ドル円一週間ぶりに79円台半ば
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米長期金の低下と、利益確定のドル売りに押され80円を
割り込んだドル円は、反発の気配もなく79円半ばまで下落。
日銀決定会合を控えポジション調整によるドル売りが目立ち、
米GDPの好転もドル買い材料にはならず取引を終える。 - ユーロドルも売られ、10日振りに1.290台を割り込み
1.2891まで下落。スペインの失業率が過去最悪の25%
を超えたことがユーロ売りに繋がった。 - 株式市場は模様眺めの展開から小幅に上昇。ダウは前日比
3ドル高、ナスダックは2ドル高。 - 債券相場は反発。スペインの失業率が過去最悪となったことで、
域内債務危機が悪化する恐れがあるとの懸念が広がり、10年債
利回りは1.74%台まで下落。 - 金は小幅に下落、原油は反発したがいずれも取引は閑散。
- 10月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値) → 82.6
- 7-9月GDP(速報値) → +2.0%
本日の注目イベント- 独 独10月消費者物価指数(速報値)
- 独 ワイトマン・独連連銀総裁講演
- 欧 モンティー・伊首相、スペイン・ラホイ首相と会談
- 米 9月個人支出
- 米 9月個人所得
- 米 9月PCE・コアデフレーター
明日行われる日銀金融政策決定会合での「追加緩和」期待の
高まりからドル高円安が続いていたドル円は、結局「正念場」と
見られていた80円40銭~81円の重要な水準を抜けずに反落
しています。
先週末の朝方には80円38銭までドルが買われ、テクニカル的
にも重要なその上の水準を試すのではとの期待もありましたが、
NY市場では米金利の低下を手掛かりに、ユーロ円などの売り
も加わって、あっさり80円を割り込み、79円台半ばまでドル売り
が進みました。
「追加緩和」期待がかなり強かったとは言え、もう少し80円台の
せめぎ合いも期待していましたが、それほど粘り腰は見せず落
ちたように思います。
この結果、80円台半ばのテクニカル上のポイントはやはり抜け
にくく、抜けるにはもう一段のドル高材料か、円安材料が必要な
ことが明確になりました。
80円台半ばが重くなってきてはいますが、このまま再びドルが
下落し、元の「定位置」に戻るとも現段階では思えません。
先週末のNY市場で79円49銭でドルの下落が止まったことは、
「日足」チャートを基準に見ればテクニカル通りで、ここには
「200日線」がありしっかり機能しています。
仮にこの水準が下抜けしたら、その下の「週足」「52週線」の
79円08銭が重要と考えます。ここが抜けるようだと、今回の上
昇局面が終焉を迎えることにもなりそうです。
「週足」ではMACDがゴールデンクロスを完成させており、さら
に上昇過程にあることから、基本的な流れは依然ドル高、との
認識は変えておりません。
今週の焦点はもちろん明日の日銀決定会合です。
資産買い入れ基金の増額は既に既定路線の感があります。
焦点はその買い入れ額が10兆円なのか、あるいそれ以上なの
かに移っているように思います。
今回の会合では四半期に一度の「展望リポート」も発表されます。
市場予想では、このりポ-トで景気の下振れリスクが高いことが
盛り込まれ、日銀が目標とする「1%のインフレ」が困難な状況で
あることで「追加緩和は不可避」といった観測が主流です。
そして、決定会合後の記者会見でも白川総裁が、今後の「追加
緩和」に対する強い意志を示せば市場への効果は十分あるの
ではないかと考えます。
豪ドル円が堅調です。
ここ3ヵ月ほどで7~8回程、83円半ばを試す動きを見せましたが、
83円30銭~50銭の水準が抜けません。
ただ、それでも82円台はしっかり維持しており、80円割れはそう
簡単ではなさそうです。
RBAによる「再利下げ」観測がやや後退していることが背景と思わ
れますが、その前提には中国の景気後退が下げ止まったのではな
いかといった見方もあります。
豪ドル円は80円ー85円のレンジを予想していますが、これまで通り
83-85円の水準では一旦利益を確定しておくことが肝要です。
週明けの本日は80円がやや遠くなっています。
79円30銭~80円のレンジを予想しますが、明日の会合を前に動
きにくい展開になりそうです。
- 独 独10月消費者物価指数(速報値)
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- [2012/10/29 09:27]
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