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米長期金利上昇でドル円再び83円台に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 円は再び下落し、83円台半ばまでドル高円安が進む。
    ブッシュ減税の延長が正式に合意され、米長期金利が急騰したことや、
    ユーロが対ドルで軟調だったことが材料に。
  • ユーロはアイルランドで2011年予算の審議が議会で始まり
    成立するとの見通しがあるものの、依然として不透明感を払拭できず下落。
  • EU財務相会合は基金の拡大には至らず2日間の会議を終了。
  • 株式市場はブッシュ減税延長を好感し上昇したものの、引けにかけては
    上げ幅を縮小。前日と同様にダウは小幅安、ナスダックは小幅高で取引を終える。
  • 債券相場は上記減税の2年間の延長や、2年債利回りの上昇を受け大幅に下落。
    長期金利は5ヵ月半ぶりに3.13%台に上昇。
  • 金はドル高から反落。原油は米東部の寒波の影響もあり一時91ドルに
    迫る場面もあったが、利益確定の売りに押され小幅反落。



本日の注目イベント


  • 日   景気ウォッチャー調査
  • 独   10月独貿易収支
  • 独   10月独鉱工業生産





海外市場でドル円は再び83円台半ばまでドル高円安が進みました。

昨日のアジア時間では82円36銭まで円買いが進む場面もありましたが、

NYの円高値を完全に抜けなかったことや、

値ごろ感からドルは82円台後半まで買い戻され、

海外市場ではさらに一段のドル買いに繋がっています。

特にNY市場では、いわゆるブッシュ減税の2年間の延長が正式に決まり、

米財政赤字の拡大に繋がるとの見方から、

債券が大きく売られ長期金利が急上昇し、ドルが買い戻されています。

今回の減税の延長は富裕層も対象になり、

米ゴールドマンサックスなどは、減税措置の廃止を睨んで、来年に支払う社員の

ボーナスを年内に支払うことまで検討していると報じられていました。



減税延長の合意は株式市場には「好材料」として受け止められ、

NYダウは朝方から上昇しましたが、結果的にはそれほど効果はありませんでした。

大きく反応したのは債券市場です。

減税の財源確保のため国債の発行額がさらに増えるとの観測から、

財政赤字の拡大→債券市場の軟調→長期金利の上昇と、素直に反応し、

10年債利回りは一気に3.13%台に乗せました。

これは7月13日以来の水準となり金利差拡大からドル全面高に繋がりました。

財政赤字の拡大は、米国債の格付け引き下げに繋がるのではとの懸念もありますが、

これについては大手格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスが

「米国債格付け引き下げにはつながらない」との見解を素早く示しています。

余りにも迅速な対応で何か、

「周到に準備されていたのではないか」と勘ぐってしまいたくなります。



円は先週末の雇用統計の発表をきっかけに82円台半ばまで買われましたが、

ひとまず目先の円の高値も確認した様に思えます。

少なくとも「80円を割り込むのは時間の問題」といった

相場観はかなり遠くなってきたと感じます。

もちろん、年末から来年に向け「80円を試す展開」はあろうかと思いますが、

それにはまだ時間が必要ではないかと観ます。

依然として不安定な「雇用と住宅」の回復基調が

明確な鈍化傾向を示すなどのドル売り材料が必要になります。

来週末辺りまでに82円半ばから84円半ばのレンジをどちらかに抜けないと、

しばらくはこの取引レンジ、もう少し広めに言えば

81円台後半から84円台後半で推移する可能性が高くなるのではないでしょうか。



円の方向性を決めるに重要なのは、やはりユーロの動きです。

1.30割れは回避しているものの、1.35から上値に大きく上昇するとも思えません。

EU財務相会合では

現在7500億ユーロ(約83兆円)の救済基金は増額されませんでした。

EU首脳は財政危機はポルトガル、スペインまでは波及しないと観ているようです。

しかし、市場の見方は異なっているようです。



長期金利やCDSの保証料率の高止まりがそれを如実に表しています。

昨日のCDSの保証料率を観ると、

アイルランドは5.39%と先週から少し改善はしているものの依然高水準です。

ポルトガルは4.35%でスペインは3.08%になっています。

日経ヴェリタス紙はCDSに詳しい専門家の意見として

「経験則で言えば、2%超えはPIIGS並みの信用不安。

6%超えは救済が意識される水準」と報じています。

失業率に至ってはポルトガルは10.7%ですが、スペインは19.9%と、高水準です。

スペインでは5人に1人が失業しているという計算になります。

緊縮財政から税収の増加は望めません。

歳入不足を補うには国債の増発に頼らざる得ません。

スペインの財政赤字の対GDP比は現在11.9%です。

財政赤字をGDP比3%以内に抑えるよう求めている

EUの財政規律は相当厳しものになると思われます。

さらにスペインは来年4月からの半年間で

310億ユーロ(約3兆3千億円)もの国債償還を控えています。

今後さらに金利が上昇したら借り換えコストにも影響し、

さらに財政を悪化させる可能性もあります。



このように観てくると、来年2011年も通貨ユーロの火種は尽きないと思われ、

欧州からの情報に一喜一憂させられそうです。

ユーロが対ドルで1.30を目指すのであれば、

ドル円もやや円安方向に振れる可能性があります。

あるいは、今年8月の時の様に円が全面高となり、

ユーロ円が105円を目指すことになるのかもしれません。
















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