堅調な株価に支えられドル円105円目前
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京市場で104円84銭までドル高が進んだ割には、上値を
追う動きは見られなかったが、株高と長期金利の上昇を支えにドル円は
堅調に推移。104円台半ばから後半でのもみ合いが続き商いも閑散。 - ユーロドルは1.36台後半でしっかり。ユーロは対円で143円台に
乗せ、一時143円54銭までユーロ高が進行。 - 株式市場は6日続伸。新規失業保険申請件数が市場予想を下回ったことで
景気への楽観的な見方が強まった。ダウは122ドル上昇し、一気に
1万6400ドル台まで上昇。 - 債券相場は続落し、長期金利は一時3ヵ月半ぶりに3%近辺まで上昇。
雇用関連の指標の改善と、株高が重しとなり、引けは2.992%。 - 金、原油は続伸。
- 新規失業保険申請件数 → 33.8万件
本日の注目イベント - 日 11月消費者物価指数
- 日 11月失業率
- 日 11月鉱工業生産
昨日の東京市場では、日経平均株価が1万6000円台を固め、さらに続伸
したことでドル買い円売りが進み、一時104円84銭を記録。
小幅ながら連日、今年の円の最安値を更新しています。
NYダウは6営業日続伸し、遅ればせながら日経平均株価も1万6000円の
大台乗せを果たし年初来高値を更新。
「円安と株高」がセットで進行している状況で、今年5月のころに似て来ました。
今年も営業日数は残すところあとわずかですが、どうやら1年を通じて最も楽
観的な状態で終わろうとしています。
105円という「心理的な節目」も一度は覗きそうな気配です。
前回も触れましたが、105円を抜ければ105円49銭という水準が意識されそ
うです。
ここは、2007年6月の124円台から2011年10月の75円台まで円高が進ん
だ値幅の、61.8%戻しにあたることから、105円半ば前後は一旦は上昇が
抑えられるのではないかと見ています。
11月から始まった今回の「ドル高円安」局面は、わずか2カ月で6円以上も
上昇しており、ドルの上昇ピッチが速いことへの警戒感もあります。
株価との相関が強いため、本日も日経平均株価がもう一段上昇するようだと、1
05円乗せがあるかもしれません。昨日26日からは、来年から始まる「NISA」
の適用がスタートしたこともあり、個人投資家の買い注文も活発のようです。
来年に向けて日経平均も2万円を超すとの強気な見方も出て来ました。
しかし、個人的にはNY株式市場の連日の高値更新には違和感があります。
下がり続ける相場はありませんが、上がり続ける相場もありません。
可能性は極めて低いとは思われますが、NY発の株価の急落には注意が
必要です。
「山高ければ、谷深し」で、株価の急落→リリスクオフ→「円買いドル売り」と
いったリスクは頭の片隅に入れておきたいものです。
本日も注目は高値更新が続く株式市場の行方です。
昨日の流れと、NY市場の高値更新を受けてさらに上値を追う動きが想定さ
れます。そのため、ドル円も底堅い動きになろうかと思います。
予想レンジは104円30銭から105円50銭程度と見ていますが、ドルショー
トは機能しないが、104円台後半ではドルを買えないといった動きになれば、
値幅が極端に狭いケースもありそうです。
===============================
本日が今年最後の「アナリストレポート」になります。
今年1年ご愛読ありがとうどざいました。
来年は1月6日(月)から掲載する予定です。
皆様、良いお年を・・・・。
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- [2013/12/27 08:52]
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米経済指標がドル円をサポート
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はクリスマス休暇入りしたこともあり、104円台前半で小動き。
それでも株高、長期金利の上昇を支えにドル円は堅調に推移し104円25-30銭
で引ける。 - ユーロドルは材料難のため1.36台半ばから後半で推移。ユーロ円も前日の
水準とほぼ変わらず。 - クリスマス休暇のため短縮取引だった株市式市場は、良好な経済指標に5営業日
続伸。ダウは62ドル高と、連日最高値を更新。 - 債券相場は続落。経済指標が好調だったことから、米金融当局による一段の
緩和縮小観測が広がる。長期金利は約3ヵ月ぶりの高水準となる2.98%台まで上昇。 - 金は反発し1200ドル台を回復。原油も反発し99ドル台に。
- 11月耐久財受注 → +3.5%
- 11月新築住宅販売件数 → 46.4万件
- 12月リッチモンド連銀製造業指数 → 13
本日の注目イベント - 主要海外市場は休場
NY市場はクリスマス休暇入りしたため、株式市場と債券市場は「半日営業」
でしたが、それでも株価は上昇し、「買うから上がる、上がるから買う」という好
循環が続いています。
NYダウが直近の最高値を更新したのが10月29日で、この時の引け値は1万
5680ドルでした。それからわずか2ヵ月で昨日は1万6357ドルまで上昇しまし
た。
この間に677ドル上昇し、率にして4.3%もの上昇になります。2013年は正に
「株式の年」だったと言えそうです。
今朝のニュースでもウォール街では、株式トレーダーのボーナスがかなり増え、
商品トレーダーのボーナスが減少、とウォール・ストリート・ジャーナル紙は伝え
ています。株式は「リスク資産」の代表であることから、株の上昇は「リスク許容
度」が増すことにつながり、為替市場では高金利通貨が買われ、低金利通貨
が売られ易い状況になります。
また、「リスク資産」が買われる一方「安全資産」の債券が売られ、FRBによる
「緩和縮小」が決定されたとはいえ、米10年債利回りは2.98%台まで上昇し
ました。
こうなると、「金利は低く」さらに「安全通貨の代表」である円が売られることは
理にかなったことで、ドル円は104円台で堅調に推移しています。
この先、もし円が買われ、ドルが売られる状況があるとすれば、上記構図が崩
れた時が最も可能性が高いと予想しています。
上で述べたように、NYダウは5営業日連続で史上最高値を更新しました。
「緩和縮小」が来年1月から実施され、小額とはいえ市場に入ってくる資金が
絞られることになります。
それでも昨日のように、耐久財受注や新築住宅販売件数が市場予想を上回
ったことを好感し株価が上昇しており、日米株価のPER(株価収益率)では、
既に米国の方が高くなっています。
ややバブルに近い状況ではないでしょうか・・・。
ドル円は年内に105円という心理的な節目を抜けるかどうかが注目されます。
105円を抜ければ、その上には目だったレジスタンスはありません。
敢えて挙げれば、2007年6月の124円台から2011年10月の75円台までの
下落幅(約48円82銭)の61.8%戻しに当たる、105円50銭辺りが目安には
なります。
また、105円台に乗せれば「達成感」も出てくる可能性もあります。
年内という時間軸で見た場合、ドル円が105円を超えて一段と上昇する可能
性はそれほど高くはないと予想しています。
本日は東京市場以外はほぼ休場です。
従ってクロス円などのスプレッドが拡大することも考えられます。
ドル円のレンジも104円台前半から半ばと予想されます。
- [2013/12/25 08:55]
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株高にドル円104円台を回復
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京市場が休みで値動きが乏しい中、ドルはじり安の展開をたどり
海外市場では103円78銭までドル安が進んだが、株高、長期金利
の上昇に引っ張られ104円台に乗せて引ける。 - ユーロドルは緩やかにユーロ高が進み、1.37台に乗せる場面も。
ユーロ円が再び上昇したことで、ドル売りユーロ買いが活発に。 - 株式市場は4営業日続伸し、連日の最高値更新。IMFが米経済の
成長見通しを引き上げることを明かにしたことを好感し、ダウは73ドル高
で1万6294ドルに。 - 債券相場は続落。景気改善でさらなる緩和縮小観測から売りものが優勢となり
長期金利は2.93%台まで上昇。 - 金価格は反落。原油も小幅に反落。
- 米 11月個人所得 → +0.2%
- 米 11月個人支出 → +0.5%
- 米 11月PCEコアデフレーター → +1.1%
- 米 12月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値) → 82.5
本日の注目イベント - 米 11月耐久財受注
- 米 11月新築住宅販売件数
- 米 12月リッチモンド連銀製造業指数
東京市場が祝日のため、閑散な取引が続き、年末を控え利益確定のドル
売りが優勢な展開でした。欧州市場では一時103円78銭までドル安に振
れる場面がありましたが、そこを底値にドル円は104円台まで反発していま
す。
株価の上昇が続く一方、債券が売られ長期金利は再び2.93%台まで上
昇。これがドル円をサポートする展開が続いています。
先週末には104円64銭までドル高が進み、今週には105円台があるので
はないかとの見方も出ていましたが、
週明けのアジア市場から欧州にかけてはドルの上値が重い展開で、ポジ
ション調整のドル売りが優勢でしたが、結局、株価と債券がドル買いを促し
た格好になっています。
IMFのラガルド専務理事はNBCの番組「ミート・ザ・プレス」のインタビュ
ーで、「2014年は不確実性がさらに増える」としながらも、FOMCの決定、
予算合意など米国の「14年見通しを一段と強いものにし、われわれは予
測を引き上げることになる」と発言しました。
同専務理事はインタビューで具体的な数字は示さなかったものの、今年
10月に示した見通しは、来年の米経済成長率を2.6%としていることで、
3%近い数字になる可能性があります。
NY株式市場ではこの発言を好感し、ダウ平均株価、ナスダックはともに
史上最高値を大きく更新しました。
一方で債券市場では「緩和縮小のピッチがさらに早まる」との観測から、
債券価格が下落し、長期金利は再び2.93%台まで上昇し、ドル円を
サポートしています。
ドル円はここまで来ると年内に105円台に乗せるかどうかです。
大方の予想は来年も米景気の拡大を背景に、ドル高円安が続くと予想
しているようです。
11月からの今回のドル高の流れはややピッチが早い気もしますが、そ
れでも「調整」は昨日の様にわずか1円程度の「微調整」に留まってい
す。
ドルが下がれば買いたいという個人投資家は多いようですが、待っても
なかなかチャンスが来ないのも事実です。
105円を超えれば、ドルがもう一段上昇する可能性は高いと思われます
が、このままドル高が進むかどうかは予断を許しません。
米株価の上昇スピードが早すぎることも気になります。
ドルロングはしばらくキープして、103円台を割り込むようなら一旦はポ
ジションンを整理し、まだドルを買えていない投資家は様子を見るしか
ありません。
今週は海外市場が本格的なクリスマス休暇に入ります。
大きな値動きはないと思われますが、突発的な事態があると値幅が拡
大することも考えられます。
予想レンジは103円50銭~104円70銭程度にしたいと思います。
- [2013/12/24 08:59]
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ドル円104円台で堅調
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 前日の「緩和縮小」決定を受けて104円37銭までドル高が進んだ
ドル円は上昇が一服。104円を挟み小動きの中、米長期金利の上昇を
手掛かりに104円20-25銭で引ける。 - ユーロドルは材料が乏しい中、ドル買いが優勢となり1.36台後半から
1.36台半ばまで下落。 - 前日急騰した株式市場は利益確定の売りに押されながらも堅調に推移。
ダウは11ドル高で最高値を更新するも、ナスダックは下落。 - 債券相場は続落。7年債入札では需要が平均を下回ったことから
10年債も売られ、長期金利は9月以来となる2.9%台まで上昇。 - 金価格は資金流が減少するとの見方から大幅に下落し、1200ドルの大台を割り込む。
原油は価格は続伸。
- 新規失業保険申請件数 → 37.9万件
- 11月景気先行指標総合指数 → 0.8
- 12月フィラデルフィア連銀景況指数 → 7.0
- 11月中古住宅販売件数 → 490万件
本日の注目イベント - 日 日銀金融政策決定会合
- 日 黒田・日銀総裁記者会見
- 独 独11月生産者物価指数
- 欧 ユーロ圏12月消費者信頼感(速報値)
- 英 英7-9月期GDP(改定値)
- 米 7-9月期GDP(改定値)
- 加 カナダ11月消費者物価指数
- 加 カナダ10月小売売上高
FOMCでの「緩和縮小」決定を受け、ドル円は昨日の朝方には104円37銭
までドル高円安が進行したものの、その後は値ごろ感から実需のドル売りや、
利益確定のドル売りが優勢となり上値の重い展開が続きました。
NY株式市場の大幅高を受け、日経平均株価も200円を超す大幅高を演じ
たもののドルの上値が重い展開でしたが、NY市場では米長期金利の上昇
に引っ張られ104円台前半でのもみ合いに終始しています。
約5年振りの104円台ということもあり、円先安観が強まってきたもののドルの
上値は重い展開でした。
NY市場では前日の良好な経済指標とはうって変わって、多くの経済指標
が予想を下回りましたが、その割にはドルは堅調でした。
中古住宅販売は前月比4.3%減少し490万戸と、市場予想の502万戸を
下回り3ヵ月連続の減少でした。
また、減少傾向が続いていた新規失業保険申請件数も37.9万件と、10
月の水準に戻っています。
この様に、経済指標を見る限りドル円は103円台半ば辺りまで下落してもお
かしくない状況でしたが、債券相場が続落し、米長期金利が上昇したことが
支えとなり104円台をキープした格好です。
債券はFRBによる購入額が今後も緩やかに減少することが見込まれること
から、売りもの優勢の展開となり、長期金利は9月以来となる2.9%台まで
上昇し、一時は2.95%まで売られる場面もありました。
日米金利差の拡大がドル買いにつながった状況です。
年最後のFOMCで5年間にわたって実施された「金融緩和政策」に終止
符が打たれました。米景気がいよいよ本格的に回復したと見ることができる
と思われますが、改めてFRBの大胆な政策がリーマンショックによる未曾有
の危機を救ったと言えます。
バーナンキ議長は来年1月で退任しますが、議長自身が大規模な資産購
入を決定し、自ら自分の手で幕を引いたことになります。
時が経てば、あのリーマンショックから米国を救った「名議長」として「ベン・
バーナンキ」の名前が語られることになろうかと思います。
ドル円は今年の5月までは一方的に「ドル高円安」が進行し、105円も手の
届く水準まで来ましたが、その後バーナンキ議長の「年内に量的緩和を縮
小することが適当」との、「バーナンキショック」に金融市場が大きく混乱しま
した。
ドル円はわずか1カ月で93円台まで下落し、約10円もドル安円高に振れ、
「相場の難しさ」を思い知らされました。それから約7ヵ月の時間を経て、ドル
円は既に5月の最高値103円74銭を超える水準にいます。2011年10月31
日に記録した75円32銭からは、実に30円近い「ドル高円安」が進んだことに
なります。
恐らく、ドル円は長い間続いて来た円高局面を脱し、歴史的な転換を終えた
ものと思われます。
今年も残すところあと10日程です。
来年を見据えたポジションメイクの準備もしたいところです。
本日のドル円は昨日と同様上値が重い展開を予想していますが、下値も米
長期金利の上昇に支えられて限定的です。
しばらくは103円台前半から104円台半ばでもみ合う展開を予想しています
が、来週に掛けては市場参加者が極端に減少するため値動きは限られそう
です。
「閑散に売りなし」という言葉があるように、ゆっくりとドル高が進行することも考
えられます。
- [2013/12/20 09:15]
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FOMC、緩和縮小を決定
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- FOMCで「緩和縮小」が決定されたことでドル円は急騰。
長期金利の上昇と株高が好感され、ドル円は約5年振りに104円台まで
上昇。この日の高値で引ける。 - ユーロドルは1.38台までユーロが買われる場面があったが、FOMCの
決定を受け1.36台後半までドル高ユーロ安が進む。 - 株式市場は急騰。「緩和縮小」が決定された直後は下落したものの、バーナンキ
議長の会見に併せて反発。ダウはこの日の高値引けで、前日比292ドル高と
3週間ぶりに史上最高値を更新。 - 債券相場は反落。それでも「緩和縮小」が決定された割には堅調に推移。
長期金利は2.88%台まで上昇。 - 金、原油はともに反発。
- 米 9月住宅着工件数 → 87.3万件
- 米 10月住宅着工件数 → 88.9万件
- 米 11月住宅着工件数 → 109.1万件
- 米 11月建設許可件数 → 100.7万件
本日の注目イベント - 日 10月景気動向指数(改定値)
- 欧 EU首脳会議(ブリュッセル)
- 英 英11月小売売上高
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 11月景気先行指標総合指数
- 米 12月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 11月中古住宅販売件数
今回のFOMCで「緩和縮小」の可能性ついて、市場の予想は「五分五分」
でしたが、個人的には「今回は見送られる可能性が高い」と予想していただ
けに、私にとっては「ややサプライズ」でした。
ただ、同時に「緩和縮小は時間の問題」との認識も持っていましたが、むし
ろNY株式市場の反応の方がサプライズでした。
朝方4時ちょうどに「資産購入縮小」が決定され、直後は株安ドル高が進み、
ドル円は103円60-70銭あたりまで一気に上昇し、その後103円前半まで
下落するなど神経質な展開でしたが、NYダウが上昇に転じると、合わせる
ようにドル高が進み、5時半過ぎには104円台に乗せ、年初来高値を軽々
と更新しました。
結局NYダウは引け際に一段と上昇し、前日比292ドル高の1万6167ドル
で引け、こちらも11月27日に記録した史上最高値を約3週間ぶりに大きく
更新しています。
「緩和縮小」が決定された場合には、「株安債券安」は既定路線と見られ
ていましたが、その後のバーナンキ議長の会見では今後の金融政策の柔
軟性が好感され、同時に縮小規模も「小ぶり」だったこともあり、株高が進ん
だと思われます。
終わって見れば「株高」によるドル高円安と、債券安から米金利上昇によ
るドル高円安が、ドル円を一気に104円台まで押し上げた原動力になった
ようです。
今回決定された内容は、1月から債券購入額を現行の毎月850億ドル
(国債450億ドル、MBS400億ドル)から750億ドルに減額するというもの
です。
内訳は国債とMBSをそれぞれ50億ドル減額し、国債を400億ドル、MBS
を350億ドル購入します。
市場は、引き続き大量の資金が流入するという見立てで株を買い上げた模
様です。
バーナンキ議長は4時半からの会見で、「景気が失望を誘うほど悪化すれば
緩和縮小を取りやめ、経済指標がさらに力強くなれば、縮小ペースを速める
可能性もある」との見解を示しました。
また、2014年を通じて似たような小幅な措置を予想しており、イエレン副議
長は「この日の決定事項を完全に支持」したことにも言及しています。
全体的に見れば、議長会見は今後の景気次第で「緩和縮小」を加速するこ
とも、あるいは停止することもあり得るという、非常に柔軟な姿勢を見せること
で、市場、特に債券市場に安心感を与えた格好になりました。
さてこれで約5年間にわたって行われてきた「量的緩和」が、いよいよ「出口」
に向かって動き出したわけですが、根底には、FRBが米景気の持続的成長
が予想できるほどリーマンショックからの回復に手ごたえを感じていることが挙
げられます。
一方で日本では今後も日銀による「追加緩和」の可能性が非常に高く、来年
4月からの消費税増税後の景気悪化を回避するため、日銀がさらなる緩和
策を講じるとの見方が一般的です。
そのため、「出口戦略を語ることは時期尚早」と、黒田日銀総裁自身が口にし
ています。
米国債は緩やかに下落し、米長期金利が緩やかに上昇していく一方、日銀
による大量の国債購入で、日本の長期金利は低位で安定しそうです。
その結果日米金利差が拡大し、ドル高円安が進みやすい状況が続くと予想
されます。
すでに早朝には104円37銭までドル高円安が進みました。
ここまで来ると、目標は105円の節目です。
テクニカル的には特段重要なレジスタンスではありませんが、「心理的な節目」
にはなろうかと思われます。
短期的な「1時間足」ではストキャスが「80」を大きく超えており、やや過熱感
が見られますが、「日足」ではまだ「59」前後で過熱感は見られません。
NY市場での円安と株高を受け、今日の日経平均株価も大幅な上昇が予想
されます。
株価の上昇に合わせて、ドル円がどこまで上昇するのかが焦点ですが、105
円を超えることがあれば、それは短期的には買われ過ぎと考えています。
予想レンジは103円~105円程度にセットしたいと思います。
- [2013/12/19 08:59]
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FOMC結果前にドル円下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はFOMCの結果を予想しながらもみ合いが続く。
103円近辺を頭に株安と長期金利の低下を睨みながらドルが
緩やかに下落し、一時は102円半ばまで下落。CPIが予想ほど
上昇していなかったことで「緩和縮小」見送り観測がやや高まった。 - ユーロドルも上値が重い展開に。ドル円の下落に伴い、ユーロ円でも
売りが優勢となり、ユーロドルの上昇を抑えた。ユーロドルは1.37台前半
まで下落した後反発し、1.37台半ばに。 - 株式市場はFOMCの結果発表を前にポジション調整中心の動きに。
ダウは9ドル安と小幅に下落。 - 債券相場は反発。神経質な展開が続く中、株安から価格は小幅に上昇。
2年債入札で旺盛な需要が見られたことも価格上昇につながった。 - 金、原油はともに反落。
- 11月消費者物価指数 → 0.0%
- 12月NAHB住宅市場指数 → 58
本日の注目イベント - 日 10月貿易収支
- 中 中国 11月景気先行指数
- 独 独10月ifo景況感指数
- 英 BOE議事録(4、5日分)
- 英 11月失業率
- 米 FOMC政策発表
- 米 バーナンキ・FRB議長記者会見
- 米 9月、10月、11月住宅着工件数
- 米 11月建設許可件数
いよいよ年内最後の重要イベントであるFOMCが始まりました。
市場では「五分五分」との見方が主流ですが、ドル円は103円近辺を頭に
緩やかに下落し、一時は102円台半ばまで円買いが進みました。
「五分五分」とは見られても、「緩和縮小」は見送られるとの見方が根強く、
この日発表された消費者物価指数が予想より低水準だったことで、ポジシ
ョン調整でも一旦は利益確定のドル売りが勝った格好でした。
個人的にはこれまで述べて来たように、「緩和縮小」は見送られる方に傾
いていますが、仮にそうだった場合の為替の反応は簡単ではありません。
中長期的な観点に立てば、「緩和縮小」はドル高円安要因であることに異
論はないでしょう。
従って、「緩和縮小」が見送られた場合には「ドル安円高」方向に振れる
ことが予想されます。
市場参加者の半分が「緩和縮小」を予想していることから、それが見送られ
た場合の最初の反応はドルが売られると予想されます。
その後明日の朝方の4時からは、FF金利動向に関する政策当局者の見
通しも含めて経済見通しが発表され、4時半からはバーナンキ議長の記者
会見が行われます。
バーナンキ議長は来年1月末で退任することが決まっているため、今回が
「最後の記者会見」ということになります。
ここでどのような発言を行うかが注目されますが、すでに退任が決まっており、
今後の金融政策への影響力が無くなることから、今回の発言はこれまでほ
ど重要ではないと思われます。
むしろ為替にとってはFOMCの決定を受けて、株式市場と債券市場がど
のような反応を示すかが極めて重要です。
「緩和縮小」が見送られれば、ひとまず株価は上昇を見せ、債券も買われ
るものと予想されるため、ドル安円高が進んだとしても100円を割り込むよ
うな急激な円高の可能性は低いと見ています。
仮に今回「縮小」が見送られたとしても、足元の米国の経済データが示す
ように「緩和縮小」は時間の問題だからです。
もちろん「緩和縮小」が決定される可能性もありますが、その際にはその規
模や、国債とMBS(住宅ローン担保証券)の購入額をどのような割り合で
減額するのかも注目されます。
そして「緩和縮小」が決定された場合の株式と債券市場の動揺を抑えるた
め、その後も緩和的な政策が継続されるなどのフォワードガイダンスにも併
せて言及されるのではないかと考えられます。
「ゼロ金利」の解除は早くても2015年と見られていることから、改めてその
あたりに触れてくることもあり得そうです。
海外では来週からはクリスマス休暇に入る市場参加者も多いと思われます。
今年最後の重要イベントに併せてポジションを解消する動きも予想されます。
値幅も拡大しそうなことから、ポジションの管理には十分注意して下さい。
- [2013/12/18 08:53]
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ドル円103円を挟みもみ合い
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は東京時間に102円65銭までドル売りが進んだものの、海外では
FOMCを控えていることもあり小動き。103円を挟んでのもみ合いが続き、
103円近辺で引ける。 - ユーロドルはユーロ圏の製造業活動が予想以上に拡大していたことで続伸。
1.37台半ばから1.38に迫る水準までユーロ高が進み、対円でも一時142円台
に乗せる。 - 株式市場は大幅に続伸。欧州株が経済指標を受け上昇したことを受け全ての株価指数が
上昇。ダウは先週末比129ドル高と、1万5800ドル台を回復。 - FOMCの結果に注目が集まる中、債券は反落。長期金利は小幅に上昇し2.87%台に。
- 金、原油はともに上昇。
- 12月NY連銀製造業景況指数 → 0.98
- 11月鉱工業生産 → +1.1%
本日の注目イベント - 豪 RBA議事録
- 日 10月景気動向指
- 独 独12月ZEW景況感指数
- 欧 ユーロ圏11月消費者物価指数(改定値)
- 欧 ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
- 英 英11月生産者物価指数
- 英 英11月消費者者物価指数
- 米 FOMC(18日まで)
- 米 11月消費者物価指数
- 米 12月NAHB住宅市場指数
昨日の東京市場は、先週末の海外市場の流れを引き継ぎ
上値の重い展開でした。103円20-30銭でのもみ合いから、
日経平均株価が下げ幅を拡大すると下落スピードを速め、昼
時間には103円を割り込み、102円80銭台までドル安が進み
ました。
為替が株価を引っ張る格好で円高が進むと、日経平均も一時
250円を超える下落を見せ、ドル円は102円65銭までドル安
円高が進みました。
この流れは、先週末に103円92銭までドル高が進んだ割には
その後上値が重い展開が続いたことで、一旦は利益を確定す
る動きが出たものと思われます。
また12月も半ばを越えてきたことで実需のドル売りも持ち込ま
れたようです。
その後の海外市場ではユーロ圏製造業PMIが好調だったこ
とで、ユーロ円の買いが活発となり、ドル円も103円台まで反
発しました。
ただその後は本日から始まるFOMCの決定を見極めたいと
の雰囲気が優勢となり、103円を挟む水準でもみ合いが続い
ています。
FOMCが今年最後の重大イベントとなっている中、結果次第
ではさらに円が売られる展開も予想されますが、一方で「量的
緩和」見送りとなった場合には、一旦はドル売りが加速するリ
スクもありそうです、
ブルームバーグの調査によると、11月8日時点の予想では、
12月のFOMCで「緩和縮小」に動くと予想したエコノミストは
全体の17%だったものが、12月6日時点では34%に増えた
と報じています。
結果として「市場の見通しは分かれているようだ」と報じてい
ますが、9月のFOMCでは「サプライズ」があっただけに、ど
ちらかに掛ける動きは減少しているようです。
NY株式市場が大幅上昇し、ダウ平均株価が約1週間ぶり
に100ドルを超える上昇を見せたことで、市場はやや「リスク
オン」に傾き易い状況です。
日米ともに株価が今年の最高値を更新した後「調整モード」
が続いていますが、ここでその流れが反転するかどうかも今
後のドル円を見る上でポイントになります。
NY株式の大幅高を好感し、日経平均も大幅高を演じるのか、
あるいは上値を抑えられ小幅高に留まるのか、見極めたいと
思います。
本日は株価がどちらか一方方向に大幅に動かない限り、ドル
円の値動きも限定的と思われます。
株価が堅調に推移しそうだと予想し、ややドル上昇に分があり
そうなことから、レンジは102円70銭から103円40銭程度にし
たいと思います。
「1時間足」の52日線が位置する、103円22銭あたりが最初の
レジスタンスになりそうです。
- [2013/12/17 08:46]
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ドル円103円台後半から反落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京市場で103円92銭の高値を記録したドル円は、海外市場では
利益確定のドル売りに押され下落。NY市場では103円をわずかに割り込む
場面もあったが、103円20銭前後で取引を終える。 - ユーロドルはドル売りが優勢だったことから持ち直し、1.37台半ば
まで反発。ユーロ円は東京時間に142円82銭まで上昇したが、海外市場では
利食いの売りに押された。 - 株式市場は小動きながら反発。米下院による予算案の可決が好材用になったが
買いは続かず、ダウは15ドル高に留まる。 - 債券価格は上昇。インフレは引き続き抑制されるとの見方が広がり債券は
買われた。10年債利回りは2.86%台まで低下。 - 金は反発し、原油は反落。
- 11月生産者物価指数 → -0.1%
本日の注目イベント - 日 12月日銀短観
- 中 中国 12月HSBC製造業PMI(速報値)
- 独 独11月製造業PMI(速報値)
- 独 独11月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏11月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏11月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏12月総合景気指数(速報値)
- 欧 ドラギ・ECB総裁議会証言
- 米 12月NY連銀製造業景況指数
- 米 11月鉱工業生産
ドル円は先週末の東京市場でついに5月の高値103円74銭を抜き、
一時104円に迫る、103円92銭までドル高が進行しました。
日経平均株価が上昇したことを好感し、円売りが進んだものですが、
海外市場では一転して利益確定のドル売りに押され、103円を
若干割り込む水準まで円が買い戻されました。
東京市場での円売りのピッチが早すぎたとの指摘もあり、
やや「達成感」もあったかもしれません。
同時に、今後もドル上昇局面は続くものと思われますが、投機筋の
「相当積み上がった円売りポジション」には引き続き注意が必要です。
今回のドル上昇局面が11月の98円前後から始まったとすれば、
先週末の104円目前の水準で約4円のドル高が進んだことになります。
約1ヵ月程で4円のドル高円安はややピッチが速いと言えますが、
これはユーロなど「クロス円」でも円が急速に売りこまれたことによる
影響も受けていると見られます。
既にドル円は100円台を底固めしたと考えていますが、明日から始まる
FOMCの結果を待ちながら神経質な展開が続きそうです。
東京市場で付けた103円92銭から約1円ほど下落したことで
「1時間足」では既に「転換線」が「基準線」を割り込んでいます。
また、下落は「52日」移動平均線で止められているのが見て取れます。
一方、もう少し長めの「日足」では依然として相場の先行きを表す
「基準線」は上向きです。
従って、短期的な「調整」を経て、ドル円は再び104円を目指す
可能性が高いと予想しています。
年内最大の焦点であるFOMCがいよいよ明日から開催されます。
18日にはその結果が発表され、バーナンキ議長が「最後の記者会見」を
行う予定です。
市場の見方は「五分五分」と推測されますが、私個人は「緩和縮小」は
見送られる可能性が高いと予想しています。
2ヵ月連続で20万人を超えた雇用や、新年度予算のメドもたってきたことから、
「縮小開始」を予想する声が大きいのも事実です。
ただ、それでも「ハト派」の多いFOMCメンバーは慎重だと思われ、
来年2月までに成立させなければならない「債務上限問題」がリスク要因だと
考えられます。
FOMCでは好調な経済指標を踏まえ、「緩和縮小」の議論がなされることは
間違いないと思われますが、来年早い時期での「縮小開始」に言及するに
留まると見ていますが、どうでしょうか。
本日はドラギ総裁の議会証言を始め、ユーロ圏の経済指標が多く発表されます。
ユーロ円が再び上昇傾向を強めるようだと、ドル円も103円台半ば超えが
あるかもしれません。
予想レンジは102円70銭~103円70銭程度と見ています。
- [2013/12/16 09:44]
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ドル円今年の最高値更新か?
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は小売売上高が予想を上回る伸びを見せたことから
再び103円台に。緩和縮小観測が根強く、株式、債券ともに
下落したが、この日は債券に反応した格好。ドル円は103円35銭
まで上昇し、この日の高値で引ける。 - ユーロドルは欧州時間に1.38台に乗せたものの、ドル高が
進んだことで緩やかに下落し1.37台前半までユーロが売られる。
それでも対ドルで円の下落幅が大きかったためユーロ円は再び142円台に。 - 株式市場は3日続落。来週のFOMCで緩和縮小に動くとの
警戒が広がり、ダウは2日連続で100ドルを超す下落。 - 債券相場も続落。小売売上高が予想以上の伸びを見せたことで
緩和縮小警戒感が拡大。10年債利回りは2.88%台まで上昇。 - ドルが上昇したことで金は32ドル安と、大幅に下落。
原油価格は小幅に反発。 - 11月小売売上高 → +0.7%
- 新規失業保険申請件数 → 36.8万件
本日の注目イベント - 日 10月鉱工業生産(確報)
- 米 11月生産者物価指数
ドル円は再び103円台に乗せ、NY市場ではドル高値引けで、
早朝のオセアニア市場では103円60銭台までドル高が進み、
今週10日に記録した103円39銭を大幅に更新しています。
NY市場では、好調な経済データに「緩和縮小」観測が広がり、
株安、債券安が進み、この日は前日と異なり債券価格の下落
(金利の上昇)に反応し、ドル買い円売りが進行しています。
NYダウは3日続落し、これで11月27日に記録した史上最高
値からは300ドル以上下落したことになり、ここ2日間は100ド
ルを超える下げに見舞われています。
しかしドル円は、株価の下落に伴う「リスクオフ」には反応せず、
ドル高に振れています。この動きは昨日の東京時間でも起きて
おり、日経平均株価が先物主導で下げ幅を拡大していたにも
拘わらず、ドル円ではむしろ「ドル買い優勢」の状況でした。
日米で株価の調整がみられる中ドル円が堅調なのは、やはり
「緩和縮小」が近いということの表れかと思われます。
昨日のNY市場では新規失業保険申請件数が市場予想の32
万件に対して、36万8000件と予想を大きく上回ったことには反
応せず、小売売上高が市場予想を0.1ポイント上回ったことに
反応し、来週のFOMCで「緩和縮小」に踏み切るとの見方が拡
大しました。
「緩和縮小」に対する株式市場と債券市場の反応はシンプルで
すが、為替がその両市場のどちらにより反応するのかは定まっ
ていません、
ただ、昨日も述べましたが、「緩和縮小」が「時間の問題」だとす
るなら、将来的には「ドル高円安要因」であることは意識しておく
べきでしょう。
さて、ドル円は今月に入り上昇ペースを速めていますが、3日に
103円38銭、そして10日に103円39銭と上昇しながらも高値
警戒感と、5月の103円74銭が意識される展開が続いてきました。
今朝の早い時間には103円65銭程度まで上昇し、これまでとは
明らかに異なる動きを見せています。
恐らく今回は上記今年の最高値103円74銭を抜くものと予想し
ます。正に「三度目の正直」というところでしょうか。
11月中旬に日足の「三角もちあい」を上抜けした際もそうでした
が、重要なポイントを超えた所には「ストップロス」が設定されて
いるケースがこれまでも多く見られます。
今回も今年のドル最高値を更新する103円80-90銭レベルに
は「ストップのドル買い」が設定されている可能性があるため注
意が必要です。
そもそも為替だけではなく、株の世界にも「新値は買え」という
言葉があります。既に100円台は底固めをしたのではないかと
この欄でも述べてきましたが、上記今年のドル最高値を更新す
るような状況になると、その可能性はますます高まります。
本日のレンジは「感」による部分が大きいのですが、103円10
銭~104円50銭程度を予想したいと思います。
- [2013/12/13 09:05]
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ドル円米株安に反応し102円台前半に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は102円台後半がやや重くなる中、NY株式市場が続落
したことでリスクオフが進み、一時102円14銭まで円が買われる。
102円台は維持できたことで、引けにかけてはドル買い戻しが入り
102円35-45銭で取引を終える。 - イタリアなど南欧諸国の国債が買われ、利回りが低下したことで
ユーロドルは1.38台まで続伸。約1ヵ月半ぶりに高値を記録。 - 株式市場は続落。米議会が財政協議で合意したため、来週のFOMC
で緩和縮小に踏み切りやすいとの見方が株価を押し下げる。
ダウは129ドル安で1万5900ドル台を割り込む。 - 債券相場も財政協議の合意を受けて反落。10年債入札が低調だった
ことも価格を押し下げ、長期金利は2.84%まで上昇。 - このところ上昇傾向だった金と原油はともに反落。
- 11月財政収支 → 1352億ドルの赤字。
本日の注目イベント - 豪 豪11月雇用統計
- 欧 ECB月例報告
- 欧 ユーロ圏10月鉱工業生産
- 米 11月小売売上高
- 米 新規失業保険申請件数
ドル円は103円台が徐々に重くなり、昨日は102円台後半でも重い
イメージでした。
やはり株価の行方が相場を左右し、NY市場ではダウ平均株価が
129ドル安と、最近としては大幅な下落を見せたことで、ドル円も一
時102円14銭まで下落しています。
昨日の朝方、米国では超党派の委員による財政協議で合意に達し
たというニュースが入りドルが買われる場面もありましたが、これが株
式、債券市場には重しとなってともに売られました。
しかし来年に向けてはドル高要因で、今年の10月に見られた「政
府機関の閉鎖」がこれで回避できるとの見通しで、今後の暫定予算
や、債務上限問題でも合意に向け一歩前進したと見られます。
ただ今回の合意で、来週のFOMCで緩和縮小が決定されるとの見
方が急速に高まってきたのも事実です。
雇用統計を始め、このところの経済指標を見る限り緩和縮小への条
件は整ってきました。
それでも慎重なFRBは10月の議会の混乱を考えると、すぐに縮小
を開始するには躊躇し、できれば議会での協議の結果を見極めた
いところです。
昨日の超党派の合意では、連邦政府の歳出削減枠を2年間で60
0億ドル(約6兆1500億円)緩和することや、
その財源として年金掛け金の引き上げなどを盛り込んでいます。
このまま債務上限問題まで合意に向かうかどうかは予断を許しませ
んが、10月の様な混乱は避けられそうな見通しです。
FRBの心配がやや緩和されたと見られます。
ドル円は今月初めに103円台まで順調に上昇し、その後「小幅な
調整」が見られましたが、それでもドルの下落は101円台半ば水
準まででした。
今週は良好な雇用統計を受け、103円39銭までドルが再び買わ
れましたが、5月の高値への警戒感は根強く、一気に103台後半
を試しに行く展開ではありません。
そしてここ2日は、日米株安を背景にドルの下値を試す流れにな
っています。
依然として101円台半ばは底堅いと予想されることから昨日のよ
うに、102円に近付く水準ではドル買い意欲も旺盛かと思います
ここまで来ると焦点は来週のFOMCの行方です。
上述の様に、財政協議の合意を受けて緩和縮小観測が高まって
はいるものの、まだその確率は五分五分と見ています。
相場の予想をより複雑にしているのは、仮に実施された場合の為
替市場の反応が不透明なことです。
昨日のように米国の株と債券が売られた場合、株価の下落に反
応すれば「ドル安円高」ですが、金利上昇の債券に反応すれば
「ドル高円安」に振れると見られるからです。
ただいずれにしても、FRBが緩和縮小に踏み切るのは「時間の問
題」です。
そうだとすれば、緩和縮小は「ドル高要因」であることを意識しながら、
ドルが下落した際には少しづつ拾っていく方向が基本だと思います。
本日も日経平均株価が下落した際に、どこまでドルが売られるのか
を見極めたいと思います。
予想レンジは102円~103円程度と見ています。
- [2013/12/12 08:48]
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ユーロ円上昇は一服
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 103円台前半でもみ合っていたドル円は、欧州市場に入ると値を下げ
102円台に。ユーロドルの上昇に引っ張られる形で円高が進み、NY市場では
102円57銭までドル安が進む。長期金利の低下や株価の下落が重しとなった。 - ユーロドルは続伸。イタリアの鉱工業生産が拡大したことや、ドラギ総裁が
インフレは落ち着いていると発言し、ECBによる追加利下げ観測が後退。
ユーロドルは、1.37台半ばから1.3795まで買われる。
142円台前半まで買われたユーロ円は利益確定の売りに押され、上昇が一服。 - 株式市場は反落。来週のFOMCを巡る思惑などもあり、利益確定の売りが優勢に。
ダウは52ドル下落し、再び1万6000ドルの大台を割り込む。 - 債券相場は続伸。3年債入札が好調だったことと、債券購入縮小の開始時期を
見極める動きが続き、長期金利は低下し2.8%を割り込む。 - 金は続伸。対ユーロでドルが売られたことで買いを集め、26ドル高。
原油価格は続伸し、10月末以来となる98ドル台まで上昇。
本日の注目イベント
- 米 11月財政収支
- 米 ルー財務長官、IMFで証言
ドル円は103円台でもみ合い、ここから103円74銭を目指すのか、あるいは
一旦102円台まで下落し、仕切り直しを見せるのか注目されましたが、NY株
式市場が軟調だったことや、米国債が買われ、長期金利が低下したことで10
2円台半ばまで押し戻されています。
それでも102円57銭で下げ止まったことで、短期的なチャートではドル売りシ
グナルが出ているものの、「日足」など中長期のチャートでは上昇トレンドを維
持しています。
ただ、ここでも一目均衡表の「基準線」は横ばいを示しており、この先もみ合い
が続くことを暗示していることから
すぐに103円74銭をテストする状況ではないことが確認できます。
株式市場の動きを見ても、11月末までNYダウは連日史上最高値を更新し、
1万6090ドル近辺まで上昇しました。日経平均株価もこの動きに引っ張られ
1万5800円目前まで上昇しましたが、その後足踏みが続いています。
また、商品市況を見ても、このところ金や原油価格の上昇が目立ちます。
このことから一部の足の速い資金が、「株式市場から商品市場にシフトした」
と見ることができそうです。
円のポジションについては、12月3日時点の建て玉を見ると、依然として円
売りポジションが積み上がっていることが確認できます。
ネットで13万3000枚を超える「円売りポジション」を維持していました。
ドル円は3日以降に3度も101円台まで下落していることから、今週末に発
表されるポジションでは売り枚数が減少している可能性もありますが、下落
幅からすると大幅に減少しているとは思えません。
ドル円は再び103円台に乗せ上値を伺う展開になろうかと思われますが、
上記株価などの支援材料が必要なのも明らかです。
今年も残すところあと20日です。
このころになると来年以降を見据えたポジションの作成を考える時期にもな
ります。
大方の専門家は、来年はさらに「株高円安」が進むと予想しているようです。
だとすれば、ドル円が調整し下落した際には「ドルロング」に入りたいところ
ですが、なかなかそのタイミングが来ないのが実情です。
多くの個人投資家がドルの下落を待っている状況かもしれません。
これは当社ジャバ版チャートの「ディールスコープ」を見ることでも確認でき
ます。
通常、個人投資家はドル買いのポジションを多く作る傾向があります。
そのため、売り買いネットでは「常に買いポジションに傾く」ことになります。
ところが10月以降、「ネットで売り持ち」に転じた日が多くあります。
昨日朝方時点ではネットで3千万ドル程度の売り持ちでしたが、その後海
外でドルが下落したため、103円台の売りを買い戻したことや、新規で買
ったことで、今朝は「ネット買い持ち」に転じています。
今回のドル高局面では個人投資家はドル売りで攻めて、それまでのロング
を決済した後も、ドルを売り上がったことが見て取れます。
一方方向に振れ易い足元の相場展開には注意が必要です。
本日のレンジは102円30銭~103円30銭程度と予想します。
- [2013/12/11 08:50]
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ユーロ円さらに上昇し142円目前
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は103円台前半で推移し、大きな値動きはなかったが、
連銀総裁の「量的緩和縮小」の可能性が高まっているとの発言で
ドル円は堅調に推移。 - ユーロドルも小動きながら続伸。1.37台前半から半ばまで買われ、
ユーロ円がさらに上昇し141円台後半まで上昇したこともドル売り
ユーロ買いに働く。 - 株式市場は小幅ながら続伸。先週末の雇用統計の改善を受け、買い物がやや
優勢の展開からS&P500は最高値を更新し、ダウは5ドル高で引ける。 - 債券相場は小幅なレンジで推移し、大引けは先週末より小幅に上昇し、
長期金利は2.84%台に低下。 - 金は小幅に反発し、原油価格は7営業日振りに反落。
本日の注目イベント - 日 10月景気動向指数(改定値)
- 中 中国 11月工業利益
- 中 中国 11月小売売上高
- 中 中国 11月マネーサプライ
- 独 独11月ZEW景況感指数
- 欧 ドラギ・ECB総裁講演(ローマ)
- 欧 イタリア7-9月期GDP(改定値)
- 英 英10月鉱工業生産
週明けの昨日の早朝に103円台に乗せたドル円は、その後大きな値動き
は見られなかったものの、ほぼ103円台を維持し、次の展開を模索する状
況でした。
103円台ではドル売り意欲もそこそこ散見され、1週間前に記録した103
円38銭を試す動きには至っていませんが、それでもNY市場では103円
33銭まで上昇するなど、堅調な動きになっています。
昨日は米国経済指標の発表もなかったことで、先週末急騰した株式市場
の行方を見守る展開でしたが、その株式市場にも大きな変化は見られませ
んでした。
そんな中、連銀総裁の講演が多くあり、その内容が注目されました。
セントルイス連銀のブラード総裁は講演の中で「労働市場のデータのみ
に基づけば、資産購入ペースの減速の可能性は高まってきている」との
認識を示し、縮小する場合でも、低インフレの状況を考慮し小幅にとどめる
べきだと発言しています。
ブラード総裁は今年のFOMCでの投票権を持つ一人です。
また「タカ派」の代表格でもある、ダラス連銀のフィッシャー総裁は講演で、
米経済にこれ以上の金融刺激策は不要だと述べ、「FRBはできる限り早
期に資産購入の縮小を開始すべきだ」との見解を示しました。
フィッシャー総裁はその根拠として、「全米規模とは言わないが、一部地
域ではやや過熱傾向が見え始めている」と住宅価格の上昇を懸念する発
言を行いました。
同総裁は今年のFOMCでの投票権は持っていません。
さらにリッチモンド連銀のラッカー総裁は「来週のFOMCでは月額850
億ドルの資産購入の縮小が協議に含まれる可能性が高い」とし、「主な
問題は効果がコストを上回るかどうかだ」と述べています。量的緩和を継
続することで、インフレなどの「副作用」を醸成し、将来多大なコストを払
わなければならないような状況は避けるべきだとの意味合いと思われま
す。因みにラッカー総裁も今年の投票権は持っていません。
依然として103円台前半で推移しているドル円ですが、本日も一旦は上
値を試す展開を予想しています。
先週月曜日の103円38銭を上抜けるかどうかと、さらには103円台半ば
から5月の高値である103円74銭が抜けるかどうかが注目されます。
上記水準を抜ければ、年内に105円に向かってさらに上昇することも十
分考えられます。
なかなか理解できないのがユーロ円の上昇です。
昨日の海外市場では141円95銭までユーロ高が進み、2008年のリー
マンショック直後の水準に近づいてきました。
先週のECB理事会では政策金利の据え置きが決まり、ドラギ総裁のコ
メントでも利下げに関する示唆がなかったことで買われている部分はあ
りますが、それでもスペインやポルトガルなど南欧諸国では既に「デフレ
状態」に陥っているとの報告がある中、なかなか手が出せません。
値ごろ感で安易に売っても、すぐに切らされる展開が続いています。
それでも、ここから上値の水準では「高値警戒感」を払拭できません。
足元の、円を売ってユーロを買う動きはやや「投機的」と言えると思います。
ユーロ円はリーマンショック前の高値169円97銭から去年7月の94円11
銭の値幅の、61.8%戻し(140円99銭)を達成しています。
警戒感は必要だと思います。
本日のドル円のレンジは、102円80銭~103円80銭程度と予想します。
- [2013/12/10 08:55]
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ドル円再び103円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 「11月の雇用統計」を受け、ドル円は102円台前半から
103円を伺う水準まで上昇。
雇用者数、失業率も改善しており、NY株式市場が急反発を
見せたことで「リスクオン」が加速し、ドルを押し上げる。 - ユーロドルも反発し、一時10月末以来の1.37台に
乗せる。ユーロ円が5年振りに141円台まで上昇したことも、
ユーロドルを支えた。 - 株式市場は急反発。良好な米景気が確認されたことで、
ダウは6日振りに反発し前日比198ドル高の1万6000
ドルの大台を回復。 - 債券相場は雇用統計発表直後に売られたものの、小じっかり。
雇用統計は良好だったものの、すぐに「緩和縮小」に結びつくも
のではないとの見方が優勢。 - 金は反落。原油価格は小幅に続伸。
- 11月非農業部門雇用者数 → 20.3万人
- 11月失業率 → 7.0%
- 10月個人所得 → -0.1%
- 10月個人支出 → +0.3%
- 10月PCEコアデフレーター → +0.7%
- 12月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 82,5
本日の注目イベント - 日 10月国際収支
- 日 第3四半期GDP(二次速報)
- 日 11月景気ウォッチャー調査
- 中 中国 11月消費者物価指数
- 中 中国 11月生産者者物価指数
- 独 独10月貿易収支
- 独 独10月鉱工業生産
- 英 カーニー・BOE総裁講演
- 米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 米 フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
- 加 カナダ11月住宅着工件数
NYダウは1万6100ドル近辺まで連日最高値を更新した後
6日続落し、歩調を合わせるようにドル円も103円38銭と、
5月以来の高値を記録したあと「調整」が続き、101円台半ば
まで円が買い戻されていました。
基本的な流れは「ドル上昇局面での一時的な調整」と予想し、
流れが再び元に戻るとすれば「11月の雇用統計」がきっかけに
なると見ていましたが、先週末の指標発表後の動きは正に
その通りでした。
「11月の雇用統計」では、非農業部門雇用者数が市場予想の
18万3000人に対して20万3000人。
失業率は7.2%に対して7.0%と、依然として米労働市場は
回復傾向にあることが確認されました。
これで雇用者数は2ヵ月連続で、FRBが目標とする20万人を超え、
失業率は約5年振りの低水準です。
こちらの方はFRBの目標が「6.5%以下」ということなので、
まだその差が埋まりませんが、近いうちに「7.0%」の壁は
下回ってくると予想されます。
このところ注目されている「労働参加率」も前月の62.8%から、
63.0%に改善しています。
ドル円はこの発表を受け、一時102円97銭までドル高円安が進み、
103円台乗せには至りませんでしたが、NY市場ではほぼ高値圏で
引けています。
週明けのオセアニア市場では103円台に乗せています。
株式市場の方も「調整」を終え、大きく反発しました。
ダウは前日比198ドル高で、一気に1万6000ドル台を
回復しています。
NYダウは「30銘柄」で構成されていますが、この日は全ての銘柄が
上昇しました。
株価が急速に上昇したことでシカゴの「VIX指数」(恐怖指数)も低下し、
投資家の「リスク許容度」が急速に高まり、低金利の円売りが進んでいます。
円は対ドルで売られたばかりではなく対ユーロでは141円台まで売られ、
これは2008年10月以来、約5年振りの水準を記録したことになります。
またポンド円も一時168円台と、直近の高値圏まで売られるなど、
「円全面安」の展開です。
「11月の雇用統計」が良好な結果に終わったことで、次の焦点は17-18日の
FOMCの動向に移ります。
市場では、次回のFOMCで「緩和縮小」が決定されるかどうかは
「五分五分」という見方が主流ですが、個人的にはもう少し「タカ派的」です。
米経済指標は「雇用」だけではなく、例えば先週末のミシガン大学消費者
マインド指数も「82.5」と前月より大幅に改善しています。
その他にもGDPの改定値、ADP雇用者数など、概ね改善傾向を示しており
加えて、株価は堅調に推移しています。
個人的には、タイミング的にも「緩和縮小」を決定しやすい状況が整って
きたと考えています。
「緩和縮小」に踏み切れば、株式と債券が再び「調整入り」する可能性が
高まります。
しかし、先週末の株価に見られたように「緩和縮小観測」が高まったにも拘わらず、
株価は急騰しました。
米景気の良さに素直に反応したものと思われますが、「緩和縮小」は株価に
取ってマイナス面だけではないことを市場が織り込み始めたと見ることもできます。
今月のFOMCで「緩和縮小」が決められるのか、あるいは来年3月まで持ち
越されるのか、それによって株式、債券市場が一旦は売られることになると
思われますが、株式に反応すれば「ドル安円高」、債券に反応すれば
「ドル高円安」に振れやすいことになり、このあたりの予想は簡単では
ありません。
今週ドル円は再び、103円台半ばから上値を目指すことになりそうです。
3日連続で101円台半ばから後半を試しましたが、全て押し戻されています。
101円台半ばが「底固い」ことが確認されたとも言えそうです。
今週は2日に記録した103円38銭を試しに行くと見ていますが、その先には
5月の高値103円74銭があります。
ここを抜けるかどうかは、今週の日経平均株価次第ではないかと見ています。
株価の上昇に弾みがつくようなら、103円74銭突破もあり得るかも知れません。
- [2013/12/09 10:16]
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ドル円101円台を試すも再び反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は前日同様やや上値の重い展開が続く。ADP雇用者数が市場予想を
上回ったことでドル買いが見られたものの、ISM非製造業景況指数が悪化して
いたことで一時101円82銭までドル売りが進み、102円台前半に戻して
取引を終える。 - ユーロドルは方向感に欠ける展開。前日よりやや水準を下げ、1.35台
前半から後半での動きに終始。 - 株式市場はまちまちながら、ダウは4日続落。経済指標の発表を睨みながら神経質な
展開が続いたが、ダウは24ドル安で1万5900ドル台も割り込む。 - 債券相場はADP雇用者数に反応し反落。ADP雇用者数が市場予想を上回ったことで
明日の雇用統計への期待も高まり、「緩和縮小」が早まるとの見方から売られる。
10年債利回りは一時2ヵ月振りに2.85%台まで上昇。 - ドルが下落したことで金は大幅続伸。原油価格も4日続伸し97ドル台まで上昇。
- 11月ADP雇用者数 → 21.5万人
- 10月貿易収支 → 406億ドルの赤字
- 11月ISM非製造業景況指数 → 53.9
- 9月、10月新築住宅販売件数 → 35.4万件、44.4万件
本日の注目イベント - 豪 豪10月貿易収支
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 英 BOE政策金利発表
- 米 7-9月期GDP(改定値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
- 米 フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
ドル円は欧州市場で102円84銭まで買われる場面もありましたが、
日経平均株価の大幅下落を背景にドル売りが勝り、NY市場では
前日のドル安値を下回る101円82銭まで円高に振れました。
しかし前日と同様に101円台ではドル買い意欲も強く、102円30
-40銭まで押し戻されて取引を終えました。
為替を含む金融市場に、これまでとはやや異なる変化が見られます。
NY株式市場ではダウは4日続落し、直近の最高値から既に200
ドル程下落しています。
連日最高値を更新し、株式に対する強気の見方がやや後退してい
ます。
本欄では何度も株価の上昇に対する懸念を述べてきましたが、量的
緩和の継続という材料だけで上昇しつづけるには限界もあり、年末を
控え利益確定の売りが出易い状況になっているようです。
株式を手放した資金は、金や原油市場に向かっています。
これまで大きく売られてきた金は約2ヵ月振りの水準まで上昇してい
ます。原油価格も同じく97ドル台まで上昇して来ました。
代表的な商品市況であるCRBも上昇しています。
ドル円も下値は底堅いものの、2日続けて102円割れをテストしました。
今のところすぐに102円台に押し戻され、101円台が定着する動きに
は至っていませんが、ドルの上値も徐々に切り下がっています。
仮にこのまま100円台まで下落すれば、103円38銭が直近のドル高
値になることも考えられますが、現時点ではその可能性は低いと見ら
れます。
米長期金利は9月18日以来となる2.85%台まで上昇しました。
ADP雇用者数が市場予想の17万人の増加に対して、21万5000人
増加していたことで、明日の雇用統計でも上振れするのではないかと
の期待が膨らみ、今月のFOMCで「量的緩和縮小」が決定されるとの
観測が高まったことが背景です。
ADP雇用者数の21.5万人増加は1年振りの水準になります。
実際、このところの米経済指標の多くは良好です。
現在、17~18日に行われるFOMCで「量的緩和縮小」に踏み切る
可能性は五分五分と見ています。
従って、明日の雇用統計でも市場予想を大きく上回るようだと、その確
率はさらに高まることになります。
ドル円は上値が徐々に重くはなっていますが、2日連続で101円台か
ら押し戻されたことでローソク足では売り買いが拮抗してる「十字架」
が出現しています。
まだ、上昇トレンドの中での「調整」と見ていいのではないかと予想し
ています。
予想レンジは101円90銭~103円程度と見ますが、値幅が大きくな
っています。
ポジションの管理には注意が必要です。
- [2013/12/05 09:10]
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ドル円急落し一時101円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は東京時間に103円38銭の最高値を記録した後、海外市場では
一転してドル売りが加速。株安と長期金利の低下に反応し、NY市場では
一時101円97銭までドルが売られ、102円40-50銭まで戻して引ける。 - ドル安が進んだことでユーロドルも反発。ユーロドルは1.35台半ばから
1.36台前半までユーロ高が進む。 - 株式市場は3日続落。欧州市場の株安や、利益確定の売りに押されダウは
99ドル下落し、1万6000ドルの大台を割り込む。 - 債券相場は反発し1週間ぶりに上昇。ダウが大台を割り込んだこともあり、
安全資産の債券に買いが集まった。10年債利回りは小幅に低下し2.78%台に。 - 金は小幅に続落し、原油は大幅に続伸し96ドル台に。
本日の注目イベント - 豪 豪7-9月期GDP
- 中 中国 11月HSBCサービス業PMI
- 欧 ユーロ圏7-9月期GDP(改定値)
- 欧 ユーロ圏11月総合景気指数(改定値)
- 欧 ユーロ圏10月小売売上高
- 欧 OPEC総会(ウイーン)
- 英 英11月サービス業PMI
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 11月ADP雇用者数
- 米 10月貿易収支
- 米 11月ISM非製造業景況指数
- 米 9月、10月新築住宅販売件数
- 米 オバマ大統領、経済について講演(ワシントン)
先月8日の雇用統計の発表をきっかけにドル高円安が加速し、ドル円は
昨日の東京市場では103円38銭までドル高が進みました。
そのため5月の最高値、103円74銭へのテストは「時間の問題」と見ら
れていましたが、その水準を目前に下落に転じ、わずか半日で1円40
銭近く円高が進む「調整」が起きました。
今回のドル上昇局面でようやく「ある程度の調整」を見ることになりましが、
その理由に特別のものは見当たりません。
米長期金利の低下はありましたが、ドルを101円台まで押し下げる原因
ではありません、NYダウが続落し、大台の1万6000ドル台を割り込んだ
ことはややインパクトがありましたが、それでも前日の下落時にはほとん
ど反応しませんでした。
結局、利益確定のドル売りが出て、ある程度の水準まで下げると、さら
にそこには「ストップロスのドル売り」があり、それが執行されたことでさ
らに値を下げる展開だったと思われます。
それにしても特段理由がないのに、1円40銭程の大幅な下落は「相
場は上昇より下落の方がはるかに速い」ことが証明された格好です。
昨日の東京時間での103円38銭までのドル高は、日経平均株価が
年初来高値を更新したことに引っ張られた部分もあります。
シカゴ先物市場の円売りポジションも「今年最も多い12万3000枚
」を超えていました。そして市場参加者の「相場観」も、かなりドル高
に傾いていたように思います。いつ「調整」が起きてもおかしくない
状況だったわけです。
問題はここからです。
NY市場では102円を割り込んだ後、102円台半ばまで反発して引
けたことで「長い下ヒゲ」を作っています。
この「下ヒゲ」は長ければ長いほど「底値」である可能性が高いことか
ら、「調整」もここで一旦終えたと考えられなくはありません。
昨日の下落はさすがに予測できませんが、101円97銭で下げ止ま
ったことは「偶然」ではありません。
チャートを見ると「1時間足」の200日線でしっかりと止められているの
が見て取れます。
さらに「4時間足」を見ると、ここでも52日線が下落を止めているのが
解ります。
昨日の下落は、テクニカル上のサポートポイントでしっかり止まったと
言えます。
「ある程度の調整」を見たことで、今後はドルの上値がこれまでとはや
や異なり重くなって来そうですが、「ドル高トレンド」は変わっていない
と思います。
今週末の雇用統計次第というところはありますが、もみ合い後に再び
103円74銭を試す展開になると予想します。
下値のメドは昨日NY市場で記録した101円95-00レベルです。
もしこの水準を下抜けするようなら、次は101円50-60銭となり、そ
の下の101円が重要なサポートになります。
反対に上値は103円と、その上は昨日の高値である103円38銭と
いうことになります。
現時点では、昨日のドル急落はあくまでも「ドル上昇局面でのガス
抜き」と、捉えています。今週末まではもみ合いが続きそうですが、
雇用統計で余程の「悪化」を確認しない限り現在のトレンドは来年に
向けて継続されると予想しています。
本日は日本株の下落がどこまであるか、という点に注目です。
「円安と株高」がセットで進行してきたことから、円高方行に振れれ
ば株も売られます。
ただ株価の地合いも強いため、日経平均株価の大崩れは望めないと
思われます。
レンジは101円80銭~102円80銭程度を予想します。
- [2013/12/04 08:55]
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ドル円ついに103円台に乗せる
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は一段と上昇し一時、半年振りに103円台に乗せる。
株価は下落し、リスクオフの流れに傾いたものの、米長期金利が
上昇したことに反応し102円90-103.00円で引ける。 - ドル高の流れが優勢だったことからユーロドルは続落。
1.35台後半から1.35台前半まで売られたが、対円では
堅調。 - 株式市場は大幅に反落。年末商戦が低調との見方から、
ISM製造業景況指数が好調だったにも拘わらずダウは77ドル安。
引け値では1万6000ドルの大台は維持される。 - 債券相場は3日続落。ISM製造業景況指数が良好だったことから
緩和策が縮小されるとの観測が広がる。10年債利回りは上昇し
2.8%台に乗せる。 - 金はドル高が進んだことから大幅に下落し1221ドル台に。
一方原油価格は大幅に反発し93ドル台後半まで上昇。 - 11月ISM製造業景況指数 → 57.3
本日の注目イベント - 豪 RBAキャッシュターゲット
- 豪 豪10月小売売上高
- 日 11月マネタリーベース
- 中 中国 11月非製造業PMI
- 欧 ユーロ圏10月生産者物価指数
- 欧 レーン・欧州副委員長講演
ドル円は依然として調整もなく上昇を続け、NY市場では103円台前半
までドル高が進行しました。この日はNY株式市場がこのところの上昇局
面では比較的大幅な下げを見せたことには反応せず、債券価格が下落
し長期金利が上昇したことに反応し、ドル高円安が進み、「円が売られ易
く、円の先安観が強い」ことを表す結果になりました。
ISM製造業景況指数が市場予想を上回り「緩和縮小」が早まる、との見
方が「株安と債券安」を誘因しましたが、ドル円は株安による「リスクオフ」
には反応せず、債券安に伴う「長期金利の上昇」に素直に反応し、103
円台乗せを示現しています。
全米小売業協会が委託した調査によれば、11月28日の感謝祭から4日
間の小売店舗とインターネットを通じた購入は2.9%減の754億ドル
(約5兆8800億円)となり、予想外に伸びなかったことが解りました。
この結果、株価の上昇に伴う感謝祭翌日のブラックフライデーへの期待
はしぼみ、株式市場にはマイナスに働き、株価の下落につながっています。
ブルームバーグは「小売業はブラックフライデーに期待していたものを得
られなかった。今後3週間でその埋め合わせをする必要があるため、さら
なる値引きにつながり収益を圧迫することになる」との見方を伝えています。
年末商戦はまだ始まったばかりであり、まだ全体の状況は判断できません。
今後株価がさらに上昇するようなら、やはり個人の財布のひもは緩んでく
るのではないでしょうか。
ドル円はいよいよ103円台まで上昇してきました。
ここまで来るとターゲットは一つ、「103円74銭」の年初来高値を抜けるか
どうかです。
この水準を抜き、一気に105円を目指すとも思えませんが、反対にこの水
準を見るまでは「達成感」も出てこないのではないかとも思えます。
株価の下落に目をつむり、長期金利の上昇に反応する状況が続くのであ
れば、遅くとも来年3月のFOMCでは「量的緩和の縮小」が決定されると
見られるため、今後も米長期金利は上昇傾向を強めることになり、ドル円も
一段と上昇するとの見立てができそうです。
現時点では今月17-18日のFOMCでの「緩和縮小」の可能性は五分
五分と見ております。
「雇用」が最も重要な判断材料ではありますが、昨日のISM製造業景況
指数など、このところの経済指標が好調なため、「12月実施」観測が高ま
っているのも事実です。
今日の東京市場も103円台乗せがありそうです。
NY株式市場は下落しましたが、「円安を好感して」シカゴの日経平均先
物は続伸しています。
このままでは本日の日経平均も上昇すると見られ、このところの上昇ムード
に乗って一段と上昇するようなら103円台半ば、あるいは上記の水準を試
しに行くことも考えられます。
ただ個人的にはここからドルロングをしこむ勇気はありません。
昨日発表されたシカゴの通貨先物市場の「建て玉」では、円の売り持ち枚
数が12万3202枚と、前週よりさらに増加していました。
これは投機筋が「さらに円安に振れる」と予想していると同時に、「利益確
定のドル売り円買い」に、いつ動いてもおかしくないことにもなります。
ドルショートは避けるにしても、ロングもなかなか難しいレベルに入って来ま
した。
本日のレンジは株価の動向にもよりますが、102円40~103円60銭程度
を予想してます。
- [2013/12/03 08:58]
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ドル円102円台半ばで推移
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は感謝祭後の週末ということもあり小動き。
それでも東京市場の流れを受けドルは堅調に推移し、102円台半ば
まで上昇して引ける。 - ユーロドルはユーロ圏のCPIが市場予想を上回ったが反応は
限定的。週末のポジション調整が出て、1.36台から1.35台後半まで
売られる。 - 株式市場は短縮取引のため薄商い。ダウは引けにかけて売られ、前日比
10ドル安。一方ナスダックは続伸し15ポイント高。 - 債券市場も短縮取引のため商いは閑散。長期金利はほぼ変わらずの
2.74台%で推移。 - 金、原油はともに小幅に反発。
本日の注目イベント - 豪 豪10月住宅建設許可件数
- 日 黒田・日銀総裁講演(名古屋)
- 中 中国 11月HSBC製造業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏11月製造業景況感指数(改定値)
- 米 11月ISM製造業景況指数
いよいよ12月に入りました。
ドル円は先月8日の雇用統計の「サプライズ」をきっかけに上昇に転じ、
その後大きな「調整」がないままほぼ一本調子で上昇を続けて、そろ
そろ1ヵ月になろうとしています。
5月の103円74銭の高値を記録して、半年たって再び「今年の最高値」
に挑戦しているようにも見えます。
先週末のNY市場では、株式、債券市場が短縮取引だったため、為替
市場でも参加者が少なく、取引も閑散でしたがドル円は堅調に推移し、
102円台半ばまでドル高が進み、週明けのオセアニア市場では102円
59銭までさらにドルが買われる場面がありました。
市場の雰囲気はちょうど5月に、アベノミクスへの期待感から「円安、株
高」が進行した状況に似てきました。
当時と今の状況を比較すると、「アベノミクスへの期待感」がやや薄れて
来た以外、株高と米量的緩和の縮小観測など、状況はそっくりです。
日経平均株価の方も、5月の最高値を更新しており、株価とドル円の相
関関係が維持されているとすれば、103円74銭を更新するのは「時間
の問題」なのかもしれません。
因みに米長期金利は1.9~2.0%程度で、現在の方が800bp程高く
なっています。
市場の雰囲気も多くの専門家が「ドル高」を予想するようになっている点
で同じです。5月のその後のドル急落は、バーナンキ議長が「量的緩
和の縮小は年内に実施することが適当」と議会で証言したことで株価
が大きく下落し、「リスク回避」の流れが高まったことが原因でした。
「量的緩和縮小観測」に関しては現在も状況は変わっていません。
先月発表された雇用統計の大幅な改善に加え、その後に発表された
住宅関連指標や、消費者マインドなどいずれも好調でした。
そのため、今週末の雇用統計で20万人を超えるような雇用者数がで
るようだと「今月にも緩和縮小があるかも」しれません。
そのような状況下でも、株式市場と債券市場の反応は極めて冷静です。
緩和縮小が開始されることは、「米景気が順調に拡大している証拠」と
いった見方が増えていることと、「カネ余り」は変わらないという見方が根
底にあります。
年末から来年にかけて今の状況が継続される可能性は高いと思われま
すが、それでも「高値警戒感」は残ります。
やはりその意識を持ちながら市場に臨むべきではないかと思います。
ただトレンドは明らかに「上昇トレンド」です。
「値ごろ感」でショートメイクしてもなかなか機能しません。
十分に引きつける必要があります。
また、押し目も期待するほど深い押し目はありません。
ロングを維持しながらもこまめに利益を確定して行くことです。
朝から上値を試す展開が続いているところを見ると、本日もドル円は堅調
に推移しそうです。
上値は今日1日を見て103円台に乗せるかどうかというところかと思います。
予想レンジは102円~103円程度を見たいと思います。
- [2013/12/02 09:24]
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