キプロス混乱回避でユーロ反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は94円台前半で一進一退。93円台後半を試す場面もあったが
株高などに引っ張られ円買いも限定的。94円10-20銭で引ける。 - 営業を再開したキプロスの銀行では混乱もなく、スペインとイタリア国債が
堅調に推移したことでユーロドルは1.28台半ばまで反発。 - 株価は反発。GDP改定値が上方修正されたことや、欧州危機を巡る懸念が
やや後退したことを好感。ダウは52ドル高。S&P500は最高値を更新。 - 債券は小幅ながら続伸。GDPは上方修正されたものの、失業保険申請件数が
増加したことが買い材料に。10年債利回りはやや低下し、1.82%台に。 - 金は反落。原油は5日続伸し97ドル台に乗せる。
- 新規失業保険申請件数 → 35.7万件
- 10-12月GDP(確定値) → +0.4%
- 3月シカゴ購買部協会景況指数 → 52.4
本日の注目イベント- 日 2月失業率
- 日 2月鉱工業生産
- 日 2月消費者物価指数
- 米 2月個人支出
- 米 2月個人所得
- 米 2月PCEコアデフレーター
- 米 3月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値)
- 米 株式・債券市場休場(グッドフライデー)
約2週間ぶりに営業が再開されたキプロスでの混乱が懸念されて
いましたが、営業再開直後のパニック的な預金引き出しは見られ
ず、顧客は整然と列を作ったとメディアは報じています。
政府が引き出し額の上限を300ユーロ(約3万6000円)に設定し
ましたが、特に混乱はなく、イタリア、スペイン国債の利回りが低
下したことで安心感からユ-ロ買いに繋がっています。
ユーロドルは1.27台から1.28台半ばまで上昇し、119円75銭
まで売られたユーロ円も急速に値を戻し121円目前まで買い戻さ
れました。
ユーロの反発にはなお懐疑的ですが、ポジション調整の動きが
相場を押し上げた格好でした。
ドル円も、ユーロ円の下落に歩調を合わせ欧州時間には一時9
3円88銭まで下落しましたが、多くの時間帯では94円台で推移
しました。
上値は重く、足元では95円台も徐々に「売り場になりつつある」
といった相場観も増えて来ています。
それでも重要な節目である93円台半ばを割り込む勢いはありま
せん。
黒田日銀総裁は昨日参院財政金融委員会で国債購入につい
て、「残存期間がより長いものも含めバランスの取れた買い入れが
必要だ」と述べています。
また、購入対象も国債だけではなく、リスク資産も検討課題にな
ると発言し、先に述べた「量的、質的にも大胆な金融緩和」
に沿った明確な姿勢を見せています。
これらの発言は既に市場では織り込まれており新たな反応は見
せていませんが、市場が円買いに傾く抑止力にはなっている
ようです。
これまでの発言を総合すると、来週開催される日銀決定会合での
追加緩和の中身がほぼ明らかになったようにも思えますが、
一部には依然として「サプライズ」期待もあるようです。
「材料出尽くし」あるいは、「新鮮味が無い」といった理由から円が
買い戻される可能性もないとは言えません。
ドル円は94円台でのもみ合いが長引きそうで、動きにくい状況です
どちらかといえば上値の重い展開ですが、93台に入ると押し戻さ
れる展開を見ると、94円割れではドル買い意欲も根強いように見
受けられます。
それでも上値が重いようだと、いずれは93円台半ばを再び試すの
ではないかと予想されますが、「欧州問題」と「大胆な金融緩和」と
の綱引きはまだ決着がついていません。
本日は米国が「グッドフライデー」のため債券市場と株式市場が休
みです。為替市場は開いていますが、値動きは限定的と思われます。
日中は日本の株価を見ながら一進一退かと見られますが、「日足」の
転換線と基準線のどちらを抜いてくるかが焦点です。
現在、「転換線」は94円82銭、「基準線」は93円78銭に位置してい
ます。
- 日 2月失業率
- [2013/03/29 09:35]
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欧州不安からユーロドルさらに下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- キプロスに加え、イタリアの政局不安が治まらないことでドル円は
94円近辺まで円高が進む。それでも株高を背景としたリスク志向が続いて
いることから円買いの流れも限定的。94円台半ばまで値を戻して引ける。 - ユーロドルは一段安。イタリアでは連立政権の枠組みが決まらず、この日の
国債入札では需要が減少し利回りが上昇。ユーロドルは1.28台を割り込み
1.2750まで下落。また対円でも一時120円を割り込む場面があった。 - 株価は反落。欧州懸念の高まりを嫌気して売り物が優勢となり、ダウは
33ドル安。S&P500も高値更新を前に足踏み。 - 債券相場は大幅に上昇。キプロス、イタリアの混乱を材料に「質への逃避」が
加速し債券高に繋がる。10年債利回りは3週間振りに1.9%台を割り込む。 - 金は反発し1600ドル台を回復。原油価格は4日続伸。
- 2月中古住宅販売成約指数 → -0.4%
本日の注目イベント- 中 中国2月工業利益
- 独 独3月失業率
- 欧 ユーロ圏2月マネーザプライM3
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 10-12月GDP(確定値)
- 米 3月シカゴ購買部協会景況指数
- 加 カナダ1月GDP
日銀が新たな金融緩和目標を設定するとの報道と、NY株式市場が
再び過去最高値を更新したことで、昨日の東京市場ではドル高円安
が進みましたが95円台乗せには至らず、やはり上値の重さを意識さ
せられる展開でした。
特に昨日は株式市場では「権利落ち」で、日経平均株価が理論上は
90円程度下落してもおかしくない中、22円高と小幅高に推移し、株
価の上昇がドル円の下支えになるものと思われましたが、海外市場に
入るとキプロス問題に加え、イタリアの政局不安が円買いを誘導しま
した。
イタリアでは先月の選挙以来、まだ政権が樹立できない状況が続き
政局の混迷が続いています。
昨日イタリアでは39億1000万ユーロの5年債の入札がありましたが、
平均落札利回りは3.65%と、昨年10月以来の高水準で、10年債
についても応札倍率は低調でした。政局不安が入札結果に影響し
たものと思われます。
またキプロスでも預金に対する課税の影響が不透明で、ユーロ売り
に繋がっています。
キプロスでは本日28日から銀行の営業が再開されます。
ほぼ2週間ぶりの営業再開のため、預金の引き出しが殺到するこ
とも予想されます。
このためキプロス中銀は、預金引き出し額の規制を発表しています。
1日の引き出し額が300ユーロ(約3万6000円)と、かなり小額で、
この規制は4日間適用されると伝えられています。
しかも銀行の営業時間は昼から午後6時までに制限されています。
これは事実上預金を引き出せないようにしたものと思われ、キプロス
中銀の監査局責任者は、国民に冷静な対応を呼びかける一方、
「銀行に駆け込み、預金を引き出す手段を考えたところで意味が無
い」と述べているそうです。(ブルームバーグ)
イタリア、キプロスでの混迷に加え、この日発表された3月のユーロ
圏景況感指数が低下したことでユーロ売りに拍車がかかり、ユーロ
ドルは昨年11月以来となる1.27台半ばまで売られています。
ユーロ円も一時120円を割り込みましたが、それでもドル円が円安
水準を維持しているため、昨年9月の時のような100円割れは避け
られていますが、仮にドル円が78円であったらユーロ円は99円45
銭というレートが導き出されます。
ドル円がやや下落したことで円が買い戻されていますが、3通貨で
はドルが最も強く、続いて円、ユーロという状況です。
ユーロ円は120円を割り込んだことで、「日足」までのチャートでは
全て下落を示唆しています。
121円台を回復すれば、120円が短期的な底値と見て反発する可
能性もありますが、上記南欧諸国の不透明感が上値を抑えそうです。
イタリアの政権安定がより重要と思われますので、今後連立政権樹
立の大枠が形成できれば反発に繋がることからイタリア政局の動き
には注目です。
ドル円は日銀による大胆な金融緩和と欧州不安との綱引きが続い
ています。
94円割れではドルが押し戻されるのも、金融緩和期待が根強いこ
との証です。
これまで通り、基本は「ドル高円安」が継続されていると見ています
が、93円台半ばを割り込むとドル売りが加速することが考えられます。
そして90円を割り込むと「長めの調整局面」が続くと予想しています。
93円50銭~96円50銭のレンジの中で、94円台での綱引きが続い
ている状況です。- [2013/03/28 09:32]
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ドル円94円台で堅調に推移
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 連日値幅の大きい動きを見せていたドル円は、上値が重い展開ながら
米株価の上昇と、住宅関連指標の改善を手掛かりに堅調な動きを見せる。
94円台前半から半ばで推移し、この日の高値水準で引ける。 - ユーロドルは依然としてキプロス問題への懸念が払しょくできず、一時
1.2828と、前日の安値近辺を試したものの、勢いはなく押し戻される。
米株価の大幅高から「リスクオフ」もやや後退し1.28台半ばで引ける。 - 株式市場は大幅高。ケースシラー住宅価格指数の上昇や、耐久財受注などの
改善を好感し、ダウは111ドル高と、約10日振りに過去最高値を更新。
S&P500も過去最高値に2ポイント以内に迫った。 - 株高にも関わらず債券価格は上昇。消費者信頼感指数が予想を下回ったことを
受け債券買いがやや膨らみ、10年債利回りは1.91%台に低下。
- 金は3日続落で1600ドルの大台を割り込む。対照的に原油価格は
景気回復を材料に3日続伸し、約1ヵ月振りに96ドル台に乗せる。 - 2月耐久財受注 → 5.7
- 1月ケースシラー住宅価格指数 → +8.08%
- 3月消費者信頼感指数 → 59.7
- 2月新築住宅販売件数 → 41.1万件
- 3月リッチモンド連銀製造業指数 → 3
本日の注目イベント- 独 独4月GFK消費者信頼感指数
- 欧 ユーロ圏3月消費者頼感(速報値)
- 英 英10-12月GDP(確報値)
- 米 2月中古住宅販売成約指数
- 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
- 米 ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演
- 米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 加 カナダ2月消費者物価指数
キプロスの支援問題はやや小康状態を保っているようですが市場
の関心は、銀行再編で民間セクターの損出負担が拡大するかどう
かに集まっており、市場には依然として警戒感が漂っています。
EUは、10万ユーロ(約1210万円)を超える預金者に損出を負担
させる案を検討しているようですが、これが
他の周辺国にも波及し銀行破たんが起きるのではないか、といった
不安が払拭されていません。
ユーロドルは昨日も下値を探る展開が続き、1.28台割れを試しま
したが前日同様押し戻されています。
「日足」チャートを見ると重要な「200日線」を下回っており、1.30
が徐々に遠くなっています。
一目均衡表の「遅行スパン」は雲を完全に下抜けしており、この
「遅行スパン」が「200日線」でサポートされている状況です。
1.28台を割り込めば「遅行スパン」の下抜けが完了しますが、
そうなると次のターゲットは昨年11月に記録した1.26台半ばと
いうことになります。
米景気回復を背景にドルが買われ易い地合いの中、上値の重い
展開が当面続くと予想されます。
今朝の経済紙では、日銀が国債買い入れを拡大するため新たな
購入目標を検討していると報じています。
これまでの通常の国債購入枠と、金融緩和を行うための基金を統
合し、より解り易い緩和規模を明示することで日銀の緩和姿勢を
市場に働きかけようというもののようです。
黒田日銀総裁は昨日の衆院財務金融委員会で「これまで以上に
大胆に質的、量的な金融緩和をする」と発言し、
「あらゆる選択肢を検討課題とし、期待外れにならないよう緩和を
行う」と述べていました。
既に市場では期待感が先行しており、追加緩和が実施されたとし
てもある程度の「サプライズ」が伴わないと
失望感が支配的になる可能性があり、このあたりを意識した発言と
見られます。
実際為替市場にはそれ程影響を与えてはいません。
ただ、債券市場には大きな影響を与えています。
連日低下を続けている長期金利は、昨日も一段と低下し0.525
%を記録しました。
2003年に記録した史上最低金利である0.43%に迫る勢いです。
これは黒田総裁の「大胆な質的、量的緩和」を先取りした動きで、
債券市場の参加者は「この水準で買うのは怖いけれども、買わざる
を得ない」状況の様です。
専門家の間では既に「債券バブル」とも言われていますが、「買うか
ら上がる。上がるから買う」といった図式になっており、史上最低金利
の0.43%を更新するとの声も聞かれます。
ただ、これ以上長期金利が低下しても、残りは「0.5%」でしかありま
せん。
「あと0.5%しかない」と思うのか「まだ0.5%もある」と考えるのか、
門外漢には解りませんが、「バブル」の中にいることには違いないと
思われます。
日本の長期金利の低下は日米金利差の拡大に繋がります。
そしてドル円では「ドル買い材料」ということになり、米長期金利が
景気回復を背景に今後上昇するようだと、為替相場にもじわじわと
効いてくることが考えられます。
一段の金融緩和に踏み切る可能性が高い日銀と、まだ時期尚早
とはいえ量的緩和の縮小を検討する余地のあるFRB。
この差がドル円の支えになっていることで、足元では93円台半ば
がサポートされているようにも見えます。 - 独 独4月GFK消費者信頼感指数
- [2013/03/27 09:19]
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キプロス問題合意にも円急騰
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は「キプロスとトロイカが大筋合意」との報道でドル買いが強まり
95円目前まで上昇したが、NY時間にはロイター通信がユーロ圏財務相会合の
議長の話として「キプロスのケースはその他ユーロ諸国のひな型とみなされる」との
内容を伝えると、円買いが加速。ドル円は一時93円53銭まで下落。その後発言内容の
趣旨を撤回したことで94円台まで値を戻す。
- ユーロドルも急落し、約4ヵ月振りとなる1.2830を記録。ユーロ圏財務相会合
議長の発言から、ユーロ圏の債券や預金の安全性を巡り懸念が強まった。
ユーロは対円でも急落し120円割れ目前まで売られる。 - 株式市場は反落。朝方はキプロス問題の収束を手掛かりに上昇したものの、上記
ユーロ圏議長の発言を嫌気して売りが拡大。ダウは64ドル安、ナスダックは9ポイント安。
- 債券相場は先週末とほぼ変わらず。
- 金は続落し、原油は続伸し94ドル台に乗せる。
本日の注目イベント- 豪 スティーブンス・RBA総裁講演
- 欧 ノボトニー・オーストリア中銀総裁講演
- 米 2月耐久財受注
- 米 1月ケースシラー住宅価格指数
- 米 3月消費者信頼感指数
- 米 2月新築住宅販売件数
- 米 3月リッチモンド連銀製造業指数
キプロスへの支援問題を巡って昨日朝方には、EUなどトロイカとキプロスが大枠
で合意したことを受けユーロドル、ユーロ円が買い戻されドル円も上昇しましたが、
それでも95円台には届きませんでした。
目先の最大の懸念材料が解決に向けて合意したにも関わらず、ドル円の反発が
鈍いことがやや気にはなっていましたがNY市場で93円台半ばまでの急落は予
想できませんでした。
ユーロ圏財務相会合で議長を務める、オランダの財務大臣が「キプロスのケース
はその他ユーロ諸国のひな型と見なされるべきだ」と発言したことをロイター通信
が伝えたことで、他の過剰債務国でも預金や債券をカットされる可能性があるとの
懸念が広がり、再びユーロの急落に繋がっています。
「リスクオン」が後退すれば、いつものように安全通貨の円が買い戻され、ドル円
は一時93円53銭まで円高が進みました。
同議長がその後、キプロスの銀行の再編計画は特殊なケースだと「火消し」に回
ったことでユーロはやや値を戻しましたが、欧州危機は未だに収束していないこ
とを改めて認識させられました。
キプロス支援での合意は、同国第2位の銀行であるキプロス・ポピュラー銀行が
整理され、保証対象外の預金と優先債保有者などの無担保債権はほぼ全額が
失われる見通しで、最大手のキプロス銀行の保証対象外の預金者は
最大40%の損出負担が求められているようです。
ただ、朝方の情報ではロシアのプーチン大統領は、キプロスの国際的な救済に
関する合意を受け入れる意向を示唆し、同国への融資を実行する可能性も出て
います。
この問題についてはまだ流動的で、欧州時間には情報が駆け巡ることで市場の
ボラティリテーも上昇しそうです。
NY連銀のダドリー総裁は講演で、「非常に緩和的な金融政策の継続は適切だ
と言える」と発言し、出口戦略の話は時期尚早だとの見解を示しました。
同総裁はバーナンキ議長と同様に「ハト派」を代表する存在で、FOMCでも投
票権を持っています。この発言から伺えることは、米景気の回復が順調に進んで
も早くとも2013年度内には量的緩和の縮小や解除は考えにくいということです。
今回のキプロス問題など、まだ欧州危機は収束しておらず、欧州発の景気後退
リスクに備えているように思えます。
従って、毎月850億ドルもの資産購入もその規模は維持され、これが米長期金利
の下落圧力となり、ひいてはドル円の上値を抑える役割を果たしています。
「ドル円の上昇傾向は変わらないものの、上値が徐々に重くなっている」と何度か
述べてきましたが、昨日のドル円の急落で「日足」より短いチャートでは上昇パタ
ーンは崩れ、短期的な下落傾向を示し始めています。「8時間足」では「120日線
」を一旦下抜けしたように見えますが、その後94円台を回復したことで、「長い下ヒ
ゲ」を示現させています。
これは先月25日の「イタリアショック」の時と同じパターンで、まで完全に下抜けし
てはいません。
93円78銭以下で推移するようだと下落トレンド入りすることが考えられます。
救いなのは、「日足」ではまだ「転換線」が「基準線」を下抜けする「逆転」が起き
ていないことです。
また「基準線」は依然横ばいで、これは過去26日の高値、安値の中央値である
ため、今週中は横ばいか若干上向きになることが予想されます。
もっとも、ローソク足が93円78銭を割り込みそれ以下で推移すると、「中長期的な
下落に入る最初のシグナル」になる可能性はあるため注意が必要です。
株価も下落し、円が上昇し始めている足元の「リスクオフ」がどこまで進行するの
かを見極める段階にいます。 - 豪 スティーブンス・RBA総裁講演
- [2013/03/26 09:31]
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キプロス問題大詰めに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は95円台がやや重くなり、94円台での取引が中心となる。
株高などの支援材料があったものの、95円台ではドル売りに押し戻される。
キプロスへの支援問題が依然足かせとなり、円買い需要も旺盛となり94円台半ば
で引ける。 - ユーロドルはキプロス問題が収束するとの見通しに1.30台まで反発したが、
ECBが流動性供給を25日までの期限にしたこともあり、再び下落し1・29台に。 - 株式市場は反発。ティファニーやナイキなどの好決算が相場全体をけん引し、ダウは
90ドル高と前日の下げ幅を埋める。 - 債券相場は反落したものの、キプロス問題が重しとなり、下げ幅は小幅。
10年債利回りは1.92%台で取引を終える。 - 金は反落。原油は大幅に反発し93ドル台に。
本日の注目イベント- メルシュ・ECB理事講演
- 英 キング・BOE総裁。バーナンキ・FRB総裁公開討論会に出席(ロンドン)
- 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
ECBが25日までにキプロス当局と同国支援の条件を合意できなければ、
キプロスの銀行への流動性供給を停止すると表明して以来、その成り行
きが注目されていますが今のところ合意には至っていません。
ユーロ圏各国は混乱を回避するため24日夜(日本時間25日午前)に、
ベルギーのブリュッセルで緊急の財務相会合を開催することになってます。
キプロスは債権者が求める国内金融システムの縮小を受け入れるか、そ
れともデフォルト(債務不履行)とユーロ圏離脱の可能性に直面するのか
の選択を迫られていると、ブルームバーグは伝えています。
ユーロ圏財務相会合としてもこれ以上欧州危機を拡大させたくないとの考
えもありますが、一方でドイツを中心に南欧諸国の危機に「またか」、との意
見も多く、国民感情を考えるとさらなる負担は避けたいところです。
ショイブレ独財務相も「これはわれわれが決める問題ではない。キプロスが
決定する必要がある」と語っています。
これに対してキプロスのアナスタシアディス大統領は「われわれは最善を
尽くしている」と語るに留まっています。
今後のキプロスの対応次第では、1990年のユーロ発足以来初の「離脱国」
が出る可能性もありますが、それでもこれまでのギリシャやイタリア、スペイン
のように長引く混乱に陥る可能性は少ないと予想しています。
ドル円は上記キプロス問題が尾を引いていることから上値が徐々に重くなり
つつあります。
足元ではレンジの下限である94円台半ばで推移していますが、94円を割
り込むとやや円買いに拍車がかかることが予想されます。
「レンジの下限を割り込む」ことで、これまでの94-96円から、新しいレンジ
入りしたとの見方が急速に台頭することが考えられるからです。
たびたびこの欄でも記述していますが、90円を割り込まない限り「ドル高円
安」の流れは変わらないと思います。
米国では景気回復を背景に企業業績は好転しています。これが株価を押
し上げ、世界的な株高を演出する役割を果たしています。
日本でも「アベノミクス」効果で、上場企業トップの7割が「景気は上向く」と
予想しているとの調査も出ています。その結果「リスク選考」が強まり、投資
家はよりリスクが取れることで「円安株高」の流れが継続すると見ています。
ただそれでもドル円の96円50-70銭の水準と、日経平均株価の1万250
0-1万3000円のレベルが重くなっているのは事実です。
ここを上抜けするには、先週発足した新しい日銀執行部に期待が集まります。
来月3-4日の決定会合ではもちろんのこと、場合によっては今週中にも何
か「サプライズ」があるかもしれません。
キプロス問題が足を引っ張るものの、米景気の回復と日本の大胆な金融緩
和という流れは変わりません。従って円が強含んだ際には、これまで通り「ド
ルの買い場」を探るスタンスが機能するものと思います。
チャートを見ると、96円台が重く徐々に値を下げてきたことから「転換線」が
「基準線」を上から下へ割り込んでいます。また、「MACD」もデッドクロスを
見せ「ゼロの軸」を下回っています。
これらはドルの下落を示唆していますが、上記「基準線」は横ばいです。
「一目山人」はこの状態では「逆転」と判断できないとし、このような下落は
「短命」に終わると指摘しています。初めて96円台に乗せてから3週間目
に入りました。
これまでの円安のスピードからすれば、この水準はかなり高いハードルだ
ということになります。上記水準を上抜けし一段と円安が進むのか、あるい
は93円台を覗きに行くのか、今週から来週には方向性が見えてくるので
はないかと予想していますが、どうでしょうか・・・・。 - メルシュ・ECB理事講演
- [2013/03/25 09:35]
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キプロス問題で円再び94円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- アジア市場で96円台まで上昇したドル円は徐々に下落。日本時間夕方から
始まった黒田日銀新総裁の会見でも特に新鮮味がなかったことで95円台半ばを割り込み、
NYでは株安や、キプロス支援への懸念が広がり、94円54銭まで円が買われる。
- ユーロドルも下落。ECBがキプロス支援を25日まで行うとしたものの、その後の
不透明感からユーロを売る動きが継続。ユーロドルは1.28台後半まで下落。 - 株式市場は大幅に反落。米経済指標は概ね好調だったものの、欧州不安が重しとなり
ダウは90ドルを超える下落。
- 債券相場は続伸。キプロス問題の不透明感の高まりから債券に資金が流れ、
10年債利回りは1.91%台まで低下。
- 金は反発。原油は小幅に反落。
- 新規失業保険申請件数 → 33.6万件
- 1月住宅価格指数 → +0.6%
- 2月中古住宅販売件数 → 498万件
- 2月景気先行指標総合指数 → +0.5%
- 3月フィラデルフィア連銀製造業指数 → 2.0
本日の注目イベント- 独 独3月ifo景況感指数
日本時間夕方6時から始まった黒田新総裁など新しい日銀執行部の会見
ではこれまで通り、「強力に金融緩和を行う」との強い意志は感じ取れたも
のの、特に新鮮味はなかったため市場はドル売りで反応しました。
「物価上昇率2%は2年を念頭に置く」とし、質・量ともに大胆な緩和政策を
取るといった発言でした。
新執行部の初会合は来月3ー4日に開かれる決定会合になりますが、市場
の一部にはその前にも「臨時会合」が開かれ緩和策を前倒しするのではな
いかとの観測がありましたが、その可能性についての質問に黒田総裁は、
「私から申し上げるべきではない」と明言を避けました。
市場では「サプライズ」を期待していたこともあり、この会見をきっかけに円が
買われる展開になり、NY市場では94円台半ばまで円が買い戻されています。
既に次回の決定会合で導入される政策の内容につても市場では徐々に織
り込んでいます。
「材料出尽くし」の感もありますが、昨日の会見ではデフレからの脱却に向け
た強い意志は感じられました。2年をめどに2%の物価上昇を達成することは
容易ではありません。
安倍政権の強いサポートが無ければ到底不可能かと思いますが、幸い今回
の正副総裁は安倍総理自身に「任命責任」があります。
強力なサポートが期待されることから、「できることは何でもやる」といった黒
田総裁にとっても政策実現を実行し易い環境かと思います。
ドル円は上値も重く、96円50-70銭の壁が抜けません。
特に昨日は日経平均株価が大幅に上昇し、年初来高値を更新したにも関
わらず、円がジリ高に推移しました。94円台半ば~96円台半ばという2円の
レンジ内でもみ合っています。
上抜けする可能性の方が高いと見ていますが、依然として懸念材料は欧州
問題です。
ECBは昨日、キプロスが25日までに「関係銀行の支払い能力を確実にす
る」計画を整えなければ同国銀行への流動性支援を25日までで打ち切る
と表明しました。
ECBはキプロスへの圧力を強めた格好になっていますが、キプロスは関
係の深いロシアにも支援を要請しています。キプロスのサリス財務相はモ
スクワを訪れ追加支援を要請していますが、現時点ではロシアは要請を
拒否しています。
一方ブルームバーグによれば、キプロス国内では銀行休業が続き、現金
不足が深刻になってきているようです。
ガソリンスタンドや薬局、小売店などさまざまな業者が現金で支払いを求
め、市民はATMの前で行列を作っている、と伝えています。
25日以降の流動性不足が本格的になると、さらに混乱が増し「暴動」な
どに発展することも考えられます。
キプロスの中央銀行は、今週末までの銀行休業を発表し、25日月曜は
祝日のため、次に銀行が開くのは26日になるそうです。
米景気の回復基調と新日銀の追加緩和期待から緩やかなドル高円安観
測がメインシナリオかと思いますが、上記キプロスへの支援問題がこじれ
るようだと、円への需要が高まる可能性も出てきました。
地中海に浮かぶ小さな島国での出来事で、影響は限定的と見られてい
ましたが、やや無視できない問題になりつつあります。来週26日以降の
展開には注意が必要かもしれません。
- 独 独3月ifo景況感指数
- [2013/03/22 09:35]
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FOMC、政策変更なし
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円はバーナンキ議長が記者会見で将来、量的緩和の規模を縮小することも
あり得ることに言及したため、ドル高円安が進み96円台を回復。 - キプロスに対する支援問題が依然不透明ではあるが、影響は限定的との見方が優勢。
ユーロドルは1.28台から1.29台後半まで買われる。 - 株式市場は続伸。量的緩和継続に加え、好調な企業決算が株価を下支え。
ダウは55ドル高で1万4500ドル台を回復。 - 債券相場は反落。量的緩和継続を嫌気して売りが先行。
- 金価格は5日振りに反落。原油は小幅に反発。
本日の注目イベント- 日 2月貿易統計
- 中 中国3月HSBC製造業景況指数
- 独 独3月製造業PMI
- 独 独3月サービス業PMI
- 欧 ユーロ圏3月製造業PMI
- 欧 ユーロ圏3月サービス業PMI
- 欧 ファンロンパイ・EU大統領講演
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 1月住宅価格指数
- 米 2月中古住宅販売件数
- 米 2月景気先行指標総合指数
- 米 3月フィラデルフィア連銀製造業指数
注目されたFOMCでは、市場予想通り政策変更はなく、毎月8
50億ドルの資産購入は継続されることが決定されました。
会合後の記者会見でバーナンキ議長は、これまでの慎重姿勢は
維持したものの、雇用については「雇用市場の状況はここ数カ月
に改善の兆しが見られたが、失業率はなお高い水準にある」との
見方を示し、最近の経済データから
「経済は昨年遅くに停滞した後、緩やかな成長に復帰したことが
示唆された」と指摘しました。
また議長は、欧州からの景気下振れリスクは存在するものの、
「目標に向かって状況が進展すれば、金融緩和の規模を適切に
調整するため、月ごとの購入額を変更する可能性がある」と発言し、
将来量的緩和の縮小に動く可能性に初めて言及しました。
相次ぐ好調な経済指標に、バーナンキ議長自身、景気回復への
「手ごたえ」を感じ取っている証左だと思われます。
現在19名いるFOMCメンバーの中で4人が2014年のゼロ金利
解除に賛成し、昨年12月の3人より1人増えています。
中でも投票権を持つ、ジョージ・カンザス連銀総裁は2会合連続
で反対票を投じ、「大規模な金融緩和の継続で将来的に経済と
金融の不均衡が生まれるリスクが強まったほか、今後、時とともに
長期のインフレ期待を高める要因になり得る」と、懸念を表明して
います。
議長はメンバー内で高まってきたこのような「タカ派」の意見に配
慮した形で、将来の量的緩和縮小の可能性を言葉の中ににじま
せたものと思われます。
FRBの失業率のメドは6.5%以下で、足元の7.7%は依然とし
て高水準であることには変わりはありません。ただ、それでも201
5年には6.5%を下回ってくることに自信を深めているような会見
だったと思います。
次回のFOMCは4月30日-5月1日ですが、バーナンキ議長
の会見は予定されていません。
それだけに、1カ月後に公表される今回の「FOMC議事録」の
内容が今から注目されます。
黒田新総裁のもと、新しい日銀執行部は本日からスタートします。
本日は就任記者会見が予定されていますが、ここでも大胆な金
融緩和姿勢を見せるものと思われます。「2年で2%の物価上昇
率達成」を標榜していますが、日増しにこの目標達成は簡単では
ないとの意見が増えてきました。
確かにこれまで1%の物価上昇率さえ達成が困難だったわけです
から、そう簡単ではありません。
専門家の間でも、「ゼロ金利下では、量的緩和だけでインフレを起
こすことはできない」という考え方が定説化しつつあります。
ただそれでも目的は2%のインフレではなく、デフレから脱却するこ
とで、その結果経済を成長軌道に乗せることです。黒田新総裁の実
効力に期待したいと思います。
ドル円は96円50-70銭の水準を3回試して押し戻されています。
下値は徐々に固まってきたものと思われますが、上水準を上抜けす
れば97-98円程度までの上昇が予想されます。
それには株価の一段の上昇や、米長期金利の上昇などの支援材
料が不可欠です。
金融緩和を背景に世界的に株高が進んでいることを考えれば、
方向的にはしばらく円が売られ易い状況は続くと思われます。
足元のもみ合いはさらなる上昇への「踊り場」で、市場は「ドル高
円安材料」を探していると考えられます。
- 日 2月貿易統計
- [2013/03/21 10:33]
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「キプロスショック」一旦後退
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- アジア市場で円高が進んだドル円は、海外市場では買い戻される展開に。
94円台前半まで下落したドル円だったが、キプロスの預金者に対する課税問題
で修正を検討しているとの情報から、ユーロ円を中心に買い戻しが優勢だった。
ドル円は95円台後半まで買い戻されたが、米株式市場の下落に伴い95円台前半まで
押し戻されて引ける。 - ユーロドルはアジア時間で約3ヵ月振りに1.29台を割り込んだが、キプロスを
巡る問題は限定的との観測が広がりユーロドルは1.2996まで反発。 - 株式市場では高値警戒感に加え、欧州危機再燃に対する懸念もあり続落。
ダウは62ドル安と1万4500ドル台を割り込む。 - 債券相場は続伸。欧州危機の拡大は限定的との見方が優勢だったものの、安全資産の
債券への需要は旺盛で価格は上昇。10年債利回りは1.96%台まで下落。 - 金、原油は共に続伸。金価格は約1ヵ月振りとなる1600ドル台を回復。
- 3月NAHB住宅市場指数 → 44
本日の注目イベント- 豪 ロウ・RBA副総裁講演
- 豪 RBA金融政策決定理事会議事録公表(3月5日開催分)
- 日 1月景気動向指数
- 日 白川・日銀総裁退任
- 中 中国2月景気先行指数
- 独 独3月ZEW景況感調査
- 欧 ユーロ圏3月ZEW景況感調査
- 欧 スペイン短期債入札
- 欧 ワイトマン・独連銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、ラガルド・IMF専務理事講演
- 英 英2月消費者物価指数
- 英 英2月生産者物価指数
- 米 2月住宅着工件数
- 米 2月建設許可件数
週明けのアジア市場では早朝から「キプロスショック」が走り、ドル円は
オセアニア市場では一時93円台まで円買いが進み、東京時間でも9
4円台後半から円買いが優勢な展開でした。
欧州危機再燃懸念からユーロドル、ユーロ円が急落したことで、注目
された東京株式市場は、これまで大幅に株高が進んでいたこともあり
急落。日経平均株価は今年最大となる340円の下落で取引を終えま
した。
アジア市場ではその他の株式市場も下落し、欧米市場の反応が注目
されましたが、市場の反応が予想以上に大きかったことによるのか、欧
州当局者らは銀行預金課税を通じた58億ユーロ(約7140億円)の念
出をキプロスに求める一方で、小口預金者の負担軽減を検討するなど
柔軟姿勢を見せたことで不安の拡大はひとまず収まった格好でした。
そのため円が再び売られ、ユーロや豪ドルなどが買い戻される「リスク
オン」の流れが見られました。
ただ、NY市場では株価が続落し、安全資産の債券が買い戻されて
いることを見ると、今後の展開によっては不安が拡大することも考えら
れ、依然火種はくすぶっているという状況です。
キプロスでは銀行は18日の祝日に続き、19、20日も休業となるよう
です。
ドル円は昨日のNY市場では96円目前まで買い戻されており、市場
が落ち着きを取り戻せば円がすぐに売られる流れは変わっていないこ
とが確認されています、
アジア市場の流れを受け、NY市場では93円まで円買いが進むので
はないかとの懸念もありましたが、今のところ、主要市場では世界で最
初に開く「東京市場」だけが過剰に反応した格好です。
95円台で落ち着いた動きを見せていることで、「日足」ではドル円の
上昇基調は変わってはいません。
それでも、急落の影響から「4時間足」までの短い足では、短期的には
戻りは限定的とのサインを示しています。特に「MACD」では「ゼロの
軸」を下回っており、下落基調にいることを示しています。
96円台にしっかり乗せて来れば、これらのチャートも上昇トレンドを示
すようになると思われますが、96円台定着にはまだ時間がかかりそうで
す。
明日は東京市場が休場です。
本日から米国ではFOMCが開催され、政策変更はないとの事前予想
ですが2月の雇用統計など、経済指標の改善傾向が鮮明になっている
ことで「量的緩和縮小」など「出口戦略」に向けた議論がどの程度話し
合われるかが注目されます。
実際に議論された詳細は1ヵ月後の「FOMC議事録」の公開を待たな
ければ知ることができませんが、それだけに21日に行われるバーナン
キ議長の記者会見が注目されます。
相次ぐ経済指標の改善から、金融緩和に反対する「タカ派」の声がさ
らに増すことは容易に想定できますが、議長が記者会見でこれらの
声にどのような配慮を見せるかもポイントになりそうです。
バーナンキ議長の記者会見は、日本時間21日の朝方3時半に行わ
れる予定ですが、出口戦略に前向きな発言をすればドル高となり、
円が一段と売られる可能性があります。
個人的には米景気の回復基調を認識しながらも、今回の「キプロス
ショック」など、欧州からの景気下押しリスクが依然として存在するこ
とを理由に、慎重姿勢を崩さないものと予想します。 - 豪 ロウ・RBA副総裁講演
- [2013/03/19 09:05]
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ユーロ円キプロス問題で早朝に急落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は株式市場が下落に転じたことと、NY連銀製造業景況指数などが
予想を下回ったことで下落。また週末でポジション調整の動きなども膨らみ
下値の節目と見られていた95円台半ばを割り込む。一時95円08銭まで
下落し、95円20-30銭で引ける。 - ユーロドルも下落。1.31台に乗せた後、ユーロ円の売りなどにも押され
1.30台半ばで引ける。 - 株式市場は反落。経済指標の悪化を受けダウは11日振りに下落。
- 株安から債券相場は上昇。10年債利回りは2%を割り込む。
- 金、原油価格は続伸。
- 3月NY連銀製造業景況指数 → 9.24
- 2月消費者物価指数 → +0.2%
- 2月鉱工業生産 → +0.7%
- 3月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 71.8
本日の注目イベント- 中 中国2月不動産投資
- 欧 ユーロ圏1月貿易収支
- 米 3月NAHB住宅市場指数
NYダウは11日振りに反落し、やや「リスクオン」が後退したことから債
券が上昇。その結果、米長期金利が2%を割り込み、円が買い戻される展開に
なっています。
連日史上最高値を更新して来たNYダウがさすがに一服という状況で、小
幅ながら下落しましたが、注目すべきは今週の動きでしょう。
「リスクオン」の流れは変わっていないと思われますが、上昇が急激だった
こともあり、「調整」が長引くことも考えられます。
明日からFOMCが開かれ、ここで「出口戦略」が活発に議論されるよう
だと株式市場にも影響が出て「利益確定」の売りが先行するかもしれま
せん。
株価がさらに下落すれば、やや上昇傾向の米長期金利にも下落圧力がか
かり、ドル円では円買いが優勢になってくる可能性もあります。
ドル円は95円台半ば~96円台半ばのレンジを下へ抜けてきました。
「日足」のチャートを確認しておくと、一目均衡表の「転換線」と「基準
線」はまだ上昇パターンを崩してはいません。ここから判断できるのは、
基本的な流れは変わっていないということです。
ただ、週明けの本日早朝には参加者が少ない中、ドル円は93円台半ばま
で円が急騰し、先週末のNY市場の引け値から大きく「窓を開け」、取引
が開始されました。
キプロスの銀行預金への課税という前例のない措置で同国の経済計画が
妨げられ、欧州債務危機が改めて意識されたことが背景です。
その結果ユーロドル、ユーロ円が大きく下落し、円が買い戻される展開に
なっています。
短期的な値動きを示す「1時間足」では上記「転換線」と「基準線」が逆
転を起こし、下落基調を見せています。現在94円台後半で取引されてい
ますが、この水準は約10日ぶりです。ドル円の押し目を待っていた投資
家がどの程度買って来るのかが今日のポイントになりそうです。
本格的にドルを買ってくるようだと、95円台まで押し上げられ「元の鞘」
に戻る可能性があると考えられますが、上記キプロスの信用不安はまだ欧
米市場では消化されていないため、アジア市場だけの反応で全体を判断す
るのはやや危険です。
またNYダウが11日振りに反落したことで、本日の東京株式市場の動き
も注目されます。
利益確定の売りに押され、大幅に下落するようだと、今夜の海外市場にも
影響が及ぶことにもになります。
安倍晋三首相は、先週正式に「TPP交渉への参加」を表明しました。
賛否両論がある中、「国家100年の計」と判断し参加に踏み切ったわけ
です。
日銀正副総裁人事に強く関与し、円高是正を実現し、さらに長期にわたっ
て低迷していた日本の株式市場にも資金が流れ出し、上昇してきました。
さらにサラリーマンの給料が上がることも現実的になっています。
昨日の自民党大会でも安倍総理自身が「いま確実に景気は回復しつつある」
と述べていたように、デパートなどに行くとこれまでよりも賑わっている
のが実感できます。
アベノミクスの効果が好循環を見せていると言えます。
国民の4人に3人が安倍政権を支持すると答えている状況下では、今夏の
参院選でも「圧勝」するのではないかと個人的には予想しています。
そうなると現在の「ねじれ国会」は解消され、さらにアベノミクスを推進
し易い状況になると考えられます。
現在の「円安、株高」の流れは変わらないと見ていますが、それでも小幅
な調整は何度も経験することにもなります。大きな流れの中に日々の取引
をどう取
り込んでいくか、なかなか難しい問題です。
本日はユーロ円を中心に大きな値動きが予想されます。
ドル円は94円30銭~95円60銭程度と予想しています。
- 中 中国2月不動産投資
- [2013/03/18 09:58]
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ドル円、上下ともにレンジ抜けず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ややもみ合い色を強めているドル円は、新しい日銀正副総裁人事が
衆院で可決され、株価が上昇を強めたことで96円台前半で海外を迎えた。
海外市場でもこの流れが続き、さらにNYでは雇用指標が好調だったことで、
96円60銭までドル高に振れたが、ユーロが強含んだことにつられ95円台まで
反落し、96円台に乗せて引ける。 - ユーロドルは反発。一時1.29台前半まで売られた後、利益確定の買い戻しに
1.30台を回復。 - 株式市場は続伸。ダウはこの日も83ドル上げ、10日連続で上昇。
引け値も1万4500ドル台まで伸ばす。 - 債券は反落。株価の上昇を受け前日反発したものの続かず。
新規失業保険申請件数が前の週に比べ1万件減少したことが手掛かり。 - 金、原油は反発。
- 新規失業保険申請件数 → 33.2万件
- 10-12月経常収支 → -1104億ドル
- 2月生産者物価指数 → +0.7%
本日の注目イベント- 欧 ユーロ圏2月消費者物価指数(改定値)
- 欧 イタリア、新議会招集
- 欧 レーン・欧州委員講演
- 欧 ファンロンパイ・EU大統領講演
- 米 3月NY連銀製造業景況指数
- 米 2月消費者物価指数
- 米 2月鉱工業生産
- 米 3月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
- 米 フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
昨日もドル円は、1日の値幅がちょうど1円ほどありました。
中長期的なトレンドは変わっていないものの、短期的にはもみ合いが続き
「トレンドレス」です。衆議院では新しい正副日銀総裁人事が承認され、
この結果を受け昨日の東京株式市場は後場に上げ幅を拡大しました。
それでもドル円は96円前後で推移し、あまり反応は見せませんでしたが、
欧州市場に入るとやはり「株高」と「追加緩和期待」からドルが買われ、
円が売られました。
NY市場では新規失業申請件数が前の週より1万件ほど減少していたこ
とを受け、ドルがさらに買われ、96円60銭まで上昇しました。
ここまで来ると「97円台乗せは近い」と考えていましたが、その後は再び
円に買い戻しが入り95円台半ばまでドルが下落し「行って来い」の展開
になっています。
正直ドル高値から、大きな材料がない中1円の下落は理解に苦しむとこ
ろです。
ドルロングのポジションを抱えている人は「上値も重い」と感じており、ドル
ショートで待っている人は「ドルは下がらない」と感じていることと思います。
実際、95円台半ばから96円台半ばのレンジが続いており、上抜けの可
能性の方が高いと予想してはいますが、円も「粘り腰」を見せている状況
です。
昨日発表された新規失業保険申請件数は33.2万件と、2008年6月以
来となる低水準でした。
注目されるのは、より変動の少ない「4週移動平均」でも34万6750件と、
こちらも2008年3月以来の水準だったことです。
米2月の失業率は7.7%と、依然高水準でしたが、足元では着実に雇用
の改善が進んでいることが確認されたと言えます。
ブルームバーグの記事でも「解雇者数はかなり少なくなってきた。労働市
場は回復しなければならない分野がまだ多いものの、引き続き回復モード
にある」と伝えています。
本日は参議院で上記日銀正副総裁人事が承認される見通しです。
そして来週20日には新体制がスタートすることになります。
「できることは何でもやる」「2年以内に2%の物価目標は達成できる」など、
黒田総裁候補などは不退転の意思を見せており、新体制への期待も膨ら
みます。
来週にはいよいよ「臨時会合」を招集するのかどうかに注目が集まりますが、
この欄でも再三述べているように「サプライズ」が期待できると予想しています。
また、安倍晋三首相は本日正式にTPP交渉への参加を表明する予定です。
TPPへの参加は農業などへの影響はかなり大きいと見られていますが一方
で、その効果は農業部門への
マイナス効果を入れてもGDPは3.2兆円拡大する、との試算も発表されま
した。
「成長戦略」には欠かせない案件として、TPPへの参加は円安材料と捉え
ることができますが、すでに市場には織り込まれている可能性もあります。
NY市場ではNY連銀製造業景況指数や鉱工業生産が発表されることか
ら、市場予想を上回るようであれば再び「ドル買い円売り」材料になりますが、
それでも上記レンジの上限を抜けないようだと、上値の重さが意識され
一旦は下落に転じるかもしれません。
=============================
気温が急激に上昇したことで「桜の開花」が早まっているようです。
東京地方も来週には開花し、今月末には「満開」とか。
今年は寒さが厳しかった分、「開花」を待ちわびている人が多いのではない
でしょうか・・・?
良い週末を・・・・。
- 欧 ユーロ圏2月消費者物価指数(改定値)
- [2013/03/15 09:03]
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ユーロドル約3ヵ月ぶりの安値
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は前日と同じような展開となり、欧州市場では円買いが勝り、
95円45銭までドル安が進む。NY市場では小売売上高が予想を大幅に
上回ったことからドル高に転じ、96円台前半で取引を終える。 - ユーロドルはイタリア国債の入札が不調だったことを受け下落。
これまでサポートされてきた1.30前後が抜けるとユーロ売りが加速し、
1.2923まで下落。 - 株式市場は小幅ながら9日続伸。個人消費が堅調であることが確認された
ことを好感し、ダウは5ドル高。 - 好調な小売売上高の発表を受け債券相場は反落。10年債利回りも小幅に
上昇し2.02%で引ける。 - 金、原油は5日振りに反落。
- 2月小売売上高 → +1.1%
- 2月財政収支 → -2035.4億ドル
本日の注目イベント- 豪 豪2月雇用統計
- 欧 EU首脳会議(15日まで)
- 欧 ECB月例報告
- 欧 ギリシャ10-2月失業率
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 10-12月経常収支
- 米 2月生産者物価指数
- 米 FRB、銀行の資本分析リポート発表
ドル円は96円台を挟み、もみ合いが続いています。
連日同じような相場展開で、「1時間足」では再び「三角保ち合い」
(さんかくもちあい)を形成してきており、短期的には明確な方向感が
ありません。
ドル円はアジア市場では上値が重く、週明けには96円71銭まで円安
が進んだものの、その後はさらに円が売られる気配もなく、逆に95円台
まで円が買い戻される地合いの中、もう一段の円安を狙っていた向きも
ここで「一旦は円を買い戻す」といった動きに出ているものと思われます。
これがドル円の上値を抑えることになっているようですが一方、下値も底
堅い展開です。
昨日も欧州市場ではドル売りが優勢となり、一時95円45銭前後までド
ル安が進みました。
しかし前日同様、そこからは切り返し、米2月小売売上高が+0.5%の
市場予想から、+1.1%だったと発表されると96円台を回復し、その後
はもみ合いを続けながら96円台で取引を終えています。
NY株式市場が依然として堅調なため、引き続き「リスクオン」の状況から
円は売られ易いと思われますが、この水準から97円台に乗せ、さらにド
ル高円安に振れるにはやや材料不足の感は否めません。
日銀の新しい正副総裁人事も概ね決まり、今後の焦点は臨時の決定会
合を招集するのかどうかという点と、もし開催するのであれば、どのような
政策を打ち出してくるのかという点が注目されます。
何か「サプライズ」があれば円売りの好材料として市場は反応し易いよう
思われますが、新鮮味に乏しい内容になれば円が買い戻されるリスクは
あろうかと思います。
ただそれでも基本は「ドル高円安トレンド」は変わってはおらず、
95-100円のレンジ内での動きは維持されると思います。
これは「日足」のローソク足に基づくもので、2月25日の「イタリアショック」
の際、1日で4円程度円高に振れた影響で「転換線」が低下し、「基準線」
を下抜けしそうでしたが、抜けずに同じ水準で下げ止まっているからです。
その後96円台後半まで円安に振れたため、両線は再びかい離し上昇し
ているのが確認できます。
ただ、相場の先行きを表すとされる「基準線」はまだ「横ばい」であるため
ドル円の上昇モメンタムは強くはありません。これは「イタリアショック」の
際のドルの安値90円85銭が過去26日のローソク足に含まれているから
です。
「基準線」が上昇に転じるには、この数値が計算から外されるか、あるい
は直近の円最安値である96円71銭を抜く必要があります。
90円85銭のドル安が計算から外されるには2週間程度の時間が必要な
ことから、上記96円71銭を抜けなければしばらくは「もみ合い」が続くこ
とになります。
1.30前後で底堅い動きを見せていたユーロドルは昨日の欧州市場で
大きく下落しました。
イタリア国債の入札結果で、33億2000万ユーロ相当の落札利回りが
2.48%だったことがユーロ売りを誘いました。
2月13日の入札時には2.3%だったことと比較すると、調達コストが上
昇し同国の財政再建にマイナスとの観測からユーロは売られ、一時約
3ヵ月振りとなる1.2923までユーロ安が進みました。この結果、多くの
テクニカル指標がユーロの下落を示唆し、下値のメドは1.2863辺りと
予想されます。
米経済指標が好調なことから「ドル高」が続くと見られ、円もユーロも対
ドルでは下落基調です。それでもドルに対する両通貨の弱さに差があ
るため、ユーロ円などクロス円はやや先行きが不透明です。
ドルストレートの方が、よりトレンドを掴み易いと思います。
- 豪 豪2月雇用統計
- [2013/03/14 09:22]
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NYダウ小幅高にドル円高止まり
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は欧州市場では一旦売られたものの、NYでは株価も堅調だったことから
96円を挟みもみ合い。経済指標の発表もなく小動きの中、96円05銭辺りで
取引を終える。 - ユーロドルは1.30台が底堅く、独連銀総裁が現行水準をユーロ高とは
見ていないと発言したことでやや上昇。 - 株式市場はまちまち。ダウは小幅ながら8日続伸。ナスダックは小幅に下げる。
- 債券相場は反発。3年債入札が好調だったこともあり、7日振りに上昇し、
10年債利回りも低下。 - 金、原油はともに4日続伸。
本日の注目イベント- 豪 豪3月ウエストパック消費者信頼感
- 欧 ユーロ圏1月鉱工業生産
- 欧 ワイトマン・ドイツ連銀総裁講演
- 欧 イタリア3年債入札
- 欧 リーカネン・フィンランド中銀総裁講演
- 米 2月小売売上高
- 米 2月財政収支
- 米 ラスキン・FRB理事講演
ドル円は昨日の朝方、日銀の新体制が発足すれば、来月の決定会合前にも
追加緩和に踏み切るとの観測が高まり、円売りが加速しました。
一時96円71銭まで上昇し、わずかですがこれまでの円直近安値を更新して
います。
ただ、これまでとやや趣が異なったのは、その水準を天井として円がじり高に
転じたことです。
民主党が日銀副総裁候補の岩田氏に反対することを決めたことで、最も金融
緩和に積極的な候補者が就任しない可能性が出て来たことで円買いに傾い
たものと思われます。
実際にはこれまでに所信聴取を行った3名が正副総裁に就任することは、ほ
ぼ間違いないようです。
ドル円はさらに日経平均株価が徐々に上げ幅を縮小したことにも反応しました。
日経平均株価は朝方に前日比100円を超える上昇を見せる場面もありました
が、結局大引けは小幅にマイナスで終わり、連続上昇の記録は8日でストップ
してしまいました。
ドル円はこの流れに下落し、96円半ばで東京時間の取引を終えましたが、欧
州市場でもこの流れが継続され96円台を割りこんでからは円買いが活発にな
り、一時95円60銭近辺までドルが売られています。
しかしそれでも95円割れまで下落しないのが今のドル円の腰の強さで、NY市
場にかけては96円台まで値を戻しています。
「95-100円の新しいレンジに入った」と予想しましたが、本日も96円前後で
推移しています。株価の展開によっては再び95円台半ばを試す可能性もある
かもしれません。
昨日の海外の円の高値を維持できるか、あるいは95円台半ばを割り込んでも9
5円が維持できるかどうかが注目されます。
ドル円は短期的な動きを示す「1時間足」を見ると、「転換線」「基準線」は逆転
を見せており、「遅行線」もローソク足を下抜けしていることから、足元では下落
し易い状況と見られます。
「三角保ち合い」(さんかくもちあい)を形成しているようにも見えますので、ここは
どちらかに抜けた方について行くというのが常道です。
もちろん「日足」を見ると景色は異なり、依然としてドル円の上昇傾向は続いて
います。
仮に大幅に円高が進んだとしても、「転換線」がサポートする94円50銭近辺が
破れない限り、上昇傾向は継続されると考えられます。
ユーロ円は相変わらず荒っぽい展開です。
昨日も欧州市場では124円40銭辺りまで急落したことで、NY市場でももう一段
の下落を予想していましたが、その水準を底値に切り返し、125円77銭まで反
発しています。
ユーロドルが1.30台を割り込むとユーロ買いが持ち込まれているようで、一部に
は中東筋からのユーロ買いとの指摘もあります。
そのため1.29台半ばが強力なサポートになっています。
それにしてもユーロ円はリスクが高い取引です。
あたれば大きく取れますが、外れたら大きくやられることから慎重さに加え、柔軟
な対応が求められます。
先週この欄でも「豪ドル円は100円を目指すのではないか」と述べましたが、昨日
ドル円が96円71銭を記録した際に、99円56銭まで豪ドル高が進みました。
100円には届きませんでしたが、トレンド的には上昇傾向が続いています。
世界的な株高を背景に「リスクオン」が進んでいることで、低金利の円が売られ、
高金利の豪ドルが買われていることが背景です。
どの程度「リスクオン」が進んでいるかを示すシカゴの「VIX指数」を見れば明らか
です。この指数は一時「11.56」と、リーマンショック前の水準まで下落しました。
「VIX指数」は別名「恐怖指数」とも呼ばれ、リスクが高まると上昇します。
一般的に「20以下」だと市場は安定しており、リスクを取れる状況とされています。
リーマンブラザーズが破たんした2008年9月直後には「80」を大きく超えたことも
あります。現在の水準がいかに低いかお解りいただけると思いますが、「VIX指数」
と豪ドル円の逆相関度が極めて強いことも理解しておきたいものです。 - 豪 豪3月ウエストパック消費者信頼感
- [2013/03/13 09:49]
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ドル円再び高値更新か?
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 先週末に急騰したドル円は96円台で一進一退。それでも株価が
堅調だったことからドルは底堅く、この日の高値近辺で引ける。 - ユーロドルは1.30割れが底堅く、上値は限られると見られながらも
堅調に推移。1.30台半ばまでユーロが買い戻される。 - 株式市場は7日続伸。ITや金融株に買いが集まり、ダウは50ドル高と
連日最高値を更新。 - 債券相場は続落。10年債利回りは引け値ベースで11カ月振りとなる
2.06%台まで上昇。 - 金、原油は動きのない中小幅に続伸。
本日の注目イベント- 豪 豪2月NAB企業景況感
- 日 日銀金融政策決定会合議事録(2/13-14日分)
- 日 岩田、中曽日銀副総裁候補、参院で所信聴取
- 独 独2月消費者物価指数(確報値)
- 欧 スペイン短期債入札
- 欧 イタリア短期債入札
- 欧 リーカネン・フィンランド中銀総裁講演
- 英 英1月鉱工業生産
- 英 英1月貿易収支
- 米 2月財政収支
先週末のNY市場で96円60銭まで上昇したドル円は、さすがに昨日
の月曜日に新値を取ることはなく、上値も重い展開でした。
ただそれでも96円割れはなく、終始96円台で推移し底堅い動きです。
やはり堅調な株価がドル円をサポートしているものと思われます。
昨日のNY株式市場はさらに続伸し、ダウは50ドル高で引けています。
これで7営業日連続で上昇したことになり、史上最高値を更新してから
既に300ドルほど上げています。
一方日経平均株価の方も8日連続で続伸し、こちらも連日大商いが続
いています。
「これほど株式市場がにぎわいを見せるのは一体いつ以来だろう?」、
そう考えたら1980年台後半のあのバブル以来記憶がありません。
当時、恐らく証券関係の人たちがつくったであろう、「株式を持たない
リスク」などという言葉が広く語られ、猫も杓子も株への投資を行ってい
ました。
FXでは有名な「ミセスワタナベ」は既に、この時に存在していたものと
思われます。現在のようにインターネットを使った取引ではなく、電話注
文でした。
証券会社の郊外店舗には札束を抱えた主婦が開店前から並んでいた
ものです。
このところの株式欄を読むと、「土地の含み益」などをテーマに取りあげ、
土地を多く所有している企業を推奨銘柄にしているような動きもあります。
かつて大型株の代表である新日鉄(現新日鉄住金)の株価が1000円
を超えたのも、まさにこのテーマに押されて急騰したものです。
今回の株高ではそのようなことにならないことを願いたいものです。
株高は日米だけではありません。
欧州ではDAX(ドイツ)やFTSE(イギリス)などは既にいち早くリーマン
ショック後の高値を更新しています。
アジアでもフィリピンでは史上最高値を大きく更新しています。
このように株高が投資家のリスク許容度を高め、より高金利の豪ドルなど
を買い、低金利の円が売られています、
今年の年初から見られた現象は、米ドルも低金利通貨であったため、
円以外の主要通貨に対しては売られていましたが、2月辺りからは全て
の通貨に対して堅調に推移しています。
これは好調な経済指標に支えられ、米景気の回復傾向が鮮明であるこ
とが背景かと思われます。
今日も朝方から円売りが進んでおり、ドル円は先週末のNYの高値を更
新する水準まで上昇しており、豪ドル円は2008年8月以来となる99円
台まで「豪ドル高円安」が進んでいます。フィボナッチでみると、ドル円
の半値戻しが99円73銭辺りになりますが、ここからの上値には重要な
レジスタンスが見当たらないことから値を飛ばす可能性もあります。
本日も国会では2名の副総裁候補の所信聴取があります。
昨日黒田総裁候補は参議院での所信聴取で、総裁に就任したら前倒
しで緩和策を実施する可能性を示唆しました。市場の期待に答えるだけ
ではなく、同じ政策を実施するにしても市場に「サプライズ」を与える方
法が有効だということを熟知していると思われ、早くも動き出す気配を見
せています。
量的緩和の解除は2015年以降ではないかと見られているFRBの政策
スタンスと、新体制に移行しこれまで以上に積極的に金融緩和を進めて
行くと見られる日銀の政策スタンスの差が、そのままドルと円の為替レート
として反映されると考えれば、ドル円が今後も上昇して行くことは十分考え
られます。
「日銀の次の一手」を市場がどこまで織り込むのかが、円がさらに一段と
売り込まれるかどうかのポイントになります。今朝のドル円の動きをみると、
ドル円は95-100円の新しいレンジに入った可能性が高いと予想します。
- 豪 豪2月NAB企業景況感
- [2013/03/12 08:58]
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米雇用改善にドル円96円台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は2月の雇用統計が市場予想を大幅に上回ったことからドルが急伸。
ドル円は一時96円60銭を記録する大幅な円安に振れる。利益確定の売りに
押され95円50銭まで一旦下げた後、96円近辺まで値を戻して引ける。 - ユーロドルも1.31近辺から急落。米景気回復に伴うドル高に加え、
イタリア国債が格下げされたことから1.29台半ばまで下落。ユーロも126円
近くから123円台まで下げるなど大相場を演じる。 - 米雇用市場の改善を受け株価は続伸。ダウは週を通して上昇し、4日連続で
過去最高値を更新。 - 株高が続き、景気回復を示す指標が相次いだことで債券相場は終始軟調に推移。
10年債利回りは約11カ月振りに2.04%台まで上昇。 - 金、原油は小幅に続伸。
- 2月失業率 → 7.7%
- 2月非農業部門雇用者数 → 23.6万人
本日の注目イベント- 日 2月マネーストック
- 日 黒田日銀総裁候補、参院で所聴取
- 日 石田日銀審議委員、栃木県金融経済懇親会で挨拶
- 欧 イタリア10-12月GDP(改定値)
- 欧 コンスタンシオ・ECB副総裁講演
2月の米雇用統計の結果を受け、ドル円は一段と上昇し96円60銭を記録
しています。前日に節目の95円台に乗せたばかりでしたが、米景気回復
を示す経済指標に反応し、円売りが加速しました。
2月の失業率は予想の7.9%に対して、0.2ポイント改善し7.7%に。
これは昨年9月に記録した7.8%を下回り、リーマンショック後最も低い数
字です。
FRBは依然として失業率が高止まりしているとの認識を持っていますが、
労働生産力が常に供給されている米国で、0.2ポイントの改善は決して
悪くはなく、力強い改善を見せています。
非農業部門雇用数はさらに力強さを見せました。
市場予想の16.5万人に対して26.3万人の大幅増加でした。
1月分が15.7万人から11.9万人に下方修正されましたが、20万人を大
幅に上回る内容に市場はドル買いで反応し、この直後に96円60銭までド
ル高円安に振れています。
ドル円は節目の94円台半ばから95円の水準を完全に上抜けしたことで、
新しいステージに入った可能性が高いと思われます。
週末から日曜日にかけての専門家の相場観もかなり上値を意識したもの
で、今後半年間のドル高値を「103-105円」と予想する声が増えていま
した
年初の予想では今年1年の高値を「100円超え」とする声はほとんど見ら
れなかったことからすると、予想外の円安が進んだことになり、専門家の
間でも「想定外」だったことが伺えます。
世界的な株高が続き、市場は「リスクオン」の様相をかなり強めています。
NYダウは先週1週間全ての営業日で上昇を見せ、史上最高値を4日連
続で更新しています。「リスクオン」の流れは安全資産である債券売りも誘
い、米10年債利回りは昨年4月以来となる2.04%台まで上昇(価格下落
)しており、日米金利差の拡大からもドル高をサポートしている状況です。
雇用市場の改善が続いていることから、FRBはいずれ量的緩和政策の見
直しに着手します。
1月分の雇用者数は下方修正されましたが、これで昨年11月からの増加
人数は85万人を超え、単純平均すると月に21.5万人増加したことになり
ます。
FOMCでは数値目標を、「月平均20万人を超える増加が半年以上続くこ
とが望ましい」としています。
失業率の数値目標からはまだ依然としてかい離しているものの、FOMCメ
ンバーの中でも「タカ派」の声がさらに大きくなると考えられます。
96円台を記録したドル円は上値ではそれ程強力なレジスタンスはないとみ
られます。
株高など外部環境の好調が続く限り、上記100円台もそれ程遠い先ではな
いかもしれません。
ヘッジファンドなど投機筋も再び円売りのポジションを増やしています。
来月3~4日の日銀決定会合での政策変更次第では、100円に向かってさ
らに円安が進むことも考えられます。
「フィボナッチ・リトリースメント」では、2007年6月の124円13銭から、2011
年10月の75円32銭までの下落の「半値戻し」を、99円73銭と導き出すこと
ができます。
ユーロドルは上値が重い割には1.29台半ばでサポートされています。
記録的な売りポジションの巻き戻しで1.37台までユーロ高が進んだ後、景気
後退と失業率の高止まりから下落に転じ、さらに「イタリアショック」で急落した
ものの、その後は1.30を挟んだもみ合いが続いています。日足では一目均
衡表の「転換線」が「基準線」を上から下に抜けているため下落トレンドを形成
してますが、1.29台半ばでは何度も止められているのが確認できます。
さらに「週足」では依然として戻り基調でもあります。
1.29台を下抜けできればもう一段の下落も想定されますが、反対に抜けない
とすれば1.32台程度までの反発も考えられます。
ただ、それでも足元では「ドル高」が進行していることから、上値は限定的だと
考えられそうです。 - 日 2月マネーストック
- [2013/03/11 09:30]
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ドル円ついに95円台を付ける
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は一段と上昇し、2009年10月以来となる95円台を示現。
失業保険申請件数が予想以上に減少するなど、雇用に関する好調な指標に加え、
株高、債券安が進み、ドル円は節目の95円台まで上昇。 - ECBは理事会で政策金利据え置きを決め、会見でドラギ総裁が年後半の
ユーロ圏景気回復見通しに言及したことでユーロが急反発。ユーロドルは1.29台
後半から1.31台まで反発。 - 株価は続伸。NYダウは3日連続で史上最高値を更新。
- 債券相場は軟調な展開。米経済指標の改善と堅調な株価に押されて価格は下落。
10年債利回りは2%目前まで上昇。 - 金、原油は上昇。
- 新規失業保険申請件数 → 34.0万件
- 1月貿易収支 → -444億ドル
- 1月消費者信用残高 → +161.5億ドル
本日の注目イベント- 日 10-12月GDP(第2次速報)
- 日 1月国際収支
- 日 2月景気ウォッチャー調査
- 中 中国2月貿易収支
- 独 独1月鉱工業生産
- 米 2月雇用統計
- 加 カナダ2月失業率
昨日のコメントで、ドル円は「4度目の正直で94円台半ばから95円を試すことが
出きるか?」と書きました。
またあるとすればそれは、東京時間ではなく、海外市場での可能性についても触れ
ました。
ドル円は昨日のNY市場でついに95円台を記録し、2009年8月以来の円安水
準を付けています。
2月25日にはイタリア総選挙の見通しを受け、ドル円は一時90円85銭まで下
落し、円の買い戻しが徐々に増えるのではないかとの観測もありました。
しかし、このレポートでは一貫して「ドル高円安の流れは変わっていない」と述べ
てきました。それは「日足」チャートを見れば歴然としており、崩れる気配はなか
ったからです。
少なくとも「一目均衡表」では「転換線」と「基準線」が昨年10月に好転を見せ
てからは一度も崩れていません。
また「先行スパン1.2」に挟まれる「雲」についても同様で、同時期にローソク
足が雲を上抜けしてからは短期的な「1時間足」では相場の動きが上下に振れ、
「売りサイン」や「買いサイン」が頻繁に出てきますが、それだけで判断していた
のでは大きな流れを見失うことにもなります。
いわゆる「木を見て森を見ず」状態に陥ってしまいます。
今回の「ドル高円安」の流れは「非常に強いトレンドを形成していた」ということ
です。やはり、週に1、2回は長めの「日足」あるいは「週足」なども確認する習
慣を身につけることが重要です。
ドル円はNY市場で95円10銭まで上昇し、94円台後半で取引を終えています。
94円台半ばから95円にかけてあったとみられる大量のドル売りオーダーを飲み
見込む形で上昇し、わずかですが95円台乗せを実現させました。
NYでの取引は94円台後半で終えていますが、一度95円を達成したドル円がこ
の後どのような展開を見せるか興味がわきます。
95円台に完全に乗せ、定着するようだと、テクニカル的には97円台程度まで重
要なレジスタンスは見られません。
95円前後は2010年5月に記録した94円99銭という高値近辺であることか
ら、このまま下落してしまえば大きな意味では「ダブルトップ」ということにもな
ります。その点からすると、95円という極めて重要な節目を記録したことで、今
後は95円台が定着するかどうかが注目されます。「達成感」から今後徐々に下落
に向かうといった見方もできなくはありませんが、米景気の回復基調が鮮明である
ことや、3月20日からの日銀の新しい正副総裁に対する期待感などから、目先大
きな調整は考えにくいと思われます。
ただ、国内では安倍晋三内閣の次の重要課題である「成長戦略」の具体的な内容
や、TPP交渉の詰めなどでは、さらに円が大きく下落する材料には乏しい気が
します。
本日発表される1月の経常収支では大幅な「経常赤字」も見込まれることから、発
表後にどこまで円売りが進むのかにも注目が集まりますが、円が一段と売られる材
料があるとすればやはり海外市場に依存することになりそうです。
もちろん、その海外市場にはイタリアの政局の行方や米国の歳出削減問題など、
「円が買われる」材料があることも留意する必要があります。
95円台を示現したことで、ドル円は新しいステージに入ったとも考えられますが、
今日あたりの専門家のコメントには「ドル円は100円を目指す」といった見方も
出てきそうです。
NY市場がけん引する形で、世界的な株高から「リスクオン」の流れが加速してい
ます。ドル円にとっても「追い風」の外部環境が続きそうですが、個人的には安倍
政権の具体的な成長戦略が見えてこない限り100円までの円安はそれほど簡単で
はないと考えています。
===================================
気温がぐんぐん上がり、今日の東京地方は22度まで上がりそうです。
今週に入って一気に花粉症の症状が出てきました。
昨日今日は「花粉症」に加え、「光化学スモッグ」と「PM2.5」にも注意。
昨年、日産自動車のCEOが「6重苦」という言葉を使っていましたが、
今日は「3重苦」の1日になりそうです。
外出はできるだけ避けたいところです。
良い週末を・・・・。 - 日 10-12月GDP(第2次速報)
- [2013/03/08 10:00]
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ドル円10日振りに94円台回復
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ADP雇用者数が市場予想を大幅に上回り、今週末の雇用統計への
期待が高まったことから、ドル買い円売りが加速。ドル円は約10日振りに
94円台に乗せる。米長期金利の上昇も円売りに拍車をかけ、この日のドル高値
水準で引ける。 - ユーロドルが下落。米景気回復を示す経済指標にドルが買われ、ユーロドルは
約3ヵ月振りとなる1.29台半ばまで下落。ドル円では円安が進んだため、
ユーロ円は上値を切り上げ122円台に。 - 株価は続伸。雇用改善を手掛かりにダウは連日の最高値更新。
ただ、ハイテク関連銘柄の多いナスダックは小幅に反落。 - 債券相場は3日続落。株価の上昇が続き「リスクオン」が進んだことで債券には
売りものが集中。10年債利回りは2月24日以来の1.94%台乗せ。 - 金は前日と変わらず。原油価格は小幅ながら反落。
- 2月ADP雇用者数 → +19.8万人
本日の注目イベント- 豪 豪1月貿易収支
- 日 1月景気動向指数
- 日 白川・日銀総裁記者会見
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 欧 バローゾ・欧州委員長講演
- 英 BOE政策金利発表
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 1月貿易収支
- 米 1月消費者信用残高
- 米 FRB、金融機関のストレステストの結果公表
- 加 カナダ1月住宅建設許可
ドル円はあの「イタリアショック」で90円85銭まで
急落して以来の94円台回復です。
このところ株価との相関度が低下し、株価が上昇しても
円は売られず、時には買われる展開が続いていました。
昨日も、前日NYダウが史上最高値を更新したことで、
日経平均株価は寄りつきから上昇して始まりましたが、
株価が一段と上昇してもドル円は円高方向に振れました。
93円まで下落したドル円でしたが、そこからは株価が
さらに上昇したことで若干円安に傾きましたが、
明らかに株価との連動性がかい離していました。
株価との連動性を再び強めたのは海外市場が参入して
からです。
特にNY市場では、ADP雇用者数が事前予想を上回り、
明日の雇用統計にも期待が高まり、さらにベージュ
ブックでは「米景気は緩やかなペースで成長している」
ことが確認されたことでダウ平均が連日の高値を更新
しました。
1.8%台で安定していた米長期金利も、約10日振りに
1.94%台まで上昇し、これがドル買い円売りを誘った
ものと思われます。
ドル円はNY市場で94円11銭まで上昇しています。
ドル円はこれまでに、94円台半ばから上値を3回試し
押し戻されています。
そのため、一部には「ドル円は目先95円近辺が天井」と
いった相場観も出ており、これがドルの上値を重くし、
昨日の朝方のように大量のドル売りを誘い出す原因で
あったようにも思います。
昨日もこの欄で述べましたが、日本サイドからの円売り
材料は出尽くした感があり、円が再び売り込まれるとしたら
米国サイドからのドル高材料で、その結果円が売られる展開を
予想しました。
昨日のNY市場の動きは正にドル買い材料のオンパレードでした。
2月のADP雇用者数は19万8000人の増加で、市場予想の
17万人を2万8000人上回ったことになります。
さらに1月分についても21万5000人に上方修正されました。
部門別では建設部門が2万1000人増加し、米住宅市場の回復が
ここでも確認できます。
住宅市場についてはベージュブックでも「居住用不動産市場は
ほぼ全ての地区で力強さが増した。ほぼ全国的に、住宅は在庫が
減る中で価格が上昇した」と報告されており、住宅市場の回復が
個人消費を中心に米景気に好影響を与えている構図が鮮明になって
いることも確認されています。
さて、ドル円は「4度目の正直」で94円台半ばを上抜けできるか
どうかが焦点です。
上値の重さが意識されることから、94円台ではドル売り意欲も
根強いと予想されます。
大量のドル売りを吸収するにはそれなりの材料とパワーが必要です。
好材料なのは米長期金利が再び1.94%台まで上昇していることです。
株価が連日上値追いを見せていることから、市場は「リスクオン」が
再び勢いを見せる気配もあります。
また、94円半ばからはかなりの量のドル売り注文があると予想されますが、
逆に95円台に乗せれば「ストップ」のドル買いもありそうです。
そのような状況になれば、市場の雰囲気も一変し、「100円を目指す」と
いった声も聞かれそうです。
94円台半ばから95円は、そういった意味でも重要な水準で、
100円も目指すには超えなければならないハードルとも言えます。
NYダウが連日の最高値更新を見せたことで、本日の日経平均株価も
上昇すると見られ、1万2000円台を回復するのではないかと予想
しています。
その際、再び株価との相関を強め「円安株高」が戻って来るかどうかも
注目すべき点です。
東京市場では実需も含めドル売り意欲が強いため、94円台半ばを簡単に
抜いて来るとも思えません。
できれば94円台を維持しながら海外市場のオープンを待つ展開になれば、
昨日の様に上値を抜いてくる可能性はあるのではないでしょうか。
テクニカルを確信しておくと、「日足」では、一時90円台を付けたことで
一目均衡表の「転換線」が「基準線」に急接近していましたが、再び拡大
傾向を見せています。
「転換線」が「基準線」を上から下へ割り込むと相場のトレンドが変わり
易いことはよく知られています。
昨年11月下旬にも同じ様なパターンがあり、結局両線は交わることなく、
その後急速にドル高に振れたことはご承知の通りです。
予想レンジである92-94円台の「上限」に近いレベルですが、
やはり抜けるとすれば本命は明日の「雇用統計」ではないかとみています。 - 豪 豪1月貿易収支
- [2013/03/07 09:48]
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円、総じて売られる
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は米経済指標が好調だったことと、NYダウが史上最高値を
更新したことでドル高に振れ、93円台半ばまで上昇。ただそれでも、
週末の雇用統計を控え値動きは限定的。 - ユーロドルもユーロ圏小売売上高が好調だったことで上値を試したが、
1.3050近辺で頭を抑えられる。 - 株価は続伸しダウは125ドル高と、約5年半振りに史上最高値を更新。
非製造業景況指数が予想を上回ったことで安心感が広がり、幅広い銘柄が
買われた。 - 債券相場は続落。ダウが最高値を更新したことで、資金が債券から
株式に移り価格は下落。 - 金、原油は小幅に上昇。
- ISM非製造業景況指数 → 56.0
本日の注目イベント- 豪 豪1月貿易収支
- 日 1月景気動向指数
- 日 白川・日銀総裁記者会見
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 欧 バローゾ・欧州委員長講演
- 英 BOE政策金利発表
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 1月貿易収支
- 米 1月消費者信用残高
- 米 FRB、金融機関のストレステストの結果公表
- 加 カナダ1月住宅建設許可
ドル円はやや明確な方向感が見えなくなり、もみ合いの様相を
深めています。
昨日も上値が重く、一時93円を割り込んだものの勢いはなく、
NY市場に入ると米経済指標の改善を手掛かりに反発し、
93円台半ばまでドル高に振れる場面もありました。
史上最高値に手が届く水準で足踏みを繰り返していたNYダウは、
ついに125ドル高で最高値を更新しました。
昨日発表された非製造業景況感指数が市場予想の「55」を上回り
「56」だったことで、米国のサービス業活動が拡大しているとの
見方から、幅広い銘柄に買い注文が入り株価を押し上げました。
ダウは引け値で1万4253ドルと、2007年10月に記録した
最高値を約5年半振りに更新したことになります。
2008年9月のリーマンブラザーズ破綻後には7700ドル台まで
下落したダウは、4年半の間に85%程上昇したことになり、
改めて米国の株式市場のダイナミズムに感心させられます。
米国人は個人資産の3割近くを株式に投資していると言われていますが、
この力強さを見ると納得させられます。
われわれ日本人が株式を敬遠するのとは大きな違いがあります。
日経平均株価は1989円12月に38900円の史上最高値を
記録して以来、それを更新するどころか「アベノミクス」を
囃したてている現在でもまだ1万1700円です。
1989年12月をを基準にすると、NYダウは日経平均の
15倍上昇しているそうです。
米株高の背景には、FRBが長期にわたって金融緩和政策を
継続してきたことが挙げられます。
上述のように、個人投資家の多くが株を保有しているため、
株価の上昇は個人消費に直接好影響を与えます。
個人が消費を増やせば企業は生産を拡大し、物を作ります。
その結果、雇用が増加し景気が拡大するという好循環を
見せることになり、FRBの狙いは正にここにあるわけです。
そのため多少景気が上向き始めた足元でも、バーナンキ
議長は先週の議会証言で緩和政策を継続する意向を
見せました。
株価上昇をけん引しているもう一つの理由は企業収益の拡大です。
企業が収益を確保しているため、株価が上昇しても
PER(株価収益率)は上がらず、割高感が出てきません。
常に利益の源になる種を探し続けていることの結果です。
本日の日経平均株価はNYダウが高値を更新したことで
底堅い動きが予想されます。
そのためドル円も下値が堅く、どこまで上値を
試せるのかが焦点です。
堅調な株価がドル円を支えると予想されますが、
それでも週末には米雇用統計を控えていることから
94円台まで円安が進行するとも思えません。
正副日銀総裁候補の所信聴取も終わり、円安材料が
出尽くした感もあります。
しばらくは米経済指標の結果で上下に振れ、
来月3-4日の決定会合で黒田日銀新執行部が
どのような手腕を見せるかが、
今後の相場の方向性を決めるのではないかと思います。
正副総裁候補は既に積極的に緩和政策を続けると
公言しています。
購入する国債もさらに年限の長いものを対象とし、
REITや株式などリスク資産もその対象に
加えられる可能性もあります。
物価上昇率も「2年以内に達成」が既に公約に
なったとも言え、岩田副総裁候補は達成できなかっ
た場合の責任のとり方を質問され、「最高の責任の
取り方は辞職だ」と答えています。
これほど強い使命感を持って正副総裁に就任する
3名の候補者には期待感が高まります。
「デビュー戦」となる来月3-4日の決定会合では
「政策変更なし」は考えられず、どんな緩和策を
決めるのかに注目が集まってくると予想されます。
上値の重いユーロ円ですが、「1時間足」では
200日線を上回って来ています。
また同時に、「三角保ち合い」(さんかくもちあい)
も上放れた形を見せています。
短期的には上昇傾向を強めるかもしれません。
「8時間」の基準線がある121円96銭近辺を
上抜けできるかどうかがポイントとみます。 - 豪 豪1月貿易収支
- [2013/03/06 10:06]
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ユーロ円やや反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は93円台前半から半ばでもみ合い。国会で次期日銀総裁候補の
黒田氏の所信聴取があったものの、ドル円へに影響は限定的。
93円40-50銭で取引を終える。 - ユーロドルは上値が重く、1.30台割れを何度か試したが勢いはなく、
1.30台前半で小動き。 - 株式市場は続伸。金融緩和政策が継続されるともの見方が株価を支え、ダウは
38ドル高と、この日の高値で引ける。史上最高値にも40ドルに迫る。 - 債券相場は続落。株高に押され、やや値を下げたがそれでも大崩れしないのが
足元の相場。10年債利回りは1.87%台まで上昇。 - 金価格は先週末とほぼ変わらず。原油は3日続落。
本日の注目イベント- 豪 RBAキャッシュターゲット
- 豪 豪1月小売売上高
- 豪 豪第4四半期経常収支
- 中 中国HSBC2月サービス業PMI
- 欧 EU財務相会合
- 欧 ユーロ圏2月総合景気指数(改定値)
- 欧 ユーロ圏1月小売売上高(改定値)
- 英 英2月サービス業PMI
- 米 ISM非製造業景況指数
- 米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
昨日の衆議院で日銀総裁候補の黒田氏は所信聴取で、
「やれることはなんでもやる」「もし私が日銀総裁に選任
されたら、物価目標を1日でも早く実現することが
何よりも重要な使命になる」と、デフレ脱却に向け
強い意思を見せました。
黒田氏はまた「対象も国債であればより長期のものを購入する
ことを検討する必要がある」とも述べ、市場である程度予想
されていた残存期間5年以上の国債購入に意欲を見せました。
為替市場ではこの発言で93円75銭程度まで、やや円安に
振れたものの、特に新鮮味もなかったことで再び円が買われる
展開になっています。
大きく反応したのは債券市場でした。
日銀がより長めの国債を購入するとの見方から、20年債などの
超長期債も買われ、長期金利は軒並み低下(価格は上昇)し、
10年債利回りは9年8ヵ月振りとなる、0.60%にまで
低下しました。
「債券バブル」との声も聞かれる中、銀行などは優良融資先の確保が
困難なことから手許の余裕資金で国債を購入し、株式を売却する動きを
加速させています。
資産として国債を保有する方が、広義の自己資本比率を算出する際に
有利に働くといった背景はありますが、このまま国債の価格が上昇し
続ける保証はありません。
さらに金利が低下したとしても、残りわずか「0.6%」です。
日本の国債利回りが「マイナス」になったことはないと記憶していますが、
やはりバブルの様相を呈していると考えざるを得ません。
もっとも、日銀がさらに積極的に金融緩和を行う目的は
「長期金利の低下を促し」、景気を刺激することにあるわけで、
その点では既にアナウンス効果は十分発揮されていると思われます。
本日も岩田日銀副総裁候補の所信聴取が予定されています。
岩田氏は「筋金入りのリフレ派」との評価がある方で、さらに突っ込んだ
デフレからの脱却手段に言及する可能性はありますが、
既に「日銀法の改正」など、報道されていることもあり、昨日と同様
為替への影響は限定的と見られます。
個人的には、もう一人の副総裁候補である中曽氏の所信聴取の方に
関心があります。
現在日銀の理事である同氏の発言は、今後日銀がどのように
変わっていくのかを探る上でも興味があります。
明日6日からは白川現日銀総裁にとって、最後の決定会合が開かれます。
ここでの政策変更はないとの見方が大勢ですが、新体制へのメッセージは
聞かれるかもしれません。
黒田新総裁など新体制のデビュー戦は来月3-4日の決定会合と
いうことになります。
ドル円は93円台でもみ合っていますが、やはりどちらにも抜けにくい
状況かと思われます。
94円台半ばを抜くにはもう一段の円安材料が必要であることは明確ですし、
一方92円を下抜けするにも上述のように新体制の下、さらなる金融緩和観測が
ある中では円売り圧力を受け簡単ではありません。
92-94円のレンジが抜けるとすれば、今週末の「米雇用統計」の結果かも
しれません。
ここで市場予想と比べどちらかに大きくブレれば、レンジを抜けて来る可能性は
ありそうです。
ユーロドルは先週末のNYで、1.2966まで下落したこともあり上値が徐々に
重くなって来ました。
ただ、下値も一気に水準を変えるほどではありません。昨日も1.30台割れを
何度も試しましたが勢いはなく、1.30台に押し戻されています。
現在「1時間足」では52日線に抑えられている状況ですが、1.3050を超えると、
短期的な反発が見られるかもしれません。
それでも、戻りは売られる展開になろうかと予想しています。
「日足」では先行スパン1と2が交差し、「雲のねじれ」が確認できます。
また、転換線と基準線も「逆転」を示しており、「一目均衡表」を見る限り
下落トレンドを継続中と判断できます。 - 豪 RBAキャッシュターゲット
- [2013/03/05 09:10]
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米経済指標を受けドル全面高
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は底堅く推移。米歳出強制削減が発動されるとの懸念材料があった
ものの、多くの米経済指標が概ね好調だったことこに反応。さらに株価が
堅調だったこともあり、ドル円は93円台半ばまで上昇。
ユーロドルは下落。ECBに利下げ余地があるとの観測が広がり、
ユーロドルは一時、約3ヵ月振りのとなる1.2966まで売られ
安値圏で引ける。
株価は反発。消費者マインドや製造業景況指数が予想を上回ったことで、
歳出強制削減問題を吸収した格好に。ダウは35ドル高と、史上最高値に
60ドル弱と迫る。
一方、債券相場は歳出強制削減への懸念から安全資産として見直され続伸。
10年債利回りは1.84%台まで低下。
金が小幅に反発。原油は続落し2ヵ月振りの90ドル台に。
1月個人支出 → +0.2%
1月個人所得 → -3.6%
1月PCEコアデフレーター → +1.2%
2月ミシガン大学消費者信頼感指数 → 77.6
2月ISM製造業景況指数 → 54.2
ドル/円92.61 ~ 93.68
ユーロ/ドル1.2966 ~ 1.3043
ユーロ/円120.35 ~ 122.15
NYダウ+35.17 → 14,089.66ドル
GOLD+5.80 → 1,572.30ドル
WTI-1.37 → 90.68ドル
米10年国債-0.044 → 1.840%
本日の注目イベント
日 2月マネタリーベース
日 黒田次期日銀総裁衆院で所信聴取
日 岩田次期日銀副総裁講演
欧 ユーロ圏財務相会合
欧 ユーロ圏1月生産者物価指数
欧 スペイン2月失業率
米 イエレン・FRB副議長講演
米 パウエル・FRB理事講演
米 ボルカー・元FRB議長講演
先週この欄で、ドル円は92-93円でもみ合うのではないかと書きましたが、
先週末のNYで93円を上抜けし93円台半ばまでドル高が進みました。
イタリアの政局不安に加え、米歳出強制削減問題ではオバマ大統領と共和党との
間に依然隔たりがあり、歳出削減が発動されるリスクを考えたら、ドル円が下落する
ことも十分予想できたからです。
先週末の期限がきたことでオバマ大統領は1日、2021年度までに
総額1兆2千億ドル(約145兆8000億円)削減する大統領令に署名しました。
市場は、昨年12月の「財政の崖」問題でも結局結論が先送りされたこともあり、
影響は限定的だとし、冷静に対処したことで混乱はありませんでした。
さらに、この日発表された製造業景況指数などの経済指標が市場予想を上回ったことを
好感しドル買いで反応しました。
ドル円ではドル高円安が進み、対ユーロでもドル高ユーロ安が進んでいます。
米財政問題が好調な経済指標に吸収された格好でしたが、ドル円は日本の
金融緩和期待にも反応を見せたようです。
本日午前中に、次期日銀総裁候補の黒田氏が衆議院で「所信聴取」を行い、
明日岩田次期副総裁候補も同じように聴取を行う予定です。
正副総裁候補には積極的な緩和期待が強く、国会でどのような所信を表明するかに
関心が集まっています。
黒田氏は「日銀がやれることは山ほどある」と発言し、岩田氏は「2年以内にデフレから
脱却できる」と発言して来ました。
正副日銀総裁候補が衆参両院で承認されても、実際の行動の場は4月3-4日の政策決定会合に
なりますが、これまでの物言いから、期待感がかなり高まっていると見られます。
ただ、期待感が高まっているだけに、今日明日の「所信聴取」でこれまでの発言を繰り
返すだけでは失望感に繋がる可能性もあります。
そうなるとドル円は再び92円台に押し戻されることにもなり、場合によってはさらに下落し、
乱高下することも考えられます。
94円台半ばは3度試して、全て押し戻されているため94円40銭-95円が非常に重く、
壁になっています。
正副総裁候補のさらなる積極的な緩和発言でドル円が上昇することもあり得ますが、その際上記
水準が抜けるかどうかが最大のポイントと言えます。
上記水準を明確に上抜けできれば、ドル円は「新しいレンジ入り」したと考えられるからです。
ユーロ円などクロス円は先週までは上値の重い展開で、戻りを売るスタンスでした。
ドル円が93円台半ばまで円安に振れたことで、ユーロ円なども急激に値を戻しています。
ドルが主要通貨に対して強含み、特に円に対して大幅に上昇した結果クロス円が大幅に反発した
ものと思われます。
基本的な「ドル高円安トレンドは変わっていない」、と先週何度か書きましたが、円が売られ易い
状況と、円売り材料には反応し易い状況から、トレンドが変わっていないことが
確認できたと思います。
本日は上記「所信聴取」での発言が為替相場に大きな影響を与えると思われます。
金融緩和をさらに進め、その
具体的な手法にまで言及するようだと、株式市場でも株高が進み、円安に振れることに
なります。
上値のメドは94円20銭辺りで、下値も92円50銭程度予想してみました。
荒っぽい展開が予想されます。- [2013/03/04 10:04]
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ドル円92円台で一進一退
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は92円台で一進一退。米経済指標の改善を手掛かりに
ドルが買われたものの、93円台に届かず。 - ユーロドルは1.31台では売りに押される展開。ドラギ・ECB総裁
の緩和政策維持を示唆する発言に弱含み1.30台半ばで引ける。 - 株式市場は日中上昇し、ダウは史上最高値に届きそうな水準まで
買われましたが更新できなかったこともあり、引けにかけて下落し
前日比マイナスで取引を終える。 - 債券は反発。欧州情勢が不安定なことに加え、米歳出削減問題も意識され
価格は上昇。10年債利回りは1.88%台に低下。 - 金は続落し、先週末に記録した直近安値に迫る。原油は小幅に反落。
- 10-12月GDP(改定値) → +0.1%
- 新規失業保険申請件数 → 34.4万件
- 2月シカゴ購買部協会景気指数 → 56.8
本日の注目イベント- 日 1月失業率
- 日 1月消費者物価指数
- 中 中国 2月製造業PMI
- 中 中国 HSBC2月製造業PMI(改訂値)
- 欧 ユーロ圏2月製造業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏2月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏1月失業率
- 米 1月個人支出
- 米 1月個人所得
- 米 1月PCEコアデフレーター
- 米 2月ミシガン大学消費者信頼感指数
- 米 2月ISM製造業景況指数
- 加 カナダ12月GDP
ドル円は92円台割れはなかったものの、93円には届かず
一進一退の展開でした。
政府が国会に、日銀総裁に黒田氏と副総裁に岩田氏中曽氏を
正式に提示し承認される見通であることから、
金融緩期待が膨らみドル円は92円85銭近くまで
円売りに傾きました。
しかし、欧州ではイタリアの政局不安に加え、欧州景気の後退を
受け、ドラギ・ECB総裁は近いうちに金融政策を引き締める考えは
ないことを示唆したためユーロが下落し、円が買われる展開と
なっています。
また、米国でももう一つの「リスク」である、強制的な歳出削減が
本日にも発動される可能性が高まって来ました。
昨年末の「財政の崖」問題では最後の最後に「ひとまず回避」された
経緯もあり、市場は、それ程混乱するとは考えていないようです。
昨日のNY株式市場では引け間際まで株価は上昇していましたが、
結局前日比マイナスで終え、安全資産である債券は若干買われている
ことから、「歳出削減発動」を織り込む動きもありましたが、
今のところ急激な「リスク回避」の動きは見られません。
実際、「歳出削減」が発動されたら850億ドル
(約7兆8700億円)の歳出を削減することになるわけですが、
その影響は不透明です。
削減額の半分以上は国防費が対象となるようで、実際に行われるのは
1ヵ月後になるのではないかと見られています。
ただ、公務員などの一時帰休は避けられないことから、
公的サービスに支障が出て来ると予想されています。
「歳出削減」発動への可能性が高まったことを受けて、IMFは
昨日米国の成長見通しを下方修正することを発表しています。
IMFの報道官によれば、IMFは現在、今年の米成長率を2%と
予想していますが、歳出強制削減が全面的に実施された場合、成長率は
少なくとも0.5ポイント押し下げられると見ています。
また、歳出削減は世界の成長にも打撃を与えるとの見方も
示しています。(ブルームバーグ)
今週はバーナンキ・FRB議長の議会証言を通じて、米国が緩和政策を
中止する可能性がやや後退し、上述のように欧州でも金融緩和は当分
継続されるとの見方が強まっています。
一方日本では、新しく日銀総裁副総裁が就任することから緩和期待が
否応なしに高まっています。
新執行部は3月20日に発足する予定で、「開幕戦」は
4月3日、4日の金融決定会合になります。
リーマンショック後、これまでの金融政策の効果は「金融緩和により
積極的で、資産購入を拡大させた国の通貨が売られる」
ことは実証済みです。
日米欧では、いずれも今後の金融スタンスは緩和政策で一致していますが、
欧米は現行のスタンスを維持するに留まる一方、日本ではさらに資産購入
規模を拡大することや、購入対象の国債の年限をさらに長いものにすると
いった方法や、さらには株式やREITなどを買い増すなどの施策を
導入するのではないかと見られています。
過去4年以上も続いた円高局面では、日本より欧米の方が金融緩和に
より積極的であったことがドル安、ユーロ安を促し、消去法的に円に資金が
向かった一因でもありました。
今後は、上記金融スタンスを考慮すれば円が緩やかに下落するとの見方が
正当化されそうです。
本日は92円台でもみ合う展開になりそうです。
92円、93円のどちらも抜け切れないと予想しますが、例によって要人発言などが
あれば、その限りではありません。
NYでは比較的重要な経済指標発表が予定されていることから、その結果次第で
上下しそうです。
レンジ予想も難しいですが、92-93円というところでしょうか。
============================================================
今日から3月。
昨日は全国的に春めいた様気で、気温の方もグーンと上がりました。
今日も雨模様ですが、気温も昨日並みとか・・・。
気温は確実上がりましたが、2月のドル円と株は「調整月」でした。
今月に期待したいと思います。
良い週末を・・・・。 - 日 1月失業率
- [2013/03/01 09:41]
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決定され、お取引額の4%相当となります。証拠金の25倍までのお取引が可能です。
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等から、いかなる状況でも必ずお客様から預かった証拠金が全額返還されることを保証するもの
ではありません。ロスカット取引は、必ず約束した損失の額で限定するというものではありません。
通常、あらかじめ約束した損失の額の水準(以下、「ロスカット水準」といいます。)に達した時点から
決済取引の手続きが始まりますので、実際の損失はロスカット水準より大きくなる場合が考えられます。
また、ルール通りにロスカット取引が行われた場合であっても、相場の状況によってはお客様より
お預かりした証拠金以上の損失の額が生じることがあります。お取引の開始あたり、
契約締結前交付書面を熟読の上、十分に仕組みやリスクをご理解いただき、ご自身の判断にて
開始していただくようお願いいたします。
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