫る、約半年ぶりの
    高値に上昇。
  • 米株式市場はほぼ全面高の展開。追加緩和による金利先安観が根強い
    ことと、この日発表の米金融機関の決算も市場予想を上回ったことが背景。
    ダウは一時1万1100ドル台を回復。引けは75ドル高。
  • 米債券相場は10年債の入札が不調だったものの、30年債の
    上昇に引っ張られる形で小幅に買われ、長期金利は下落。
  • 金は大幅反発。株高からリスク選好が強まり前日比23ドル高と、最高値を
    更新。原油価格も大幅高で83ドル台に。
  • 7-9月期決算発表(JPモルガン・チェース)→減収だったものの、貸し倒れ引当金の
    減少から事前予想を上回る決算



本日の注目イベント


  • 欧   ECB月例報告
  • 米   9月生産者物価指数
  • 米   8月貿易収支
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   30年物国債入札





ドル円は81円台での膠着が続き動きません。

「動かない」、というより「動けない」というほうが適切かも知れません。

今週に入り何度か82円台に乗せる場面もありましたが、そこでは居心地が悪いのか、

すぐに81円台に押し戻され、82円台定着はかなわない展開が続いています。

円以外の主要通貨ではドル安傾向は変わっていないことから、

クロス円ではやや円安の流れに傾いています。



NY市場では金利先安観から株式市場が急回復しています。

そして、その影響もあり金、原油などの商品相場にも資金が流れています。

市場は、ややリスク選好が強まってきたと観られます。

こうなると、米債券相場もこれまでの様に無条件に上昇を続けるわけにはいかず、

米長期金利にも下げ止まり感が出て来ます。

金融市場全体でリスク選好が高まれば資金は高金利通貨に向かい、

ドルや円のような低金利通貨が売られる展開が予想できますが、

円についてはまだその状況になってはいません。

安全資産としての側面と、

「80円を割り込む」との根強い円先高観が背景にあるからだと言えます。



やや懸念するのは、

個人投資家のドル円でのロングポジションが積み上がってきたことです。

当社におけるポジションを観ても、

昨日時点ではネットの買い持ち額が20億ドルを超えて来ました。

これまでの最高額は昨年11月の23億ドルのネット買い持ちで、

その後の「ドバイショック」ではドルが急落したことにより

損出覚悟でドルを手放した経緯があります。

個人投資家はドルが下がれば買う、

いわゆる「逆張り」になる傾向があることは知られていますが、

買い持ち額が膨らむと何かのきっかけでドル急落に繋がる可能性もあります。

もっとも、シカゴ通貨先物市場ではヘッジファンドなどが

「ドル売り円買い」のポジションを積み上げており、

その額も先週火曜日時点では73億ドル前後と観られています。

結局、「順張り」でドル売りを進めているドルを

個人投資家が買っているという構図になっています。

ヘッジファンドも年末には決算です。

その前にドル安円高が一段と進めば彼らの勝利ですが、

先に彼らが動き、ドルの買い戻しを進めてくれば個人投資家の勝利とも言えます。

11月3日の米FOMCでの政策決定まで両者の綱引きは続きそうです。



米雇用統計の発表も終えた現状では、

11月のFOMCが最大の材料であることは間違いありません。

追加緩和を実施する可能性は非常に高いと思われますが、

その規模と内容も重要な要素になっています。

昨日も書きましたが、政府・日銀の市場介入期待が後退し、

追加緩和決定が市場にやや織り込まれつつある中、

上記リスク選好がどこまで拡大するかが相場の行方を決めそうです。

本日のドル円で言えば、82円台定着は難しそうな半面、

11日に記録した81円39銭を割り込んで円買いが進む可能性は低そうです。

クロス円の動きと株価を睨みながらの展開になりそうです。








米追加緩和見通し高まる。 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場



  • FOMC議事録では、多くのメンバーが追加緩和を実施するのが

    妥当との意見だったことから、再びドル全面安の展開に。

  • 円はアジア市場で82円台まで売られたものの、大崩する地合いではなく

    その後ジリジリと買い戻しが優勢となり、NYでは81円66銭まで上昇。

  • ユーロは行って来いの展開に。アジアから欧州にかけては上値が重く、

    利食いのユーロ売りが勝っており、1.37台後半まで下落。

  • NYでは追加緩和の可能性が高まったとの見方から、再び上昇し1.39台に。

    トリシェECB総裁の、ユーロ圏の追加緩和に否定的なコメントもユーロ高に。

  • 株式市場は午前中まで軟調な展開だったが、午後FOMC議事録が発表されると

    流れが一変。インテルの好決算もありプラスに転じる。ダウは小幅高。

  • 債券は3年債の入札が行われ好調。ただ、長期債はFRBの購入対象に

    ならないとの見方から小幅に続落し、金利は上昇。

  • 金、原油価格は高値警戒感から利益確定の売りに押され反落。



本日の注目イベント

         


  • 中   9月中国貿易統計 

  • 英   9月失業率 

  • 米   7-9月期決算発表 → JPモルガン・チェース 

  • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演      

  • 米   10年物国債入札             



このところのドル安から、円やユーロ、豪ドルなどが上昇し、市場参加者のポジションも

かなりドル売りに傾いていることから、「調整」のドル買い戻しを予想しましたが、その動き

も小幅で、結局ドル安傾向が継続した格好になっています。



ドル円は昨日の東京市場で82円36銭近辺まで買い戻しが進みましたが、テクニカルで観た

抵抗線が82円50銭を下回るところにあり、その水準を抜けきれずに押し戻されています。

NY市場で発表されたFOMCでは、多くのメンバーが、追加緩和を実施することが妥当との

意見だったことが分かりました。

この結果、11月3日のFOMCでは追加緩和に踏み切ることはほぼ間違いない状況になって

きました。

次の焦点は、追加緩和を実施するかどうかから、その中身に移ってきたようです。

この点ついて議事録では「会合の参加者は、追加緩和として考えられる手段をいくつか

議論したが、主に期間が長めの米国債の追加購入とインフレ期待に影響すると考えられ

る措置について話し合われた」と指摘しています。(ブルームバーグ)

この影響から米債券市場では2年債などが過去最低を記録する場面もあったようです。



米追加緩和が確実視される中、市場はある程度織り込みつつとは思いますが、「追加緩

和」の文字が躍るたびにドル売りで攻めるスタンスは変わっていません。

対ドルではユーロの1.40台、豪ドルの0.99台に達成感が出てはいるものの、調

整も小幅で大きな流れに変化は無いようです。

円も、83円台さえもやや遠のき、介入の可能性を意識しながらも徐々に円を買い進め

る格好になっています。

G7を終えた野田財務相も昨日の記者会見ではこれまでの「定型文」である「必要な時

には介入も含め断固たる措置をとる」との文言を繰り返すのみです。

9月15日の大規模介入以来約1ヵ月、介入らしき目立った動きは見られません。

財務相筋の話として「次に介入に踏み切るには相当な覚悟が必要だ」と、一部メディア

は伝えていました。貨安競争の中、日本が継続的に市場介入を繰り返すことにG7諸国

は、結局「いい顔しない」のではないかとも取れそうです。



実際、昨日は東京時間内にも81円台後半までドル安円高が進む場面がありましたが、

政府・日銀は動きませんでした。

82円台、81円台でも市場介入に踏み切らない現状は正に上記メディアが伝える通り

です。継続的な介入を行うわけにはいかないということになると、より効果的なタイミ

ングを狙うしかありません。

そう考えると、介入の実施は史上最高値である79円75銭を割り込んだタイミングし

か無いように思われてなりません。この水準を割り込むと、市場はさらに円高が進むと

判断し、これまで「介入期待」からドルロングを継続してきた市場参加者もさすがに維

持できなくなり、損切りを決断してくる事は想像に難くありません。その結果、さらに

ドル売りが加速し円を押し上げることにもなります。政府・日銀も少なくてもその状況

は避けたいはずです。

80円前後まで介入は行われないという一つの根拠、と言ったら言い過ぎでしょうか・・。



上段でも若干触れていますが、FRBによる追加緩和は徐々に市場に織り込まれつつあ

ると思われます。「追加緩和は確実」との見方からドルが大きく売られ、その受け皿とし

て円、ユーロ、豪ドルなどの通貨が買われ、さらに金などの商品相場も上昇しているわけ

です。大きなドル安の流れは続くとしても、突っ込みすぎるドル売りはやや警戒しなけれ
ばならない

水準です。「Buy on rumour,sell on news」の格言を、今一度意識しておきたいと思いま

す。

ドル円81円後半を底にややしっかり。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • NY市場が休場ということもあり、欧州市場では値動きは小幅に
    留まる。
  • ドル円は82円を挟む展開から81円台後半に下げると、引き続き
    介入警戒感から押し戻される展開に。
  • ユーロドルはアジア市場の早朝、1.40台に乗せる場面もあったが
    欧州市場では上値が重く、1.38台後半までユーロ安が進む。
  • NY債券市場は休場のため、株式市場は薄商いの中、小幅続伸。
  • 金は大幅に上昇し高値更新。原油は小幅に反落。
  • イエレンFRB副議長は講演で、低金利は企業のリスクテイクを
    奨励しかねない、との認識を示す。



本日の注目イベント


  • 米  FOMC議事録(9/21分)
  • 米  3年物国債入札





ドル円はNY市場が休場のため参加者も少なく82円を挟む展開でした。

NY市場では一部に取引に参加する人たちもいたようですが、

債券市場も休場だったことから取引は閑散でした。

昨日の朝方、というより東京では夜中に当たる時間に、82円37銭までドルが上昇し、

その後81円39円までインターバンク市場では出合いがあったようです。

薄商いの中、1日の取引レンジンの上も下も記録した感がありますが、

その後はほとんど値動きはありません。

今日は、連休明けでもあり、G7あるいは米雇用統計後の最初の通常マーケットです。

G7で政府は日本の単独介入に理解を求める努力を行ったようですが、

それについては容認されたかどうかは分かっていません。

しかし、各メディアからの情報では否定はされなかったことは理解できます。



これを受けて、政府・日銀が再び介入に踏み切るかどうかが注目されます。

昨日の海外市場では一時的にせよ、81円台前半まで円が急騰し、

1995年4月の史上最高値である79銭75銭が意識されています。

市場介入についてはその規模と同時に、

前回と同様に海外市場も含めて「広範囲」に行うのかどうか、

その手法にも注目したいと思います。

しかし、これまでのスタンスからすると82円台では

介入に踏み切らないことも考えられますが、

さすがに、先週末のNY市場の円の高値である

81円70銭近辺から81円50銭辺りに掛けては

日銀の動きもあると予想しています。



上値については、介入がないとすれば82円半ば辺りが一つのメドと観ます。

1時間足での「100日移動平均線」が82円50銭手前にあるからです。

それ以上の上昇は大量のストップロスなど、何かの力が働かなければ難しいと思います。

また、「200日移動平均線」も82円99銭に位置しています。

先週末の米雇用統計の結果を受けて市場では、

11月のFOMCでFRBは追加緩和を決定する、との見方がかなり有力になってきました。

個人的には何らかの量的緩和に踏み切るもの観ていますが、

ここにきてその動きをけん制する発言も出てきています。



空席のFRB副議長に就任した、前サンフランシスコ連銀総裁のイエレン副議長は、

金融緩和を進めるリスクについて、

パーティー終わったらテーブルにある「パンチボール」はすぐに片づけるべきだ、

との言い回しで追加緩和に警鐘を鳴らしました。

ただ、市場では副議長が追加緩和に否定的な見方を示したとは受け止めていないようです。

円が81円台前半、ユーロが1.40台半ば、

そして豪ドルが0.99台前半まで上昇したことで

追加緩和はかなり織り込んできた可能性もあります。

どの程度織り込んだかどうかは今週1週間の為替の動きがヒントを与えてくれそうです。







円、早朝に81円39銭まで急伸。 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場


  • 米9月の雇用統計では、失業率は横ばいだったものの、非農業部門雇用者数は

    市場予想を大幅に上回る減少幅だったことからドル全面安の展開に。

  • 円は発表直後82円を割り込み、一時81円72銭まで上昇。その後82円台に

    押し戻される場面があったものの、政府日銀による市場介入もなかったことから

    再び81円台に上昇し、81円90銭で引け。

  • ユーロはユンケル・ベルギー首相の「ユーロは強すぎる」との発言を受け

    1.37台前半まで売られたものの、米雇用統計の悪化から再び買いが優勢に。

    円が急伸したことでクロス円の売りも出て円独歩高の展開に。

  • 株式市場は続伸。追加金融緩和が確実との見方から非鉄株を中心に

    上昇。ダウは約5ヶ月ぶりに1万1千ドルの大台を回復。

  • ドル安、株高から債券相場はやや軟調に、長期金利は小幅上昇。

    2年債は一時、3日連続で過去最低水準を更新、金利先安観が継続。

  • 金、原油はドル安を材料に反発し、ほぼ高値圏で引け。

  • 9月非農業部門雇用者数  →9.5万人減少

    (うち民間部門雇用者数 → 6.4万人増加 ) 

  • 9月失業率 → 9.6% (前月比変わらず)



本日の注目イベント
         
  • 日   東京休場(体育の日)                     
  • 米   NY休場(コロンブスデー)      

米9月の雇用統計をきっかけにドル安がさらに加速しました。

円は82円を割り込み、81円72銭まで急伸し、82円の壁はあっさり

破られています。

今朝方、オセアニア市場では円買いの勢いが止まらず市場が薄い中、81円

39銭まで円買いが進んでいます。

一時、買い持ちが膨らみ、ポジション調整から下落したユーロ、豪ドルも再び

上昇に転じており、ドル全面安の様相です。


先週水曜日に発表されたADP雇用者数が市場の増加予想に比べ、減少に転じ

ていたことと併せ、米労働市場が依然として厳しいことが確認されました。

今回の雇用統計では民間部門の雇用者数は6万4千人の増加で、市場予想と

ほぼ一致していましたが、政府部門の減少幅拡大が全体の足を引っ張った格好

になっています。

ただ、民間部門の増加数の8割は人材派遣など、期限を区切った短期雇用の形

態だったとの指摘もあり、今後民間部門が全体の数字を押し上げるには不安が

付きまといます。

政府部門の減少幅で特徴的なのは教職員の減少が目立ったことでした。

地方自治体の財政難が背景にあるのは言うまでもありません。


さて、円は81円台の前半まで上昇したことで80円が視野に入ってきたと観ら

れます。先週末ワシントンで開かれたG7で、野田財務大臣は、為替介入につい

ては「今後の話はまだ言ってない」としながらも「この間の経緯は説明した」とし、

「基本姿勢が同じであることは理解していただけた」との認識を示しています。

(ブルームバーグ)そして、今後も「必要な時には断固たる措置を取っていく」と、

これまでの文言を繰り返すに留まっています。

市場は、このあたりを敏感に読み取り「介入はしない」との判断から「ドル売り円

買い」を進めている模様です。米国がドル安を容認しているいることは明らかで、

欧州でもユンケル・ルクセンブルグ首相は「ユーロは高すぎる」と、このところの

ユーロ高に不快感を表しています。世界は「通貨安競争」に突入しており、自国通

貨安による輸出拡大から景気回復を目指すという思惑が鮮明になっています。

そんな中で、円が狙い撃ちされている状況です。80円という数字は単に、大台と

いうだけではなく、歴史的な意味を持つ水準です。この水準を割り込むと、1995

年4月に記録した79円75銭をも上回り円買いがさらに加速することが十分に予測

できます。現在の水準では、市場はまだ「おそるおそる」」円を買っている状況ですが、

80円を割り込むと「安心して」円を買ってきそうです。

ここは政府日銀としても、再び何らかの行動を起こすべき水準かと思います。

本日は東京市場とNY市場が休日です。

市場参加者が比較的少ないことから、大きな値動きも考えられます。

十分注意していただきたいと思います。

円高さらに進みNYで82円台前半に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル安が一段と加速し、主要通貨は軒並み直近の高値を
    更新。
  • 円は東京市場引け後から強含み、82円50銭を割り込んでから
    からは一段と円高が加速。NYでは82円11銭と連日の高値更新。
  • ユーロドルも一時1.40台に乗せ、豪ドルは0.9918まで
    買われ変動相場制移行後の最高値を更新。
  • ECBのトリシェ総裁は理事会後の記者会見で、ドル安ユーロ高を
    けん制する発言を行ったことからユーロ売りを誘い、豪ドルも下落。
  • 米経済指標は改善を見せたものの、市場には大きな影響はなく
    本日の雇用統計を待つ格好に。
  • 米株式市場は高値警戒感からまちまち。ダウは小幅安、ナスダックは
    小幅高で取引終了。
  • 債券相場は2年債利回りが過去最低を更新。長期債も買われ
    金利は小幅に下落。
  • 金、原油は、ともにこのところの急上昇か利食い先行の
    売りが優勢となり反落。
  • 週間失業保険申請件数 → 44.5万件(市場予想より減少)
  • 8月消費者信用残高  → -33億ドル


本日の注目イベント


  • 日   8月貿易収支
  • 独   8月貿易収支
  • 英   9月生産者物価指数
  • 米   8月消費者信用残高
  • 米   9月雇用統計
  • 加   9月失業率
  • 加   9月住宅着工件数
  • 米   G7(ワシントン)





ドル安の流れが止まりません。

ユーロや豪ドルは直近高値を更新した後、

トリシェECB総裁の発言をきっかけに利食いの売りが

優勢になったものの、円は82円の前半に留まっています。

昨日の午後、櫻井財務副大臣が円高に関するコメントを求められ

「為替がどう振れていくかはマーケットが決めるもの」と発言したことが伝えられ、

「市場介入はない」と読んだ投機的なドル売り円買いに、円は82円台前半まで上昇、

連日の高値更新となりました。



櫻井副大臣の発言を待つまでも無く、

政府日銀は昨日の東京市場での82円台後半でも介入する姿勢は見せませんでした。

9月15日に大規模介入に踏み切った水準を超える円高にも

動かなかった政府日銀の姿勢を、

市場は「介入はしない」と判断するのはある意味自然なことです。

折から、ユーロや豪ドルが対ドルで急上昇したことで、

円買いに弾みがついた格好になり82円台前半まで上昇したと観られます。

米金融緩和観測が根強く、通貨安競争を批判する声もありますが、

来月のFOMCでの政策決定まではこの流れが継続すると見ざるを得ません。



NY市場で82円11銭を記録したドル円ですが、下値はすでに80円割れか、

1995年4月の79円75銭の史上最高値しかメドがたちません。

円が上昇する度に、市場介入や量的緩和などで対処してきた政府日銀ですが、

やや手詰まり感が漂ってきました。

隣家の米国から火災が発生し、それが燃え移ってきたため必死に火消しに努めても、

再び隣から延焼してくる。そんな状況です。

ここは「火の元」である米国が鎮火させないことには、

火種がいつまでもくすぶり続けることになります。

米国が「これ以上のドル安は世界経済にマイナス」との

スタンスに転換しない限り現在の流れは変わりません。



ECBは事前の予想通り政策金利の据え置きを決め、

理事会後に定例となっている記者会見でトリシェ総裁は、

日米の追加緩和政策とは一線を画す姿勢を見せました。

これがユーロ高を促した面はありましたが、

同総裁はこのところの「ドル安ユーロ高」にも懸念を表明しています。

今年の春先から6月くらいまで続いたユーロ安で景気の底割れを回避できた経緯もあり、

これ以上のユーロ高を避けたいとの意向が見え隠れしているようです。



今夜からは為替に影響を与えそうなイベントが続きます。

米雇用統計に加え、夜半からはG7とその後にIMF総会が控えています。

今回のG7では為替問題が議題の一つであることははっきりしています。

基本的には「人民元問題」が中心と観られますが、政府日銀は各国に、

円高阻止に向けた単独介入に理解を求める意向です。

果たしてすんなりと受け入れられるのかどうか。

仮に中国が行っている為替政策と同一視されるようだと、

さらに円高が進む可能性もあります。



6月のトロントでのG7では為替問題は議論されませんでした。

わずか4ヵ月を経て世界は通貨戦争の様相を呈してきました。

今回のG7は各国が自国の利益を優先する、

エゴとエゴのぶつかり合いになることも予想されます。

そんな中で、新たな「通貨体制」が構築されるとは思えません。

IMFのリプスキー専務理事は「通貨戦争になっていないことを願う」と発言し、

ストロスカーン同理事も

「(為替)を経済政策の武器として使うのは好ましくない」とのコメントを残し、

ブラジルのマンテガ財務相に至っては「通貨戦争は既に始まっている」と述べています。

ポジション管理をしっかりとやる必要があります。

よい連休を・・・。






円、再び直近高値更新。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ADP雇用者数の減少を受け、ドル安が加速。
  • 円は一時82円75銭と、9月15日の介入直前の水準を
    上回り、直近の円最高値を更新。
  • ユーロも連日の上昇で1.39半ばまで上昇、FRBによる
    追加緩和が確実視されドル全面安が加速。
  • 米株式市場はまちまち。ダウは小幅に上昇したものの、
    ナスダックは下落。
  • 追加金融緩和の期待がさらに高まったことから、債券は大幅に上昇。
    長期金利は今年1月以来の2.3%台後半に下落し、ドル売りを加速。
  • 金は連日の最高値更新、原油価格も83ドル台に。ドル離れした
    資金は商品市場にも流れているいるとの指摘も。
  • ガイトナー財務長官は講演で、新興国の通貨安競争に懸念を表明。
  • 9月ADP雇用者数 → -3.9万人(市場予想は2万人ほどの増加)


本日の注目イベント


  • 豪   9月雇用統計
  • 日   8月景気動向指数
  • 欧   ECB理事会
  • 英   BOE理事会
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   8月消費者信用残高
  • 加   8月住宅建設許可




注目のADP雇用者数は市場の増加予想から大幅に乖離し、3.9万人の減少でした。

明日発表の9月の雇用統計でも悪化しているのでは、との見方もにわかに増加しています。

ADP雇用者数と労働省発表の雇用統計での非農業部門雇用数は必ずしも一致はせず、

時には正反対の結果になることもあり、

このまま明日の数字が悪化しているとは決めつけられません。

しかし、昨日の同指標発表を受け、

来月のFOMCでは大幅な追加緩和は必至との見方がさらに

高まり、ドルは全面安の展開になっています。

ユーロや豪ドルなどの主要通貨だけでではなく、

ドル安の影響を受け、米長期金利は急低下。

さらに金や原油などの商品相場も軒並み高騰しています。

やや行き過ぎの感もありますが、米国自身がこのドル安に何ら懸念を示さないことが、

さらにこの流れを加速しているとも言えます。



ガイトナー財務長官は、昨日ブルッキング研究所で講演を行い、

新興国の通貨安競争に警鐘をならしました。

「市場の流れに抵抗しようとする国が増えている」と、

中国を暗に批判しているとも受け取れる発言を行っています。

日本の為替介入についてはコメントを避けた模様で、

この辺りは日米の事務レベルでの話合いができているとも判断できそうです。

しかし、ドル全面安の中、自国の通貨安には触れずに他国の政策に警鐘をならすのは、

さすがに米国一流のやり方で、妙に感心させられるのは私一人でないと思います。

円はユーロなどの主要通貨に比べ、対ドルでの上昇スピードは遅く、

その結果クルス円では「円安」傾向になっています。

これは介入警戒感が根強く、円を買うにも、

この水準からはやや腰を引きながら恐る恐る買い進めている状況かと思います。

仮に介入が実施されれば、1円~2円程度の損害を被ることから、

なかなか本腰を入れて買い向かうわけには行きません。

しかし、それでも円のじり高が続き、

昨日のNY市場ではついに介入直前の水準を上回る円高を記録しています。

前日にも82円台後半まで円が買われる場面がありましたが、

それでもNYの引け値では83円台に戻して取引を終えています。

今回は引け値でも82円台だったことで、

今日の東京時間では政府日銀よる市場介入の可能性が高まっています。



政府日銀は9月15日の大規模介入以来目立った介入は行っていません。

先日発表になった財務省の「外国為替平衡操作の実施状況」によると、

2千ー3千億円程度の「覆面介入」が行われた可能性はありますが、

堂々とドル買い円売りを行う介入は83円台では観ることが無かったわけです。

さすがに82円台ではどこかのタイミングで介入に踏み切ると予想はしていますが、

今週末にG7を控えていることや、円の上昇スピードが緩やかなこと、

あるいは金融緩和による影響から株式市場は堅調に推移しているなど、

介入しにくい状況ではあります。

しかし、ユーロ、豪ドルなどに比べスピードが鈍い分、

これらの通貨に「天井観」がでてくると、円買いが加速することも考えられます。

通常、介入には「相場の急激な変化に対応する」という大義名分が必要ですが、

円は一旦上昇スピードが加速すると止まりにくい特徴があります。

また、82円台後半の水準で介入に踏み切らないと

「この水準を容認した」とも受けとめられかねないことから、

本日の日銀の動きは非常に注目されます。







円、3週間ぶりに82円台に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 日銀の追加緩和の決定にもかかわらず、円はNY市場で83円割れ
    まで上昇。先月15日の介入以来の82円台後半を示現。
  • ドル全面安の流れは変わらず、ユーロは対ドルで1.38台半ばまで
    上昇。この影響もあり円は対ドルで連れ高に。
  • ユーロは対ドル、対円だけではなく豪ドルなどに対しても上昇。
    FRBの追加緩和見通しや、RBAの政策金利据え置きなどが背景。
  • 米株式市場は急騰。金利低下見通しなどからほぼ全面高。ダウは
    193ドル高と1万1千ドルに迫る上昇。
  • 株高、ドル安を背景に債券相場は続伸、長期金利は下落。
  • 金は大幅続伸し、1340ドル台に。原油価格も約5ヵ月振りに
    82ドル台後半まで続伸。
  • 9月ISM非製造業景況指数 → 53.2(予想は52.0)


本日の注目イベント


  • 欧   ユーロ圏第2四半期GDP(確報値)
  • 独   8月製造業受注
  • 米   9月ADP雇用者数


昨日の金融政策決定会合で日銀はさらなる金融緩和に踏み切りました。

今回は政策金利を0.1%から0%ー0.1%に引き下げ、

実質的には4年ぶりの「ゼロ金利政策」に戻ったことになります。

量的緩和についても5兆円規模で国債、CPなど買い入れのための基金創設を決めました。

今回の決定内容で注目すべきは、購入資産の対象にETFやREITも含めたことです。

日銀のこれまでよりも「一歩踏み込んだ積極的な姿勢」が評価されるところかと思います。



しかしそれでも円高は止まっていません。

昨日の午後、量的緩和の内容が発表された瞬間には円が売られ、

一時83円99銭までドルが反発しました。

しかし、84円には届かずその後はじりじりと円高方向へ戻され、

NYでは83円割れまでドル安円高が進む場面もありました。

この状況は、9月15日に日銀が大規模介入を行い、力づくでドルを持ち上げ、

85円94銭までドルが反発した時の状況に似ています。

この時は86円台前半には「一目均衡表」の雲が持ちかまえており、

この水準が抜けるかどうか重要なポイントでした。

今回の84円台乗せに失敗した状況も同様に、

「4時間足」では長期の移動平均線が84円台前半に集まっており、

この水準が抜けるかどうかに注目していました。

結果はドルの反発は限定的で元の水準まで戻されるというものでした。



日銀が大胆な政策に踏み切ったものの、

市場はその効果に疑問を投げかけた格好になっています。

背景は、FRBによる追加緩和の可能性がさらに高まったからです。

そのため、ユーロドルは大幅に上昇し、金なども急騰しました。

市場はドル安がさらに進むと観ている証しです。

円もこの流れの影響を受け、再び83円割れまで買われた側面があると言えます。



大規模な市場介入、量的緩和の拡大、さらにはゼロ金利政策の導入と、

日銀は手持ちの札を次々と切ってきました。

それでも円高が止まらないのは、

米国の方がより踏み込んだ緩和策を実行できると市場は観ているからです。

それは、量的緩和の規模、長期金利の下げ余地をみれば明らかです。

加えて、83円前後まで介入を行った形跡もないことから、今週末にはG7を控えており、

介入しにくい状況とも観られています。

今日東京時間に82円台まで円高が進むようなら、

どこかのタイミングで政府日銀が再び介入を実施してくる

ことは必至だと思いますが、問題はそれでもドルがどこまで反発してくるか、

ということです。



ゼロ金利に踏み切ったことで、長期金利は再び0.9%を割り込み、

日経平均も大幅高が予想されます。

一方で、さらに円高が進めば輸出企業の収益に与える影響は少なくありません。

市場はやや混沌としてきました。

週末のG7で日本の立場に理解を求めながら、

積極的に市場介入を繰り返すしか手立てはないのかも知れません。

米財務省高官も、今回のG7では「為替問題も議題のひとつになる」と言及しています。

少なくとも、「人民元のさらなる上昇を期待する」という

流れに歩調を合わせるようなことは避けなければなりません。







ユーロ上昇に一服感。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドルは先週以来となる主要通貨に対して上昇。対円では83円台前半で
    値動きは限られたものの、対ユーロ、豪ドルなどで買い戻しが進む。
  • 中古住宅成約指数が予想を大幅に上回ったことをきっかけに
    ユーロドルは昨日の早朝の1.38台から1.36台後半まで、利食いの
    ユーロ売りに押された格好。
  • 円以外の主要通貨が大幅に下落したことからクロス円も下落幅を拡大。
    ユーロ円はアジア市場の115円台から一時113円台に。
  • 株式市場はゴールドマンがマイクロソフトの投資判断を引き下げた
    事を嫌気して売り優勢に。NYダウは78ドル安と反落。
  • 株安から債券相場は上昇。長期金利は再び2.5%台を割り込む。
  • ドル高ユーロ安が進んだことで、金、原油相場はともに小幅反落。
  • バーナンキFRB議長は、ロードアイランド州での学生との会合で、
    追加の資産購入はさらに米経済を支援するだろうとの見方を示す。
  • 8月中古住宅成約指数 → +4.3(事前予想は+2.8)



本日の注目イベント


  • 日   日銀政策金利発表
  • 豪   8月貿易収支
  • 豪   8月小売売上高
  • 豪   RBAキャッシュターゲット
  • 欧   8月ユーロ圏小売売上高
  • 米   9月ISM非製造業景況指数



ドル円は連日「判で押したように」83円16-18辺りで下げ止まり、その後やや反発します。

この水準では介入警戒感があるとはいえ、見事なくらいに止まっています。

「覆面介入」があるのでは、との見方は考えすぎでしょうか・・・。

しかし、そうはいっても相変わらず上値も重く、ドルの反発は限定的です。

本日は日銀の金融政策決定会合最終日で、

午後にでも追加緩和の内容が発表されると観られます。

国債と資産担保証券の買い取りを中心に量的緩和を図るというものですが、

内容によっては失望感からドル売りに傾く可能性もあり、注目されます。

9月15日に大規模介入を実施したにもかかわらず、

介入直前に近い水準まで円高が進んでいることから

日銀としてはこの水準からドル売りに繋がる様な政策は決定しにくいものと思われます。

また、週末にはワシントンで「G7」が開かれることから、

このタイミングでは市場介入も避けたいところです。

日銀としても介入を行わずに済む水準にまでドルが反発してほしいとの

計算もあるはずです。

ただ、今回の決定会合で全ての手持ちの札を切ってしまうと、

仮に11月の米FOMCをきっかけに円高に振れた際、

対策に窮することから持ち札を温存することも考えられ、

決定内容に市場の注目が集まります。



昨日もこの欄で触れましたが、

ユーロ、豪ドルなどでは利食いの売りがかなり出た模様です。

昨日の早朝、ユーロは一時1.38台に乗せました。

中国の温家宝首相が、

ギリシャ国債を購入することやユーロ圏を支援することを表明したことから、

ユーロのもう一段の上昇を見越した買いが集まった様です。

アジア市場では1.37台半ばに下落し、やや上値が重くなっていたところに、

NY市場ではコロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授が、

欧州の緊縮財政は景気後退に繋がるとの見方を示したことから

ユーロ売りが加速し1.36台後半までドル高ユーロ安が進みました。



連日、大台替えを演じていたユーロは1.40を目指していると思えますが、

ポジションの積み上がりも進んでいたことから利食いが先行した格好です。

個人的には今回の下落は「調整の範囲」と考えています。

テクニカルからも、「一時間足」では9月13日にローソク足が

「100日移動平均線」を上抜けして以来上昇を続け、

このラインは現在1.366前後の位置に来ています。

またこの下には「200日移動平均線」があり、この水準を維持できていることを条件に、

ユーロは再び1.40を目指すと観ています。

言いかえれば、ドルの上昇も限定的であり、

来月のFOMCまではドル安ユーロ高の流れは変わらないと予想しています。



同様に豪ドルの下落もユーロほどではないとしても、やや調整気味です。

上記テクニカルでは0.9627のレベルではサポートされそうですが、

本日は豪州のイベントが多く、内容次第では上下どちらにも動きそうです。

注目は何と言っても政策金利の発表です。

RBAは5月以来政策金利を据え置いていますが、

このところの資源価格の上昇や雇用統計の改善などを考慮すると、

利上げの可能性もそこそこありそうです。

発表は午後12時30分です。






NY連銀総裁発言でドル全面安。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は前日と同水準の83円16銭まで下落したが、介入警戒感から
    同水準でもみ合い、ほぼドル安値圏で引け。
  • NY連銀のダドリー総裁は、米景気の改善が進まない場合には追加緩和
    が正当化されるとの認識を示し、この発言がドル売りに繋がり、
    ユーロドルは一時1.3793と約半年振りの高値を記録。
  • ドル全面安の中、ドル円には介入警戒感があることから、
    ドルに対しては他の主要通貨ほど上昇はせず、
    クロス円は軒並み一段と円安方向に。
  • 株式市場は個人消費支出や消費者マインド指数が予想以上だったことから
    続伸。NYダウは41ドル高に。
  • 債券相場は横ばい。個人消費支出が増加していたことから軟調に
    推移していたが、大引けは前日比変わらず。
  • 金相場は大幅高。ドル安から連日の高値更新。代替通貨としての面からも
    資金流入が続いている模様。原油も大幅高で引けは約2ヵ月振りに81ドル台に。
  • 8月個人所得 → +0.5%
  • 8月個人支出 → +0.4%
  • 9月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)→ 68.2
  • 9月ISM製造業景況指数 → 54.4(ほぼ予想通り)



本日の注目イベント


  • 豪   シドニー休場(レーバーデイ)
  • 日   日銀金融政策決定会合(10/5まで)
  • 米   8月中古住宅成約指数


ドル全面安の流れは米追加金融緩和が実施される見込みの

11月初めまで継続しそうな気配です。

この日は再びユーロ、豪ドル、NZドルなど高金利通貨の対ドルでの上昇が目立ちました。

連日「大台替え」を示現しているユーロは1.3793と、約半年ぶりの水準まで買われ、

1.40の大台にも届きそうな勢いです。

中国の温家宝首相がギリシャのパパンドレウ首相との会談で、

同国の国債を買い増す考えを表明したこともユーロ上昇に弾みをつけたようです。



豪ドルも0.97台半ばを記録し、最高値まであと100ポイントの水準まで上昇しています。

背景にはドル安見通しだけではなく、

明日行われるRBAの決定会合で利上げが実施されるとの

見方が台頭していることが挙げられます。

ドル安はこれら主要通貨に対してだけではなく、金価格も上昇させています。

金は1317ドルと、1300ドルの大台に乗せてからは連日の高値更新を続け、

ドルの全面安が際立ってきました。



そんな中、円は83円台前半まで来ると介入警戒感が強まって、

上げ止まる展開を繰り返しています。

先月15日の大規模介入が82円台後半から実施されたことから、

この水準では警戒感が一段と強まります。

ただ上昇スピードは鈍るものの、円が大きく売られる地合いではありません。

「怖いもの見たさ」から再びドル売り円買いで攻めてくる、そんな流れが続いています。

円の上昇が止まることからクロス円では軒並み大幅な円安が進んでいます。

ユーロ円は114円台後半と、5ヵ月振りの水準までユ-ロが買われ、

テクニカルで観ると118円程度までの上昇余地はありそうです。



今週は週末には米雇用統計が控えており、

今日明日には日銀の決定会合もあり波乱含みです。

再び日銀による市場介入が実施される状況が来る可能性があると見ます。

83円台までは介入は観測されていないようですが、

前回同様82円台後半では「円売り介入」に踏み切るのかどうか、

政府日銀の「姿勢」が注目されます。ドル円を予測する上では大きなポイントです。

明日にも日銀は追加緩和を実施すると観られていますが、

同時にドル買い介入も行うのではないか、との観測もあります。

より効果的な介入ということを考えれば十分あり得る方法です。



先週末に発表されたシカゴ通貨先物市場での建て玉を観ると、

先月15日の市場介入後大幅に減少した「円買い」ポジションも再び増加しています。

なかなかドルが反発するきっかけをつかめない中、

米中間選挙も1ヵ月余りに迫ってきました。

このところ、オバマ大統領の求心力も急速に低下してきました。

選挙結果次第では、ドル売りに繋がる可能性を排除できません。







ドル円米経済指標の改善から83円割れ回避。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 上値が重い展開のドル円は、一時83円16銭まで円買いが進み
    83円台割れも視野に入ったが、先の日銀による市場介入の水準に
    近付いたことや、この日発表された米経済指標が市場予想を
    上回ったことからややドルが反発し、83円台半ばで引け。
  • ユーロ、豪ドルなども欧州時間には上昇したが、米経済指標の
    好転から米追加緩和期待がやや後退しドルが買い戻される。
  • ムーディーズはスペインの国債格付けを1段階引け下げた。
    この影響からユーロの利食い売りを誘発。
  • 株式市場は米経済指標の発表を受け、朝方は100ドルを超す上昇。
    午後には利食いの売りが優勢となりダウは結局マイナス47ドルで引け。
  • 債券相場はまちまち。2年債は上昇したものの10年債は下落し
    長期金利は小幅に上昇。
  • 金は7日振りに反落したが下落幅は小幅。原油は大幅続伸し、
    約1ヵ月半ぶりに80ドルに迫る水準に。
  • 週間失業保険申請件数 → 45.5万件
  • 9月シカゴ購買部協会景気指数 → 60.4(市場予想は55.6)
  • 第2四半期GDP(確報値) → 1.7%(改定値から上方修正)



本日の注目イベント


  • 欧   8月ユーロ圏失業率
  • 米   8月個人所得
  • 米   8月個人支出
  • 米   9月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)
  • 米   9月ISM製造業景況指数


ドル円はドルの上値が重く、円が徐々に買い戻される展開が続いています。

NY市場では83円16銭まで円買いが進み、

9月15日に政府日銀が大規模市場介入を実施した水準に近付く場面もありました。

政府日銀は82円90銭近辺で介入に踏み切った記憶も残っているため、

さすがにこの水準から下値ではこれまで以上に

介入警戒感が高まっていたものと思われます。

しかし、昨日のNYでは介入に対する警戒感だけではなく、

米経済指標の好転がドルの買い戻しを促した格好になりました。

週間失業保険申請件数は市場予想を下回り、

シカゴ購買部協会景気指数も事前予想の55.6を大幅に上回る60.4と発表され、

ややサプライズでした。

さらに第2四半期GDPの確報値も上方修正され、

ドルにとっては「願っても無い援軍」でした。

この結果、ドルはこの日の底値から約50銭ほど円安方向に振れましたが、

上値も予想の範囲内の動きで限定的だったようです。



「30分足」では100日移動平均線が83円64銭に位置し、

今回の経済指標の好転でドルが反発してもこの水準でしっかりキャップされています。

この傾向は先週24日の「介入らしき」ドル買いでドルが急反発して以来続いています。

逆にこの水準を上抜けして来ればドルがもう少し上昇する可能性もありそうですが、

ドルの先安を予想している向きは

この移動平均線を意識しながらドル売りを継続していると思われます。

ドルが大幅に反転するには単発的な経済指標の改善では足りず、

継続的に改善してくる必要があります。

足元ではその可能性は低く、

今後も追加緩和を含めた追加景気対策の実施が求められます。



これまで円が買い進まれた理由の一つに、ドル全面安の展開が挙げられます。

豪ドルは対ドルでは6月初旬の0.8080を底値に1650ポイント(約20%)の上昇を見せ、

ユーロに至っては1.1877から昨日の1.3684まで

1800ポイント以上(約15.2%)も上昇しました。

円もこれらの通貨の上昇と歩調を合わせる形で買い進まれてきましたが、

今後の円の動きを占う上では上記両通貨の動きからも目が離せません。

ユーロはスペインの格下げとアイルランドの財政赤字問題の再燃から

やや値を下げています。

豪ドルも昨日の9月の建設許可件数の悪化から同様に値を下げています。

ただ、どちらもこれまでの大幅上昇に伴う「調整」の域を抜けていません。

今後再び上昇傾向を強めるのか、

あるいはやや長めの「調整」に入るのかをしっかりと見極めたいところです。



同時に、介入の可能性も気になります。

83円台の前半まで介入らしき動きは観測されていないことから、

政府日銀の次は出動はやはり82円台に突入してからと考えられます。

大規模な介入を行っても結局2週間で元の鞘に戻りそうな形勢です。

事前に指摘したように、単独加入の効果は限定的だったことが証明されたことにもなります。

おそらく、この次に大規模な介入が行われてもその効果はさらに低下すると思われます。

政府日銀も「次の一手」を模索していると思われますが、

円高の主因が米国サイドにある以上、

なかなか効果的な方法が見つからないというところではないでしょうか。



今日から10月です。秋も一気に深まってきそうです。

良い週末を・・・。







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