ドル円101円を挟み不安定
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は株価の動きに歩調を合わせ乱高下。日経平均株価の下落が拡大した
昨日の午後には101円を割り込み、100円台半ばまで下落。NYの朝方には
ロイターのニュースに反応し101円76銭までドルが買い戻され、その後は
米経済指標の悪化に再び下落し、100円70-80銭で引ける。 - ユーロドルは前日に続き続伸。ドル円が100円台半ばまでドル安が進んだことで
ユーロ買いドル売りが加速。ユーロドルは1.3062まで上昇。約3週間ぶりの
ユーロ高水準を示現。 - 株式市場は反発。米経済指標が悪化したことを「好感」し、出口戦略観測が後退
したことで株高に繋がる、やや変則的な動きを見せる。ダウは21ドル高、ナスダックは
23ポイント高で引ける。 - 債券相場は小動きで前日と変わらず。
- 金は大幅に反発し1412ドルまで上昇。ドルが売られたことに反応。
原油価格は小幅に上昇。
- 新規失業保険申請件数 → 35.4万件
- 1-3月期GDP(改定値) → 2.4%
- 4月中古住宅販売成約指数 → +0.3%
本日の注目イベント - 日 4月失業率
- 日 4月消費者物価指数
- 日 4月鉱工業生産
- 欧 ユーロ圏5月消費者物価指数
- 欧 ユーロ圏4月失業率
- 米 4月個人所得
- 米 4月個人支出
- 米 4月PCEコアデフレーター
- 米 5月シカゴ購買部協会景気指数
- 米 5月ミシガン大学消費者信頼感指数(改定値)
- 米 ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演
- 加 カナダ第1四半期GDP
ドル円が乱高下をしており、非常に難しい相場展開が続いています。
日経平均株価に踊らされるように、株が下がると円が買われる展開です。
昨日の日経平均は、節目と見られていた1万4000円を割り込むと下げ
幅を拡大し、ドル円も100円台まで円高が進みました。
しかし、その後は急速なドル買い戻しが入り101円台半ばまでドル高が
進行。そこで落ち着くと思いきや、後場からは再び円が徐々に買われ、
欧州の朝方までには再び100円50銭まで円高ドル安が進みました。
ドル円はさらに再度反発し、NY市場にかけては101円76銭までドル
高に振れました。
ロイター通信が、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がポー
トフォリオ戦略の見直しを検討しており、株式投資の比率上昇を容認す
る可能性がある、と報じたことが背景でした。
株価の急落が円買いドル売りにつながっていることから、株価上昇のニ
ュースにドル買いで反応したものですが、それでも約1円もの上昇幅を見
せたところに、足元の相場の不安定さを表しています。
市場参加者の多くが落ち着きどころを見いだせず、相場の流れに乗って
いることで振幅が大きくなっていると考えられます。
ドル円は昨日一日で100円半ば割れを3度試しましたが、明確には割り
こまずに押し戻されています。100円の半ばから100円には多くのテクニ
カル上のサポートがあります。
「月足」では「雲の上限」が100円25銭にあり、ここから下の雲は「支持帯」
」として機能しているのが確認できます。また、「120日線」はすぐそこの下
に位置しており、100円09銭にいます。
さらに「日足」を見ると、一目均衡表の「基準線」が100円37銭でサポート
しているのが見えます。
このように100円から100円台半ばにかけての水準は、テクニカル的に見
ても重要な位置で、割りこむには相当なエネルギーが必要だということが
理解できます。
考えて見れば、99円台に乗せて100円を何度も試しても、99円50銭から
100円が「壁」となって押し戻された状況に似ています。
相場の「原理原則」からしても、それまで抵抗線として機能していた「壁」を
一旦抜けると、今度は「支持線」として相場をサポートします。
その意味ではセオリー通りの動きであると言えないこともありません。
このように考えると、昨日の100円台半ばの攻防は理解できます。
もちろん、だからと言ってこの水準が絶対に抜けないというわけではありませ
ん。
反対に、完全に下抜けした場合にはそこからかなりの値幅を伴って下落す
るというのも経験則で解っています。
5月2日にNY市場で「100円の壁」を上抜けした時も、103円台まで上昇
するのにそれ程時間は必要でなかったことが思い起こされます。
本日も株価の行方を見ながらドル円は上下することになります。
シカゴの日経平均先物は昨日の大証の引け値を大きく上回っていることか
ら、今日の株式市場は堅調にスタートするものと思われます。
足元の円高は、これまで続いた「円安株高」の巻き戻しが主体であって、
ここから積極的に円を買おうというものではない、と考えております。
相場に「上がり続ける相場はない」ということです。
まだ不安定な相場展開が続くと予想されることから、ポジションと資金管理
には十分注意をしてください。
本日のレンジは100円ー101円70銭と予想しています。
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- [2013/05/31 09:19]
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ドル円再び100円台後半に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 前日東京市場で102円台半ば超えまで上昇したドル円は、欧州市場で
101円台まで反落し、さらにNY市場では100円台後半まで下落。
OECDの経済見通しや、欧米の株価の下落が円買いにつながった。NYでは
101円台まで値を戻して取引を終える。 - ユーロドルは急反発。欧州委員会がフランスやポルトガルに対して、
財政再建の達成期限を延長するなど、これまでの緊縮財政から景気浮揚へと
政策転換したことが好感された。ユーロドルは1.29台前半から1.30目前まで
上昇。ドル安の流れもユーロ高を後押し。 - 株式市場は大幅に反落。量的緩和縮小への観測が根強いことに加え、欧州の株式
市場が軒並み下落したことでダウは前日比106ドル安。 - 債券価格は反発。軟調な株価を手掛かりに買い物を集めたが上昇幅は限定的だった。
10年債利回りは低下したが2.1%台を維持。 - 金は3日振りに反発。原油は大幅に下落し93ドル台に。
本日の注目イベント - 豪 豪第1四半期民間設備投資
- 豪 豪4月住宅建設許可件数
- 欧 ユーロ圏5月景況指数
- 欧 スペイン1-3月期GDP(改定値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 1-3月期GDP(改定値)
- 米 4月中古住宅販売成約指数
ドル円は「行って来い」の展開となり、昨日102円台半ばまで上昇した分を
そっくり吐き出す結果になりました。昨日この欄で述べたように、今回のドル
円高値(103円74銭)から、先週金曜日の安値(100円66銭)の下落幅で
ある3円08銭の「61.8%」が102円56銭であるため、この水準を上抜けで
きるかどうかが重要でした。
昨日の朝方は株高に引っ張られ、勢いよくドルは上昇しましたが、102円5
3銭で頭打ちとなり、その後はドルが徐々に売られる展開でした。
株価の動向を睨みながらの展開が続いていますが、昨日の大引け間際に
日経平均株価が大きく下げると、ドル円も102円割れを試す動きとなり、さら
に欧州市場では102円台をあっさりを割り込み、その後は一方的に下げる
展開でした。
すぐに103円台回復は難しいのではないかとも述べましたが、たった1日で
100円台まで押し戻されるとも予想していませんでした。
ドル円はなかなか先が読みにくい展開になってきたと感じます。
昨年10月から始まった異次元の円高修正局面では、ドルだけではなく他
の主要通貨に対しても、とにかく円を売っておけば利益が取れる相場展開
でしたが、足元の動きは異なってきました。
日米の長期金利の動き、あるいは株価の動きが大きく為替に影響を与えて
おり、テクニカルも含めて総合的な判断力が試される展開になっています。
力強い円安トレンドに乗り、「調整」なども気にすることはなく、たとえ一時的
に反対に動いたとしても「時が解決してくれる相場」でした。
いわば「ご一統さん」みなさんが恩恵を得ることのできた相場でしたが、足元
の相場つきは「先着何名様限定」の展開に変わってきたとも言えます。
基本はドル高円安トレンドですが、相場の流れからすると「100円割れ」を狙
っているような動きにも見えます。
やはりここはポジションンを軽めにし、大きな利益を狙わず対処するしかありま
せん。
また、株式市場の動きにも注意し、東京時間では円債の動きも重要です。
さらに、「見るも相場」という言葉があるように、読みにくい相場には手を出さな
いことも必要です。
バーナンキ・FRB議長は先の議会証言で、今後も経済指標の好転が続けば
「量的緩和」の縮小に動く可能性があることを示唆しました。
6月のFOMCではその可能性は少ないと思われますが、来週発表される5
月の雇用統計を含め、数カ月の雇用を見極めた上で決定されるものと思いま
す。
今のところ9月のFOMCがその最有力候補になっていますが、あくまでも順調
な雇用の拡大が続くことが条件のはずです。
従って来週の雇用統計が市場予想を上回っているようだと、市場は再び「出口
」を意識しドル高に振れることも考えられます。
それまでの1週間で「100円割れ」があるかないかが注目されますが、本日は
新規失業保険申請件数が発表されます。
この経済指標も、これまで以上に注目度が高まっています。
5月2日に「100円の壁」を超えるきっかけを作ったのもこの指標だったからです。
事前の予想では34万件と予想されていますが、36万件以上だとドル売りが加
速することも考えられます。
- [2013/05/30 09:14]
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株高を背景にドル円102台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は米経済指標の改善を背景に買われ、一時102円台半ば
まで上昇。とりわけ消費者信頼感指数が2008年以来となる高水準だった
ことから、米長期金利の上昇にもつながり、ドル買い円売りを促した。 - ドル高が進んだことからユーロドルは下落。1.29台半ばから
1.28台半ばまで下落し、1.28~1.30のレンジを抜けきれない
展開が続く。 - 住宅価格指数などの上昇を受け、ダウは大幅に上昇。日欧で株価が出直る
動きを見せたこともあり、ダウは一時210ドルを超える場面もあったが、
106ドル高の1万5409ドルで引ける。 - 債券相場は大幅に下落。2年債入札が低調だったことや、株価の上昇を嫌気した
売りものに押され、10年債利回りは1年1ヵ月振りとなる2.16%台まで上昇。 - 金は続落し、原油は小幅に反発。
- 3月ケースシラー住宅価格指数 → +10.87
- 5月消費者者信頼感指数 → 76.2
- 5月リッチモンド連銀製造業指数 → -2
本日の注目イベント - 独 独5月雇用統計
- 独 独5月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏4月M3
- 加 カナダ中銀政策金利発表
昨日、日経平均株価が反発し、欧州でもその影響で株価が安定し、さらにNY市場では
経済指標の結果が良かったことでダウは大幅高を見せ、ドル円は102円台半ばまで
値を戻し、やや安心感が漂っています。
株式市場が落ち着きを取り戻したことで、「リスクオン」の動きも戻る気配を
見せていますが、米長期金利の上昇が最もドル円の上昇につながったと見られます。
米長期金利は、昨日行われた2年債入札が不調に終わったことで債券が売られ、
約1年1ヵ月振りに2.16%台まで上昇しました。2%台の壁がなかなか破れず、
2%まで上昇すると買われた(金利は低下した)米長期債でしたが、ここに来て先安観が
広がって来ており、長期金利の上昇圧力になっています。
その背景は言うまでもなく、FRBによる「量的緩和」の縮小もしくは停止観測です。
昨日は特にコンファレンスボードが発表した5月の消費者信頼感指数が「76.2」と、
2008年2月以来の
高水準で、市場予想を大きく上回ったことがFOMCでの「出口」を意識させたものと
思われます。
米長期金利の上昇は基本的にはドル「買い円売り」に作用しますが、日本の長期金利も
不安定な状態が続き上昇傾向を示しています。
ただ、こちらは「出口」を意識したものではなく、「異次元の金融緩和」の影響による
「需給」を反映しているものと捉えられます。
ドル円はNY市場で102円51銭まで「ドル高円安」が進みましたが、
これで「元の鞘」に戻ったと考えるのはまた早いと思います。
株式市場のボラティリティー(変動率)は依然と高水準で、これまでのように順調に株価の
上昇が続くかどうか不透明です。
依然として株価の動向や金利の動きにも注意をする必要があろうかと思います。
一方で今回の「調整局面」でもドル円は底堅かったことから、100-105円のレンジが
維持されていることは確認できたと思います。
先週ドル円は103円74銭まで上昇した後、100円66銭まで下落したため、
その下落幅は3円08銭でした。下落分の半値戻しが102円20銭ですが、
ここは既に超えています。
「61.8%戻し」が102円56銭であるため、昨日のNY市場ではここが
意識されて上昇を抑えられた可能性もあります。
本日の東京市場でこの水準を上抜けできるかどうかも見極めたいところです。
再々この欄でも述べているように現在のドル円は日米金融スタンスの差が
ベースになっています。
米経済指標の改善傾向はこのまま続くと予想されますが、それでも
ドル円がさらに一段と上昇するためには株式市場の安定は不可欠です。
安倍政権の「第3の矢」である成長戦略が期待を裏切らないものであり、
さらに米経済指標の好転が続けば再び103-105円を目指す展開になるの
ではないかと予想していますが、それにはまだ時間も必要です。
昨年11月以来順調に、しかも、かなりのスピードを持って上昇し
続けてきたドル円です。
この先当然、何度か調整局面があるものと予想できます。
それらをこなして100円台が維持できれば再び上昇に弾みがつき、
105円突破もあるのではないかと思います。
テクニカルでは「4時足」にのみ、上方に抵抗帯があります。
一目均衡表の「雲の下限」は102円50銭のところにあり、ほぼ昨日の
NYの高値と同じです。
ここを抜け切れて、103円台に入れば「雲抜け」も完成しますが、
東京時間ではその可能性は少ないと思われます。
101-103円のレンジ内でしばらくもみ合いが続くと
考えておくべきでしょうか・・・。
- [2013/05/29 10:01]
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ドル円株価を睨んで不安定
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は不安定な株価の動きに依然値幅も大きく、朝方には株価の急落に
一時100円66銭まで円買いが進む。その後ダウがプラス圏に戻ったことや、
耐久財受注の指標を好感し、101円25銭前後まで値を戻す。 - ユーロドルはドイツの経済指標を受け小動きながら堅調に推移。
終始1.29台で取引されたが明確な方向感は見えず。 - 株価は神経質な展開が続く。朝方、ダウは一時100ドルを超す下落を見せた
ものの、経済指標の好転を背景に8ドル高で引ける。 - 債券相場は横ばい。10年債利回りは依然として2%台を維持。
- 金、原油は小幅ながら下落。
- 4月耐久財受注 → +3.3%
本日の注目イベント - 日 日銀決定会合議事要旨(4/26日分)
- 中 中国4月工業利益
- 英 ロンドン市場休場(バンクホリデー)
- 米 債券、株式市場休場(メモリアルデー)
株価の乱高下を背景にドル円では円買いが強まっています。
先週末のNYでは一時100円66銭まで円が買い戻され、これまで100円を
超えても一本調子で上昇してきたドル円が正念場を迎えています。
日経平均株価が上がればドル高円安に振れ、それがまた株価を押し上げる
展開となりさらにドル円が上昇する流れが続いてきました。
いつか「調整」が来るだろうと思いながらもドルロングは機能してきた5月でし
たが、やはり調整はやってきました。しかも、それほど明確な材料があったわ
けでもなく、株価は急落し、円が急騰しました。
先週木曜日、午前中に発表された中国の製造業PMIが「引き金」だったよ
うに言われていますが、今回の事態を説明するには足りません。
その日に株価が1000円を超える下落を見せたことがきっかけだったように
思います。
株価の下落は、これまでの巻き戻しを意味し、為替市場では円買いドル売
りが活発になります。
この日は明らかに株価の下落が先行しており、それを見た為替のディーラー
がドル売りで追随したものと思われます。
株価の急落は先物主導で、ヘッジファンドなどが大量に売ったとも言われて
いますが、それが事実かどうかは解りません。
混乱は金曜日も続き、日経平均株価は連日1000円を超える「値幅」を記録
しています。
今週も不安定な状況が続くと考えた方がいいようですが、本日はNY株式市
場が休場のため東京株式市場の動きが非常に注目されます。
先週の木曜日は「東京発の株価の急落」だったわけですから、東京株式市
場が落ち着きを取り戻せば為替市場も安定してくると思われます。
ドル円は約2週間ぶりに100円台まで下落しましたが、テクニカルでは「4時
間足」の120日線がある、100円57銭が意識されます。
ここを割り込むと100円台半ば割れで、100円の大台割れが視野に入って
来ます。
4月まで順調に上昇して来たドル円は99円50銭ー100円では何度も押し
戻され、「100円の壁」に苦しみました。
その「100円の壁」は今度は、ドル下落時のサポートとして機能すると考え
ます。
株価がさらに大きく下落すれば100円割れがあるかもしれませんが、そこか
らさらに大幅に下落するとは予想できません。
量的緩和の「出口」に向かって着実に歩みを進めている米国と、「異次元の
緩和」が実施され、その効果を見守っている日本。また、シェール革命で競
争力を強めている米国とデフレから本当に脱却出来るのか不透明な日本な
ど、冷静に考えれば円が一段と買われる理由はそれほどありません。
ポジションの偏りと、相場観の偏りが時として「相場の不安定さ」を増幅させます。
今足元で起きている現象は、このように捉えることができるのではないでしょうか。
いつものように相場の先行きを示す「一目均衡表」の「日足」を見てみると、「基
準線」は依然として「横ばい」です。
「転換線」とのギャップは維持されており、上昇パターンは変わっていません。
ローソク足がこの「基準線」を下回るには100円30銭辺りまでの下落が必要
です。
「基準線」が下向きに変化するには、ドル円が97円00銭を下回る円高水準を
示現しなければなりません、
もしこのまま横ばいが続けば、9営業日後にはむしろ上向きになります。
株価次第というところもあり、まだ不安定な状況が続いていることを考えるとドル
円の下落の余地は残っているとは
思いますが、中長期的には「買い場」を探る場面かと思います。
5月も今週で終わります。
株価が好調だったせいか、すっかり忘れかけていた「Sell in May」とう言葉を
思い出したのは私だけではないと思いますが、やや加熱気味の株式市場が
気になります。
- [2013/05/27 09:27]
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ドル円欧州市場で一時100円台後半に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京市場で株価の急落と円の急激な買い戻しが進んだことで、ドル円の
上値は重い展開に。注目されたNY市場の動きでしたが、マクロ経済指標の改善
や、株価の小幅な下落を手掛かりに101円半ばを中心とする動きに。
欧州市場では一時100円85銭近辺まで円買い戻しが進んだが、NY市場では
ドルが底堅く推移し、102円前後で取引を終える。 - ユーロドルは1.29台前半で小動き。円が主要通貨に対して買われたことで
ユーロ円も欧州市場では130円前後まで下落。ユーロドルそのものへの動意は薄かった。 - 東京株式市場の大幅安を受け注目されたNY株式市場は、朝方はその影響から大幅安で
始まったものの、新築住宅販売などの経済指標が予想を上回ったことで下げ幅を縮小。
大引けは12ドルと小幅安だったことで、株安の連鎖は避けられた格好に。 - リスク選好が後退したことで安全資産の債券は買われた。それでも10年債利回りは
2%台を維持できたことでドル下落を下支え。 - ドル安が進んだことから金は大幅反発し24ドル高。原油価格は小幅に3日続落。
- 新規失業保険申請件数 → 34.0万件
- 4月新築住宅販売件数 → 45.4万件
本日の注目イベント - 日 黒田日銀総裁講演(帝国ホテル)
- 独 独1-3月GDP(改定値)
- 独 独5月ifo景況感指数
- 独 バイトマン・ドイツ連銀総裁講演
- 米 4月耐久財受注
順調に上昇してきた日経平均株価が1143円も急落し、ドル円も欧州市場
では100円台まで円高が進み、これまでの「円安株高」の流れが巻き戻され
、「円高株安」に急変しました。「好事魔多し」とはこのこと・・・・。
昨日の朝方は株価が300円以上も続伸し、ドル円も歩調を合わせるように
103円57銭までドル高に振れましたが、午後からは流れが一変し、一気に
円が買われ株が売られました。
きっかけは午前11時前に発表された中国の製造業PMIでした。
好不況の分かれ目である「50」を割り込んだことで、中国の景気に対する
懸念が広がり、大幅に上昇していた株価がマイナスに。
ドル円も昼過ぎからは103円台を割り込み、その後は株価の下落に歩調を
合わせるように円高に推移しました。
驚いたのは日経平均株価の下落幅でした。
先物が主導する形で前日比1143円もの大幅安でした。
東京発の株価の暴落がその後の海外市場にも波及すると株安の連鎖が
起こり、「リスクオフ」が急速に進み、円が買い戻される展開になります。
実際に昨日も欧州市場では主要株式市場は軒並み大幅に下げ、ドル円
も一時100円台後半まで「円高ドル安」が進む場面がありました。
いつものことですが、株価の大幅安は円買いにつながり、円は主要通貨
に対して大幅に上昇しました。
ユーロ円は130円前後まで、豪ドル円は97円台前半まで円高が進み、
1日でほぼ3円程度の円買いが進んだことになります。
「相場の下落は上昇スピードよりもはるかに速い」、正にこれまでの経験
則通りでした。問題は、今後の展開です。
円安の流れが終わったのか、あるいは一時的な「スピード調整」にすぎ
ないのか、という点です。
基本的には円安の流れは変わっていないと見ています。
このような局面では常に参考にする「一目均衡表」の「転換線」と「基準線」
ですが、昨日の欧州市場で100円台後半まで円買いが進んだ局面でも、
日足の「基準線」は「横ばい」でした。
ローソク足は下げ足を速めたため、「転換線」を割り込んでいましたが、
「基準線」が横ばいだったことで、「この下落は短命に終わる」との判断で
した。
結局NY市場では100円台を一度も覗かず、102円前後までドルが買い
戻されて引けています。「一目均衡表」のセオリーが勝った、というところ
でしょうか。
ドル円は100-105円のレンジ内で推移していると考えられ、100円を
割り込まない限り再度105円に
向かう可能性もあると予想しますが、さすがにドル急落の後だけに今後の
上昇スピードはこれまでのようなわけには行きません。
それでも日米の「出口戦略」に対するスタンスは歴然としており、米国の
「量的緩和」縮小、あるいは停止は早ければ秋口、遅くとも来年春ごろま
でには実現する可能性が高いと思われます。
日本はトンネルに入ってまだ中間地点にいますが、米国は出口に近づき、
外の明るさも見えている位置にいます。基本的にはこの「立ち位置の差」が、
今後もドル円の方向性を決める上では最も重要な判断材料になると考えら
れます。
ただゴールは見えていても、その距離は意外に長いことも予想されます。
ドル円あるいは株式市場のボラティリテーが急速に高まっているため、今後
も上下に大きく振れることがあることを十分意識しておくことです。
ポジションは軽めにしておき、余り自分自身の「相場観」に固執し過ぎない
ことも重要です。
- [2013/05/24 09:30]
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ドル円議長証言で乱高下
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
議長の証言を受け103円74銭まで上昇、今年のドル最高値を更新。
その後議長が「時期尚早の引き締めは景気回復をリスクにさらす」と発言した
ことでドルは急落。102円69銭まで円が買い戻された後103円台に乗せて引ける。
戻すなど大相場に。ユーロ円は133円80線近辺まで上昇し、約3年4ヵ月ぶりのユーロ高
を記録。
前日比150ドルを超える上昇を見せた後急落し、結局80ドル安で引ける。
価格が下落し、10年債利回りは約2ヵ月ぶりに2%の大台に乗せる。
本日の注目イベント
為替相場も株式市場も乱高下しました。
バーナンキ議長の議会証言での発言はある程度予想された通り、米景気回復
の手ごたえはあるものの、金融引き締めにはまだ時期尚早というものでした。
発言内容は決して想定外のものではなかったものの、市場が大きく上下した背
景はドル円も、株式市場も加熱気味であることが挙げられます。
ポジションの偏りが相場の振幅を拡大させたと言えそうです。
ドル円は欧州市場でじりじりと値を上げ、約1週間振りに103円台に乗せ、NY
市場でもバーナンキ議長の議会証言をきっかけに、これまでのドル高値であった
103円32銭を抜き、103円74銭まで「ドル高円安」が進みました。
議長は「時期尚早の金融引き締めは、金利の一時的な上昇につながる可能性
があるものの、他に景気回復の減速や腰折れ、またインフレの一段の低下を招
く大きなリスクも伴う」と述べ、その上で、金融政策は「多大な恩恵」をもたらして
いると付け加えています。
この発言で米株式市場は大幅な上昇を見せましたが、議長はさらに「(労働市
場が)本質的かつ持続的な形で改善すれば、今後数回の会合で債券購入の
ペース減速を決定することもあり得る」とも発言したことから株価の急落につなが
りました。
今後はFOMCで議論を重ね、さらにその間の経済指標を確認したうえで資産
購入の縮小もあり得るとの考えです。
資産購入ペースの減速に言及したことで、ドルは主要通貨に対して一段と上
昇しましたが、市場は「出口戦略」を徐々に織り込み始めていることで、既にド
ルロングが出来上がっていました。そのため、緩和政策は当面継続されるとの
見方が拡大するとドル急落につながったわけですが、議長の発言から想定さ
れることは来月のFOMCではなく、9月のFOMCで資産購入ペースを変更
する可能性が高くなったと考えられます。もちろん、それまで足元の経済指標
が順調に改善傾向を示すことが条件になりますが、9月のFOMCまでには、
あと4回雇用統計の数字を確認することができます。
それらが概ね順調であれば、いよいよ5年にわたって続けられた緩和政策も
終焉を迎えることなります。
ドル円は103円台後半まで上昇した後、102円台半ばを付け、再び103円台
前半で推移しています。
FRBが「出口」に向かって歩き始めていることは事実で、いずれ金融引き締め
に政策転換を行います。
そのため、基本的には今後もドル高基調が続くと考えておくべきでしょう。
昨日は米長期金利が約2ヵ月ぶりに2%台を回復し、今月初めの1.6%台か
ら大きく上昇していることもドル高をサポートしています。
もちろん為替は金利だけで動いているものではありませんが、金利が為替水準
を決める上で重要なファクターであることも事実です。
今後金融引き締めを嫌って株価が大きく下落し、「リスクオフ」が続くような状況
になれば、円買いが戻ってくる可能性もありますが、そのあたりをバーナンキ
議長も懸念していると思われ、今後も議長の手腕が注目されます。
昨日この欄でもユーロ円の上値のメドについて、132円台半ばを抜けると上昇
に弾みがつく可能性について触れましたが、NY市場では一気に133円80銭
を超える水準を記録しました。
この水準では「一目均衡表」の「遅行スパン」(月足)が頭を抑えられた格好に
なり、一旦は下落に転じています。
ユーロ円は現在「雲の」中を上昇中ですが、この「雲」を抜けるには137円台
後半までユーロ高が進む必要があります。
足元の水準からはかなり離れてはいますが、チャート全体を見る限りユーロ高
は続きそうな気配です。
円が急速に買い戻される状況が起きない限り、ユーロ円の大幅下落は見込
みにくいと言えそうです。
「ユーロが強い」のではなく、「円がそれ以上に弱い」のだという考え方に、発
想を変える必要があるかもしれません。
- [2013/05/23 09:21]
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ドル円102円台でのもみ合い続く
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 欧州市場での続伸を受け102円88銭までドル高が進んだドル円だが、FOMC
メンバーであるNY連銀、セントルイス連銀相総裁の講演では、どちらも「量的緩和」
縮小への言及が無かったことでやや値を下げ102円台半ばでクローズ。 - ユーロドルは1.29を挟んでもみ合い。1.29台半ばまで上昇するものの
上値を抑えられ反落。 - 株式市場は反発。「量的緩和」見直し観測がやや後退したことで株価は上昇。
ダウは52ドル高で過去最高値を更新。 - 債券相場は反発。連銀総裁の発言が金融緩和継続に繋がったことで債券に
買い安心感が広がり価格は上昇。 - 金は続落。原油価格も小幅ながら5日振りに反落。
本日の注目イベント - 日 4月貿易統計
- 日 日銀金融政策決定会合
- 欧 ユーロ圏3月経常収支
- 欧 EU首脳会議
- 英 BOE議事録(5/9日分)
- 米 FOMC議事録(4/30 5/1日分)
- 米 バーナンキ・FRB議長議会証言
- 米 4月中古住宅販売件数
NY連銀のダドリー総裁は講演で「先行きが不透明なため、次の政策変更が
拡大と縮小のどちらになるか確信は持てない」と語り、現時点では少なくとも
「量的緩和」縮小に動くとの認識は持っていないと、市場は受け止めた様で
す。
この内容で、株式、債券市場では現行政策は継続されるとの見立てで買われ、
ドル円はやや水準を切り下げています。
ダドリー総裁は「出口戦略を見直す必要があるかもしない」としながらも、それ
には「幾つかの点において現状にそぐわなくなっているようだ」とも述べており、
「量的緩和」を継続か見直しかの明確な判断を示すことはありませんでした。
本日に予定されているバーナンキ・FRB議長の議会証言でも恐らく、似たよ
うなトーンになるのではないかと考えております。
米景気の回復を認識しながらも、現段階ではまだ政策変更を行うタイミングで
はないという証言を予想していますが、同時に「量的緩和」縮小の可能性につ
いては議論を進めて行く、といったコメントも付け加えられるのではないでしょ
うか。
市場が本格的に政策変更を織り込み始めれば、株価の調整は避けられない
と思われます。
NYダウが何度も過去最高値を更新してる現状では、政策変更はまだ先の話
と受け止めることができそうです。
また、債券相場にとっても政策変更はネガティブな材料として捉えられ、長期
金利が2%以下で推移するとも思われません。
そのように考えると、足元の「政策変更」観測はややフライング気味であるのか
もしれません。
異次元緩和に踏み切るのは簡単ですが、その「出口」については非常に難し
いものがあります。
いずれにしても米国が「出口」に近いところまで来ているのは事実で、今後は
日銀もいつの日か同様な困難に直面することになります。
ドル円は101ー103円のレンジで推移しそうですが、本日は日米でレンジを
抜けるかもしれない材料があります。
日本では日銀の決定会合が開かれ、午後3時半に黒田総裁の記者会見が予
定されています。
今回の会合では追加的な政策はないと思われますが、総裁が為替や長期金
利の水準について言及する可能性もないとは言えません。
また上述のようにバーナンキ議長の議会証言があり、さらにFOMC議事録も
公表されます。
いずれも「出口」についての見通しや議論が注目されます。
どちらも中立的な内容であれば当面、100-105円のレンジ内での取引が
続きそうで、100円台に乗せてから一気に3円ほど円安に振れたスピードも
調整を迫られる状況になります。
ドル円は105円を目指す過程にいるとは思いますが、95-100円のレンジ
が約1ヵ月続いたように、しばらくはもみ合いが続くのかもしれません。
ドル全面高の展開の中、円は着実に売られ続けていますがユーロは1.28
台割れの後、1.29台半ばまで反発しています。その分、ユーロ円が堅調に
推移しています。
ユーロ円は短期の「1時間足」の「200日線」が徐々に右肩上がりになってお
り、これが5月のGWあたりからサポートしているように見えます。
現在この線は131.90銭前後に位置しており、ここを明確に割り込めば下落
基調に進む可能性があります。
反対に上値は「月足」の「120線」に見事に抑えられており、132円50銭を
超えてくると上昇に弾みがつくことも考えられます。
ユーロは域内の景気の悪化や高失業率の割には下がらず、個人投資家の
中にも「こんなはずでは・・」との印象を持っている人も多いようです。
当社のポジションでもその兆候は表れており、ネットのポジションは「売り持ち
」に傾いています。水準を切り上げればストップの買いが相場を押し上げるこ
とも考えられ注意が必要です。
- [2013/05/22 09:09]
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ドル円週明けの急落を受け上値が重い
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 週明けのオセアニア市場でドル円が102円台を割り込む急落を見せたこともあり、
ドル円の上値は重く102円台前半から半ばでの取引に終始。シカゴ連銀総裁の講演も
特に影響はなく、明日のバーナンキ議長の議会証言を待つ雰囲気に。 - ドルがやや下落したことで、ユーロドルは反発。1.28台半ばから一時1.29台に
乗せる場面も。 - 高値更新の続く株式市場は反落。FRBは金融緩和の解除に動くとの見方が広がり、
利益確定の売りが優勢となり、ダウは19ドルと小幅安で引ける。 - 債券相場は続落。シカゴ連銀総裁の「米経済はかなり改善している」との発言で、売りもの
優勢の展開。10年債利回りは1.96%台に上昇。 - 連日下落の続いている金価格は8日振りに反発。原油は4日続伸。
本日の注目イベント - 豪 豪RBA議事録
- 独 独4月生産者物価指数
- 英 英4月消費者物価指数
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
昨日早朝のドル円急落が尾を引いているようで、ドル円の上値がやや重い展開
になっています。甘利大臣が円安を牽制するような発言をNHKの番組で述べた
ことをメディアが報じたことで、ドル円は一時101円97銭(ブルームバーグ)まで
一気に円買いが進みました。
ドル円はその影響もあり、その後は一度も103円台を見せることなく、昨日のNY
市場では102円17銭まで小幅ですが円が買い戻される展開でした。
甘利大臣の真意は解りませんが、ここ1週間で約3円ものドル高円安が進んだこと
で、このままでは105円も「時間の問題」との意識があったかもしれません。
やや円安のスピードが早まってきたことに対する警戒感の表れと受け止めることも
できそうですが、一方で6月のサミットを意識した発言ではないかといった見方もあ
るようです。
確かにこのままでは105円台も遠からず達成しそうな流れで、スピードは明らかに
速いと感じます。
ただ円安への「大台替え」はそのほとんどが海外市場で行われ、東京時間では
むしろ実需のドル売りなどが
ドルの上昇を抑えている展開が続いているのが現状です。
円売りが加速しているのは言うまでもなく、米景気回復を背景とした「金融緩和縮
小」観測です。
ここにきて米大手銀行もFRBは秋口にも「量的緩和」縮小に動く、といった見方を
発表しています。
リーマンショック以降過去5年間、非伝統的手段として「量的緩和」を継続してきた
FRBが、ようやく米景気に明るさが見え始めたことで政策変更に動き出そうとする
一方、日銀は先月「異次元の金融緩和」を決めたばかりです。
またその後ECBや豪州RBAが利下げに踏み切り、韓国、インドなども追随してい
ます。
米国の景気回復が先進国の中では群を抜いて顕著だということの証左でもありま
す。この「金融スタンスの差」が、正に足元の「ドル全面高」の最大の理由です。
問題はいつ「出口」に向かって舵を切り直すのかということで、昨日のエバンス・
シカゴ連銀総裁の発言が注目されました。
同総裁は「現在のところ金融政策は適切だ」、「インフレが当局の目標に近づく
ことを望んでいる」と発言したに留まり、特に「出口」については言及していません。
本日もNY連銀総裁の講演が予定されていますが、同総裁もエバンス総裁と並ん
で「ハト派」の代表格の一人です。「出口」についてどのような発言をするのかが
注目されます。
また本日はセントルイス連銀総裁の講演も予定されています。
同総裁は中立もしくは「タカ派」に近い人物と見られていますが、この講演内容も
相場に影響する可能性があります。そして最も重要なのは明日のバーナンキ議
長の議会証言です。
議長が景気回復の手ごたえを感じ取り「出口」に前向きな姿勢を見せると、ドルは
再び上昇軌道を歩みそうです。
本日は日経平均株価もやや調整色を強めそうです。
株価の下落でドル円がどこまで売られるのかに注目が集まりますが、102円台を
大きく割り込めばストップのドル売りもありそうです。
ただ基本は「ドルの買い場」を探る展開だと思われ、ドルの下落がどこまであるの
かを見極めたいところです。
- [2013/05/21 09:11]
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ドル円NY市場で103円台前半に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は一段と上昇。米経済指標の改善を好感し、ドル円は103円台まで
買われ、一時103円32銭まで円安が進む。 - ユーロドルでもドル高が進み、ユーロは1ヵ月半ぶりに1.28台を割り込む。
ECBの準備預金金利をマイナスにすることもあり得るとの報道を手掛かりに、ユーロを
売る動きが加速。 - 株式市場は大幅に反発。経済指標の改善を手掛かりにダウは121ドル高で引ける。
終値では1万5300ドルに乗せ、過去最高値を更新。 - 経済指標の好転を背景に債券相場は反落し、10年債利回りは再び1.95%まで上昇。
- 金は7日続落し1364ドル台で引ける。ドル高が進み、先行き弱気の見方が相場を
押し下げる。原油価格は続伸し96ドル台を回復。
- 5月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 83.7
- 4月景気先行総合指数 → +0.6%
本日の注目イベント - 日 3月景気動向指数
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
- 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
ドル円は先週末のNY市場で再び「大台替え」を示現し、一時103円32銭までドル
高円安が進みました、ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を大きく上回っ
たことで、「米金融緩和の解除を巡る議論が進む」
との見方からドルが主要通貨に対して買われたわけですが、引き続き海外市場主
導による「大台替え」です。
これで100ー105円のレンジが安定してきたものと思われます。米「出口」がどのタ
イミングで行われるのかが最大のテーマであり、米経済指標の改善傾向がその議
論を盛り上げてる状況が続いています。足元の動きは105円に向かっていると考え
られます。
そのため100円を徐々に底固めしている動きと捉えることができます。
このまま105円にすぐ乗せることはないとしても、米経済指標の改善をきっかけに、
105円を試しに行くことは十分考えられます。市場はドル買い材料には反応し易
い状況で、今後も経済指標の発表にはより注意が必要です。
先週末には103円20銭近辺で引けたドル円が、今朝早い時間には102円を割
る水準まで円高が進む場面がありました。
甘利経済再生担当大臣が昨日「過度の円高の是正はかなり出来たと世の中で
言われている」と発言したことが材料視されたものと見られます。
参加者が極めて少ない週明けの早朝だったことで値が飛んだものと見られますが、
甘利大臣は先週も円安をけん制する発言をした経緯があり、これまでとはややトー
ンが違ってきています。真意を図りかねている状況ですが、ここにも注意が必要で
す。
早ければ夏以降にも「出口」に向けた動きがあるのではないかとの観測からドルが
全面高の様相です。
対ユーロでは1.28台割れまでドル高が進み、対豪ドルでも0.9710まで豪ドル
は売られ、約11ヵ月振りの水準を記録しています。
今週はそれ程重要な経済指標の発表はありませんが、「出口」に向けた議論がど
こまで進展するのかを見極める発言がありそうです。
22日にはバーナンキ議長の議会証言があり、これが最大の注目イベントとなります。
「ハト派」の議長が、雇用などの経済指標の改善を受けてどのような発言をするのか
に注目が集まります。
先週は同じ「ハト派」のウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁が「出口」に向けた
積極的な発言を行ったばかりであるため、議長が同様な発言を行うのかどうかがポ
イントなります。
もし同様な発言をすればドルが一段高となり105円を目指すことになりそうですが、
依然として慎重な意見に留まるようであればドルが売られ、その際ドル円はどこま
で下落するかも注目されます。
また、本日は夜中の2時にエバンス・シカゴ連銀総裁の講演も予定されています。
同総裁は「ハト派」の代表格で、これまで「出口」に前向きな発言を行ったことはあ
りません。
同総裁については景気に対する慎重な見方を崩すとも思えませんが、足元の最
大のテーマであるだけに注目されます本日の東京時間は動きにくい展開が予想
されます。
株価は一段と上昇しそうですが、今朝のドル円の急落を見ているだけに103円台
では売りもそこそこ出そうです。ドル円と株価との相関度はやや薄れていますが、
やはり株価の動きを睨みながらの展開で、102円30銭から103円30銭程度のレ
ンジを予想します。
- [2013/05/20 09:56]
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米「出口」発言にドル円もみ合い
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は欧州時間に102円67銭まで上昇したものの、住宅着工件数など
米経済指標が予想を下回ったことで101円台に。もみ合い後、サンフランシスコ連銀総裁
の発言から再び102円台前半まで上昇して引ける。 - ユーロドルは前日と同様に1.28台半ばまで下落したが、米経済指標の悪化に
1.2930まで反発。上値も限定的で1.29台を割り込んで取引を終える。 - 株価は反落。住宅着工件数が予想に届かなかったことと、サンフランシスコ連銀総裁が
金融緩和策縮小に言及したことを嫌気してダウは42ドル安。 - 一方債券相場は続伸。株価の下落と、経済指標が景気減速を示したことが手掛かりとなり
10年債利回りは1.9%台を割り込む。 - 金価格は下落が止まらず6日続落。原油は3日続伸。
- 新規失業保険申請件数 → 36.0万件
- 4月消費者物価指数 → -0.4%
- 4月住宅着工件数 → 85.3万件
- 4月建設許可件数 → 101.7万件
本日の注目イベント
- 中 中国4月景気先行指数
- 欧 プラート・ECB理事講演
- 欧 クーレ・ECB理事講演
- 欧 アスムセン・ECB理事講演
- 米 5月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
- 米 4月景気先行総合指数
- 米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 加 カナダ4月消費者物価指数
ドル円は前日と全く同じ動きを見せています。
102円台前半でもみ合ったドル円は欧州市場が参入すると上昇に向かい、
昨日は102円67銭まで円安が進みましたが、NY時間には大きく下落し
102円台を割り込みました。
ここでも前日とほぼ同水準の101円80-85銭でサポートされ、その後は
102円台に戻して取り引きを終えています。
102円台半ばから101円台までドル売りが進んだきっかけは失業保険申請
件数の内容でした。
先週にはこの指標発表をきっかけに「100円の壁」をあっさり抜けたこともあり、
今回も注目されていました。
結果は33万件の予想に対して36万件と悪化しており、これがドル売りに繋
がっています。
また住宅着工件数など、他の経済指標もおしなべて軟調だったことでドル
売りに拍車がかかりましたが、101円80-85銭近辺ではしっかりとサポート
されています。
今週に入って102台に乗せたドル円は、101円台後半ではサポートされて
一段の下落は見られないものの、逆に102円台後半では上値が抑えられる展
開です。
結局101円80銭-102円80銭が足元のレンジということになり、今後はそ
のどちらを抜けるかが注目され、抜けた方に、一旦はついて行くしかありま
せん。
ここまでのドル円はどちらかといえば「異次元の金融緩和」といった、国内要
因で円安に大きく振れてきました。
しかし今週は米国の「出口」が円安を主導している展開に変わっています。
この欄でも「出口」に最も近いのは米国であることは何度も述べてきましたが、
それでも慎重なFRBが利上げに動くにはさらに、経済指標が安定的に改善
傾向を示すことが不可欠で、それにはもう少し時間が必要ではないかと考え
ています。
労働市場が明らかに改善しない限り、インフレ懸念が全くない現状ではそれ
ほど利上げを急ぐ緊急性はないのではないか、という見立てです。
しかし昨日のウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁の発言にはやや驚きま
した。
同総裁はオレゴン州ポートランドでの講演で「全てが期待通りに進めば、今
年の遅い時期にプログラムを終了する」
と発言し、これがドル円を102円台まで押し上げる要因となりました。
同総裁は「ハト派」と見られているだけに、この発言は意外感を持って受け
止められており、バーナンキ議長など
「ハト派」のFOMCメンバ-に与える影響が注目されます。
同総裁はFOMCのメンバーですが、今年は投票権を持っていません。
しかし、利上げに慎重な「ハト派」のメンバーから上述のような発言がでるこ
とは、FRBは米景気回復に強い自信を持ち始めていると推測できそうです。
もっとも、同総裁は「たとえ資産購入のペースを落としたとしても、それは金
融政策を引き締めるとか、
経済回復に伴い景気支援への取り組みを後退させることを意味しない」とも
述べています。(ブルームバーグ)
本日もFOMCメンバーの講演が予定されていることから、市場のテーマは
米国の「出口戦略」ということになります。
やや長い目で見ても、日銀、ECBに先んじて資産購入縮小、あるいは停止
に動くのはFRBであって、その意味では「ドル高円安」傾向が続くと考えるの
が自然です。
本日も東京時間では102円台前半でのもみ合いが続きそうです。
102円を割り込む場面があるかもしれませんが、その際サポート水準と見ら
れている101円75-85銭を抜け切れるかどうかが焦点です。
- [2013/05/17 09:28]
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ドル円101円台から反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は欧州市場に入ってから上昇傾向を強め、102円76銭までドル高が進む。
NY市場では主要な経済指標が軒並み予想を下回ったことから下落に転じ、101円台
後半まで円が買い戻される。その後は株価の上昇や、円に対する先安観に支えられ102円台
前半で取引を終える。 - ドイツやユーロ圏のGDPが市場予想を下回ったことで、ユ-ロドルは一段と下落。
一時1.28台前半まで売られ、約1ヵ月半ぶりの安値を記録。ユーロ圏の景気回復の
足どりは依然として重く、改めて景気回復の道のりは遠いとの印象が拡大。 - 株価は続伸し、連日で高値を更新する。米経済指標悪化にも関わらずダウは60ドル高。
経済指標の悪化が量的緩和縮小を遅らせる、との意見がでるなど、やや株式市場の過熱感を
警戒する声も。 - 債券相場は5日振りに反発。経済指標の悪化に素直に反応した格好となり、10年債利回りは
やや低下して1.94%台に。 - ドル高や株高から金への弱気の見方が広がり、金価格は5日続落し1400ドルの大台を
割りこむ。原油は小幅に反発。 - 5月NY連銀製造業景況指数 → -1.43
- 4月生産者物価指数 → -0.7%
- 4月鉱工業生産 → -0.5%
- 4月設備稼働率 → 77.8%
- 5月NAHB住宅市場指数 → 44
本日の注目イベント
- 日 1-3月GDP(速報値)
- 日 3月鉱工業生産(確報値)
- 欧 ユーロ圏4月消費者物価指数(改定値)
- 欧 プラート・ECB理事講演
- 欧 バローゾ・欧州委員長講演
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 4月消費者物価指数
- 米 4月住宅着工件数
- 米 4月建設許可件数
- 米 5月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
- 米 フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
- 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
先週の木曜日のNY市場で「100円の壁」を突破して以来、ドル円は
上昇速度を速め、昨日の海外では102円76銭まで円売りが進みました。
海外勢を中心に円の先安観が根強いものの、さすがにその後のNY市場
では米経済指標が軒並み市場予想を下回ったことから下落に転じ、101
円台後半まで利食いのドル売りが優勢となりました。
一本調子のドル上昇が一服した感じですが、それでもNYの引けでは10
2円台前半まで値を戻して取引を終えています。
このところのドル円の上昇については「RSI」などが過熱感を示しています
が、それでも日米の株価の上昇が
「リスクオン」を加速させているため円売りの流れが優勢な展開になってい
ます。
100-105円のレンジに入った可能性が高いと思われますが、ちょうどその
中間の102台半ばを
一旦上抜けしたしたことで、「達成感」が出るのか、あるいは105円に向かっ
てもう一段上昇するのかを見極める段階にいますが、市場参加者の多くは
円先安観に傾いていると認識せざるを得ません。
そのため「三歩前進しては一歩後退する」展開が続き、水準を着実に押し
上げています。
個人的には「ドル高円安」の傾向は継続されるとの見方は当然継続します
が、やや過熱感が出ており、ここからのさらなる上昇には警戒しているとこ
ろです。
株価の上昇が続き、NYダウは連日過去最高値を更新しています。
日本の株価はさらにそれを上回り、小生の周りでも株式に関する「いさまし
い声」も多く出てきました。
このような状況は1980年代後半のあのバブル以来のことではないかと、ある
意味「懐かしさ」を味わっている今日この頃です。
「株式を持たないリスク」という言葉が堂々と語られていたあのバブルです。
株高の背景はもちろん急激な円高が修正され、円安が進行していることで
自動車を中心に企業業績が押し上げられる
ことが主因ですが、それに加え異次元の金融緩和が相場を支えている構図
です。
これに、これまで株には疎遠だった個人投資家が「久しぶりに株でも買って
みるか」という思いで株式市場に参入しています。
1500兆円にも上る個人資産の一部がようやく株式市場に流れ込んで来てる
わけです。
為替市場でもほぼ同様なことが起きていて、新規に参入する個人投資家が
急増しています。
個人投資家は円売り姿勢を強めていますすが、一方でこれまで長く為替を
見て来た「経験者」は、それほど円売りには傾いておらず、ドル円の水準の
割にはロングは積み上がっていないのが今回の円安局面での特徴です。
ある程度利益を確保してしまったこともあると思いますが、ポジションの偏りを
見る限り「過熱感」はありません。
本日はNY時間に新規失業保険申請件数が発表されます。
先週はこの指標をきっかけにドル円が「100円の壁」を抜けたわけですが、
今回も改善しているようだと円売りに
拍車がかかる可能性がある一方、昨日の経済指標のように梯子(はしご)を
外されることもあるので注意が必要です。
市場予想は33万件です。
- [2013/05/16 09:40]
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ドル円一段と上昇し102円台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米中小企業の楽観度指数の改善など、景気回復が強まったとする
見方から、ドル円は再び102円台を回復。株高、米長期金利の上昇を
手掛かりに102円44銭まで円安が進み、直近のドル最高値を更新。 - ユーロドルは1.30台が徐々に重くなり、この日は独ZEW景況指数が
市場予想に届かなかったことからユーロが下落。一時1.29割れ目前の水準
までユーロ安が進む。対円では円の下落が勝り、132円77-80銭まで
ユーロが強含む。 - 株式市場は大幅に反発。米景況感の改善に加え、ギリシャの格上げなどを
好感しダウは123ドル高と、史上最高値を大幅に更新。 - 債券相場は下落。株価が最高値を更新するなど、米景気に対する見方が改善
していることから下落のスピードを早める。10年債利回りは約2ヵ月振りに
1.98%台まで上昇し、ドル高を加速させる要因に。 - ドル高が進んでいることから、金、原油価格は続落。
本日の注目イベント - 日 3月マネタリーサーベイ
- 独 独1-3月GDP
- 仏 仏1-3月GDP
- 伊 伊1-3月GDP
- ギリシャ ギリシャ1-3月GDP
- 欧 ユーロ圏1-3月GDP
- 英 英4月雇用統計
- 英 BOE四半期物価報告
- 米 5月NY連銀製造業景況指数
- 米 4月生産者物価指数
- 米 4月鉱工業生産
- 米 4月設備稼働率
- 米 5月NAHB住宅市場指数
ドル円が再び102円台を回復し、今週月曜日に記録した102円15銭を
上回る102円44銭まで「ドル高円安」が進みました。
これまで何度も繰り返されてきたように、東京時間ではドル売りが優勢で
も、海外市場では円の先安観が根強く円が一段と売られる展開になって
います。
昨日の東京市場では株価の上昇も一服だったこともあり、ドルの上値が
重い展開が続き一時101円26銭まで円が買い戻される展開でした。
しかし欧州市場が入るとドルが徐々に上昇し、NY市場では直近高値を
更新する水準まで円安が進んでいます。
米株式市場が大幅高を演じ、「リスク」が取り易い状況になっていること
が主因ですが、同時に安全資産の債券が売られ、米10年債利回りは
約2ヵ月振りに1.98%台まで上昇(価格は下落)していることもドル買い
を助長しています。
株価の上昇で含み益を抱えていることから、多くの投資家は高いリターン
を求め、よりリスクの高い物へと投資を進める姿勢を強めていることが「円
売り」に繋がっています。
また、この欄でも再三述べているように、日米通貨当局の「緩和姿勢の差」
がそのままレートへ反映されている状況も続いています。
タカ派の代表的な人物でもある、フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は、
早ければ次回6月18-19日のFOMCで債券購入の縮小に乗り出すべ
きだとの見解を改めて示しています。
ドル円は目先注目される102円台半ばまで上昇してきましたが、まだ半ば
を明確に上抜けはしていません。「月足」の一目均衡表では「遅行スパン」
が「雲の下限」で頭を抑えられているのが確認できます。この「遅行スパン
」が「雲」を完全に上抜けするには105円台半ばを超える必要があります。
今後「雲」の中を上昇して行くものと見られますが、この雲は「抵抗帯」とし
て機能するため、そのスピードは緩やかなものになる可能性があります。
102円台半ばを明確に上抜けするようなら、ドル円は105円に向かって徐
々に値を切り上げて行くものと予想しますが、
先週から市場のセンチメントが急速に米国の「量的緩和の縮小」観測に
傾いているのが気になります。
今月はFOMCが開催されないため、上述の6月18-19日の会合では
「資産購入の縮小」が議題の中心になり、活発に議論されるのではという
見方です。
恐らく議論は活発にされ、「タカ派」の勢いが増すことは十分考えられます
が、それでも実際に「縮小」に動くにはまだ時期尚早と考えています。
「タカ派」の意見は意見として聞きながらも、行動を起こすには雇用に関
するデータが少なくとも半年以上改善傾向を示すことが必要ではないかと
考えます。
FOMC声明文で、金融緩和の規模を「縮小」だけではなく、「拡大」する
こともあり得るとしたのは、まだ先月のことです。
それ以降米経済指標が劇的に改善した兆候は見られていません。
注目されるのは米長期金利の行方と、株価の動向です。
米10年債利回りは4月上旬の1.7%台から急速に上昇して来ました。
株価が堅調に推移していることから、資金が債券市場から株式市場に流
れ込んでいるもので、市場では楽観論が横行しています。
今後さらに株価が上昇し、米長期金利が2%台を安定的に上回るようだと
ドル円のサポートになるため
こちらにも関心を寄せる必要があります。
しばらくは米経済指標の結果に注意しつつ、株価と金利をじっくりと見極め
る必要があります。
- [2013/05/15 09:41]
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米長期金利高がドル円をサポート
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米小売売上高が市場予想を上回っていたことから、ドル円は102円台
までドル高が進んだものの102円台定着には至らず。米景気に対する楽観と
長期金利の上昇を背景にドル買いが優勢な展開が続く。 - ユーロドルは1.29台半ばまでユーロ安が進むも勢いはなく、1.30近辺まで
押し戻される。今夜から発表される欧州の経済指標を見極めたいとして、方向感は
定まらず。 - 株式市場はまちまち。小売売上高の伸びを好感したもののダウは小幅に反落し、
ナスダックは小幅に続伸。 - 債券相場は続落。小売売上高が好調だったことを受け、景気に対する楽観的な
見方が相場を押し下げる。10年債利回りは7週間ぶりに1.92%台まで上昇。 - 金、原油はともに続落。ドル高の影響もあり取り引きも盛り上がらず。
- 4月小売売上高 → +0.1%
本日の注目イベント
- 独 独4月消費者物価指数(改定値)
- 独 独5月ZEW景況感指数
- 欧 ユーロ圏5月ZEW景況感指数
- 欧 ユーロ圏3月鉱工業生産
- 欧 EU財務相会合
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
ドル円は昨日の早朝に102円15銭までドル高が進んだものの、急ピッチの円安
に警戒感も出て、その後は101円台半ばから後半でのもみ合いが続いています。
先週木曜日のNY市場で100円台を突破し、その翌日の東京市場では101円
台乗せを示現。さらに昨日のオセアニア市場で102円台と、ドル円はキャッチボ
ールを繰り返しながら「大台替え」を演じています。そのため、相場の過熱感を表
す「ストキャスティクス」(日足)は90近辺まで上昇しており、相場の上昇スピード
に対する警戒感も出ています。
しかしそれでも円の先安観は強く、専門家の中には「年内に110円まで上昇す
る」といった見方もあります。確かに、「出口戦略」のタイミングを模索するFRBと、
方や異次元緩和を決めたばかりの日銀の政策スタンスを考えれば、基本的には
ドル高円安の流れは続くと予想できます。
しかし、相場が理論通りには動かないことはままあります。
「100円の大台に乗ったから次は110円」だという見方はやや早計かなと思いま
す。
足元の動きは100円台を固めている状況で、先ずは102-105円辺りが次のタ
ーゲットではないかと考えます。
今後夏場にかけて上記水準まで円が売られる可能性はあると考えますが、110
円に届くには「米出口戦略」がより鮮明になる経済データが必要です。
4月の失業率は改善したとはいえ、まだ7.5%です。
米景気のより確かな足どりが示されて初めて「出口」がテーブルに載ると考えられ
、FOMCメンバーは、市場が考える以上に政策変更には慎重だと見るべきでしょ
う。
フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は先週、米国の失業率は2013年末には
7%まで低下するとの見方を示しました。
FRBが量的緩和を縮小、あるいは解除する失業率の目安は6.5%以下です。
少なくとも米失業率が年内にそこまで急激に改善するとも思えません。
4月のISM非製造業景況指数は節目の「50」を上回っているとはいえ、「50.7」
でした。また、シカゴ購買部協会景気指数も「49」と、年初に比べると低調です。
足元の相場観としては、ドルがどこまで上昇するのかを見極める状況で、ドルがこ
の先本格的に上昇し「二ケタ」には戻らない相場展開を示すのは、まだまだ先の
ことだと思われます。
日本では6月にもアベノミクスがいう「第3の矢」である成長戦略が示される予定
です。そして7月には参院選も控えており、まずはこの2大イベントを無事に通過
させる必要があります。
「G7」では目立った円安批判はなかったものの、米国内でさえ自動車業界を中
心に「円安批判の芽」が徐々に膨らんでいるのは事実でしょう。
日本の経済成長が米国にとってもプラスであるという状況を示さない限り、「本丸」
である米国内からも円安批判がいずれ噴き出すものと思われます。
本日もドル円は102円を試す展開が予想されますが、102円台で定着できるか
どうかが焦点です。
もっとも、102円を試すには101円半ばを割り込まないことが条件にはなりますが。
- [2013/05/14 09:12]
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ドル円早朝に102円台を示現
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 100円の壁を上抜けしたドル円はさらに上昇に弾みがつき、101円98銭
までドル高円安が進む。米長期金利の上昇もあり、G7でも円安批判は出ないとの観測が
相場を押し上げる。 - ドル高が進んでいることで、ユーロドルも1.30の台大台を約1ヵ月ぶりに
割りこみ、ドル高ユーロ安が進む。ユーロは一時1.2935まで下落したが、対円では
132円台前半に乗せるなど、円の独歩安が顕著に。 - 株式市場は続伸。景気の改善や金融当局による景気刺激策が続くとの見方から
ダウは35ドル高。S&P500は週間ベースで3週続伸。 - 債券相場は大幅に続落。株高や景気の改善を受け長期金利は約1ヵ月半ぶりに1.90%
台に乗せる。 - 主要通貨に対してドル高が進んだことで金は大幅に続落し、1436ドル台に。原油も小幅
に続落。
本日の注目イベント - 日 4月マネーストック
- 中 中国4月マネーサプライ
- 中 中国4月工業生産
- 中 中国4月小売売上高
- 欧 ユーロ圏財務相会合
- 米 4月小売売上高
「100円の壁」を抜けるとさすがに上昇のスピードに弾みがついて来ました。
ドル円は先週末のNYで102円に迫る水準まで上昇し、連日の「大台替え」
を見せています。週明けのオセアニア市場では102円台前半までさらに上
昇しています。
先週末のNYでは特にドル買い材料はなく、米長期金利の上昇と株価の続
伸を材料に「ドル全面高」と同時に「円全面安」の展開が進んだことがきっか
けでした。
ドル円はいよいよこれまでの95-100円のレンジを上方にシフトし、100-
105円の新しいレンジ入りした可能性が高くなったと思われます。
先週の新規失業保険申請件数の減少をきっかけにドル高が進み、100円
の大台に乗せたドル円は、FRBが量的緩和の縮小に動く可能性が早まっ
てきたとの観測からドルが買われて来ましたが、確かに米雇用の改善は進
んでいますが、それでも失業率は7.5%と、FRBの目標値とは1%もの隔
たりがあります。
FRBが金融緩和策の変更に動くのはまだ先のことと思われます。
それでもドル高が進んでいる背景は日米欧の中では、米国が相対的に
「出口戦略」に最も近い位置にいることで、景気回復についても、最も進ん
でいるとの見方があるからです。
さらに日銀の「異次元の金融緩和」は異論はあるものの概ね容認され、先
週末の「G7」でもデフレからの脱却を進める過程での円安であって、円安
そのものが目的ではないことが理解されたと報道されています。
特に今回の「G7」では、これまでの100円以下の水準から101円台まで円
安が進んだ中での会合であったため、さすがに行き過ぎだとの批判も出るの
ではと、一部では予想されていました。
黒田日銀総裁も「理解がさらに深まった」とのコメントを発表していますが、
カナダの財務相などは「円の水準を巡って議論があった」と語っているようで
す。
日本に対しては「現在の円安には目をつぶるが、成長戦略を明確にし、世
界経済に資すること」が課せられたことは間違いなく、「G7」参加国は今後
さらに、日本の政策や景気の動向に注目して来ます。ショイブレ・独財務相
は「G7では日本について特に集中した議論が行われた」との談話を発表し
ています。(ブルームバーグ)
いずれにしても、今後の日本の成長戦略が腰折れするような事態になれば、
円安批判が一気に出て来ることは十分に想定できそうです。
さて、102円台前半まで円安が進んだわけですが、これで「月足」での「12
0日線」や「雲の上限」は上抜けを完成させています。
こうなるとテクニカル上の上値のレジスタンスは限られて来ます。
最後の砦の「200日線」は108円に位置していますが、これはまだ足元の
水準からは離れ過ぎています。
一目均衡表の「遅行スパン」が雲の中を上昇していることから、「雲の上限」
が意識されます。この水準が102円20銭にあることから、先ずはここがポイ
ントになりそうです。
さらに、フィボナッチ・リトレースメントでは、2007年6月の124円13銭から、
2011年10月の75円32銭の値幅の「61.8%」戻しにあたるのが、105円
48銭です
市場はやや米国金融政策変更に傾き過ぎている感じもしますが、円の先安
観は変わりません。
特に海外勢の円売り意欲は強いようで、大台替えの多くは海外時間内で起
きています。
102円台半ばを抜くようだと、100-105円のレンジが定着し、100円台を
固める動きが加速する
と予想します。
- [2013/05/13 09:10]
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ドル円ついに100円突破
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は約4年1ヵ月振りに「100円台」に乗せる。
新規失業保険申請件数が市場予想を下回る約5年振りの低水準だった
ことで、FRBによる「出口戦略」が早まるとの見方がドル買いに繋がった。
ドル円は100円79銭まで上昇し、ほぼ高値圏で引ける。 - ユーロドルもドル買いユーロ売りに押され1.30台前後まで下落。
ドル全面高の展開の中、ユーロの下落幅は円ほどではなく、その結果ユーロ円は
131円台後半まで上昇。 - 株式相場は反落。失業保険申請件数の改善には反応せず、フィラデルフィア
連銀総裁の量的緩和縮小発言を材料に反落。 - 債券相場は大幅に下落。30年債入札の応札倍率が悪かったこともあり、
10年債利回りは約1ヵ月振りに1.81%台まで上昇。 - ドルが上昇したことから金、原油はともに反落。
- 新規失業保険申請件数 → 32.3万件
本日の注目イベント - 日 3月経常収支
- 日 3月貿易収支
- 日 4月景気ウォッチャー調査
- 中 中国4月マネーサプライ
- 独 独3月貿易収支
- 英 G7(英国)
- 米 バーナンキ・FRB議長講演
- 米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
- 加 カナダ4月失業率
これまでもこの欄で再三、「100円の壁は厚いが、いずれは突破する」
と述べてきましたが、ついにその日がやってきました。
昨日のNY市場では新規失業保険申請件数が市場予想より減少して
いたことを材料にドル買いが進み、ドル円は「100円の壁」を突破し、ス
トップロスのドル買いなどを巻き込み100円79銭まで上昇しました。
昨日の東京時間では99円台さえ重い展開で、取引の大半は98円台
で推移し、とても100円を突破する雰囲気ではありませんでした。
どちらかと言えば先週前半と同じように98円を試す展開で、株式相場
との相関性も薄れてきた状況でした。NYでは98円台後半から100円
台後半まで、ちょうど2円ほどドル高に持っていかれましたが、材料とい
えば失業保険申請件数の減少だけです。
むしろ、NY株式市場は反応せず、前日比下落して取引を終えています。
冷静に考えれば、ドル円を2円も持ちあげるほどの材料ではなかったの
ではないでしょうか。
「これが相場」といってしまえばその通りですが、やはり99円台は何度か
試しては押し戻されたことで、99台円半ばから100円では売り物もこな
れていた可能性はあります。事実NYからは、「100円はあっさり抜けた」
との声もあります。
同時に重要なテクニカル上のレジスタンスを抜けたことで、一気に買い
が膨らんだと見ることもできそうです。
チャートでは最後の砦である「月足」で、ローソク足は「120日線」でし
っかり止められ、さらにその上には「雲の上限」もあり、ここが抜けない
展開が続いていました。
また、「遅行スパン」も重要な移動平均線である「52日線」で上昇を抑
えられていました。
100円79銭まで上昇したことでこれらのレジスタンスポイントを抜けた
ことになります。
もっとも、「月足」であるため、今のところは「完全に上抜けした」とは言
い切れません。
今月末に100円台半ばを上回っていることで、「上抜けが完了」と見る
べきでしょう。
さて100円台を大きく抜けたドル円の今日の展開ですが、ドルが底堅
く推移すると予想します。4年1ヵ月振りの100円台ということで、ドル売
りも出るものと思われますが、市場の相場観は一気に「円先安」に傾い
てきたように思います。
101円前後が今日のポイントかと思いますが、今日は日経平均株価と
の相関度を強めるのではないでしょうか。
その日経平均は昨日3日振りに反落して取引を終えていますが、シカ
ゴ先物市場では大幅に反発しており、300-350円程度の上昇が見
込まれます。
株価の上昇を見て、ドル円が101円台に乗せることができるかどうかに
注目ですが、101円台に乗せることができれば100-105円という
「新たなレンジ」に入った可能性が高まります。
ロンドンでは今日から「G7」が開幕します。
先の「G20」でも特段円安批判が無かったことから、円の水準に対す
る言及はないと予想しますが、一方でその条件とも言うべき「経済成長」
を加速させることを求められることは十分考えられます。議題の中心は
欧州の景気浮揚だと思われます。本日のレンジは100円-101円30
銭程度と予想します。
- [2013/05/10 09:13]
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ユーロ、対ドル対円で続伸
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は引き続き99円を巡る攻防が続く。
特に重要な経済指標もなかった中、ユーロが対ドルで強含んだことで、
円にも買いが入り、一時98円台半ばまで円高が進む。その後は株価の上昇が
円の上昇を抑えた格好となり99円前後で引ける。 - ユーロドルは続伸。ドイツの鉱工業生産が予想を上回ったことからユーロが
上昇し、1.3194まで買われる。ユーロ円も130円台半ばまで続伸する場面も。 - 株価は続伸。特に買い材料はなかったが、量的緩和策が継続されるとの見方が
根強く、ダウは連日の高値更新で1万5100ドルに乗せて引ける。 - 債券相場は4日振りに反発。連日の下落で債券利回りが高水準となり、相場を支えた
との声も。 - 金、原油はともに大幅に上昇。ドルが主要通貨に対して売られたことが主因。
本日の注目イベント - 豪 豪4月雇用統計
- 日 3月景気動向指数(速報値)
- 日 4月マネタリーベース
- 中 中国4月消費者物価指数
- 中 中国4月生産者物価指数
- 欧 ECB月例報告
- 英 英3月鉱工業生産
- 英 BOE政策金利発表
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
ドル円は方向感のない展開が続き、99円台定着を目指す動きと、
再び98円、97円台まで押し戻す動きの攻防が続いています。
昨日の海外市場でもドル円は98円台半ばまで下落したものの、
98円50銭が抜けきれず反発しました。
世界的な株高がドル円の下値をサポートしている状況が続いています。
NYダウは1万5000ドルの大台に乗せた2日後には、
1万5100ドルに乗せて引けています。
日経平均も同様に1万4000円に乗せた後、連日で年初来高値を
更新しています。
欧州でも同様に、ドイツDAXは連日過去最高値を更新しており、
イギリスFTSE指数も昨日は5年半ぶりの高値を更新しました。
市場関係者の眼は「為替よりも株式」に集まっている状況です。
この背景は言うまでもなく金融緩和による「カネ余り」という
ことです。
先週のECBによる利下げに続いて、今週はRBAも利下げに
踏み切りました。
過剰流動性が利回りの高い株式に流れ込み株価を押し上げていますが、
一部には過熱感を指摘する声も出始めて来ました。
日本の株式市場も含めて、リスクを恐れて眠っていた安全志向の資金が
リスクを取り始めたとも言えます。
本来株価は景気が良くて、好業績を材料として上昇しますが、足元の
株価の上昇は「未来を先取り」しており、行き場のない資金が株式
市場に向かい株価を押し上げる、いわゆる「金融相場」の様相を
呈しています。
今週は日本企業の決算発表もピークを迎えています。
企業業績も「最高益更新」、あるいは「70%の増収増益」と
いった文字が躍っています。
「アベノミクス」で昨年11月から急速に円高修正の動きが強まり、
あっという間に99円台まで円安ドル高が進んだことが企業業績を
押し上げているのも事実です。
昨日はトヨタ自動車の決算発表が各メディアのトップニュースでしたが、
2014年度の予定レートは非常に保守的でした。
「100円の壁」が抜け切れないとはいえ、足元のレートは99円前後で
推移しています。今期のドル円レートを90円と見ており、ユーロ円は
120円でした。
長い間円高に苦しんできた経緯はありますが、さすがに保守的すぎるの
ではという印象を持ちました。
上述のように足元のドル円は株高に支えられている面も否定できません。
それは、株価が調整すれば円高に振れるというリスクもあるということです。
一方で日米欧の景気を観た場合、米国が「出口」に最も近い位置にいる
ことも事実です。
日本は4月に「異次元の金融緩和」に乗り出したばかりです。欧州は景気を
浮揚させるため、さらなる緩和策を検討している状況です。
日欧に比べ、一歩も二歩も出口に近付いている米国の優位性は変わりません。
長い目で見れば、緩和政策に終止符を打つ米国のドルが上昇するというのが
メインシナリオであることは維持されると思います。
米景気回復に強気な専門家は9月のFOMCでFRBが動く、と予想している
人もいるようです。
本日は10時半にオーストラリアの雇用統計が発表されます。
利下げ直後の重要指標であるため非常に注目されており、雇用者数が増加しているのか、
先月同様減少しているのかが分かれ目になります。
- [2013/05/09 10:05]
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ドル円99円を挟み一進一退
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は99円を挟み一進一退。アジア市場と同じような動きを見せ、
99円台半ばを超えられないものの、98円台後半ではサポートされ、99円
前後で取引を終える。 - ユーロドルはドイツの経済指標が好転したことを受け1.31台前半まで
買われたものの上値は重く、1.30台後半に押し戻される。ECBが景気刺激策を
講じるのではとの観測が上値を抑えた。 - 株価は大幅に反発。日本株が大幅に上昇したことに加え、欧州の主要株式市場も
上昇したことを好感。ダウは87ドル高で、引け値で初めて1万5000ドル台を確保。 - 債券相場は続落。3年債入札が振るわず株価も上昇したことから、売り物優勢の展開
となり、10年債利回りは1.78%まで上昇。 - 金は続落し1448ドルまで売られる。原油価格も小幅に反落。
- 3月消費者信用残高 → 79.7億ドル
本日の注目イベント - 中 中国4月貿易収支
- 独 独3月鉱工業生産
- 加 カナダ4月住宅着工件数
- 米 スタイン・FRB理事講演
昨日の東京市場では日経平均株価が大幅高を演じたにも関わらず、
ドル円はドル高への反応を見せませんでした。
為替と株価の相関がやや薄れてきた印象もありますが、98円台後半
まで円が買い戻された後は、株価の上昇を見ながらドルが買い戻さ
れた局面もありました。
考えてみれば、先週末のNYでは雇用統計直前まではドル円の上値
も重く、雇用統計の発表を受け97円台から99円台までドル高が進み、
東京市場には1週間ぶりに99円で帰って来たわけです。ドル売りが出
るのも、ある意味当然です。
そのため、株価が上昇してもドル円は99円台半ばが抜けなかったと理
解することもできます。依然として99円50銭から100円にかけてのゾー
ンにはドル売りが待ちかまえている模様です。
しかし、だからといって100円台には届かないということにはなりません。
大口のドル売りもいずれはこなれて来て、大台乗せがあるものと予想し
ていますが、それには材料も必要です。
今週は日米ともに大きな材料は見当たらないことから、大台乗せはお
預けとなりそうですが、市場参加者の「相場観」が円先安に傾けば、
一斉にドルを買って円を売り、ユーロを買って円を売る行動を取る場面も
あると見ています。
現在はそのような材料待ちの状況ですが、テクニカルでは98円22銭辺
りが最初のサポートで、先週のコメントと同様に96円32銭辺りを割りこむ
と、ドル円の上昇トレンドに変化が現れることから注意は必要です。
オーストラリア準備銀行(RBA)が昨日、政策金利を0.25%引き下げ
2.75%にしました。これは1960年の2.89%を下回り、過去最低水準
ということになります。
市場の大方の予想は「据え置き」だったわけですが、3月の失業率が悪
化し、3年振りの高水準でした。また製造業を中心に雇用者数も減少し
たことで利下げに踏み切ったものと思います。豪ドルは発表直後に対米
ドルで1.01台半ばまで下落し、3月以来2ヵ月振りの豪ドル安水準を付
けています。
それでも対米ドルで1.0(パリティー)を上回る水準が続いており、オー
ストラリア国内では豪ドル高による影響から製造業が苦戦をしていると
伝えられています。
利下げ後の声明文で、スティーブンス・RBA総裁は「経済の持続可能
な成長を促すためにはキャッシュレートのさらなる引き下げが適切だと
判断した」と述べています。
対円では依然として100円台は維持していますが、ドル円で円安が進
んでいる割には豪ドル円は上昇しません。
しばらくは上値の重い展開が続くと予想され、先週記録した99円25-
30銭を割りこむと下落に弾みがつく可能性があります。
それは「日足」の重要な「52日線」を下抜けすることになるからです。
今回の豪ドル円の上昇は昨年10月17日に「52日線」を上抜けしてか
ら始まっています。それ以来約7ヵ月の間、豪ドル円はこの線でサポー
トされており明確に下抜けしたことは一度もありません。
豪ドル円はこの「52日線」に沿って「バンドウォーク」してきたとも言え
ます。
明日9日には4月の雇用統計が発表されますが、利下げ直後の雇用
指標であるため非常に注目度が高いと見られ、仮に雇用者数が減少
しているようだと、追加利下げの思惑も出てきそうです。
因みに雇用者数は3月の3万6100人減少に対して、4月では1万1
000人の増加が見込まれています。
- [2013/05/08 09:09]
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ドル円99円台でもみ合い
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は東京、ロンドン両市場が休場のため小動き。
99円台前半から半ばで推移し、連休明けの東京市場の動きが注目される。 - ユーロドルは1.31台が徐々に重くなる展開。ドラギECB総裁は講演で
追加利下げと中銀預金金利のマイナスの可能性も示唆したことで、ユーロドルは
1.30台半ばまで下落。 - 株式市場はもみ合い。ダウは小幅に下落したものの、S&P500は再び
過去最高値を更新。 - 債券相場は続落。10年債利回りは1.76%と、3週間ぶりの水準に。
- 金は反発し、原油価格は3日続伸。
本日の注目イベント - 豪 豪3月貿易収支
- 豪 豪第1四半期住宅価格指数
- 豪 RBAキャッシュターゲット
- 米 3月消費者信用残高
- 米 米韓首脳会議(ワシントン)
東京市場とロンドン市場が休場のため大きな値動きはなかったものの、
ドル円は欧州の朝方とNY市場で99円45銭までドル高円安が進み、
先週末の雇用統計後にNY市場で記録した99円28銭を抜き、99円3
0-40銭で推移しています。
米雇用統計では雇用者数が2月まで遡って上方修正されたことで、米
景気の先行きに対する悲観論が後退し、ドルが対円、対ユーロなど主
要通貨で上昇しています。
その後ドル円は終始99円台で推移していますが、焦点は再び「100円
の壁」に挑むのかどうかです。今週は日米ともに重要な経済指標の発表
やイベントは見当たりません。そのため、この水準から積極的にドルを買
い円を売る材料には乏しい状況かと思います。
99円台半ば~100円にかけては前回と同様に「厚いドル売り」が控えて
いるものと予想されます。
仮に今回再び上記水準を試し上抜けできず、ドル売りに押されて97円
台まで押し戻される展開になると、やはり上値の重さだけが残り、95-
100円のレンジが長引くことになりそうです。個人的にはいずれ100円
を上抜けすると見ていますが、100円という水準が意識されているだけ
に、一筋縄では行かない状況が続いています。
ドル円が一段と上昇するには米景気の拡大が続き、本格的に金融緩和
政策の変更が議論されることが必要ですが、米経済指標の中にその兆
候が表れさえすれば、市場はすぐさま反応を見せることになり、100円は
それほど重要な水準でもなくなると予想します。
ただ、そうは言っても米経済指標の内容はまだら模様です。
日米欧の中では明らかに突出した経済成長力を見せてはいますが、世
界経済をけん引するほどではありません。また、「異次元の金融緩和」を
実施した日銀に対しても期待感がややしぼみ、むしろその副作用につい
ての議論も活発になってきました。
米国からドルを買う材料、あるいは日本から円を売る材料が出てくるには
時間がかかりそうです。
100円を試す場面もあるかもしれませんが、しばらくは100円台を上限に
もみ合いが続く可能性が高いと思われます。
そんな中でも、やや期待がもてるのが世界的な株価の上昇です。
昨日のNYダウは小幅に反落しましたが、先週末には一時的に1万500
0ドルの大台まで上昇する場面がありました。S&P500は小幅に上昇し、
過去最高値を更新しています。
また、ドイツDAXはECBの政策金利引き下げを好感して過去最高値を
更新しています。
本日の日経平均株価も1万4000円の大台乗せが見られる可能性が高
いと思われ、世界的な株高が「リスクオン」に繋がり、投資家はよりリスクの
高い商品、金利の高い通貨に対する投資を増やそうとします。
その結果、低金利の円が売られることになり、円安が進み易い状況になる
のではないかと予想します。株価の行方にも注視する必要があります、
ユーロドルが明確な方向感を見せない中、上値が徐々に重くなってきた
印象があります。
ECBのドラギ総裁は昨日も講演で「再利下げの可能性」と「中銀預金のマ
イナス金利」について触れていました。これまで最大の懸案事項であった
「債務危機問題」はイタリアやスペインの長期金利を見る限り「収束に向
かっている」と思われます。
今後はマイナス成長が続く景気をどのように浮揚させるかが最大の懸案
事項で、そのために先週0.25%の利下げに踏み切った訳です。
「1時間足」を見ると、5月2日に付けた1.3218を頂点とする下落トレンド
と、5月3日を底値とする上昇トレンドに挟まれ「三角保ち合い」(さんかく
もちあい)を形成してのが見て取れます。「1時間足」のMACDも「ゼロの
軸」を下回っていることから、「三角保ち合い」の下限である1.3050辺りを
割り込んだら、下落する可能性が高いのではないかと思われます。
もっとも、1.30台割れの水準は何度も押し戻されているため、本格的な
下落は1.30を明確に割り込む必要があります。
- [2013/05/07 09:08]
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雇用統計を受けドル円再び99円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米4月の雇用統計が市場予想を上回り、さらに3月、2月分も
雇用者数が上方修正されたことから、ドル円は大幅に上昇し、一時99円
28銭まで買われる。前日までの米景気に対する悲観論が大きく後退。 - ユーロドルも雇用統計発表直後はドル高に押され1.30台前半まで
下落したが、緩和政策は当面継続されるとの見方から反発し1.3160
まで急伸。 - 株式市場は雇用統計の結果を好感し大幅に続伸。ダウは一時初めて
1万5000ドルの大台に乗せた後、1万4973ドルで引ける。
失業率が4年振りの低水準に下げたことが買い材料に。 - 雇用の改善と株価の大幅高から安全資産の債券は大きく売られる。
10年債利回りは約3週間ぶりに1.74%台まで上昇。 - 金は反落し、原油は続伸。
- 4月失業率 → 7.5%
- 4月非農業部門雇用者数 → 16.5万人
- 4月ISM非製造業景況感指数 → 53.1
本日の注目イベント - 豪 豪3月小売売上高
- 欧 ユーロ圏3月小売売上高
- 英 ロンドン市場休場(アーリー・バンクホリデー)
- 加 カナダ3月住宅建設許可件数
4月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が市場予想を上回
ったことで、前日までやや悲観的な見方が支配的だった米景気
の先行きを見直す動きが出てきました。
先週末のこの欄でも3月分が上方修正される可能性もあると書き
ましたが、3月分は8.8万人の増加から、13.8万人に大幅に修
正され、さらに2月分についても26.8万人から33.2万人に上方
修正され、30万人の大台に乗せています。
これで今年に入って4ヵ月間の平均増加数は18.8万人と、FRB
が目指す20万人には届きませんが、決して悲観するような数字で
はありりません。
むしろ、昨年後半から改善傾向を示してきた労働市場は依然とし
て順調に回復しているという印象です。先週まで市場に漂っていた
「量的緩和の縮小、あるいは解除は遠のいた」といった見方がやや
後退したと見ることができそうです。
先週のFOMC声明文では「経済状況によっては量的緩和の拡大」
もあり得るとの文言が挿入されましたが、確かに、今回の雇用者増で
もすぐに量的緩和の縮小には結びつかないと考えられます。
FRBは、雇用者数が数ヵ月続けて20万人を上回ることと、失業率が
6.5%以下であることを「数値目標」に掲げています。
そのため、雇用者数はかなり目標に近づいてはいますが、失業率は
4年振りの改善を見せたとはいえまだ「1%」も高いのは事実で、改善
余地はあります。
一方で、米失業率が目標の6.5%を下回るには米国景気の拡大だ
けではなく、欧州の景気回復あるいは、中国の景気拡大が不可欠で
す。
その意味ではFRBによる「量的緩和の縮小」はまだまだ先の話で、
早くとも今年の秋以降ではないかと予想しています。
雇用統計の結果を受け、ドル円は再び99円台を回復しています。
先週までは何度も「100円突破」を試しましたが、「100円の壁」を前
に押し戻され、一時96円99銭まで円の買い戻しが進みました。
本欄では再三、一目均衡表の「基準線」がある、96円25銭を割り込
まない限り「円安ドル高」の流れに変化はないと
述べて来ましたが、今週は99円台のどこまでドル高が進むのか注目
されます。
再び上値を試す展開を予想しますが、すぐに100円に乗せるとも思え
ません。
100円を試すには雇用以外の米経済指標の改善が必要です。
今回の雇用統計は好調でしたが、3月からの米国経済指標全般を
見る限り強弱まちまちです。
これらが今年の初めのように明確な改善傾向を示さない限り、100円
台に乗せて、定着することは考えにくいと思われます。
それでも、ドル円を取り巻く環境は悪くはありません。
NYダウは一時1万5000ドル台に乗せる場面があり、独DAXも過去
最高値を更新しています。シカゴの日経平均先物は1万4100円台
に乗せており、明日GW明けの東京株式市場は大幅高で始まりそうです。
株高は「リスクオン」に繋がり、ドル円の下落をサポートすることになります。
米経済指標の改善に加え、世界的な株高が一段と進めば、この部分か
らの円安の進行もあるかもしれません。
- [2013/05/06 09:30]
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ユーロ上値を試すが重い展開
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はADP雇用者数など、米経済指標が悪化していたことで97円割れを試したが、
前日同様97円近辺では跳ね返され、97円ちょうどから97円半ばでの狭いレンジ内で推移。
FOMC声明文では予想通り政策変更が無かったため影響は見られず、明日の雇用統計待ち。 - ユーロドルは続伸し約2週間ぶりに1.32台に乗せる。本日の理事会でECBが
利下げに踏み切り、ユーロ圏の景気浮揚に繋がると観測が根強かった。 - 株式市場は大幅に反落。重要な経済指標がともに冴えなかったことでダウは138ドル安。
- 債券相場は続伸。FOMC声明文では政策変更が無かったことや、経済指標の悪化を受け債券への
需要が高まった。10年債利回りは1.63%台と、年初来最低水準まで低下。 - 米景気の減速観測が高まったことこから原油、金は大幅に反落。
- 4月ADP雇用者数 → 11.9万人
- 4月ISM製造業景況指数 → 50.7
本日の注目イベント - 豪 豪3月住宅建設許可件数
- 日 4月マネタリーベース
- 中 中国4月HSBC製造業PMI(改定値)
- 独 独4月製造業PMI(確報値)
- 欧 ユーロ圏4月製造業PMI(確報値)
- 欧 ECB政策委員会
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 3月貿易収支
- 加 カナダ3月貿易収支
ADP雇用者数は市場予想に届かず、さらにISM製造業景況指数は
予想とほぼ同じだったことから、ドル円は97円前後まで売られ、上値の
重い展開が続いています。
ただし、見方を変えれば前日同様に、97円前後で下落が止められて
いることから、この水準がサポートと見られないこともありません。
足元のドル円の動きは、基本的には米経済指標がこれまでとは異なり、
「強弱まだら模様」になってきたことが反映されています。
そのため「出口戦略」がやや遠のいて来たことが「ドル売り円買い」を誘
発しており、米長期金利の低下傾向もそれを後押しする格好になってい
ます。
それでも昨日のNYダウが大幅に下落した割りには、ドル円が97円台を
維持していることにやや驚きもあります。
株価の下げを考えると96円台でも違和感がないように思います。
FOMC声明文では、事前予想通り政策変更はなく、毎月850億ドルの
債券購入を継続していく方針を明らかにしています。
今回の声明文で注目されることは、「経済状況に応じて、購入規模を拡
大あるいは縮小する用意がある」ということに言及していることです。
この微妙な言い回しはこれまでには見られなかった変化です。
FOMCでは米景気回復を基調とする流れから「出口戦略」が議論され、
量的緩和の縮小あるいは、解除が
議論のメインテーマだったわけですが、今回の声明文で初めて「拡大」
の文言が挿入されました。
これは市場の楽観論をけん制する意味もありますが、先月発表された
「3月の雇用統計」が予想から大きく下振れしたことを意識した内容とも
受け止められます。
また、上述のようにその後の経済指標も思ったほどの伸びを見せず、足
元では明らかに回復基調にブレイキがかかってきた事を示しています。
そのため「経済状況によっては」量的緩和を拡大する可能性もあるとの
文言が、敢えて加えられたと考えられます。
こうなるとやはり重要なのは明日の「4月の雇用統計」と来月のそれです。
仮にこの2ヵ月が10万人前後の内容だと、昨年と同じ道を歩むことになり
「量的緩和の拡大」が現実味を帯びてきます。
因みに昨年は夏場まで雇用が拡大せず、バーナンキ議長をして「苛立
つほど雇用の拡大が遅い」と言わしめています。そして9月に「QE3」に
踏み切ったことは記憶に新しいところです。
明日の雇用統計は開けてみなければ解りませんが、恐らく3月分も修正
してくるものと予想します。
4月分の数字だけではなく、3月分がどのように修正されるのかも意識し
ておく必要があると思います。
NYダウが138ドルを超える大幅下落を見せました。
昨日からちょうど5月が始まりその初日に大幅に下落したことから、いや
が上にも「Sell in May」が意識されます。
NY株式市場はここ3年間、4月に高値を記録し、秋口に安値を付けて
来ました。
そのため、高値を付けた直後である「5月に売れ」という言い回しが定着
してきました。
NYダウが下落すれば、たとえ「異次元の金融緩和」に沸いている日本
の株式市場も悪影響を避けられません。
株高はリスク許容度が高まり投資家は、よりリスクの高い商品、あるいは
通貨への投資を増やしますが、株価が下落すればその逆の行動を取り、
円など低金利の通貨が買われ「円高要因」となります。
5月に入って株式市場が下落基調を強めるのかどうかは、米経済指標の
結果と同じように外すことのできない注目材料です。
GW後半の初日に雇用統計が発表され、来週月曜日も東京市場は休
みです。
ポジションと資金管理には十分注意してください。
- [2013/05/02 09:10]
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ECB利下げ観測でユーロ上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は一部経済指標の悪化と、ユーロが対ドルで上昇したことに連れて下落し、
一時96円99銭を記録。FOMCでは現行の緩和政策が維持されるとの見方が拡大し、
米長期金利が低下したことも円買いに繋がる。 - ユーロドルは1.30台半ばから急伸。ECBが明日の政策委員会で利下げに踏み切る
との観測が強まり、ユーロ圏景気浮揚に繋がるとの見方からユーロ買いドル売りが加速し、
1.31台後半までユーロ高が進む。 - 株式市場は4日続伸。消費者信頼感の伸びを好感しダウは21ドル高。S&P500は
過去最高値を更新し、1597ポイントで引ける。 - 債券相場はシカゴ購買部指数を受け、年初来最低となる1.64%台まで価格は上昇。
量的緩和策は当分継続されるといった見方が優勢となり債券相場は強含んだが、
その後は売られ、長期金利は1.67%台まで上昇して取引を終える。 - 金は5日続伸。原油価格は反落。
- 2月ケースシラー住宅価格指数 → +9.32%
- 4月シカゴ購買部協会景気指数 → 49.0
- 4月消費者信頼感指数 → 68.1
本日の注目イベント - 中 中国4月製造業PMI
- 英 英4月製造業PMI
- 米 4月ADP雇用者数
- 米 FOMC
- 米 4月ISM製造業景況指数
- 米 4月新車販売台数
ドル円は一瞬ですが97円台を割り込む場面があったようです。
ユーロが対ドルで上昇したことに連れ、ドル円でも「ドル売り円買い」
が勝った展開でした。
ユーロドルは1.3186まで買われ、ECBが利下げに踏み切った場合
には「ユーロ圏の景気浮揚にプラス」といった見方が強まったことが背
景でした。
本来利下げは当該通貨の下落を意味しますが、ECBは利下げ以外
にも行動を起こすのではないかとの見方も浮上し、ユーロ買いに繋が
っています。確かに昨日発表されたユーロ圏3月の失業率は12.1%と、
過去最悪の結果でした。
ユーロ圏の景気を刺激するためECBは利下げを行い、さらにドイツなど
比較的体力のある国には財政出動を促すことも考えられ、これがユーロ
買いに結びついたようです。
また、イタリアでは約2ヵ月振りにレッタ政権が発足し、寄り合い所帯で
あるため政権を安定的に維持するのが難しいとの見方があるものの、
市場はひとまず歓迎し、イタリアの長期金利は4%を割り込んでいます。
これれらが重なりユーロを押し上げましたが、対ドルでは1.32には届
いていません。2週間前にも1.32近辺まで上昇した後押し戻されてお
り、この水準を完全に抜けるようだとユーロ高に弾みがつく可能性がある
ので注意が必要です。
それにしても「財政危機」が叫ばれ「欧州危機はまだ終わっていない」と
も言われ、「高失業率とマイナス成長」が続く中、ユーロは思いのほか下
げません。
昨年7月には1.20台半ばまで対ドルで売られ、対円では94円台まで
ユーロ安が進みましたが、既に対ドルでは1200ポイント、対円では35
円も上昇しています。
ユーロの上値は重いと言われる中での上昇は、市場参加者にとってユ
ーロ取り引きの難しさを教えているように思いますがこの間ECBが実際
に行ったことはほとんどありません。
ドラギ総裁の「ユーロを守るためには何でもする」といった発言が全てで、
正に「ドラギマジック」と言うことができます。
FOMCの声明文が今夜発表されますが、市場のコンセンサスは「現行
政策の継続」で一致しています。米経済指標は強弱まちまちで、昨日
も消費者信頼感指数は市場予想を超えていましたが、シカゴ購買部協
会景気指数は「節目の50」を割り込んでいます。
少なくとも3月まで順調に回復基調を見せて来た米景気に力強さは見
られません。
「労働市場の回復が本物であるため、再び明るい経済指標が出て来る」
といった楽観論もありますが、FRBが出口戦略を議論する状況ではなく
なったように思います。
楽観論者が指摘するように、今後景気を拡大を示す経済指標が多く出
てくるには時間が必要と思われます。
FRBは2015年中ごろまでには量的緩和を解除できるとしていますが、
専門家の多くはその時期は早まると見ています。
早ければ2013年末には行動を起こすといった見方もありますが、それ
はバーナンキ議長の任期が2014年1月である
こととも無関係ではないようです。
「2014年には量的緩和策の縮小または解除」といった見方がメインシ
ナリオですが、その時期が早まるのかどうか春から夏場の経済指標が
極めて重要になって来ます。
- [2013/05/01 09:22]
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