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ドル円、早朝に75円34銭まで下落。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 今週にはFOMCが控えていることもあり、ドル円は終始75円台で小動き。
    クロス円が全般的に下落基調だったこともあり、ドル円では上値の重い展開が
    続く。
  • ユーロドルは下落。前日1.42台半ばを記録した後、利益確定の売りや
    イタリア国債の入札が不調だったことを受け、1.41台前半まで下落し、
    半ばで引ける。
  • NY株式市場は前日とほぼ変わらず。10月の消費者マインド指数は
    上回ったものの、前日の大幅上昇から上値の重い展開に。ダウは小幅に
    上昇し、ナスダックは小幅に下落。
  • 債券価格は3日ぶりに反発。長期金利は下落したものの2.3%台で
    高止まり。
  • 金、原油価格はともに小幅な下落。
  • 9月個人所得 → +0.1%
  • 9月個人支出 → +0・6%
  • 8月PCEコアデフレーター → +1.6%
  • 10月ミシガン大学消費者信頼感(確報値) → 60.9




本日の注目イベント


  • 独   独9月小売売上高
  • 欧   ユーロ圏10月消費者物価指数(CPI)
  • 欧   ユーロ圏9月失業率
  • 米   10月シカゴ購買部協会景気指数
  • 加   カナダ8月GDP





円高の流れが止まりません。

週明けのオセアニア市場では一時、75円34銭までドル安円高が進み、

今朝6時半時点では若干値を戻し75円70銭前後で推移しています。

先週末のNYでは75円80銭近辺で引けているため、

約50銭ほど円高が進み「円の最高値」を更新しています。



先週からの値動きは76円台さえ重い展開となり、

懸念されていたように緩やかに円高ドル安が進み、

市場参加者の目も「75円台」に慣らされてきたように思われます。

早朝の海外市場では、日銀の介入の心配もない中、

市場参加者が少ないこともあり投機的な仕掛けが出易い状況です。

今朝の動きも、特に早朝時間に特段の材料も無かったことから、

その可能性が高いように思えます。

3月17日の早朝にも同様な動きがあり、

政府・日銀は翌日大規模な市場介入に踏み切ったことは記憶に新しいところです。

財務大臣は「断固たる措置を取る」と繰り返していますが、

一向に介入に踏み切らないことで「口先介入」にも限界が出ています。

「そろそろ介入に踏み切るタイミングでは・・・」と個人的には予想していますが、

ここでも過度の介入期待は禁物です。



ドル円が75円台に突入したのが10月21日のNY市場でした。

そして先週には連日「円最高値更新」の見出しが躍り、

ドル円はじりじり下値を切り下げてきています。

背景は今週開かれる米FOMCでの追加緩和観測です。

欧州財政危機問題がギリギリのところで最悪の事態を回避でき、

ユーロが急速に上昇。主要通貨に対しドル安が進んでいることで

円買いも進んだものと思われます。

ユーロ危機の際には「安全通貨としての円買い」が進み、

今度は「ドル先安感からの円買い」が進んだ格好です。



先週行われた日銀金融政策決定会合では5兆円の追加緩和策が発表されましたが、

これも予想の範囲でありサプライズはなく、円高阻止には繋がっていません。

政策的にも円高が止まらず、介入も「口先」だけに留まっていることで、

投機筋はもう一段の円高を狙っていると思われます。

その際には75円が重要な節目になりそうです。「心理的な節目」であると同時に、

「75円を切ったら円高がさらに加速する」といった見方もあるからです。



一方で、FOMCでの追加緩和第3弾(QE3)が見送られる可能性も否定できません。

先週発表された8月分のコアデフレーターは1.6%で、

やや落ち着きを見せてきたようですが水準的には依然として高めです。

さらなる追加緩和は、商品、穀物への資金流入に繋がります。

行き場のない資金がこれらの市場に大量に流れ込めば物価上昇に繋がりかねません。

バーナンキ議長がそれでも景気浮揚を最優先し、

追加緩和に踏み切るのかどうかという点が焦点になります。



また3日にはECBの政策委員会が開かれ、こちらでも「利下げ」の観測がでています。

ユーロ圏をけん引する独仏が

今年度の経済成長の見通しを引き下げたばかりということもあり、

ユーロ圏では財政危機がひとまず後退したものの、

今度は景気後退懸念が出始めています。

このため利下げに踏みきる可能性も高く、ドラギ新総裁の手腕が注目されるところです。

1.42台半ばまで上昇したユーロドルは下落に転じていますが、

1.4100-20近辺にある「120日移動平均線」と「200日」を

割り込むかどうかがポイントになりそうです。

ひとまず財政危機を乗り越えたユーロですが、

専門家の意見では「危機は終わったわけではない」という意見が目に付きます。

ただ、チャートでは上昇傾向が鮮明で、

今週は先週に記録した1.42台の半ばが目先の天井だったのかどうかを

確認する週になると思われます。












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3日連続の円最高値更新、75円台定着か。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は75円66銭を記録。3日連続で円の最高値を更新。
    アジア市場からのドル全面安の流れが継続。円は最高値を付けた後は、
    介入警戒感からジリジリ値を戻すも上値は重く76円台に戻せず、
    75円台後半で引ける。
  • ユーロ圏首脳会議でギリシャの債務減免50%やEFSFの拡充案などの
    「包括戦略」が合意されたことで、リスク選好の動きがより優勢に。
    ユーロドルでは上値として重かった1.4台に乗せ、約1ヶ月半ぶりの高値を示現。
  • NYダウは大幅続伸。欧州債務危機に対する「包括戦略」合意が背景。
    第3四半期GDPが市場の予想通りだったことも投資家心理を支えた格好に。
  • 債券市場は大幅続落。リスク選好の流れから安全資産である債券に売りが殺到。
    一時、8月以来の2.4%台を付ける。
  • 金は大幅に続伸、これで5日連続で上昇。原油も大幅反発。
  • 7-9月期GDP → +2.5%(市場予想通り)
  • 週間失業保険申請件数 → 40.2万件(市場予想は40.1万件)
  • 仮契約住宅販売指数 → -4.6%(市場予想は+0.4%)




本日の注目イベント


  • 日   9月失業率
  • 日   9月消費者物価指数(CPI)
  • 日   9月鉱工業生産
  • 米   9月個人所得
  • 米   9月個人支出
  • 米   8月PCEコアデフレーター
  • 米   10月ミシガン大学消費者信頼感





円がまた対ドルで最高値を更新しました。

先週の金曜に更新して以来、4回目の最高値更新になります。

そして3日連続での更新でもあります。

欧州の「包括戦略」が合意されたことで、ユーロドルでユーロ買いドル売りの流れが

ドル全面安の流れとなり、ドル円でもドルが売られる展開となりました。

この4回の高値更新のパターンは全て同じように見えます。

特に今週の3回は欧州タイムからNYタイム前半まで円高に推移し、

高値を更新するとNYの引けにかけて76円台に戻すというパターンが形成されています。

しかしながら、今回だけは76円台にワンタッチしただけで、

75円台後半で落ち着いてしまっています。

先週までの77円を挟んだ展開から76円を挟む相場へと移り変わり、

いよいよ75円台が定着してきています。



もちろん介入警戒感がありますが、政府・日銀は色々と動きづらい状況のようです。

安住財務相が政府短期証券を発行し、

それにより得た資金で欧州のEFSF債を購入して

ユーロ安円高阻止しようと検討していましたが、

昨日に「政府短期証券での資金調達でEFSF債購入を慎む必要」と発言しました。

理由としては、その行為が「介入になる」ということです。

おそらく欧米政府関係者から指摘されたと想像するのが適切ではないでしょうか。



昨日行われた日銀金融政策決定会合ではより一層の追加緩和や

会合結果発表と同時に介入といったことも行いませんでした。

この点については来週控えているFOMCで「QE3」が議題にあがりそうですので、

その部分を見極めたいとの思惑があると思われます。

それに加え、来週末には米雇用統計があり、さらにはG20も予定されています。

重要イベントを前に介入など行ったとしても、

イベント通過後に円が急上昇といった介入などが

無駄になってしまうのを懸念していると思われます。

一方、経済界の多くの要人から円高対策を早急に迫られていますので、

口先介入だけではなく行動で示してほしいと、個人的にも考えています。



最近、気になる点としてドル高円安要因である日米金利差が格大してきていますので、

ドル円も短期的にはそろそろ底を打つ可能性もあります。

米長期金利の上昇の方が先行性があるといわれていますので、

上昇する余地はあることも意識することが必要です。



本日もいつものパターンで円の最高値を

東京市場以外で付けてくる可能性は高いと思われます。

今週の重要なイベントは通過していますし、来週を見据えて動きづらい展開になりそうです。

経済指標も多く予定されていませんので、ささいな情報にも過剰に反応しそうです。

連日のリスク選好の流れの中、週末のポジション調整も考えると

動いたとしても大きく水準を変わることはないと考えています。



それでは良い週末を・・・。












円最高値更新するも76円台に反落。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は欧州市場で75円71銭を記録。連日の円最高値更新となる。
    介入警戒感はあるものの、実際に介入が実施されていないことや、依然、欧州
    債務問題で協議の難航が予想されることなどから円買い意欲も旺盛。
  • NYでも75円台後半まで円高が進んだものの、27日の日銀金融政策決定会合
    で円高対策が打ち出されるとの観測や、米長期金利の上昇などから76円台に
    乗せて引ける。
  • ユーロドルはEU首脳会議の行方を睨みながら荒っぽい値動きに。
    一時1.38台割れまで下落したが、銀行の資本増強で合意したとの報道を受け
    1.39台後半まで反発する。
  • EU首脳は欧州銀行の自己資本比率を資産査定の基準より高めの9%に
    することで合意。資本不足に陥った銀行は賞与と配当に制限を受けることにも
    合意。
  • NY株式市場はEUが銀行の資本増強で合意したことを受け大幅に反発。
    ダウは162ドル高で前日の下落分を埋めた格好に。
  • 債券相場は小幅に反落。EUの一部合意を受け、リスク資産への資金拡大
    から売られた。5年債入札が好調だったものの下げを埋めきれず、価格は
    小幅に下落し、10年債利回りは小幅に上昇。
  • 金は4日続伸。原油は予想以上に在庫が膨らんでいたことから大幅に反落し
    90ドル台で引ける。
  • 9月耐久財受注 → -0.8%
  • 9月新築住宅販売 → 31.3万件




本日の注目イベント


  • 日   日銀金融政策決定会合
  • 中   中国9月工業利益
  • 独   独10月消費者物価指数(CPI)
  • 欧   ユーロ圏9月マネーサプライ
  • 米   7-9月期GDP
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   仮契約住宅販売指数
  • 加   カーニー・カナダ中銀総講演





ドル円は連日の最高値更新です。

欧州市場で75円71銭まで下落し、

前日記録した最高値をわずか2銭ですが更新しています。

先週末に約2ヵ月ぶりに最高値を更新しましたが、

特徴的なのは「更新幅」がわずかなことと、そのスピードも緩やかだと言うことです。

さらに、ここ3回の高値更新は全て海外市場で記録され、

そして全て76円台に戻して引けていることです。



このことから、円の先高観は根強いものの、

相当な警戒感もあり投機筋の利ザヤも小幅に売買されていることが推測されます。

市場には「ドル円は70円を目指す、いや長期的には50円もある」といった、

円対するに強気な意見も散見されますが、

「そろそろいい水準に来た」と観て、新規のドル買いを入れる人や、

ショートポジションをクローズする人がいることも事実で、

このあたりの相場観や介入警戒感が相場の動きを緩やかにしているようです。

特に海外が引けて、東京市場でもし介入が実施されれば、

2~3円くらい持っていかれる可能性もあり、

75円台でショートポジションを維持するリスクはかなり高いものと思われます。

ただ、昨日の東京市場でも76円前後の相場は確認されており、

それでも市場介入が実施されなかったことから、市場の介入警戒感はやや薄れています。

一部には「介入は行われないのではないか」との観測も出てきております。



本欄でもたびたび「過度の介入期待感は禁物です」と記述してきましたので、

この水準で介入が実施されないことは「想定内」です。

ただし、介入警戒感は引き続き非常に高いと考えます。

政府・日銀としても介入の効果を最大限高めるため、

そのタイミングを狙っているものと思われます。

為替が大きく変動するイベントが控えており、その前に動きにくいこともあります。

今朝方まで続いているEUの首脳会議を観たいとの雰囲気もあります。

また、来週にはFOMCがあり、追加緩和が実施される可能性もあり、

実施されたらドル安が進むことも考えられ、

FOMC前に動くことは得策ではないとの見方もできます。

さらにそのすぐ後には「G20」首脳会議も開催されることになっています。



これらに加え、上述のように円高へのスピードが緩やかです。

「過度の相場変動には」との趣旨には合致していません。

短時間で一気に円高に振れるような展開があれば、

介入が実施されることになろうかと思いますが、

一方で、「口先介入」にもそろそろ限界がでてきています。

「断固たる措置を」との文言もやや色あせてきており、

発せられた後の市場の反応も徐々に鈍くなっています。

市場の円先高観が強い中、先週まで続いていた77円を挟む展開が、

今度は76円を挟む展開に変わった可能性があります。

米追加緩和期待が高まっていることから、

FOMCメンバーからの発言が非常に注目されますが、

75-76円の相場に目が慣らされることに警戒したいと思います。



注目のEU首脳会議ではひとまず、欧州銀行への資本増強では合意に達しました。

しかし、まだ欧州金融安定基金(EFSF)の規模拡大と資金調達の方法、

それにギリシャ国債の評価にともなう民間銀行の負担割合については

合意に至っていません。

ユンケルEU議長は「ある程度まとめる必要がある」と記者団に語っているようですが、

今朝のブルームバーグでは独仏首脳とIMFのラガルド専務理事、ファンロンパイEU大統領

がギリシャの債務減免を巡って国際金融協会のダラーラ専務理事と協議をするため

ユーロ圏首脳会議を抜けたと報じています。

民間金融機関が加盟する国際金融協会の責任者との協議に臨んだことは、

負担割合いを巡る最終合意が近いことを連想させます。



ユーロドルはEU首脳会議では解決策合意への期待を背景に底堅い動きを続けています。

しかし、1.39台半ばから1.40の水準が壁になっており抜けきれません。

この水準を抜け、しっかり1.40台に乗せてくれば一段の上昇も望めそうですが、

域内銀行の資本増強に伴う「貸し渋り」などで景気への悪化も想定されます。

債務問題以外にもユーロ売り材料が控えていることから、

ユーロの下落リスクは頭に入れておきたいと思います。












円再び高値を更新。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円はわずかながら円の最高値を更新。米追加緩和観測と
    欧州債務危機問題でECBの関与を巡る意見の相違が表面化し
    円への需要が高まり、一時75円73銭まで円高が進む。
  • その後日経新聞が、日銀が円高対策として追加の金融緩和策を検討
    との記事で76円台に反落し引ける。
  • ユーロは対ドルで1.38台半ばまで下げたものの、本日のEU首脳会議
    の行方を見極めたいとの雰囲気が強く、1.3850-1.3950で一進一退。
  • 景気後退が続く見通しから、政策金利を据え置いたカナダドルは下落。
  • 株価は大幅に下落。住宅関連指数や消費者信頼感指数などが総じて悪化し、
    UPS、アマゾン、3Mなどの株価が大幅に売られ、
    ダウは前日比207ドルの大幅安。
  • 債券相場は小幅に反発。2年債入札が好調だったことや株価の下落が相場の
    支えとなり価格は上昇、長期金利は小幅に下落。
  • 金、原油はともに大きく続伸。金価格は48ドルの大幅高となり1700ドル台に。
    原油価格も続伸し約2ヵ月振りの高値となる93ドル台に。
  • 8月ケース・シラー住宅価格指数 → -3.80%
  • 10月消費者信頼感指数 → 39.8
  • 10月住宅価格指数 → -0.1%
  • 10月リッチモンド連銀製造業指数 → -6




本日の注目イベント


  • 豪   豪第3四半期生産者物価指数(CPI)
  • 欧   EU、ユーロ圏首脳会議
  • 欧   ドラギ・イタリア中銀総裁、トレモンティ・イタリア財務相講演
  • 欧   メルケル・独首相講演
  • 欧   コンスタンシオ・ECB副総裁講演
  • 欧   シュタルク・ECB理事講演
  • 米   9月耐久財受注
  • 米   9月新築住宅販売





ドル安と欧州債務問題の不透明感から円は再び史上最高値を更新し、

先週末に記録した75円78銭を若干上回る75円73銭まで円買いが進みました。

昨日発表された米経済指標ではケースシラーなど住宅関連指標は、

一部には改善期待があったものの悪化傾向に歯止めはかかっておらず、

消費者信頼感指数に至っても2年7カ月ぶりの低水準でした。



これら経済指標の悪化は、追加緩和第3弾「QE3」期待をいやがうえにも盛り上げ、

量的緩和の実施からドル安円高が連想され易い状況となっています。

イエレン・FRB副議長に加え、ダドリーNY連銀総も「QE3」に言及するなど、

FOMCメンバーの中でも「ハト派」の代表格が追加緩和が必要との認識をもっていることは

バーナンキ議長もほぼ同様の考えであることが推測されます。

金融市場だけではなく、商品市場もすでに「QE3」実施を先取りする形で

ポジションメイクが行われているようです。



量的緩和が実施されれば市場に出回った資金は再びリスクを取り始め、

株式、金、原油、穀物、新興国通貨へと大量に流れ込みます。

昨日は金価格が急騰し1700ドル台に乗せています。

先週末からの上昇幅は約80ドルに達しており、

イエレン副議長の発言と歩調を合わせていることが伺えます。

原油価格も同様です。

昨日は一時94ドル台まで急騰し、引け値でも8月2日以来の93ドル台です。

米株式市場は昨日は反落していますが、このところは戻り基調で、

1万1900ドル台までダウは回復しています。

商品市場と株式市場では「金余り」を先取りした動きが鮮明になってきています。



一方、為替市場では円や、豪ドルなどが買われ、ドルが売られています。

リスク選好は本来金利の低いドルと円が売られ、

高金利の豪ドル、ユーロなどが買われる傾向がありますが、

今回はここに「ドル安」という要因が加わり、ドルだけが売られる展開になっています。

そのドル安の背景は上記の「QE3」実施観測です。



また、円買いの背景には本日にも合意に達すると観られている

EU首脳会議の混迷見通しもあります。

報道によると本日のユ-ロ圏財務相会合は中止され、

EU財務相会合は予定通り実施されることのようです。

メルケル・独首相は、ECBが財政悪化国の国債を購入することには

反対の立場を表明しています。

自国の中央銀行であるドイツ連邦銀行(ブンデスバンク)の姿勢を踏襲し、

ECBの独立性と財務の健全性を維持することが重要だと考えているようです。



ブルームバーグによれば、26日のEU首脳会議の声明文はまだ作成中だが、

メルケル首相は「声明草稿の現在の文面をドイツは受け入れられない」と

記者団に語っているようです。

ドイツ連邦議会では、EFSFの実質的な規模を拡大する計画について

首脳会議前に採決を行い、メルケル首相は現地時間正午ごろ議会で演説をする予定です。

その後現地時間夕方にはブリュッセルで行われるEU首脳会議に出席し、

協議される模様です。



首脳会議では、この他EFSFの規模と基金をどのように集めるか、

あるいは民間銀行の負担割合などが協議される予定で、

結論がでない可能性も残っていそうです。

ブリュセルの会議では、31日に任期の切れるトリシェECB総裁は出席し、

次期総裁のドラギイタリア中銀総は出席しないと伝えられています。












ドル円76円前後で一進一退。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は76円台前半からジリ安の展開となり、NYでは一時76円を
    割り込む。日本の輸出の伸びや、欧州債務危機の収束観測からリスクを取り
    易くなったことからドル安が進む。
  • ダドリーNY連銀総裁の追加緩和に前向きな発言もドル安に反応した。
    ただ、長期金利の上昇からドルは買い戻され76円台前半で引ける。
  • ユーロドルは欧州市場の朝方1.39台半ばまで買われたものの、その後は
    1.4台へのテストも無かったことで利益確定のユーロ売りや、ユーロ圏の総合景気
    指数が2ヵ月連続で縮小したことに反応し1.38台半ばまで下落。
  • リスク選好の高まりと中国の製造業景況指数が好調だったことから豪ドルが
    堅調に推移。対ドルでは1ヵ月半ぶりに1.05台を回復。
  • 株式市場は大幅に続伸。キャタピラーなど企業の好決算が続いたことや、
    欧州危機回避への取り組みを評価し、ダウは104ドル高で1万1900ドル台を
    回復。これでダウはレンジを上抜けしたとの声も。
  • 株高から債券相場は軟調。市場のリスク志向の高まりから債券価格は続落し
    長期金利は小幅に上昇。
  • 金は続伸。原油は大幅に上昇し91ドル台に乗せる。




本日の注目イベント


  • 豪   バッテリーノ・RBA副総裁講演
  • 中   中国、EU首脳会議
  • 独   独11月GFK消費者信頼感
  • 欧   ユンケル・ユーログループ議長講演
  • 米   8月ケース・シラー住宅価格指数
  • 米   10月消費者信頼感指数
  • 米   10月住宅価格指数
  • 米   10月リッチモンド連銀製造業指数
  • 加   カナダ中銀政策金利発表





NY株式市場が大幅に続伸し、ダウは1万1900ドル台まで回復してきました。

リスク資産である株価が上昇したことで安全資産である債券は下落し、

長期金利は高値圏で推移しています。

加えて、欧州債務危機は26日のEU首脳会合で最終的な合意に達するとの

楽観的な見方もあり、市場はにわかに「リスク選好」に傾いています。

「リスク選好」という言葉がまだ適当でないとしても、

少なくとも「リスク回避」の流れは後退しています。



その結果、豪ドルやユーロなどの株価に敏感に反応する「高金利通貨」は上昇傾向を見せ、

いずれも約1ヵ月半ぶりの水準を回復してきました。

これらの通貨が対ドルで上昇したことで、ドルは下落し、ドル円でも円買い、

ドル売りが機能しやすい状況になっており、ドルの上値を抑える格好になっています。

本来、「リスク回避」の流れは、高金利通貨が買われ、

低金利通貨の円やドルが売り込まれるのがこれまでのパターンでした。

しかし、上述のようにドルは主要通貨に対して売り込まれたものの、

円は堅調に推移しており、対ドルでは75円台で史上最高値を更新しています。



これは「リスク回避」の流れが後退したばかりではなく、

そこにドル安材料が加わったことが理由かと思います。

FRB高官が追加緩和第3弾に言及し、実施することに前向きな発言をしたことがそれです。

昨日もダドリーNY連銀総裁は、金融当局として

住宅ローン金利の過度の上昇を阻止したい考えを示し、

FOMCは借入コストの一段の低下に向け追加措置を講じる可能性があると指摘しました。

同総裁は、9月に政府機関債と政府機関発行の住宅ローン担保証券(MBS)の償還元本を

同MBSに再投資する方針を決めたことについて「われわれは住宅市場の支援、

そして金利の過度の上昇阻止に関心があることを明確に示した」と述べています。



これら一連の発言は、FRB関係者が米経済を「腰折れ状態」から

早急に回復させなければならないことが最優先課題であることを示しており、

次回FOMCでは「QE3」が議論され、

場合によっては実施される可能性が高まってきました。

「QE3]の実施は市場へのドル資金のさらなる供給から、

金利の低下(低下余地は限られますが)、低コストのドル資金の調達を可能にし、

市場で余ったドルは高金利通貨へ流れ、新興国への投資が再開されるとの連想が働き、

「ドル安」を加速させることに繋がります。



その意味で「円」は、リスク回避時には「安全資産」として買われ、

「リスク回避」が後退しドル安の流れになったことでも買われ、

常に円買い圧力があるとも言えそうです。

この流れを断ち切るのは、やはり米長期金利の上昇が必要かと思います。

円高を止めるには、日銀による一段の緩和策の実施で

日米金利差が拡大することが不可欠です。



欧州債務問題も26日にはいよいよ「ヤマ場」を迎えます。

欧州銀行への資本増強問題では1000億ユーロ(約10兆5000億円)が

準備されそうな状況ですが、域内の銀行はギリシャ国債だけを保有しているわけではなく、

イタリア国債も大量に保有しており、10年債利回りは6%前後まで上昇しており、

価格は大幅に下落しています。

さらにスペイン国債なども含めると南欧諸国の国債価格の下落に伴う評価損は

かなりの額に達しそうです。

市場では1000億ユーロでは足らないとの見方が強く、

どこまで増額できるのかが焦点になりそうです。



また、EFSFの基金増額についても1兆ユーロ(約105兆円)必要との試算もあり、

どのような形で資金を集めるのか注目されます。

現在SPC(特別目的会社)を設立し、外部から資金を集める方法が検討されていますが、

はたして誰が投資をするのか不明です。

26日にはある程度の規模を拡充したうえで合意に達すると観られますが、

その規模によっては「失望感」からユーロ売りが噴き出す可能性も否定できません。

円にようやく値動きがでてきましたが、

市場の主役がユ-ロであることは変わらないようです。












円2ヵ月振りに最高値を更新。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は約2ヵ月ぶりに史上最高値を更新。76円50銭を割り込むと
    ストップロスのドル売りも巻き込み76円を突破。一時75円78銭の最高値を
    つけた後、76円台前半に戻して引ける。
  • EU首脳会合を前に、ユーロが対ドルで買い戻されるなど、主要通貨に対して
    ドルが全面安になったことも円買いに繋がった。オプション絡みのドル売りも執行
    されるなど、再び円高への勢いが動意付く。
  • EU首脳会合では、主要銀行への資本増強で大筋合意し、26日の最終会合では
    EFSFの拡充案を含めた包括策が合意に達する見込み。
  • このためユーロドルの買い戻しが活発となり、約1ヵ月ぶりに1.39台に
    乗せる場面も。
  • NY株式市場は大幅に続伸。欧州債務危機の収束観測や、米金融当局者の
    追加量的緩和発言などの材料に反応し、ダウは267ドル高の1万1800ドル台を
    回復。
  • 債券相場は続落。欧州危機に対する楽観的な見方から売り物優勢の展開となり、
    10年債利回りは小幅に上昇。
  • 金、原油はともに上昇。米景気の回復期待もあり原油価格は1ヵ月ぶりに87ドル
    台まで続伸。




本日の注目イベント


  • 豪   豪第3四半期生産者物価指数(PPI)
  • 日   9月貿易統計
  • 独   独10月製造業PMI
  • 独   独10月非製造業PMI
  • 欧   ユーロ圏10月製造業PMI
  • 欧   ユーロ圏10月非製造業PMI
  • 米   ダドリー・NY連銀総裁講演
  • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁講演





先週金曜日に76円50銭-77円50銭のどちらか抜けたら値幅が出るのでは、

とのコメントを書きましたがNYでは大幅に円高に振れ、

ドル円は約2ヵ月ぶりに最高値を更新し75円78銭まで円高が進みました。

今回は「リスク回避」の円買いではなく、

ドル全面安に起因する「円買い」だったように思えます。



イエレン・FRB副議長は「失業と金融混乱の悪影響を受ける米景気の浮揚に必要なら、

量的緩和第3弾(QE3)が正当化されるかもしれない」との認識を示しました。

同副議長はデンバーで講演し、米国の景気回復についても「失望されるほど緩やかだ」とし、

雇用の伸びは「今後数ヵ月もなお低迷する」と指摘しています。

FRBの副議長が「QE3」に言及したことで、来週にも行われるFOMCで追加的緩和が

議論される可能性が急速に高まったことになります。

FRBはすでに2013年中ごろまで現在の低金利政策を継続することを決めていますが、

今後もう一段の量的緩和が実施されるとの見通しから、

株式市場が好感しダウは8月初旬以来となる1万1800ドル台を回復しています。



追加緩和は株式市場にとっては願ってもない「買い材料」ですが、

為替市場にとっては「ドル売り材料」と捉えられます。

米金利が正常な状態に戻るのがさらに遅れるとの見方ができるのと、

「景気回復が極めて遅い」ことが確認されたことにも繋がります。

さらに、欧州危機がいよいよ最終章に入り、

EU首脳会合では銀行への資本増強では大筋合意しており、

独仏首脳も「合意」に向け協調姿勢を見せていることから、

ユーロ買いドル売りが出易い状況になっています。

「円買い」への連想も働き易い状況と言えます。



今回の円最高値更新はやや「ふいを突かれた」格好になっています。

市場参加者はこのところの「こう着相場」に慣らされてしまっており、

76円50銭ー77円50銭のレンジ内で動くとの意識が固定化されていたように思えます。

レンジを下抜けしたドル円がさらに円高に向かって進むのかどうかは、ユーロドルの行方と、

このところ改善傾向を見せている米経済指標の結果を慎重に見極める必要があります。

すぐに75円を割り込む可能性はそれほど高くはないと観ていますが、

これまでの77円を挟む相場展開から、

今度は76円を挟む展開に「下方修正」される可能性はあります。

しばらくそんな展開が続き、それが定着してしまうと75円割れが無いとは言えませんが、

一方で介入警戒感も高まってきています。



ただ、介入に対する過度の期待は禁物です。

「76円台割れが東京市場で起きれば介入する」との見方が一般的ですが、

われわれが考えてる以上に介入のタイミングは遅い可能性があります。

したがって、介入を背景にドル買いを進めることは得策ではありません。

今週27日(木)に行われる日銀の金融政策決定会合で、

効果的な追加策が打ち出されるのかも注目しなければなりません。

米FOMCでの追加緩和実施の可能性も高まってきていることから、

日米の政策会合の結果が一段と重要になってきます。

これまで約2ヵ月間膠着状態が続き、動かなかったドル円もようやく動意を見せ始めました。

レンジを外れた以上、相場の流れに乗ることが重要です。












ユーロドル約200ポイントの値動き。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 欧州危機収束への道のりが近いようでなかなか決まらないことから
    ユーロは上下に振れ、方向性の定まらない相場展開が続く。
  • 独仏のEFSF拡大方針に関する見解が異なることを材料に、
    ユーロドルは欧州市場の1.38台半ばから1.36台半ばまで、ほぼ
    200ポイント下落。その後独仏の首脳が26日までに包括案を決める
    との共同声明が発表されたことでユーロは急伸し、再び1.38台目前
    まで買い戻され、1.37台後半で引ける。
  • ドル円は77円台前半をテスト。フィラデルフィア連銀製造業景況指数
    がマイナス予想からプラス8.7だったことや、米長期金利の上昇が手掛かり。
    しかし77円台ではこれまで通り「壁」に突き当たり、76円台に押し戻されて
    取引を終える。
  • この日はスイスフランも上昇。欧州危機収束への対応がまとまらないことから
    避難先通貨として再び動意づく兆しも。
  • 株式市場は午前中大幅に下げていたものの、後場にはEFSFの枠組みが
    決まるとの見通しで反発。ダウは小幅に上昇し、ナスダックは小幅に下落。
  • 債券相場は下落。26日には欧州首脳が危機回避で結束するとの報道で
    債券への需要が後退。長期金利は2.18%台まで上昇。
  • 複数のメディアはリビアのカダフィ大佐が死亡したと伝える。
  • 金価格は4日続落し、約4週間ぶりに1612ドル台に。
    原油は続落。カダフィ大佐の死亡により、リビアからの原油増産が
    期待されることが背景。
  • 9月中古住宅販売件数 → 491万戸
  • 週間失業保険申請件数 → 40.3万件
  • 10月フィラデルフィア連銀景況指数 → +8.7




本日の注目イベント


  • 独   独10月ifo景況感指数
  • 中   シュタルク・ECB理事講演
  • 欧   トリシェ・ECB総裁講演
  • 欧   コスタ・ポルトガル中銀総裁(ECB政策委員会メンバー)講演
  • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
  • 米   イエレン・FRB副議長講演
  • 米   タルーロ・FRB理事講演
  • 米   7-9月期決算 → GE
  • 加   カナダ9月消費者物価指数





連日値幅の大きい動きを繰り返すユーロドルですが、

昨日も1日で約200ポイントの「大相場」でした。

欧州金融安定基金EFSFの機能拡充を巡って独仏の足並みがそろわないことから、

「時間稼ぎ」との印象を拭えず、市場はすかさずユーロ売りを仕掛ける状況でした。

欧州時間朝方には1.38台半ばまで上昇したユーロドルはじりじりと値を下げ、

NY時間には1.36台半ばまで下落しています。

米経済指標が好転していたこともドルを押し上げ、円、ユーロはともに下落基調でした。



その後EU当局が、23日に予定通り首脳会議を開催し、26日にも追加会議を開くと発表。

独仏が共同声明を発表し、「意欲的な危機対策が必要との認識で一致している」と強調。

さらに、一部の関係者の話として、

欧州金融安定基金が最大9400億ユーロ(約99兆5100億円)に拡大される、

とのニュースにユーロドルが急反発し、

1.3790前後まで値を戻す荒っぽい展開となりました。

独仏首脳はこれまでに何度もトップ会談を行ってきましたが、

EFSFの拡充を巡っては最後の部分で、

フランスが主張する、銀行として基金の増大を図る案と、

ドイツが主張する、債務保証という形態で債務国を救済してゆく、

いわば保険の形態で行う案で合意に至っていません。



両首脳は共同声明に見られるように「意欲的な解決策が必要」という点では

一致していますが、最後は独仏の「覇権争い」の感もあります。

しかし、本日から開催されるEU、ユーロ圏財務相会合と、

最終的には26日の会合で「合意」に達しないと、さすがに時間稼ぎにも限界があります。

市場はその合意内容次第でもユーロ売りを仕掛けてくる可能性があり、

「ユーロ秋の陣」もいよいよ最終章に突入してきたと言えそうです。



米フィラデルフィア連銀が発表した10月の同地区製造業景況指数は「+8.7」と、

前月の「-17.5」から大幅に改善しました。

ブルームバーグによると、この回復幅は過去31年で最大だそうです。

同指数は「ゼロ」が基準で、プラスは拡大、マイナスは景気後退を表しています。

一地区の製造業の景気指数とはいえ、

今後NY連銀製造業指数などもどのような変化を見せるのか注目したいと思います。



フィラデルフィア連銀指数は大幅な改善でしたが、

9月の中古住宅販売件数はこれまで通り低空飛行でした。

ただ先週にも触れましたが、このところの米経済指標は改善傾向が強まっています。

このため「ハト派」の地区連銀総裁の中には「米景気が2番底に陥る可能性は低い」といった

強気の意見も聞かれるような状況です。

米経済指標のなかでは「雇用」が最も重要な指標です。

非農業部門雇用者が10万人程度の増加で失業率も9.1%という直近の数値は、

FRBの目標値とは依然としてかい離していると言わざるを得ません。

幾つかの経済指標の改善はいずれ「雇用統計」にも好影響を与えるとは思いますが、

それにはまだ時間が必要です。



ドル円は77円台乗せを何度か繰り反しながらも76円台に押し戻され、

77円台がなかなか定着しません。

米経済指標の改善を背景に、どちらかと言えば「上昇」したがっているように観えますが、

77円50銭の「大きな壁」に上昇を阻まれている状態です。

しかし逆に、その水準を抜けたところには

大量の「ストップロス」は置かれていることは容易に想像ができます。

市場参加者は、ドルロングで攻めたらストップは76円50銭以下、

ドルショートで攻めたらストップは77円50銭を超えた水準に置くことで

「ボックス相場」をエンジョイしているものと思われます。

その結果、これらの取引がドル円の値幅をより膠着させており、

ドル円が動かない理由の一つになっています。

ただどちらかのストップが執行されれば、値動きが一気にスピードを増すことがあります。

用心することにこしたことはありません。



良い週末を・・・・・。












ユーロ依然荒っぽい値動き。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ユーロドルは前日の「EFSF2兆ユーロに拡大」報道の余熱もあり
    アジアから欧州時間にかけては上昇。高値1.38台後半まで買い戻しが
    進んだものの、23日の首脳会議への取り組みを巡り、独仏で意見が
    異なっているとの見方から再び下落し1.37台前半まで下げる。
  • ギリシャでは7万人規模のデモが決行され、警官隊との衝突が繰り返される。
  • ドル円は76円台半ばから後半でのレンジ内取り引きが続く。
  • 株式市場は反落。欧州債務危機の解決策をめぐる膠着状態が嫌気されたことや
    ベージュブックの内容にも反応し、ダウは72ドル安で引ける。
  • 株安から債券相場は小幅に上昇。10年債利回りは2.15%で取引を終える。
    ここ2週間は2%台で推移し、この水準が定着してきた模様。
  • 金、原油はともに下落。1ヵ月ぶりに高値を記録した原油価格も2ドルを
    超す大幅下落。
  • 9月消費者物価指数(CPI) → +0.3%
  • 9月住宅着工件数 → 65.8万件
  • 9月建設許可件数 → 59.4万件




本日の注目イベント


  • 独   独9月生産者物価指数
  • 欧   ユーロ圏10月消費者信頼感(速報)
  • 米   9月中古住宅販売件数
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   10月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演
  • 米   ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
  • 米   7-9月期決算 → AT&T、マイクロソフト





ユーロドルは昨日1日で約140ポイントの値幅を見せ、

相変わらず値動きの荒っぽい展開が続いています。

アジア市場から欧州市場にかけては徐々にユーロの買い戻しが進み、

前日報道された「欧州救済基金2兆ユーロに拡大」との報道が

くすぶっていたことが背景にあったようです。

ユーロドルは1.3870まで上昇しましたが、

ここ連日抜け切れていなかった1.39台前半は、

今回も手前でUターンしてしまい1.37台前半まで売られています。



ユーロは円に対しても同様な動きで、106円台半ばから105円台半ばまで下落しました。

23日にユ-ロ圏の首脳会議が開催されますが、

ドイツのメルケル首相は「そこで全てが解決されるわけではない」と、

過度の期待を抑える発言を繰り返しており、

サルコジ仏大統領との意見の違いが浮き彫りになっています。

同首相は昨日フランクフルトで講演し、

「過去の任務と怠慢の全ての罪を魔法の杖で消すことはできない」と厳しい表現を用いて、

23日の首脳会議が債務危機の「終点」にはならないことを繰り返しています。

ブルームバーグは「フランスとドイツの首脳は両国の見解の相違を埋めるため、

19日夜会合を開催した」と報じています。

前日に英紙が伝えた「EFSFの規模を2兆ユーロに拡大することで合意」についても

両国からは公式な見解が発表されてはおらず、市場は疑心暗鬼になっています。

ユーロドルの値動きはこうした状況が背景となり、

神経質で、明確な方向性の見えない展開が続いているものと思われます。



こうしたなか、ギリシャでは予定通り大規模なデモが決行されています。

昨日のNHK夜9時のニュースでも、

ギリシャからデモの様子をトップニュースで伝えていました。

6回目の資金援助を行う条件としてギリシャが公約した追加の緊縮案は、

新たな増税や年金及び賃金の追加削減のほか、

3万人の公務員削減計画が含まれています。

このパッケージは20日夜にも採決される見通しで、

デモはこのタイミングに合わせたものと思われます。

警察によれば、今回のデモには約7万人が参加し、

これまでの最大規模になっているようです。

ギリシャ国民の気持も分からなくはありませんが、

今回の追加緊縮案が議会で承認されなければ、

「ギリシャのユーロ圏からの離脱」を含むギリシャ経済にとって

極めて厳しい試練が待ち受けているのは確実です。

ギリシャ発の信用不安が世界中に伝播し、

その影響はリーマンショックをも上回るのではないかとの見方もあります。

救済資金の主な出し手である独仏の国民は複雑な気持ちで

この光景を観ているのではないでしょうか。

先日あるTVで、ギリシャへの支援問題に関してインタビューされたドイツ人は

「Stand up and work now!」(立ち上がって、今すぐ働け!)

と答えていたのが印象的でした。



欧州の銀行の資本増強に関してJPモルガン・チェースが試算を発表し、

それによると厳格化された規制の下では全体で

2300億ユーロ(約24兆4000億円)必要との数字を出しています。

必要額が多いのは、イタリアのウニクレディトとドイツ銀行で、

それぞれ135億ユーロ(約1兆4300億円)、

117億ユーロ(約1兆2400億円)と試算されています。



低迷が続いている米住宅市場にやや変化が出ています。

昨日発表の9月の住宅着工件数は65.8万件と、高い伸びを示しました。

内訳をみると、戸建ての伸びは1.7%増でしたが、集合住宅が51%増と高い伸びを示し、

この数値は2008年10月以来の高水準でした。

前日もNAHB住宅市場指数が大幅な改善を見せていましたが、

住宅市場の先行きにやや明かりが点灯した可能性があります。

ただ、昨日同時に発表された住宅許可件数は低水準でした。

これは住宅着工の先行指標となるため「米住宅市場の本格的な回復」には、

依然懐疑的な見方が多いようです。












ユーロドル乱高下、一時1.36台に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ユーロドルが急落。欧州時間の朝方には1.39台に乗せ、さらに高値を
    伺う気配もあったが、メルケル首相の首席報道官が、危機が解決されると言う
    「夢」が23日の首脳会議でかなう可能性は低いとの政府見解を示したことから
    大幅に下落。
  • ユーロドルは1.38台を割り込み、NY時間では1.37台前半まで下落。
  • 豪ドルなども連れ安に転じ、クロス円の売りも出た模様でユーロ円なども
    軒並み値を下げる。
  • ドル円も結局77円半ばが抜けきれず、米長期金利の下落にも押され
    76円台半ばまで売られる。
  • NY株式市場は大幅に反落。欧州危機が長引くとの見方や、NY連銀指数が
    5ヵ月連続で悪化していたことなどから、ダウは先週末比247ドルの大幅安。
  • 債券相場は反発。ややリスク回避の流れが主流となり、安全資産の国債への
    需要が高まった。
  • 金、原油はともに反落するも値動きは小幅だった。
  • 10月NY連銀製造業景況指数 → -8.48
  • 9月鉱工業生産 → +0.2%
  • 9月設備稼働率 → 77.4%




本日の注目イベント


  • 豪   デベル・RBA総裁補佐講演
  • 英   BOE議事録
  • 米   9月消費者物価指数(CPI)
  • 米   9月住宅着工件数
  • 米   9月建設許可件数
  • 米   ベージュブック(地区連銀経済報告)
  • 米   ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 米   7-9月期決算 → モルガン・スタンレー、アメックス、
                      ブラックロック、BNYメロン





動かないドル円をしり目に、ユーロドルは大幅な値動きを見せています。

今週月曜日に1.3918まで上昇したユ-ロドルは、

昨日の海外市場では1.36台半ばまで約260ポイントも下落し、

その後短時間で1.38台まで乗せた後、1.37台前半で引けています。

欧州からの報道やユーロを巡る材料が多いとはいえ、

これだけ動くと「利益」も一瞬で「損失」に変わってしまいます。

トレンドを読むことは当然ですが、

「違った場合」早めの方向転換がその後の損出を減らし、

場合によっては収益に繋がります。

また、ドル円が再び膠着状態になってきていることから、

ユ-ロ円はほぼユ-ロドルの相場展開に影響されます。

ユーロドルの値動きを追うことが重要で、

ユーロ円も足元ではユーロドルの先行きを読むことと同じです。

因みに、「1時間足」のチャートでは「ユ-ロ円」と「ユ-ロドル」は

ほぼ相似形を示していることが確認できます。

全ては欧州の動向次第という状況と言えます。



フランス国債の利回りが上昇傾向を示し(価格は下落)、

ドイツ国債とのスプレッド(利回り上乗せ幅)が拡大しています。

両国の10年債に対するスプレッドは、過去20年で最大となっており、

ム-ディーズがフランスの国債格付けについて、

圧力がかかっていると指摘したことが背景です。

両国債のスプレッドは114bp(ベーシスポイント)で取引を終えています。

昨日もこの欄で触れましたが、ユーロ圏をけん引する独仏の一角が

最上級格付けである「Aaa」(トリプルA)を外れることは今後のユーロ圏の混乱を意味し、

「リスク回避」がさらに進み易い状況になります。

昨日の海外市場でのユーロ下落は、まさにこの動きを反映したものでした。



イギリスのガーディアン紙は

「ドイツとフランスが欧州救済基金の規模を2兆ユーロに拡大することで合意」と報じ、

これがユーロ急伸に繋がりました。

同基金の規模が2兆ユーロに拡大されれば、

欧州債務問題にとってはかなり有効な安全網になることから、

ユーロ買い戻しが殺到したものと思われますが、

この報道内容については独仏ともコメントを控えています。

また、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)電子版は、

当局者の話として「まったくの誤報だ」と伝えています。



今後は23日に行われる、EU、ユーロ圏財務相会合で

基金の増額が具体化されると観られますが、その前に21日にユーロ圏財務相会合、

22日にEU財務相理事会を開催することが発表されています。

メルケル独首相は、23日のEU首脳会議が「重要な一歩」となるものの、

ユーロ圏のソブリン債危機を解決する最後のステップにはならないと、

改めて語っています。



欧州の銀行に対する資本増強についても、

ギリシャ国債の評価額の引き下げ幅は決まっておらず、

報道では銀行の反発も予想されると伝えられています。

また、イタリアやスペインの国債も値下がりしていることから、

これらの国の国債評価額の引き下げにも及ぶ、

突っ込んだ議論が行われる可能性もあります。

欧州問題は確実に前進はしているものの、市場からの厳しい攻撃は続いており、

まだまだ紆余曲折が予想されます。



米住宅市場にやや改善の兆しが見え始めています。

昨日発表された10月のNAHB住宅市場指数は

「18」で前回の「14」を大幅に上回っています。

これは2010年4月以来の水準になり、

ホームビルダー協会の幹部は「住宅市場に底入れの可能性がある」と

前向きなコメントを残していましたが、

今後の住宅関連指標に注目したいと思います。












ユーロドル再び下落し1.37台に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ユーロドルが急落。欧州時間の朝方には1.39台に乗せ、さらに高値を
    伺う気配もあったが、メルケル首相の首席報道官が、危機が解決されると言う
    「夢」が23日の首脳会議でかなう可能性は低いとの政府見解を示したことから
    大幅に下落。
  • ユーロドルは1.38台を割り込み、NY時間では1.37台前半まで下落。
  • 豪ドルなども連れ安に転じ、クロス円の売りも出た模様でユーロ円なども
    軒並み値を下げる。
  • ドル円も結局77円半ばが抜けきれず、米長期金利の下落にも押され
    76円台半ばまで売られる。
  • NY株式市場は大幅に反落。欧州危機が長引くとの見方や、NY連銀指数が
    5ヵ月連続で悪化していたことなどから、ダウは先週末比247ドルの大幅安。
  • 債券相場は反発。ややリスク回避の流れが主流となり、安全資産の国債への
    需要が高まった。
  • 金、原油はともに反落するも値動きは小幅だった。
  • 10月NY連銀製造業景況指数 → -8.48
  • 9月鉱工業生産 → +0.2%
  • 9月設備稼働率 → 77.4%




本日の注目イベント


  • 豪   RBA議事録
  • 中   中国7-9月期GDP
  • 独   独WZEW景況感指数
  • 欧   ドラギ・イタリア中銀総裁講演
  • 英   英9月消費者物価指数(CPI)
  • 米   9月生産者物価指数(PPI)
  • 米   10月NAHB住宅市場指数
  • 米   ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 米   7-9月期決算 → ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ、
                      インテル、アップル
  • 米   バーナンキ・FRB議長講演





ユーロドルは昨日の欧州時間に1.3914まで上昇しましたが、

1.400台の大台には届かず大きく反落しています。

ユーロ危機の深まりから1.32台まで売られた後、

ユーロ圏の「足並みが揃った」ことから危機回避に関する様々な対策が発表され、

ユーロドルは底値から約700ポイントほど戻しました。

しかし、この水準からさらに上昇し、

1.40台にしっかり乗せるにはもう一段のユーロ支援材料が必要と観ていました。

むしろ、ユーロの支援材料はかなり出尽くしており、

今後ギリシャ債を保有する域内銀行のヘアカット率や、

資本増強の方法など不透明な要素を多く残しているのが現状でした。



そんな中、メルケル独首相のザイベルト首席報道官が同首相の見解として

「このパッケージによって何もかも解決し、月曜日には全てが完了しているという夢物語が

またしても根を張りつつあるが、その夢の実現は不可能だ」との見解を伝えたことで、

ユーロは急落しました。

また、ショイブレ独財務相も、各国首脳はブリュッセルでの会議で

「決定的な解決策」を示さないと語っています。

23日(月曜日)にはEU、ユーロ圏財務相会合が開催される予定で、

そこでは欧州金融安定基金(EFSF)の拡充案や、

域内の銀行がギリシャ国債の評価に伴う損失を

どこまで受け入れるかなどが具体的に話し合われる模様です。

この民間銀行が引き受ける損失割合は、当初7月には21%で合意されていましたが、

その後バローゾ欧州委員長などの主張もあり、

現在50-60%程度で話し合われている模様です。

仮に最大で「額面の60%カット」で決まった場合、自己資本比率9%を維持するためには、

200-300億ユーロの資本が必要との試算があり、

円で約32兆円もの資金が必要になります。

今後危機を拡大させないためには自己資本比率を9%に高める必要があることを、

ショイブレ独財務相も主張しており、自力でこの目標を達成できない銀行は、

自国政府あるいはEFSFの関与を受ける形となることから反発が予想されます、



ドル円は上値を試したものの、結局77円半ばは抜けきれませんでした。

チャートで見ても77円50銭付近では何度も上値が抑えられているのが確認できます。

このままでは再び元の76円台にもどる可能性が出てきましたが、

おそらく77円を挟む展開に収まるのではないかと観ています。

76円50-77円のレンジからは、わずかですが上の値位置で推移すると予想します。

欧州危機は9月の時点からは明らかに一歩も二歩も前進しており、

「リスク回避」の流れが急速に加速する可能性が後退していると観られるからです。

そうだとすれば、安全資産の円に対する需要も

9月のように大幅に高まるとも考えにくいと思います。

また、日本政府による「円高対策」も今のところは「噂」の域を出ていませんが、

その可能性は否定できません。



ただ、明日に予定されているギリシャのストは気がかりです。

ギリシャへの6回目の資金援助を決めたユーロ圏諸国にとって、

大規模な48時間ストを見せられたのではたまったものではありません。

ギリシャがEU、IMFなど「トロイカ」に示した財政赤字削減案が、

果たして議会で承認されるのかどうかの不安が頭をもたげます。

場合によってはユーロ圏首脳から批判の声があがることも考えられます。

そうなると、株価が下落し、長期金利の低下、リスク回避の流れに傾き、

円への需要が高まる可能性が考えられるからです。



また昨日、格付け会社ムーディーズはフランスの格付け(AAA)が欧州債務危機に伴い、

追加的な負担から圧力にさらされているとの見解を発表しています。

ユーロ圏をけん引する独仏の一角が格下げになれば、

再びユ-ロ売りが加速することにも注意が必要です。












ユーロさらに反発し1.39台目前に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • 米9月の小売売上高の好転を材料に、ドル円は再び
    77円台に乗せる。長期金利の上昇もあり上値抜けを試すも
    77円台半ばが抜けず。
  • G20を前に、欧州問題が収束に向かうとの期待から
    ユ-ロが上昇。対ドルでは約1ヵ月振りとなる1.38台後半まで、
    対円も同様に107円台半ばまでユーロ買い戻しが進む。
  • ガイトナー米財務長官は、欧州は危機解決へ向けて「明らかに
    前進している」と発言、ユーロ買いに繋がったとの声も。
  • NY株式市場は大幅に反発。ダウは166ドル高となり1万1600ドル台
    を回復。小売売上高が事前予想を上回ったことや、前日引け後に発表された
    グーグルの決算内容が増収増益だったことなどが好感された。
  • 債券相場は反落。欧州動向がやや安定してきたとの見方や、株高から
    売り物優勢となり価格は下落。10年債利回りは2.25%まで上昇。
  • 金、原油はともに大幅上昇。小売売上高が好調だったことや、株価の
    上昇が影響した格好に。原油価格は2.57ドル上昇し86ドル台に。
  • パリで開催されたG20では、欧主債務危機が中心議題だったが、
    参加各国は欧州危機の波及を阻止するよう求めた。
  • 9月小売売上高 → +1.1%
  • 9月ミシガン大学消費者信頼感 → 57.5




本日の注目イベント


  • 日   8月鉱工業生産
  • 欧   シュタルク・ECB理事議会証言
  • 米   10月NY連銀製造業景況指数
  • 米   9月鉱工業生産
  • 米   9月設備稼働率
  • 米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
  • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
  • 米   7-9月期決算 → シティーグループ、ウェルズ・ファーゴ





ドル円は先週前半まで長く続いた膠着相場とは明らかに違った動きをし、

それもどちらかと言えば「上昇したがっている」ように観える相場展開になっています。

背景は、このところ改善傾向を見せている米経済指標です。

ファンダメンタルズの好転が悲観的だった株価を押し上げ、

その結果債券から資金が流失し、

米長期金利の上昇に繋がりドル買い戻しを誘うと言った展開になっています。



先週末も9月の小売売上高が市場予想の+0.7%を上回る+1.1%だったことから、

ドル円は77円台に乗せ、77円半ばまで上昇しました。

ただ、先週水曜日も同じような動きがあり、

この時も77円48銭まで上昇した後、押し戻されています。

今回も同様にドルの高値は77円45銭で、

77円50銭が「強力なレジスタンス」になっているようです。

足元での市場の流れはややドル高に傾いてますが、

上記のポイントを抜くにはもう一つ材料が必要な状況です。



77円50銭を抜けても上値には一目均衡表の「雲」があり、

この雲は比較的厚いことから抜けるには結構なパワーが必要です。

水準的には78円台後半で「雲抜け」を完成させますが、

いつものように77円50銭から上値には輸出筋のドル売りや、

相場観からショートメイクのドル売りが並んでいるもの思われます。

再び「77円台は重い」ということでジリジリとドル安の流れに戻されるのか、

あるいは今回は77円台をしっかり維持できるのか、ここは慎重に見極めたいと思います。

下値では「8時間足」の200日移動平均線がある77円05銭あたりが

重要なサポートになりそうですが、要は77円台が維持できるかどうかです。

可能性としては低いと思われますが、

日本政府が円高阻止のための対策を今週にも発表するとの噂がNY市場でありましたが、

頭の片隅には入れておきたいところです。



ユーロドルの上昇も目立ちます。

すでに底値から700ポイント以上の反発を見せていますが、

「8時間足」までの短いチャートでは上昇を示しています。

1.40台に乗せるかどうか注目されますが、

焦点は米株式市場のさらなる反発で「リスク選好」的な流れになるのかどうかと、

23日のEU、ユーロ圏財務相会合までに、欧州銀行の資本増強が具体化され、

EFSFの拡充がどの程度行われるかによりそうです。

これまでのユ-ロ反発の背景は、ショートポジションの買い戻しと、

ギリシャへの支援が決まるなどユーロ圏内がまとまりを見せたことで

欧州危機が収束するとの見方が強まったからです。



しかし、まだ予断はできません。

ギリシャでは公務員の反対が強く、今週水曜日にも大規模なデモが予定されており、

議会で一段の歳出削減案が承認されるのかどうか見極めなければなりません。

また、欧州銀行の資本増強でも、基本的には自行で行うのが原則ですが、

体力のない銀行がどこまで自力で増強できるのかは不透明です。

ギリシャ国債の評価額をどこまで引き下げるのかもまだ決まっていません。

自力での増強ができない場合には、国が関与することになり、

国の管理下になることを嫌う銀行の反発も予想されます。



上述のようにユーロドルは上昇傾向を見せてはいますが、

個人的には1.39台半ばから1.40にかけては売り場になろうかと考えます。

欧州危機の先行きは依然として不透明なことと、

ECBの利下げのタイミングはそう先の話ではないと思うからです。

また投機筋の先週末に発表されたユーロショートポジションは、7万3千枚以上と、

依然高水準ですがその後はかなり減少していると思われ、

再びショートメイクを行いやすいのではないかと思われます。

ユーロがこの水準からさらに上昇するにはさらなるユーロ買い材料が必要です。












EFSF拡充案、スロバキアも可決。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は77円台を維持できず緩やかに下落。再び値幅も限られ
    76円台後半で一進一退の展開に。
  • ユーロドルはECB月例報告で域内の景気減速が指摘されたことから
    値を下げ1.36台後半まで下落。その後スロバキアでEFSF拡充案が
    可決されたことで反発し、1.380ちょうどまで上昇し高値圏で引ける。
  • ユーロドルとドル円がともに下落したことで、ユーロ円も前日比1円程度の
    円高水準で推移。
  • 株式市場はまちまち。JPモルガン・チェースの四半期決算が減収減益
    だったことから銀行株が売られ、ダウは40ドル安。ナスダックは小幅に
    上昇。
  • 債券相場は6日ぶりに反発。30年債入札が好調だったこともあり
    買いが優勢な展開で、長期金利は小幅に低下。
  • 8月の米貿易赤字はほぼ変わらず。輸出はドル安の影響もあり
    過去最高に近い水準を維持。
  • 8月貿易収支 → 456億ドルの赤字
  • 週間失業保険申請件数 → 40.4万件




本日の注目イベント


  • 日   マネーストック
  • 中   中国9月消費者物価指数(CPI)
  • 中   中国9月生産者物価指数
  • 欧   G20(パリ、15日まで)
  • 欧   ユーロ圏9月消費者物価指数(CPI、確報)
  • 欧   ユーロ圏8月貿易収支
  • 米   9月小売売上高
  • 米   9月ミシガン大学消費者信頼感





久しぶりに77円台に乗せたドル円でしたがやはり77円台は維持できず、

昨日の東京時間からドルは緩やかに下落し、

欧米市場では76円台後半まで値を下げました。

77円の半ばを一度もテストしなかったことで、

上値はやはり重いと観た輸出筋のドル売りに押し戻された格好でした。

76円台での下げはそれほどきつくはなかったことから、

再度77円台を試す展開も残っていますが、

「77円台は、やはり売り場」との印象を残しただけのここ数日の動きでした。



やや気になるのは、昨日から発表になった米大手銀行の決算です。

JPモルガン・チェースの7-9月期決算は市場予想を上回ったものの、減収減益でした。

投資銀行分門の収益の落ち込みが目立っています。

今後さらに銀行の決算が発表されますが、

ゴールドマンなどは「赤字に転落」したのではないか、との予想もでており、

株式市場の下落要因になる可能性がありそうです。

そうなると再びリスク回避の流れに戻り、ドル円では円買い、

その他主要通貨ではドル買いに傾き、クロス円が大幅に下落する展開も考えられそうです。

再び76円台での膠着状態が続くのか注目したいと思います。



ユーロドルは1.38台まで反発しましたが、徐々に上値が重くなってきたように思います。

スロバキアがEFSFの拡充案を可決したことでユーロ圏加盟国17ヵ国全ての国が承認し、

欧州債務危機が一歩前進したと思われますが、

ここまでの動きは既に相場には織り込まれており、

ユーロがさらに上昇するにはもう一段の進展が必要と思われます。

現在EFSFの規模は4400億ユーロ(約46兆6000億円)で、

今回の拡充によって、国債の購入と銀行への支援、

政府への与信枠の提供が可能になります。

しかし、今後イタリアやスペインへ危機が波及した場合には資金が不足することは明らかで、

早急に規模の拡大を図らなければならないわけですが、

ドイツなどは賛成しておらず今後の展開にやや不安が残ります。



バローゾ欧州委員長は昨日の議会で、

「欧州の再生を達成するためには、統合をすすめて規律を強化し、

合意内容を完全に実施する必要性について明確にする必要がある。

欧州は歴史の中で最も重大な岐路に立っている」と語り、

ユーロ加盟国の規律の明確化と監視体制を急ぐよう求めています。

一方、ドイツではヘアカット(債務減免)について、

60%の可能性があることを前提に銀行の資本増強を行う準備を進めているとの報道もあり、

欧州からのニュースはまだまだにぎわいを見せそうです。



本日からパリでG20が開催されます。

欧州債務問題が議題になろうかと思いますが、

声明文の内容によっては来週の月曜日早朝に「窓開け」がおき、

相場が急変する可能性もあります。

資金とポジションの管理に気をつけていただきたいと思います。



良い週末を・・・・。











円全面安。ユーロ円107円台を示現。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ユーロが急伸し、対円対ドルともに約1ヵ月振りの高値を記録。
    ユーロ圏の経済指標の改善、スロバキア議会でのEFSF拡充案が
    今週にも可決する見通しがと強まったことに加え、バローゾ欧州委員長
    が銀行の資本増強に積極的な発言をしたことから、一時1.3834まで
    買われ、ほぼ高値圏で引ける。
  • ユーロは対円でも約1ヵ月ぶりとなる107円台にのせる。
    対ドルで「ユーロ高と円安」が進んだことが背景。
  • ドル円も久しぶりに軽快な動きを見せる。欧州時間に入ると、対ドルで
    ユーロ高、豪ドル高が進んだことに引っ張られ、ドル円も76円31銭まで円高に
    振れたが、そこから円は急落し、約1カ月ぶりに77円48銭まで下落。
    米長期金利の上昇も円売りに繋がり、77円台を維持して引ける。
  • NY株式市場は欧州の危機対応を好感し反発。ダウは102ドル上昇し
    1万1500ドル台を回復。
  • 債券相場は7営業日連続で下落し、10年債入札が不調だったこともあり、
    利回りは8月下旬以来となる2.2%に乗せる。
  • FOMCでは多くのメンバーが「ツイストオペ」に賛成した。2人のメンバーが
    さらに強い金融緩和策を求めていたとの記述も。
  • 金相場はリスク回避の流れが後退したことで買い優勢となり21ドル高。
    原油価格は5日ぶりに小幅反落。



本日の注目イベント


  • 豪   豪9月雇用統計
  • 日   日銀金融決定会合議事録要旨(9/6,7日分)
  • 中   中国9月貿易収支
  • 独   独9月消費者物価指数(確報)
  • 欧   ECB月例報告
  • 欧   ファンロンパイ・EU大統領講演
  • 欧   バローゾ・欧州委員長講演
  • 欧   レグリング・EFSF最高経営責任者講演
  • 米   8月貿易収支
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演





昨日は欧州時間に入るとユーロドルが急伸し、

引っ張られる形で豪ドル、ポンドも急上昇しました。

ユーロ圏8月の鉱工業生産が事前予想では-0.8だったものが、

蓋を開けてみると+1.2%だったことでユーロ上昇に火が付き、

その後はスロバキアで前日否決されたEFSFの拡充案が週内にも

可決されるとの見通しが強まったこと。

さらには、欧州時間午後にバローゾ欧州委員長が議会で演説し、

域内銀行の財務体質強化に向けて自己資本比率の大幅引き上げを

求める方針を示したことが、欧州危機の緩和に繋がるとの見方からユーロがさらに買われ、

1.38台半ばまで上昇しました。

ユーロドルは昨日の朝方には1.35台後半まで下落する場面があったことから、

一日で「大台を3つ」も替える大相場を演じました。



ユーロドルはそれまでにも欧州危機の後退を材料に買い戻され、

上値を試す展開が続いてはいましたが、

1.36台後半が抜けきれずに押し戻されてきました。

その水準を抜けると一気に上昇したところを見ると、

1.37前後には大量の「ストップ買い」が置かれていたと観られます。

シカゴ通貨先物市場のユーロ売り持ちもこれで相当解消されているものと思われ、

明日発表の数値が興味深いところです。



豪ドル/米ドルもほぼユーロドルと同様な動きでした。

1.000のパリティーを超えると一気に上昇し、こちらも「大台」を3つ替えています。

こうなるとさすがの「大人しいドル円」も動きました。

ユーロ、豪ドルが対ドルで急上昇したことで、

ドル円も欧州時間には「円高、ドル安」が進み、

これまでのレンジ内の底値であった76円50銭を抜けて「ドル安」一色となりましたが、

76円31銭を付けた後には一転して円売りが加速し、

77円台乗せまではそれほど時間がかかっていません。

NY市場では10年債利回りが上昇したことも円売りを誘い、

77円48銭まで円が下落しています。



今回のドル円の上昇にはある程度の明確な材料が見受けられました。

当社の昨日のセミナーでも説明しましたが、

ドル円の上昇を示唆する2つの要素がありました。

1つは今月に入ってからの米経済指標の改善傾向です。

これまでに発表された米9月の経済指標ではかなりの項目で改善傾向を示していました。

もちろんまだ満足いく水準からは相当かい離してはいますが、

5月以降観られなかった現象です。



2つ目は日米2年債利回り格差です。

「ツイストオペ」の実施で2年債が売られ長期債が買われるわけですから

ある意味当然ですが、日米金利差は拡大しています。

今朝の段階での金利差は0.1446%ですが、昨日の段階ではさらに拡大していました。

9月の中旬にはその格差は0.0132%まで縮小していましたが、

ドル円の水準は変わっていませんでした。

ドル円の水準と日米金利差に強い関係があることから、

いずれドル円が反発する可能性は秘めていたことになります。

もっとも、あれほど動かなかったドル円が

昨日のタイミングで反発したのは「単なる偶然」かもしれませんが・・・。



ドル円が一気に77円48銭まで上昇したことで、

テクニカルでは「8時足」までの短い足では「全て上昇」を示しています。

「日足」を観ると、これまでと同様に一目均衡表の「雲」の下限で

上値を抑えられそうな状態で、今後の上昇にはこの「雲」を上抜けしなければなりません。

また、「MACD」でも「日足」ではちょうど「ゼロの軸」にさしかかったところです。

問題は77円50銭を超えることができるかどうかでしょう。

テクニカルポイントであった77円30銭は既にクリアーしました。

77円50銭も重要な節目にあたります。

この水準から上値では輸出筋のドル売りも控えていると思われ、

一気に抜くとも思えません。

特に、東京市場ではその可能性は低いと考えられます。

これまでの展開と異なり、しばらく77円台を維持できるかどうかも

ポイントになろうかと思います。

77円前後を維持できれば再度77円50銭をテストするチャンスはあると考えますが、

76円50銭に向かうようだと再び元の「指定席」に戻ってしまうことになります。



ユーロドルの上昇は「8時間足」の「120日移動平均線」、

ドル円は「日足」の雲の下限でそれぞれ上昇を止められたわけですが、

いずれもテクニカル通りの動きで、

昨日の大相場も不可解の動きではなかったと思われます。

ドル円も1日で1円以上も値幅が出たことで、

今朝のコメントも久々にドル円中心のものになっています。

毎日とは言いませんが、週に2~3日はこんな日があれば助かります。











ギリシャへの第6弾めの融資実行へ。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • EU、IMFはギリシャへの第6弾となる融資を実施すると発表。
    トロイカ調査団がギリシャ政府と同国の一段の債務削減を条件に合意。
    一方、欧州金融安定基金(EFSF)の拡充を巡っては、唯一批准を終えてない
    スロバキアでは第一回投票で拡充案を否決。
  • ユーロドルはギリシャへの融資実行が発表されると、ギリシャのデフォルトが
    ひとまず回避されるとの見方から買い戻しが優勢となり、一時1.3684まで
    上昇。その後スロバキアでの否決の報が伝わり1.36台半ばで引ける。
  • ドル円は動かず。ユーロ円はユーロドルの上昇に引っ張られ104円台後半まで
    上昇。
  • NY株式市場はまちまち。7-9月決算発表が始まり、アルミ大手のアルコアが
    増収増益だったことで、ナスダックは上昇、ダウは小幅に下落。
  • 債券は小幅に下落。3年債入札は好調だったものの、欧州危機の後退から
    安全資産への需要が減少。長期金利は2.15%台に乗せる。
  • 金は小幅に反落し、原油価格は小幅に上昇し、ともに小動き。



本日の注目イベント


  • 豪   10月ウエストパック消費者信頼感指数
  • 欧   トリシェ・ECB総裁講演
  • 欧   シュタルク・ECB理事講演
  • 英   英9月失業率
  • 米   FOMC議事録(9/20,21日分)
  • 米   ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演
  • 米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演





ギリシャの財政再建の可能性を調査していたEU、IMF、ECBのトロイカ調査団が、

調査を終えたことでギリシャに対する融資が実行されることになりました。

同調査団は、同国の財政再建に向けて「重大な進展」があったとの見解を示しております。

これはギリシャが債務削減に向け、さらなる努力を約束し、

年金と賃金削減の拡大や2012年予算案の議会通過を約束したものと思われます。



これでひとまずギリシャのデフォルトの可能性は後退しましたが、

同時にギリシャの国債を保有する金融機関の債務削減額が当初の見込みであった21%を

大きく上回る50-60%との案が浮上しています。

ただ、この問題についてはユーロ圏のユンケル議長が

「債務減免幅が21%を超える可能性があると発言したが、

60%を超える可能性を示唆したわけではない」と発言しています。



ギリシャの資金繰りが確保されたものの、

発行している債務(国債)の額面がそのままでは財政再建が非常に難しく、

根本的な問題は解決されません。

EUの欧州委員会は、金融機関の保有するギリシャ国債のヘアカットも

同時に行う可能性が高く、今後は減免比率を巡る議論が交わされることになります。



これまでも銀行のギリシャ国債の評価額を引き下げ、減免する案は議論されており、

7月の支援融資実行の際には21%との合意がありました。

しかし、その後ギリシャの財政赤字削減計画を公約通り実現することが難しいことが判明し、

さらなる減免が必要な事態になってきました。

問題はその場合には、ギリシャ国債を大量に保有する金融機関の自己資本が減少に繋がり

「格下げ」などのリスクがでてくることです。

9日の日曜日にはメルケル首相とサルコジ大統領が会談し、

大統領は「銀行の資本増強を行うことでドイツと完全に一致している」との

声明を発表した背景はここにあったことになります。

「第2のデクシア」を出さないために、先ず自行で資本増強を行い、

それでも不足するようなら国が関与し、

さらに最終的にはEFSFが面倒をみるといった「安全網」が必要だったことになります。



EUとしてはギリシャのデフォルトは避けたく、それによる被害も拡大させないよう、

支援融資の実行、銀行の資本増強、

さらには最後の貸し手としてEFSFの拡充を同時に行わなければならないわけです。

昨日はこの拡充案を唯一批准していないスロバキア議会で

採決がありましたが否決されています。

今後はギリシャが合意した一段の債務削減策が本当に実施できるのかと、

銀行の資本増強が進むかに焦点が移ってきそうです。

べルギーの大手銀行デクシアの破たんもあり、

欧州の銀行に対する不安は高まっていますが、

昨日はオーストリアの銀行の経営不安も報道されています。



バローゾ欧州委員長は、域内の銀行の増資を含む諸問題について、

12日午後3時の欧州議会で提案を発表すると、ブルームバーグは伝えています。

来週18日に予定されていたユーロ圏財務相会合は23日に延期されましたが、

やはりこのあたりでギリシャ問題が「ヤマ場」を迎える可能性は高いと思われます。

南欧の財政赤字問題がこれ以上拡大せずに収まれば欧州危機もひとまず沈静化する

可能性がありますが、イタリアやスペインにまで拡大すると、再び同じ問題が起こり、

しかもそれはさらに桁違いの規模になります。

独仏などの金融機関はユーロ圏内で相対的に利回りの高い

「PIGS」に対するエクスポージャーを多く抱えているからです。

そう考えると、欧州危機の最終章はまだまだ先、と意識する必要がありそうです。











ユーロ急伸。対円で104円台に戻す。 

ひと目で分かる昨晩の動き
欧州-NY市場


  • 東京とNY市場が休みだったことでドル円は76円台半ばを中心に
    20銭ほどの値動き。
  • 一方ユーロドルは大幅に上昇。一時は1.37台目前の水準まで
    買われ、約3週間ぶりの高値を記録。9日に行われた独仏首脳会談で
    銀行に対する資本増強を行うことで合意。欧州危機がやや後退したとの
    見方からユーロの買い戻しが終日優勢に。
  • ユーロドルの上昇に伴い、ユーロ円も104円台後半までユーロ高に。
  • NY株式市場は寄りつきから大幅上昇となり、ダウは先週末比330ドル
    の大幅高。ナスダックも86ドル高と、ほぼ全面高の展開。ダウは引け値で
    1万1400ドル台を回復。
  • 債券市場は休場。
  • 株価の大幅上昇が進んだことでリスク選好の流れに傾き、金は35ドル高。
    原油も2ドル以上上昇し、ともに大幅高となる。
  • ベルギーの大手銀行デクシアは破たんし、解体されることが決定。



本日の注目イベント


  • 日   8月国際収支
  • 日   9月景気ウオッチャー調査
  • 英   英6月鉱工業生産
  • 加   カナダ9月住宅着工件数





NY市場はコロンバスデーのため、債券市場と為替市場は休場でしたが、

為替はそれなりの動きがありました。

9日の日曜日に行われた独仏首脳会談で、メルケル首相とサルコジ大統領は

「銀行の資本増強では完全に一致した」とのコメントを発表したことでユーロが買い戻され、

先週末比では200ポイント以上の上昇を見せています。



「欧州の信用リスクが後退するとの見方が強まった」との後講釈はありましたが、

要は「ショートポジション」の急速な買い戻しと、

ストップロスのユーロ買いが相場を持ち上げたといった説明の方がしっくりきそうです。

先週末に発表された、シカゴの通貨先物市場の建て玉では

10月4日時点でのユーロ売り持ち枚数は82、697枚と2010年6月以来、

1年4ヵ月振りの高水準でした。

ヘッジファンド等の投機筋は、ギリシャ問題が拡大しユーロはまだ下落するとの想定のもと

売りポジションを拡大していたことが分かります。

この建て玉は過去の例を観てもネットで8万枚-10万枚まで一方に傾くと

「反転する」傾向があり、昨日の動きは正にそれを証明した格好でした。

今後とも、シカゴ市場の建て玉には注意する必要があります。



欧州危機問題は今週末パリで開かれるG20で議論される模様ですが、

その後来週に開催されるユーロ圏財務相会合あたりで

ある程度の結論が出されるのではないかと思われます。

ギリシャへの第6弾の資金援助も今月中に結論が必要であり、

バローゾ欧州委員長も同様な認識をもっています。

しかし、それでもギリシャの財政赤字問題が完全に解決するわけではありません。

昨日も同国の国債は売られ、2年債、10年債は価格が下落し、

利回りは先月14日以来最大の上昇となりました。

ドイツのDPA通信は、ユーロ圏の財務相らは最大60%のギリシャ国債への

ヘアカット(債務減免)を協議している、と報じています。(ブルームバーグ)



また、救済基金である欧州金融安定基金(EFSF)の機能拡充は

ユーロ加盟国の全ての批准が終わっているわけではありません。

現在のEFSFの実際の融資能力は4400億ユーロ(約46兆円)で、

ユーロ圏17カ国による政府保証の総額は7800億ユーロ(約81兆円)です。

この額をどこまで拡充できるのかが焦点ですが、

ドイツのショイブレ財務相はドイツの負担が増えるとして反対の立場を取っています。



ギリシャのベニゼロス財務相は昨日、

EU、IMF、ECBの代表団との協議を終えたと発表しています。

トロイカによる報告書の準備に10日間ほどかかるとのことですが、

ギリシャの財政赤字削減の実行性も調査したものと思われ、

そのあたりも考慮された中で、第6弾の融資が実行されるのかどうかが決められそうです。

今週末のG20と来週のユーロ圏財務相会合で、

ギリシャ国債に対するヘアカット率も決定されるのでないかと予想しています。











米9月の雇用統計やや改善。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • 9月の米雇用統計が市場予想を上回ったことでドル円はやや

    上昇し、76円93銭まで買われたが、77円台乗せには至らず。

  • ユーロドルは1.35台前半でもみ合った後、格付け会社

    フィッチがイタリアとスペインの格下げを発表したことで下落、

    1.33台半ばまでユーロ安に。

  • 株式市場は反落。非農業部門雇用者数が増加を示したものの、

    イタリアとスペインの格下げを嫌気し、前日比プラスからマイナス

    に転じた。ダウは20ドル下げ1万1100ドルで引ける。

  • 債券相場は続落。雇用者数が伸びたことから米景気に対する

    悲観論がやや後退。10年債利回りは引け値では約3週間ぶりに

    2%台に乗せる。

  • 金は大幅に反落。原油価格は小動きのまま82台ドルで取引終了。

  • 格付け会社フィッチはイタリアの長期債を「AA-」に、スペインの

    長期債を「A+」にそれぞれ引き下げた。

  • 米   9月失業率 → 9.1%

  • 米   9月非農業部門雇用者数 → 10.3万人




本日の注目イベント


  • 日   東京市場休場(体育の日)

  • 独   独8月貿易収支

  • 米   NY市場休場(コロンバスデー)



9月の米雇用統計は市場予想を上回る結果となりました。

失業率は前月と変わらず9.1%でしたが、雇用者数の伸びは6万人

前後の市場予想から10万3千人と増加し、さらに8月の同指数も±0

から5万7千人の増加に上方修正されました。


2日前に出されたADP雇用者数も事前予想を上回っていたことから

「労働市場の悪化に歯止めがかかった可能性がでてきた」との声もあ

りましたが、それは依然「少数意見」との見方が優勢で、米雇用の回

復にはまだまだ時間がかかりそうです。



非農業部門雇用者数は、今年2月から4月にかけてはFRBが労働市

場の回復とみなす、「20万人増加」を達成していましたが、その後は

急速に悪化して、先月は通信大手ベライゾンがストライキを行ったとい

う「特殊要因」があったものの、ついに増加数はゼロにまで悪化してき

ました。

失業率は9.1%と依然として「高止まり」で、特に「平均失業期間」が

長引いており、いったん失業するとなかなか再就職が困難な状況が

続いています。

全米各地に広がっている若者のデモもこうした状況が背景です。



バーナンキ・FRB議長はこのような米景気の状況を「腰折れ状態」と

いう言葉で表現しており、住宅と雇用回復のために次回FOMCでは

さらなる追加緩和を実施する可能性が高まっています。

住宅価格の下落が家計のバランスシートを圧迫し、くわえてこのとこ

ろの株価の下落が個人消費を冷え込ませています。

先に発表したオバマ大統領の4470億ドルに上る景気浮揚策は現在

議会で審議中です。大統領も「ただちに法案を通すべきだ」と

共和党批判のボルテージを上げており、いらだちをあらわにしています。



ユーロドルは先週末やや値を戻し、1.35台前半まで反発を見せました

が、上昇には限界がありそうです。格付け会社フィッチがイタリアとスペ

インの格下げを発表するとすぐに下げに転じ、再び1.33台後半でのも

み合いとなっています。

先週はベルギーの大手銀行デクシアの経営危機が表面化するなど、

ソブリンリスクが域内銀行の経営に影響を与え始めています。

昨日9日(日)にはドイツ・メルケル首相とフランス・サルコジ大統領が会

談し、ユーロ圏の債務危機拡大を防ぐため、域内銀行の資本増強を

進める考えを示し、「銀行の資本問題では独仏は完全に一致している」

と強調していました。

今週末のパリで行われるるG20では欧州財政危機問題が話し合われる

ほか、その後も来週にかけてEU財務相会合やユーロ圏財務相会合が

次々に開催され、ギリシャの12月の資金調達のメドを含めた債務問題と、

今後同様な問題が起きた際の安全網の構築が話し合われる予定です。

今月10月が欧州問題のヤマ場であるとの認識があるようです。



103円台後半まで反発したユーロ円は再び1円ほど下落し102円台後

半で推移しています。

ドル円が依然としてレンジを抜け切れないことから、ユーロ円の動きはユ

ーロドルの動きとほぼ同じです。

102円前半にはマイナーなサポートがありますが、ここを下抜けすると再

び100円台が視野に入ってきそうです。

ユーロドルの1.30とユーロ円の100円が大きな節目であり、重要な水準

です。ユーロ圏首脳は「ギリシャを破たんさせないし、ユーロ圏内にとどめ

る」という点では一致していますが、そのギリシャの財政再建は計画通りに

は進んでいません。

ユーロ圏諸国がそれでもギリシャに対する支援を続けるのかどうか、債務危

機がイタリアとスペインなどへの波及するのを食い止めることができるのか」

どうかが最大の焦点で、上記水準を維持できるかどうかにも影響してきます。

ECB政策金利据え置きを決定。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • ECBは理事会で政策金利の据え置きを決定。同時に

    域内の銀行に対する資金供給の拡大も決める。トリシェECB

    総裁は記者会見で、政策金利引き下げの議論があったことにも

    触れ、今後の利下げの可能性を残す。

  • ユーロドルはECB理事会に向け下落し、1.32台半ばで

    売られたものの、その後の資金供給の拡大などを材料に1.34台

    半ばまで反発。高値圏で引ける。

  • ドル円は76円台半ばから後半での膠着が続き、ユーロドルが

    上昇した分、ユーロ円も約1週間ぶりに103円台に乗せる場面も。

  • BOEも資金供給拡大を決定。資産買い取り規模を2750億ポンド

    まで拡大。これを受けてポンドドルは1.52台から1.54台

    まで急伸。

  • 欧州の緊張が和らぐとの見方から株式市場は3日続伸。ECB理事会

    までは様子見だったものの、資本増強の拡大を受けダウは183ドル上昇し、

    1万1千ドル台を回復。

  • 債券相場は3日続落。欧州の債務危機問題に向けた取り組が強まった

    ことで、リスク志向がやや強まる。

  • 金、原油はともに大幅続伸。原油は2日間で約7ドル上昇し82ドル台に。

  • 週間失業保険申請件数 → 40.1万件




本日の注目イベント


  • 日   日銀金融政策決定会合

  • 日   白川日銀総裁記者会見

  • 日   8月景気動向指数

  • 独   独8月鉱工業生産

  • 米   9月雇用統計

  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演

  • 加   カナダ9月失業率







注目のECB理事会では一部には利下げ観測があったものの、政策金利据え置

きを決めました。

理事会後の定例記者会見でトリシェ総裁は、景気見通しには「強い下振れリスク

がある」ものの、「金利は引き続き低い」との表現を使い利下げは避けました。

ただ、理事会では利下げへの議論があったことも明らかにし、今後消費者物価指

数などの経済指標の推移次第では「利下げ」の可能性があることも示唆した格好

です。

トリシェ総裁も、政策金利据え置きを決めた理由を問われ、「総意によって据え置

きを決めた」と答えています。



ECBは同時に市場に長期資金を供給することを決定し、ギリシャ問題を背景とし

たソブリン債危機が短期金融市場を脅かす中で、ECBとしての危機対応を打ち

出しました。

市場はこの決定を好感し、欧州各国の株価は上昇、ユーロドルは先月末以来と

なる1.34台乗せまで反発しました。ユーロドルはECB理事会開催に向け値を

下げ、一時1.32台半ばまで下落したあとの急反発で、これまで1.33台後半で

頭を抑えられていた水準を上回る結果になっています。



今朝方も1.34台半ばを下回る水準で取引されていますが、ここは「1時間足」

の200日移動平均線がキャップをした状況になっており、1.3450を明確に抜け

てくればもう一段の上昇も見込めそうですが、個人的にはやや懐疑的です。

ギリシャの財政危機を巡る問題はいまだに解決されておらず、ユーロ圏諸国は

「デフォルト回避」では意見が一致しているものの、

今後のセ-フティーネット構築に向けては足並みが揃っていないことが背景です。



ギリシャを始め南欧諸国の国債の下落で域内の銀行の体力が低下している状況

から、バローゾEU欧州委員長は改めて銀行の資本増強が必要との考えを示して

います。

またメルケル独首相も、銀行資本強化を条件付きで支持する姿勢を示唆し、救済

基金の欧州金融安定基金「EFSF」は銀行救済の「最後の手段」としてのみ利用

できるとし、まずは自力で資本調達を行うべきとの考えを示しました。

さらにそれが不可能な場合には政府が支援するだろうと語り、ドイツでは金融シス

テム安定のためには最終的には国が関与してくることを明らかにしています。



豪ドルが堅調に推移しています。

対円では72円05銭の底値から約2銭70銭ほど値を戻していますが、ここまでは急

落の反動とも見られ想定内です。

問題はここから75円前半を超えられるかどうかです。

75円絡みには「4時間足」の雲が控えており、この雲はここ1ヵ月の間、抜けない

どころか、下限さえブレイクできていません。相当強い抵抗が観られるものと思われ

ます。



ドル円はますますこう着感を強めています。

下値では9月23日以来76円20銭を下回らず「底値」を少しづつ切り上げています。

一方上値も10月3日の77円27銭を頭に切り下げており、短期的には「三角保ち

あい」(さんかくもちあい」を形成しつつあります。

テクニカルでは、「三角保ちあい」はどちらかに抜けた場合には、その方向にかなり

の値幅をもって動くとされています。

「1時間足」では下方に抜けている様に観えますが、このところのこう着感にはテクニ

カルのセオリーさえも通用しない状況の様です。

今夜の雇用統計がレンジブレイクの起爆剤になればと願う次第です。



明日から3連休です。幸い天候にも恵まれそうです。

良い連休を・・・・・。

豪ドル円小幅に反発。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • ADP雇用者数を含む米経済指標が予想を上回っていたことで

    ドル円ではドルが買われ77円台まで上昇。しかし、77円台では

    上値も重く、再び76円台まで押し戻されて引ける。

  • ユーロドルは底堅く1.33台前半から後半まで反発。

    ドイツのメルケル首相が銀行の資本強化を支持する発言をしたものの、

    1.34台に乗せる勢いはなかった。

  • クロス円では豪ドル円が反発。4日の底値から2円以上反発し

    74円台前半まで買い戻しが進む。

  • 米経済指標の好転を受け株式市場は続伸。欧州が危機対応で行動するとの

    観測も株価を押し上げ、ダウは131ドル高で1万1千ドル目前の水準に。

  • 債券相場は続落。欧州当局が銀行の資本強化を検討してとの報道で

    安全資産への需要が後退。

  • 金価格は大幅に反発。原油価格も在庫が減少していたことを材料に

    4ドル以上の上昇を見せ、80ドル目前に。

  • メルケル首相はバローゾ欧州委員長と会談し、銀行の資本増強に向けて

    取り組むことで合意。

  • 9月ADP雇用者数 → 9.1万人増加

  • 9月ISM非製造業景況指数 → 53.0






本日の注目イベント


  • 日   日銀金融政策決定会合

  • 英   BOE政策金利発表

  • 欧   ECB理事会

  • 欧   トリシェ・ECB総裁記者会見

  • 米   週間失業保険申請件数



昨日のユーロはこのところの動きとしてはやや小動きで値幅も限定的でした。

欧州市場に入りユーロ買いが進んだものの、1.33台後半では伸び悩み、

再び1.33台半ばを下回る水準まで押されています。

チャートを見ても10月3日以来、1.33台後半が抜けずにキャップされてい

ることが確認できますが、この水準が抜けないと言う前提に立てば、再び1.31

台を目指しているようにも観えます。



昨日はドイツのメルケル首相とEUのバローゾ欧州委員長が会談し、ギリシャ救

済支援の一環として民間による負担増が必要となる可能性を指摘し、銀行の資

本強化への協調的な取り組みに加わる用意があることを示唆しています。

これはユーロにとっては支援材料となり、ユーロがもう一段上昇してもおかしくな

いニュースでしたが、ユーロ圏8月の小売売上高が市場予想を下回るなどの材

料に相殺された感があります。

また、ギリシャでは全土で大規模なストが行われ、2万人が議会へ向けて行進

するなど混乱が続き、アテネ国際空港などが閉鎖されています。

交通機関は終日マヒ状態で、観光産業に与える影響は少なくないものと思わ

れます。

欧州各国が救援の手を差しのべている中、今月には再度大規模なデモが予定

さている状況を、他の欧州諸国の国民はどのような目で見ているのでしょうか・・・。

特にドイツ国民にとっては複雑な思いがあるように思われます。



あすの雇用統計の前哨戦となる「ADP雇用者数」が予想より好転していました。

前月比9万1000人増加し、市場予想を1万5000人ほど上回っています。

業種別では製造業が5000人減少し、サービス業が9万人増加し。大企業では

減少したものの、中小企業での増加が目立っています。

ただ、8月の同指数は9万1000人から8万9000人に下方修正されています。



一方チャレンジャー人員削減数も発表され、こちらは11万5700人の削減数

でした。

しかしその多くは軍の兵隊とバンク・オブ・アメリカの人員削減に依るもののよう

です。

専門家の意見では、依然として緩やかではあるが、米雇用市場の回復は続い

ているとの認識です。



本日は英欧で政策金利の発表があります。

いずれも「据え置き」と観られていますが、微妙なのがユーロ圏です。

今年に入ってインフレ圧力の高まりから2回も政策金利を引き上げていますが、

既にユーロ圏の景気は後退局面に入っており「利上げは失敗だった」との指摘

もあります。

直近の消費者物価指数は3%まで上昇しており、「景気後退とインフレ」が同時

に進んでいる状況からECBの金融政策に手詰まり感がでていると言えそうです。


トリシェ総裁は今月をもって退任します。本日の記者会見が「最後の総裁会見」

となることから、総裁の口も「いつもより饒舌」になる可能性もあり、どんな言葉が

発せられるのか注目されそうです。

ECBは中央銀行の中でも最も強力な「インフレファイター」と言われています。

インフレ阻止が中央銀行の最も重要は仕事と考えられているからです。

しかし今回はやや状況が異なってきています。

景気が後退する中で現状の金利を維持するということは、ギリシャを始め財政赤

字に苦しむ国にとっては足かせになっています。

トリシェ総裁の「最後の仕事」として、可能性は高くはありませんが「利下げを置き

土産」に勇退することも考えられます。

バーナンキ発言を受けクロス円は反発。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • 下落を続けていたユーロが反発。バーナンキ・FRB議長は議会で証言を行い、

    景気浮揚のために追加措置を取る用意がある、と発言したことでリスク回避の流れが

    後退。

  • ユーロドルは1.33台半ばまで反発し、ユーロ円も102円台半ばまで買い戻される。

  • ユーロ円が上昇したこともあり、ドル円は小動きながらも76円台後半へ。

  • 株価は大幅に反発。朝方は前日比250ドルを超える下げを演じていたものの、

    バーナンキ議長の議会証言をきっかけに急速に上昇し、ダウは153ドル高で

    取り引きを終える。

  • 債券価格は下落し長期金利は上昇。EUが銀行の資本増強で協調するとFT

    (フィナンシャルタイムズ)が伝えたことで、欧州危機への懸念が後退。

  • 金は前日比41ドル安と大幅反落し1616ドルで引ける。

  • 原油価格は3日続落し、2010年9月以来となる75ドル台に。

  • 格付け会社ムーディーズはイタリア国債の格付けを「Aa2」から「A2」に3ノッチ

    引き下げ、アウトルックも「ネガティブ」とした。





本日の注目イベント


  • 豪   豪8月小売売上高

  • 欧   ユーロ圏8月小売売上高

  • 欧   独・メルケル首相、バローゾ欧州委員長と会談

  • 英   英第2四半期GDP(確報値)

  • 米   9月チャンレンジャー人員削減数

  • 米   9月ADP雇用者数

  • 米   9月ISM非製造業景況指数



ユーロ円、豪ドル円などクロス円は大きく反発しました。

「リスク回避」の流れが後退し、前日とはうって変わって「円とドル」が売られた

格好になっています。

欧米の株価が反発を見せ、安全資産である債券も売られ長期金利が上昇し

たことも、ドル買い円売りを誘い、クロス円全般で円安が進みました。



NY時間午前10時に始まったバーナンキ議長の議会証言で、議長は「景気

回復は現在、腰折れに近い状態にある。

われわれは景気後退に逆戻りしないようにする必要がある。また、確実に失業

率の低下が続くようにしなければならない」と、

現状の米景気の後退を認め、追加措置が必要だとの認識を示しました。

市場はこの発言をきっかけに、次回FOMCで何らかの追加緩和が実施される

との見方から「リスク回避」の流れに一旦歯止めがかかりました。



一方、この日はドイツのメルケル首相も東独のマクデブルグで講演を行い「ギリ

シャがデフォルトに陥れば、予想できない影響をもたらす」と述べ、デフォルト

という選択肢を否定しました。

また、ギリシャのベニゼロス財務相は、3日のユーロ圏財務相会合でギリシャ

のデフォルトについての協議はなかった、と述べており、これらがユーロ買い

戻しに繋がりユーロドル、ユーロ円を押し上げています。



ユーロ円は急反発し102円台半ばまで上昇したことで、「1時間足」では遅行

スパンがローソク足を上抜けし「好転」を見せてはいます。

しかし上昇は「雲」の上限で上値を抑えられ、キャップされた状況になっていま

す。

また、雲を抜けしてもその上の103円15銭近辺には「120移動平均線」と

「200日移動平均線」があり、簡単には抜けられないのではないかと見られま

す。101円台でロングを作った人たちも、一旦はこの水準で手放すことになり

そうです。

ローソク足を観ても、いまだに長い「下ヒゲ」を示現していないことから、この

ままユーロ円が大きく反発する可能性は低いと見られます。



ドル円は76円台半ばから下値を「固めている」ようにも見えますが、77円台

も重く、依然レンジ内での動きの様です。

また、ドル円単体では先を読みにくく「クロス円」の行方がドル円を動かしてい

るような状況が続いています。

本日もユーロ円が103円台に乗せるような場面があればドル円も77円台乗せ

が見られるかもしれませんが、今朝の経済紙に書かれていたように、日本政府が

欧州基金債に追加投資をするとの報道も多少プラスに働く可能性があります。



ギリシャの財政問題を巡る協議は依然として解決されずに「時間稼ぎ」の域を出

ない印象があります。

昨日はギリシャ国債の値下がりから経営危機にさらされた銀行株が急落していま

す。ベルギー最大の資産規模を誇る「デクシア」株が昨日だけで一時38%も株

価が下落し、ベルギー、フランスの両国は「デクシアを全面的に支援する」との

声明を発表しています。

ギリシャ国債は独仏の大手銀行が大量に保有していますが、それ以外の国も相

対的に高金利であった同国の国債を多く保有しています。

今後、もしギリシャがデフォルトに陥った場合、やはりその影響は少なくあり

ません。



本日は週末の雇用統計の前哨戦となる「ADP雇用者数」が発表されます。

事前予想は7万3千人の増加となっており、前月の9万1千人から減少すると見ら

れています。政府が発表する雇用統計とは必ずしも傾向が一致するわけではあ

りませんが、市場が反応することから注意が必要です、

ユーロさらに下落し、対円で100円台に。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • ユーロが再び大幅に売られ、対ドルで1.31台半ば、対円では

    10年4ヵ月ぶりとなる100円台までユーロ安が進む。

  • ユーロ圏財務相会合では欧州金融安定基金(EFSF)の規模を

    巡って欧州財務相の間で意見が対立しており、ギリシャも2012年

    の財政赤字削減が計画通り進まないなどからユーロは急落。

  • 欧米の株価が急落するなど、リスク回避の流れが加速し、円とドルが

    買われる展開に、ドル円も76円51銭まで下落。

  • ドイツのショイブレ財務相はEFSFの規模拡大に対して、

    域内の3ヵ国が批准することが先決、と発言し拡大には否定的と受け止められた。

  • 株式市場は先週末に続き大幅続落。ダウは258ドル安と今年の最安値を更新。

    アルコアなど資源大手株が急落し、下落幅を拡大。

  • FRBは先のFOMCで決定した「ツイスト・オペ」を実施。25億ドルの

    長期債を購入した。

  • 債券相場は大幅に上昇。リスク回避の流れが拡大し安全資産への資金流入

    が続き、10年債利回りは大幅に低下し1.7%台半ばに。

  • 金は大幅に続伸。一方原油価格は大幅に続落し77ドル台まで下落し

    約1年ぶりの安値を記録。世界的な景気減速から需要が減るとの見方が

    背景。

  • 9月ISM製造業景況指数 → 51.6





本日の注目イベント


  • 豪   豪月貿易収支

  • 豪   8月住宅建設許可件数

  • 豪   RBAキャッシュターゲット

  • 日   9月マネタリーベース

  • 欧   ユーロ圏8月生産者物価指数(PPI)

  • 欧   ユーロ圏とEU財務相会合

  • 独   メルケル首相講演

  • 米   バーナンキ・FRB議長議会証言



ユーロの下落が止まりません。

特に対円では一時100円台まで下落し、2001年6月以来の水準を記録し、

いよいよ「100円割れもも視野に入った」との声も聞かれます。

背景は相変わらずユーロ圏の財政問題を巡る域内の足並みの不揃いです。

昨日から開催されているユーロ圏とEU財務相会合ではEFSFの機能強化

などで合意するとの見方がありましたが、

ドイツのショイブレ財務相は「域内全ての国の批准が先決」と規模拡大には

やや否定的な発言をしたことで、市場は財務相の間でも意見が対立してい

るとの見方を強めユーロ売りを加速させたものと思われます。



欧州各国の株価も急落し、一気に「リスク回避」の流れに傾いたことから、為

替市場では「円とドル」が買われ、ドル円はアジア市場の77円台から76円台

半ばに。一方ユーロドルはアジア市場の1.33台後半から1.31台半ばまで

一気に下落し、その結果ユーロ円は約10年4ヵ月ぶりとなる100円台後半ま

で「円高ユーロ安」が進みました。

ドル円以外の主要通貨ではドル高が進む中、そのドルに対しても円が強含ん

でいることからユーロ円が大幅に下落し、今朝のオセアニア市場では100円

78銭あたりまで下落しています。



ギリシャに対する支援第6弾がなかなか決まらないことと、今後ギリシャのような

国が出た場合のセーフティーネットとなる拡充案が採択されないことに加え、

ギリシャ自身が2011~12年の財政赤字削減目標を達成できないと発表した

ことなどが絡み合いユーロの大幅下落に繋がっています。

ブルームバーグは今朝の情報配信で、ドイツの与党キリスト教民主同盟(CD

U)の幹部、ミヒヤエル・フックス氏はアイルランドの公共放送RTEのインタビュ

ーで「ギリシャが債務を全額返済できる可能性があるとは思わない」と語った、と

伝えています。

この発言はかなり大胆なものと思われますが、ユーロ圏内財務相も救済のための

努力は続けているものの、本音はこのあたりにあるのかもしれません。



「ユーロ円の100円割れの可能性はありますか?」昨日も、当社の個人投資家の

皆さんからこんな質問が相次ぎました。

「このままさらに大幅に下落するとは思えないが、100円割れも可能性としては否

定できない」、という様な回答をしましたが、昨夜の急落で現実味を帯びてきたよう

です。

100円は大きな節目であることから重要なサポートにもなろうかと思います。

ユーロドルの1.3台割れと、ユーロ円の100円割れがほぼ同じタイミングで起こる

可能性もありそうです。

その時のドル円は計算上76円91銭になっていることになりますが、ギリシャのデフ

ォルト宣言などがあると、パニック的なユーロ円の投げ売りがでることも想定されます。

因みにユ-ロ円の最安値は2000年に記録した88円台です。



今日も引き続きユーロ圏の財務相会合が開かれますが、それ以外に注目したいの

はメルケル首相の講演です。

ドイツはEFSFの機能拡充を批准していますが、全面的に賛成する立場を取っては

いません。首相の講演から何かでてくる可能性もあります。



ドル円は昨日も77円台前半を試し、上値が重かったものの一気に76円台に下落す

るわけでもなく77円を挟む展開が続いていましたが、結局「リスク回避」の流れに負

けた格好です。

77円台での滞空時間も比較的長く、「今回こそは・・・」との期待も一部にはありまし

たが「元の鞘」に戻っています。

77円台半ばを抜くにはまだしばらくかかりそうです。

ドル円約3週間ぶりに77円台前半。 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • ユーロドルが急落。8月のドイツの小売売上高が市場予想を

    大幅に下回ったことや、9月のユーロ圏CPIが3.0%と上昇していた

    ことで、景気と物価高が進行し経済政策が一段と不透明になったことが

    材料視された。ユーロドルは1.35台から1.33代後半まで売られ、

    約1週間ぶりの水準に。

  • 主要通貨に対してドル高が進んだことや、9月シカゴ購買部協会景気指数が

    事前予想を上回ったことで、ドル円も9月13日以来となる77円台前半まで上昇。

    引けも77円台をわずかに維持。

  • 株式市場は大幅に下落。中国とドイツの経済統計を手がかりに

    景気減速への懸念が強まったことが背景。ダウは240ドル下げ、

    再び1万飛び台に。

  • 債券相場は反発。株価が大幅下落したことで、債券買いが優勢となり

    10年債利回りは2%台を割り込む。

  • 金は小幅に上昇、原油価格は大幅反落で80ドル台を割りこむ。



本日の注目イベント


  • 豪   シドニー市場休場(レイバーデー)

  • 日   9月日銀短観

  • 中   中国9月非製造業PMI

  • 欧   ユーロ圏9月製造業PMI

  • 欧   ユーロ圏とEU財務相会合

  • 欧   ギリシャ2012年予算案を提出

  • 英   英9月PMI製造業

  • 米   9月ISM製造業景況指数

  • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演



ユーロドルが週明けのオセアニア市場ではやや「窓を開け」、先週26日の安値を
下回る1.33台半ばを割り込んで取引されています。

先週末のユーロに対する悪材料がそのまま持ち越された格好になっています。

8月のドイツの小売売上高は-2.9%と、ここ4年間ほどでは最大の減少となり
ました、ユーロ圏経済を引っ張るドイツの景気先行きが不透明になってきたことが
ユーロ売りに繋がりましたが、さらに発表された9月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)は
+3.0%でした。

こちらは約3年ぶりに前月比3%の大台に乗せており、景気減速が進む中、物価上
昇圧力が続き、ECBによる金融政策のかじ取りが一段と難しくなりそうです。

ユ-ロ圏の消費者物価指数は昨年まで1%台後半だったものが、今年の1月に
2.4%と一気に2%台に乗せ、その後も上昇しました。
その結果ECBは4月と7月に政策金利をそれぞれ0.25%づつ引き上げています。

ドイツ連銀の流れを踏襲するECBはインフレを抑えることが最大の政策であり、
2%を大きく超えるインフレ率は到底許容できないレベルであったわけです。

利上げを材料に、ユーロドルは上昇し、今年5月には1.49台までユーロ高が
進んでいました。

既にギリシャに対する支援が固まり、「高金利と景気拡大」が続くと予想され、
ギリシャ問題もひとまず収まるといった見方が優勢でした。

しかし、それは単なる時間稼ぎで、結局ギリシャが公約した財政赤字削減は計画通り
進んでいないことが判明。その後の「ドタバタ劇」はご承知の通りです。

そんな中での消費者物価指数3%台乗せです。

取り沙汰された「利下げの可能性」はこれでほぼ消えたとの見方もでてきました。

中国など新興国の旺盛な経済活動に支えられてきたドイツの景気も、中国の景気
減速懸念で先行きが不透明です。
景気後退と物価上昇に直面し、ECBの金融政策の自由度が限定されそうです。

ドル円は先週末に77円台に乗せ、ややドル高傾向を示しています。
今朝がたも、市場では77円27銭まで上昇し9月13日以来の水準です。
値幅的にはそれ程動いてはいませんが、先週までの76-77円台をわずかに上抜け
した格好です。

目先、77円30銭が完全に抜けるかどうかに注目していますが、さらに上値では
77円51銭が重要となります。
ここには「8時間足」の200日移動平均線があり、この水準は8月の介入でドルが
大幅に上昇した際に抜けて以来上抜けしていません。
すでに「4時間足」までの短期的なチャートでは、「一目均衡表」の遅行スパンや
トレンドラインは上抜けしており、ドル円の上昇を示唆しています。

これまでの、ドル円は77円台前半までは上昇するものの、そこからはことごとく
押し戻されてきました。
少なくとも8月以来10回ほど挑戦しては失敗した経緯があります。

その意味でも今回、どこまでドルの高値が観られるのか注目されます。

今回のドル円反発の背景はやはりユーロ安の影響かと思います。
先週末の米経済指標では、消費者マインドがやや改善してはいましたがその他の
経済指標はおしなべて低調でした。
ドルサイドに特別な買い材料があったわけではありません。
対ユーロでドル高が進んだことで、対円でもややドル高が進んだという状況かと思います。
そうであれば、77円台を抜けてさらに上昇するには材料不足である可能性が高いと思われます。
77円台半ばからは輸出筋のドル売りが並んでいるものと思われ、これを消化し
さらに上昇すには、ユーロドルの1.3台割れといった、もう一段のユーロ安ドル高か、
日銀がこの水準からドルの押し上げ介入を実施するなどのドルを買う材料が必要です。

その結果、ある程度の水準までドル高が進めば、「ストップロス」などが湧いてきて
今度は市場の流れが変わる可能性がでてきます。問題はその水準までドルが上昇するか
どうかです。

今週は「米雇用統計」の発表もあり、76-77円の取引レンジが変わるかもしれません。
ちょど10月が始まりました。期待したいと思います。

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