NY株続伸でドル円98円台を維持
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米経済指標が好調なことと、日米欧の株式市場が落ち着きを取り戻した
ことからドル円は上昇。一時98円57銭までドル高が進む。 - ユーロドルは1.30台前半から半ばで一進一退。上値は重いものの、
1.30割れではユーロに対する需要も確認され底固いとの声も。 - 株式市場は3日続伸。ダドリーNY連銀総裁などが、経済成長のペースが
予想を下回った場合には、資産購入プログラムの延長もあり得ると発言したことで
「緩和縮小観測」が後退。ダウは114ドル上昇し、1万5000ドル台を回復。 - 株高や、FOMCメンバーの発言を材料に債券相場は続伸。10年債利回りは
2.47%台まで低下し、市場の落ち着きを反映。 - 金は続落し1211ドルに。原油は大幅に続伸し97ドル台に乗せる。
- 新規失業保険申請件数 → 34.6万件
- 5月個人所得 → +0.5%
- 5月個人支出 → +0.3%
- 5月PCE・コアデフレーター → +1.0%
- 5月中古住宅販売成約指数 → +6.7%
本日の注目イベント - 日 5月失業率
- 日 5月消費者物価指数
- 日 5月鉱工業生産
- 独 独6月消費者物価指数(速報値)
- 米 6月シカゴ購買部協会景気指数
- 米 6月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)
- 米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
- 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
- 米 ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演
- 加 カナダ4月GDP
先週19日に行われたバーナンキ議長の「年後半にも金融緩和を縮小
することが適切」発言で、金融市場は大混乱を見せましたが、FOMC
メンバーがその火消しに躍起になっています。
昨日はダドリーNY連総裁やロックハート・アトランタ連銀総裁が行き過
ぎた緩和観測を牽制する発言を繰り返しました。
「労働市場の状況と経済成長の勢いがFOMCの予想より良くない場合、
そうした状況は近年見られたが、資産購入ペースを速めた形でより長期
間継続されると見ている」と述べています。
また、ロックハート総裁も「個人的な見解では議長の発言は金融政策に
大きな変化をもたらすものではなく、極めて低水準にある政策金利は資
産購入終了後もしばらくの間維持されると考えている」と発言しています。
いずれも過度に反応した市場を落ち着かせようとの意図を持って発言し
たと思われますが、年内の「金融緩和縮小」は既に既定路線であるものの、
労働市場の行方次第では延長される可能性があることも事実のようです。
9月のFOMCまでには来週末の雇用統計を含めて、あと3回雇用の状況
を確認できます。
その結果が今後の金融政策に大きな影響を与えることになるだけに、これ
まで以上に注目度の高い指標になります。
上記要人2人の発言もあってNY株式市場は落ち着きを取り戻しています。
ダウは3日連続で100ドルを超す上昇を見せ、引け値でも約10日振りに1
万5000ドルの大台を回復しました。
また、株式市場が堅調に推移したことで、債券市場でも買い物が優勢とな
り、急騰を続けていた米長期金利は低下傾向(価格上昇)を見せています。
急激な長期金利の上昇は住宅ローン金利などの上昇にもつながり、順調
に回復している住宅市場にブレイキをかけることにもなりかねません。
ただ、各市場がこのまますぐに「バーナンキショック」以前の状況に戻るか
どうかは予断を許しません。
ドル円は昨日の午後3時過ぎに98円台に乗せたことで、昨日もこの欄で
指摘した「1時間足」の「雲」を完全に上抜けしました。
「日足」を見ても「雲の下限」で何度も押し戻されていたローソク足が現在
上昇中です。
この「雲」には比較的厚みがあることがやや気にはなりますが、目先のタ
ーゲットは「8時間足」の200日線がある98円88銭です。
この水準は今回の10円ほどの下落の「半値戻し」に近いこともあり、意識
され易い水準と言えます。
焦点は上記水準を抜け、99円台に乗せられるかどうかです。
99円台は6月11日以来見ていません。
下値への下落リスクが後退し、95-100円のレンジが定着してくれば99
円台示現のチャンスがあると思われます。
本日も「円安とNY株高」を受けて東京時間でも上値を試す可能性があり
ます。
これまで通り株価の行方には注意が必要です。
ドル円のボラティリティーはやや低下傾向ですが、依然として高止まりし
ていることから、まだ上下に振れやすい相場展開が続きそうです。
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- [2013/06/28 09:16]
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ユーロドル一時1.30台を割り込む
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は98円台では上値が重いものの、底堅い動きが続き
終始97円台でもみ合う。米長期金利の低下でドル売りが優勢だった
ものの、株高から「リスクオフ」がやや後退し、97円台後半で引ける。 - ユーロドルは約1ヵ月振りに1.30台を割り込む。ドラギECB総裁
が緩和を継続すると述べたことが材料視された。 - 株式市場は大幅に続伸。第1四半期GDPが下方修正されたことで緩和が
継続されるとの見方が株価を押し上げた。ダウは149ドル高で
1万4900ドル台を回復。 - 債券相場は8日振りに反発。1-3月のGDP下方修正を受け買い戻しが
入り、長期金利は2.54%台まで低下。 - 金は大幅安。緩和縮小観測の中、ドル高が進んでいることが嫌気され前日比
45ドル安と、2010年8月以来となる1229ドル台で引ける。
一方原油価格は3日続伸。
本日の注目イベント - 中 中国5月工業利益
- 独 独6月雇用統計
- 欧 EU首脳会議
- 欧 ユーロ圏景況感指数(速報値)
- 英 英1-3月GDP(確報値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 5月個人所得
- 米 5月個人支出
- 米 5月PCE・コアデフレーター
- 米 5月中古住宅販売成約指数
- 米 パウエル・FRB理事講演
- 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
98円台に乗せると押し戻され、なかなか98円台が定着しないドル円
ですが、昨日はGDP改定値以外には材料もなく、方向感を欠く動き
に終始しました。
ユーロドルが1.30台を割り込み、全体的にはドル高に推移したため
ドル円も97円台ではあるものの98円に近い水準で取引されています。
材料はなかったものの、要人発言が幾つかあります。
リッチモンド連銀のラッカー総裁は「資産購入の縮小とはバランスシ
ートの増加ペースを鈍化させることにすぎない」と述べ、「まだバラン
スシートの縮小には程遠い」と指摘し、FRBが債券保有の縮小に近
づいてはいないとの認識を示しました。
また、ドラギECB総裁はユーロ圏の経済成長を支えるために行動する
用意があると改めて表明し、金融政策についても、「予見可能な将来
において緩和的にとどまる」との見方も示し、ユーロドル下落の一因に
なっています。さらにアスムセンECB理事も同様に「緩和的な政策が
維持される」と発言しています。
量的緩和縮小のタイミングを模索している米国と、依然緩和的な政策を
継続せざるを得ない日欧との差がドル高円安、あるいはドル高ユーロ安
につながっているわけですが、市場が「出口」を想定以上に意識し始め
たことで金融市場が混乱しています。
そのため、先週のFOMC以降はメンバーの多くが過熱気味の緩和観測
をクールダウンさせるような発言を繰り返しているように思えます。
米経済誌「バロンズ」は市場の混乱を「薬の効き目が強ければ強いほど、
また、その使用期間が長ければ長いほど、薬をやめた時に起きる禁断症
状は激しくなる」との記事を載せ、足元の混乱は正常化への通過点である
と結論づけています。
さすがに今週に入り、NY株式市場も徐々に「禁断症状」が治まる気配を
見せており、急騰を続けている米長期金利も一服となっています。
従って為替市場のボラティリティーも今後は低下し、徐々に落ち着きを見
せると思われます。
ドル円は相変わらず「雲」の下限(日足)に頭を抑えられている格好ですが、
「1時間足」でも「雲」の上限を何度かトライし、このレベルを抜けることがで
きるかどうかが試されている状態です。
この「1時間足」の「雲」を上抜けするには、97円90銭を超える必要があります。
先ずはここをクリアし、さらに98円台を回復し定着するような動きを見せれば
、このところ続いている「レンジ」を上抜けできますが、それには株価の上昇と
いう支援材料も必要です。
NY株式市場が昨日は大幅に連騰しました。
この動きを好感して日経平均株価も持ち直して来ると予想されます。
それでも上記シナリオ通りの展開にはまだ早いようにも思えます。
本日の予想レンジは97円20銭~98円30銭程度と見ています。
- [2013/06/27 09:06]
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米金利上昇でドル円98円台回復
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 欧州市場で一時97円を割り込んだドル円は、耐久財受注や消費者信頼感
など、発表された経済指標が好調だったことから98円03銭までドルが
買われる。米長期金利が一段と上昇したこともドル買いをサポート。 - ユーロドルもドル高の流れから下落。1.31台半ばまでは上昇するものの
上値は重く、1.30台半ばまで下落後、やや反発し1.3080-85で引ける。 - 株式市場は反発。多くの経済指標が市場予想を上回ったことを好感し、ダウは
100ドル高。徐々に米「緩和縮小」を織り込む動きに。 - 債券相場は7日続落。好調な経済指標が「出口戦略」に近づくとの見方から
債券価格は下落し金利は上昇。 - 金は続落し、原油は続伸。
- 4月ケースシラー住宅価格指数 → +12.05%
- 4月FHFA住宅価格指数 → +0.7%
- 6月消費者信頼感 → 81.4
- 5月新築住宅販売件数 → +2.1%
- 6月リッチモンド連銀製造業指数 → 8
本日の注目イベント - 独 独7月GFK消費者信頼感調査
- 欧 アスムセン・ECB理事講演
- 欧 メルシェ・ECB理事講演
- 米 1-3月GDP(確報値)
- 米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 米 フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
- 米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
米国10年債がさらに下落し、長期金利は2011年以来となる2.61%
台まで上昇しました。この日発表された多くの経済指標がほぼ市場予
想を上回り、「緩和縮小」がより意識されたことが背景ですが、
これまで同じ歩調を見せて来た株式市場は上昇しています。
「量的緩和縮小」が株安、債券安を引きおこしてきましたが、株式市場
が徐々に「出口」を織り込み始めて来たと、考えられるかもしれません。
それにしても米経済指標は好調です。
特にケースシラー住宅価格指数は前年同月比12.05%と、好調だっ
た3月に比べても一段と上昇しています。住宅市場の活況が価格上昇
につながり、個人消費の拡大に貢献していると予想されます。
FRBが景気の先行きに自信を持つ理由も解るような気がします。
米経済指標の改善と長期金利の上昇がドル円を押し上げ、昨日は一
時96円台後半まで下落したドル円は98円台まで反発しました。
早朝のオセアニア市場でも98円24銭までドル高円安が進行していま
す。ドル円は米長期金利の動きに素直に反応している状況です。
FRBが「量的緩和縮小」のタイミングを模索していることと、米長期金
利が上昇し、日米金利差が拡大していることでドル円が再び93円台
まで下落するリスクは徐々に後退しているものと思われますが、一方
で上値も98円~98円80銭辺りを抜け切れずに重い展開が続いて
います。
ドル円は先月後半から今月半ばにかけて、103円台後半から約10
円も下落したわけですが、予約を取り損ねた実需筋は今回の上昇
局面では確実にドル売りを実行しているものと思われ、これがドルの
上値を抑えていると考えられます。
また個人投資家も、103円台後半から下落する局面では、ドルが
大きく下げるとは予想しておらず、買い下がった人も多くいます。
これらの「しこり玉」もドルの戻りを重くしているようです。
さらにテクニカルでも重要な値位置にいることが解ります。
「日足」の一目均衡表を見ると、「雲の下限」が98円台前半にあり、
これがドルの上昇を抑えているのが見て取れます。
しかもこの動きは先週後半から続いており、「雲の厚さ」を確認すると、
そこそこの厚さであることからドル上昇も限定的と予想され、「ドルを売
りたい」衝動にも駆られます。
しかもこの雲(先行スパン1と2)はこれまでのドル下落の影響を受け
「ねじれ」を起こしており、まだ解消はされていません。
「遅行スパン」も依然としてローソク足の下に位置していることから、
さらなる「日柄」が必要かと思われます。
ただし、「8時間足」までの比較的短い足ではすでに「遅行スパン」は
好転しており、「転換線」も「基準線」を上回っています。
このことから、93円台を底値に徐々に上昇に向かっているいることが
理解できますが、99円台に乗せることが出来るかどうか、
そして99円台を維持できれば100円台を再びトライする準備が完了
するのではないかと予想しています。そうは言っても、今週はそれ程
重要なイベントはありません。
100円台を試すにはそれなりの材料が必要です。
そう考えると、やはり来週の「6月の雇用統計」まではレンジ相場が続
くと見ておく方がいいかもしれません。
それでも神経質な相場展開は続いているため、大きな値動きが無い
とは言えません。引き続き海外市場の値動きには注意が必要です。
本日の予想レンジはやや上値を考慮しつつ、97円30銭~98円70
銭と見ています。
- [2013/06/26 09:11]
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米長期金利一時2.66%台まで上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は世界的な株安の影響から円が強含みで推移したものの、
米長期金利の高止まりからドルも底堅く、97円台半ばを挟んでもみ合い。 - ユーロドルは1.31台を割り込んだがすぐに反発。1.31台前半で
取引を終える。 - アジア市場の株安に反応し、ダウは朝方には200ドルを超える下げを見せたが
その後は下げ幅を縮小し、先週末比139ドル安で引ける。 - 債券相場は続落する場面もあり、10年債利回りも2.66%台まで上昇。
ただその後は地区連銀総裁の「市場は反応し過ぎている」との発言もあり、
先週末とほぼ同水準で引ける。 - 金は反落、原油価格は4日振りに反発。
本日の注目イベント - 欧 クーレ・ECB理事講演
- 米 5月耐久財受注
- 米 4月ケースシラー住宅価格指数
- 米 4月FHFA住宅価格指数
- 米 6月消費者信頼感
- 米 5月新築住宅販売件数
- 米 6月リッチモンド連銀製造業指数
昨日の昼過ぎ、ドル円は98円70銭まで上昇し、FOMC後のドル高値を
付ける場面がありました。ただ、その後は上海株式市場の急落から、日
経平均株価も連れ安し、ドル円も徐々に上値が重くなり欧州市場では
すぐに97円台まで押し下げられました。米「金融緩和縮小」という好材料
にドル円は戻り基調でしたが、まだ100円を目指す展開ではないようです。
NY市場でも株安に引っ張られる形で97円前半までドル安円高が進みま
したが、米長期金利が高止まりしていることもあり、97円台後半まで値を戻
して引けています。
NY市場ではダウが一時240ドルも下げる場面があるなど、依然として先
週のFOMCおよびバーナンキ議長の会見内容を引きづっており、株式、
債券市場はともに不安定な状態が続いています。
「タカ派」の代表でもあるダラス連銀のフィッシャー総裁は昨日ロンドンで
講演を行い「われわれがここで語っていることは元に戻すということだ。
『出口』という言葉はこの場合適切ではない」と述べています。
一方、「ハト派」のコチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁は「量的緩和終了
後も金融政策はかなりの期間緩和的であり続けることをFOMC声明文
で強調する必要がある」と語っています。
FRBは早ければこの9月にも「量的緩和縮小」に動きだす可能性があり
ますが、それには労働市場の安定的な改善が条件になっており、このま
ま順調に失業率が6.5%まで低下し、雇用者数も20万人が維持できる
かどうかは不透明です。
米雇用統計はある意味「大きくぶれる」ことでも有名です。そのため今後
も雇用統計の結果に失望し、
「資産購入の縮小が先延ばしになる」といった見方が高まる場面もありそ
うです。
そしてその結果ドルが再び売られたりすることで、一喜一憂することにもな
りそうです。
米10年債が下落基調に入っており昨日は一時、2011年9月以来となる
2.66%台まで上昇しました。
5月1日の長期債利回りが1.63%だったことを考えると、わずか2ヵ月弱で
1%も金利が上昇(価格が下落)したことになり、スピードが早すぎると言
えます。
フィッシャー総裁も「投資家は金融当局による資産購入縮小の計画に
過度に反応すべきではない」との見解を示しており、この発言が昨日は
長期債の安定につながっていました。
いずれにしても市場の混乱はまだ続きそうです。
当然日本だけが「蚊帳の外」ということはありません。
株式市場や債券市場が大きな影響を受け、ドル円でも円が買い戻され
る場面もありそうです。
利益は確実に決済し、ポジションは取り過ぎないように注意することが
必要です。
本日の予想レンジは、96円70銭-97円90銭程度を見ています。
- [2013/06/25 08:59]
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ドル円都議選の結果受け98円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は米長期金利の上昇を背景にドル高円安が優勢となり、98円
手前までドルが買われる。この日は米株式市場がひとまず下げ止まったことも
円売りにつながった。 - ドルが買われたことでユーロドルは下落。1.32台から一時は
1.31を割り込み、約2週間ぶりの安値を記録。 - 株式市場は反発。連日大幅な下げが続いたことから自立反発。
ダウは41ドル高の1万4800ドル目前で引ける。 - 債券は下落が止まらず。価格は5営業日続落となり、10年債利回りは
一段と上昇し、2.5%台で引ける。 - 金は小幅に反発。原油価格は3日続落し93ドル台に。
本日の注目イベント - 独 独6月ifo景況感指数
- 米 フィッシャー・ダラス連銀総裁講演(ロンドン)
先週バーナンキ議長が「金融緩和縮小」の年内開始の可能性に言及
して以来、米債券価格の下落が止まりません。先週末は急落していた
株式市場がひとまず反転し、やや落ち着きを取り戻したような状況でし
たが、債券市場では依然として「出口ショック」を引ずっているようです。
米10年債は一段と売られ、利回りも2年振りとなる2.54%台まで上昇
しました。
日本の長期金利がやや安定感を見せ始めていることから、米長期金利
の上昇は「日米金利差拡大」につながり、「ドル高円安」要因になります。
今朝のオセアニア市場でもNYの引け値からさらに「ドル高円安」が進み、
98円台前半で推移しています。昨日行われた都議選で自民党が圧勝
したことで、来月行われる衆院選でも同様な結果になるとの見方が広が
り、「安倍政権の安定」あるいは「政策実現の可能性が高まる」といった
連想が働き、市場はドル買いで反応しています。
今回の都議選での自民党勝利はある程度予想されていましたが、公
明党も含めて「全員当選」という結果にはやや驚きです。
同時に民主党の凋落も決定的で、第一党から第四党に甘んじたことも
驚きでした。
この結果、7月の参院選でも自民党の優位は変わらず、「国会のねじ
れ」が解消される可能性が高まったと言えます。「アベノミクス」にとっ
てもより政権運営がやり易くなり、長期政権につながると言った見方も
あるようです。
重要なのはこの状態でさらに「成長戦略」を大胆に推し進めることです。
既に発表されている内容を見ると、「参院選」を意識してか、期待され
た程の内容にはなっていません。
参院選後の政策運営こそ、世界中が注目している点で、そこからが
「アベノミクス」の真価が問われると言っても過言ではありません。
2013年前半は、「アベノミクス」期待感で始まり、その期待感がやや
しぼんだ状況で終えそうです。
年後半の「実績」が為替と株式に大きな影響を与えることは言うまで
もありません。
98円台に乗せたドル円は、今朝8時前には一時98円51銭まで上昇
し、先週のFOMC後の水準を上抜けしています。
ここは「4時間足」の120日線が上昇を抑えていた水準で、これで上
抜けを完了し、次のターゲットは「日足」の「基準線」がある98円76銭
前後です。
ここを抜けば、「日足」でローソク足が「基準線」を上回ることになり、そ
の後の「転換線」の上抜けにもつながり「逆転」が期待できることになり
ます。
すぐに100円台を試す展開ではありませんが、日米の「景気」、「金融
緩和」に対する政策の差は歴然です。あとは、米株式市場が「金融緩
和縮小」という材料を消化してくれるかどうかです。
「金融緩和縮小」は、米経済が成長していることの裏返しで、正常な
金融政策に戻る第一歩であることを株式市場が「認識」してくれること
が重要です。
都議選の結果を受け市場はドル買いに傾いていますが、本日は株式
市場も好感すると見られるため、日経平均株価も上昇が期待できます。
上値のメドを98円80銭程度と予想しますが、98円台を維持して欧州
市場を迎える展開になると、徐々に下値を固めてくるかもしれません。
予想レンジは97円60銭ー98円80銭と見ています。
- [2013/06/24 09:32]
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ドル円98円台からNY株安を受け反落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 前日のFOMCを受け米長期金利が大幅に上昇したことからドル円は
欧州時間に98円28銭まで上昇。NY時間では株価が前日に続き急落した
ことからリスク回避の円買いも入り97円10銭まで下落し、円の高値圏で
引ける。 - ユーロドルも1.32台から1.31台まで下落。ユーロ円が一時130円
近辺まで戻る場面ではユーロドルも上昇したがその後反落。 - 株式市場はほぼ全面安。FRBが緩和縮小に動くことを明確にしたことから
過剰流動性による株高は期待できないとの見方が広がり売り物が殺到。ダウは前日比
353ドル安と今年最大の下げ幅を記録。 - 債券相場も大幅に続落。10年債利回りは2.42台までで上昇し、約2年10ヵ月
振りの水準まで上昇し、ドル高円安を誘因。 - 金融緩和停止から資金流入が減るとの見方から金も大幅安。前日比87ドル下げ
2010年9月以来となる1286ドル台まで下落。原油価格も大幅安で95ドル台に。 - 新規失業保険申請件数 → 35.4万件
- 5月中古住宅販売件数 → 518万件
- 5月景気先行指標総合指数 → +0,1%
- 6月フィラデルフィア連銀製造業指数 → 12.5
本日の注目イベント - 日 黒田総裁講演
- 欧 EU財務相会合
- 欧 ECB、LTRO返済予定額発表
- 加 カナダ5月消費者物価指数
- 加 カナダ4月小売売上高
前日のFOMCの決定と、その後のバーナンキ議長の会見を受け金融市場
では激震が走っています。「年内にも量的緩和を縮小する可能性がある」との
明確なメッセージが示されたことで、株安、債券安、ドル高が急速に進行し、
これまで「金融緩和」という過剰流動性に支えられてきた市場で、資金の「逆
流」が起きています。
株式市場では資金流入が今後細るとの見方から利益確定の売り物が膨らみ、
昨日のダウは今年最大の下げ幅を記録。
ここ2日間では560ドルの下げを見せ、1万5400ドルと、過去最高値に近い
水準から一気に1万4700ドル台まで下落しています。
日経平均株価が大幅下落を見せても、堅調に推移していたNY株式市場
でしたが、懸念していた様に、ついに「本家」が大幅な調整局面入りした
可能性が高いと思われます。
特に大手機関投資家などはこのところの債券価格の急落で「損出を」を抱
えており、「債券の損を、利益の出ている株で穴埋めしている状況」と、NY
に住む友人は話してくれました。
確かに、株価は5月7日に過去最高値の1万5000ドル台に乗せ、その後さ
らに上昇していたことを考えると、相当利が乗っていると思われ、彼の話もそ
れほど誇張ではない様に思えてきます。
通常リスク資産の株が売られれば、安全資産の債券は買われますが、
「金融緩和政策」の転換は異常な相場変化をもたらします。
債券相場はさらに大幅に下落し価格が低下したため、長期金利は昨日、
2.42%台まで上昇して引けています。
この金利水準は実に2年10カ月振りのことで、安全資産も、リスク資産も大
幅な下落を見せる、いわば政策変更に伴う「副作用」に悩まされている状
況と言えます。
ただ、このまま株安債券安が続くことはなく、株式はある程度の調整が済め
ば、PER(株価収益率)など割り安感がでれば上昇に向かいます。
また、米企業のイノベーションは想像以上に強く、企業業績の高まりが株
価を押し上げる状況になると考えられます。
債券が大幅に売られたことで、米長期金利は急上昇し、これがドル円の
サポート材料になっています。
FOMCの結果発表前には95円近辺で推移していたドル円は、昨日の欧
州市場では98円28銭まで、3円以上も上昇しました。
もっとも、その後はさすがに反落していますが、この水準は「4時間足」の
120日線でちょうど頭を抑えられた格好になっていますが、株価が急落し
たことも影響しています。
株価の下落は通常ドル円では「ドル売り円買い」に作用します。
一方、債券価格の下落は「ドル買い円売り」に働きます。
昨日のアジア市場から欧州市場にかけて円売りが急激に進んだのも、こ
の債券の利回り上昇に反応したものと思われます。
それでもNY株式市場が激しい下落を見せると円が徐々に買われ円高
ドル安に振れた展開は、ある意味想定内とも言えます。
本日もNYダウの大幅安を受け、日経平均株価は下落基調を強めると
見られます。
ドル円もその動きに反応すると、96円台半ば辺りまでの円高があるかもし
れません。
米長期金利は高止まりするとみられることから、結局NY株式市場が安
定すればドル円が上昇トレンドに入る可能性が高い
と予想出きます。
バーナンキ議長がコメントしたように、量的緩和縮小が必ずしも政策金利引
き上げを意味するものではないわけですが、
今後は米経済指標が発表されるたびに一喜一憂する展開が予想されます。
- [2013/06/21 09:22]
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FOMC受け株安ドル高が進行
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- バーナンキ議長が会見で、量的緩和縮小の時期について言及したことから
金融政策がいよいよ変更されるとの見方が広がり、ドル円は直後に97円台まで
ドル高円安が進む。引けにかけては円の下げ幅が縮小され96円40-50銭で
取引を終える。 - FOMC及びその後の議長の会見を受けドル高が進んだことからユーロは急落。
1.34台前半から1.32台半ばまでユーロが売られる。ドルは主要通貨に対して
全面高の展開。 - 「出口戦略」が早まるとの見方から株価は大幅下落。ダウは206ドル安と、
ここ2日間の上げ幅を吐き出す。 - 債券相場も急落。バーナンキ議長が年末までの資産購入のペースを縮小する
可能性があると発言したことに反応。10年債利回りは急上昇し、約1年3ヵ月
ぶりとなる2.35%台まで上昇。 - 金は3日振りに反発。原油は反落。
本日の注目イベント - 日 4月景気動向指数(改訂値)
- 中 中国6月HSBC製造業PMI(速報値)
- 独 独5月生産者物価指数
- 独 独6月製造業PMI(速報値)
- 独 独6月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏6月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏6月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏財務相会合
- 欧 ユーロ圏6月消費者信頼感指数(速報値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 5月中古住宅販売件数
- 米 5月景気先行指標総合指数
- 米 6月フィラデルフィア連銀製造業指数
「入手するデータがこの経済予測と大まかに一致すれば、年内に購入ペースを
緩めるのが適切だと委員会は現在の所見込んでいる」「その後のデータもわれ
われの現在の経済予想と大まかに沿う状況が続けば、来年上期にかけて慎重
にステップを踏みながら購入ペースの減速を続け、年半ばごろには購入を終了
させる」。注目されたFOMC後の記者会見で、バーナンキ議長はこのように説
明しました。
現在、毎月850億ドルの資産購入を実施しているが、景気回復がこのまま続け
ば年後半にも、資産購入の縮小に踏み切り、来年半ごろには購入を終了する
という明確なメッセージを示しました。
バーナンキ議長は先月の議会証言で、購入ペースの縮小に初めて言及しま
したが、今朝方の会見ではその時期についても明確に示した点が、これまで
とは大きく異なる点で、FRBが景気に対する強い自信を持っていることが伺え
ます。
またこれに先立つFOMCでも、「景気と労働市場の下振れリスクが昨年秋以
降少なくなってきた」とし、さらに経済予測では「2014年末までに失業率は
6.5-6.8%に低下する」との見方も示しました。これらを受け、金融市場は
大きく動きました。
米債券が大幅に下落したため、長期金利は約1年3ヵ月振りに2.35%台ま
で上昇しました。
米金利の上昇はドル高円安要因となるため為替市場ではドル円が一時97円
台まで上昇し、ユーロドルも大幅なユーロ安が進んでいます。
金融緩和縮小は株価にとってもマイナス要因であるため、NYダウは200ドル
を超える下げを見せ、いよいよリーマンショック以降続いてきた「非伝統的な
金融政策」の終焉が近づいたことになります。
ただ、バーナンキ議長は緩和時期について明確なタイミングを示すと同時に、
「政策に関する私の発言で、資産購入が来年半ばに終わると結論付けるのは
間違いだ。資産購入は景気回復に関係しているからだ。景気がわれわれの
予想通りに回復しなければ、追加の支援策を実施するだろう」とも語り、市場
が過度に反応することを牽制することも忘れてはいません。
これまでに何度もこの欄で述べて来ましたが、景気回復が進み「出口」に向
かう米国と、「出口」が全く見えない日本との差がいよいよ明らかになって来た
わけです。
米長期金利が急騰したことでドル円も一時97円台までドル高が進行しました
が、「4時間足」までの短い足では全て上昇トレンドが形成されています。
「日足」が転換するには98円台乗せが必要ですが、これで過度な円高観測
はやや後退しそうです。
すぐに100円台を回復することはないにしても、時間を掛け、もみ合いながら
も100円方向に向かうと予想しています。
注意したいのがやはり株式市場の動向です。
昨日のNYダウは200ドルを超す下げで、本日の日経平均株も下落が予想
されます。ただ、為替がドル高円安方行に振れているため、輸出株を中心に
急激な株価の下落は考えにくいと思われます。NY株式市場は金融緩和終
了観測の高まりを嫌気して大幅に下落しましたが、金融緩和終了や金利の
上昇は株価にとってはマイナスですが、それだけで常に株価が下落するわ
けではありません。
今後米金利は緩やかに上昇して行くと予想されますが、それらはいずれ株
式市場が吸収していくはずです。
足元の金利水準が異常に低いだけで、株価は企業業績の拡大などを反映
して拡大して行くと予想しています。
米株式市場の腰の強さは過去の歴史が物語っている通りです。
本日も日本の株式市場が「NYダウ急落」と「円の大幅安」をどのように消化
して行くかがポイントです。
株価がNYダウに追随するようだと再び95円台もあり得ますが、粘り腰を見せ
るようだと97円台に乗せ、NYの高値を更新することも考えられます。
- [2013/06/20 09:14]
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NY株続伸でドル円95円台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は株価が堅調に推移したこともあり終始95円台を維持。
FOMCの結果を控えてポジション調整が進み、一時95円77銭まで
ドルが買われ、95円30-40銭で引ける。 - ユーロドルは続伸。独ZEW景況感指数が予想を上回ったことから
ユーロは上値を追い、一時約4ヵ月振りに1.34台に乗せる。 - 株価は大幅に続伸。住宅着工などが高水準だったことから主要セクターで
株価が上昇。S&P500は月初来高値を記録し、ダウも1万5300ドル台を
回復。 - FOMCが開催され長期金利は小幅な動きに留まる。10年債利回りも
小幅に上昇したが、取引は限定的。 - 金は大幅に続落。原油は続伸。
- 5月消費者物価指数 → +0.1%
- 5月住宅着工件数 → 91.4万件
- 5月建設許可件数 → 97.4万件
本日の注目イベント - 日 5月貿易統計
- 英 BOE議事録
- 米 FOMC政策金利発表
- 米 バーナンキ・FRB議長記者会見
昨日からFOMCが開催され、明日(日本時間20日未明)には
バーナンキ議長の記者会見が予定されているため、
さすがにドル円も値動きが小幅となり、NY市場では終始95円
台で推移しました。
昨日のこの欄でもドル円はやや底堅く推移するのでないかと予
想しましたが、NY株式市場が堅調で、2日間で250ドルほどの
上昇を見せたことがドル円のサポート材料になっています。
今後ドル円が再度100円に向かっていくには株価の安定が不
可欠であるということです。
ドル円が93円台を底固めしたかどうかはまだ確認できませんが、
バーナンキ議長の記者会見までは堅調に推移しそうです。
テクニカルを見ても、「1時間足」では120日線を上抜けしており、
本日ドル円が下げた場合のサポートになりそうです。95円13銭
がその水準で、ここには「基準線」も接近しており、短期的にはこ
こが維持できるかどうかも重要です。
NY市場での上昇は95円77銭で抑えられましたが、96円台に
乗せることができたら、抵抗線は96円11銭に位置している200日
線ということになります。
これら重要な水準をどちらかに抜けるとすれば、やはりバーナンキ
議長の会見内容次第です。
既に各方面から会見内容について予想が出ていますが、個人的
には、緩和縮小は今後避けられないところだが、その基準を明確
に示してくる可能性があると予想しています。
例えば「今後数カ月雇用者数が20万人を超えたら」といったように、
その中心になるのはやはり雇用ということになります。
先ずは足元で起きている混乱を収束させることを意図し、その後に
市場が判断し易いような目安を示すのではないかと考えております。
仮に予想外の展開になった場合、下値のメドは93円台後半、そし
て上値のメドは今回のドル円の下落幅の「半値戻し」にあたる、98
円77銭前後ということになります。
上述のように、ドル高円安が進行するには株式市場の安定が不可
欠ですが、昨日の海外の新聞では、日本の株式市場は
大幅な調整を経たことで、「割り安感」が出てきているといった論調
が目立っています。
引き続き株価の推移には目を向ける必要があります。
ユーロドルが約4ヵ月振りに1.34台に乗せました。
1.28から1.32台で長らくもみ合っていましたが、先週あたりから1.
33台が見えており、上値は重そうでしたが徐々に切り上げる展開にな
っています。
昨日はドイツZEW景況感指数が好調だったことを好感してユーロ買
いが進みましが、ドラギECB総裁の講演もユーロ買いにつながったと
思われます。
ドラギ総裁はエルサレムで講演し、「われわれの組織の仕組みの中で
特に効果的であり、当中銀の責務の範囲内にあるこれらの措置につい
て、予断を持たずに検討する」と語り、ユーロを守ることもECBの使命
であることを確認した格好になっています。
「必要なら何でもする」という言葉で、ユーロ危機を救った昨年7月の同
総裁の言葉が思い起こされました。
ユーロは対ドルで堅調に推移していますが、ユーロ圏内では高失業率
とマイナス成長に直面しており、財政規律一辺倒から成長へ舵を切り直
してはいるものの前途は多難です。
同総裁は伝統的な金融政策に加え、中銀預金に対するマイナス金利
等の非伝統的な金融政策も検討していることも示唆しています。
投機筋のユーロドルのポジションを見ても、直近のユーロ売り枚数はかな
り減少してきています。
1.34台半ばを抜けば、上昇に弾みがつくと見ていますが、5月までに見
られた、ドル全面高に戻るとユーロの上値は限られることになります。
- [2013/06/19 09:31]
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ドル円95円台に乗せるも定着せず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は住宅市場指数などの経済指標が改善を示していたことから
95円台までドル高円安が進んだが、英メディアが米金融緩和縮小が近いとの
報道を流したことで94円台前半まで下落。 - ユーロドルは1.33台で堅調に推移。一時1.33台後半までユーロ高が
進んだものの、1.34台乗せには至らず。 - 株式市場は反発。NY連銀製造業景況指数が予想を大きく上回ったことで、ダウは
一時200ドル程上昇したが、午後には量的緩和縮小との報道に反応し上昇幅を縮小。
結局、ダウは109ドル高で引ける。 - 債券相場は反落。株高や緩和策縮小報道で売られ、10年債利回りは2.17%台
まで上昇。 - 金、原油はともに反落。
- 6月NY連銀製造業景況指数 → 7.84
- 6月NAHB住宅市場指数 → 52
本日の注目イベント - 豪 RBA議事録
- 日 4月鉱工業生産(確報)
- 中 中国5月景気先行指数
- 独 独6月ZEW景況感指数
- 欧 ドラギ・ECB総裁講演
- 英 英5月消費者物価指数
- 英 英5月生産者物価指数
- 米 FOMC(19日まで)
- 米 5月消費者物価指数
- 米 5月住宅着工件数
- 米 5月建設許可件数
週明けの昨日の東京市場では株価が終始堅調だったことを受け、
ドル円は夕方には95円台に乗せる場面がありました。
NY市場でも株高を手掛かりに再度95円台に乗せたものの、上値
が重く94円台で帰って来ています。
米経済指標、とりわけ住宅市場指数が「52」と、7年振りの高水準だ
ったことから株価が上昇し「リスクオン」の流れに傾きドル高円安に
振れた結果、95円22銭までドルが上昇しました。
ただ、95円台では定着せず、再び94円台に戻される展開でしたが
FOMCを控えて神経質な動きは続いています。
FOMCは本日から始まりますが、注目は何と言っても明日(日本時
間20日未明)のバーナンキ議長の記者会見です。量的緩和縮小を
進めるのか、あるいは市場の先走る期待を牽制するのかが焦点です。
直近の情報では、バーナンキ議長は「金融緩和縮小」と「金融引き
締め」は異なることを説明するのではないかとの見方が増えているよ
うです。
現在、毎月実施している850億ドルの資産購入ペースを緩めるとい
う見方が強いようですが、それがすぐさま「利上げ」にはつながらない
ということです。
先ずは、現在の購入額を順次減額して行き、その後金融引き締め
に移行するという見方です。
しかもそれには条件が付いており、雇用の順調な改善が続かなけ
ればなりません。
「利上げ」については、早くとも2015年になるのではないかとの観
測が有力です
JPモルガンは14日のリポートで、バーナンキ議長は記者会見で
「緩和縮小と引き締めの違いを強調する見通し」だと指摘していま
す。(ブルームバーグ)
また、ゴールドマンサックスも今回のFOMC後の会見では「混乱
が拡大しないように配慮する可能性が高い」と予想しています。
緩和縮小が遠のけば、株価が上昇し、昨日のNY市場のようにドル
円も上昇する可能性もありますが、そう単純ではないかもしれません。
緩和縮小が遠のくこと自体は、ドル安円高要因だからです。
米景気が拡大することは、本来金利が上昇することにつながり、そ
れはドル買い円売り材料になります。
従って「出口」が遠のくことはドル売り円買いで反応することもあり得
ることになります。
昨日発表された経済指標はいずれも市場予想を上回るものでした。
先週には同様な結果に「経済指標の好転」→「金融緩和縮小が早
まる」→「株価の下落」→「ドル安円高」という流れでしたが、昨日は
異なる反応でした。
個人投資家にとってもその時々の反応を見極める必要があり、その
分、解りにくい相場が続いているとも言えます。
個人的には上値が重い展開が続いている中でも、徐々に93円台が
固まってきているイメージがあります。ドル円は現在ボラティリティが
高く、不安定な展開が続いていますが、少なくともここから先はこれま
での様なドルの急落は無いように思います。
1日で3円以上もドル安円高に振れるような相場展開は徐々に収束し
て行くのではないかと予想しています。
バーナンキ議長の会見が、そのきっかけを与えてくれるのでないでしょうか。
- [2013/06/18 09:02]
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ドル円94-95円で一進一退
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米経済指標が軟調だったことや、IMFが米金融緩和政策は少なくとも
年末まで継続されるとの見通しを発表したことから、ドルを売って円を買う
動きが優勢となる。ドル円は一時93円台後半まで円高が進み、94円20銭
前後で引ける。 - ユードロは堅調に推移。経済指標がまちまちだったことからドルが下落。ユーロドルは
1.33から1.33台半ばで推移。 - 株式市場は軟調。IMFが米経済成長率予想を引き下げたことが影響し、ダウは
105ドル安。 - 債券相場は堅調。米金融当局が資産購入プログラムのペースを減速させるとの観測は
行き過ぎとの見方が広がり債券価格は上昇。 - 金は反発。原油は3日続伸。
- 1-3月経常収支 → -1061億ドル
- 5月鉱工業生産 → ±0.0%
- 5月設備稼働率 → 77.6%
- 6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 82.7
- 5月生産者物価指数 → +0.5%
本日の注目イベント - 欧 G8(18日まで、北アイルランド)
- 欧 ユーロ圏4月貿易収支
- 米 6月NY連銀製造業景況指数
- 米 6月NAHB住宅市場指数
値幅を伴い、不安定な動きを続けるドル円は先週末のNY市場で再び94円を
割り込む場面がありました。95円台までは値を戻すものの、上値を徐々に重く
する展開が続いています。
IMFは現行の米金融当局が毎月の大規模な債券購入を少なくとも年末まで
は継続するとの見通しを示しました。
同時に、IMFは金融市場の混乱を回避するために「出口戦略」を慎重に運営
するよう米金融当局に求めました。
IMFは米経済に関する年次審査報告を14日に公表し、同報告の最終節では、
「出口が近づくに伴い長期金利が突然かつ持続的に変動し、金利のボラティリ
ティーが過剰になるリスクを軽減するためには、出口戦略に関する効果的な対
話や開始時期の慎重な調整が重要になる」と記述しています。(ブルームバーグ)
IMFが米金融当局にこのような勧告をすることは異例で、このところの金融市場
の混乱は米「出口」を巡る議論が主因であるとの認識を示したことになります。
この報告が明日から始まるFOMCにどのような影響を与えるのか、とりわけバー
ナンキ議長が記者会見でどのような認識を示すのかが注目されます。
今回の混乱は5月に同議長が「経済指標次第では資産購入の縮小の可能性
もある」と発言したことがきっかけでした。
しかし、議長はそれ以前にも「縮小も拡大もあり得る」とも発言しており、「縮小」
だけが一方的に注目された格好になっています。
米景気が回復すれば、異常な金融政策とは決別し、正常な金融政策に戻す
「出口」を模索するのは当然で、議長は一般論として「縮小もあり得る」と発言
したものとも思われます。しかもその「縮小」は経済指標次第という条件付きです。
その経済指標はと言うと、5月の雇用統計では雇用者数は16.5万人と、市場
予想を上回っていたものの、
失業率は7.6%と、悪化していました。その後の経済指標を見ても強弱まちま
ちで、決して「資産購入縮小」を促すものだけではありません。
今週の最大の注目点はバーナンキ議長の記者会見です。
FOMCでの政策変更はさすがに今回は見送られるものと思われますが、その
後の記者会見で議長が「量的緩和縮小」にどこまで慎重な姿勢をみせるかとい
う点です。
5月の発言以来市場は相当混乱していることを考えれば、個人的には、議長は
行き過ぎた「緩和縮小観測」を牽制する姿勢をみせるのではないかと予想して
います。
仮にそのような発言があれば、株式市場が好感し、株高から「リスクオン」の状況
に戻り、ドル高円安に振れることも考えられます。
もっとも「出口」が遠のくこと自体は、ドル安円高要因と捉えることも出来るため、
その反応を巡ってはいまいち予想が難しく、このあたりが足元の相場のブレを大
きくしているようにも思えます。
それでも株式市場の混乱が為替市場にも大きな影響を与えていることは事実で、
株式市場の安定が為替市場の安定につながることは想像に難くありません。
週明けの本日も株式市場の動向を見ながらドル円が上下しそうです。
先週末のシカゴ先物市場では日経平均株価が下落したことから、本日も軟調な
展開が予想されます。
それに伴ってドル円が売られる場面があろうかと思いますが、先週末のNYの円
の高値である93円98銭を割り込むと円買いが優勢になりそうです。
円買いが加速した場合、4月4日の「日銀による異次元の金融緩和」が実施され
た直前の水準である、92円80-90銭あたりが下落の一つのメドと見ています。
- [2013/06/17 10:03]
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ダウ大幅高でドル円反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- アジア市場でのドルの急落を受け、NY市場でも93円台後半までドル安が
進んだ。しかし、米株式市場が急反発したことや、WSJ紙が、米通貨当局は市場の
利上げ期待を後退させる可能性があると報じたことを受けドル円は上昇に転じ、
95円台半ばまでドル高が進行。 - ユーロドルはユーロ円の動きを引っ張られる展開。1.32台後半から1.33台
後半で推移し、ユーロドル自体に材料はなく動きも限定的。 - 株式市場は、朝方軟調に始まったものの利上げ観測の後退や、世界的な株価の
下落から出口戦略の時期が遅れるとの観測もあり上昇。ダウは180ドル高と1万
5100ドルまで回復。 - 債券相場は反発。利上げ観測の後退や経済指標の結果を受け価格は上昇し、
10年債利回りは低下。 - 金は反落し、原油価格は続伸。
- 新規失業保険申請件数 → 33.4万件
- 5月小売売上高 → +0.6%
本日の注目イベント - 日 日銀金融決定会合議事要旨(5/21 22日分)
- 欧 ユーロ圏5月消費者物価指数(改定値)
- 米 5月生産者物価指数
- 米 1-3月経常収支
- 米 5月鉱工業生産
- 米 5月設備稼働率
- 米 6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
昨日の動きは、落ちるところまで落ちた感のするドル円でした。
日経平均株価が843円と、今年2番目の大幅安を演じたことに呼応して、
ドル円は東京市場が引けた直後に94円を割り込み、93円80銭近辺まで
ドル安円高が進行しました。
5月の円最安値から「約10円」も円高が進んだことになります。
当社にも個人投資家からの問い合わせも多く、「ドル円はどこまで下げる
のか?」という内容がほとんどでした。
95円の節目を大きく切ったため、下値のメドが見えなくなっていましたが、
「敢えて探せば、4月4日の異次元緩和」を決めた直前の水準である、93
円前後かもしれない」と答えるのが精いっぱいの状況でした。
黒田総裁が「質的にも量的にも異次元」と言葉を添えた大規模緩和が実
施される前の水準は、92円80-90銭です。
日経平均株価が800円を超える下げを見せ、引け値で1万2400円台ま
で下げたことで、注目はNY株式市場への影響でした。
このところの円高ドル安への進行は、全てNY市場で方向付けられたも
ので、NY株式市場がもう一段下げたらドル円への影響も避けられないか
らです。
幸いNY株式市場が急反発を見せたことで、ドル円は93円台後半を底
値に急速なドル買い戻しに95円台半ばまで反発し、ひとまず「やれやれ」
といったところです。
これで93円台が短期的な底値である可能性が出てきましたが、当然で
すが金融市場のボラティリティーは依然として高く、今後も乱高下は続
くと思われます。
株価との相関は高く、株価が落ち着いてくればドル円も落ち着きを取り戻
すと思われますが、下値への警戒はまだ必要です。
相場は上がっても下がっても常に「オーバーシュート」(過剰反応)するも
のです。2012年9月の円高のピークは77円12銭です。
そこから今年5月には103円74銭まで円安が進行したわけですが、この
間の値幅は26円62銭ということになります。
「フィボナッチ・リトレースメント」を用いて下値のメドを計算すると、「31.
8%」の下落は95円27銭で、これは既に割り込みました。
「50%」の下落は90円43銭といういうことになります。
この水準までにはまだ相当値幅がありますが、最大下げて90円台という
「目安」にはなりそうです。
因みに、日経平均株価の方は概ね8000円台から上昇が始まって、
1万6000円手前まで上昇したことから、「50%」の下落は1万2000円
程度ということになります。
ドル円が急反発したことで、全てのクロス円は反転しています。
来週のFOMCが今後の最大の注目イベントですが、昨日ウォール・スト
リート・ジャーナルが報じたようにこれだけ世界的に株価の調整が続いた
ことで、FRBは市場で観測されている量的緩和縮小を先送りする可能性
もでてきたと思われます。
「出口」に向けて舵を切り直せば、その影響が出て来ることは十分予見さ
れます。
ただ、それでもまだ具体的な議論が進んでいない状況の中で、金融市
場には相当な「激震」が起こっています。
これはFRBが想定している以上の影響ではないでしょうか。
慎重なバーナンキ議長は、しばらくは市場を落ち着かせ、その中で徐々
に「量的緩和縮小」の可能性を市場に認識させるような政策を取るのでは
ないかと予想します。
3回に渡る量的緩和は過去に例のない「非常手段」だったわけで、それ
だけに正常に戻すには想定以上の「副作用」も出てきます。
来週のバーナンキ議長の発言に注目です。
本日の日経平均株価は昨日の大幅下落の反動もあり、大きく値を戻すと
予想されます。
ドル円も戻り上値を試す展開かと思いますが、「1時間足」では96円近辺
に「雲の下限」があることから、このあたりが上昇のメドになりそうです。
下値の方は95円台を固められるかどうかです。
- [2013/06/14 09:14]
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ドル円NYで再び95円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はアジア市場から欧州市場にかけては買われたものの、
NY市場では株安を手掛かりに円買いが優勢となり、一時95円13銭まで
下落。その後は96円前後まで戻して引ける荒っぽい展開が続く。 - ユーロドルも一段と上昇。ドルが下落する流れを受け、ユーロは
1.3359まで上昇し、約4ヵ月振りの高値を記録。 - 株式市場は前日に続き大幅に続落。公益事業株が下げをけん引し
ダウは126ドル下落。1万5000ドルの大台を割り込む。 - 債券相場は株価が下落したにも拘らず軟調。10年債入札が不調
だったことを受け価格は下落し、長期金利も2.22%台まで上昇。 - 金は15ドル反発し、原油は小幅に上昇。
本日の注目イベント - 豪 豪5月雇用統計
- 欧 ECB月例報告
- 欧 クーレ・ECB理事講演
- 欧 アスムセン・ECB理事講演
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 5月小売売上高
ドル円は東京時間では買われて上昇するが、NYに入ると下落する展開が
続いています。
昨日の東京時間では大幅な株価下落で始まり、ドル円は96円台前半で推
移しましたが、午後株価の下落幅が縮小すると96円台後半まで円が売られ、
欧州時間早朝には一時97円台に乗せる場面もありました。しかし、NYに入
ると流れは一変しています。
特に経済指標の発表に反応したわけでもなく、NY株式市場の下落に歩調
を合わせドルは下落。
一時95円13銭まで下落した後、96円前後まで戻して取引を終えています。
この動きは先週末のNYでも同様に見られ、前日も同じような動きでした。
FRBが量的緩和の縮小に動くのではないかという観測は根強く、強い経済
指標が出ると「出口戦略」が早まるといった見方が高まり株価の下落につなが
り、ドル円はその時の相場観で下落する場合もありますが、「出口」を意識し
てドル高円安に振れるケースも見られます。
一方弱めの経済指標が出ると、株価は上昇するものの、米国の景気そのも
のには悪材料としてドル売りにつながるケースもあります。
株価と為替が強い関係を見せている基本形が時には崩れる時もあり、投資
家を混乱させています。
「出口」を巡る混乱がそれらの動きを引き起こしていますが、米長期金利の上
昇傾向はドル円の下落をサポートすることになり、一方的に円を買うわけにも
いきません。非常に先行きが読みにくい相場が続いているということです。
それでも足元の動きを見れば、ドル円の上値が徐々に重くなっていると言えま
す。問題はどこまでドルが下落するのかという点です。
下値の重要なポイントは「95円の壁」ということになります。
先週末には一時95円をわずかに割り込む場面もありましたが、それは「誤差」
の範囲で、この節目を割り込むかどうかが、今後の相場展開を読む上でも重要
です。
昨日のドルの下落も95円目前で折り返しています。
これはちょうど、その位置に「日足」の120線があり、これが機能したものです
が、この重要なサポートも含めて、「95円割れ」は大きな意味を持ちそうです。
本日も日経平均株価は前日比マイナスで始まりそうです。
下落幅が300-500円に拡大するようだと、ドル円は再び下値を試す動きを
見せそうです。
その際、95円台半ばを割り込むのか、そして95円の節目を維持できるのか
が確認できそうです。
今回の下落局面で、東京時間では95円台はほとんど経験していません。
それだけに実需を含めたドル買い意欲も見られるかもしれません。
仮にドルの下落が進めば日経平均株価も一段と下落する恐れがあります。
11日の日銀決定会合後の記者会見で黒田総裁は、期間1年超の資金供
給オペ導入について「将来、必要になったら検討する」と、追加策の導入
を見送りました。
円高がさらに進み、株価が下落すれば導入が「必要」なタイミングと言える
かもしれません。
本日は米小売売上高が発表されます。
この指標も上述のように、市場予想よりも強めであれば株価の下落につなが
る可能性もあります。
日本の株価が大幅な調整を見せる中でも、比較的堅調に推移していたNY
ダウは昨日大台の1万5000ドルを割り込みました。
連日過去最高値を更新し続けてきただけに、一旦調整モードに入ると株価
の大幅下落は避けられません。
そうなると1万3000ドル程度までの下落も考えられます。
NYダウの大幅下落は世界の株式市場に下落圧力を加え、日経平均も相当
な調整を余儀なくされます。
来週18-19日にFOMCが開かれ、バーナンキ議長の会見も予定されて
ます。
金融緩和縮小に伴う「副作用」が予想外に大きいことも考えられ、バーナン
キ議長からは「緩和縮小」に前向きな発言は出にくいと、個人的には考え
ていますがどうでしょうか・・・。
- [2013/06/13 09:11]
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日銀決定会合受け、円高株安加速
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 日銀決定会合では特に新たな政策を取らないことが決められたことで、
失望のドル売り円買いが加速。NYでは一時95円59銭まで円買いが進む。 - ドル安の流れからユーロも上昇。ユーロドルは3日振りに1.33台に乗せる。
- 日欧の株価が大幅下落したことから、NY株式市場も大幅安。ダウは前日比
116ドル安で引ける。 - 債券相場は反発。日銀決定会合失望からの混乱で、安全資産の債券に資金が
流入。10年債利回りは2.18台%に低下。 - 金、原油は小幅ながら下落。
本日の注目イベント - 日 日銀金融経済月報
- 独 独5月消費者物価指数(確報値)
- 欧 ユーロ圏4月鉱工業生産
- 欧 クーレ・ECB理事講演
- 英 英5月失業率
「ドル高円安」への戻しはわずか1日でしぼんでしまいました。
日銀は昨日の決定会合で債券市場安定に向けた新たな施策は取らず、
これまでの大規模な金融緩和を継続することで一致したと発表。
この発表があった昨日の昼過ぎ、ドル円は99円近辺から97円台後半まで
一気に円買いドル売りが進み、日経平均株価も午後の寄りつきから200円
も下げる展開で、市場は決定会合の結果に失望した「円買い、株売り」で
反応しました。
黒田総裁は午後の記者会見で、「市場は次第に落ち着きを取り戻している」
と発言し、市場で予想されていたような、金利安定に向けた固定金利オペ
の期間延長は現段階では必要ないとの認識を示しました。
その後の海外市場ではドル円はさらに下落し、NY市場では一時95円台半
ばまで円買いが進み、NY株式市場も大幅に下落し、本日の東京株式市場
の大幅安は避けられない状況です。
昨日のコメントでも市場はまだ不安定であると書きましたが、「日銀動かず」と
いった情報だけでドル円が1日で3円以上も下落する事態は、正に不安定で
す。
正直、そこまで値幅がぶれる情報ではないと思いますが、5月23日の日経平
均株価1100円下落以来、市場は一方方向に振れやすい地合いが続いてい
ます。
プロの為替ディーラーでさえ、どちらに振れるか解らないことから、「とにかく
流れについて行く」ことしか方法がない状況です。
そのため、「買いが買いを呼ぶ」、あるいは「売りが売りを呼ぶ」相場展開が
続いており、相場の振幅を拡大させています。
ドル円はNY市場で95円59銭まで下落したことで、先週末に記録した94円
98銭が意識されます。基本的には95円以下は売る方もリスクが高く、そこか
らさらに大幅な下落は考えにくいと思いますが、何が起きてもおかしくない状
況であるため注意は必要です。
95円59銭を「二番底」として上昇に向かう可能性も十分あると考えますが、
本日の日経平均株価が500円以上下げるようだと、一旦は95円を目指す展
開があるかもしれません。
米「出口」を巡る議論から始まった今回の混乱は、アベノミクスへの期待感や、
黒田日銀の異次元の緩和に対してもその実現に疑問符を投げかける状況に
なってきました。
東京株式市場の大幅下落が、海外市場にも影響を与えていますが、それで
もまだNYダウは1万5千ドル台を維持しています。
NYダウが現在の水準を維持できなくなり、1日に300~500ドル下げるような
状況になると、収拾がつかなくなる恐れがあります。
重要なことは、成長戦略を前倒しでやることと、できればさらに踏み込んだ規
制改革にとり込むことです。
秋には成長戦略の第二弾が発表される見通しですが、それまで市場が待て
るかどうかです。
今朝の新聞では、昨日の日銀発表後に為替や株式市場が大きく下落したの
は「催促相場」だと説明しています。
今後さらに混乱が続くようだと、圧勝だと言われている7月の「参院選」で、想
定外の結果がでないとも限りません。
「安倍ー黒田」コンビにとってはまさに正念場に差し掛かっていると言えます。
非常に先行きが読みにくい相場展開ですが、先週末の94円98銭は「日足」
の120日線でしっかり止められています。
また昨日の95円台半ばも同じく「日足」の雲の下限を意識した水準で下げ止
まっています。
現在、120日線は95円12銭、雲の下限(先行スパン2)は95円52銭に位
置しています。
この水準を割り込まなければ反転のチャンスはあろうかと思いますが、割り込
んだ場合には注意が必要です。
- [2013/06/12 09:38]
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ドル円底堅く推移
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はアジア市場の流れを受け堅調に推移。格付け会社が米国債の
格付け見直しを引き上げたことからドル買いが活発となり一時99円29銭
までドル高が進む。午後株価が軟調になったことでやや下落し、
98円70-80銭で引ける。 - ユーロドルは引き続きレンジ内の取り引きが継続。1.31台後半から1.32台
半ばで推移し、材料難から手掛けにくい状況が続く。 - 株価はまちまち。アップルなどの株価が軟調だったことからダウは9ドル安。
一方ナスダックは4ポイント高で引ける。 - 債券相場は格付け会社が米国債の見直しを引き上げたこともあり、金融緩和の
規模が縮小されるとの見方が強まった。10年債利回りは2.21%台まで上昇。 - 金価格は小幅に反発し、原油は4日振りに下落。
本日の注目イベント - 日 5月マネーサプライ
- 日 黒田・日銀総裁記者会見
- 欧 プラート・ECB理事講演
- 英 英4月鉱工業生産
先週末95円割れの水準まで急落したドル円は、やや落ち着きを取り戻し
堅調に推移しているようです。最大の好材料は株価の上昇でした。
昨日の日経平均株価は午後一段高となり、大引けは636円高と1万35
00円台を回復しました。為替が円安方向に動いたことを好感したとのコ
メントもありますが、これまで大幅に売りこまれてきた銘柄が急反発し、日
経平均上昇に大きく寄与した格好でした。
ドル円もNY市場では99円台に乗せ、一時99円29銭まで上昇し、安定
感が出てきました。
株価と、為替市場が密接に関係してることが確認された一日だったようです。
格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債の格付け見
通しを「ネガティブ」から
「ステーブル」に引き上げたこともドル高に作用したようですが、その理由は
「財政の崖問題の解決に向けた
政治合意など、暫定的な改善が見られた」ということでした。
ただ、財政の崖問題は依然棚上げされており、軍や、医療など一部に財
政問題の弊害が出始めており、皮肉なことに景気回復に伴い税収が拡大
していることから、政府与党、共和党ともに問題解決には楽観的であるとも
報告されています。
この問題は夏以降にずれ込む公算が高く、まだ安心はできません。
さてドル円は99円台まで回復はしましたが、このまま100円台を目指すか
どうかはまだ不透明です。
5月23日の高値である103円74銭から、先週末の安値である94円98銭
の下落幅の半値戻しが「99円36銭」になります。
昨日のNYで99円29銭まで上昇して頭を抑えられたのも、多分にこの値位
置を意識したものと思われます。
従って、目先はこの値位置を上抜けできるかどうかが一つのポイントと見られ
ます。
因みに、半値戻しが達成されたら次のレジスタンスは61.8%戻しの「100
円39銭」辺りです。
今週は米国側に重要な経済イベントがないことから、最大の注目イベント
は昨日から始まった日銀金融決定会合です。
債券市場の安定を図るため、新たな対策が打ち出されるのではないかと
予想されています。長期金利の低下を促したい日銀ですが、2%の物価
上昇率を目指すことと、金利を低下させることは、そもそも相容れないこと
のため
日銀が毎月7兆円を超える国債を市場から購入するだけでは金利が低下
しないことは確認されています。
毎月の買い入れの回数を増やすなどの対応を試みていることから、長期
金利は0.7-0.9%内で落ち着きを見せ始めていますが、金利を低下さ
せるところまでには至っていません。
長期金利の低下が続けば、米国の長期金利が上昇傾向にあるため、金
利差拡大を背景に「ドル買い円売り」が出易いと見られます。
本日は午後3時半に黒田総裁の記者会見が行われます。
黒田総裁は市場との対話には長けていることから、市場を失望させるよう
な発言は出にくいとは思いますが、どのような発言をするのか非常に重要
です。
為替市場がその発言を好感すれば「ドル買い円売り」で反応することになり
ますが、落胆するようだとドルが再び97円台を目指すことにもなりかねません。
95円割れはさすがにドルが売られ過ぎとは思いますが、まだ100円台に乗
せるには金融市場全体が不安定です。
まだしばらくは、上下を繰り返す展開が続くと見ておくべきでしょう。
- [2013/06/11 09:10]
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ドル円95円割れ後急反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 雇用統計の発表を受けてドル円は乱高下。発表直後に円は一時
94円98銭まで買われたが、その後雇用統計の内容が「出口」が早まるほどの
内容ではないとの見方が広がり、株価の急騰、長期金利の上昇に引っ張られ
97円台後半まで円売りが進み、97円台半ばで引ける。 - ユーロドルでも、ドル買い戻しが進みユーロドルは、1.32台後半から
1.31台まで下落。 - 株価は急反発。非農業部門雇用者数は市場予想を上回ったものの、失業率は悪化。
金融緩和はしばらく継続されるとの見方からダウは207ドル高。 - 債券相場は反落。株価の急騰にリスクオンが進行し、債券売りが優勢に。
10年債利回りは2.17%台まで上昇。 - ドルが買い戻されたことで金は大幅に売られ、1380ドル台に。
原油価格は大幅に上昇し96ドル台を回復。 - 5月失業率 → 7.6%
- 5月非農業部門雇用者数 → 17.5万人
本日の注目イベント - 日 日銀金融政策決定会合(6/11日まで)
- 日 1-3月GDP(改定値)
- 日 5月景気ウォッチャー調査
- 日 4月経常収支
- 中 中国5月マネーサプライ
- 欧 イタリア1-3月GDP(改定値)
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 加 カナダ5月住宅着工件数
下落基調の続いているドル円は、先週末の雇用統計発表直後には
95円を割り込み、94円98銭まで円高ドル安が進み、一時的とはいえ、
今年のドル高値からは約9円も、円が買い戻されたことになります。
非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったことに反応したものでし
たが、失業率は0.1ポイント悪化し7.6%だったことで、その後ドルは
急速に買い戻されて越週しました。
非農業部門雇用者数は17.5万人増加し、予想は上回ったものの、
FRBが直ちに量的緩和を縮小するほど力強いわけではなくまた反対
に、弱い数字でもなかったことから、市場の反応は大きく揺れ動いたと
いったところです。
ドル円は95円割れから、NY株式市場が大幅に上昇に向かったことや
、長期金利が上昇したことからドルの買い戻しが膨らみ、97円台後半
までドル高に転換し、一日の値幅も約3円と、大相場でした。
足元では「市場の最大の関心」が出口戦略であることで、その出口に
最も影響を与える雇用統計だけに、その結果を巡って相場が乱高下し
たと見られます。
先週、ほぼ一貫して下落したドル円も95円を割り込んだことで、ストップ
ロスのドル売りも巻き込んである程度のポジション調整を終えた可能性
が高いと思われます。
約2週間で9円近い円高は、さすがに市場参加者の「相場観」やポジ
ションに大きな影響を与えました。米景気の回復が量的緩和の縮小に
つながるとの観測が、これまで順調に上昇してきた株価の下落要因に
なったわけですが、おかしなことに、本家本元である「米国」の株価で
はなく「日本」の株価を下落させ、一気に円買いを促してきました。
事実NYダウは、高値の1万5400ドル台からの下落率はわずか2.9%
程度でしたが、日経平均株価は約21%も下落しました。
昨年11月から日経平均株価は急速に上昇したことによる「反動」と見
れないこともありませんが、そもそもそれまで長い間日経平均株価は低
迷していたわけです。
また、上述のように「出口」に向かっているのは「米国」であって、「日本」
はまだ「出口」も見えずに、道半ばにいます。このように考えると、日本
の株価の「もろさ」が際立って見えます。
ドル円はこのまま100円台をすぐに回復するとは思えません。
先週木曜日のドル円急落で、「日足」の「転換線」と「基準線」が逆転を
起こしたことは既にこの欄で書きましたが、
今朝方、ドル円が98円台を回復した時点でも変わっていません。
98円80銭辺りを抜けて来れば、ローソク足が「基準線」を上回り、再び
「好転」を見せる兆しにもなりますが、
ドル円の反発もそのあたりで止められてしまう可能性があります。
「米雇用統計」という最大イベントはひとまず終えましたが、ドル円のボ
ラティリティーは依然高く、この先も相場が落ちつかないことを示唆し
ています。
やはり重要なのは株価の動向ですが、それに加えて円債の行方にも
注意が必要です。
日銀の異次元の金融緩和以来、日本の長期金利は乱高下を繰り返し
ながらも上昇しています。
米長期金利が上昇傾向であることから、日本の長期金利が低下傾向
を見せれば日米金利差拡大からドル高に振れ易く、株価も安定するこ
とになるからです。
ここ2週間で急速に「円高株安」が進行したことから、本日から始まる
日銀決定会合ではさらなる緩和策も打ち出すのではないかといった
見方も一部にはあるようです。
現段階で日銀が新たな緩和策を出す可能性は低いと思われますが、
一部に期待があるだけに決定会合終了後に「失望」のドル売りが出る
ことも考えられます。
今週は先週ほどの乱高下はないとしても、ある程度の値幅を伴った
荒っぽい展開は覚悟しなければなりません。
本日のレンジは97円~98円80銭程度を予想します。
- [2013/06/10 09:08]
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ドル円急落し一時95円台
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は大幅に下落。一時96円を割り込み、95円90銭まで円買いが
進む。ドラギECB総裁の発言で、ユーロドルが上昇し、ドルが売られたことを
きっかけにドル円も下落し、節目の98円60銭など、重要なサポートを割り込んだ
ことからポジション解消のドル売りが拡大した。 - ECBは政策金利を据え置き、ドラギ総裁の記者会見が、一段の金融緩和には
慎重だと受け止められユーロが急伸。ユーロドルは1.33台まで買われ、1.32台
で引ける。 - 株式市場は反発。雇用統計控えて思惑が交錯する中、ダウは80ドル上昇し
1万5000ドル台を回復。 - 債券相場は小幅ながら続伸。10年債利回りは2週間ぶりの低水準に。
- ドル安が大幅に進んだことから、金、原油はともに続伸。
- 新規失業保険申請件数 → 34.6万件
本日の注目イベント - 日 4月景気動向指数
- 独 独4月貿易収支
- 独 独4月鉱工業生産
- 米 5月雇用統計
- 加 カナダ5月失業率
ドル円の乱高下が続き、昨日のNY市場では円がドルを含む主要通貨に
対して大きく上昇しました。
それにしてもドル円が95円台まで下落したことは想定外の動きです。98
円86銭、あるいは98円60銭などの重要なサポート水準を次々に割り込
んだことから、ストップロスのドル売りだけではなく、海外からのコメントによ
ると「ポジション解消」のドル売りも出て、一気に95円台まで円が買われた
ようです。
このところのドル円は株価の動きに歩調を合わせるように、非常に不安定
な動きを見せているため95円台まで下落するのは解らなくはありませんが、
問題はその下落の理由です。
昨日の大幅な円高についてはそれを説明する正当な理由は見つかりません。
ECBの金融政策とその後のドラギ総裁の記者会見の内容がきっかけとも言
われますが、なにか違和感を感じます。
ECBは政策金利据え置きを決めましたが、そもそも市場のコンセンサスは
「据え置き」でした。ドラギ総裁は、預金金利をマイナスにすることや、さらに
流動性を供給することについて「われわれにはさまざまな手段がある」と「準
備が整っている」との印象を与えたものの、先月の政策決定会合以降に得
られたデータは「直ちに行動することを正当化するには不十分だった」とも
述べています。
市場はこの発言で一段の金融緩和には踏み切らないと受け止め、ユーロ
買いドル売りを進め、その結果ユーロドルはこれまでの1.29-1.31のレ
ンジを大きく上抜け、2月25日以来となる1.33台までユーロ高が進みました。
ドル円もその影響から、円買いドル売りが進み95円台まで円高が進んだと
見られますが、結果的には円の方がユーロよりもはるかに大きく買われていま
す。
ポジション調整と、昨年来大きく積み上がった円売りの反動と説明されています。
金融市場を巡る不安さやボラティリティーの急拡大は、全て米国の「出口」を
巡る思惑が引き起こしているようです。過去に例のない金融政策から、正常な
金融政策へ移行するいわば「痛み」のようなものですが、過剰流動性が進んで
いただけに、その「痛み」を大きく、「激痛」として市場参加者を襲っています。
ドル円は96円台を割り込んだことで、これまで一貫して上昇トレンドを形成し
てきた「日足」の一目均衡表にもついに変化が表れました。
「転換線」が「基準線」を上から下に抜け「逆転」を見せています。
これは昨年10月に、78円台前半で「好転」を見せて以来初めてのことになり、
セオリー通りにいけば「長い間続いたドル高トレンド」が終わったことを意味します。
昨日の大幅下落で103円74銭の高値から約7円下落したことになります。昨年
からのドル上昇局面ではあの「イタリアショック」や、「キプロスショック」を上回る
大幅な下落幅です。
仮に今後ドルが反転するとしてもかなり長い「調整期間」が必要となります。
株価の反転と同様、ドル円の反転もポジションが大きく整理されないと本格的な
上昇にはつながりにくいと考えられます。
押し目を拾いたいと思う投資家もいると思いますが、ここは慎重に見極める必要
があります。
行動ファイナンスでは、相場の反転は市場参加者のほとんどが「弱気にになっ
た時」である、と教えていることを最後に記しておきたいと思います。
- [2013/06/07 09:07]
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NYダウ大幅安で円買い加速
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 昨日の昼ごろ安倍総理の成長戦略に関する講演をきっかけに
ドル円は急落。100円46銭を頭に下落し、株価の急落がさらに円買いを
加速。NY市場ではADP雇用者数の悪化や株価の大幅下落から「リスクオフ」の
円買いが進み、一時98円97銭までドル安が進行。 - 経済指標の悪化を理由にユーロ買いドル売りが進み、ユーロドルは1.30台
半ばから1.3118まで買われユーロ堅調地合いは継続。
対円では円の上昇に勢いがあり129円台半ばまで円高ユーロ安に振れる。 - 株式市場は大幅安。ADP雇用者数が予想を下回ったことを反映し、堅調だった
米株式市場も下落基調に。ダウは216ドル下落し1万5千ドルの大台を割り込む。 - 債券相場は反発。世界的な株安と米経済指標の悪化を背景に債券への見直し買いが
入る。10年債利回りは2.0%台まで低下。 - 金、原油はドル安を受け、ともに反発。
- 5月ADP雇用者数 → 13.5万人
- 5月ISM非製造業景況指数 → 53.7
本日の注目イベント - 豪 豪4月貿易収支
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 英 BOE政策金利発表
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
安倍政権の成長戦略に対して市場は「NO」を突きつけたようです。
昨日の昼過ぎ、安倍総理の講演が始まるとすぐに「ドル高円安」反
応し、日経平均株価も120円程の上昇を見せましたが、そこをピー
クに円買い、株安が急速に進み、結局講演の内容は「成長戦略に
は乏しい」との印象を残しました。
その後も円買い、株安の勢いは止まらず、日経平均株価は、このと
ころ頻繁に見られるように「引け際」にかけて一気に値を下げ、日経
平均は518円安、ドル円は99円40銭前後まで下落しました。
相変わらず、株価とドル円が同時に値動きを強める動きになっています。
日経平均株価は短期間でピークから約3000円程(約18%)下落し
ていますが、NY株式市場はそれでも堅調な地合いを保っていました。
しかしさすがに昨日は悪条件が重なったこともあり、ダウは216ドル安と
急落しました。
日本株に比べるとまだ下げ幅が浅いだけに、今後さらにNY株が調整
色を強めるようだとそのまま日本株にも影響し、さらに日経平均株価の
下落につながる懸念があります。
注目されたADP雇用者数は市場予想を下回る13.5万人で、これが
直接株価の下落につながっています。
今週月曜日にはISM製造業景況指数が節目の「50」を割り込み、
「49.0」だったことから、FRBによる「金融緩和縮小が遠のく」との連
想に株価は大幅な上昇を見せました。
しかし今回は同様に、経済指標は予想を下回ったものの、株価はそ
のままそれを「悪材料」と捉え、大きく下落しました。
市場の反応が「日替わりメニュー」のように日々変わる今の状況は、プ
ロの人たちでも「出口」を巡って混乱しているということです。
「出口」が近づくのか、遠のくのかが焦点になりますが、その判断基準
はいまいち明確ではありません。
個人投資家にとっても非常に難しい相場展開が続くことになります。
ここは敢えて相場に参加する必要はなく、しばらく「様子見」を決め込
むことも重要です。
「1000円の利益」を狙いに行って、「3000円を失う」、そんな相場展
開では敢えてリスクを取る必要はありません。
連日500円以上の値幅を見せる株価が落ち着くまで、為替の大幅な
変動も避けられない状況です。
ドル円は再び98円台を覗く展開になってきました。
「日足」チャートでは一目均衡表の「基準線」が上値のメドになりつつ
あります。
現在その水準は100円40銭です。まずここを抜けない限りドル円の上
昇は見込みにくい状況になっています。
一方下値のメドは、先ずは月曜日のNY市場のドル最安値である98円
86銭と、その下は「8時間足」の200日線がある98円40銭辺りと見てい
ます。
本日も日経平均株価は1万3千円の大台割れは間違いなさそうです。
株価の下落を見ながら、ドル円がどこまで売られるかを見極める展開に
なりそうです。
豪ドル円の下げもきついと思います。
95円を割り込み、94円台前半まで下落していますが、NYダウが大幅
に下落したことや、資源価格が軟調なこと、さらに再利下げ観測が払
拭できないことなどが理由として挙げられますが、加えてドル円が円高
傾向に推移してる下落に拍車をかけています。
下値のメドを見つけにくいところですが、「日足」の200日線が91円54
銭にあります。
さすがにこの水準は足元の相場から深すぎるとは思いますが、ドル円が
再び円安トレンドに戻るまでは大幅な反転は見込みにくいと考えられま
す。
多くの個人投資家がロングをキープしていることから、戻りも鈍い展開が
予想されます。
- [2013/06/06 09:13]
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豪ドル円再び軟調な地合いに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はアジア市場で100円台に乗せた後は、100円台前半でもみ合う。
米貿易収支の赤字幅が縮小していたことでドルが買われた局面もあったが、勢いはなく
100円前後で取引を終える。 - ユーロドルは1.30台半ばから1.31のレンジで推移。本日からの雇用関連の
経済指標を待つ雰囲気の中、材料不足で方向感も見られない。 - 株式市場は軟調。雇用統計を控え積極的な取引が見られない展開から、ダウは76ドル
安、ナスダックは20ポイント下げる。 - 債券相場も軟調に推移。金融緩和縮小観測が根強く、価格は下落。10年債利回りは
小幅に上昇し2.15%に。 - 金、原油はともに反落。
- 4月貿易収支 → -403億ドル
本日の注目イベント - 豪 豪1-3月GDP
- 中 中国HSBCサービス業PMI
- 欧 ユーロ圏5月総合景気指数(改定値)
- 欧 ユーロ圏1-3月GDP(改定値)
- 欧 ユーロ圏4月小売売上高
- 米 地区連銀経済報告(ベージュブック)
- 米 5月ADP雇用者数
- 米 5月ISM非製造業景況指数
- 加 カナダ4月住宅許可件数
前日98円台後半まで急落したドル円はやや落ち着きを取り戻し、昨日の欧州時間
には100円台半ばまで反発しました。
ドル円は高値から5円程下落した後だけに、まだドルの上値は重く、すぐに102
-103円台に戻す展開ではありませんが、基本的な「ドル高円安」の流れは変わ
っていないことを確認させられたような動きでした。
今日のADP雇用者数を皮切りに、週末まで多くの重要な経済指標が発表されるこ
とから
市場は依然としてボラティリティーが高く、再び98円台に突入するリスクが消え
たわけではありません。
株式市場の乱高下が続き、昨日の東京株式市場でも引け値では270円ほど上昇し
て引けていますが、日中の値幅としては500円以上も動いています。
株価が上昇し、ドル円が再度100円台を固めて上値を伺うような展開になるには
今しばらく時間が必要です。
ドル円は昨日の東京時間ではほぼ堅調に推移し、98円台を見ることはありません
でした。
特に株価がプラスに転じるとドル買いも活発になり、99円台後半までドル高に振
れています。
今朝方も100円台前半で推移していますが、このまま100円台を維持できるか
どうかは今後の米経済指標の結果が大きく影響し、その内容次第ではどちらにも振
れそうです。
特に週末の雇用統計では、内容が市場予想を上回っても下回っても、その反応がど
のようになるのか見極めにくい状況が予想されます。
現在16万7000人と予想されている非農業部門雇用者数が、仮に20万人だっ
たとする
と、FRBが金融緩和縮小に動く時期が早まるとして株価が下落し、「リスクオフ
」の流れが台頭しドル売り円買いに振れる可能性があります。
一方悪い数字が出た場合には株価は上昇するかもしれませんが、米景気にとっては
悪材料ということで、ドル売り円買いと判断されることも考えられます。
どちらにしても「円買い」ということになりますが、実際にはその時の市場の反応
を見ないと解らないというのが実情です。足元では市場がそれほど「出口」に振り
回されており、神経質になっているという表れです。週末の雇用統計では結果次第
で大きくレートが動きそうですが、100円を中心に上下2円程度のレンジに収ま
るのではないかと予想しています。
98円か、102円のどちらかを抜けるようなら、当面の方行性が確認できるので
はないでしょうか。
豪ドル円の軟調な展開が続いています。
先月末には96円割れ目前まで下落し、その後は97円台半ばまで反発したため底
値を確認したようにも見えましたが、再び下落基調になっています。
昨日オーストラリア準備銀行は政策金利を据え置きましたが、インフレ見通しから
すると一段の金融緩和余地が残されているとの見方が広がったことが、豪ドル下落
の手掛かりになっています。
スティーブンス・RBA総裁は昨日の声明で「前回の会合以降、下げてはいるもの
の、過去1年半の輸出価格の下落を考慮すれば、なお高水準にある」と述べており、
対米ドルでパリティーを割り込み、足元では0.96台で推移している為替レート
が、依然割高であるとの見方を示しています。今後の追加利下げの可能性を排除で
きない以上、豪ドルが対米ドルで「1.0」を超えて来るには時間がかかりそうで
す。
対円では、ドル円が再び103円台に乗せるようであれば100円に近付く場面が
あるかもしれませんが、100円を大きく超えて行くイメージはありません。
ただ、オーストラリア債券に対する日本からの需要は再び拡大しているとのデータ
もあり、主要国の中でも比較的金利の高い豪ドル債に資金が集まるようだと、ある
程度の上昇は見込めるかも知れません。
いずれにしても「リスク通貨」の代表である豪ドルは、市場が安定して「リスク許
容度」が高まることが上昇には不可欠です。
- [2013/06/05 09:09]
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円買いが加速しドル円一時98円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は100円の節目を割り込み一時98円86銭まで円買いが進む。
5月ISM製造業景況指数が分岐点の「50」を割り込み、約4年振りの
低水準だったことを手がかりに100円を割りこむと、ストップロスのドル売り
も巻き込み一気に98円台に。その後は株価の上昇がサポートとなり99円台
半ばまで値を戻して引ける。 - ドル安の流れを受け、ユーロドルも上昇。1.31台までユーロ高が
進んだが、勢いはなく1.30台後半で取引を終える。 - 株式市場は急反発。経済指標の悪化に金融緩和縮小観測が後退したことで
株価は上昇。ダウは138ドル高で1万5200ドル台を回復。 - 債券相場は反発した後下落。経済指標の悪化から堅調に始まったものの、
アトランタ、サンフランシスコ両連銀総裁が量的緩和縮小に前向きな発言を
したことで下落。10年債利回りは一時2.2%台まで上昇。 - ドル安が大きく進んだことから、金は1400ドル台を回復。原油価格も
大幅に上昇。
5月ISM製造業景況指数 → 49.0
本日の注目イベント - 豪 RBAキャッシュタ-ゲット
- 豪 豪第1四半期経常収支
- 日 5月マネタリーベース
- 欧 ユーロ圏4月生産者物価指数
- 米 4月貿易収支
- 米 フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
- 米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
100円の節目が重要だとの認識は市場参加者の多くが意識していましたが、
一旦割り込むと、ドル売りが加速して一気に98円台後半まで「円高ドル安」が
進んでしまいました。
正直この展開には驚いています。
5月のISM製造業景況指数が「50」を割り込んで、約4年振りの低水準だった
としても、市場の反応は想定以上で、ドルの大幅下落は溜まっていたドルロン
グの解消や、ストップロスのドル売りを巻き込んで下落したものと思われます。
ドルの下落が加速したのは、NY市場独特のシステム売買によるところもあり
ます。ドルが下落すればするほど、「ドル売り」が出て来る状況です。
それにしてもISM製造業景況指数が悪化していたことで、米国の「出口戦略」
が遅れるとの観測から株式市場が上昇したのは理解できますが、その結果ド
ルが売られる事態はどうもちぐはぐです。
先週まで見られた金融市場の反応は、良好な経済指標が出ると株価が下落し、
「リスクオフ」の流れが起き、安全資産の円が買われ、ドル円が下落するという
ものでした。
しかし昨日の反応は経済指標の悪化で「出口」が遅れるとの観測から株価が
上昇しました。
ところが、ここから先は「経済指標の悪化=ドル売り」と、まさにこれまでの正
常反応に戻ってしまい、結局、経済指標が良くても、悪くても「ドル安円高」
に振れることになります。
市場は気まぐれとしか言いようがありません。
さて100円の大台を大きく下回ってきたドル円ですが、テクニカルでは止まる
べき所で止まったと言えます。
「日足」の「52日線」が98円91銭のところにあり、昨日のNYの底値はほぼこ
の線で止められたことが見て取れます。
また「日足」の一目均衡表でも、ローソク足は「基準線」を割り込んでいますが、
「転換線」と「基準線」ではまだギャップを維持しており、さらに「基準線」は横
ばいです。
ドルの上値がかなり重くなってはいますが、一目均衡表を見る限りはまだ「トレ
ンドは変わっていません」。
さらに足元ではドル円はやや反発していることから、「日足」のローソク足では
長い下ヒゲを描いています。
このように見ると、この水準からさらに大きく下落する可能性はそれほど高くは
ないと考えられます。
それでも大台を割りこんだことで、上値が重い展開が続くことは容易に想像で
きます。
下値のメドを探してみると、先ずは昨日のNY市場の底値近辺である98円85
-95線辺りが重要です。さらに98円台半ばと98円は心理的な節目、そして
フィボナッチで大枠を導き出して見ると、2012年9月のドル底値である77円13
銭から、先月の103円74銭の「23.6%」に当たる97円46銭が一つの節目と
見ることができます。
もっとも、今のドル円の最大のテーマは「出口」です。
米金融緩和がどの時点で縮小に動くのかが焦点です。
昨日サンフランシスコ連銀のウイリアムズ総裁は講演で「早ければこの夏にも、
当局の購入プログラムに対する何らかの調整、恐らく下方向への幾分の調整が
あり得ると思う」と述べ、「購入プログラムは景気の勢いを強めるという大きな成果
を上げており、年後半に入っても継続されることが望ましい。しかし、事態が良く
なっている場合は、年末までに終了することも想定外ではない」と語っています。
同総裁は「ハト派」と見られていますが、先月にも量的緩和縮小に前向きな発言
をし、市場は大きくドル買いで反応した経緯があります。
昨日の発言でもその姿勢を崩していないことが確認されました。
また、ロックハート・アトランタ連銀総は債券購入ペース鈍化の検討時期につい
て「私ならもう少し慎重に考えて8月か9月、もしくは年末までにと言うかもしれない。
そうした時期の会合のいずれかで議題に上る可能性がある」と述べ、これまでより
も政策変更に前向きな発言をしています。
100円台を割りこんで来たドル円は、いよいよ正念場を迎えています。
アベノミクスへの期待感が先行して103円台まで円安が進みましたが、この先どこ
まで円が買い戻されるかという視点で見れば、かなりの水準まで来たという印象で
す。本日の日経平均株価の動きが当然重要なベンチマークになります。
- [2013/06/04 09:25]
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ドル円100円台半ばでもみ合い
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は経済指標の内容が良かったことで101円台に乗せたが、
午後株価が急落したことで円買いが強まり、100円22銭まで下落し、
その後100円台半ばまで反発して越週。 - ユーロドルは相変わらず1.3台が重く、ユーロ円の下落に伴い1.29台
半ばまでユーロ安が進む。ユーロ圏の失業率が過去最悪だったこともユーロ売りに
つながった。 - 株価は大幅下落。経済指標が良好だったことで、緩和政策が縮小されるとの観測が高まり
ダウは前日比208ドル安の1万5100ドル台まで売られる。 - 一方債券相場も下落。出口に関する議論が高まり、金融引き締めへの警戒感から売り物が
優勢となり、10年債利回りは上昇。結局長期金利は1週間を通じて2%台に留まる。 - 金、原油はともに下落。原油価格は約1ヵ月振りに91ドル台まで下げる。
- 4月個人所得 → ±0.0%
- 4月個人支出 → -0.2%
- 4月PCEコアデフレーター → +1.1%
- 5月シカゴ購買部協会景気指数 → 58.7
- 5月ミシガン大学消費者信頼感指数(改定値) → 84.5
本日の注目イベント - 豪 豪4月小売売上高
- 中 中国5月非製造業PMI
- 中 中国5月HSBC製造業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏5月製造業景気指数(改定値)
- 英 英5月製造業PMI
- 米 5月ISM製造業景況指数
- 米 イエレン・FRB副議長講演
- 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
101円台が徐々に重くなり100円台半ばを試しているドル円は、先週末の
NY市場では100円22銭まで円買いが進み、100円割れテストは回避さ
れたものの、依然としてその可能性を残した展開でした。
NY株式市場の急落が円買いドル売りをけん引しており、その株価の動き
は良好な経済指標がきっかけでした。
シカゴ購買部協会景気指数などが市場予想を超えたことで、「量的緩和
縮小が早まる」との観測が高まり株価が下落しています。本来良好な経済
指標は株価の上昇材料です。景気回復は企業収益の増大に結びつくから
です。
ところがこのところの市場は全く正反対の反応をします。
それは、市場のメインテーマが「出口戦略」に集中しているからです。
NY株式市場だけではなく、主要国の株式市場は軒並み「最高値」を更
新してきましたが、これは大規模な金融緩和が長い間続き、いわば「カネ
余り」がもたらした株高でした。
その金融緩和がいよいよ「終焉」を迎えることで、株式市場にとってはマイ
ナスに働くというのがその理由です。
しかし、金融緩和政策を徐々に解除するということは「景気が回復」してい
ることに他ならず、経済成長は企業収益にとってもプラスです。
また「金融緩和政策」の変更は、すぐさま「金融引き締め」に転換するわけ
ではありません。
考えられる政策変更は、先ず現在毎月850億ドルの資産購入を行ってい
る規模の縮小だと思います。
その効果を見極めつつ、その後は資産購入の停止、さらに時間を置いて
金融の引き締めに移行するというのがメインシナリオです。
その時期は早くとも2014年後半、遅ければ2015年半ばを過ぎる可能性
もあります。
これは昨年のFOMC声明文でも公にしており、今後経済環境がさらに急
激に改善しない限りこのタイミングが早まることはないのではないかと予想
しています。
市場の関心が「出口戦略」に集中しているため、「出口」が早まれば株価
は下落、遅くなるようだと株価の上昇という展開が続いていますが、金融引
き締めそのものはドル円にとっては「ドル買い材料」です。
ところが足元の為替相場は株価の影響を強く受けているため、株価の下
落→リスクオフ→ドル売り円買い、といった流れが定着しています。
今週の最大の焦点は100円割れがあるのか、あるいは100円台を維持し
て再び103円に向かうのかどうかです。そして、そのカギを握るのがやはり
「株価」です。
今週は週末の米雇用統計を始め、重要経済指標が相次ぎます。
特に雇用統計で米労働市場の一段の改善が確認されるようだと、「出口」
観測が高まり株価の下落、円買いドル売りが進むことが考えられますが、
市場が「良好な経済指標は株価にとって必ずしもマイナスだけではない」
との意識に、どれほど傾いてくれるのかがポイントになりそうです。
先週末のNY株式市場は大幅に下落していることで、今日の日本株も軟
調に始まりそうです。
今週、日経平均株価が1万3000円を割り込むようだと100円割れが避け
られないように思いますが、
1万4500円台を回復するようなら102円台もありそうです。
また、日本の長期金利の安定も望まれます。
米長期金利が上昇傾向を見せているだけに、日本の長期金利が低下傾
向を見せれば「日米金利差拡大」からドル買いに進む可能性があります。
予想レンジには100円~101円50銭と見ています。
- [2013/06/03 09:40]
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