ギリシャの財政法案可決でユーロ続伸。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ギリシャ議会で緊縮財政法案が可決したことを受けユーロが主要通貨に
対して上昇。対ドルでは1.4449まで買われ2週間ぶりの高値を記録。
ユーロ円も117円目前まで買われ3週間ぶりの水準に。 - ドル円は昨日のアジア市場では81円台での取引が続いていたものの、
海外市場でユーロドルが上昇すると下落し、NY市場では80円台半ばまで下落。
その後やや値を戻したもの81円台前半では依然売り意欲も強い。 - 豪ドル円は6月15日以来の86円台まで上昇。ユーロが対ドルで上昇した
ことに引っ張られ、豪ドル/米ドルでも1.06台後半に。 - 株式市場は3日続伸。この間の上げ幅は320ドルを超え3月以来最大。
ダウはギリシャのデフォルト回避への前進が評価され72ドル高。 - 債券相場は続落し長期金利は上昇。株高から安全資産である債券が売られ、
投資家の「リスク選好」が進んだことが背景。 - オバマ大統領は財政赤字削減のため、富裕層に対する減税をやめるべきだとの
見方を記者会見で示す。 - 金、原油は続伸。原油価格は在庫が予想外に減少していたことを受け、前日に続き
大幅続伸し95ドル台に迫る。 - 5月仮契約住宅販売指数 → +8.2%
本日の注目イベント
- 独 独6月失業率
- 欧 ユーロ圏5月マネーサプライ
- 欧 ユーロ圏6月消費者物価指数(CPI)
- 欧 トリシェ・ECB総裁欧州議会で証言
- 米 週間失業保険申請件数
- 米 6月シカゴ購買部協会景気指数
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 米 ホーニング・カンザスシティ連銀総裁講演
ギリシャの緊縮財政法案が議会で可決されるとの見通しから、
ユーロドルは昨日のアジア時間から堅調に推移し、
欧州市場に入ると1.44台に乗せ、1.44台半ばまで続伸しました。
緊縮財政法案は結局、155対138の僅差で可決され
デフォルト回避に向けひとまず最悪の事態は避けられた格好です。
しかし、具体的な削減策を示す関連法案が
本日から審議されるためまだ安心はできません。
EU・IMFに示した赤字削減計画が予定通り実施できるのかどうかの懸念も残り、
今度の日曜日の行われるユーロ圏財務相会合で
「第2次支援策」がどのような形で決まるのか予断は許しません。
ギリシャが緊縮財政案を議会で可決したことで
ユーロは主要通貨に対して幅広く買われほぼ全面高の展開でした。
この影響は株式市場にも波及し、NYダウは大幅に上昇しその結果債券が売られ、
10年債利回りは3.1%台まで上昇するなどかなりの影響が出ています。
リスク資産が買われ、安全資産が売られるという典型的な
「リスク選好」のパターンが観測されています。
この流れは為替市場にもおよび、低金利の「円とドル」が売られ、
高金利の「豪ドル・ユーロ」などが買われています。
特にユーロはギリシャ問題を背景に売り込まれていたこともあり、
先週の底値からは300ポイント以上も上昇しています。
また、来月のECB理事会では政策金利の再引き上げ観測が高まっており、
ギリシャ問題で忘れかけられていた「利上げ」に再び光が当たってきたようです。
7月7日のECB理事会までは
「ソブリンリスクと利上げ観測」の綱引きが再開されそうです。
一方ドル円はさすがに動きが出てきたもののまだ方向性ははっきりしません。
昨日は81円を挟む展開が続き、底堅い動きにはなっていましたが、
ユーロが対ドルで強含むと円高方向に向かい
80円台半ばまで円買いが進む場面もありました。
相変わらず円自体の材料に欠けることから動きが鈍く、
特に東京時間帯では朝の9時から10時までが「ゴールデンタイム」となっており、
それ以降は「開店休業」状態が続いています。
勝負は欧州時間からNY時間にかけて、ということになるのでしょうか。
それでもテクニカルを観ると、
30分足から4時間足までの短期的な動きを示す時間足では全て上昇傾向を見せています。
あとは、8時間足の200日移動平均線が抵抗する81円53銭が「当面の目標」です。
また下値では80円50銭前後が重要となります。
先週まで抵抗していた一目均衡表の「雲」がサポートしているからです。
今朝方もユーロドルが続伸し1.44台後半まで上昇していますが、
ギリシャ問題が依然くすぶっているとは言え、
チャートを見る限りほぼ全ての足で上昇を示唆してます。
ここはチャートを信じるのであれば、
6月初旬に記録した1.46台後半がターゲットになりそうです。
ユーロドルは上昇傾向を示し、ドル円の下落は限定的と観ればクロス円全般に
「上昇バイアス」がかかっているように思えます。
引き続きユーロドルが相場の流れをけん引すると見られます。
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- [2011/06/30 09:24]
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