ユーロドル反発し1.43台に。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は少ない値幅の動きながらもドル高で推移。
ギリシャの緊縮財政案が可決するとの楽観的な見方や、
米長期金利の上昇からドル買い円売りが優勢に。
ただ高値は80円98銭と、81円台手前では上昇にブレイキ
がかかり81円台乗せには至らず。 - ユ-ロが急反発。上記ギリシャ支援の可能性の高まりと、
サルコジ仏大統領の新規提案からユーロドルは1.41台半ば
から100ポイント以上の上昇を見せる。ユーロ円も115円台
まで上昇。 - サルコジ仏大統領は、同国の大手銀行が保有するギリシャ国債
の70%をロールオーバーする方向で合意できそうだと発言。 - 株式市場は大幅反発。ギリシャのデフォルトが避けられる
との見方や、経済指標の内容が予想より悪化していなかったこと
などを材料に銀行、ハイテク株などが上昇しダウは前日比109ドル高。 - 債券相場は下落し長期金利は上昇。2年債入札が不調だったことに加え
株式市場の大幅高からリスク選好の流れに。 - 金は3日続落し、約1ヵ月ぶりに1500ドルの大台を割り込む。
- 原油は小幅に続落し、一時90ドル台を割り込んだが引けは90ドル
台を維持。 - 5月個人所得 → +0.3%
- 5月個人支出 → ±0%
- 5月PCEコア・デフレーター → +1.2%(前年比)
本日の注目イベント
- 英 英1-3月期GDP(確定値)
- 独 独7月GFK消費者信頼調査
- 独 独6月消費者物価指数(CPI,速報値)
- 欧 トリシェ・ECB総裁講演
- 米 6月消費者信頼感指数
- 米 4月ケース・シラー住宅価格指数
- 米 6月リッチモンド連銀製造業指数
- 米 フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
- 米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
ドル円は昨日の週明け東京タイムから堅調に推移し、
81円台乗せには至っていませんが80円台後半での取引となっています。
毎日のように変わるギリシャ支援をめぐる動きから、
ユーロドルが反発し「ドル安ユーロ高」になった一方、リスク回避の流れが
やや後退したことからドル円では、「ドル高円安」に動きました。
先週末の展開とは全く逆の動きとなり、ギリシャ支援が実際に行われるのかどうか、
いよいよヤマ場にさしかかってきました。
フランスのサルコジ大統領はBNPパリバなど、
同国の大手銀行とギリシャ国債の償還に伴うロールオーバー(借り換え)について
合意する見込みだと語っています。
この提案が受け入れられれば、フランスの銀行が保有するギリシャ国債の70%が
ロールオーバーされることになり、サルコジ大統領は他の諸国も
この案に追随することを望むとも述べています。
問題はロールオーバーするにしても国債を保有する銀行が「自発的に」行うかどうかです。
「自発的」でないと、格付け会社などからは実質的にデフォルトであると
見なされる危険があり、今後同債券を担保にECBからの
資金借り入れができなくなる恐れがあるためです。
ここにきてサルコジ大統領が積極的に動いているのも、
フランスに「お家の事情」があるからです。
フランスの大手銀行はギリシャに対するエクスポージャーが
他の欧州諸国に比べ圧倒的に多いことが指摘されています。
同国の国債を保有しているばかりでなく、ギリシャ国内に銀行小会社なども保有し
「リテール業務」にも進出しており、いわばギリシャはフランスにとって「お客様」です。
仮にギリシャ国債がデフォルトに陥った場合、フランス大手行は格下げされることになり、
国際金融市場での資金調達や活動に大きな障害がでてくる可能性があります。
このためサルコジ大統領はこの案に消極的だったドイツも巻き込んで、
欧州全体でロールオーバーに参加するよう呼びかけています。
ドイツ財務相の報道官は昨日ベルリンで、
ギリシャ国債の70%をロールオーバーするフランスの提案を歓迎すると語っています。
ブルームバーグによれば、ドイツはまだ金融機関と協議中だとし、
同国の銀行と保険会社がギリシャ債をどの程度ロールオーバーするかは
決まっていないと伝えています。
ギリシャでは日本時間今夜から緊縮財政案の審議が始まり明日には結果が判明しますが、
市場の見方では承認されそうです。
そのためユーロドルの買い戻しが活発になっていますが、
今後のニュース次第では反落する可能性もあり不安定要因です。
ユーロドル、ユーロ円はともに大きく値が飛ぶことも考えられます。
ポジション管理には十分注意が必要です。
ドル円は昨日もこの欄で書いたように、
「日足」では「三角保ちあい」(さんかくもちあい)を上抜けしています。
同時に一目均衡表の「雲の下限」で頭を押さえられている状況にもなっています。
現在80円94銭にある「雲の下限」を抜けても、
完全に雲を抜けるには81円40銭程度まで上昇することが必要です。
この水準が抜けるのかどうかは議論のあるところですが、
実需のドル売りや利食いのドル売りが待ち構えている一方、
ストップロスのドル買いもありオーダーは売り買い混在しているようです。
資源価格がもう一段下落し、資金が株式市場やドルに向かえば
ドル反発のきっかけにもなりそうですが、
目を米ファンダメンタルズに向けるとその可能性の低いことに気づかされます。
今週末からは7月入りです。
バーナンキ議長が期待する「年後半」が始まることになるわけですが、
「年後半の前半」である7-9月期にどこまで米景気の好転を示す経済指標が
でてくるのかじっくり確認したいと思います。
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- [2011/06/28 09:17]
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