日銀追加緩和を決定
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 日銀が追加緩和に踏み切ったことから、昨日の東京市場では
79円22銭までドル高円安が進んだが、海外市場では緩和の規模が
小さいとの見方もあり、円高が進み78円25銭までドルが売られる。 - ユーロドルは下落基調が強まり、一時約1週間ぶりに1.30台を
割り込んだものの勢いは無く、1.30台半ばで引ける。ユーロ円の下落
がユーロドルの上値を抑えた格好だった。 - 株式市場は小幅に続伸。住宅関連指標が総じて好調だった半面、原油価格の
急落でエネルギーセクターが下落。ダウは13ドル高。 - 債券価格は3日続伸。目立った材料はなかったものの、米景気に対する
懸念から債券への需要が高まり、10年債利回りは1.77%台まで低下。 - 原油価格は大幅に続落。原油在庫が予想以上に増えていたことや、サウジが
増産するとの報道から前日比3ドルを超す下落を見せ、92ドルを割り込む。
一方金価格は前日とほぼ変わらず。 - 8月住宅着工件数 → 75.0万件
- 8月建設許可件数 → 80.3万件
- 8月中古住宅販売件数 → 482万件
本日の注目イベント- 日 8月貿易収支
- 中 中国 9月HSBC製造業PMI
- 独 独8月生産者物価指数
- 独 独9月製造業PMI
- 独 独9月サービス業PMI
- 欧 ユーロ圏9月製造業PMI
- 欧 ユーロ圏9月サービス業PMI
- 欧 9月ユーロ圏総合景気指数(速報値)
- 欧 9月ユーロ圏消費者信頼感
- 欧 EU・中国首脳会談
- 欧 モンティ・伊首相、ラホイ・スペイン首相と会談
- 英 英8月小売売上高
- 米 9月フィアデルフィア連銀製造業景況指数
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 8月景気先行指標総合指数
- 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
- 米 ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演
- 米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
日銀が10兆円の資産購入を柱とする「追加緩和」を
決定したことから、昨日の昼過ぎ「ドル高円安」、
「株高」が進み、ある程度の緩和効果が見られましたが、
海外市場では一転して円買いが加速し、「追加緩和」
決定前の水準に戻っています。
今年2月14日の「バレンタインギフト」の様な効果は
見られず、為替に関する限り「6時間」程度の「賞味期限」
でした。
市場では今回の決定会合で「追加緩和」は見送られるとの
観測が優勢でしたが、一部にはECB、FRBが動いた以上
「日銀も動かざるを得ない」との見方もありました。
その意味では「サプライズ」ではあったものの、
「ビッグサプライズ」ではなかったと言えそうです。
また、今回「10兆円の増額」を決めましたが、それでも
「デフレから脱却し、1%の物価上昇を達成する」ことは
困難との、冷めた見方もあったようです。
ただ、それでも個人的には今回の決定はタイミング的には
正しいものであったと思います。
日銀が欧米の通貨当局に比べても「追加緩和」に積極的な
姿勢であるということを示した点は評価できると思います。
ドル円が78円台前半まで売られたことで緩和効果が限ら
れたという事実はありますが、今後じわじわ効いて来ることも
考えられます。
欧州危機がやや後退し、米国では住宅市場の回復が鮮明に
なる中、「リスク回避の円買い」が以前ほど起こりにくく
なっていることも考慮する必要があろうかと思います。
ドル円は先週のFOMCで「QE3」決定され直後に
77円13銭まで円高が進み、昨日の日銀による「追加緩和」
決定で79円22銭まで円安が進みましたが、
結局この間の値幅のほぼ真ん中である78円半ば近辺に戻った
ことになります。
恐らく、元の鞘にもどったドル円は78円台で一進一退の
値動きを続けるのではないかと予想しています。
ECB、FRB、そして日銀と、これで一連の政策会合は
終わりました。
しばらくは様子見ムードが漂い、発表される経済指標の
結果を受け相場が上下するものと見られます。
1.31台後半で上昇が抑えられ、その後調整が続いて
いるユーロドルですが、1.30の大台割れはあったものの
すぐに切り返して1.30台半ばまで反発しています。
1.3170辺りが天井だったとすれば、フィボナッチ・
リトリースメントの23.6%にあたる1.2905
あるいは、38.2%にあたる1.2740程度
まで下げてもいいのですが、まだ本格的な下げ基調では
ないようです。
現在「1時間足」では「120日移動平均線」がある、
1.3044でサポートされているように見えますが、
上値も1.3070以上には「雲」もあり抵抗しそうな
気配もあります。
昨日の「追加緩和」発表後に円売りユーロ買いが強まった
時も、ユーロドルの上値は1.3085辺りでした。
そしてNY市場での高値も1.3076だったことを
考えると、目先はこのあたりが上値のメドと見られます。
この水準を上抜けすれば、再び1.31台が見られるかも
しれません。そうなると「MACD」もゼロの軸を上回る
ことになり、上昇する可能性も出てきそうです。
「スペインが支援要請を決定」といったニュースが飛び
込んで来れば、1.3170-80のレジスタンスを再度
トライすることにもなりそうです。
そろそろスペインも支援を要請するのか、あるいは自力で
資金調達をする道を選ぶのか決断をしなければなりません。
- 日 8月貿易収支
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- [2012/09/20 09:46]
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