fc2ブログ

ユーロ円139円台前半まで下落 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • ドル円は102円台半ばから後半で推移。米第4四半期GDPが

    3.2%だったことから、米景気が依然として拡大しているとの見方が

    ドルを支え、一時102円89銭まで上昇したが、103円には届かず。

  • ユーロドルはドイツの経済指標が悪化していたことを嫌気して下落。

    1.36台半ばから1.35台半ばまで売られ、1週間振りの安値圏で引ける。

  • 株価は反発。前日の大幅安の反動もあり、GDPの結果を好感しダウは

    109ドル高。S&P500は今週の大幅な下げ幅を埋める上昇を見せる。

  • 債券相場は小幅に反落。ここ1週間近く、新興国の通貨不安の材料で買われて

    きたが、利益確定の売りも出た模様。長期金利は2.69%まで上昇。



  • 10-12月期GDP(速報値) → +3.2%

  • 新規失業保険申請件数      → 34.8万件

  • 12月中古住宅販売成約指数   → -8.7%

    本日の注目イベント
  • 日   1月失業率

  • 日   1月消費者物価指数

  • 日   12月鉱工業生産

  • 欧   ユーロ圏12月雇用統計

  • 欧   ユーロ圏1月消費者物価指数(速報値)

  • 米   12月個人所得

  • 米   129月個人支出

  • 米   12月PCEコアデフレーター

  • 米   1月シカゴ購買部協会景気指数

  • 米   1月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)

  • 加   カナダ11月GDP


    昨日のドル円はこのところの動きとしては比較的落ち着いた動きを見せましたが、

    依然として新興国通貨の先行き不安が残っていることから、良好な経済指標を

    好感して買われたものの、103円台には届いていません。

    101円台を2度試しいずれも押し戻される展開から、この水準は底固いと見られ

    るものの、まだ本格的にドル買いを進める状況ではないようです。

    ドル円は終始102円台半ばから後半で推移しました。

    米第4四半期GDPが3.2%と発表され、市場予想を若干上回り、米景気の力

    強さを示した格好になりました。

    個人消費がここ3年で最大の伸びを示し、貿易赤字の減少とともにGDPを押し

    上げる要因になっています。

    不安定な動きが続いている新興国通貨では、トルコが再利上げの可能性を示

    唆し、ロシアでは通貨安に対する無制限の介入を表明するなど、投機的な新

    興国通貨売りに対しては断固阻止する姿勢はみせているものの、高インフレ

    率や政情不安などを抱えていることもあり、依然として先行きの不安を払拭す

    るには至っていません。

    そのため、米株市場が100ドルを超える反発を見せた割には長期金利はそれ

    ほど上昇していません。

    安全資産である米国債へのシフトが見込まれていることが伺えます。

    このように依然として「リスクオフ」の流れが継続していると見られることから、

    まだ足元のドル円の上昇は限定的かと思われます。

    株価も連日不安定な動きを見せており、昨日のように上下の値幅も大きくなっ

    ています。

    落ち着きを取り戻すには時間がかかりそうですが、直近1月24日の高値であ

    る104円84銭から27日の安値101円77銭までの下落幅を基準に「フィボナ

    ッチ・リトリースメント」を確認してみると、38.2%戻しが102円95銭であるこ

    とから、現在この水準を試しに行く過程にいるかと思われます。

    また、仮にこの水準を上抜けした場合には、次のターゲットは50%戻しにあ

    たる103円31銭が意識されそうです。

    本日は103円台まで上昇する勢いがあるかどうかがポイントですが、103円

    台には届かず、反対に102円半ばを割りこんで取引を終えるようだと、再び

    101円台をテストする可能性もあると予想しています。

    今日で1月も終わりますが、この1ヵ月は多くの専門家が予想したように「円安、

    株高」にはならず、円も株も全く逆の動きを見せました。

    「こんなはずではなかったのに?」との思いが広がる一方、再び「円高、株安」

    との見方がじわりと増えてきました。

    もちろんまだ少数ですが、101円台を割り込むようだと後者を予想する人が急

    激に増えると思われます。

    個人的には依然として前者の見方を維持しており、現時点でも変える必要は

    ないと考えておりますが、

    前回も説明したように、一目均衡表の「日足」で「逆転」が起きていることが非

    常に気になります。

    予想レンジは102円30銭~103円30銭程度にセットしたいと思います。



スポンサーサイト



ドル円NYで再び101円台に 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • 東京時間に103円44銭まで買われたドル円は、欧州市場から

    NY市場にかけてはジリジリと下げ、株価の大幅安や、長期金利の

    低下に101円85銭までドル安が進む。新興国通貨が再び下げ足を

    強めたことで「リスクオフ」の流れが拡大。

  • ユーロドルは1.36割れ目前まで下落したが、ドル安が進んだことで

    1.36台後半まで値を戻す。

  • 株式市場は大幅に反落。企業業績予想が失望を誘ったほか、FOMCが

    量的緩和の縮小を進める姿勢を示したことも影響し、ダウは189ドル下落し、

    1万5700ドル台に。

  • 債券相場は反発。新興国通貨の不安が収まらないことなどを背景に買い物を

    集め、長期金利は昨年11月以来となる2.68%台まで低下。

  • ドル安から金は反発し1262ドルに。原油は反落。



    本日の注目イベント
  • 中   中国 1月HSBC製造業PMI(改定値)

  • 独   独1月雇用統計

  • 独   独1月消費者物価指数(速報値)

  • 欧   ユーロ圏1月景況感指数

  • 欧   スペイン10-12月期GDP(速報値)

  • 米   10-12月期GDP(速報値)

  • 米   新規失業保険申請件数

  • 米   12月中古住宅販売成約指数

    FOMCは債券購入額を100億ドル縮小し、月650億ドルにする

    方針を決めました。

    今朝4時に発表された声明文では、労働市場について「指標は

    まちまちだったが、ならして見るとさらなる改善が示された」と指摘。

    「失業率は低下したが、なお高い水準にある」と記されました。

    債券購入の内訳は米国債が月350億ドル、住宅ローン担保証券

    (MBS)が同300億ドルとなり、2月から実施されます。

    今回の決定で、債券購入額は850億ドルから650億ドルとなり、

    過去2回のFOMCでは着実に緩和縮小を決定しており、このまま

    のペースでいけば今年12月には量的緩和政策が終了すると見ら

    れます。

    今回のFOMCでは2011年6月以降で初めて参加メンバー全員

    が賛成票を投じたことも公表されました。

    今年からFOMCメンバーの中で投票権を持つ中銀総裁のうち3

    名が交代しましたが、フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁と、

    ダラス連銀のフィッシャー総裁の、いわゆる「タカ派」2名が投票権

    を得ています。

    今月10日に発表された「12月の雇用統計」では、非農業部門雇

    用者数が市場予想の19万7000人に対して7万4000人と大幅に

    減少していました。

    そのため、緩和縮小にブレーキがかかるのではとの観測が広がり一

    旦ドル売りが拡大しましたが、今回予定通り炎々と縮小を続ける決

    定を下したということは、米金融当局が景気回復への自信を深めて

    いると見ることができそうです。

    ただ、FOMCは失業率が6.5%を上回り、今後1-2年のインフレ

    率が2.5%以下にとどまると予想される限り、政策金利をゼロ近辺

    にとどめる方針は維持しています。

    ドル円は昨日の朝方にトルコ中銀が大幅な利上げを決めたことから、

    新興国通貨が持ち直し、さらにこれらを好感して日経平均株価が大

    幅な上昇を見せたことで103円台を回復し、一時103円44銭までド

    ル高に転じました。

    日経平均株価は引け値では400円を超える上昇を見せ、ドル円は

    103円台前半で推移したことで、通常この状況では海外市場では

    一段のドル高が進むと予想しましたが、昨日の動きは東京市場限

    定でした。

    欧州市場では103円台前半で推移しましたが、NY市場のオープン

    にかけて103円台を割り込み、

    NY市場が開くと再び新興国通貨がドルに対して下落したことで、

    円を買う動きが活発になり、株式市場の下落に歩調を合わせるよう

    に102円台を割り込む水準まで、ドル安円高が進みました。

    ドルの底値は101円85銭で、今週月曜日のドル急落時の底値を

    割り込まなかったことが救いでした。

    1月も間もなく終わりますが、これまでのドル円の動きの中で今年の

    最大の特徴は、東京時間でドルが買われてもNY市場では逆の動

    きになることです。

    この状況は既に何度も確認されていますが、市場ごとに動きが異な

    ることには注意が必要です。

    NY株式市場が大幅な調整を余儀なくされ、米長期金利が低下傾

    向を見せていることからドルの上値が徐々に重くなっています。

    米景気の好調さを示す指標がでてくるまでは上値の重い展開が続く

    可能性が高いと思われ、101-104円のレンジでもみ合うと予想しま

    す。

    本日も101円台に突っ込んだ場合、どの程度ドル買い需要があるか

    を見極める展開で、101円50銭~102円80銭程度のレンジと見ます。



トルコ中銀利上げを決定 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • ドル円は底堅い動きを見せ、欧州市場では103円25銭まで上昇。

    NY市場では経済指標の結果が強弱まちまちであったことや、長期金利が

    低下したことでドルの上値は抑えられ、102円90銭前後で取引を終える。

  • ユーロドルは方向感がなく小動き。1.36台半ばから後半で一進一退。

  • 株式市場は6営業日振りに反発。製薬会社などの好決算もありダウは前日比

    90ドルの上昇。

  • 債券相場はFOMCの結果をにらみ、やや上昇。長期金利は小幅に低下し

    2.74%台に。

  • 金は続落し、原油は続伸。

  • 12月耐久財受注        → -4.3%

  • 11月ケースシラー住宅価格指数 → +13.71%

  • 1月消費者信頼感指数      → 80.7

  • 1月リッチモンド連銀製造業指数 → 12

    本日の注目イベント
  • 欧   ユーロ圏12月マネーサプライ

  • 米   FOMC政策金利発表

    新興国通貨の混乱が収まりつつあることから、「リスクオフ」の流れが後退し、

    株価が反発。ドル円も緩やかに上昇しています。

    今朝7時過ぎにトルコ中銀が利上げを決めたことで、ドル円は102円台後

    半から103円44銭まで上昇しました。

    トルコリラの急落から、トルコ中銀が臨時の政策会合を開き、「利上げを含む

    対応策が出される」と予想されていましたが、トルコ中銀は1週間物レポ金利

    を従来の4.5%から10%に引き上げることを決定しました。

    同中銀はさらに他の政策金利も引き上げ、翌日物貸出金利を7.75%から

    12%に引き上げるなど、引き上げ幅が予想より大幅で、市場のサプライズを

    誘っています。

    トルコ中銀がこれ以上の通貨安阻止を狙って、大胆な政策に打って出たこと

    で、新興国の通貨不安は一段と後退すると見られます。

    ドル円は昨日の東京タイムでは、上にも下にも行きづらい展開が続き、102

    円台半ばから後半で推移していましたが、欧州市場に入るとドルが買われ

    始め、一時は103円25銭まで「ドル高円安」が進み、先週金曜日のドル急

    落前の水準を回復しました。

    101円台まで円高が進んだ後、2日で103円台を回復するところを見ると、

    やはり今回の円高局面は昨年5月の「バーナンキショック」とは異なり、一

    過性の可能性が高いと思われます。

    もっとも、株価の方はNY株式市場で昨日は反発していますが、勢いは今

    のところ限定的です。

    NYダウは6営業日振りに90ドル程反発しましが、この間の下落幅は570

    ドルを超えています。昨年12月からの上昇が大きかったことによる反動で、

    下落幅が拡大したとみることができそうです。

    ドル円は今朝の急騰で、「1時間足」の120日線を試す水準まで上昇しま

    した。

    この上には103円70銭前後に200日線があるため、ここが超えられるか

    どうかが今後の相場展開を見る上で重要です。

    また、「転換線」がようやく「基準線」を抜けた状況を見せてきましたが、

    「日足」では依然として「転換線」が「基準線」を下回っており、まだ安心

    してドル買いを進める状況ではないことを伺わせています。

    しかも、相場の先行きを表すとされる「基準線」は、今後ドル円が104円

    台に乗せても「横ばい」の状態が続くと予想されます。

    現在「基準線」は105円44銭と101円77銭の真ん中である103円60銭

    に位置しています。

    従って105円44銭を上抜けするか、あるいは現在のレートを維持しなが

    ら1ヵ月ほど推移しないかぎり「基準線」は横ばいが続き、そのままではし

    ばらくすると下向きに方向を変えることになります。

    中国理財商品のデフォルトが避けられたことや、新興国通貨の下落が

    止まったことで、ひとまず投資家心理は好転すると見られます。

    これが株価を押し上げる原動力になると思われますが、やはり注目はN

    Y株式市場がどこまで反発するかという点です。

    200ドルから300ドルの上昇を見せるようだと、不安心理は一気に解消

    する可能性もありますが、明日の明け方にはFOMCの結果が発表され

    ることから、その結果を見極めるまではまだ不安定な動きが予想されます。

    今朝方発表されたトルコ中銀の利上げを受け、今日の日経平均株価は

    大幅な上昇が見込めます。

    株価の上昇を支援材料にドル円がどこまで上昇するのかを見極めたいと

    思います。レンジは102円70銭~103円70銭程度と予想します。


新興国通貨の下げ一服 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • ドル円は昨日の早朝に101円77銭まで急激な円高が進んだが、

    その後は株価の下落にも拘わらず堅調に推移。欧州市場では102円93銭

    までドルが買い戻されたが、NY市場では軟調な経済指標を受け株価が

    続落する中、ドル円も102円台半ばから後半で推移。

  • ユーロドルは欧州時間に1.37台半ばまで買われたものの、その後は

    1.36台半ばから後半でもみ合い。

  • 株価は5日続落。朝方は前日の大幅安の反動もありプラスで推移したものの、

    住宅関連指標の悪化から売りが優勢の展開に。ダウは41ドル下げ、ハイテク株

    の多いナスダックは44ポイント安と大幅下落。

  • 債券相場も反落。FOMCを控え前日の急騰から売り物が優勢に。

    長期金利は2.76%前後まで上昇。

  • 金は反落し、原油は続落。

  • 12月新築住宅販売件数 → 41.4万件

    本日の注目イベント
  • 中   中国 12月工業利益

  • 英   英10-12月期GDP(速報値)

  • 米   FOMC(29日まで)

  • 米   12月耐久財受注

  • 米   11月ケースシラー住宅価格指数

  • 米   1月消費者信頼感指数

  • 米   1月リッチモンド連銀製造業指数



    ドル円が101円台で取引されたのは、結局昨日の早朝のわずかな

    時間帯だけでした。

    102円割れにはストップロスのドル売りがあった模様で、その注文の

    執行がドル円を101円77銭まで押し下げたと思われます。

    その後の東京時間では、株価の大幅安にも拘わらずドル円は買い

    意欲が旺盛で、102円台半ばで推移し、その流れを引き継いだ欧

    州市場では102円93銭までドルが反発しました。

    日経平均株価は大きく下げたものの、500円を超える下げには至ら

    ず、むしろ株価との連動を離れ、ドルの押し目を買う動きが優勢でし

    た。

    NY市場では、新興国通貨の下げはいったん収まったものの、新築

    住宅販売件数が市場予想を下回ったことから株価は5日続落となり、

    ドル円の上値を抑える格好になっています。

    それでも米長期金利は上昇し安定していることが、今後ドルにとって

    の好材料とみることもできます。

    ドル円は足元では101円台では買い意欲もそこそこありそうですが、

    103円には届いていません。

    本日から始まるFOMCの結果を見極める必要があるため、ポジション

    も一方に傾けにくいといったところです。

    個人的には新興国通貨の混乱は限定的で、長期化しないと予想し

    ています。

    再びドル高円安に戻るためには、米株式市場の安定が何より重要

    です。

    今朝の新聞にもありましたが、日本では「NISA」の影響もあり、

    今後も株式市場への資金流入が期待でき、これが株価の下落には

    一定の役割りを果たすと思われますが、それでもNY株式市場が大

    きく調整すればその影響は避けられません。

    日本の株式市場の「もろさ」は今も変わっていないと思います。

    株価の上昇はドル高につながりやすいことから、「株高ドル高」が

    継続するには何よりもNY株式市場の安定が不可欠と言えます。

    できれば日本の株式市場も日本独自の材料で、日本独自の動き

    をしてくれればいいのですが、残念ながら「海外投資家」主導の

    日経先物ではそうもいきません。

    ドル円はNY市場では103円台には届いていませんが、下値も

    102円台前半で下げ止まる気配を見せています。

    今年に入って最大の特徴は、ドルの急落は全てNY市場で引き

    起こされているものの、翌日の東京市場では全てNY市場でのド

    ル安値を上回っていることです。

    昨日も「朝方の混乱」は別とすれば、先週末のNY市場でのドル

    安である102円09銭は難なくクリアしています。

    東京市場ではドル買い意欲が強いことの表れですが、これは昨

    日発表された2013年の貿易収支の結果と無関係ではないよう

    に思います。

    昨年は11兆4000億円の「貿易赤字」を記録し、2012年の過去

    最大の「貿易赤字額」を大幅に更新しました。

    貿易実需だけを見れば、圧倒的に「ドルを買う人」が多いということ

    になります。

    年間を通じた「経常収支」は依然として「黒字」を維持していますが、

    その額も着実に減少しており、ここ2カ月は単月で「経常赤字」が

    続いています。

    ドル円は今週にも103円台を回復すると予想していますが、昨年5

    月の厳しい経験もあるため、ここから一気に105円回復とはいきま

    せん。

    上述の様にNY株式市場が落ち着きを取り戻してくれれば、時間を

    かけながら再び105円台を目指す展開もあろうかと思いますが、昨

    年5月の様に長引くようだと100円台を試す展開がないとも言えま

    せん。

    予想レンジは102円~103円20銭程度を見ます。



ドル円早朝に101円台に急騰 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • アルゼンチンペソなど、新興国の通貨が軒並み急落し、

    「リスクオフ」が高まったことから、安全資産の米国債が買われ、

    リスク資産の株価が大幅安に。そのため安全通貨の円が全面高の

    展開となり、ドル円は一時欧州市場で102円ちょうどまで急騰。

  • ユーロドルは小動き。ユーロ円で円買いが活発になったことで

    ユーロドルの上値が抑えられ、1.36台半ばから後半で推移。

  • 株式市場はほぼ全面安。中国の景気後退や新興国市場の通貨不安から

    ダウは318ドル下げ、1万6000ドルの大台を大きく割り込む。

  • 「リスクオフ」の流れが加速し、債券は大幅高。10年債利回りは

    8週間ぶりの低水準となる2.71%まで低下。

  • 金は小幅に続伸。原油は5日振りに反落。


    本日の注目イベント
  • 日   日銀金融政策決定会合議事要旨(12月19日、20日分)

  • 日   12月貿易収支

  • 独   独1月IFO景況指数

  • 欧   ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)

  • 米   12月新築住宅販売件数


    中国の景気先行きに対する懸念と、アルゼンチンなど新興国の通貨が急落した

    ことで、米株式市場が大幅な下落を見せ、ここ3日間で540ドル近い下げを

    記録しました。

    もともと「金余り」から行き場のない資金が株式市場に流れ込み、ダウは昨年

    末には1万6300ドル近辺まで上昇し、この欄でも株価の上昇に対して警鐘を

    発してきました。


    3日間で540ドルに迫る下落は、本来それなりの深刻な理由が必要です。

    中国経済の不透明さや、降って湧いたような新興国不安だけでは何とも

    説明しにくい状況です。

    「緩和縮小」という材料は当初、市場への資金流入が細るという見方から

    「株安、債券安」に反応した市場が昨年末には「株高、債券安」で反応し、

    「緩和縮小」を前向きに捉えたかに見えました。そのため、株価は連日史上

    最高値を更新しました。

    やはり、株式市場はミニバブルだったと言えるのでしょう・・・・。その反動が

    予想以上に大きいことに驚きます。


    株価が下落し、安全資産である債券が買われる展開は、為替市場では

    「安全通貨である円」の出番です。

    ドル円は週明け早朝に101円77銭前後まで急騰し、昨年12月6日以来の

    円高水準を付けました。

    今朝はシドニー市場が休場だったこともあり、参加者が少ない中「ストップロス」が

    執行された可能性が高く、それが円相場を一気に50銭ほど押し下げたものと

    見られます。


    ドル円は昨年以来105円台半ばを3度試しましたが、105円49銭という重要な

    「節目抜け」には失敗しています。

    徐々に上値が重くなってきたところに、今回の「株安債券高」が円急騰の引き金を

    引いたことで一気に101円台まで円高が進んだものと思われます。

    先週金曜日の本欄でも、「23日のセミナーで、日足の一目均衡表が円高を

    示唆している」ことを記述しましたが、この変化は、21日の「一目均衡表セミナー」を

    行っている最中に表れたため、この時点で円高の可能性にも触れています。

    また、「相場は下落するスピードが圧倒的に速い」という言葉も加えました。


    さて、今朝の下落で「日足」では「52日線」も下抜けし、現在雲の中を下落している

    ところです。

    この先ドル円がさらに雲を下抜けし100円を割り込むと、重要な移動平均線は全て

    下抜けが完了することになり、「長期の調整入り」を覚悟しなければならない

    状況かと思いますが、現時点ではその可能性は極めて低いと予想しています。

    それは、中国の成長は今後さらに鈍化するどうかまだ解りません。

    また、新興国通貨不安は、アルゼンチンなど一部の地域に限定されると

    予想します。

    また、根底には日米通貨当局の金融政策の違いがあることは、これまでも述べて

    来た通りです。

    上がり過ぎた株価が調整期に入ってきたという認識です。


    先週末のシカゴ先物市場では日経平均株価が450円ほど下落していることから、

    週明けの日本株もかなりきつい下げに見舞われるものと予想されます。

    下落幅が300円以内に留まるようだと、ドル円は102円台前半から後半で

    推移すると予想しますが、500円を超える場面があると、今朝記録した

    101円台後半から101円台半ば試すことになりそうです。

    久しぶりに101円から102円台ということで、今後の円安を予想している

    投資家はドルの買い場を探しているはずです。

    101円30銭~102円90銭程度を予想したいと思います。

ドル円NY市場で102円97銭 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • ドル円は東京市場の104円台後半から大幅に下落。株価の急落と

    長期金利の低下から「リスクオフ」が加速し円の買い戻しが強まった。

    ドル円は一時102円97銭まで下落したあと、103銭20-30銭で

    引ける。

  • ユーロドルは大幅に反発。ドイツとユーロ圏のPMIが改善していたことで

    欧州景気に対する楽観的な見方が広がった。ユーロドルは1.35台後半から

    1.3699までユーロ高が進行。

  • 株式市場は下落。中国のPMI悪化を嫌気し、ダウは175ドル安と

    1ヵ月振りの安値を付ける。

  • 債券相場は大幅反発。株安と中国景気の鈍化を支えに大きく買われる。

    長期金利は2.78%程度まで急低下。

  • ドル安から金価格は大幅に反発。原油は4日続伸し97ドル台に。


  • 11月FHFA住宅価格指数 → +0.1%

  • 12月中古住宅販売件数   → 487万件

  • 12月景気先行指標総合指数 → +0.1%

  • 新規失業保険申請件数    → 32.6万件


    本日の注目イベント
  • 英   英12月小売売上高

  • 加   カナダ12月消費者物価指数


    ドル円はNY市場で急激に「円高ドル安」が進み、一時102円台後半

    を記録しました。

    今年に入りこれで3度目の円高局面で、それも全てNY市場で起きて

    います。

    年が明けた1月6日には、それまでの105円台から103円台後半に。

    1月13日には102円85銭まで円高が進み、今回も同じように102円97

    銭まで円が買われています。

    まだ今年のレンジ内の動きですが、105円台半ばが益々重くなってきた

    ことは否めません。

    昨日は当社では昼と夜に2つセミナーを行いました。

    その際に、一目均衡表の「転換線」が「基準線」を上から下に抜け「逆転」

    を起こしていることを説明しました。「日足」では実に昨年11月以来、約3

    ヵ月振りの現象です。

    そのため「ここを基準に考えれば、近いうちに円高に振れる可能性がある」

    とのコメントを行いましたが、昨日のNY市場ではまさに、その流れに沿っ

    て「ドル安円高」が進みました。

    NY株式市場が170ドルを超える下落を見せると同時に、安全資産の米国

    債が買われ、長期金利は2.77%台まで急降下しました。

    いわばいつもの円が買われる環境です。

    ただ、今回の円買いの伏線は、昨日の東京時間10時45分に発表された

    「HSBC製造業PMI」にあったと考えられます。

    この経済指標が市場予想を下回り、昨年7月以来となる「50」を割り込んだ

    ことです。

    一時104円84銭まで買われたドル円がこの経済指標の発表を契機に10

    4円台半ばまで下落し、午後も株価を睨みながら104円台前半まで下落し

    ました。

    また、夕方発表されたユーロ圏の製造業PMIも改善を見せたことで「ユー

    ロ買い」が強まり、こちらも「ドル売り」につながっています。

    上述のように、「日足」では「逆転」が示現したことで、テクニカル的には円

    高傾向が長引く可能性もあります。

    ポイントは今年の円の最高値である102円80-90銭前後が維持できるか

    どうかでしょう。

    移動平均線を見ても、ここには「52日線」があり、昨日もこの水準で下落が

    止められています。

    従って、この水準では相場観からしても「ドル買い意欲」は旺盛かと思われ

    ますが、そこを明確に抜ければもう一段の円高水準も視野に入ってきそうです。

    もちろん、現時点では「ドル高円安」のトレンドが変わったとは判断できません。

    今日の日経平均株価の行方を見たドル円の動きと、今夜のNY市場の動き、

    それと来週のFOMCの結果で、この水準から下では「絶好のドルの買い場」

    になるのか、あるいは「今後一段の円高」へのステップになるのか判断できる

    のではないかと思われます。

    本日のレンジを予想するのはやや難しいと思いますが、ドルの戻りは104円

    程度、ドル売りが加速した場合は102円台半ば程度と考えます。


日本の追加緩和観測やや後退 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • 相場を動かす材料に乏しい中、ドル円は米長期金利の上昇を手掛かりに

    104円59銭まで上昇し、この日の高値圏で引ける。

  • ユーロドルは1.35台前半からやや値を戻し1.35台後半に。こちらも

    1.35台でのもみ合いが続く。

  • 株式市場は前日と同じような展開。ダウは41ドル下落したものの、ハイテク株

    の多いナスダックは17ポイントの続伸、

  • 債券相場は続落。金融当局が債券購入の縮小を継続するとの見方が広がり

    売りもの優勢の展開に。10年債利回りは2.85%台後半まで上昇。

  • 金は小幅ながら続落。原油は寒波の影響もあり3日続伸し、96ドル台に。

    本日の注目イベント
  • 中   中国 1月HSBC製造業PMI(速報値)

  • 中   中国 12月景気先行指数

  • 独   独1月製造業PMI(速報値)

  • 独   独1月サービス業PMI(速報値)

  • 欧   ユーロ圏1月製造業PMI(速報値)

  • 欧   ユーロ圏1月サービス業PMI(速報値)

  • 欧   ユーロ圏1月消費者信頼感(速報値)

  • 米   11月FHFA住宅価格指数

  • 米   12月中古住宅販売件数

  • 米   12月景気先行指標総合指数

  • 米   新規失業保険申請件数

  • 米   決算発表 → マクドナルド、マイクロソフト

  • 加   カナダ11月小売売上高


    ドル円は104円前後が底固いものの、104円台半ばから上値が徐々に重くなり、

    「明確な方向感」が見えない展開が続いています。

    株価に連動する動きですが、その株価の方もいまいち方向性が見えないため、

    もみ合いが続いている状況です。そんな中、今注目すべき2人から発言があり

    ました。

    一つは昨日の日銀金融政策決定会合後の黒田総裁の会見です。

    総裁は足元の景気の下振れリスクは低下しているとして、追加緩和には慎重

    な姿勢を見せました。

    世界経済が回復基調を見せていることから、日本経済も消費税増税に一定

    の抵抗力を持つのと認識を示しました。

    前日にIMFが世界経済の見通しを上方修正したことを念頭に置いた発言か

    と思われますが、日本経済を取り巻くリスクの一つが取り除かれたとの見方

    の様です。

    この発言の内容が昨日の昼前に伝わると、追加緩和実施にバイアスがかか

    っている市場は大きく反応し、株価は160円を超える下落を見せ、ドル円は

    104円35銭辺りから104円を割る込む水準まで円高が進む場面がありました。

    因みに、先日エコノミスト36人を対象に行ったブルームバーグの調査では、

    36人全員が今年中に「追加緩和」が実施されると予想していることが解りま

    した。

    実施時期について最も多かったのが、4月~6月中という回答で、12人のエ

    コノミストが予想しており、続いて7月~9月中との回答も10人いました。

    いずれも消費税増税前後に実施されるという読みです。

    もう一つは、日本時間深夜に行われた安倍首相のダボス会議での基調講

    演です。

    首相は自らの経済政策「アベノミクス」の今後の課題について説明し、法人

    税については「国際相場に照らし合わせて競争的なものにしなければなら

    ない」と発言しています。また14年には「さらなる法人税改革にも着手」す

    る方針を明らかにしています。

    国際会議の場で日本への投資を積極的に呼び込もうとする姿勢を打ち出し

    たものですが、昨年国連の本会議場で講演した際に発した

    「Buy my abenomics」との表現は聞かれなかったようです。

    世界銀行の経済見通しやIMFの経済予想でも今後の世界経済は順調に

    回復するとの楽観的な見方がメインシナリオのようですが、なかでも米国と、

    欧州の経済成長が世界全体の成長をけん引していくと予想されています。

    中国はほぼ横ばいで、日本の成長もそれほど期待されていません。

    来週行われるFOMCでも、世界景気に対するこのような楽観的な見方を背

    景に「緩和縮小」が継続されると予想するのが順当かと思われます。

    米債券相場が2日続落し、NYダウが上昇しきれないのも、そういった見方

    の表れと見ることもできそうです。

    ドル円は上述のように手掛けにくい状況が続いています。

    底堅い動きを見せる一方、ドルロングの個人投資家からは「上値が重い」と

    いう声も聞かれそうです。

    ここはやはり来週のFOMCの結果を見極めないと、はっきりした方向性は

    出てこないかと思われます。

    その前に本日は新規失業保険申請件数が発表されます。

    こちらも「雇用関連指標」ということで注目されそうです。

    本日の予想レンジは、104円~105円程度でしょうか。



ドル円NY市場では反落し104円台前半に 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • 日本株の上昇を背景にドル高が進み、欧州市場では104円74銭まで

    ドルが買われたが、NY市場では米長期金利の低下が引き金となりドルは反落。

    一時104円03銭までドル売りが進み、104円30銭前後で引ける。

  • ユーロドルは欧州時間に1.35台前半まで下落したものの、ドル安が進んだ

    ことで1.35台半ばを回復。

  • 株式市場はまちまち。ジョンソン&ジョンソンの決算が失望を誘ったものの、

    世界経済成長に対する楽観から買いが優勢となる場面も。ダウは44ドル下げ、

    ナスダックは28ポイント上昇。

  • 債券相場は小幅に上昇。来週のFOMCを控え、経済指標の低迷を手掛かりに

    買い物を集めた。10年債利回りは2.83%台で取引きを終える。

  • 金は下落し、原油価格は続伸し95ドル前後まで買われる。

    本日の注目イベント
  • 豪   豪第4四半期消費者物価指数

  • 日   日銀金融政策決定会合

  • 日   黒田・日銀総裁記者会見

  • 日   11月景気動向指数

  • 欧   ダボス会議(スイス)

  • 英   英12月失業率

  • 英   BOE議事録

  • 加   カナダ中銀政策金利発表


    昨日の東京市場ではドル円が底堅く推移し、104円70銭近辺

    まで上昇しました。欧州市場でも小動きの中104円74銭までドル

    高が進み、NY市場での一段高に期待も膨らみましたが、NY市

    場では米長期金利の低下に反応しドルが下落。一時104円03

    銭まで売られました。

    これで雇用統計発表後2度、105円台回復に失敗した格好にな

    っています。

    ドル円は日経平均株価が200円を超す上昇を見せたことに引っ

    張られ、104円台半ばを超え、上昇に弾みをつけましたが、もう

    一段のドル支援材料が不足していたこともあり上値を抑えられま

    した。

    前日には104円を再三割り込んだものの反発し、底堅い動きを

    見せましたが依然として105円台乗せと、105円台定着には至

    っていません。

    市場は日米の金融政策会合の結果を見極めないと動けない状

    況かと思いますが、本日は日銀の金融政策が発表され、

    午後3時半からは黒田総裁の記者会見が予定されています。

    追加緩和などの政策変更はないものと予想していますが、注目

    は黒田総裁の発言内容です。

    「物価上昇が想定通りに進んでいる」といった内容が中心になる

    と思われますが、2%のインフレ目標が確実視されるといった発

    言になると、追加緩和期待が後退し円高に振れる可能性もありま

    す。

    一方追加緩和の実施を匂わせる様な発言があれば円安に振れ

    ることにもなります。

    FOMCに関しては読みにくい面もありますが、基本的には12月

    に決めた「量的緩和の縮小」は実施されると予想しています。

    雇用統計をはじめ、経済指標にやや陰りが見えますが、企業業

    績の増加が見込めるなど、緩和縮小を後押しする材料もあります。

    今月10日に発表された「雇用統計ショック」は、あくまでも一時的

    なものだったとの認識が示されると予想しています。

    IMFは21日に公表した世界経済見通しで、今年の経済成長率

    予想を上方修正しました。

    世界経済の成長率は昨年10月時点の3.6%から3.7%に引き

    上げ、米国の今年の成長見通しを2.6%から2.8%に修正して

    います。また日本についても1.7%(10月時点では1.2%)に上

    方修正し、英国も2.4%(同1.9%)に引き上げました。

    これは先日発表された世界銀行の経済成長見通しで示された

    結果にも合致しています。

    ブルームバーグの調査によると、投資家は世界経済に対してこ

    の5年間で最も楽観的な見方を示していると報じています。

    本日も株価にらみの展開かと思われますが、104円前後ではド

    ル買い意欲がある一方、104円台後半では上値の重い展開

    が予想されます。

    レンジは103円70銭~104円70銭程度を予想しておきます。



ドル円104円を挟んでもみ合い 

ひと目で分かる昨晩の動き
欧州市場



  • NY市場が休場のため参加者も少なく為替市場全体が小動き。

    ドル円は103円台後半まで下落したものの、一段と下押しする

    勢いも見られず104円台前半で推移。

  • ユーロドルも1.35台前半から半ばで小動き。ドイツの

    生産者物価指数が発表されたが反応は見られず。

    本日の注目イベント
  • 日   日銀金融政策決定会合

  • 独   独1月ZEW景況感指数

  • 欧   ユーロ圏1月ZEW景況感指数


    NY市場が休場のため、さすがに材料不足から各通貨とも動きません。

    それでも昨日の東京時間には中国の第3四半期GDPが発表され注目

    を集めましたが、結果は7.7%で市場予想と一致しました。

    それでも前四半期から成長が鈍化したことでやや円買いドル売りが勝り、

    ドル円は103円86銭まで下落する場面もありました。

    中国の成長率が7.5%を割り込むような状況になると、世界経済に与え

    る影響も大きく、景気回復が進んでいるとは言え、米国だけで世界経済

    をけん引するには「荷が重い」のは事実です。

    本来はその部分をカバーすることが日本に求められていますが、日本

    の成長率も年率で2%には届かないと見られており、「役不足」の感は

    否めません。

    足元の相場展開は105円台が徐々に重く感じられる展開になっています。

    2014年の相場予想も多くの専門家が円安を予想しており、最も円高水準

    を見ている人でも「108円程度」です。

    その他多くの専門家は「110円~115円」に予想が集まっています。

    極め付きは、ブラックロックのストラテジストであるバイロン・ウィーンの「12

    0円」です。

    もっとも、この予想は「10大サプライズ」の中の一部であることから、余り参

    考にはならないかもしれません。

    しかし、もし本当にドル円が120円台まで円安に振れた場合、米国からは

    さすがに「円安批判」が出て来ることは想像に難くありません。

    米国のルー財務長官は先週16日、ワシントンでの講演で、日銀の異次

    元緩和と円安傾向に関連して「日本は為替レートの利点だけに依存した

    戦略で長期成長を目指すべきではなく、(為替政策を)注視し続ける」と

    述べています。(日経新聞より)

    昨年1年間で急激に進んだドル高円安への警戒感を表したものと思われ

    ますが、ドル円はまだ105円前後です。

    約1年ほど前にも、米財務省は議会への報告書で「円安」を牽制したこと

    もあり、市場がそれに反応して一時的に円高方向に振れたことがあります。

    今回の発言も議会を意識した発言であるとは思われますが、2012年後

    半の78円台から105円台まで、米国からは、上記を除いては一切の為

    替に関する発言がなかったものが、このタイミングで出てきたことには注

    意が必要かも知れません。

    少なくとも120円に向かうとすれば、その過程でかなり強烈な牽制がある

    と予想されます。

    本日は米国市場は開きますが、重要な経済指標の発表はありません。

    104円台を維持できるのか、あるいは103円台では昨日の底値の103円

    86銭を割り込むのかどうかが注目されます。

    レンジは103円50銭~104円60銭程度を予想します。


ドル円104円台前半で様子見 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場



  • ドル円は米国の三連休を控え取引は閑散。経済指標への反応も見られず

    104円台前半で小動き。

  • ユーロドルは続落。節目の1.35台半ばを割り込んだことでユーロ売りが

    加速。ユーロドルは一時1.3517まで下落し、昨年11月下旬以来の安値を記録。

  • 株式市場ではダウは反発したものの、インテルなど主要株は総じて安い。

    ダウは41ドル上昇し、S&P500は7ポント下落。

  • 債券相場は続伸。消費者マインドが予想を下回ったことから買い物を集める。

    10年債利回りは2.820%台まで低下。

  • 金は続伸し、原油は反発。







  • 12月住宅着工件数 → 99.9万件

  • 12月建設許可件数 → 98.6万件

  • 12月鉱工業生産 → +0.3%

  • 1月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 80.4

    本日の注目イベント
  • 中   中国 10-12月GDP

  • 中   中国 12月工業生産

  • 中   中国 12月小売売上高

  • 独   独12月生産者物価指数

  • 米   NY市場休場(キング牧師生誕記念日)

    本日はNY市場が休場のため、先週末の海外市場でのドル円は

    目だった動きはありません。

    経済指標が多く発表されましたが、住宅関連指標は市場予想と

    変わらず、ミシガン大学消費者信頼指数が予想を下回りましたが、

    ドル円への影響はありませんでした。鉱工業生産指数も市場予想

    と一致していました。

    ただ、上値の重かったユーロドルでは1.35台半ばを割り込んだこ

    とで、ユーロ売りが加速し、1.3517まで売られ、約2ヵ月ぶりの安

    値を記録しました。

    同時にユーロ円も140円台後半まで下落し、ややユーロの反落ぶ

    りが目立った展開でした。

    米経済指標は年初まで好調な内容を維持していましたが、10日

    に発表された雇用統計や先週末のミシガン大学消費者マインドな

    ど、ここにきてやや米景気の低迷を示す指標が出ています。

    いずれも先行指標であるため、今後修正される可能性が高いもの

    の、これまでとは異なり「強弱まだら模様」の印象もあります。

    現時点で米景気の拡大にブレイキがかかったとは判断できません

    が、これらの指標が来週のFOMCの政策判断に影響を与えるこ

    とにはなります。

    その意味では今週も米経済指標の内容には注意する必要があり

    ますが、今週はそれ程重要な指標発表はありません。

    従って、ドル円も大きな変動はないものと予想しています。

    レンジも103円から105円台で、これまでのレンジを抜けないと思

    われますが、注目したいのがダボス会議での安倍首相の基調講演

    です。

    今週22-25日までスイスのダボスで世界経済フォーラム(ダボス会

    議)が開催され、そこで安倍首相が講演を行います。

    この会議にはECBのドラギ総裁やBOEのカーニー総裁などが参

    加しますが、安倍首相の講演内容が最も注目されそうです。

    米週間経済専門誌の「バロンズ」でも、安倍首相の「アベノミクス」

    の行方が最も注目されていると紹介されています。

    デフレから脱却に向けた力強い発言や政策が、ドル高円安につな

    がる可能性もあります。

    引き続き株価との相関を見極めていかなければなりませんが、まだ

    1月ということもあり、海外の著名エコノミストなどの経済予想も続々

    伝えられています。

    国内の多くの専門家がほぼ「円安株高」を予想する中、海外の専門

    家も同様な予想をしているのが目立ちます。

    FRBによる緩和縮小が実施される一方、日銀は追加緩和を行う、

    というのが多くの専門家が挙げている理由です。

    来週のFOMCで、ある程度その方向性が見えて来るものと思われ

    ますが、緩和縮小は実施されると思いますが、そのスピードは極め

    て緩やかなものになると予想されます。

    本日のドル円は突発的なニュースがない限り、様子見の雰囲気にな

    りそうです。

    レンジは103円80円~104円60銭程度と予想します。


豪ドル円1ヵ月振りに91円台に 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は東京時間に104円92銭まで上昇したが105円には

届かず。海外市場では緩やかに下落し、NY市場では一時104円

15銭まで売られる。経済指標は好調だったものの、株価の下落と

長期金利の上昇が一服したことが重しに。

  • ユーロドルは方向がなく、1.36台半ばから1.35台後半でもみ合い。

    対円では142円台後半まで買われたが、その後は大きく値を崩す。

  • 株式市場は反落。シティーグループなどの決算が期待外れだったことを

    手掛かりにダウは64ドル安。

  • 債券相場は反発。失業保険継続受給者の増加や株価の下落を背景に

    債券価格は3日振りに上昇。長期金利は2,84%台まで低下。

  • 金は小幅に反発し、原油は反落。

  • 12月消費者物価指数 → +0.3%

  • 新規失業保険申請件数 → 32.6万件

  • 1月フィラデルフィア連銀景況指数 → 9.4

  • 1月NAHB住宅市場指数 → 56

    本日の注目イベント
  • 英   英12月小売売上高

  • 米   12月住宅着工件数

  • 米   12月建設許可件数件数

  • 米   12月鉱工業生産

  • 米   1月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)

  • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演

  • 米   決算発表 → モルガンスタンレー、GE


    順調に上昇を続けてきたドル円は105円を目前に一旦上昇が止まっています。

    昨日の昼過ぎに日経平均株価の上昇を手掛かりに、104円92銭までドル高が

    進みましたが、105円には届かず。海外市場ではジリ安となりドル売りが

    優勢でしたが104円台は維持しています。


    米国の経済指標は相変わらず好調でしたが、2日連続で100ドルを超える

    株価の上昇が一服したことでドル円の上値も重くなり、予想したように

    103円ー105円のレンジに収まりそうな展開です。

    105円台を回復するにはさらに強いドル支援材料も必要ですが、一方で

    「雇用統計ショック」からは早くも癒えたような気配です。


    豪ドルの下げが加速しています。

    昨日発表された12月の雇用統計では、失業率は5.8%で市場予想通り

    でしたが、雇用者数が予想の1万人増加に対して、2万2600人の減少でした。

    パートタイムの雇用者は9000人増加しましたが、フルタイムの雇用者は

    3万1600人減少したことが影響しました。


    この結果を受け、豪ドル円は93円前後から91円台半ばまで下落し、約1ヵ月振り

    の安値を記録しています。

    92円から93円台で比較的安定していましたが、今回の急落でレンジを

    「下っ放れた」格好です。

    また、対ドルでも一時は0.8810まで売られ、2010年8月以来の

    安値を付けています。

    ブルームバーグによると、7月までに利下げが実施されるという予想が

    24%から45%に上昇しているようです。


    オーストラリアでは鉱山への投資が後退し、頼みの中国の経済成長も7.5%から

    7.7%程度に減速しており景気後退が避けられない状況です。

    オーストラリア準備銀行のスティーブンス総裁は、事あるごとに豪ドル高を懸念する

    発言を繰り返してきました。

    昨年には「対ドルで0.85まで下落しても驚かない」と発言したこともあり、

    徐々にその水準に近づいてきたとも言えそうです。

    ただ、対円では「ドル高円安」の影響から、それほど豪ドル円が下落している

    わけではありません。

    今後も「ドル高円安」が継続するという前提に立てば、90円以下では豪ドルを

    買う場面を探してもいいのではないかと考えています。


    残すところ2週間余りで退任するバーナンキ議長がワシントンで講演を行いました。

    量的緩和策は経済に貢献している一方で、資産バブルを作り出している直接的な

    兆候はないと語っており、債券購入プログラムについて「少なくとも多少の効果は

    あった。伝統的な金融政策ではできることに限りがあり、当局は追加措置を講じる

    必要性を感じた」と、QE3を振り返っていました。

    来月からはイエレン新議長にバトンタッチするわけですが、市場のアノマリーの

    一つに「FRB議長が代わった年には大事件が起こる」というものがありますが、

    今年はどうでしょうか・・・。

    予想レンジは103円80銭~104円80銭程度といったところでしょうか。


    ==============================================


    連日寒い日が続いています。

    朝起きる際に、自分との戦いが大変です。

    早く3月が来ればいいのにと思いながら駅に向かいますが、

    それでも電車乗っている途中で東の空が明るくなるのに気づくころになりました。

    あともう少しの辛抱です。

    良い週末を・・・・。

  • ドル円104円台後半まで続伸 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場



    • ドル円は堅調に推移。NY連銀製造業景況指数が予想を上回った

      ことや、生産者物価指数が上昇したこと、またベージュブックでも

      大半の地域で景気が拡大していることが確認されたことでドル円は

      104円70銭まで上昇し、高値圏で引ける。

    • ユーロドルは1.36台から、1.35台後半まで下落。ドイツの

      GDPが景気鈍化を示唆したことでユーロ売りが拡大した。

    • 株式市場は大幅に続伸。好調な経済指標やベージュブックの内容に

      投資家がリスクを取る姿勢を強め、ダウは連日100ドルを超える上昇を見せる。

    • 債券相場は続落。経済指標の好転に、株高が加わり債券は売りもの優勢の

      展開に。長期金利は2.88%台まで上昇。

    • 金は続落し、原油は大幅に続伸。

    • 1月NY連銀製造業景況指数 → 12・51

    • 12月生産者物価指数 → +0.4%

      本日の注目イベント
    • 英   英12月小売売上高

    • 米   12月住宅着工件数

    • 米   12月建設許可件数件数

    • 米   12月鉱工業生産

    • 米   1月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)

    • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演

    • 米   決算発表 → モルガンスタンレー、GE


      NYダウは連日100ドルを超える上昇を見せ、これで「雇用統計ショック」

      前の水準を回復し、ひとまず市場に安心感が広がりました。

      そのためドル円は月曜日の102台から翌日には103円台を回復し、昨

      日は一日を通じて終始104円台で推移しています。

      12月の雇用統計が予想外の低水準だったことで、今後の米経済指標

      を確認する展開でしたが、結局これまで発表された各指標はいずれも

      米景気の拡大を示唆するものでした。

      昨日もNY連銀製造業景況指数が市場予想の「3.5」に対して「12.51」

      と、大きく上回り市場に安心感を与えました。

      また、昨日発表された世界銀行の経済見通しも、2014年、2015年の予

      想を上方修正しており、世界的に景気拡大が続く見通しも投資家を楽観

      的にしています。

      世銀は先進国の経済成長は2.0%から2.2%に引き上げ、ユーロ圏経

      済の改善と、米経済の拡大が世界経済に寄与すると説明しています。

      残念ながら日本の経済成長については2014年が1.4%、15年が1.2

      %と「低成長」を予想しており、政府が公約しているアベノミクスの先行き

      には不透明感があるとしています。

      結局この見方が、日米金融政策の差として今後も為替市場に影響を与え

      ると考えることもでき、

      FRBの「緩和縮小」と、日銀による「追加緩和観測」という構図は変わらな

      いと予想しています。

      ドル円は、昨日この欄で指摘した104円30-40銭を上抜けし、104円70

      銭まで上昇しました。

      米株価が上昇したこともありますが、米長期金利が2.88%台まで上昇し、

      先週の雇用統計発表前の水準まで戻したことがドル円をサポートしている

      面もあります。

      次のターゲットは105円台乗せですが、やはり米経済指標の改善が不可

      欠です。

      ベージュブックでも「経済見通しは大半の地区で明るかった。一部地区は

      『ほぼ変わらない』との予想を示したが、成長加速を見込む地区もあった」と

      記されています。

      今後、雇用統計に余程のサプライズがない限り、「緩和縮小」は12月の決

      定通り行われるものと予想します。

      今夜も米国では住宅関連の指標に加え、比較的重要なミシガン大学消費

      者マインドが発表されます。

      ドル円が104円台後半まで値を戻したことで、多くの専門家が予想した今

      年の「円安、株高」のセンチメントが戻りつつありますが、まだこのまま105

      円台が定着するかどうは判断できません。

      今後の経済指標の改善などのドル支援材料が待たれます。

      今年は年初から相場が乱高下しています。

      少なくとも昨年のような「バイ・アンド・ホールド」だけで利益を狙える相場

      つきでは無いように思われます。

      また、今週に入ってドル円と株価の相関関係がやや崩れてきているよう

      にも思えます。

      この辺りについては、今後何かの要因があるとすれば触れていきたいと

      考えております。

      本日のレンジは104円10銭~105円10銭程度予想します。


    ドル円104円台を回復 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場



    • ドル円は反発。米小売売上高が予想を上回る伸びをみせたことや、

      長期金利の上昇などを手掛かりに、ドル円は104円台を回復。先週末の

      雇用統計ショックによる下落幅の半値を戻した格好に。

    • 1.36台半ばでもみ合ったユーロドルは欧州市場では1.37に迫る

      水準まで買われたものの後が続かず、1.36台後半で一進一退。

    • 株式市場は反発。昨年12月の小売売上高が好調だったことや、活発なM&A

      の動きを受けダウは115ドル高。S&P500は今年に入り最大の上げを記録。

    • 好調な経済指標を受け債券相場は4日振りに下落。フィラデルフィア連銀総裁が

      資産購入額の縮小について、正しい方向への一歩と指摘したことも影響し価格は下落、

      長期金利は2.86%台まで上昇。

    • 金は反落し、原油は反発。


    • 12月小売売上高 → +0.2%

      本日の注目イベント
    • 日   12月マネーストック

    • 欧   ユーロ圏11月貿易収支

    • 米   ベージュブック(地区連銀経済報告)

    • 米   1月NY連銀製造業景況指数

    • 米   12月生産者物価指数

    • 米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演

    • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演

    • 米   決算発表 → BOA

      昨日は日経平均株価が500円に迫る下落を見せましたが、ドル円は東京時間には

      102円台への下落は見られず、103円台前半から半ばで比較的堅調でした。

      昨年11月の経常収支が発表され、2ヵ月連続の経常赤字を記録し、しかもその額

      が1985年以来、過去最大だったことが円売りにつながった面もありました。

      海外市場に入ると、円はじりじりと売られ、NYでは12月の小売売上高が予想を上

      回ったことを好感し、株高

      債券安の流れが加速し、ドル円も104台を回復し、一時104円29銭まで反発して

      います。

      前日のNY市場では株価が急落し、ドル円は一時102円台まで下落したことによる、

      ある意味反動の動きだったとも言えます。

      今年に入って2日にNY市場でドル円が、105円台半ばから104円台半ばまで急

      落し、翌日には反発する動きがありましたが、今回も急落した後に反発しました。

      これで3度目です。

      利益確定のドル売りであればいいのですが、ドルがさらに下落すると予想してドル

      ショートを作っても、東京市場に入るとドルが買い戻される展開が続いています。

      これは依然としてドル先安観が主流であるということと、上述のようの「貿易収支」

      の赤字だけではなく、「経常収支」も赤字であるということと無関係ではなさそうです。

      実需面からみれば、明らかにドルを売る人より、ドルを買う人が多いということです。

      また「経常収支」の赤字は、ネットで資金(円)が流出していることを意味します。

      NY市場での流れを読み、ドル売りを仕掛けるのも結構リスクがあるということにつ

      ながります。

      ドル円は先週末の105円台から102円台までの下落幅の、約半値を戻したことに

      なります。

      このまますぐに105円台を回復する展開は予想できませんが、本日の日本の株価

      の反発を好感してドルがどこまで買われるのかが注目されます。

      104円30-40銭辺りには、1時間足や4時間足のチャートでは、重要な移動平

      均線が集まっていることからこの水準が上抜けできるかどうかがポイントになりそう

      です。

      そして105円台を回復し、テクニカル上重要な105円台半ばを抜けるかどうかは、

      今後の米経済指標が左右すると考えられます。

      量的緩和の縮小が予定通り継続されるのか、あるいは再び緩和を拡大させるの

      かは今後の経済指標次第です。

      12月の雇用者数が天候による一時的な落ち込みであったとすれば、今後それを

      正当化するデータが必要です。

      それを確かめながら、28-29日のFOMCまでは103-105円台の展開が続く

      のではないでしょうか。

      本日は103円70銭~104円70銭程度を予想します。


    ドル円 NY市場で一時102円台後半 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場



    • 先週末の雇用統計の影響からドル円は下げ足を早め、一時102円85銭まで

      下落。雇用の伸びの鈍化から「緩和縮小」を見直すのではないかとの見方から

      円が買われた。

    • ユーロドルは上値が伸びず、1.36台半ばを中心にもみ合い。ユーロ円が売られた

      ことでドル安が進んだ割には、対ドルでユーロは伸び悩む。

    • 株式市場は大幅に下落。先週末の雇用統計を受け、雇用者数の伸びが予想外に鈍化

      したことに反応し、ダウは179ドル安。昨年9月以来の下落率を記録。

    • 株価が急落し、リスクオフが強まったことで債券相場は続伸。10年債利回りは

      1ヵ月振りの低水準となる2.82%台まで低下。

    • 金は続伸。原油は反落し再び91ドル台に。

      本日の注目イベント
    • 日   12月国際収支

    • 日   12月景気ウォッチャー調査

    • 欧   ユーロ圏11月鉱工業生産

    • 米   12月小売売上高

    • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁講演

    • 米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演

    • 米   世銀、世界成長見通しを発表

    • 米   決算発表 → JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ


      海外市場では「円高ドル安」が進み、昨日のNY市場では一時102円85銭

      まで急速にドルが売られました。

      きっかけは先週末に発表された12月の雇用統計です。

      失業率は6.7%に低下したものの、非農業部門雇用者数は7万4000人と、

      市場予想のの19.7万人からは大きく減少していました。

      この結果を受け、発表直前には105円台半ばまで買われていたドル円が一

      気に103円台後半まで売られ、昨日のアジア市場では103円台前半、さら

      にNYでは102円台と、いつものようにドルの下落ピードの速さには驚かされ

      ます。

      問題は12月の予想外の雇用者数の伸びの鈍化が、一時的なものなのかど

      うかという点です。

      市場では10月、11月と連続で20万人を上回り、12月についても20万人

      前後ではないかとの「楽観論」が支配的だっただけに、発表された内容に

      は驚きでした。

      ただ、その原因については記録的な寒波が米中部や東部を襲ったことに

      よる影響を指摘する声も多く、個人的にも米雇用の拡大傾向は緩やかな

      がら拡大していくと考えております。

      今後の焦点は今月28-29日に開催されるFOMCで「緩和縮小」が停

      止され、再びもとの「毎月850億ドル」の債券購入に戻るのかどうかです。

      この点に関しても、FOMCでは「フォワードガイダンス」を強めることで対

      処する可能性が高く、「量的緩和縮小」を直ちに停止するものではないと

      予想しています。

      恐らく、今回の雇用の減少傾向が数カ月続くようなら、再び「量的緩和の

      拡大」も考えられますが、少なくとも今回の発表では判断できません。

      実際、12月分の非農業部門雇用者数は予想を大きく下回りましたが、

      11月分は20.3万人から24.1万人に大幅に上方修正されています。

      その結果、10月から12月までの3ヵ月平均で見た場合、17万人を超え

      る内容になっています。

      まだ、FRBが政策変更に踏み切る状況ではないと思われます。

      ただ、昨日のNY市場では株価が急落しています。

      NYダウは179ドル安で、今年1月2日の135ドル安を上回る下落幅を

      記録しました。

      このままNY株式市場がズルズルと下落を続け、「本格的な調整局面」

      に入るようだと、ドル円も100円方向を目指す可能性はありますが、米

      企業の決算発表が今週から本番を迎えるため、その内容にも注意が必

      要です。

      好調な企業決算が株価をサポートすることも考えられます。

      ドル円は「8時間足」の120日線を下回り、102円85銭まで下落しまし

      たが、この先意識されるのは

      「日足」の52日線のある102円29銭前後です。

      この水準は昨年11月以来割り込んでいません。

      11月8日に発表された10月の雇用統計が大きく伸びたことで、98円台

      からドル円が上昇した場面でした。

      上記水準を割り込むようだと、「日足」でも遅行スパンが「逆転」を見せる

      ことになります。

      結局、何度か指摘した「フィボナッチ・リトリースメント」の61.8%戻しに

      あたる、105円49銭は抜けることなく反落しました。

      105円台半ばは4度試したことになりますが、いずれも押し戻されており、

      今後もこの水準が意識される

      ことになりそうです。

      本日はドル円の底値を試す展開が予想されます。

      シカゴの日経平均先物は400円を超える下落を見せたことから、本日の

      株価も相当な売り圧力を受けそうです。

      下落幅が小幅にとどまれば103円台での推移が予想されますが、拡大

      するようだと102円台半ばを試す展開も。

      予想されます。予想レンジは102円50銭~103円80銭程度と見ています。



    ユーロ、対ドル、円で強含み 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場



    • ドル円は底堅い動きをみせるものの、105円台ではドル売りに押され

      定着せず反落。雇用統計発表を控え方向感のない動きが続き104円80-85銭

      で取引を終える。

    • ユーロドルはECBの政策金利発表を材料に神経質な動きに。政策金利据え置きを

      決定後には1.36台前半から1.35台半ばまで下落したが、その後は再び1.36台に

      押し戻されて引ける。

    • 株式市場はまちまち。ダウは小幅に下落し、S&P500は小幅に上昇。

    • 債券相場は反発。30年債入札が好調だったこともあり、高利回りを求めて10年債も

      買い物を集めた。長期金利は2.96%台まで低下。

    • 金は反発。原油価格は続落し、昨年5月以来の91ドル台を記録。原油市場への資金流入が

      減少するとの思惑が背景。



    • 米新規失業保険申請件数 → 33.0万件

      本日の注目イベント
    • 日   11月景気動向指数

    • 英   英11月鉱工業生産

    • 米   12月雇用統計

    • 加   カナダ12月失業率

    • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演


      ECBは昨日の理事会で市場予想通り政策金利の据え置きを決めました。

      ドラギ総裁は政策決定後の記者会見で、「政策委員会は緩和的な金融

      政策姿勢を必要な限り維持することをしっかり強調する」と述べ、当面低

      金利政策を続ける考えを示しました。

      また、域内の景気も徐々に好転しているとの認識も示し、今後も「必要と

      あらば行動する決意を改めて表明する」姿勢を見せました。

      ユーロドルは一時1.3632まで上昇したものの、壁になりつつある1.36

      台半ば超えには至っていません。

      また、ユーロ円も143円台を回復する局面もありましたが、昨年12月に

      見られた様な力強い上昇には結びついていません。

      経済成長がマイナス圏からようやくプラス圏まで回復してきたものの、高失

      業率と低いインフレ率の解消にはまだ相当な時間がかかりそうな状況です。

      ドル円は105円台まで買われた後ユーロドルが上昇したことにも連れ、一

      時104円台半ばまで下落する場面もありましたが、明確な方向感は出て

      いません。

      104円前後が底固くなる一方、105円台を定着させるような力強い上昇力

      は見られない状況です。

      これはNY株式市場でもみ合いが続き、米長期金利も2.9%台前半から

      3%目前で一進一退の動きを見せていることも影響していると思われます。

      焦点はいよいよ今夜の雇用統計ということになりますが、先日のADP雇

      用者数が市場予想を上回ったことや、昨日の新規失業保険申請件数が

      良好だったことを考えると、直接的には強い相関関係はないものの、労働

      市場を取り巻く環境は悪くありません。

      非農業部門雇用者数が20万人を超えるようだと、今月から実施される10

      0億ドルの緩和縮小が正当化され、今後も同じようなペースで減額が進む

      と予想されます。

      為替市場では「ドル高円安」材料と捉えられますが、市場への資金流入

      が細ることから株式市場が下落すると、必ずしも「ドル高円安」が進むと

      は限らないため注意が必要です。

      2014年が始まってから営業日で1週間が経過しましたが、105円台には

      何度か乗せたものの定着するには至っていません。

      昨年末には4営業日連続で105円台でのもみ合いがありましたが、年初

      のドル急落を経て「105円台は、一旦はドルの売り場」といった認識が広

      まったことが背景にありそうです。

      105円台定着にはさらなる新しいドル買い材料が必要な状況です。

      長期のトレンドを示す「月足」を見ると、ローソク足は「雲」を完全に上抜け

      し、重要な移動平均線も上抜けしていますが、「遅行スパン」が105円台

      半ばにある「120日線」と「雲の上限」に上昇を抑えられているのが確認で

      きます。

      ドル円が105円50銭を完全に上回れば「遅行スパン」の上抜けも完了す

      るため、やはりこの水準がテクニカル上でも重要な水準と言えます。

      今夜の雇用統計に期待が集まります。

      予想レンジはやや広めに103円80銭~105円50銭程度にセットしたいと

      思います。



    ドル円105円台定着はならず 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場



    • ドル円は欧州時間に105円12銭まで買われたものの、NY市場では

      上値が重く104円台半ばから105円前後で推移。ADP雇用者数が

      予想を上回ったことや、長期金利の上昇には反応せず、104円70-80銭で

      取引を終える。

    • ドル高が進んだことからユーロドルは1.36台を割り込み下落。

      FOMC議事録に反応し一時は1.3554までユーロ安が進む。

    • 株式市場は反落。FOMC議事録で、金融安定へのリスクが生じる恐れがある

      との懸念を表明したことが明らかになったことに反応。ダウは68ドル安。

    • 債券相場は反落。ADP雇用者数が予想を上回ったことや、金融当局が緩和政策

      の縮小を続けられるほど経済成長は加速しているとの見方から、価格は下落し

      長期金利は上昇。

    • 金価格は続落。原油価格も反落し、約1ヵ月半ぶりに92ドル台まで売られる。


    • 12月ADP雇用者数 → 23.8万人


      本日の注目イベント
    • 豪   豪11月小売売上高

    • 豪   豪11月住宅建設許可件数

    • 独   独11月鉱工業生産

    • 欧   ECB政策金利発表

    • 欧   ドラギ・ECB総裁記者会見

    • 英   BOE政策金利発表

    • 米   新規失業保険申請件数

    • 加   カナダ12月住宅着工件数

      昨日この欄では、日経平均株価の上昇を手掛かりに105円を試す展開が

      あるかもしれないと書きましたが、東京時間の午後には105円ちょうどまで

      ドル高が進み、一旦はその水準で上値を抑えられましたが、その後の欧州

      時間には105円12銭まで上昇し、昨年末以来の105円台乗せを見せまし

      た。

      ただ、NY市場ではドル買いは続かず、104円台半ばまで下落する場面も

      あり、105円台が定着するか、あるいは再び104円を目指すかどうかは、

      明日の雇用統計に委ねられたようです。

      昨日の日経平均株価は後場に一段高となり、引け値では300円を超す大

      幅高で一気に1万6100円台を回復しました。

      年初来続いていた「嫌な雰囲気」もこの上昇で吹き飛んだ格好でしたが、

      この勢いがそのままNY市場へ引き継がれないところに一抹の不安を残し

      ます。

      ドル円は104円70銭辺りから根強いドル売りをこなし、105円台を回復しま

      したが、まだこのまま昨年末の105円45銭のドル最高値を更新する状況で

      はないと思われます。

      株式市場が不安定なことに加え、米長期金利も3%超えが定着しません。

      下値は104円前後で固まりつつあると思われますが、米緩和縮小がこの先

      順調に実施されるのか、あるいは
      緩和縮小が極めて緩やかに行われるのかを見極める必要がありそうです。

      昨日公表された昨年12月17~18日のFOMC議事録では、「参加者の

      過半数は、購入が継続する中、購入に伴う限界的な効果は低下しつつあ

      る可能性が高いと判断した」と記されていました。ここでは今後の購入額縮

      小の具体的なスケジュールについては触れていないため、今月28-29日

      に予定

      されている会合で、購入ペースを段階的に減速させる次のステップが検討

      されるものと思われます。

      ただ、「幾人か」のメンバーは「他の多くの指標は、経済の進展は労働市場

      の完全な回復と一致する水準に届いていないことを示している」(ブルーム

      バーグ)と指摘しており、月100億ドル減額する今回の縮小がこのまま段階

      的に減額されるかどうかは予断を許しません。

      さて、ドル円は105円台前半から104円台半ばまで下落したことで、短期的

      な方向を示す「1時間足」ではMACDがデッドクロスを示しています。

      それでもまだ同指標は「プラス圏」で推移しているめ、上昇過程での調整と

      捉える事ができそうです。

      重要な「200日線」や「120日線」が集まってきている104円60-70銭あたり

      がサポートされると見ることもできそうです。

      105円台が安定的に定着するかどうかは、やはり明日の雇用統計を確認する

      しかありません。

      予想は、非農業部門雇用者数が19.5万人、失業率は前回と同じ7.0%と

      見られています。

      本日のレンジは104円40銭~105円30銭程度と予想いたします。



    ドル円もみ合いながらも堅調に推移 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場



    • ドル円は104円台前半から半ばでもみ合い。米長期金利が低下したものの、

      株価が大きく反発したことを受け上昇する場面もあったが、105円には届かず。

    • ドルがやや買い戻されたものの、ユーロドルは小動き。ユーロ圏のCPIが

      低水準だったことで、利下げ観測の台頭から一時1.36台割れが見られたが

      一進一退。

    • 株価は急反発。ボストン連銀総裁が緩和維持に前向きな発言をしたことが

      支援材料となり、ダウは105ドル高。ナスダックは今年になって初めて前日比

      プラスで引ける。

    • 債券相場も続伸。連銀総裁の発言を好感し買い物を集め、長期金利は2.94%

      まで低下。

    • 金は続落。原油価格は6日振りに反発。

    • 11月貿易収支 → 343億ドルの赤字

      本日の注目イベント
    • 独   独11月貿易収支

    • 欧   ユーロ圏11月小売売上高

    • 欧   ユーロ圏11月雇用統計

    • 米   12月ADP雇用者数

    • 米   FOMC議事録(12月17、18日分)

    • 欧   バローゾ・欧州委員長、サマラス・ギリシャ首相会見

      今夜のFOMC議事録までは特段材料がなく、株式市場の行方に

      注目するしかない中、ドル円は105円が重い展開が続いています。

      104円前後ではドル買い意欲も強そうには見えても、ドルを買い進

      む気配は見えません。そんな状況が続いていますが、本日は105

      円を目指す展開があるかもしれません。

      ボストン連銀のローゼングレン総裁は昨日の講演で「今の景気回復

      は緩慢過ぎる。金融政策の尚早な引締めで経済情勢の一段の正常

      化を遅れさせたくはない」と述べ、今月から開始される量的緩和策の

      縮小を「極めて緩やかな」ペースに留め、経済への打撃を回避すべ

      きだとの見解を示しました。

      その理由として同総裁は、「失業率が依然として異例の高水準」に

      留まっていることを挙げ、さらにインフレ率も「著しく低い状態」だと

      指摘しています。

      同総裁はもともと「ハト派」の代表の一人で、金融緩和に前向きなFO

      MCメンバーですが、株式と債券市場はこの発言に素直に反応しました。

      年初から調整局面が続いているNY株式市場ではダウが急反発し1万

      6500ドル台を回復し、ナスダック指数も引け値では今年初めてプラス

      で終わっています。

      「緩和縮小」が今月から開始されますが、行き過ぎた縮小は景気に悪影

      響を与えるとの講演内容から、「緩和縮小」ペースは緩やかに進むとの

      観測が株価と債券価格を押し上げたものです。

      これらが支援材料となりドル円は104円74銭までドル高が進みましたが、

      105円には届いていません。ポイントは水準的にはドル売りが出やすい、

      104円70銭~105円を抜けるかどうか。そして再び105円台を安定的に

      維持できるかどうかです。

      ユーロドルも1.36台半ばが壁になりつつあり、ドル円も上値が重い状況

      でも104円前後がサポートされていることから、ドル高回帰への気運は整

      いつつあるようには見えます。

      そこで決め手となるには今夜発表されるFOMC議事録の内容と、週末

      の雇用統計を占うADP雇用者数です。

      今月から100億ドル減額されるFRBによる債券購入ですが、このペース

      が今後継続されて行くのかどうか。

      また、継続されていくとしたら株式、債券市場がどのように消化していくの

      かが注目されます。

      米中部と東部が大寒波に見舞われています。

      今のところ経済への影響はありませんが、これが長引くようだと景気への

      影響があるかもしれません。

      一方で、昨日発表された11月の米貿易収支は大幅に改善しており、

      ドル高材料として見ることもできます。

      原油の輸入量が大幅に減り、輸出全般が好調だったことで4年振りの貿

      易赤字額でした。

      「シェール革命」のもたらす恩恵と見られますが、この傾向は当面続くと

      予想されます。

      本日は日本の株価も反発が見込まれます。

      ドル円は上記重要な水準を抜けるかどうかといったところですが、レンジ

      は104円~105円程度を予想します。



    ドル円経済指標を受け一時104円割れ 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場



    • 年明けの日経平均株価が大幅に下落したことで、上値が徐々に重く

      なりつつあるドル円は、ISM非製造業景況指数が市場予想を下回った

      ことを受け下落。一時は104円台を割り込み、103円91銭まで

      円が買い戻され、104円台前半に乗せて引ける。

    • 株価の下落や長期金利の低下からドルが売られ、ユーロドルも上昇。

      ユーロドルは1.36台半ばまでユーロ高が進む。

    • 株価は下落。非製造業の拡大ペースが市場予想を下回ったことが嫌気され、

      ダウは44ドル安。S&P500は年初から3日続落。

    • 債券相場は非製造業指数を受け上昇。10年債利回りは小幅に低下し、

      2.96%台で取引を終える。

    • 金は小幅に反落。原油価格は需給予想を受け5日続落し93ドル台に。

    • 12月ISM非製造業景況指数 → 53.0


      本日の注目イベント
    • 日   12月マネタリーベース

    • 豪   豪11月貿易収支

    • 独   独12月雇用統計

    • 欧   ユーロ圏12月消費者物価指数(速報値)

    • 欧   ユーロ圏11月生産者物価指数

    • 米   11月貿易収支

      今年最初の取引日となった昨日の東京株式市場では、日経平均株価が

      一時400円を超える大幅な下落を見せ、歩調を合わせるようにドル円は

      104円台前半まで下落しました。

      昨年12月にはほぼ一本調子で「円安、株高」が続いてきたことで、利食

      い先行の動きが「円高株安」を拡大したものと思われます。

      結局日経平均株価は382円安と、下げ幅を縮小したものの「大発会」とし

      ては異例な下げ幅となりました。

      それでも株式関係者の声は「NISA」を後ろ盾に、「個人投資家が株価を

      支える」という見方が強いことにやや不安を感じます。

      東京市場が引けた後の欧州市場では、それでもドル円は底固い動きを見

      せ、NYオープン前には104円80銭を越える水準まで反発しましたが、IS

      M非製造業景況指数が予想を下回ったことに反応し、株価が下落し、債

      券が買われたことで長期金利が低下し、ドル安円高への流れが加速しま

      した。

      ドル円は一時104円を割り込み、103円91銭まで下落し、1月2日にNY

      市場で記録した104円07銭を下回る場面が示現しました。

      この日発表された非製造業景況指数は前月の53.9から53.0に低下し

      ましたが、市場が注目したのは、項目別の新規受注でした。

      これが49.4と、2009年5月以来の低水準だったことから、株価が下落し、

      安全資産の債券が買われ、ドル安円高につながったようです。

      この指数は「50」が好不況の分かれ目で、4年半ぶりに「50」を割り込んだ

      ことになります。

      2014年に入って、昨年までの雰囲気がやや変化の兆しを見せ、「円高、

      株安」の様相に変わってきましたが、現時点では、これはあくまでも「調整

      の範囲」と認識しています。

      昨年までの「円安、株高」のスピードが早すぎたことで、先ず為替がテクニ

      カル上でも重要な水準で折り返し、円安が修正されたことで、株価の調整

      につながったと受け止めています。

      短期的に見ると、「4時間足」の120日線が位置する、103円98銭辺りが

      目先の重要なサポートであると思います。

      この水準は昨日のNY市場では一時下回る場面はありましたが、引け値

      では割り込んでいません。

      またもう少し長い目で見ると、103円50銭前後と、103円20銭前後がメド

      になりそうです。

      余り楽観的な見通しは禁物ですが、日米金融政策の違いを基本としたら

      ドルの下落は限定的と予想しています。

      ただそれでもこのまま105円に戻らず、上値の重い展開が続くと、市場関

      係者の相場観も徐々に修正されて来ることも考えられます。

      その結果、早めの予約などが持ち込まれ、さらにドル円の上値が重くなる

      展開も予想できなくはありませんが、その可能性は低いと言えましょう。

      本日もNYの株安を受け、日経平均株価がどこまで下落するかに注目です。

      昨日の様にズルズルと下げ幅を拡大するのか、あるいは下げ渋るのかで、

      上記サポート水準をテストする場面があるかもしれません。

      明日は、先月の「緩和縮小」を決めた舞台である12月のFOMC議事録が

      公開されます。また、週末には12月の雇用統計の発表です。

      現在のセンチメントが一変する可能性もあります。

      予想レンジは103円70銭~104円80銭程度にセットしたいと思います。


    ドル円104円後半でスタート 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場



    • 前日の2日にNY株式市場の急落から104円7銭までドル安が進んだが、

      この日は株価が反発したことや、リッチモンド連銀総裁が、緩和縮小スピードが

      加速する可能性について述べたことで、ドル円は104円89銭まで上昇。

    • ユーロドルはドル高の流れから下落し、約1ヵ月振りに1.35台後半まで

      ユーロ安が進む。ユーロ円が141円台まで下落したことで、対ドルでもユーロ売りが

      勝った。

    • 株式市場はまちまち。FRB当局者の発言を受け、ダウは28ドル反発したものの、

      S&P500は続落。

    • 債券相場は横ばいながら、10年債利回りは3%を目前で高止まり。

    • 金は大幅に続伸し1225ドル台に。一方原油価格は93ドル台まで続落。



      本日の注目イベント
    • 独   独12月消費者物価指数(速報値)

    • 英   英12月サービス業PMI

    • 米   12月ISM非製造業景況指数

      昨年末には105円45銭まで「ドル高円安」が進んだドル円は、年明け2日に

      米株式市場が急落したことで、一時は104円07銭までドルが売られる場面

      がありました。

      昨年クリスマスから年末にかけて、NYダウは9連騰し、「リスクオン」から円が

      主要通貨に対して全面安の展開が続き、上述のようにドル円は105円台半ば、

      ユーロ円は145円台半ばまで円安が進行しました。

      新年最初の取引日に円高が急速に進むとは予想できませんでしたが、昨年

      12月後半から本欄で指摘してきた2つの事柄を思い起こしていただくと、その

      可能性は多少意識できました。

      1つは、NY株式市場の連日の高騰には違和感を感じると述べました。

      過剰流動性だけで株価が上昇するのは極めて危険で、株価の上昇スピード

      が早すぎるとの印象を拭いきれませんでした。この感触は今も変わっていませ

      ん。

      そして、もし円高に振れる可能性があるとすれば、NY株式市場の急落しかな

      いと指摘しました。

      それも、特に株価が急落する明確な理由のない中下げる展開です。

      2日にNYダウは135ドル下落しましたが、この下落に明確は理由はありませ

      んでした。

      「利益確定の売り」というのが、その理由として挙げられていました。

      その意味では、年明け株価の下落に伴う円の買い戻しはむしろ自然な成り

      行きと捉えることができます。「健全な調整」と言うこともできそうです。

      2つ目は「フィボナッチ・リトリースメント」です。

      2007年の124円台から、2011年の75円台までの下落幅の戻りで、61.8

      %に当たるのが105円49銭と計算できました。

      昨年末の105円45銭のドル高値は、ほぼこの数値に合致しています。

      問題はここからの相場展開です。

      多くの専門家が指摘するように、基本的には今年も「ドル高円安」が進むこと

      になりそうです。

      昨年12月18日のFOMCで、今月からの「緩和縮小」は決定されました。

      今月からFRBによる債券購入額は100億ドル減額され、月750億ドルにな

      ります。

      もっとも、この額は今後の経済指標次第では「加速」するこも、「元に戻す」こ

      ともあり得ることは理解しておくべきで、先週末のリッチモンド連銀総裁の発

      言では、「縮小額が加速する可能性」に言及したことでドル高に振れていま

      す。今年の相場を予想する上で、この「緩和縮小」がさらに加速するのか、

      あるいはペースが弱まるのかは重要なポイントになりそうです。

      バーナンキFRB議長は3日、フィラデルフィアで講演し、「金融環境は改善

      し住宅市場の不均衡もかなり是正されている。また財政面からの抑制が低下

      し、そしてもちろん金融緩和政策は継続している。

      これらの要素が相まって、向こう数四半期に経済が成長する上で望ましい状

      況となっている」と発言し、

      米国の経済活動が活発になり、成長が加速する時期を迎えているとの認識を

      示しました。

      一方国内では、4月の消費税増税を控え景気の先行きに対する不透明感は

      依然として払拭できません。

      そのため、日銀がさらなる追加緩和を行うのではないかとの観測も根強く残っ

      ています。

      個人的にも、2年で2%の物価上昇を目指している日銀が、消費税増税によ

      る景気の不透明感が増すような兆候があれば、すかさず行動に移る可能性

      は高いと考えています。

      そう考えると、やはり政策スタンスの違いからドルが買われ、円が売らやすい

      構図は変わらないと予想することは不自然ではありません。

      ドル円は上下を繰り返しながらも上昇していくと考えられます。

      本日は日経平均株価の行方がポイントになりそうです。

      シカゴ先物市場の結果から判断すると大きく売られそうですが、「NISA」が

      本格的にスタートすることや、今年最初の取引ということで「ご祝儀相場」も

      予想されます。

      さらに新しい株価指数「JPX日経インデックス400」の算出開始日でもあり、

      環境的には悪くはありません。

      予想レンジは104円40銭~105円40銭程度にしたいと思います。



    このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判
    断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊
    社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

    外国為替証拠金取引とは、元本や利益が保証された金融商品ではありません。お取引した通貨にて、
    相場の変動による価格変動やスワップポイントの変動により、損失が発生する場合があります。
    レバレッジ効果では、お客様がお預けになった証拠金以上のお取引が可能となりますが、証拠金以上の
    損失が発生するおそれもあります。個人のお客様の取引に必要な証拠金は、各通貨のレートにより
    決定され、お取引額の4%相当となります。証拠金の25倍までのお取引が可能です。
    (法人のお客様の取引に必要な証拠金は、通貨ペア、取引コースにより1万通貨あたり3,500円から
    34,000円の範囲内であり、証拠金の約200倍までの取引が可能です。)当社では、
    「オフセット注文™」以外の取引手数料、口座維持手数料を無料としておりますが、
    取引レートの売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があり、
    また諸費用等については別途掛かる場合があります。当社は法令上要求される区分管理方法の
    信託一本化を整備いたしておりますが、区分管理必要額算出日と追加信託期限に時間差があること
    等から、いかなる状況でも必ずお客様から預かった証拠金が全額返還されることを保証するもの
    ではありません。ロスカット取引は、必ず約束した損失の額で限定するというものではありません。
    通常、あらかじめ約束した損失の額の水準(以下、「ロスカット水準」といいます。)に達した時点から
    決済取引の手続きが始まりますので、実際の損失はロスカット水準より大きくなる場合が考えられます。
    また、ルール通りにロスカット取引が行われた場合であっても、相場の状況によってはお客様より
    お預かりした証拠金以上の損失の額が生じることがあります。お取引の開始あたり、
    契約締結前交付書面を熟読の上、十分に仕組みやリスクをご理解いただき、ご自身の判断にて
    開始していただくようお願いいたします。