ドル円約1ヵ月ぶりに79円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は一時79円台に乗せる。日経電子版が今月30日の
日銀決定会合で追加緩和を検討すると報じたことや、
米住宅関連指標が予想以上に回復していたことを手掛かりに
一時79円06銭まで円売りが加速。その後はやや伸び悩み、
79円を下回った水準で引ける。円は他の主要通貨に対しても
相対的に弱含む。 - ユーロドルは格付け会社がスペインの格付けを据え置いた
ことでアジア市場から買われ、NYでは1.31台半ばまで
ユーロ高が進む。 - 株式市場は小幅ながら4日続伸。住宅着工件数の大幅な伸びを好感
したものの、このところの急激な株価の上昇に対する警戒感もあり、ダウは
5ドル高に留まる。 - 債券相場は3日続落し、10年債利回りは前日比0.1%の大幅高と
なり、約1ヵ月ぶりとなる1.82%台まで上昇。ドル円の押し上げ要因にも
なった。 - 金、原油はともに小幅に続伸。
- 9月住宅着工件数 → 87.2万件
- 9月建設許可件数 → 89.4万件
本日の注目イベント
- 中 中国7-9月GDP
- 中 9月中国不動産価格
- 中 1-9月中国固定資産投資
- 中 9月中国小売売上高
- 中 9月中国鉱工業生産
- 欧 EU首脳会議(ブリュッセル)
- 欧 スペイン長期債入札
- 欧 メルケル・独首相講演
- 欧 レーン・欧州委員長講演
- 欧 リーカネン・フィンランド首相講演
- 英 英9月小売売上高
- 米 10月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 9月景気先行指数
- 米 7-9月決算発表 → モルガン・スタンレー、マイクロソフト、グーグル
連日ドル円のレジスタンス・ポイントについて触れていますが、
昨日のアジア市場では78円96-97銭の重要な水準は抜け
ずに、上値の重さが意識され海外市場にかけては徐々にドル
が下落する展開でした。
ただそれでも下値は78円60銭辺りで下げ止まり、NYでは一
転してドルが急反発しています。
今朝の日経一面の記事にあった「30日の日銀金融政策決定
会合で追加緩和を検討」との報道が伝えられたことがドル買い
円売りを誘発しました。
今朝の朝刊の記事は、時差の関係でNYでは電子版を通じ、
日本より早く目にすることができます。その電子版で今月30日
の決定会合では、「展望リポート」の発表と同時に追加緩和を
行う可能性がある、と報じています。
今年2月14日の追加緩和を実施した際に「デフレから脱却し、
物価上昇が1%に達するまで最大限の努力をする」
と公言した日銀総裁でしたが、どうやらその実現は難しそうなこ
とからさらなる追加緩和を迫られそうな状況です。ラガルド・IMF
専務理事も今回の総会時の会見で、「日銀がさらなる追加緩和
を行うことを期待する」といった発言をしています。
米国が動く前に、日銀が追加緩和に動くことで円売り圧力が徐
々に高まっている状況です。
加えて、昨日の住宅着工件数がドル買いに繋がってもいます。
9月の住宅着工件数は市場予想の77万件を大きく上回る87.
2万件でした。
この数字は約4年ぶりの高水準で、さらに8月分についても上方
修正されています。
また今後の着工件数に繋がる建設許可件数も89.4万件と高水
準でした。
米住宅市場の回復は長い間の低金利政策と、住宅価格の下落
が続いてきたことから徐々に購入需要が生まれ、まだ本格的な回
復には時間がかかるものの、底入れは済んだと見ていいと思いま
す。住宅市場の回復は今後の消費にも繋がってきます。
米景気の回復は「住宅市場がけん引」することになるかも知れません。
さてテクニカル的には重要な節目を「上抜けした」と見られるドル円
ですが、まだトレンドの転換というわけには行きません。
80円を明確に抜けるまでは77-80円の「レンジ相場」と考えておく
べきでしょう。
「日足」では既に重要な「120日線」を抜け、同時に一目均衡表の
「雲」も上抜けしています。
この上には「200日線」がある79円40銭を目指すことになろうかと思
いますが、「週足」では「52週線」を抜けてはいますが、「週足」である
ため、金曜日のNYクローズまでは完全に抜けたかどうか確定しませ
ん。そのため、79円台を維持できることと、来週月曜日に79円10銭
以上の円安水準で取引が開始されることが最低条件となります。
「日足」では「MACD」もゼロの軸を抜けプラス圏に入って来ました。
79円台は9月19日以来約1ヵ月ぶりのドル高水準であるため、ドル
が今後堅調に推移しそうなセンチメントにはなっていますが、久しぶり
の水準であることから輸出企業などからのドル売りオーダーもそれなり
に入ってくると考えられます。
従って、このまま79円台半ばを抜け80円を目指すには時間が必要
です。
昨日のNY市場のように米経済指標の上振れなど、さらなるドル買い
材料か、あるいは日銀の追加緩和の実施などの円売り材料が望まれ
ます。
79円台は過去に何度も示現し、市場もドル高モードになる場面があ
りましたが、その都度押し戻されてきた経緯があります。
今回が「それと同様な展開」で再び77円台に押し戻されるのか、ある
いは「今回は違う」のか、しっかり見極める必要があります。
それには80円台を回復し、維持できるかどうかが重要な判断材料に
なると考えられます。
- 中 中国7-9月GDP
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- [2012/10/18 10:06]
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