ドル円2週間振りに102円台後半に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ウクライナ情勢がやや沈静化する中、豪ドルなどの資源国通貨
が買われ「リスクオン」が進み、円はドルを含む主要通貨に対して
下落。ドル円は102円98銭まで上昇し、レンジを上抜けしたか
どうかを確認する動き。 - ユーロドルはもみ合いながら欧州時間に1.37割れ目前まで
下落したが、その後は切り返し1.37台半ばで推移。 - 株式市場は反発。2月の個人消費が過去3ヶ月で最大の伸び
となったことを受け、ダウは58ドル高。 - 債券は3日振りに反落。株高や資源国通貨高に「リスクオン」が
進み、債券は売り優勢の展開に。長期金利は2.72%台まで上昇。 - 金は3日続落。原油は続伸。
- 2月個人所得 → +0.3%
- 2月個人支出 → +0.3%
- 2月PCEコアデフレーター → +1.1%
- 3月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値) → 80.0
本日の注目イベント - 日 2月鉱工業生産
- 欧 ユーロ圏3月消費者物価指数(速報値)
- 米 3月シカゴ購買部協会景気指数
- 米 イエレン・FRB議長講演
- 米 IMF、国際金融安定報告
- 加 カナダ1月GDP
ウクライナ情勢は依然として小康状態が続き予断は許さないものの、
ロシアのプーチン大統領とオバマ大統領が電話会談を行うなど、状
況がすぐに好転しないながらも緊張がやや後退しています。
そうなると、米経済指標に目が向きがちになり、先週末は個人消費
の拡大で消費関連株が買われ、株高からドル円では円売りが進み、
目先のレジスタンスであった102円台半ばを大きく上抜け、103
円目前まで「ドル高円安」が進行しました。
101円50銭~102円50銭が概ね取引レンジと見られていまし
たが、今回は上値を抜け、3月12日以来のドル高水準ということに
なります。「2月の雇用統計」発表で103円77銭まで上昇した後、
101円台まで下落したことを考えると、まだ手放しでドル高を志向
する場面ではないと思われます。
102円半ばを底値にもみ合う展開が続けば、その後の上昇が見込ま
れることになりそうですが、今週はひとまずドルの底値を固める動き
になると予想します。
ただ底値固めに失敗すれば、再び元のレンジ相場に戻ることになりま
すが、その際の焦点は、これまで上値の目処であった102円台半ば
が維持できるかどうかです。
一目均衡表では「1時間足」では既に「好転」を見せており、上昇ト
レンドが見込めますが、「日足」では
相場の先行きを表すとされる「基準線」が依然として「横ばい」であ
ることから、短期的にはドルの上昇は限定的と見られます。
しかも、「転換線」はまだ「基準線」を下回っていることにも注意が
必要です。
「基準線」は現在の相場水準が続いても、来週には「上向き」に転じ
ると予想されますが、それまでに103円77銭を上抜けできれば、
もちろん「上昇に転じる」ことになります。
その意味でも、上記103円77銭は意識される水準と同時に重要な
水準でもあります。
今週は本日のイエレン議長の講演を皮切りに、中国のPMI、ECB
理事会、そして週末には雇用統計が控えています。
今年も3ヶ月が経過し、この間の値幅は5円に届いていません。
そろそろ明確な方向性が出てもおかしくありません。
今週の一連のイベントがその最初のアプローチになる可能性もあります。
ウクライナ、中国の景気減速というドル下落リスクがある程度軽減でき
るとすれば、日米の金融政策の差が大きな要素になることは言うまでも
ありません。
FRBは出口に向かって着実に歩みを進めています。
一方日本では明日からの消費税引き上げの影響が不透明です。
追加緩和期待から、一部には5月に日銀が追加緩和に踏み切るとの見方
もあるようですが、個人的には
7月ー9月あたりが「ヤマバ」になると予想します。
この7月-9月の第三四半期GDPは11月に発表されることから、こ
こで2015年10月からの「消費税10%」も、実施されるか見送ら
れるかが決まるはずです。
本日は102円50銭~103円30銭程度を予想します。
株価も上昇しそうな気配で、100円程度の上昇であれば103円30
銭の上抜は海外市場に委ねることになりそうです。
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- [2014/03/31 08:52]
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ドル円上下とも抜けず102円台前半で推移
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- アジア市場では一時101円72銭まで売られたドル円は、日経平均株価の
上昇に伴って反発し、102円台前半まで買い戻されました。NY市場でも失業保険
申請件数が改善していたことでドルの上値を試したが、102円台半ばが壁となり
反落し、102円20銭前後で引ける。 - ユーロドルは続落。ECB政策委員会のメンバーが利下げの可能性を排除しない
と発言したことを手がかりにユーロ売りが進み、約3週間振りに1.37台前半まで
下げる。 - 株式市場はウクライナ情勢やシティーなど金融株を中心に続落。ダウは4ドル
下落し、ナスダックは22ポイント下げる。 - 債券相場は続伸。30年債が昨年7月以来となる3.5%を下回ったことで、
10年債も続伸し、2.68%まで利回りが低下。 - 金は続落し、2月13日以来の1300ドル割れ。対照的に原油は
101ドル台まで買われる。 - 10-12月期GDP(改定値) → +2.6%
- 新規失業保険申請件数 → 31.1万件
- 2月中古住宅販売成約指数 → -0.8%
本日の注目イベント - 日 2月失業率
- 日 2月消費者物価指数
- 独 独3月消費者物価指数(速報値)
- 独 独 ワイトマン独連銀総裁講演
- 欧 ユーロ圏3月景況感指数
- 英 英10-12月期GDP(確報値)
- 米 2月個人所得
- 米 2月個人支出
- 米 2月PCEコアデフレーター
- 米 3月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)
- 米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
昨日の朝方は、前日のNY市場のドル安を反映して取引が始まり、
権利落ち後の日経平均株価が200円を超える下げを見せたこともあり、
一時101円72銭まで「ドル安円高」が進みました。
102円台でのもみ合いから、「下値を試す展開」に転じたと思われた
ものの、午後から株価がプラスに変わると
102円25銭近辺まで反発して取引を終えました。NY市場でも新規
失業保険申請件数が市場予想を下回ったことでドル買いが進んだものの、
102円台半ばが「壁」となって結局抜けきれていません。
再び「102円台前半を中心としたもみ合い」に戻ろうとしています。
101円72銭を底値に反発したことで、「日足」チャートでは依然と
して「120日線」が機能していることになります。
このままでは上値が重いのか、あるいは下値が堅いのか判断に迷います。
ウクライナ情勢の不透感がある一方、米経済指標も寒波の影響を克服し
てそこそこの内容を見せています。
ドル安材料とドル高材料がちょうどバランスしている状況と見ることも
できそうです。
ただ、国内に目を向けてみると、アベノミクスの効果も徐々に賞味期限
が切れそうな状況になっています。
「第三の矢」もいま一つ発揮されておらず、今朝の報道にもあったよう
に、株式市場では海外投資家は日本株を大きく売り越しているようです。
また、黒田日銀総裁は「2%の物価上昇」には自信満々であるものの、
多くのエコノミストは「2%は無理」との見通しを維持しています。
加えていよいよ来週からは「消費税増税」が実施されます。
駆け込み需要の反動から4月以降にはどれほど消費低迷が見られるのか
見極める必要がありますが、多くの企業経営者がその影響については楽
観視していることがやや気になります。
消費低迷が短期間で終わるようなら、日銀による「追加緩和」観測が急
速に後退し、円買いに繋がりかねないからです。
FRBによる量的緩和縮小と終了後の利上げの道筋はある程度明らかに
なってきていますが、日銀がこの先どう動くのかについては不透明感が
増している状況です。
本日も上へも下へも大きく動きにくい展開になりそうです。
102円20銭を中心に上下30銭~40銭程度のレンジになりそうです。
102円台を放れるのは来週の雇用統計を意識し始めてからということ
でしょうか。
- [2014/03/28 08:50]
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米長期金利低下でドル円102円割れ示現
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は、米株価の下落と長期金利の低下にともない1週間振りに
102円台を割り込み、101円87銭まで下落。ただドル売りの勢いはなく、
102円台まで反発して引ける。 - 1.38台を維持していたユーロドルは、ドイツの景気見通しの
悪化や、追加緩和観測などから下落し、1.3776までユーロ安が進む。 - 豪ドルが堅調に推移。RBAのスティーブンス総裁は香港での講演で、
年内に国内経済の勢いが強まる可能性があるとの見通しを示した。
その結果、豪ドルは対米ドルでは昨年11月下旬以来となる0.922台
前半まで豪ドル高が進み、対円でも94円台半ば超えまで上昇。 - 株式市場は反落。朝方は続伸して始まったものの、後場にはオバマ大統領が
ウクライナ情勢がさらに悪化する可能性を示唆したことを嫌気し下げ幅を拡大。
ダウは98ドル安と前日の上昇分を吐き出す。 - 一方安全資産の債券は大幅に買われ、長期金利は1週間ぶりに2.7%台
割れまで低下。 - 金は反落し、原油価格は反発し100ドルの大台を回復。
- 2月耐久財受注 → +2.2%
本日の注目イベント - 中 中国 2月工業利益
- 欧 ユーロ圏2月マネーサプライ
- 英 英2月小売売上高
- 米 10-12月期GDP(改定値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 2月中古住宅販売成約指数
- 米 ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
102円台でもみ合いが続いているドル円は、約1週間振りに102円台を
割り込む動きを見せました。経済指標ではドル売り円買いの材料はなかった
ものの、オバマ大統領がロシアは「計算を間違った」とし、制裁が強化され
る可能性があると発言したことで、米長期金利が3月19日以来となる2.
7%割れまで低下したことが要因と見られます。
「G7」の会合ではロシアを「G8」への参加停止を決めたばかりでしたが、
ロシアに対する実効的な影響は少なく、オバマ大統領はロシアの今後の行動
次第ではエネルギーを含めた経済制裁にも踏み込む可能性に言及していまし
たが、その意志があることを内外に示した格好でした。
これまで市場は、どちらかと言えばウクライナ情勢には「楽観的な見方」で
した。
ドル円はその後102円台まで値を戻していますが、昨日のわずかな102
円台割れの動きは、依然としてウクライナ情勢が「リスクオフ」を拡大させ
る可能性があることを示したことになります。
欧米がエネルギーを含む経済制裁に出たら、ロシアも報復措置に出る可能性
は高く、円買いに繋がることもあるため、まだ一方的に円売りを進めるわけ
にはいきません。
昨日はユーロドルの上値も徐々に重くなり、1.38台半ばから上値は売り
ゾーンになりつつあります。
ECBによる追加緩和の火種は常にくすぶっており、前日のドラギ総裁の発
言にも「ようするに、できることは何でもやるということだ」との言葉が見
られました。
25日にも、ECB政策委員会のメンバーであるスロバキア中銀総裁は、ユ
ーロは年末までに下落する可能性があるとの見解を示し、「ECBには多く
の手段があり、その一つはシステムに流動性を供給することだ」と語ってい
ます。(ブルームバーグ)
テクニカル的には上昇トレンドを維持しているユーロですが、このところ値
幅が拡大しているだけに、こちらも注意が必要です。
豪ドルとNZドルが上昇の勢いを増している以外、円も、ユーロも依然とし
て一進一退です。
昨日からの流れはやや「リスクオフ」に傾きつつありますが、この先NYダ
ウの動きと、米長期金利の動きがやはり重要になります。
NYダウが1万6000ドルを割り込むようだと、ドル円も101円台半ば
程度には下落することが考えられます。
その可能性を排除するのは米経済指標の改善です。
本日のGDP改定値や失業保険申請件数にも注目です。
特に失業保険申請件数には改善傾向が見られることで、この傾向が継続される
かどうか見極めたいところです。
本日は日経平均の配当落ち日です。
ブルームバーグによると、計算上102円の下落要因となります。
日経平均株価がこれ以上下落すると、それはNYダウの影響と円高が進んだ影
響と見ることができます。
下げ幅は拡大しそうな気配で、ドル円も101円50銭~102円50銭と予
想します。
- [2014/03/27 08:59]
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米経済指標まちまち
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は先週19日以降、ほぼ1週間102円台で推移し
- ユーロドルは乱高下。ドイツの経済指標が悪化していたことや、
ドラギ総裁の発言を材料に1.37台半ばまで下落したが、
その後は買い戻され1.38台半ばまで急反発。 - 株式市場は3日ぶりに反発。消費者信頼感指数の上昇を好感し、
ダウは91ドル高となり、その他の株価指数も全て高い。 - 債券相場は反落。景気回復見通しなどを背景に30年債など、
長期債を中心に売りが優勢となった。10年債利回りは小幅に上昇し
2.75%台に。 - 金は7営業振りに小幅反発。原油価格は小幅に反落。
- 1月ケースシラー住宅価格指数 → +13.24%
- 3月消費者信頼感指数 →82.3
- 2月新築住宅販売件数 →44.0万件
- 3月リッチモンド連銀製造業指数 →-7
本日の注目イベント - 豪 RBA総裁講演
- 米 2月耐久財受注
- 米 FRBがストレステストの結果公表
ドル円の膠着感が強まり、102円前半から半ばを上にも下にも
抜け切れません。先週19日に101円台前半での取引があって
以来、102円割れは示現していないものの、一方上値も限定的
になっています。
米景気の回復観測がドルの下値を支え、ウクライナ情勢の緊迫が
ドルの上値を抑える構図になっており、個人投資家にとっても動
きにくい展開が続いています。
それに加え株価の低迷もドル円の動きを鈍くしていると考えられ
ます。
昨年末の日経平均1万6290円から、昨日は1万4420円程
度で、こちらは為替以上に低迷しており、個人投資家のリスク許
容度を低下させている状況です。
さらに売買を低下させているのが、東京時間でのボラティリテー
の低さです。
今月はじめには雇用統計の上振れを材料に103円77銭まで上
昇したドル円でしたが、東京時間に入るとその水準で留まり、ロ
シアがクリミア半島を編入したとの報道で101円台まで売られた
場面でも同様に小動きでした。
「ドル円の水準はNY市場で決められる」ことは今に始まったわ
けではありませんが、為替市場も徐々に
「東京株式市場化」し、青い目の投資家が相場の行方を決める状
況になりつつあります。
3月も来週月曜日で終わります。
今週は決算月ということもあり、実需の動きにも注意したいとこ
ろですが、100円割れのリスクがやや後退した現状では、輸出
企業が慌てて来期の為替予約を持ち込む状況でもありません。
ドル円の102円台、ユーロ円の141円台は輸出業者にとって
は満足な水準ではないかと思います。
そしていよいよ来週火曜日からは「消費税増税」が実施されます。
1997年に税率が3%から5%に引き上げられた以来、実に17
年ぶりのことになり、日本はこの年からデフレに陥ったとの見方も
あるようです。
足許では最後の駆け込み需要というよりも、消費者のせめてもの
「生活防衛策」がピークを迎えています。
新聞社の調査によると、駆け込み需要の反動から4月は相当の落
ち込みが予想されるが、5月以降には元に戻るという見方が優勢
のようです。
消費者の買い控えは少なくとも5月頃までは続き、勝負は6月に
元に戻るかどうかとというところだと思います。安倍総理は10
月には景気動向を総合的に勘案し、2015年10月からの「消
費税10%」を実施するかどうかを判断するとしています。
上記新聞社の調査通りであれば、いよいよ消費者にとって消費税
10%という「未踏の領域」に入っていく事になるわけです。
注目は日銀が追加緩和の実施に踏み切るかどうかです。
市場の緩和期待は非常に強く、それだけに来期以降の日銀決定会
合がそのつど注目されることになりますが、
6月以降の会合で「動かない」となると、失望から円買いが加速
する事態も予測されます。重要なのは、日銀がいつ、どのような
内容の緩和策を出してくるかです。
来週4月4日は「異次元緩和」から1周年になります。
経済紙は「2匹目のどじょうを探している」といった表現をして
いましたが、個人的には前回の緩和では「円安、株高、景気浮揚」
という「一石三鳥」の効果がありましたが、せめて「一石二鳥」
の効果を期待したいと思っています。
本日のレンジも予想外のニュースがない限り102円~102円
60銭程度と見られますが、何があるか分からないため安心は禁物
です。
膠着間が強まる。NYでは消費者信頼感指数が予想を上回った
ことからドルが買われる場面もあったが、102円台半ば超えには
至らず102円20ー30銭で引ける。
- [2014/03/26 09:12]
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G7、ロシアをG8への参加を停止
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は「G7」でのロシアに対する制裁の内容を見極める
雰囲気の中、緊張がやや緩和するとの見方があったが、株価の
下落に反応し、102円台前半まで下落。 - ユーロドルはドイツ、ユーロ圏のPMIの悪化に1.37台半ば
まで下落したが、「G7」の結果を受け、軍事行動にはつながらない
との見方から急伸。一時は1.38台後半までユーロ高が進み、
1.3830-40で取引を終える。 - 株価は続落。製造業景気指数が前月から低下したことで
売り方が優勢に。ダウは先週末比24ドル下落。 - 債券は続伸。ロシアを「G8」から除外するとの報道を好感。
長期金利は2.73%台で引ける。 - 金は米国の利上げが早まるとの見方が広がり24ドルの大幅安。
原油は小幅に続伸。
本日の注目イベント - 中 中国 2月コンファレンスボード景気先行指数
- 独 独3月ifo景況感指数
- 英 英2月消費者者物価指数
- 米 1月ケースシラー住宅価格指数
- 米 3月消費者信頼感指数
- 米 2月新築住宅販売件数
- 米 3月消費者信頼感指数
- 米 3月リッチモンド連銀製造業指数
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
オランダのハーグで開かれた「G7」では、クリミア編入手続きを完了
したロシアへの新たな制裁として「G8」への参加を停止することで各
国首脳は一致しました。
オバマ大統領は記者団に対して、「ロシアに対し、これまでの行動の代
償を払わせることでわれわれは一致している」と述べ、キャメロン英首
相も「方向を変える必要があるのはロシアだ」と語っています。
(ブルームバーグ)
これに関連して、6月にロシアのソチで開催予定だった「G8」は、ベ
ルギーで「G7」として開催することになり、ロシアは事実上「G8」か
ら排除されることになりました。
これに対してロシアのプーチン大統領も昨日のテレビ番組では
「(開催地のソチに)来たくなければ、来なくてもいい」と、強気の発
言を繰り返しています。
この内容を受け、市場は軍事衝突の可能性がやや後退したと受け止めた
ようですが、シカゴのVIX指数(恐怖指数」は0.6%上昇し、15.0
9%で引けています。
ドル円は米長期金利の低下と、株価の下落に引っ張られる形で102円
台前半まで売られましたが、依然として102円台は維持しており、ま
だはっきりとした方向感が見えていないという状況です。
一方ユーロドルが100ポイント以上急伸しました。
地政学的にロシアに近いということで、今回の「G7」の結果が注目
されていましたが、すぐに軍事衝突はないとの見方からユーロが大きく
買われています。
ユーロドルは今月13日の1.3967からちょうど200ポイント
調整しましたが、昨日の急伸で「半値戻し」を見せたことになります。
特にこれといってユーロを積極的に買う材料が見当たらないない中、
ユーロは下値を切り上げています。
ブルームバーグの報道によると、中国が外貨準備の一部をドルからユ
ーロにシフトしているのではないかとの見方もあります。
外貨準備の多くをドルで保有している中国が、「ドルを売ってユーロ
を買う」こともあり得る話で、今後外貨準備の内訳が発表されれば、
真相も明らかになります
ユーロについてはまだ利下げ観測が消えたわけではなく、特にロシア
に対する制裁がエネルギー分野にまで及ぶようだとユーロ圏にとって
も厳しい選択となり、一段の景気刺激策が必要な事態が考えられ、利
下げ観測が高まることになります。
チャートを見る限り、ユーロドルも、ユーロ円も上昇基調を崩してい
ません。
ユーロドルでは1.40がやはり大きな節目となりそうで、ここを抜
けることができるか、あるいは抜けずに再び1.35を目指すのかが
焦点です。
このところのドル円は東京時間にはほとんど値動きがないのが実情です。
株価が低迷していることもありますが、雇用統計で103円台後半まで
ドル高が進んでも、あるいはイエレン発言で102円台半ばを超えても、
東京時間での反応は限られます。
本日も株価が軟調に推移すると予想されることから、
101円70銭~102円70銭程度を予想します。
- [2014/03/25 08:48]
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ドル円102円台で一進一退
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はウクライナ情勢をにらみながらも小動き。
FRBが利上げに踏み切る時期が想定以上に早い可能性が
出てきた一方、ロシアへの新たな制裁の内容を見極めたい
とする雰囲気の中、ドル円は102円台前半で推移。 - ユーロドルも方向感がなく、1.38を中心に
もみ合いが続く。 - 株式市場は朝方上昇して始まったものの、引けでは
小幅に下落。S&P500は日中最高値を更新したが
前日比マイナスで終わる。 - 債券は小幅に買われ、長期金利は3bpほど低下して
2.74%台で越週。 - 金、原油はともに続伸。
本日の注目イベント - 中 中国 3月HSBC製造業PMI(速報値)
- 独 独3月製造業PMI(速報値)
- 独 独3月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏3月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏3月サービス業PMI(速報値)
EUは先週末に開催した首脳会議で、ロシアに対する新たな制裁を決め、
今週にはオランダで開催される臨時の「G7」で新たな制裁が加わるこ
とで、ロシアに対する包囲網ができそうですが、今の所ロシアは直接的
な影響を受けておらず、今後ガスや石油などの資源に対する規制にまで
制裁が及ぶかどうかがカギになりそうです。
ウクライナの外相は23日米ABCテレビのインタビューで、同国国境
にロシア軍が集結しており、対ロシア戦の可能性が増しつつあると語っ
ています。
「われわれは対応する準備ができている」と述べており、「国民は母国
を守る準備もできている」とも述べています。
クリミア半島での緊張が高まって以来、軍事行動の可能性に触れたのは
今回が初めてです、緊張は増す一方です。仮に軍事衝突が起これば、円
買いが加速することが想定されます。
このような状況の中でも、ドル円が102円台で安定し、円買いが進ま
ないのは先週のFOMC後のイエレン議長の発言が円の上昇を抑えてい
ると考えられます。
19日のFOMC終了後の記者会見で、「相当の期間」とはどれくらい
かとの質問に、イエレン議長は「おそらく6ヶ月前後」と答えたことです。
債券購入プログラムの縮小は、今回のFOMCまでに3回連続で100億
ドルの減額が決められています。
このままのペースでいけば「年内にQEが終了」することになり、来年夏
場までには政策金利を引き上げることになります。
市場の多くは2015年後半から、2016年春先までゼロ金利政策が続
くと予想していただけに、イエレン議長の発言はサプライズとして受け止
められています。
想定よりも早い政策金利引き下げのタイミングに、ドル円は日米金利差が
拡大するとの思惑に102円台で推移しています。
FRBがゼロ金利を解除すれば、その後はフェデラルファンド金利が正常
な水準まで引き上げられることになります。
米金利の上昇は米国債の金利上昇にもつながり、昨年5月に見られたよう
に、米長期金利が一時3%を越えた際にドル円が105円台半ばまで円安
に振れたことは記憶に新しいところです。
「タカ派」の代表格である、フィッシャー・ダラス連銀総裁も21日の講
演で「このペースで資産購入の縮小を続ければ
10月までに大規模資産購入が終了することは明白だ」と述べています。
現在のFOMCで投票権を持つメンバーは、「ハト派」のシカゴ連銀総裁
が抜け、ダラス連銀総裁が新たにメンバー入りしたことで、やや「タカ派」
的になっていることにも注意が必要です。
上述のように、足許ではウクライナ情勢の緊張と高まりという「円買い材
料」と、ゼロ金利政策解除という「円売り材料」がにらみあっている状態
です。
ウクライナ情勢は極めて流動的なため、「G7」での制裁内容と、それに
対するロシアの出方がまずは焦点になります。
本日は101円50銭~102円70銭程度を予想したいと思います。
- [2014/03/24 08:46]
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イエレン発言でドル円急反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- FOMCでは失業率6.5%の目安を撤廃し、100億ドルのテーパリングを
決定したことを受け、ドル円は急騰。102円の大台を大きく上抜け、102円69銭
までドル高が進む。 - ドルが買い戻されたことで、ユーロドルでも「ドル買いユーロ売り」が加速。
1.39台前半から1.38台前半まで約100ポイント下落。 - 株式市場は大幅に反落。FRB議長が利上げ時期を示唆したことを受け
売りが優勢に。ダウは114ドル下落し1万6200ドル台に。 - 債券相場も大幅に下落。早ければ2015年半ばにもゼロ金利が解除される
可能性が出てきたことが嫌気された。長期金利は前日から10bp上昇し、
2.77%台に。 - 金は3日続落。原油は続伸し100ドル台を回復。
- 米10-12月経常収支 → -811億ドル
本日の注目イベント - 日 黒田・日銀総講演(日本商工会議所)
- 独 独2月生産者物価指数
- 欧 EU首脳会議
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 9月中古住宅販売件数
- 米 9月景気先行指数
- 米 3月フィラデルフィア連銀景況指数
2日間のFOMCを終えて政策が発表されましたが、イエレン新議長にとって市場
からは厳しい洗礼を受ける格好になりました。
これまでゼロ金利解除の目処として見られていた「失業率6.5%」目標値ははず
され、さらに、フェデラルファンド金利(FF金利)引き上げに際しては、「幅広
い情報」を考慮するとされました。
緩和縮小に関しては、市場予想通り100億ドル減額し550億ドルにする事も決
定しています。
議長は会合後の記者会見で「完全雇用に近いわけでも、責務に一致する雇用水準
に近いわけでもないことはわれわれは認識している。インフレが重大な懸念事項
にならない限り、FF金利誘導目標の引き上げを夢見ないだろう」と語り、「相
当な期間」FF金利の誘導目標は低位に留まるとの見方を改めて示しました。
(ブルームバーグ)
ところが、その具体的な期間について記者会見で問われると、議長は「これは定義
するのが難しい問題だが、おそらく6ヶ月前後を意味する」と答えました。
債券購入プログラムは今秋にも終了する可能性があり、その6ヶ月後に政策金利を
引き上げることもあり得るとの認識を示したことになります。
この発言は市場にとってサプライズでした。
失業率目標の撤廃や100億ドルのテーパリングについては市場はかなり織り込ん
でいたものの、政策金利引き上げの時期が予想以上に早まる可能性が出てきたこと
に市場は敏感に反応しました。
株式と債券は大きく売られ、長期金利が大幅に上昇したことでドルが全面高の展開
になりました。
101円70銭から上値が重いイメージのあったドル円は、102円台を回復した
だけではなく、約1円もドル高円安が進むことになりました。
これまでゼロ金利解除のタイミングについては、早くとも2015年半ば以降との
見方が支配的で、
一部には2016年以降との見方があった中、今回のイエレン議長の発言でやや前
倒しに傾いたことになります。
米メディアは「議長が口を滑らせた」と表現するところもあり、今後この「6ヶ月
前後」という言葉が独り歩きする可能性もあります。
ドル円は一気に102円69銭まで上昇したことで、結局これまで何度も述べてき
た「120日線」は健在だったということになります。
一方で上値の方ですが、これも「52日線」でほぼ上昇を抑えられています。
ウクライナ情勢と米景気の綱引きになっている状況ですが、明日からEU首脳会議
があり、来週にも「G7」があり、どちらもロシアへの新たな制裁が検討されるた
め、このままドル円が103円を超えて大きく上昇するとも思えません。
103円前半を上抜けすれば、上記「52日線」だけではなく、その上にある「雲」
も上抜けすることになりますが、それにはウクライナ情勢が落ち着きを取り戻す必
要があります。
そう考えると、まだしばらくは101-103円のレンジ内の動きになると予想す
るしかありません。
本日のレンジは101円70銭~102円70銭程度と予想します。
- [2014/03/20 08:54]
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ドル円101円台半ばでもみ合い
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京時間に101円94銭まで上昇したドル円だったが、欧州時間に
向け円買いが優勢に。プーチン大統領がクリミア半島のロシアへの編入を
明言したことで、ドル円は101円27銭まで下落した。 - ユーロドルは1.38台後半まで下落後反発したが、1.39台半ばが
抜けずにもみ合い。 - 株価は大幅に続伸。住宅許可件数の増加やプーチン大統領がクリミア半島を
編入したものの、武力衝突の可能性は見込まれないことを好感し、ダウは88ドル
上昇し、1万6300ドル台を回復。 - 債券は3日ぶりに反発。プーチン大統領の演説からリスクオフの流れに沿い、
長期金利は小幅に低下し2.67%台に。 - 金は大幅に続落。一方原油はウクライナ情勢を反映し大幅に続伸。
- 2月消費者物価指数 → +0.01%
- 2月住宅着工件数 → 90.7万件
- 2月建設許可件数件数 → 101.8万件
本日の注目イベント - 日 2月貿易収支
- 日 黒田・日銀総講演(国際通貨研究所)
- 欧 EU首脳会議
- 英 2月失業率
- 英 BOE議事録(3月5日、6日分)
- 米 FOMC政策発表
- 米 イエレン議長記者会見
- 米 10-12月経常収支
想定どおり、ロシアのプーチン大統領はクリミア自治共和国での
住民投票の結果を踏まえて、ロシアへの編入を宣言し、直ちに条
約に調印しました。
1時間余りにわたった演説では、クリミアはロシアと同じ歴史を
持つなどと語り、欧米に理解を求める発言をしたものの、一方で
ウクライナへの欧米の介入を非難する発言も行っています。
クリミアでの住民投票の結果や、ロシアへの編入の可能性は、想
定内の動きだったと言えますが、問題はこの後欧米諸国が新たな制
裁を発動したその後のロシアの反応です。
現時点ではロシア高官だけではなく、ロシア企業幹部の資金凍結な
どが検討されているようですが、この程度ではロシアにとって厳し
い制裁にはなりません。
より実効的な制裁となれば、ロシアからのガスの輸入を禁止するな
どの制裁措置が必要ですが、それは欧州にとっても厳しい選択で、
特にドイツなどはロシアから大量のガスを輸入しているのが現状です。
来週にはEU首脳会議が開催されるため、ここで新たな制裁が議論さ
れる模様です。また、24~25日には緊急の「G7」が開催され、
ここでもロシアへの制裁が検討されるとのことです。
ロシア抜きの「G7」になりますが、ここでの焦点は中国の出方です。
ロシアへの制裁に真っ向から反対するのか、あるいは中立の立場をと
るのか、中国の対応次第では制裁内容も異なってきそうです。
クリミア半島がロシアに編入されるのは、正式にはロシア議会の批准
を経て決まりますが、ウクライナ情勢は新たな局面に差し掛かってき
ました。
昨日のプーチン大統領の演説では、「クリミアはロシアの一部」とし
ながらも、「ウクライナの分割は望まない」とも発言しています。
このため、武力衝突まで発展する可能性は低いと見られています。
NYダウは連日大幅な上昇を見せ、ここ2日間で270ドルも買われ
ています。
特に昨日は、プーチン大統領の演説があったにもかかわらず、上昇し
たことはややサプライズでした。市場が「武力衝突には至らない」と
見ている証と捉えられます。
そのせいか、ドル円も101円27銭まで下落しましたが、先週末の
ドルの下値である101円20銭を割り込んではいません。
ウクライナでの緊張が高まってきたことから、ドルの上値が重いこと
は想定できるとしても、ここからさらにドルを売り込むことには慎重
なことが伺えます。
ただ連日述べているように、「120日線」は現在、101円56銭
あたりに位置しており、どうやら今日はその支持線を下回って取引が
開始されそうです。
ここ3日は、いずれも101円20銭前後がサポートになっているこ
とは確認されていますが、逆に言えばこの101円20銭前後が下抜
けし、さらに101円を割り込むような展開になると、ストップロス
なども執行され、下落が加速することも考えられるため注意が必要です。
予想レンジは100円80銭~101円80銭程度にしました。
- [2014/03/19 08:42]
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米株高を受けドル円堅調
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はクリミアでの住民投票の結果を受けながらも落ち着いた
展開となり、101円台半ばから後半で推移。欧米の制裁内容が
明らかになったが、こちらも想定内との見方。 - ユーロドルは1.38台後半から1.39台前半に上昇。
ウクライナ情勢への楽観的な見方もユーロを支える。 - 株価は6日振りに大幅反発。ロシアに対する制裁内容が想定内で
あったことや、鉱工業生産指数が予想を上回ったことを好感し、ダウは
181ドル高。 - 債券相場は続落。ウクライナ問題や、本日からのFOMCで債券購入を
縮小するとの見方が上値を抑えた。10年債利回りは2.7%近辺まで
上昇。 - 金、原油は小幅に反落。
- 米2月鉱工業生産 → +0.6%
- 米3月NAHB住宅市場指数 → 47
- 3月NY連銀製造業景況指数 → 5.61
本日の注目イベント - 豪 RBA議事録
- 独 独3月ZEW景況感指数
- 欧 ユーロ圏1月貿易収支
- 米 FOMC(19日まで)
- 米 2月消費者物価指数
- 米 2月住宅着工件数
- 米 2月建設許可件数件数
ウクライナ南部のクリミア自治共和国での住民投票の結果を受け、米国
は新たな制裁内容を発表しました。対ロシアへの制裁を強化するとして、
プーチン大統領に近い高官など11人を制裁の対象に指定しました。
ビザの発給停止や、米国への渡航禁止、資産凍結などが含まれているよ
うです。
また、EUも米国と足並みを揃え、ロシア黒海艦隊の司令官を含む21
人を対象に、欧州にある資産の凍結に踏み切っています。
ただいずれも貿易など物の移動を制限したわけではなく、「想定内」と
の印象が強く、この内容を受けて株価が上昇し、金や原油などは下落し、
ドル円はややドル高に推移しています。米国は、本日予定されているプ
ーチン大統領の演説内容次第ではさらに追加の制裁を発動する予定のよ
うです。
昨日のドル円の動きを見ると、クリミアでの住民投票の結果が伝わった
ものの、101円台前半から円が買われることもなく、むしろドルを買
い戻す動きが勝っていました。
欧州市場に入っても同様な動きで、ドル円は101円87銭まで買い
戻されましたが、依然としてウクライナ情勢が不安定なことから10
2円台には届いていません。
プーチン大統領は本日の演説で、住民投票の結果を尊重するとしてク
リミア自治共和国からの編入の要請に対して受け入れる内容の演説を
する可能性があります。
そうなると、欧米諸国はさらにロシアに対する制裁を強め、ロシアも
これに対する報復を行うなど、エスカレートすることも十分考えられ
ます。
むしろ、これからがウクライナ情勢が平和的解決に向かうどうかの正
念場になりそうです。
ドル円は足許では先週末のNY市場のドル底値を下回ることなく推移
しているため、結局「120日線」(日足)が依然として機能してい
ることになります。
また「1時間足」では、「遅行スパン」がローソク足を上抜けする
「好転」も見せています。
この状況下の中でもドル円は予想外に底堅い動きを見せているとい
う印象です。少なくとも株式市場の反応に比べれば底堅いと言えます。
背景には、日銀による追加緩和観測や貿易収支の赤字が定着し、
経常収支も4ヶ月連続で赤字になるといった実需に支えられている
面もあろうかと思います。
ロシアに対する制裁が「想定内」であったことで、市場の関心は欧州
からFOMCに移ってきた感もあります。
明日、政策変更の内容が発表されますが、焦点は「フォワード・ガイ
ダンス」が変更されるかどうかです。
FOMCではゼロ金利維持の条件として「インフレ率が2%以下で
失業率が6.5%を上回っていること」としています。
問題はインフレ率です。すでに6.6%~6.7%まで低下しており、
FRBの目標に近づいています。
この部分を、たとえば「労働参加率」を数値目標に加えるなど、なん
らかの変更が行われるのではないかといった見方が広がっています。
また、政策発表後のイエレン議長の「初記者会見」も注目です。
同時にこれまで過去2回の会合で進めてきた「債券購入の縮小」も、
今月はじめの雇用統計からすれば継続されると見るべきでしょう。
仮に今回も100億ドル減額すれば、毎月550億ドルの債券購入
額となり、毎月6兆~7兆円の国債購入を行っている日銀との「差
が拡大」することになり、これは「ドル高円安」材料と見られていま
す。
本日はNY株式市場が大幅に反発したことを受けて「株高・ドル高」
が見込まれます。
だたそれでも上述のように、プーチン大統領の演説内容次第では再
び円買いが強まることも考えられるため、上値も限定的だと予想さ
れます。
101円20銭~102円20銭程度を予想しています。
日経平均株価が予想外に上昇すれば、もう少し上値があるかもしれ
ません。
- [2014/03/18 08:50]
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クリミア住民投票ロシア編入を支持
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はケリー米国務長官とロシア外相の会談が物別れに終わった
ことから、クリミア半島での住民投票は避けられない状況となり、リスク
回避の流れから円が買われた。この日の円の高値は101円21銭で、ほぼ
高値圏で引ける。 - ドル安からユーロも堅調に推移。ユーロドルは1.38台後半から
1.39台前半の動きだが、1.40台に乗せるかが焦点に。 - 株価は5日続落。米ロがウクライナをめぐる問題で解決の糸口が見つからない
ことでダウは43ドル安。 - 債券は横ばい。それでも週間ベースでは2ヶ月ぶりの上昇。長期金利は
2.65%近辺で取引を終える。 - 金、原油は小幅に続伸。
- 2月生産者物価指数 → -0.1%
- 3月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) →79.9
本日の注目イベント - 欧 ユーロ圏2月消費者物価指数(改定値)
- 米 2月鉱工業生産
- 米 3月NAHB住宅市場指数
日本時間の今朝方住民投票を終えたウクライナ南部のクリミア地区では、
ロシア編入への賛成が95.5%だったと選挙管理委員会が発表しました。
これに対してウクライナへの残留支持は3.5%で、投票率は82.7%
だったようです。この数字は暫定集計で、最終結果ではないようですが、
住民投票の結果では事前予想通り、ロシアへの編入が確実です。
クリミア共和国は、この結果を受けて、ウクライナから離脱し、独立を宣
言した後ロシアへの編入を要請すると見られます。
問題はこの結果を受けて、ロシアのプーチン大統領がどのような判断を下
すのかが注目されます。
編入を直ちに受け入れれば、欧米の経済制裁が一段と強まることは確実で、
これはロシアにとっても決して影響は小さくありません。
最新のブルームバーグニュースによると、オバマ大統領はプーチン大統領に、
クリミア住民投票は決して受け入れないと伝え、ウクライナ危機で外交ルー
トは依然開いていると、ホワイトハウスが語ったと伝えています。
早ければ今日にもロシアに対するあらたな制裁内容が明らかになりそうです
が、ロシアがそれに対して報復する可能性もあり、ウクライナ情勢は今週い
よいよ大きなヤマバを迎えることになります。
ウクライナ情勢が緊迫度を増したことで、株価が大きく下落し、さらに安全
通貨の円が徐々に買い戻されています。
ドル円は先週末のNY市場で101円21銭まで下落し、約2週間ぶりの円
高水準を記録しています。
このため、再び100円台が意識され始めましたが、欧米の制裁内容次第で
はロシアからの反発も予想され、円が100円台まで買われることは避け
られない状況かと思われます。
重要な節目はやはり「100円の大台」ということになります、ここは
「三桁」(みけた)ということもあり、心理的にも、またレート的にも大
きな意味合いを持っています。
相場に「オーバーシュート」はつき物です。一時的には割り込む場面があ
るかもしれませんが、完全に割り込むかどうかが重要です。
もし割り込むようなことがあれば、昨年11月20日以来4ヶ月振りのこ
とになり、年後半の相場展開にも影響を与えそうです。
今週は明日からFOMCが開催されます。
今回のFOMCは政策決定後にイエレン議長の記者会見が予定されている
ことから注目度が高くなっていますが、
それに加えて、クリミアでの住民投票の結果も出ており、市場リスクが高
まっていることでも注目されます。
また「2月の雇用統計」では、雇用者数が3ヶ月振りに市場予想を超えて
いたこともあり、緩和縮小がこれまで通り実施される可能性が高いと予想
されます。
これに関してフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は先週、「緩和縮小
変更のハードルは高い」と語っています。日米通貨当局の金融政策の違い
は現時点でも明らかです。
その意味では、中国やウクライナなど「円買い要因」が顕在化して来まし
たが、中長期での「ドル高円安」予想はまだ健在だと考えております。
本日も日本の株価は軟調な展開が予想されます。
ドル円も上値が引き続き重い動きになりそうです。
予想レンジは100円70銭~102円程度を見て行きたいと思います、
- [2014/03/17 08:42]
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円101円台半ばまで急騰
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はウクライナ情勢や中国の景気減速懸念などを背景に大きく下落。
好調な米経済指標にもかかわらず、102円台後半から101円台半ばまで
円買いが進み、101円90銭前後で引ける。 - ユーロドルも1.39台半ばから下落。ドラギECB総裁が「ユーロの水準は
物価を考える際重要だ」と発言したことに反応。1.38台半ばまでユーロは売られ
1.40台乗せには失敗。 - 株式市場は大幅に下落。ウクライナ情勢や中国景気が改めて嫌気され
すべての株価指標が大幅に下落。ダウは231ドル安の4日続落。 - 安全資産の債券は4日続伸。リスクオフの流れが強まり、株価の大幅安から
買い物を集め、長期金利は2.64%まで大幅に低下。 - 金、原油は小幅に上昇。
- 2月小売売上高 → +0.3%
- 新規失業保険申請件数 → 31.5万件
本日の注目イベント - 日 1月鉱工業生産(確報)
- 日 日銀金融政策決定会合議事要旨(2月17、18日分)
- 米 2月生産者物価指数
- 米 3月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
- 米 フィシャー・FRB副議長講演
先週末には103円77銭まで買われたドル円は、ちょうど1週間で101円
50銭近辺まで売られる、相変わらず難しい展開が続いており、今年の相場展
開を象徴する動きになりました。
昨日もこの欄で触れましたが、ウクライナ情勢が緊迫する中、市場はほとんど
無視する形で「ドル高」や「株高」が進んでおり、「市場は楽観視している」
と書きました。
加えて、中国からは「シャドーバンキング問題」だけではなく、経済指標の
悪化が続き、景気の先行きに対する不安が高まっていましたが、これも昨日
の東京時間には明らかになっており、今さらながら東京市場とNY市場の反
応の違いには驚かされます。
もっともNY時間の為替は、株価の動きと、債券の動きに大きく影響されるこ
とから、東京時間で取引する際には「NY市場がどう反応するのか」を予想し
ながらポジションメイクすることも重要になります。
103円台後半までドル高が進んだ後、一転してリスク回避が強まってきた
ドル円ですが、昨日のコメントでも102円の半ばが重要な水準で、ここを
割り込むとドル売りが加速する可能性にも触れました。
それは、この水準がこれまでの「レジスタンス」だったわけで、一旦上抜け
すると今度は「サポート」として機能するケースが多いからです。
そして昨日のNY市場ではやはり、この水準を明確に抜けたら101円54
銭まで円高ドル安が進みました。目先のサポートが下抜けしたということに
なります。
ただそれでも今回の下落も、これまでと同様に「120線」(日足)で下げ
止まっています。
現時点では今年に入って3度目の下落阻止ということになるこの「120線」
は、相当強い支持線ということになりますが、反対にこの支持線が破られた
ら大きく下落することにもなり、注意が必要です。
因みに、この「120日線」はユーロ円では2012年10月以来下落を阻
止している「優れもの」です。
さて、ウクライナではクリミア地区で16日に住民投票が行われ、自治独立
国としてロシア側に付くか、あるいはウクライナに留まり、西側諸国に付く
のかが決まりそうです。
オバマ大統領は住民投票そのものが国際法に違反していると非難しています。
ケリー国務長官も、議会で住民投票が実施されれば欧米でさらなる制裁を発
動すると警告していますが、今のところその効果も限定的のようです。
またウクライナ情勢に関しては「沈黙」を守ってきた日本も、どうやら欧米
側に組することに傾いたようです。
来週以降の情勢が急激に緊迫する可能性もでてきたと思われます。
景気の先行不安が急速に高まってきた中国と、ウクライナなど「火種」が徐
々に大きくなってきそうな状況です。
現時点では101円~104円のレンジ内での取引は続いていますが、先週
上値を試しただけに、今度は再び下値を試す展開が予想されます。
レンジ予想も難しくなっていますが、101円30銭~102円50銭程度を
考えています。
- [2014/03/14 08:39]
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ユーロドル再び1.39台まで上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京時間では103円を挟んでもみ合っていたドル円は欧州市場から
NY市場にかけては、ウクライナ情勢や中国をめぐる不透明感から下落。
株安、米金利低下もあり102円55銭まで円買いが進む。 - ドル安の流れにユーロドルでもユーロ高が進み、一時は1.39台前半
まで上昇。先週末の雇用統計直後以来の水準をつける。 - 株式市場はまちまち。ウクライナ情勢や中国景気に対する懸念から朝方は
大幅に下落したが、引けにかけては持ち直す。ダウは11ドル下落し、
ナスダックは16ポイント高。 - 債券相場は3日続伸。中国の債券デフォルトがさらに拡大するとの見方も
あり、安全資産の債券が買われた。 - 金は大幅に続伸し1370ドル台に。一方原油価格は3日続落し
100ドルの大台を大きく割り込む。
本日の注目イベント - 豪 豪2月雇用統計
- 中 中国 2月小売売上高
- 中 中国 2月工業利益
- 欧 ECB月例報告
- 欧 ファンロンパイ・EU大統領講演
- 米 2月小売売上高
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 フィッシャーFRB副議長、パウエル理事、ブレイナード理事、上院で指名公聴会
103円台から徐々に下落を見せているドル円ですが、株価の下落の割には
しっかりとした展開のように思えます。
下値ではドル買い意欲も見られ、日銀による追加緩和観測も根強いことが背
景になっているようです。
それでもさすがに日経平均株価が393円の大幅下落を見せると、東京時
間では102円台後半を維持していたものの、海外市場では緩やかに円買い
が優勢となり、一時102円55銭まで円高が進みました。
結局ドル円は先週末の雇用統計の結果を受けて103円77銭まで上昇し、
これまでのレンジから上値を切り上げたものの、再び元の位置に戻ってきた
と言えます。
ただ、見方を変えればこれまでのレンジの上限であった102円台半ばから
上値は、一旦上抜けすると今度は「サポートレベル」として機能するするこ
とも多く、昨日のNY市場の底値が102円55銭だったことは、このパタ
ーンにあてはまり、まだ上昇トレンドは崩れていないという見方もできます。
ウクライナ情勢では、16日のクリミアでの住民投票に向けてG7諸国がさ
らなる制裁の可能性を警告していますが、現時点ではその効果も余り見られ
ません。
この状況では住民の半数以上がロシア系であることから、独立国としての
「クリミア共和国」が誕生する可能性が高いと見られます。
その際、欧米諸国はウクライナ憲法に違反するとして「ウクライナ共和国」
を認めないと思いますが、
実際にどのような新たな制裁を発動するのかが注目され、その内容次第で
はロシアも反発を強めることが予想されます。
ドル円の上値を重くしているもう一つの材料は「チャイナリスク」です。
中国は先週、2014年の成長率目標を7.5%に据え置きました。また
太陽光発電関連メーカーが、中国本土企業としては初めてデフォルト
(債務不履行)状態に陥りました。さらに、銅や鉄鋼石を担保に金融取引
を行っている投資家に対し、中国大手銀行がリスクの拡大を恐れて引き締
め気味の政策をとり始めたことも、事態の悪化懸念につながっています。
商品市場では、銅や鉄鋼石の価格が急落し、連想から資源関連株も大きく
下落しました。
このようにして見ると、現在のドル円の水準はこれらの材料を「楽観視」
していると見られます。
「今後さらに拡大して世界経済を脅かすことにはならない」とう見方が
優勢だということです。
ただ「火種」がくすぶっているのは事実で、今後とるべき「リスクの量」
には慎重にならざるを得ません。
ユーロドルが再び1.39台に乗せた来ました。
先週末の雇用統計で1.3915までユーロ高が進んだ背景は、ストッ
プロスの買いが相場を押し上げた面が強かったと思われますが、再び
1.39台まで上昇しています。
ドルが主要通貨に対して売られていることが基本にありますが、その割
には円の買われ方が弱いように見えます。
その結果、ユーロ円が大きく上昇することになっていますが、ユーロド
ルが1.4台までさらに上昇することができるかどうかが注目されます。
1.4台は2011年10月以来ということになり、安倍政権誕生直前
のタイミングです。
ここから急激な円安が進行したことは記憶に新しいところです。
本日も株価は軟調に推移しそうです。
103円に近づく水準ではドル売りが出やすいと思われ、昨日のNY市
場と同様に下値を試す展開を予想します。
株価の動きはもちろん重要ですが、為替と株価との相関度はやや薄れて
きたことにも注意が必要です、
昨日と同様102円の半ばが維持きるかどうかに注目しています。
レンジは102円30銭~103円30銭程度を予想します。
- [2014/03/13 08:53]
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豪ドル円などクロス円下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 103円台でもみ合いを続けていたドル円は、NY株式と
商品相場の下落を手がかりに円買いが進み、3日ぶりに102円台
後半まで下落。その後は底堅い動きを見せ、103円前後まで戻して
引ける。 - ユーロドルは1.38台半ばまで下落した後に小反発。材料が乏しい中
ユーロ円の下落に引っ張られる展開ながら値幅は約30ポイント。 - 株式相場は続落。銅や原油価格などが下落したことで資源株を中心に
売り物がかさんだ。また中国をめぐる懸念などもあり、ダウは67ドル安。 - 債券は小幅に続伸したものの、前日とほぼ同水準。3年債入札が好調だった
ことを好感し、長期金利は2.77%台に。 - 金は反発。原油価格は連日1ドルを超す下げに。中国景気の不透明さに加え、
在庫が積みあがっているとの観測が手がかり。
本日の注目イベント - 欧 ユーロ圏1月鉱工業生産
- 欧 メルシュ・ECB理事講演
- 欧 プラート・ECB理事講演
- 欧 クーレ・ECB理事講演
- 米 2月財政収支
- 米 ルー・財務長官議会証言
103円台で堅調に推移していたドル円は、NYダウが続落したことでやや
「リスク回避」の動きが勝り、先週金曜日以来となる102円台まで下落し
ました。
それでも下落には勢いはなく、102円85銭前後まで下落した後103円
近辺まで反発しています。
ただ、豪ドルやユーロに対しては円が強含んでいますが、これは水準が水準
だっただけに、利益確定の売りが先行したものと思われます。
したがって特段材料がない中、ドル円自体は依然として堅調な動きだと言え
ますが、気のなるのは米国株式市場の動きです。
ウクライナ情勢や、中国の景気先行き懸念にはほとんど反応せず、順調な動
きを見せてきましたが、ナスダック指数などの推移を見ると、下落懸念がな
いわけではなく注意が必要です。
雇用統計の発表を終え、米国からの材料に乏しくなっていることが相場をお
となしくさせている部分はありますが、国内からの材料もいまひと一つ盛り
上がりません。
昨日は日銀金融政策決定会合があり、政策変更は事前予想通りありませんで
したが、黒田総裁の記者会見での発言は注目されていました。
黒田総裁は市場の緩和期待に対して「現時点では必要ない」との認識を示し
ました。
その理由として外部のリスクは依然として低下していることを挙げています
が、市場への配慮も忘れずに、「何度も申し上げるが、必要があればちゅう
ちょなく調整する」と述べています。
いよいよ来月から消費税増税が実施されます。
これまでの駆け込み需要の反動がどこまで続くかがポイントになりますが、
4月~6月程度までの景気後退であれば「想定内」と言えますが、7月以降
夏場まで続くようだと日銀の目標値である「2年程度で2%の物価上昇」
にとって大きな障害になります。
そのため、このタイミングで追加緩和に動くのではないかと予想していますが、
これまでの黒田総裁の発言からするとその可能性は十分にあると思われます。
本日も米国からの材料はありません。
シカゴの日経平均先物は150円程度下げているため、今日の現物取引も下落
が見込まれます。ドル円にとっては下落圧力になるため、どこまで下値を試す
かがポイントです。
NY市場の下値である102円80~85銭を維持できるかどうかが重要で、
ここは昨日も「1時間足」の120日線でしっかり止められています。
さらに下落した場合は102円の半ばが意識され、ここを下回る様だと、先週
末の103円77銭は「目先のドルの天井」の可能性が高まります。
株価の下落を見込みながら、本日のレンジは102円50銭~103円30銭
程度と予想します。
- [2014/03/12 08:45]
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ドル円103円台を維持
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は103円台前半から半ばで小動き。先週末の大幅な値動き
から方向感もやや不透明に。それでも103円台を維持し、ドル以外の
通貨に対しては軟調に推移。 - ユーロドルも1.38台後半が重くなっており、1.38台半ば
を中心にもみ合い。 - 株式市場は下落。中国の貿易収支で輸出の伸びが予想以上に
鈍化していたことを嫌気し、ダウは34ドル安で取引を終える。 - 債券相場は3日ぶりに上昇。株価の下落を手がかりに、買いが
やや優勢となり、長期金利は小幅に低下。 - 金は反発し、原油は1ドルを超える下落。
-
本日の注目イベント - 日 日銀金融政策決定会合
- 日 黒田・日銀総裁記者会見
- 独 独1月貿易収支
- 欧 EU財務相会合
- 英 英1月鉱工業生産
先週末のNY市場で雇用統計を材料に活発な取引が見られたものの、
103円台後半から103円台前半までドルが売られたことで、簡
単には105円に向かうとも思えない一方、103円台はしっかり
維持しているため、やや方向感を見い出せない状況です。
昨日の海外市場では特に経済指標の発表がなかったこともあり、
103円台前半から半ばで一進一退でした。
中国の貿易収支が発表され、輸出の伸びが鈍化していることが確認
されました。このため7.5%のGDP成長目標も危ういのではな
いかとの見方が広がり、昨日の日経平均株価下落の一因にもなりま
したが、それでもドル円は103円ちょうどまでの下落にとどまっ
ていました。
昨日の朝方に発表された日本の1月の経常収支が「4ヶ月連続の赤字」
で、さらに赤字額が過去最大だったことが「円安要因」と捉えられ、
ドル円の下落を抑制したものと思われます。経常収支赤字の最大の要
因は、貿易収支の赤字額が1月は過去最大だったことです。
円高要因と円安要因が引っ張りあっている状況です。
オバマ大統領は議会に提出する年次経済報告で、今後2年、米国は経
済強化と雇用増加の軌道にあるとの見解を示しました。
10日に発表された同報告書は、「不屈の精神と決意に支えられた5
年にわたる努力の結果、米国は地球上のどの国よりも21世紀にふさ
わしい国となった」と記され、この報告書を手がける大統領経済諮問
委員会は来年の経済成長率を3.4%と予想し、失業率は6.4%に
なると見込んでいます。(ブルームバーグ)
さすがに米国というべきか、この報告書にはきれいな言葉が並んでい
ますが、中国の理財商品や、ウクライナ情勢など、米国だけではなく
世界経済にとっても大きなリスクにつながりかねない「種」はありま
す。
そのウクライナでは、ウクライナ軍が軍事演習を開始したとの報道も
あり、ロシアは東部の混乱に警告を発しているとブルームバーグは伝
えています。
また、インタファクス通信によると、クリミアのバフチサライ近くで
ロシア軍兵士が発砲したとも伝えており、依然としてウクライナでの
緊張は続いています。
ドル円は103円台での取引ですが、昨日からの動きを見る限り10
3円前後がサポートされているようにも見えることから、103円を
明確に下抜けすると一時的に下落トレンドが形成される可能性があり
ます。
一方上値は、一目均衡表(日足)の雲を上回った位置で推移している
ことで、再度上値を試しに行きそうな形状を見せています。
ウクライナ情勢の行方に注意しながらドルの上値を確認する展開でし
ょうか。
レンジは102円60銭~103円60銭程度を予想します。
- [2014/03/11 08:52]
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米雇用者数市場予想を上回る
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 注目された2月の雇用統計では、失業率は0.1%上昇したものの、
非農業部門雇用者数は市場予想の15万人前後を上回り17万5000人。
良好な結果を受けてドル円は102円台後半から上昇し、103円77銭まで
ドル高が進んだがその後は利食いのドル売りに押され103円30銭近辺で引ける。 - ユーロドルは大幅続伸。一時は2011年11月以来となる1.3915まで
ユーロ高が進み、ユーロ円も143円台後半まで買われた。 - 株式市場は続伸したものの、ウクライナ情勢への懸念もあり小幅高にとどまる。
ダウは30ドル高、ナスダックは16ポイント下落。 - 雇用の伸びを嫌気した売りに押され債権相場は4日続落。長期金利は1月下旬
以来となる2.79%台まで上昇。 - 金は反落し、原油は大幅に上昇。
- 2月非農業部門雇用者数 → 17.5万人
- 2月失業率 → 6.7%
- 1月貿易収支 → 391億ドルの赤字
本日の注目イベント
- 日 10月-12月GDP(改定値)
- 日 2月景気ウォッチャー調査
- 中 中国 全人代(13日まで)
- 欧 ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
- 米 予算教書
2ヶ月連続で市場予想を大きく下回り、悪天候のせいばかりではないのでは
ないかといった懸念も広がっていた米雇用統計は、市場予想の15万人前後
を上回る17万5000人と発表され、寒波が続いていた割には依然として
雇用の拡大が継続されていることが確認できました。
失業率は前月から0.1ポイント悪化しましたが、1月と12月の雇用者数
も上方修正され、雇用に対する不安はひとまず払拭された格好です。
雇用統計の結果を受けてドル円は力強く上昇し、103円77銭までドル高
が進みました。
これは1月23日以来のドル高水準でしたが、1週間前に101円台前半ま
で円が買われたことを考えると円の下落スピードはやや早すぎるのではない
かとの印象があります。
しかも、円が買われた理由がウクライナでの緊張の高まりであったわけで、
そのウクライナ情勢は依然として予断を許しません。
ウクライナ南部のクリミア自治共和国では、ロシアへの編入を問う住民投
票が16日に予定されている状況でクリミア自治共和国の議長はロシアへ
の編入に意欲的です。
投票が実施されれば、ロシア系住民が有権者の6割を占めるだけに編入が
支持される可能性は決して低くはありません。
そのような事態になると、欧米のロシアに対する制裁は今のところ限定的で
すが、さらに拡大されることも考えられ、ロシアを刺激することもなりそう
です。
今後も「リスクオン」と「リスクオフ」が繰り返される展開が予想されます。
先週、ドル円は「日足」で見ると、下値は「120日線」でサポートされ、
上値は「52日線」で抑えられていると指摘しましたが、103円77銭ま
で上昇したことで、一旦は「52日線」を抜けましたが、その上の「雲」に
抑えら反落しました。
ただ、この「雲」は比較的薄いため上抜けしやすいものと思われます。
ウクライナ情勢にもよりますが、しばらくは102円から103円台でもみ
合いを続け、いずれ上抜けするものと予想します。
米雇用の拡大が緩やかに続いていることが確認されたことを考慮すれば、1
00円台を割り込むリスクはかなり遠のいたものと思われます。
ドル円は104円20銭レベルを上抜けできれば、上記「雲」を完全に抜け
るだけではなく、「遅行スパン」も「雲」と「52日線」を抜けることにな
り、チャート上ではさらなる上昇が期待できそうです。
予想が難しいのはユーロドルです。
先週末には1.39台前半まで買われましたが、背景はその前のECB理事
会で政策金利の据え置きを決めたことがあろうかと思います。
イタリアなど南欧諸国の債権には資金が流入しているところに、市場の「リ
スクオン」がやや加速したためユーロ買いに勢いがつき、ストップロスの買
いも発動されたと推測できます。ただユーロ圏の景気にとってはユーロ高は
避けたいところです。
ユーロ圏金融当局者からのユーロ高を懸念する発言にも注意したいところで、
ECBによる追加緩和の可能性も依然としてくすぶっています。
本日のレンジは102円60銭から103円60銭程度を予想します。
- [2014/03/10 09:03]
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ECB政策金利据え置きを決定
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- アジア時間で日本株が大幅に反発し、102円80銭近辺まで上昇したドル円は
NYダウと長期金利の上昇に、約5週間ぶりに103円台に乗せる。
一時103円17銭近辺まで円売りが進み、高値水準で引ける。 - ECBが政策金利を据え置いたことでユーロドルは大幅に続伸。1.37台から
1.38台後半まで買われ、ユーロ円も143円近辺まで大幅に上昇。 - 株式市場は反発。失業保険申請件数が予想より少なかったことを好感。
本日の雇用統計への改善期待も高まりダウは61ドル上昇し、1万6400ドル台を
回復。昨年末の最高値まで100ドル余りに迫る。 - 債券相場は経済指標の好転に続落し、長期金利は2.73%台まで上昇。
- 金、原油はともに小幅上昇。
- 新規失業保険申請件数 → 32.3万件
- 2月ISM非製造業景況指数 → 51.6
本日の注目イベント - 日 1月景気動向指数
- 独 独1月鉱工業生産
- 米 2月雇用統計
- 米 1月貿易収支
- 米 1月消費者信用残高
- 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
- 米 バーアナンキ・前FRB議長講演
- 加 カナダ2月失業率
これまで上値を抑えられてきた、102円台後半から103円の水準を
抜けて来ました。103円台前半は1月29日以来ということで、よう
やく上値を覆っていたキャップが取り除かれた感じもします。
しかし小康状態を保っているウクライナ情勢は、オバマ大統領がロシア
に対する制裁を発動したことで新たな段階に入った可能性もあり、今後
ロシアがどうのような行動をとるのかが注目されます。
昨日の動きを見る限り、円が全面安となり市場が再び「リスクオン」に
傾いてきたことから、「新たなレンジ」に入った可能性もありますが、
ここはまだ慎重に見ておくべきでしょう。
これまでドル円は重要な「120日」移動平均線で下落を止められてお
り、この移動平均線を上回って推移している限り、103円から104
円に向けて上昇する可能性はある、と述べてきました。
ただ、そのきっかけになるのは今夜の雇用統計ではないかと
予想していましたが、市場はより小粒な材料である「新規失業保険申請
件数」に反応し、ドル円を103円台に押し上げています。
さらに昨日はECBが政策金利を据え置き、市場に追加緩和観測が高ま
っていたにもかかわらず動きませんでした。
その結果、ユーロが大きく買われ、ユーロ買い円売りが、ドル円を押し
上げた面もあります。
また、豪ドル円も93円台半ばを超え、ポンド円も172円台半ばまで
買われるなど、「円全面安」の展開です。
これらを見る限り、昨年末の円全面安の状況が彷彿されますが、まだあ
の状況とは円を取り巻く環境が大きく異なっていることに注意が必要です。
例えば昨年12月末の米長期金利は3.03%と、3%の大台に乗せてい
ました。
米長期金利の上昇は、日米金利差の拡大につながることからドルが買われ
やすい状況になりますが、少なくとも米長期金利はまだ当時と比べ
0.3%ほど低い水準にあります。
また日本の株式市場も当時とは水準が異なります
日経平均株価は昨日大幅に上昇したとはいえ1万5100円台です。
昨年末の同指数は1万6300円程度であったことを考えると、「出遅れ
感」は否定できません。
株価の上昇は「リスクオン」につながり、低金利の円が売られやすいこと
になります。
このように見ると、昨日は円全面安の展開になったとはいえ、まだ手放し
で円売りを進める環境には至っていないと考えられそうです。
それでもテクニカルを見ると、「日足」では「転換線」が「基準線」を下
から上抜け、「好転」を見せています。
この現象は1月23日以来のことになり、比較的中長期のトレンドが出や
すい「日足」での「好転」は、この先のドル高を予感させてくれるかもし
れません。
NYでのドル円の高値は103円17銭でしたが、この水準もテクニカル
的に言えば「52日線」で上昇を止められたことが確認できます。
このように、上値は「52日線」で抑えられ、下値は「120日線」でサ
ポートされていることから、今後はこのどちらの移動平均線を抜けて行く
のかという点に注目です。
上述のように「日足」で「好転」を見せたことに重きを置けば、ドルの買
い場を探る戦略が適当かと思われますが、ウクライナ情勢にも気を配りな
がらゆっくりと買い下がるスタンスでいいのではないでしょうか。
本日は円安を好感し、日経平均株価も続伸すると見られますがその際、
ドル円がNY市場の高値を抜け、どこまで上昇するのかに注目です。
久しぶりの103円台前半です。
実需のドル売りも103円30銭近辺から上では並びそうです。
それをこなして上昇できるかどうかです。
レンジは102円50銭~103円50銭程度と予想します。
- [2014/03/07 08:55]
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ドル円102円台でもみ合い
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は102円台で堅調に推移。ケリー国務長官とロシアのラブロフ外相が
会談したことで、ウクライナ情勢が好転するとの観測から102円台半ばを
超す場面があったが、ADP雇用者数が市場予想を下回ったことで小幅に下落。
102円30銭前後で取引を終える。 - ユーロドルは1.37台でのもみ合いが続く。ユーロ圏の小売売上高が
好調だったが相場への影響は限定的で、今夜のECB理事会の結果を見極めたい
との雰囲気が広がった。 - 株式市場は前日とほぼ変わらず。雇用関連の指標は市場予想を下回ったが、
株価は堅調に推移。ダウは35ドル下げたものの、ナスダックは6ポイント上昇。 - 債券相場も横ばい。非製造業景況指数が予想に届かず、景気腰折れの思惑が
強まった。 - 金は小幅に反発。原油は予想以上の在庫の積み上がりを受けて続落。
- 2月ADP雇用者数 → 13.9万人
- 2月ISM非製造業景況指数 → 51.6
本日の注目イベント - 豪 豪1月貿易収支
- 豪 豪1月小売売上高
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 英 BOE政策金利発表
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 ダドリー・NY連銀総裁、WSJ紙とインタビュー
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
ウクライナ情勢を睨みながらもドル円は堅調に推移しました。
海外市場では米国とロシアの外相会談を受け、102円台半ばを
超える場面もありましたが、102円70銭あたりから上値の水
準が意識されて、それ以上上値を追う展開にはならなかったもの
の102円台は維持しています。
地区連銀経済報告(ベージュブック)では、全12地区のうち
8地区が「経済活動の改善度合いは緩慢、ないしは緩やかとさ
れた」とされ、ニューヨークやフィラデルフィアの両地区では
「異例に厳しい天候が原因」で経済活動が低下したと報告され
ています。
また、その他の地区でも一部は天候が原因で景気の減速が見ら
れたとの報告もあり、やはり異常な寒波の影響が
経済活動を緩慢にさせたことが明らかになりました。
昨日はこれ以外にも経済指標が発表されましたが、いずれも
軟調な結果になっています。
ISM非製造業景況指数は「51.6」と、低水準でした。
好不況の分かれ目である「50」は超えましたが、2010
年以来の低水準でした。
また、今週末の雇用統計を占う意味で重要なADP雇用者数も、
市場予想の15万人に対して、13万9000人と、こちらも
低調な結果になっています。
さらに前月分も下方修正されており、週末の雇用統計に対する
不安もやや高まって来ました。
それでもドル円は堅調に推移しており、102円台を維持して
います。
102円台後半から上値が重いものの、101円20銭から反
発していることで「底堅い」とも言えそうですが、
ウクライナ情勢の緊迫で円買いが一旦は強まった状況から、
元に戻ったと見るべきでしょう。
依然として101円~103円のレンジ内の動きが続いている
と見られます。
テクニカルでは一目均衡表の「遅行スパン」がローソク足と交
わる水準まで上昇しており、102円60銭を超えることがで
きれば「好転」が見られそうです。
この水準から上値は、ここ1ヵ月以上抜け切れていない水準で
実需のドル売りが集まりやすいレベルでもあります。
これまでにも述べてきたように、この水準を上抜けするには明
確な「ドル買い材料」が必要で、それは米景気が拡大している
というデータに他なりません。
昨日のADP雇用者数は期待外れに終わりましたが、この指標
と本番の雇用統計の結果が大きく異なることはすでに何度も経
験しています。
雇用統計に期待したいと思います。
本日はECBの理事会があり、ここで何らかの追加緩和策が発
表されるとの見方が根強いことからユーロのポジションには注
意が必要です。
予想レンジは101円80銭~102円80銭程度と見ています。
- [2014/03/06 09:08]
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ウクライナの緊張和らぎ円下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 昨日の夕方、ウクライナへの軍事行動を行う必要はないという
プーチン大統領のコメントをきっかけに緊張が和らぎ、ドル円は
101円70銭台から急速に買い戻される。NY時間には、株高
長期金利の上昇などもあり102円28銭近辺までドル高が買い戻され、
高値圏で引ける。 - ユーロドルも欧州時間には1.37台後半まで買われたが、
ドル高が進んだことで1.37台前半まで下落。 - 株式市場は大幅に反発。プーチン大統領の発言に株価が上昇し、
ダウは227ドル高。S&P500は過去最高値を更新する。 - 債券相場はウクライナ情勢の好転から反落。長期金利は大幅に
上昇し、2.7%台に乗せる。 - 前日買われた金と原油は、緊張が和らいだことからともに反落。
本日の注目イベント - 豪 豪10-12月期GDP
- 中 中国 1月サービス製造業PMI
- 中 中国 2月サービス製造業PMI
- 中 中国人民代表大会
- 欧 ユーロ圏2月総合景気指数(改定値)
- 欧 ユーロ圏10月サービス業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏10-12月期GDP(改定値)
- 欧 ユーロ圏1月小売売上高
- 英 英2月サービス業PMI
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 2月ADP雇用者数
- 米 2月ISM非製造業景況指数
- 米 フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
- 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
昨日の午後3時過ぎに、「ロシア軍を一時帰還させる」との一報が流れると、
ドル円は一気に102円近辺までドル高が進みました。
クリミア半島での軍事衝突もあり得る状況から、一転して緊張が緩和
したことで安全資産の円が売られる展開になりました。
ウクライナ情勢というよりも、ここ数日はプーチン大統領の言動に振
りまわされた格好です。
プーチン大統領はその後記者会見を行い、「当面は武力行使を行う必
要がない」と語ると同時に、ウクライナの新政権は違法であることを
強調しています。
緊張が高まっていたクリミア半島情勢が、これでひとまず軍事衝突が
避けられる事態になった背景は、プーチン大統領の高度な政治判断が
あったと思われます。
米国だけではなく、欧州を敵に回すことは今後の経済活動を考えた場
合、得策ではないとの判断が働いた模様ですが、ここはプーチン大統
領の冷静な判断を評価したいと思います。
ウクライナ情勢の好転で欧米株式市場は上昇し、S&P500は最高
値を更新しています。
また安全資産の米国債が売られ、長期金利が上昇したことで、円も主
要通貨に対して大きく値を下げています。
ドル円は102円台前半まで反発し、ウクライナ情勢が緊迫する前の
水準まで戻しました。
ただ、昨日の反発で元の鞘に戻ったというだけで、103円台から上
値が重い状況は変わりません。
米景気の不透明感が増していた所に、円買い材料が加わり、一時10
1円20銭まで円高が進みました。
まだ先行きは分かりませんが現時点では、今回のドル円の下落も結局、
「120日線」でサポートされたことになります。
この移動平均線を割り込めば100円台もあり得ると予想していまし
たが、ひとまずそのリスクは回避されたようです。
ウクライナ情勢は小康状態ということになり、今週は米経済指標の結
果を見極めることになります。
とりわけ週末の雇用統計がどのような内容を示すのかが重要です。
イエレンFRB議長も先週の議会証言で、「一連の軟調な経済指標が
天候によるものなのかどうかを確認しなければならない」と述べてい
ます。(参照:下記 What's going on )
米景気の拡大が確認されるようだと、102円台後半から103円に
かけての「上値の重い水準」を抜けることも考えられます。
上述のように「120日線」で下落が抑えられたことが、次のドル反
発の可能性を残してくれたと言えそうです。
週末の雇用統計を前に、今日も多くの材料があります。
オーストラリアと中国、さらに欧州でも小売売上高などが発表され、
米国ではベージュブックに加え、民間の雇用統計も発表され、材料
には事欠きません。ドル円、ユーロ円ともに神経質な展開が見込ま
れます。
本日のレンジは101円50銭~102円70銭程度と予想します。
- [2014/03/05 08:47]
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米経済指標好調にもドル円上昇せず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はウクライナ情勢が重しとなって上値の重い展開に。
米経済指標は概ね好調だったものの、ロシアがウクライナのクリミア半島
を掌握したとの報道で、欧州市場では一時101円20銭まで円が買われる。 - ユーロドルは反落。ユーロが対円で売られたことに連れて、対ドルでも
1.37台後半から1.37台前半まで下落。 - 株式市場も大幅に下落。ISM製造業景況指数などが市場予想を
上回ったものの、ウクライナでの緊張の高まりを嫌気した売り物が優勢となり
ダウは153ドル安。 - 債券相場は続伸。安全資産の債券には買いが集まり、長期金利は一時
2.59%台まで低下。 - ウクライナ情勢に反応し、金は28ドル上昇し、4ヵ月振りの高値。
原油価格も大幅に上昇し、こちらも5カ月半振りに105ドル目前まで買われる。 - 1月個人所得 → +0.3%
- 1月個人支出 → +0.4%
- 1月PCEコアデフレーター → +1.2%
- 2月ISM製造業景況指数 → 53.2
本日の注目イベント
- 豪 RBAキャッシュターゲット
- 豪 豪1月住宅建設許可件数
- 日 2月マネタリーベース
- 欧 ユーロ圏1月生産者物価指数
- 米 上院で、フィッシャーFRB副議長、パウエル理事、ブレイナー理事の指名公聴会
ロシアがウクライナ南部のクリミア半島を掌握したとの報道があり、ウクライナ
ではさらに緊張が高まっているようです。
ロシア艦隊がクリミアのウクライナ軍に、投降しなければ攻撃すると最後通告を
行ったとの報道もあります。
ロシアは「G7」諸国の警告にも拘わらず強硬姿勢を崩さず、緊迫が高まってい
ます。
ロシアの通貨ルーブルが急落したことでロシア中銀は政策金利を現行の5.5%
から7.0に引き上げました。緊張を背景にマネーは安全通貨の円とスイスフラ
ンに流れ、さらに金や原油など商品にも流入し、商品相場が大きく上昇していま
す。
主要通貨に対して円が買われてはいるものの、ドル円自体は今のところそれ程大
きな動きはありません。
昨日の海外市場でも101円台前半から半ばでゆっくりと推移し、一気に101
円を割り込む動きでもありません。
やはり、昨日発表された米経済指標の改善が支えとなり、ドルの下落を抑えてい
たと見られます。
しかし、リスク資産である主要国の株式市場は軒並み大幅な下落に見舞われてお
り、さらに下落が進むようだと、株安が円買いを誘発することも考えられます。
ケリー国務長官が4日にもウクライナの首都キエフで西側諸国の外交官と協議
することになっていますが、はたして解決に向けた糸口が見つかるかどうか予
断を許しません。
米国は、ロシアの海外資産の凍結や、ビザの発給を停止するなどを検討してい
るようですが、もし実施されれば、これにロシアがさらに反発して緊張が一段
と高まる可能性もあります。
この緊張が続く限り、円に対する需要が後退するとは考えにくく、しばらくは
ウクライナ情勢を確認しながら緩やかな円高が続くと思われます。
下値のメドについては昨日も述べましたが、「120日線」のある101円2
0銭前後で一旦下落は止められています。
今のところこの移動平均線が機能しているように見えますが、ここを割り込む
とその下に「200日線」があり、今度はこの線が意識されます。
「200日線」は現在100円18銭に位置していますが、この移動平均線の
重要さは特別です。
2012年10月に、野田総理と安倍総裁の「党首討論」が行われ、当時の野
田総理が「解散しますよ」と言ったあの時から、ローソク足は「200日線」
を一度も下回っていません。
もしローソク足がこの線を下回ると、約1年半振りのこととなります。
従って、100円前後が非常に強いサポート水準と考えられ、ここを割込む
と、相場観そのものが大幅な修正を余儀なくされると考えられます。
本日のレンジは100円80銭~102円程度を予想しています。
- [2014/03/04 08:35]
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ドル円早朝も101円台前半に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はウクライナ情勢の緊迫感が増したことで円買いが優勢となり
101円67銭まで下落。その後は米経済指標の改善に反応し102円台
前半まで戻すも上値は重く、101円75-85銭で越週。 - ドル安が進む展開からユーロドルでもユーロ買いが活発となり、ユーロは
1.3825まで上昇。昨年12月末以来のユーロ高水準を記録。 - 株式市場は消費者信頼感の改善などを手掛かりに3日続伸。ダウは49ドル高
と1万6300ドル台を回復。 - 債券はウクライナ懸念から買い物を集め小幅に上昇。10年債利回りは2・64%
まで低下。 - 金は反落し、原油は小幅に反発。
- 10-12月期GDP(改定値) → +2.4%
- 2月ミシガン大学消費者信頼感指数(改定値) → 81.6
- 1月中古住宅販売成約指数 → +0.1%
本日の注目イベント - 中 中国 2月非製造業PMI
- 中 中国 1月HSBC製造業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏2月製造業景況感指数(改定値)
- 欧 ドラギ・ECB総裁欧州議会で証言
- 米 1月個人所得
- 米 1月個人支出
- 米 1月PCEコアデフレーター
- 米 2月ISM製造業景況指数
ロシアがウクライナへの軍事介入を決めたことに対し、オバマ大統領は
直ちに警告を与えたものの、ロシアのプーチン大統領がその警告を無視
したため緊迫が一段と高まっています。
米国が6月にロシアのソチで開催される「G8」への参加を見合わせて
いることで、英、仏、カナダなども足並みをそろえ、今後は日、独など
も追随する可能性が高いと思われます。
さらに週末には、中国昆明で無差別襲撃があり、メディアによればウイ
グル自治区の独立派によるテロではないかとの観測が高まっており、
「中ソ」で緊張が高まっています。
先週末の米経済指標は強弱まちまちで、いまいち米景気の拡大を見極め
るには物足りない状況のなか、予想外の緊張の高まりから、安全通貨の
円買いが徐々に強まっている状況です。
週明けのオセアニア市場でも、先週末のNY市場の引け値から30ポイ
ント程円高方向で取引が開始されており、一時101円30銭まで
「ドル安円高」が進んでいます。
先週までは102円台でのもみ合いが続き、この欄でも指摘したように
「日足」のボリンジャーバンドは急速に「縮小」しており、いつ「拡大」
してもおかしくない状況でした。
今朝の同指標は上のバンドが下落から上向きになり、下のバンドも上向
きから下向きに変化し始めて、いよいよ「拡大」し始めたことを伺わせ
ています。
「中国、ロシア」での緊張の高まりを考えると、円高に振れる可能性が
高まって来たと思われます。
「日足」の一目均衡表でも既にローソク足が「雲」を下抜けしており、
下落しそうな形を見せ始めています。
こうなると下値のメドは2月初旬に3日連続でテストして抜け切れなか
った「120日線」で再び下落が抑えられるのかどうかが注目されます。
現在この「120日線」は101円20銭に位置しており、ここを下抜
けすると100円台が見えて来ることになりそうです。
軍事衝突の可能性の高まりから円に対する需要が見込まれ、やや円高方
向に振れ易い状況の中、ドルがしっかりサポートされるには米経済に対
する信任が必要です。
今週は本日、ISM製造業景況指数が発表される他、週末には「2月の
雇用統計」も発表されます。
ドルが再び102円~103円に戻すにはこれらの経済指標で米景気の
底堅さを確認することが不可欠です。
また6日の木曜日にはECBの政策委員会が開催され、ここで追加緩和
が実施される可能性も高まっています。
ユーロは先週末、対ドルで1.38台に乗せ、昨年末以来のユーロ高水
準です。
ドルが売られ易いことから、ドル売りユーロ買いも強まっているわけで
すが、ECBが追加緩和に踏み切ればユーロが再び下落することも考え
られ、そうなるとドル円が下落し、ユーロ円も下落する、「円の独歩高」
という構図も考えられます。
従って、今週は円がどこまで買い戻されるのかを見極める週になりそう
です。
本日は朝方10時に中国の非製造業PMIが発表されます。
既に先週土曜日に製造業のPMIが発表されており、こちらも前月より
弱めの内容になっています。
非製造業PMIが先月の「53.4」に比べ大幅に悪化しているようだ
と、上海株や日経平均株価が下落し円高が進むことも十分考えられます。
本日のレンジはやや広めで、100円50銭~101円90銭程度を予
想したいと思います。
- [2014/03/03 08:56]
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