ドル円123円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は雇用統計の発表をきっかけに急伸。121円90銭辺りから
123円27銭までドル高が進んだ。非農業部門雇用者数が市場予想を
大きく上回ったことで、12月利上げの可能性が急速に高まった。 - 雇用統計受け、ユーロ売りドル高が進み、ユーロドルは1.0705まで
下落。今年4月末以来、約半年ぶりの安値を記録。、 - 株式市場は反発。雇用統計を受け利上げ観測が高まったものの、
景気そのものがいいとの見方が広がり、ダウは46ドル上昇。 - 債券相場は大幅に続落。2年債利回りは2010年5月以来の上昇を
記録し、長期金利も2.32%台に乗せる。 - 金は続落し、1100ドルを割り込む。原油も続落し44ドル台に、
- 10月非農業部門雇用者数 → 27.1万人
- 10月失業率 → 5.0%
- 10月消費者信用残高 → +289.1億ドル
本日の注目イベント
- 日 10月マネタリーベース
- 独 独9月貿易収支
- 欧 OECD経済見通し
- 米 10月労働市場情勢指数(LMCI)
- 米 グアテマラ・ボストン連銀総裁講演
- 加 カナダ10月住宅着工件数
10月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回る
27.1万人だったことで、来月のFOMCで利上げが実施される可能
性が大きく高まり、ドルは主要通貨に対して全面高の展開になりました。
失業率も5.0%と、先月より0.1ポイント改善し、「完全雇用」に
近い状態になっています。
それにしても雇用統計のぶれの大きさには、市場関係者は悩まされます。
9月の数字は、20万人の予想に対して14.2万人だったことで驚か
されましたが、今度は反対に予想よりも9万人増加の「ポジィティブ
・サプライズ」でした。
イエレン議長は先週の議会証言でも、12月の利上げには前向きな発言を
行っていましたが、それでも「経済指標次第」というのが基本でした。
今年に入って最も良好な数字をたたき出したことで、12月利上げの
可能性は「当確」とみています。
もともと、9月での利上げを想定していましたが、8月の中国発の世界
同時株安や、新興国への影響、さらに米国自身の景気低迷懸念などから
利上げを見送った経緯がありましたが、利上げを遅らせるリスクも意識
されていました。FRBとすれば、早い時期に「金融引き締め」への筋
道をつけておきたいと考えていたことは、この欄でも何度も述べた通り
です。
12月のFOMCは15-16日に行われるため、それまでにもう
1度雇用統計を確認することができます。
11月の雇用統計が、またどちらかにぶれることも考えられますが、
よほど下振れしないかぎり利上げ実施に向うかと思います。
サンフランシスコ連銀のウイリアムズ総裁は、雇用統計が発表された
翌日の講演で、「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が
完全雇用だと推定する状況に達している」と指摘し、インフレ率につい
ても「インフレ率が今後2年以内に2%の目標に戻りつつあるとみてい
る」と述べています。
ドル円は「122円を超えれば上昇トレンドが加速する」と、先週
ここで記述しましたが、その抵抗線を大きく上抜けして来ました。
これで124円30-50銭あたりまでは、大きな抵抗線はありま
せんが、このまま125円に向うかどうかは不明です。
ドル高による米企業の業績が懸念されるからです。
今回の雇用統計は良好だったとはいえ、サービス業による部分が大きく、
製造業ではむしろ成長が鈍化している見方もあります。
目先ドルは堅調に推移すると予想しますが、123-125円の
水準でのドルロングは、今後の経済指標をしっかりと確認していか
ないと、リスクを伴うと思われます。
本日の予想レンジは122円60銭~123円80銭程度とします。
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- [2015/11/09 09:25]
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