ドル円98円を挟みもみ合い
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はFOMCなど、重要イベントを控え積極的な取引は見られず。
98円を挟み一進一退の展開となり、98円近辺で引ける。 - ユーロドルも小動き。1.32台半ばから1.3295まで買われるも
1.33台乗せには至らず。 - 豪ドルが急落。住宅許可件数が低調だったことと、RBA総裁が再利下げの
可能性に言及したことが豪ドル売りを誘い、対米ドルでは0.90台半ばまで
下落。 - 株式市場はまちまち。朝方は小高く始まったものの、GDPなどの発表を
控えポジション調整の売りも出てダウは1ドル安。ナスダックは13ポイント高。 - 債券相場も前日とほぼ変わらず。10年債利回りは2.60%台で推移。
- 金は反落。原油価格は3日続落し約3週間ぶりに103ドル台まで下落。
- 5月ケースシラー住宅価格指数 → +12・17%
- 7月消費者信頼感 → 80.3
本日の注目イベント - 独 独7月雇用統計
- 欧 ユーロ圏6月失業率
- 欧 ユーロ圏7月消費者物価指数(速報値)
- 欧 企業決算 → BNPパリバ、フォルクスワーゲン
- 英 BOE政策委員会
- 米 FOMC声明文発表
- 米 4-6月GDP(速報値)
- 米 7月ADP雇用者数
- 米 7月シカゴ購買部協会景気指数
- 加 カナダ5月GDP
ドル円は98円を挟みもみ合いが続いています。本日のFOMC声明文
やGDPの結果を見極めたいとの雰囲気が強く、どちらか一方にポジシ
ョンを傾けにくい状況です。
FOMCでは、FRBが目安としている失業率を現行の6.5%から6・0%
に引き下げるのではないかとの見方もあるようですが、直近の見方では
政策変更はないといった観測も根強いようです。
昨日発表された経済指標では、ケースシラー住宅価格指数が相変わら
ず好調で、全米20都市を対象にした「ケースシラー総合20」では前年
同月比12.17%の上昇でした。
これは約7年振りの高い伸びで、特にサンフランシスコは24.5%も上昇
しており、住宅市場は依然として活況であることを示しています。
一方消費者信頼感指数は80.3と、市場予想を下回っており、株価の
上値を抑える結果になっています。
そんな中、豪ドルの下落が目立っています。
昨日発表された住宅建設許可件数が市場予想を大きく下回る「-6.9%」
だったことで豪ドルは売られましたが、オーストラリア準備銀行のスティーブ
ンス総裁が講演で、「需要を支えるために必要なら一段の金融緩和を行う
余地をインフレ見通しが与えている」と発言し、さらに「最近の為替相場の
下落はマクロ経済の観点から理にかないそうだ。時間とともに一段と下落し
ても大きな驚きはない」とも述べています。
これを受け、次回8月6日に予定されている金融政策会合で再利下げの可
能性が再び高まっています。豪ドルは対米ドルで0.91台半ばから約100ポ
イント急落し、対円でも6月13日に記録した直近安値である
88円90銭を下回る水準まで売られました。
豪ドル円のチャートを見ると「日足」までのサポートは全て下抜けしています。
これまでの下落は「週足」の52週線でサポートされてきましたが、今回の下
落では明確に下抜けしています。現在「雲」の中を下落中ですが、テクニカ
ル的には上値は重く、一段と下落する可能性が高いと読むことが出来そう
です。
ドル円がこの先再び101-102円台まで戻れば円安豪ドル高もあり得ます
が、ドル円もやや上値を重くしているため、簡単には上昇トレンド入りすると
も思えません。
ただ、今週は重要イベントが目白押しです。その結果次第ではどちらにこ
ろぶかわかりません。
上にも下にも振れる可能性があることから、一方的な相場観に縛られること
は避けるべきでしょう。
もみ合いが続いているドル円も明確な方向感はでていません。
短期的な「1時間足」では97円90銭辺りを割り込むと下落に拍車がかかり
そうな気配ですが、今週は97円台半ばではしっかりサポートされています。
上値では98円60-70銭を抜けると、「雲抜け」が完了するため上昇に弾
みがつきそうです。
いよいよ今夜からは重要イベントや経済指標の発表が相次ぎます。
好調な経済指標を受け「金融緩和縮小観測」が再び高まるのか、あるいは
「米景気はそれほど回復はしていない」として緩和継続の見方が高まるのか、
今週末の雇用統計発表後までにはある程度方向が見えて来るものと思われ
ます。
スポンサーサイト
- [2013/07/31 09:06]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
ドル円1ヵ月振りに97円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京時間で98円台半ばまで円買いが進んだ流れを受け、NY市場でも
午前中は株安に引っ張られる格好で、一時は97円台後半まで円高が進む。
株価が持ち直したことで98円20-30銭で引ける。 - ユーロドルでも「ドル安ユーロ高」が進む。ユーロドルは上昇ペースが
鈍かったものの1.3294まで買われたが、前日の高値と同水準で上値を
抑えられる。 - 株式市場は午前中に大きく値を下げたものの、引けに掛けては値を
戻し、ダウは3ドル高で取引を終える。 - 債券相場は続伸。株価が軟調だったことや今週のFOMCを
見極めながらも債券には買い物が集まる。10年債利回りは
2.56%台まで低下。 - 金、原油はともに軟調となり小幅に下落。
- 7月ミシガン大学消費者信頼感指数 → 85.1
本日の注目イベント - 日 黒田日銀総裁講演
- 米 6月中古住宅販成約指数
ドル円はやや円を買い戻す動きが強まって来ました。
先週末の金曜日、いつものように3時の引け際に日経平均株価が
急落し、前日比436円安を記録。
ドル円はこの動きに呼応するかのように98円台半ばまで円高が
進行し、NYでも朝方は株価の下落にドル円は1ヵ月振りに
98円台を割り込み、97円95銭を付けています。
米金融緩和を巡る観測が円買いを促していると思われ、17日の
バーナンキ議長の議会証言をきっかけに、やや米金融緩和は
長期化するのではないかといった見方が優勢になっています。
議長はそれまでの、市場の傾きすぎた早期の緩和縮小観測を
牽制する格好で「経済データ次第では継続もあり得る」と
発言し、FRBの政策スタンスをニュートラルに修正したものと
思われましたがが、足元では「9月にも緩和縮小」との見方が
徐々に後退しつつあります。
また、先週1週間は100円を挟む展開から、3日続けて
100円台半ばの節目と見られていた100円50銭近辺
を試しましたが、上抜けできなかったことも円を買い戻す
流れにつながったものと見られます。
少なくとも先週までは98-100円半ばが維持され、
もみ合いが続いていましたが、足元の動きは下値のメドを
テストしている状況かと思います。
97円台を示現したことで、「日足」では「三角保ち合い」
(さんかくもちあい)を下抜けしています。
現在「雲」の中を下落中ですが、雲の途中には「120日線」が
あるため、先ずはこの値位置が最初のサポートになると見て
いますが、水準的には97円65銭になります。
そして、「雲」(先行スパン1)を下抜けするには97円50銭を
割り込む必要があります。
今週は、このサポートを維持できるかどうかが注目されます。
今週末には8月に入りますが、相場の動きは夏休み前の「最後のラり-」に
なる可能性があります。
明日からFOMCが開催されますが、31日には米第2四半期の
GDPが発表され、さらには週末には7月の雇用統計が発表されます。
また、1日にはECB政策委員会も開かれドラギ総裁の記者会見もあります。
これだけ重要イベントが控えていることから、相場の動きも大きくなる
ものと予想されます。
バーナンキ議長はこれまでも「今後の政策は経済だデータ次第だ」と繰り返し、
特に雇用状況がその決め手になると発言してきました。
その意味で今週末の「7月の雇用統計」と、9月6日に発表される
「8月の雇用統計」はこれまで以上に重要なものとなります。
そうなると必然的に民間の雇用統計である「ADP雇用者数」も重要な
意味を持ってきます。
仮にここで好調な数字がでると、本番の雇用統計への期待が高まり、
ドル高円安に振れることも考えられます。
もちろん軟調な内容であれば、ドル円が97円割れを試すことも考えられます。
ただそれでも日米の量的緩和を巡るスタンスには大きな差があります。
金融緩和縮小を巡る動きが「9月説」であれ、「12月説」であれ、緩和縮小に
向かっていることは事実で、ようやく「異次元の緩和」を実施した日本との
差は変わりません。
従って、足元ではドルが軟調な展開を見せ始めていますが、どこかでドルが
弱含んだ場面では拾っておきたいと思います。
ドル円は一旦下落すると、結構な値幅で売られることがこれまでの経験で
解っています。
5月に103円74銭を記録し、その後一気に円買いに振れた際93円台
後半まで下落した時も同様でした。
今回はその際記録した93円78銭を下回るドル安に向かう相場展開とは見ていません。
足元では2.56%で推移している米長期金利がドル円をサポートすると
予想しています。
本日も株価の動きが重要です。
日経平均株価は節目の1万4000円を割り込みそうな気配ですが、どこまで
深押しするのかがポイントです。
先週末と同様に400-500円の大幅下落を見せるようだと、97円台半ばを
割り込む可能性がないとは言えません。
予想レンジは97円30-98円80銭程度と見ています。
================================================================
明日(30日)は都合により「今日のアナリストレポート」を休ませていただきます。
予めご了承下さい。
- [2013/07/29 10:01]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
ドル円みたび100円台を維持できず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は100円台を維持できずに反落。WSJ紙が来週のFOMCで
債券購入プログラムの現状維持を決める可能性が高いと報じたことに反応し
一時は98円87銭まで下落。 - ドル安が進んだことと、独ifo景況指数が好調だったことからユーロは続伸。
ユーロドルは1.31台後半から1.3296までユーロ高が進む。 - NZドルが大幅に上昇。NZ準備銀行総裁が金融引き締めの方針を明確に
したことが材料視され、NZドルは対米ドルで0.80台前半から0.81台前半まで
急伸。 - 株式市場は反発。フェイスブック株が急伸したことや、耐久財受注が好調だった
ことに反応し、ダウは13ドル高。 - 債券相場は小幅に反発。WSJ紙の記事が支えになり10年債利回りは
2.57%とやや低下。 - 金と原油は小幅に反発。
- 新規失業保険申請件数 → 34.3万件
- 6月耐久財受注 → 4.2%
本日の注目イベント - 日 6月消費者物価指数
- 米 7月ミシガン大学消費者信頼感指数
昨日は「まる1日」100円台を維持できたドル円でしたが、「三度目の正直」
とは行きませんでした。やはり短期的な節目と見られる100円60-70銭
水準が抜けきれず、東京時間の午後からドル円は徐々に下値を切り下げ、
欧州市場では99円台半ばまで下落し、NY市場では一時99円台も割り込
む展開でした。
一時は99円を割り込みましたが、NYの引け値では99円30銭近辺まで戻
して引けたことから、基本的には99~100円台半ばのレンジは維持されて
いると見られますが、米緩和縮小が早まるのか、あるいは遅れるのかで相場
はどちらへも上下する展開が続いています。
NY市場ではWSJ(ウォールストリートジャーナル)紙が「FRBは来週のFO
MCで月間850億ドルの資産購入を維持する見込みだが、量的緩和策の
計画を説明する方法の見直しを議論する公算が大きい」と報じました。
このニュースに市場では早期の緩和縮小は延びるとの見方が高まり、ドル
売り円買いで反応し、ドルは主要通貨に対しても売られました。
来週のFOMCでは政策変更もなく「無風」に終わるとの見方があったため、
想定外の反応を見せましたが、値幅は記事の内容以上に大きかったと感じ
ます。
それにしてもドル円は100円台を維持し切れません。
米長期金利もやや上昇傾向を見せていることは支援材料にはなっていま
すが、昨日は午後に日経平均株価が下げ足を速めたことで100円台割れ
につながっています。
来週にはFOMCだけではなく、雇用統計の発表もあることから今週は動
きにくい展開を予想していましたが、昨日の動きを見る限り、ドル円もユー
ロドルも100ポイント以上の値動きを見せています。
こうなると来週はいよいよ「夏休み前の最後のラリー」となる可能性が高い
と思われます。
本日も日経平均株価は下落しそうな気配です。
300円を超える下落を見せるようならNYの底値である98円87銭を再度
試しに行くことも考えられます。
下値のメドは上記98円87銭近辺と、「4時間足」の200日線がある98円
60銭あたりと見られます。
一方上値のメドは「1時間足」の「雲の下限」である99円75-80銭あたり
と予想しています。従って、本位の予想レンジも同じように、98円60銭-
99円80銭程度と考えています。
そこそこの値動きはあるものの、今ひとつ方向感を見極めにくいドル円です
が、基本スタンスである、「中長期的にはドル高円安」という見方は変わって
いません。
米国の金融緩和縮小がどのタイミングで行われるかによってドル円は上下
する展開ですが、「出口に向かっている米国」と「未だに出口が見えていな
い日本」との差は歴然としています。
ドルが下落する場面では、「ドルの買い場」を探すスタンスでいいのではな
いかと思います。
- [2013/07/26 09:36]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
ドル円NY市場で100円台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は前日同様に99円台のもみ合いから100円台に乗せる。
米長期金利が一時2.6%台まで上昇したことを受け100円43銭まで
ドル高が進むが、これまで同様、100円50-70銭レベルには届かず。 - ユーロ圏の製造業PMIが節目の「50」を超えたことでユーロドルは
堅調に推移し1.32台でもみ合う。対円では5月以来となる132円台
後半までユーロ高が進行。 - 株式市場はもみ合い。キャタピラーが通期見通しを下方修正したことでダウは
25ドル安。一方ナスダックは小幅に続伸。 - 債券相場は大幅に続落。この日行われた5年債入札が振るわなかったことや、
住宅関連指標が好調だったことで売りもの優勢の展開に。10年債利回りは一時
約2週間振りに2.6%台まで上昇。 - 金は続落。原油価格は大幅に反落し105ドル台に。
- 6月新築住宅販売件数 → 49.7万件
本日の注目イベント- 独 独ifo景況感指数
- 英 英4-6月GDP(速報値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 6月耐久財受注
ドル円は前日、前々日と同じように欧州からNY市場にかけて上昇し、
みたび100円台を回復しました。
過去2回は100円台を維持できずに99円台に押し戻される展開で
したが、昨日は100円台を維持して戻って来ています。
ドル円が上昇するのに不可欠な「米長期金利の上昇」という援軍があ
ったからです。
6月の新築住宅販売件数が49.7万件と、市場予想を上回ったことが
債券売りにつながり、米長期金利を押し上げたものですが、このところ
の住宅関連指標は市場予想を下回るものが多かっただけに、市場も素
直に「出口に向かう」との見方で反応した格好です。
またユーロ円を買い増す動きも見られました。
昨日発表された7月のユーロ圏製造業PMIが、好不況を判断する分
かれ目である「50」を超えたため、これを手掛かりにユ-ロ買いが膨ら
みました。
ユーロ円は一時132円74銭までユーロ高円安が進み、これは5月以
来約2ヵ月振りのユーロ高水準です。
ドル円では上値が徐々に重くなり、5月に記録した103円74銭には
依然として届かない展開が続いていますが、ユーロ円ではいち早く
5月の高値水準に近づいています。
欧州景気に対する不安がくすぶる中でも、ユーロは対ドルで堅調に
推移しているため、ユーロドルとドル円を乗じて導き出すユーロ円は、
結局ユーロ高円安に振れてしまうことになります。
132円74銭まで上昇したユーロ円は「日足」など、長期的なトレンドを
示す「足」では全て上向きです。
現在「月足」の「雲」を上昇中ですが、この「雲」を抜けるには138円辺
りまで上昇する必要があるためそう簡単に抜けるとも思えません。
ECBによる再利下げの可能性も残っていることから、ここからさらに一
本調子で上昇するにはユーロへの支援材料が不可欠です。
しばらくは130円台でもみ合う展開を予想します。
ドル円も100円台を維持していますが、このまま100円台を保つことがで
きるかどうかが焦点です。
99-100円台半ばが当面のレンジと見ていますが、今日で今週3度目
のテストということになります。
上述のように米長期金利が再び上昇傾向を見せ始めていることがドル
高要因になっていますが、量的緩和縮小が
遅れるとの見方が増えれば、債券が買われ長期金利はすぐに低下して
しまいます。
好調な経済指標が発表されるか、あるいはまだまだ「まだら模様」の域
を抜けていないのかで米長期金利は上下し、ひいてはドル円の水準を
決めることになります。
「三度目の正直」ということになるのかどうか・・・。
米ワシントンポスト紙が来年1月に任期を終えるバーナンキ議長の後任
に、サマーズ元財務長官が有力だと報じています。
これまではイエレン現FRB副議長が最有力候補と見られていましたが、
ここにきてなぜサマーズ氏なのかは解りません。
ただ、サマーズ氏は緩和縮小には積極的な「ハト派」と見られているこ
とから、仮に同氏がFRB議長に就任すれば金融政策の変更が早まると
の見方もあり、ドル高円安につながったとのコメントもあるようです。
同氏は現在ハーバード大学の学長をしており、同大学の基金の運用
に積極的であると聞いていますが、今後同氏の名前が頻繁に取り沙汰
されるかもしれません。
- [2013/07/25 09:27]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
ドル円「行って来い」の展開
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 東京時間では小動きだったドル円は欧州市場に入ると上昇を見せ、
一時100円19銭までドル高が進む。しかしNY市場では一転して下落し
99円台前半までドル売りが進む。米経済指標が予想を下回ったことで
円が買い戻されたが、方向感も定まらない展開が続く。 - ユーロドルは堅調に推移。1.31台を固める様な動きを見せ、一時は
1.3239まで上昇する場面も。 - 株式市場はまちまち。企業決算の発表に一喜一憂しながらも、ダウは
22ドル高を見せたが、ナスダックは21ポイント下落。 - 債券相場は3日ぶりに反落。2年債入札が振るわず、緩和縮小は近いとの
見方に価格は下落。10年債回りは4営業日振りに2.5%台に乗せる。 - 金は反落。原油価格は小幅ながら反発。
- 7月リッチモンド連銀製造業指数 → -11
- 5月FHFA住宅価格指数 → +0.7%
本日の注目イベント - 豪 豪第2四半期消費者物価指数
- 日 6月貿易統計
- 中 中国HSBC製造業PMI(速報値)
- 独 独7月製造業PMI(速報値)
- 独 独7月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏7月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏7月サービス業PMI(速報値)
- 米 6月新築住宅販売件数
ドル円は99円~100円台半ばでもみ合い、これまでに指摘したように
やや膠着状態の様相を見せています。昨日は欧州市場に入ると、そ
れま上値の重かった99円60-70銭を抜き、100円に乗せる場面があ
りました。
しかしNY市場ではリッチモンド連銀製造業指数が予想を大きく下回っ
たことに反応しドル売りが加速し、99円台前半まで下落する展開でした。
米金融緩和縮小観測と中国の景気後退が綱引きをしている状況で、
米経済指標が堅調な内容を示すと緩和縮小観測が
勝り、逆に悪化していると観測が後退しドルが下落する展開になってい
ます。
そんな「綱引き合戦」に政権基盤を盤石にしたアベノミクスが時折、緩
和縮小観測の方に参加する構図と見ることができます。
ブルームバーグの調査によると、エコノミストの多くは依然として「9月
にも緩和縮小が決まる」との見方を維持していると伝えています。
昨日のドル円は結局「行って来い」の相場展開でしたが、100円台が
重いといった見方が定着しそうです。
しかし、その割には豪ドル円などのクロス円では、どちらかと言えば下
値が堅くなってきたイメージがあります。
先週のバーナンキ議長の早期緩和縮小観測を修正するような発言を
材料にややドル安が進んだ結果、ユーロドルや豪ドル米ドルでは「ドル
安」が進んでいます。
その一方ドル円ではそれ程円高には振れていないため、クロス円が
堅調に推移していると考えられます。ドル円で円高が進まない大きな
理由は日銀による「異次元緩和」という政策が根底にあると思われます。
今週は重要な経済指標がないこともあり値動きは少ないと予想してい
ましたが、実際にドル円のボラティリティーも徐々に低下しており、上で
述べた99-100円台半ばのレンジを抜けきれない可能性が高いと見
られます。
だた、来週は30-31日にFOMCがあり、31日には米第2四半期GD
Pが発表されます。予想以上の伸びを見せると緩和縮小観測が高まり、
株安、債券安が進み、ドル円ではドルが買われそうです。
一方低調な結果に終われば、円高に振れると予想されますが、それで
も98円程度が下値のメドを見られます。
来週末には7月の雇用統計が発表されます。
今回の結果と来月の雇用統計はこれまで以上に注目されそうです。
バーナンキ議長は議会証言でも「量的緩和を縮小するか継続するかは
雇用次第」と述べています。
今回も20万人前後の雇用が維持されていれば、一気に「9月緩和縮小
説」が盛り返すことになりそうです。
また31日に発表されるADP雇用者数も今回は一段と注目されることに
なります。
こう考えると、来週一杯が相場のヤマ場になりそうです。
それ以降は欧米のバケーション入りと、日本でも本格的な夏休みシー
ズンに入るため相場は「夏枯れ」ということになりそうですが、今年は年
初からドル円の動きは活発で「休み時間」はほとんどありませんでした。
予想外に値動きが活発になることがあるかもしれません。
- [2013/07/24 09:03]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
選挙結果材料視されずドル円下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 参院選での自民党圧勝が決まったが、アジア市場では利益確定の
ドル売りが優勢の展開となり、欧米市場でもこの流れが続く。
ドル円は上記理由に加え、経済指標が予想を下回ったこともあり下落。
一時99円28銭まで円が買い戻された後、99円台半ばまで戻して引ける。 - ユーロドルは小幅に続伸。ドルが主要通貨に対して下落したことを受け、
1.31台から1.3218までユーロ高が進む。 - 株式市場は小幅に上昇。住宅関連指標がさえない結果だったことで、緩和縮小が
遅れるとの見方から株価は小幅に上昇。ダウは1ドル高、S&P500は3ポイント高。 - 債券相場は先週末とほぼ変わらず、10年債利回りは2.48%台に留まる。
- 金は大幅に買われ3日続伸し1300ドル台を回復。原油価格は4日振りに反落し
106ドル台で取引を終える。 - 6月中古住宅販売件数 → 508万件
本日の注目イベント - 欧 7月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
- 米 7月リッチモンド連銀製造業指数
- 米 5月FHFA住宅価格指数
- 加 カナダ5月小売売上高
アジア市場も欧米市場も、今回の参院選の与党圧勝は予想通りの結果
と受け止め利益確定のドル売りが優勢な展開となり、ドルの上値は重く9
9円台での取引で推移しました。
NY市場では中古住宅販売件数が市場予想を下回ったこともあり、一時
99円28銭までドルが売られ、国会での「ねじれ解消」も特段材料にはな
らなかったようです。
先週行われたバーナンキ議長の議会証言が蒸し返され、中古住宅販
売件数が振るわなかったことで、金融緩和縮小の開始が遅れるとの観測
さえ出たようです。
これは米長期金利の推移を見ても明らかで、10年債利回りは今月半ば
までは2.5%~2.7%台で推移していたものが、先週あたりからは2.4
%台後半まで下落(価格は上昇)しています。
早ければ9月のFOMCで金融緩和縮小が決まるのではないかといった
見方が後退していることを表しています。
米長期金利の上昇はドル高要因であるため、金利が下落すればドルが
売られることになります。
米景気が回復基調に向かい、主要な経済指標が堅調に推移して行くこ
とが予想されますが、それでもその内容が市場予想を下回る結果になる
とドル売りで反応します。
市場の最大の関心は、どのタイミングで緩和縮小に踏み切るのかという
点に集まっていることから、経済指標の結果には素早く反応する展開が
続きそうです。
国会では安倍政権が一段と安定性を増すことになるわけですが、今後
発表される「成長戦略第2弾」の中身が問われることにもなります。
TPP、企業減税、医療改革、あるいは農業問題など、今後取り組んで
いくべき課題は山積しています。
それらをどのように「経済成長」につなげていくことができるのかが、今年
後半のメインテーマになると言えます。
今週のドル円はやや決定的な材料に欠けることから方向感が出にくく、
一進一退の展開が続くと予想されます。
それでも昨日の朝方のように、大量のドル売りが持ち込まれると相場は
一気に一方方向に振れます。
市場参加者も徐々に減少し、海外市場ではバケーションのピークを迎
えます。
チャートを確認すると、「日足」では5月から6月の乱高下がちょうど天井
と底を形成し「三角保ち合い」(さんかくもちあい)が形成されています。
相場の上昇を抑える抵抗線は、5月22日の103円74銭から右下に引く
ことができます。
一方相場の下落を支える支持線は、6月13日の93円79銭を底値に右
上に引けます。
その結果、足元の相場はそれらの線に挟まれ徐々に値幅を縮小してい
ます。
99円台を割り込めば、一段の下落があるかもしれません。反対に101円
台に乗せることができればさらに上昇する可能性もあります。
「三角保ち合い」は「抜けた方向に付く」ことが原則です。
相場が膠着状態になればなるほど、こういったテクニカルが注目される
傾向があります。
本日も相場を動かす材料に乏しいことから、99-100円を予想レンジに
したいと思います。
- [2013/07/23 08:42]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
自民圧勝にもドル円動かず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は経済指標の発表もなく、さらに日本の参院選の行方を見極めたい
との雰囲気もあり小動き。100円台前半までドルが弱含む場面もあったが
その後ドルが買い戻され、100円50-60銭の高値圏で引ける。 - ユーロドルも値動きは小幅。1.31台前半から半ばで推移し、方向感が
見られない展開が続く。 - 株式相場はもみ合い後、前日とほぼ同水準で引ける。
- 債券相場は反発。株価が小幅に下落したことと、前日のバーナンキ議長の
議会証言を受けて買いもの優勢の展開に。10年債利回りは2.48%台まで低下。 - 金は続伸し1292ドルに。原油は前日とほぼ変わらず高値圏で推移。
本日の注目イベント - 米 6月中古住宅販売件数
モスクワでの「G20」では、新興国が米国の金融緩和縮小観に伴う影響を懸念
する発言を繰り返したものの、今後は金融政策の変更は注意深く行い、お互い
に意思疎通をはかる必要があるということで合意。
また、昨日の参院選では自民党が圧勝し、参議院での「ねじれ」が解消。安倍
政権がより盤石になることで緩やかな「円安株高」が進むといった見方が優勢と
なっており、いずれも事前予想通りの展開で「サプライズ」はありませんでした。
今回の参院選では自民党が圧勝するとの予想が大半で、昨日夜の開票速報
では8時過ぎには自民党候補が続々と当選を決め、その流れは終始続きました。
今朝の為替市場は予想通りの結果に終わったことからドル円は100円台半ばで
推移し、先週末のNY市場の引け値からほとんど変化はありません。
安倍政権が信任されたことで、今後は第3の矢である「成長戦略第2弾」がどのよ
うな内容で、それが具体的な成長につながるものなのかどうかが問われることに
なります。
黒田日銀総裁とともに、デフレからの脱却、そのための金融緩和策の継続、そ
して2%のインフレ率の達成に向けた政策運営を積極的におこなって行くものと
思われます。従って今後も緩やかな「円安株高」傾向が続くと見られます。
バーナンキ議長の議会証言、モスクワでのG20、そして参議院選挙と、重要イ
ベントは消化してしまいました。ドル円は下値も限定的ですが、上値も100円台
後半から101円台半ばが抜けにくい状況となっており、動きにくい展開が続きそ
うです。
そんな中でやはり注意すべきは株価の動向です。
今週からはその株価に影響を及ぼす4-6月企業決算発表が始まります。
円安の影響もあり、大方の企業が好決算を発表するものと予想されますが、ある
程度は織り込まれているため「増配」や「自社株買い」など、株主配分にどれだ
け配慮するかも重要なポイントになってきそうです。株主を重視する政策をとり、
好決算を発表するようなら日経平均株価も1万5000円台を回復し、場合によっ
ては1万6000円を伺う展開があるかもしれません。
そうなるとドル円も102ー103円を試す展開も予想されます。
今年5月に日経平均が1万5600円程度まで上方した際に、ドル円は103円7
4銭の今年の最高値を記録したことは記憶に新しいところです。
株価とドル円の相関度は依然高いと考えられます。
足元では先ず100円台を値がためできるかどうかが注目されます。
先週金曜日の朝方もドル円は株価に翻弄される展開がありました。
ドル円は前日のNY市場でダウ平均が過去最高値を更新したことを受けドル
高で推移し、100円87銭まで上昇し101円台テストの期待もあった矢先です。
前日比100円を大きく超える上昇を見せていた株価が急落し、わずか10分ほ
どで400円を超える下落をみせました。
株価の急落に伴いドル円も100円台前半まで一気に下落し、その後99円台
後半まで円が買い戻される展開でした。
先物市場で大量の売り物が出て、現物株の急落につながったようですが、為
替と株価の連動性を思い知らされた瞬間でしたが、個人投資家にとっては何
が起きたのか理解できなかったのではないかと思います。今後も株価の動きに
は十分注意が必要です。
ドル円は上述のように選挙結果を織り込んでいたためドル高への影響は限定
的かと思われます。場合によっては利益確定のドル売りで下押しされる場面が
あるかもしれません。
ただ、冷静に考えれば政権の安定は「ドル高円安要因」であることは間違いな
く、夕方からの海外市場の反応にも注意しなければなりません。
また長い目でみれば、今回の選挙結果は安倍政権にとっても極めて「プラス」
に作用することになります。
そのため、米経済指標の内容に上下しながらも、円は緩やかな下落を続けて
行く可能性が高いと思われます。
- [2013/07/22 09:08]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
ドル円100円台で安定
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は週間失業保険申請件数など、経済指標が良好だったことや
株価の上昇を受け堅調に推移。終始100円台をキープし、一時は
100円66銭まで上昇し高値圏で引ける。 - ユーロドルは動意に乏しい展開。1.30台半ばから1.31台前半で
取引されたが、対円では上昇し131円88銭までユーロ高が進む。 - 株式市場は続伸。バーナンキ議長の議会証言を無事にこなしたことや、
好調な企業収益に支えられ、ダウは78ドル高の1万5584ドルで引け、
最高値を更新。 - 一方株高から債券相場は下落。経済指標の改善傾向もあり、売り優勢の展開
から価格は下落し、利回りは上昇。 - 金は反発。原油は大幅に続伸し、約1年4ヵ月振りとなる108ドル台に。
景気回復に伴い需要が拡大すると見込んだ投機的な買いもあり、連日高値を更新。 - 新規失業保険申請件数 → 33.4万件
- 7月フィラデルフィア連銀景況指数 → 19.8
本日の注目イベント - 日 5月景気動向指数(改定値)
- 独 独6月生産者物価指数
- 欧 G20(モスクワ、20日まで)
- 米 決算発表→ GE
- 加 カナダ6月消費者物価指数
ドル円は昨日の東京時間午後に100円台に乗せ、NY市場では終始
100円台を維持するなど市場の流れがやや円売りに傾いて来ました。
ドル円ではドル高に振れていますが、ドル高というよりもむしろ「円安」と
いう表現の方が適切です。
円は対ユーロなど、主要通貨全般に対して売られている状況です。
昨日は日経平均株価が堅調だったことから100円台に乗せ、NY市場
でもフィラデルフィア連銀景況指数など経済指標が改善していたことで
株高、債券安、金利上昇に連動する形でドルが買われました。
先週にも100円台乗せがありましたが、「滞空時間」は短く、すぐに99円
台に押し戻される展開でした。
100円半ばまで上昇したことで、本日から来週にかけて100円台を維持
できれば102円へのテストも可能性ありと見ています。
それは、バーナンキ議長の議会証言という今週最大のイベントを無事こ
なし、市場は株式を買い進み、債券を手放す、いわゆる「リスクオン」の
姿勢を再び強めて来たと見られるからです。
昨日発表された週間失業保険申請件数は33.4万件と、市場予想を
下回っただけではなく、5月第1週の32.8万件に次ぐ、今年2番目の
低水準で、雇用の改善を示しています。
また、フィラデルフィア連銀景況指数も先月を上回り、今年最も改善し
ています。
このように米経済指標が良好な内容を示すことが続けば、早期の金融
緩和縮小観測につながり、ドル高円安が進み易い状況になります。
バーナンキ議長は昨日も上院で議会証言を行い、資産購入の縮小を
検討しているものの、高度に緩和的な政策は変更しないことを改めて
表明しています。緩和縮小はこの先十分考えられるものの、それはあく
までも経済データ次第であると証言し、経済データが当局の予想に届
かなければ緩和策の継続もあり得る、との含みも残すことを忘れてはい
ませんでした。
議長の発言は、「極力市場の混乱を避けようとするはず」と読んでいまし
たが、ほぼ予想通りの内容でした。株式市場はこの発言を好感したとい
うよりも、早期に緩和縮小に動くといった「極端なマイナス要因」には
ならなかったことで安心感が広がったと思われます。
5月の議長発言をきっかけに、早期緩和縮小観測が急速に高まり金融
市場が大きな混乱を見せましたが、議長はそれでも「より大きな混乱を
避けることができた」とも述べています。
景気回復が続く以上、どこかの時点で「量的緩和の停止」を市場に知ら
しめなければならいないわけですが、今回の一連の発言で、市場には
既に「免疫」ができたものと思われます。これでバーナンキ議長も、来年
1月の退任に向けて肩の荷を一つ下ろすことができたのではないでしょうか。
昨日この欄でも述べたように、ユーロ円が一段と上昇しています。
「日足」では明確に「雲」を上抜け、「遅行スパン」も好転を示しています。
それでも「月足」では「雲の中」を上昇中ですが、ここに移動平均線を加え
ると、「120日線」がすぐ上に来ていることが見て取れます。
現在131円96銭に位置しているため、132円前後では一旦抵抗されると
見られます。
この水準を抜ければ2010年1月以来、3年半ぶりのユーロ高水準となるた
めもみ合う可能性も高いと予想しています。
ただしこの水準を明確に上抜けすれば、「雲の上限」である137円台半ば
まで目立った抵抗はありません。ユーロ円も「正念場」に差し掛かっている
と言えそうです。
- [2013/07/19 09:10]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
議会証言ひとまず無風で終える
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- バーナンキ議長は議会証言で金融緩和の縮小は今後の景気次第
であることを強調。結局発言内容がニュートラルだったことで市場への
影響は限定的。ドル円は大きな値動きもなく、99円前半から
半ばのレンジで推移。 - ユーロドルは堅調に推移。欧州時間にはユーロ円の上昇に伴い
1.31台後半までユーロ高が進んだがその後は一進一退。
ユーロ円は一時131円35銭近辺まで上昇し、「日足」での三角保ち合い
を抜ける。 - バーナンキ議長の発言で株式市場は終始狭い値幅で推移。ダウは前日比
18ドル高で引ける。 - 債券相場は堅調。証言の中で「当面金融緩和を維持して行く」との発言が
あったことで債券価格は上昇。10年債利回りは約2週間ぶりに2.4%台まで低下。 - 金は反落し、原油価格は反発。
- 6月住宅着工件数 → 83.6万件
- 6月建設許可件数 → 91.1万件
本日の注目イベント - 欧 アスムセン・ECB理事講演
- 欧 ユーロ圏5月経常収支
- 英 英6月小売売上高
- 米 6月景気先行総合指数
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 7月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 バーナンキ議長・上院で議会証言
- 米 決算発表→ ブラックロック、モルガンスタンレー、マイクロソフト
バーナンキ議長は下院の議会で証言を行い、資産購入については「事前
に方針が決まっているわけではない」と発言し、金融緩和の縮小が「既定路
線ではない」ことを強調しました。
一方で証言後の質疑応答では、今後の方針について「経済統計に応じて
判断する」とし、「データが予想より強ければ(資産購入縮小に)より迅速に
動く」と述べています。
また経済指標が「経済の先行きに関する当局の予想と一致しない場合は、
縮小プロセスを遅らせるか、一時的に購入を拡大させることもあり得る」と続
け、結局「タカ派的」とも「ハト派的」とも取れる発言内容でした。
この発言を受けて各金融市場は落ち着いた動きに終始し、ドル円は99円
台で取引されています。
議長は米景気が回復基調を拡大させれば、緩和縮小を早める可能性は
排除しないものの、今後経済の基礎的データが悪化するようなら緩和策
を継続することもあり得ると、今後の経済指標次第であることを改めて強調
しました。
緩和策を継続するのか、縮小するかのカギを握る雇用についても、月平均
20万人程度の増加が続く雇用者数には満足しているものの、7.6%とい
う失業率についてはなお高いとの認識を示し、それでも年末にかけては
7%程度まで低下するという自信は見せていました。
これまでの発言とやや異なってきたと感じられるのは、インフレ率を重視し
ている点です。
議長はインフレ率が目標の水準まで達したら、緩和縮小を幾分速める可
能性があることも示唆しています。
足元のPCE・コアデフレーターは1.1%で推移しており、FRBが目標と
している数値の半分以下です。
今後は雇用統計と同時に上記インフレ率も大いに注目される経済指標に
なるかもしれません。
バーナンキ議長の証言を受けて株式市場は小幅に上昇し、債券市場も
堅調に推移し長期金利は幾分低下しました。
為替市場ではドル円自体大きな変化はありませんが、全体的に見れば
「緩和縮小に動くのはそれほど早い時期ではない」
といったメッセージであったようです。
個人的には9月のFOMCで緩和縮小を決定するとの予測を維持してい
ますが、市場では「9月説」がやや後退しています。
来月に発表される「7月の雇用統計」と、それに次ぐ「8月の雇用統計」
が益々重要になって来ました。
ユーロ円が上昇基調に入る可能性が出て来たように見えます。
昨日の欧州市場で約1カ月振りに131円35銭近辺を付けています。
その後NY市場で1円ほど下落したため短期の「1時間」ではトレンド
が下向きになっていますが、「4時間足」以上の長い「足」では、「月足」
まで転換線が基準線を上抜けする「好転」が見られます。
「月足」ではローソク足が現在雲の中を上昇中で、「120日線」と「200
日線」に囲まれたレンジに収まっています。
欧州では景気低迷が長引き、ECBによる利下げの可能性はありますが、
テクニカル上では上昇の可能性が高いと判断できそうです。
やや長期的に見て、128円台を割り込まない限り上昇の余地はあろうか
と思います。
本日もバーナンキ議長の議会証言が上院で行われます。
昨日の発言からすると、さすがに「サプライズ」はなさそうですが、安心は
できません。ただ、ドル円は動きにくい状況が続くかもしれません。
98円台半ば~100円台半ばが当面のレンジと見ますが、バーナンキ議
長の発言内容にもあったように「経済データ次第」ではどちらにも動きそう
です。- [2013/07/18 09:00]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
議会証言控えドル売り強まる
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- アジア時間で100円台に乗せる場面もあったドル円だが、時間とともに
下落し、NY時間では99円台を割り込む。本日のバーナンキ議長の
議会証言では、早期の金融緩和縮小を退ける発言があるとの見方が背景。 - ドルが主要通貨に対して下落したことで、ユーロドルも上昇。
独経済指標が予想を下回ったにも拘わらず1.30台後半から1.3174まで
ドル安が進む。 - 株式市場は4営業日振りに反落。カンザスシティー連銀のジョージ総裁が
「タカ派的」な発言をしたことが重しとなりダウは39ドル安。 - 債券相場は小動き。本日のバーナンキ議長の議会証言を控え取引は閑散。
10年債利回りも前日とほぼ変わらず2.53%で推移。 - 金価格は続伸。原油価格は小幅に反落。
- 6月消費者物価指数 → +0.5%
- 6月鉱工業生産 → +0.3%
- 7月NAHB住宅市場指数 → 57
本日の注目イベント - 日 日銀金融決定会合議事要旨(6/10、11日分)
- 英 英6月雇用統計
- 米 地区連銀経済報告(ベージュブック)
- 米 6月住宅着工件数
- 米 6月建設許可件数
- 米 バーナンキ議長・下院で議会証言
- 米 ラスキン・FRB理事講演
- 米 決算発表→ BOA、IBM、インテル
- 加 カナダ中銀政策金利発表
カンザスシティー連銀のジョージ総裁は米フォックス・ビジネス・ネットワーク
のインタビューで、「米景気の回復は正しい軌道上にあり、緩和縮小は適切
だ」と語り、低すぎる政策金利を長すぎる期間、維持すべきでない、とも述べ
ています。
NY株式市場はこの発言に反応し、4営業日振りに値を下げました。
ジョージ総裁はもともと「タカ派」と見られており、金融緩和縮小を早期に停
止すべきとの立場に立っていました。しかし、昨日の為替市場の反応を見る
と、本日のバーナンキ議長が先週の講演後の質疑応答で見られたように、
早期の金融緩和縮小にはつながらない様な発言を行うとの見方が優勢です。
そのためドルは主要通貨に対して下落し、東京市場が休場中に100円台半
ばまで上昇したドル円も一時は98円台まで下落しており、早期の金融緩和
縮小観測を修正する動きになっています。
また、対ユーロでも1.31台後半まで売られるなど、本日の議会証言では量
的緩和は今しばらく継続されるという見方さえ出て来ている様です。
ただ、それでもFRBがいずれ緩和策を修正する行動を起こすことに違いは
なく、「やるやらない」の問題ではなく、「タイミング」だけの問題です。
緩和縮小の条件として議長が掲げたのが「雇用の拡大」です。
8月、9月の雇用統計で、この部分が期待外れに終わると、その時は緩和縮
小観測が大きく後退することになりますが、現状でその可能性は低いと予想
されます。
雇用者数の増加が15万人以下では「拡大」と言えないのか、あるいは「13
万人以下」なら「想定外」ということになるのかは、今後7月の雇用統計発表
時(8月2日)までには「分岐点」がどこになるのか煮詰まってくるのではない
でしょうか。
極端な言い方かもしれませんが、米国にとって「ドル高、ドル安」はそれ程
重要な問題ではないかもしれません。
米国に取って最も重要な金融市場は株式市場です。
GDPの7割以上を個人消費が占める米国では、株価の上昇、下落が消費
行動に大きく影響を与えるからです。
その意味では先週来過去最高値を何度も更新した米株式市場は極めて
順調に拡大していると言えます。
5月22日の発言でバーナンキ議長が、金融緩和の縮小の可能性に言及
した際にはそれ程大きな反応を見せなかった
NY株式市場は、6月に入ると1日で200ドル以上も値下がりする日が何回
かあり「調整局面入り」しました。
その後、議長自身が発言内容を軟化させたことで市場の過剰反応にブレ
イキを掛け、株価も回復して来ました。
議長の「剛柔うまく使い分けた」発言が功を奏した結果と言えます。
足元のNYダウは1万5400ドル台です。
株価の水準を見る限り「バーナンキショック」は克服したとも言えます。
そのため、本日からの議会証言で再び「剛」を全面に出しても十分耐えう
るのではないかと予想しています。
下院での議会証言は日本時間23時から予定されています。
ドル円はややレンジを形成し始めています。
98円台半ば~100円台半ばで上下とも抑えられそうな気配です。
今日明日の議会証言で上記レンジを抜け切れなければ、本格的な
「夏相場」に入るかもしれません。
- [2013/07/17 09:00]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
ドル円100円の攻防
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 東京市場が休場だったがドル円は堅調に推移し、一時100円台半ばまで
ドル高円安が進行。NY市場の朝方、金融緩和縮小の可能性が根強く、ドルを買う
動きが優勢となり100円49銭までドル高が進んだが、その後米経済指標の悪化が
発表されると99円台半ばまで値を下げる。株価が堅調だったことで99円90銭
近辺まで戻して引ける。 - ユーロドルは1.30台で一進一退。ユーロ円が130円台後半まで上昇したことで
ユーロドルも1.30台後半まで買われたが、明確なトレンドが掴めない展開。 - 株式市場は3日続伸。金融機関の好決算が続き株価を押し上げた。ダウは19ドル高
となり、小幅ながら最高値を3日連続で更新。 - 債券価格も小幅に続伸。小売売上高が予想を下回ったことから価格が上昇。
10年債利回りは2.54%台に低下。 - 金は反発。原油は続伸し106ドル台まで上昇。
- 7月NY連銀製造業景況指数 → 9.46
- 6月小売売上高 → +0.4%
本日の注目イベント- 豪 RBA議事録
- 独 独7月ZEW景況感指数
- 欧 ユーロ圏6月消費者物価指数(改定値)
- 米 6月消費者物価指数
- 米 6月鉱工業生産
- 米 7月NAHB住宅市場指数
- 米 ジョージ・カンザス連銀総裁講演
- 米 決算発表→ ゴールドマンサックス、ジョンソン&ジョンソン
ドル円は再び100円台半ばまで上昇したものの、小売売上高が予想を
下回ったことで99円台まで落とされましたが堅調に推移していると言え
ます。
昨日は東京市場が休場にも拘わらず円売りが優勢となりドル円だけで
はなく、ユーロ円でも130円台半ばを超え、前日89円台まで下落した
豪ドル円も91円まで円売りが進んでいます。
特にこれといった材料はなかったようですが、米金融緩和縮小観測が
蒸し返され円売りが進んだようです。
先週はバーナンキ議長の「ハト派的発言」から、金融緩和縮小が近
いと読んでいた市場が大きく揺れ動き、縮小観測が後退し、一時98
円台前半まで「ドル安円高」が進む場面がありました。
米株式市場もこれを好感し、連日過去最高値を更新し、上昇を続け
ていた米長期金利にもブレイキがかかってきました。
今週も明日から同議長の議会証言が予定されていることから、発言
内容によっては上下どちらにも動く可能性がありそうです。
バーナンキ議長のこれまでの発言は、それ自体は内容が変わって来
たとは思えません。
米景気回復、とりわけ雇用の拡大が順調に進んでいることで、「年後
半には量的緩和を縮小することが適切と判断した」と5月に発言し、
一気に緩和縮小が近づいたわけです。
しかし、この発言をきっかけに株式市場が急落し、長期金利は約1%
も上昇するなど「副作用」が予想以上に見られたことで、FOMCメン
バーがその後「火消し」に回り、議長もややトーンを下げた内容に軌道
修正を迫られることになりました。
その発言が「予見しうる将来にわたって、米経済は極めて緩和的な金
融政策を必要としている」という発言につながったものと理解できます。
議長の真意は「雇用が安定的な拡大を見せる限り、緩和縮小は行わ
れる」というもので、ブレてはいないと思われます。
そのため、8月と、9月の雇用統計が極めて重要であると同時に、20
万人を大きく下回るような結果になれば緩和縮小観測が後退し、再
びドル安に振れる可能性もあるということになります。
5月の議長の「タカ派的な発言」に金融市場は動揺しましたが、ここ
にきて平常な状況に戻りつつあります。
これは量的緩和縮小の動きを市場が徐々に消化し始めていることを
示しています。
景気が回復する過程で金利が上昇することは極めて正常で、株式
市場にとってはマイナス要因だけではありません。
景気回復は個人消費の拡大を通じて企業活動を活発にします。
その結果、企業業績の向上にもつながり、昨日のNY株式市場の様
に株価を押し上げることにもなります。
早ければ9月のFOMCで「緩和縮小」が決定されるのではないかと
予想していましたが、バーナンキ議長の「慎重な物言い」に、やや時
期が延びることも考えられそうです。
それでも現時点で、緩和縮小は「年内に実施される」可能性が高い
と予想しています。
米国の景気回復が続く限り、避けては通れない道であるからです。
明日からの議会証言で議長がどのような言い回しをするのかで市場
が大きく動くことが予想されますが、仮に5月の時の様に「タカ派的」
な発言をしたとしても、今回の反応は限定的になるのではないかと予
想しています。
金利の上昇はやむを得ないとしても、株価が300ドル以上も下落す
るような事態は避けられるのではないかと思います。
市場は1ヵ月半の試練を経て、いよいよ「金融緩和政策の終焉を織
り込み始めている」と考えられます。
- [2013/07/16 09:21]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
NY市場株高債券高でドル円もみ合い
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円はアジア市場での乱高下をよそに落ち着いた動きで推移。
99円を挟みもみ合ったが、バーナンキ議長の発言を手掛かりに、
早期の金融緩和縮小観測が後退し、ドル円の上値を重くした。 - ユーロドルは1.30台から1.31台で推移。アジア市場ではストップに
よるユーロ買いが相場を押し上げ1.32台まで上昇したが、30台後半で
取引きを終える。 - 株式市場は大幅に反発。バーナンキ議長の発言を材料に、緩和政策が今しばらく
継続されるとの見方が台頭し大幅高に。ダウは169ドル高と、引け値では
過去最高値を更新し、S&P500も同様に最高値を更新して引ける。 - 債券相場も議長の発言から買い物が優勢となり大幅に反発。10年債利回りは
2.57%台まで低下。 - 金は大幅に続伸し1279ドル台に。原油はこのところの高騰から利益確定の売りに
押され下落。 - 6月財政収支 → +1165億ドル
- 新規失業保険申請件数 → 36万件
本日の注目イベント - 日 5月鉱工業生産
- 欧 5月ユーロ圏鉱工業生産
- 欧 コスタ・ポルトガル中銀総裁講演
- 米 6月生産者物価指数
- 米 7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 米 決算発表→JPモルガンチェース・ウェルズファーゴ
- 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁、金融政策に関する論文発表
FOMC議事録とバーナンキ議長の講演後の質疑応答に対する発言に、
為替市場は乱高下。ユーロドルは
200ポイント以上急騰した後8割ほど下げ、ドル円は2円ほど下落した後
やはり8割程度戻すなど、不安定な動きを見せました。
ただその後の海外市場でも同様な展開を予想しましたが、大きな波乱は
なくオセアニアからアジア市場だけに限定された動きだったようです。
ドル円は一時98円20-30銭辺りまで円高ドル安が進みましたが、日経
平均株価がプラスで終わったことで99円台前半まで戻して引けました。
しかし海外市場ではバーナンキ議長の発言から「株高債券高」が進み、
長期金利が低下したことからドル円の上値が重い展開になっています。
バーナンキ議長は昨日の講演後の質疑応答で「予見可能な将来にお
いて高度に緩和的な金融政策が米経済には必要だ」と発言し、先月
19日のFOMC後の会見に比べると「ハト派的な発言」にトーンダウンし
たと受け止められ、「ドル売り円買い」が進み、同時に「株高債券高」にも
振れました。
前回の発言では金融緩和縮小の時期や緩和停止の時期についても初
めて言及したことで、一気に「緩和縮小」に焦点があたり、上記反応と反
対な動きを誘発しましたが、昨日の発言は「市場の混乱を収める」意味
合いも込めて、やや言葉を選んだものと考えられます。
既に6月の雇用統計でも改善傾向が続いていることが確認されています。
今後8月と9月の雇用統計で余程の下振れが起きない限り、「緩和縮小」
は既定路線であるはずです。
ドル円が昨日98円25銭近辺で下げ止まったことは、テクニカルで見ると
ごく自然ななり行きです。
ここは「日足」の一目均衡表の「雲の下限」にあたり、サポートされ易い水
準でした。98円台を割り込むと、下落が加速しそうな気配もしますが、重
要な水準は97円前後かと思います。ここを割り込むと「日足」では下値の
メドが見えないことから、ドルロングポジションの解消が進む可能性があり
そうです。
現在のドル円は「4時間足」で見ると説明がつきそうです。
上値は雲の下限で抑えられ、下値は「200日線」や「120日線」でサポ
ートされています。
ただ「MACD」では、マックDもシグナルも「ゼロの軸」をプラス圏からマイ
ナス圏に下落しており足元のトレンドはやや下向きと考えられます。
同時に「転換線」と「基準線」を見ると、依然「好転」を継続しており、さら
に相場の先行きを表すとされる「基準線」が横ばいであることを考えると、
下落する可能性はあるものの深押しはなさそうなイメージです。
「参院選」まで残すところ1週間余りとなりましたが、どうやらそれまでは
「もみ合い」が続きそうな気配です。
戦略的には、95円~98円のどこかで「ドルの買い場」を探すスタンスで
いいのではないかと思います。
今週、豪ドル円が「日足」の「200日線」を上抜けすれば上昇基調に入る
可能性があると書きましたが、未だに上抜けはできていません。
NYダウが上昇基調のため、豪ドルにはプラス材料ですが、中国景気の
不透明感が上値を抑えていることと、ドル円が、101円台から上方がやや
重くなり円高に振れていることが主な要因と見ますが、「200日線」が思い
の他強い抵抗を見せていることも予想外でした。
「MACD」では既にゴールデンクロスが完了していますが、昨日90円台
まで振り落とされたことで短期的には下落傾向を示しています。
90-93円レンジを抜け切れない展開が続きそうですが、しばらくは推移
を見守りたいと思います。
- [2013/07/12 09:10]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
バーナンキ発言を受け市場は混乱
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 公表されたFOMC議事録では、金融緩和縮小に関してメンバーの中で
議論が分かれていたことが判明。円買いドル売りが優勢となり、さらに今朝方の
バーナンキ議長の講演でも「すぐに金利を引き上げるわけではない」との
発言に、98円27銭まで円買いドル売りが進む。 - 全般的にドルが売られる中、ユーロドルは急反発。1.28台半ばから
1.29台後半まで買い戻しが進み、一気に今朝方には1.32台に乗せる。 - FOMC議事録を受け株価はまちまち、ダウは小幅に下げたが、ナスダックは
16ポイント高。 - 債券相場は小幅に反発。朝方は売られる場目もあったが、バーナンキ議長の発言で
緩和縮小が早期に始まるとの懸念が後退し下げを埋める。10年債は利回りは
2.67%台に。 - 金は3日続伸。原油価格は在庫が予想以上に減少していたことを受け続伸。
昨年3月以来となる106ドル台まで上昇。
本日の注目イベント - 豪 豪6月雇用統計
- 日 5月マネタリーサーベイ
- 日 黒田日銀総裁記者会見
- 独 ワイトマン独連銀総裁講演
- 欧 ECB月報
- 欧 クーレ・ECB理事講演
- 米 6月財政収支
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 タルーロ・FRB理事議会証言
6月18日ー19日に行われたFOMCの議事録が公開されましたが、
予想通りメンバーの大半が金融緩和を縮小すべきだという意見であ
った一方、他のメンバーは量的緩和は継続すべきとの意見で、議論
が分かれていたことが判明しました。
議事録によれば、参加者19人のうち「約半数」が「今年遅くに資産購
入を終了するのが恐らく適切だろう」とし、「他の参加者の多くは2014
年に入っても継続するのが適切となる可能性が高い」と指摘しており、
意見が分かれてました。(ブルームバーグ)
この内容にドル円はやや「円買いドル売り」が優勢となり、ドル円は99
円台で推移しました。日本時間今朝方マサチューセッツ州で行われた
バーナンキ議長の講演では、現在の金融政策にはコメントしませんで
した。
しかし、質疑応答の中で「失業率が6.5%を下回ってもすぐに政策金
利を引き上げるわけではない」と発言したことで、早期の金融緩和縮
小観測が後退し、ドル売りが加速しました。
ドル円は早朝には一時98円台前半まで下落し、ユーロドルも1.32台
まで値を戻すなど「ドル売り一色」となり参加者が少ない中、値が大きく
飛んでいます。
FRBによる早期緩和縮小が、ほぼ市場のコンセンサスになっており、
「焦点は9月に決定か、あるいは12月か」と言われるほど市場は量的
緩和縮小を織り込み始めており、そのため今朝方の議長の発言に反
応しドル売りが加速したものと思われます。
主要通貨がドルに対して同じように上昇したことで、クロス円ではドル
ストレート程の変化は出ていませんが、各通貨に対するユーロの上昇
が目立っています。
しかし冷静に考えれば、先週の雇用統計でも見られたように、米景気
回復に伴う雇用の拡大は鮮明です。
2013年の上半期を見ても、非農業部門雇用者数は月平均20万人
程度まで拡大しています。FRBが最も重要だと考えている雇用が順調
に増加していることを基本とすれば、FRBが「年内の金融緩和縮小に
向けて」行動を起こす可能性は非常に高いと思われます。
個人的には7月と8月の雇用が先月と同様な内容を示せば、「9月のF
OMCで行動を起こす」というシナリオは維持しております。
NYでは株式市場と債券市場が終えており、今朝方のバーナンキ議長
の講演内容やその後の質疑応答での受け答えに対する反応は未知数
です。
今日の東京株式市場の反応が参考になるかもしれませんが、こちらも
「金融緩和縮小観測」の後退は株価にプラスですが、
円高に振れていることが悪材料と受け止められそうです。
依然として暑い夏の戦いは続きそうです。
- [2013/07/11 09:28]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
ユーロドル3ヵ月振りに1.27台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は101円台前半でやや膠着。株高から下値は支えられているものの、
101円台半ばが徐々に重くなる展開。本日のFOMC議事録やバーナンキ議長の
講演が値動きのきっかけになるとの見方も。 - ユーロドルはECBによる金融緩和政策が長期化するとの見通しや、
格付け会社S&Pがイタリア国債を格下げしたことで売りが加速。
一時は1.2755までユーロ売りが進み、約3ヵ月振りの安値を記録。 - 株式市場は4日続伸。企業決算が予想を上回るとの期待や、金融緩和縮小
にも耐えられるほど経済成長は力強いとの楽観的な見方が株価を押し上げる。
ダウは75ドル高で1万5300ドル台を回復。 - 債券相場は小動き。3年債入札では落札利回りは上昇したものの、
長期金利は前日とほぼ変わらず。 - 金は続伸。原油価格も小幅に反発。
本日の注目イベント - 中 中国6月貿易収支
- 中 中国6月人民元建て融資(6/10-15日に発表)
- 中 中国6月マネーサプライ(6/10-15日に発表)
- 日 日銀金融政策決定会合(11日まで)
- 独 独6月消費者物価指数(改定値)
- 欧 アスムセン・ECB理事講演
- 米 FOMC議事録(6/18 19日分)
- 米 バーナンキ・FRB議長講演
100円台に入ると押し戻されるものの、101円台半ばが徐々に重く
なりつつあるドル円は、やや膠着状態です。重要な経済指標がない
とはいえ、株高が下値をサポートする一方、上値は急速なドル高に
対する警戒感もあり動きにくい展開になっています。
本日のFOMC議事録と、その後のバーナンキ議長の講演内容を見
極めたうえで新たな動きも出て来るのではとの期待もあります。
昨日はクロス円にやや異なった動きがありました。
東京の夕方、欧州市場が開くとユーロ円や豪ドル円が急上昇し、ユー
ロ円は130円台半ばを超え、豪ドル円は93円近辺まで円安が進みました。
豪ドル円はその後93円台に乗せる場面がありましたが、ユーロが急落した
ことで徐々に円買いが優勢となっています。
アスムセンECB理事が、ECBによる金融緩和は長期化すると発言したこ
とでユーロ売りが加速し、さらに格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ
(S&P)がイタリア国債の格付けを1ノッチ引き下げたことでユーロドルは
1.28台を割り込み、1.27台半ばまで下落しました。
この流れにユーロ円も128円台後半まで下落していますが、豪ドル円の
下落は限定的でした。
まだ明確なトレンドとは言えませんが豪ドル円が底入れしてきた可能性が
あります。
急落した豪ドル円はここ1ヵ月の間、89-92円台でもみ合ってきました。
その中でも後半は、90-92円で推移して来ましが、昨日からこのレンジ
を上抜けし上昇する気配を見せています。「日足」チャートを見ると、長い
間調整を続けてきたことから重要な「200日線」からかい離し、上昇して
もこの線が抵抗線として機能してきました。
昨日もこの抵抗線の突破を試していますが、今のところ抜け切れてはいません。
一方で「MACD」では6月の後半から既に「ゴールデンクロス」を示現しており、
一足早く上昇を示唆した動きになっています。
また、重要な「転換線」と「基準線」の動きを見ても2日に好転を起こしています。
「4時間足」でも200日線と交わっていることから、92円80線ー93円10銭辺り
を抜けきれば上昇に弾みが付く可能性があります。
先のRBAの声明文では「豪ドルは下落したものの、依然として割高だ」との文
言がありました。
そのため政策金利の再利下げ観測も拭いきれていません。
ただ、それでもチャートだけを純粋に見ると上昇する可能性を否定できません。
特に昨日はユーロ円と歩調を合わせ上昇し、その後ユーロ円が急落したにも
拘わらず「粘り腰」を見せています。
その結果、ユーロオージー(EUR/AUD)は1.39から1.39台半ばまで豪ド
ル高が進んでいます。
まだ上値が重く、一気に上昇する展開ではないと思われますが、105円台か
らの下落が始まってから既に約3ヵ月の「日柄調整」を経てきました。
この間持ち高調整もかなり進んだものと思われます。
長期投資を基本とし、金利差を狙った取引を志向している個人投資家にとっ
ては、そろそろ豪ドルへの再投資を考えるチャンスが巡ってきたかもしれませ
ん。
93円台半ばを超えれば「遅行スパン」も好転すると見られますが、その上の
日足の雲は比較的厚く、96円台を超えなければ本格的な上昇とは言えな
いかもしれませんが、今後は注意深く見て行きたいと思います。
本日のバーナンキ議長の講演は、日本時間明日の朝5時10分に予定され
ています。またFOMC議事録の公表も日本時間夜中の3時で、いずれもラ
イブというわけにはいきませんが値動きには注意が必要です。
- [2013/07/10 09:02]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
ドル円スピード調整でもみ合い
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は101円を挟みもみ合い。米長期金利が下落したことや、
急ピッチのドル高に対する警戒感などでドルの上値が重い展開となり、
100円台後半までドルが売られたが勢いはなく101円近辺で引ける。 - ユーロドルは1.28台前半から後半の狭いレンジ内で推移。
この日は利益確定のドルの売りが優勢となり、ユーロドルもジリ高で推移。 - 株式市場は3日続伸。アルコアが好決算を発表し、今後の好決算期待
からダウは88ドル高と、引け値では約3週間ぶりに1万5200ドル台を回復。 - 債券相場は反発。このところの金利上昇で投資魅力が増し、債券に買い物が
入り価格は上昇。 - 金は反発。原油価格は3日振りに反落。
- 米5月消費者信用残高 → 196億ドル
本日の注目イベント - 中 中国6月消費者物価指数
- 中 中国6月生産者物価指数
- 日 6月マネーストック
- 欧 EU財務相会合
- 欧 アスムセン・ECB理事講演
- 英 英5月鉱工業生産
- 英 英5月貿易収支
ドル円は昨日の朝方101円台半ばを超える場面もありましたが、
そこをピークにドル安に転じ、一時は100円台後半まで円が買
い戻されています。
日経平均株価が朝方は勢いよく上昇したものの、上海株式市
場が軟調な展開を見せるとジリジリ値を下げ、それを見てドル円
でも円の買い戻しが優勢となりました。
海外からは「急ピッチの円安に対する警戒感もあった」との声も聞
かれました。
ただ、それでもNY株式市場が続伸したこともありドル売りは限定的
で、100円台後半で下げ止まっています。急騰した米長期金利も
100ベーシスポイントほど下げていますが、先週末の雇用統計で見
られたように「米景気の回復基調が鮮明」であることが、基本的には
ドル円をサポートするといった見方が根底にはありそうです。
米企業の第1四半期決算の発表が始まりました。
昨日アルミ大手のアルコアが先陣を切って発表を行いましたが、市場
予想を上回る好決算でした。
自動車販売が好調なことを受けてアルミの消費量が拡大しているよう
です。
米自動車販売台数は2007年以降最速のペースで伸びており、自動
車メーカー各社は厳格化した燃費基準を達成するためアルミの消費
を増やしていることが背景です。
米自動車販売は年換算で1500万台ペースで拡大しており、その中
でも米自動車メーカーがシェアを伸ばしています。
アルコアが好決算を発表したことで、今週から本格化する米企業決算に
対する期待が高まってきています。
トムソンロイターによると、米主要企業500社の決算は前期比3%程度の
伸びを見せると予想されており、前期程の伸びではありませんが、株式
市場にとっては好材料となっているようです。
週末にはJPモルガンなど米大手金融機関の決算発表も始まります。
米長期金利が上昇傾向で推移してきたことから、リテール業務を中止に
収益が拡大しているとの見方が優勢です。
ドル円はややトレンドレスです。
明日のバーナンキ議長の講演を見極めたいとの雰囲気もあり、議長が
「量的緩和縮小」に向け、どの様な発言をするのかといった点に注目が
集まっています。
6月19日のFOMC後の記者会見では、予想以上に「タカ派的な発言」
だったことで、一気に出口戦略が近いとの観測が
高まり、株式市場などが混乱しました。
今回の公演は先週末の良好な雇用統計が確認された後だけに、議長
が「量的緩和縮小」にさらに前向きな発言をするのかどうかに注目して
います。
縮小への第一歩が9月のFOMCで決定されるのか、あるいは12月に
延びるのかどうかはそれ程大きな問題ではなく、個人的には「量的緩和
縮小」への第一歩を踏み出すことは「既定路線」であり、既に市場は織
り込みつつあると考えています。従って、「縮小開始」が来年以降にずれ
込むようは事態になった方がむしろ市場への影響は大きいと思われます。
そのような事態になればドル円が円高方向に大きく振れることになり、債
券相場は急騰し、米長期金利が低下するはずです。
明日の講演を待ちたいと思います。
- [2013/07/09 08:58]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
米雇用好調でドル円101円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 米雇用統計を受けドル円は101円台を回復。
債券が売られ、長期金利が大幅に上昇したこともあり、ドル円は
一時101円23銭までドル高が進み、ほぼ高値圏で引ける。 - ドル高の流れはユーロドルにも及び、ユーロドルは1.28割れ目前まで
下落。ポルトガル国債の格下げもユーロ売りを誘った。 - 株式市場は続伸。金融緩和縮小が早まるとの見方がある一方、
米景気回復そのものを好感し、ダウは147ドル高と約1週間ぶりに
1万5000ドル台を回復。 - 債券相場は大幅に続落。雇用拡大が資産購入縮小につながるとの
見方から価格は下落し、10年債利回りは約2年振りに2.74%台まで
上昇。 - 金は大幅に売られ1212ドル台に。原油は4日続伸し103ドル台に。
- 米 6月非農業部門雇用者数19.5万人
- 米 6月失業率7.6%
本日の注目イベント - 日 6月景気ウォッチャー調査
- 欧 ユーロ圏財務相会合
- 米 5月消費者信用残高
6月19日のFOM及びその後のバーナンキ議長の記者会見では、米雇用に
関して強気の見方が示されましたが、先週末に発表された「6月の雇用統計」
では、その自信が裏付けられた格好となりました。
失業率は先月と変わりませんでしたが、非農業部門雇用者数は市場予想の
16.5万人に対して19.5万人と、大幅に増えさらに、先月の雇用者数も上
昇修正されるなど「米雇用は明らかに拡大している」との見方が広がりました。
この結果を受けた各金融市場の反応も先月の好調な雇用結果を受けた時とは
異なっております。
これまで雇用の拡大を受けて下落してきた株式市場は、「いずれ資金の流入
が細ることよりも米景気拡大を好感するはず」とこれまでも述べてきましたが、今
回の反応は正に雇用の拡大は景気が拡大している表れで、株式市場にはプ
ラスとの反応を見せ、金融緩和縮小を徐々に消化してきたと見られます。
ダウは約1週間ぶりに1万5100ドル台まで反発し、債券価格は大幅に下落し
て長期金利は約2年振りに2.74%台まで上昇しています。
景気拡大局面で見られる典型的な現象と言えます。
株価と長期金利の上昇を受けてドル円は101円23銭までドル高円安が進み、
「ドル円は110円を目指す」といった声も聞かれた5月後半の頃の雰囲気が戻
ってきました。ドル円は今朝101円50銭まで上昇したことで、「日足の雲の上
限」を上抜けしています。
「遅行スパン」の方も、ローソク足を抜けたように見えますが、こちらの方はこの
後レートが下がると「上ヒゲ」の部分が消えてしまうことから、現段階ではまだ完
全に抜けたかどうかは微妙です。また「日足」では「転換線」と「基準線」が好転
をし、拡大していることにも注目しておきたいと思います。
さてこうなると、5月22日に記録した103円74銭が意識されますが、まだその
水準をテストするのは早すぎると思われます。
先ずは100円台をしっかり値固めして、さらに米長期金利が上昇するといったよ
うな「ドル高要因」が出て来れば103円台乗せは十分可能だと予想します。
日本の長期金利もようやく落ち着きを取り戻しており、米金利の上昇はそのまま
「日米金利差拡大」につながります。
上で述べた様に米株式市場が徐々に金融緩和縮小を消化して来るようなら、
日経平均株価にもプラスです。日経平均株価が再び1万5000円を目指すよう
な展開になれば、こちらもドル高円安に働きます。
その結果、5月下旬まで続いた「円安株高」の状況が再現しそうな雰囲気です。
ただ、まだ手放しで「ドル高円安」志向するわけにはいきません。
エジプトやポルトガルの混乱に加え、中国のシャド-バンキングの問題も不透
明です。一夜にして「リスクオフ」が進行する可能性もあります。
今週は100-105円のレンジに戻ったのかどうかを「確認する週」と捉えたいと
思います。
今朝の経済紙でも、日本の景気も個人消費を中心に回復基調だと報じていま
す。確かに買い物などの動向を見るとやや財布の紐も緩んできた印象もありま
すが、それでも「2%のインフレ率」に向かっている実感はありません。
今後は21日の「参院選」を経て、いよいよアベノミクスの神髄が問われることに
なります。本日は日経平均株価が大幅な上昇を見せると考えられるため、10
0円50銭-102円程度を予想しています。
- [2013/07/08 09:14]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
ユーロドル、ドラギ発言を受け1.28台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 欧州市場で一時99円台半ばまで売られたドル円は、材料が乏しい中
100円台まで戻して引ける。債券・株式市場が休場のため、取引は閑散。 - ECBは理事会で政策金利の据え置きを決めたが、その後の記者会見で
ドラギ総裁が利下げの可能性を示唆したことで、ユーロドルは急落。
一時は1.2883と、5月末のレベルまでユーロ安が進む。
本日の注目イベント - 日 5月景気動向指数
- 欧 クーレ・ECB理事講演
- 米 6月雇用統計
- 加 カナダ6月失業率
米国が「独立記念日」のため、株式・債券市場が休みです。
そのため為替市場もNY時間では閑散な取引に終わっていますが、
欧州ではECBの政策金利を巡りユーロに動きがありました。
政策金利は0.5%で市場予想通り据え置かれましたが、その後の
記者会見でドラギ総裁は、政策金利は
「長期間に渡り現行水準か、それより低い水準に据え置く」と述べ、
今後の利下げを示唆しました。
また、市中銀行がECBに預けている預金金利をマイナスにする案
についても「技術的な準備は整っている」と「マイナス金利」導入を
否定しませんでした。
さらに米国が出口を模索している状況とは一線を画し、「出口は非
常に遠い」とも発言しています。
欧州では高失業率に加えて、景気の低迷が長期間にわたって続
いており、欧州委員会が「緊縮」から「成長」へと舵を切り直しては
いるものの、目立った成果は出ていません。
そんな中、ポルトガルでは財務大臣に続き、外務大臣が辞任する
など「欧州危機の再燃」が意識され始めてきた矢先です。
ドラギ総裁は、そのあたりの状況を考慮したうえで、これまで金利政
策は事前に通告しないことが通例だったものを、現行水準をいつまで
続けるかに言及し、いわゆる「フォワードガイダンス」の導入に踏み切
ったものと見られます。
海外メディアの反応も「ECBは再び未踏の領域に」といった見出しを
掲げています。
ユーロドルはこれらの発言を受け、5月末以来となる1.28台後半ま
で下落しました。
市場では、「ユーロ安ドル高」と同時に「円安ドル高」も進行している
ためドルが全円高の様相になっていますが、今後何かをきっかけに
「ドルも買えない」となると、2012年まで吹き荒れた「円高旋風」の再
来という事態も想定されます。
足元では大きく売られたポルトガル国債もやや買い戻され小康を保っ
ていますが、今後は周辺国のギリシャやスペインの国債の利回りにも
注意が必要です。
エジプトではモルシ大統領が追放され、暫定政権が樹立されましたが、
今後の政権の行方は不透明です。
特に今後の政権に軍部がどこまでかかわってくるのかによっては、混迷
の度合いが変わってきそうです。
最高憲法裁判所の長官が暫定大統領に就任したことで、エジプトの株
式市場など、金融市場は落ち着きを取り戻していますが予断は許しません。
朝方の市場はややドル高円安傾向で推移しています。
今夜の雇用統計を控えて、ドルが大きく上昇するとも思えませんが、下値
も限定的と見られます。
「100円の攻防」という展開を予想しますが、日経平均株価が堅調に推移
しそうなことから、ややドル高方向にバイアスがかかりそうです。- [2013/07/05 08:49]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
ドル円99-100円台でもみ合い
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 100円台でもみ合っていたドル円は欧州市場に入ると
あっさり100円を割り込む。ポルトガル国債の利回りが急騰した
ことでユーロ円が急落し、ドル円でも円買いが加速。
NY市場では雇用関連の指標が良好だったことでドルは反発し、
99円台前半を底に100円台まで値を戻すなど荒っぽい展開が続く。 - ユーロドルは1.29台前半から反発、雇用統計前の買い戻しが
相場を押し上げ1.30台を回復。 - 株式市場は反発。ADP雇用者数など、雇用を示す指標が良かったことで
ダウは56ドル高。 - 債券相場は良好な雇用関連指数に押され下落。10年債利回りは
2.5%台まで上昇。 - 金価格は反発。一方原油価格は、エジプト情勢の混迷から大幅に続伸し
1年2ヵ月ぶりとなる100ドル台まで上昇。前日比1.64ドル上昇し
101ドル台で引ける。 - 5月貿易収支 → -450億ドル
- 新規失業保険申請件数 → 34.3万件
- 6月ISM非製造業景況指数 → 52.2
- 6月ADP雇用者数 → 18.8万人
本日の注目イベント - 豪 豪5月住宅建設許可件数
- 日 日銀支店長会議
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 BOE政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 米 株式・債券市場休場(独立記念日)
ドル円の荒っぽい動きが続いています。
東京時間では100円台の半ばでもみ合っていましたが、欧州市場が参入
するとドル円はあっさり100円の大台を割り込んでしまい、その後も上値が
重く99円台前半まで下落しました。しかしNY市場では一転してドル買いが
強まり100円台を回復する「行って来い」の相場展開でした。
欧州ではポルトガルの国債が急落し、10年債利回りが一時8%を超えたこ
とがユーロ円の急落につながり、ドル円での円買いを活発にさせました。
重要閣僚2名が辞任したことで欧州ソブリン債危機が再燃するとの見方か
ら、ユーロが売られ円が買われました。
また、エジプトでも軍事介入があったとの報道で「アラブの春」への連想から
円買いが優勢でした。中東の混乱は原油価格にも波及し、NY原油先物市
場ではWTI原油価格が一時、1年2ヵ月振りとなる
102ドル台まで続伸しています。
ただそのまま終わらないのが今のドル円相場です。
NY市場では「ADP雇用者数」など雇用関連指標が良好な数値を示した
ことから、明日の雇用統計への期待も
膨らみ、ドル円は一転して上昇し100円台を回復。「元の鞘」に戻っていま
す。
「ADP雇用者数」は市場予想の16万人から18.8万人と、かなり強めの数
字でした。明日の雇用統計との相関度は低いと言われますが、それでも15
万~20万人程度への期待につながったようです。
今回の雇用統計はこれまでのものと異なり、市場がどのように反応するのか
予想することは容易ではありません。
雇用の改善はもちろん景気の回復を示すもので「ドル高円安」要因ですが、
余り良好な数字が出ると、「量的緩和縮小が早まる」との思惑から株式と債
券が売られます。
為替への影響と、債券・債券市場への影響は相反するもので、市場がどち
らに重きを置くのか読み切れません。
「ある程度良好な数字で、良すぎるのはダメ」・・そんな市場の雰囲気です。
上述のように15万人~20万人であれば市場の反応は限定的だと見られま
すが、反対に市場予想を大きく下回る結果であれば、素直に「ドル安円高」
で反応するのではないかと見られます。
昨日のこの欄でも述べましたが、ドル円はテクニカル的にも重要な「101円
30銭前後」を一度もテストせずに99円台まで下落しました。
それでも再度100円台まで戻すところを見ると、足元のトレンドは依然として
「ドル高円安」と見られます。
特に昨日は、ポルトガルやエジプトといった「火種」がやや勢いを増し始めて
いることや、中国の景気や金融システムへの懸念、さらには米国のスパイ活
動問題など、ドルを売って円を買い戻す動きにつながりそうな材料には事欠
きませんでしたが、市場は冷静でした。
「米緩和縮小」観測が市場をリードしており、それらを封じ込めている印象もあ
ります。
明日の雇用統計、そして来週に予定されているバーナンキ議長の議会証言、
さらには21日の「参院選」と、相場を動かす重要なイベントも多くあります。
先ずはポジションの管理をしっかり行うことが肝要です。
ドル円は100円を挟み一進一退の展開になりそうです。
100円台がまだ安定していない状況では、実需筋は100円台のどこかでドル
売りを持ち込む可能性が高いと思われます。
「ドル高円安」を基本としながらも、まだまだ不安定な相場展開は続きそうです。
- [2013/07/04 08:59]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
ドル円節目の100円突破
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 日経平均株価が4日続伸し、1万4000円台を回復したことで
ドル円は海外市場で100円の節目を抜ける。100円台ではストップ
ロスのドル買いも巻き込み100円73銭まで上昇。週末の雇用統計に
対する上振れ観測もあり、円は全面安の展開。 - ドル高円安の流れに、ユーロドルでもドル高が進み一時1ヵ月振りとなる
1.2964までユーロ安が進行。 - 株式市場は反落。雇用統計に慎重な見方が広がり、ダウは42ドル安。
- 債券相場は横ばい。10年債利回りも前日とほぼ変わらず2.47%台。
- 金は反落。原油価格は続伸し100ドルの大台に迫る。
本日の注目イベント - 豪 豪5月貿易収支
- 豪 豪5月小売売上高
- 中 中国6月非製造業PMI
- 中 HSBC6月サービス業PMI
- 欧 ユーロ圏総合PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏6月サービス業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏6月小売売上高
- 米 6月ADP雇用者数
- 米 5月貿易収支
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 6月ISM非製造業景況指数
- 米 株式・債券市場は短縮取引
昨日の東京株式市場では日経平均が246円高と、4日続伸し
1万4000円台を回復。
この間の上げ幅は1200円にもなり、株高を好感したドル円は
海外市場で100円の節目を大きく超えました。
個人的には一気に100円を超える可能性は少ないと予想し、
仮に100円台を回復しても「定着」には時間がかかると見てい
ましたが、今週末まで100円が維持できればどうやら見方を変
えなければならないかもしれません。
昨日の海外市場では「株安・金利低下」にも拘らず、ドル円は
上昇しました。
これは先月バーナンキ・FRB議長が金融緩和縮小に言及した
時の状況と同じです。
量的緩和の縮小により株式・債券市場への資金流入が減少する
との見方から株式・債券が売られ、昨日は長期金利がやや低下
しましたが、通常は債券が売られることで金利が上昇し、ドル高円
安につながります。
市場の一部には週末の雇用統計では良好な数字が発表されると
の見方があり、FRBは早期に緩和縮小に動くといった予想が根強
いようです。
これが株安にも拘わらずドル円を押し上げたと見られます。
また、FRBが緩和縮小に動く一方、日銀は緩和を継続するという、
日米金融当局の「政策スタンスの差」を理由に挙げるコメントもあり
ましたが、やや後講釈の感は否めません。
この見方は4月の日銀による異次元緩和実施の時から変わってい
ません。
基本的な流れは景気回復が進む米国と、デフレからの脱却に奔
走する日本との差がドル高円安をもたらすというものです。
景気が回復すれば長期金利が上昇するのは自然の流れです。
米長期金利が上昇すれば、日米金利差が拡大しドル高要因にな
ります。
また、昨日実施された日本の10年債国債の入札も無難に終わり、
長期金利は0.8%台後半で安定してきたことも株高円安をサポ
ートしています。
既に今年は前半を終えたわけですが、特徴的なのは、このところ
のドル円は下落すればかなりの値幅を伴って下げ、反対に上昇に
転じると、こちらも一方的に上昇しています。
ドル円のボラティリティーが高止まりしており、市場がやや投機的
になっていることが背景かと思われます。
5月に103円74銭まで上昇したドル円は、その後93円台後半ま
で急落し、そして足元では100円台後半まで値を戻し、下落幅の
7割程度戻したことになります。
ドルが急落する過程では将来のドル高を予想し、ドルを買い下が
った投資家も多くいたものと思われます。
しかし、さすがに10円も値を下げると「底値」が見えなくなり、不安
に駆られます。そのためやむなく「損切り」を決断した方もいたはず
です。
約1ヵ月の「時間軸」を経て、ドル円は元の鞘に戻ろうとしています。
「もう少し余裕さえあったら・・・」という声も聞こえてきそうですが、そ
のためにはやはり日ごろから「低レバレッジ」で取引を行うしかありま
せん。
そしてさらに重要なことは、余裕がありトレンドが正しいのであれば
日々の動きに「一喜一憂しない」心構えも必要だということです。
100円台後半まで上昇したことで、テクニカル的にも再び上昇傾向
を見せ始めています。
「日足」の一目均衡表では「転換線」が「基準線」を下から上抜けし
「好転」を見せています。
「日足」で「好転」を見せると比較的長いトレンドを形成することで知
られており、昨年10月の78円台前半で
「好転」を見せたドル円は、今年5月に100円を割り込むまで「逆転」
を見せていませんでした。
個人的にはまだ100円台が定着することに確信は持てませんが、本
日101円30銭を明確に上抜けするようだと「100円台を固めた」と見
ることができるかもしれません。
それは「日足」の「雲」を抜けることになり、さらに「遅行スパン」もロー
ソク足を抜けることになるからです。
ドル円が再び103円台に向けて、一段の上昇をみせるかどうかの分
岐点にいます。
- [2013/07/03 09:04]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
ドル円99円台後半まで上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は値動きが少ない展開の中じり高に推移。日米の株価が堅調
だったことや、米経済指標が好調だったことで99円87銭までドル高が
進む。 - ユ-ロドルも小動きながらユーロ円の上昇に合わせるようにユーロ高が
進み、1.30台前半から1.3067まで上昇。豪ドルなどクロス円も堅調
に推移し、円の弱さが目立った。 - 株式市場は反発。好調な経済指標に支えられダウは65ドル高と、
1万5000ドル台に迫る水準まで上昇。 - 債券相場は小動き、10年債利回りも先週末とほぼ変わらず
- 金は大幅に反発。先週末比32ドル高で1255ドル台に、原油も大幅高。
- 6月ISM製造業景況指数 → 50.9
本日の注目イベント - 豪 RBAキャッシュターゲット
- 日 6月マネタリーベース
- 欧 ユーロ圏5月生産者物価
- 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
- 米 パウエル・FRB理事講演
ドル円は久しぶりに値幅が出ず、小動きの展開でしたが、終始99円台を
維持しており、対ユーロ、豪ドルなどに対しても弱含む展開でした。
日米の株価が安定し、懸念された上海株式市場もやや落ち着きを見せ
たことで「リスクオン」の流れから円売りが優勢な展開でした。
昨日の日経平均株価は午後には、マイナスからプラスに転じ175円高と、
この日の高値で引けたことでドル円のサポートとなり、海外市場でも緩や
かな円売りが続く流れとなりました。
ドル円は100円台には届かなかったものの、99円台後半まで円売りが進
み、ユーロ円も130円台まで円安が進んでいます。
豪ドル円も約20日振りに92円台に乗せ、長く続いた豪ドル安も調整期間
を終えた可能性も出てきました。
89円台~91円程度でもみ合って来た豪ドル円は、国内の輸出企業の業
績悪化や、オーストラリア準備銀行の「豪ドルは依然として高すぎる」との
見方に、「再利下げ」の可能性が常に上値を抑えてきました。
本日RBAの政策委員会が開催され政策金利が発表されますが、市場の
大方の見方は「据え置き」のようです。
このあたりの観測も豪ドル買いにつながったものと見られますが、豪ドル円
については上値に「しこり玉」も多く、このまま上昇に転じるかどうかは不透
明です。
豪ドルは資源価格との相関性が強いことは良く知られていますが、それ以
外にも「NY株式市場」との相関度も結構あります。
NYダウが上昇すれば「リスクオン」が進み、高金利の豪ドルが買われるケ
ースが多いようです。
「米金融緩和縮小」観測が高まりNY株式市場が急落しましたが、ここに
きてやや落ち着きを取り戻していることも豪ドルの上昇につながっていると
見られます。
99円台後半まで戻ってきたドル円はさすがに100円を意識してか、ここか
らの上昇にはブレイキがかかっています。
今週末には米雇用統計を控えていることもあり、ここから積極的にドル買い
を進めるのもリスクがありそうです。
市場はひとまず「雇用統計を見極める」という雰囲気が支配的で、先ず雇
用統計の前哨戦となる、明日の「ADP雇用者」に注目が集まります。
今月は「米雇用統計」以外にも、21日には日本の「参院選」を控えていま
す。
ここで先月の「都議選」のように自民圧勝ということになると、再び株高が進
み、ドル高円安の流れが加速することも考えられます。
1万2600円程度まで売られた日経平均株価が昨日は既に1万3850円ま
で反発していることも、先を読んでの動きかもしれません。
投資家の皆さんも、ここは「米雇用統計」だけではなく、その後の「参院選」
の結果を睨んだ中でポジションメイクをする必要があろうかと思います。
「アベノミクス」に期待が先行し103円74銭まで進んだドル高円安が、米金
融緩和縮小観測の高まりや、その後の「アベノミクス」の成長戦略への失望
感から約10円も円高が進みました。
今後もこの2つが材料になることは間違いありませんが、加えて中国の株式
・金融市場も波乱含みです。引き続き株価の動きにも注意が必要です。
今日の日経平均はNY株高もあり、やや上昇して始まりそうです。
株価の上昇にドル円がどこまで円安に振れるか注目ですが、まだ100円台
を試す展開でもなさそうです。
仮に100円台を試す展開があったとしても、まだ定着する程までに「リスクオ
ン」の流れが高まってはいないと考えています。
- [2013/07/02 08:50]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
ドル円約3週間ぶりに99円台半ば
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は日欧の株価が堅調だったこともあり、約3週間振りに
99円台半ばまでドル高円安が進む。NY株式市場が軟調に推移したことで
その後はやや下落し99円20-30銭で越週。 - アジア市場で1.31台まで買われたユーロドルは、FRB理事が9月
の会合での緩和縮小に言及したことでドル高の流れが加速。ユーロドルは
一時は1.30を割り込み、1.3010-20で取引を終える。
ユーロ円は大きく買い戻され、一時129円台半ばを超える。 - 株式市場は4日振りに反落。連日大幅な上昇が続いていたことや、緩和縮小が
近いとの観測からダウは114ドル安。 - 債券相場も反落。米金融当局者の発言に反応し、一時は2.55%まで金利は
上昇。株価が下落したことで債券を買い戻す動きもあり、2.48%台まで低下して
引ける。 - 金は反発し、原油は小幅に反落。
- 6月シカゴ購買部協会景況指数 → 51.6
- 6月ミシガン大学消費者信頼感指数(改訂値) → 84.1
本日の注目イベント - 中 中国6月製造業PMI
- 中 HSBC6月製造業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏6月製造業景況指数(改定値)
- 欧 ユーロ圏6月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏5月失業率
- 英 英 カーニー氏BOE総裁に就任
- 米 6月ISM製造業景況指数
一時94円を割り込み、93円台後半まで下落したドル円は99円台半ば
まで値を戻してきました。6月19日のFOMC声明文とその後のバーナ
ンキ議長の緩和縮小に向けた積極的な発言に、大幅な調整を続けて
来たドル円でしたが、先週は多くのFOMCメンバーが市場の「過剰反
応」を牽制する発言を行い、株価が反発し、「リスクオフ」の流れも後退
し、ドル円は徐々に買い戻されています。
FRBによる「金融緩和縮小」が近いとの観測が急速に高まったことが株
安、債券安を誘発させ、市場の先行きに不透明感が増したことで円が
買い戻されたわけですが、それでもシカゴの先物市場での「円売り」ポ
ジションは思ったほど減少していませんでした。
投機筋は、「円はいずれ下落する」と予想し、円売りのポジションを維
持していたものと思われます。
さて、先週末のNY市場で99円45銭まで円が売られたことで、今回1
03円台後半から下落した値幅の半値戻しは終えています。
68.2%まで戻るとすれば100円63銭という数字が導き出せますが、
今週の焦点は先ずは100円台を回復できるかどうかです。
日米の株価がさらに堅調に推移すれば、その可能性もありそうですが、
個人的には、市場は今回10円程度急激に下落した「後遺症」をまだ
引きずっていると思われ、仮に100円に乗せたとしても、その水準での
定着は難しいのではないかと予想しています。
材料としては週末の「米6月の雇用統計」ですが、再び市場で「金融
緩和縮小」が脚光を浴びるような展開になると株安、債券安が同時に
進み、円が買い戻される流れになります。
ただ、仮にそのよう流れになった場合でも、これで「2回目」ということも
あり、市場の混乱は先週初めまで続いた様な荒れ模様には至らない
と見ています。
米景気が順調に回復していることで、これ以上の緩和策は不要との
見方は変わらず、株式市場は徐々にこの流れを消化して行くと予想
しているからです。
事実、先週末のNY時間でもスタインFRB理事は9月にも量的緩和
縮小の動きがあるかもしれないと発言しています。
また、リッチモンド連銀のラッカー総裁も債券購入の継続には反対
との見方を示しています。
早ければ9月のFOMCで緩和縮小の決定がなされるかもしれない
状況ですが、そのカギを握るのは雇用です。
今週末の「6月の雇用統計」を含めてあと3回の雇用状況を確認した
上で、「縮小」に動くかどうかが決められます。
仮に9月に「縮小」を決定しなくても、それは決定がやや延びただけ
で、「縮小」に向けた流れは余程想定外の事態にならない限り「既
定路線」だと思われます。
株式市場はその事実に徐々に慣れて、いずれ過剰な反応を見せ
なくなるはずです。
ドル円は「8時間足」の120日線で見事に上昇を止められています。
それも先週末の欧州市場から3度その上昇を止められています。
一方「日足」では52日線を上抜けして、現在「雲」の中を上昇中です。
約3週間振りの99円台半ばであることを考えると、この水準から100
円にかけては実需のドル売りも控えていそうです。
前回100円台を大きく超えて上昇した際には、そのスピードの早さも
あり、市場からは「110円」という声も聞かれました。
それだけに実需のドル売りを手控えた所も多かったのではないかと思
われます。
そのため今回のドル上昇局面では「確実」に予約が持ち込まれると考
えられます。
それらをこなして上昇できるかどうか、また週末の雇用統計前にはどの
水準で推移しているのかが注目されます。
本日日本の株価が上昇すれば、99円50銭から100円の水準までド
ル高が進む可能性もありますが、逆に株価が下落した際に99円台が
維持できるかどうかも試されます。
予想レンジは98円50銭ー99円70銭程度と見ています。
- [2013/07/01 09:18]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
- | HOME |
このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判
断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊
社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
外国為替証拠金取引とは、元本や利益が保証された金融商品ではありません。お取引した通貨にて、
相場の変動による価格変動やスワップポイントの変動により、損失が発生する場合があります。
レバレッジ効果では、お客様がお預けになった証拠金以上のお取引が可能となりますが、証拠金以上の
損失が発生するおそれもあります。個人のお客様の取引に必要な証拠金は、各通貨のレートにより
決定され、お取引額の4%相当となります。証拠金の25倍までのお取引が可能です。
(法人のお客様の取引に必要な証拠金は、通貨ペア、取引コースにより1万通貨あたり3,500円から
34,000円の範囲内であり、証拠金の約200倍までの取引が可能です。)当社では、
「オフセット注文™」以外の取引手数料、口座維持手数料を無料としておりますが、
取引レートの売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があり、
また諸費用等については別途掛かる場合があります。当社は法令上要求される区分管理方法の
信託一本化を整備いたしておりますが、区分管理必要額算出日と追加信託期限に時間差があること
等から、いかなる状況でも必ずお客様から預かった証拠金が全額返還されることを保証するもの
ではありません。ロスカット取引は、必ず約束した損失の額で限定するというものではありません。
通常、あらかじめ約束した損失の額の水準(以下、「ロスカット水準」といいます。)に達した時点から
決済取引の手続きが始まりますので、実際の損失はロスカット水準より大きくなる場合が考えられます。
また、ルール通りにロスカット取引が行われた場合であっても、相場の状況によってはお客様より
お預かりした証拠金以上の損失の額が生じることがあります。お取引の開始あたり、
契約締結前交付書面を熟読の上、十分に仕組みやリスクをご理解いただき、ご自身の判断にて
開始していただくようお願いいたします。
- 豪 RBA議事録
- 独 独ifo景況感指数