ウクライナの緊張和らぎ円下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 昨日の夕方、ウクライナへの軍事行動を行う必要はないという
プーチン大統領のコメントをきっかけに緊張が和らぎ、ドル円は
101円70銭台から急速に買い戻される。NY時間には、株高
長期金利の上昇などもあり102円28銭近辺までドル高が買い戻され、
高値圏で引ける。 - ユーロドルも欧州時間には1.37台後半まで買われたが、
ドル高が進んだことで1.37台前半まで下落。 - 株式市場は大幅に反発。プーチン大統領の発言に株価が上昇し、
ダウは227ドル高。S&P500は過去最高値を更新する。 - 債券相場はウクライナ情勢の好転から反落。長期金利は大幅に
上昇し、2.7%台に乗せる。 - 前日買われた金と原油は、緊張が和らいだことからともに反落。
本日の注目イベント - 豪 豪10-12月期GDP
- 中 中国 1月サービス製造業PMI
- 中 中国 2月サービス製造業PMI
- 中 中国人民代表大会
- 欧 ユーロ圏2月総合景気指数(改定値)
- 欧 ユーロ圏10月サービス業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏10-12月期GDP(改定値)
- 欧 ユーロ圏1月小売売上高
- 英 英2月サービス業PMI
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 2月ADP雇用者数
- 米 2月ISM非製造業景況指数
- 米 フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
- 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
昨日の午後3時過ぎに、「ロシア軍を一時帰還させる」との一報が流れると、
ドル円は一気に102円近辺までドル高が進みました。
クリミア半島での軍事衝突もあり得る状況から、一転して緊張が緩和
したことで安全資産の円が売られる展開になりました。
ウクライナ情勢というよりも、ここ数日はプーチン大統領の言動に振
りまわされた格好です。
プーチン大統領はその後記者会見を行い、「当面は武力行使を行う必
要がない」と語ると同時に、ウクライナの新政権は違法であることを
強調しています。
緊張が高まっていたクリミア半島情勢が、これでひとまず軍事衝突が
避けられる事態になった背景は、プーチン大統領の高度な政治判断が
あったと思われます。
米国だけではなく、欧州を敵に回すことは今後の経済活動を考えた場
合、得策ではないとの判断が働いた模様ですが、ここはプーチン大統
領の冷静な判断を評価したいと思います。
ウクライナ情勢の好転で欧米株式市場は上昇し、S&P500は最高
値を更新しています。
また安全資産の米国債が売られ、長期金利が上昇したことで、円も主
要通貨に対して大きく値を下げています。
ドル円は102円台前半まで反発し、ウクライナ情勢が緊迫する前の
水準まで戻しました。
ただ、昨日の反発で元の鞘に戻ったというだけで、103円台から上
値が重い状況は変わりません。
米景気の不透明感が増していた所に、円買い材料が加わり、一時10
1円20銭まで円高が進みました。
まだ先行きは分かりませんが現時点では、今回のドル円の下落も結局、
「120日線」でサポートされたことになります。
この移動平均線を割り込めば100円台もあり得ると予想していまし
たが、ひとまずそのリスクは回避されたようです。
ウクライナ情勢は小康状態ということになり、今週は米経済指標の結
果を見極めることになります。
とりわけ週末の雇用統計がどのような内容を示すのかが重要です。
イエレンFRB議長も先週の議会証言で、「一連の軟調な経済指標が
天候によるものなのかどうかを確認しなければならない」と述べてい
ます。(参照:下記 What's going on )
米景気の拡大が確認されるようだと、102円台後半から103円に
かけての「上値の重い水準」を抜けることも考えられます。
上述のように「120日線」で下落が抑えられたことが、次のドル反
発の可能性を残してくれたと言えそうです。
週末の雇用統計を前に、今日も多くの材料があります。
オーストラリアと中国、さらに欧州でも小売売上高などが発表され、
米国ではベージュブックに加え、民間の雇用統計も発表され、材料
には事欠きません。ドル円、ユーロ円ともに神経質な展開が見込ま
れます。
本日のレンジは101円50銭~102円70銭程度と予想します。
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- [2014/03/05 08:47]
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