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原油価格落ち着くも、円81円台。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 中東情勢が不透明ながらも、やや落ち着きを取り戻したことで
    各市場は平穏な動きに。
  • スイスフランが軟調に推移したものの、円は依然として上昇傾向。
    ドル円は81円台半ばから後半と値幅は限定的。
  • ユーロは1.38台から下落。原油価格が落ち着きを取り戻した
    ことや、アイルランドの総選挙に対する懸念から対ドル、対円でも下落。
  • 米株式市場は上昇。2月の消費者信頼感指数が予想以上に上昇し、
    3年ぶりの高水準値を記録したことが材料に。
  • 債券相場は小幅に上昇。依然として中東問題が不透明なことから
    買いが優勢となり、長期金利は小幅下落。
  • 金は9営業日ぶりに下落。原油価格は一時96ドル台まで売られたが
    引けは小幅高の97ドル台。
  • アイルランドの総選挙では、与党共和党が歴史的な敗北に。
  • 第4四半期GDP(改訂値) → 2.8%
  • 2月ミシガン大学消費者信頼感指数 → 77.5



本日の注目イベント


  • 欧   1月ユーロ圏消費者物価指数(CPI・確報値)
  • 米   1月個人支出・所得
  • 米   2月シカゴ購買部協会景況指数
  • 米   1月仮契約住宅販売指数
  • 加   第4四半期カナダGDP





先週はリビアを中心とする中東情勢の不透明さから、

円とスイスフランが対ドルでもその他主要通貨に対しても買われほぼ全面高の展開でした。

ただ、週末にはサウジアラビアが原油増産の意向を示したことや、

リビアで暫定政権の動きが出たことなどから原油価格も上昇スピードを緩め、

NY株式市場も4営業日ぶりに上昇に転じたことで、

金融市場全体が落ち着きを取り戻した感があります。



今後もリビアのカダフィー大佐が強硬姿勢を崩していないことから予断は許しませんが、

中東問題はやや沈静化するとの見通しもあり、

徐々に材料視されなくなることも考えられます。

原油先物価格もかなり投機的な動きで上昇したことから、

事態の進展によっては大きく下落する可能性もあります。

その結果、市場参加者の関心も次第に

日米欧のファンダメンタルズに移ってくるものと思われます。



今週は特に重要なイベントが多く予定されています。

先ずは明日はバーナンキFRB議長の議会証言が上院で予定されています。

改善傾向を示してきた雇用に対してどのような見方を示すのかが注目されます。

また、6月に期限の来る追加緩和第2弾(QE2)が延長されるのか、

あるいはその必要がないのか、

QE2後の金融政策の変更にも注目が集まります。



そして、ユーロ圏では2月のユーロ圏の消費者物価指数(CPI)が発表になります。

2ヵ月連続で2%を上回り、

ECB関係者からも金融緩和政策の変更を示唆する発言が相次いだことから、

再び2%を大きく超えるようだと「利上げ」に繋がる可能性が高いと観られます。

3日にはECB理事会が開催されることから、

場合によっては利上げに踏み切ることも考えられますが、

仮に見送られてもその後のトリシェ総裁の記者会見では、

利上げに前向きな発言内容になるものと予想されます。

その場合、ユーロがどの程度まで上昇するのか注目されますが、

ユーロ高はドル安に繋がることから、

ドル円では円高に振れる可能性もあり、注視したいところです。



ドル円は先週、2日続けて81円台半ばで下げ渋っています。

80円割れのイメージはないものの、

このところの円高傾向でテクニカルではドル下落傾向を示しています。

上記、ユーロが予想外の上昇を見せるようだと、円も連れ高になる可能性はありますが、

週末には2月の米雇用統計もあることから、

一気に80円を割り込む展開には至らないと予想します。

米雇用統計では既に、

9.1%の失業率と非農業部門雇用者数が19万人の増加との予想です。

2月は天候が概ね平年並みだったことと、

1月の同指数が3万6千人増加と、事前予想を大きく下回っていたことの反動もあり、

かなりの改善が予想されています。

予想値よりも上振れるようだとドル買いに繋がりますが、

その場合でも83円台後半が抜けるかどうか程度で、

ドルの戻りも現段階では限られそうです。



中東情勢の行方、バーナンキ議長の議会証言、

さらには週末の雇用統計と、今週の相場は材料的には十分動きそうです。

予想レンジとしては80-84円が中心的なところです。



また、このところ値動きの激しい豪ドルも、明日には政策金利の発表を控えています。

中東情勢の悪化から豪ドル円は先週一時、81円台後半まで急落しましたが、

すぐに切り返して、週末には再び83円台まで上昇してます。

商品相場が堅調なことと、利上げ期待感が根強いことが背景ですが、

これまで通り83-84円台は、一旦利益を確保しておくゾーンと思われます。










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円買い加速し、ドル円81円台半ばに。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • リビア情勢の混迷が続き、リスク回避が先行する中
    円とスイスフランが引き続き買われ、ドル安が進行。
  • ドル円はNY市場で81円台半ばまで下落し3週間ぶりの
    水準を記録。欧州時間帯では原油など商品価格が上昇し、株安
    債券高が進むと円は対主要通貨で急伸し、豪ドル円は
    一時、81円台後半まで下落。
  • NY市場では原油価格が利益確定の売りに押され下落したものの、
    ドル安の流れは変わらず、ユーロドルも1.38台前半まで上昇。
  • 株式市場は下落したものの売り買いまちまち。ダウは37ドル安
    と3日続落、ナスダックは反発し15ドル高。
  • 債券価格は上昇。リビア問題が長期化するとの見方から依然
    買い意欲旺盛。30年債利回りは今月に入り最低水準まで低下。
  • 原油価格は103ドル台まで上昇したが、サウジアラビア高官が
    増産を示唆したことから反落。金は小幅に上昇し8日続伸。
  • 1月耐久財受注 → +2.7%
  • 週間失業保険申請件数 → 39.1万件
  • 1月新築住宅販売件数 → 28.4万件
  • 12月住宅価格指数 → -0.3%



本日の注目イベント


  • 欧   1月ユーロ圏マネーサプライ
  • 欧   アイルランド総選挙
  • 独   2月独消費者物価指数(CPI)
  • 英   第4四半期英GDP(速報値)
  • 米   第4四半期GDP(改訂値)
  • 米   2月ミシガン大学消費者信頼感指数
  • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁パネル討論会に参加
  • 米   イエレン・FRB副議長パネル討論会に参加





アジア時間では82円台前半で下げ止まっていたドル円でしたが、

欧州時間に入ると円買いが活発になり81円台に入りました。

同時に、ユーロ円、豪ドル円など主要通貨に対しても円買いが加速し、

「円全面高」の様相となりましたが、

ユーロやポンドなど利上げ観測が高まっている通貨が対ドルで上昇に転じると、

クロス円が上昇し、結局、「往って来い」の相場展開となりました。

欧州時間では原油価格も急騰し、金など安全資産も買われ、

その流れから円買い、スイスフラン買いが顕著でしたがNY市場ではその流れも一服し、

各市場はやや落ちつきを取り戻した様です。



それにしても、今回のような非常時には円買いが一気に進み、

昨日の欧州時間の円急騰劇は、

2008年9月のリーマンショック直後の状況を彷彿させました。

全ての通貨に対して円買いが殺到し、

レートや水準は無視されビットが叩かれる異常な状況です。

「リスク回避」の流れはNY株式市場の大幅下落から始まりましたが、

結局昨日もNY株式市場が下落したことでこの流れは収まってはおらず、

小康状態です。



リビア情勢は依然として緊張が続いており、反政府運動の波は中東諸国だけではなく、

中国や北朝鮮にも波及しそうな状況になってきました。

オバマ大統領はこの事態に「容認できない」と強く非難し、

リビアに対する経済制裁を含むあらゆる選択肢の検討を始めていると、

メディアは伝えています。

米国とリビアの経済的な結びつきはそれほど強くないことから、

より関係の深いEUとの連携も選択肢に入っているようです。



金融市場は「中東情勢一色」で、

ファンダメンタルズもテクニカルもほぼ機能しない状況です。

皮肉にも、米国をはじめ先進国が行ってきた「金融緩和策」が

相場の振れを大きくしているとも言えます。

「過剰流動性」により、大量の資金が株式市場から債券市場に流れ、

為替市場でもドルから円やスイスフランに流れ、通貨間の振幅を大きくしています。

為替、株式、原油などの先物市場では、手元のキーボードをワンクリックするだけで

瞬時に大量のマネーを移動させることができます。

このため、個人投資家にとっては先の読めない、難しい相場展開となっていますが、

ここは敢えてポジションを取る必要はありません。

すでにポジションを保有しているのであれば、その量を縮小する方が無難と言えます。

極力リスクを減らし、嵐の過ぎ去るのを待つのも重要な戦略の一つです。



ドル円は81円台半ばまで下落したことでテクニカルではドル下落を示しています。

一目均衡表(日足)では、ローソク足を上抜けし「好転」を見せていた遅行スパンも足元では

「逆転」を示しドルの下落を示唆しています。

既に「雲」も下抜けしており、相場の過熱感を示す「ストキャスティクス」では

「売られ過ぎ」を示してはいますが、ドルの反発は限定的と思われます。

今日も東京株式市場とNY株式市場がカギを握っています。

楽観的なシナリオでは、週末でもあることから日経平均株価が反発し、

今夜のNYでも株価が上昇するようだと

ドル円は82円30-50銭あたりまで反発する可能性があると思われます。

昨日のNY株式市場ではダウは前日比マイナスで引けていますが、

ナスダックはプラスでした。

楽観シナリオの可能性も多少あるのではないかと思われますが、

これももちろん中東情勢次第です。



良い週末を・・・・。










NYダウ大幅続落で円82円台前半に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • リビア情勢の緊迫化から、依然として「リスク回避」の流れが
    続き、円、スイシーなど安全通貨が上昇。
  • ドル円は、昨日のアジアから欧州時間にかけては82円台半ば
    でサポートされ神経質ながら小動き。NY市場では原油価格の急騰、
    株式市場の下落などを背景に円が上昇、一時82円32銭と、2月
    10日以来の円高水準に。
  • 一方、利上げ観測の強い、ユーロ、ポンドなども対ドルで上昇。
    ユーロは1.37台半ばまで買い進まれ3週間ぶりの高値に。
    また、原油高を背景にノルウェークローネも大きく上昇し、ドル全面安に。
  • BOEの議事録では、政策委員のうち3人が利上げを主張したことが
    明らかになり、利上げ期待からポンド高に繋がる。
  • NY株式市場は大幅に続落。リビアで銃撃戦が続いていることなど
    を嫌気して売りが優勢。エネルギー株を除く全てのセクターで下落し、
    ダウは107ドル安。この2日間で290ドルの大幅下落。
  • 債券相場は反落し、長期金利は小幅に上昇。5年債入札が軟調
    だったことや、原油高が米経済に悪影響を及ぼすとの懸念から
    売りものに押された。
  • 原油価格は一時2年ぶりに100ドルの大台乗せ。引けはやや売られ
    98ドル台。金価格も続伸し1410ドル台乗せ。
  • 1月中古住宅販売件数 → 536万戸(年換算)



本日の注目イベント


  • 欧   2月ユーロ圏消費者信頼感(確報値)
  • 独   第4四半期独GDP(確報値)
  • 米   1月耐久財受注
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   1月新築住宅販売件数
  • 米   12月住宅価格指数
  • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演





リビア情勢の悪化から引き続き「リスク回避」の動きが継続されています。

首都トリポリでは銃撃戦が続き、

カダフィー大佐は反政府デモ隊とは徹底抗戦の構えを見せています。

最終的に首相を辞任したエジプトのムバラク氏とは異なり、

「最後の血の一滴」が落ちるまで戦うと言明しています。(ブルームバーグ)

「中東の暴れん坊」とはよく言ったものです。



前日に続き「リスク回避」の流れは変わらず、

昨日のアジア、欧州市場ではNY株式市場の動向が最大の焦点でしたが、

ダウは前日に続き大幅に下落しました。

一時150ドルの下落を見せ、引けは下げ幅を縮小しましたが、

結局この2日間の下落で3週間前の水準にまで戻りました。

正に「下落スピードは上昇スピードよりはるかに速い」ことを見せられたような状況でした。



今回のリビアの緊張がサウジなど中東諸国にも波及する可能性もあることから、

原油価格はさらに上げ足を速め、

NY原油先物市場では一時2年ぶりに100ドル台に乗せています。

香港在住の石油アナリストは

「リビアとアルジェリアの両方が石油生産を停止した場合、原油価格は220ドルを超える

可能性があるほか、OPECは余剰生産能力が日量210万バレルに低下する。

これは湾岸戦争の際や、2008年に147ドルを付けた時と同様の水準だ。」

とのレポートを発表しています。(ブルームバーグ)



原油価格がさらに上昇するかどうかはリビア情勢の行方次第と思われますが、

仮に今後大幅に上昇した場合、日本にとっても厳しい状況であることは明らかです。

原油の輸入量の9割近くを中東に依存してる日本は、

スエズ運河が封鎖された場合の影響は測り知れません。

一方、欧州は「北海油田」を抱えており、

米国はメキシコ湾沿いに油田を持つ「産油国」です。

さらに、米国には地域的近い南米のべネズエラやブラジルなどからの

輸入に頼ることができます。

原油価格がもう一段上昇した場合、

果たして円がこのまま安全通貨でいられるかどうかは疑問です。



NYではドル全面安が進み、ドル円は82円台前半まで下落しました。

円以外の通貨も対ドルで上昇したため、クロス円の水準は余り変わっていません。

リビア情勢がさらに緊迫化していることで、

今後のドル円ももう一段のドル安を予想する声が主流になりつつあります。

昨日も書きましたが、下値のメドは82円ちょうど辺りで、

これはこれまでのドルの反発を抑えてきた抵抗線でしたが、

現在は支持線の役割をしていることから、一旦はサポートされると観られます。

82円を割り込むとドル売りに勢いがつく可能性も否定できませんが、

サポートは81円80銭辺りと、81円10銭で、

いずれも今月の初めのドル最安値水準です。

また、ユーロとポンドが利上げ期待から対ドルで強含んでいることから、

連れ高する可能性も出て来ました。

この先ドルが下げ止まるかどうかは、もちろんリビア情勢の行方と、

今夜のNY株式市場の反応次第です。

特にNY株式市場の下落は「リスク回避」を意味することから注目したいところです。



昨日は米国の中古住宅販売件数が発表されました。

結果は3ヵ月連続で増加を示し、市場予想を超える内容でしたが

為替市場への影響はほとんどなかった模様です。

中古住宅市場では改善傾向が定着しそうな状況ですが、

依然としてそれが新築住宅へと波及していないと観られます。

新築住宅販売件数と住宅価格指数は今夜発表になります。










リスク回避から円急騰。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 昨日のアジア市場から「リスク回避」の動きが強まり、
    株安、債券高の流れが加速。
  • 為替市場では安全通貨とされる、円、ドル、スイシーなどが
    買われ、値動きの荒い展開に。
  • ドル円は東京時間に格付け会社ムーディーズによる日本国債の
    ネガティブへの見直しが発表され、一時円が売られる場面があった
    ものの、中東情勢の悪化を背景に円買いが優勢となり、NYでは
    約2週間ぶりに82円台半ばまで円高が進んだ。
  • 一方、スイシーも対ドルで0.93台半ばまで急騰し、2月3日
    以来の高値圏に。
  • 豪ドルは対ドルで大幅下落。「リスク回避」の流れから対円でも
    82円台半ばと、先週の高値から約2円の下落。
  • NY株式市場は大幅下落。ダウは178ドル(1.4%)安、
    S&P500は2.1%下げ昨年8月以来最大の下げ。
  • 債券相場は大幅高。2年債入札も好調だったことや、中東情勢
    を背景に価格は大幅高、長期金利は大幅に低下。
  • 原油は大幅に上昇。前日北海ブレントが105ドル台に乗せたこともあり、
    一気に93ドル台まで上昇。金価格も大幅に上昇し1400ドル台に。
    商品価格は全般的に上昇し、銀は30年ぶりの高値に。
  • 2月消費者信頼感指数 → 70.4
  • 12月S&Pケース・シラー住宅価格指数 → -2.38%
  • 2月リッチモンド連銀製造業指数 → 25.0



本日の注目イベント


  • 日   1月貿易統計
  • 欧   トリシェ・ECB総裁、クアデン・ベルギー中銀総裁講演
  • 欧   ウェーバー独連銀総裁講演
  • 英   BOE議事録
  • 米   1月中古住宅販売件数
  • 米   ホーニング・カンザス連銀総裁講演
  • 米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演





リビア情勢の長期化を背景に、

昨日のアジア市場では日経平均が今年最大の下げ幅を記録。

上海総合指数もそれを上回る下げ幅を見せるなど株式市場は全面安の展開。

一方安全資産である債券は大幅高の展開でした。

予想通り、この流れは海外市場にも波及し、

NYでも株式市場は全面安となり、債券は急上昇しました。



NY株式市場が上昇し、世界の株式市場を牽引する形で進んだ「リスク選好」が、

一夜にして「リスク回避」の流れに「逆流」した感があります。

為替市場では、円やスイシーが買われ、安全資産への志向が強まり、

豪ドルなど高金利通貨は売られました。

NZランドドルも地震の影響もあり、昨年12月の水準まで急落しています。

そんな中で利上げ観測の強いユーロが堅調だったことは特筆できます。

ユ-ロは対円、対ドルで強含み、対円では113円台、対ドルでも1.36台を維持し、

市場での利上げ観測が根強いことを物語っているようです。



ドル円は先週の高値83円98銭から1円40銭ほど下げ、

NY市場では82円58銭を記録しています。

ただ、この下げは予想の範囲内で、

テクニカル的にも100日移動平均線(日足)がサポートする水準と一致しています。

また、一目均衡表の「雲」の下限もこの水準にあり下落を止めたものと思われます。

問題は今日も日経平均株価の下落が続き、「リスク回避」が強まる展開が予想される中、

ドル円がどこまで下落するのかという点です。

やはり、テクニカルで観ておくと、

「三角保ち合い」(さんかくもちあい)を上抜けした際の抵抗線がポイントになりそうです。

この抵抗線は、それまでドルの上昇を抑える形で抵抗してきましたが、

一旦上抜けを完了したことから、今度は支持線としての機能を果たします。

ドルが下落する際にはサポートすることになります。

その視点から観ると、サポートラインは丁度82円近辺に位置しています。

つまり、さらにドル売り円買いが進んだ際に、この水準で一度は下げ止まり、

その後維持されるかどうかが重要なポイントになってきそうです。

従って、下値ではNYでのドル安近辺の82円50-55、

その下は82.00近辺になりそうです。

もちろん相場は予想外の動きをしますから、中東問題がさらに拡大し、

「リスク回避」が一段と強まり、上記水準を割り込み「ドル高円安」の流れが

転換する可能性は否定できませんが・・・。



しかし、昨日の東京時間帯にも「格下げ」のニュースに円が売られる場面があったように、

円の強さも「脆弱」です。

財政赤字問題に加え、今年度予算の成立も危ぶまれている状況下で

円がいつまでも「安全資産」でいられるか疑問が残ります。

また上述のように、今月に入ってからの「リスク選好」は

米国の株高による影響が主因だったわけですが、

この株高の背景は金融緩和政策に支えられたものです。

市場にジャブジャブに余ったマネーが、企業業績の好調さや、

米景気回復基調に歩調を合わせるように株価を上昇させたものです。

米景気が急回復し、欧州の様に、

消費者物価が明らかに上昇傾向を見せるには早くともあと半年、

場合によっては来年になりそうな状況では、金余りの構図は変わりません。

「金融緩和政策」が引き締めに展開する可能性がほとんどないとすれば、

米株式市場の上昇は一進一退を繰り返しながらも継続されると予想します。



リビア問題がサウジアラビアなどを含む中東全域に拡大さるような事態にならないかぎり、

円の80円割れ水準は考えにくいと思われます。

むしろ、個人的には小沢問題で党内に亀裂が生じ、

予算案と赤字国債発行法案などの成立が衆院でもメドの立たない事態に不安を覚えます。

気のせいか、今朝の新聞の菅総理が黙想する写真の上にあった、

「袋小路」という文字が大きく映りました。










中東情勢懸念からユーロ下落。 

ひと目で分かる昨晩の動き
欧州市場


  • NY市場が休場だったため、取引は限定的。
    中東情勢の悪化に伴い、地域的にも近いユーロは下落。
    1.37台から1.36台半ばまで売られる。
  • ロンドンFTSE、ドイツDAXなど欧州主要国の株式
    が下落したこともユーロ売りに。
  • ドル円は83円台前半で小幅な値動き。ユーロが下落したことで
    クロス円は全般的に下落。安全資産としての円に買いが入ったとの指摘も。
  • リビアでのデモの拡大から北海ブレントが急騰。約2年5ヵ月
    ぶりに105ドル台まで上昇。
  • ECBのシュタルク理事は、フランクフルトでのイベントで
    必要とあればECBは利上げすると述べた。
  • 2月独ifo景況指数 → 111.2
  • 2月独製造業PMI(速報値) → 62.6
  • 2月独非製造業PMI(速報値) → 59.5



本日の注目イベント


  • 独   3月独GFK消費者信頼感調査
  • 米   2月消費者信頼感指数
  • 米   12月S&Pケース・シラー住宅価格指数
  • 米   2月リッチモンド連銀製造業指数
  • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
  • 加   12月カナダ小売売上高





中東情勢の悪化が拡大しています。

リビアでは治安部隊が反政府デモ隊を攻撃し多数の死者が出た模様です。

安全資産への資金の流れから、欧州株式市場は下落し、

ユーロが売られ、ドルと円が買い戻された展開でした。

また、リビアは産油国のため原油供給がストップする可能性があることから、

北海ブレントは105ドル台まで急騰し、さらに金価格なども上昇しています。



NY市場が休場だったことで、商品価格の上昇は限定的だったものの、

今夜のNY市場ではその影響は避けられないものと思われます。

WTIの原油価格上昇と、金価格がもう一段上昇すると観られ、

ドル売りに繋がる可能性もあります。

本来は「有事のドル買い」ですが、上記商品は対ドルで取引されるため、

商品相場の上昇はドルの下落を意味します。

そしてドルが売られれば、ドル安から円が買われる可能性もあります。



注目すべきは本日の日経平均株価と、NY株式市場です。

昨日は欧州株式市場が軒並み下落したことから、今日の東京株式市場も下落が予想され、

大幅な下落となれば、海外市場へも伝播することになります。

そしてNY市場がどのような反応を見せるかが最も注目されるところです。

このところのNY株式市場は上昇が続いており、

これが世界の株式市場を押し上げているとも言えます。

今月に入ってもその流れは変わらず、

2月だけでもNYダウは約500ドルも上昇しています。

利益確定の売りが大量に出るようだと、

一日で100-200ドル下落の可能性もあると思われます。

その結果、安全資産の債券が買われ、長期金利の下落に繋がり、

結局ドル売り円買いへと連鎖していきます。

このように、株式市場の行方が為替にも大きく関わってくることから、

今夜のNY株式市場には注目です。



もう一つ気になるのが、ユーロ圏の利上げの可能性です。

昨日もECBのシュタルク理事はフランクフルトのイベントで、

「必要な場合には直ちに断固たる行動を起こす用意がある」

「ECBは必要なら金融政策のスタンスを変更しなければならない」と語っています。

さらに先週も利上げに前向きな発言を行ったビニスマギ理事も昨日は香港で、

「景気は明らかに改善されている。現在の判断を見直すべきかもしれない」と述べています。

1月のECB理事会後、記者会見の席でトリシェ総裁が

ユーロ圏のインフレ圧力に関して発言して以来、利上げを示唆するコメントが続いています。

今のところ為替への影響は限定的ですが、利上げに踏み切れば、

現在でもドルや円との金利差がある中、

さらに金利差拡大からユーロ高が進む可能性もあります。

2ヵ月連続で2%を超える消費者物価指数を記録したユーロ圏です。

足元では原油価格の上昇や穀物価格の上昇が続いており、

さらなる消費者物価への影響も懸念されます。

来月3日に予定されているECB理事会で利上げに踏み切るのかどうか、

非常に注目されます。










ユーロ急伸。対円で114円に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • パリで行われるG20を控えやや閑散な動きの中、ECBの
    ビニスマギ専務理事の発言をきっかけにユーロが上昇、全般的に
    ドルが売られる展開に。
  • 同専務理事は、ブルームバーグとのインタビューで世界的なインフレ
    の高まりから、必要なら利上げもあり得ると見方を示した。
  • ドル円は83円台半ばからドル売りが進んだことで83円台前半まで
    下落したものの、値幅は限定的だった。
  • ユーロ、豪ドルなど他の主要通貨が対ドルで急騰したため、クロス円は
    の軒並み円安に。豪ドル円は昨年5月以来の84円台半ばを示現。
  • 株式市場は大幅続伸。好調な企業決算が好感され、ダウは73ドルの
    大幅高となり、1万2400ドル台に迫る水準に。
  • 債券は下落。ECBの理事が利上げの可能性を示唆したことから、
    世界景気が拡大するとの見方に、売り物優勢となり長期金利は小幅高。
  • 金は5日続伸。原油価格は小幅に反落。
  • バーナンキFRB議長はG20で、巨額の貿易黒字国は通貨高を
    容認すべきと、暗に中国を批判。



本日の注目イベント


  • 欧   ドラギ・イタリア中銀総裁(ECB政策メンバー)講演
  • 独   2月独ifo景況指数
  • 独   3月独GFK消費者信頼感調査
  • 米   NY市場休場(プレジデンツデー)





ECBのビンスマギ専務理事の発言が伝えられ、

ユーロが急反発し、ドルが全面安の展開でした。

原油価格や、世界的な自然災害、

さらには長期にわたる金融緩和からインフレ懸念が高まり、

利上げが必要な可能性もあり得る、

との発言でユーロ圏の利上げ観測が再び高まりユーロが上昇しました。

ユーロ買いドル売りの流れは他の主要通貨にも及び、豪ドルは再び1.01台半ばに、

また英ポンドも1.62台半ばまで上昇しています。



一方、円については上昇したものの、83円台前半に留まっており、

その結果クロス円は大幅に上昇しています。

NYダウが連日の高値更新で、「リスク選好」の高まりが継続していることが背景です。

そのため、相対的に金利の低い円は対ドルだけではなく、

対高金利通貨でも売られる展開が続いており、

ドル円の下落が限定的である背景にもなっているものと思われます。



ECB専務理事の指摘するように、

今後、長い間続いた「金融緩和策」の変更を迫られるとすれば、

やはり英国とユ-ロ圏が先行すると考えるのは当然です。

ユーロ圏の消費者物価指数(CPI)は2ヵ月連続で2%を超えており、

英国に至っては先週発表された1月のCPIが4.0%と、

目標値の2倍にあたる水準でした。

足元では米国のインフレ懸念は差し迫ってはいないものの、

長期金利は高止まりしています。

依然としてデフレスパイラルから脱却できない円だけが取り残され、

今後さらに円が売られる展開も考えられます。



パリで開かれたG20では、世界経済の不均衡の監視を強めることで合意しました。

不均衡を監視する参考指針には

「貿易収支、投資所得及び対外移転のネットフローから構成される対外バランス」

が採用されることになりました。

フランスのラガルド財務相は、会議後の記者会見で

「容易ではなかった。明らかに利害の不一致が見られた」と説明しています。

為替政策については、「為替レートの無秩序な動き」を回避するよう目指す、

とした昨年11月の方針をあらためて表明した以外は

踏み込んだ内容な無かった、(ブルームバーグ)ようです。



今週の経済指標はそれほど重要なものはありません。

為替が大きく動く可能性は少ないと観られます。

特に本日はNY市場が休みのため値動きも限られるでしょう。

先週、ドル円は83円98銭まで買われましたが、

84円台にはわずかに届かず、「84円台乗せに失敗」しています。

今週も上値では84円台に乗せるかどうかがポイントになりそうです。

上述のように、欧州での利上げ観測の高まりから、

ややドルが売られ易い展開に傾いています。

ドル円でも、若干ドル安円高に振れる可能性もありそうです。

今のところ、83円台を割り込むような動きにはなっていませんが、

83円台割れも観られるかもしれません。

その場合のメドは「100日移動平均線」(日足)の位置する82円58銭辺りが重要で、

ここでは一旦サポートされると思われます。



欧州での利上げ観測がさらに高まるようだと、

ユーロが買われ円も連れ高する可能性はあります。

その意味でも、ECB関係者の発言には注意したいところですが、

本日はドラギ・イタリア中銀総裁の講演があり、

23日(水)には、トリシェ総裁、クアデン・ベルギー中銀総裁の講演もあり、

さらにドイツ連銀総裁を辞任することになっている、

ウェーバー総裁の講演も予定されています。

そして週末にはドイツの2月の消費者物価指数(CPI)が発表されるなど、

利上げに影響のあるイベントが多く予定されています。



先週、、豪ドル円が「上抜け」したのではないかとのコメントを書きましたが、

先週末も順調に上昇し、一時84円半ばまで買われ、昨年5月以来の高値を記録しました。

高値は84円47銭まで上昇し、現在はやや売られていますが、

この水準はテクニカルでは非常に重要なレベルで、

週足の「200日移動平均線」が抵抗している水準になります。

昨年3月から5月にかけては、「6週連続」でトライし押し戻された水準であることから、

明確に上抜けすれば豪ドル円の大幅上昇が期待できそうです。

当社での個人投資家の豪ドル円ポジションを観ても、

上昇に伴い利益を確保したことで買い持ち額は急減し、売り持ち額が増加しています。

その結果、ネットの買い持ち額は約55百万豪ドルと激減しています。

このことは、仮に82円ー83円台になれば、

買い余力のある投資家がかなりの豪ドル買い意欲を見せることを意味し、

今後の相場展開にも影響を与えることにもなります。

豪ドル円の水準にも注目していきたいところです。









米経済指標はまちまち。中東情勢緊迫化続く。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は83円台前半まで下落。米経済指標は概ね好結果がでたものの
    中東情勢が嫌気されドルは売り優勢の展開に。
  • 緊迫化する中東情勢を受け、地政学リスク面から
    スイスフランが主要通貨に対して全面高に。
  • 豪ドルが続伸。中東情勢による資源高が背景に。
    対ドルでは約100ポイント値を上げる。
  • 株式市場は続伸。朝方は売られるものの、経済指標の好結果を受けプラスに転じ、
    2008年6月以来、約2年8カ月ぶりの高値を更新。
  • 債券市場は反発。週間失業保険申請件数の悪化や
    中東情勢から安全資産としての買いが進む。
  • 金は大幅続伸。原油も大幅続伸。不安定な中東情勢から買いが膨らむ。
  • 週間失業保険申請件数 → 41万件(市場予想は40万件)
  • 1月消費者物価指数 → +0.4%(市場予想は+0.3%)
  • 1月景気先行指数 → +0.1%(市場予想は+0.2%)
  • 2月フィラデルフィア連銀景況指数 → 35.9(市場予想は21.0)



本日の注目イベント


  • 日   日銀金融政策決定会合議事録(1/24、25日分)
  • 欧   G20(パリ)
  • 加   1月カナダ消費者物価指数





ドルは経済指標の結果から売り買い交錯しましたが、中東情勢の影響も受けて、

上値の重い展開になりました。

消費者物価指数が予想を上回った一方、

市場は週間失業保険申請件数が予想を下回ったことに反応したようです。

その後、「イラン海軍がスエズ運河に艦艇2隻を派遣した」という報道が流れたことで

ドル売りを加速させました。

バーレーンやリビアなどの中東情勢悪化の連鎖が続き、

米国債が買われたことで米長期金利が下がったこともドル売りの要因でした。

2004年1月以来の高水準だったフィラデルフィア連銀景況指数の好結果が発表されると、

一時、値を戻す場面もありましたが大きく流れを変えるまでに至らず、

引けにかけて方向感の無い狭い値幅でもみ合いとなりました。



チュニジア、エジプトと始まった中東情勢の問題ですが、

今やイエメン、ヨルダン、アルジェリア、バーレーン、リビアなどに

デモ運動が広がっているほどです。

さらにはイスラエルに対してイランが挑発的な行動等に出ております。

これらの問題は独裁政治や宗教問題などあげられますが、

最近の食糧高騰が後押ししているとも言われており

為替や世界経済への影響は多大なものとなってきているようです。

このような混乱がおきますと為替ではドル買いや円買い、

またはスイスフラン買いの動きになりやすく

どの国の問題なのか、関係のある国なのか、

条件によって地政学的に買われる度合いも変わってきます。

ちなみに昨日はスイスフラン買いが目立ち、

その反面ではドル売りの流れで、円に関しては売り買い交錯したようです。



本日は米経済指標も無く、G20も控えておりますので中東情勢に進展などなければ、

特に東京タイムでは大きな値動きは期待できませんし、

その後も市場は様子見ムードが広がると予想します。

ドル円に関して言えば、やはり83円台をキープできるか、

84円を試せるかという部分が注目です。



テクニカル面ではユーロドルと豪ドル円が気になっています。

ユーロドルの日足を見ますと、一目均衡表の「雲」を抜けたのが確認できます。

さらに2月2日を拠点としたトレンドラインを抜けそうな状態です。

買いのサインという訳ではありませんが、来週にサインとなるかもしれません。

次に、豪ドル円の見ますと日足まで一目均衡表の「遅行スパン」が好転しております。

そして週足でも力強さはありませんが好転しており、今後に注目です。

しかしながら、「200日移動平均線」が84円62銭にあります。

この「200日移動平均線」は昨年の3月の終わりから6週連続で上値を抑えていたもので

強固な移動平均線だという事が読みとれ、

市場は一旦はこの水準で売られるという予想をしております。



今週末行われるG20で食糧高騰や資源価格上昇が議題として予定されております。

その他に通貨問題がありますが、依然、先進国と新興国とで意見が平行線のままです。

市場では今回のG20で解決策などが出るとは思っていないという厳しい声が多く感じます。

しかし、広範囲に渡る中東情勢の緊迫化も重なっていることが

週明けの相場に影響を及ぼすことも考えられるのではないでしょうか。

金曜の終値と月曜の始値が大きく乖離する可能性がありますので、

ポジションの調整など注意が必要です。



良い週末を・・・。








円、対主要通貨で下落。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は83円台半ばから後半にかけて堅調に推移。
    円は対ドルだけではなく、ユーロ円などクロス円全般に
    対しても下落傾向。ユーロ円は113円65銭まで上昇し
    約3週間ぶりの円安水準に。
  • ユーロドルはやや膠着感が蔓延。神経失な動きが続きながらも
    1.34台前半から1.35台後半が抜けきれず。
  • 利上げ観測が高まっていたポンドは、キングBOE総裁が
    インフレに対する楽観的な見方を示したことから下落。
  • 先月行われたFOMCの議事録では、現行の金融政策は継続
    することで全会一致。また2011年度のGDP見通しをこれまでの
    3.4%から3.9%に上方修正。
  • 1月の住宅着工件数は市場予想を超え、大幅な伸びを記録。
    特に集合住宅の伸びが顕著。
  • 株式市場は反発。FOMC議事録で今年の経済成長見通しを
    上方修正したことから、景気が拡大するとの見方から買いが優勢に。
    ダウは61ドル高で今年の最高値を更新。
  • 債券相場は反落。10年債利回りは4営業日ぶりに上昇。
    FOMCでの経済成長に対する楽観的な見方が重石に。
  • 金は小幅続伸し、原油価格は4営業日ぶりに反発。
  • 1月住宅着工件数 → 59.6万件(+14.6%)
  • 1月同許可件数 → 56.2万件
  • 1月生産者物価指数 → +0.8%
  • 1月鉱工業生産 → -0.1%



本日の注目イベント


  • 欧   2月ユーロ圏消費者信頼感指数
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   1月消費者物価指数
  • 米   1月景気先行指数
  • 米   2月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演





ドル円はNY市場で高値を試し、83円98銭まで上昇し、

わずか5銭でしたが前日のドル高値を更新しています。

相変わらず、東京時間ではドルの上値が重いものの、海外市場ではドルが買われ、

円が売られやすい地合いが続いています。

東京時間では本邦の輸出業者からドル売りが出易いことが背景だと思われますが、

それでも一気にドル売りを大量に持ち込む展開ではありません。

このところのドルの堅調さから

「あわててドルを売る」状況ではなくなってきつつあるようです。



輸出業者に余裕がでて、もう一段のドル高を待つ姿勢が出始めると、

一方ドルを買わなければならない輸入業者が

ドル先高観を理由に早めにドル買いに出動する、

いわゆる「リーズアンドラッグズ」からドル需給のバランスが崩れ、

ドルがもう一段上昇することも考えられます。

足元ではまだ、そのような相場観は観られませんが、

85円台に乗せるような展開になれば、

市場参加者の見方はガラツと変わり、そのような現象が観られるかもしれません。

実際に、夏以降のドル円の水準についての調査では85-90円と、

現行水準からのドル高を予想する声が大勢を占めているとの調査もあります。



NY株式市場は相変わらず力強い上昇を続け、世界の株式市場を牽引しています。

昨日も朝方は下落して始まりましたが、

終わって見れば61ドル高と今年の最高値を更新しました。

景気回復と、好調な企業業績を背景に資金が

株式市場に流入し続けているものと思われます。

一方、株高から債券相場が下落を続け長期金利の上昇を招いていましたが、

このところのその動きにもやや変化が出てきています。

長期金利は先週8日に株高を理由に3.7%台に乗せたものの、

その後は一進一退を続けています。

株高が続いてる割には債券相場が反応しなくなってきました。

米長期金利の上昇はドル高に繋がってきましたが、

金利にやや高値感が出てきているものの、ドル円ではドル高が継続されています。

為替と株式が米景気の回復を先取りしており、

債券市場では景気の先行きには慎重だというふうに解釈できそうです。

また、債券市場では「4%の壁」が意識されているとの指摘もあります。



昨日公開された1月のFOMCでは、

メンバーの多くが景気回復は安定的に増しているとの認識をもっているものの、

雇用の伸びに関しては依然として満足していないことが明らかになっています。

また、数人のメンバーが米景気の回復を背景に、資産購入プログラムのペースの鈍化、

もしくは規模縮小を検討する可能性があると指摘していましたが、

現行の金融政策については全会一致で変更の必要を認めないとしています。



2月に入って米経済指標の改善傾向は鮮明になっています。

市場の今後の注目は、

6月で終了する予定の現行の追加緩和第2弾(QE2)が予定どおり終了するのか、

あるいはQE3が必要な状況になるのかという点です。

この結果によってドルは大きく変動すると観られるからです。

すなわち、QE2で金融緩和は終了ということになれば、

利上観測が急速に高まりドルは大幅に上昇すると思われ、

QE3の導入ということになればドルの下落が必至だからです。

この重要な状況判断は、恐らく4月のFOMCで議論され、

その後決定されるのでないかと思われます。

仮にそうだとすれば、この2ヵ月間に発表される経済指標の結果が

大きな影響を与えることは言うまでもありません。



豪ドル円は早朝に84円の水準をワンタッチしています。

ユーロ円も113円台半ば、ポンド円も昨日は135円台半ばと、

クロス円でも軒並み円安傾向が続いています。

ドル円の83円台後半は約2ヵ月ぶりですが、ポンド円の水準は5ヵ月ぶりで、

豪ドル円の84円は実に9ヵ月ぶりの水準ということになります。

円は対ドルよりも、他の高金利通貨に対する下落幅の方が大きいということは、

やはり「リスク選好」が高まっていることが背景であると同時に、

昨日も述べたように「円キャリートレード」が復活したことを表しているのかも知れません。









ドル円2ヵ月ぶりの83円台後半。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドルは引き続き堅調に推移。対円では約2ヵ月ぶりとなる
    83円93銭までドル高が進む。ユーロ、豪ドルなどが売られ
    市場全体がドル高傾向にあることが背景。
  • 米経済指標は強弱まちまち。1月の小売売上高が市場予想ほど
    伸びてはいなかったものの、雪の影響との説明も。
  • ユーロドルは前日同様、1.35台が重く再び下落。ユーロ圏の
    4QGDPが予想を下回ったことが背景。一方、英国のCPIは前年同月比
    4.0%だったことで利上げ観測からポンドは上昇。
  • 豪ドルは昨日発表されたRBA議事録では、高成長が続くとの内容だった
    ものの市場への影響は限られ大幅に下落。ただ、クロス円は概ね堅調。
  • 株式市場は下落。小売売上高が予想以下の伸びだったことから
    利益を確保する売りが優勢となりダウは41ドル安
  • 債券相場は小幅に上昇。米経済指標の結果がまちまちだったことから
    もみ合いながらも前日比小幅高となり金利は下落。
  • 金は大幅続伸。原油価格は3日続落。
  • エジプト情勢は沈静化したものの、反政府デモの影響はバーレーン
    やイランにも拡大し、新たな懸念材料に。
  • 1月小売売上高 → +0.3%
  • 2月NY連銀製造業景況指数 → 15.43
  • 2月NAHB住宅市場指数 → 16



本日の注目イベント


  • 英   1月英失業率
  • 英   BOE四半期インフレ報告
  • 米   FOMC議事録(1/25、26日分)
  • 米   1月住宅着工件数
  • 米   1月同許可件数
  • 米   1月生産者物価指数
  • 米   1月鉱工業生産
  • 米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演(ロックフォード)





ドル円は一時海外で84円に迫る水準まで上昇し、約2ヵ月ぶりのドル高水準です。

先週10日に「三角保ち合い」(さんかくもちあい)の上限を上抜けし、

テクニカル的にも上昇機運が高まっていましたが、

ドルは緩やかに主要通貨に対して買われています。

注目したいのはドル円の日足チャートで、

一目均衡表の「遅行スパン」がローソク足を抜け「好転」したことです。

この兆候は昨年10月以来のことで、

この先しばらくはもみ合いながらもドルが上昇する可能性が高いことを示唆しています。

さらに、ボリンジャーバンドでも大外の2シグマのバンドは拡大していることから、

しばらくはドル堅調と観られます。



83円50銭を超えた所には実需のドル売りもあったものと思われます。

また、巷間言われた米国債償還に伴うドル売りもひとまず無難にこなしたようです。

個人投資家のドル買持ちポジションも今週のドル高でかなりに解消され、

逆にドル売りポジションが積み上がってきました。

そのため、再びドルを買い易い状況かと思います。

足元では80円割れのリスクはかなり遠のいたと観てもいいのでないでしょうか。



問題はこの水準から84円台に乗せられるかどうかです。

84円台には特に目立った抵抗線はありませんが、

85円を超えたところには日足の「200日移動平均線」が位置しています。

この水準は非常に強い抵抗線です。一気に抜いてくるとも思えません。

今週から来週にかけては、85円が強く意識され、

一旦は押し戻される展開を予想します。



興味深いのは、本日の海外のコメントの中に、

久しぶりに「キャリートレード」という言葉を見つけたことです。

ブルームバーグは、NYの為替ストラテジストの言葉として、

「円下落の理由は、円キャリートレードの兆候が表れたことだ」

「日本のゼロ金利を材料に、日本だけでなく海外の投資家も、円で資金を借り、

日本国外の高利回り資産に投資している」と、紹介しています。

キャリートレードは、2007年夏まで盛んでした。

安い円金利を借りて、高金利通貨に投資する取引のことで、

円安がしばらく続いた主因でした。

今後キャリートレードが活発化するのかどうかは判断できませんが、

日米欧の中で利上げに踏み切るタイミングが最も遅いと観られている日本円は、

調達通貨としての魅力があることは間違いなさそうです。



84円台では目立った抵抗線はないと書きましたが、

意識しておきたいのは84円52銭の水準です。

この水準は昨年12月15日に記録したドルの戻り高値だからです。

ドル円はこのレベルから今年の年初にかけて約3円50銭ほど下落しています。

3月の決算期も近付いていることもあり、

取り遅れている輸出予約の持ち込みも予想されます。

一気に85円方向に向かうのではなく、

しばらく82-85円でのもみ合いが続くと考えておくべきでしょう。

その後の展開は米経済指標の結果次第ということと、

6月で切れる追加緩和第2弾(QE2)終了後、緩和政策が打ち止めになるのか、

さらには延長も含めて継続されるのかが、ドル円の行方を決めていくものと思われます。



ユーロ円がもみ合いを続け、方向感がありません。

足もとでは上昇傾向と観ていますが、

「週足」のテクニカルでは113円台半ばに、かなり厚めの「雲」があり、

頭を抑えている格好になっています。

ドル円で円安傾向が続いていることから、ユーロ円の急落は考えにくいところですが、

ポイントはユーロ圏の利上げ観測が再び高まってくるのかどうかです。

ECB次期総裁を巡る動きや、南欧諸国の財政問題の再燃化など、

ユーロにとってマイナス材料が多いのも事実ですが、

一方でインフレの足音が近づいているのも、

見過ごすことのできない状況になりつつあります。

利上げ観測が高まれば一気にユーロ高に振れると思われます。

しばらくはユーロは堅調な地合いが続くのではないでしょうか。









ドル円83円台をキープ。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 海外市場ではドル買いが優勢。ドル円はアジア市場では軟調な
    動きだったものの、欧州からNYにかけては再びドルが上昇し83円半ば
    を付けたが値動きは小幅。ユーロが対ドルで売られたことが影響。
  • ユーロは1.35台半ばから再び1.35台を割り込み1.34台前半に。
    ドイツの大手銀行ウエストLBの再編問題で難航していることが材料視された。
  • オバマ大統領が示した予算教書で、2012年の財政赤字が過去最大に
    なることが判明。一方で赤字削減と成長分野へと投資配分も示された。
  • 株式市場は買い物優勢だったものの、ダウは小幅安。ナスダック、S&P500
    は共に小幅高。
  • 債券相場は続伸。30年債が買われたことや、オバマ大統領の予算教書で
    赤字削減の計画が盛り込まれたことが背景。
  • 混乱が沈静化しつつあるエジプト情勢で、政府は16日にも再開する
    予定だった同国証券取引所の再開を延長すると発表。
  • 金は反発。原油は小幅続落で85ドルの節目を割り込む。



本日の注目イベント


  • 豪   RBA議事録
  • 日   12月鉱工業生産(確報)
  • 日   白川日銀総裁会見
  • 中   1月中国生産者物価指数
  • 中   1月中国消費者物価指数
  • 欧   ユーロ圏第4四半期GDP(速報値)
  • 欧   12月ユーロ圏貿易収支
  • 欧   EU財務相会議
  • 独   2月独ZEW景況感指数
  • 独   独第4四半期GDP(速報値)
  • 英   1月英消費者物価指数
  • 米   1月小売売上高
  • 米   2月NY連銀製造業景況指数
  • 米   2月NAHB住宅市場指数
  • 米   ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演(オハイオ州)





予想されていた通り、昨日の東京市場では実需のドル売りなどが

優勢でドル円は緩やかな下落を見せました。

83円台半ば近辺から輸出筋のドル売りが持ち込まれたことや、

個人投資家の利益確定のドル売り円買いに、

ドル円は83円15銭まで下落しましたが83円台はキープできています。

その後の海外市場ではドル買いが活発になり、

対円は再び83円台半ばまでドル高に振れています。

アジア時間に買われたユーロが、一転して下落したことで、

市場全体でドル高が進み円も売られた模様です。



東京市場では利益確定の売りを含め、ドル売り円買いが優勢でした。

約1ヵ月振りのドル高水準であったことから、

ひとまずこの水準で利益を確保しておこうという動きが活発化したものと見られます。

実際に、当社における投資家のポジションを見てもその動きは明らかで、

ドルの買い持ち額はピークだった2月2日のポジションから

今朝の段階では約9億ドルも減少しています。

背景には「一旦、利益を確保しておこう」という考えと同時に、

「いずれドルが下落した場面で、再び買い戻せる」との相場観があるものと思われます。

多くの個人投資家は、一気に80円割れは無いかもしれないが、

このままドルが上昇するとは考えていないことが、この動きから類推されます。

また、ドル高が進んだことでドル売りのポジションも膨らみ、

ネットの買い持ち額は先月末の水準まで減少しています。



ドルが売られたら、今より安い水準でドルを買うタイミングを図っている個人投資家は、

83円割れ辺りから徐々に買い戻すものと思われますが、

逆にこのままドルが上昇した場合には、ドル買いに走ることも考えられます。

その水準は、やはり84円台から85円ではないかと観られます。

今週のレンジ予想が82-84円に集中しているのも、

このあたりが影響しているとも言えます。

今朝の新聞でもこの一連の動きがドル円の相場を膠着させているとの記事もありました。



ドル円はこれで週を挟んで2日連続で83円台をキープしていますが、

上値も重く83円半ばを超えるとドル売り意欲が強まるようです。

本日は、オーストラリア、中国、ユーロ圏、米国と、イベントが目白押しです。

従って、値動きも期待できますが、やはり、下値では83円台が維持できるかどうか、

上値では83円70銭以上をテストできるのかに注目が集まります。

ユーロ、豪ドルからの影響も受ける可能性があります。

中でも中国の1月の消費者物価指数(CPI)が注目されます。

12月の同指数は4.6%で、その後利上げに繋がったことは記憶に新しい所です。

すでに事前予想も5.4%との数字が出されています。

干ばつによる食品の値上がりと、

資源高の影響から5%は大きく超えるとの予想が大勢ですが、

5%を大きく超える様だと再び利上げ観測が高まり、

豪ドルなどの通貨への影響が懸念されます。

中国人民銀行は1週間前に利上げを決めたばかりであることから、

すぐに再利上げに動くことは考えにくいとは思いますが、予想を超えるような数字が出ると、

市場は利上げを織り込む形で反応する傾向があります。

前回の利上げ時の反応は非常に軽微だっただけに、今回は注目されます。

発表は東京時間午前11時です。

さらに、豪ドルにとって重要なRBA議事録も発表になります。

早ければ来月辺りに利上げが見込まれている状況のなか、

RBAが災害による景気減速とインフレ率をどのように見ているのか、

9時半に発表されるこちらも注目されます。










ドル堅調。対円では83円台半ばに。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドルは堅調に推移し、対円では欧州時間に83円68銭までドル高が進み、
    1月7日以来の円安水準に。NY市場では値幅は限られ大きな動きは
    見られなかったものの、83円半ばでの動きに。
  • ユーロ、豪ドルなども対ドルで売られ、ユーロは一時1.35台割れに。
    豪ドルは約2週間ぶりにパリティーを割り込み、0.99台半ばまで
    まで下落。
  • カナダドルが急伸。12月の貿易収支が黒字化したことで、主要通貨に対して
    軒並み買われた。
  • エジプトのムバラク大統領の辞任が発表され、各市場には安心感が広がる。
  • 株式市場はエジプト情勢の沈静化を好感し続伸。
    ダウは43ドル高の1万2273ドルと、約2年8ヶ月ぶりの高値に。
  • 債券市場ではムバラク大統領の辞任で不透明感が増すとの見方から
    安全資産としての債券に買い物が集まり、長期金利は小幅に下落。
  • 金は続落。原油相場もエジプト情勢の改善見通しから大幅に反落し、
    エジプトでの大規模デモ発生以前の水準に。



本日の注目イベント


  • 日   日銀金融政策決定会合(2/15まで)
  • 日   2010年10ー12月期GDP
  • 中   1月中国貿易収支
  • 欧   12月ユーロ圏鉱工業生産
  • 欧   ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
  • 米   タドリー・NY連銀総裁講演(NY)
  • 米   オバマ大統領、2012年度予算教書を議会に提出





前日83円台に乗せたドル円は週末の海外市場でも堅調に推移しました。

先週末は東京市場が休場だったことで、実需のドル売りが出にくかったこともあり、

ドル円は欧州時間に83円68銭までドル高が進み、今年のドル最高値に並びました。

このため連休明けの本日、

どの程度の実需筋のドル売りが持ち込まれるのかにも関心が集まります。

このところのドル高は、2月に入ってからの米経済指標の結果が

概ね好調なことが背景ですが、さらに米企業決算の内容が予想以上によかったことで、

米景気の先行きに明るい見通しが出て来ました。

その結果、株高が進み、債券相場が下落し長期金利の上昇に繋がっています。

いわば、ファンダメンタルズを忠実に反映した相場展開になってきたとも言えます。



先週末のドル円はアジア市場からドル高が続き、

節目であった83円50銭でのもみ合いはありましたが、

欧州市場に入るとあっさりと抜けて83円68銭までドルが上昇し、

その後も83円台半ばでの取引になっています。

ポルトガル、スペインなど、国債の流通利回りが再び上昇し、

欧州のソブリンリスクが意識されたことで、

ユーロが売られ、ドルが買われたことも円売りに繋がっているものと思われます。

ユーロドルは先週末、一時1.35台を割り込み1月20日以来の安値を観録しています。

欧州のソブリンリスクに市場の関心が再び集まり始めたことで、

トリシェECB総裁は、ユーロ圏各国政府に対して単一通貨ユーロを支えるため経済政策を

より良く協調していくよう呼びかけた、とドイツ紙は伝えています。



「三角保ち合い」(さんかくもちあい)上放れ、

を完成させたドル円は上昇傾向にあると見られます。

ドルが一気に買われる展開ではないものの、

多くのテクニカルではドル上昇を示唆しています。

特に重要な指標である一目均衡表の「遅行スパン」(日足)でもローソク足を上抜けし、

わずかですが「好転」を示しています。

これは「上昇モメンタム」が急速に高まるシグナルとして知られており、

84円を試すような展開になれば、予想外の上昇も考えられます。



ドル円は昨年11月1日に80円21銭を記録し、

その後の戻り高値は12月15日の84円52銭です。

この時も、ドルが底値を記録しての反発だっただけに「目先のドル底値を確認した」との

相場観も広がりましたが、上昇幅は4円強で、

その後は再びドル安傾向に推移したことはご承知の通りです。



従って、ドル高が見込まれるとは言っても、

上記84円台半ばを明確にクリアするまでは相場観を転換するには至りません。

市場参加者の見方も現在の水準を「ドル反発の上限」と観ている人たちも少なくありません。

依然として「相場観」はミックスしていると言ったところでしょうか。

その意味でも今週は83円台をキープできるのかどうか・・・。

そして84円台のテストがあるのかどうかが重要なポイントになりそうです。



今週も多くの米経済指標の発表が予定されています。

先週同様、概ね好調な内容が予想されていますが注目は水曜日のFOMC議事録です。

今回の議事録は1月25日、26日の分ということで、

米経済指標の好転がある程度発表された後での議事録です。

改善傾向を示しつつある米経済指標を踏まえ、

メンバーの中でも利上げに前向きな「タカ派」の委員がどのような味方を

示したのか興味のあるところです。



また、ドル円はユーロドルの動きに影響を受けやすいことから

ユーロの動きにも注意が必要です。

ユ-ロが対ドルでさらに下落していくようだと、円も売られ易い展開になりそうです。

先週はほぼドル全面高の展開でした。

今週も、もみ合いながらもこの傾向が続くのではないかと予想します。










ドル円1ヵ月ぶりに83円台に 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場



  • 欧州時間よりドルのジリ高が進み、NYでは対円で

    約1ヵ月ぶりとなる83円37円まで円は売られた。

    週間失業保険申請件数が大幅に改善したことや、米長期金利が

    再び上昇したことなどが材料。

  • ドルは主要通貨に対して全面高の展開に。対ユーロでも

    1.36台から1.35台までユーロ安に。

  • 豪ドルの下げが厳しい。対ドルではアジア市場の1.01台から

    NYでは1.00台前半まで下落。昨日発表された雇用統計で全体の雇用者数は

    増えていたものの、フルタイム雇用者数が8千人の減少だったことが背景。

  • 株式市場は朝方から軟調に推移。ダウは一時80ドルを超える下げを

    見せたものの、依然買い意欲は旺盛で引けは小幅安。

  • 債券相場は反落。30年債入札が不調だったことや、労働市場が

    大幅に改善していたことでインフレ懸念が台頭。長期金利は上昇。

  • エジプト情勢はムバラク大統領が近く辞任するのではとの観測が

    報道されたものの、10日の演説では即時辞任には応じず。

  • 金は小幅安、原油は小反発。

  • 週間失業保険申請件数 → 38.3万件

  • 1月財政収支 → -498億ドル



本日の注目イベント


  • 日   東京市場休場(建国記念日)

  • 欧   トリシェ・ECB総裁講演(ブレーメン)

  • 独   1月独消費者物価指数(確報値)

  • 米   12月貿易収支

  • 米   2月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)



ドル円は約1ヵ月ぶりに83円台に乗せました。

「三角保ち合い」(さんかくもちあい)を形成する中で、その上限を試す展開であったことは

昨日のこの欄で指摘したとうりでしたが、その上限を明確に「上放れた」と言えます。

NYでは83円37銭までドル高が進みましたが、83円台に乗せた時点では実需のドル売り

などとぶつかり、もみ合いを繰り返しましたが、結局米長期金利の上昇などを味方に付け

上昇しました。

今週初めにも触れましたが、日米2年債利回り格差が拡大傾向にある中、ドル円の上昇が

遅れていました。

過去にも金利の拡大がドル高に繋がり、しかもその動きは先行性があったことから、今回も

ドル円が「さや寄せ」された格好になった訳です。

今朝の段階でもその格差は0.59%に拡大したままで、このところの日米の長期金利の

上昇傾向が続く中でも米長期金利の上昇スピードがより速いということです。

株高を背景に、日米金利差が拡大すれば「リスク選好」が高まり、低金利の円が売られる

というストーリーを意識せざるを得ません。


さて、この先のドル円ですが、久しぶりの83円台ということですが、本日は東京が休場と

いうことで、アジア時間での大きな値動きは期待できませんが、現在の水準が続けば

週明けの月曜日には実需のドル売りが予想されます。

83円の半ば辺りでは既に売り指値が入っているものと思われます。上値でのポイントは

1月7日に記録した今年のドル最高値である83円68銭が意識されます。

また、その上では12月15日の84円52銭をクリアできるかどうかです。

「三角保ち合い」を明確に上抜けしたとは言え、ドルが急上昇するような地合いでは

ありません。

上記ポイントとなるレートを意識しながら一進一退が続くものと思われます。

下値のサポートも確認すると、82円75銭辺りで「8時間足」の一目均衡表の雲が機能

しそうです。


豪ドルが対ドルで急落しています。

対円では円がドルに対して大幅に下落していることで、むしろ豪ドル高に振れていますが、

下落のきっかけは昨日発表された1月の豪州雇用統計でした。

失業率は市場予想と一致する5%でしたが、雇用者数は2.4万人の増加で予想を上回って

いましたが、その中身はフルタイムの雇用者数が減少していました。これが豪ドル売りに

繋がっています。

昨日まで比較的堅調に推移し、安定していただけにポジションも「ロング」が積み上がって

いました。

それだけに一旦売りが継続されると、加速する傾向があるのがこの豪ドルです。


豪ドルの下値は足元では「8時間足」の「100日移動平均線」が1.0005辺りで

サポートしています。

「日足」でもこの水準は「雲」が支持帯として機能しています。

目先は1.00が破られるのかどうかに注目します。

下抜けした場合には「日足」のトレンドラインがある0.9970あたりが下げ

止まりのポイントと観られます。


本日はトリシェECB総裁の講演が予定されています。

直近のユーロ圏のCPIが2%を2ヵ月連続で超えたことでトリシェ総裁のインフレ発言に

繋がった経緯がありました。

しかしその後、前回のECB理事会後の発言内容ではトーンダウンしユーロが急落しました。

同総裁の発言内容にも注目です。

バーナンキ発言でユーロ上昇。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • バーナンキ・FRB議長は議会の公聴会で、失業率については
    楽観的な見方を示しながらも、しばらくは高水準に留まる可能性が
    高いと証言。
  • 米出口戦略の実施は依然として遠いとの判断から、ドルは下落。
    対円では82円台前半まで円高が進んだものの82円台での取引に
    終始。
  • ユーロはドルに対して上昇。約1週間ぶりにとなる1.37台
    半ばまでドル安ユーロ高に。ユーロが強含みに推移したことから、
    ユーロ円も上昇し、2週間ぶりに113円台に乗せる。
  • ドイツ連銀(BUBA)のウェーバー総裁が年内に辞任するとの
    報道に、ユーロが乱高下する場面も。
  • 株式相場はまちまち。ダウは7連騰を記録した後だけに
    売り先行で始まり、前日比マイナスで推。引けにかけて企業の好決算が
    発表されると買い戻され、ダウは小幅に上昇し、ナスダックは小幅安。
  • ドイツ証券取引所がNYSE(NY証券取引所)などを運営する
    NYSEユーロネクストと合併に向けて協議していることを発表。
  • 債券相場は反発。10年債の入札が好調だったことから価格は上昇し
    金利は低下。
  • 金は続伸、原油価格は小幅ながら5日続落。



本日の注目イベント


  • 豪   1月豪州雇用統計
  • 中   1月中国貿易収支
  • 欧   ECB月例報告
  • 欧   スマギ・ECB理事講演(ブリュッセル)
  • 英   12月英鉱工業生産
  • 英   BOE政策金利発表
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   1月財政収支
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演





先週末の雇用統計の発表を受けて、

バーナンキ議長がどのような見方を示すのか注目されていた議会証言で、

議長は失業率はここ2ヵ月で大幅な低下が見られたものの、

「しばらく」は高水準にとどまる可能性が高いとの認識を示しました。

内容的には先週のナショナル・プレスクラブでの講演内容と大差のないものでしたが、

雇用の回復にはどのくらいの時間軸が必要か、

具体的な期間については触れませんでした。

先月の上院での証言では、雇用の回復には4-5年かかるとの認識を示していたものが、

昨日の下院では期間への言及はありませんでした。

このことから、議長は回復のペースが早まってきたとの認識を持っているのでは、

との見方もできますが、全体としては大きな変化は見られず、

今後の「出口戦略」に影響を与えるものではなかったようです。



このため市場はドル売りで反応しました。

特にユーロでは1.36台半ばから1.37台半ばへと100ポイント上昇し、

他の主要通貨でもドル安が進みましたがその幅は限定的でした。



ドル円は82円台半ばから前半での値動きでした。

欧州時間には82円68銭までドルが上昇する場面もあり、

「三角保ち合い」(さんかくもちあい)の上限を試す動きでしたが、

レンジブレイクには至っていません。

その後82円台前半までドルが下落し、

依然として上値が重いとの認識は変わっていませんが、

昨日は終始82円台だったこともあり、底値の堅さも意識されました。

ユーロが対ドルで大幅に上昇したものの、

円の上昇幅が限定的だったことで、今週末まで82円台をキープできるかどうかも、

ドルの底固さを観るうえでは目先のポイントになろうかと思います。



一部に、本邦の輸出企業の為替予約が取り遅れているとの指摘もあります。

83円台で予約を取りたいものの、

ここしばらくは81-82円台での推移が続いていることから、

「予約水準」を下方修正してきているとの指摘です。

実際にそのような動きもあるようですが、

米景気回復を背景に米長期金利が上昇傾向を示していることから、

ドルの急落は考えにくく、まだあわてて輸出予約を持ち込む状況ではないと思われます。

ドル円のボラティリティー(変動率)も低水準で推移し、

実際の値幅も2月に入ってからは、雇用統計発表直後の円高を除けば

81円80銭-82円50銭程度と、1円にも満たない状況が続いています。

特に東京時間内での値動きはその傾向が強く、ストレスの溜まる相場展開が続いています。

しかし、相場はこのまま膠着していることはありません。

何かのきっかけで大きく動くことも十分考えられます。

重要ことは動き出した方向について行くことです。

レンジブレイクしたら、ブレイクした方向に値幅が見込めるからです。



豪ドル円が利食いの売りに押されて下落しています。

海外市場では83円割れ目前まで下落していますが、依然として83円台で推移しています。

個人投資家の多くは83円50銭以上で利益を確定できたものと思われ、

当社での買い持ちポジションも減少しています。

高値から60銭ほど下落したため、

短期的な方向を示す「1時間足」では下落傾向に転じていますが、

「日足」では一目均衡表の「雲」は82円60銭あたりにあります。

この水準から下押ししても上記「雲の上限」でサポートされるのではないかと観ています。

上昇傾向に変化はないと思われます。









米長期金利10ヵ月振りのレベルに。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 朝方、ドル円は売られ81円台後半まで下落。その後は
    株高、債券安から米長期金利が上昇しドル買い戻しに転じる。
  • ユーロドルもドル安から上昇し、1.36台後半まで買われたが
    その後のドル買い戻しに1.36台前半まで下落。
  • フィッシャー・ダラス連銀総裁は講演で、FRBが国債購入を
    これ以上増やすことには慎重であるべきとの見方を示す。
  • 中国人民銀行が再利上げを発表。昨年12月に続き基準金利を
    0.25%引き上げたが、今回は各市場への影響は限定的だった。
  • 株式市場は7営業日続伸。マクドナルドなど消費関連株に
    買い物が集まり、ダウは71ドル高。
  • 債券相幅は続落。3年債入札の結果と、株高を受け長期金利は
    昨年4月以来の高水準となる3.7%台まで上昇。
  • 金価格は大幅反発。原油価格は大幅に続落し、これで直近高値
    からは約6ドルの下落。



本日の注目イベント


  • 中   1月HSBCサービス業PMI
  • 独   12月貿易収支
  • 米   バーナンキ・FRB議長、下院予算委員会で証言





NY株式市場は昨日も続伸し、これで7営業日連続で上昇しています。

この間のNYダウの値上がり幅は410ドルで、約3.5%の上昇となります。

世界最大の株式市場であるNY市場が連日高値を更新していることで、

日本をはじめ世界の主要市場にも好影響を与え、世界的な株価上昇に繋がっています。

その結果、安全資産である債券は売られ、

債券価格は下落し長期金利の上昇に繋がっています。



昨日の米10年債利回りは約10ヵ月振りとなる3.7%台まで上昇しています。

日本の10年債利回りも1.31%台まで上昇しており、

米国同様昨年4月以来の高水準にありますが、日米金利差は拡大傾向にあります。

昨日もこの欄で書きましたが、日米金利差の拡大は「ドル高円安」材料になります。

現在でも82円台前半で推移しているドル円は、

いずれドル高方向に振れるのではないかと観ていますが、

セオリーから言えば、「今のドル円相場が正しく、拡大傾向の金利差は縮小に向かう」のか、

それとも「今のドル円相場がおかしいのであって、

金利差拡大に歩調を合わせるようにドル高に振れる。」

このどちらかになるはずです。

為替か金利のどちらかが修正を迫られると考えられます。

個人的には米景気の回復基調を軸に、後者にさや寄せされるのではないかと観ています。



ドル円は東京市場ではほとんど目立った動きは無く、

ますますその傾向は強くなっています。

昨日は欧州市場が参入するにつれドル安円高に振れ、

NY市場では一時82円を割り込み81円77銭までドル安が進みましたが、

その後は米長期金利の上昇にドルは反発しています。

ドル円の値幅はますます狭まり、下値では81円50銭、上値では82円50銭と、

ガチガチになってきました。

先週末の雇用統計発表直後に、一時81円10銭を付けてはいますが、

あの値動きを「フライング」と観ればドル円の日足チャートでは、

依然として「三角保ち合い」(さんかくもちあい)を形成していると観ることができます。

この三角形を明確にブレイクするには、

下値で81円30銭、上値で82円60銭レベルを突破することが必要と

なり、結局、上記ガチガチのレンジをどちらかにブレイクすることになります



本日にはバーナンキ議長の議会証言があることから活発な動きも期待できますが、

先週プレスクラブで講演した内容と大差のない証言に終始すれば、

それも期待できません。

今週は特に重要な経済指標の発表もないことから、

ストレスの溜まる相場展開は来週まで持ち越される可能性が高いと見られます。



必要以上の量的緩和には反対の立場をとっている、

フィッシャー・ダラス連銀総裁は連日、今後さらなる追加緩和は必要がない、

との立場を明確にしています。

今年6月で終了する予定のFRBによる国債購入プログラムは、

延長する必要はなく、そのような措置があった場合には反対することを表明しています。

同総裁は、その理由として、インフレが物価全般に波及している兆候が表れたら、

早い段階で金融引き締めを目指すべきだと語っています。



米景気は緩やかながら、しかし着実に回復に向かっていると思われます。

株高による資産効果で、米国の個人消費の伸びにも期待できます。

個人消費が伸びれば、米GDPの7割を占めていると言われる

経済成長にも好影響を与えることは想像に難くありません。

そもそも、株式は「景気の先行指標」とも言われています。

景気が低迷から成長へ反転する際に、最初に動きだすのは株式市場です。

7日連騰の米株式市場が何を物語っているのか、斟酌すべき時かもしれません。









ドル円82円台で動かず。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は堅調に推移。欧州の朝方からNY市場にかけて
    82円50銭近辺を試し、抜けきれなかったものの
    終始82円台で推移。米長期金利の上昇が続きドルが買われ易い
    展開に。
  • ユーロの上値もやや重くなりつつあり、1.35台での取引が続く。
    NY市場の朝方には12月独の製造業受注指数が悪化していたことから
    ユーロ売りが優勢となり、1.35台割れ目前まで下落したものの
    その後は再び上昇。
  • 株式市場は6営業日続伸でダウは1万2千ドル台乗せ。
    企業業績の好調さと、活発なM&Aを好感した格好で、金融、自動車株
    などが上昇。
  • 一方、債券相場は続落し、長期金利は約9ヵ月振りの高水準に。
    米景気回復期待を背景に、資金が債券から株式にシフトしている流れが鮮明に。
  • 金は小幅続落。原油価格はエジプト情勢の沈静化見通しから大幅に
    続落し87ドル台に。
  • ブラジルを訪問中のガイトナー財務長官は、ブラジルレアル高は
    為替を厳しく管理している新興国の影響であると、中国の為替政策を
    批判。
  • エジプト政府は13日にも同国証券取引所が再開すると発表。
  • 12月消費者信用残高 → 61億ドル(市場予想は24億ドル)



本日の注目イベント


  • 日   1月景気ウォッチャー調査
  • 独   12月独鉱工業生産
  • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁





ドル円は堅調に推移し、82円台前半から半ばまでの狭いレンジ内での取引でしたが、

82円45-50銭が壁になりつつあります。

底堅い動きであるとも言えますが、

昨日の欧州市場やNY市場の朝方には何度かこの水準の突破を試した様ですが、

押し戻されています。

この水準は、先週末の雇用統計後にもトライして失敗している水準で、

やや意識されつつありますが、米経済指標の好転などドル買い材料が待たれます。



今朝の経済紙にも大きく取り上げられていましたが、日米欧で長期金利が上昇しています。

米国を中心に景気回復を示す経済指標が相次ぎ、

資金がこれまでの安全資産である債券から株式へシフトしていることが背景です。

昨日のNY株式市場も大幅高で、ダウは1万2千ドル台を軽々と超えています。

米国は日本と比べ、個人資産に占める株式の割合が高く、

株高は直接個人投資家の資産効果として現れてきます。

株高は家計に余裕が出てくることから消費に結びつき易く、

昨日発表された12月の消費者信用残高も市場予想を大幅に上回るものでした。

これで同指数は3ヵ月連続で増加し、

クレジット残高は約2年ぶりのプラスに転じてきており、貯蓄に専念してきた米国の人々が、

そろそろ節約に飽き、買い物をし始めた姿が浮かび上がってきます。

いずれ個人消費を押し上げ、米ファンダメンタルズの改善に繋がるとの連想が働きます。



上記10年債利回り格差よりも、政策金利の影響を受けやすく、

ドル円相場にも、より相関度の高い日米2年債利回り格差を確認すると、

現在は0.53%程度まで開いています。

この金利差は昨年6月の水準にまで拡大しており、

昨年はこの後に金利差が0.18%台まで縮小したことから

「ドル売り円買い」が活発になり、11月の80円21銭まで円高が進んだ経緯があります。

この金利差は、一般的には為替相場の動きよりも「先行性」が高いと言われています。

事実、昨年11月に80円台前半を記録した後、

ドル円は上昇に転じ、テクニカル的にも上値けしたと確認できる

「トレンドラインのブレイク」は11月15日前後でした。

しかし、日米2年債利回り格差が「トレンドラインブレイク」を示したのは、

それより前の11月10日前後で確認できます。

(参照:外為オンラインHP外為経済アカデミー「今日のアナリストレポート」)



つまり、実際の為替レートの動きに1週間ほど先行する形で

「買いシグナル」が発信されていたことになります。

現在の状況は、利回り格差が急速に拡大しているにも関わらず、

ドル円は82円台前半でもみ合いを続けています。

上述のセオリーに従えば、

いずれドル円が「ドル高方向」に振れる可能性が高いことになります。

もちろん、日米金利差がドル円の現状レートにさや寄せされる形で

縮小してくることも考えられますが、

世界的な景気回復を背景にリスク選好が高まり、資金が株式市場にシフトしていることや、

エジプト情勢も原油供給がストップするなど最悪の事態は回避できそうなこと、

さらには商品市況にもやや高値警戒感がでてきたことなどを考え合わせれば、

資金がドルに回帰してくることはそれほど無理な発想ではありません。

依然としてドル円の上値は重い展開が続いていますが、

今日以降はFRB関係者の講演が続きます。

明日のバーナンキ議長の議会証言に注目して行きたいと思います。



豪ドル円の83円台が定着してきそうな気配です。

これまでも豪ドルの対ドルでの下落リスクや、

豪ドル円の83円台半ばでの利益確定を勧めるコメントを書いてきましたが、

先週のRBA(豪州準備銀行)の四半期経済見通しを契機に、

豪ドルの安定さが目立ってきました。

日足までのテクニカルでは上昇を示し、

週足の一目均衡表でも「遅行スパン」は好転しています。

まだ1円以上も上方ですが、

極めて重要な週足の「200日移動平均線」は84円69銭に位置しています。

同線は時間軸とともに下落していますので、

ここ1ヵ月ほどで抜けるかどうかに注目しています。

もちろん、中国の再利上げのリスクを忘れるわけには行きませんが。











米雇用統計を受け、ドル円82円台に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 注目の米1月雇用統計では、非農業部門雇用者数が
    予想より大幅に減少していた一方、失業率は大幅に改善。
    市場の反応に迷いはあったものの、失業率の良さが
    注目された格好に。
  • 円は発表直後、81円前半まで売られたものの、
    米長期金利上昇などを背景にドルがじり高となり、
    一時82円台半ばまで上昇。
    その後、売りに押され82円15銭前後で引ける。
  • ユーロドルも雇用統計発表直後は買われたものの、ドル高が
    優勢となり下落、1.35台半ばでの取引に。
  • カナダの雇用統計では雇用者数が大幅に伸び、カナダドルが
    対ドルで急伸。
  • 株式市場は4日続伸。失業率の大幅改善を好感し、ダウは29
    ドル高。
  • 株高から債券相場は続落し、長期金利は昨年5月以来の3.66%
    台に上昇。雇用が改善するとの見通しが強まったことが背景。
  • 金は反落。原油価格も大幅に続落。
  • 1月非農業部門雇用者数 → 3万6千人増(予想は14万人増)
  • 1月失業率 → 9.0%(予想は9.5%)



本日の注目イベント


  • 豪   12月豪小売売上高
  • 日   12月景気動向指数
  • 欧   2月ユーロ圏投資家信頼感指数
  • 米   12月消費者信用残高





先月発表の雇用統計と同様に、1月の雇用統計の内容には、

どのように対応すべきか市場は迷いました。

雇用者数の「予想外の減少」と、失業率の「予想外の改善」とのギャップに対して、

市場は発表直後はドル売りで反応しましたが、

結局、全体としては「雇用の改善は進んでいる」との認識から、

株式市場は上昇、債券市場は続落し長期金利が上昇したことでドルの上昇に繋がりました。

また、金や原油価格の下落からリスク選好が後退したことも

ドル買いに繋がったと観られます。



予想外の非農業部門雇用数の減少については、モルガンスタンレーのエコノミストは、

「悪天候が少なくとも15万人分の雇用削減に繋がった」との試算をしています。

この試算が正しいことになると、1月の雇用者数は18万6千人ということになり、

失業率の低下とともに、雇用が大幅な改善を見せたことになります。

NYタイムズ紙はこの見方に対しては「楽観的過ぎる」とのコメントを掲載していますが、

全体としては米経済指標の改善傾向が示すように、

雇用も緩やかですが着実に改善してるとの見方でいいのでは、と思います。

12月の非農業部門雇用者数も10万3千人から12万1千人に上方修正されています。

失業率については2009年4月以来の水準でした。

FRBが目標とする7%にはまだ大きな開きがあるものの、

最悪だった2009年10月の10.2%からは、1.2%の改善を見せています。

専門家の見方も概ねは「労働市場は明らかに改善している」(ブルームバーグ)

との見方が多かったようです。

今回の雇用者数の予想外の減少が雪の影響だったとすれば、

3月、4月の同指数がどのような数字を示すのか今から楽しみです。

そしてこの労働市場の傾向が為替市場にもじわじわと、

いずれ効いてきそうに思いますが、この点についてはまだ予断を許しません。



前週末の雇用統計を受けてドル円は一時82円47銭まで上昇しました。

この辺りが丁度、相場観でもテクニカルでも目先の上値に近いことから、

ここからの下押しはある程度想定内とも言えます。

一目均衡表(日足)の雲の下限に抑えられた格好になっています。

しかしその雲もこの先行きは、厚みが減り「上に抜けやすい状況」になっています。

まだ、重要な「遅行スパン」がローソク足を上抜けするには時間がかかりそうなことから、

すぐにドル円が上昇するイメージはありません。

「好転」が起こるには82円台後半までドル高が進む必要があるため、

先月から続いているドル先安観を払拭するにはさらなるドル買い材料の出現が待たれます。

希望は、短期の1時間足では今回のドル上昇により、

82円のところに「200日移動平均線」がきており、

サポートされる可能性があることです。

先週は輸出筋の予約の取り遅れも指摘されていました。

82円台半ばから上のレートではドル売り意欲も強いものと思われます。

一方で80円割れのリスクもやや遠のいた観もあります。

しばらく、81-83円のもみ合いが続くと観られます。



豪ドル円が約2ヵ月ぶりに83円台半ばまで上昇しました。

先月の大洪水以来、利上げ観測が後退しGDPに与える影響が懸念されて来ましたが、

先週末のRBA(豪準備銀行)が公表した「金融政策第四半期報告」で、

2011年の成長率見通しを4.25%に上方修正したことをきっかけに

豪ドルは対ドル、対円でも上昇速度を速めました。

同報告では、

クイーンズランド州の洪水の影響で2010-11年のGDPを0.5%押し下げる、

としたうえで、

2011年の消費者物価指数(CPI)の伸び率を、

従来の2.75%から3.0%に見通しを引き上げています。

この結果、再び利上げ観測が高まり豪ドル買いに拍車をかけました。

豪ドル円がこの先84円台に乗せ、85円を目指すのかどうかは、

対ドルで1.01台後半から1.02に乗せるかどうかにかかっていると言えます。

米経済指標の改善が続き、ドル高になるとすれば、

結構至難の業ではないか、と観ています。











トリシェ総裁会見を受けユーロ急落。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 米経済指標の改善からドル買い戻しが優勢に。
    加えて、トリシェ・ECB総裁がインフレ圧力に対する見方を
    前回より弱めたことでユーロの売りを誘った。
  • ユーロは欧州時間朝方の1.38台前半から1.36台前半に急落。
  • 円も、ドル買い円売りが強まる中、一時82円07銭まで買い戻しが
    進んだものの、上値は重く81円台半ばまで再び下落。
  • ユーロが対ドルで急落したことにより、ユーロ円は約2週間ぶりに
    111円台前半まで円高に。
  • 株式市場は3日続伸。ISM非製造業などの指標が予想を上回った
    ことからダウは20ドル高と、高値を更新。
  • 債券相場は続落。株高とバーナンキ議長が会見で、低金利政策の
    妥当性を強調し、政策変更はないとの見方から売りが優勢に。
  • ECBは理事会で政策金利の据え置きを決定。トリシェ総裁は
    「インフレ動向は注視していく」としながらも、利上げへのトーンが
    弱まったことがユーロ売りに繋がった。
  • バーナンキ・FRB議長はプレスクラブでの会見で、追加緩和策の
    継続を表明。特に目新しいコメントは無かった。
  • 金は大幅に反発。エジプト情勢が再び悪化したことが背景。原油価格は
    小幅に反落したものの90ドル台は維持。
  • 週間失業保険申請件数 → 41.5万件
  • 1月ISM非製造業景況指数 → 59.4



本日の注目イベント


  • 欧   EU首脳会談
  • 米   1月雇用統計
  • 加   1月カナダ失業率





ドル円は82円台まで買い戻される場面がありましたが、

上値が重く、82円台維持はかなわず再び81円台半ばまで下落しています。

ドル円自体の材料で動いたわけはなく、

やはりユーロドルの値動きに影響されたものです。

ドル買い材料とユーロ売り材料がでたことで、ユーロドルは急落しました。



1月のISM非製造業景況指数は59.4と、前月から上昇し、市場予想も上回りました。

また、週間失業保険申請件数も減少傾向を見せています。

既存店売上高も前年同月比では4.8%増と、寒波が続いたわりには好調な数字で、

個人消費の回復を示す数字だと、市場では受け止められています。

これらの指標を受け、株価が上昇、

債券が売られ長期金利が上昇したことでドル買いに繋がっていますが、

米10年債利回り(長期金利)は

今年に入って3.2-3.4%のレンジ相場が続いていましたが、

債券相場が3日続落したことで、昨日は今年初めて3.5%台に乗せています。

レンジを上抜けした観もあり、将来的なドル高要因になる可能性はあります。

しかしそれでも、好調な米経済指標に対する市場の反応はにぶく、

個人的にはドルがもう少し買われてもいいのではないかと、と感じます。

雇用の回復が進んでいないことが、その最大の理由だと思えますが、

今夜の1月雇用統計ではどんな数字が出てくるのか

注目されます。

市場のコンセンサスは13万ー14万人の増加と、9.5%の失業率予想です。



ドル買い戻しは対ユーロではもっと鮮明でした。

ユーロの買い持ちが進んでいたこともありますが、

トリシェ総裁の記者会見をきっかけにユーロ売りが加速しました。

総裁は、食品や原油価格の上昇がインフレ圧力に繋がるとしながらも、

その力は「抑制されている」との見方を示しました。

先月の記者会見では短期的なインフレ圧力が強まっていると発言したことで、

利上げ観測が台頭しユーロが上昇しました。

1月のユーロ圏の消費者物価指数(CPI)が2.4%であったことから市場では、

利上げを連想させるさらに突っ込んだコメントを期待していただけに、

上記の発言内容が伝わるとやや失望からユーロ売りが加速しました。



ECBはドイツのブンデスバンク(BUBA)の流れを受け、

インフレ目標を2%以内としていることから、

今回のトリシェ総裁の発言は利上げ観測を急速に後退させたものと受け止められました。

しかし、足元のCPIは景気の回復に伴って確実に上昇傾向を見せています。

昨年2010年1月の同指数は0.9%のプラスだったことを考えると、

今年1月の2.4%のプラスは

利上げを期待するのも無理はありません。

さらに今年に入っての原油価格の高騰は物価への影響が

避けれらない状況になっています。

ECBの「出口戦略」が今年の夏辺りまでには実施されると観ておくべきでしょう。

一方で、南欧諸国の財政問題は「ひと山」を超えただけです。

今後次の山がやってくることから、「出口戦略」と

「財政問題」をどうコントロールしていくのか、トリシェ総裁の手腕が問われます。

そして、同総裁の任期は今年の11月1日までです。



バーナンキ・FRB議長の会見も注目されていましたが、

こちらはサプライズもなく、これまでの政策を継続するというものでした。

雇用の回復はまだ十分でないことから、

追加緩和政策を予定通り6月まで継続することを確認する内容でした。



ユーロドルは1.36台前半で、一目均衡表(日足)の雲の下限におり、

今後雲に突入していくのか、この水準で支えられ

反転するのか微妙な値位置にいます。

注意深く観ていきたいところです。



それでは、良い週末を・・・・。










ドル円、81円台半ばで動かず。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は81円30銭のサポートラインを抜けず、買い戻しが
    優勢の展開。米経済指標の好転をきっかけに上昇したものの、82円台
    には届かず。
  • アジア市場でも1.38台半ばを超えたユ-ロは利食いの売りや
    米ADP雇用者数の増加を受け売られ、1.37台半ばまで下落。
  • アイルランドの格下げ発表を受け、改めて欧州財政問題が注目された
    格好に。
  • 収束するかに見えたエジプト情勢は、ムバラク大統領が即時辞任を
    拒否したことで再びデモ行動が活発に。
  • 株式市場は決算発表を嫌気した売りが優勢に。連日の高値更新
    から利益確定の売りも観られたもののダウは小幅高、ナスダックは反落。
  • 債券相場は3日続落し金利は上昇。一時、約1ヵ月ぶりに3.5%台に
    乗せる場面も。ADP雇用者数の増加を受け今週末に発表される雇用統計の
    改善観測から金利は上昇基調に。
  • 金は反落、原油価格は小幅に上昇。
  • 1月ADP雇用者数 → 18.7万人(市場予想は14.0万人)



本日の注目イベント


  • 豪   12月豪住宅建設許可件数
  • 豪   12月豪貿易収支
  • 欧   1月ユーロ圏PMIサービス業景気指数(改定値)
  • 欧   12月ユーロ圏小売売上高
  • 欧   ECB理事会
  • 欧   独・スペイン首脳会談(マドリード)
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   1月ISM非製造業景況指数
  • 米   バーナンキ・FRB議長講演





ユーロドルは昨日の高値水準の1.38台半ばから下落。

欧州の救済基金である欧州金融安定化基金(EFSF)での、高債務国による国債買い戻しの

資金を貸し付ける案をドイツが認めないとしたことから、ユーロ圏内の財政危機問題が

続くとの懸念が再燃しました。

また、格付け会社S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)が

アイルランドの信用格付けを引き下げたこともユーロ売りに繋がりました。

さらに、沈静化すると観られていたエジプト情勢が、

ムバラク大統領が即時辞任を拒否したことからデモ行動が拡大し

多数の負傷者がでたことなどを背景にユーロ売りが優勢でした。

ユーロは対ドルで1.38台半ばを超える水準まで買われ、

1月の安値から約1000ポイントの上昇を記録したことから、

利益確定のユーロ売りが出易い状況でした。

さすがに1.40台に乗せるには不透明な材料も多く、ひとまずポジションを解消した

格好になっています。

下落幅がどこで止まるか注目されますが、

一目均衡表(日足)の雲がサポートする1.36台前半がメドとなりそうです。



ユーロは対ドルだけではなく、円を含む主要通貨に対しても下落していますが、

前日急騰した反動と、欧州金融安定化基金を巡る

意見の調整に手間どっていることが背景です。

昨日、ドイツの当局者はEU首脳会議を控えた記者会見で、

欧州金融安定化基金には既発債を購入する法的権限はない

と発言しています。(ブルームバーグ)

ポルトガル、スペインなどの国債借り換えがスムーズに行われたことで、

市場の目も「欧州から中東」へ移っている状況の中、

再び南欧諸国の財政問題が注目されることになりそうです。



このところ、ポンドの上昇が目立っています。

利上げ観測が強まっていることが材料ですが、

昨日、BOE(イングランド銀行)の金融政策委員会のセンタンス委員は、

英金利について、今後急激な上昇を回避するために

今から着実なペースで引き上げる必要がある、との見解を示しています。

ポンドは対ドルで約3ヵ月ぶり、対円でも約2ヵ月振りの高値を記録しています。

「ドル安傾向に沿った流れ」との指摘もありますが、ユーロ圏の利上げ観測とともに、

英国の金利動向も気になるところです。



ドル円は81円突破もかなわず上昇していますが、やはり戻りは限定的です。

ユーロドルが下落したことに伴い、ドル円も81円台後半まで買い戻される展開でしたが、

82円台に乗せる勢いはなく再び81円台半ばでの取引になっています。

ADP雇用者数が予想を超え、今週末の雇用統計でも非農業部門雇用者数が増えるのでは

との期待が高まったことは先月と同じ状況です。

先月のADP雇用者数は29万人を超える「予想外」の増加でしたが、

その後の雇用統計では10万人を超えたに留まり、

ADP雇用者数と本番の雇用統計とのギャップに翻弄(ほんろう)されました。

今回1月のADP雇用者数も市場予想を大きく上回る18万7千人だったことで、

今週末の雇用統計での非農業部門雇用者数も

13万人増加から、やや上方修正されそうな気配です。



ドル円の上値は依然として重い展開を予想しますが、81円台半ばから82円に乗せるのか、

あるいは81円突破を目指すのか、

週末の雇用統計を睨んだ動きになりそうで、東京時間での大きな値動きは期待できません。

本日はバーナンキ・FRB議長の講演があります。

ADP雇用者数の大幅増加を受けて、

同議長が雇用に対してどのような見方を示すのか注目されます。

依然として先行きに対して厳しい見方を示すようだと、

再びドル売りが強まることも考えられます。

本日の予想レンジは、下値で81円30銭を割り込むかどうか。

上値ではNY市場の高値である81円85銭近辺を

超えられるかどうかが注目されます。










ドル円1ヵ月ぶりの81円台前半。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は重要な節目であった81円半ばを割り込み
    1月3日以来の81円台前半まで下落。
  • ドルが売られ、ユーロ、豪ドルなどが大幅に上昇した
    ことから円もじり高に。
  • ユーロは1月のユーロ圏製造業景気指数(改定値)が
    前月から上昇したことなどにより、1.38台半ばまで上昇し、
    約3ヵ月ぶりの水準に。
  • 昨日政策金利を据え置いた豪ドルは、インフレ懸念があることには
    変わりはないとの声明文から、再度利上げ観測が高まり、1.01台
    まで急騰。
  • 株式市場は大幅に続伸し、引け値で1万2千ドル台を回復。
    金融、素材などのセクターが大きく上昇し全面高となり、先週末
    の大幅安を埋め合わせた格好。企業の好決算が背景。
  • 債券は株高や、エジプトでの緊張が収束する可能性がでてきた
    ことで続落。長期金利は上昇。
  • 1月の米新車販売では日米のメーカーは共に二ケタ増を記録。
    年率換算で1260万台(予想)と、販売は回復基調に。
  • エジプトのムバラク大統領はテレビ演説で、9月に行われる
    大統領選には出馬しないことを表明。
  • 金は反発。原油価格は短期間で急騰した反動と、エジプト情勢が
    沈静化するとの見通しから大幅下落。
  • 1月ISM製造業景況指数 → 60.8(市場予想は58.0)



本日の注目イベント


  • 日   1月マネタリー・ベース
  • 欧   12月ユーロ圏生産者物価指数(PPI)
  • 米   1月ADP雇用者数
  • 米   デューク・FRB理事講演





円はドルに対して上昇し、NY市場では81円31銭まで円買いが進みました。

その円も、ユーロ、豪ドルなどに対しては弱含み、比較的金利の高い通貨が上昇しました。

米株高を背景にリスク選好が強まったことが背景です。



特に、ドル売りの材料がでたわけではなく、ユーロ圏の景気指標の改善からユーロが買われ

これまで何度か試して抜けきれなかった1.37台半ばを抜けたことで

上昇に弾みがついたと観られます。

同様に豪ドルも、昨日、政策金利は据え置かれましたが、

依然としてインフレ懸念が残るとの声明文から、利上げ観測が台頭し豪ドルが買われ、

0.99台半ばから1.01台まで「大台」を2回替える上昇を見せています。

豪ドルは北東部の大洪水により、

GDPへの影響は避けられないと観られ、復興への財源を増税という形で調達することが

嫌気され売られてきました。

しかし昨日は「復興への活動が景気にはプラスに働く」といった見方も出てきており、

この転換の早さが為替市場の特徴の一つとして象徴的でした。



このような状況の中、円も対ドルでジリ高に推移し、

昨日のアジア市場では82円台が重いとみたドル売りで、

81円80銭を割り込んだ辺りから円高の流れが定着したようでした。

NY時間には朝方、

81円50銭を一旦割り込んだ後81円台後半まで反落する場面もありましたが、

その後再び米長期金利の下落を理由にドル売り円買いの流れが優勢となり、

81円32銭まで円買いが進みほぼ同水準で引けています。

ここまで来ると焦点は、81円を割り込むかどうかということと、仮に割り込んだら、

昨年11月1日に記録した80円21銭を試しに行くのかどうか、

そして究極的には「80円割れ」があるのかどうかという点になります。



昨日も触れましたが、テクニカルでは一目均衡表(日足)の雲がローソク足の上を覆い、

上昇を抑えている形になっています。

ただ、ストキャスでは「10」を割り込んでおり、売られ過ぎのシグナルもでています。

また、ボリンジャーバンド(日足)では2シグマが拡大し始めていることから

「ドル安傾向」を示しています。

81円50銭を明確に割り込んだことで「三角保ち合い」(さんかくもちあい)を

下抜けしています。

やはり、短期的にはドルの戻りは重いと観ておいたほうがいいと思われます。

ドル円の戻りは81円台後半といったところで、

下落時にはどの程度の勢いがあるのか見極めたいと思います。



NYダウは引け値で1万2千ドル台を大きく回復し、

2008年6月以来の水準を記録しています。

同時にS&P500も1300を上回り、こちらも2008年8月以来の高値です。

いずれもリーマン・ショック前の水準を大きく上回っているわけですから、

日本の株式市場との勢いの違いに驚き、

アメリカのダイナミズムを感じます。

先週末、エジプト情勢の悪化で166ドルの急落を演じたNYダウでしたが、

わずか「2営業日」で埋め合わせています。

背景は、好決算の発表が相次ぎ株価を押し上げていることが直接的な理由ですが、

オバマ政権が「金融から製造業」に重点を

シフトしつつあることも大きな要因だと思われます。

オバマ政権発足時にはボルカー元FRB議長など側近には

「金融畑」出身者が多くいましたが、現在はガイトナー財務長官一人です。

しかも大統領の政策決定にもっとも近い所には、GE出身のイメルト氏を起用しています。



米株式市場が堅調なことから債券は売られ易い地合いが続き、

資金がリスク選好へと移って行き米長期金利を上昇させています。

昨年まで見られた傾向は、

株高が資産効果を生み、リスク選好を高めることから高金利通貨の「豪ドル、ユーロ」、

あるいは、金、メタルなど商品が軒並み高騰しました。

円は低金利通貨ということで売られる地合いが続き、「ドル安、円安」とも言われました。

昨日の動きを観ると、明らかにこれまでとは異なってきたことが分かります。

円がドルに対して買われ過ぎなのか、あるいはドルがユーロなどに対して売られ過ぎなのか

いずれ修正される可能性がありますが、

株式市場、債券市場の動きもウォッチする必要がありそうです。










ユーロ圏CPIを受けユーロ再び上昇。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円はエジプト情勢を睨みながら82円を挟み一進一退。
    NYでは81円91銭までドルが下落したものの、前日同様勢いはなく
    82円台前半でのレンジ取引。
  • 1月のユーロ圏消費者物価指数が市場予想を上回っていたことから
    ECBによる利上げが早まるとの観測が台頭。ユーロは対ドルで
    1.36台半ばから約100ポイントの上昇。
  • 中東情勢の混乱から原油が続騰し、ノルウエー・クローネなど
    資源国通貨も対ドルで上昇。
  • 株式市場は反発。エクソンモービルなどの好決算を背景に
    エネルギー株が上昇し、先週末の下落幅の半分ほどを埋めた格好に。
  • 債券は個人消費支出が予想よりよかったことから下落。長期金利は
    小幅に上昇。エジプト情勢へのリスクがやや後退。
  • 金は反落。原油価格はエジプト情勢が沈静化しないことから
    原油供給の減少に繋がるのでは、との見通しから大幅に続騰。
    約2年ぶりとなる92ドル台に乗せて引ける。
  • 12月個人所得 → +0.4%
  • 12月個人支出 → +0.7%



本日の注目イベント


  • 豪   RBAキャッシュターゲット
  • 独   11月独失業率
  • 欧   1月ユーロ圏PMI製造業景気指数(改定値)
  • 欧   12月ユーロ圏失業率
  • 欧   トリシェ・ECB総裁講演(ミラノ)
  • 米   1月ISM製造業景況指数
  • 米   1月自動車販売台数





エジプト情勢は依然として緊張が高まっている状況に変化は観られないものの、

市場のリスクに対する反応はやや後退したようです。

先週末に高騰した米債券価格は、朝方は続伸したものの引けでは下落(金利は上昇)し、

ややリスク選好が後退してきたことを伺わせます。

これまでムバラク政権を支持してきた米政府も、

エジプトの暫定政権樹立支持へと方針を固めたと、ワシントン・ポスト紙は伝えています。

NYの株式市場も落ち着きを取り戻し、先週末の下げ幅の半分ほどを埋める上昇でした。

また、有事には買い物を集め上昇する傾向のある金も反落しています。

ただ、原油は引き続き大幅に上昇し、92ドル台まで買われました。

エジプトは「スエズ運河」を擁しており、

多くのタンカーがここを通って世界に原油を供給しているため、

事態が悪化するようだと供給がストップすることも考えられ、原油買いに走らせたようです。



ドル円は82円を挟んだ狭いレンジ内での取引から抜けられません。

徐々に上値が切り下がってきており、足元では下落リスクの方がやや高いと観られますが、

重要なポイントと意識される81円50-80銭を試す動きにはなっていません。

この水準には「ドル買い注文」も多くあるようですが、

反対に、81円50銭を抜けるようだとストップロスの「ドル売り」もあるとの観測です。

今朝の経済紙の記事にもありましたが、

輸出業者がドル売り円買いの水準を下げてきており、

しびれを切らしてドル売りを持ち込むと、上記水準を試す展開も考えられそうです。



注目されていたユーロ圏の1月の消費者物価指数(CPI)は

事前予想を超える2.4%でした。

昨年12月の2.2%を上回り、これで2ヵ月連続で2%を超え、

特に今回の数値は2008年10月以来の高水準でした。

ユーロはこの発表をきっかけに上昇し、

対ドルでは再び1.37台前半まで買い進まれています。

しかし、この水準は昨年11月の後半にテストして振り落とされた水準でもあり、

抵抗され1.36台へと押し戻されています。

高水準のCPIが発表されたことで、

今週3日のECB理事会後の記者会見ではトリシェ総裁が再び「インフレ懸念」発言をする、

との観測が高まっています。

同総裁は、本日にもミラノでの講演が予定されています。

昨日のCPI結果を踏まえた発言がでることも十分予想されます。



日米欧は2008年9月のリーマンショック後の金融危機を立て直すために

「超低金利政策」を継続し、景気回復に努めて来ました。

日米では依然としてデフレ懸念が残り、異常な低金利水準から抜け出すことができない中、

どうやらユーロ圏は「出口戦略」に向けたスタートラインに立ったようです。

今後様々な議論が行われ、実際に利上げが実施されるのは春以降と思われますが、

早まる可能性もありそうです。

ユーロ圏は現在でも、日米欧の中では金利面での優位性があり、

今後利上げに動けばユーロ上昇に繋がると思われます。

今後は南欧の財政問題と金利がユーロの相場を左右することになりそうです。



一方、米国ではインフレ懸念は観られません。

FRBが注目する食品と燃料を除くPCEコア指数は、前年同月比で+0.7%と発表され、

1959年の記録開始以降で最小の伸びにとどまり、

コア指数で観るかぎり物価上昇圧力は低いことが確認された格好です。

ユーロ圏では金利上昇圧力があり、

米国ではデフレ懸念さえある状況が、

昨日はユーロ買いドル売りに繋がったとも言えそうです。










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