ドル円反発し80円半ばに。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は反発。米長期金利の上昇や株価の反発を材料に
80円台半ばまでドル高が進む。
ドルがユーロに対して買い戻されたことも支援材料に。 - ECBとBOEはともに政策金利据え置きを決定。
トリシェ総裁はその後の記者会見で「強い警戒」との文言を
使ったことから7月の利上げ観測が高まったものの、インフレ圧力は
低下するとの見通しを示したことでユーロは下落。 - 一方で、利上げ観測の高まったNZドルは上昇するなど、ドルに対する
主要通貨の動きはまちまち。 - 株式市場は7日ぶりに反発。4月の貿易収支で、輸出額が過去最大に
なっていたことや、消費者信頼感の改善が示されたことでダウは80ドル高と、
このところの下げ基調は一服。 - 債券相場は反落。30年債入札が不調だったことに加え、株価の反発
もあり債券価格は下落、長期金利は上昇。 - 金、原油はともに上昇。原油価格は10日ぶりに102ドル台に迫る。
- 週間失業保険申請件数 → 42.7万件
- 4月貿易収支 → 437億ドルの赤字
本日の注目イベント
- 中 中国5月貿易収支
- 独 独5月消費者物価指数(確報)
- 英 英4月鉱工業生産
- 英 英5月生産者物価指数
- 欧 トリシェ・ECB総裁講演
- 加 カナダ5月失業率
NY株式市場がようやく反発しました。
7日ぶりの上昇で、この間のNYダウの下げ幅は242ドルにも達していました。
米景気の減速を示す指標が相次いだことから、企業業績の先行きにも不安が台頭し、
株価はじり安基調をたどっていました。
先日のバーナンキ議長の発言で、緩和政策の継続が確認されたにも関わらず、
市場は「景気の悪さ」を材料視し、
春先まで観られた「金余り」だけでは株価は上昇しない雰囲気に変化していました。
株価の下落は債券相場の上昇に繋がり、長期金利の低下を促すことから、
ドルが全体的に下落する「ドル安傾向」が続いていましたが、
昨日はその一連の動きと全く逆の流れとなり、
ドル円も80円台半ばまでドル買い戻しが進みました。
ただ、これで下値不安がなくなったわけではなく、
80円台に完全に乗せたドル円がこのまま80円台を維持できるのか
今後の値動きを観ていく必要があります。
米経済指標の悪化が示されれば、
再び80円を割り込んでいくことも十分考えられるからです。
ECBは理事会で市場予想通り政策金利の据え置きを決め、
その後のトリシェ総裁の記者会見では「7月利上げ」を示唆する発言をしましたが、
2012年のインフレ見通しを3月時点での予想の、
1.7%から上方修正しなかったことからユーロは利益確定の売りに押され、
1.46台前半から1.44台まで100ポイント以上の下落を見せました。
また会見ではギリシャの債務問題について、
「われわれは再編や、へアカット(債務減免)などには賛成しない」と発言したことも、
ドイツなどが求めているギリシャ国債の返済延長などと足並みがそろっていないと見られ、
ユーロ売りに拍車をかけたものと思われます。
まさに「Buy on rumor,sell on news」通りの動きで、
市場は時としておかしな動きをします。
トリシェ総裁は会見の発言で「Strong vigilance」という言葉を用いており、
これは「トリシェ・コード」と呼ばれ市場では利上げのサインと受け止められています。
これで7月の利上げの可能性は高まりましたが、
上述のように先行きの消費者物価指数は低下するとの見通しは変更しなかったことから
格好の利食いの場になったものと思われます。
ただ一方では、利上げは財政赤字に苦しんでいるギリシャなどの国にとって、
景気を冷やすと言う点で、
すんなり追加利上げには踏み切れないのではないかといった見方もあるようです。
2008年9月のリーマンショック直後に
「金融緩和政策」の陣頭指揮をとったトリシェ総裁は、
その任期の最後に「金融引き締め策」への政策転換をとりながら任務を終えそうです。
本日の日経平均株価は100円程度の上昇が見込まれます。
NYダウが反発したことや、
やや円安に振れたことを材料に株価がどこまで戻してくるのか注目されますが、
株高でドル円がどこまで上昇するのかも見極めたいところです。
80円台半ばを超えることができるのか、また上述のように80円を維持できるのか、
さらには今夜のNY市場でも80円台を維持して越週できるのかどうかで、
来週の相場観もやや違ってきそうです。
土日の天気は崩れそうです。
良い週末を・・・・。
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- [2011/06/10 09:36]
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