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FOMCではサプライズなし。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 注目のFOMCでは米景気判断を下方修正したものの、
    事前に予想された内容とは大きな相違はなかった。
    バーナンキ・FRB議長の記者会見も特にサプライズはなく、
    株式市場は下落、債券市場では債券高に振れる。
  • 為替市場では全体的にドル買いで反応。「QE3」などドルの価値下落に
    繋がるコメントなどがなかったことが背景。
  • ユーロドルは1.44台から再び1.43台まで下落。ドル円は朝方80円を
    試す展開があったが、ユーロ安に引っ張られ80円38銭までドル高に。
    しかし、依然として膠着状態からは抜け出せず。
  • 株式市場はFOMC待ちの展開から小動きだったものの、バーナンキ議長の
    会見が進むにつれて下落しダウは80ドル安。
  • 債券市場は量的緩和を拡大する可能性を示唆しなかったことから、それまでの
    上昇分を吐き出す格好で下落、前日比同水準で引け。
  • 金は7日続伸し1550ドル台に。原油は2ドルを超える大幅高に95ドル台を回復。
  • 4月住宅価格指数 → +0.8%



本日の注目イベント


  • 豪   豪4月CB景気先行指数
  • 欧   ユーロ圏6月製造業PMI
  • 欧   ユーロ圏6月非製造業PMI
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   5月新築住宅販売件数





注目されたFOMCでは事前予想通り「QE2」は6月末を持って終了することを確認し、

一部で指摘されていた「QE3」の予定には言及されず

大きなサプライズはありませんでした。



発表された声明文によると、景気回復は

「緩やかなペースで進行中だが、委員会が予想していたよりは幾分ペースが遅い」とし、

今後数四半期をかけて持ち直すとしています。

今年の経済成長を、4月時点での予想3.1~3.3%から、

2.7~2.9%に下方修正しました。

またインフレについては、従来予想を幾分上回ると説明し、

4月時点での予想を若干引き上げています。



結局、金利は据え置かれ、量的緩和拡大の見通しもなかったことから

ドルに取ってマイナス材料とはならず、

主要通貨に対してドルが買われる展開になっています。

一方株式市場では「QE3」への言及がなかったことや、

インフレ見通しを上方修正したことなどが悪材料とみなされ、

大引けにかけては値を崩しています。



FOMC後の会見でバーナンキ議長は、商品価格が下落し、

製造業が日本からの供給混乱を乗り切れば、景気は持ち直す可能性が高い、と指摘し、

欧州の混乱も懸念材料の一つであると述べています。

興味深いのは、

「景気減速は一時的な現象である部分もあれば、長期化する可能性のある部分もある」

としながらも、「われわれは成長加速を確信している」とした点です。

先の会見で述べた「年後半には景気は回復する」との姿勢は維持し、

楽観的な見方を変えてはいません。



さらに議長は、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利を

「長期にわたり」低水準に維持していることに関して、

「(長期にわたり維持する)という文言は、少なくとも2-3回のFOMC会合を意味する」

と述べている点です。

今後開催されるFOMCの予定を見ると、7月には開催されず、

8月、9月、そして11月には今回と同様に2日間の日程で開催され、

バーナンキ議長の記者会見もあります。

議長の発言を考えると、この11月の会合あたりが

重要な節目になってくる可能性がありそうです。



今回のFOMCでは景気見通しは下方修正しながらも、インフレ予想を引き上げています。

さらなる量的緩和には消極的な理由がこのあたりにありそうですが、

原油価格の高止まりなどを背景に、インフレに対する警戒感も堅持していることが伺えます。

このあたりのバランスが今後の「出口戦略」に

微妙な影響をあたえてくることになりそうですが、

少なくとも年内の利上げの可能性はかなり無くなってきたと言えそうです。



バーナンキ議長の会見を受けて、

今朝の為替市場ではやや「ドル高傾向」が強まっているようです。

ドル円では膠着状態が続いていますが、

先週から1週間届かなかった80円40銭レベルを今朝、ワンタッチしています。

そのため短期的な値動きを示す「1時間足」では、

ローソク足が120日移動平均線を上抜け、200日移動平均線に絡んで来ています。

この「1時間足」では上値で抵抗する「雲」も抜けており、

上昇を伺わせるパターンを見せてはいますが、少し長い「4時間足」では「雲」の中に入り、

120日移動平均線がある80円49銭を試そうとしています。

先ずは、目先の80円の半ば、そして80円90-81円にかけて集中している

各時間足のレジスタンスゾーンを抜けることができるかどうかということになります。

3日程連続して80円割れを試し跳ね返されたことで、今度は上値をトライする番ですが、

この水準が抜けずに押し戻されるようだと、

ますます「ドル円離れ」が進むことになりそうです。








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