米雇用者数市場予想を上回る
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 注目された2月の雇用統計では、失業率は0.1%上昇したものの、
非農業部門雇用者数は市場予想の15万人前後を上回り17万5000人。
良好な結果を受けてドル円は102円台後半から上昇し、103円77銭まで
ドル高が進んだがその後は利食いのドル売りに押され103円30銭近辺で引ける。 - ユーロドルは大幅続伸。一時は2011年11月以来となる1.3915まで
ユーロ高が進み、ユーロ円も143円台後半まで買われた。 - 株式市場は続伸したものの、ウクライナ情勢への懸念もあり小幅高にとどまる。
ダウは30ドル高、ナスダックは16ポイント下落。 - 雇用の伸びを嫌気した売りに押され債権相場は4日続落。長期金利は1月下旬
以来となる2.79%台まで上昇。 - 金は反落し、原油は大幅に上昇。
- 2月非農業部門雇用者数 → 17.5万人
- 2月失業率 → 6.7%
- 1月貿易収支 → 391億ドルの赤字
本日の注目イベント
- 日 10月-12月GDP(改定値)
- 日 2月景気ウォッチャー調査
- 中 中国 全人代(13日まで)
- 欧 ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
- 米 予算教書
2ヶ月連続で市場予想を大きく下回り、悪天候のせいばかりではないのでは
ないかといった懸念も広がっていた米雇用統計は、市場予想の15万人前後
を上回る17万5000人と発表され、寒波が続いていた割には依然として
雇用の拡大が継続されていることが確認できました。
失業率は前月から0.1ポイント悪化しましたが、1月と12月の雇用者数
も上方修正され、雇用に対する不安はひとまず払拭された格好です。
雇用統計の結果を受けてドル円は力強く上昇し、103円77銭までドル高
が進みました。
これは1月23日以来のドル高水準でしたが、1週間前に101円台前半ま
で円が買われたことを考えると円の下落スピードはやや早すぎるのではない
かとの印象があります。
しかも、円が買われた理由がウクライナでの緊張の高まりであったわけで、
そのウクライナ情勢は依然として予断を許しません。
ウクライナ南部のクリミア自治共和国では、ロシアへの編入を問う住民投
票が16日に予定されている状況でクリミア自治共和国の議長はロシアへ
の編入に意欲的です。
投票が実施されれば、ロシア系住民が有権者の6割を占めるだけに編入が
支持される可能性は決して低くはありません。
そのような事態になると、欧米のロシアに対する制裁は今のところ限定的で
すが、さらに拡大されることも考えられ、ロシアを刺激することもなりそう
です。
今後も「リスクオン」と「リスクオフ」が繰り返される展開が予想されます。
先週、ドル円は「日足」で見ると、下値は「120日線」でサポートされ、
上値は「52日線」で抑えられていると指摘しましたが、103円77銭ま
で上昇したことで、一旦は「52日線」を抜けましたが、その上の「雲」に
抑えら反落しました。
ただ、この「雲」は比較的薄いため上抜けしやすいものと思われます。
ウクライナ情勢にもよりますが、しばらくは102円から103円台でもみ
合いを続け、いずれ上抜けするものと予想します。
米雇用の拡大が緩やかに続いていることが確認されたことを考慮すれば、1
00円台を割り込むリスクはかなり遠のいたものと思われます。
ドル円は104円20銭レベルを上抜けできれば、上記「雲」を完全に抜け
るだけではなく、「遅行スパン」も「雲」と「52日線」を抜けることにな
り、チャート上ではさらなる上昇が期待できそうです。
予想が難しいのはユーロドルです。
先週末には1.39台前半まで買われましたが、背景はその前のECB理事
会で政策金利の据え置きを決めたことがあろうかと思います。
イタリアなど南欧諸国の債権には資金が流入しているところに、市場の「リ
スクオン」がやや加速したためユーロ買いに勢いがつき、ストップロスの買
いも発動されたと推測できます。ただユーロ圏の景気にとってはユーロ高は
避けたいところです。
ユーロ圏金融当局者からのユーロ高を懸念する発言にも注意したいところで、
ECBによる追加緩和の可能性も依然としてくすぶっています。
本日のレンジは102円60銭から103円60銭程度を予想します。
スポンサーサイト
- [2014/03/10 09:03]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
- | HOME |