ユーロ圏CPI、ギリシャ問題に注目。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 主要な海外市場が休場だったため、値動きはほとんどなく
ドル円は終始80円台後半での動き。 - ユーロドルも1.42台後半で推移し、目立った動きも無く取引は閑散。
本日の注目イベント
- 豪 豪4月住宅建設許可件数
- 日 4月失業率
- 日 4月鉱工業生産
- 日 D・イノウエ米歳出委員長講演(東京、外国特派員協会にて)
- 独 独5月失業率
- 欧 ユーロ圏5月消費者物価指数(CPI)
- 欧 ユーロ圏5月失業率
- 欧 ドラギ・イタリア中銀総裁講演
- 米 5月シカゴ購買部協会景気指数
- 米 5月コンファレンスボード消費者信頼感指数
- 米 3月ケース・シラー住宅価格指数
- 加 カナダ中銀政策金利発表
ロンドン市場がバンクホリデー、米国市場はメモリアルデーで休場だったことから
為替、株式、債券、商品とほとんどの相場で市場参加者が少なく取引は閑散でした。
ドル円は東京タイムの朝方に一度81円台にタッチしたものの、
その後は海外市場が休みのため、
取引に勢いはなく80円台後半での小幅な値動きとなりました。
本日は米経済指標の発表や
ユーロ圏の失業率、消費者物価指数の発表が控えております。
注目したいのがユーロ圏の消費者物価指数です。
3ヶ月連続で上昇しており、前月分は2.8%と高水準の結果で、
ECB(欧州中央銀行)の目標値の2.0%を5ヶ月連続で上回っています。
ECBは利上げを一度しておりますが、今回の結果も上昇するようですと
また利上げ観測が台頭し、ユーロ高ドル安に繋がる可能性があります。
ギリシャの財政問題は進展しておりませんが、利上げが注目されればギリシャの問題は
利上げが影をひそめる形となりそうです。
今回の消費者物価指数の発表後、日本時間22時以降にギリシャの欧州議会メンバーが
財政危機について証言が予定されております。
この証言の内容によっては、もし利上げ期待が高まっていたとしても
その流れを覆すほどの影響力がありますので注意しなければいけません。
上記から相場の乱高下に翻弄されないように余裕をもった取引を心がけたいものです。
テクニカルを見ますとドル円の「日足」では
昨日に一目均衡表の「雲」の下限を抜けたと思われましたが、
少し値を戻したことで、完全な雲抜けにはならず、
ギリギリですが雲にサポートされているようです。
しかし、ドル円の上値が重いことには変わりなく、「1時間足」では分厚い雲が
81円近辺から81円40銭ほどにあるため、短期的にドル高は難しいようです。
「30分足」では100日移動平均線が80円95銭に、
120日移動平均線は81円03銭に、
一目の雲では80円99銭で雲の上限があり、上値を抑えております。
上値は重いが下値も底堅さがある。言い換えれば方向感がないというところでしょうか。
やはり経済指標の結果次第というのは否めない状況です。
ユーロドルでは昨日のもみ合いにより、
短期的にエネルギーを溜めているように見受けられます。
「30分足」と「1時間足」のボリンジャーバンドではバンドが狭まっていたのが、
今朝に広がり始めています。
さらに一目の雲抜けもしておりますので、ユーロの買い戻しに期待出来そうですが、
上述にもあるようにユーロ圏の消費者物価指数の発表、ギリシャ問題に関する証言が
控えている為、柔軟な対応が求められてきます。
値幅としては1.4250-1.4350を中心に
新たな材料待ちといった展開を予想します。
昨日、主要市場が休場だったため、参加者が戻ってくることと、
月末ということで相場が大きく動くきっかけになりかねません。
ドル円しか取引しない場合も、ユーロ、原油、金、もちろん株式、債券など
あらゆる相場を気にしていないと、突然の値動きに対応が難しくなります。
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- [2011/05/31 09:10]
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ドル円2週間ぶりに80円70銭まで下落。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 4月の個人消費支出などの指標が市場予想を下回ったことから、
米景気の減速懸念にドルは主要通貨に対して下落。 - ドル円は81円を挟む展開だったものの、上記指標発表後下落し、
約2週間ぶりに80円70銭まで売られる。 - 市場では全体的にドル安が進んだことでユーロもやや買い戻され
1.43台まで上昇。 - 米財務省は中国の通貨政策について、柔軟化のペースは不十分
だとしながらも、同国を為替操作国とは認定せず。 - 株式市場は3日続伸。商品関連銘柄や銀行株などが値上がりし、
ダウは38ドル高。 - 債券相場は小幅に反落。長期金利は上昇したものの依然低水準。
- 金価格は大幅に続伸し1530ドル台に。原油は小幅に上昇したものの
100ドル台でのもみ合いが続く。 - 4月個人所得 → +0.4%
- 4月個人消費 → +0.4%
- 4月PCEコア・デフレーター → +0.2%
- 4月中古住宅成約指数 → -11.6%
- 5月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値) → 74.3
本日の注目イベント
- 英 ロンドン市場休場(バンク・ホリデー)
米 NY市場休場(メモリアルデー)
先週後半からドル円は再び上値の重い展開となり、「ドル安円高」傾向が
やや強まってきました。82円台前半が「壁」になり何度か試しても抜けきれ
ない一方、81円半ばも抜けきれない展開が続いていましたが、
米景気減速を示す経済指標が相次いだことから、株価が軟調となり、安全
資産の債券が買われたことで長期金利が低下。
これがさらに、「日米金利差縮小」を材料にドル売りにつながっている状況
です。特に米債券相場は今年の最高値水準(長期金利は最低水準)まで
買われ、これを見る限り「リスク回避」の流れが続いてはいますが、
金、原油などの商品相場が値を戻してきていることから、商品市況の先行
きにも目配りが必要な状況です。
先週末のように、銅価格が急騰するような展開が続けば米長期金利の、こ
の水準からの大幅低下は考えにくいということにもなります。
米経済指標の悪化が続いていることから、一部には「QE3」が話題になる
など、「米金利は当分上がらない」との見方も強まってきました。
確かに先週発表された米経済指標は、耐久財受注、GDP改定値、失業
保険申請件数など、軒並み悪化しており、米景気は再び減速するのでは
といった見方が強まっています。
先週末に発表された4月の個人消費支出も、悪天候とガソリン価格高騰
の影響があったとはいえ、予想を下回っていました。株価の上昇から資産
効果による個人消費の拡大も、早くも息切れしたとの見方も台頭していま
す。
懸念されるのは、今週末に発表される「5月の雇用統計」への影響です。
特に非農業部門雇用者数は順調に増加を続けてきているだけに、雇用
者数増加にブレイキがかかるようだと、為替に最も影響がある指標だけに
ドル売りが加速する可能性もでてきそうです。
テクニカルを見ても「日足」までの短期のチャートのサポートはすべて割
り込んでいます。「日足」の雲の下限も下抜けしており、目先のサポートは
、5月5日の79円56銭から、5月19日82円24銭までの上昇分の
61.8%下落した、80円58銭あたりがマイナーなサポートになりそうです。
一方ギリシャの再建問題がすすんでいないことから下落基調が鮮明なユ
ーロは先週、ユンケル・ユーログループ議長がIMFが追加融資を行わな
い可能性に振れユーロ下落に拍車をかけましたが、これはIMFの融資を
行う際のルールを持ち出したもので、
今後ギリシャの資金繰りに問題があるようだと追加融資が実行されない可
能性を示唆したものです。
一時1.40台を割り込んだユーロドルは先週末には1.43台まで値を戻
しています。
今後、再びギリシャ問題にほころびが出てくるようだと、「ユーロ安ドル高」
に振れる可能性もあり、ドル買い戻しが進むようならドル円の下落もある程
度の水準で下げ止まることも考えられます。
いずれにしても円の先行きは「円の材料」ではなく、ユーロがギリシャ問題
からさらに売られるのか、あるいは週末の雇用統計など、米経済指標の悪
化を手がかりにドル売りが進むのかによって、ドル円の水準も決まってきそう
な展開が予想されます。基本はドルの戻りを売るスタンスと思われますが、
ドル円の下落スピードも緩やかなものになりそうなことから、「突っ込み売り」
には注意したいところです。
- [2011/05/30 10:57]
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ユーロ、ユンケル発言を受け再び下落。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米経済指標の悪化を受け、ドル円は下落。短期的な節目
と見られていた81円30銭を割り込み、81円15銭まで円高
が進む。米長期金利が3.1%台を割り込んだことも円買いを加速。 - ユーロも売られ、「ドル安、ユーロ安」の流れに。ユーロはユンケル
ユーログループ議長の発言を材料に、対ドル、対円でも下落。 - 株式市場は小幅に続伸。ティファニーなどの好決算を手がかりに
上昇したものの、景気後退懸念はぬぐえず上昇は小幅に。 - 債券相場は続伸。ギリシャの財政懸念と米景気減速を示す経済指標の
発表を受け、10年債利回りは年初来最低水準を記録。 - 金、原油はともに反落したものの、原油価格は100ドル台を維持する。
- 1-3月期GDP(改定値) → +1.8%
- 週間失業保険申請件数 → 42.4万件
本日の注目イベント
- 日 4月消費者物価指数
- 欧 4月ユーロ圏マネーサプライ
- 欧 5月ユーロ圏消費者信頼感
- 欧 G8(仏ドーヴィル)
- 独 5月独消費者物価指数(速報値)
- 米 4月個人所得
- 米 4月個人消費
- 米 4月PCEコア・デフレーター
- 米 4月中古住宅成約指数
- 米 5月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)
ここ1週間81円台半ばから82円台前半で推移し、
やや膠着感が漂っていたドル円にレンジ抜けを思わせる動きが出てきました。
米1-3月期GDPの改定値が市場予想(+2.2%)を下回る+1.8%と発表され、
さらに週間失業保険申請件数も再び増加傾向を示す数値が発表されたことで、
ドル円は81円15銭まで下落しています。
目先のサポートと見られていた81円30銭を割り込みましたが、
そこからの下落幅は小幅でしたが、膠着状態だったドル円が
「レンジ抜け」したのかどうか、今後の動きが注目されます。
それにしても、このところの米経済指標の悪化傾向にはやや戸惑いを隠せません。
昨日の両経済指標だけではなく、
ISM製造業景況指数、耐久財受注など軒並み悪化しており、
景気減速感が高まってきています。
米景気は2月ごろまでは順調に回復していましたが、
3月に入るとやや雲行きがあやしくなり、
今月に入ると住宅関連指標はもとよりそれ以外の指標の悪化が目立ってきました。
懸念されるのは唯一順調に回復傾向を見せている、
雇用統計の「非農業部門雇用者数」が悪化に転じると
ドル売りが加速する可能性があるという点です。
1週間後に発表される同指標は為替相場に最も影響を与えることから、
一段と注目されそうです。
NYでのドル円の下値は81円15銭でしたが、
これは「4時間足」の120日移動平均線が81円16銭にあったため、
ひとまずサポートされたものと思われます。
下値のメドを確認しておけば、81円18銭に「8時間足」雲の上限があり、
80円96銭には「日足」の雲の下限が控えています。
結局81円前後が維持されるかどうかがポイントになってきそうです。
本日も4月PCEコア・デフレーターなどFRBが注目している経済指標が発表されます。
予想を下回るようだと上記水準を割り込んでくることも考えられます。
米景気の減速懸念→株価の下落→債券相場の上昇→長期金利の低下、
といった一連の流れから「ドル売り円買い」が進む可能性があります。
足元では再びドルの下値を試そうとしていると見られますが、
「これまでの81円台半ば-82円台前半のレンジ」から、
以前の、「80円台前半-80円台後半のレンジ」に再び戻るのか
今後の米経済指標に対する反応を見極めたいところです。
昨日の海外市場では、ドル円では「ドル安」でしたが、
ユーロドルでは依然として「ドル高」です。
その他主要通貨では「ドル安」が進んでいることから、ユーロの独歩安ともいえます。
材料は再びギリシャの財政問題に関わることでした。
ユンケル・ユーログループ議長は、
IMFがギリシャ向け支援を保留する可能性があると指摘したことから、
ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念が高まりユーロが大幅に下落しました。
ギリシャはすでに1100億ユーロの資金援助を受けることで合意していますが、
デフォルト懸念があるため市場からの資金調達が困難になりつつあります。
このためさらなる追加融資を要請していますが、
ユンケル議長がこのタイミングで資金援助の保留の可能性について触れたことは、
ギリシャに対する「警告」との受け止め方があります。
ギリシャとしてはさらに積極的に財政赤字削減を進めない限り資金援助の道が断たれ、
デフォルトが現実味を帯びてくることにもなりかねません。
さらにその影響はギリシャだけにとどまらず、ポルトガル、スペインの債券が売られ、
両国の資金調達コストが上昇することにも繋がってきます。
ギリシャから始まった財政赤字問題という
「TSUNAMI」はアイルランド、ポルトガル、スペインにも波及し、
再びギリシャを襲い始めたように見られます。
財政再建に向け待ったなしの状況です。
良い週末を・・・・。
- [2011/05/27 09:30]
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ユーロドル反発するも上値の重い展開。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は前日とほぼ同じ値動きをたどる。82円を挟む
狭いレンジで一進一退となり、短時間のチャートとでは
「三角保ちあい」を形成中。 - ユーロは昨日のアジア時間に1.40台前半まで売られた
ものの、欧州市場では堅調な動きを見せる。依然としてギリシャ問題
をめぐる動きが注目され上値の重い展開が続く。 - ユーロ円は一時114円台70銭前後まで売り込まれたが、
この水準では買い意欲も強く反発し、115円前半から半ばで
神経質な値動きを繰り返す。 - ラガルド仏財務相はIMF専務理事に立候補することを表明。
- 米株式市場は4日ぶりに反発。原油価格が100ドル台を
回復したことで、商品関連銘柄が相場をけん引し、ダウは38ドル高。 - 債券相場は株高から小幅に反落したものの、5年債入札では
投資家の根強い応札が観測された。長期金利は小幅に上昇。 - 金相場は4日続伸。ギリシャの債務問題では当局者の間でも
足並みがそろっていないとの観測から代替資産としての需要が高まった。 - 原油価格は前日に続き大幅上昇。1週間ぶりに100ドルの大台を回復し、
引け値では101ドル台に。 - 4月耐久財受注 → -3.6%
- 3月住宅価格指数 → -0.5%
本日の注目イベント
- 欧 トリシェ・ECB総裁講演
- 欧 ビニスマギ・ECB理事講演
- 米 週間失業保険申請件数
- 欧 ユンケル・ユーログループ議長講演
- 米 1-3月期GDP(改定値)
ドル円は連日同じような値動きが続き、上下とも抜けきれません。
昨日の朝方、4月の日本の貿易収支が発表されました。
市場では7000億円程度の「貿易赤字」と予想していましたが、
結果は4637億円の赤字で、予想よりも赤字幅が縮小していました。
東北大震災でマヒしていた自動車、ハイテクなどの産業が
急回復していることが背景ですが、
思っていたほど輸入が増えていなかった側面もあります。
4-6月を通じて貿易赤字は拡大すると見られていますが、
久々に注目される日本の経済指標です。
やや膠着状態が続き動きの鈍いドル円ですが、
81円70銭-82円20銭での取引が続いているため、
短期的な値動きを表す「1時間足」では、82円23銭を頂点とする抵抗線と、
81円30銭を底値とする支持線がともに収縮してきており
「三角保ちあい」(さんかくもちあい)を形成しつつあります。
その中でも特に下値が切り上がってきていることが見て取れます。
このため市場のエネルギーは徐々に溜まってきており、
ボリンジャーバンドでもバンド幅が平行になりつつあります。
これはエネルギーが蓄えられ、いずれどちらかに発散する前兆とも受け取れます。
「82円台前半でショートメイクを行い、81円90銭以下で買い戻す」、
そんなトレードが機能していますが、
しばらくはレンジ内での値動きと割り切って売買を繰り返すのも一計かと思います。
しかし、意識したいのはレンジを抜けた時の対応です。
相当エネルギーが溜まっていることから、
どちらかに「レンジ抜け」した時には値幅が予想外に大きくなる可能性があります。
そのため市場参加者もレンジの抜けた方向にポジションを傾ける行動を取り、
それがさらに値幅を増幅させる展開になります。
足元ではその気配は見られませんが、このまま現在のレンジが続くということはありません。
レンジ内取引と割り切りながらも「レンジ抜け」を意識するトレードを行うか、
静観を決め込んで「レンジ抜け」のタイミングをひたすら待つか、
どちらでもいいように思います。
重要なことは、その際に抜けた方向に付くということです。
ユーロドルは1.40台を維持し急落は避けられていますが、
ギリシャの財政赤字問題をめぐるユーロ圏内の足並みはそろっていません。
思い切った債務再編を行うのか、債務期限延長で一時的にしのぐのか、
あるいはデフォルト(債務不履行)を宣言するのか、
いずれにしても残された時間をそれほど多くありません。
今週月曜日には1.3970まで売られ反発し、
昨日も1.4014まで売り込まれ反発しましたが、
これらはいずれも「日足」の「雲の下限」にサポートされた形になっています。
現在その「雲の下限」は1.4039にあり、
びこの水準が維持できるかどうかが注目されます。
完全に割り込むと1.38台まで下落する可能性もありそうです。
いずれにしても上値の重い展開が続くと予想しますが、
これも欧州からの情報次第ということになりそうです。
- [2011/05/26 09:34]
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ドル円82円を挟み膠着。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ユーロが反発。ドイツのifo景況感指数が予想超え、過去最高付近を
維持したことと、このところの売られすぎからユーロ買い戻しが
優勢となり対ドルでは1.41台前半、ユーロ円でも116円台まで上昇。 - ドル円は81円台後半から小幅に上昇し、ユーロ円の買い戻しの影響もあり
82円台前半までドル高円安が進む。ただこの水準はここ数日でも
トライして抜け切れておらず、昨日も同様な動きに。 - ギリシャ政府は60億ユーロ(約6900億円)の追加の
財政赤字削減案を決定。しかし、ギリシャ最大野党党首はこの削減案を
拒否したことで、その実行については不透明。 - 米株式市場は3日続落し約1ヵ月ぶりの安値に。朝方は反発して
始まったものの、上昇は続かず、ダウ、ナスダックはともに小幅安。 - 債券相場は続伸。2年債入札が好調だったことと、株安が材料と
なり長期金利は低下。 - 金は5日続伸し1523ドル台に。原油も米投資銀行による
原油高見通しを材料に大幅に反発。 - 4月新築住宅販売件数 → +7.3%
- 5月リッチモンド連銀製造業指数 → -6
本日の注目イベント
- 日 4月貿易収支
- 独 6月独GFK消費者信頼感指数
- 欧 ドラギ・イタリア中銀総裁講演
- 欧 シュタルク・ECB理事講演
- 英 1-3月期英GDP(改訂値)
- 米 4月耐久財受注
- 米 3月住宅価格指数
- 米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
ユーロが反発し対ドルで1.41台前半、対円でも116円台を回復しました。
前日、1.40の大台を割り込み、1.39台半ばまで売り込まれたユーロでしたが、
昨日はドイツifo景況感指数が114.2と市場予想を上回ったことで
ユーロの買い戻しを誘いました。
しかし、ユーロ圏では依然としてギリシャの財政問題が重くのしかかり、
解決策も見いだせていないことからユーロの大幅反発には繋がっていません。
ギリシャ政府は昨日、60億ドルの追加的な財政赤字削減案を決めていますが、
野党はこれを拒否し実行に移せるかどうかは不透明な状況です。
国有企業の民営化や富裕層への課税強化、さらには社会保障へも手をつけ、
2011年度の財政赤字をGDP比7.5%まで削減しようというものです。
EU、ユーロ圏も一層の財政赤字削減を追加融資の条件としているものと見られ、
仮に議会で拒否されるようなことになると、
今後ギリシャの資金調達の道が断たれることにもなりかねません。
これらを受け、ギリシャ国債の利回りはさらに上昇し、
同国債に対するCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)スプレッドは
1496bp(ベーシス・ポイント)まで上昇し、
これは5年以内のデフォルト(債務不履行)の確立71%を織り込んだ水準です。
(ブルームバーグ)さらに、ギリシャ国債だけではなく、ポルトガル、スペインの国債も
「連想」から売られる(金利は上昇する)展開が続いています。
ドル円は81円台半ばから82円を挟み一進一退の動きです。
GWの5日に80円台をいったん割り込み、すぐに80円台を回復してからは約3週間、
80-82円台の値動きが続き、
さらにここ1週間は81-82円の値幅に概ね収まっています。
底値が徐々に切り上がってはいるものの、
足元では82円20-30銭が上値の上限として抑えられているようです。
この水準を抜けきるにはさらなる米景気の回復を示す指標が必要で、
それにはまだしばらく時間がかかると見られます。
昨日発表された4月の新築住宅販売件数は市場予想を大幅に上回っていましたが、
先週発表された住宅着工件数などは依然として低水準で、
住宅市場の本格的な回復はまだ先のことと思われます。
このため、高水準の数字の割には市場の反応は限定的だったようです。
上述のようにドル円は82円台に入ると上値を抑えられ、
81円台に押し戻される展開が続いていますが、
今週の動きを見る限りドルは上昇したがっているように見えます。
上記82円30銭を明確に抜けきれば、
その上には「ストップロスのドル買い」もあるとみられ、
82円半ばを抜ける可能性も出てきそうです。
そのきっかけになりそうなのが1時間後に発表される4月の日本の貿易収支です。
「貿易赤字」は確実で、問題はその赤字幅です。
市場は7000億円程度の赤字を予想していますが、
赤字幅がさらに拡大しているようだと「円売り材料として」捉えられる可能性もあります。
また、貿易収支の発表を受け日経平均株価がどのような反応を見せるかも注目です。
株価が上昇するようだと82円30銭を試しに行くことも考えられます。
もちろん下値不安がないわけではありませんが、
現状では81円70銭あたりがサポートされそうです。
短期的な動きを示す「1時間足」では、
この水準に「120日移動平均線」と「雲の上限」が来ているからです。
さらにその下では81円20-30銭が重要なポイントとなりそうです。
- [2011/05/25 09:44]
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ユーロドル2カ月ぶりに1.40割れ。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は欧州時間から下げ足を速め、一時81円32銭まで下落。
世界的な株価の下落を受けリスク回避の動きから円買いが優勢に。
NY市場では一転してドルが底堅い動きとなり82円台を挟む水準まで
反発。 - ユーロドルが約2ヵ月ぶりに1.40台割れまで下落。スペインの与党
労働党が地方選挙で大敗したことや、イタリアの格付け見通しが引き下げられた
ことが材料となり、これで直近高値から約1000ポイントの下落。
NYではやや買い戻しが入り1.40台半ばで戻して引ける。 - 豪ドルも急落。中国の製造業活動を示す指標が10ヵ月ぶりに
低水準になったことが背景。 - 株式市場は大幅に続落。欧州の債務問題がくすぶり、中国の経済活動に
やや陰りがでてきたことで、キャタピラー株が大幅下落。ダウは130ドル安
と1万2300ドル台まで下落。 - 債券相場は続伸。株安とリスク回避の動きから買われ、長期金利は下落。
- 金は続伸し1515ドル台に。原油価格は反落。世界的な株価の下落から
景気減速に伴い消費量が減るとの懸念が強まった。
本日の注目イベント
- 独 1-3月期独GDP(確報値)
- 独 5月独IFO景況指数
- 米 4月新築住宅販売件数
- 米 5月リッチモンド連銀製造業指数
- 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
- 米 ホーニング・カンザスシティー連銀総裁講演
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 デューク・FRB理事講演
ドル円は比較的値幅も出て、欧州市場にかけては81円台前半まで円買いが進んだものの、
NY市場では円売りが優勢となり、結局「行って往い」(いってこい)の展開となりました。
世界的に株価が軟調に推移し、株式市場から債券市場に資金シフトが起こりつつあるなか、
為替市場ではドル高傾向が優勢な状況になっています。
やはり昨日のメインはユーロの動きでした。
市場はユーロにとってのマイナス材料には敏感に反応します。
昨日は格付け会社S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)が
イタリアの格付け見通しを「スティブル」から引き下げたことに加え、
ユーロ圏の景気を示す指標が悪化しており、さらにスペインでは与党労働党が
地方選で敗退したことが重なりユーロが全面安の展開になりました。
ユーロは追加利上げ観測を背景に対ドルで1.4940まで買われたのが5月4日でした。
それからわずか3週間で1.3968まで売られ、
高値から約1000ポイント(約6.5%)の下落を記録しています。
金利先高観は残るものの、追加利上げの実施時期は読めない状況から
「ユーロの買い材料」がはく離し、
一方で欧州の財政危機問題が再度注目され始めたことが最大の理由かと思われます。
ユーロドルの下落はテクニカルで見ても非常に重要な水準にさしかかっています。
「週足」の200日移動平均線が1.4001にあり、昨日はこの水準を抜けていましたが、
「週足」であることから現在はこの平均線に絡んでいるところです。
来週もしこの水準を下回って始まると、
「週足」を下抜けしたことになり長期的な下落を示すことになるからです。
昨日は欧州時間に1.3968まで売られ反発しましたが、
この水準はちょうど「日足」の雲の下限に当り跳ね返されたものと見られます。
その意味ではテクニカルに沿った動きをしているとも言えそうです。
ちなみに昨日の安値を抜けた場合、
次のタ-ゲットは1.3852(日足の120日移動)ということになります。
ドル円は81-82円のレンジ入りした可能性が徐々に高まってきました。
昨日も欧州市場で「避難通貨」として買われ、81円32銭を付ける場面もありましたが、
NY市場では円売りが進み82円台まで「ドル高円安」に推移しています。
NY市場では株式市場が大幅に下落し、債券が買われました。
これまでならば、米長期金利の下落からドル円では
「ドル安円高」に振れることが一般的でしたが、
昨日は長期金利との相関関係が崩れています。
「ダウが130ドル安の割にはドル円がしっかりしている」、
そんな印象を持たれた方も多かったのではないでしょうか。
問題はこの水準からしっかり82円台に乗せ、
さらに82円30銭近辺を抜け、82円台定着が図れるかどうかです。
ユーロが売られ、豪ドルも売られ、市場では「ドル高」がジリジリを進んでいることから、
円も売られ易い地合いかと思われますが、ユーロ円の売りが加速するようだと、
ドル円では円買いが出てくる可能性もあり、
いわゆる「ドル高、円高」の展開も考えられなくはありません。
特にこのところは、円とドルが他の主要通貨に対して同じ動きをする傾向があります。
80円割れが徐々に遠のきつつある中、
まだドル円が上昇に向かうかどうかは確認できないというのが現状です。
今週の動きが興味深いところです。
豪ドルもユ-ロ同様売られています。
商品相場の下落が続いていることに加え、
中国の経済活動を示す指標の悪化が発表されたことで一段と売られています。
NY市場では1.04台後半まで下落し、約1ヵ月ぶりの安値を記録しています。
史上最高値である1.10台前半からは500ポイントを超す下げですが、
豪ドルの対ドルレートは過去にも何度も調整を繰り返し上昇を続けてきました。
特徴的なことはその調整は概ね400-600ポイントで、
その後上昇に転じる傾向があることです。
今回の最高値からの下落も500ポイントを超えてきていることから
「反発」の期待ももてるかもしれません。
ユーロの下落が止まるという前提に立てば、
1.04台から下値では買い場を探すスタンスでもいいと思われますが、
ユーロがさらに売り込まれるか、
資源価格の急落時には撤退することも忘れてはなりません。
- [2011/05/24 09:38]
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ドル円81-82円レンジ入りか?
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は81円台半ばから後半での狭いレンジで小動き。
重要な経済指標もなく、このところややドルが買い戻される展開が続いて
いるものの、明確な方向感にかける。 - ユーロは格付け会社フィッチがギリシャの格付けを3段階引き下げ、さらに
引き下げられる可能性を残したことから売られ、対ドルでは1.41台
前半まで下落。 - ユーロは対円でも115円半ばまで下落し、他の主要通貨に対しても
弱含みの展開に。 - 株式相場は3日ぶりに下落。ギリシャの債務問題や、衣料品小売大手
ギャップの利益予想がアナリスト予想を下回ったことなどを材料に
ダウは93ドル安。 - 債券相場は上昇。株安やギリシャの格下げに反応したことから
価格は上昇し、長期金利は下落。 - 金は大幅に反発し、1週間ぶりに1500ドルの大台を回復。
原油価格も大幅に上昇したものの、100ドルの大台には届かず。
本日の注目イベント
- 日 3月景気動向指数(改定値)
- 独 ワイトマン・独連銀総裁講演
- 独 5月独製造業PMI(速報値)
- 独 5月独サービス業PMI(速報値)
- 欧 5月ユーロ圏製造業PMI(速報値)
- 欧 5月ユーロ圏サービス業PMI(速報値)
- 欧 バローゾ欧州委員・ファンロンパイEU大統領、講演
- 欧 メルケル独首相・ユンケル・ユーログループ議長、会談
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
前日、3週間ぶりに82円台前半まで上昇したドル円は、
大幅な下落こそなかったものの82円台を試す展開でもなく、
81円台半ばから後半で一進一退の動きを見せ、取引にも特徴がありませんでした。
一方、ユーロは、英格付け会社フィッチがギリシャの格付けを一気に3段階下げ、
さらに一段の引き下げの可能性を残したことから
再び同国のソブリンリスクが意識され、市場はユーロ売りで反応しました。
また、ECBの政策委員会メンバーが、ギリシャが債務の償還期限を延長した場合、
ECBはギリシャ債をリファイナンスオペの担保として受け入れられないかもしれないと
発言したこともユーロ売りの手掛かりとなったようです。
ギリシャ国債の格下げは、材料としてはすでに織り込み済みであったと思われましたが、
再び蒸し返され、ギリシャ国債の利回りが
過去最高水準まで上昇したことでユーロ売りに繋がった格好です。
今後ギリシャ問題は債務再編を含めた
ある程度の方向性が示されるまで材料視されるかと考えられます。
先週、ドイツ紙がギリシャのユーロ圏からの離脱を報じ、ユーロ急落につながりましたが、
最悪のケースではその可能性もあるのではないかと考えられますが、
今朝の経済紙でもフランス中銀のイワイエ総裁は、
金融危機は「ギリシャが最も深刻だ」と述べ、
さらに改善に向けては「大がかりな改革と調整がいる」との見方を示していました。
ユーロ圏にとって
「アイルランドとポルトガルまでは何とかなるが、ギリシャだけは・・・。」といった
印象を受けたのは私だけではなかったように思います。
ドル円は81円台を固める動きのようにも見られますが、
82円台定着もそう簡単ではなさそうです。
足元では先ず、81-82円のレンジを形成するのかどうかが注目されます。
円を買う材料は見当たらないものの、
先週発表された景気先行指数などのように米経済指標にも悪化傾向が見られ、
これが米長期金利の下落に繋がっており、ドルの上昇を押さえている状況です。
上記81-82円のレンジが常態化し、
時折82円抜けを試すような展開になれば80円割れも遠のき、
ドル高に振れることも見込まれますが、足元ではまだ何とも言えません。
ドルを積極的に買う状況ではないとすると、
ユ-ロは上記ギリシャ問題という「爆弾」を抱えており、
円はそもそも低金利が当分続くという問題があり、
いずれも「帯に短し・・・・」といった状況と言えます。
しばらくは、発表される材料に振り回される展開が続き、
明確な方向感は出てこないとの前提でトレードするしかないのではないでしょうか。
FRBが注目する、失業率やPCEコア・デフレーターなど、
「出口戦略」の実施時期が「ぼんやりと」でも見える状況までは
我慢のトレードが続くと思われます。
今週は80-83円のレンジを予想しますが、
27日の週末には上記PCEコア・デフレーターが発表されますので、
ここには注目してみたいと思います。
- [2011/05/23 10:03]
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82円台に乗せるも上値は重く、一進一退。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は欧州タイムに81円台後半で推移していたが
新規失業保険申請件数の発表をきっかけに82円台に乗せたものの、
中古住宅販売件数などの悪化が上昇分を帳消しにする形となった。 - ユーロドルは欧州タイムから荒い値動きで上げ下げを繰り返していたが、
商品相場の下落幅縮小、グゲレルECB理事の発言などを背景に1.43台を示現。 - NYダウは続伸。経済指標の結果に値が上下するものの、
上場されたSNS大手のリンクトインが公開価格の2倍以上の値を付け、
相場を全体押し上げた。 - 債券相場は新規失業保険申請件数の好結果から売られたが、
その後に発表された経済指標が市場予想を下回ったことから買い戻された。 - 金は小幅に反落、原油は急反落。米経済指標の悪化を受け
原油需要後退観測が広がり売り優勢に。原油安につられて金も
売られやすい地合いとなった。 - 4月中古住宅販売件数 → 505万件(市場予想は520万件)
- 週間失業保険申請件数 → 40.9万件(市場予想は42.0万件)
- 4月コンファレンス・ボード景気先行指数 → -0.3%(市場予想は+0.1%)
- 5月フィラデルフィア連銀製造業指数 → +3.9(市場予想は+20.0)
本日の注目イベント
- 日 白川・日銀総裁記者会見
- 欧 5月ユーロ圏消費者信頼感
- 独 4月独生産者物価指数
- 加 4月カナダ消費者物価指数
- 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
NYでは経済指標に左右された相場となりました。
ドル円は欧州タイムから82円台手前でもみ合いが続いていましたが、
昨晩の21時30分に発表された好結果の新規失業保険申請件数で、
米景気回復期待からドル買いを誘い一気に82円台を示現しました。
しかし、23時発表の経済指標は市場予想を下回り
一日かけた上昇分を相殺した展開となりました。
特にフィラデルフィア連銀製造業指数の結果が予想から大きく下回ったことが
米景気回復鈍化を表しているように思えます。
少なからず東日本大震災の影響が米経済にも出ているのではないでしょうか。
昨晩の値動きにより、米経済次第でドル円相場の行方が概ね見えてきてしまうということを
実感できた思われます。
米景気の回復期待をしていますが、
現状の米金融政策に対して昨日にフィッシャー・ダラス連銀総裁が
「現在の金融政策に満足していない」「金融当局は『少しやり過ぎた感がある』」などと
発言をしており、一方、ほぼ同じ時間帯にエバンス・シカゴ連銀総裁は
「景気の緩やかな進展、金融緩和策を正当化」「米金融当局は政策変更する段階にはない」
との発言をしていることからFOMCにおいて足並みが揃っていないと思われますので、
FOMCの政策では早い段階でのドル高はまだ難しいと読みとることができそうです。
ドル円は82円台に乗せましたが、やはり上値は重いようです。
上記の経済指標や要人発言も理由の一つですが、
テクニカルから見ましても上値の重さが分かります。
「4時間足」の200日移動平均線または、
「8時間足」の100、200日移動平均線が82円前半に確認できます。
さらに、「日足」では100日移動平均線でピッタリで止められています。
本日は米経済指標の発表がありませんので材料難の中、テクニカルを意識した動きや
ユーロの動きに左右されたり、株式相場、債券相場、商品相場の影響受けながら
上値を探る展開と予想します。
ユーロはギリシャの問題を解決できるかという点と、
金利を上げるかという点が注目されております。
昨日にグゲレルECB理事が講演での
「物価安定は金融の安定性のために必要」と発言おり、
物価を安定させる為に、利上げを示唆していると考えられます。
もちろん、利上げする、利上げ観測を強まる場合はユーロ高につながります。
ギリシャを始めとするユーロ圏の財政問題が解決されなくとも、
利上げ観測の方が注目されてしまえば一時的とはいえ、
ユーロ買いが優勢となってしまいます。
まさに先々週までのユーロ高は利上げに注目されていたと考えられます。
そして、昨日にはトリシェECB総裁が
ギリシャの債務再編懸念を払拭させるような発言を一部報道されており、
こちらもユーロ高を誘う内容と受け止められます。
財政問題はそう簡単に解決できないことは日本を見れば分かると思いますが、
何らかの問題抱えていたとしても、別の材料があれば相場は動いてしまうものです。
テクニカルでは1.44台まで買い戻しの余地がありそうですが、
ドル同様、上値は重たく、先週のように下落する可能性を十分あります。
下値としては1.42台半ばから前半にかけてと見ています。
1.41台に入ると下落が加速すると思われますので油断大敵です。
どの通貨に関しても難しい相場が続いてますので、
ポジション管理には改めて注意が必要です。
良い週末を・・・。
- [2011/05/20 10:59]
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ドル円再び81円台後半へ。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 昨日のアジア市場から欧州市場にかけては上値の重い
展開をみせていたドル円はNY市場では再び上昇し、
81円台後半までドル高が進む。 - 4月のFOMC議事録が発表され、出口戦略への道筋が
明らかになったことでドル買いに繋がる。
長期金利も4営業日ぶりの上昇でドル買い戻しを後押し。 - ユーロなど主要通貨は小動きだったものの、ドル円で円売りが進んだ
ことから、クロス円でも円売りの流れが優勢に。 - BOE議事録も公表され、6対3で政策金利据え置きが決められていた
ことで、利上げ観測が後退しポンドは下落。 - 株式相場は大幅に反発。3日連続で下落したことに加え、
パソコンメーカー、デルの四半期利益が予想を上回ったことからダウは
80ドル高となり1万2500ドル台を回復。 - 債券相場は4営業日ぶりに反落し長期金利は小幅に上昇。
- 金、原油はともに大幅反発。金は1500ドル台目前まで買い戻され、
原油は在庫の減少が確認され、3ドルを超える大幅高で100ドル台を回復。
本日の注目イベント
- 日 1-3月期GDP(第1次速報)
- 日 日銀金融政策決定会合(5/20まで)
- 欧 トリシェ・ECB総裁講演
- 欧 レーン・欧州委員講演
- 米 4月中古住宅販売
- 米 週間失業保険申請件数
- 米 4月コンファレンス・ボード景気先行指数
- 米 5月フィラデルフィア連銀製造業指数
- 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
- 米 フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
- 米 エバンズ・シカゴ連銀総裁講演
昨日の朝方の東京市場で81円台半ばでもみ合っていたドル円は、結局上値が重く、
その後はこれまでと同様にドル「ジリ安」の展開となり、
欧州市場では81円を割り込む場面もありました。
このため、「やはり上値は重い」との印象が頭をもたげていましたが、
今回はややこれまでとは違っていました。
NY市場のオープンにかけてはドルが徐々に買い戻され、
FOMC議事録が公表されると、前日の高値付近まで「ドル高円安」が進みました。
4月26-27日のFOMCでは、追加緩和第2弾(QE2)を予定通り6月末で終了し、
その後も金融緩和政策を継続するとのコメントから「出口戦略」の実施時期が後退し
「ドル安円高」に振れたことは記憶に新しいところでしたが、
そのFOMCでは「出口戦略」への道筋がある程度明確に議論されていたことで、
ドル買い戻しに繋がっています。
メンバーの大半が政策金利を引き上げた後に
保有する資産を売却することが望ましいという意見で一致しており、
フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の引き上げは
「積極的な手段」として利用することを支持していました。
また、数名のメンバーは
「インフレリスクが高まっており、それはFOMCが現在見込まれているよりも早く、
緩和の度合い低下に向けた措置を講じることを
正当化する形でおそらく経済情勢が展開することを示唆している」
と議事録で記されています。(ブルームバーグ)
このように足元では金融緩和は継続されてはいますが、
同時にインフレに対する警戒感も依然根強く、
FRBが予想しているよりも
早めの金利正常化の可能性があることが議論されていたことから、
ドル買い戻しに繋がったようです。
また「タカ派」とみられているブラード・セントルイス連銀総裁は
「一部のインフレ指標は高くなっており懸念材料ではある」とし、
「下期に景気が改善すれば、厳密に監視しなければならない」と、
年内にも政策引き締めを開始する可能性があることを
ブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで明らにしています。
現状では「出口戦略」の実施時期に関する大方の市場関係者の見方は2012年としており、
一部には2013年にずれ込むとの見方もあります。
今後ドル円が上昇に向かうには今回のように「円売り材料」ではなく
「ドル買い材料」が出てくることが求められます。
消費者物価指数、PCEデフレーター、雇用統計などがますます注目度を増してきそうです。
現在ドル円は81円65-70銭近辺と、ドル高値圏で推移していますが、
この水準からのドル上昇は緩慢になりそうです。
今後大きく上昇するには、先ず17日のNY高値である81円77銭を抜き、
その上で「8時間足」の200日移動平均線がある82円09銭、
そしてその上の、同120日線の示す82円34銭を抜くことができるかどうかです。
さすがに、80円割れのリスクはやや遠のいてきています。
これまでの取引レンジだった80円台前半ー81円台前半から、やや上方にシフトされ、
80円台後半ー81円台後半のレンジに移ったと思われます。
30分から8時間足までの「遅行スパン」は全て「好転」で足並みを揃えてきました。
下値のメドは4時間足の120日がサポートする81円16銭あたりが重要かと思います。
金、原油などの商品相場の反発に加え、株価の大幅上昇を背景にリスク許容度が増し、
低金利の円とドルが売られ「円安、ドル安」の流れに傾きつつあります。
本日は日経平均株価も100円程度の上昇が期待され、株高はドル高に繋がります。
どこまで上値を追ってくるのかじっくり確認したいと思います。
- [2011/05/19 09:42]
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ドル円動意を見一時81円台後半に。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 円が主要通貨に対して売られる展開に。
ドル円は東京タイムから81円台に乗せ、これまで重かった81円
20-30銭を抜け上昇。海外市場でも日本企業によるM&Aを
材料に「ドル買い円売り」が進み、一時81円77銭までドル高に。 - ユーロ、豪ドル、ポンドなども対ドルで上昇。ポンドはインフレ圧力
が高まり利上げ観測から買われ、1.63台に乗せるがこの水準を維持できず
反落。 - 株式市場は朝方から大幅に下落。米経済指標の悪化に加え、
ヒューレット・パッカード(HP)が業績予想を引き下げたことが背景。
ただ、午後に入ると下げ幅を縮小しダウは68ドル安で引ける。 - 債券相場は続伸。住宅着工や鉱工業生産が低めの数字だったことから
買い優勢となり、長期金利は小幅に低下。 - 金は3日続落し1480ドルに。原油価格も続落し、ほぼ3ヵ月ぶりの
安値を記録。経済指標の悪化から需要が減少するとの思惑。 - 4月住宅着工件数 → 52.3万件(-10.6%)
- 4月建設許可件数 → 58.5万件
- 4月鉱工業生産 → ±0%
本日の注目イベント
- 英 BOE金融政策委員会議事録
- 英 4月英失業率
- 米 FOMC議事録(4/26.27日分)
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
ドル円が久しぶりに動意づきました。
これまで80円台前半から81円台前半でのレンジ相場の中、
どちらかと言えば上抜けする可能性のほうが高いと指摘してきましたが、
昨日ようやくその動きが出たようです。
昨日の東京時間午前中から81円台に乗せ、
これまでも81円台には乗せますがそこでの滞空時間が短く、
すぐに80円台に押し戻される展開が続いてきました。
市場参加者の多くが「80円割れは遠のいたが、上値も依然として重い」との
印象を深めていた状況でした。
しかし昨日は81円台に乗せても下がる気配はなく、
欧州時間にかけては、これまで重いとされてきた81円20-30銭が抜けてきました。
さらに欧州勢が本格的に参入すると、
円は一段と売られ81円台半ばを超える水準までドル高が進みました。
市場では日本企業によるM&Aの資金手当てや、
白川日銀総裁が日本経済は「大変厳しい」と発言したことを手がかりに、
持ち高調整の「ドル買い円売り」が入ったとの声もありました。
円は対ドルだけではなく、対ユーロやスイスに対しても売られ、
ユーロ円も1週間ぶりに116円台前半まで上昇し、
ここ2日で3円も値を戻す結果になっています。
昨日もこの欄で指摘したように、81円台に乗せると
「1時間足」では「三角保ちあい」(さんかくもちあい)を上抜けする状況でした。
さらに、「日足」でもMACDがすでに「ゴールデンクロス」を示現しており、
その後すぐに「8時間足」では重要な指標である「遅行スパン」が好転を示すなど、
ドル円上昇の環境は整っていたと言えます。
ドル円は欧州市場で81円77銭まで上昇し、NY市場にかけては反落していますが、
これは「8時間足」で雲の上限に頭を押さえられたことに加え、
金、原油などの商品相場が続落し、欧州各国とNY株式市場が下落し、
「リスク回避」の流れに沿った展開になったことが主因かと思います。
この結果米債券が買われ、これまで通り長期金利の下落から
ドル円も81円台半ばに押し戻されたものです。
短期的には上抜けしたドル円ですが、
このまま上昇を予想するにはまだ無理がありそうです。
さらなる上昇には、昨日のドル高値を抜け81円80銭を抜けきることが必要です。
さらに、82円12-30銭には
「120日」および「200日」の移動平均線が控えています。
今後さらにドルが上昇するためには「ドル買い材料」が欠かせません。
残念ながら、昨日も住宅着工件数、鉱工業生産はともに期待外れの内容でした。
特に住宅市場の回復が遅れているとの印象が払拭(ふっしょく)されていません。
一方下値のメドは、昨日まで「1時間足」では抵抗線だった80円98銭が、
今度は一転して支持線になることから重要なサポートになります。
その前にもNY市場での底値近辺である
81円25-30銭あたりがマイナーなサポートになろうかと思います。
ドル円はようやく動き出し、上値を試す展開にも見えますが、
これまでもドルの反発は何度も頭を押さえられ、
その後下落し円の最高値を更新してきた経緯があります。
ドルの本格的な転換は「週足」の雲がある88円台に明確に乗せる必要があります。
それまでには何本も越えなくてはならないハードルがこの先に控えています。
しばらくは、ドルがここからもう一段上昇する力があるのかどうか、
あるいはこれまで通り再び値を崩し
「元の鞘」に戻って行くのかをじっくりと確認したいと思います。
- [2011/05/18 09:35]
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ユーロ圏財務相会合の結果受けユーロ反発。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は値幅も少なく80円台後半でのもみ合いに終始。
欧州市場で81円台に乗せる場面があったものの、追随する
向きもなく材料不足の感も否めず。 - ユーロは反発。ユーロ圏財務相会合でポルトガルに対する
救済策を決めたことが背景。ユ-ロ円もアジア市場では113円台
半ばまで下落したものの、急速に買い戻され115円台に乗せる場面も。 - ユーロ圏財務相会合はポルトガルへの780億ユーロ(約9兆円)の
救済策を承認。一方、ギリシャに対する追加支援は先行き不透明。 - 株式市場は続落。欧州問題がくすぶっていることに加え、NY連銀
製造業景況指数が予想を下回ったことからダウは47ドル安。 - 債券相場は小幅に上昇。株安から資金が短期債に向かっており、
10年債も買い物を集め長期金利は下落。 - 金、原油価格は下落。原油価格は大幅な調整が続き、この日も
2ドルを超す大幅な下げで97ドル台に。 - 5月NY連銀製造業況指数 → 11.88
- 5月NAHB住宅市場指数 → 16
本日の注目イベント
- 豪 RBA議事録
- 中 温家宝首相、ファンロンパイ・EU大統領と会談
- 独 5月独ZEW景気予測指数
- 英 4月英消費者物価指数
- 米 4月住宅着工件数
- 米 4月建設許可件数
- 米 4月鉱工業生産
ユーロがようやく反発しました。
昨日のアジア市場では対ドルで1.40台半ば、
対円でも113円台半ばまで下落したユーロでしたが、
ユーロ圏財務相会合を控えて買い戻しが進んでいる状況でした。
その後、財務相会合ではポルトガルに対する救済策を全会一致で承認したことで、
ユーロがもう一段買い戻され対円では115円台前半まで上昇しました。
救済策では、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)と
欧州金融安定メカニズム(EFSM)が救済額のそれぞれ3分の1となる
260億ユーロを負担し、IMFが同様に260億ユーロを負担し、
合計780億ユーロ(約9兆円)を支援することで合意しました。
ポルトガルの救済期間は3年間で、
これでギリシャ、アイルランドに続き3ヵ国目となったわけです。
一方、ギリシャに対する追加支援はまとまらず、
ドイツのショブレ財務相は、
ギリシャ向けの新たな救済策に関してどのような決定も下さないのは「確実」だと述べ、
欧州およびIMFの当局者がギリシャ経済に関する最新の審査を終えていないためだ、
との見方を示しています。(ブルームバーグ)
ギリシャの財政赤字削減は計画通り進まず政府目標を下回っております。
両当局者とも、さらに厳しい財政赤字削減策を求めると経済成長にブレイキをかけ、
景気後退から歳入減につながることを懸念しており、
「債務再編」も含めた救済策がくすぶっている状況です。
ポルトガルへの救済策はひとまずまとまったものの、
ギリシャに対する追加支援については
EU首脳も頭を痛めているといった状況でしょうか・・・。
仮にギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥った場合、
ギリシャ国債を多く保有する欧州の銀行は多額の損出を迫られ、
場合によっては「格下げ」につながる恐れも出てきます。
今後、ギリシャ問題はユーロの相場にこれまで以上に影響を与えるものと思われます。
ドル円は上にも下にも動きません。
材料不足の感は否めませんが、積極的にポジションを取る向きも少ないようです。
特にここ2週間は80円台前半から81円台前半での狭いレンジ取引が続いており、
ややエネルギーもたまってきたようにも思えます。
短期的な値動きを表す「1時間足」では、
5月11日の81円33銭を頂点とする「抵抗線」と、
5月13日の80円34銭を底値とする「支持線」に挟まれた中でドル円は動いており、
「三角保ちあい」(さんかくもちあい)を形成しております。
このパターンはどちらか抜けた方向について行くというのがセオリーで、
81円台に明確に乗せればドルロング、
逆に、80円70銭を切ればドルショートで臨むというものです。

足元のドル円はどちらかといえば「上値の重い」展開です。
その背景には米長期金利の低下傾向が挙げられますが、
その先には米株価の調整が見て取れます。
NYダウは5月初めに1万2810ドルの高値を記録して以来調整を続け、
現在は1万2638ドルで低迷しています。
好調な企業業績と低金利が継続されるとの見方から株価が上昇してきましたが、
株価の上昇は一服です。
株式の専門家ではないので明確な理由は述べられませんが、
株式市場を取り巻く環境は変わらないのに株価が挙がらない理由の一つに、
商品相場の大幅な調整があるものと思われます。
金、銀、原油などはリスク商品ですが、株式も同様にリスク商品です。
リスク商品全体が売られていることで、リスクの少ない債券に資金が流れ込んでおり、
これが米長期金利の低下に繋がっていると思われます。
このように考えてくるとやはり、
株式相場、金、原油などの商品相場からは目が離せないと言うことになります。
- [2011/05/17 09:42]
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ユーロさらに下落し、ユーロ円113円台に。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 株式と商品市場が下落したことを受け、円とドルが買われる
「円高、ドル高」の展開に。 - ドル円は80円台半ばから後半で推移し、前日とほぼ変わらない
水準で一進一退。 - ユーロが急落。対ドルでは1.4065まで売られ、5月5日の
直近高値から約900ポイント下落。ギリシャが債務再編を迫られる
との懸念が強く、主要通貨に対して弱含みで推移。 - 株式相場は大幅に下落。テクノロジー株が下げたほか、欧州の債務を
めぐる懸念などから銀行株も売られ、ダウは100ドル安。 - 債券相場は上昇。商品相場の下落とドル高を材料に10年債利回りは
今年最低の水準に。 - 金価格は下落し再び1500ドルの大台を割り込む。原油は小幅に
反発。 - 4月消費者物価指数(CPI) → +0.4%(市場予想通り)
- 5月ミシガン大学消費者信頼感指数 → 72.4(市場予想を上回る)
本日の注目イベント
- 中 胡錦濤主席、ファンロンパイ・EU大統領と会談
- 欧 4月ユーロ圏消費者物価指数(CPI)
- 欧 3月ユーロ圏貿易収支
- 欧 ユーロ圏非公式財務相会合
- 米 5月NY連銀製造業況指数
- 米 5月NAHB住宅市場指数
- 米 バーナンキ・FRB議長講演
ユーロ相場の行方と商品市況が為替を左右する展開が続いています。
ユーロドルは日本がGW中の5月4日に1.4940の高値を付けて以来
調整が続いていましたが、先週末のNY市場では1.4065まで下落し、
わずか2週間で約900ポイントの下落を記録しました。
さすがにここまで売られると、もはや「調整」という範囲ではなく、ユーロ
の下落基調が鮮明になったようにも思えます。
ユーロはインフレ懸念を背景に、ECBが日米欧の中で最初に利上げ
に踏み切ったのが4月でした。
その後も消費者物価指数(CPI)の上昇が続いたことで、「追加利上げ
期待」が根強く、それがユーロ相場を押し上げ、対円でも123円台前
半まで買われていました。この流れに呼応するように投機筋の「ユーロ
買い」ポジションも急速に積み上がり、5月3日現在の
ネットポジションでは過去最高水準に近い、約10万枚の買い持ちまで
膨らんでいました。
さすがに、先週末に発表になった5月10日現在でのポジションは約6
万1千枚と、4割ほど減っていました。このユーロの持ち高解消の動き
がユーロの下落につながったことは言うまでもありませんが、先週末の
一段の下落を考えると、ポジションの減少はさらに進んでいるものと思
われます。
ユーロの下落は豪ドル、ポンドなど他の通貨にも及んでいます。
その結果ドル高が進み、このところドルと同じ方向に動く円も買われ「円
高、ドル高」の流れになっています。
ドル円の場合は変動率も低く、5月5日に80円を割り込む場面もありまし
たが、基本的にはこの2週間は80円50銭-81円50銭の狭いレンジ内
で動いています。
対ユーロなどでドル高が進んでいることから、85円に向かってドル高円
安が進んでもよさそうですが、むしろ、金、銀、原油などを売却した資金
の受け皿になっており、ここでも「避難先通貨」の一つになっていることが
ドル円の上値を抑えているいるようです。
ユ-ロ円で厳しい状況が続いています。
4月11日に123円32銭を記録して以来、約1カ月間で9円を超える下落
幅です。
現在113円台半ばまで売られたことで「日足」の「120日移動平均線」に
接触している状況です。「日足」ではこのすぐ下の112円91銭に「200日
移動平均線」が来ており、目先はこの水準で下げ止まるかどうかに注目し
ています。
ユーロはこれ以外のテクニカルでもほぼ下落を示唆しており、一目均衡表
の重要な「遅行スパン」でも「逆転」を起こしており、当面は下値を探る展開
は避けられない状況です。
長期のトレンド示す「週足」では、111円76銭に「雲の下限」が来ており、こ
の水準が重要になっています。ギリシャ問題が債務再編も含めて「解決の方
向」に向かえば、市場は再び「追加利上げ」観測に目を向け始めることも考え
られますが、もうしばらくは時間がかかりそうです。
本日は非公式のユーロ圏財務相会合が開かれます。
- [2011/05/16 10:05]
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商品相場の下げ一服でユーロも下げ止まり。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- アジア時間に81円33銭まで上昇したドル円は、上値が重く
ジリ安に。海外市場では80円台後半まで下落するが、円買いの勢い
も弱く、81円を挟み一進一退。 - ユーロは商品相場の下落を受け、アジア市場から欧州市場の
時間帯にかけて売られ、対ドルでは1.41台前半、対円でも
114円台半ばまで下落したが、NY市場では商品相場の反発に
ユーロが買い戻される展開に。 - 株式市場も商品相場の反発を材料に上昇。商品相場に敏感な
銘柄を中心に株価が上昇しダウは65ドル高。 - 債券相場は下落。30年国債の入札が不調だったことや、
株価が上昇したことが材料となり長期金利は上昇。 - 中国人民銀行は預金準備率を0.5%引き上げると発表。
インフレ圧力が依然として強いことから、金融引き締め政策を
鮮明に。今年で5回目の引き上げで預金準備率は21%と高水準に。 - アジアから欧州の時間帯にかけ一段と下落した金、原油は、
NY市場では下げが一服し小幅に上昇。 - 4月小売売上高 → +0.5%
- 週間失業保険申請件数 → 43.4万件
- 4月生産者物価指数 → +0.8%
本日の注目イベント
- 独 1-3月期独GDP(速報値)
- 欧 1-3月期ユーロ圏GDP
- 欧 EU欧州委員会、半期経済見通し
- 米 4月消費者物価指数(CPI)
- 米 5月ミシガン大学消費者信頼感指数
昨日の東京タイムではドル買いが先行し、
ドル円は81円33銭まで上昇し前日のNYでの高値に並んだものの、
その水準を抜けきれずに反落しました。
この水準は「4時間足」の雲の上限にも近く、
結局、雲を抜けきれずに押し戻された格好になっています。
その後、欧州市場にかけては金、原油などの商品相場が下落したことを材料に
ドル売りが優勢となり、80円70銭近辺まで売られています。
足元の為替相場は商品相場との関連性がさらに強まり、
これらが上昇するとドルが売られ、ユーロ、豪ドルなどが買われます。
昨日の夕方には金価格が1480ドル台まで下落し、
原油価格も97ドル台目前の水準まで下落したことから、「ドル買いユーロ売り」が強まり、
「ユーロ円の売り」を誘ったことでドル円が下落しました。
しかしドル円の下落も限定的で、相場はやや膠着(こうちゃく)感が強まり、
80円半ば-81円半ばのレンジ相場を形成しつつあります。
このレンジはちょうど上記「4時間足」の雲の厚さに近く、
結局、雲の中で上限、下限のどちらに抜けるかを試している展開といえます。
さらにドル円そのものの動きというより、ユーロ円などクロス円の動きに影響され易く、
クロス円の上昇はドル高円安に、下落は円高に振れることから、
商品相場の動きをを間接的に受けているともいえそうです。
本日も上記「雲」の上限である81円18銭を抜けるかどうかに注目しますが、
81円台半ばではドル売りも控えていそうで、
特段の材料が出ない限りドルの上昇は限定的と見られます。
一方下値でも、80円70銭あたりはNY市場での底値ということもあり
ドル買い需要も見られそうです。
81円を挟む動きが予想され、東京タイムでは新鮮味に欠ける相場展開が続きそうです。
中国人民銀行は今年5回目となる預金準備率を0.5%引き上げました。
11日に発表された4月の消費者物価指数は2ヶ月連続で5%を上回り、
依然として高水準でインフレ圧力はおさまりません。
これで大手銀行の預金準備率は21%と過去最高水準になり、
人民銀行はインフレ対策が緊急の課題であるとの姿勢を強めた格好になりました。
預金準備率は市中銀行が強制的に中央銀行に預金をしなければならない割合を示し、
21%まで引き上げることによって
市中にある資金を大量に吸い上げることを目指しています。
市中銀行にとっては、預かった預金の21%を人民銀行に再預金しなければならず、
おのずから一般の融資にまわす資金が減少することになります。
ブルームバーグの記事によれば、
今回の引き上げにより約3700億元(約4兆6000億円)の資金が吸収されるそうです。
4月には今年2回目となる政策金利も引き上げられ、現在6.31%です。
これに加え、相次ぐ預金準備率の引き上げを実施したことは、
「経済成長より物価安定」を重視した政策へ方向転換したことを意味します。
2010年度では10%を超える経済成長を遂げた中国でしたが、
一向に収まる気配を見せないインフレに、成長を犠牲にしてもインフレを阻止するという、
いわば「ハードランディング」の姿勢を示したことになります。
「世界の工場」といわれてる中国の経済成長にブレイキがかれば、
世界規模で景気が減速することにも繋がります。
人民元相場も連日最高値を更新していますが、
金融引き締めと同時に人民元高を許容することで
インフレを抑制しようという政策は理にかなっており、
人民元の上昇はさらに続くものと予想されます。
ようやく天気も回復しそうです。
よい週末を・・・・。
- [2011/05/13 09:40]
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ユーロ、ギリシャ問題で続落。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- アジア時間では81円が壁となって上値が重い展開だったドル円は
海外市場では上抜けし、NYでは81円33銭までドル買い戻しが進む。 - ユーロが対ドルで大幅に下落し、市場は主要通貨に対してドルを
買い戻す動きが優勢に。ユーロはギリシャ懸念が再燃したことと、商品市況
が再び急落したことでドル高の流れに押され、3週間ぶりに1.41台まで下落。 - 株式市場は大幅安に。ドルが上昇し商品相場が下落したことが重石となり、
ダウは130ドル安と大幅に下落。 - 株式市場の大幅安とインフレ懸念の後退から債券相場は反発し
長期金利は下落。 - 金、原油価格は大幅に下落。原油価格は在庫が増加していたことや、
ガソリンが2年ぶりの大幅安になったことから再び100ドルを割り込む。 - 10月に任期の切れるトリシェECB総裁の後任に、ドラギ・イタリア中銀総裁
が就任する模様。 - 3月貿易収支 → 482億ドルの赤字
本日の注目イベント
- 日 マネー・ストック
- 日 4月中旬の貿易収支
- 日 4月景気ウォッチャー調査
- 豪 4月豪雇用統計
- 欧 3月ユーロ圏鉱工業生産
- 欧 ユーロ圏月例報告
- 米 4月小売売上高
- 米 週間失業保険申請件数
- 米 4月生産者物価指数
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
金、原油などの商品市況が崩れ、その対価であるドルが買われる。
為替市場では、ドルが買われたことでユーロ、円などが売られ、
とりわけユーロの下落がきつい展開でした。
前日とはまったく逆な展開となり、
このところ商品相場が為替市場に影響を与えるケースが定着してきたようです。
裏を返せば、それほど投機的な資金の流入が続き、
実態以上に商品相場が押し上げられていたことの証左と言えます。
商品市況の中でも特に原油価格の値動きが大きく、
ここ2日間で上昇した分を昨日は一気に吐き出した格好です。
原油のアナリストは「供給は相当だぶついている。商品相場の上昇局面は終わったようだ。」
とのコメントを残していたことが印象的でした。
昨日のアジア時間では81円台に乗せる場面もあったドル円でしたが、
居心地が悪いのか、すぐに80円台後半まで押し戻される展開でした。
海外市場に入ると、ユーロが急落しドルが買い戻されたことを受けドル円も81円台に乗せ、
そのままドルのジリ高が続きました。
「4時間足」の「雲の上限」を抜けたことで81円台後半を目指す展開と見られましたが、
ユーロ円などクロス円の売りがドル円の上値を押さえ、
NY市場は81円00-10銭で取引を終えています。
このためローソク足は再び「雲」の中でもみ合っている状況です。
80円割れは遠のいていますが、
依然としてドルの上値は重く方向感のない展開が続いています。
ユーロが対ドルでもう一段下落すれば、円も連れ安の流れに傾きそうですが、
現状ではその判断も難しいというのが正直なところです。
ギリシャ問題と商品相場という二つの不確定要素があるからです。
商品相場は米国の金融緩和策が根底にある以上、
ここから大きく崩れる可能性は少ないのではないかと見ていますが、
ギリシャの財政問題は一段と不透明感が増しています。
ギリシャでは昨日緊縮財政に抗議するストライキも起きており、
メルケル独首相は「基礎を固めない限り、この厳しい状況を抜けだすことはできない。
ギリシャが何もしないのに支援することはできない」と述べ、
欧州各国主脳の間でギリシャに対する追加支援の機運が後退しているとの見方が高まり、
これがユーロ売りに繋がっています。
ギリシャは財政再建のメドが立たないことから「B」(シングルB)に格下げされており、
ユーロ圏から離脱するのではとの観測も出ています。
観光と海運以外に目立った産業がないギリシャでは歳入の大幅増加は難しく、
増税と歳出削減を進めるほか方法が見当たりません。
さらに年金額減額は公務員の削減を一段と進めなければならず、
これが国民のストライキに繋がっています。
今後折につけ「ユーロ圏から離脱」の可能性が取りざたされそうです。
ギリシャのユーロ圏からの離脱は今のところ市場は「ユーロ売り材料」と捉えていますが、
見方を変えればユーロ圏にとって必ずしもマイナスだけとは言い切れない面もあります。
ギリシャへの財政支援がなくなればドイツなどの財政負担は軽減され、
ユーロ圏全体の経済指標の改善にも繋がります。
いずれはユーロ高に反応する可能性もありますが、
足元では「ユーロ創設以来の試練」と捉えられています。
本日はオーストラリアの4月の雇用統計が発表されます。
雇用者数の増加は3月に比べ大幅に減少し1万7千人増と予想され、
失業率は3月と横ばいの4.9%が見込まれています。
豪ドルもユーロに引っ張られる形で値動きが大きくなっています。
発表内容には注意したいところです。
10時30分に発表されます。
- [2011/05/12 09:45]
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ユーロ下落一服。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は80円台半ばから後半でのもみ合い。
急落していたユーロが買い戻されたこともあり、クロス円でも
円売りが優勢な展開となり、米長期金利が上昇したこともドル円を
押し上げた。 - ユーロドルが上昇。独メルケル首相の報道官がギリシャの債務再編は
検討していないと述べたことや、一部通信社が、ギリシャは新たに
600億ユーロの支援を受けるとの報道が手掛かり。 - 米中戦略・経済対話は人民元の一層の弾力化を進めることで合意。
- 株式市場は続伸。マイクロソフトがスカイプを買収したことなどが
好感され、ダウは75ドル高に。 - 債券相場は反落し長期金利は上昇。このところ上昇していた債券は
今週入札を控えていることから利益確定の売りに押され下落。 - 金、原油は共に続伸。原油は4日ぶりの高値。ミシシッピ川の増水で
石油製品の供給障害の可能性が懸念された。 - シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)は、WTI原油先物取引について
取引証拠金を25%引き上げると発表。
本日の注目イベント
- 日 3月景気動向指数
- 中 4月中国消費者物価指数(CPI)
- 中 4月中国生産者物価指数(PPI)
- 中 4月中国鉱工業生産
- 中 4月中国小売売上高
- 独 4月独消費者物価指数(確報)
- 英 イギリス3月貿易収支
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
- 米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 米 3月貿易収支
ドル円は方向性が定まらない展開の中、
80円台半ばから後半でのもみ合いに終始しました。
重要な経済指標もなく、クロス円の流れを受けた落ち着いた取引だったようです。
81円台ではドル売り意欲も強いと観られ、大台替えには至っていませんが、
短期的なトレンドを見る上で重要な
「1時間足」では80円60銭の上にある一目均衡表の「雲」を上抜け、
さらにその上の「200日移動平均線」も抜けています。
昨日もこの欄で書きましたが、目先80円割れのリスクがやや遠のき、
79円台での「2番底」を確認してきた可能性もわずかながら出てきました。
現状ではドルの上値が重い展開は変わりませんが、
先週末の雇用統計をきっかけにドル買い戻しの動きが
出てきたと見られるのかもしれません。
円買い材料は見当たらない中、
ドル買い材料があればドル円の上昇に繋がる可能性はありそうです。
今後ドル円が上昇するためには先ず81円台にしっかり乗せることが重要で、
その後に「4時間足」の「雲の上限」がある
81円18銭を明確に抜けてくる必要があります。
81円台半ばまで上昇すると「ストップロス」のドル買い戻しも
誘発する展開になるかもしれませんが、
まだ手放しでドル買いに走るわけには行きません。
ユーロの下落が一旦止まったように見えます。
ギリシャの財政問題で、600億ユーロ(約7兆円)の資金援助を受ける報道や、
ユーロ圏離脱観測が否定されるなど、
ギリシャを取り巻く霧が少し晴れ、視界が開けてきたことが背景です。
ドイツのザイベルト首相報道官は電子メールで、
ギリシャの債務再編は「協議されていない」との声明を発表、
ギリシャのユーロ離脱は「これまでも議論されていないし、現在もない」と述べた、
とブルームバーグは伝えています。
ただ、ギリシャの財政再建計画は遅れており、
景気の悪化から財政赤字の対GDP比率は上昇しており、
問題の解決には債務再編などの「荒治療」が不可欠なように思えます。
今後もユーロ乱高下の震源地であることには変わりありません。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が、
WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)原油先物取引の証拠金を
一気に25%引き上げると発表しました。
原油価格は先週初めにザラ場で117ドルまで急騰した後、
わずか1週間で97ドル台(約17%)まで下落するなど、
かなり投機的な値動きになっていることに対応したものです。
WTI原油価格は取引量も多く、既に埋蔵量を上回っているとも言われ、
世界の原油価格の指標銘柄になっています。
米国の金融緩和政策が長期間にわたって継続されていることを背景に
大量の資金がこの市場にも流れ込んでおり、
何かのきっかけで乱高下するリスクを常にはらんでいます。
また、この価格が豪ドル、ユーロ、あるいは
ノルウェー・クローネなどの為替相場にも大きな影響を与えます。
さらに原油取引の決済は米ドルが基本です。
大幅な原油高を背景にサウジなどの産油国には大量の米ドルが溜まっており、
長期間ドル安が続いていることから「資産としてのドルの価値」が低下しています。
このため産油国だけではありませんが、ドル保有国はリスクヘッジの手段の一つとして
「ドル売りユーロ買い」「ドル売り金買い」を行い、
それがさらにドル安に繋がるという悪循環に陥っています。
このように原油価格も為替にかなりの影響を与えることから、
商品相場、株式相場、さらには重要な債券相場からは目が離せず、
相場の先読みが一段と複雑になっていると言えそうです。
- [2011/05/11 09:49]
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ギリシャ国債格下げでユーロ一段安。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 原油、金など大幅な調整局面で売られていた商品相場が反発した
ことでドルが売られ、再びリスク許容度が増しドル安の流れに。 - S&Pがギリシャ国債の格付けをこれまでの「BBー」から
「B」に格下げをしたことからユーロが再び下落。 - 円も避難通貨として買われ、80円19銭まで上昇し、
高値圏で引ける。 - 一方、豪ドル、ノルウェー・クローネなどが資源高の影響から
買われ主要通貨間でもまちまちの動きに。 - 米中戦略・経済対話がワシントンで開催され、ガイトナー財務長官は
引き続き人民元の柔軟な為替レートの運用を求めたものの、依然平行線の
まま溝は埋まらず。 - 商品相場が反発したことから、エネルギー、素材セクターに買いもの
があつまり、ダウは46ドル高。 - ギリシャ国債が格下げされたことで米国債は堅調に推移し、
高値近辺でのもみ合い。 - 金は反発し1500ドル台を回復。原油も6日ぶりに大幅反発し、
102ドル台に。ルイジアナ州にある製油所が洪水の被害に合うのでは
との観測も買いを誘った。
本日の注目イベント
- 中 4月中国貿易統計
- 豪 3月豪貿易収支
- 欧 ビニスマギ・ECB理事講演
- 欧 バローゾ・欧州委員長講演
- 米 デューク・FRB理事講演
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
- 米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
先週大きく調整した商品市況が反発しドルが売られたことから
ユーロを除く主要通貨が買われ、ドル安が進みました。
ドル円も80円台後半まで上昇はしたものの、
81円台に乗せることなく80円19銭まで下落しています。
「4時間足」では一目均衡表の「雲」がローソク足の上にあり
上値を抑えていることは度々指摘してきましたが、
「それにしても上値が重い」というのが率直な感想です。
株高、金、原油などの商品相場高から「リスク許容度」が増し、
豪ドルなど高金利通貨が買われ、ドル安が進む展開でした。
もちろん、その中で円の金利も低いことからクロス円では売られ易いものの、
昨日はユーロの続落に助けられた格好でした。
格付け会社S&Pがギリシャ国債の格下げを発表しました。
これまでの「BB-」(ダブルBマイナス)から、「B」(シングルB)へ、
2段階引き下げられ、特に新鮮味はない発表だったにも関わらず
ユーロは大幅に下落しました。
クレジットウォッチが継続されていることから、
デフォルト(債務不履行)リスクが高まる中でさらに格下げが行われる可能性も残っており、
仮にギリシャがもう1段階引き下げられれば、欧州域内で最低の格付けになります。
先週半ばまでのユーロは「金利先高観とソブリンリスク」との綱引きで、
「金利先高観」が優勢でしたが、先週のECB理事会後の
トリシェ総裁の記者会見から「潮目」が変わった様です。
これまでにもギリシャ格下げの報道はありましたが、
追加利上げ観測に打ち消された格好になっており、市場も特段反応を見せませんでした。
しかし、来月の利上げの可能性が無くなった足元では
「ユーロ圏の悪材料」には過敏な程反応します。
ギリシャの「ユーロ圏からの離脱観測」と「2段階格下げ」という2つの悪材料だけで、
ユーロドルは1.48台から1.42台まで
600ポイントの下落を見せたことは驚きでした。
昨日も書きましたが、シカゴの通貨先物市場でのユーロロングが
過去最高水準にまで積み上がっていたことが背景です。
投機筋もユーロの追加利上げが近いと読んでいたようです。
そのため「ユーロ買いドル売り」のポジションは約10万枚近くまで膨らんでおり、
これがユーロの急落に伴いストップロスのユーロ売りを誘発したものと思われます。
ただ、依然としてユーロ圏の消費者物価指数(CPI)は、
ECBの目標値からは高く、7月以降の利上げ観測は燻(くすぶ)っています。
利上げ観測が再び「綱を引き寄せ」綱引きを優位に進める時には、
ユーロが急上昇するものと思います。
ドル円は80円台でのもみ合いが続いています。
「日足」では上値が見事に切り下がってきて下落傾向を見せています。
下値では80円台割れを実現し、その後81円近くまで値を戻したことから、
やや下げ渋っていることが伺えます。
目先は、昨日一旦上回ってその後割り込んでいる
「1時間足」での「120日移動平均線」を上抜けすることが求められます。
現在80円61銭の値位置にあるこの水準を抜ければ、
短期的な「雲」も上値けが完了することを意味します。
結局、上値が重い展開が続く状況の中、市場は次の材料を待つスタンスと言えそうです。
本日は豪州の貿易収支が発表されます。
対ドルで1.1の史上最高値から商品相場の下落に歩調を合わせるように売られ、
1.05台で折り返している豪ドルですが、依然利上げ観測も根強く、
再び1.1を目指すのかどうか注目されます。
今週は豪州の雇用統計など、
豪ドル自体の材料もありますが同時に中国の経済指標も多く発表されます。
値動きも大きくなりそうですが、
1.05を下回るリスクはそれほど高くはないと観ています。
- [2011/05/10 09:31]
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ギリシャ問題にユーロ急落。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 4月の米雇用統計発表を受け、ドルは主要通貨に対して堅調に
推移。ドル円は80円台前半まで下落したものの、81円目前
までドル買い戻しが優勢に。 - ユーロは対ドルだけではなく、円などに対しても全面安に。
ドイツ紙「シュピーゲル」がギリシャがユーロ圏から離脱する
可能性を報じたことからユーロは急落。先週1週間では1.49台
半ばから1.43台前半と、600ポント以上の大幅下落。 - 株式市場は雇用者数の増加を好感し反発。ダウは54ドル高
の1万2600ドル台に。 - 債券相場は小幅に続伸。ギリシャのユーロ圏離脱観測から
安全資産として買われた。 - 金は4日ぶりに反発し、原油価格は大幅に続落。
ドルが買い戻されたこともあり4日続落。この間の下げ幅は
16ドル(約14%)を超す下落に。 - 4月失業率 → 9.0%
- 4月非農業部門雇用者数 → +24.4万人(民間部門は+26.8万人)
本日の注目イベント
- 独 3月独貿易収支
- 米 米中戦略・経済対話(5/10まで、ワシントン)
4月の米雇用統計はやや驚きの結果でした。
指標内容はまちまちで判断に迷うところでしたが、
結果的には雇用者数の大幅増加が好感されドル高に振れています。
さらに前月の数字も上方修正されており、失業率の悪化はあったものの、
米労働市場の回復を印象付ける内容でした。
特に民間部門雇用者数は26.8万人の増加となり、2006年2月以来の高水準でした。
発表直後からドル買い戻しが進み、ドル円は81円を目指す展開でした。
しかし、この日の主役はやはり値動きの激しいユーロでした。
ドル買い戻しが優勢となる中、ドイツ紙「シュピーゲル」(オンライン版)は、
EUの行政執行機関である欧州委員会が
ギリシャのユーロ圏離脱について話し合うため会議開催を要請したと報じました。
これを受けて、ユーロドルは1.45台から1.43台まで急落しています。
ギリシャのパパンドレウ首相はこの報道について、
「このようなシナリオは犯罪に近い。非公式な場でさえ議論されない」と否定しています。
また、ユーロ圏財務相会合のユンケル議長も
「ギリシャのユーロ参加に関する問題は提起されず、議論もされなかった」
との声明を発表し、ギリシャのユーロ圏離脱の火消しに躍起でした。
EU・IMFから資金融資を受けているギリシャでは、
融資の条件の一つである財政再建が進まず、
2010年度の財政赤字は政府目標を上回る10.5%でした。
財政赤字削減のために財政の出動を抑えたり、増税に踏み切れば、
景気はさらに悪化し税収が減るというジレンマに陥っており、
同国の国債は売りが止まらず長期金利は過去最高水準にまで上昇しています。
このためギリシャの財政赤字削減の目標達成は非常に厳しく、
ユーロ圏離脱という最悪のシナリオも考えられますが、
先ずは目標達成年次の延長を図ることがより現実的だと思われます。
ユーロは消費者物価指数(CPI)の上昇を背景に追加利上げ観測が強く、
買われ続けてきました。
対円で123円台、対ドルでも1.49半ばまで上昇し、1.5台に乗せる
との見方にも説得力があったようにも思えました。
シカゴの通貨先物市場でも、先週末に発表された5月3日のポジションは、
大幅なユーロ買い持ちであったことが確認されています。
前の週に比べ3万枚以上買い持ち額が増えており、
ネットでは9万9516枚とほぼ10万枚の買い持ちでした。
この枚数は2007年7月以降最も高水準の持ち高になっています。
結局、この買持ちの整理がユーロの大幅な下落に繋がったものと思われ、
ある程度整理が進んだ今週末に発表されるポジションは
買い持ち額の大幅な減少が見込まれます。
先週、一時79円台半ばまで売られたドル円は、
ドル買い戻しが進んだとは言え、依然として80円台です。
短期の「1時間足」ではドル上昇の機運は見られますが、
81円40銭辺りの「雲」がカギになりそうです。
85円台からの下落局面でも「一目均衡表の雲」が常に上値を抑えており、
抜けきれなかったことからドルが下落しています。
ユーロドルでさらにユーロ安が進むかどうかもポイントになりそうです。
もう一段ドルが買い戻される展開になれば、
ドル円で円安方向に振れることも考えられますが、
同時に、そのユーロも金など商品相場の動向と、株式市場の行方が大きく関係しています。
ドル円の下落懸念は多少薄らいだ感があります。
中部電力の浜岡原発の突然の停止要請で、
企業の生産活動は減少に繋がる可能性も指摘され、
とくに中部電力管内は自動車、電子部品の生産が活発な地域であることから、
市場規模が大きく関連部品も含めると裾野が広いことからその影響が懸念されます。
先ずは81円台に乗せるかどうか、
さらに上記「1時間足」の雲を上回れるかどうかが焦点です。
- [2011/05/09 09:44]
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ドル円1ヵ月半ぶりに79円台に。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 商品市場の大幅な下落と、トリシェ・ECB総裁の理事会後の
記者会見の内容などから、円とドルが急騰。 - 前日1.49台半ばと、直近の高値を記録したばかりのユーロドルは、
ECB理事会後のトリシェ総裁が利上げを示唆する「強い警戒」という言葉を
使わなかったことで、6月の利上げは無いとの見方からユーロ売りが加速した。 - ドル円も、金、原油などリスク商品が売られたことから円買いが継続。
欧州市場で80円台を割り込み。一時1ヵ月半ぶりとなる79円57銭を記録。
NY市場ではややドルが買い戻され80円台に乗せて取引終了。 - 野田財務大臣は円が再び上昇したことについて「3月18日の上昇とは
異なるものだ」との認識を示し、市場では介入警戒感が後退し円買いが進んだ
側面も。 - 「リスク回避」の動きが加速したことからNY台は一時200ドル近い
下げを演じ、資金は株式市場から債券市場に。ダウは139ドル安。 - 債券相場は続伸。安全資産として買い戻され、長期金利は6日続落。
- 金、原油は大幅に下落。今週1570ドル台の史上最高値を記録した金は
下げが止まらず、一気に1500ドルの大台を割り込む。原油価格も米景気回復の
後退懸念から、約2ヵ月ぶりに100ドルの大台を割り込む。 - 週間失業保険申請件数 → 47.4万件
本日の注目イベント
- 日 マネタリーベース
- 独 3月独鉱工業生産
- 英 4月英生産者物価指数
- 米 4月雇用統計
- 米 ダドリー・NY連銀総裁講演(NY)
- 米 イエレン・FRB副議長講演(ヘルシンキ)
- 加 4月カナダ失業率
これまで上昇を続けていた、金、原油、そして高金利通貨が軒並み急落しました。
要因はいくつかありましたが、やはり最も大きな影響を受けたのが
トリシェ・ECB総裁の記者会見だったと思います。
同総裁は、ECB理事会で政策金利の据え置きを決めた後の記者会見で、
追加利上げは6月ではなく、7月以降であることを示唆しました。
これまで同総裁は翌月に利上げを行う場合、「強い警戒」という言葉を好んで使い、
実際に利上げに繋がった経緯があります。
この日の記者会見では「極めて厳密に監視する」という表現に留め、
市場はこれを「利上げは7月以降」と読んだようです。
実際トリシェ総裁の言い回しには今後の金融政策の行方を色濃く含んでおり、
市場では「トリシェ・コード」(トリシェの暗号)とも呼ばれているようです。
ユーロドルは前日の海外市場で1.4940まで買われ、直近の高値を更新していました。
インフレ懸念が依然強く、市場の一部には6月にも
追加利上げがあるのではないかという見方もあっただけに、
会見後ユーロ売りが加速し1.48台から一気に1.45台前半まで
約300ポイントの下落を見せました。
ユーロ下落の怖さを垣間見た格好となりましたが、シカゴの通貨先物建て玉を見ても、
ユーロ買い持ちが相当膨らんでいたことを思えば、ある程度想定されたことかもしれません。
ユーロよりも先に下落傾向を見せていたのが豪ドルです。
金価格はこの3営業日でザラ場の高値からは90ドル以上の下落を見せ、
まさに「相場は上昇より下落のスピードが圧倒的に速い」とのセオリー通りの動きでした。
商品相場と強い相関関係を持つ豪ドルは
金の下落に歩調を合わせるように売られていました。
今週月曜日に記録した史上最高値1.10台から下げ始め、
1.0536まで売られ、こちらも約500ポイントの下落です。
両通貨とも買われ続けていたことから、これで「調整入り」したものと思われます。
今後の下値のメドですが、
ユーロは急落したためテクニカルが参考になりにくい面もありますが、
1.45割れの水準が8時間足の「雲の上限」と、
1.44台割れが同じ8時間足の「120日移動平均線」がありサポートしそうです。
一方、豪ドルについてはテクニカル通りの動きとも言えます。
昨日NYでの下値は1.0536でしたが、
ここは4時間足の「200日移動平均線」の位置と「ドンピシャ」でした。
さらにこの値位置は8時間足の「雲の下限」ともほぼ一致しており、
強力なサポートレベルであったことが理解できます。
昨日の為替市場では「ドル買い戻し」の動きが活発で、
ドル円でも円安に振れてもいいのではと考えていましたが、
市場全体では「円安、ドル安」が進んでいた訳で、
この巻き戻しで「円高、ドル高」に動いたとの解釈もできそうです。
ユーロ円、豪ドル円などのクロス円が大きく下落したことで、
ドル円では「ドル売り円買い」に作用します。
また、80円割れの水準では介入警戒感もあるなか、
野田財務大臣は「今回の円の上昇は3月18日の上昇とは異なるものだ」と
発言したことで介入警戒感が後退し、円は79円台半ばまで急騰したと見られます。
ドル円は今朝のオセアニア市場では80円台前半から半ばに戻していますが、
テクニカルでは非常に重要な値位置まで来ていると思われます。
「日足」までの短期のチャートではドル売りに傾いており、
「週足」では「一目均衡表」の「遅行スパン」が丁度ローソク足にからんでおり、
再度79円の半ばまで下落すれば「逆転」が完了することが見込まれます。
「週足」で「逆転」が完了するとやや長い期間ドルの下落が見込まれることになり、
今後ドル円の反発する可能性が少なくなることから、注意が必要かと思います。
GW期間中のつかの間の出勤日です。
来週に備えゆっくり休養してください。
良い週末を・・・・・。
- [2011/05/06 10:18]
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商品相場の下落を受け豪ドル急落。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドルが主要通貨に対して下落。相次ぐ経済指標の悪化と
株価の下落からドル売りが進み、ドル円は80円半ばまで下落。 - ドル安の流れからユーロも買われ、1.4940と直近の
高値を更新するも、その後は軟調に。長期金利の低下が続き
ドル安に繋がった。 - 豪ドルは大幅下落。金、原油など商品相場が昨日に引き続き
大幅安だったことが背景。対ドルでは高値から約300ポイント
も下落し、商品相場との関連性が一層強まる。 - 株式相場は続落。商品関連株が値下がりし、ダウは84ドル安。
S&P500は3日続落。 - ADP雇用者数が予想を下回り、米景気の回復の弱さを材料に
債券価格は上昇。長期金利は5日続落。 - 金、原油価格は大幅続落。利益確保の売り圧力が優勢の中、米経済
指標の悪化を嫌気した売りが相場を押し下げた。 - 米4月ADP雇用者数 → 17.9万人(予想は19.7万人)
- 米4月ISM非製造業景況指数 → 52.8(予想は57.5)
本日の注目イベント
- 日 東京市場休場(こどもの日)
- 豪 3月豪小売売上高
- 欧 ECB理事会
- 英 BOE金融政策委員会
- 米 4月ISM非製造業景況指数
- 米 週間失業保険申請件数
- 米 バーナンキ・FRB議長講演
- 米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
ドルは豪ドル、NZドルなどを除く通貨に対してさらに売られ下落しました。
4月のISM非製造業景況指数の大幅悪化や、今週末の雇用統計の前哨戦と
なるADP雇用者数が前月よりも増加していたものの、市場予想を下回って
いたことが背景です。
米景気の回復は依然遅れており、労働市場は緩やに回復しているものの
そのペースが鈍いとの印象を植え付けた格好でした。
そのため、「このペースの雇用増加は状況の改善には繋がるが、本当の意味で
労働市場の改善、景気の持ち直しをもたらすには不十分だ」といった見方が多
かったと、米ブルームバーグは伝えています。
ADP雇用者数は民間部門のみをその対象としていることから、今週末の雇用
統計の内容とは必ずしも一致しませんが、やはり先月の週間失業保険申請件数
の増加傾向などを考えると、余り期待は持てないのではないかと思います。
項目別でも、従業員500人以上の大企業の雇用者数の伸びが鈍く、
従業員499人以下の中堅企業と49人以下の小企業の雇用数が共に前月比
8万4千人増加しており、全体の数字を押し上げています。
また、業種別では製造業の雇用が伸びず、サービス業が大幅に伸びていました。
ドルが売られる中、昨日も書きましたが豪ドルなどオセアニア通貨が売られて
います。
商品相場との相関が強く、ここ2日間で金は約42ドル、原油は4ドル以上
下落しており、豪ドルの下落を引っ張る形になっています。
対ドルでは豪ドルが1.1台を記録したのが今週月曜日(2日)でしたので、
2日間で約300ポイントと大幅な下落となっています。
昨日のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が、米ヘッジファンド
大手の「ソロスファンド」は金、銀の持ち高の大半を過去1ヵ月に売却してい
たと報じたことも、売りを誘ったとの指摘もありました。
大幅な下落を見せたことで、豪ドルは4時間までの短期のチャートでは下落
基調を示しています。
また、日足のMACDでは「デッドクロス」を示現しています。
「8時間足」では遅行スパンが1.07の所でローソク足に絡みそうで、
逆転を起こしそうな気配です。
ただ、この状況は過去にもあり、豪ドルはその後急反発しています。
商品相場の動きにもよりますが、この水準は一旦サポートされるものと見て
います。
3月14日以来一度も遅行スパンがローソク足を上から下を割り込む
「逆転」は見られていません。
またその下には「4時間足」の雲の下限が1.0682にあることから、
一旦はサポートされそうです。
一方で、この水準を割り込むと1.05台前半まで下げる可能性もあり、
大幅な調整に入ったことも考えられます。
これまで一方的に買いこまれ上昇を続けてきただけに、一旦調整に入ると、
「予想外に深い」ことも頭の片隅に入れておきたい所です。
ドル円は1日ごとに上値と下値が切り下がり、レンジそのものが下がっています。
ドルの悪材料が目立ってきたことが主な理由で、そのため米債券が買われ
長期金利が3.2%前半まで低下し、ドル円の頭を抑えています。
80円台半ばまで下落したことで、明日の雇用統計次第では80円割れの
テストの可能性もあるかも知れません。
連休明けの市場参加者の動きと通貨当局の動きにも注意を払いたいところですが、
80円割れがあれば少しづつ拾っていきたいところです。
先月のFOMCで米「出口戦略」の実施時期が考えている程早くはないことが
確認されました。
市場の「ドル先安観」も徐々に醸成され、ドル売りに傾いているのではないか
と思われます。
- [2011/05/05 10:19]
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ドル円、テロ警戒感から80円台に。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は81円を割り込み、一時80円70銭まで下落。
報復テロへの警戒感も高まり、円、スイスフランが買われた。 - 米長期金利の下落もドル円を押し下げた。
- 金、原油など商品価格の急落を受け、豪ドルが下落。
- 対ドルで1.1台を記録した2日の高値から約200ポイント
となる1.08台前半まで売られる。対円でも1週間ぶり
となる87円台に。 - 株式市場はまちまち。商品関連銘柄や小売株が売られ、
- ダウは前日と同水準。ナスダックは小幅安。
- 債券相場は続伸。オバマ政権は緊縮財政を余儀なくされる
との見方も強く、債券価格上昇を見込んだ継続的な買いものも。 - 金、原油は大幅下落。リスク回避の動きと利益確保の
出易い水準だったとの指摘もあり。
本日の注目イベント
- 日 東京市場休場(みどりの日)
- 欧 3月ユーロ圏小売売上高
- 欧 4月ユーロ圏PMI(改定値)
- 米 4月ADP雇用者数
- 米 4月新車販売台数
- 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
- 米 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
ドル円は今年のドル安値と高値の「半値戻し」に当たる80円89銭を割り込み、
80円70銭まで下落しました。
オサマ・ビンラディン射殺によって、米国にとってプラスとの見方から買われた
ドル円は、一転して「報復テロ」の可能性が指摘され、安全通貨とされるスイス
フランと円が買われています。
スイスフランは対ドルで0.86台を割り込み最高値を更新しています。
先週まではドル安の裏返しとしてユーロや豪ドルなど高金利通貨が買い進まれ、
円も連れ高に推移していました。
「リスク選好」の動きに沿ったものと観られていましたが、今週に入ってからは
米国によるオサマ・ビンラディン射殺を契機に「リスク回避」へと市場の流れが
変わり、その中でも「円買い」が進んでいます。
結局、円という通貨は一時的に売られることはあっても、最後には買われるという
「妙な通貨」です。
米国が報復テロの危機にさらされているとすれば、同盟国である日本の円も買う
ことはできないはずですが、市場は長い間の「円高傾向」に慣れ切っているよう
にも思えます。
円の上昇スピードは緩やかで、さらにGWのさなかということもあり、介入警戒
感もやや薄らいでいるようです。
3月18日の協調介入以来、80円の半ばを割り込んだことはありません。
80円に近付く水準ではさすがに警戒感も高まるものと思われます。
3月11日に76円台まで急騰した円は、その後85円台まで売られ、
現在「2番底」を模索しているところです。
心理的な節目である80円台を割り込めば再び、76円を試しに行く可能性も
ありますが、戦後最大の危機に直面している現状を考えるとその可能性は低いと
思います。
足元の「円高」は基本的には「ドル安」の影響によるもので、ドルの信頼が回復
されるのを待つしかありません。
日本はもう一日連休を残していますが、本日ADP雇用数が発表されることで、
市場は「雇用統計」モードに入ります。
このところ3ヵ月連続で改善傾向を示している失業率は、前月と同じ8.8%が
予想されています。
また非農業部門雇用者数はやや減少していると予想されていますが、本日発表の
ADP雇用者数が予想を上回っていれば改善への期待感も出て来ます。
チャートでは、81円20銭辺りまで上昇すれば、短期的なテクニカルでの
ドル反発にやや期待もでてきますが、一方でドルの上昇を抑える「雲」は依然
としてローソク足の上で覆いかぶさっています。
先ずはこの「雲」を上回ることが重要で、下値では「日足」チャートで「雲」が
サポートしていますが、こちらは80円70ー80銭を割り込むと下落傾向が鮮
明になることから注意が必要です。
約1週間ぶりに87円台まで下落してきた豪ドル円は短期的には戻り売りの展開が
予想されます。
昨日、政策金利が据え置かれたことは市場予想通りでしたが、商品相場との関連性が
高い豪ドルは金などの大幅下落に連れ安した格好です。
87円20銭を割り込むと、今しばらく下落傾向が続くと観ています。
- [2011/05/04 10:39]
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依然、続くドル安、ビンラディン報道も影響は限定的。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京タイム昼頃にビンラディンの死亡が報道され、
ドル高円安に動いたものの、NYタイムには報道前の水準まで値を戻す。 - その後、ISM製造業景況指数が予想を超えた結果が出たが、
ドル買いは限定的に。前月より悪化したことがドル売りを後押しした。 - 上記の流れの直後、ユンケル・ユーログループ議長の発言により、
ユーロ買いを誘い、ユーロドルは2009年12月以来の1.49台に
乗せるも上値は重く押し戻される。 - ユーロドルが上昇した反面、ドル円では81円04銭まで下落したものの、
下落基調の米長期金利の反発を手掛かりにドル売りは一服し、小幅に反発。 - NYダウは寄り付き60ドル前後の買い先行だったが、
イスラム圏の反米感情や報復テロに対する懸念から徐々に売り圧力が増した。 - 豪ドルは対ドルで東京タイムに1.1ドル台の大台を示現。
NYタイムでは1.1012ドルまで史上最高値更新。 - 債券相場は売り買い交錯から小幅に続伸。長期金利は小幅に続落。
- 金は小幅続伸。一時1577ドル台まで上昇して過去最高値を更新。
原油は反落。一時114.83ドルまで上昇し、2008年9月以来の高値更新。 - 4月ISM製造業景況指数 → 60.4(市場予想は59.5)
本日の注目イベント
- 日 東京市場休場(憲法記念日)
- 豪 RBAキャッシュターゲット
- 欧 3月ユーロ圏生産者物価指数
- 米 ホーニング・カンザスシティー連銀総裁講演
ビンラディン死亡の報道直後、ドル高を誘いましたが、
結果的にドル安の流れは変えられませんでした。
やはり、アルカイダのナンバー2であるザワヒリが健在の為、
各国要人が今後の報復テロに備えだしています。
もし、9.11のようなテロ行為が起こされた場合は更なるドル安が想定されます。
米国だけではなく米国の同盟国などが攻撃を受けた場合も同様です。
さらにユーロ圏への懸念も忘れてはいけません。
今後もアルカイダとの戦いが続くのはもちろんのこと、
報復テロのリスクが強まったと言えそうです。
上記のテロ問題が加わったことでドルはより弱含みになってきています。
依然米国では、金融緩和政策は続くうえ、
最近の米経済指標を見ますと緩やかな回復が続いていると読みとれます。
この状況ではユーロ圏のように利上げが出来ずに低金利のままであり、
インフレ懸念から利上げなど金融引き締めの政策を取っている国々と、
さらに金利差が拡大していきます。
金利差拡大により、ドル安が継続するといったシナリオが長引きそうです。
まさに現在、金利相場が中心と言っても過言ではないでしょうか。
昨日のNYタイムでも、ドル円が81円割る寸前で米長期金利の反発により
81円割れを免れた格好となっていました。
金利を中心に考えますと、低金利の米国と日本だけが取り残されている状況であるため、
今年の相場を振り返って見ても、ドルは主要通貨に対して売られ続け、
円も記録的な円高を除けば、ドル同様に売られています。
「ドル安、円安」が続くのは金利が大きく関わっているからでしょう。
しかし、ドル円相場においては大きく値の変動がありましたが、
「日足」の100日移動平均線や「8時間足」の100、200日移動平均線が
82円半ばで横一直線のように見えます。
これは100、200日のレートの平均であるため、
ドルと円が均衡していると捉えております。
有る程度の期間はこの水準が相場の中心になっているようです。
背景には、ドル安円高のトレンドであり、
80円、79円付近からは協調介入が懸念されていることから
このようなテクニカルチャートが形成されているのではないでしょうか。
以上のことから、当面の間、ドル円相場は
80円~85円の値幅での展開と予想しております。
ユーロや豪ドルなどの利上げ観測が台頭しています通貨は、
今後、調整を挟みながらも上値を更新していくのではないでしょうか。
忘れてはいけないのが、ユーロは財政危機のリスク、
豪ドルは商品相場、中国のリスクを抱えていることです。
調整に気を付けながら、ドルが立ち直るまでは
主要通貨買いドル売りのスタンスが良いと思われます。
- [2011/05/03 10:07]
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ドル安が進み、金、原油、高金利通貨が上昇。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル安がさらに進み、ドルは主要通貨に対して一段と下落。
インフレ懸念の高まっている豪ドルとスイスフランは対ドルで
最高値を更新。 - ドル円もジリ安が続き、81円目前までドル安円高が進む。
株高を背景にリスク選好が継続され、低金利のドルと円が売られ、
円はドルに対しても上昇。米金利の下落傾向がドル円の上値を抑える。 - 株式市場は好決算を背景に4日続伸。この間の上げ幅は330ドル。
ダウは47ドル高で1万2800ドル台まで上昇。 - 債券相場も続伸。低金利が継続するとの見通しが優勢なことと、
シカゴ購買部協会景気指数が市場予想より悪化してたことなどが材料。
長期金利は約1ヵ月ぶりに3.3%割れまで下落。 - 金は大幅に続伸し、一気に1550ドル台に。原油価格も
114ドル目前まで上昇。 - 3月個人所得 → +0.1%
- 3月個人支出 → +0.5%
- 4月シカゴ購買部協会景気指数 → 67.6
本日の注目イベント
- 豪 第1四半期住宅価格指数
- 欧 トリシェECB総裁講演(フランクフルト)
- 米 4月ISM製造業景況指数
ドル円はドルのジリ安が続き、先週末のNY市場では一時81円05銭まで下落しました。
ユーロドルは1.48台後半では、
このころの大幅な上昇から利益確定の売りに押されややドル高に振れていますが、
豪ドルは1.09台後半まで上昇するなど「ドル安」が着実に進行している状況です。
また、スイスフランも対ドルでは0.8655まで上昇し史上最高値を更新しています。
その他、金価格も一気に1550ドルまで買われ、原油も上昇するなど、
ドル売りが加速し、その裏返しで通貨や資源価格が上昇していると観られます。
その結果、インフレ懸念が台頭し、金利の引き上げ観測からその通貨が買われるという
「上昇の連鎖」が市場を支配しているように思えます
先週のFOMCでは予定通り量的緩和は6月で終了しますが、
FRBは当面低金利政策を続けるとの見方が確認された格好になりました。
「量的緩和は終了するけれども、だからといって金融引き締めに移行する訳ではない」
といった見方が市場のすう勢です。
「低金利が当面続く」との前提に立てば、
株式市場にとっては、折からの好決算もあり追い風になります。
また、債券市場でも金利が上昇しないということで買いものを集めるため、
長期金利はさらに低下することになり、「株高、債券高」に繋がっています。
「リスク選好」という流れは
本来「リスクの高い株が買われ、リスクの低い債券が売られる」ことを意味します。
しかし、現実に足元で進んでいる現象は「株高、債券高」で、
これは長期的な超低金利と資金余剰が続いていることによるもので、
厳密に言えば「リスク選好」とは異なっているようにも思えます。
市場が米景気の回復は遅れ気味で「出口戦略」は当分先の話、
と観ていることが底流にあるということです。
先週末、バーナンキ・FRB議長はバージニア州アーリントンで
FOMC終了後初めての講演を行いました。
議長は「景気は緩やかに回復し、歓迎すべき改善が見られる」としながらも、
「ただ、米経済は望ましい水準からは程遠く、
多くの人々や地域が取り残される危険にさらされている」と続けています。
また、「失業率はなお高い水準にとどまっており、
マイノリティーや若者、教育水準の低い人々の間でその傾向が強い」と指摘。
さらに、住宅市場も「回復を抑制している。差し押さえ率は引き続き極めて高く、
差し押さえを回避した多くの住宅所有者も住宅の価値が住宅ローンを下回る
アンダーウォーター(水面下)の状態になっている」と述べています。(ブルームバーグ)
このような議長の認識が、現在FOMCメンバーの共通した認識になっていると思われ、
「タカ派」的な見方はやや後退していると見られます。
特に4月に入ってからはISM製造業景況指数など、
景気を示す経済指標が悪化しています。
このため市場のドル売りは止まらず、
現在のドル円の81円台は「円高」でなく、「ドル安」の結果と見られます。
先週、ガイトナー財務長官もバーナンキ議長も揃って「強いドルは国益」との認識を示し、
ドル安誘導を否定しました。
しかし、ドル安による米輸出企業の好業績や、株高による個人の資産効果は明らかです。
企業業績の拡大が雇用に繋がり、個人消費も拡大して安定するまでは、
「ドル安」を誘導しないまでも、「ドル安」を放置することは可能です。
今週末には4月の雇用統計が発表されます。
今年に入ってからは失業率、非農業部門雇用者数はともに改善傾向が続いています。
この傾向がさらに続くかどうかが焦点ですが、市場は失業率が横ばい、
非農業部門雇用者数は前月から若干の減少を予想しています。
ドル円では今年の値幅の半値である、
80円89銭までドル安が進むかどうかが焦点になります。
ドル安がさらに進めばこの水準のテストがあるかも知れませんが、
その時にはユーロ、豪ドルなどは「大台」を変えていると思われます。
そう考えるとクロス円の買いに妙味がありそうです。
- [2011/05/02 09:53]
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