ドル円200日線を下回ってスタート
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は東京市場で101円30銭前後までドル安が進んだが、
NY市場では消費者マインドが上方修正されたこともあり、ややドルが
反発。101台半ばで引け、値動きは小幅に留まる。 - ユーロドルは1.36台前半から半ばで一進一退。ユーロ円が
小幅に反発したことでユーロ買いが優勢だった。 - 株式市場は軟調な展開だったものの、引けにかけては買いが入り、
ダウは小幅に反発。S&P500も3ポイントの上昇。 - 債券相場は横ばい。ただ週間ベースでは約1ヶ月振りの
大幅高となった。 - 金は反発し、原油は続落。
- 6月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値) → 82.5
本日の注目イベント - 日 5月鉱工業生産
- 欧 ユーロ圏5月マネーサプライ
- 欧 ユーロ圏6月消費者物価指数(速報値)
- 米 6月シカゴ購買部協会景気指数
- 米 5月中古住宅販売成約指数
- 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
- 加 カナダ4月GDP
先週末の東京市場では、株安の影響もありドル円が緩やかに下落し、
重要な節目と見られていた「200日線」を明確に割り込ました。
ドル円は一時101円30銭近辺まで売られ、NYは小動きのなか
ややドルが買い戻されましたが、週明けの月曜日も101円45銭
辺りで取引が始まったため、「200日線」より下方で取引されて
おり完全に下回った格好になっています。
日々のローソク足が「200日線」を下回るのは、2012年11月
14日以来となり、実に1年半ぶりということになります。
1年半前といえば、安倍政権発足の直前で、「デフレからの脱却」の
訴えていた時期です。ここから大きな円安ドル高のトレンドが形成さ
れたわけですが、それ以来割れたことのない「200日線」を割り込
んだと言うことは、テクニカル的には大きな意味を持っていると思わ
れます。
足許でのドル円は低ボラテリティーが続いているため、ここからドル
が急落する可能性は少ないものの、しばらくは大きなドル買い材料で
も出ない限り、ドルは上値の重い展開が続くと予想されます。
前回5月の100円台では急速の買い戻された経緯があるため、ドル
円が100円台まで下落すれば、そこそこドル買い需要もありそうで
すが、焦点は100円70-80銭レベルが維持されるかどうかとい
う点です。
もし、今回もこの水準を試し割り込まずに押し戻されるようなら、再
び103円台まで反発することも考えられますが、今回のドル安は、
対円だけではなく、豪ドルやNZドル、あるいはカナダドルに対しても
売られています。
やはり、米長期金利の低位安定と、経済指標が好調にもかかわらず政策
金利の引き上げ時期が遠のいていることが背景かと思われます。
今週は6月の米国雇用統計が発表されます。
通常週末の金曜日に発表される同指標ですが、今週4日は独立記念日の
ためNY市場は休場です。そのため同指標は、前日の3日に発表されま
す。この日はECBの理事会もあり、ドラギ総裁の次の一手も注目され
ているため重要な日になります。さらに3日には新規失業保険申請件数
やISM製造業景況指数が発表され、他にも中国では製造業PMI、
オーストラリアでも重要な経済指標が発表され、まさに「スーパー・サ
ーズデー」といっても過言ではありません。
本日は月末であり、また四半期末でもあります。
やや実需のドル買いも多いのではないかと思われますが、仲値が決まっ
た以降の動きには注意したいと思います。
また急速に回復傾向を見せていた日経平均株価も、先週後半以降下げに
転じています。1万5000円の大台を維持できるかどうかも、為替に
影響を与えそうです。
予想レンジは101円~101円70銭程度とします。
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- [2014/06/30 08:56]
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ドル円再び下落基調を強める
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は個人消費支出が予想を下回ったことや、株安、金利低下
を背景にドル売りが強まり、一時101円48銭まで下落。
注目の「200日線」を一時的に割り込んだものの、その後ドルは反発し
101円70-75銭で取引を終える。 - 1.36台前半で堅調に推移していたユーロドルも1.36を
割り込むと売りが加速し1.3576まで下落。その後はユーロ円の
反発とともに1.3615近辺まで買い戻される。 - 株式市場は反落。軟調な経済指標に加え、セントルイス連銀総裁が
利上げが早まる可能性があると発言したことが材料視された。
ダウは21ドル下落し、他の株価指数も反落。 - 債券相場は3日続伸。5月の個人消費が予想を下回る伸びとなったことや、
失業保険申請件数も予想したほど減少していなかったことで買い物を集める。
長期金利も2.53%台まで低下しドル下落を誘った。 - 金は7営業日振りに反落し、原油価格も下落。
- 新規失業保険申請件数 → 31.2万件
- 5月個人所得 → +0.4%
- 5月個人支出 → +0.2%
- 5月PCEコアデフレーター → +1.5%
本日の注目イベント - 日 5月失業率
- 日 5月消費者物価指数
- 独 独6月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏6月景況感指数
- 欧 仏1-3月期GDP(確報値)
- 英 英1-3月期GDP(確報値)
- 米 6月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)
タカ派の一人であるブラード・セントルイス連銀総裁は昨日NYでの講演で、
「低い実質金利の維持を正当化するのはますます厳しくなる」と述べ、米国
の利上げは考えられているより早く始まる可能性があることを示唆しました。
米国の利上げが早まること事態はドル買い材料でしたが、軟調な経済指標に
株価の下落と、長期金利の低下が加わり、ドル円は一時101円48銭まで
売られ、約1ヶ月振りの円高水準をつけています。
今週に入り、102円台も徐々に重くなってきたドル円でしたが注目は日足
の「200日線」を維持できるかどうかでした。
昨日のNY市場では101円48銭までドルが売られたことで、一時的にこ
の移動平均線を下回りましたが、その後101円75銭近辺まで戻して取引
を終えたことで、「かろうじて維持」できた格好になっています。本欄執筆
時(7時15分)時点でも、ちょうどこの「200日線」辺りで推移していま
す。
ドル円は今年に入って何度も「200日線」割れをテストして来ましたが、
結局一度も明確に割り込んだことはありません。
したがってこの移動平均線は「かなり強い支持線」と見られており、逆に
この線を明確に割り込んだらドル売りが加速するのでないかと見られてい
ます。その意味では、今日はこの「200日線」の攻防と言ってもいいか
もしれません。
ドルは円に対してだけではなく、豪ドルなど他の主要通貨に対しても売ら
れています。2.6%台で安定を見せていた米長期金利が再び下げ基調を
強め、足許では2.53%台まで低下してきました。
また、NYダウは1万7000ドルの大台を前に一進一退を続け、一時ほ
どの勢いはありません。
国内に目を向けても、発表された安倍政権の成長戦略の中身は「合格点」
だとの評価もありますが、サプライズもなく、市場ではやや失望感が優
勢のようです。
そんななか、ドル円はジリジリと上値を切り下げていますが、依然とし
てボラティリティーが5.8%(3ヶ月)と、低水準に留まっているた
めドル円の急落にはつながっていません。そのため、さらにここからド
ルが売られてもそのスピードは緩やかなものと思われます。
ややドルの買い方に分が悪い状況が続いていますが、ここは次の重要指
標の内容を見極めたいところです。来週には6月の雇用統計も発表され
ます。月も替わり、今年も後半に入るわけですから、この辺りでドル円
も動きを取り戻してほしいと願っております。
本日のレンジは101円20銭~101円90銭程度を予想したいと思
います。
- [2014/06/27 08:58]
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GDP下方修正を受けドル全面安
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 101円台後半で推移していたドル円は、米経済指標の
悪化にドル売りが強まり、一時101円62銭までドル安が進む。
ただGDPの悪化が金融政策の変更につながるとの見方はなく、
引けにかけては101円83-88銭近辺まで反発。 - ユーロドルでもドル安が進み、一時2週間振りに1.3651
まで買われる。ECBの次の一手を見極めたいとしながらも
ユーロが買い戻される流れが続く。 - 株式市場は3日振りに反発。GDPがマイナス成長になった
ものの、モンサントが100億ドル相当の自社株買いを発表した
ことが好感され、ダウは49ドル高。 - 債券相場は続伸。GDPや耐久財受注が軟調だったことを受け
債券買いが進んだ。10年債利回りは2.56%台まで低下。 - 金は続伸、原油は3日振りに反発。
- 5月耐久財受注 → -1.0%
- 1-3月期GDP(確定値)→ -2.9%
本日の注目イベント - 英 カーニー・BOE総裁講演
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 5月個人所得
- 米 5月個人支出
- 米 5月PCEコアデフレーター
- 米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
ドル円は101円90銭近辺でほぼ「固定相場化」していましたが、
NY市場に入ると経済指標が軒並み市場予想を下回ったことでドル
売りが加速。ドル円は一時101円62銭までドル安が進行しまし
た。1-3月期のGDP確報値は「-2.9%」と、改定値を大き
く下回ってしまい、この冬の悪天候の影響から下方修正と見られて
いたものの、悪天候の影響だけではないとの見方も出てきました。
今回の確報値は、事前予想では「-1.8%程度」と予想されてい
ましたが、実際にはそれを大きく下回る内容でした。
事前に、改定値よりは下方修正されるとの見方がコンセンサスだっ
たため、市場の動揺は限定的でしたが、今回の下方修正幅は、現行
の3段階推計方式が始まった1976年以来最大だそうです。
(ブルームバーグ)
このため、市場の見方は「それ程悪天候がひどかった」というもの
と、「悪天候だけでは説明できない」とする見方に分かれているよ
うです。個人的には、米景気がリセッションに陥る可能性は極めて
低いと思われ、前者の意見に組したいと考えます。
株価の反発などがそれを物語っていると言えるでしょう。
雇用、住宅など、主要な経済指標を見る限りFRBの金融政策の変
更を促すものはありません。
ドル全面安の展開から、ユーロドルも1.3651まで買われ、E
CBが次回の理事会ではさらなる緩和策を発表する可能性もあるな
か、ユーロの買戻しが進行しています。チャートでは1.3670
近辺まで戻る可能性がありますが、ここに「日足」の「200日線」
があることから、重要な値位置になりそうです。
もっとも、このレベルまでユーロドルが戻れば、「遅行線」がロー
ソク足を上抜けする「好転」が実現するため、もう一段の上昇も無い
とはいえません。
ただ、ECBの緩和策の実施を考慮すれば、やはりユーロの「売り場」
を探すスタンスは維持したいところです。
さてドル円も約2週間振りに101円60銭近辺まで落ちてきました。
再び意識されるのは「200日線」です。
昨日のNYでの下落も101円62銭で止められ、やはりこの移動平
均線で下落を止められた格好になっています。
現在「200日線」は101円66銭近辺にあるため、今日の東京時
間もこの線を巡る攻防になりそうです。
仮にこの水準を割り込むと、次のサポートは101円40-45銭近
辺で、その下は101円20銭前後と見られます。
足許の動きはややドルの下方を試す展開になっていますが、それでも
ドル円のボラティリティーはさらに低下しています。
今年のドルの最安値である100円75銭レベルを割り込まない限り、
下落スピードも緩やかなものとなりそうです。
予想レンジは101円50銭~102円10銭程度と、こちらも昨日
とそれほど変わりません。
- [2014/06/26 08:54]
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BOE総裁発言でポンド円売られる
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は米住宅関連指標や消費者信頼感指数が上振れした
ことで102円17銭まで買われたが、株価の大幅下落に反応し
101円台後半まで押し戻されて引ける。 - ユーロドルは1.36台を挟みもみ合う。ドイツifo景況感指数が
予想を下回ったことで1.3625近辺から失速し、1.3595辺りまで
売られる。 - 株価は大幅に続落。経済指標は好調だったものの、中東での
緊張の高まりを嫌気して3指数とも下落。 - 債券は反発。中東情勢が悪化したことで安全資産の債券への
需要が高まり、長期金利は2.57%台まで低下。 - 金は5日続伸。一方原油は3日続落。
- 4月ケースシラー住宅価格指数 → +10.82%
- 5月新築住宅販売件数 → 50.4万戸
- 6月消費者信頼感指数 → 85.2
- 6月リッチモンド連銀製造業指数 → 3
本日の注目イベント - 米 5月耐久財受注
- 米 1-3月期GDP(確定値)
ドル円はNY市場で経済指標が好調だったことを受け、一時102円17銭
まで上昇したものの、その後株価が下落し、長期金利が低下したことで10
2円を割り込み、結局元の「定位置」に戻った形になりました。
経済指標のなかでも特に。消費者信頼感指数は「85.2」と、先月の「8
2.2」から大幅に上昇し、2008年1月以来の高水準でしたが、それで
もドル円は102円台を維持できず、上値の重さを確認させられた格好です。
また、新築住宅販売件数も50万4000戸と、こちらも2008年5月以
来の高水準で、前日の中古住宅販売件数も高水準だったこととあわせ、住宅
市場が急回復していることを示す結果になっています。
今後は個人消費の拡大にもつながりやすく、米経済にとっても下支えになる
と考えられます。
しかしそれでもドル円は株価の大幅下落や、長期金利の低下に反応し101
円台後半まで押し戻されています。
株価は午前中は堅調に推移していたものの、午後ウォールストリート・ジャ
ーナル(WSJ)がシリアの戦闘機がイラク西部を攻撃し、50人以上が死
亡したと報じたことがきっかけとなり大幅な下げにつながりました。
好調な経済指標も中東情勢の悪化に打ち消され、今後もイラク情勢とウクラ
イナ問題は地政学的リスクとして、円買いに結びつきやすい状況が続きそう
です。
利上げのタイミングが近づいていると見られるポンドが、対ドルで1.70
25レベルから1.69台後半まで急落しました。
BOEのカーニー総裁が下院財政委員会で「労働市場に想定していたよりも
大きな余剰能力があることを賃金動向が示唆している」と証言し、利上げ開
始の正確なタイミングは「このデータに左右される」と述べたことがきっか
けでした。
同総裁は今月12日の講演で、利上げは「市場が予想している時期より早い
かもしれない」と述べ、ポンド高につながった経緯がありましたが、昨日の
証言では、利上げはあくまでも経済データ次第であることを強調しました。
この結果、ポンド円も173円台半ばから173円割れまで下落しています。
方向感が出ず、動きも非常に鈍くなっているドル円ですが、ブルームバーグ
は、ドル円の3ヶ月ボラティリティー(変動率)は昨日一時5.715%ま
で低下し、これは同社がデータを取り始めた1995年12月以来最も低い
と伝えています。同指数は現在でも5.78%で推移しており、市場の多く
の専門家がドル円は動かないと予想していることになります。
予想レンジは101円50銭~102円20銭程度と、昨日と変わりません。
- [2014/06/25 09:00]
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ユーロドル1.36台を維持できるか?
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は101円台後半でもみ合うも小動き。
住宅関連指標が市場予想を上回ったものの、為替への
影響はなく、101円90-95銭で引ける。 - ユーロドルは堅調に推移。1.35台後半から1.36台
に乗せたが、ドイツのPMIが軟調だったこともあり、
1.36台では上値を押さえられる。 - 株式市場はまちまち。GEなど工業株が安かったことで
ダウは9ドル安。一方ナスダックは小幅に上昇。 - 債券相場は反落。中古住宅販売件数が約3年ぶりの大幅な
伸びを見せたことで、10年債には下落圧力となった。
長期金利は2.672%台まで上昇。 - 金は4日続伸で1318ドル台まで上昇。原油は反落し106ドル台に。
- 5月中古住宅販売件数 → 489万件
本日の注目イベント - 独 独6月IFO景況指数
- 米 4月ケースシラー住宅価格指数
- 米 5月新築住宅販売件数
- 米 6月消費者信頼感指数
- 米 6月リッチモンド連銀製造業指数
ドル円は102円台を維持できずに下落したものの、現在101円63銭前後
にある「200日線」を割り込むには至らず、依然としてもみ合いが続きレン
ジ相場を抜き切れない状況が続いています。中国のPMIが節目の「50」を
上回ったことも、相場への影響は限定的でした。
6月も残すところあと僅かですが、今の所相場がどちらかに大きく動き出す気
配はありません。ここ半年の値幅は概ね101-103円台で推移し、今年
の高値と安値をとっても5円以内の値幅です。個人的にはいつ動き出してもお
かしくないと思っていますが、動き出す材料がなかなか見つかりません。
今週後半には米国のGDP確定値や、PCEコアデフレーターなど重要指標が
発表されますが、市場は既に来週の「6月の雇用統計」の結果に期待している
部分もあるようです。
昨日は中古住宅販売件数が発表され、前月比4.9%増の489万戸でした。
増加率は2011年8月以来最大で、懸念されていた住宅市場も底堅い動き
を見せています。
これは住宅ローン金利が低水準で安定している上に、株価の上昇が資産効果
をもたらし、値ごろ感から住宅購入を決断する人が増えているものと思われ
ます。
住宅の購入は、関連してその他の消費財の購入にもつながり、米住宅市場が順
調に伸びていけば、個人消費や小売売上高の上昇につながりそうです。
137円台まで下落したものの、その後順調に値を戻してきたユーロ円は13
8円台後半で一旦上昇を押さえられた格好になっています。
テクニカル的には139円台を回復すれば、もう一段反発する余地もありそう
ですが、138円90銭前後にある「200日線」(日足)を上抜けできるか
どうかがポイントになりそうです。
もっとも、そのためにはユーロドルが1.3615レベルを明確に上抜けする
必要があります。
昨日もユーロドルは1.36台の乗せると上昇を抑えられる動きが何度も確認
されています。
ECBの包括的な緩和策を考えれば、上値が重いことは理解できますが、1.
35台をしっかり維持できているのも事実です。
ドラギ総裁は「まだ終わりではない」と、さらなる緩和策を示唆していました
が、ECBの「次の一手」が非常に注目されます。
本日も大きな値動きは期待できそうもありません。
米長期金利が2.6%で安定する気配を見せていることや、株式市場も高値警
戒感があるものの堅調です。
また日本の株式市場も「NISA」効果から、個人投資家が徐々に株式市場に
向かっているようです。
基本的には「リスクオン」がベースになっていると考えられます。
本日のレンジは101円50銭~102円20銭程度を予想します。
- [2014/06/24 08:58]
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FOMCを受け、ドル全面安
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- FOMCの結果を受け、ドル円は102円38銭まで上昇
したものの、緩和的な政策は続くとの見方からドルは下落。
長期金利の低下もあり、101円88銭まで売られ、
101円90-95銭で引ける。 - ユーロドルもドル安の流れを受け反発。1.36ちょうどまで
ユーロ高が進んだが、1.36台維持には失敗。 - 株式市場は揃って続伸。FOMCでは景気が回復しているとの認識を
示しながら、低金利は相当な期間維持されることからダウは98ドル高
と、1万6900ドル台を回復。S&P500は15ポイント高で
最高値を更新。 - 債券相場は急反発。FOMCでは成長率予測を引き下げ、低金利が
継続されるとの見方から債券への需要が高まる。長期金利は2.59%
台まで低下し、ドル安を誘引。 - 金は反発し、原油は続落。
本日の注目イベント - 英 英5月小売売上高
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 5月景気先行指標総合指数
- 米 6月フィラデルフィア連銀景況指数
注目のFOMCでは、予想通り債券購入額を100億ドル減額し、毎月350
億ドルにすることを決定。声明文では、経済活動はここ数ヶ月で持ち直して
きたことを示しながらも、緩和的な政策が引き続き適切との認識を示しまし
た。
前日には、消費者物価指数が市場予想を大きく上回る上昇を示したことか
ら、一部には利上げのタイミングが前倒しになることを伺わせる発言がある
のではないかとの見方もありましたが、結果的には中立だったと受け止め
ています。
政策発表後の記者会見でイエレン議長は、利上げのタイミングについて「経
済データが強めの内容を示せば時期が早まることになるが、反対に弱めの内
容を示せば遅れることもあり得る」と発言し、これまで通り経済データを総合的
に分析して判断するとの考えを改めて示しました。
また、同時に議長はFRBのバランスシートについて「極めて大きなバランスシ
ートをしばらくの間持ち続けるだろう」と述べています。
FOMCの声明文と、それに続くイエレン議長の記者会見を受けて、緩和的な
金融政策が継続されるとの基本的な考えから、株価は4日続伸し、債券相場
も上昇し、長期金利が急低下しました。その結果、ドル円ではドル安円高が進
み、ユーロも対ドルでは1.3600までユーロ高が進行しています。
ドル円は昨日日経平均株価が上昇したことで、102円31銭まで
ドル高、円安が進み、短期的な「1時間足」では、上値の抵抗線を
ブレイクしました。昨日もこの欄で述べましたが、それでも102円台半ばを上抜
けするのは簡単ではないと予想しました。
それは、102円30-60銭の間には、「4時間足」や「8時間足」、さらには「日
足」にも重要な移動平均線が集まっており、それらを全てブレイクするには「材料
不足」と予想したからです。ドル円は結局101円台後半まで押し戻された格好に
なっています。
米長期金利はなかなか2.6%台を維持できません。
ただ5月に見られたように、急低下するような状況とも見られません。
今月には101ー103円のレンジを抜けるのではないかと「予想」と「期待」をし
ていましたが、残念ながらまだその気配はありません。
引き続き株価の行方と長期金利の動向がドル円に大きな影響を与える構図は
変わりま
せんが、日経平均株価が昨日の取引で1万5100円台を回復したことは好材料です。
GPIFの運用方針見直しなどの期待感から上昇傾向を見せ始めてきましたが、今後
予想以上の上昇を見せればドル円を押し上げることも考えられます。
ただ現状では売買代金の増加が見られていません。
一段の上昇には内外を問わず、さらなる資金流入が不可欠です。
本日のレンジは101円50銭~102円30銭程度と、再び先週後半のレンジに戻
った感もあります。
==================================
都合により明日(20日)と、来週月曜日(23日)の「アナリストレポート」は
お休みとさせていただきます。
ご愛読の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解くださいますよう
お願い申し上げます。
- [2014/06/19 08:56]
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米CPI上昇でドル円102円台を維持
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は102円を挟む展開から、米5月のCPIが市場予想を
上回る強さを示したことを受け102円24銭まで上昇。ここ最近の
レンジの上限でもみ合い、102円14-18銭で引ける。 - ユーロドルは1.35台半ばを超えると売られる展開。
独ZEW景況感指数が軟調だったことで1.3536まで売られたが
明確な方向性は見られず。 - 株式市場は続伸。CPIの発表を受けて下げる場面もあったが、
小型株を中心に上昇。ダウは27ドル高で1万6800ドル台を回復。 - 5月のCPIの伸びが加速したことで債券は大幅安。10年債利回りは
2週間振りに2.65%台まで上昇。2年債利回りも一時0.49%と
昨年9月以来となる水準を記録。 - 金はドルが買われたことから反落。原油も利益確定の売りに押され
続落。 - 5月消費者物価指数 → +0.4%
- 5月住宅着工件数 → 100.1万件
- 5月建設許可件数 → 99.1万件
本日の注目イベント - 日 日銀金融政策決定会合議事要旨(5月20日、21日分)
- 日 5月貿易収支
- 英 BOE議事録
- 米 FOMC政策発表
- 米 イエレン議長記者会見
- 米 バーナンキ・FRB前議長講演
ドル円は小動きの中、昨日の東京タイムからジリ高となり、102円台を回復。
102円台ではレベル感からドル売り意欲も強く、101円台後半に押し戻さ
れる展開でした。NY市場に入ると5月の消費者物価指数(CPI)が、市場
予想を上回る、プラス0.4%と発表されたことで、インフレ圧力が強まると
の観測から長期金利が上昇し、ドル円は102円24銭まで買われました。
米長期金利は2.65%台まで上昇し、2年債利回りも一時は昨年9月6日以
来となる0.49%台まで上昇し、0.48%で引けています。
米金利の上昇で日米金利差が拡大し、ドル買い円売りにつながったものの、明
日未明に行われるイエレン議長の記者会見では、米景気に対する強気の発言は
出ないとの見方が有力で、このままドル高が進み、103円を目指す展開でも
ないように思えます。
ただそれでも、米長期金利の低下傾向は5月で終わり、今月に入ってからは上
昇局面が目立つようになっています
ショートカバーの買戻しが5月で終わり、需給面からの相場への影響が少なく
なっていると考えられます。
昨日の朝方に発表されたRBAの議事録で、緩和的な政策が当面適切であると
の内容から豪ドルが急落しました。
市場はやや利上げを示唆するような内容か、あるいはニュートラルな内容を想
定していましたが、現在の緩和的な政策姿勢は「当面はなお適切である公算が
大きい」との文言に対ドルでは、0.9390レベルから、0.9330近辺
まで売られました。
また、豪ドルの水準についても「歴史的基準に照らし、依然高めである」との
認識を示したことも豪ドル売りを加速させました。
ただ対円ではドル円がやや円安方向に振れたこともあり、依然として95円台
前半を維持しております。95円15銭近辺には「雲」の上限がり、さらにそ
のすぐ下には「52日線」も来ていることから、「95円が維持できるかどう
か」がポイントになりそうです。
本日は朝方に日本の5月の貿易収支が発表されます。
4月は8117億円の貿易赤字で、赤字幅が縮小していましたが、5月は既に
上中旬の赤字幅が1兆円を超えているため1兆円超えは確実の情勢で、どこま
で赤字幅が拡大するのかが注目されます。赤字幅の程度によってはドル円が一
段上値を試すことも考えられますが、それでも102円台半ばを上抜けする
のは簡単ではありません。
どこまで上値を取りに行くのかを確認したいと思います。
イエレン議長の記者会見は明日未明の3時からの予定になっています。
予想レンジは101円60銭~102円50銭程度と予想します。
- [2014/06/18 08:54]
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ポンドドル2009年以来の1.70台乗せ
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は米経済指標が好調だったにもかかわらず上値の重い展開。
イラク情勢がさらに緊迫してきたことで、101円台後半でもみ合う。 - ユーロドルは反発。1.3513まで下落した後、1.3580まで
反発。上値が重いとの見方があるものの、1.35が抜け切れない
展開が続く。 - 株式市場はイラク問題が重石となっている中、NY連銀製造業景況指数が
先月よりも上昇していたことを好感し、小幅ながら続伸。 - 債券相場は僅かに反発。IMFが米成長見通しを下方修正したことで
やや買われた。長期金利は2.6%を若干下回る水準に。 - 金はイラク情勢を反映して小幅ながら6日続伸。原油は反落。
- 米 6月NY連銀製造業景況指数 → 19.28
- 米 5月鉱工業生産 → +0.6%
- 米 6月NAHB住宅市場指数 → 49
本日の注目イベント - 豪 RBA議事録
- 独 独6月ZEW景況感指数
- 英 英5月生産者物価指数
- 英 英5月消費者物価指数
- 米 FOMC(18日まで)
- 米 5月消費者物価指数
- 米 5月住宅着工件数
- 米 5月建設許可件数
ドル円は昨日の東京タイムに101円72銭までドル安が進み、上値の重い
展開で取引を終えました。この流れから、海外市場でもドルが売られ101
円台前半までのドル安を想定していましたが、結局NYでは上値が重い展開
ながら、東京時間に記録した101円72銭を下回ることもありませんでし
た。このところのボラティリティーの低下に加え、本日から始まるFOMC
を控え様子見ムードが強かった模様です。
特に昨日はNY連銀製造業景況指数や鉱工業生産などが、市場予想を上回っ
たなかでもドルの上値が重い展開でした。
言うまでもなくイラク情勢の緊張が円買いを促しているからです。
昨日もイラク軍と、過激派グループでの攻防戦がさらに拡大し、米国がイラ
ンと共同で介入する可能性も高まってきました。
このような事態では「安全通貨」の円が買われやすく、さらに金と原油も買
われています。金は6月2日には1244ドルまで一貫して売られた後、昨
日は1275ドルまで買い戻されています。また、原油価格も昨日は日中に
一時107ドル台半ばまで上昇し、昨年9月以来約9ヶ月振りの高値を記録
しました。
今年はウクライナ問題や今回のイラク問題など、予期せぬ「リスク」が勃発
し、米金利の低下傾向とともに、円の買い圧力になっている側面もあります。
本日からFOMCが始まり、明日にはイエレン議長の記者会見が予定されて
います。現在450億ドルの債券購入を、100億ドル減額することはほぼ
間違いないと思われますが、イエレン議長がどのような景気認識を示すかど
うかに注目が集まっています。
もし、米景気に対する強い自信を見せるようだと、現在早くても2015年
後半と見られている利上げのタイミングが前倒しになるとの見方からドル高
に振れる可能性があります。
もちろん、弱い景気認識を示すようだと債券が買われ、長期金利が低下して
ドル安の流れが加速することに
なりますが、足許の米経済指標から判断すると、その可能性は低いと思われ
ます。ドル円は再び日足の「200日線」に近づきつつあります。
現在その値位置は101円57銭前後にあります。
今年に入って何度も下抜けを試して、結局は押し戻された重要な移動平均線
です。このサポートラインが完全に下抜けするのか、あるいは再度粘り腰を
見せて押し返すのかどうかが
今年後半のドル円相場に大きく影響してきそうです。
本日のドル円レンジは101円40銭~102円20銭程度を予想したいと
思います。
- [2014/06/17 08:48]
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円、ユーロとも小動き
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はイラク情勢の不透明感からやや円買いが優勢のなか、
102円台を割り込む場面もあったが総じて小動き。102円台
前半に戻して越週。 - ユーロドルも小動き。135台前半から1.35台半ばでもみ合う。
- 株式市場は3日振りに反発。インテル株やM&Aなどが上昇要因に
なったが、原油価格の上昇が上値を押さえた。ダウは41ドル高で取引を
終える。 - 債券相場は横ばいで、10年債利回りも2.6%とほぼ変わらず。
- 金は小幅ながら4日続伸。原油も3日続伸し107ドル台に迫る。
- 5月生産者物価指数 → -0.2%
- 6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)→ 81.2
本日の注目イベント - 欧 ユーロ圏5月消費者信頼感(改定値)
- 米 6月NY連銀製造業景況指数
- 米 5月鉱工業生産
- 米 6月NAHB住宅市場指数
先週末には日銀決定会合があり、その後の黒田総裁の記者会見での為替
の反応が心配されましたが、円高方向には振れたものの、今回はその勢
いも限定的でした。
木曜日のNYダウは100ドルを超える下げを見せたことから、金曜日
の日経平均株価は寄付きから140円を超える下落で始まったものの、
午後からは急速に買い戻され、120円を超えるプラスで
終わったことも、ドル買いの安心感につながったようです。
安倍政権の「成長戦略」の骨子が出揃いました。
注目の「法人税減税」については「数年以内に20%台に」という目標
になっており、達成時期と、20%台の、上なのか下なのかがあいまい
な印象は残りましたが、それなりに評価される内容だったようです。
今後日本企業の「税引き後収益」がかさ上げされ、それが株主配当など
に回されれば、株価の上昇につながるといった見方もできます。
何よりも日本企業の競争力が高まることになり、ますます海外企業に対
するM&Aが活発になると予想されます。
ドル円は102円を挟む水準で推移しています。
米長期金利も一時ほどの低下傾向を見せず、2.6%前後で推移してい
ることから100円台へのドル安懸念はやや後退していますが、それで
もウクライナ情勢が依然として緊迫していることに加えて、イラクでも
イスラム過激派との銃撃戦が緊張を高めており、円がいつ買い戻される
のか予断は許しません。
ドル円は依然として101-103円のレンジ内で取引されており、
「6月の成長戦略」が発表される時期にはレンジを抜けて動き出すので
はないかと予想していましたが、まだその気配はありません。
今年もまだ半分以上残していますが、もしかしたら「2014年は異例
な低ボラティリティーの年」になるのかもしれません。
米シティーグループなど、大手金融機関では「投資銀行部門」の人員削
減を発表していますが、これは市場のボラティリティーの低下が続いて
いることで、収益機会がなくなっていることに対応したものと思われます。
2014年FIFAワールドカップもいよいよ始まり、市場のボラティリ
ティーはさらに低下することも予想されます、このような状況下では高金
利通貨に資金が向かいやすいことから、円など低金利通貨が売られること
も考えられます。
NZ円や、豪ドル円などをキープする方法が考えられますが、既に水準は
高く、なかなかロングで入れないのも事実です。
ここは慌てずに様子をみるしかありません。
先週末に発表になったシカゴの通貨先物市場では、円売りポジションが3
週連続で増えていました。昨年12月をピークに減少していた円売りポジ
ションは5月の27日を底に、徐々に増え始めたのが特徴的です。
今後も彼らのポジションの推移も注意深く見て行きたいと思います。
本日のレンジは101円70銭~102円40銭程度を予想しています。
- [2014/06/16 08:56]
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ドル円再び101円台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は軟調な米経済指標を受け再び102円を割り込む。
小売売上高が市場予想に届かなかったことから、株安、金利低下に
つながり、ドル円は101円60銭近辺まで売られる。 - ドル安が進んだことでユーロドルは上値が重いものの底堅く推移。
1.35台前半から1.35台半ばでもみ合い、ECBの次の動きを
探る展開。ドル円が大きく下落したことで、ユーロ円は2月6日以来となる
137円72銭まで下落。 - 株式市場は続落。軟調な小売売上高を嫌気して、ダウは2日連続で
100ドルを超える下げを見せる。 - 債券相場は続伸。株安に加え、失業保険申請件数も増加していたことで
債券への需要が拡大。長期金利は2.6%台を割り込む。 - 金は4日続伸。原油はイラクでの混乱を材料に急騰。約9ヶ月振りに
106ドル台まで上昇。 - 5月小売売上高 → +0.3%
- 新規失業保険申請件数 → 31.7万件
本日の注目イベント - 日 日銀金融政策決定会合
- 中 中国 5月工業生産
- 中 中国 5月小売売上高
- 欧 ユーロ圏4月貿易収支
- 米 5月生産者物価指数
- 米 6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
ドル円は再び円高ドル安方向に傾きつつあります。懸念していたNY
株式市場でダウは連日100ドルを超える下げを演じ、その他主要指
標も軒なみ下げています。円が買われる場面があるとすれば、株式市
場の下落がきっかけになる可能性を指摘してきましたが、ここ数日の
動きはその通りになってきています株安が進んでいるため、長期金利
も再び低下傾向を示していますが、それでも昨日の水準はまだ2.6
%をやや下回った水準で、大幅に低下している状況ではありません。
ドル円は一時101円60銭前後まで下落し、テクニカル的には再び
日足の「200日線」が意識され始めて来ました。
前回、100円82銭を記録した際にもこの「200日線」では結局
下抜けできず反発しました。この時のドル安への流れのきっかけは、
日銀決定会合後の黒田総裁の記者会見でした。そして偶然にもこの局
面で、今日午後3時半から再び黒田総裁の会見が予定されています。
これまで過去3ヶ月連続で日銀総裁の記者会見直後からはドルが売ら
れ円が買われる流れが続いています。市場の追加緩和観測を後退させ
る発言に終始していることから、発言するたびにわずかな期待がはが
れる展開になっており、本日も「インフレ率は所期の目的どおりに上
昇している」、「景気は想定通りの回復を見せている」といった発言
があれば、市場はドル売りで攻める可能性があります。
昨日も東京時間では株安の割りにはドル円が粘り腰を見せ、102円
台前半を維持していました。それを見て、一時200円を大きく超え
る下落を見せていた日経平均株価も70円程度まで下げ幅を縮小
する場面もありましたが、結局海外市場で水準を変えられています。
日足では小さな「三角保ち合い」を下抜けしたのが前日の下落であっ
たため、徐々に上値が重くなっています。
上記「200日線」を下抜けするようなら、101円の節目、そして
これまで全て反発してきた100円台後半が試される展開も想定され
ます。
結局ドル円は、先々週に102円80銭まで上昇し、その後102円
台で10日ほどもみ合いを続けてきましたが上値が重く、今回は下値
を試すサイクルに入った印象もあります。
引き続きNY株式市場の行方と、長期金利の動向が注目されますが、
現時点では100円を割り込む状況ではないし、その勢いを感じ取る
ことはできません。
101円ー103円のレンジが続くとは考えますが、いつものように
予断は禁物です。
クロス円全般を見渡すと、やはり金融政策の差がそのまま相場に反映
されていると感じます。ECBの包括的緩和の実施で、ユーロは全面
安の展開が続き、ECBがさらに追加緩和に踏み切るのかどうかが相
場の動きを難しくしています。
一方、昨日今年三回目の利上げに踏み切ったNZドルは堅調に推移し、
さらにNZの連続利上げから、同じ政策スタンスを取るのではないか
との連想で豪ドルもしっかりです。
またポンドも、利上げの時期が投資家の想定よりも早くなる可能性があ
ると発言したカーニーBOE総裁の発言を受け、対ユーロでは201
2年11月以来の高値水準を記録している状況です。
本日のレンジは黒田日銀総裁の記者会見があることから、やや下落方
向で考えたほうがベターかもしれませんが、
市場が既に想定していることから発言に反応しないことも考えられます。
どちらかと言えば「レンジの下方」に近いことから、利益確定の買いが
先行することもあり得ます。
といったことで、101円~102円20銭程度のレンジを予想します。
- [2014/06/13 09:05]
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ドル円10日振りに101円台後半
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 102円台を維持してきたドル円は、欧州市場では
株価の下落に反応し、約10日振りに102円を割り込み
101円86銭までドル安が進む。NY市場では目だった動意もなく、
102円を挟んでもみ合い、同水準で引ける。 - 前日急落したユーロドルは1.35台前半から半ばで一進一退。
ドル円が円高に振れた分、、ユーロ円は一時4ヶ月振りとなる
137円88銭までユーロ安が進行。 - ポンドは失業率が市場予想より改善したことを受けて上昇。
対ドルでは1.67台半ばから1.68台に乗せる場面も。 - 株式市場は大幅に反落。世銀が世界経済の見通しを下方修正したことや
欧州株が軟調だったことを受けダウは100ドルを超える下落。 - 債券相場は横ばい。10年債入札が低調だったことで、朝方の上昇分を
相殺した格好に。10年債利回りは前日と変わらず2.64%。 - 金は3日続伸。原油も反発。
- 5月財政収支 → -1300億ドル
本日の注目イベント - 豪 豪5月雇用統計
- 欧 ECB月例報告
- 欧 ユーロ圏4月生産者物価指数
- 欧 ユーロ圏4月鉱工業生産
- 米 5月小売売上高
- 米 新規失業保険申請件数
ドル円の方向をややドル高円安方向に見ていましたが、昨日の欧州時間
にあっさり102円台を割り込み、10日振りに101円86銭まで下
落しました。これといって目立ったドル売り材料が出たわけでもなく、
あえて探せば、世銀が世界経済の成長率を下方修正したことや、高騰を
続けていた欧州株が下落して、日経平均先物も1万5000円の大台を
割り込んだことが挙げられます。
ただ世銀の下方修正は、前日のIMFの成長率の下方修正に沿ったもの
で、材料としては新鮮味に欠けるとの印象でしたが、それでもいつもの
ように下落時のスピードは、緩慢な相場展開が続いていた最近の相場展
開の中では、目を引く動きでした。
昨日の下落でドル円は、「日足」の「三角保ち合い」を下抜けしていま
す。NY市場では一段の下落には至っていないため、まだ「MACD」
ではデッドクロスを完成していませんし、かろうじて「プラス圏」に留
まっています。ここからさらに下落するようだと、再び「レンジ相場の
下限」を試す可能性も出てくることから、ここ数日の値動きは重要です。
仮に101円台半ばが割れるようだと、「200日線」を下抜けするこ
とになり、再び100円-103円の膠着相場が抜け切れないことにな
ります。
NY株式市場がさすがに反落しました。
なにしろNYダウに至っては今月に入って、前日比で下落したのは2回
しかありません。そして史上最高値を更新したのは5回もあります。
上昇のスピードが早すぎるといえます。1万7000ドルを目前に反
落したのもある意味健全な調整といえるでしょう。
一方債券相場は昨日のように株価が大きく下落すると買われ、利回りが
低下するのが一般的です。しかし、昨日も長期金利は2.64%を維持
し低下していません。
先週からはこれまでの動きを修正するように「株高債券安」の流れにな
り「リスクオン」が進みました。米モルガンスタンレーは顧客向けのレ
ターで「米国債をできるだけアンダーウェート」にするよう提案してお
り、大手のヘッジファンドにも同様な動きが見られます。
市場が再びドル円の下値を試す雰囲気になりつつありますが、米長期金
利が現在の水準を維持しているのであれば、それ程深い下押しはないと
予想されます。
通貨オプション市場でも、リスク・リバーサル(1ヶ月物、25デルタ)
のマイナス幅が縮小し、「ドル高円安」を予想する市場参加者が増えて
いることを示しています。
本日は日経平均株価も軟調に推移しそうです。
株価がどの程度下げるかにもよりますが、レンジは101円50銭~
102円30銭程度を予想します。
- [2014/06/12 08:54]
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ユーロさらに下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は102円台半ばを上値に徐々に下落。日経平均株価が
1万5000円を割り込んだこともあり102円30銭辺りまで
ドル安が進む。海外市場でも102円20銭近辺まで下げたが
そこから反転し、102円35銭近辺で引ける。 - ユーロは一段と下落。東京時間では1.3590近辺で小動き
だったが、欧州からNY時間では1.35台前半まで売られる。
ユーロ円も約2週間振りに138円台半ばまでユーロ安が進む。 - 株式市場はまちまち。連日の上昇で高値警戒感も出るなか、
ダウは小幅ながら5日続伸で最高値を更新。S&P500は
0.4ポイント下落。 - 債券相場は3日続落。3年債入札での落札利回りが高水準だった
ことが嫌気され、長期債も下落。長期金利は5月12日以来となる
2.64%台まで上昇。 - 金は続伸し、原油は反落。
本日の注目イベント - 英 5月失業率
- 米 5月財政収支
世界的に株高が進行するなか、欧州の株式市場でも上昇が続いています。
昨日の欧州株式市場では、指標のストックス欧州600指数が約6年ぶ
りの高値を更新しています。
ECBが先週決定した追加緩和が一段と株高につながるとの見方が支配
的になっていることが背景です。
ECBの政策が実施されるに伴って、今後徐々に資金がだぶつくとの観
測から、先回りをした資金が株式市場などに流れていると見られ、同時
にユーロ売りも加速しています。
ユードルは先週のECBの政策決定直後にユーロ売りが加速し、一時
1.3503まで売られましたが、その後急速に値を戻し、1.36台
後半まで反発するなど荒っぽい展開になりましたが、ようやく落ち着き
を取り戻し、政策を反映し徐々にユーロが売られる展開になって来ました。
昨日の海外市場ではユーロドルが1.3535近辺まで売られ、先週の安
値には届いていませんが、2月の安値に並んだ形です。
既に「日足」では重要な「200日線」を割り込んでおり、次の下値のメ
ドは先週の安値である1.35近辺とさらに下値では「週足」の「雲」と
「200日線」が位置する1.34前後ということになります。
ユーロはそれでもイタリアやスペインなどの国債に資金が流入しており、
さらに中国が外貨準備の一部をドルからユーロにシフトしているのでは
といった観測もあります。
市場の流れが米長期金利の反発を背景に「ドル高」に進んでいることで、
「ユーロ売りドル買い」が居心地がいいといった側面もあります。
ドル円は102円台半ばから上値が徐々に重くなって来ており、このま
までは再び「元のレンジ相場」に戻りそうな気配もあります。
ただそれでも昨日の下落では102円20銭前後がサポートされており、
何よりも米長期金利が2.64%台まで上昇するという「援軍」がドル
円の下落を抑えている状況です。
また、上述のように「ドル買いユーロ売り」が活発になっていることも
ドル円をサポートしています。
「日足」を見ると、やや小さな「三角保ち合い」(さんかくもちあい)
を形成しております。
上値は4月4日に記録した104円13銭を頂点に右下方向に抵抗線を
引くことができます。
一方下値では、5月21日の100円82銭を底値に右上方向に支持線
を引くことができます。
現在、その頂点は102円52銭辺りで、足許の値動きはこの頂点に向
かって推移しており、「雲」の中で今後の方向を模索している状況と見
ることができそうです。
今月下旬に発表される予定の「成長戦略」の骨子も徐々に明らかになっ
てきました。
法人税減税やGPIFの運用見直しに加え、働き手の確保や労働時間規
制の適用除外などが具体化し始めましたが、ややサプライズに欠ける印
象を拭い切れません。
このままでは昨年6月のように「失望」につながりはしないかと危惧し
ております。
本日も特段これといった材料がありません。
「閑散に売りなし」という格言もありますが、値動きは小幅にならざる
をえない状況です。
レンジは102円~102円80銭程度を予想します。
- [2014/06/11 08:47]
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ユーロ主要通貨に対して全面安
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は特段の材料もなく小動き。102円40銭近辺まで売られる
場面もあったが、102円台半ばを挟んでもみ合い。 - ユーロは主要通貨に対して下落。先週のECBの包括的緩和策がじりじりと
効いてきたとの意見もあり、対ドルでは1.36台半ばから1.3582近辺まで
売られた。対円でも139円台後半から139円26銭までユーロ安が進む。 - 株式市場は小幅ながら上昇。ダウは18ドル高と4日続伸し、S&P500
とともに連日の最高値更新。 - 債券相場は続落し、長期金利は再び2.60%台まで上昇。米投資銀行が
米国債について「最大限のアンダーウェート」を進めたことが手がかり。 - 金は反発し、原油は大幅に続伸。原油は米景気の回復基調が強まるとの
見方が背景。
本日の注目イベント - 日 5月マネーストック
- 中 中国 5月消費者物価指数
- 中 中国 5月生産者者物価指数
- 英 英4月鉱工業生産
昨日のドル円は102円65銭を頭にじり安の展開になったものの、102
円40銭近辺では下げ止まり、NYでは米長期金利の上昇や、株高によるリ
スクオンからドル円は底堅く推移しています。
一方ユーロは主要16通貨に対して大きく売られ、ユーロ全面安の展開でし
た。
ユーロは先週のECBによる包括的緩和策が効を奏してきたのか、ジリ安の
流れになっており、主要政策金利であるリファイナンス・オペの最低応札金
利が0.1ポイント引き下げられ0.15%になったことから、円と同様に
「キャリートレード」の対象通貨とみなされてきた可能性が高いと見られま
す。
金利の低い通貨を調達し、その通貨を売って金利の高い通貨を買い、金利差
を享受するというのがキャリートレードですが、円が代表的な通貨と見られ
てます。
ただし、このトレードが活発になるには「低ボラティリティー」が継続する
と予想されることが条件です。ボラティリティーが高くなれば、金利差どこ
ろではありません。
金利差を大きく上回る為替差損が発生するリスクがあるからです。
個人投資家が「豪ドル円」を買ってスワップポイントを狙う取引もこれとま
ったく同じです。
ドル円は102円台で堅調に推移していますが、さらに上昇するには、昨日
も述べましたが「日足」の「120日線」と「雲」の上限を抜けることが必
要です。
今朝のその値位置は102円63銭辺りまで降りてきています。
ここをしっかりを上抜けし、先週記録した102円80銭を抜ければ、10
3円台が見えてくるはずです。
今回の102円台でのもみ合いは、ややひいき目に見れば、これまでとは異
なっているようにも見えます。ウクライナでの緊張が高まったなか、FRB
による利上げ観測が2015年後半から2016年に先延ばしになるとの観
測が広がり、さらに日銀による追加緩和観測も後退し、いずれもドル安円高
要因でしたが、結局100円を割り込むことはできませんでした。
「円高ドル安」に賭けている投資家にとっては「ドルは底堅い」という捉え
方をしているものと思われます。
同じ相場を見てもポジションを持っている方向で、「ドルが底堅い」と見え
るのか、あるいは「ドルの上値が重い」と見えるのか異なって来ます。
ドル円は結局重要な「120日線」を割り込めなかったし、「100円の大
台」を割り込めなかったことは今後、大きな意味を持つと考えています。
もっとも、まだ市場の相場観はまちまちで、それがドル円相場を膠着させて
いる一因でもあります。
従って、102円台でのもみ合いがまだしばらく続くことは十分考えられま
すが、それでも102円台が維持されれば、いずれ上値をテストすると予想
しています。
今朝の新聞でも「円売り復調の兆し」という見出しが躍っていましたが、こ
のような見出しが掲載されると「反対方向」に動くことがままあるため、や
や気にはなります・・・。
本日のドル円は昨日と同様に、102円20銭~103円程度を予想します。
- [2014/06/10 08:47]
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米雇用者数4ヶ月連続20万人超え
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は雇用統計発表直後102円11銭まで下落したが、
株式市場が大幅高となり、長期金利も上昇したことを好感し
102円台半ばまで値を戻して引ける。 - ユーロドルは一時買われ、1.36台後半まで上昇。
その後はドル高の流れにジリ安となり1.36台前半まで売られる。 - 株式市場は大幅に続伸。雇用者数が市場予想を上回ったことで
ダウ、S&P500はともに連日の最高値更新。ナスダックも
最高値に迫る。 - 債券相場は雇用統計を受け下落。週間ベースでも3ヶ月振りの
大幅安となる。長期金利は2.59%まで上昇して引ける。 - 金は反落し。原油は反発。
- 米 5月失業率 → 6.3%
- 米 5月非農業部門雇用者数 → 21.7万人
- 米 4月消費者信用残高 → 2684億ドル
本日の注目イベント - 豪 シドニー市場休場(女王誕生日)
- 日 1-3月GDP(改定値)
- 日 4月国際収支
- 日 5月景気ウォッチャー調査
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 米 グアテマラ・ボストン連銀総裁講演
- 加 カナダ5月住宅着工件数
先週末の雇用統計発表直後、ドル円は先月と同じよう売られ、一時102
円11銭までドル安が進みましたが、そこからがこれまでとは違いました。
流れを変えたのはNY株式市場です。
ダウとS&P500は連日で史上最高値を更新し、ダウは今週にも史上初
の1万7000ドル台を記録するのではといった強気な見方もでてきたよ
うです。また、ナスダック指数も最高値が視野に入ってきています。
背景は雇用者数が市場予想を上回る21.7万人で、失業率も6.3%と
予想より改善したことです。雇用者数はこれで、FRBが目標とする20
万人を4ヶ月連続で上回ったことになります。
米雇用統計が改善傾向を維持していることに加え、ECBが積極的な緩和
策を決めたことも株式市場にとっては追い風です。
さらに今期の米企業業績も順調に拡大するとの調査もあり、やや過熱感を
感じながらも株式を買っている状況です。
株価が上昇すれば投資家にとっては「リスク許容度」が増し、より高金利
の通貨に資金を向け、より低金利の通貨を売るという行動に出やすいこと
になり、ドル円の上昇要因になります。ドル円は先週一時102円80銭
までドル高が進んだ後やや調整気味になってはいますが、その後は一度も
102円台を割り込むことはありませんでした。
この動きは、やはりこれまでの動きとはやや異なるのではないかと思われ
ます。
上値の重い展開が続いてきたドル円は、ある程度相場観も固定化されてお
り、103円前後では「ドルの天井」と観たドル売りも出やすい状況です
が、今度102円80銭を上抜けするようだと103台での展開も観られ
ると予想しています。
国内に目を向けても、安倍首相は法人税減税の前倒しを指示し、2015
年から実施されそうです。
これは海外投資家が最も関心を持って成り行きを注目していた事柄の一つ
です。もちろん日経平均株価にとっても好材料です。
さらに年金運用のGPIFもどうやら、資産配分を株式にシフトすること
が決まりそうな状況です。
大手証券会社の試算によれば、現在17%強の株式への配分を20%に上
げれば、長い目で見ればドル円を「10円程度」円安に押し上げる効果が
あるとレポートしています。
どうやら年後半は、昨年観られたように「ドル高、株高」が、ようやく復
活するのではないかと考えております。
中国景気の動向や、やや明るい兆しの見えてきたウクライナ情勢など、ま
だドルの下落リスクは残っていますが、日欧が大規模な緩和政策を維持し、
米国がテーパリングを進めている状況下では、円とユーロがドルに対して
下落することに違和感はないと思われます。懸念材料としてはNY株価の
連日の高騰です。企業業績を伴った上昇とはいえ、過熱感は否めません。
本日のレンジは102円20銭~103円程度を予想します。
- [2014/06/09 08:47]
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ドル円102円台半ばで堅調に推移
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は東京市場で102円80銭まで上昇した後もみ合い、
ADP雇用者数が市場予想を下回ったことから102円44銭まで
売られた。その後は経済指標が上振れたことや、長期金利が2.6%台まで
上昇したことから再び上昇し102円73-38近辺で引ける。 - ユーロドルは本日のECB理事会を前にもみ合い。1.36を挟み
上にも下にも動意を見せず小康状態。 - 株式市場は朝方は小安く始まったものの、ISM非製造業景況指数が
好調だったことから切り返し、ダウは15ドル高。S&P500も
小幅ながら最高値を更新。 - 米国債は5日続落。非製造業景況指数が予想以上に上昇したことから
売りが優勢となり、長期金利は5月13日以来となる2.6%台を回復して
引ける。 - 金、原油は小幅に反落。
- 米 5月ADP雇用者数 → +17.9万人
- 米 4月貿易収支 → 472億ドルの貿易赤字
- 米 5月ISM非製造業景況指数 → 56.3
本日の注目イベント - 豪 豪4月貿易収支
- 中 中国 5月HSBC製造業PMI(速報値)
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 欧 ユーロ圏4月小売売上高
- 英 BOE政策金利発表
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 加 カナダ5月失業率
ドル円は昨日の東京時間昼ごろ102円80銭まで上昇しましたが、
そこからは緩やかに反落し、NYでは朝方ADP雇用者数が市場予想
に届かなかったことから102円44銭まで売られました。
順調のドル高が進んだことから、やや調整も必要なタイミングにな
ってきた感じもしますが、一旦売られても底から切り返すところが、
今回のドルの反発がこれまでとはやや異なるところです。
ドル円はその後ISM非製造業景況指数が上振れしたことで、株価が
反発し、長期金利が2.6%台まで上昇したころでドル高が進み、結
局102円75銭近辺まで買われてNYでの取引を終えています。
昨日のドルの高値102円80銭は、テクニカル通りの動きで、昨日
のこの欄でも述べたように「日足」の「雲」の上限と、そのすぐ上に
位置する「120日線」にしっかりと止められた格好になっています。
また、NY時間での下値についても、「1時間足」の「52日線」が
サポートする102円44銭で下落を止められているのが見て取れます。
ここからの展開ですが、やはり103円に乗せるにはさらなるドル買い
材料が必要です。
本日のECBの政策決定や失業保険申請件数などの上振れが考えられます
が、本命は明日の雇用統計です。これらがドル支援材料に傾いてくれれば
103円乗せも十分考えられます。もちろん昨日のADP雇用者数のよう
に下振れすることもあるため注意が必要ですが、その際の下値のメドも確
認しておく必要があります。
上記テクニカルから判断すれば、102円52銭、102円42銭、そして
「日足」の「52日線」の102円23銭という水準が導き出されます。
また、上値では昨日の高値である102円80銭と、心理的な節目である
103円です。103円01銭は、先月の雇用統計直後に記録したドルの
高値であることから、この水準では実需のドル売りや、利益確定のドル売
りが並ぶことは想像に難くありません。
米金利が連日反発していることや、株価も堅調に推移し、とりわけ日経平均
株価が「ようやく」先高感を見せていることでドル円にはやや買い安心感が
出てきました。
「100円台後半から103円のレンジ」を今回のドル高で「上方にレン
ジ抜けしたのか」といった質問も出てきました。
レンジ抜けと判断するにはまだ時期尚早だと考えます。
103円台にしっかり乗せて、その水準を固める動きが出るまではまだ慎重
な見方は必要です。
ウクライナ情勢や日本の成長戦略の中身など、まだ円買いが活発になる可能
性は残っています。もうしばらくは状況をしっかりと見極める必要があると
思います。
ユーロドルは1.36を挟み、ECB理事会前のポジション調整に終始してい
る状態です。
追加緩和に踏み切るのはほぼ間違いないと思われますが、同時に市場がそれ
をかなり織り込んできていることも事実です。
ユーロのポジションも先安観測を背景に、ショートが積みあがってきている
と予想されます。
決定内容にもよりますが、材料出尽くしからユーロが買い戻されることも
十分考えられます。
そしてドラギ総裁の会見が非常に注目されることは、昨日述べた通りです。
昨日本日のレンジは、イベントリスクを考えて102円20銭~103円
30銭程度にしたいと思います。夕方、安倍首相が「G7]首脳会議を終
えてブルッッセルで記者会見をおこなうことになっています。
「G7]で議論された内容について触れるのか、また「第三の矢」であ
る成長戦略についても触れる可能性があるかもしれません。
- [2014/06/05 09:19]
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ユーロ圏HICP低下で緩和観測強まる
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は堅調に推移。米長期金利がさらに上昇したことを受け、
102円50銭を超えたが、水準的にもドル売りが集まりやすいと
見られたところでもあり、102円55銭で上昇が抑えられた。 - ユーロドルは反発。ユーロ圏のインフレ率が低下したが、
ECBの追加緩和でもユーロを一段と押し下げるには不十分との
見方が台頭。ユーロドルは欧州市場での1.35台後半から
1.3648まで買われた。ユーロ円も約3週間振りに139円台後半に。 - 株式市場は小幅に反落。前日最高値を更新していたこともあり、
ECBの政策発表前にポジション調整の売りが出た模様。
ダウは21ドル下落し1万6722ドルに。 - 債券相場は4日続落し、長期金利は5月13日以来となる
2.6%台に乗せる。投資家の間で、先週の相場上昇は行き過ぎだった
との見方が広がり、改めて債券を売り始めたとの報道も。 - 金価格は7日振りに反発したが上昇幅は僅か。
原油も小幅に反発。
本日の注目イベント - 豪 豪1-3月期GDP
- 欧 G7首脳会議(ブリュッセル)
- 欧 ユーロ圏1-3月期GDP(改定値)
- 欧 ユーロ圏5月製造業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏5月サービス業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏4月生産者物価指数
- 英 英5月サービス業PMI
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 5月ADP雇用者数
- 米 4月貿易収支
- 米 5月ISM非製造業景況指数
これまで米長期金利の「謎の低下」で上値を抑えられてきたドル円は、
その長期金利が反転し上昇に向かったことで素直にドル買いが優勢となり、
NY市場では102円55銭までドル高が進行しました。今朝までの24
時間を見ても、102円を割り込んでいないばかりか、102円30銭前
後でサポートされていることも見て取れます。
この欄でも再三述べているように、足許のドル円は株価の動きよりも、長
期金利の動きにより連動しています。昨日もNY株式市場が反落したにも
かかわらず、ドル円は堅調に推移しました。それは米長期金利が大幅に上
昇し、約3週間振りに2.6%台まで上昇したことが背景です。
先週は一時2.41%台まで低下し、市場関係者が「謎の金利低下」とそ
の理由を探すのに苦労をしましたが、将来の債券下落(金利上昇)を見込
んだ売りポジションが、重要な節目の2.5%を割り込んだことで損出覚
悟の買戻しが出たという説明が、どうやら説得力がありそうです。
株価が上昇していた中での、債券高はそう長く続く現象ではありません。
JPモルガンチェースが顧客を対象に調査したデータでは、2日までの1
週間の米国債投資家心理指数によると、ネットショート(売り持ち)は29
ポイントで、その前の週は18ポイントだったことを示しています。
(ブルームバーグ)
おそらく現時点でのショートポジションは急激に減少していることと思わ
れます。結局はポジションの巻き戻しが長期金利を2.41%台まで急低
下させた可能性が高いということになります。
さて、ドル円は先週末の101円台後半からゆっくりとですが、着実に上
昇してきました。日経平均株価も1万5000円台を回復し、底割れのリ
スクがやや後退していることも投資家心理を好転させています。
日銀による「追加緩和」観測が後退している状況は変わりませんが、12
8兆円を運用するGPIFの運用方針変更もポジティブに捉えられています。
ドル円は102円55銭まで上昇して頭を抑えられた格好ですが、ここから
上には「雲」があり、その上には「120日線」が控えています。
102円70銭を明確に上抜けすることができれば、103円も見えてきそ
うでうが、ここはこれまでの数ヶ月間、テストしては押し戻されてきただけ
に簡単には抜け切れないと見ています。
それでもその水準から大幅な下落を見せなければ、ブレイクすることは想像
に難くありません。
年末にかけてドル安を見込んでいる市場参加者も多くいます。
そのため、103円前後では確実にドル売りも持ち込まれると思われます。
それらのドル売りをこなして上昇できるかどうかがポイントになります。
103円台半ばを超えることができれば、ドルの先安を予想している人た
ちも、相場観の変更を余儀なくされるのではないかと予想しています。
ユーロ圏の消費者物価指数が0.5%に低下したことで、明日のECB理
事会での「追加緩和」の可能性がさらに強まりました。
しかしユーロドルは売られ、ユーロは対円でも139円台後半までユーロ
安が進んでいます。「ECBの追加緩和」がかなり織り込まれていること
の証左です。
こうなると、景気刺激策は「あわせ技」になることが予想されますが、重
要なのはその後のドラギ総裁のコメントです。
さらに緩和策をとる用意があるなど、次の緩和に積極的な発言をするかど
うかでユーロの水準が大きく変わることも予想されます。
本日のレンジは102円10銭~102円80銭程度と予想します。
東京タイムでは大きく売られることは考えにくいものの、103円を試す
とも思えません。
- [2014/06/04 09:18]
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ドル円1ヶ月振りに102円台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は東京時間で上昇し102円台に乗せた流れを受け
さらに上昇。経済指標や株高、長期金利の上昇を手がかりに
102円49銭まで買われ、1ヶ月振りのドル高水準を記録。
その後やや下落するも高値圏で引ける。 - ドル高が進み、ユーロドルも再び1.36台を割り込む。
ドイツの消費者物価指数が予想を下回ったことでユーロ売りが進み
1.3588まで売られた。 - 株式市場はISM製造業景況指数が発表後2度も訂正されたことも
あり、動きが定まらずまちまち。ダウとS&P500は最高値を更新し、
ナスダックは小幅に下落。 - 債券相場は大幅に反落。製造業景況指数が前月を上回ったことや
株高を背景に売り物が膨らんだ。長期金利は約1ヶ月振りに2.52%台
まで上昇。 - 金はドル高に押され6日続落。原油も続落し102ドル台に。
- 5月ISM製造業総合景況指数 → 55.4
本日の注目イベント - 豪 豪4月小売売上高
- 豪 RBAキャッシュターゲット
- 日 5月マネタリーベース
- 中 中国 5月非製造業PMI
- 中 中国 5月HSBC製造業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏4月失業率
- 欧 ユーロ圏5月消費者物価指数(速報値)
- 米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
ドル円は昨日の東京時間に102円台に乗せ、102円09銭まで上昇
しました。
日経平均株価が予想以上に伸び、一時は先週末比330円ほど上昇する
場面もあり、株価の下落によるドル安の懸念がやや後退しています。
それでも102円台に乗せると、実需などのドル売りも旺盛で、重要な
レジスタンスである102円20-30銭近辺を抜けたのはやはり海外
市場でした。
NYではドル買い材料が揃い、一時は102円49銭まで上昇し、上記
レジスタンスの上抜けに成功しています。ISM製造業景況指数が途中
2度も訂正されながらも、結局前月を上回り、株式市場ではダウ平均と
S&P500が史上最高値を更新し、さらに、これまでドル円の上値を
抑えてきた長期金利は1ヶ月振りに2.52%台まで上昇し、ドル高を
牽引しました。
ドル円は102円に入ると売りに押され、徐々に103円が遠くなって
いましたが、「米金利低下」という重石が一旦取れたようにも思え、今
度は100円割れが遠のいてきた印象があります。
まだこのまま昨年末のような明確な上昇トレンドに入ったとは思えませ
んが、徐々に上値でのドル売りをこなして緩やかなドル高が進むことは
十分考えられます。
テクニカルを見ると、「8時間足」までの短期的な時間足では、重要な
移動平均線は全て上抜けが完了しています。
また「MACD」もプラス圏に入っており、上昇機運が伺えます。
「日足」では、102円50銭前後に「雲」があり、その上の102円
70銭には「120日線」が控えているため、102円50-70銭辺
りが次の重要なレジスタンスと考えられます。
ただこの「雲」の厚さをみると、それ程厚みもなく、材料次第では抜く
ことはそれ程難しくないと予想されます。
また102円台半ばを大きく超えれば、「ストップ」のドル買いも持ち
込まれる可能性があります。
今年も約半分が過ぎ、ドル円は市場が予想した動きと逆行しているのが
現状です。
日米のファンダメンタルズや金融政策の違いが昨年末と変わっていない
とすれば、日柄的にもそろそろ変化のタイミングを迎えてもおかしくあ
りません。
103~105円に向かうにはまだ簡単ではありませんが、好調な米景
気に伴う日米金利差の拡大で年後半には、ドルが堅調に推移していくと
いうメインシナリオは維持しておきたいと思います。
本日も為替が円安に振れたことで株価は堅調に推移しそうです。
日経平均株価が1万5000円に乗せ、この大台を維持できれば、上
記重要な水準を試す動きも考えられます。
102円~102円80銭程度を予想レンジにしたいと思います。
- [2014/06/03 08:51]
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今週は重要イベントが目白押し
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米経済指標はまちまちの上、今週の重要イベントを控えている
ことからドル円は小動き。101円半ばから後半で推移し、この日の
高値圏である101円75-80銭近辺で引ける。 - ユーロドルも今週のECB理事会を前にもみ合い。1.3606
まで売られたものの1.36台を維持し1.3630-35で引ける。 - 株式市場はまちまち。模様眺めの中、ダウとS&P500は
最高値付近で推移し、ナスダックは小幅に下落。 - 債券相場は横ばい。PCEコアデフレーターも予想通りの結果で
影響は限られた。 - 金は5日続落で1250ドルを割り込む。原油も小幅に反落。
- 4月個人所得 → +0.3%
- 4月個人支出 → -0.1%
- 4月PCEコアデフレーター → +1.4%
- 5月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値) → 81.9
- 5月シカゴ購買部協会景気指数 → 65.5
本日の注目イベント - 豪 豪4月住宅建設許可件数
- 独 独5月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏5月製造業景況感指数(改定値)
- 英 英5月製造業PMI
- 米 5月ISM製造業総合景況指数
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
ドル円はやや底堅い動きを見せる。米長期金利が下げ止まったことで、
ユーロ円などクロス円でも円が売られ、先週末のNYではドル円も1
01円85銭までドル高が進んだ。
昨日、中国の製造業PMIが発表され、市場予想を上回ったことから
ドル円は週明けのオセアニア市場で101円90銭近辺まで買われる
場面もありました。
ドル円は2週間前に日銀決定会合後に100円82銭まで下落しまし
たが、100円割れには至らず、その後102円台まで戻したものの、
それ以上の上値を試す勢いもなく再び101円台半ばまで下落しました。
米長期金利が一時2.41%台まで低下したことでドル売りが強まった
ことが背景でしたが、それでも今週は木曜日にECB理事会があり、週
末には米雇用統計も控えていることから積極的な取引は見られません。
もともとドル円はボラティリティー(変動率)が記録的な低水準に留まっ
ており、市場参加者にもややあきらめムードが漂い、動き出すまで待と
う、といった雰囲気になっています。そんなドル円ですが、今週は動き
出してもおかしくはありません。上記重要イベントに加え、オーストラ
リアではGDPが発表され、中国ではPMIの発表あり、重要指標には
事欠きません。
テクニカルでも短期的な動きを表す「1時間足」では、101円90銭
を超えると上にある「雲」を抜けると見られ、「4時間足」では102
円を超えると「200日線」を上抜けすることになります。
ECBが追加緩和に踏み切ると、ドル高ユーロ安が進み、ドル円もドル
高円安に引っ張られることも考えられそうです。
また、週末の雇用統計では引き続き堅調な雇用状況が示される見込みで、
現在、非農業部門雇用者数は21万5000人の増加と予想されています。
この数字が上ぶれるとドル買いが強まることも予想されますが、過去3ヶ
月では「雇用統計直後」にドル高のピークをつけており、そこからかなり
の値幅を伴ってドルが下落するパターンが続いていることはやや気になり
ます。
また足許では依然として2.5%以下で推移している米長期金利の水準も
気になります。やや下げ止まった感はありますが、2.5%を上回ること
ができない状況が続くと、ドルの下押し要因になることも予想されます。
世界的に株高傾向にあるため、為替が金利から株価の動きをより取り込む
ようだと、上記102円を抜けていくこともあり得そうですが、先ずは低
ボラティリティーからの脱出が最も重要です。
市場参加者が「もっと動く」と予想しないことには、上下どちらのレンジ
も抜けません。
本日のレンジは101円50銭~102銭30銭程度を予想します。
- [2014/06/02 08:54]
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