ドル、対ユーロで堅調
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
消費者物価指数が鈍化したことで、円売りが優勢な場面もあったが
120円台半ばを超えられず。
なかったものの、来年早々にも量的緩和が実施されるとの見方が根強く
上値の重い展開が続く。
更新。ダウも7営業日続伸し、連日の高値更新。
手がかりに、小幅に上昇。
本日の注目イベント
クリスマス休暇は終わったものの、ボクシングデーのためロンドン市場が休場
だったことから、相場は依然として小動きが続いています。
今週は日本サイドが年末モードに入りますが、海外市場では参加者が戻ってく
るため、そこそこの動きも期待できそうです。
特に、今日29日はギリシャ議会が大統領選出のための第3回投票を実施する
ことから、選挙結果次第ではユーロが一段と下落するリスクがありそうです。
大統領が選出できない事態になると、議会は解散し総選挙になります。
緊縮財政に反対の公務員が中心となり、財政支出を拡大させることを主張する
党派を勝利に導くような状況になると「ギリシャショック」の再燃につながり、
ユーロ売りが加速することになり、ドル円では円安に振れることが想定されま
す。
ユーロドルは1.21台がすっかり定着してきた様にも見えます。
1.20を割り込むと底値が想定しずらくなり、2010年の1.18台が意
識される展開も予想されます。
ドル円は25日の朝方から「雲」(1時間足)を上抜けできていません。
一目均衡表を見る限りは上値の重さが気になりますが、一方で「MACD」で
はプラス圏で推移しており、下落トレンドとは言い切れません。
上述のようにギリシャの混乱に伴いユーロの下落リスクを考えると、ドル円が
上昇することも考えられ、ここは次の動きを待つしかありません。
来年に向けてもう少し長期で考えるなら、ドルロングの方が妙味はありそうで
すが、年末年始の動きはなかなか予想できません。
来年1日には中国の製造業PMIが発表され、2日には米ISM製造業総合景
況指数も発表されます。為替では年末年始もあまり関係ありません。
株式市場は明日が「大納会」です。
NY株式市場が堅調なことから、上昇機運が強いように思えます。
予想レンジは120円~121円程度にしたいと思います。
本日が今年最後の「アナリスト・レポート」になります。
新年は5日(月)から通常通りとなります。
今年1年のご愛読に感謝申し上げます。
皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

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- [2014/12/29 08:54]
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ドル円前日と水準変わらず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は120円台半ばを挟んで小動き。東京時間の朝方は
120円70銭台での取引も見られたが、その後は実需や利益確定の
ドル売りに押され、上値の重い展開がつづいた。 - ユーロドルは前日の1.2165からポジション調整のユーロ買いに
1.22台前半までユーロが強含む。 - 株式市場は失業保険申請件数が予想を下回ったことで続伸。
ダウは6日続伸で、連日の高値更新。S&P500は引け際に上げ幅を
失い、小幅に反落。 - 債券相場はほぼ変わらず。長期金利は2.26%台に留まる。
- 金は続落。原油は在庫が膨らんでいたことから1ドルを超える下落。
- 新規失業保険申請件数 → 28.0万件
本日の注目イベント
- 日 日銀金融政策決定会合議事要旨(10月31日分)
- シドニー、フランクフルト、ロンドン、NYなど主要市場休場(クリスマスデー)
ドル円は昨日の東京時間から上値が徐々に重い展開が続いています。
考えてみれば115円台半ばを底値に反転してから、連日「大台替え」を見せてきたドル円で
あったため、当然といえば当然とも言えます。
新規失業保険申請件数が予想よりも減少していたことで、株式市場が上昇しましたが、
それでもドル円は120円台半ばに留まっています。
今日は主な市場は東京だけです。
夕方からはレートの配信も止まりますので注意してください。
日銀金融政策決定会合の議事要旨が発表されることと、午後には黒田総裁の講演もありますので
多少材料視されてはいますが、特に目新しい発言はないものと思われます。
従って、予想レンジも120円50銭を中心に、上下30銭程度ではないかと思います。
そして明日も「ボクシングデー」のため主要市場のいくつかは休場ですが、東京時間の朝方には
日本の11月の消費者物価指数が発表され、こちらは注目されており、内容次第ではドル円への影響が
考えられます。
10月の「2.9%」からは、原油安の影響があるため上昇率が低下していると予想されています。
予想以上に低下していると、「追加緩和観測」が強まり、円売りにつながる可能性があります。
予想は「2.5%」で、コアCPIが「2.7%」となっています。
「第3次安倍内閣」が昨日の夜発足しました。
安倍首相は記者会見で、「経済最優先で取り組む」ことを表明しました。
言いかえれば「アベノミクス」のさらなる推進です。
法人税減税など、どこまで規制改革を実行できるのか不安がないわけではありませんが、「アベノミクス」の
推進には「株高、円安」は不可欠です。
このまま、2015年も「アベノミクス」をさらに推し進めて行くのであれば、今年と同じような展開が
予想されます。
このままの水準でドル円が推移すれば、今年の値幅は21円10銭ほど動いたことになり、例年に比べて
値幅が大きかったことになります。
しかもその値幅の60%が10月31日の「追加緩和」以降、わずか2ヵ月以内に起きています。
おそらく、ドル円は来年とは言わず、今年の年末辺りでも活発な値動きを見せると予想しています。
市場参加者が徐々に戻ってくる来週あたりから「臨戦態勢」をとる必要があるかもしれません。
============================================
本日は東京市場が終わった後、ほとんどの海外市場がクリスマスホリデーのため休場です。
従いまして、明日の「アナリス・レポート」はお休みとさせていただきます。
29日(月)より通常通りとなります。
- [2014/12/25 10:31]
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NYダウ最高値更新でドル高進む
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は米GDPの大幅上方修正に反応し、ドル買い円売りが加速。
ほぼ2週間ぶりとなる120円80銭まで上昇。株価の上昇もあり、原油安を
きっかけに急落する前の水準をほぼ回復。 - ユーロドルもドル買いが優勢となり、一時1.2165と2012年8月
以来となるユーロ安を記録。好調な米景気と、ギリシャ情勢がユーロ売りに
つながった。 - 株式市場はまちまちながら、GDP確報値を受けダウは5日連騰し、節目の
1万8000ドル台を維持して取り引きを終える。 - 債券相場は反落。GDPが大幅に上方修正されたことから、利上げ観測が
前倒しになるとの見方が広がる。長期金利は2.26%台まで上昇。 - 金は続落。原油は反発し57ドル台まで上昇。
- 11月耐久財受注 → -0.7%
- 10月FHFA住宅価格指数 → +0.6%
- 7-9月期GDP(確報値) → +5.0%
- 11月新築住宅販売件数 → 43.8万件
- 12月リッチモンド連銀製造業指数 → 7
- 11月個人所得 → +0.4%
- 11月個人支出 → +0.6%
- 11月PCEコアデフレター → +1.4%
本日の注目イベント
昨日の東京市場が休場の間に120円台に乗せたドル円は、米7-9月期のGDP確報値が
「+5.0%」と、改定値から大幅に上方修正されたことで120円台後半まで円売りが
進みました。
年内は115-120円のレンジで推移すると予想していましたが、株価との相関度が
強いドル円はNYダウが5日連騰し、原油安から急落する前の水準のみならず、大台の
1万8000ドルまで上昇し史上最高値を更新したことで、ドル円も素直に「買い」で
反応したようです。
それにしても米景気の力強さを改めて認識させられました。
7-9月期の速報値は「+3.5%」でしたが、それが改定値で「+3.9%」に
上方修正され、さらに今回の確報値では「+5.0%」に大幅修正でした。
好調な個人消費と、設備投資が景気を牽引しており、ここはやはり原油安がじわじわ
個人消費を拡大させている効果が出てきたと思われます。
11月の個人消費も市場予想を上回る結果が出ています。
昨日は多くの米経済指標も発表されています。
ミシガン大学消費者マインド確定値は市場予想とほぼ一致し、耐久財受注は予想を
下回っていました。
また、新築住宅販売件数も予想を下回ったものの、GDPの上方修正が、マイナス部分を
全て吹き飛ばした格好です。
市場も「好材料にはすぐに反応する」センチメントが醸成されていると見られます。
こうなってくると、年内にも今月8日に記録した121円85銭までドル円は上昇する
のではないか、といった見方も出てきそうです。
確かに可能性は出てきましたが、できれば来年への「お年玉」としてとっておきたい
というのが正直な感想です。
今のこの市場のセンチメントは、ちょうど1年前の状況に似ているように思われます。
昨年は年末にかけては100円を超え、105円45銭までドル高が進み、
2014年には早々に110円まで上昇する、といったあの雰囲気です。
ドル円は約1ヶ月余りで100円台後半まで落ちたことは、記憶に新しいとこころです。
ギリシャの大統領選を巡る混乱もあり、原油価格もまだ57ドル台です。
中国のシャドーバンキングの影響などは、話題にも出てきません。
ドル高円安が継続されるとの基本的なスタンスを維持しながらも、慎重に対応してい
きたいと思います。
本日もNYダウの大台達成を受け、日経平均株価もかなり上昇しそうです。
上げ幅が300円を超えるようだと、121円台まで円売りが加速する可能性も
ありますが、年末を控え、121円台ではドル売り注文も置かれているはずです。
輸出企業の為替担当者も、121円台で為替を押さえ、いい正月を迎えたいと
考えているに違いありません。
レンジは120円~121円20銭程度にしたいと思います。
- [2014/12/24 09:31]
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ユーロドル2年7ヶ月ぶりの安値
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は堅調に推移。株価も続伸し、原油も反発したことで、リスクオン
モードがやや広がり、ドル円は119円63銭まで上昇。 - ユーロドルも大きくユーロ安が進み、一時は2012年7月以来となる
1.2221までドル高ユーロ安が進む。原油安を背景としてデフレ懸念が
強まる。 - 株式市場は3日続伸。原油価格が上昇に転じたことで, エネルギー株が
相場を牽引。S&P500は0.5%上昇し、月初からの下げを埋めた。 - 債券相場は反発。このところの下落から自立反発の上昇を見せたが、休暇前の
ポジション調整の面もあり、長期金利は2.16%台に低下。 - 金は3日続伸。原油は急激な下げが続いたことから、値ごろ感による
買いも入り56ドル台まで反発。
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏12月消費者信頼感(速報値)
- 米 11月中古住宅販売件数
原油価格がようやく反発したことで、ロシアルーブルも買い戻され、
株式市場も続伸。ドル円も119円63銭までドル高円安が進みました。
ただ、今回の動きはどちらかと言えば、ユーロドルに引っ張られた印象が
あります。
ユーロドルは1.2221までユーロ安が進み、2012年以来、約2年
7ヶ月ぶりの水準まで売られて来ました。
急激な原油安が物価下落圧力となり、ユーロ圏のデフレ懸念が一層強まっ
たことで、早ければ来年1月にも量的緩和に踏み切るのではないかとの見方が
広がっていることが背景です。
ドル高ユーロ安が進んだことで、ドル円でも円売りが優勢になった面も
ありましたが、それでもまだ上昇への弾みが付くと思われる119円60ー70銭を
抜けていません。
この水準には「4時間足」の「雲の上限」があり、結局この雲に上昇を抑えられた
格好になっています。
従って、今日の上値のメドも先ずはこの水準をしっかり上抜けできるかどうかを
見極めたいと思います。
ドル円は12月8日の121円85銭を天井に、115円57銭まで下落
しました。既に下落幅の61.8%戻しは完成させているため、テクニカル的には
再び上昇トレンド入りした可能性が高いと思われます。
それでも、まだ依然として原油価格は低位で推移しており、原油安再燃も払拭され
たわけではありません。
原油価格の動きと、それに伴うか株価の行方がドル円にとっても重要な「鍵」である
ことは変わっていません。
今週はクリスマス休暇のピークです。
そろそろ市場参加者も減り始めているようですが、今年のドル円からはまだ目を
離すわけには行きません。
相場を動かす材料には不足しますが、「異次元緩和」の副作用としての高ボラティ
リティーは残りそうです。
特に、先週末のユーロドルの動きが気になります。
ユーロ安をきっかけにドル円がさらに上昇するリスクは残っており、クリスマス
休暇開けの今週末から来週にかけてはユーロドルの動きにも注意したいと思います。
NY株式市場も3日続紳し、今日の日本株も堅調に推移しそうです。
そうなるとドル円も上値を試す展開が予想され、上記水準と、大台の120円が
意識されます。
緩やかな上昇を予想しますが、下値のメドは119円05銭辺りと、118円80銭
前後をサポートと予想します。
レンジは119-120円といったところでしょうか。
- [2014/12/22 09:40]
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NY株大幅続伸でドル円119円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
マイナス金利を導入したことや、米国株が一段と上昇基調を見せた
ことで円売りが再燃。一時119円31銭までドル高円安が進む。
観測が広がり、ユーロドルは大幅に下落。1.23台半ばから
1.2266までユーロ売りが進行。
FOMC声明文を好感して大幅に続伸。引け値では421ドル高と
上げ幅では2011年11月以来の大幅高。
株価が大幅に上昇したことも、売り材料となり長期金利は2.21%台に上昇。
したことで一段安となり、54ドル台まで売られる。
本日の注目イベント
毎朝海外市場をチェックすると、その変化に驚くことが良くありますが、今朝
もNY株価に驚かされました。前日にはFOMCの声明文を受けて288ドル
高で取引きを終えたNYダウは、さらに続伸し、なんと421ドル高を演じま
した。その割にはドル円は118円台後半で推移しており、この日は株式市場
がメインだったようです。
経済指標も、失業保険申請件数は改善していましたが、やはりきっかけはスイ
ス中銀のマイナス金利導入です。スイス中銀が、スイスフランの上限を維持す
るためマイナス金利導入を決めたのは、ユーロスイスが1.20のレベルに近
づいたことが主因で、この発表後ユーロスイスは1.21近辺まで急反発して
います。
これでECBも追加緩和に追い込まれる可能性がさらに高まってきたと思われ
ます。
利上げの時期を探るFRBと、追加緩和のタイミングを探る日銀とECBに加
え、スイス中銀も後者に歩調を合わせることにもつながりそうです。
119円31銭までドルが反発したことで、「1時間足」では200日線抜け
には成功しています。この上には「4時間足」の雲が控えており、ここを抜け
るには119円70銭を明確に抜けることが必要です。
NYダウの大幅高を受けて、本日の日経平均も大幅に続伸しそうですが、その
際に上記水準を抜けることができるかどうかも今日のポイントの一つです。
先ずはNYの高値である119円31銭を抜けるかどうかです。
原油安に端を発したルーブル安、株安、リスク回避からの円の買い戻しも、よ
うやく元の鞘に戻りつつありますが、足元の原油安はまだ止まっていません。
昨日も2ドル以上下げ54ドル台まで下落しました。
原油安が株価の大幅下落につながったこれまでとは異なり、株価は急反発でし
た。
昨日のNYでは株価に支援材料があったとしても、これだけの大幅高と原油安
は相容れにくいと思います。
市場は徐々に原油安を材料視しなくなってきたとも考えられます。
市場はある材料が起こると突然「熱中」しますが、時間の経過と共に「熱が
冷めます」。かつてこのような反応は幾度となく見てきましたが、最近では
「ウクライナ情勢」もその一つではないでしょうか。
原油価格の動向が注目されなくなることはないにしろ、注目度は徐々に低下
していく可能性はあります。むしろ心配なのは、このまま原油価格が低位に
留まった場合に、米国の消費者物価指数に与える影響は大きく、
来年の早い時期には物価上昇率が「ゼロ」という事態も考えられます。
そうなると、来年の利上げのタイミングが遅れることにもつながり、ドル安
要因と見ることもできます。
本日は118円30銭~119円50銭程度のレンジを予想します。

- [2014/12/19 09:34]
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ドル円急反発で119円に迫る
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は注目のFOMC政策発表を受け反発。声明文では「相当な期間」
という文言は維持され、「辛抱強く」という文言があらたに加えらた。
ドル円は発表直後に下押ししたものの、その後イエレン議長が早期の利上げには
否定的な発言をしたことで株価は急伸し、ドル円も118円90銭まで上昇。 - イエレン発言をきっかけにユーロドルは大きく値を下げる。
1.24台後半から1.2330近辺までユーロ安が進み、ドル全面高の様相。 - 株式市場はイエレン議長の発言を好感し急反発。ダウは300ドルを超す
上昇を見せたが、引け際には上げ幅を縮め、それでも288ドル高。
その他主要株価指数も軒並み大幅に上昇。 - 債券相場は反発。FOMC声明文に「辛抱強く」という文言が加えられたことで
利上げは後ずれしないとの見方が広がる。長期金利は小幅ながら上昇し、2.14%台に。 - 金は小幅に反発し、原油は下げ止まり54セント高。
- 11月消費者物価指数 →0.3%
本日の注目イベント
- 独 独12月IFO景況指数
- 英 英11月小売売上高
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 12月フィラデルフィア連銀景況指数
昨夜の当社セミナーでは、FOMCに関する文言の予想を行い、マーケットのコンセンサスは
「相当の期間」が削除されるであるが、個人的には足元で進行している原油安が金融市場に与え
るが影響を無視出来ない状況まで きていることで、慎重派のイエレン議長が何らかの
「配慮」をするのではないかと説明しました。
「それは、相当な期間」という文言を据え置くか、仮に削除しても、その後の記者会見では
「ハト派的」な発言を加え、株価上昇の一助になるようなものを・・・という想定でした。
そんな説明をしましたが、FOMC声明文では概ねその通りの内容でした。
「相当な期間」という文言は維持され、その代わりに「辛抱強く」(Patient)という文言が
挿入され、この時点では利上げは近いとも取れなくはありませんでしたが、その後イエレン
議長は記者会見で丁寧に説明を行っています。
議長は今後のガイダンスの変更について、「正常化に向けたプロセスが少なくとも今後数回の
会合では始まらない可能性が高いとFOMCが見なしている」と説明しています。また同時に
「FOMC内には様々な見方がある」と指摘した上で、「フェデラルファンド(FF)金利の
誘導目標の最初の引き上げ時期やその後の筋道は、経済情勢次第だ」と、これまでと同様に
経済指標を重視する姿勢を改めて強調しています。(ブルームバーグ・ニュース)
利上げの開始の時期が明確に後ずれしたわけではないものの、数回のFOMC会合で決まる
わけでもない、という微妙な言い回しだったものの、市場はある意味「FRB頼み」だった
部分もあり、金融市場は素直に好感した格好になっています。
ドル円はFOMC声明文発表後、一旦は売られ117円台を割り込む局面もありましたが、
その後は急反発し、118円90銭までドル高が進行しました。
これで一旦は底値の見えない株価と、ドル円が反発し、正常化へ一歩近づいた印象も
ありますが、原油価格が依然として不透明であることから、まだ予断は許しません。
ドル円は118円90銭近辺までドルが買い戻されてはいますが、ちょうど「1時間足」の
200日線に挑んでいるところです。
この上には「4時間足」の52日線と「雲」があることから、このレベルから119円台半
ばが抜けるかどうかが、今後ドル上昇のポイントになろうかと思います。
NY株式市場の急反発で、日経平均も大幅な上昇が見込めます。
119円台のどこまでドルが買われるのかを注視していますが、現時点では115円ー
120円のレンジ内で推移するとの見方を堅持しています。
大げさに言えば、FRBが今回金融市場を救ったといえなくもなく、今度は日銀の出番です。
イエレン議長は市場に、大きなクリスマスプレゼントを置いて行きました。
明日の記者会見で黒田総裁が市場の安定に向け、どのような発言を行うのかじっくり見たい
と思います。
本日のレンジは118円~119円50銭程度を予想します。
- [2014/12/18 09:50]
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ドル円急落し、一時115円台半ばへ
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
さらに強まり、ドル円は一時115円57銭まで急落。株安、金利低下もあり、
円の買い戻しが加速。その後は原油価格が小幅に反発したことで、116円台半ば
まで戻して引ける。
ダウは4日続落し、かろうじて1万7000ドルの大台はキープ。
前日とほほぼ変わらずの55.93ドルで引ける。
本日の注目イベント
通貨ルーブルを防衛するため、ロシア中銀が大幅に金利を引き上げたにもかかわらず、
ルーブルの下げが止まらず、これが世界的な「リスクオフ」姿勢を強め、株安、債券
高と安全通貨の円を買い戻す動きにつながっています。
昨日の東京では117円台前半で推移しており、一時は118円に乗せる場面もあっ
たドル円は、115円台半ばまで急落しました。
ついに「本格的な調整」が来ました。
まだどこまで調整局面が続くか分かりませんが、現時点でドル円は121円85銭の
高値から約6円28銭も下落し、率にして5.15%の調整を見せたことになります。
調整額としては年初から始まったドル高局面では最大となります。
原油安がここまで大きく金融市場を揺さぶることになるとはやや想定外ですが、足元
では原油安による「マイナス」の部分に焦点が当たりすぎているようにも思えます。
少なくとも、世界経済にとって原油安は「干天の慈雨」の側面もあり、いずれは「プ
ラス」の部分にも目が向いてくると思います。
日米欧で急速に株価に対する悲観論が台頭してきました。
特に日本では2週前の雰囲気とは大きく異なり、弱気論が広がって来ました。
今日の株式市場もどこまで下げるかが焦点です。
今年もあと2週間余りで終わろうとしている中、ドル円の値動きには目を見張るもの
があります。これも「異次元緩和」の副作用と見ることができますが、今夜もFOM
Cがあり、週末には日銀の金融政策決定会合が行われ、どちらも議長と総裁の記者会
見があります。現在の負のスパイラルを断ち切るという意味で、相当な期待感もあり
ます。
FOMC声明文では、いわゆる「相当な期間」という文言が削除されるのかどうかが
注目されており、
市場のコンセンサスは、削除され、あらたに「辛抱強く」という文言が挿入されるの
ではないか、というところです。
仮にその様な状況になれば、利上げが近いということで、再び株価が下落するリスク
はありますが、このあたりを、イエレン議長が自らの言葉でどのように市場に働きか
けるのかにも注目しています。
だた、原油価格の急落は米国のインフレ率低下圧力になっており、「相当な期間」と
いう文言は据え置かれるのではないかという見方も根強くあります。
インフレ率を重視すれば据え置かれ、労働市場の回復など、景気を優先すれば文言が
外されるということになりそうですが、その意味でも声明文の中身だけではなく、イ
エレン議長の発言にも注目が集まります。
今日の相場もめまぐるしい展開を見せそうです。
予想レンジも難しい状況ですが、連日2円程度の値幅を見せていることで、115円
50銭~117円50銭程度とします。

- [2014/12/17 09:00]
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原油価格大幅続落で円買われる
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
「リスクオフ」の流れがメインとなり、円は主要通貨に対して上昇する中、
ドル円は117円56銭まで下落。
ユーロ高が進む。1.24台では方向感もなく、売り買い交錯。
ダウは3日続落。他の株価指数も軒並み下落。
債券価格は下落。
55ドル台まで続落。
本日の注目イベント
原油価格の下落が止まりません。
昨日のWTI原油価格は、OPECの減産を否定するアラブ首長国連邦
(UAE)の発言が嫌気され、約5年ぶりの安値となる55ドル台まで下
落しました。UAEの石油相は、原油価格が1バレル=40ドルに下げて
も減産を見送るだろうと述べています。
原油価格の下落が、NY株式市場の下落につながり、「リスクオフ」モー
ドが再燃。円はドルだけではなく主要通貨に対して買い戻されています。
ドル円は117円56銭までドル安円高が進み、先週記録した117円43
銭も意識される展開です。この水準を下抜けすると、11月19日以来とな
る116円台もあるかもしれません。
原油価格の下落は80ドル台後半から始まりました。
当初、原油価格の下落は車社会の米国にとっては「プラス」と見られており、
株価も上昇していました。それが、65ドルを割り込むころから、株価に
「マイナス」との見方が定着し、足許では原油が下がれば株が売られる構図
です。
ブルームバーグによると、米国の原油生産が30年ぶりの高水準となり、世
界的に供給余剰が拡大していることが背景だとしていますが、原油先物市場
もかなり投機的な動きが相場を支配していることも事実で、何かのきっかけ
で急反発することも十分考えられます。
ドル円は「日足」を見ると、昨日までの下落でも「基準線」で支えられている
格好です。
現在「基準線」は118円22銭前後にあり、これまで4日間は概ねこのレベ
ルで下げ止まっています。しかし、今日は「基準線」を下回って取引が開始さ
れておりドルの下値を試す展開が予想されます。
衆院選で自民党がまずまずの勝利を収めたにもかかわらず、昨日の日経平均株
価は大きく下げました。
これは衆院選の結果というよりも、先週末のNY株式市場が大幅に下落したこ
とによる影響だと見られます。
円安と株高がセットで急速に進行し、市場がやや楽観的になっていたところに
原油安が起こり、為替市場と株式市場では巻き戻しが活発になっている状況です。
このような動きは、米国が来年利上げに踏み切る前後におこるのではないかと予
想していましたが、今の段階で調整が行われていることは、むしろ利上げに伴う
混乱が軽微で終わることになる可能性もあります。
今日も株価の行方に注意しながら、ドル円がどこまで下がるかが焦点になります。
下値のメドは先ず、NYの安値である117円55銭前後です。
そして、先週記録した117円43銭も意識されることから、117円台半ばが
重要なサポートと見ることが出来ます。
さらに、4時間足の「200日線」がある、117円12銭前後も重要な値位置
です。予想レンジは117円~118円50銭程度と考えます。

- [2014/12/16 08:56]
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ドル円早朝に117円台に突入
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
だったことを受け119円台に乗せる場面も。その後は原油安の影響から
株価が急落し、長期金利も急低下したことで円買いが強まり、118円21銭
まで下げ、118円台後半で越週。
下げればショートカバーも入る展開。
統計を受け世界経済の減速懸念が広がった。ダウは前日比315ドル下げ
1万7280ドル台で引ける。
2.1%台を割り込む。
一段安。
本日の注目イベント
昨日の衆院選の結果はほぼ事前予想通りでした。
自公併せて2/3の議席を確保し、これで安倍政権の基盤はさらに磐石のものと
なり、「アベノミクス」が評価されたとの認識のようです。
ただ投票率が戦後最低を記録したようで、有権者の二人に一人が棄権したこと
になります。信認されたと言うよりも「他にないから」といった風潮が、その
まま選挙結果につながったと言えます。「アベノミクス」で、法人税減税や規制
改革など、やり残した仕事をどこまで実現できるかが問われます。
早朝のドル円はNYクローズのレベルからは売られ、117円台後半までドル
が売られています。これは選挙結果というよりも、先週末のNY株式市場が大
幅下落したことの影響が残っていると考えられます。
NYダウは351ドル安と大幅に下落し、長期金利は2.1%を割り込んでき
ました。ここを見る限り「リスクオフ」の動きにつながっており、円が買われ
易い状況です。
株安、債券高にも関わらずドル円が118円台後半で推移していた背景は、や
はり好調な米経済指標に支えられています。
先週末に発表されたミシガン大学消費者マインドは2007年1月以来となる
「93.8」でした。好調な景気に支えられていることから、今週行われる、
今年最後のFOMCでは、いわゆる「相当な期間」という文言が外されるという
見方が有力です。
もし外されれば、2015年6月の利上げ観測が正当化されることになり、利
上げはドル買い材料となります。
先週から、ドル円のカギを握るのは「NY株式市場」だと述べてきました。
その意味で、ダウが351ドルの下げを見せた後、今日、日本株がどのような
動きを見せるかが非常に注目されます。
前述のように、信認されたと思える「アベノミクス」に対して、NY株安、あ
るいは原油安がどの程度円高方向に作用するかという点が今日の焦点です。
今週は相当荒っぽい展開が予想されます。
米国では来年にも利上げが確実視されていることで、長期的に見ればドルの
「買い場」を探る戦略でいいとは思いますが、一方で株安、原油安が止まらな
い限り、先週記録した121円85銭を上抜けするのは簡単ではありません。
衆院選を終えて、安倍首相が自身の経済運営にどのような発言を行うのか、ま
た、週末には黒田総裁の記者会見もあることから、市場はいつも以上に「要人
発言」に敏感に反応しそうです。
今日1日では値幅も大きいと思われ、レンジも117円50銭~119円30
銭程度を予想します。

- [2014/12/15 09:02]
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ドル円前日の水準を回復
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
買戻しが優勢となり、118円台半ばまで反発。NYでは小売売上高が予想を
上回ったことや株価が急反発したことで119円台半ばまでドル買いが進み、
118円90-95銭で取引を終える。
1.2370までドル高ユーロ安が進む。
ダウは一時200ドルを超える上昇を見せたが、引けに掛けては上げ幅を縮小し、
63ドル高で終わる。
小幅な上昇に留まる。
となる60ドル台割れまで売られる。
本日の注目イベント
ドル円は結局「往って来い」の相場展開でした。
昨日の朝方には株価の下落に反応し、一時117円46銭近辺まで円が買われた
ものの、午後には日経平均の下げ幅が150円程度まで縮小すると118円台ま
で値を戻し、NYでは株高と良好な経済指標を背景に119円55銭までドル高
が進みました。
やはり「ドルの買い場」を探す戦略が効を奏した格好になりましたが、一時20
0ドルを超える上昇を見せたNYダウが63ドル高で終わったことで、ドル円も
高値から70銭ほど押し戻されています。
依然として中国や、ギリシャへの懸念がくすぶっていることを物語っており、今
後もNY株式市場の動きがドル円の先行きを予想する上で極めて重要な鍵を握っ
ていると言えます。
それにしてもドル円は荒っぽい展開が続いています。
9日には1日で3円以上の値幅がありましたが、その後も連日の2円以上の振
幅を見せています。今年の12月は明らかに例年とは異なり、最後まで予断を
許さない展開が予想され、良い忘年会が迎えられるか、あるいは湿っぽいもの
になるのか、最後まで気を抜けません。
昨日の展開を見ていると、117円半ば辺りではそれなりにドル買い需要があ
ったようです。
今朝の日経電子版では「ミセスワタナベ、巨額のドル購入」との記事を紹介し
ています。
テクニカルを見ると昨日のNYではドル急反発も「一目均衡表」の「雲」の上
限で見事に抑えられた格好です。
そして、その後の下落で118円65銭程度まで下落していますが、こちらも
「雲」の下限でサポートされており、現在「雲」の中でもみ合っている状況で
す。従って、ここから上抜けするのか、再び下抜けして117円台を試すのか
をしっかりと見極める必要があります。
WTI原油価格がついに60ドルを割り込んでいます。
サウジが減産する必要はないと表明したことがきっかけですが、一部には採掘
コストが極めて低く、さらに財政的にも裕福なサウジが米国のシェールオイル
への打撃を狙っているとの見方もあります。採掘コストが60ドルとも言われ
る米国のシェールオイルですが、現在では技術革新が進み、採掘コストはさら
に下がっているとも言われています。
注目されたECBによる第二回の条件付長期リファイナンス・オペ(TLTRO
)の利用額はアナリストの予想中央値に届きませんでした。
ECBの発表によると、ユーロ圏の銀行の借入額は1300億ユーロ(約19兆
1600億円)で、アナリストの中央値である1400億ユーロには届いていま
せん。
この結果、ECBが量的緩和に踏み切る可能性が一段と高まり、来年1月にも実
施する見方も台頭しています。
今度の日曜日は衆議院選挙です。
自民党の300議席超えが予想されており、自公では2/3を確保できるとの見
方です。アベノミクスへのさらなる推進につながり、円安要因とみられますが、
選挙は水物と言います。ふたを開けるまでわかりません。
仮に予想通りであっても、この結果だけで121円に戻すのは無理があると考
えています。
本日のレンジは118円30銭~119円80銭程度を予想します。

- [2014/12/12 09:07]
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ドル円再び117円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
再び118円を割り込む。一時は117円70銭と前日のドルの安値を下回る
場面も。
1.24台半ばで頭を抑えられる。
中心に売り物が殺到。ダウは268ドル下げ、約1ヶ月ぶりの水準に。
債券が買われる。長期金利は7週間ぶりに2.1%台まで低下。
大幅に下落。約5年5ヶ月振りに60ドル台を記録。
本日の注目イベント
懸念していたことが起きてしまいました。
前日NY市場で、ドル円が117円台後半まで急騰したにも関わらず、NYダウは
50ドル安と、軽い下げで済みました。
もしNYダウが200ー300ドル下げることがあれば、ドル円はもう一段下落す
る可能性があることを懸念していましたが、昨日のNYで現実となっています。
引き続き中国やギリシャに対する不安と、原油価格が再び大幅下落を見せ、WTI
原油価格は60ドル台まで下げたことで、NY株式市場の急落につながったようで
す。OPECが2015年の原油需要見通しを引き下げたことで、エネルギー関連
株が大きく値を崩し、それが他の株価の下げにもつながり、NYダウは268ド
ルも下落しました。
株式市場の大幅下落が「リスクオフ」の流れとなり、円買いが進み、ドル円は前日
に続き117円台まで下落し、一時117円70銭まで円の買戻しが進みました。
前日もそうでしたが、この材料だけでドル円が119円台半ばから、約2円も落ち
るには合点がいきません。
やはり積み上がった円の売りポジションの買い戻しということでしょう。
先週もこの欄で書きましたが、クリスマス休暇前で、121円台まで円安が進めば、
ちょっとしたきっかけでも円の買戻しが始まる状況でした。
「誰かが背中を押してくれたら、円の買い戻しに走る」そんな状況だったように思
います。
さて今後の展開ですが、先ずフィボナッチ・リトレースメントを確認すると、今回
のドル高は10月15日の105円20銭を底値に始まっています。
12月8日の121円85銭までの上昇分は16円65銭となり、僅か2ヵ月弱で
この上昇幅はさすがに行き過ぎの感はあります。
上昇幅の23.6%戻しが117円92銭と計算でき、これは前日のNYの底値と
ほぼ一致します。
次に38.2%戻しを導きだすと、115円49銭になり、このレートは足元のそ
れと余りにも乖離しているため、現時点では参考値です。
次に、日足の「基準線」が117円75銭辺りにあり、昨日の下落はほぼこの水準
で止められています。
さらに日足のボリンジャーバンドの移動平均線(25日)は117円70線にあり、
こちらはぴったりです。
つまり、NYで下げ止まった117円70-75銭辺りは、重要なサポートレベル
ということが言えます。
本日もNYダウの大幅安を受け日本株も大きく値を下げそうです。
ドル円もそれに連動して、ドルの下値を試す展開が予想されます。
先ずは、NYの底値である117円70銭前後と節目の117円50銭辺りが下値
のメドとなり117円台前半ではドル買い需要もそこそこ見られそうです。
突っ込み売りだけは避けたいところですが、117円50銭前後を試す展開になる
と、年内のレンジは115-120円のレンジを形成し、120円を超える部分は
「オーバーシュート」だったことになりそうです。
予想は117円30銭~118円80銭程度を予想します。

- [2014/12/11 09:02]
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ドル円急落し、一時117円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
121円から、約3円10銭ほどの円高が進む。ただNY時間の引けにかけては
株価の回復もあり、119円60-70銭まで反発して取引を終える。
ユーロ高が進み、ユーロ円では円買いが勝る。
ダウは51ドル下げたものの、ナスダックは25ポイント上昇とまちまち。
債券価格は上昇。長期金利も再び2.21%台まで低下。
1230ドル台を回復。
本日の注目イベント
「山高ければ谷深し」とはよく言ったもので、昨日はこれまでには見られなかった
「大幅な調整」が見られ、ドル円は東京時間の121円を頂点に、117円90銭
まで一気に巻き戻しが起こり、急激なドル安に振れました。
中国が融資に対する規制を強化することや、ギリシャの政局不安、さらには格付け
会社フィッチが日本国債の格下げを検討しているなどの噂も飛び交い、欧米の株式
市場が下げたことが直接のきっかけの様でした。ただ材料的には118円割れまで
ドルを売る材料とも思えず、やはりこれまでの積み上がった円売りを買い戻したと
見るべきでしょう。
この欄でも、いつか来る「大幅な調整局面」への警戒を怠らないよう注意を促がし
て来ましたが、一日で3円を超える巻き戻しは「大幅な調整」と考えていいでしょ
う。チャートでは。118円割れを見せた後急激に値を戻しており「長い下ひげ」
を示現しています。これは今年10月15日の105円台まで下落したパターンと
良く似ています。現段階では「健全な調整」と捉えることができますが、今後NY
株式市場が大幅な下落を見せるようだと、やや今のドル高センチメントに影響を与
える可能性も出てきそうです。
昨日の相場展開では、さすがに118円割れを予想できた市場関係者はそう多くは
いません。従って、118円半ばから下値でドルを買えている人はそれ程多くはな
いと考えられます。ドル買い注文がそれ程多くなかったことで、ドルの急落が起き
たともいえます。
そのため、今日は118円台では多くのドル買い注文が集まると予想でき、ドル下
落を抑制しそうです。
主要株式市場の下落で、ややリスクオフが強まってきました。
ドル円も121円台では達成感も出てきています。
今日は円急騰を受け、日経平均株価がどこまで下落するかを見極め、さらに中国の
経済指標も発表されることから上海総合指数にも目配りが必要です。
株価が300円以上下げるようだと、119円割れがあるかもしれません。
今度の日曜日の衆議院選挙の自民勝利予想や、来週のFOMCで利上げへのステ
ップを切るのではないかとの予想を踏まえたら、ドル高の流れは不変だと思います。
無理をせずに、じっくりドルの買い場を探す姿勢を維持して行く戦略でいいと思い
ます。
今日も荒っぽい値動きが予想されます。
予想レンジも簡単ではありませんが、118円50銭~120円程度を見ています。

- [2014/12/10 08:55]
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ドル円、上昇も一服
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
株安などから大きく下落。NY市場では120円20銭まで下落し、クリスマス
休暇前にさらに調整のドル売りが出るのかどうかに注目。
ただ、来年早々には量的緩和も見込まれていることから上値も限定的との見方も。
ダウは100ドルを超える下げに。
との見方が広がり債券が買われた。
本日の注目イベント
昨日の早朝に121円85銭まで上昇したドル円は、経済指標の悪化や株安
などから、やや調整らしき動きに、上昇は一旦止まっています。
先週末の良好な雇用統計を受け121円69銭までドル高が進んだNY市場
の高値を上回った割には、その後伸び悩み、これまでとは何か異なるものを
感じましたが、ようやく一息ついた格好です。
昨日のこの欄でも触れましたが、今のペースで円売りが進むと、年内にも1
24円台まで円安が進みそうな雰囲気でしたが、やはり小幅な調整が見ら
れ、むしろ今後の相場展開にはプラスの面もありそうです。
今回の調整も高値から1円65銭前後下げた後反発しています。
このまま再び121円を目指すようなら、これまでと同様「1円から1円
50銭前後」の調整で終わってしまいますが、まだなんとも言えません。
今日明日で120円を割り込むような展開になると、「本格的な調整」が見
られるかもしれません。
ほぼ一本調子で上昇してきたドル円ですが、投機筋の円売りポジションも直
近では、10月7日以来となる11万枚を超える高水準になっています。
現在のドル円の水準と、クリスマス休暇前という特殊な事情を考えれば、や
はり手仕舞いのドル売りが出てもおかしくはないと考えることは、多くの専
門家の一致した見方です。
その意味では今日の東京市場と海外市場の動きには注目が集まります。
120円を下回るようなら、これまでとは異なる調整入りが見られそうです
が、再び121円台に乗せるようだと一段の円安もありそうで、年末から来
年を予想する上で重要な値動きになるかもしれません。
FRBが発表した労働市場情勢指数(LMCI)は「2.9」と、先月の
「4.0」から悪化していました。
雇用統計では雇用者数が大きく上振れしたことで利上げ前倒し観測が台頭し
ましたが、労働市場を総合的に表す本指数が悪化していたことで利上げ観
測はやや後退です。
また、アトランタ連銀のロックハート総裁は講演で「米金融当局は事実上
のゼロ金利からの利上げの開始を待つべきだ」と指摘し、その理由として
「後になって政策を反転させれば、当局の信頼性を損なうことになる」
と述べています。(ブルームバーグ)
NYダウは1万8000ドルの大台を前に足踏みをし、日経平均株価も昨
日は1万8000円に乗せる場面はありましたが、引け値での大台乗せに
は失敗しています。
14日の衆院選では自民党の300議席確保も濃厚です。
引き続き、アベノミクスの拡大が規定路線になろうとしていることを考
慮すれば、やはりドル高円安の
流れは不変で、どこかでドルを仕込む「買い場」を探る戦略でいいのでは
ないでしょうか。
今日は株価の下落で、どこまでドルが売られるかを見極める展開が予想さ
れます。
レンジは120円~121円程度を見たいと思います。

- [2014/12/09 08:55]
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ドル円雇用統計を受け121円台後半に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
121円69銭までドル高が進む。雇用者数が32.1万人と、市場予想を
大きく超えたことで、米利上げ前倒し観測が高まった、
1.2271までユーロ安が進行。ドルに対する円の弱さが進み、ユーロ円も
149円台半ばまで上昇。
1万8000ドルの大台も視野に。
強まり長期金利は2.30%台まで上昇。
本日の注目イベント
11月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想の23万人に対して
32.1万人の増加でした。さらに、10月分についても21.4万人から
24.3万人に。9月分も25.6万人から27.1万人にそれぞれ上方修
正されました。米労働市場は、夏以降急速に伸びていることが窺えます。
正に「米国の一人勝ち」といったところです。
ドル円は、この結果を受けて、121円36銭辺りまで一気に上昇し、さす
がに利益確定のドル売りに押され、一旦は120円85銭辺りまで下げる場
面がありましたが、午後にはもみ合いから121円69銭までドル高が進ん
でいます。手のつけようがないほど、ドル高が急速に進み、市場には200
7年6月に記録した124円14銭までドル高が進むといった見方も出始め
ているようです。
良好な雇用統計を受けて、来年半ばと予想されている政策金利の引き上げ観
測が前倒しになってきましたが、事はそう簡単ではないと、個人的には予想
しています。注目されるのは今夜発表される労働市場情勢指数(LMCI)
です。
前回は「4.0」でしたが、この数値に比べ、改善しているか悪化してるか
で雇用市場全体の状況を把握することが出来ます。
ここ数ヶ月は改善傾向にありますが、今年4月には「7.1」で、この水準
には届いていません。
さらに注目されるのはインフレ率です。FRBが注目しているPCEコア・
デフレーターは10月でも「1.6%」でした。
「2%程度」というFRBの目標には届いておらず、さらにこのところの急
激な原油安が物価に下落圧力がかかると考えられ、インフレ率上昇を抑制し
そうです。
原油安とドル高が物価上昇を抑えることを考えると、「2%のインフレ率」
はそう簡単ではないと思われ、ハト派のイエレン議長は米景気の拡大を認識
しながらも、慎重な姿勢を維持する可能性は高いのではないでしょうか。
NY株式市場と債券市場の動きからは、まだ利上げの足音は聞こえてこない
ように思います。
ECB理事会に続き、11月の雇用統計も終わりました。
残す重要イベントは来週の衆議院選挙と今年最後のFOMCです。
衆議院選挙では自民党が300議席を確保するのではといったマスコミの予
想も出ており、円安要因と捉えられそうです。
そして今年最後のFOMCでは、声明文から「相当な期間」という文言が削
除されるのかどうかが焦点です。
先週、フィッシャーFRB副議長は講演で、「文言削除の時期は近づいてい
る」との認識を示しており、削除される可能性は高まっています。
もしこの文言が削除されれば、利上げ開始へのメッセージと受け止めること
ができ、これもドル高要因になります。
このように、今後のイベントは想定外の展開にならない限り「ドル高要因」
であるからことから、ドルが買われる展開が予想されます。
大幅な調整などないといった雰囲気になっていますが、ドル高が進めば進
むほど「調整」が起こりうるのも過去の相場展開は教えています。
上述のように124円台までドル高が進む可能性は否定できませんが、そ
れでもドル急落に対する警戒感を意識する必要はあろかと思います。
予想レンジは121円から122円20銭程度にしたいと思います。

- [2014/12/08 09:07]
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ドル円120円台を達成
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
その後ドラギECB総裁の記者会見を契機に、利益確定のドル売りに119円33銭
まで下がる荒っぽい動きに。株価の下落幅が小幅になったことで119円75-80銭
まで反発して引ける。
ユーロドルは1.23割れが僅かに見られたものも大幅に反発。1.24台半ばまで
ユーロ買戻しが進み、1.2380近辺で引ける。
他の株式指数も下落。
上昇し長期金利は小幅に低下。
本日の注目イベント
ECBは理事会で、一部には実施するのではとの期待もあった量的緩和を見送り、
政策金利も据え置きました。この決定を受け、一時は1.23の「大台」を若干
割り込む展開を見せていたユーロドルは急反発し、1.24台半ばまでユーロ買
い戻しが見られました。
その後、ドラギ総裁は記者会見で「来年の早い時期にわれわれの措置の規模とペ
ース、組み合わせを変更することにつながるだろう」と述べ、来年早々には行動
を起こすと断言しました。
この発言で大きく買い戻されたユーロドルは、再び下落基調となり、1.23台
後半までユーロ安が進んでいます。
今回行動を起こさなかったドラギ総裁でしたが、背景には理事会内でのドイツを
中心とする反対派の影響があったものと思われます。
ただ今回ECBは景気とインフレ見通しを下方修正しており、待ったなしの状況
であることは明白です。だからこそ記者会見では、来年早い時期
(Early next year)という表現を用い、実施時期を明確に示した
ものと考えられます。ユーロドルには依然として売り圧力がかかるものと予想し
ます。
ドル円も結構な値動きを見せました。
昨日の東京時間からNY時間までは120円を試しに何度も行きましたが、11
9円95-120円の間にはドル売り注文も相当並んでおり「壁」になってい
ましたが、120円を突破すると120円25銭まで
上昇し、その後、達成感もあり高値から約1円も下落する荒っぽい動きでした。
これで、節目である「120円」を達成し、多くの市場関係者が予想してきた
「水準」までドル高が進みました。今のところ、円安批判は出ていませんが、こ
れからもドル高円安トレンドは継続されるとは思いますが、どこで懸念発言が出
てくるのか、あるいはどこまで円安が進めば懸念発言を引き出すのかがポイント
です。
円は確かに「最弱通貨」ですが、ユーロや、豪ドルも2年ぶりや4年ぶりの安値
で推移しており、言い換えればドル高の裏返しです。
円安批判が出て、ドルが下落した時が「ドルの買い場」なのかもしれません。
今夜は雇用統計の発表があるため、相場は展開は依然として荒っぽいものになる
可能性があります。それでも120円台達成を終えたため、しばらくはもみ合い
になると予想します。
クりスマス休暇が近いこともあり、もみ合いながらゆっくりとドル高傾向が続く
展開を予想します。
雇用統計では23万人程度の雇用者増が予想されていますが、先月同様20万人
を維持できていれば波乱はないと思われますが、予想を大きく下回った場合には
ドル売りが加速することも考えられます。
ただ、上振れした場合でも利益確定の場になることも考えられ警戒感は必要です。
レンジは119円~120円50銭程度を予想します。

- [2014/12/05 09:04]
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ドル円いよいよ120円乗せか?
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
非製造業景況指数が好調だったことや、ドルがユーロなどの主要通貨
に対して強含んだことなども円売りドル買いを促がした。
ドル円は119円80-85銭と、この日の高値圏で引ける。
量的緩和観測が高まりユーロ売りにつながった。一時は1.23近辺まで
ユーロ安が進み、約2年ぶりの安値を記録。
では、雇用増加は全地域に拡大との報告を好感。ダウは33ドル高と
1万8000ドルが視野に。S&P500も最高値を更新。
買い安心感が広がり、長期金利は前日よりやや低下。
本日の注目イベント
ドル高円安がさらに進み、NY市場では一時119円87銭と、いよいよ120円
台が迫ってきました。しかし昨日の海外市場では円安が進んだだけではなく、ドル
は主要通貨に対して全面高となり「ドルの一人勝ち」の様相を強めています。
ユーロドルは1.23近辺まで下落し、直近安値を更新し、2012年8月以来と
なるユーロ安水準を記録。さらに豪ドルドルでは4年ぶりの豪ドル安をつけていま
す。
ユーロ圏では経済指標が弱く、本日のECB理事会での量的緩和観測の高まりから
ユーロ売りが加速し、豪ドルは昨日発表された7-9月期GDPが市場予想の
「+0.7%」に対して、「+0.3%」だったことから利下げ観測まで台頭し、
こちらも強力な豪ドル売りにつながっています。
一方米国サイドでは、ADP雇用者数は市場予想には届かなかったものの、20万
人を超えていたことで、「ぎりぎり合格」といったところでした。
それでも非製造業景況指数が上振れしたことや、ベージュブックでは「雇用は全地
域で幅広く増えた」との報告に、米景気の拡大が継続していることが確認されてい
ます。
また個人消費についても「石油の値下がりも寄与し、個人消費は大半の地域で増加
が続いた」と説明しています。主要国の中で米国景気が際立っていることが改めて
確認され、多くの資金がドルに向かっている状況です。
「120円前後を見ないと収まらない相場」・・・最近のドル円の動きをそんな風
に表現しましたが、ドル円はいよいよ120円に手が届く水準まで来ました。
昨日からの値動きを見ても、大きな下げはほとんどなく、小幅に上昇するかその水
準でもみ合うかの展開が続き、ゆっくりと、しかし着実にドルが上昇して来ました。
NYダウは連日の最高値を更新していることで、今日の日経平均株価もさらに上昇
することが見込まれます。
ドル円と日経平均株価にはもともと強い相関関係が見られますが、あの10月末の
「黒田緩和」以来、さらに相関度を強めており、両者のチャートはほぼ同じ波形を
見せています。
そして日経平均はあと280円ほどで「1万8000円の大台」に届きます。
もしかしたら「120円の大台と、1万8000円の大台」は同じタイミングで達
成されるかもしれません。
さらに言えば、NYダウの「1万8000ドルの大台」も同じタイミングかもしれ
ません。極めて緩和的な金融市場で、株高とドル高の好循環が続いています。
今日にでも120円を試しそうなドル円ですが、問題はその後の動きです。
120円をクリアした後は、達成感から利益確定のドル売りが持ち込まれるのか、
あるいはさらに勢いを増して121円に向かうのかを判断しなければなりません。
欧米ではクリスマス休暇を前にポジションを縮小する動きも見られそうですが、
今年は多くのヘッジファンドの成績がいま一つです。
方向性が見極めやすいドル円を「今年最後の勝負」と捉えて、ロングをキープす
ることも考えられ、120円を達成したからといって、すぐにドルが反落すると
も思えません。
ただロングが積み上がっているのは事実であることから、何かのきっかけさえあ
ればドルが急落する可能性があることには注意が必要です。
何が「ドルを売れ」と、背中を押してくるのかということです。
今日はECB理事会もあり、ユーロドルの動きからも目が離せません。
市場をじらし続けてきたドラギ総裁がいよいよ動くのか?
それによってユーロドルが節目の1.23を大きく下抜けするようだと、ドル円
でも円が売られる展開が予想されます。
ドル円の値幅も拡大すると見て、119円~120円80銭程のレンジを予想し
ます。

- [2014/12/04 09:02]
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ドル円、株高金利高を受け119円台前半に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
原油価格が再び低下したことや、フィッシャーFRB副議長の発言、
さらには株高、長期金利の上昇などのドル高材料に押し上げられた。
1.2377まで下落し、約1週間ぶりに1.24台を割り込む。
景気への信頼感が強まった。ダウは102ドル高と最高値を大きく
更新する。
ことを嫌気して価格が下落。10年債利回りは2.29%台まで上昇。
本日の注目イベント
格付け会社ムーディーズによる日本国債の「格下げショック」も僅か1日で
終わったようです。前日119円台から117円台後半まで売り込まれたド
ル円は、昨日のNY市場では今年の最高値を更新し、119円29銭までド
ル高が進み、やはり「120円前後を見なければ収まりの付かない相場」
との印象を強めました。
昨日の日経平均株価は朝方は100円前後のマイナスで始まりましたが、下
げ幅を徐々に縮小し、後場には逆に100円前後のプラスに転じる場面もあ
りました。
上値が重いかに見えたドル円も歩調を合わせ、118円台半ばまで上昇、欧
州市場では118円台後半、そしてNY市場ではドル高が一段と進み、直近
高値を更新しました。
日米共に株価が堅調で、その背景には原油価格の急落という好材料があるこ
とは言うまでもありません。日米金融当局者も、原油価格の低下が自国の経
済にとってはプラスだと発言しています。米国は来年にも利上げが見込まれ
ますが、緩和状況に変わりはありません。
日米欧いずれでも緩和状態が維持される中、原油価格急落という追い風が吹き、
企業業績も好調だとすれば株価が上がらないわけもありません。
株価の上昇は投資家のリスク許容度を高め、高金利通貨が選好され、低金利通
貨が売られることになるためドル円が上昇し、円がその他主要通貨に対して弱
含むのも自然の成り行きとも言えます。
加えて、日銀による異次元緩和で市場への円の供給額はドルやユーロを圧倒し
ています。
ドルが買われて円が売られる構図はこれからも継続されると考えることは極め
て妥当です。注意したいのが急激な円安に対する懸念発言です。
先月21日に麻生財務大臣が発言したような、円安のスピードを懸念する発言
です。「円安は日本経済にプラスだ」と繰り返し発言していた黒田日銀総裁の
発言も微妙に変化して来ました。
120円に向かって上昇する相場であるとしても、今日明日にでもその水準を
クリアする様だと、やはり「スピード違反」の印象は否めません。
フィッシャーFRB副議長は昨日、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)
のカウンシル会議で低金利を「相当な期間」維持するとの文言を当局が削除す
る時期が近づいており、2006年以来初の利上げの指針として経済指標を重
視することになるとの認識を示しました。(ブルームバーグ)
副議長は「それに関する協議があったことが前回のFOMCの議事録で分かっ
ており、当局がその削除に数ヶ月前より近づいているのは明白だ」と述べてい
ます。
本日もNYダウ最高値更新と原油安などの好材料があることから、日経平均株
価も堅調に推移すると思われます。「株高ドル高」の好循環が見込まれること
から、レンジは118円50銭~119円80銭程度を予想します。

- [2014/12/03 08:51]
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日本国債格下げで円乱高下
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
一時119円14銭までドル高が進んだが、その後株価の下落予想や、追加緩和期待の
後退から117円86銭まで下落。引けにかけては118円35銭近辺まで
反発して取引を終えた。
ECB理事会を控え積極的な取引は限られた。
不調が嫌気され、ダウは51ドル安。
原油安が個人消費にとってプラスになるとのNY連銀総裁の発言を手がかりに売られた。
割安感もあるとの見方から買い戻され、69ドル台を回復。
本日の注目イベント
大手格付け会社ムーディーズの日本国債格下げはやや唐突でした。
以前この欄でも消費税増税を延期した場合、財政規律の悪化から格下げのリスクがある
ことは触れましたが、このタイミングは意外でした。
しかも、「A1」で、上から4番目の格付けとなり、日本国債の安全性が中国、韓国よ
りも下になったわけです。
国債の格下げは本来、その国の安全性の低下につながることから、発行体は資金調達コ
ストが上がり、財政的にはマイナスになります。
さらに格下げが続けば、日本国債が売られ、長期金利の急騰につながりますが、日本の
現状は様相が異なります。
日銀が異次元緩和で、年間80兆円もの国債を買い占めているからです。
日本の長期金利が0.43%という低水準で推移しているのも、日銀が国債を一手買い
しているからに他成りません。従って、今回の格下げでも現在の緩和政策が継続されて
いる限り長期金利の急騰は考えにくいと思われます。また、日本国債はそのほとんどが
国内で消化されていることも、金利が急騰しにくいと考えられています。
長期的に見れば国債が売られ長期金利が上昇し日本株や円も売られることになり、「日
本売り」になると考えられます。
ドル高円安要因と見ることができますが、同時に株が売られることで、こちらから見れ
ば円高要因と見ることもできそうです。
今回の格下げの影響は今のところ軽微だといえます。
119円台まで円安が進んだドル円は、120円が目先の目標だとすれば「かなりいい
ところ」まで来ました。それでも日本株は堅調に推移しており、株高と円安が同時に進
行している状況は簡単にはかわりそうもありません。年内120円前後まで円が売られ
るというシナリオはまだ堅持していいかと思います。昨日はドル安が進んだことで、金
は大幅に反発し、原油価格も戻しています。しばらくは、長期金利や株価の行方だけで
はなく、原油価格の動向にも目配りをする必要があるかもしれません。
その原油価格について、ダドリーNY連銀総裁は講演で、「原油価格の下落は個人消費
にプラスだ」とし、政策金利の引き上げは2015年半ばが妥当であるとの認識を示し
ました。
全米小売業協会(NFR)のリポートによると、先週末のブラックフライデー商戦は前
年を11%下回ったようです。
株高という資産効果もあり、堅調な個人消費を予想していましたが、個人の財布の紐は
意外に堅かったようです。しかし原油安の効果が本格的に現れるのは、これからクリス
マスまでの期間と見ることもできます。
昨日119円台を記録した後の調整も1円30銭前後でした。
これまでの動きを参考にするなら、小幅調整はほぼ終えたことになります。
今日は昨日のNYの底値である117円86銭が維持できるかどうかに注目します。
レンジは117円80銭~118円80銭程度を予想します。

- [2014/12/02 08:58]
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ドル円再び119円台に迫る
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
上昇率の鈍化を手がかりに118円78銭までドル高が進行。21日の欧州市場で
記録した118円98銭も視野に。
ユーロ売りに、1.2426まで売られたが、1.24台半ばまで戻して引ける。
理事会で量的緩和に踏み切るとの見方は依然根強い。
小売株が堅調。ダウは前日とほぼ変わらず、S&P500は5ポイント下落。
10年債利回りは5週間ぶりに2.16%台まで低下。
売られ、66ドル台で引ける。
本日の注目イベント
NY原油先物市場で、WTI原油価格が大幅に続落しました。
OPEC総会で日量3000万バレルの生産を維持することを決めたことが直接の
原因ですが、加えて世界的な景気減速が背景にあります。
特に中国が2015年の経済成長目標を7.5%前後から、7.0%前後に下方修
正したことが大きな下落要因になったと考えられます。
原油価格の大幅下落は米国経済にプラスに働きます。
もちろん、シェールガス、シェールオイルの採掘コストが高い米国にとっては、こ
れ以上原油価格が下がると「採算割れ」をするといった見方もあるようですが、米
国全体から見れば原油安はプラスに作用し、ドル買い材料と見ることができます。
一方、日本とっても原油安は物量コストの低下につながり、個人にとってもガソリ
ン価格が下がり、消費拡大につながります。
ここまでは円高要因と見ることができますが、現在採られている金融政策の面から
見るとそうともいえません。「2年で2%の物価上昇」を目指している日銀にとっ
て、原油安は物価を押し下げる効果があるからです。
原油価格の下落→ 消費者物価の低下→2%物価上昇の不確実性の増加→追加緩和
観測の台頭、といった具合に、円売りあるいは株高につながりやすいという側面も
あります。
ドル円は、先週末のNY市場で118円78銭まで上昇し、週明けのオセアニアで
も118円90銭前後まで円安が進んでいます。
先月21日の欧州市場で記録した118円98銭も抜きそうな気配で、いよいよ1
19円台乗せが現実的になって来ました。
やはり「120円を見ないと収まらない相場」ということのようです。
今週は米雇用統計があり、その前にはECB理事会もあります。
雇用については概ね好調さが維持されていると思われ、ECB理事会では量的緩和
に踏み切るのかどうかが焦点です。
仮にECBが国債購入を含む量的緩和を決定すれば、ユーロが売られドル高が進む
ものと予想されます。
ユーロ安ドル高は、ドル円でもドル高円安につながりやすいことから、今週にも1
20円近辺までドル高が進む可能性もありそうです。
本日は朝からドルが買われていますが、レンジは118円30銭~119円50銭
程度と予想したいと思います。

- [2014/12/01 08:54]
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