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株安から長期金利低下 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 東京時間には株価の大幅安で119円25銭まで下落したドル円は、

    NYでは株価が上昇に転じたことで120円16銭まで反発。

    株価に反応しながらも、依然として120円を挟む展開が続く。

  • ユーロドルは小幅にユーロ高が続く。ECBは追加緩和を実施できない

    との見方が増えてきたとの報道も、ユーロ買い戻しにつながり、

    ユーロドルは1.1268まで上昇。

  • 株式市場は反発して始まったものの、午後には下落に転じる指数もあり、

    まちまち。ダウは47ドル上昇したものの、ナスダックは続落。

  • 債券相場は続伸。世界的な株価の下落を背景に債券への需要が強く、

    10年債利回りは一時、約1ヶ月ぶりの低利回りとなる2.04%まで

    低下。その後は2.05%台まで押し戻されて引ける。

  • 金は続落、原油は反発して45ドル台に。

  • 7月ケースシラー住宅価格指数 → +4.96%

  • 9月消費者信頼感指数     → 103


    本日の注目イベント

  • 豪   豪8月住宅建設許可件数

  • 日   8月鉱工業生産

  • 中   中国9月財新製造業PMI(改定値)

  • 中   中国9月財新サービス業PMI

  • 中   中国9月財新コンポジットPMI

  • 独   独9月雇用統計

  • 欧   ユーロ圏8月失業率

  • 欧   ユーロ圏9月消費者物価指数(速報値)

  • 英   英4-6月期GDP(確定値)

  • 米   9月ADP雇用者数

  • 米   9月シカゴ購買部協会景気指数

  • 米   イエレン・FRB議長講演

  • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演



    株式市場が再び「リスク回避」の震源地になってきました。

    昨日の東京株式市場では日経平均株価が714円下げ、採用銘柄である225銘柄

    が全面安となる展開でした。

    株価の下落を睨みながらドル円もジリ安となり、一時は119円25銭まで円高が

    進みましたが、その後の海外市場ではドルが買い戻され、120円台に乗せる場面

    もありました。

    依然として株価の行方が、全ての市場の方向性を決めていると言ってもいい状況が

    続いています。中国景気の不透明感が投資家の不安心理を増幅させ、フォルクスワ

    ーゲン問題に加え、スペインのカタルーニャ州の独立問題も影響しているようです。

    一方国内に目を向けても、アベノミクス「第2ステージ」には、新鮮味がなく、G

    DP600兆円も具体策がなく、インパクトに欠けます。

    今後具体的な政策が出てくるものと思いますが、果たしてどれだけの効果があるか

    は不透明です。そもそも600兆円実現の前提が、名目成長率3%という途方もな

    い成長率が基礎になっており、これは1980年代後半の、あの「バブル経済」に

    匹敵するものです。

    また、徐々に盛り上がってきている「追加緩和」にしても、黒田日銀総裁は「物価

    の基調は変わっていない」として、原油安の影響を取り除けば、順調に2%の物価

    上昇目標に向っているとして、「追加緩和」は必要ではないとしています。

    やや手詰まり感が漂っている状況で、これを打開するには何か決定打が必要なのは

    多くの専門化の共通の認識だと思われます。

    産業競争力会議の民間議員を努める竹中平蔵氏はブルムーバーグとのインタビュー

    で、デフレ脱却という目標を達成するためには「金融政策の出番はもう一回ある」

    と述べています。さらに、効果を最大限にするためには財政政策とセットでやる方

    がいいとの見方も示しています。

    ドル円は昨日の株価の大幅下落でも119円25銭で下げ止まり、これは先週に記

    録した119円20銭とほぼ同水準です。

    上値が重いのも事実ですが、119円近辺ではドル買い需要も根強いことが窺えま

    す。

    120円を中心に上下1円程度のレンジが形成されていますが、先日も述べました

    が、そろそろどちらかにレンジブレイクをしてもいい頃かと思います。

    レンジ内で上手く売り買いを行うのもいいですが、レンジが抜けた際にはしっかり

    と認識しておかないとその後の売買が厳しくなるケースがあります。注意する必要

    があろうかと思います。

    本日も株価の動向に注目ですが、ドル円は短期的には上値が抑えられている状況で

    す。

    再度120円台に乗せられるかどうかがポイントですが、チャートでは120円3

    0銭~50銭を上抜けできれば上昇の余地はありそうですが、それには株価の大幅

    反発が不可欠と見られます。

    本日のレンジは119円30銭~120円30銭程度と予想します。


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    世界の主要株価再び大幅下落 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • 120円台前半で取引が始まったドル円は、株価の大幅

    下落や、長期金利の低下に120円を割り込み、119円70銭

    までドル安が進む。

  • ユーロドルでもドル安が進み、1.12台半ばまでユーロが

    買い戻される。

  • 株式市場は大幅に下落。日欧で株価が下げたことや、中国景気への

    不透明感からダウは312ドル下落し、約1ヶ月ぶりの安値となる

    1万6000ドル台まで売られる。

  • 債券相場は続伸。株安や商品相場の下落を背景にリスク回避の

    債券買いが進んだ。長期金利は2.1%を割り込む水準まで低下。

  • 金は続落し、原油は反落。


  • 8月個人所得          → +0.3%

  • 8月個人支出          → +0.4%

  • 8月PCEコアデフレーター   → +1.3%

  • 8月中古住宅販売成約指数    → -1.4%

    本日の注目イベント

  • 独   独9月消費者物価指数(速報値)

  • 欧   ユーロ圏9月景況感指数

  • 欧   ユーロ圏11月消費者信頼感指数(改定値)

  • 米   7月ケースシラー住宅価格指数

  • 米   9月消費者信頼感指数


    ドル円は120円を挟んだ展開が続いています。

    先週末のNYでは121円24銭まで買われたドル円は、週明けの日欧の

    株式市場で、株価が大きく下落したことを受けて、NYダウなど主要株価

    指数が大幅安となり、つられてドルが売られて対円でも119円70銭ま

    でドル安が進行しました。中国の工業利益が前月比大幅に減少したことで、

    再び中国景気への不安が台頭し、世界の主要株価下落へとつながっていま

    す。

    中国の経済成長がどの程度減速しているのかが不透明なことが、市場の不

    安心理を増幅しているとの指摘もある中、今朝の経済紙は、日本経済研究

    センターが試算した中国GDPは公式の7%から大きく減速していとる報

    じています。試算は「銀行貸し出しの伸び」などの数字を使い試算したも

    のですが、それによると中国の4-6月期の実質GDPは4.6%~6.

    5%の範囲内だったとしています。

    中国政府が発表した同期間のGDPは7.0%だったわけですが、やはり

    かなりの開きがあるのは事実のようです。

    以前、中国の経済専門機関からも実質GDPは4%台との試算もありまし

    た。

    昨日は二人の地区連銀総裁の講演があり、年内の利上げには前向きな考え

    と、先延ばしすべきだという認識を示しています。

    市場への影響はなかったようですが、サンフランシスコ連銀のウィリアム

    ズ総裁は、年内の利上げ予想を繰り返しましたが、不動産価格の急激な上

    昇には警告を発していました。

    一方ハト派の重鎮であるシカゴ連銀のエバンス総裁は、「利上げ開始を遅

    らせ、その後の金融政策正常化へのアプローチを緩やかなものにすること

    で、経済は今後直面し得る課題に最もうまく対応できるようになる」

    として、利上げ開始を先延ばしすることが得策との認識を示しました。

    利上げが10月か12月か、あるいは来年以降になるのか見方は分かれて

    いますが、その重要な判断材料となる雇用統計は、今週末のそれを含めて

    年内にあと3回確認することができます。当然ですが、これらは利上げ判

    断に非常に重要な影響を与えることになります。

    すでに9月の非農業部門雇用者数は20万人程度が予想されており、今後

    3回とも20万人程度であれば少なくとも雇用者数という観点からは、利

    上げを先送りする理由はみつからないと思われます。失業率も前月と同じ

    5.1%と予想されています。問題は賃金と広義の失業率の数字がFRB

    が安心する水準には戻っていないという点です。

    週末は、こちらの数値にも注目する必要がありそうです。

    本日も株価の大幅安を受けて、ドル円は下値を試す展開が予想されます。

    先ずは、昨日のNYのドル安値である119円70銭がサポートで、さら

    に先週記録した119円20銭が次のサポートでしょう。

    株価が大幅に下落する割には円高が急激に進まないイメージがありますが、

    上海株の急落には注意したいと思います。

    予想レンジは119円~120円50銭程度とします。


  • ドル円米GDP上方修正で一時121円台に 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円はGDP確定値が上方修正されたことや、株高などを
    好感し121円台まで上昇。一時121円24銭までドル高が進んだが
    その後は株価が上昇幅を縮小したことで、120円台半ばまで反落。

  • ユーロドルも続伸。1.11台前半を割り込めない展開が続いて
    いるが、上値を徐々に切り下げている。

  • GDP確定値を受け株価は反発。金融セクターなどの株価が
    上昇を牽引。ダウは113ドル上昇したが、ハイテク株は軟調。

  • 債券相場は反落。前日のイエレン発言が重石となり、2年債が
    売られる。長期金利は2.16%台まで上昇。

  • 金は反落し、原油価格は反発。

  • 米4-6月期GDP(確定値 )         → 3.9%

  • 9月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値) → 87.2

    本日の注目イベント

  • 中   中国8月工業利益
  • 米   8月個人所得
  • 米   8月個人支出
  • 米   8月PCEコアデフレーター
  • 米   8月中古住宅販売成約指数
  • 米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
  • 米   ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演

    120円を中心にもみ合いが続いているドル円は、4-6月期の
    GDP確定値が、改定値から上方修正されたことを受け、一時
    121円24銭までドル高が進みました。
    この水準は9月10日に記録したドルの高値とほぼ同水準で、
    9月初めから続いているレンジの上限を試した格好でしたが、
    NY株式市場で、ナスダック指数がマイナスに転じたことから、
    120円台半ばまで反落し、引き続きレンジ相場を維持する
    結果になっています。

    9月に入ってからのドル円は概ね、119円~121円のレンジで
    推移しています。中国発の世界同時株安の影響は、今も進行中です。
    また米利上げ観測の影響で株式も大きく揺れ動きました。
    加えて、降って沸いたようなフォルクスワーゲンの不正問題もあり
    ました。
    しかし、それでもドル円は一時116円台前半まで急落する局面は
    ありましたが、底堅い動きを維持して
    います。レンジ相場が1ヶ月程度続いていることから、そろそろ
    日柄的にもどちらかに抜けてもいい頃かもしれません。

    その際に重要なポイントとなるのは、やはり米国の利上げ観測と
    いうことになります。イエレン議長は先週、FOMCメンバーの
    多くは年内利上げを想定していると述べました。
    10月の利上げは、まだ外部環境が不安定なことから難しそうですが、
    12月の会合では利上げの可能性が高いと予想しています。
    先週末の講演でセントルイス連銀のブラード総裁も、利上げへ
    「行動開始が望ましい」と述べ、イエレン議長と同様な認識を示して
    います。(ブル-ムバーグ)

    このように外部環境が落ち着きをみせれば、米国が利上げに踏み切る
    可能性は高く、今後どこかのタイミングで、現在のレンジが破れるを
    すればドル高の方向の可能性が高いのではないかと予想します。
    まだ足元では中国発の余震は続いており、株価の急落をきっかけに
    ドル円が大きく下落するリスクはないとはいえません。
    しかし、上記FRBのスタンスと、2%の物価上昇が非常に難しい
    状況下に置かれている日銀のスタンスを考慮すると、FRBの利上げと
    日銀の追加緩和がないとは言えません。

    今週末には9月の雇用統計が発表されます。
    ドル上昇のきっかけとすれば、これほどいいタイミングはありません。
    10月に入り、米国の経済成長が依然として緩やかに拡大している
    ことが確認されれば、ドル上昇のドライバーになることは十分考え
    られます。

    本日はいつものように、株価に注目することは当然ですが、地区連銀
    総裁の講演が二つ予定されています。
    ここでも利上げに前向きな発言が出るかどうかにも注目したいと
    思います。
    シカゴ連銀総裁は「ハト派」の代表格で、サンフランシスコ連銀総裁は
    イエレン議長に近い立場と見られています。
    本日の予想レンジは120円~121円30銭程度を見ています。

  • ドル円、イエレン発言に下げを埋める 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場


    • 欧州時間に入ると下げ足を早めたドル円は、NYの朝方には
      119円21銭まで下落。株安、金利低下に反応したが、株価が
      下落幅を縮小したことで買い戻しが入り、今朝方のイエレン議長の
      発言に120円30銭近辺まで反発。

    • ユーロドルも朝方はドル安の流れに1.13に届くレベルまで買われたが、
      その後のイエレン発言にドルが買われ、1.11台後半までユーロ安が進む。

    • 株式市場は独フォルクスワーゲンの不正問題の影響もあり、大幅な下落で
      始まったが、原油が上昇したことでエネルギー株が買い戻され、下げ幅を
      縮小。それでもダウは78ドル下落し、1万6200ドル台まで下げる。

    • 株価が下落したことから、債券には資金が集まり価格は上昇。
      長期金利は一時2.1%を割る場面も。

    • 金は大幅に続伸し1153ドルと、約1ヶ月ぶりの高値に。原油も反発。

    • 新規失業保険申請件数   → 26.7万件

    • 8月耐久財受注      → -2.0%

    • 8月新築住宅販売件数   → 55.2万件


    本日の注目イベント

    • 日   8月消費者物価指数
    • 欧   ユーロ圏8月マネーサプライ
    • 米   米中首脳会談
    • 米   4-6月期GDP(確定値 )
    • 米   9月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値)
    • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演
    • 米   ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演

    =============================================================

    独フォルクスワーゲンの排ガス試験を巡る不正問題が、米国だけではなく
    欧州でも行われていたことが明らかになり、ドイツDAXをはじめ、欧州
    株が軒並み下げたことで、リスクオフから円が買われる展開となり、
    ドル円は119円21銭まで下落しました。
    昨日の東京の朝方からは1円以上の円高が進みましたが、その後買い
    戻しが入り、今朝方のイエレン議長の発言から120円30銭近辺まで値を
    戻し、結局「往って来い」の相場展開でした。

    イエレン議長は、日本時間今朝方、マサチューセッツ州で講演し、自身を
    含めFOMC参加者の大半は年内の利上げを見込んでいると述べ、ただし
    経済面で「予想外の出来事」が生じた場合はこうした見通しが変わり得ると
    語っています。
    イエレン議長のこの発言で、先週は見送られた利上げが、依然として年内
    あと2回あるFOMCで決定される可能性もあることが確認できたことに
    なります。
    外部環境の変化が政策判断に与える影響は大きいものの、FRBとすれば
    できるだけ早い段階で正常化への筋道はつけておきたいとの考えがある
    ことが窺えます。

    ドル円は1円の値幅で「往って来い」の展開となりましたが、120円を
    挟み、まだ明確な方向性は見極めにくい状況です。
    ただ、じっくりとチャートをみれば、8月の後半から始まった世界同時
    株安の割にはドル円は健闘していると言えないこともありません。
    因みに、NYダウが4日間で1086ドル下げた8月23日ごろの
    ドル円は121円台後半でした。

    株価が大きく売られ、債券が買われたことで米金利が低下しました。
    典型的なリスクオフの動きのなかで、ドル円は一時116円台前半まで
    売られる場面もありましたが、それも「瞬間風速」で、概ね119円~121円
    のレンジ内で動いています。
    先週のFOMCで利上げが見送られたにも関わらず、ドルの下値は
    そこそこ堅いと見ることもできます。
    この背景には、 日米欧では景気が順調に拡大している米国が、いずれ利上げに
    踏み切るとの見方があるということです。

    米国の利上げ観測、中国景気の減速と通貨切り下げ、そして今度はフォルクス
    ワーゲンの不正問題など株式市場は大混乱が続いています。
    多くのヘッジファンドにとっても、2015年度は「困難な年」になりそうです。
    個人投資家の皆さんもここは守りの時期と割り切って、株式市場をはじめ、金融
    市場が落ち着きを取り戻すまでは、大きな損をしないように心がけるべきでしょう。

    本日もドル円の上値は重い展開が続くと思われます。
    安倍首相の「GDP600兆円」も具体策や達成時期はまだ不明です。
    株価が急反発しないという前提にたてば、ドル円のレンジは119円30銭~
    120円70銭程度と予想します。

    =================================

    ラグビー、ワールドカップで日本代表が南アフリカを破ったことで、
    翌日のテレビはどこもラグビー一色でした。
    実は筆者も40年以上ラグビーを見てきて、今回の勝利は快挙だと思います。
    野球で言えば、高校生チームがプロ野球チームを破ったとは言いませんが、
    社会人チームを破ったくらいの快挙ではないでしょうか。
    かつて大西鉄之助氏が考案した「カンペイ」のように、体力的に劣る
    日本人には独創的な戦略が求められますが、今回のモールからのスクラム
    トライも日本的な攻撃方法に見えました。

    良い週末を・・・・・。

    米株式市場は依然不安定 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場


    • ドル円は120円台でもみ合い。特段材料もなく、
      前日の119円台では底堅い動きを見せていたことも
      あり、ユーロ円の上昇とともに、120円55銭まで
      ドルが買われる。

    • ドラギECB総裁が、刺激策の拡大には慎重な
      見方を示したことからユーロドルは1.12台前半
      まで買い戻しが進む。

    • 株式市場は続落。原油安が進んだことで、エネル
      ギー株が下げを牽引。ダウは50ドル下げ、主要株価
      指数も続落。

    • 債券相場は下落。インフレ期待値を示す指数が低
      下したことを受け売りがまさった。長期金利は
      2.15%台で取引を終える。

    • 金は反発し、原油は続落。

    本日の注目イベント

    • 独   独9月IFO景況指数
    • 米   新規失業保険申請件数 
    • 米   8月耐久財受注
    • 米   8月新築住宅販売件数
    • 米   イエレン・FRB議長講演

    日本の連休中、ドル円は120円を挟んだ展開で、方向感もあまり出ない
    動きでしたが、利上げを見送った割りには、依然として不安定な動きを
    続けている米株式市場を反映してか、ドル円もやや上値の重い展開が
    続いています。

    先週末には一旦、119円06銭まで下落したドル円でしたが、その後は
    120円台を回復したものの、120円台半ばから上値が重いイメージです。
    株価の不安定さがドルの上値を重くしていることに加え、中国景気の
    先行きも依然として不透明です。
    昨日発表された9月の中国製造業PMIは「47.0」で、市場予想を
    下回ったばかりか、先月の「47.3」も下回っていました。

    昨日から、米国を公式訪問している習近平主席は、昨日ボーイングの本社が
    あるシアトルで「航空機300機」を購入するという「手土産」を発表しま
    したが、中国景気に対する不透明感払拭されていません。

    先週のFOMCでは予想通り利上げは見送るとい判断が下されましたが、
    今後は、では年内に利上げはあるのかどうかという点に焦点が移ってきま
    した。現在、イエレン議長の記者会見が予定されていない10月の
    FOMCでの利上げの可能性も浮上しています。

    事実イエレン議長は、先週の記者会見でも10月の可能性は残しており、
    記者会見についても臨時記者会見もあり得ることを示唆していました。
    ここから、10月利上げ説が支持されることになっているようですが、
    問題はそれまでに中国景気の「実力」が判明するかどうかという点が
    重要です。
    個人的には12月利上げを予想しており、10月までには現在の不透明
    感は払拭できないと思っております。

    本日は新規失業保険申請件数など、経済指標がいくつか発表されますが、
    注目はイエレン議長の講演です。
    上述のように、先週の記者会見では10月の利上げの可能性を排除しな
    かったものの、労働市場に関する見通しが予想以上に「ハト派」的でした。
    利上げに関して強気の発言をするようだと、俄然10月説が勢いを
    増してくることも考えられます。

    本日のドル円のレンジは119円65銭~120円65銭程度を予想します。

    FOMC利上げを見送る 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場



    • FOMCで利上げが見送られたことからドル円は大きく反落。
      海外市場ではドルがじり高となり、121円近辺まで買われたが
      政策金利発表後はドル売りが強まり、119円80銭まで下落。

    • 利上げがなかったことから、ユーロドルは大幅に上昇。
      約3週間ぶりに1.14台半ばまでユーロ高が進む。

    • 株式市場は利上げ見送りを好感し上昇したものの、イエレン議長
      が10月利上げの可能性を否定しなかったことから下げに転じた。
      ダウは65ドル下落し、ナスダックは4ポイント上昇。

    • 債券相場は反発。FOMC声明文で、インフレ圧力が低下すると
      記述されたことで、債券に買いが集まる。長期金利は2.19%台まで低下。

    • 金、原油はともに下落。

    • 8月住宅着工件数           → 112.6万件

    • 8月建設許可件数           → 117.0万件

    • 9月フィラデルフィア連銀景況指数   → -6.0

    • 新規失業保険申請件数         → 26.4万件

    本日の注目イベント

    • 日   日銀金融政策決定会合議事要旨(10月6、7日分)
    • 米   8月景気先行指標総合指数
    • 加   カナダ8月消費者物価指数


    今朝方のFOMCでは、予想通り利上げを見送りました。
    声明文では「最近の世界的な経済・金融情勢は経済活動をやや抑制する可能性があり、
    短期的にインフレに一層の下向き圧力をかける可能性が高い」と指摘しました。
    やはり、中国の景気減速を巡る混乱など、外部環境を考慮したことから、
    FOMCでは政策金利据え置きを決めたものと判断できます。

    この結果を受けて、121円近辺まで買われていたドル円は急速に値を崩し、
    119円80銭までドル売りが強まり、ユーロドルでもドル売りユーロが買いが
    活発となり、1.14台半ばまでドル安が進行しました。
    また株式市場では、利上げが見送られたことを好感し株価が急伸しましたが、
    その後のイエレン議長の記者会見を受けてマイナス圏に沈み、ダウは65ドル
    下落し、ナスダックは4ポイント上昇と、「大山鳴動してねずみ一匹」といった
    格好で、今年最大のイベントを終えることになりました。

    イエレン議長は記者会見で、景気回復の手ごたえを感じ、今回、金利引き上げの
    可能性について議論したことを明らかにしています。

    しかし、海外での不確実性の高まりと、予想されるインフレの道筋がやや弱まった
    ことを考慮し、さらに(利上げのための)一層の証拠を持つことが適切だとFO
    MCは判断したと、利上げを見送った理由を述べています。

    また議長は、今後の利上げのタイミングについて「10月が含まれるのは
    確かだ」とも語っています。

    昨日この欄でも述べたように、利上げを行うかどうかが第一波で、イエレン
    議長の記者会見が第二波になると予想しましたが、結果的にはその通りでしたが、
    波の高さは予想よりも低かったと言えます。
    同時に、今回は利上げを見送りましたが、年内にあと2回あるFOMCで利上げを
    行う可能性は、依然として残っています。
    10月の利上げのタイミングも否定しませんでしたが、果たしてこれから
    1ヶ月以内に中国の混乱が収まるかどうかは不透明で、結局今後も米利上げを巡る
    市場の混乱は残ることになります。
    FRBとしても、一日でも早く正常な金融政策への道筋をつけたかったに違い
    ありませんが、外部環境を考慮して今回の決断を行ったことは理解できます。

    今後の予想ですが、引き続き変動率の高い相場展開が続く思われますが、変動幅は
    徐々に低下していくのではないかと思います。
    来週25日には習近平中国国家主席が訪米し、オバマ大統領と首脳会談を行います。
    中国とすれば、少なくともそれまでは「中国発の世界同時株安」は避けたいとの
    思惑もあるはずです。
    中国株価が安定すれば世界同時株安の可能性は低く、ひいては為替の安定にも
    つながると予想します。

    結局相場は元の水準に戻った格好ですが、クロス円を見ると、円安傾向が続いて
    いることが窺えます。
    本日のドル円のレンジは、119円50銭~120円80銭程度を予想します。

    ====================================================
    シルバーウィークが始まります。
    気温もちょうど暑くも寒くもなく、すごしやすい季節です。
    連休中も為替の変動があるかもしれませんので、注意は必要です。
    良い週末を・・・・・。

    FOMC始まる 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場


    • ドル円はFOMCを控えポジション調整に終始したものの、
      株高と金利高にドルが買われ、120円73銭まで上昇。
    • ユーロドルはドル高の流れに売られる。1.13台から
      1.1219までユーロ安が進む。
    • 株式市場は続伸。エネルギー株が上昇した他、M&Aがらみで
      ビール会社の株も買われる。ダウは140ドル上昇し、1万6700ドル
      台を回復。
    • 債券相場は小幅に続落。利益確定の売りが優勢となり、長期金利は
      2.29%台まで上昇。
    • 金と原油は大幅高となり、こちらもショートカバーとの声も。
    • 8月消費者物価指数    → -0.1%
    • 9月NAHB住宅市場指数 → 62

    本日の注目イベント

    • 日   8月貿易収支
    • 欧   ECB経済報告
    • 英   英8月小売売上高
    • 米   8月住宅着工件数
    • 米   8月建設許可件数
    • 米   9月フィラデルフィア連銀景況指数
    • 米   新規失業保険申請件数
    • 米   FOMC 政策金利発表
    • 米   イエレン議長記者会見

    今年最大の注目イベントと言ってもいい、FOMCが始まりました。
    声明文は明日の朝方3時に発表されます。
    それぞれの市場では、万が一の利上げに備える者、利上げを見送ったケースを
    想定する者など、発表前にポジションを調整しておく動きがメインでした。

    為替市場ではドル円が少し買い戻され、ポンドも買われています。
    やや驚きなのは、主要なマーケットではほぼ全て前日比プラスで終わっている
    ことです。
    金は前日比16ドルも上昇し、原油も2ドル56セントも急騰しています。
    これまで下落を見込んで作ったポジションの巻き戻しかと思えます。
    またほぼ一貫して買われていた米国債も、前日から利益確定の売りが出て、
    金利が上昇して来ました。いすれも、FOMCを前に利益を取る動きかと
    思います。

    こうなると、本日の日経平均株価も大幅高になるのではないかと予想します。
    先物を売り建てしている向きも多く、日経平均株価の上値を抑えていました。
    仮に株価が急騰した場合、今話題のETF「日経レバ」に売りにポジションを
    張っている向きは相当な痛手をこうむることになりかねません。

    今朝のブルームバーグ・ニュースも、FOMC関連のニュースでにぎわって
    います。その中で、「悲観論者のためのFOMCガイド:知っておきたい
    悪いシナリオ」という記事が目を引きました。
    利上げを予想する専門家は、約30%ほどいるようです。
    もし利上げが決定されると、短期債が売られ、金利が上昇します。
    金利の上昇は通常、ドルの買い材料となりますが、海外投資家は債券を
    売ると入ってくるドルも売るため金利上昇とドル安が起こるとの見方も
    あります。

    一方で、現行のゼロ金利維持でも、最終的にはもっと大きなリスクを招きか
    ねないとの見方も広がっていると報じています。
    先送りとなれば、FOMCの真意を汲み取ろうと市場が右往左往するため、
    金融市場では大きな変動を引き起こす可能性があるからだとしています。
    「亀裂が入ったガラスのようで、その亀裂がどの方向に広がっていくか、
    予想するのは難しい」という言葉が象徴的です。

    もう一度整理しておくと、利上げがなかった場合にはドル安要因には
    なるが、株価との相関を強めている足元の動きでは、株価が上昇する
    可能性が高いため、こちらに鞘寄せされることも十分予想されます。
    同時にその後のイエレン議長の発言に、ではいったい「いつ利上げを
    するのか」を探ることになります。
    そこで年内の利上げを示唆するようだと、上記動きが急速に反転する
    リスクもあります。

    個人的には、利上げを決めた際にはもっと混乱すると思います。
    市場の多くが利上げ見送りを予想しているからです。
    株価が大きく売られ、金利上昇からドルが買われると思われますが、
    ブルームバーグのニュースにあったように、米国債を売って自国通貨に
    戻す動きも想定されます。
    またその後の金融引き締めのペースを巡って、イエレン議長の発言が
    重要になってきます。

    いずれにしても、相当神経質な値動きが想定され、しかも今回は大きな
    波が何度も押し寄せるイメージです。
    ポジション管理には十分注意が必要です。
    予想レンジはワイドに118円~122円程度で、あまり予想する
    意味がないかもしれません。

    市場は依然不安定 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • 欧州市場では一時119円40銭まで売られたドル円は、NYに入ると

    小売売上高が2ヵ月連続で上昇したことや、株高、金利高を反映しドルが

    買われる。120円49銭までドル高が進み、連日方向感のない展開が続く。

  • ユーロドルは膠着感が強まる。1.13を挟んだ展開が続き、

    この日も前日と同様なレンジ内に納まる。

  • 株式市場は小売売上高の伸びを好感し大幅に反発。ダウは228ドル

    上昇し、その他主要株価指数も揃って上昇。

  • 債券相場は反落。特に利上げの影響を受けやすい2年債が売られ、

    利回りは一時、4年半ぶりの高水準となる。長期金利も2.28%台と、

    大幅に上昇。

  • 金は反落し、原油は反発。

  • 8月小売売上高       → +0.2%

  • 9月NY連銀製造業景気指数 → -14.67

  • 8月鉱工業生産       → -0.4%


    本日の注目イベント


    FOMCが間近に迫り、市場は連日「日替わりメニュー」のように上下を

    繰り返しています。昨日の日経平均株価は、一部に予想された日銀の追加

    緩和を期待した買いが株価を押し上げ、一時は360円を超える上昇を見

    せましたが、昼ごろ政策据え置きが発表されると上げ幅を全部吐き出すよ

    うな展開でした。ドル円もその動きに歩調を合わせるように、120円6

    5銭まで買われた後、120円を割る場面もありました。

    NYでは小売売上高が予想を下回ったものの、7月分が上方修正され、2

    ヵ月連続で上昇したことを好感して株価が急反発。さらに長期金利も大

    幅に上昇したことからドル円は堅調に推移しています。株価との相関関

    係も「0.7~0.8」程度まで上昇し、足元では為替が株価を引っ張る

    のではなく、株価の動きが為替を決めている状況が続いています。

    昨日のNYで特徴的だったのは、2年債の動きでした。

    政策変更の影響を最も受けやすいとされる2年債は大きく売られ、利回り

    は0.802%を超える場面もあり、これは2011年4月以来の高水準

    でした。市場が政策金利引き上げを織り込んだ動きと言えます。

    明日の会合では、約30%の専門家が利上げを予想していますが、それは

    少数派です。それでも2年債が売られたのは、単なるポジション調整なの

    か、あるいは今回見送られたとしても金融引き締めに舵を切ることへの布

    石なのか分かりませんが、注目すべき動きです。

    FOMCの政策変更は、日本時間18日の朝方3時に発表されます。

    上述のように、利上げを先送りするとの見方が優勢です。新興国やIMF

    に続き、世銀も利上げを回避するよう異例のコメントを発表しています。

    利上げ回避の包囲網が出来上がった感もあります。

    自国の利益を最優先する米国が、外部環境にそれほど考慮するとも思えな

    い、というのが利上げを予想する専門家の一つの根拠にもなっていますが、

    本当にそうでしょうか。

    仮に利上げを行い再び世界同時株安がおこるようなら、今度は「米国発」

    の混乱と言うことになります。FRB議長は年に2回議会で証言を行う

    ことになっています。

    仮に米国の利上げをきっかけに金融市場が大混乱したら、この議会でか

    なりの批判を浴びることは必至です。

    冷静に考えれば、FOMCメンバーがそのリスクをとるとも思えません。

    利上げがあってもなくても、その後のイエレン議長の発言は世界中から

    注目されることになります。

    本日は株価の上昇が予想されますが、その際に昨日の東京タイムに記録

    した120円65銭が抜けるかどうかに関心があります。

    予想レンジ゛は120円~121円といったところでしょうか。


  • ドル円一時120円を割り込む 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • 株価が軟調なことや長期金利の低下を受けドル円の上値は重く、

    一時119円85銭まで売られる。

  • ユーロドルは1.13を挟んだ展開となり、前日と変わらず。

    ユーロ円が小幅に下落するも、方向感に乏しい。

  • 株式市場は3日ぶりに反落。中国の経済指標が軟調なことや

    アジア株が下落したことが響いた。ダウは62ドル下落。

  • 債券相場は小幅に上昇。今週のFOMCで利上げが先延ばしに

    なるとの見方が相場を押し上げた。

  • 金は反発。原油は続落し44ドルに。

    本日の注目イベント

  • 豪   RBA議事録

  • 日   日銀金融政策決定会合

  • 日   黒田日銀総裁記者会見

  • 独   独9月ZEW景況感指数

  • 欧   ユーロ圏7月貿易収支

  • 英   英8月消費者物価指数

  • 英   英8月生産者物価指数

  • 米   8月小売売上高

  • 米  9月NY連銀製造業景気指数

  • 米   8月鉱工業生産


    週明けの東京市場では株価が軟調だったこともありドル円は徐々に値を下げ、

    NYでは120円を割り込む場面もありました。

    日曜日に発表された中国の工業生産が市場予想を下回ったことで、再び中国

    景気の減速懸念が台頭し、リスク回避の流れが見られました。

    市場は17日のFOMCの決定を読みながら、ポジション調整に専念してい

    る状況です。市場の見方は引き続き「利上げはない」との見方が優勢です

    が、「労働市場の状況を考えると利上げを引き伸ばす理由もない」との見方

    も根強いようです。

    確かに、FRBが最も関心をよせる労働市場は、昨年後半のような力強さは

    ないものの、巡航速度を維持しており、この点では利上げを見送る理由はな

    いのかもしれません。

    問題は、米国を取り巻く外部環境をどのように見るかということになります。

    中国の景気減速が鮮明になってきましたが、どの程度減速するのか、手がか

    りを得るのが難しく、これが先行きの不透明感を一層大きくしています。

    中国の景気減速は、株価を下落させるだけではなく、原油価格、住宅価格、

    あるいは穀物など、あらゆるところで「チャイナショック」の影響を無視で

    きない状況にしています。英国やカナダは、それでも自国の景気への影響は

    少ないと「強気」の姿勢を崩してはいませんが、今後中国景気がさらに減速

    すれば、その影響はじわじわと出て来ると思われます。

    本日は日銀金融政策決定会合最終日です。

    足元では、これまでになく「追加緩和観測」が高まっているようです。

    もし追加緩和を決定すれば、昨年10月末のサプライズに匹敵するほどの効

    果があるかもしれませんが、その可能性は極めて低いと見ています。

    2016年前半の2%の物価上昇目標は、非常に難しい状況なのは分かりま

    すが、それでも日銀は物価上昇の「基調は変わっていない」としています。

    また一時60ドルを超えた原油価格も、再び40ドルを目指す状況になって

    おり、日銀にとっては逆風です。

    それでもまだドル円は120円前後で、日経平均株価も、下がったとはいえ

    年初来の水準で推移しています。

    黒田総裁は「必要ならばちゅうちょなく行動をする」と繰り返し述べてきまし

    たが、まだ必要な状況ではないのかもしれません。

    本日のドル円は119円20銭~120円80銭程度と予想します。


  • ユーロ小幅に上昇 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は今週にFOMCを控えていることもあり小動き。

    120円台半ばから後半で一進一退となり、シカゴ消費者マインド

    が予想を下回ったことでややドル売りが優勢に。

  • ユーロドルは買われ、1.13台半ばまでユーロ高が進む。

    ユーロは対円でも137円目前まで上昇。

  • 株式市場は消費者マインドが前月より低下していたこともあり、

    利上げ観測の後退につながり続伸。ダウは102ドル上昇し、

    S&P500も0.5%上昇し1961ドル台に。

  • 債券相場は反発。消費者マインドが1年ぶりの低水準だったことで

    債券が買われる。

  • 金と原油はともに反落。

  • 8月生産者物価指数             →  0.0%

  • 9月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) →  85.7

  • 8月財政収支                →  -644億ドル


    本日の注目イベント

  • 日   日銀金融政策決定会合(15日まで)

  • 欧   ユーロ圏7月鉱工業生産

    ドル円は120円台で一進一退となり、いよいよ今週18日未明に発表される、

    米政策金利の動向に注目が集まります。

    ブルームバーグの調べによると、フェデラルファンド(FF)金利が平均0.3

    75%になるとの仮定に基づけば、市場に反映されている9月会合での利上げの

    確率は28%と、1週間前の30%と、前月末の38%から低下しているようで

    す。

    イエレン議長は、利上げは経済指標を見て判断すると言っていましたが、その経

    済指標は先々週の雇用統計を含め、それほど良好だとはいえません。

    ただ、利上げ断念するほど悪いわけでもなく、利上げを正当化できるほど良くも

    ないという点が悩ましい所です。

    ブルームバーグの調査にあるように、今週の利上げの確率は相当低いと思います

    が、それでも利上げを予想する声があるのも事実です。

    仮に利上げを決定すれば、市場の大方の予想と異なるため「サプライズ」となり、

    株価が急落し、ドル円にとってはドル買い材料となりますが、株価の方に引っ張

    られれば、「円高」に振れることもないとは言えません。

    一方予想通り利上げを見送ったとしたら、株価は上昇し、ドルが売られることに

    なろうかと思いますが、反対に、株価に引っ張られ上昇する可能性も残ります。

    さらに、その後にイエレン議長の記者会見があるため、そこで議長がどのような

    発言をするのかも極めて重要かと思います。

    利上げを見送った場合には、それでも年内には利上げに踏み切るのかどうかを、

    市場は議長の言葉のはしはしから探ろうとします。

    また、利上げがあった場合でも、その先も緩和的な状況が相当な期間続くと発言

    するのではないかと予想しますが、その際の市場の反応も重要です。

    金融市場はいまだに不安定です。

    それでも、FOMCでどちらにせよ、不透明感が一つ取り除かれることで、残る

    は中国です。昨日発表された8月の工業生産は市場予想を下回っており、このと

    ころ発表される経済指標は概ね低調です。

    ただ、人民銀行による追加緩和の可能性も高まっており、もう一段の景気刺激策

    が待たれるところです。

    本日のドル円のレンジは120-121円程度と予想します。


  • FOMC控え依然不透明 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • 東京時間の午後、山本幸三衆議院議員の10月末の追加緩和が

    適切だとの発言が伝わり、ドル円は120円台半ばから121円台に

    急騰。その後も堅調に推移したが、NYでは上値は重く、

    120円60-70銭で取引を終える。

  • ユーロドルは底堅く推移。1.13目前まで買われる場面もあり

    ドル安ユーロ高が進む。

  • 株式市場はFOMCを控えて振れ幅の大きい展開が続く。

    アップルなどテクノロジー株が上昇したことで、ダウは76ドル反発。

  • 債券相場は株価が上昇したこともあり3日続落。長期金利は

    2.22%台まで上昇。

  • 金は1週間ぶりに反発。原油も大幅に反発し46ドル台迫る。


  • 新規失業保険申請件数    → 27.5万件


    本日の注目イベント

  • 独   独8月消費者物価指数(改定値)

  • 米   8月生産者物価指数

  • 米   9月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)

  • 米   8月財政収支 


    この欄でも連日株式市場の話題が中心になりつつありますが、これだけ

    株価が乱高下し、それに伴って為替も上下に振れる以上、株式の動きに

    注意するしかありません。昨日も、日米の株式市場は相場観が定まらず、

    株価が乱高下しました。

    前日記録的な上昇を見せた日経平均株価は、朝方の寄付きから売りが先

    行し、一時は800円を超える下落でした。

    前日の上昇分を全て吐き出すのではないかといった懸念もありましたが、

    その後は下げ幅を縮小しましたが、結局470円もの下げで取引を終え

    ました。

    NYでも同じように、朝方は売り込まれましたが、ダウは76ドル上昇

    して引けています。連日200ドルを超える上げ下げを見せられている

    ため、76ドルという値幅が小さく見えてしまいます。ドル円も東京時

    間でさえ、120円割れから121円33銭まで上昇するなど、値動き

    も荒っぽくなっており、先週も述べましたが、来週のFOMCまではこ

    の傾向が続きそうです。

    自民党の山本幸三衆議院議員は昨日、ブルームバーグのインタビューで、

    10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切る

    べきだとの認識を示しました。

    また、資産買い入れを最低10兆円規模で拡大することが必要とも述べ

    ています。この内容がブルームバーグニュースに流れると、ドル円は8

    0銭ほど急騰して、121円33銭までドル高が進む場面がありました。

    山本議員は以前にも同じような内容の発言を行っており、一段の金融緩

    和には非常に前向きな方です。

    同氏は安倍総理にも近く、仮にドル安と株安がさらに進むようだと「政

    治的圧力」が増す可能性があるかもしれません。

    株と為替の乱高下は不透明な中国景気の影響もありますが、足元では来

    週のFOMCが最大の要因とみることができます。

    金融市場の大きな混乱で、利上げは難しいと見ていますが、今朝のブル

    ームバーグの記事にも「苦悩するFOMC」と題したコメントもあり、

    依然として市場の見方も割れているようです。

    イングランド銀行は昨日、中国発の市場混乱にも関わらず、英経済の見

    通しは引き続き明るく、利上げの時期が近づいているとのメンバーの認

    識は変わっていないと述べています。

    まだカナダ中銀も9日には、経済成長は引き続き軌道に乗っていると述

    べています。

    これら中銀の景気に対する見方も、FOMCに影響を与える可能性を否

    定できません。少なくとも、米国はこの二つの国よりも景気は良好だと

    思えるからです。

    本日のドル円は120円~121円50銭を予想します。


  • ドル円株価に振らされる 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • 昨日は日経平均株価が21年振りの大幅高を見せたことで

    ドル円は大きく上昇。欧州株も続伸し、朝方のNYでも

    株高、金利高が続いたことからドル円は121円20銭まで上昇。

    ただ、午後から株価が急落したことでドル円も下落に転じ、

    120円台半ばまで売られる。

  • ユーロドルは1.1132まで売られた後反発し、1.12台に

    乗せる。ユーロ円も135円19銭まで続伸。

  • 株式市場は寄り付き直後から上昇したものの、午後にアップル株が

    下落に転じると急速に下げ、ダウは結局239ドル下げる荒っぽい動きと

    なる。前日今年2番目の上昇率を記録したS&P500はこの日、

    上昇分の半分強を失う。

  • 債券相場は朝方売られ、長期金利も2.2%台まで上昇したが、

    午後には買い戻され、長期金利は前日とほぼ同水準に。

  • 金は続落。原油も売られ、2週間振りに45ドルを割り込む。

    本日の注目イベント

  • 豪   豪8月雇用統計

  • 中   中国 8月消費者物価指数

  • 中   中国 8月生産者物価指数

  • 英   BOE金融政策発表

  • 米   新規失業保険申請件数

    株価が連日荒っぽい動きを見せています。

    前日、年初来安値を記録した日経平均株価は、昨日は大きく切りかえし、終わって

    みれば21年ぶりの上昇幅となる1343円もの急騰でした。

    ドル円も株価の動きに連動するように上げ足を速め、欧州からNY市場では121

    円台前半までドル高が進んだものの、その後は再び軟調な展開になっています。

    結局株価の動きに翻弄されているドル円ですが、その株価の動きも、やはり本命は

    NY株式市場で、ここでの株価の動きが、世界の株式市場の方向性を決定付けてい

    ると言ってもいいと思います。

    前日急騰したNY株式市場の影響で、昨日は上海を含むアジアの株式市場が大きく

    上昇しました。昨日のNY株式市場では、結局最後は大幅安で引けていることから、

    今日の日本を含むアジア株は昨日とは打って変わって軟調な展開が予想されます。

    株価がまだまだ落ち着きを見せない以上、為替の乱高下も続くと見るしかありませ

    ん。

    昨日一時大きく上昇していたNY株式市場がその後軟調に推移した理由の一つが、

    この日発表された7月の求人件数でした。

    7月の求人件数は前月比43万件増えて、過去最高となる575万件でした。

    小売や工場、レストランなどの求人が増えたとブルームバーグは伝えています。

    これらの業種では新規雇用者の確保が難しくなる状況で、その結果賃金が上昇す

    ることが予想されます。

    8月の雇用統計では失業率が5.1%と、ほぼ完全雇用に近い状態になっており、

    職種さえ選ばなければ仕事に就ける状況と見られます。

    このように良好な労働市場を背景に、依然として「9月利上げ」が有力だという

    見方が広がり、株価を

    押し下げたようです。ブルームバーグによれば、「9月利上げ」を予想する向き

    は、2~3割程いるようで、この見方が相場のかく乱要因になっていると見られ

    ます。やはりこの変動率の大きい相場は、来週のFOMCで「白黒がはっきりす

    るまでは」続くと見るべきでしょう。

    上述のように、本日も株価を巡る動きが中心なります。

    加えて、本日は中国の経済指標とオーストラリアの雇用統計も発表されます。

    場合によっては、昨日の雰囲気が一変することも予想されるため、慎重にポジシ

    ョン管理を行うことが必要です。

    本日のドル円は119円50銭~121円程度を予想します。


  • ドル円120円台を回復 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は東京タイムが終わると上昇し、欧州では120円23銭まで

    ドルが買い戻された。NYでは株価が大幅に反発したものの、ドルの上値は

    抑えられ、120円を挟んで一進一退。

  • ユーロドルはドイツの貿易収支が良好だったことから続伸。

    1.12台に乗せる場面もあり、ユーロ円も134円台半ばまで反発。

  • 株式市場は大幅に反発。上海株が反発して引けたこともあり、

    主要株価指数は揃って上昇。ダウは390ドル上昇し、S&P500は

    48ポイント上昇し、今年2番目の上昇幅を記録。

  • 株価の上昇に、債券は売られる。長期金利は2.18%台まで

    上昇。

  • 金は4営業日続落。原油も続落し45ドル台に。


  • 8月労働市場情勢指数(LMCI) → 2.1

  • 7月消費者信用残高        → 190.9億ドル


    本日の注目イベント

  • 英   英7月鉱工業生産

  • 加   カナダ8月住宅着工件数

    ドル円は昨日早朝の118円台後半から、海外市場では120円台を回復しています。

    昨日も株価をにらんでの展開でしたが、奇妙だったのは注目の上海株が午後には急速

    に反発したにも関わらず、日経平均株価は終始売りが優勢で、結局433円安と、安

    値で引けています。ドル円も、日本株の上値の重さから上昇を抑えられた面もあり、

    東京市場が終わると急反発しました。

    欧州市場では一時120円23銭までドル高が進んだことから、NYでのもう一段の

    上昇を期待しましたが、NYでは株価が急反発したわりには伸びていません。

    それでも、商品市況が反発したことを受けて、南アフリカランド、豪ドル、NZラン

    ドドルなどが軒並み上昇し、ドル円以外の通貨では大幅な円安になっています。

    連日下落が続いたNY株式市場でしたが、連休明けの昨日は大きく反発しました。

    上海株が上昇したことに加え、先週末の雇用統計を受け、来週のFOMCで利上げを

    決定するとの見方は後退していることが背景です。

    株式の専門家の中には、底入れが近いといった見方をする人も出てきているようで、

    来週のFOMCで実際に利上げが見送られた場合には、ひとつのきっかけになる可能

    性があると予想しています。

    気になるのはここにきて、125円は見た目以上に遠いとする見方が増えていること

    です。仮に来週のFOMCで利上げが見送られたとしても、年内の利上げの可能性は

    十分残っています。米利上げのシナリオが残っている以上、ドルがここから大きく売

    られる可能性は低いと思いますが、今後は利上げの可能性がなくなるのかどうかを、

    しっかり見極めていく必要があります。実際、シカゴ先物市場では円売りのポジシシ

    ョンは急速に減少しています。またオプション取引から相場の行方を判断する「リス

    クリバーサル」でも、直近では「マイナス1.7%」(1ヶ月、デルタ25)と、市

    場はドルの先安を見込んでいるこを示しています。

    今日のドル円は上値を試す展開かと思いますが、それでも120円50銭前後が上値

    のメドと見ますが、200日線(日足)のある120円80線も意識されます。

    日経平均株価が1万8000円の大台を回復できるかどうかが重要ですが、10時半

    の上海価株にも引き続き注意が必要です。

    日経が上昇しても、上海株が下落すると雰囲気が一変する可能性があるからです。

    本日のレンジは119円~120円50銭程度を予想します。


  • NY市場休場のため動かず 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    欧州市場


    • NY市場が休場のため、ドル円は119円台前半で小動き。

    • ユーロドルはドイツの鉱工業生産が良かったことから
      やや買戻しが優勢となり1.11台後半まで反発。
      ユーロ円も133円34銭まで買われる。

    本日の注目イベント

    • 日   4-6月GDP(改定値)
    • 日   7月国際収支
    • 中   中国 8月貿易収支
    • 独   独7月貿易収支
    • 欧   ユーロ圏4-6月期GDP(改定値)
    • 米   8月労働市場情勢指数(LMCI)
    • 米   10月消費者信用残高

    昨日の東京タイムでは、G20後の日本株と上海株の動きが注目されていましたが、
    先行した日本株は寄り付き直後に300円ほど下げる場面があったものの、そこから
    切り返して200円ほど上昇する時間帯もありました。
    この動きに連動するかのように、ドル円は119円59銭までドルが買われたものの、
    勢いはありませんでした。

    上海株は日経平均株価が堅調な動きを見せたこともあり、小幅に上昇しましたが、
    後場には結局マイナス79ポイントで取引を終えています。
    中国人民銀行が特別な株価対策を講じた気配はないものの、今朝の報道では、株価が
    大幅に下落した際に株式の取得を一時停止する「サーキットブレーカー」の導入を
    検討していることが明らかになりました。
    具体的には「CSI300指数」が一定以上に変動した際に発動されると見られますが、
    21日までにこの計画への意見が公募されると、ブルームバーグは伝えています。

    また中国財務省は、個人投資家が保有する株式で、長期保有する投資家の株式配当への
    所得税を免除すると、ウェブ上で通知したとの報道もあります。
    これは株式を短期売買させずに、長期保有させようとする一種の株価対策と見られます。

    本日は日本とユーロ圏のGDP改定値が発表されるほか、中国の貿易収支の発表もあります。
    中国の景気減速が懸念される中、貿易額が減少していると、景気減速が確認されることになり、
    株価の下落要因になることも予想されます。

    9月のFOMCまで残すところ1週間です。
    利上げはほぼ無いと予想していますが、市場では1割から2割ほどが9月利上げを
    予想しているとの報告もあります。
    株安、原油安、VIX(恐怖)指数の上昇など、米国だけではなく、イギリスでも利上げを
    する環境ではないと思われますが、来週後半までは思惑もあり、変動率の高い相場が
    予想されます。
    本日のドル円は118円~119円80銭程度を見たいと思います。

    再開する上海株に注目 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場


    • 引き続き株価が軟調だったことや、雇用統計では雇用者数が
      予想を下回ったことでドルが売られた。ドル円は118円60銭まで
      売られた後、119円前後まで戻して引ける。

    • ECBによる追加緩期待もあり、ユーロドルは続落。
      1.1090までユーロ安が進み、ユーロ円も132円台前半まで
      売られる。

    • 株式市場は続落。雇用統計では金融政策の手がかりがつかめず
      ダウは272ドル下落し、1万6100ドル台に。

    • 債券相場は続伸。長期金利は2.12%台まで下落し、ドルの上値を
      抑える。

    • 金、原油は下落。

    • 8月失業率        → 5.1%

    • 8月非農業部門雇用者数  → 17.3万人

    本日の注目イベント

    • 日   7月景気動向指数
    • 独   独7月鉱工業生産
    • 米 NY休場(レーバーデー)

    先週末の雇用統計では、7月分と6月分がいずれも24,5万人と上方修正されたものの、
    8月分は市場予想の21.7万人に対して17.3万人と予想を下回りました。
    失業率が5.1%と、こちらは予想よりも改善していたものの、全体としては、来週の
    FOMCで利上げに踏み切るのか、あるいは見送るのかの手がかりは与えてくれなかった
    というイメージです。

    そのせいか、NY市場では株価は大幅に下落し、債券は買われています。
    円は主要通貨に対して強含んでおり、これまでと同様にリスクオフが継続されていると
    見られます。
    NYダウは1万6100ドル台まで売られ、この水準は昨年10月中旬の水準になります。
    さすがにここまで株価が下落すると、FRBは利上げには踏み切れないと考えるのが順当か
    と思います。

    NYダウだけではなく、日経平均株価の方も先週末には大きく値を崩し、今年の上昇分を
    ほぼ全て吐き出しています。
    8月には「年末までに日経平均株価は2万5000円に行く」という本が新聞紙上に大きく
    宣伝されていたのがうその様です。
    再び日銀によるサプライス緩和がなければ、2万1000円程度まで戻るのがやっとでしょう。

    トルコで開催されていたG20が閉幕しました。
    注目の周中国人民銀行総裁は、上海株の上昇はバブルであったことを認めましたが、
    今日から再開する上海株の行方が一段と注目されます。
    G20では中国の為替政策や中国発の株価の急落が世界景気に影響を及ぼすと批判され
    ていたこともあり、人民銀行がどのような「対策」を打ち出してくるのか、あるいは何もしな
    いのかが焦点になります。

    ドル円は利上げが遠のいたと思われるため、上値の重い展開が予想されます。
    今回の円は、ユーロなどに対しても買われており、ほぼ全面高の様相です。
    下値のメドは118円台前半から半ばです。
    先週記録した2番底が意識されるからです。
    すぐに115円を割り込むとも思えませんが、中国株の下落に伴い、日米の株価がさらに
    下げるようだと
    115円を目指す可能性がないとも言えません。115円を割り込むようだと、市場参加者の
    相場観も大きく修正を余儀なくされることも予想され、この水準は非常に重要です。
    もっとも、その場合には日銀による追加緩和の可能性も急速に高まると見てはいますが。

    上で述べたように、今日の注目は10時半から始まる上海株の動向です。
    個人的には下げる場面があっても、最終的には上昇するのではないかと予想していま
    すが、どうでしょう。ドル円の予想レンジは118円~119円80銭程度とします。

    ドラギ発言でユーロ円133円台に 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ECBのドラギ総裁発言を受けドル円は下落。

    119円65銭まで売られたが、ユーロ売り円買いも

    出たことで、ドル円の上値は抑えられた。

  • ECB理事会後の記者会見で、ドラギ総裁が量的緩和の拡大も

    辞さないと発言したことで、ユーロドルは大きく下落。

    一時は1.1088までユーロが売られ、ユーロ円も133円台

    前半までユーロ安が進む。

  • 株式市場は高安まちまち。アップルなどが下げたが、ダウは

    23ドル高となり、ナスダックは16ポイント下落。

  • 債券相場は反発。ECBが景気見通しを下方修正したことから

    債券が買われた。長期金利は2.16%台に低下。

  • 金は続落。原油は続伸し、46ドル台を回復。


  • 新規失業保険申請件数     → 28.2万件

  • 7月貿易収支         → -418.6億ドル

  • 8月ISM非製造業景況指数  → 59.0


    本日の注目イベント

  • 欧   ユーロ圏4-6月期GDP(改定値)

  • 米   8月雇用統計

  • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演

  • 加   カナダ8月失業率

    ECBは域内の経済成長とインフレ見通しを引き下げ、量的緩和プログラムに

    基づき公的部門の債券1銘柄についてECBが購入できる割合の上限を引き上

    げました。ドラギ総裁はインフレ率が向こう数ヶ月マイナスになる可能性があ

    ると指摘し、景気を押し上げるため必要ならばあらゆる手段を駆使すると述べ

    ました。(ブルームバーグ)

    ギリシャ問題で大きく売られていたユーロドルは、最悪の事態が避けられたこ

    とをきっかけに、ユーロを買い戻す動きが活発化し、先月24日には1.17

    台前半までユーロ高が進みました。昨日ドラギ総裁が、さらなる量的緩和の可

    能性も排除しないと発言したことから、再びユーロの先安感が台頭し、ユーロ

    ドルは一時1.1088まで下落し、ユーロ円も5月下旬以来となる、133

    円台前半まで売られています。

    ドラギ総裁は「景気がさらに弱まりインフレが想定通りに回復しない場合はも

    ちろん、QEを延長するだろう」と語っており、これは中国景気の減速の影響

    で域内の景気にも大きな影響がでることを意識した発言かと思われます。

    原油安や世界同時株安による影響から、インフレ率が目標の2%を下回ってい

    る状況でもあり、再びユーロ安による効果を狙っている面もありそうです。

    ドル円は120円を挟んで神経質な動きにはなっていますが、明確な方向性は

    見えて来ません。16-17日に開かれるFOMCでの利上げ観測は依然とし

    て残っており、市場の不透明感を払拭できていません。

    また、ここにきて日銀による追加緩和の可能性も急浮上してきました。

    一部にはFOMC前にもすべきだとの意見もあり、来月末の日銀決定会合が、

    昨年のサプライズ緩和から丁度1周年にあたるため、「再追加緩和」に期待も

    盛り上がっている状況です。

    個人的には、まだ日銀が動く環境ではないと思いますが、2016年前半での

    2%物価上昇の達成は非常に難しい状況であることは事実です。

    今夜は米国の8月雇用統計が発表されます。

    事前予想は失業率が5.2%で、非農業部門雇用者数は21万7000人です。

    当社の「外為LAB」執筆者でもある田嶋氏も指摘していたように、例年8

    月の雇用者数は下振れすることが多いようです。

    2011年から2014年までの4年間で見ると、何と全て実績が事前予想を

    下回っています。特に昨年8月分は、予想の23万人に対して、14.2万人

    でした。

    今回も予想を下回るかどうかは分かりませんが、注意するにこしたことはあり

    ません。

    本日の予想レンジは119円~121円と、ややワイドに見ています。


  • ドル円120円台で小康状態 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は久しぶりに穏やかな動きに終始。ADP雇用者数は予想を

    若干下回ったものの、株価が大きく反発したことからドル円は

    120円35銭まで上昇。1日の値幅も43銭程度と小幅。

  • ユーロドルも小動きに終始。1.12台前半から後半での動きで、

    徐々に下値を試す値動きにも見て取れる。

  • 株式市場は大幅反発。前日急落した原油価格が反発したことや

    ベージュブックでの米景気の緩やかな拡大が材料となり、ダウは

    293ドル高で取引を終える。

  • 債券相場は小幅に反落。株高を背景に売り物が優勢となり、

    長期金利は2.18%台へと小幅に上昇。

  • 金は反落し、原油は反発。


  • 8月ADP雇用者数 → 19.0万人

    本日の注目イベント

  • 豪   豪7月貿易収支

  • 豪   豪7月小売売上高

  • 欧   ユーロ圏11月製造業PMI(改定値)

  • 欧   ユーロ圏11月非製造業PMI(改定値)

  • 欧   ユーロ圏7月小売売上高

  • 欧   ECB金融政策発表

  • 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見

  • 米   新規失業保険申請件数

  • 米   7月貿易収支

  • 米   8月ISM非製造業景況指数


    NY市場では、株はそこそこ値動きがあったものの、為替は久しぶりに静かな1日

    でした。ドル円は概ね120円台前半で取引され、ADP雇用者数が市場予想より

    も悪かったものの、市場への影響は限定的でした。

    NY株式市場が大幅に反発したことで、ドル円はやや落ち着きを取り戻したような

    1日でした。

    ドル円は、ますます株価との相関を強めています。

    もっとも、東京タイムではこれといった材料は出にくく、株価の動きが最大の材料

    になるのは今に限ったことではありません。

    昨日の朝方は、日経平均株価が寄り付き直後300円を超える下落で始まったもの

    の、直ぐに切り返してプラス300円程度まで上昇すると、ドル円も119円70

    銭近辺から120円30銭あたりまであっという間に上昇しました。

    多くの為替トレーダーが株価の動きに合わせて売買しているということだろうと思

    います。

    今のところ120円台で推移していますが、8月24日に記録した116円17銭

    は目先の底値だろうと思いますが、下値のメドは2番底の118円25銭近辺かと

    思います。

    先週の乱高下の際に、しばらくは120円を中心に上下2円程度のレンジが続くの

    ではと述べましたが、どうやら、そのような動きに収斂されそうです。

    昨日発表されたベージュブック(地区連銀経済報告)では、大部分の地域で景気が

    拡大していると報告されていました。

    12地区中6地区が「緩やか」な拡大で、5地区では「緩慢」な拡大と報告されて

    います。今回のベージュブックは16-17日に開催されるFOMCでの討議資料

    となるため、利上げには好材料とみることもできます。

    8月後半から始まった今回の金融市場の混乱はまだまだ続きそうです。

    もともと、米国の11年ぶりとなる利上げのタイミングを前にして、金融市場には

    その影響が見込まれることを、イエレン議長も警告していました。

    リーマンショック後の急落した米国の株価は、その後回復し、それから長い間「上

    昇トレンド」を謳歌して来ました。

    ダウで言えば、リーマンショックの翌年の2月が7062ドルで大底でした。

    そこから今年2月には1万8132ドルまで上昇しています。

    ちょうど6年で156%もの上昇率です。

    専門家の指摘するように、割高感があっても不思議ではありません。

    例年9月は8月よりも「荒れる」月です。

    米国の利上げ観測に加え、中国発の景気不安がさらに混乱を拡大させてきました。

    先ずは今月のFOMCを無事に通過することが正常化への一歩です。

    FOMCでは、それでもFRBは利上げに踏み切るとの観測が根強いのも事実で

    す。ただ、利上げの結果さらに市場が混乱すれば、次回の議会証言では共和党か

    らの「非難」は必至でしょう。

    FRBがそこまでリスクを取るとも思えません。

    本日はNY株が大幅に反発したこともあり、ドル円は上値を試すのではないかと

    予想されます。

    レンジは119円80銭~121円50銭程度を予想します。


  • NY再び大幅下落 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • 日米の株価が再び大幅に下落したことで、ドル円も下値を

    試す展開に。NYでは一時119円25銭までドルが売られ、

    1週間前のリスクオフが再燃。

  • ユーロドルもドルが売られユーロが買われたが1.1320

    まで買われたものの、上昇力は鈍く、その分ユーロ円は下落。

  • 株式市場は大幅に続落。ISM製造業が予想を下回ったことや、

    世界的な株価の下落が影響し、ダウは469ドル安。

  • 債券相場は上昇。株安に引っ張られ、10年債利回りは

    2.15%台まで再び低下。

  • 金は買われ、急反発を見せていた原油価格は大幅に反落し

    45ドル台に。

    本日の注目イベント

  • 日   8月マネタリーベース

  • 豪   4-6月期GDP

  • 欧   ユーロ圏7月生産者物価指数

  • 米   8月ADP雇用者数

  • 米   ベージュブック(地区連銀経済報告)

    昨日の日経平均株価が700円を超える下げでNYダウも469ドル下げ、再び先週

    のようにリスクオフ再燃の雰囲気です。

    先週もこの欄で述べましたが、FRBによる利上げの可能性はほとんどなくなったと

    考えており、その意味では不安材料の一つは排除されたとみることができそうですが、

    もう一つの中国リスクは依然として存在しており、昨日からの混乱も、震源地はここ

    でした。

    昨日発表された中国の製造業PMIが3年ぶりの低水準に落ち込んだことで、ドルが

    下落。世界景気の先行きに再び不透明感が増してきました。

    やや小康状態をみせていた上海株が再び下げ基調に転じたことで、世界の主要株式市

    場がその影響を受け再び「世界同時株安」が起こるのではなかとの不安が浮上してき

    ました。

    今日のドル円も日経平均株価の行方を睨んだ展開でしょう。

    そして、10時半に始まる上海総合指数の動きが日経平均株価との相関を強めている

    ため、上海株にも注目です。

    ドル円は先週24日に116円17銭まで急落し、その後28日には121円75銭

    まで反発するなど、荒っぽい動きを見せています。

    今週に入って再び下げ足を強めてきていますが、すぐに上記116円を試すとも思え

    ません。

    まずは上記上げ幅の半値が意識され、計算すると118円96銭というレートが導き

    出されます。

    本日も日経平均株価がNYダウの影響から再び大幅に下げるようなら、まずこの前後

    が最初のサポートレベルかと思います。

    直ぐに116円台を試すとは思えませんが、日米の株価がキャッチボールをしながら

    下げるようだと、「負のスパイラル」におちいり、その場合には116円台を試すこ

    ともないとは言えません。

    ボストン連銀のローゼングレン総裁は昨日NYで講演し、「現状および予測される状

    況を考慮すれば、ペースは緩やかになる可能性が高いだけでなく、フェデラルファン

    ド(FF)金利は長期的に見ても前回の引き締めサイクルと比べて低い水準になるか

    もしれない」と述べ、緩やかなペースの利上げが正当化されるとの認識を示していま


    す。(ブルームバーグ)

    同総裁はどちらかと言えば「ハト派」に近いとされているため、この発言はやや意外

    感もあります。この辺りが、9月16-17日のFOMCでの利上げを巡る予想を困

    難にさせているとも言えます。

    同総裁は今年のFOMCでは投票権を有していることも、利上げ見通しを難しくして

    います。

    本日も神経質で難しい相場展開になりそうですが、予想レンジは118円90銭~

    120円30銭程度にしたいと思います。


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