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NYダウ、金価格ともに3日続伸。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 米経済指標の内容は悪化を示していたものの、市場への影響はなく
    ドル円は小動き。76円台半ばから後半で推移し値幅も20銭程度。
  • ユーロは1.45台でもみ合った後、景況感の悪化が伝えられると
    1.44台割れまで下落。3日ぶりに1.43台後半まで売られる。
  • シカゴ連銀のエバンス総裁はメディアとのインタビューで、さらなる
    追加緩和が必要との考えを表明。
  • 株価は3日続伸。FOMC議事録では一部のメンバーが一段の緩和が
    必要との立場を示していたことが材料となり、ダウは20ドル高。
  • 債券相場は反発。消費者信頼感の悪化が安全資産の債券買いに繋がり、
    価格は上昇、金利は小幅に低下。
  • 金は大幅高で1800ドル台に乗せる。追加緩和が実施されるとの
    見方が強く、先回りした資金が金、原油価格を押し上げた。
  • 6月S&Pケースシラー住宅価格指数 → -4.52(前年比)
  • 8月消費者信頼感指数 → 44.5



本日の注目イベント


  • 日   7月鉱工業生産
  • 独   独8月失業率
  • 欧   ユーロ圏8月消費者物価指数(CPI)
  • 欧   ユーロ圏7月失業率
  • 米   8月ADP雇用者数
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 米   8月シカゴ購買部協会景気指数
  • 加   カナダ第2四半期GDP





8月に開催されたFOMCの議事録が公開されました。

議事録では、少数のメンバーが景気浮揚と失業率の低下に向け一段と積極的な措置を

支持するとの考えを示していたことが分かりました。

先週末のジャクソンホールでのバーナンキ議長の講演内容とも合致しており、

9月のFOMCでは何らかの緩和策が打ち出される可能性が高まってきました。



8月のFOMCでは、国債の追加購入など景気押し上げに向けた様々な手段について

議論を行ったことも明らかになっています。

さらに長めの国債を購入し長期金利の低下を促し、

住宅ローン金利をさらに押し下げる効果を狙ったり、

超過準備金の金利を現在の0.25%からもう一段引き下げる案などが議論された様です。

また少数のメンバーは景気回復が「なおも多少不安定」であり、

より実質的な行動を支持していました。



シカゴ連銀のエバンス総裁は昨日CNBCのインタビューで

「私はFOMCのメンバーの中で最も積極的な政策を支持している」と、

自らの立場を鮮明にしていることから、

同総裁を中心にさらなる追加緩和が議論されたものと見られます。

一方、追加緩和を実施した場合、原油価格等の高騰を招き、

インフレ圧力を増加させることになる点については特に議論が無かったようです。

昨日の金や原油価格の上昇は、追加緩和期待が価格を押し上げたものと思われます。



先週の金曜日以来、NY株式市場は3連騰し、急落した金価格は急速に切り返し、

原油価格も約1ヵ月ぶりに90ドルに迫ろうとしています。

まさしく、市場が追加緩和を織り込み始めてきたことの証左です。

このような状況になると米金利の低下が見込まれ、

金利差からドル円が円高方向に推移するとの見方もできそうです。

ただ、一段の追加緩和は株価にとってプラスに働き、

株価の上昇が債券売りに繋がり米金利が上昇すると見ることもできます。

このあたりは実際の市場の反応を見なければわかりませんが、

米長期金利の低下余地は限られていると見ています。



このところ大きな値動きはなかったものの、

堅調に推移しているユーロが3日ぶりに下落しています。

ユーロ圏の景況感が大幅に低下したことが背景ですが、

やや景気鈍化の兆しが観られ追加利上げ観測が後退してきています。

南欧の財政問題は依然としてくすぶるものの、

ECBによる積極的な国債の購入でソブリンリスクは一段落しています。

以前にも述べましたが、こうなると市場はユーロ圏の景気に目を向け、

ユーロ圏をけん引してきたドイツの景気にややブレイキがかかって来たことを

意識し始めたところです。

先週発表されたifo企業景況感指数やZEW景気予測指数が急速に悪化しています。

本日もドイツの8月の失業率が発表されますが、

悪化しているようだとユーロ売りに拍車がかかることにもなり注意が必要です。



ユーロドルのテクニカルを観ると、1.4320が重要なサポートポイントかと思います。

この水準は7月12日の1.3837からのトレンドラインにあたり、

このレベルを上回っていることが上昇の条件になろうかと思います。

もっとも、上値もここ約3ヵ月間は1.45台半ばが抜けずに

頭を押さえられる展開が続いています。

また、ユーロ円はここ数週間109円半ばから111円半ばが抜けずに

明確な方向感は掴みにくい状況になっています。

ドル円が大きく上昇し、78円台に乗せるような事態にならない限り

ユーロ円の大幅な上昇は見込めないと思われます。

週末の雇用統計に期待、というところでしょうか・・・。










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バーナンキ議長追加緩和を示唆。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • 米ジャクソンホールでのバーナンキ議長の講演は、「QE3」に

    関する具体的な言及はなかったものの、9月のFOMCの開催期間を

    2日間に延ばすなど、追加緩和に含みを持たせた。

  • ドル円は講演直後77円台に戻す場面があったが、追加緩和の

    可能性を否定できないことから76円台半ばまでドル安が進み引ける。

  • ユーロドルも一旦は売られたものの、緩和期待から買われ1.450

    を伺う水準まで反発。議長講演による為替へは影響は限定的だった。

  • 株価は乱高下。「QE3」への言及がなかったことで、一時200ドルを

    超す下げを見せた後、FRBは幅広い選択肢を持つとの発言を材料に急反発。

    結局、ダウは134ドル高で取引を終える。

  • 債券相場は続伸。バーナンキ議長が具体策を示さなかったことに反応し、

    価格は上昇し長期金利は小幅に低下。

  • 金は大幅に続伸。「リスク回避」の流れは変わらないとの見方から

    見直し買いが入いり、34ドルと大幅高。

    原油は依然小動きで85ドル台で変わらず。

  • 第2四半期GDP(改定値) → +1.0%

  • 8月ミシガン大学消費者信頼感指数 → 55.7



本日の注目イベント


  • 日   民主党代表選

  • 独   独8月消費者物価指数(速報)

  • 欧   トリシェ・ECB総裁、レーン・欧州委員会委員長証言

  • 英   ロンドン市場休場(バンクホリデー)

  • 米   7月個人所得

  • 米   7月個人支出

  • 欧   7月PCEコア・デフレーター

  • 米   7月仮契約住宅販売件数

  • 米   8月ダラス連銀製造業水準



注目のジャクソンホールでのバーナンキ議長の講演は市場の反応を最小限

に抑えた「絶妙な内容」でした。具体的な「QE3」への言及はなく、株

式市場を中心に「失望売り」が加速するや、9月のFOMCでは追加の金

融緩和策を検討するとし、会合を2日間に延長すると発表しました。

市場はいずれ「QE3」は実施されるとの見方に傾き、株価は上昇し、ド

ル安傾向が強まりました。



議長は「米景気の回復の勢いは想定よりも弱い」との認識を示し、何らか

の手を打たなければならないとの姿勢を示したわけです。

そのため「FRBは幅広い政策手段をもっている」ことを強調しています。

9月のFOMCの開催期間を2日間に延期し、そこで追加緩和策を協議す

るとのメッセージを市場に送っています。

会合は9月20日ー21日に行われますが、今後約1ヵ月間ある時間軸の

中で経済指標の変化を吟味し、どのような追加策を実施するかを検討する

様です。

結局議長は、市場に失望感を与えずに時間を稼いだわけが、米景気の現状

からすると、何らかの緩和策が取られる可能性はかなり高いを思われます。

ただ、それでも単純に追加緩和を実施すればいいわけではなく、政策運営

はますます難しさを増してきそうです。


今後の米経済指標がますます重要なってきますが、その中でも特に「イン

フレ指標」には相当意識をするのではないかと思います。

8月のFOMCでは2013年半ばまでは現行の低金利政策を継続するこ

とを決めましたが、反対票が3票ありました。

反対票の根拠は「インフレを招く」というものです。

昨年の同じ時期FRBは「QE2」を実施しましたが、当時とはインフレ

圧力が全く異なっています。

そのため米経済指標の中でも特に「CPI」と「PCEコアデフレーター」

には注意が必要です。これらの数値が2%に近づくようであれば追加緩和の

実施が見送られる可能性もあるからです。

「景気の悪化」と「インフレ懸念」が進む中でバーナンキ議長も厳しい判断

を求められそうです。



先週ドル円は約2週間ぶりに77円70銭まで反発しましたが、やはり上値

は重く76円台に押し戻されるのにそれ程時間はかかりませんでした。

上値が重いことはある程度確認できたことから、今週はどこまで下値があるか、

あるいはその際の政府・日銀の介入姿勢を探る展開になろうかと思います。

政府・日銀としても「バーナンキ議長の講演を確認してから」との考えがあっ

たものと推測され、ドル安が進んだ場合には、当然介入を実施してくるものと

思われます。

個人的には76円台前半から76円台割れでは介入の可能性があると思います。

もちろん、その際の株価の動向も重要な判断材料になるものと思われますが、

今週は重要な経済指標も多く荒っぽい展開になりそうです。

経済指標と同時に米株式市場の動きも重要です。

追加緩和を先取りして株価が堅調に推移してくれば「リスク回避」の流れも多少

弱まり、ドルも極端に売られることはないと思われます。

米株高が進めば日経平均株価も底堅く推移することから、当局の介入の可能性も

弱まります。

一方追加緩和の実施は、米金利は当面上がらず「出口戦略」がますます遠のくこ

とを意味し、金利差からドルが売られ易い状況になります。

市場がどちらの方により傾くのかを見極める必要が出てきそうです。



テクニカルでは77円台前半が重く、下値では76円50銭以下がサポートされ

そうです。

そのため先週と同じような動きが予想されますが、19日に記録した75円95

銭の「長い下ヒゲ」も気になるところです。

今週も頑張っていきましょう。

ドル円2週間ぶりに77円台後半。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は海外市場では終始77円台で推移。77円30銭を抜けたことで
    ドル買い戻しの動きが強まり77円70銭まで上昇。バーナンキ議長の講演を前に
    ポジションを調整する動きが主体。
  • ユーロは再び1.45台乗せに失敗。欧州各国が株の空売り禁止を延長した
    ことが嫌気され1.43台前半まで下落。
  • 株式市場は大幅に反落。ウォーレン・バフェット氏がBOAへの増資を引き受ける
    との報道で上昇したものの、失業保険申請件数が増加していたことや、「QE3」
    への期待感が急速にしぼんだことでダウは170ドル安。
  • 債券相場は小幅に上昇し長期金利はやや低下。
  • 金は前日に続き軟調地合いで始まったが、株価の下落から小幅に反発。
  • 原油価格も商いは低調な中小幅に反発。
  • 週間失業保険申請件数 → 41.7万件



本日の注目イベント


  • 豪   スティーブンス・RBA総裁証言
  • 日   7月消費者物価指数(CPI)
  • 米   第2四半期GDP(改定値)
  • 米   8月ミシガン大学消費者信頼感指数
  • 米   バーナンキ・FRB議長講演(ワイオミング州ジャクソンホール)





ドル円は昨日の東京市場で77円台に乗せてからは

終始77円台での取引で推移しています。

昨日この欄で、77円30銭が上抜けすれば場合によっては

78円程度までドルが反発する可能性を指摘しましたが、

NY市場では78円には届かなかったものの、77円70銭までドル高円安が進みました。

ただ、同時に「リスク回避」の流れは変わらず、

ドルが反転するには材料不足とも書きました。

テクニカル的にはドルが反発しましたが、

それは本日の「ジャクソンホール」前の一時的なポジションの

巻き戻しに過ぎないと思われます。



やはり焦点は株式市場です。

昨日のNY株式市場はやはり値動きが激しく、値幅も大きく、

結局170ドルを超す下落になりました。

著名投資家のウォーレン・バフェット氏が、

このところの株価が急落しているバンク・オブ・アメリカの

50億ドル(約3900億円)の増資を引き受けるとの報道で堅調には始まったものの、

いつものように経済指標の悪化や本日のバーナンキ議長の講演で

「QE3」に言及する可能性が急速に後退したことで株価の大幅な下げに繋がった様です。

VIX指数(恐怖指数)も依然として高止まりしていることもあり、

まだしばらくは株価の乱高下は続きそうです。



株価が大きく下げ、金価格は小幅ですが反発したことは、

市場が再び「リスク」を意識し始めたことと受け止められます。

そうなると「リスク回避」の流れからスイスや円が買われ、

ドル円はドル安方向に動くのがこれまでのパターンでしたが、昨日は違っていました。

厳密にいえばドルスイスは下落し「ドル安・スイス高」に触れていますが、

ドル円では「ドル高・円安」に動いています。

これは上述のように、テクニカルポイントであった77円30銭を上抜けしたことで

「ストップのドル買い」がでたものと思われます。

「4時間足」のローソク足を観ると、

まさに「200日移動平均線」でピタリと上昇を止められ反落しているのが確認できます。

またこの水準は「8時間足」では「雲」の下限あたりの「抵抗帯」に

上値を抑えられたとも言えそうです。

結局、テクニカル通りの動きだったということが言えます。





市場の雰囲気はやや風向きが変わりそうな気配はありますが、

それには78円台にしっかり乗せることが絶対条件になります。

先ずは、77円70銭を上抜けることが必要で、

78円台では10-15銭に抵抗線があります。

この水準をしっかり抜けてくれば、

先週の75円95銭が「目先の底値」になる可能性はありますが、

昨日も書いたようにそこまで米景気に期待はできません。



本日は日本時間23時から注目のバーナンキ議長の講演が始まります。

ここにきて「QE3」への言及はないのではないかという見通しが急速に台頭してきました。

昨年の「QE2」時に比べ、インフレリスクが大きく異なることから

「QE3」の可能性はほとんどないと思いますが、

では議長がどんな一手を打ち出してくるのでしょうか?



バーナンキ議長は言葉を選ぶのが非常にうまい人の様です。

自分が発した言葉で市場がどのような反応をするのかを

かなり的確に読み取ることに長けていると言われています。

「QE3」への言及がなかった場合の市場の反応は既に予想しているものと思われます。

一旦は失望させておいて、後日緩和策を打ち出してくる可能性も否定できません。

市場が発言内容に失望しても76円台で推移していれば、

ドル円が大きく崩れることはないと思います。

今週は政府・日銀による介入の可能性がきわめて高かったものの、

「不発」に終わりそうです。

現行の水準では介入はないと思われますので、

「ジャクソンホール後」ドル円が76円前半に下落した場合には注意が必要です。

当局も「ジャクソンホールでの発言内容を確認してから」といった

スタンスを取っていると思われます。



良い週末を・・・・。









米長期金利の上昇でドル円77円試す。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 昨日の東京時間昼前、政府は円高対策を発表したものの、
    効果を疑問視する見方が強く、ドル円は発表直後からドル売りが強まる。
    海外市場では76円台半ばを割り込んだが米経済指標の好転や、
    長期金利の大幅上昇などから77円付近まで戻されて引ける。
  • ユーロドルは1.44台後半までは上昇するものの、さらに一段の
    上昇には繋がらず1.43台後半から1.44台で一進一退。
  • ムーディーズは日本国債の格付けを1段階引き下げると発表。
    3ヵ月前にも引き下げの可能性が警告されていたこともあり影響は限定的。
  • 株式相場は2日連続の大幅高でダウは1万1300ドル台を回復。
    金価格が大幅に下落したことから、資金が「金から株式へ」流れてきた、
    との声も。
  • 債券相場は大幅に下落し、長期金利は約1週間ぶりの2.2%台に。
    耐久財受注額が予想を大幅に上回っていたことが嫌気された。
  • 金は100ドルを超す大幅な下げで1750ドル台に。利益確定の売りに押され
    急落。株式市場が大幅続伸したことでリスク回避の流れに
    やや変化が現れた可能性も。
  • 原油価格は小動きで85ドル台で推移。
  • 7月耐久財受注 → +4.0%
  • 7月住宅価格指数 → +0.9%



本日の注目イベント


  • 独   独9月GFK消費者信頼感調査
  • 米   週間失業保険申請件数





「ジャクソンホール」・・・。

今世界中が注目している米ワイオミング州の避暑地の名前です。

為替に限らず、株式、債券市場などほぼすべての金融市場は

この地でのバーナンキ議長の講演に集中しています。

われわれ日本人にはあまりなじみのない地名です。

初めてこの都市名を聞いた方も多いのではないかと思います。

実は私もこの名前を初めて耳にしたのは2年前です。

「ジャクソンホール?」、これは多分NYの「カーネギホール」のような

施設の名前かと思ったほどでした。



オハイオ州に住む友人に聞いたところ、

彼も、この地名を聞いたことはあるが、行ったことないと話していました。

中西部のワイオミング州にある避暑地ですが、イエローストーン公園が有名です。

今、為替や株の専門家に相場観を尋ねると必ずと言っていいほどこの地名が出てきます。

やや期待しすぎるのではないかとも思いますが、

明日ここで行われるバーナンキ議長の講演内容が、今最も重要なイベントになっています。



この背景は、市場がそれほど不安定で先行きが見えない状況だからです。

米国債のデフォルト懸念から始まった今回の信用不安は、

米国債の引き下げで株式市場が連日乱高下し、

大量の資金は金や、債券、さらにはスイスフランや円の価値を大きく押し上げました。

まさに「リスク回避」の流れが大規模に起こった結果です。



誰もが今後の相場展開に不安を覚え、予測すら困難な状況に陥っていることから

「バーナンキ議長の一言」に今後の相場展開のヒントを求めているわけです。

しかし、市場をつぶさに眺めてみると

2日ほど前から「異変」が起きていることに気がつきます。

信用不安とドル安の「有力なヘッジの手段」として

買われていた「金」に変化が起きています。

金価格は8月22日の時間外取引で1917ドルという記録的な高値を付けた後

急落しているからです。

昨日は104ドルも下げ、1日で5.7%の下落でした。

1600ドルを超えてからの上昇が急ピッチであったことの反動もありますが、

それにしても100ドルを超える下落は記憶にありません。



「安全資産」を代表するひとつの金が売られたことで、

「リスク資産」の代表の株式が2日連続で大きく買われ、

2日間の上げは460ドルを超えています。

つまり、「リスク回避」の流れに変化が出てきたということです。

バーナンキ議長の講演を前にポジションを手じまっておこうという動きだと思いますが、

もしかしたら「リスク選好」が進む予兆なのかもしれません。

上がり続ける相場はありませんが、下がり続ける相場もありません。

「リスク回避」の流れに歯止めがかかれば当然ドル円は、

「ドル高円安」に向かうはずですが・・・・。

ややドルの反発に期待したいところですが、ポイントとすれば77円30銭でしょう。

この水準を上抜けすれば「4時間足」での抵抗線を抜け、

「一目均衡表」の遅行スパンは「好転」を完成させます。

すでに77円台に一度乗せていることで短期の「1時間足」では

「好転」を完了させています。



テクニカルで観るとややドル反転の兆しが観られますが、

このままドルが上昇する可能性は低いと思われます。

それは、過去にもこのようなケースが何度かあり、

その都度頭を抑えられ結局ドルが下落してきたからです。

注意すべきは、上記テクニカルが正しければ78円台程度までの反発もありえる、

とのイメージを頭に入れつつトレードすることです。

ドルが本格的に反発に転じるのはまだまだ先の話です。

ドル反発には米景気の明確な回復が不可欠です。

手元の米経済指標を探しても、その兆候はどこにも見あたりません。









NYダウ322ドル高と急反発。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 円以外の通貨に対してはドル安が進み、豪ドルは1.05台を回復。
    中国のPMIやユーロ圏の景気指数が予想を上回ったことから、ユーロ、
    豪ドル、NZドルなどが対ドルで上昇。クロス円も概ね水準を切り上げる。
  • ドル円は依然としてレンジブレイクできず、76円台半ばから後半で
    値幅も出ない状況が続く。
  • 株価は大幅に反発。新築住宅販売などの経済指標が事前予想を下回ったことで、
    26日のバーナンキ議長の講演での追加緩和期待が高まり、ダウは前日比322ドル
    上昇し1万1千ドル台を回復。中東情勢の悪化が収束に向かうのではとの楽観論も
    株価を押し上げた。
  • 株高に反応し債券相場は下落。長期金利は大幅に上昇し2.1%台に。
    2年物入札は好調だったものの、30年債は下落。
  • 金は時間外取引で1917ドルまで上昇。ただこのところの急ピッチの
    上昇から、高値警戒感もあり引け値では30ドル安の1861ドル。
  • 原油価格は景気回復期待もあり上昇、85ドル台で引ける。
  • 7月新築住宅販売件数 → 29.8万件
  • 8月リッチモンド連銀製造業指数 → -10



本日の注目イベント


  • 独   独8月ifo景況指数
  • 米   7月耐久財受注
  • 米   7月住宅価格指数





昨日、米国バージニア州を震源とする地震が発生しましたが、

大きな影響はなかったようでひと安心です。

ドル円は相変わらず動きません。76円台半ば以下では介入警戒感があり、

77円に近付く水準では円先高観からドル売り意欲も強く、

概ね76円50銭ー77円のレンジに収束しています。

76円台前半から76円割れの水準では確かに介入がいつあってもおかしくない状況です。

昨日、参議院の財政金融委員会に呼ばれた白川日銀総裁は

「中央銀行として思いきった積極的な政策を常に考えている。

為替市場における取引については極めて注意深くモニターしている」と

委員の質問に答えていました。



介入が実施されれば1円~2円程度は円安方向に持っていかれることから、

ショートで攻める方も相当なリスクを覚悟してポジションを取っています。

いつあってもおかしくない介入警戒感と、

リスク回避に伴う円先高観のせめぎ合いが続いているものと思われます。

特に東京タイムでは介入警戒感が強く、ややドルが上昇しますが、

3時以降は「介入タイム終了」との見方もあり、ドルが下落する傾向があります。

政府・日銀もサプライズを与えるのあれば、

午後3時以降で欧州勢が本格的に参入する前の時間を狙って介入すれば

相当な効果があると思いますが、さすがにそこまではやらないのでしょう。

おそらくここ数日は上記レンジ内での小動きが続き、

26日のバーナンキ議長の講演を待つ展開になろうかと思います。



そのジャクソンホールでの議長の講演ですが、金融市場は非常に注目しています。

昨年もある程度注目されていましたが今回の比ではありません。

その理由は世界的に株価が乱高下し、金融不安が高まっているからです。

また為替市場ではスイスフランと円が記録的な高値で推移し、

両国金融当局も自国通貨高阻止のため奔走している状況が続いているからです。

特に株式市場では昨年バーナンキ議長の「QE2」を示唆する発言から

株価が持ち直した経緯もあり、期待感は相当高まっています。

昨日の株価の急反発も景気悪化を示す指標が相次いだことで、

「QE3」の可能性が高まったと「楽観論」が株価を押し上げています。

株式市場にとっては「夢よもう一度」といったところでしょうか・・・。



これだけ注目されている議長講演だけに、「QE3」への言及があっても無くても、

あるいは米景気への認識を変えても変えなくても相場へのインパクトは大きいと思います。

市場はやや「バーナンキ頼み」に傾いているように思われますが、

どちらにしても値動きは荒く、値幅も大きくなると考えておくべきでしょう。



政府・日銀がこの水準でも介入に踏み切らないのは

「バーナンキ講演を確認してから」という戦略もあろうかと思います。

今、この水準で円安方向に持っていっても、議長が「QE3」に触れた瞬間、

たちまち元の水準に逆戻りしてしまう可能性があります。

場合によっては75円を割り込む可能性さえあろうかと思います。

政策手段が限られる中、政府・日銀としても

介入をより効果的に実施したいと考えているはずです。

バーナンキ講演で、仮に一段のドル安に振れた時こそ、介入の「本気度」が試されます。



豪ドルが対ドルで再び1.05台半ばまで上昇しています。

先週もこの水準まで上昇した後下落に転じており、

1.0550-1.0600が抜けるかどうか注目されます。

「日足」のレジスタンスは1.0560-65にあり、

この水準から上値では売りも出てきそうです。

今しばらく1.02-1.06のレンジが続きそうです。

ドル安が一段と進むようだと上記レベルを抜いてくることも考えられますが、

その可能性はそれほど高くはないと思います。

豪ドル円は81円から81円40銭あたりがポイントになりそうです。









バーナンキ発言待ち、介入警戒感からドル円動かず。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は東京タイムに一時77円台に乗せたものの、その後、材料が乏しく
    76円後半でもみ合う展開が続く。
  • ユーロは対ドルでNYタイムまで上昇を見せたが、株価の下落とともに
    欧州タイムの安値水準まで値を戻す。
  • 株式市場は3営業日ぶりに反発。欧州株高の流れを受け継ぎ、
    一時200ドルを超えたものの、26日に予定されているバーナンキFRB議長の
    講演が控えているため、様子見ムードが広がり引けにかけてジリジリ値を下げた。
  • 債券市場は価格は続落、利回りは続伸。株式買い債券売りの展開も
    引けは下げ渋った。
  • 金は大幅続伸、時間外取引で1900ドル台も示現。原油は株価につられたことで
    大幅続伸。終息しつつあるリビア情勢も背景。



本日の注目イベント


  • 豪   バテリオ・RBA副総裁講演
  • 独   8月独ZEW景況感指数
  • 欧   8月ユーロ圏消費者信頼感
  • 米   7月新築住宅販売件数
  • 米   8月リッチモンド連銀製造業指数
  • 米   グリーンスパン・前FRB議長講演
  • 加   カナダ6月小売売上高





ドル円がまた動きません。

昨日のNYタイムでは値幅が10銭程とかなり狭い値幅となりました。

先週から変わらず、介入警戒感と26日のバーナンキFRB議長の発言を見極めたいとの

思惑から積極的な取引が行われていません。

経済指標の発表も少なく、材料難の中、株価も朝方をピークに下落基調となっています。



リビアのカダフィ政権終焉が投資家心理にプラスとなっているようですが、

やはり欧米債務問題が払拭されないため上値は重いようです。

昨日、ブラード・セントルイス連銀総裁が「ゼロ金利の延長には反対」と発言しており、

FRBの足並みが揃っていません。

さらに「米物価上昇懸念が増しており、追加緩和に慎重でなければならない」との

発言を日経が伝えています。

バーナンキ議長の量的緩和第3段(QE3)についての言及が注目を浴びておりますが、

「QE3」は無いと見ている市場参加者の声もあがっており、

26日まではその見極めのために、もみ合いが予想されますが、

株式相場の乱高下の可能性には注意が必要です。

しかしながら、相場が乱高下した場合でも現状の水準で落ち着くのではないでしょうか。



米国景気先行き不安が続いておりますが、

格付け会社のフィッチが「米住宅市場は底を打った可能性」と発表しています。

今後、住宅関連の米経済指標が改善してくることに期待したいところです。

本日も新築住宅販売件数の発表が控えております。

結果が予想を超えればドル高円安に繋がる可能性があります。



菅首相とバイデン米副大統領との会談が本日の午前中に予定されており、

ドル安円高が議題となると相場にも影響がありそうです。

バイデン米副大統領が米国債購入継続要請などすれば政府・日銀の介入を

事実上、認めたと言えそうです。

もし議題にあがらない場合は失望感からドル安円高の流れを加速させるかもしれません。









ドル円、NYで75円95銭を記録。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • ドル円はNY市場に入ると徐々に値を切り下げ、今年3月に記録した
    76円25銭を割り込むと一気に75円95銭まで下落。
    日本の金融当局者の発言が介入に消極的だったと受け止められたことや、
    米国債の利回りが低下したことなどから円が買われた。引けにかけては
    ドルが買い戻され76円台半ばと、この日の安値圏で取引を終える。

  • ユーロドルは明確な方向感もなく1.43台後半から1.44台半ば
    で小動き。

  • 株式市場は世界経済の先行き不安が払しょくできず、ダウは大幅に下落。
    HP株や金融株が下落しダウは172ドル安と、1万900ドル台を割り込む。

  • 債券相場は上昇。前日最高値を更新した10年債利回りは、この日は小幅に
    下落。30年債などが大きく買われた。

  • リスク回避の流れが一段と進み、金は大幅に続伸。株式市場からの資金が
    流れ込み、一時1881ドルまで買われる。
    引けは1852ドルと投機的な動きを一段と強める。原油価格は小幅に下落。



本日の注目イベント


  • 米   7月シカゴ連銀全米活動指数



先週末のNY市場では、ドル円がついに75円台に突入してます。

とは言ってもドルの安値が75円95銭でしたので、わずか5銭でしたが「75円台」を

記録し、円の史上最高値を更新したことになります。

76円台が定着してから約2週間ほどかかっていますが、個人的には「時間の問題」だった

と思っていたこともあり、驚きはなく、むしろ「かなりに時間がかかった」というのが正直

な印象です。

77円割れの水準では政府・日銀による介入があるものと予想していましたが、

それも76円台半ばでも見られなかったことで、「介入しづらい」と同時に「次の介入では

サプライズ」を狙っているのではないかとの見方に変えていました。

76円25銭という3月につけた円の最高値を更新しましたが、NYでの引け値は前日と

変わらず76円台半ばです。

「最高値更新」の割には線香花火のような終わり方をしています。

短期的な値動きを表す「1時間足」では「長い下ヒゲ」が出ており、これは前回、前々回の

円が最高値を更新した時を全く同じです。

つまり、この後はすぐにもう一段の円の最高値をつけに行く可能性は少ないと思われます。

しばらくは再び76円台での「もみ合い」が続き、その後に75円台のどこかで「最高値を

更新」するのではないかと見ています。

ドルが75円95銭を底値に反発して行く可能性は少ないでしょう。

実態経済の悪化は消費者信頼感指数でも明らかにされており、FRBは今後2年間はゼロ金

利政策を継続すると宣言しています。

加えて、今週末にはバーナンキ議長がワイオミング州ジャクソンホールで注目の講演を行い、

一部には「QE3」にも言及するのではないかと取り沙汰されています。

確かに1年前の講演では「QE2」の可能性を示唆しましたが、現在はその当時と比べて

状況も変わっており、さすがに「QE3」への言及はないものと思います。

米国債の最大の保有国である中国は、米国の量的緩和が通貨高と準備通貨の価値の下落を

招くと、強く非難しています。

自国通貨高で苦しんでいるのは中国だけではありません。ブラジルなど新興国も同様に自国

通貨高による景気の悪化に懸念を表明しています。

また、日本やスイスもある意味同様な状況に置かれており、記録的な自国通貨高に対応を

迫られています。

さらに、1年前よりインフレ懸念は大幅に高まっています。

「QE3」は、その効果以上に資源高をを通じ世界中に「副作用」を拡大していると言えます。

そのため、これ以上の金融緩和策にはFOMCメンバーの、コチャラコタ・ミネアポリス連銀

総裁も明確に反対の立場を示しています。

バーナンキ議長もそのあたりは十分に認識していると思われ、「QE3」実施の可能性は低い

と思います。

しかし、それでも講演で米景気の回復力が想定以上に遅いなど、米景気の現状認識を

「下方修正」するような発言が出ると、再び株が売られ、債券が買われ、ドル安が進む

「リスク回避の動き」が加速することも考えられます。

市場がドル安に傾いている以上「QE3」に触れなくも、まだしばらくはドルのジリ安が

続くのかも知れません。

今朝の経済紙では、政府・日銀による市場介入の可能性が高い、との報道があります。

そのせいか、すでにドル円は反発して取引が始まっており、76円台後半までドル高が進んで

います。

先週末のNYでのドル底値からは1円程度の反発で、「1時間足の下ヒゲ」はさらに長く

なっています。

この水準では、介入の可能性がないことは先週確認されていますが、東京株式市場が大きく

値を下げ76円を割り込む水準では介入の可能性が高まることから注意が必要です。

報道によると、単独でも円売り介入を行い、来月に予定されている日銀の金融政策決定会合も

前倒しで開催し、追加緩和を行う構えの様です。

市場では依然としてリスク回避の流れが支配的であることから、円が先行きもう一段強含むと

見られますが、75円を突破してさらに70円に向かうかどうかは不明です。

円の実力からすればかなり「過大評価」されているとは思われます。

ここから先は「マネーゲーム」の領域に入っていく、と考えてもいいのかも知れません。

NYダウ、またも乱高下。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • NYダウは欧州の株安の流れを受けたことや米経済指標の悪化などから大幅反落。
    一時、下げ幅が500ドルを超える場面もあった。
  • リスク回避の動きが鮮明となり、為替相場ではドル買い円買いが優勢となった。
    ドル円にいたってはほぼ動きなし。
  • 債券は価格が続伸、利回りは続落。一時、2.0%を割った場面もあった。
  • 金は大幅続伸、終値ベースで3営業日連続の最高値更新。原油は急反落。
  • 7月消費者物価指数 → +0.5%(市場予想は+0.2%)
  • 8月フィラデルフィア連銀景況指数 → -30.7%(市場予想は+2.0)
  • 7月中古住宅販売件数 → 467万件(市場予想は490万件)
  • 7月コンファレンス・ボード景気先行指数 → +0.5%(市場予想は+0.2%)
  • 週間失業保険申請件数 → 40.8万件(市場予想は40万件)



本日の注目イベント


  • 独   独7月生産者物価指数
  • 加   カナダ7月消費者物価指数
  • 米   ダドリー・NY連銀総裁講演
  • 米   ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演





また株価が乱高下しております。

先週の荒れていた相場からやや落ち着きを取り戻してきていましたが、

世界的な景気後退懸念が広がりみせています。

背景には米金融当局が欧州系銀行の米国部門の監視を強化しているとの報道から

欧州銀行に対する警戒感の高まりや米経済指標の悪化があげられます。

米経済指標ではフィラデルフィア連銀景況指数が大幅な悪化をみせており、

そのうえ週間失業保険申請件数や中古住宅販売件数も予想以上の悪さから、

景気、雇用、住宅のどの指標を見ても米景気の減速が懸念されます。



ほとんど動きが無くなってしまっているドル円相場ですが、

昨日、財務次官と日銀国際担当幹部が会談したとのことです。

会談内容として「為替相場に関して」とコメントを残しており、

金融政策などについては触れていないとのことから

介入について意見交換がされたのではないかという声もあがっております。

円高の流れの中、介入警戒感が支えとなり76円台でのもみ合いが続いているようですが、

市場では75円台に突入することで介入が入るのではと噂されております。

しかしながら、単純に介入するだけでは効果が期待できませんので、

今まで使用していない手段を試してくるのではないかと思われます。

個人的には介入で利益を狙うのであれば、

介入後の戻りを狙ったトレードが比較的無難ではないでしょうか。

一方では、金融政策中心の対応で、為替介入はもう行われないのではという

意見もあがってきております。



本日は注目の経済指標の発表が無く、目立ったイベントも予定されておりません。

夏季休暇から市場参加者も戻りきっていないうえ、週末ということもあり、

東京タイムからNYタイムまで終始、大きな値動きは期待できません。

リスク回避の動きが継続すると思われますので、

ドル買い円買いが優勢といった地合いになりそうです。

材料が少ないので注意すべきは欧米債務問題の報道と株価の動向です。

あとは瞬間的な投機筋の動きに翻弄されないように気を付けましょう。



良い週末を・・・・。








ドル円、膠着続く。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は欧州市場でややドル安円高に推移していたものの、76円台半ばから
    介入警戒感から積極的に円買いもできず、値幅は20銭程で膠着状態。
  • ユーロはリスク選好の流れや生産者物価指数(PPI)の発表の影響から、
    対ドルで1.45台を示現するものの、上値は重く、1.44台半ばで推移。
  • スイス当局からのコメントが発表されたが、相場への影響は限定的。
  • NYダウはリスク回避の巻き戻しなどで一時120ドル超えたが、
    先行き不透明感が払拭できず、小幅高で引ける。
  • 債券は価格が続伸、利回りは続落。買い優勢だが勢いなく。
  • 金は続伸。原油は小幅に反発。
  • 7月生産者物価指数 → +0.2%(市場予想は+0.1%)



本日の注目イベント


  • 英   7月小売売上高
  • 米   7月消費者物価指数
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   8月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米   7月中古住宅販売件数
  • 米   7月コンファレンス・ボード景気先行指数
  • 加   カナダ7月景気先行指数
  • 米   ダドリー・NY連銀総裁講演





ドル円は相も変わらず膠着状態のままです。

来週、26日に予定されているバーナンキ・FRB議長の講演に注目が集まっており、

介入警戒感も加わり76円台で動きがとりづらい状況となっています。

さらに、サマーバケーションなどから市場参加者が少なくなっていることもあるようです。




その注目のバーナンキ・FRB議長の講演ですが、

昨年のこの講演では「QE2」の導入を示唆したこともあり、

今回は「QE3」について何らかの言及があるのではないかと噂されております。

様子見ムードになり易く、ドル円だけ蚊帳の外といった状態です。

「QE3」による株高の思惑からドル安円高への歯止めとなればいいのですが・・・。



ユーロ問題にまた市場の関心が集まってきています。

先月の下旬から米国の債務問題が焦点となっていましたが、

先週、フランスの財政懸念などが持ちあがり

今週には独仏による首脳会談で「金融取引税の導入」などの合意がなされています。

しかしながら、市場はユーロ共同債や欧州金融安定基金(EFSF)の増額に

期待しているようで明確な具体策が出ると期待したいのですが、

どちらかというと足並みが揃わず難航するのではないでしょうか。

もし具体策が出たとしても、ユーロ財政問題の解決策にはならないと思います。

やはりユーロ圏が安定するにはまだまだ時間がかかると思われます。



本日は米経済指標の発表が複数あり、相場を動かすきっかけになりそうです。

昨日、市場予想を上回った生産者物価指数に続き、消費者物価指数に注目しています。

注意する点として、景気、雇用、住宅の指標が出ますので

各々で相殺するケースが出てくることです。

一喜一憂にならないように株価との関係、影響も合わせて気を付けるべきかと思います。

値幅でいえば、76円台後半から77円台前半までがやはり重たく

テクニカル的にも抜けづらい状況です。



ドルもユーロも不安材料がつきませんので、

狭い値幅で利ザヤを取るか、方向感が出るまで様子見るか。

積極的な行動は来週からでも遅くは無いはずです。








独仏首脳会談では特に新鮮味なし。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • 注目の独仏トップ会談では通貨ユーロの信任維持については話されたものの

    ユーロ圏共同債の発行については微妙な立場の違いを見せ、ユーロ売りに繋がる。

    ユーロは1.43台半ばまで売られたあと1.44台に戻す場面があった。ユーロ圏の

    第2四半期GDPも予想に届かず上値を重くした。

  • ドル円は前日同様、76円台半ばから後半のレンジを抜けず。

  • 米経済指標はまちまち。相変わらず住宅関連指標が伸びず、鉱工業生産は事前予想を

    上回った。

  • 株価は軟調な寄りつきから大きく下げて始まったが、ウォルマートの好決算が

    小売関連株の相場を押し上げたがプラス圏には戻らず、ダウは前日比76ドル安。

  • 債券価格は上昇。独仏会談でユーロ圏共同債への踏み込んだ議論がなかったことで、

    価格は上昇し金利は低下。

  • 格付け会社フィッチは米国債の格付けを「AAA」で据え置くことを正式に発表。

  • 金価格は大幅に続伸し1785ドルで引ける。引け値では史上最高値を更新。原油は反落。

  • 7月住宅着工件数 → 60.4万件

  • 7月建設許可件数 → 59.7万件

  • 7月鉱工業生産 → +0.9

  • 7月設備稼働率 → 77.5




本日の注目イベント


  • 欧   ユーロ圏7月消費者物価指数(確報値)

  • 英   BOE議事録

  • 英   英7月失業率

  • 米   7月生産者物価指数

  • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁講演



ドイツ・メルケル首相とフランス・サルコジ大統領がパリで会談しました。

通貨ユーロの安定を図ることや、独仏で危機感を共有しユーロ圏の一層緊密

な経済統合を追及していくとの声明を発表しました。

しかし、注目された「ユーロ圏共同債券」の発行については微妙に立場が違

うことが判明しています。



サルコジ大統領はこの問題について「いつの日か想定され得るが、発行は欧

州統合プロセスにおける最終段階だ。最初の段階ではない」と、現状ではま

だその準備は整っていないとの立場でした。

一方、メルケル首相は「欧州は持てるリソースをまだ活用しきっていない。ユー

ロ共同債が今の時点で欧州の信頼回復の助けになるとは考えていない」とし

て発行には否定的な立場を表しています。



仮に共同債が発行されれば、加盟17ヵ国の資金調達コストが一つになること

になり、ギリシャ、ポルトガルなど現在調達コストが上昇して苦しんでいる国に

とっては大きなメリットがあり、逆にドイツのように域内で最も安全な債券を発行

している国にとっては調達コストの増加に繋がり到底のめない話です。

ドイツが反対することは予想通りで、フランスの立場が注目されましたが、イエス

でもノーでもないニュートラルなものでした。



心配なのは、これまでドイツをけん引役として日米よりも堅調だったユーロ圏の

経済成長に鈍化の兆しが見え始めたことです。

昨日発表されたユーロ圏の第2四半期GDPは前期比+0.2%と、市場予想

を下回り、2009年以降で最も低い成長となりました。

背景はドイツの経済成長に急ブレイキがかかってきたことです。

ドイツは自動車を中心に景気が高水準で続いてきました。フォルクスワーゲン

など自動車各社は最高益を更新してきましたが、最も販売が好調な中国で、

その勢いに陰りがでてきています。

ユ-ロ圏はGDPの7割を独仏で稼いでいると言われています。

今後、フランスにもその影響が出てくるものと思われますが、そうなるとユーロ

圏の景気が一気に悪化して来る可能性も出てきます。

ユーロ圏にとっては、財政問題が何とか最悪の事態にならずに済んだのも束

の間、今度は景気の悪化に見舞われることにもなりかねません。



ドル円は完全に「夏休みモード」に入っています。

東京市場だけではなく、比較的値動きのある海外市場でも値幅が出ていません。

参加者が少ないことも一因ですが、そもそも上値が重く77円ではドル売り意欲が

強い一方、76台半ばでは介入警戒感も強く、その水準からさらに円買いを進め

るにはリスクが高いことも、相場を膠着させている要因かと思われます。

本格的には来週には正常な状態に戻るものと思われますが、すでにお盆も明け

そろそろ市場参加者も戻ってきます。いつまでもこのレンジが続くと思うと危険です。

セオリー通りに動くのであれば、「レンジの抜けた方向へ順張り」です。



豪ドルがややその勢いを戻してきています。

対ドルではさすがに1.05台では売られますが、「1時間足」では1.04台半ばから

下には比較的厚い雲にサポートされています。

直近高値の1.1083から先週の急落で記録した安値0.9911の「半値戻し」は、

1.0497と計算され売り物がでても当然の水準です。

先週政策金利を据え置き、年末に向け利下げ観測も出ています。

RBAは今しばらく消費者物価指数、資源価格などの変動要因を見極めたいと

していますが、言いかえれば今後「リスク選好」に戻るのかどうかということにもなり

ます。

「リスク回避」の運用環境がさらに続くようなら豪ドルの上値は限定的と見ています。











ユーロ反発し、対円では111に迫る。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • 米株式市場が大幅に続伸したことで「リスク回避」の流れがやや停滞。

    スイスフランが3営業日下落し、ユーロ、豪ドルなど高金利通貨が上昇。

  • ドル円は76円台半ばから後半での狭いレンジで推移。

  • ユーロはECBが域内の国債を積極的に購入していることから、国債の

    価格は安定し、買い安心感につながる。対ドルでは約3週間ぶりに1.44台後半

    まで上昇。対円でも111円絡みまで買われる。

  • NYダウは3営業日続伸。グーグルがモトローラ・モビリティを買収すると発表した

    ことを好感しダウは213ドルの大幅高。

  • 債券価格は続落。株高からVIX指数(恐怖指数)も低下し、ややリスクテイクの展開に。

    長期金利は約1週間ぶりに2.3%台まで上昇。

  • 金、原油はともに上昇。

  • 8月NY連銀製造業景況指数 → -7.72

  • 8月NAHB住宅市場指数 → 15



本日の注目イベント


  • 豪   RBA議事録

  • 独   独第2四半期GDP(速報値)

  • 欧   ユーロ圏第2四半期GDP(速報値)

  • 欧   ユーロ圏6月貿易収支

  • 英   英7月消費者物価指数

  • 米   7月住宅着工件数

  • 米   7月建設許可件数

  • 米   7月鉱工業生産

  • 米   7月設備稼働率



ドル円は相変わらずの展開です。

週明けの昨日はスイスが下落している影響もあり、円が主要通貨に対して売られ、

ドル円もすぐに77円台に乗せました。

しかし、その後はいつものパターンで上昇が止まるとドルはゆっくりと値を下げ76

円台後半でのもみ合いになっています。

やや気にかかるのは、短期的な値動きを表す「1時間足」ではローソク足が「雲」

を上抜けし、「120日」移動平均線で頭を抑えられている格好になっている点で

す。

相場の勢いを表す「遅行スパン」も好転の気配を見せています。

本日再び77円台に乗せる場面があれば「120日」を完全に上抜けし、その上

にある「200日」移動平均線がターゲットになりそうです。

同移動平均線は現在77円43銭にあり、この水準までドル円が上昇すれば目

先もう一段の上昇も見込まれる可能性が出てきます。



しかし、そうはいってもドル円の上値の重さは確認されています。

米国の低金利政策は2013年半ばまでは継続される見通しで、その裏付けと

なる米経済指標の悪化は鮮明になっています。

昨日発表されたNY連銀製造業景況指数もやはり市場予想を大きく下回って

いました。

この指標は「ゼロ」が景気判断の分かれ目で、「ゼロ以下」だと景気は悪化、

「ゼロ以上」だと景気は拡大しているとされています。

8月の同指数は「-7.7」で、これで3ヵ月連続で「ゼロ」を下回ってしまいました。

6月の「-7.8」に次いで今年最も低水準の数値になっており、項目別に見る

と新規受注と在庫の落ち込みが目立っています。

NY連銀製造業景況指数が3ヵ月連続でで縮小したのは、2009年6月の景気

後退時以来のことになります。



昨日はタカ派の一人であるロックハート・アトランタ連銀総裁がアラバマ州フロ

ーレンスで講演しています。

同総裁は、FRBの政策は「万策尽きたわけではない」として、景気がこれ以上

減速する場合には、FRBはなお資産購入の余地があるとして、バランスシート

を拡大させることも可能だと見方を示しました。

また、FRBのポートフォリオに資産内容の修正も可能だとしており、一部にあっ

たこれ以上FRBの資産を拡大させることは将来中央銀行としての信用を失墜

させることに繋がると言った反対意見とは一線を画したことになり、今後のFRB

の政策に影響を与える可能性もありそうです。



週明けのNY株式市場は大幅に上昇し、これで3日続伸です。

先週は連日大きな値幅で一日おきに上下を繰り返していましたが、これでや

や落ち着きを取り戻した様です。

ただ、依然として値幅は大きく、VIV指数(恐怖指数)も高止まりしていること

から高ボラティリテーは続くものと思われます。

NY株の大幅高で本日の東京株式市場も上昇するものと思われますが、株高

がドル円でのドル高に繋がれば77円台乗せもあるかもしれません。ただ、水準

が76円台であるため自動車・電機など輸出株の大幅上昇に繋がらなければ

日経平均株価の上昇にも限界がありそうです。



ドル円の76円台半ばから77円台前半での値動きはこれで1週間になります。

昨日も書いた通り、今週76円台の史上最高値の更新がなけらば、一旦上値

を試す可能性がありそうです。

「MACD」も1時間ではほぼ「ゼロの軸」から離れず相場が膠着していることを

示しています。

同様に、1時間の「ボリンジャーバンド」のバンドも収縮傾向にあり、エネルギー

を蓄えていることがわかります。世間も「夏休みモード」ですが、相場の方もそ

んな気配です。



ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は本日パリで直接会談を

行う予定です。

ユーロ圏内のソブリンリスクが高まり、イタリア、スペインどころか、フランスにも

その影響が出始めていることで欧州の景気やユーロ圏共同債発行について

話し合う可能性があります。



スイスフラン急反落。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • 週末ということもあり、ドル円は上にも下にも動きにくい展開。

    8月の消費者信頼感指数が予想を下回り、ドル円は76円台半ばまで下落

    したものの、介入警戒感も強まり76円台後半に。ただ、77円台では

    ドル売り意欲も強く、狭い値幅に終始。

  • ユーロは域内の鉱工業生産が発表され、予想より悪化hしていたことで

    1.42台後半から下落。依然として1.41-1.43台のレンジを

    抜けきれない動きが続く。

  • 乱高下を繰り返している株式市場は、小売売上高が好調だったことから

    小売関連株が上昇。ダウは125ドル高と値幅は依然大きく市場の不安心理を

    反映している。

  • 債券相場は上昇。消費者信頼感指数が悪化していたことや、NY連銀の

    ダドリー総裁が、金融当局者は米経済に「慎重な評価を下した」と述べたことが

    手がかり。長期金利は下落。

  • 金は前日に続き下落、原油価格も小幅に下落。

  • 7月小売売上高 → +0.5%

  • 8月ミシガン大学消費者信頼感指数 → 54.9




本日の注目イベント


  • 日   第2四半期GDP(速報値)

  • 米   8月NY連銀製造業景況指数

  • 米   8月NAHB住宅市場指数




「市場を注視しながら、やるべき時には介入をする」

野田財務大臣は昨日14日(日曜日)、テレビ出演しこのように語っていました。

しかし、ドル円は76円台後半での動きで、77円台に入ると売られる展開が続い

ています。

特に、先週の後半3日間は77円台にさえ戻していません。

最近は77円台前半が「売り場」とも思える流れが続いていますが、それでも政

府・日銀による市場介入は8月4日の一度だけで、先週は介入を実施した形跡

はありません。

8月4日の介入は77円台10-20銭レベルで行われたことから、少なくとも76

円台半ばから後半では再度介入すると読んでいましたが、肩すかしを食らった

感じでした。



政府・日銀が最大規模の介入を実施したにもかかわらず円高がさらに進んで

いることで「介入の限界」を意識しているものと思われますが、このまま放置して

おくとも考えられず、いずれ近いうちに介入を実施してくると思います。

その際には、より効果的な成果が上がるよう検討を重ねているものと理解して

います。



今後の焦点はいつ史上最高値である76円25銭を割り込むかに絞られます。

円以上に最高値が続いているスイスフランに対しては先週、スイス政府が「ユ

ーロにペッグする」対策を検討しているとの報道がありドルやユーロ、円に対し

て急落しました。

また、昨日はスイスの有力紙が、スイス政府とスイス中銀はスイスフランの目標

設定について活発な議論を行っている、と伝えています。

同紙によると、計画は「準備」されており、スイス中銀は「今後数日中」に目標

を設定する公算がある、と報じています。

また同紙は、議論はスイス政府の役割が焦点となっており、「適切な計画」が

今月17日に導入される可能性があるとも伝えています。



スイスフランがこれで下落に転じ、このままズルズルと値を崩していくとも思えま

せんが、投機筋にとってはこれまで通り買い進めることに不安を感じることには

なり、一定の抑止力が働くことになります。

市場では、投機的なスイス買いが収まればその資金は円に向かうのではとの

予想があります。

その結果、円がさらに上昇する可能性がある、といった見方です。

確かにその可能性はありますが、それでも現在の水準はいつ日銀が介入して

もおかしくない水準です。

一旦介入すれば、1円~3円ほど円安方向に持っていかれるリスクもあり、そう

手放しに円買いを進めるわけにはいきません。



個人的にはドル円の上値は重く、いずれ近いうちに史上最高値を更新し75円

台が見えてくると考えていますが、8月4日の大規模介入以降、翌週には76円

台まで円買いが進み、「結局、介入は効かなかった」という印象を多くの市場参

加者がもったはずです。確かに市場介入の効果は限られましたが、その後76円

台には入ったもの、76円台半ばからは「介入警戒感」が高まり、さらなる円高には

繋がっていません。

見方を変えれば、介入による効果は限られ76円台に押し戻されたものの、そこ

から75円台突入には「予想以上の」時間がかかっているというのも事実です。



米経済指標の悪化がリリースされるたびにドルが売られる展開は続いているもの

の、介入警戒感も思いのほか強いことも頭の片隅に入れて置きたいと思います。

今週1週間で76円25銭を割り込めない展開が続いたら、一旦ドルが反発する可

能性が出てくるかもしれません。

それでも上値は80円程度だとは思いますが、76円台半ばを割り込まずに78円

台に乗せるようなことがあれば注意が必要です。

リスク回避から一転、続く株価乱高下。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 欧州の株高の流れを引き継ぎ、NYダウは400ドルを超える大幅反発。
    欧州銀行株の空売り禁止検討報道や、予想を超えた
    新規失業保険申請件数が背景。
  • ドル円は株高を受け、ややドル高円安になるものの、
    上値は重く76円台後半でもみ合う。
  • ユーロは仏にも飛び火した債務問題から売り優勢の展開だったが、
    独仏首脳で協議するとの報道、空売り規制報道から買い安心感が広がった。
  • スイスフランは急落。SNB副総裁の発言や欧米の株高により、売りが続き、
    対ドル、対円では300ポイント、対ユーロでは400ポイントほどの値幅に。
  • 債券市場は反落。リスク回避の流れからリスク選好へと巻き戻しの動きが優勢に。
  • 金は大幅に反落。CMEグループが金先物取引の証拠金引き上げが重しに。
    原油は大幅続伸。
  • 新規失業保険申請件数 → 39.5万件(市場予想は40.5万件)



本日の注目イベント


  • 日   6月鉱工業生産(確報)
  • 欧   ユーロ圏6月鉱工業生産
  • 米   7月小売売上高
  • 米   ダドリー・NY連銀総裁講演
  • 米   8月ミシガン大学消費者信頼感指数





また株価が大きく動きました。今週は毎日、株価が荒い動きをしております。

月曜から下げて、上げての繰り返しです。

若干、下落が優勢となっており3歩下がって2歩進むといった展開です。



株価が荒れているのは欧米債務問題が中心となっていますが、

昨日は欧州で進展があったようです。

ギリシャをはじめとする欧州の債務問題は

イタリア、スペインへの波及が懸念されていましたが、

フランスまでに広がるとの観測を受け、金融不安の拡大が嫌気されておりました。

しかし昨日、独仏首脳で協議するとの報道や、

欧州株式市場での空売り規制の検討報道により相場の流れは一転しました。

さらに、話題中心であったソシエテ・ジェネラルなど仏銀行は金融ショックに対処可能と

ストレステストから証明したことで安心感が広がりました。

ソシエテの株価は一時、-6%程の下落でしたが、引けには+5%まで上昇しております。

そして、日本時間の今朝方には欧州証券監督機構(ESMA)が

ベルギー、フランス、イタリア、スペインで本日から

一部金融株の空売り禁止との発表がありました。

市場の不安は一旦は抑えられ、ユーロ買いが優勢なりましたが、

空売り禁止も向こう15日間との予定なので、

規制が終わった後の対応に注目が集まります。



欧州の対応により、NY株式市場も反発となりましたが

米経済の回復鈍化という大きな問題は進展を見せていません。

新規失業保険申請件数が予想を超えた好結果が出たことで、

市場のマインドもやや持ち直しましたが、今後も米経済指標の好結果が続かなければ、

あらゆる金融不安の払拭は遠のいていくばかりです。

ドル円相場を見れば、その米経済の悪化が如実にあらわれているのではないでしょうか。



ドル円は76円、77円台で推移が続き、円の史上最高値更新を狙った動きと

政府・日銀による為替介入警戒感から神経質な展開となっております。

最近は介入と間違えてしまうような瞬間的な急上昇が目につきます。

急上昇はするものの、すぐに値を戻し、

チャートでは長い上ヒゲが伸びたローソク足が確認できます。

理由は様々で単純に大口の注文が入った場合や、日銀によるレートチェック、

要人発言などで、根本として介入警戒感と金融不安による

投資家心理の偏り等があると思われます。

このような相場はとても難しく、テクニカル分析も通用しづらいので、

常に株価や最新ニュースを気にしていくべきでしょう。



スイスフランが急落しています。

スイス中央銀行(SNB)ジョルダン副総裁が

「一時的にスイスフランをユーロにペッグさせても法的に問題ない」などの

見解を示したことで、売り優勢の流れが加速しました。

日本と似たような立場のスイスですが、以前、為替介入で失敗しており、

今回は介入ではない方法で自国通貨高に対応しているようです。



本日は株価とニュースに注意しながら、

日本時間の午後9時以降に発表される米経済指標に注目といったところでしょうか。

あと、時間は未定ですが、EUがポルトガル救済についての記者会見を

予定しているとの情報も今朝方に入ってきています。



お盆休みの方もいらっしゃると思いますが猛暑日が続いていますので、

水分補給はもちろん、ミネラル、塩分補給も忘れずに熱中症には注意しましょう。

良い週末を・・・・。









リスク回避の流れ止まらず。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 欧米の信用不安は収まらず、株価は大幅に下落。債券、金は買われ
    円とスイスフランが上昇する「リスク回避」の流れが加速。
  • ドル円は東京市場で76円後半まで円高が進んだにも関わらず
    介入が見られなかったことで、海外市場ではさらに円買いが進み
    NYでは76円35銭までドルが下落。史上最高値に近づいたことで
    さすがに介入警戒感が高まり76円台後半まで反発して引ける。
  • ユーロも大幅下落。ソブリンリスクがフランスまで波及し、欧州株が
    大幅に下落したことからユーロは対ドルで1.41台、対円では1月以来の
    108円台まで下落。
  • NY株式市場は再び大幅に下落。ダウは前日の上昇分をはき出す格好で
    519ドル安。再び1万1千ドルの大台を大きく割り込む。
  • 債券相場は堅調。10年債入札も好調で、長期債利回りは史上最低低水準に
    迫る2.0%台まで低下。
  • リスク回避の流れが加速し、金は一時1800ドル台を示現。引けは
    41ドル高の1784ドル。原油の大幅に反発し82ドル台を回復。



本日の注目イベント


  • 豪   豪7月雇用統計
  • 米   6月貿易収支
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 加   カナダ7月貿易収支





株価の乱高下は止まりません。

NYダウは前日の400ドルを超える大幅高から一転して

500ドルを超える下落を記録しています。

背景は世界的な景気減速と信用不安です。

昨日はフランス国債の格下げのうわさや、

同国大手銀行のソシエテ・ジェネラルの経営不安のうわさが流れるなど、

信用不安の流れはユーロ圏の安定国にも波及してきました。

市場は疑心暗鬼になっており、悪いうわさには反応しやすい状況になっています。

ソシエテのCDSは29bp上昇し、株価も一時23%安になるなど不安が広がりましたが、

同行はこのうわさをただちに否定しています。

ギリシャから始まったソブリンリスクの流れはイタリア、スペインにも波及し、

ECBが両国の国債を懸命に買え支えしていますが、

今度はフランスにもその不安が広がり、ベルギー、ドイツにも波及し始めており、

まさに「ドミノ倒し」の様相になってきました。



国債に対する不安が拡大する一方、世界的に景気の鈍化が鮮明になりつつあります。

先進各国は財政赤字削減のため、

歳出の削減を徹底することは先のG7で確認されています。

財政による景気の底上げができないことも先行きの見通しを暗くしています。

NYダウの大幅な下落基調はこのような要素が背景にあり、

資金はより安全な資産へと流れています。

株価の動きを見ても、今月10営業日が経過した中で、

NYダウが500ドル以上の値幅で動いた日がすでに4日あります。

これは極めて異例なことで、

市場の不安心理を表すVIX指数(恐怖指数)も急騰しています。



株価の下落が続き、資金は債券と金に流れています。典型的なリスク回避の動きから、

為替市場ではスイスフランと円がその実力以上に買われていると言えます。

昨日の東京時間でもドル円は76円台に突入しましたが、日銀は動きませんでした。

昨日も書きましたがこれで、

「77円台は容認」したのではないのかと言った見方も出てきました。

市場は日銀の介入を警戒しながらも「どこまで円高が進むか」を試している様に思えます。

NY市場では76円35銭までドルが下落し、円の史上最高値が迫ってきました。

本日も、株価の大幅下落からドル円が緩やかに下落しそうです。

環境的には介入がいつあってもおかしくない状況になっています。

先週の4兆5千億円もの大規模介入でも円上昇に歯止めがかかっていません。

政府・日銀としてもやや「手詰まり」の状況かもしれません。

しかし、ここは放置しておくわけにはいかず、

投機的な円買いに対して立ち向かう姿勢を見せる必要があります。

東京市場のオープン直後から介入するといったような強い意思表示が必要かと思います。

今日の通貨当局の対応は非常に注目されそうです。



株式市場ほどではないとしても為替市場の不安心理も高まっています。

ボラティリティーも急速に上昇しており、

ドル円以外のドルストレートとクロス円の値幅が大きく

「日替わりメニュー」のようにめまぐるしく変動しています。

こんな時にはテクニカルは効きません。無理な相場には手を付けず、

相場が落ち着きトレンドが見えてくるまで開店休業でもいいと思います。

あるいはクロス円がかなりの水準まで売り込まれていることから、

もう一段下落した際には「小額を仕込み」、後はじっと待つという手もありかと思います。



ドル円はこのまま何も対策がなければ「75円台」を見る可能性が高いと見ていますが、

75円台でのショートポジションには注意したいところです。

相場にオーバーシュート(過剰反応)はつきものです。

ここは冷静に立ち振る舞い、外の暑さと同様、何とかしのぎたいものです。










FOMCを受けドル円76円台に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • FOMCの声明で低金利が長期間継続されることが確認されたことで
    米長期金利が低下。日米金利差が縮小したことで円買いドル売りが進み、
    ドル円は一時76円70銭まで下落。
  • その後、米株式市場が急反発したことからドル買い戻しが入り
    77円を挟んだ水準で引ける。
  • ユーロドルは反発。イタリア、スペイン国債が堅調に推移したことから
    信用不安がやや後退し1.43台後半まで上昇。
  • 昨日のアジア市場で、商品相場の急落や株式市場の大幅下落を材料に売られた
    豪ドルは急反発。対ドルではアジア市場の底値0.9928から1.03台後半まで
    約400ポイントの上昇。豪ドル円も76円台の底値から79円台を回復。
  • 株価は不安定な動きを見せ乱高下。朝方大幅に上昇したものの、後場には
    前日比マイナスとなる水準まで下げる場面も。
    FOMC声明文が発表されると引けにかけて急反発。ダウは前日比429ドル高と、
    この日の高値圏で引ける。
  • 債券相場はFOMC声明文発表後に大きく上昇し、長期金利は一時2.0%台に。
    その後株価が急反発したこともあり、2.2%台まで戻して引ける。
  • 金は大幅に続伸し最高値を更新。原油価格は大幅に続落。米景気後退と、
    OPECが来年に向けての原油の消費予想を引き下げたことが売りを誘い、
    79ドル台まで下落。



本日の注目イベント


  • 豪   豪8月ウエストパック消費者信頼感指数
  • 日   日銀金融政策決定会合議事録(7/11、12日分)
  • 中   中国7月貿易収支
  • 独   独7月消費者物価指数(確報値)
  • 英   BOE金融政策委員会・四半期インフレ報告





株価の乱高下が続いています。

昨日も日経平均株価は一時440円の大幅な値下がりを見せた後、

引けは153円安で取引を終えています。

NYダウは朝方から買い物を集め240ドル上昇した後、

前日比マイナスになるなど値幅が大きく振れています。

ダウはその後FOMC声明文が発表されると急速に買われ、

終わってみれば429ドル高と昨日の暴落幅の7割を取り戻した格好です。



ここ2週間ほどで大きく売り込まれた米株式市場でしたが、

その影響は日本も含め世界の株式市場へも大幅下落と言う形で飛び火しています。

この流れを断ち切るという意味で、FOMCに大きな期待が寄せられていました。

日本時間朝方発表されたFOMCの声明文では、

これまで「長期にわたり」という表現で示されていた低金利政策の継続期間を、

「少なくとも2013年半ばまで維持する」と、明確な期間を示すことに変更されました。

これで今後2年間は「出口戦略」の実施はないということになり、

株式市場には好材料と受け止められています。

ただ、この決定にはフィッシャー・ダラス連銀総裁など、

地区連銀総裁3人が反対票を投じています。



景気判断については「今年に入ってからの経済成長はこれまでのところ、

委員会が予想していたよりも著しく緩慢だ」として景気見通しを下方修正しました。

為替市場では「出口戦略」の実施時期が遠のいたことからドルが売られる結果となり、

株高、債券高、ドル安で反応しています。

一部には「QE3」の可能性にも触れるのではないかとの見方ももありましたが、

追加緩和については特に触れていませんでした。



市場はFOMCの声明を受けてやや落ち着きを取り戻しましたが、

先行き不安材料は消えていません。

明確なことは米景気の回復は相当遅れているということです。

雇用の伸びは止まり、個人消費も低迷しており、

FOMCでは「ここ数カ月での労働市場全体の状況が悪化した」とし、

家計支出についても「拡大が止まった」という見方を示しています。



特に追加対策も打ち出していないことから、

株式市場がこのまま安定に向かうとも思えません。

また、低金利の継続が確認されたことで、日米金利差の縮小傾向は続くものと思われ、

ドル反転のきっかけはつかめないと予想します。

昨日のNYでも一時76円70銭までドル安が進む場面がありましたが、

徐々に80円台が重くなりつつあります。

現在もドル円は77円台前半で推移しており、

この水準は先週4日に政府・日銀が市場介入を実施したレベルです。

注目したいのは、今日も同水準で介入を実施するのかどうかです。

もし見送るようなことになれば市場は

「政府・日銀は77円台の円高水準を容認した」と捉え、

ドル売りが加速する可能性があるからです。

少なくとも、東京時間で実施することが求められ、

77円を割った水準では行動を起こすのではないかと予想しています。



現在のドル安が米景気の後退から来るものである限り、

介入では一時的に水準を押し上げることはできても、流れを変えることはできません。

実際、先週大規模介入で80円台まで押し上げられたドル円は76円台まで下落しています。

通貨当局としても介入だけではなく、

さらなる追加緩和など円資金の一段の供給が必要となりそうです。

市場に「リスク回避」の流れが継続される以上、円が買われ易い状況は続きます。

「80円以下が定着」しつつある中、今度は「77円台が定着」する懸念も出てきています。

NY株式市場の大幅反発で今日の日経平均も大幅上昇が見込まれますが、

株高がドル円の上昇に繋がるかどうかも注目したいところです。










NYダウ今年最大の下げ。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 欧米の信用不安は収まらず、リスク回避の動きが鮮明に。
    スイス、円が買われ、その他主要通貨ではドルが買われる展開に。
  • ドル円はG7緊急電話会議が開催された時点では78円台だったが、
    介入に関する合意も無く、上値が重かったことから77円台に入り、NYでは
    債券相場の急騰から長期金利が下落したこともあり77円50銭を付ける。
  • ユーロも上値が重く、1.42台後半が抜けずにジリ安に。
  • 資源価格の急落を受け、豪ドルが大幅に値を下げる。対ドルでは1.01台後半
    まで、対円でも79円台前半まで値を下げる。
  • 株式市場の下げが止まらない。米国債格下げの動揺が収まらず、
    ダウは今年最大の下げ幅である634ドル安を記録し全面安。
    大台の1万1千ドルを大きく割り込む。
  • 債券相場は格下げの影響はほとんどなく、株価の大幅な下げからリスク回避が
    進み価格は最大の上昇を記録。長期金利は2年半ぶりに2.3%台に。
  • 金は急上昇。通貨としての側面に加え、安全資産としての見直し買いが入り
    61ドル高で一気に1700ドル台に乗せる。一方、原油価格は急落。前日比5ドル
    下げ、昨年11月以来の81ドル台まで売られる。
  • オバマ大統領は株価急落を受けホワイトハウスで演説を行い、
    格下げは政治システムが疑われているからだとし、米国は常に「AAA」の国だとの
    メッセージを国民向けに発した。
  • 格付け会社ムーディーズは米国債の格付けを「Aaa」であることを再確認した。



本日の注目イベント


  • 日   7月マネーストック
  • 中   中国7月生産者物価指数
  • 中   中国7月鉱工業生産
  • 中   中国7月小売売上高
  • 中   中国7月消費者物価指数
  • 英   英6月鉱工業生産
  • 英   6英月貿易収支
  • 米   FOMC
  • 加   カナダ7月住宅着工件数





S&Pによる米国債格下げは一体何だったのか?

格下げによって「債券安、株安、ドル安」のトリプル安が起こると予想されていましたが、

一夜明けて見たら債券価格は今年最大級の上げ幅を記録し、

円とスイス以外ではドルは買われ、株価だけが突出して売られる展開になりました。

「リスク回避」そのものでしたが、

結局米国債に対する格下げは米国債自体には何の影響もなかったわけで、

もっとも影響を受けたのが株価とそして、オバマ大統領のようです。



今朝の報道では、オバマ大統領は金融市場の混乱を受け

ホワイトハウスで演説を行いました。

米国が格下げされたのは「ワシントンの政治システムが問題」だったと

素直に認めていましたが、米国は常に「AAA」の国だ、

と言った言葉にはむなしさもにじみ出ていたように感じました。

同大統領にとって、失業率の9.1%と米国債格下げという事実は

来年の大統領選にとってかなりの「重荷」になってくるはずです。

「失業率が8%を超えていて大統領に再選された人はいない」という過去の歴史に従えば、

2013年1月の首都ワシントンの「ヴィクトリーロード」を歩いているのは

オバマ氏とミシェル夫人ではないかもしれません。



それにしても世界的に株価の下落は止まりません。

昨日は日経平均も200円を超す下げを記録。

欧州の主要株式市場も大幅な下げに見舞われ、

NYダウに至っては今年最大の下げ幅である634ドル安で取引を終えています。

NYダウは2日前にも500ドル超下げており、

この20日間ほどで1400ドル(約11%)と大幅な下落を記録しています。

このままではますます米景気の回復が遠のき、

個人消費を中心に景気の底割れの可能性が出てきます。

この事態を打開するにはFRBが次の一手を打つしかありません。



今日のFOMCが非常に注目されます。

FRBは何らかの対策を講じてくるものと思われます。

すぐに「QE3」を実施する可能性は低いものの、

量的緩和を含む対策を検討すると見られます。

FRBに対するプレッシャーも高まってきており、

明日朝(日本時間午前3時15分)の声明文に大いに期待が集まります。



ドル円はG7の会議からは特に介入に関する声明も無く、

米国債の格下げにともなう混乱を阻止する具体策もなく、

会議終了後に出された声明文もこれまで通りの内容で

具体性に欠けたことから株価の下落は止まらず、

ドル円も約1円ほど円高方向に振れる結果になっています。

欧米が協調介入には消極的だったとの見方もあり、

今後も介入があったとしても「単独介入」であることが確認された格好です。

ドル円はNY市場で77円50銭まで下落しています。

先週4日の介入は77円10-20銭の水準で実施されたことから、

先ずこの水準では注意が必要です。

ただ、今朝の一部新聞の報道では野田財務大臣が本日辞任し、

民主党の代表選に出馬することを表明するのではないかと伝えています。

仮にそうだとすれば、財務大臣不在の中「為替介入」も

実施できないのではないかといった憶測もでてきそうです。

しかし、76円台では介入しないわけにはいきません。

ドル円が下落スピードを速めれば「75円」が見えて来るからです。

円は勢いがつくと止まらない傾向があります。

3月17日早朝の「20分で4円の下落」は投機的な動きがあったとしても、

そのスピードには驚かされました。



ドルがさらに下落すれば「基軸通貨としてのドル」の存在価値さえも危うくなりかねません。

今週日曜日の朝日新聞の朝刊一面には

「ドル時代終わりの始まり」といった見出しが躍っていました。

やや「誇張」だとは思いましたが、何かの「予兆」なのかもしれません。










米国債格下げに。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 7月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数、失業率がともに
    事前予想を上回ったことから、ドルがやや買い戻されたものの上値が
    重い展開に。ドル円は発表直後に78円台半ばから79円台に乗せる
    場面があったものの、すぐに上値はキャップされ78円台に。
  • ユーロは対ドル、対円で上昇。ECBがイタリアとスペインの
    財政赤字削減への取り組みを歓迎したことが背景。
  • 格付け会社スタンダード・アンド・プアーズは米国債の格付けを
    最上級の「AAA」から「AA+」に引き下げると発表。
  • 株価は乱高下。朝方から売りが先行し一時は前日比240ドルの下げを
    記録した後、このところの急激な下げに買い戻しも入り、ダウは60ドル
    のプラスで引ける。
  • 債券相場は反落。雇用統計がやや持ち直したことから、売り物が優勢となり
    価格は大幅に下落し、利回りは2.5%台を回復。
  • 金価格は小幅に続落し、原油は小幅に反発。
  • 7月非農業部門雇用者数 → +11.7万人
  • 7月失業率 → 9.1%



本日の注目イベント


  • 日   6月貿易収支
  • 日   7月景気ウオッチャー調査





「一難去ってまた一難」というところでしょうか。

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は米国債の格付けを1ノッチ引き下げ

「AA+」(ダブルA+)にすると発表しました。

債務上限引き上げ問題では議会との交渉がうまく行かず、

結局ギリギリのタイミングで合意に達し最悪の事態は回避できましたが、

そのことも格下げ理由の一つにされ、

ついに米国債に対する格付けが「AAA」(トリプルA)の座から引き下げられました。

ある程度予想されていたこととは言え、タイミング的には予想外とも言えます。

ムーディーズやフィッチなど、大手格付け会社が米国債を「AAA」に据え置くと

発表したばかりで、格付け会社間の足並みも乱れたことになります。

S&Pはさらに格付け見通しを「ネガティブ」にしたことから、

もう一段の格下げの可能性もあります。



世界で最も安全な投資先と見られていた米国債が引き下げられたことで、

金融市場では「債券安、株安、ドル安」のトリプル安が起こる可能性が出てきました。

G7では緊急の財務相、中央銀行総裁会議が今朝電話で行こなわれ、

対策を協議することになっています。



今後予想される事態は、まず為替市場でのドル安です。

先週末の雇用統計では一旦回復の兆しは見せましたが、

これまでに発表された各種経済指標を見る限り米景気の後退は鮮明になってきました。

FRBも6月で終了した「QE2」の効果を見極めていたようですが、

今後早い段階で「QE3」の実施も行われるのではないかとも見方も出てきました。

その意味からも今週行われるFOMCが注目されそうです。



ドル円は先週日銀の介入で一時80円台までドル高に押し上げられましたが、

その後は上値の重さを確認されたとして、再びドルが下落しています。

78円台での攻防が続いていますが、今週も77円台から76円台を伺う場面では

再び介入に踏み切って来る可能性が高いと見ています。

問題はその場合の効果です。

先週木曜日の介入では海外市場でも継続的に「ドル買い円売り」をおこなったことで、

3円程度、水準を押し上げることに成功していますが、

少なくとも2回目の介入では同様な効果は望めないと考えます。

介入水準や介入のタイミングが予想される場合には、

その効果は半減すると見ておいたほうがいいと思います。



また、今朝行われるG7の電話会議では

どのような対策が打ち出されるのか注目が集まります。

金融市場の安定を図るため資金供給を潤沢に行うなどの対策と、

主要国は米国債購入を継続するといった内容が想定されますが、

これ以上の円高を防ぐため「協調介入」を行うといった合意には至らないと思われます。



米国債に関しては格下げされたとは言え、「流動性」や「安全性」は不変です。

そもそも、米国債に匹敵する代替投資先はありません。

問題は米国債の格下げではなく、米国の景気後退です。

FRBが早急に「QE3」を実施し、株価の下落を止めることが重要かと思います。



現在、G7の声明が野田財務大臣より述べられていますが、

「無秩序な動きに対しては協調して対処する」といったコメントが流れています。

多少「協調介入」の可能性を示唆してはいますが、

具体的に発表内容を見てみたいと思います。










ドル円介入で一時80円台に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 政府・日銀が市場介入に踏み切ったことで、ドル円は次々と「大台」を
    切り上げ79円台半ばまでドル高に。その後の欧州市場でも断続的にドル買い
    を継続したことで一時80円25銭と、80円台を回復。
  • NY市場では株安からリスク回避の流れが加速する中、ユーロ、豪ドルが
    大幅に売られたが、介入の効果もあり円の上昇は限られた。78円台半ばまで
    下落した後、79円絡みで引ける。
  • 株式が急落。ダウは前日比512ドル安と、2009年3月以来の大幅な下げを
    記録。トリシェ・ECB総裁がイタリア、スペインのソブリンリスクに触れ、域内の
    景気が下振れする可能性を指摘したことがきっかけ。ダウ平均株価は一気に
    1万1300ドル台まで下落。
  • 債券相場は大幅高。株安から資金流入が続き、10年債利回りは今年の最低を
    大幅に更新し2.4%台まで低下。
  • 金は小幅に反落。原油価格は5ドルを超す大幅安となり90ドルの節目を
    大きく下回り86ドル台に。
  • 週間失業保険申請件数 → 40.0万件



本日の注目イベント


  • 豪   RBA四半期金融政策報告
  • 日   6月景気動向指数
  • 日   白川日銀総裁記者会見
  • 独   独6月鉱工業生産
  • 米   7月雇用統計
  • 加   カナダ7月失業率





政府・日銀がついに円売り介入に踏み切りました。

昨日のコメントでも「介入は時間の問題」と指摘し、

介入の実施はある程度よそうできましたが、意外だった点が二つありました。

一つは介入水準です。

77円台では行われる可能性は低く、

76円台のどこかで実施するのではないかと見ていましたが、早めの行動を取った様です。

予想外の行動に出ることによって効果を上げることができたと言えます。



二つ目が「執拗な介入姿勢」です。

介入に踏み切ってからはほとんどレートが下げることなく

「大台」を次々に塗り替えていきました。

特に後場から欧州市場にかけて80円台に乗せるまでは10銭の下落さえ見られず、

常にビッドアップを繰り返した様です。

このためドルの売り場を探していたロング筋には

「待てばさらに上値で売れる」といった安心感を持たせる結果となり、

「80円がひとつのメド」となりました。

この結果、80円を回復してからは一気に79円台前半まで下げる場面がありました。



本日は米雇用統計が発表されますが、

これまでの傾向からすると悪化している可能性も否定できません。

介入をせずに77円近辺で雇用統計を迎え、

市場予想を下回った場合にはドル売りが加速し手のつけられない状況も想定できます。

そんな中で「ドル買い円売り」介入を実施しても効果は限られます。

さらに市場がNYということもあり、介入しづらい面もあります。

そんな状況も踏まえ早めに介入に踏み切ったものと思われます。

また、東京市場以外でも継続的に介入の手を緩めず円売りを行ったことで

「政府・日銀は本気だ」といった姿勢を見せつけることにも成功しました。

欧州時間に80円台までドルを押し上げた時には思わず拍手をしたい気持ちになったのは、

私だけではなかったと思います。

「達成感」に似たものさえ感じました。



今回の大規模(正確な規模はまだわかってはいませんが)な介入で、

ドル円をちょうど3円押し上げることに成功しました。

単独介入の可能性が高かったことから、「介入の効果は2円程度」と見ていましたが、

予想外の効果にやや驚いています。

今回の介入はそれほど「腰の入った介入」だったことが伺えます。

問題はこの後の相場展開です。

ポイントは本日も継続的に介入を行うのかどうかに絞られます。

介入の手を緩めれば再びドル安が進む可能性があるからです。



ドル円を円高方向に向かわせる要因の一つが米株式市場の行方です。

昨日NYダウは記録的な下げを演じました。

ECB理事会で新たに資金供給を行う追加緩和が決定され、

その後のトリシェ総裁の記者会見の発言が下落の引き金になったようです。

総裁は、域内の景気に下振れるリスクが高まっているとし、

イタリア、スペインの国債利回りがユーロ導入以来最高水準に達していることで

資金供給を潤沢にすることにも触れています。



ただ、この内容だけでダウが500ドルを超えて下げたことは説明できません。

根底には先月後半から始まっていた「株価の調整」があり、

その背景には米債務上限問題を巡る議会でのチキンレースや、

財政赤字削減に伴い歳出抑制、あるいは米国債の格下げリスクなどが

複合的に絡み合っていたことがあるかと思います。

さらに米株式市場は「システム売買」が盛んで、ある水準を下回ると売りが発動され、

さらに下落に拍車がかかるという構図になっています。

昨年5月6日には、ダウが一時980ドルと暴落し、

その後値を戻し前日比347ドル安で引けたことが記憶に新しいところです。

世界の株式市場をけん引するNY株式市場が安定しないことは「リスク回避」に繋がり、

円が買われ易い状況が続くことを意味します。



昨日の効果的な介入でひとまず「史上最高値の更新」は遠のきました。

しかし、本源的は「米景気回復の遅れ」がドル安に繋がっていることから、

今後の米経済指標次第ではまだドルの下落リスクは残っていると考えるべきでしょう。

今週は比較的涼しい夏でしたが、来週からはいつもの夏に戻りそうです。

良い週末を・・・・。










76円台での介入警戒感強まる。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 欧州時間朝方、スイス国立銀行(SNB)が緊急利下げを決めスイスフラン高
    是正を狙った措置に動いたため、ドルスイスは反発。
  • ユーロドルもつれ高し、ドル円でも市場介入との連想が働き77円35銭程度まで
    ドル高に。
  • NY市場では注目のADP雇用者数は事前予想を上回ったが、他の経済指標の
    悪化と相殺。ドル円はこの日の安値76円78銭を付けたものの、介入警戒感から
    77円を挟む水準に戻して引ける。
  • 豪ドルの下げが継続。前々日のRBA政策金利据え置きが尾を引き下げが加速。
    対ドルでは先週の高値から400ポイント下げ1.06台後半まで売られ、豪ドル円も
    82円割れを試す水準まで下落し、約5ヵ月ぶりの安値を示現。
  • 株式市場は9日ぶりに上昇。朝方は大幅安で始まったものの、マスターカードの
    好決算をきっかけに上げに転じ、ダウは29ドル高で取引を終える。
  • 債券相場は小幅に反落するも、長期金利は依然として2.6%台にとどまる。
  • 金は大幅に上昇し連日の高値更新。引けは1660ドル台に。
    原油は続落し5週間ぶりに91ドル台に。
  • 7月ADP雇用者数 → 11.4万人増
  • 7月ISM非製造業景況指数 → 52.7



本日の注目イベント


  • 欧   ECB理事会
  • 欧   トリシェECB総裁記者会見
  • 英   BOE政策金利発表
  • 米   週間失業保険申請件数





昨日の夕方スイス国立銀行は「スイスフラン高是正」に乗り出しました。

政策金利の上限を引き下げ、短期金融市場への資金供給を増やす緩和策で

スイスフラン高を是正するというものです。

スイス国立銀行は「スイスフランは大幅に過大評価されている」という声明も発表し、

スイスフラン高で国内景気に重大な影響を及ぼし始めていることを懸念し、

スイスフラン高阻止に動いたものです。



この発表と同時にスイスフランだけではなく、

ユーロ、ポンドなども対ドルで売られ「ドル高」へ振れています。

ドル円でも市場介入と追加緩和への連想が働き、

ドル高円安に振れ77円35銭程度まで値を戻しましたが、その流れは継続していません。

スイス中銀は過去にもフラン高是正に動き市場介入を繰り返しましたが、

結局フランはさらに上昇し介入した資金の評価損を抱えた経緯があります。

今回もこれでフラン上昇が止まるのかどうかは不透明ですが、

スイス大手銀行のクレディ・スイスのアナリストは

「中銀は強い決意を示した。これは象徴的な一歩で、もはや傍観者でないことを示唆した」

とのコメントを寄せていました。



さぁ、次は日銀の番です。

タイミングよく、本日から日銀金融政策決定会合が開かれます。

昨日の「経済情勢に関する検討会合」でも菅総理は「円高を注視する」と発言し、

同席した白川日銀総裁にも適切な対応を取るよう指示していました。

スイス中銀も動き、経済界、内閣からの円高是正を求める声が日増しに高まっています。

すでに周りを取り巻く環境が「日銀の市場介入」を促している状況です。

本日東京時間内に76円台半ばまでドル円が下落すれば、

介入に動く可能性はかなり高いのではないかと見ています。



今日の動きの中で、介入警戒感から円がジリ安になる展開になれば

その機会はないかもしれませんが、明日は雇用統計が控えています。

先月のように事前予想を大幅に下回る結果となり、

ドル円が急落するケースではますます介入の可能性が高まります。

さすがにNY市場での介入はないとは思いますが、

来週月曜日の東京市場での「出動」が見えてきそうです。



ドル円の上値は重く介入警戒感がありながらも77円台半ばから上方へは行きません。

77円台は「介入水準ではない」ことがここ数日の動きから

確認されていることから売り意欲が高まりますが、76円台に入ると警戒感が増してきます。

介入があった場合の効果ですが、どの水準で行われるのか、あるいはどの程度の規模か、

単独か協調かなど不確定要因が多くありますが、

概ね2円程度ではないかと言う見方が一般的です。

ちなみに3月18日の介入は79円台後半で実施され、

81円台後半までドルが押し上げられました。

その後数週間で85円台半ばまでドル高円安が実現したことから

「介入は成功」との評価があります。

もちろん介入実施から6円ほどのドル高は、介入だけによるものではなかったはずですが、

一種の「抑止力」としての効果は十分あったと言えます。



ADP雇用者数が市場予想を上回りました。

これで明日の雇用統計にもやや改善期待がもてそうですが、

ADPと雇用統計の変化は必ずしも一致しないところが不安です。

事前予想では民間部門雇用者は11万3千人の増加予想で、

失業率は前月と変わらずの9.2%と見ています。

もちろんこの数字より改善していればドル高に振れそうですが、

これでの経済指標の内容からするとあまり期待はできないと思えます。

もっとも、雇用統計は先行指標であるためこれまでの結果が

そのまま当てはまるわけではありませんが、

ドル円の水準が水準だけに注目度も高いようです。










NY株式大幅続落。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 急速に高まった介入警戒感からドル円の一段の下落はひとまず
    止まったものの、米経済指標の悪化が続き依然として上値が重い展開。
    ドル円は77円割れがあったもののほぼ77円台前半で推移。
    米長期金利の大幅下落もありドルの反発は限定された。
  • ユーロはイタリア国債の下落などを材料に売られる。対ドルでは
    前日同様1.41台半ばまで下落し、対円でも109円台前半まで下落。
  • 豪ドルが大きく値を崩す。昨日政策金利が据え置かれ、一部には利上げ
    期待もあったことから対円では83円割れ目前まで下落。
  • 株式市場は下げ止まらず8日続落。デフォルトはひとまず回避されたものの
    景気減速を示す指標が相次ぎ、資金はより安全な債券に流れる。
    ダウは前日比265ドル下げ、節目の1万2千ドルを大きく割り込む。
  • 債券相場は続伸。株価の大幅下落から10年債は買い物を集め、利回りは
    今年最低水準の2.6%台に。
  • 株安、ドル安を背景に金への需要はさらに高まり22ドル高と、高値を更新。
    一方原油は個人消費の落ち込みなどを背景に大幅安。
  • 6月個人所得 → +0.1%
  • 6月個人支出 → -0.2%
  • 6月PCEコアデフレ-ター → +1.3%



本日の注目イベント


  • 豪   豪6月貿易収支
  • 豪   豪6月小売売上高
  • 中   中国7月非製造業PMI
  • 欧   ユーロ圏6月小売売上高
  • 米   7月ADP雇用者数
  • 米   7月ISM非製造業景況指数





NYの株式市場が下げ止まりません。

ダウは265ドルの大幅安となり、これで8日続落です。

この間の下げ幅も857ドルで、約6.7%の大幅下落となっています。

企業の好決算が相次ぎ、最高値も手の届く所まで来ていたものが

一転して下落基調に陥ってしまいました。

きっかけはやはり債務上限引き上げ問題で、

オバマ政権と議会がゴタゴタを続けていたことです。

ひとまず最悪の事態は回避できましたが、今後米国債の格下げリスクは残り、

米景気減速が鮮明になってきたことでリスクを回避する形で

「株売り、債券買い」が活発になっていることです。

今朝のブルームバーグ・ニュースでは「不透明感が非常に強く、

経済に関するニュースもネガティブなことから、米国債への資金の流れが続いてる」との

債券トレーダーの言葉を紹介しています。

米国民の株式投資の割合は高く、

このまま株価が低迷していくと「個人消費」への影響も避けられない状況になります。

住宅価格の下落が個人の家計バランスを悪化させていると指摘されてきましたが、

これに加えガソリン価格の高止まり、

株価の下落で個人の財布のひもはますますきつく締められそうです。



昨日は「政府日銀が介入への準備を進めている」との報道から

ドル円は買い戻され77円80銭近辺まで上昇しましたが、上値の重さは相変わらずで、

さらに与謝野経済財政担当大臣が「そういう話はまったく聞いていない」と

発言したことでドル円は再び売られ、77円台前半から半ばでの動きになりました。

介入警戒感が急速に高まっており、ドル円が76円台に突入すれば

日銀が「いつ介入してもおかしくない」状況であることはまちがいないと思います。

ただ、昨日の新聞には協調介入の可能性も指摘されていましたが、

さすがにそれは考えにくいと思われます。

野田財務大臣は「日銀や各国とコミュニケーションを取っている」と発言していますが、

協調介入への理解を得るのは難しいと見られます。



「協調介入」が難しいとすれば、日銀が市場に参入するのは東京時間に限られそうです。

NY連銀などへ「委託介入」するという方法もありますが、

こちらも可能性は少ないと見られます。

やはり東京市場のオープンしている時間帯に、76円台にある程度のスピード感をもって

突入したケースが最も介入しやすいのではないかと考えます。

今日の東京株式市場は、NYの株価大幅下落を受けかなりの値幅で下落しそうです。

株価の大幅下落はドル売り円買いに繋がることから、

日経平均株価が300円以上の下落を見せるとドル円の76円台突入もあるかもしれません。

その際ドルの下落スピードが早ければ「介入」の可能性がかなり高まってくると思われます。



豪ドル円が今朝方約3ヵ月半ぶりに82円台まで下落しました。

昨日のRBAによる政策金利据え置きが引き金となり、

豪ドル/米ドルが約200ポイント下落したことで対円でも久しぶりの82円台です。

ここ1ヵ月ほどは「日足」の200日移動平均線でサポートされてきましたが、

82円台に入ったことで支持線を下抜けしています。

次のサポートは、「週足」の200日移動平均線が82円79銭にあることから、

この前後の水準が重要になります。

84-87円のレンジが下抜けしたと思われますが、

上記水準を抜けると「遅行スパン」も逆転を起こすことから

81円程度までの下落を予想します。

また、本日10時半にはオーストラリアの貿易収支と小売売上高の発表があります。

指標結果によっては81円台もあるかもしませんが、

逆に84円台までの反発も否定できません。







ドル円NYで76円29銭まで下落。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • アジア市場で一時78円台まで反発したドル円は、その後上値が
    重くなりジリ安に。NY市場では76円台後半で取引されたが、経済指標の
    発表と同時にドル売りが進む。米長期債の利回りの低下もあり、ドル円は
    一時3月の最高値に迫る76円29銭まで下落。
  • その後、日系新聞社の「政府日銀が介入の準備を進めている」との報道
    からドル買い戻しが進み一気に77円台前半まで戻し引ける。
  • その他主要通貨ではドル高が進み、ユーロドルは1.41台後半まで下落。
    ユーロ円は今年3月以来の108円台まで下落し、円買いが鮮明に。
  • 株式市場はオバマ大統領が前日合意宣言をしたことから買い物を集め、
    朝方は130ドルを超える反発を見せたが、ISM製造業景況指数が
    大幅に悪化していた発表を契機に売りがかさみ引けは10ドル安と、結局
    7日続落で取引を終える。
  • 債券は大幅に続伸。前日のオバマ大統領の声明からデフォルトは
    回避できたとの見方から買い物優勢に。10年債利回りは2.7%台まで低下し
    昨年11月以来の水準に。
  • 金、原油は続落。原油価格は3週間ぶりに95ドル台まで下落。
  • 7月ISM製造業景況指数 → 50.9



本日の注目イベント


  • 豪   豪4-6月期住宅価格指数
  • 豪   豪6月住宅建設許可件数
  • 豪   RBAキャッシュターゲット
  • 日   7月マネタリーベース
  • 欧   ユーロ圏6月生産者物価指数
  • 米   6月個人所得
  • 米   6月個人支出
  • 米   6月PCEコアデフレ-ター





昨日の朝方10時前にオバマ大統領は議会指導部との間で、

連邦債務上限引き上げ問題と、財政赤字削減案について

大筋で合意したとの声明を発表しました。

この結果最悪の事態であったデフォルトは回避できたと宣言しました。

この発表を受け77円台半ばで推移していたドル円はドル買い戻しが進み

一気に78円台まで上昇しましたが、ドルの反発力はそこまでで、

その後はじり安が続き77円台半ばで東京市場の取引を終えています。

日経平均が一時200円を超す上昇を見せた割には、ドルの反発力は弱かったと言えます。



欧州市場にかけてはさらにジリ安が続き、77円台前半まで下落。

NY市場ではISM製造業景況指数が50.9と、

約2年ぶりの水準まで下落していたことを受け、

ドル円は76円29銭まで売られ3月17日の

「史上最高値」に近い水準までドル安が進みました。

昨日もこの欄で指摘しましたが、

米国債のデフォルトが回避できたとしてもドル円の上値は重く、

今後は米景気の悪化に注目が移りドル上昇を抑えることになりました。

それにしても7月のISM製造業景況指数の悪化もサプライズでした。

項目別でも、雇用指数は53.5と、先月の59.9から大幅に悪化しており、

これで先週の耐久財受注、第2四半期GDPに続き

米景気の後退を示す指標が相次いだことになります。

ここから連想されることは「ひょっとして週末の雇用統計も・・・」と考えてしまいます。

仮に雇用統計が市場予想を下回る結果になると、

FRBの追加刺激策の実施が濃厚になってきます。



今朝の経済紙では「政府、介入を準備」「日銀は追加緩和検討」との

見出しがトップで報じられています。

昨日のNYでもこの記事の電子版がドル円を約1円押し上げたものと思われます。

記事では米国も介入に理解を示し、

日本の円売り介入を容認する姿勢を見せていると報じています。

さらに「日銀による単独介入」ではなく、

日米欧の「協調介入」の可能性もあると伝えています。

背景には震災後回復基調にある企業活動が、

為替の動きによっては大きな打撃を受けることから、

これ以上の円高を防ぐことが狙いとあります。



個人的にもそろそろ介入のタイミングではないかと思っています。

3月の76円25銭を割り込むと下値のメドが立たなくなり、

さらに円高が加速することも十分考えられます。

また、最近の円高はこれまでと異なり、ややスピードが増してきており、

日銀にとっても「過度の変動」との認識を持てることから、

介入の下地は揃ってきたと見ていいと思います。



しかし「協調介入」の可能性は低いと見ています。

介入を行うなら単独よりも協調の方がより効果が高いことは実証されています。

ただ、ドル安は米国にとっては居心地がいいのは事実で

「自分の身の回りのことで精いっぱい」という状況で、

他人のことに協力する余裕はないと思われます。

そもそも極端なドル安の進行は米国の景気悪化が主因で、

QE2などの緩和策がもたらした副作用の影響が大きいからです。

焦点は市場介入でどこまでドル円が戻るのかです。

意識されるのは「80円の壁」です。

現在市場で取引されている水準からでも2円50銭ほど距離があります。

介入のタイミングあるいは規模にもよりますが、

ドル買い円売りが実施されても「2円から3円」と予想すると、

はやり80円あたりが「壁」になる可能性があると見られます。

投機筋がショートポジションを大きく縮小してくれば別ですが、

輸出の為替予約の取り遅れや、

個人投資家のロングの手じまいなどを考えるとドルの反発も限られるかと思います。

重要なことは米国サイドから「もうこれ以上のドル安は望まない」との

明確なメッセージが発せられることです。










円NYで一時76円台に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 米債上限問題の合意が進展しないことに加え、発表された第2四半期
    GDPが予想を下回るなど、米景気の悪化を示す指標が相次いだことから
    ドル円は77円を割り込み、一時76円72銭とドル安が加速。
  • 米債務上限問題ではオバマ大統領と共和党幹部で交渉が続けられて
    きたものの、先週末時点では依然合意の見通しが立っていない。
  • ただ、今朝の時点(米国では7月31日)では共和党幹部が
    「合意が近い」との見方を示した、とメディアは伝えており、ドル円は
    NYクローズから50銭~80銭近く値を戻しており、荒っぽい動きを見せています。
  • ユーロドルは下落しながらも下値はしっかり。豪ドルに対しても堅調な
    動きを見せる。
  • 株式相場は6日続落。債務問題の先行きや、景気の悪化を示す経済指標が
    相次いだことからダウは96ドル安で、この間の下げ幅は580ドルを超す。
  • 債券相場は堅調。株安と米国債のデフォルトは避けられるとの見通しがあり、
    10年債利回りは2.8%を割り込み今年の最低水準に。
  • 金価格は大幅高で最高値を更新。ドル安が進み金先高観が依然旺盛。
    原油価格は下落。100ドルの大台が超えられず売り優勢の展開に。
  • 第2四半期GDP(速報値) → +1.3%
  • 7月ミシガン大学消費者信頼感指数 → 63.7



本日の注目イベント


  • 豪   シドニー市場休場(バンクホリデー)
  • 中   中国7月製造業PMI
  • 欧   ユーロ圏6月失業率
  • 米   7月ISM製造業景況指数





ドル円はついに先週のNY市場では76円台後半まで下落し、

3月17日に記録した76円25銭が見えてきました。

連邦債務上限引き上げ問題で決着がつかず、

市場は「万が一の場合」を意識し始めたことに加え、

この日発表された第2四半期GDPが前期比+1.3%に留まり、

市場予想を大きく下回りました。

また、そのミシガン大学消費者信頼感指数など、他の経済指標も悪化しており、

市場は「債務上限問題」より「景気の悪化のほうが重大」との見方を強めたことが背景です。



債務上限問題では今朝(米国時間7月31日)、

共和党のマコネル院内総務がテレビ番組の中で「合意に近づいている」と

語ったことが伝えられています。

また、民主党のリード院内総務も債務上限引き上げに関する合意案を、

民主党上院議員の承認を条件に受け入れたと発表しています。

これにより、上院では現地時間31日夜にも投票が行われ、

下院で8月1日に採決される道が開かれてきました。

混迷を続ける「債務上限問題」に、ようやく出口が見えてきたとの印象です。



「債務上限問題」は合意に達するまでまだ予断は許しませんが、事態が好転したことで、

早朝のオセアニア市場ではドル円が買い戻されています。

一時は77円半ばを超え、

先週末のNYクローズからは80銭ほどドル高が進む場面がありました。

先週末発表されたシカゴ通貨先物市場では、ヘッジファンドなどの建て玉は

約10ヵ月ぶりの高水準で「円買いドル売り」が膨らんでおり、

投機筋は、円が先行きさらに上昇するとの見方を維持していることを

裏付けた格好になっています。

今朝のドル高はそんなショート筋の買い戻しが入ったと見られます。



一部で期待されていた市場介入も、結局76円台後半まで観測されていません。

介入があるとすれば「単独介入」の可能性が高く、

そうであれば東京市場が開いている時間帯での介入が基本です。

東京市場ではまだ76円台がついてはいませんが、

仮に東京時間内にその水準にまでドル安が進むと、

介入の可能性が増すのではないかと見ています。

76円25銭の円最高値を超えると、ドル底値のメドが立たなくなることに加え、

これまで比較的堅調だった株式市場もさすがに調整色を強めています。

株安、円高が大きく進む状況では日銀の介入と同時に、

さらなる追加緩和策が取られる公算が高いと思われます。



しかし、上述したように問題は「債務上限」ではなく「米景気の悪化」のほうです。

このところの米経済指標では住宅関連にやや好転の兆しがみられたものの、

おしなべて悪化傾向を示しています。

このままでは6月に終了したQE2に続く、QE3実施の可能性も出てきたと思います。

「債務上限問題」はドル売りの「単なる口実」でしたが、

米景気の悪化に伴い「出口戦略」の大幅な後退のほうが大きな問題です。

米金利の上昇が見込めない以上ドルが軟調に推移して行くのはある意味自然なことで、

今後ドルが緩やかに下落すると見られます。

市場の見方も「介入などでドルが反発しても、80円が一杯」との見方がコンセンサスで、

懸念していた「80円以下が定着」しつつあります。

今週はドルの戻りの限界を確認しつつも、介入水準を探る展開かと思われます。










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