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ドル円3週間ぶりに81円台前半に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ギリシャへの追加支援が行われるとの楽観的な見方や、
    米長期金利の上昇などを背景に、低金利通貨が売られる展開が
    加速。
  • ドル円は81円前後の売りをこなし、6月2日以来となる
    81円27銭まで上昇。ドル円ではドル高が進んだものの、他の主要通貨
    ではドル安が加速したことからクロス円は軒並み大幅な円安に。
  • ユーロドルはギリシャの緊縮財政法案が議会で可決されるとの見方が
    強まり、大きく上昇。トリシェ・ECB総裁が講演でインフレに強い警戒感を
    示したこともユーロ買いに繋がり、一時1.44に迫る水準まで上昇。
    これまでの1.41-1.43のレンジを上抜けした可能性も。
  • 株式市場は大幅高。ギリシャ問題の好転と、原油価格の上昇から
    エネルギーセクターが株高をけん引。ダウは連日100ドルを超す
    上昇を見せ1万2200ドル目前に。
  • 債券相場は大幅続落。連日の株高と5年債入札の不調から価格は
    下落し、10年債利回りは6月14日以来の3%台乗せ。
  • 金、原油はともに反発。原油価格はギリシャのデフォルト回避見通しと、
    国立ハリケーンセンター(NHC)がメキシコ湾で熱帯低気圧が発生する
    可能性を指摘したことも買い材料に。
  • 6月消費者信頼感指数 → 58.5
  • 4月ケース・シラー住宅価格指数 → -3.96(前年比)
  • 6月リッチモンド連銀製造業指数 → 3



本日の注目イベント


  • 日   5月鉱工業生産
  • 欧   ドラギ・イタリア中銀総裁講演
  • 欧   6月ユーロ圏消費者信頼感
  • 欧   ファンロンパイ・EU大統領講演
  • 独   メルケル・独首相講演
  • 米   5月仮契約住宅販売指数
  • 米   ラスキン・FRB理事講演
  • 加   カナダ消費者物価指数(CPI)





「三角保ちあい」(さんかくもちあい)を日足チャートでは上抜けしたドル円は、

6月初めに記録して以来の81円台前半まで上昇しました。

81円手前にはテクニカルでの重要なレジスタンスが集中していると指摘しましたが、

上抜けしたドル円はその水準にあった売りをこなし、

さらに81円20銭程度までの売りもこなし上昇しました。

おそらくはレジスタンスポイントを抜けたところにはストップロスのドル買いがあり、

その執行が相場を押し上げたものと思われます。



ひとまず最初のハードルを超えたドル円ですが、

この先にも多くのハードルが立ちふさがっています。

現在、日足では一目均衡表の「雲」に入っていますが、

この雲はそれほど厚みもなく、抜けるにはそれほど難義ではありません。

雲の上限は81円34銭のところに位置していることから、

81円台半ばまで上昇すれば「上抜け完了」ということになりますが、

その上の81円58銭には「8時間足」の200日移動平均線が待ち構えています。

ドル円はここ数年、米経済指標の改善が発表される度に上値を試し、

その後もみ合いから下落して行くパターンが続いています。

そのため「吹いた所は売り場」といった相場観も定着しています。

「ドルが上昇したらショートメイクのチャンス」と考える市場参加者が、

「ドルショートが機能しなくなった」といった相場観を

持つようになるまではドルの本格的な反転はありません。

そのためには上記81円58銭の200日移動平均線を超えることが最低条件となります。



このように足元ではテクニカル的に観ても、ドル上昇の流れに傾いていると思います。

ドルの需給で見れば81円台前半は輸出筋中心にドル売り意欲も強いと思われます、

それでも81円台、もしくは80円台後半から大きく値が崩れなければ、

上記81円台半ばをテストする可能性も出てくると思われます。

ドル売り意欲が強い中、81円前後の水準が維持できるかどうかが焦点になりそうです。



ドル円が80円割れのリスクを徐々に取り除き、

81円台まで戻った明確な理由は特に見当たりません。

あえて探せば、以前にも指摘しましたが、

「明確な理由もなく売られ続けていた米株式市場」が反転してきたことが挙げられます。

株高は投資家のリスク許容度を高めることから、為替市場では「リスク選好」、

つまり、高金利通貨が買われ低金利通貨が売られます。

その結果、ドル円では「ドル買い円売り」、

その他主要通貨では対ドルで豪ドル、ユーロなどが買われることになるため今後も

「米株式市場の先行きをどう読むか」が重要になります。



ユーロドルは連日大きな値幅を伴って乱高下しています。

言うまでもなく材料はギリシャの緊縮財政法案の行方です。

昨日から法案の審議が始まっていますが、

市場のコンセンサスは「可決」との見方でユーロ買い戻しが進んでいるのが現状です。

ギリシャ国債を保有する金融機関がロールオーバーに応じるというフランス案に

ドイツの銀行が29日にも政府と協議し、

合意に達するのではないかとメディアは報じています。



一方首都アテネでのデモは一部で暴徒化し、負傷者も多く出ているようです。

仮に法案が議会を通ったとしても、

格付け会社がギリシャ債をどのように位置づけるのか・・・。

また赤字削減が今後スケジュール通りに達成できるのかといった根本的な問題も残ります。

専門家の中には「単なる先送りだ」といった声もあり、

ギリシャ問題はまだまだ尾を引きそうです。



このことに関して格付け会社、英フィッチのソブリン格付けの責任者は

24日付けのフィナンシャル・タイムズ(FT)に寄稿し、

ギリシャ国債を保有している金融機関のロールオーバーについて

「そのようなシナリオをフィッチはソブリン債デフォルトイベントと見なし、

ギリシャのソブリン債を制限的デフォルト格付けとする公算が極めて大きい」

と述べています。

また、フィッチは「文言だけでなく真髄において判断する」とも

強調しています。(ブルームバーグ)

このように、本日緊縮財政法案が議会で可決されたとしても

同国債の格付けを巡っては大きな波乱がありそうです。








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