エジプト情勢から円高、株安、債券高。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- エジプトでの反政府デモと警察との衝突で、安全資産として
米ドル、スイスフランが上昇。 - ユーロは対ドルで1.37台半ばから1.35台後半まで下落。
このところユーロの上昇が続いていたことから、利益確定の売りも
でて、ユーロ急落に繋がった。 - 円も上昇。安全資産の米債券が買われ長期金利が下落したことや、
米10-12月期GDPが予想を下回ったことで円買いドル売りが
優勢となり、一時82円を割り込む水準に。 - ユーロが下落し、円が上昇したことでユーロ円は大幅安に。
1週間ぶりに111円台半ばまで下落。 - 株式市場はエジプトでのデモが拡大していることを嫌気。
第4四半期GDPが予想に届かなかったこともあり、ダウは166ドル
安と、今年最大の下げ幅を記録。 - 安全資産への資金流入から債券相場は上昇し、金利は大幅に低下。
- エジプト情勢の悪化から金、原油はともに急騰。最近調整色を強めて
いた商品相場は大きく上昇。原油価格は3ドル70セント上昇し、89ドル
台まで買われる。 - 10-12月期GDP → 3.2%
- 1月ミシガン大学消費者信頼感指数 → 74.2
本日の注目イベント
- 日 12月鉱工業生産
- 欧 1月ユーロ圏消費者物価指数
- 米 12月個人所得
- 米 12月個人支出
- 米 1月シカゴ購買部協会景況指数
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁、大学生とのパネル討論会に参加
- 加 11月カナダGDP
エジプトでのデモの拡大から、ドル、スイスフラン、そして円も買われています。
ユーロは対ドル、対円でも共に大きく下落し、ここ2週間ほど上昇し続けてきたユーロに、
一旦利益確定の売りも出て、
ユーロドルでは1.35台、ユーロ円では111円台と大幅安になりました。
安全志向の高まりから米国債が買われ、長期金利が低下したことで円が買い進められ、
ユーロが売られた分円買いが優勢だったようです。
前日にはS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)による日本国債の格下げから
83円台まで売られた円でしたが、
市場では依然として「安全資産」としての評価も健全だったようです。
ただ、先週末の動きはエジプト情勢の悪化から、先ずはドルが買われ、
ユーロのストップロスの売りなども巻き込み、ユーロの調整に繋がっています。
ユーロの買い持ちが進んでいたことも、ユーロが下落し易い状況だったと言えます。
さらに「質への逃避」(Flight to quality)から債券が買われ、株式が売られました。
NYダウは今年最大の下げ幅となる166ドルもの下落から長期金利は急落。
これが日米金利差縮小との観測から円買いドル売りに繋がり、
結果として円が主要通貨に対して一人勝ちした理由だったと思えます。
「格下げ」という大きな円売り材料があったにも関わらず円は再び元の鞘に戻っていますが、
週末の各メディアの内容を観ていると、日本国に対してネガティブな見方が多く、
円安を予想する声が多かったと思います。
現在の水準は、「基本的には円高ではなく、ドル安なんだ」といった
意見が最も多かったようで、個人的にも同様な意見です。
菅総理は6月までに、消費税を含む社会保障全般の見直しを行い、
財政再建に向けた「たたき台」を提案することを宣言しましたが、
ねじれ国会の中、はたして政策に理解が得られるかどうか不透明です。
再び、他の格付け機関による格下げをきっかけに、
財政状態の危機的状況が注目され円が売られ易い状況がくるのではないか、
と予想します。
今日で1月も終わります。
年初の81円割れを除けば、結局この1ヵ月は概ね82ー83円の
1円幅に収まっていました。
円そのものに「材料」はなく、ユーロの動きに影響される展開が続いてきました。
テクニカルを観ても、一目均衡表(日足)の雲がローソク足を覆っていることから、
目先はドル円の下落傾向を示していますが
ボリンジャー・バンド(日足)では大きな変化は無く、
依然として明確な方向感がないことを示唆しています。
この水準からドルが売られた場合、
81円50銭を割り込むかどうかが重要になろうかと思います。
上値では83円台の前半がカギになりますが、
どちらに動くかは、やはりユーロドル次第ということになろうかと思います。
先週末、スイスのダボスで開催中の世界経済フォーラムで
ドイツのメルケル首相は講演を行っています。
その中で、同首相は「ユーロの失敗は欧州の失敗を意味する」と述べ、
ドイツとしてユーロの維持に努めることを強調しています。
そのうえで、「単一通貨をもちながら大きく異なる社会保障制度を維持することはできない」
と、過剰財政赤字国に財政再建に向けた一層の努力も要求していました。
1.28台から1.37台まで急速に買い戻され、
先週末、その上昇分の3分の2程度を埋めてきたユーロドルが
この先どちらに進むかは、上記メルケル首相の演説にヒントがあるかもしれません。
また、今日の日経平均株価も大幅な下落が予想されます。
今夜のNYで再びダウが下落するようだと、長期金利の下落にも繋がり、
もう一段ドル安が進むことも考えられることから、エジプト情勢からも目が離せません。
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- [2011/01/31 09:39]
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日本国債格下げで円一時83円台に。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 日本の昨日夕方、S&Pが日本国債の格下げを発表。
円は対ドルだけではなく、主要通貨に対して売り込まれ
全面安へ。 - その後NY市場でも83円台に乗せたが米長期金利の
下落からドルが売られるも、82円台後半でもみ合い。 - 格付けは「AA」から「AA-」となり、上から4番目に
格下。財政再建実現に対する懸念が払拭できないことが理由。 - 発表直後からドル高円安が進み83円台前半に。
ユーロも対ドルで売られ1.36台半ばまで下落したがすぐに切り返し、
1.37台に。この結果ユーロ円は一時114円乗せまで上昇し、
11月22日以来の水準に。 - IMFは日米の財政再建が進んでいないことに警告。
景気刺激策を優先する政策に理解を示しながらも、再建へのスピード
を求めたもの。 - 米株式市場は経済指標の悪化を受け下落したが、企業の好決算
の発表などもあり小幅に続伸。1万2千ドルの大台乗せには至らず。 - 債券相場は7年債入札が好調だったことを受け上昇。
長期金利は小幅に下落し、レンジ内での取引が続く。 - 金は大幅続落し約4ヵ月ぶりの安値に。年初の高値から100ドル
を超える下落幅を記録。原油価格も大幅反落。こちらも約2ヵ月ぶりの
安値水準となる85ドル台に。 - 週間失業保険申請件数 → 45.4万件(市場予想は40.5万件)
- 12月耐久財受注 → +0.5%(市場予想は+0.9%)
- 12月仮契約住宅販売件数 → +2.0%(市場予想は+1.0%)
本日の注目イベント
- 日 12月全国消費者物価指数
- 日 12月失業率
- 欧 12月ユーロ圏マネー・サプライ
- 米 10-12月期GDP
- 米 1月ミシガン大学消費者信頼感指数
これまで度々専門家に指摘されてきた日本の財政赤字を理由に、
S&Pはついに日本の国債を格下げしました。
昨日の夕方4時半ごろにこのニュースが伝わると、
それまで82円25銭近辺で取引されていたドル円は一気に82円台後半に上昇。
その後荒っぽい値動きを続け、
5時過ぎには83円22銭まで円が売られました。
ユーロ円などクロス円でも「円売り」が加速し、
円は全面安の展開でNY市場を迎えました。
ある程度予想されていたのか、あるいは「それほど大きな問題ではない」との認識なのか、
NYでの円売りは限定的でした。
米長期金利が下落したことや、経済指標が概ね悪化していたことなどが背景です。
しかし、「AA-」(ダブルAマイナス)の影響はそれ程小さなものでないと考えます。
対GDP比で200%を超す財政赤字は、
国内で95%程度消化されているから米国や南欧諸国とは異なる。
そういった指摘もありますが、昨日のWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)は
「日本はギリシャと同じか」とのコメントを掲載し、
サウジアラビアやクエートとなどと同じ格付けになったと紹介しています。
与謝野経済財政担当大臣は「日本の財政再建を急げという市場の声だ」
とのコメントを残していますが、
菅総理は「そういうことには疎いので」と、コメントを避けていました。
正直と言えば正直なんでしょうが、
このあたりの認識が日本の財政再建が進まない理由だとの厳しい批判には同じ意見です。
一国の最高責任者である以上、
少なくとも現実に迫っている「格下げ」の影響を予想しておくべきだったと思います。
今後さらに他の格付け機関などが追随する可能性があり、
長期的に見た「円下落への第一歩」であったのかもしれません。
ドル円は欧州市場での急騰で83円台前半までドル高が進みましたが、
目先の重要な節目である83円50銭超えには
至っていません。
現在ローソク足は一目均衡表(日足)の「雲」の中にいて
100日移動平均線に絡んでいることや、
依然として「三角保ち合い」(さんかくもちあい)の上限を抜けていないこと。
さらに、ユーロが対ドルで強含みに推移し
ドル安傾向が継続されていることなどから、
ドル円で円が一方的に弱くなる展開にはなっていません。
しかし、ユーロ円では2ヵ月ぶりの円安水準であり、スイス円では一時、
約7ヵ月ぶりの円安を記録しています。
上記テクニカルポイントを上抜けすればドル円でも円売りが加速する可能性は
意識しておきたいところです。
円が大きく売られない理由は米国サイドにもあります。
昨日発表された週間失業保険申請件数は市場予想を5万件も上回っていました。
この件数の悪化が将来失業率の上昇に繋がってくることから、
12月には2010年度で最も低い9.4%を記録した
同指標の改善が遅れることを暗示しています。
ドル円の先行きを読む場合、この失業率と、やや薄日の射してきた住宅市場の行方、
さらには為替市場全体を牽引するユーロドルの行方に注視する必要があります。
昨日のNYでは1.37台半ばまで上昇し、
連日確実に高値を切り上げているユーロドルは日足の「遅行スパン」が
間もなく「雲」の上限に差しかかろうとしています。
この水準が完全に抜けるかどうかは目先重要なポイントになると観ています。
抜け切るような状況になればドル安が進み、
ドル円での円の急落の可能性も低下してきそうです。
その場合「週足」の200日移動平均線が待ちかまえる1.3948程度までの
上昇余地が見込まれそうです。
一方、下値のメドは1.3625あたりに「抵抗帯」があることを
意識しておきたいところです。
- [2011/01/28 10:06]
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FOMCサプライズなし。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は前日のNY市場と同様な動きに。、欧州時間にかけて82円を
割り込む場面もあったが抜け切れず反発。12月新築住宅販売が
市場予想を大きく上回ったことや、米長期金利が上昇したことを
受け、ドル円は82円台半ばまで上昇。
その後は上値も重く、再び82円台前半まで下落し引ける。 - ユーロドルもドル買い戻しから一旦下落するも、1.36台半ばから
切り返し、再び1.37台に。欧州時間には1.3723までユーロ高が
進んだが、この水準からさらに買い進むには材料不足との指摘。 - FOMCの内容が今朝がた発表され、特にサプラズはなし。量的緩和策を
全員一致で支持することを確認。 - 株式市場はオバマ大統領の一般教書演説の中で、法人税の引き下げを
行うことが含まれていたことで続伸、一時2008年6月以来となる
1万2千ドル台を回復。引けは8ドル高で大台維持はならず。 - 債券市場は、住宅市場の大幅改善指標と株高から下落。長期金利は
3.4%台に上昇。 - 金は小幅に反発。原油は在庫の積み上がりから7日ぶりに大幅反発。
- 12月新築住宅販売件数 → 32.9万件(+17.5%)
本日の注目イベント
- 日 12月貿易統計
- 独 1月消費者物価指数
- 欧 1月ユーロ圏景況感指数
- 欧 ECBビニ・スマギ理事講演(マドリード)
- 米 週間失業保険申請件数
- 米 12月耐久財受注
- 米 12月仮契約住宅販売件数
ドル円は前日のNY市場とほぼ同じような値動きで、
82円台を一時割り込みましたが結局押し戻されています。
上値が重いことと、ユーロが対ドルで上昇傾向にありドル安が進行していることなどから、
やや円高方向に推移すると
観ていましたが下値も堅く「なかなか下げないなぁ。」というのが実感です。
一目均衡表(日足)では「雲」の下限が82円38銭にあり、
ドルの戻りもこの辺りと読んでいましたが、
82円割れ後の戻りは82円62銭まであり、思った以上にドル買い戻しが進みました。
もっとも、その後は再び82円台前半まで下落し、
上値が重いことに変化はありません。
現在は再び「雲」の下で推移し、「雲」の下限で頭を抑えられている格好に戻っています。
テクニカルではドル下落をうかがわせるような形を示しているにもかかわらず
下落しないのは、米長期金利が依然として高止まりしているからです。
長期金利の上昇は債券相場の下落を意味します。
そして、その債券相場の下落は、いくつか理由はありますが、
米株式市場の堅調さもその一つです。
昨年11月の追加緩和第2弾(QE2)の実施時期と、
米株式市場の上昇傾向が鮮明になった時期はピタリと一致します。
つまり、市場にあふれた資金の一部が株式市場に向かったと言えます。
その背景にはアップルに代表される様な「米企業の収益回復」が見込まれ、
先取りした形で、資金が債券市場から株式市場に流れたと説明できそうです。
「金余り」と「米企業の好決算」がキーになっていたとも言えます。
今朝がた発表されたFOMCでも前回から大きな変化は観られませんでした。
米景気の緩やかな回復は継続されているものの、
労働市場の状況を大きく変化させるには不十分との内容です。
さらに、高い失業率が家計の支出を抑制し、
住宅資産の減少も相まって住宅市場への投資を送らせている、と指摘しています。
また、企業も雇用拡大には依然として消極的で雇用の回復には
なお時間がかかるとの認識は変わっていません。
一方、懸念されるインフレリスクについては、商品価格は上昇しているものの、
基調的なインフレを示す指標の低下傾向は続いているとしています。
今回のFOMCでは投票権を持つメンバーが交代し、
いわゆる「タカ派」のメンバーが増えたことから、
多数決の行方に注目が集まっていましたが、
結果は「全員一致」で量的緩和策を支持することになりました。
プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁やフィッシャ-・ダラス連銀総裁などが
賛成票を投じたことや、
このところの米経済指標の好転から、
これまで以上に景気に対する楽観的な見方が発表されるのではないか、
との期待があったことなどから、発表後はドル売りに繋がっています。
昨日の新築住宅販売件数には驚きました。
前日の11月のケース・シラー住宅価格指数が2010年度で最低の水準だったことから、
「住宅市場の低迷は続く」との認識を新たにした矢先のことだけに大きなサプライズでした。
米統計作業の稚拙さなのか、国が大きいことに因るものなのかは分かりませんが、
恐らく来月には下方修正されるのではないでしょうか。
米経済指標を観るときには、やはり複数月で捉える事が必要かと思います。
もう、来週は雇用統計発表の週です。
- [2011/01/27 09:41]
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ドル円レンジを下抜けの気配。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドルは全般的に下落。米長期金利が下落したことで主要通貨に対して
売られ、ドル円では一時82円を割り込んだ。 - オバマ大統領が今夜の一般教書演説で、非国防裁量予算を
5年間凍結する案を発表するとの見通しから、債券相場が上昇。 - ポンドは5期ぶりにGDPがマイナスを記録したことで
急落。10-12月期のGDPは-0.5%で、12月の寒波の
影響が大きかったと観られる。 - ドル安が進む中、ユーロは一時1.37台に乗せたものの
大台は維持できず、1.36台後半引け。 - 米株式市場は前日の高騰もあり朝方から下落。しかし、オバマ大統領の
一般教書で景気刺激策が出されるとの見方から下落幅を縮小。
ダウは3ドル安、ナスダックは小幅高で終える。 - 欧州金融安定基金(EFSF)は初の債券を発行。50億ユーロ
を発行し、日本も2割程度購入する見込み。 - 債券相場は10年債、30年債を中心に大幅に上昇。一般教書で
非国防裁量予算の5年間凍結見通しと、NY連銀が77億ドル相当の
国債を買い入れたことが背景。長期金利は大幅に低下し3.3%台に。 - 金は大幅に反落し、約3ヵ月ぶりの水準に。原油も大幅に続落し、
商品市況の調整が続く。 - 11月ケース・シラー住宅価格指数 → -1.59%
- 1月消費者信頼感指数 → 60.6
- 11月FHFA住宅価格指数 → ±0
- 1月リッチモンド連銀製造業指数 → 18.0
本日の注目イベント
- 豪 シドニー休場(オーストラリアデー)
- 欧 ECBシュタルク理事講演(キ―ル)
- 英 BOE議事録
- 米 12月新築住宅販売件数
- 米 FOMC政策金利発表
まもなく始まるオバマ大統領の一般教書演説で、
財政赤字削減策として非国防裁量予算の5年間凍結を
発表するとの見通しが台頭し、米債券相場が急騰、
長期金利が大幅に下落しドルが売られました。
また、ブルームバーグは「オバマ大統領は安全保障、国防費でも削減を検討。
ゲーツ国防長官が提示した向こう5年間で
780億ドル(約6兆4千億円)の国防総省予算削減策を支持する意向」とも伝えています。
5年間の凍結案がどれほどの赤字削減効果があるかは不透明としながらも、
債券市場では「国債の供給が減る」との見方から債券価格の上昇に繋がっています。
一般教書ではさらに、長期雇用機会の創出や、
景気刺激策も盛り込まれる見通しで注目されます。
昨日発表された米経済指標は強弱まちまちでしたが、
やはり住宅価格の下落には歯止めがかかっていないことが確認されています。
昨年11月のケース・シラー住宅価格指数は全米20都市で前年同月比1.59%の
下落でした。
これは昨年1年間を通しても、最も大幅な下げです。
20都市のうち16都市で、価格が前年比で下落しており、
最も下落の大きかったのはアトランタで7.9%を
記録しています。
米住宅市場は、中古住宅販売が堅調に推移するなど
「底入れの兆し」は見えてきたようですが、不動産価格の下落は
止まっていないことが確認された格好です。
不動産協会関係者のコメントでは「これから2番底をつけに行く」との見方もあり、
まだまだ先行き不透明な状況が続くと見ているようです。
長期金利の下落を背景にドル円は1週間ぶりに81円台まで下落しましたが、
前回は81円85銭で押し戻されており、
昨日のNYでも82円台前半まで反発して引けています。
83円台が重くなっている状況で、
「三角保ち合い」(さんかくもちあい)の下限を割り込んできた形になっています。
一目均衡表(日足)でも「雲」を下抜けしていることから、
「雲の下限」である「先行スパン1」が82円38銭に位置し、
頭を抑える形になっています。
この水準が目先レジスタンスとなりドルの戻りを抑えるとすれば、
81円台での取引が中心となる可能性が高くなり、
現在上値の重い83円台前半が、82円台前半まで下方修正されそうに思います。
これまでの展開は81円台まで突っ込んでも
82円台に戻されて引ける展開が続いてきましたが、今夜のNY市場で
81円台で引ける状況になれば、いよいよ取引レンジが修正されそうな気もします。
「三角保ち合い」を下抜けし、下落に勢いがつく可能性があることから、
82円の攻防には注目したいと思います。
同時に相場の主役はユーロであることに変わらないことから、
ユーロの動きからも目が離せません。
ユーロドルは昨日1.37台にわずかですが乗せています。
一目均衡表を観ても「雲」を完全に上抜けしています。
再び1.37台に乗せ定着するようだと、
ドル円も81円台に下落している可能性が高いと思われます。
結局、市場ではドル安の流れがやや鮮明になりつつある状況と言えますが、
まもなく行われるオバマ大統領の一般教書演説で
ドル高の材料が出てくることも考えられます。
市場の地合いがドル買い材料よりもユーロ買い材料に反応しやすい状況に注意しながらも、
米東部時間19時から始まる一般教書演説には注目です。
- [2011/01/26 09:41]
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ユーロ対円、対ドルで続伸。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はNY市場の朝方にかけて82円90銭近辺まで
上昇したものの、ユーロが対ドルで買われると下落。
82円30銭まで売られたが、上下ともに勢いはなく82円台半ば
で引け。 - ユーロは対ドルで下落したものの、WSJ紙でトリシェECB総裁の
インフレ懸念発言が材料視されユーロが再び上昇。一時1.3686
と、昨年11月後半の水準に。 - 今年のG8、G20での議長国を務める仏サルコジ大統領は
方針を発表し、通貨制度や、金融規制の強化などが議論される
見通しであることを表明。 - 株式市場は大幅に続伸し、連日の高値更新。
ダウは先週末比108ドル高と、2008年6月以来となる
1万1980ドルを記録。IBM、インテル、バークシャー
などが株価をけん引。 - 債券相場は2年債の入札と、オバマ大統領の一般教書演説を
控え小動き。価格は小幅に上昇し、金利は低下。 - 金相場は小幅に反発。一方原油は大幅下落し、5週間ぶりの
87ドル台に。
本日の注目イベント
- 独 2月GFK消費者信頼感調査
- 欧 ファンロンパイEU大統領講演(ブリュッセル)
- 英 10-12月期GDP
- 米 11月ケース・シラー住宅価格指数
- 米 1月消費者信頼感指数
- 米 11月FHFA住宅価格指数
- 米 オバマ大統領一般教書演説
- 米 1月リッチモンド連銀製造業指数
- 加 12月カナダ消費者物価指数
ユーロが為替相場をけん引し、ますますその存在感が増しているように思えます。
ドル円は83円近辺まで買われたものの、さらに一段と上昇する勢いもなく、
ユーロが対ドルで買われ、「ドル安ユーロ高」に振れると下落し、
やや「円高ドル安」に推移しました。
しかし、下値も82円30銭近辺を抜けきれず、82円台半ばでの取引になってます。
引き続き「三角保ち合い」(さんかくもちあい)の中での値動きになっています。
欧州からNYにかけて、ユーロは1.35台半ばまで下落していますが、
トリシェECB総裁の記事が引き金となり再び上昇し、
1.36台後半までユーロ買いが進みました。
記事はWSJ(ウオール・ストリート・ジャーナル)紙が、
同総裁とのインタヴューの内容を伝えたもので、
総裁は、エネルギーと商品価格の上昇に懸念を表し、
改めてインフレに対する姿勢を強めていることを強調しました。
これは先日のECB理事会後の「インフレ懸念発言」を繰り返したもので、
昨年12月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)が2.2%まで上昇したことを
念頭に置いたものです。
この時以来ECBの利上げ期待が高まり、市場はユーロ買い戻しを急いだ
経緯がありました。
昨日の動きもそれに似たものです。
また、米ダウ・ジョーンズ社は欧州金融安定基金(EFSF)が債券市場で
50億ユーロの債券を発行すると報じたことも
ユーロ高に繋がったようです。
ただWSJの記事は昨日の午後の東京時間で電子版として既に流れており、
この時は大きな反応は観られませんでしたが、
NY市場では新聞の活字として読まれたことで反応した様です。
同総裁はまた、
景気回復のために欧州の緊縮財政は必要だとの見方も改めて示しています。
日米は共に、景気回復の足取りが遅いため利上げには程遠い状況の中、
ECBが利上げに踏み切ればユーロが一気に
買い進まれる可能性もあります。
昨年12月には2010年度として初めて2%台の消費者物価指数の上昇が報告され、
その後もドイツの景況感が急回復するなど、
利上げに向けた環境は徐々に整いつつあります。
しかし、現状ではドイツ一国がユーロ圏をけん引する構図は変わってなく、
この状況がどこまで続くかは未知数です。
しかも、ユーロがこの先1.4台、1.5台へと上昇して行った場合、
ユーロ安による輸出増も期待できなく、
ドイツといえどもこのままユーロ圏を引っ張ることができるかどうか分かりません。
ユーロ圏の消費者物価数をしばらく追いかけてみる必要がありそうです。
本日はオバマ大統領の一般教書演説があります。
財政支出拡大による景気回復、雇用の創出が予想され、
債券相場への影響があるかもしれません。
長期金利が上昇しドル高に振れる可能性もあります。
オバマ政権後半のスタートになるわけですが、任期後半での雇用の回復に失敗すれば
2011年の大統領選での再選も危うくなります。
大統領は「引き締まった政府」実現のため側近をボルカー元FRB議長から
GEのイメルト氏に替えました。
リーマンショック後、金融システムの立て直しが最大課題で、
そのため金融出身者を側近に置いてきましたが、金融機関の収益力も回復し、
システムも安定化したことで、
今回は製造業出身者を任命して製造業を回復させることに主眼を
置いているようにも思えます。
株価上昇による資産効果もあり、
個人消費を中心に米景気は緩やかではありますが徐々に回復に向かっています。
あとは最後まで残された「雇用と住宅」を、
任期後半でどこまで回復することができるのか注目したいところです。
昨日も触れましたが、ユーロドルが1.36台後半まで上昇したことで
一目均衡表(日足)の「雲」を上抜けしています。
「ボリンジャーバンド」(日足)も拡大していることから、
「調整」はあるかも知れませんが、1.37-1.38を目指していると観られます。
ユーロ主導の相場展開はまだしばらく続きそうです。
- [2011/01/25 09:59]
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ユーロ円2カ月ぶりに112円台半ばに。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
後半で小動き。ユーロが対ドルで上昇したことや米長期金利が低下した
ことから、ややドル安円高が進み82円55銭近辺で引け。
対ドルでは2ヵ月ぶりとなる1.36台に乗せ。対円でも昨年11月下旬以来
となる112円台半ばまでユーロ高が進む。
ナスダックは小幅安。
ことから買い安心感が広がる。長期金利は小幅に低下。
メッセージを配信。雇用の創出と競争力の確保を訴えた。
本日の注目イベント
ドル円は83円台が重く、ユーロが対ドルで強含み「ドル安ユーロ高」が進んことで、
円もやや上昇し、82円台半ばまで買われました。
円は先週、米中首脳会議が行われ「中国人民元に上昇圧力がかかる」との見方から
買われ、一時82円を割り込み81円85銭まで円高が進みました。
しかしその後、米中古住宅販売件数などが予想外に改善していたことでドルが買い戻され
83円まで上昇しています。
結局、円は81円50銭ー83円50銭のレンジを抜け切れず、やや膠着感が強まってい
ます。
先週は82円台を割り込んだこと、ドル円が動きだすのではとの期待感もありましたが
「空振り」に終わっています。依然として、方向感は無くユーロに左右される展開が続いて
いるようです。
この先、ユーロに高値警戒感が出て来、再び1.33方向に向かうようだと、ドル円も83円
台に乗せ、83円半ばをテストする可能性はありますが、このままじりじりとユーロの上昇が
続くようだと逆に82円割れも考えられます。
いつどのような材料で上記レンジを抜けてくるのか判断に迷うところですが、先週同様、
それほど遠いタイミングではないと考えています。
いずれにしても、抜けた方向への「順張り」が有効だと言えるでしょう。
ユーロは先週末、11月22日以来となる1.36台半ばまで上昇しています。
この日発表された1月のドイツifo景況感指数が110.3と、市場予想を超えただけで
はなく、1991年の調査開始以来の高水準となりました。
ユーロは1.36台に乗せたことで、日足の「雲」は上抜けしたようにも見えます。
この上には週足の「100日移動平均線」が1.36台半ばにあることから目先、この
水準が意識されます。
ユーロドルは今年に入ってからすでに、最安値1.28台後半から約750ポイントも
上昇しています。
南欧諸国の国債入札が順調に消化されるなど「ユーロ買い材料」が続きましたが、ストップ
ロスの買い戻しもユーロ急反発の一役を担っていると観られます。
ユーロが「底入れを完了」し、本格的に上昇に向かうには週足の「200日移動平均線」が
抵抗する1.40を抜ける必要があります。
さすがにこの水準を抜けると、テクニカルでも長期的な上昇を示唆することになります。
今週の注目は26日(水)のFOMCです。
今年初めての会合ということもあり、投票権を持つメンバーも一部代わっています。
行き過ぎた緩和政策には反対の立場を取ってるメンバーが投票権を得たことで、FOMCの
決定にどのような影響を及ぼすのか注目されますが、それでも多数決になった場合の
「大勢」は変わらないとの見方が一般的です。
さらに中国の「旧正月」も近付いています。
一部にはこのタイミングで、中国人民銀行が再利上げに踏み切る可能性も取りざたされ
ています。
もし実施されたら、足元では調整を続け上値の重い豪ドルへの影響は避けられないものと
観られます。
今年に入っての為替相場は全般的に読みにくくなっています。
特にドルストレートの読みが難しくなっています。
ユーロ円の買い、あるいは豪ドル、ポンドなどを対円で買っていればうまく機能しそうですが、
これもドル円が81円50銭を割り込むようだと下落リスクは大きいと思われます。
ある程度こまめに利益確定をしていく方法をお薦めします。
- [2011/01/24 10:07]
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米住宅指標を受けドル急反発。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドルは主要通貨に対して前日の安値から一転してほぼ全面高。
好調な経済指標の発表が相次いだことを受けてドル円は82円台前半
から83円台乗せ。円の下落が目立った。
米中首脳会談が終わり人民元も弱含むとの観測も影響しているとの指摘も。 - ユーロは対ドルで堅調だったことから、ユーロ円は112円目前まで上昇し、
約1ヵ月ぶりの水準に。ここ10日間で約5円の上昇を記録。 - 豪ドルは米ドルに対して大幅下落。金などの資源価格の下落と、中国の
経済指標を受け、再利上げ観測の台頭から0.98台前半まで下落。 - 株式市場は朝方から大きく下落して取引が始まるも、大手金融機関の
好決算や好調な経済指標を受け下落幅を縮小し、ダウは前日比小幅安で引け。 - 債券相場は下落。米景気回復期待が高まり、2年債と30年債利回り
格差が拡大したことが背景。長期金利は大幅に上昇し3.4%台に。 - 金価格はドルが買われたことで大幅に下落し約2月ぶりに1.350台を
割り込む。高値から約80ドル程下落したことで調整が長引くとの指摘も。
原油も大幅安で88ドル台に。 - 週間失業保険申請件数 → 40.4万件
- 12月中古住宅販売件数(前月比) → +12.3%(市場予想は+4.1%)
- 12月景気先行指数 → +1.0%
- 1月フィラデルフィア連銀景況指数 → -11.4%
本日の注目イベント
- 独 1月独ifo景況指数
- 米 決算 → バンク・オブ・アメリカ、GE
ドルは前日の全面安の展開から一転して反発しました。
ドル円は前日のNYでは一時82円を割り込み、
81円85銭まで下落しましたが昨日は買い戻しが優勢となり83円台に乗せています。
ドル円に動きが戻ったことは好感できますが、
結局レンジ幅が拡大しただけで「明確な方向感は確認できない」ことを
「確認」した格好になりました。
昨日は82円台前半には一目均衡表(日足)の「雲」があり、
その下限で頭を押さえられるのではと読んでいましたが、
ドルは大幅に上昇し、現在は雲の中で「100日移動平均線」に絡んでいる状態です。
83円の半ばを上抜けすれば、今度は「上昇傾向」と読まなければなりませんが、
基本的には方向感がないとすれば
この水準も抜けずに再び下落すると観ておいた方がいいのかも知れません。
それにしても、今年に入ってからの相場の動きは
予想が難しくアナリスト泣かせの相場展開で、個人的にも苦戦しています。
「順張り」が機能しない相場展開だからです。
上昇と観て買い進んでいくと下落し、下値が切れ、
「下落」に合わせショートで攻めると反転する、そんな相場展開が続いて
いるように思えます。
損を限定するための「逆指値」が入りやすい展開とも言えます。
基軸通貨であるドルの材料が不安定であることから、
ユーロ、ポンド、豪ドル、円など主要通貨も方向性が定まらない、
そんな状況かと思います。
昨日も中古住宅販売件数が12.3%増と、市場予想の3倍の数字が発表されました。
米景気回復基調から住宅金利が上昇する前に、
低金利を確保しようという「駆け込み」の影響との指摘もありますが、
前日には住宅着工件数が大幅に落ち込み
住宅市場の回復力の弱さを印象付けられただけに、
やや戸惑いを隠せません。
現状では米住宅市場関連指標に強弱があり、
底入れしたかどうかの判断は今後数ヵ月の内容を見極める必要があります。
米中首脳会談が終わり注目の共同声明も発表されました。
人民元問題では予想された通り、
米国側のさらなる切り上げ要求に対して「相場の柔軟性を高める努力をする」との
内容に終わり、中国側の「努力目標」に留まりました。
さらに北朝鮮問題や人権問題も平行線だった模様で
、実りのある会談ではなかったように思えます。
今後、米議会からの中国に対する圧力が高まりそうですが、
オバマ大統領とすれば今回の「大商談」の成果をアピールしたいところでしょうか。
その中国は昨日、昨年12月の経済指標の発表を行い、
GDPでは通年で10.3%と二ケタ成長を達成しています。
今後の再利上げに繋がる12月の消費者物価指数は4.6%で、
11月の5.1%より下落していますが依然として高水準でした。
GDPでは日本を抜き「世界第2位」になることは
予想されていたので特に驚きはありませんが、
2020年代には米国も抜き世界最大になることにはインパクトがあります。
この背景には為替レートが大きく影響していることから「世界第1位」が近付くにつれ、
米国からの人民元切り上げ圧力がさらに強くなってくることは必至です。
また、この時点までに現在「管理変動相場制」の人民元が、
完全に「変動相場制」に移行しているかどうかも関心が集まるところです。
本日は特に米国では重要な経済指標もないことから大きな値動きは期待できませんが、
ドル円では83円台をキープできるかどうか、
また、100日移動平均線(日足)の上にいる
ユーロドルが1.34台を維持できるかどうかに注目しています。
寒い日が続きます。
良い週末を・・・・。
- [2011/01/21 09:44]
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NY、円2週間ぶりに81円台に。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は取引レンジを下抜けし、NYでは81円85銭まで下落。
ユーロが上昇しドル安が進んだことと、12月住宅着工件数が予想を
下回ったことなどが背景。 - ユーロドルは昨日の東京市場の1.33台から、大台を2度も替え
上昇。約2ヵ月ぶりに1.35台前半までユーロ高が進む。
1.34台半ばの抵抗線を抜け切ったことで、ストップロスのユーロ買いも
巻き込み上昇。ただ、NY引けでは1.34台半ばまで押し戻され「長い上ヒゲ」
を示現。 - 米中首脳会談で、オバマ大統領は人民元の切り上げを要求したが、話し合いは
平行線に終わった模様。 - 米大手金融機関の決算はまちまち。ゴールドマンは3四半期連続の減益
を記録、ウェルズ・ファーゴは好決算を発表。 - 株式市場は住宅着工件数の減少やゴールドマンの決算内容を嫌気して
下落。このところ株価が高騰していたこともあり、利益確定の売りも優勢。
ダウは小幅安だったものの、S&P500は大幅安。 - 債券相場は上昇し、長期金利は下落。株安とFRBが77億ドル相当の
国債を購入したことが価格上昇に繋がる。 - 金は小幅続伸、原油価格は続落。
- 12月住宅着工件数 → 52.9万件
- 12月住宅着工許可件数 → 63.5万件
本日の注目イベント
- 中 10-12月期GDP
- 中 12月小売売上高
- 中 12月工業生産
- 米 週間失業保険申請件数
- 米 12月中古住宅販売件数
- 米 12月景気先行指数
- 米 1月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 決算発表 → モルガン・スタンレー、グーグル
さすがのドル円もようやく動き始め活気がでてきたようです。
昨日も指摘してきましたが、82円35-83円50銭のレンジを抜けたら、
抜けた方向に動きだすとの予想通り、
ドル円は下値を切り抜けNY市場では81円85銭まで下落しました。
ドル安が進む中、アジア市場でもユーロドルの買い圧力が強く、
これに引っ張られる形で円安が進んだものと思われます。
ユーロドルは1.33台後半から1.34台に乗せ、
欧州時間に入ると1.35近辺のストップロスのユーロ買いも巻き込んで上昇しました。
その後NY時間朝方までに再び1.34台半ばまで下押しされましたが、
NY市場が開くと住宅着工件数の予想外の
落ち込みや株式市場の下落からドルが売られユーロは再度上昇。
約2ヵ月ぶりとなる1.3539までドル安ユーロ高が進みました。
ドル円もこのタイミングで82円を割り込み
約2週間ぶりに81円台後半まで下落しています。
これまでレンジの下限と見られていた
82円35銭近辺を抜けたことでドル売り圧力が高まり、下値を試した格好になりました。
この水準は一目均衡表(日足)の雲の下限で、
テクニカル的にもサポートされていたレベルでした。
ただ、依然として動きは緩慢でNY引けでは82円台まで押し戻されています。
ドルの上値が重くなり、足元では「83円台は売りゾーン」との
相場観が徐々に定着しそうな雰囲気もあります。
今後はレンジを下抜けしたことで、
ドルがどこまで下落するかを探る展開になると予想しますが、一目均衡表の雲の下限を
抜けたことで下落し易い状況かと思います。
ただ、重要な「遅行スパン」を観るとまだ完全に雲を抜け切っていません。
81円70銭近辺まで下落すると「下抜けが完了」するため、
ドルの下落が加速する可能性がありそうです。
目先、この水準が抜けるかどうかに注意しておきたいと思います。
注目の米中首脳会談では、オバマ大統領が人民元のさらなる切り上げを求めた様ですが、
為替問題については平行線をたどり特に進展はなかった模様です。
しかし、中国の巧みな外交はここでもいかんなく発揮されています。
胡錦濤主席の訪米に合わせるように人民元の対ドル相場は上昇し、
最高水準をつけています。
さらに、これまで訪欧した際にも見られた
「手土産外交」をうまく使い「大商談」をまとめています。
米ホワイトハウスは、胡錦濤主席の訪米にあわせ、
中国企業による450億ドル(約3兆7千億円)を超える
商談が合意に達したと発表しています。
この中にはボーイング社の航空機200機(約190億ドル相当)の購入が含まれており、
オバマ大統領もこの点は評価している模様です。
世界最大の外貨準備高を誇り、米国債を最も大量に保有している国中国は、
その豊富な資金を有効に利用し外交を有利に進めているようです。
先のポルトガル国債購入宣言もそうです。
あるいはアフリカ諸国のインフラ整備に大量の資金を投じ、
早くから資源確保に国を挙げて突き進んでいます。
今回の「大商談」で米国の雇用は23万5千人創出されるとの試算もあるそうです。
景気に少しづつ回復傾向が見られながらも
「雇用と住宅」の回復が遅れている米国にとっては、
大きな援助になることは間違いありません。
最終的な「共同声明」にどのような文言が添えられるか注目してみたいと思います。
本日、その中国の経済指標が多く発表されます。
既に10-12月期GDPは9.4%、
昨年通年で10%を超すとの情報も流れているようです。
注目は、12月の消費者物価指数(CPI)です。
11月が5.1%で利上げに影響を与えたことから、注目が集まります。
情報では4.6%と観られています。
- [2011/01/20 09:32]
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ドル円さらに値幅が縮小。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は82円台前半から後半にかけてやや神経質な展開。
NY市場の朝方は、前日の円の高値と同水準の82円35銭近辺を
試したが、米長期金利の上昇に伴いドルが反発し82円台後半に。
その後は82円台半ばまで下落して引け。 - ユーロも1月の独ZEW景気予測指数が予想を大きく上回った
ことから上昇。一時1.34台半ばまでユーロ高が進んだものの、
上値も重く1.33台後半まで下落。 - ユーロ高からユーロ円も約1ヵ月ぶりに111円台まで上昇。
しかし、買い意欲も続かずユーロドルの下落と共に値を崩す。 - オバマ大統領は経済成長や雇用創出のため、政府の規制を緩和
する大統領令に署名。 - 株式市場は続伸。シティーグループの決算内容が予想を下回る
結果だったものの、商品株の値上がりなどからダウは50ドル高で
1万1800ドル台に乗せた。 - 債券相場は下落し長期金利は上昇。2年債と30年債の利回り格差
が過去最大となる4.01%まで拡大し、インフレが加速するとの
見通しが背景。 - 金は反発。原油は小幅に反落。
- 1月NY連銀製造業景気指数 → 11.92(市場予想は12.50)
- 1月NAHB住宅市場指数 → 16(市場予想は17)
本日の注目イベント
- 英 12月失業率
- 米 米中首脳会談(ワシントン)
- 米 12月住宅着工件数
- 米 12月住宅着工許可件数
- 米 決算発表 → ゴールドマン・サックス、
ウェルズ・ファーゴ、バンクオブ・NY・メロン
連休明けのNY市場でドル円は82円台前半を試しましたが、
前日と同様82円35銭近辺で「Uターン」しています。
ユーロドルが再び上昇するなど、
市場はややドル安の流れが主流になりつつあることが背景だと思われます。
特にドル売りの材料があったわけではなく、
欧州財政危機がひとまず後退したことからユーロ買いにやや安心感がでてきた
ことが理由です。しかし一方では、
2日間にわたって行われていた欧州財務相会合では特に目新しい進展も観られず、
欧州財政危機が完全に払拭されてはいないとの観測も根強く残っています。
この様な状況からユーロドルが全体の相場を引っ張る展開が続いており、
ドル円もその流れに沿った動きかと思います。
ただ、値幅が徐々に狭まってきており、
上値は83円50銭近辺、下値は82円35銭近辺で固まりつつありますが、
レンジを抜けた時の動きには注意したいと再度記しておきたいと思います。
為替市場とは裏腹に米株式市場は堅調に推移しています。
昨日もシティーグループの決算が発表され、
黒字に転換したものの市場予想には届きませんでした。
さらにアップルのジョブスCEOが病気療養のため休養するとの
「悪材料」があったにもかかわらず、
ダウは50ドル高と昨年来高値を更新しています。
そのアップルは株式市場終了後に決算発表を行いました。
前年同期比78%の増益を記録し、純利益も60億ドル(約5000億円)と、
好決算でした。
時間外取引では同社の株価が一時4.5%上昇したことから、
明日の米株式市場に好影響を与えるものと思われます。
株式市場と為替の相関度は昨年ほど強くはありませんが、
株高は基本的にはドル高に繋がり易く、資金が債券市場から株式市場に
流れ長期金利の上昇をもたらすことでドル買い材料になります。
米10年債利回りもこのところレンジ取引となっています。
3.25-3.50%内での取引が続き、
ドル円相場とも最も関係が深いだけに方向感のない債券相場がドル円の値幅を
狭めているとも言えます。
米長期金利は今年に入ってこのレンジを一度も抜けていません。
昨日は30年債が売られてことで、
2年債との利回り格差が過去最大の4.01%までステープ化しています。
今後米景気が徐々に持ち直しを見せれば、
市場にインフレ期待が高まり30年債はもう一段売られることになります。
しかし足元では消費者物価指数も1.0%以下とインフレの兆しは観られません。
先週のトリシェECB総裁の「インフレ圧力発言」のような
状況はまだまだ先のことと思われます。
ECBが利上げに踏み切ればドル安ユーロ高に振れることから、
しばらくはユーロ圏、米国の両方の消費者物価指数を注視する動きかと思います。
本日は米住宅関連の指標が発表されます。
住宅着工件数は昨年前半まではほぼ60万戸前後で安定していましたが、
秋口以降55万戸に減少しています。
今夜の12月住宅着工件数も55万戸と予想されています。
住宅市場に底入れ感がでてくるのかどうかというところです。
また大手金融機関の決算発表については
ゴールドマンを始め多くの決算発表が予定されています。
これまで発表済みの内容は強弱まちまちだったことから、
金融機関の収益力のすう勢を見極める意味で再び注目されます。
- [2011/01/19 10:06]
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ユーロ利益確定の売り優勢。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- NY市場が休場だったこともあり、為替は全般的に小幅な
値動き。 - 円は終始82円台での取引で推移する中、一時82円前半まで
強含む場面もあった。クロス円の売りも散見され、全般的に先週からの
利食いの動きが優勢。 - ユーロドルも利食いの動きから値を下げる。1.33台半ばから
徐々に売られ、白川日銀総裁の発言もあり一時、1.32台半ばまで
ユーロ安に。 - 欧州財務相会合では、債務問題に対応する話し合いがおこなわれる
ことになっているが、ドイツは支援拡大のアプローチに反対の姿勢を
弱めている。 - 欧州株式市場はまちまち。
- プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁は、失業率は高水準だと
しながらも、経済成長の裏付けがあれば年内の利上げの可能性を
否定しないと語った。
本日の注目イベント
- 日 12月鉱工業生産(確報)
- 米 全国百貨店売上高
- 欧 EU財務相理事会(ブリュッセル)
- 欧 1月ユーロ圏ZEW景況感指数
- 独 1月独ZEW景況感指数
- 英 12月消費者物価指数(CPI)
- 米 1月NY連銀製造業景気指数
- 米 1月NAHB住宅市場指数
- 米 胡錦濤主席訪米(1/21まで)
- 米 決算発表 → シティーグループ、IBM、アップル
- 加 カナダ中銀政策金利発表
先週1週間上昇し続けたユーロに対する「買われ過ぎ感」が徐々に広がり、
ユーロは反落しました。
スペイン国債も売られ金利は上昇していますが、
一貫して買われながらも1.35台には乗せず、1.34台半ばで
折り返してきたことは、昨年12月中旬の動きに似ているようにも思えます。
ユ-ロドルはこの時1.35台乗せに失敗し、
その後1.30台半ばまでの下落を見せています。
昨日は、白川日銀総裁が「欧州金融市場は依然として不安定。」との認識を示したことも
ユーロ売りに繋がったようです。
急騰した後の下落ですから、足元では「調整」の域を出ませんが、
しばらくは1.31-1.34の展開になるのではと観ています。
引き続き南欧諸国の債券相場を睨みながらの展開になりそうです。
昨日はNY市場が休場だったこともあり全般的に値幅は出ませんでした。
そんな中でドル円は82円35銭まで買い進まれ、
1月5日以来の水準を記録しましたが、
この水準から81円台に突っ込むのかどうかが注目されます。
再び83円台に乗せるようだと、82-84円のドル円の取引レンジもさらに狭まり、
82-83円50銭に収斂してストレスのたまる相場展開に戻る可能性が高くなります。
しかし昨日も書きましたが、動かないドル円ですが、いつ動いても不思議はありません。
ボリンジャーバンドは、もみ合いを続けていることから「2シグマ」のバンドは
上下ともに内側に集まってきているようにも観ることができます。
このバンドが内側に縮んだ後急速に拡大した時には、
相場が大きく動き出すことでも知られています。
どちらに抜けるかは分かりませんが注意しておきたいところです。
プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁が「利上げ」に言及しています。
同総裁はもともと、FRBの過度の金融緩和には反対の立場を取ってきましたが、
公の場ではないものの、米国の利上げに触れたことは極めて異例のことだと思います。
昨年11月に追加緩和第2弾(QE2)を実施し、
それでも雇用や住宅に目に見える改善傾向がでないようなら、
第3弾の緩和策も考えられる状況の中、
利上げの可能性について肯定的な見方を示しています。
市場の大方の見方では、「利上げは早くても年後半。来年にずれ込む可能性もある。」との
予想が一般的です。
利上げはドル高に直結することから、
今後他の連銀総裁に与える影響にも注意したいところです。
今夜は、NY連銀製造業景気指数など重要な指標が発表されます。
また、シティーグループなど大手米銀の決算発表も今夜から相次いで出て来ます。
米企業の好決算を先取りした形で米株式市場が上昇していますが、
期待はずれの結果がだされると、株式市場の下落から債券が買われ、
金利低下を理由にドルが売られることも考えられます。
また、今や米国の最大の貿易相手国である中国の胡錦濤国家主席が
ワシントンを訪れます。
明日の米中首脳会談からも目が離せません。
- [2011/01/18 09:58]
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ユーロ続伸、対円で111円近辺に。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 引き続きユーロの買い戻しが活発で、円はユーロ円の
買いに引っ張られる形で83円を下回る水準に。 - 欧州時間帯に82円台半ばまで円高ドル安が進む場面も
見られたが、NY市場では米経済指標が強弱まちまちだった
ことから値動きも限定的。 - ユーロは前日の南欧諸国の国債入札が無難に終わったことから
買い直しが優勢に。朝方の欧州時間帯には1.34台半ばまで上昇。
その後は1.33台半ばから後半での取引となり高値圏で引け。 - 豪ドルは中国が再び預金準備率を引き上げたことで急落。
0.99台後半から0.98台半ばまで一気に売られる。
対円でも81円台半ばまで下落し、不安定な展開が続く。 - 格付け会社フィッチはギリシャの長期債格付けを「BB+]に
引き下げ「ジャンク債」に。 - 米株式市場はJPモルガン・チェースの決算が好調だったことを
好感し続伸。ダウは55ドル高。S&P500も大幅に続伸し、週間で
1.7%高となり、約3年ぶりの記録。 - 債券相場は、先週実施された30年債入札の影響や株高から
売られ、長期金利は小幅に上昇。 - 金は大幅下落し、1360ドル台に。中国が預金準備を引き上げた
ことで、商品市場への資金流入が減少するのではとの懸念が背景。
原油は小幅高と堅調。 - 12月消費者物価指数(CPI) → +0.5%(市場予想は+0.4%)
- 12月小売売上高 → +0.6%(市場予想は+0.8%)
- 12月鉱工業生産 → +0.8%(市場予想は+0.5%)
- 12月設備稼働率 → 76.0 (市場予想は75.6)
- 1月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 72.7(市場予想は75.5)
本日の注目イベント
- 日 日銀支店長会議
- 欧 ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
- 欧 ファンロンパイ・EU大統領講演(ワルシャワ)
- 米 NY市場休場(キング牧師生誕記念日)
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
先週10日の月曜日には1.28台後半まで下落したユーロドルが急反発。
週末には1.34台半ばまで買い戻され、この結果、
ユーロドルは週間で約550ポイント以上上昇したことになります。
確かに、ユーロを買い戻す材料が次々に出てきましたが、
それでも「欧州財政問題は簡単には解決しない」との
固定観念に支配されていたことは否めず、
短期間でのここまでの反発は予想を超えていました。
中国に続き日本政府もEU発行の債券に1000億円規模の購入を検討する、
とのニュースには意外感があり、中国への対抗意識を表したものと思われます。
しかし、それはそれとしてもユーロ買いには結びついています。
その後注目されていたポルトガル、スペイン、イタリアの国債入札は成功裡に終わり、
ユーロ圏の財政懸念がひとまず後退しました。
さらに、これまで為替問題には「無口」だったドイツ・メルケル首相は
「ユーロ安阻止に向けあらゆる措置を考える」との発言をし、
さらにトリシェ・ECB総裁はインフレ抑制のために必要ならば
利上げも辞さない姿勢を示すなど
ユーロ買い戻し材料一色となり、急激なユーロ買い戻しを誘った1週間でした。
ユーロは対ドルだけではなく、円に対しても大幅に上昇しました。
ドル円ストレートでは、レンジを抜けきれず緩慢な動きを続けていることもあり、
ユーロ円がドル円にも影響を与えた格好になっています。
値幅としては週初の106円台から111円近辺までと、5円に迫るものでした。
問題は今後もユーロ危機は払拭されユーロ高に繋がるかどうかです。
テクニカルではユーロドルもユーロ円も共に、
100日移動平均線(日足)と一目均衡表の「雲の下限」で頭を抑えられて
おり、急上昇したとはいえテクニカル的にはしっかりと機能していると言えます。
ユーロが明確に上昇傾向に入ったとするには、
対ドルで1.36台半ば、対円で112円後半を完璧に上抜けすることが必要であることは、
このチャートから読み取れます。
ユーロを大幅に「買い戻した」、あるいは「買い直した」とは言え、
市場参加者の間でもこのままユーロが上昇し続けると観る人は少ないように思えます。
欧州財政問題については、
4月以降に来るスペインなどの国債の大量償還を無事乗り切るまでは
完全に払拭されません。
日経ヴェリタス今週号でも「南欧財政なお警戒水準」と題して
「ポルトガルの10年債利回りが7%を超え定着するようなら、
支援が現実味を帯びてくる」との記事を掲載しています。
その根拠として、ギリシャもアイルランドも10年債利回りが「7%」を超えてから
支援要請に追い込まれたと紹介しています。
ポルトガルの先週末の同国債利回りは6.632%で引けています
欧州財政問題が解決していないことを表すかのように、
今朝のオセアニア市場では、既にユーロドルが60ポイント程の値動きを見せ、
NY市場の引け値から上下両方向に動くなど神経質な展開を示しています。
今週も米国では、大手金融機関などの決算発表と住宅関連指標が発表されますが、
中国関連も注目されそうです。
明日の18日には胡錦濤主席が訪米します。
オバマ大統領は引き続き人民元の大幅な切り上げを要求すると観られますが、
中国側は「為替相場では米中間の貿易問題は解決しない」
と切り返す見通しで、緩やかながら上昇している人民元問題が焦点になりそうです。
さらに今週は中国の経済指標の発表も相次ぎます。
20日には、昨年10-12月期GDPや12月の消費者物価指数が発表され、
今後の中国の再利上げの時期を読む上では極めて重要な経済指標となります。
1月も後半に入り、さすがのドル円もその方向性を見せる動きになることも考えられます。
82-84円のレンジを抜け切った方に追随することが必要だと思いますが、
ユーロドルの動きも依然としてカギを握っています。
ユーロがもう一段上昇し、ドル安ユーロ高に振れれば、
ドル円も82円台を割り込んでくる可能性もあるからです。
これまでの経験則から、取引レンジを抜け切った場合には、
その方向にかなりの値幅を見せる傾向があります。
動かないドル円ですが、そろそろエネルギーも溜まってきているようです。
- [2011/01/17 09:46]
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ユーロ大幅続伸。スペイン、イタリア国債入札無事通過。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- スペイン、イタリアの国債入札が無事通過したことを背景にユーロが主要通貨に
対して大幅に続伸。 - ECBは政策金利据え置きを発表。その後のトリシェECB総裁の記者会見では
タカ派発言がでたことで、ユーロの上昇を加速させた。 - ドルは対円ではユーロ続伸によるドル安から82円台半ばまで下落するものの、
バーナンキFRB議長の発言などから値を戻し82円台後半でもみ合う展開に。 - 株式市場は小幅に反落。FRBによる国債購入と週間失業保険申請件数の結果などで
売り優勢になるが、バーナンキFRB議長の発言が下支えになり下落幅は縮小した。 - 債券は反発。米30年債の入札が低調気味になり国債は売られたが、
FRBによる国債購入があったことで買い優勢。長期金利は反落。 - 金は続伸。原油は反落。
- 週間失業保険申請件数 → 44.5万件(市場予想41万件)
- 12月生産者物価指数(PPI) → 1.1%(市場予想0.8%)
- 11月貿易収支 → -383億ドル(市場予想405億ドル)
本日の注目イベント
- 欧 12月ユーロ圏消費者物価指数(CPI改定値)
- 欧 11月ユーロ圏貿易収支
- 米 12月消費者物価指数(CPI)
- 米 12月小売売上高
- 米 12月鉱工業生産
- 米 12月設備稼働率
- 米 1月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
- 米 決算 → JPモルガン・チェース
- 米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
- 米 ゼングレン・ボストン連銀総裁講演
ユーロが大幅に続伸しています。
欧州タイムから対ドルで約300ポイントの上昇をし、対円では約2円の上昇をしました。
12日に無事通過したポルトガルの国債入札に続き、
昨日、注目されていたスペイン、イタリアの国債入札も成功に終わったことから
ユーロ圏内の財政問題に対しての安心感が広がりユーロが買われました。
さらに、トリシェECB総裁が「インフレ率が数カ月にわたり2%超を維持する可能性」
「インフレ見通しへのリスクは上方に傾斜する可能性」など
タカ派な発言によりユーロ買いを加速させました。
但し、来週20日にはスペインの10年債入札に加え、
2月、3月の2回に渡り、イタリアの総額486億ユーロの国債償還、更に
ポルトガル、スペインも4月に国債償還が予定されているため、
楽観視できない状況となっております。
サルガド・スペイン財務相は「救済を求める必要は絶対ない」と発言しているものの、
当面、南欧諸国の財政問題は払拭しきれる糸口がないので、
ユーロの上昇は一時的なものではないでしょうか。
来週17日のユーロ圏財務相会合で救済基金枠の拡大が協議予定となっていますが
ショイブレ独財務相は「バローゾ欧州委員長の救済基金拡大の提案は残念」
「独はユーロ共同債債券の参加を拒否する」
と発言をしており、ユーロ圏は足並みが取れていない状況です。
米国では、いくつかの経済指標が発表されましたが結果はまちまちで、
ドルへの影響は限定的でした。
米週間失業保険申請件数の増加が嫌気されましたが、あまり材料視されておらず、
ユーロ関連の材料に影に隠れた形となりました。
FRBが一部予想を超える約84億ドルの
米国債の買い入れを実施したことにより債券価格が上昇し、
ドルが売られる地合いになりました。しかし、米30年債入札が低調気味だった為、
一時、金利上昇から83円を試す展開となりましたが、上値を抑えられる格好となりました。
その後、バーナンキFRB議長の
ポジティブな発言もありましたが積極的な買いには繋がらなかったものの、
相場を下支えした要因と言えそうです。
本日は重要な米経済指標が控えています。
消費者物価指数(CPI)や小売売上高、ミシガン大学消費者信頼感指数など、
相場に影響を与えそうなものがあります。
特に小売売上高は昨年のクリスマス商戦の結果が反映してきますので
期待したいところなのですが、
大雪の影響がどれくらいあるのかが懸念材料になってきます。
ミシガン大学消費者信頼感指数も懸念材料としてガソリン価格、
食品価格の上昇の影響が焦点となりそうです。
ドル対円のテクニカル面から見ましても「日足」では
一目均衡表の雲の下限が82円30銭にありますし、
「8時間足」でも82円60銭前後に200日移動平均線などもある為、
複合的な悪材料でも出ない限り、下値はしっかりしていると予想します。
もちろん、ドルがユーロの動向に左右されるため油断できません。
最近、気になりますのが中国の動きです。
昨日に人民元の対米ドル基準値を初めて
1ドル=6.5997元と6.5元台に設定したことや
今月中にも預金準備率の引き上げがあるのでないかという観測が浮上しており、
中国当局者が「2011年も物価上昇圧力は強い」とも言っております。
18日には胡錦濤主席の訪米があることから、人民元改革圧力牽制のため、
中国による人民元高誘導が現れてきているものだと捉えています。
さらにインフレ抑制という点もありますので、豪ドルへの影響が心配されるところです。
豪ドルの懸念材料の大洪水による被害がまだまだ続く可能性があるそうです。
洪水を発生させた大雨の原因となったラニーニャ現象が
3月頃まで続くとの観測がでています。
必ずしもラニーニャ現象は大雨を降らせるという訳ではない点が救いでしょうか。
しかし、中国、自然災害という大きなリスクを
抱えていることは変わりありません。
週末に動く中国。今月は毎週末、気を付けておいた方が良さそうです。
良い週末を・・・。
- [2011/01/14 10:27]
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ポルトガル国債入札好調にユーロ反発。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は動かず。83円を挟む展開から上下どちらへも抜け切れず、
市場の関心はユーロに集まっており、この日のポルトガルの国債入札が焦点に。 - 注目のポルトガル国債の入札は予定上限の12億5千万ユーロ
(約1350億円)の資金調達に成功。 - ユーロはポルトガルの国債入札の成功や、EUの債務問題に
直面している国に対する支援拡大から大幅反発。対ドルでは
アジア市場の1.29台後半からNYでは1.31台半ばまで上昇。 - ユーロは円に対しても上昇。前日の107円台から109円台まで
ユーロ買いが進む。 - 地区連銀経済報告(ベージュブック)では、全ての地区で経済活動は
緩やかに拡大しているとの報告。一方で、住宅市場は依然として低迷。 - ガイトナー財務長官は講演で、中国の人民元は依然として過小評価されており
切り上げが必要と指摘。 - 株式市場は大幅続伸。ポルトガルの国債入札が好調だったことから
金融株を中心に買い優勢。ダウは83ドル高の1万1755ドルと、直近の
高値を更新。 - 債券相場はリスク選好が高まり売り優勢の展開に。長期金利は小幅に上昇。
- 金、原油ともに続伸。原油価格は2年3ヵ月ぶりの高値を記録。原油在庫が
予想以上に減少したことが買いを誘った。 - 12月財政収支 → -800億ドル
本日の注目イベント
- 日 11月機械受注
- 欧 ECB理事会
- 欧 ファンロンパイ・EU大統領講演
- 英 BOE政策金利発表
- 米 週間失業保険申請件数
- 米 12月生産者物価指数(PPI)
- 米 11月貿易収支
- 米 バーナンキ・FRB議長がパネル討議の参加
ユーロは主要通貨に対して大幅に上昇。
対ドルでは直近の最安値から250ポイントほど上昇しています。
注目されていたポルトガルの国債入札が
成功裏に終わったことから同国の長期金利は低下し、
ひとまず財政危機を乗り越えたという状況です。
またバローゾ欧州委員長は、
財政問題に苦しんでいる域内の国に対する緊急融資枠を拡大する意向を示し、17日の
ユーロ圏財務相会合で協議することを表明しました。
ユーロに対する先安観が徐々に取り除かれてきたとみたファンドなどが、
ユーロを買い戻したことで大幅上昇に繋がったようです。
また、ドイツのメルケル首相は通貨ユーロの安定に向けあらゆる措置をとる、
と述べたことも買い戻しを加速させました。(下記What's going on 参照)
メルケル首相自身が為替について言及することは極めてまれで、
「ユーロ安阻止にドイツもついに動き始めた」と
取れなくもありません。
しかし、対ドルで1.29台前半、
対円でも106円台まで売り込まれていたユ-ロは急速に買い戻されましたが、
欧州財政危機はこれで終焉したとも思えません。
本日はスペインが最大で30億ユーロと、
イタリアが60億ユーロの国債入札を予定しており、こちらも入札結果が注目されます。
さらに昨日のポルトガルの資金調達はスタートしたばかりで、
今後も国債の借り換えが予定されています。
中国の「欧州諸国の国債購入宣言」に続き、
日本も1000億円規模で購入する意向を示したことで、
タイミング的にはユーロ救済連合軍が形成された格好になっています。
これらの国々が資金調達には成功したとしても、
調達コストの上昇は避けられないことは記憶しておかなければなりません。
EU加盟国は昨年「緊縮財政」で合意しており、
独仏を除く他の諸国の経済成長の鈍化は今後顕著になってくるものと思われます。
ドルはユーロに対して大幅に下落しましたが、米株式市場は堅調に推移しています。
今週から始まった米企業の決算は好調との見方に加え、
昨日は地区連銀経済報告(ベージュブック)の内容に
素直に反応したことで直近高値を更新しています。
地区連銀経済報告では、12地区全てで経済活動が緩やかに拡大していると報告され、
好調な年末商戦が寄与した格好になっています。
また、製造業でも「全ての地区で回復が続いた」としたほか、
シカゴなど一部の地区では「力強い新規受注の流れが見られた」との報告もありました。
ただ、住宅市場については多くの地区で「脆弱かつ低迷」とし、
商業用不動産については「まちまち」と報告されるなど
依然として回復にはさらなる時間が必要と見られています。
昨年11月の追加緩和第2弾(QE2)の影響が徐々に出始めたことと、
さらにブッシュ減税の2年間延長による経済効果が
今後も見込まれることから、米景気は緩やかながら、
しかし着実に回復の道のりを歩んでいると見られます。
FOMCのメンバーである地区連銀総裁の中にも「金融緩和」の副作用を指摘する
声が高まってきていることから意外に早い時期に
「出口戦略」のタイミングが議題になる可能性もありそうです。
タカ派の象徴でもある、プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁などは
「FRBによる国債購入プログラム」の見直しも検討すべきとの立場を表明しています。
今週もFRB関係者の講演が相次いで予定されています。
講演内容が為替相場に大きく影響することから注意が必要です。
- [2011/01/13 09:51]
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ユーロ、日本政府支援表明で反発。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 円は対ドルとその他主要通貨で売られた。特に対ユーロでは
日本政府がEU発行の債券を購入する意思を示したことでユーロの
買い戻しを誘った。 - ドル円は、東京市場では前日のNYでの円高を受けて82円台後半で
始まったものの、野田財務大臣の会見をきっかけに売られ83円台に。
NYでもEU支援が材料視され83円台半ばまで売られた。 - ユーロは大きく反発。1.29台前半まで下落し下げ基調だったものの、
日本政府がEU発行の債券を購入するとの報道から切り返し、1.29台半ばに。
NYでは1.30目前まで上昇したものの、本日のポルトガルの国債入札を
見極めたいとの思惑からその後は小動き、1.29台後半で引ける。 - ポルトガルのソクラテス首相は、EUなどからの支援は必要ないと表明。
- 豪ドルが続落。クイーンズランド州では川が決壊し死者が出るなど、
洪水による被害が拡大するのではとの懸念から豪ドル売りが優勢。
対ドルでは0.98台前半まで下落し、約1ヵ月ぶりの水準に。
貿易黒字が縮小したことも豪ドル売りを加速。 - 株式市場は4日ぶりに反発。米企業の好決算を先取りする形に。
- 債券相場は株高から反落。3年債入札は好調だったものの、リスク回避の
動きがやや後退し売り優勢に。長期金利は小幅に上昇。 - 金は続伸、原油は前日のアラスカでの原油漏れや寒波を材料に、前日同様
大幅に続伸し91ドル台で引け。
本日の注目イベント
- 日 12月マネーストック
- 日 12月景気ウオッチャー調査
- 欧 11月ユーロ圏鉱工業生産
- 英 BOE金融政策委員会(1/13まで)
- 米 地区連銀経済報告(ベージュブック)
- 米 12月財政収支
- 米 フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
円は対ドル、対ユーロなどで下落し、前日から一転して「円安傾向」に振れています。
昨日の午前中、野田財務大臣は閣議後の記者会見で、
月内にもアイルランド政府が欧州安定基金(EFSF)を通じて
発行する「欧州金融安定化債」を1000億円程度購入することを発表し、
これがユーロの買い戻しを誘発しました。
必要に応じて追加買い取りも検討していることから、
約100億ユーロ相当の購入資金が必要ということになります。
日本は外貨準備の多くを米ドルで保有し、米国債を中心に運用を行っていることから、
市場では「政府は購入資金調達のため保有の米ドルを売りユーロを買うのでは」
との観測からユーロが急速に買われました。
また、米ドルでユーロを買うだけではなく、円でもユーロを買うのではとの見方もあり、
ユーロは対ドル、対円で反発を見せています。
野田財務大臣は会見で
「金融安定化債の信頼を高めるためにも、
主要国の日本が一定割合いを購入するのは妥当だ」と述べています。
これは、このところ急速に欧州で中国の存在が高まっていることに
対抗したものと思われますが、
「外貨準備の多様化」という意味では歓迎されるものと思います。
それにしても為替市場では「ユーロ一色」との感があります。
ドル円は83円台に戻したと言っても、明確な方向感は見い出せません。
欧州危機がさらに深まればユーロ円の下落、ドル円の上昇との見方ができそうですが、
それでも米国サイドに悪材料がでてくれば
ドル円も下落し「円の独歩高」もないとは言えません。
焦点は今夜から始まるポルトガルの国債入札と明日予定されているスペイン国債入札です。
両国債とも昨日はやや買い戻されましたが、依然として高止まりしています。
ポルトガル10年債利回りは6.7%、
スペイン10年債は5.5%近辺で昨日の取引を終えています。
金利水準から観れば投資魅力はあるものの、
今後財政再建の道筋が建てられるのかどうか懸念は残ります。
ポルトガルのソクラテス首相は昨日の会見で、
2010年度の財政赤字は対GDP比で当初の予想を下回った、と強調し、
EUなどからの支援を仰がないことを表明していました。
しかし、昨日の同国のCDS保証料率は国債が買い戻されたにもかかわらず536bpと、
前日比変わっていません。
これは、市場参加者の多くが
「ポルトガルはギリシャやアイルランドと同様にEU、IMFの支援を仰ぐ」
と観ていることを示しています。
ユーロドルはやや反発して1.29台後半での取引となっていますが、
ユーロの戻りは限定的と思われます。
目先は1.30で抵抗されそうですが、仮に1.30台に乗せても、
これまでのサポート水準であった1.3085辺りが
今度は強い抵抗を示すものと観られます。
豪ドルの下落圧力が高まってきています。
北東部のクイーンズランド州では大雨の影響で川が決壊し死者がでるまでに
被害が拡大しています。
景気が好調のオーストラリアもさすがに「自然災害」には勝てないということでしょうが、
今回の災害で同国のGDPを0.2%程度下押しするとの試算もあります。
テクニカルでは0.9804に一目均衡表(日足)の「雲」の下限(先行スパン1)があり、
この水準を抜けると、0.9744に100日移動平均線がありサポートしそうですが、
今後被害がさらに拡大するようだと
この水準も抜けてくる可能性も意識しておく必要があろうかと思います。
対円では上述のように、やや円安に傾いていることから大幅な下落には繋がっていません。
ただ、こちらも「遅行スパン」がローソク足に絡んできていることから、
現在重要な値位置に差しかかっていると言えます。
「遅行スパン」が完全に抜け切るのか、あるいは反発するのかを見極める必要があります。
- [2011/01/12 09:36]
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豪ドル円1ヵ月ぶりに81円台に。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はアジア、欧州市場では83円台前半で小動き。
NY市場ではユーロがやや買い戻されたことから円高に振れたが、
依然として方向感がなくユーロに引っ張られる相場展開。 - ユーロはアジア市場で1.29台を割り込み上値の重い展開が
続く。ポルトガル、スペインなどの国債入札を控えソブリンリスクが
再び台頭。 - EUはポルトガルへの支援協議は行っていないことを表明。
ポルトガルがEU、IMFに資金援助を行うのではとの観測を否定
したもの。 - 豪ドルもユーロに引っ張られる形で下落。対ドルでは約3週間ぶり
に0.99台割れ。対円でも1ヵ月ぶりとなる81円台まで下落。
その後ユ-ロが反発したことや、商品市況が回復したことから
買い戻されて引ける。 - 株式市場はポルトガルの財政懸念から一時100ドルを超す
下落をみせたが、引けにかけて自動車株などが買われ小幅安。 - 債券相場は続伸し長期金利は低下。欧州の財政懸念から
米国債に買い物が集まり、2年債利回りは4週間ぶりの低水準に。 - 金は5日ぶりに反発。原油は大幅反発。アラスカのパイプライン
で原油漏れが発見されたことが材料。
本日の注目イベント
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
市場はユーロの動きに神経質になっており、
ドル円もその動きに影響を受ける格好になっています。
昨日東京市場が休場だったこともあり、円はアジア市場では小動き。
83円台を下回る場面があったものの、
ユ-ロドルが1.29台を割り込むと83円台前半まで売られ、
その後は同水準でユーロの動きを睨む展開でした。
NY市場ではユーロが反発したことに合わせ円は83円台を割り込み、
82円66銭まで上昇していますが、
82-84円のレンジは抜けきれず、依然として明確な方向感に欠ける展開でした。
市場の主役はやはりユーロで、
欧州財政懸念を材料に1.29台を割り込み1.2874まで下落し、
その後1.29台半ばまで反発しています。
市場では、ポルトガルがギリシャやアイルランドのように、
EU、IMFに資金要請を行うのではないかとの観測が急速に台頭し、
これがユーロ売りに繋がっています。
背景には、ポルトガル政府が5日、
高利回りにもかかわらず市場から資金調達を行ったことで、
数週間以内に国際社会の支援を
仰ぐのではとの見方が強まったからです。(英フィナンシャル・タイムズ紙)
これに対して、EUはそのような事実はないと否定し、ポルトガル政府も否定しています。
これを受け同国の国債は買い戻され、利回りはやや低下していますが、
明日予定されている最大で12億5千万ユーロ(約1300億円)の
国債入札の行方は予断を許しません。
昨年から指摘されてきたように、
市場はいよいよ「ポルトガルとスペイン」の財政悪化を織り込み始めたようにも見え、
ユーロ売りが加速しそうな気配になっています。
今週は両国の国債入札を控えているだけではなく、13日にはECB理事会が開催され、
その後にトリシェ総裁の会見も予定されています。
同総裁は先週、「域内各国の債務をECBが肩代わりできない」との認識を示しており、
会見での発言が注目されています。
また、ブルームバーグは、欧州の財政難国に向けた救済基金の拡大で当局者らが
合意した場合、ドイツとフランスを含めた諸国の
最高格付けが脅かされるリスクがあるとの見方を紹介しています。
これは、ヘッジファンド「ブルーゴールド・マネジメント」のステーブン・ジェン氏が
顧客向けに配信したメールで
「欧州金融安定ファシリティ(EFSF)で、現在4400億ユーロ(約47兆円)から
7000億ユーロ(約75兆円)以上に増額された場合、
単一国、あるいは複数国のトリプルA格付けが引き下げられる可能性がある」
ことを紹介したものです。
このように、欧州財政危機がポルトガル、スペインにまで波及した場合の影響は大きく、
場合によっては「ユーロ圏」の再編にまで発展する可能性は否定できません。
そのカギを握っているのはドイツであり、メルケル首相であるとも言えます。
上記南欧諸国は最悪の事態を避けようと、増税で歳入を増やし、
公務員の削減や年金額のカットなどで歳出を減らす努力をしています。
しかし、これがさらに個人消費の減少を招き、
税収を減らすという悪循環に陥る危険性をはらんでいます。
ギリシャの財政赤字に端を発した欧州危機も
いよいよ終盤にさしかかってきたように思えます。
テクニカルを確認しておくと、ドル円は100日移動平均線(4時間足)まで下落し、
現在この線でサポートされています。
下抜けした場合には一目均衡表(日足)の「雲」に
支えられる82円30銭前後が次のサポートになりそうです。
約1ヵ月ぶりに81円台に突入した豪ドル円は、
200日移動平均線(8時間足)が81円79銭にあることを意識しておきたいと思います。
いずれにしてもユーロの動きがその他主要通貨にも影響を与えることから、
ユーロドルのポジションを持たない
市場参加者もユーロから目を離さないことが重要です。
- [2011/01/11 09:44]
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「米雇用統計は強弱まだら模様」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 12月の米雇用統計を受け、非農業部門雇用者数が予想より悪化
していたことからドル円は下落、一時82円台後半まで円買いドル売り
が進む。しかしその後、ユーロが対ドルで下落したこともあり83円台
前半で引け。 - ユーロは対ドルだけでは無く、主要通貨にた対して大幅下落。
ベルギー、アイルランドなどのCDS保証料が過去最高まで上昇する
など、再び欧州財政問題が焦点になるのではとの見方。ユーロドルは
1.30台を大きく割り込み1.29割れ目前まで下落。 - バーナンキFRB議長は上院予算委員会で、景気刺激的な金融政策に
変更はないことを示唆。 - 株式市場は続落。12月雇用統計で雇用者数が予想を下回った
ことや、米銀2行が住宅差し押さえに関する訴訟で敗れたことが嫌気された。 - 債券価格は上昇し、長期金利は下落。バーナンキ議長の議会証言から
金融緩和は継続するとの見方が背景。 - 12月非農業部門雇用者数 → 10.3万人増
- 12月失業率 → 9.4%
本日の注目イベント
- 日 休場(成人の日)
- 中 12月中国貿易収支
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
- 米 米仏首脳会談(ワシントン)
失業率9.4%、非農業部門雇用者数10.3万人・・・。
12月の雇用統計の発表を受け、市場は反応に迷いながらも最後はドル
買いに走りました。
先週発表された12月ADP雇用者数が「想定外の改善」を見せていたこ
とから、エコノミストを中心に、雇用改善への期待が一気に高まり、非農
業部門雇者数の増加を上昇修正する動きが続いていました。
その結果、直前の雇用者数の伸びは15万3千人が平均値となり、かな
りの改善を先取りした形となっていました。
結果は失業率では昨年6月、7月の9.5%を上回り、昨年で最も低い
数字でしたが、雇用者数では事前予想を大幅に下回る内容でした。
ドルは一旦売られ、円は82円台後半まで上昇しましたが、ドルの下落は
限定的でした。
ユーロが対ドルで大きく下落し、「ドル高ユーロ安」が進んだことが「円売り
ドル買い」に繋がり、ユーロ円の売りもユーロ下落に作用したものと思われ
ます。
ユーロドルは1.29台目前まで売られ、ユーロ円も106円台後半を記録し、
ともに昨年9月中旬以来、約4ヵ月ぶりの安値をつけています。
やはり、ユーロドルが先週末に1.3085のテクニカルポイントを割り込んだ
ことが、大幅な下落に繋がっていると思われます。
ユーロドルは日足までの短期的なチャートでは全て売りシグナルが出て
います。一目均衡表の「遅行スパン」も「逆転」を完成させており、下値の
メドは「週足」の「雲」が位置する1.27台前半から半ばになります。
さらにユーロ円に至っては「週足」でも「逆転」が起きており、メドは昨年
8月に記録した105円半ばという状況です。
「ボリンジャーバンド」(日足)を観ると、両通貨ペアとも短期的には売られ
過ぎを示していることから、目先反発することも考えられますが戻りは限定
的と観ています。
今月最大のイベントはこれで終わりましたが、米雇用は今後回復するの
かどうか、非常に難しい局面にあります。
バーナンキ議長も、ADP雇用者数の大幅改善と労働省発表の雇用統
計を踏まえての議会証言で「雇用の回復には4-5年かかる」
可能性を示唆しています。(下記 What's going on 参照)
一方で、12月の雇用者数は予想を下回っていましたが、同時に発表さ
れた11月分は上方修正されています。
11月分の民間部門雇用者数は5.0万人から7.9万人に、政府部門
を含む全体の雇用者数は3.9万人から7.1万人にそれぞれ引き上げ
られています。
先週も述べましたが、米雇用統計は「短月」ではなく「ふた月」単位で
観る必要があろうかと思います。
そのように観れば、米雇用者数の回復には力強さはないものの、着実
に改善しているようにも思えます。
特に民間部門雇用者数は昨年秋以降は平均して10万人を超える改
善を示していることには今後も記憶しておく必要があろうかと思います。
ゆるやな改善傾向を示している中、回復基調にある個人消費がどこま
で景気に作用してくるのかという点が今後の注目ポイント
になろうと思います。
株高による「資産効果」もあることから。米株式市場の行方も重要なカ
ギを握ってきます。
ドル円は82円90銭前後が目先のサポートになりそうです。
下抜けした場合には82円20銭前後が次の重要なサポートと観ていま
す。上値では84円台乗せと、84円台に乗せた場合には、これまで同様
、84円半ばに注目しています。
- [2011/01/10 10:11]
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今夜は注目の米雇用統計。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドルは前日に引き続き堅調に推移。ユーロが対ドルで大きく下落し、
一時節目の1.30台を割り込むなど、ドルは主要通貨に対して上昇。 - 本日発表の12月米雇用統計では、事前予想が上方修正されるなど
改善期待が高まりドル買いに繋がった。 - 円は83円を割り込み、82円91銭まで上昇した後下げに転じ、
83円37銭と、前日の安値近辺まで下落。ユーロ安に引っ張られた
側面も。 - 欧州連合(EU)が銀行破たん時のコスト分担を協議する
ことが嫌気された。 - 株式市場は雇用統計を控え神経質な展開からまちまち。
12月既存店売り上げが予想を下回ったことから、ダウは25ドル安、
一方ハイテク株主体のナスダックは小幅高。 - 債券相場が反発。前日ADP雇用者数に大きく反応したが、
「行き過ぎ」との声も。価格は上昇し10年債利回りは下落。 - 金は4日続落。原油価格も大幅反落し89ドル台を割り込む。
- 週間失業保険申請件数 → 40.9(ほぼ市場予想通り)
本日の注目イベント
- 欧 2010年7-9月期ユーロ圏GDP(確定値)
- 独 11月独鉱工業生産
- 独 11月独貿易収支
- 米 12月雇用統計
- 米 バーナンキ・FRB議長上院予算委員会で議会証言
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演(デンバー)
ユーロドルがレンジを割り込み、再び下値リスクが高まってきたようです。
欧州連合(EU)が銀行破たんのコスト分担について協議するとの報道に、
ユーロは対ドルで大幅に下落。
昨日もこの欄で述べましたが、
重要なサポートレベルであった1.3085水準を下抜けし、
一時1.2997まで下落しました。
今朝もオセアニア市場ではさらに売られ、1.2981まで下落しています。
1.30割れは12月1日以来約1ヵ月ぶりの安値で、
200日移動平均線(日足)を下回ったことから
ユーロドルは新たなレンジ入りした可能性が高いと観られます。
同時にこの水準は、11月30日と翌日の12月1日に2度試して
抜けなかったレベルでもあり、強くサポートされることも考えられますが、
ここを割り込めば約4ヵ月ぶりの水準に達します。
前日のADP雇用者数の発表以来、
市場は本日の雇用統計への改善期待が高くドル高傾向に傾いていることも、
ユーロが売られ易いと言えます。
やはり、ユーロは欧州からの悪材料には敏感に反応し
下落リスクの方が高いと観ておくべきでしょう。
ドル円は昨日アジア市場でも83円台で取引されたものの、
上値は重くドルのじり安が続き、
欧州からNY市場にかけては83円台を割り込む場面もありましたが、
依然として本日発表の雇用統計への改善期待が強く、
再び83円台前半まで上昇しています。
前日発表されたADP雇用者数が統計を取り始めて以来の増加を示したことで、
「同指標は雇用統計とは必ずしも一致しない」
と言われながらも改善期待が高まっています。
事実、エコノミストらは予想を引き上げています。
米情報通信会社ブルームバーグによれば、
「エコノミスト78人のうち、雇用者数の増加予想を上昇修正したのは22人」
と伝えています。
同社がまとめた予想平均でも、ADP雇用者数発表前の13万5千人増加が、
発表後は15万人と大幅に修正されています。
この中でも特に
「スイスのUBSは従来予想の12万人から16万人へと大幅に上方修正している」
(ブルームバーグ)と報じています。
このように今回の雇用統計は、
ADP雇用者数が従来予想の約3倍にも達したことで非常に注目度が増しています。
上述のように、多くのエコノミストが予想を引き上げたことで
市場では改善期待が一気に高まっています。
このことは、中途半端な改善ではドル買いで反応する可能性は少ないことにも繋がります。
ある程度の改善を織り込んだ結果、円が83円台で取引されていると観るべきでしょう。
逆に、16万人以下であったらドルが売られることも十分考えられます。
仮に大幅に改善していた場合に、
上値のメドになるのはやはり84円半ばということになります。
昨年11月から12月にかけてのドル反発局面で、
何度もトライして抜けなかった水準です。
この水準を完全に抜け、85円台に乗せるような状況になれば、
市場の相場観もドル高へとシフトすることになろうかと思います。
注意すべきは、米経済指標は度々「修正」されると言う点です。
そのため「ひと月単位」ではなく「ふた月単位」で其々の指標を観るべきでしょう。
特に雇用統計ではその傾向が強いように思えます。
足元の相場を大きく左右することから注目は今夜の雇用統計に集中していますが、
もうひとつ注目すべきは、
日本時間11時半から始まるバーナンキFRB議長の議会証言です。
このところ改善傾向を示している米景気に対してどのような認識を示すのか・・・。
ADP雇用者数が大幅な改善傾向を示した後だけに、
「雇用」についてどのような見方を示すのかが注目されます。
良い週末と連休を・・・・。
- [2011/01/07 09:36]
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ADP雇用者数を受けドル急反発。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米景気の回復を示す指標が相次ぎ、ドルは全面高。
対円では約2週間ぶりに83円台に乗せ、83円38銭まで上昇し
ほぼ高値圏で引ける。 - ドル高からユーロ、豪ドルも下落。両通貨ともに昨年末の水準まで
下落。 - スイス国立銀行(SNB)はアイルランドの国債と、同国の一部銀行
の社債を流動性供給オペの担保として受け入れることを停止すると発表。
ユーロ下落に拍車をかける。 - 民間雇用統計の大幅な伸びを背景に株式市場は続伸。資源株を除く
多くのセクターが概ね上昇。ダウは前日比31ドル上昇し、約2年半ぶりに
1万1700ドル台を回復。 - 株高から債券相場は下落。長期金利は1週間ぶりの高水準に。
- 金は続落。原油価格も90ドルを割り込んだ後、景気回復を理由に
再び90ドル台に乗せて引ける。 - 12月ADP雇用数 → +29.7万人
- 12月ISM非製造業景況指数 → 57.1
本日の注目イベント
- 欧 12月ユーロ圏景況感指数
- 欧 11月ユーロ圏小売売上高
- 米 週間失業保険申請件数
ADP雇用者数の発表を受けてドルが主要通貨に対して大幅に上昇しました。
同指標は事前予想の10万人プラスを大きく上回っただけではなく、
11月の同指標の約3倍にあたる29.7万人の増加でした。
昨年秋口から緩やかな回復を続けてきた米景気の中でも、
「雇用と住宅」部門の改善が大幅に遅れ、これが米景気全体の足を引っ張り、
ドルの上昇を阻んできたわけです。
それが昨日は、ADP雇用者の大幅な伸びを契機にドルは急反発しました。
内訳をみると特に、従業員50-499人の中堅企業では14万4千人増え、
同49人以下の小企業は11万7千人増加と、大企業以外の増加が顕著でした。
加えて、調査会社チャレンジャーグレイ・アンド・クリスマスが発表した
12月米企業の人材削減数も大幅に縮小していたことで、
久しぶりに米労働市場の回復に対する期待感が高まった様です。
さらにISM非製造業景況指数も市場予想を超え、
ドル上昇に拍車をかけた格好になっています。
言いかえれば、ファンダメンタルズを忠実に反映した相場展開だったということになります。
ADP雇用者数が大幅に伸びたことで、
明日発表される12月の雇用統計も大きく改善しているのではないか、
という期待感がドル買い戻しに繋がったわけですが、
この2つの雇用統計は必ずしも一致しないことが度々あることから、
まだ安心してドルを買えばいいとは言い切れません。
ADP雇用者数は民間部門のみを集計しており、政府部門は含まれていません。
従って、政府部門の雇用者数が大幅に減少しているようだと
全体の伸びも限定的ということにもなります。
11月の同部門雇用者数は1万1千人の減少だったことから、
ここは慎重に見極める必要がありそうです。
ドル円は上記2つの指標を受け急反発し、83円38銭まで買われました。
テクニカル(日足)のポイントでもあった
「雲」と「100日移動平均線」を次々に上抜けし、力強い上昇を見せました。
ただ、一目均衡表で最も重要な「遅行スパン」はローソク足を上抜けできていないことから、
目先ドルが本格的な上昇傾向に入ったと観ることは、現状ではできないと考えます。
上記「遅行スパン」が完全に抜け切ったときには「相場観」の修正も余儀なくされますが、
明日の雇用統計も含め、ここは慎重に見極めておきたいところです。
それにしても、今年最初の取り引きである3日に81円を割り込み、
2日後の昨日83円台前半を記録したことで、
既にドル底値から約2円50銭の値動きを示しています。
基本的には値幅が限られ、ボラティリティーの低いドル円ですが、
今年は大きな値動きがあることを暗示しているのかもしれません。
ユーロは対ドルで1.31台前半まで下落し、ある程度予想された値動きになっています。
一時は1.34台後半まで買い戻されたユーロですが、
再び「定位置」(?)に戻ってきたようにも思えます。
しかし、昨年来何度か試して跳ね返された1.3085の水準を
抜け切るまでは明確な方向感はでていないと思われます。
それでも今回のユーロの下落は、ドル高の影響があったと同時に、
アイルランドのソブリンリスクが再度注目されたことも
影響しています。(参照:上記「ひと目でわかる昨晩の動き」)
小康状態を保っていたユーロも再び南欧諸国の財政問題が
クローズアップされるような状況になると、上述の重要なポイント
である1.3085レベルを抜けてくる可能性も出て来ます。
因みに、この水準は「200日移動平均線」(日足)がしっかりサポートしており、
テクニカルがうまく機能していることが確認されます。
豪ドルも米ドルが買い戻されたことや、
さらにはオーストラリアで起きた大洪水の影響もあり
軟調に推移しています。
昨日は金など商品相場下落の影響もあったものと観られます。
対円では2日続けて82円台を割り込み約1か月ぶりの安値を付けていますが、
円が大幅に下落した事で再び83円台に戻しています。
基本的なレンジは82-85円と観ていることに変化はありません。
これまで通り、83円台後半では一旦利益を
確定して置くことが必要かと思われます。
- [2011/01/06 10:12]
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景気回復観測でドル高、82円台戻す。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- NYでは米経済指標の好結果等による米景気回復期待でドル高の流れになるも、
ドル円にいたってはクロス円の下落に連れられ、一時81円台半ばまで下落。
その後、クロス円の下落が落ち着き82円台に戻す。 - アイルランドの野党がIMF/EU支援パッケージについて
再交渉の予定との報道が流れたことに加え、ギリシャ格付け引き下げの噂により
欧州財政問題が再び台頭したことでユーロ売りが加速。 - 商品相場の大幅な下落から豪ドルをはじめとする資源国通貨は売り優勢に。
- 株式市場は一時下げる場面もあったものの米景気回復観測が広まり買い優勢に。
- FOMC議事録が発表され、短期的な見通しがやや強気に傾いていたことや
量的緩和策(QE2)の変更の可能性など無いことから
株式相場の買い安心感に繋がった。 - 債券はFOMC議事録の内容も変化なく、方向感のない展開で横ばい。
長期金利も横ばい。 - 金、原油ともに景気回復期待からの株高、
ドル買いの流れを受け利益確定の売りにより大幅反落。
本日の注目イベント
- 欧 12月ユーロ圏サービス業PMI
- 欧 10月ユーロ圏鉱工業新規受注
- 欧 11月ユーロ圏生産者物価指数(PPI)
- 米 12月ADP雇用者数
- 米 12月ISM非製造業景況指数
- 米 ホーニング・カンザスシティー連銀総裁講演(カンザスシティー)
ドル円はクロス円に振り回されたものの、
ドル高の流れにより82円台に戻しています。
最近の米経済指標の中で製造業を中心に好結果となっており、
これが景気回復観測に繋がっております。
この流れが続くようであれば、
「雇用と住宅」の改善に期待出来るという市場の思惑があるようです。
本日はISM非製造業景況指数とADP雇用者数の発表があります。
ISM非製造業景況指数は3ヶ月連続で改善しており、
また、好調だった年末商戦やブッシュ減税延長などから、
今回も好結果が期待されておりますが、寒波の影響や「雇用と住宅」問題、
商品価格高騰が懸念材料とされております。
ADP雇用者数においては11月の+9万3000人を超える
+10万人の市場予想が出ており、
米雇用統計の民間部門雇用者数の前哨戦として
7日に控えています米雇用統計とともに注目が集まっているようです。
一方、まだまだ財政問題の糸口が見えていない欧州では、
ユーロの動きに注意が必要です。
どちらかというと、
経済指標よりも、PIIGS各国の国債利回りや入札などの方が相場への影響力が
強いものと考えます。
年末年始のユーロの買い戻しが落ち着いてきましたが
商品相場の大幅下落を機に、新たなユーロ売りは発生し、
ユーロ安ドル高の流れに拍車がかかる可能性もあります。
商品相場に左右されている豪ドルは昨日だけで対米ドルで約150ポイント
下落しております。
さらに景気回復観測が広まれば、余剰資金は商品から株へ流れていきますので
豪ドル安米ドル高が加速し、
またパリティー(等価)を下回ることも大いに考えられます。
日本の個人投資家は金利が高いという面から豪ドルを買う傾向が強いようですが
豪ドルの下落スピードの速さというリスクも念頭に置かなければ
いけないことを忘れてはいけません。
- [2011/01/05 10:20]
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円、81円台後半も先高観優勢か。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 年末年始にかけて円高ドル安に振れた円は、米経済指標の
発表を材料にドル買い戻しが優勢に。円は終始81円台での
取引の中、ほぼ安値圏で引け。米長期金利の上昇も円売りに作用。 - ユーロは1.33台で方向感の定まらない動きに。
円が対ドルで下落した分、ユーロ円は上昇。 - 株式は堅調。金融、通信セクターなどが上昇し、ダウは
1万1600ドル台を回復。 - 株高から債券相場は軟調に推移。長期金利は上昇。
- 金、原油はともに大幅高となり昨年高値をいずれも更新。
原油価格は一時92ドル台まで買われ、2年3ヵ月振りの高値を記録。 - 12月ISM製造業景況指数 → 57.0
本日の注目イベント
- 欧 12月ユーロ圏消費者物価指数(CPI)
- 米 FOMC議事録
年末に81円を割り込み、一時80円台後半まで上昇した円でしたが、
昨日の海外では買い戻され81円台半ばを挟む動きでした。
昨日3日のアジア市場でも80円93銭を付ける場面があり、
「年初は円高ドル安」との相場観が急速に高まってきたように思えます。
円は昨年11月1日に80円21銭と、
約15年ぶりの円高水準まで買われましたが、80円突破には至らず、
その後は昨年後半に向け84円台まで反落したことはご存じの通りです。
米景気の緩やかな回復と、それに伴う米長期金利の上昇がドル反発の主因でした。
しかし、ドルの反発も84円台半ばまでで、
何度かこの水準を試しましたが頭を抑えられ年末のドル安に繋がっています。
80円台後半までドル安円高が進んだことで、
焦点は「昨年の円の最高値である80円21銭を割り込むかどうか」
ということに絞られそうです。
さらに、仮にその水準を割り込んだ場合
「史上最高値の79円75銭を割り込むかどうか」という点です。
足元では再び円先高観が優勢になりつつありますが、
昨年11月のころとは状況が異なっている点には注意が必要です。
6000億ドル規模の追加緩和第2弾(QE2)が実施されており、
その後のブッシュ減税延長効果を見越した
米景気に対する楽観論も急速に台頭しています。
また、米景気の回復を示す経済指標もタイミングよく11月以降出始めて来ました。
状況的にはドルが反発してもおかしくない環境でしたが、問題は「雇用と住宅」でした。
この欄でも度々述べていますが、米景気回復の「最後の砦」となっているのが
この「雇用と住宅」問題です。
失業率は昨年春先には若干改善の兆しを見せましたが、
その後は9.6~9.7%で横ばいが続き、
直近11月の同指標では9.8%と、再び悪化しています。
FRBがメドとしている7%以下には程遠い状況です。
その意味で、今週末に発表される12月の雇用統計が
極めて重要なものになってきそうです。
仮に市場予想より悪化しているようなら、米景気に対する楽観論は大きく後退し、
ドル円も80円を目指す展開となる可能性があるからです。
円先高観も増幅し、市場全体がドル売りに傾くことも考えられます。
その結果再び、日銀の市場介入水準を探る動きに繋がってきそうです。
一方雇用情勢が改善していた場合には、
昨年12月に「Wトップ」を形成している84円台半ばを
上抜けるできるかどうかが試されそうです。
テクニカルを観ると昨年末からドル下落を示す状況に変化はありません。
一目均衡表(日足)では「ローソク足」、「遅行スパン」がともに「雲」を下抜けしており、
ドル反発を抑える格好になっています。
また、「100日移動平均線」も83円台前半にまで下がってきており、
84円台半ばで抵抗される前に先ずこの水準で抵抗されそうな気配になっています。
ユーロドルについてはやや方向感がなくなってきています。
1.30台後半が抜けなかったことから、昨年末には1.34台まで反発していますが、
こちらもドル円と同じように
「雲」と「100日移動平均線」が上値を覆っていることから
1.35台乗せにはてこずるものと思われます。
豪ドルは昨年末に対ドルで1.02台半ばまで上昇し史上高値を更新中です。
資源高という追い風もあり、
中国リスクをこなしながらも緩やかな上昇が継続されると観ています。
- [2011/01/04 09:30]
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