米経済指標に利上げ観測やや後退
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は注目されていた10月の小売売上高が予想を
下回ったことでドルが売られた。株価も連日大幅に下落し、
長期金利も低下したことで、122円43銭までドル安が進行。 - ユーロドルも買戻しが優勢に。1.107台前半から1.0790
までユーロ高が進むが、12月の追加緩和観測が上値を抑える。 - 株式市場は大幅続落。予想よりも弱めの小売売上高で
成長懸念が高まる。ダウは202ドル下げ、1万7245ドル台に。 - 債券相場は続伸。予想を下回った小売売上高やインフレ率を背景に
買いが膨らんだ。長期金利は2.26%台まで低下。 - 金は小幅に下落。原油は3日続落し2ヵ月半ぶりの40ドル台に。
- 10月小売売上高 → +0.1%
- 10月生産者物価指数 → -0.4%
- 11月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 93.1
本日の注目イベント
- 日 7-9月GDP(速報値)
- 欧 G20(トルコ)
- 欧 ドラギECB総裁講演
- 米 11月NY連銀製造業景気指数
先週末のNYでは、10月の小売売上高が、市場予想の+0.4%に対して、+0.1%と
予想を下回ったことから、やや12月の利上げ観測が後退し、さらにCPIもマイナスに
なって来ました。そのため、ドル円は終始122円台で、10月の雇用統計が発表されて
一気に123円台までドル高が進行して以来、はじめて123円台には届いていません。
123円台半ばより上値が徐々に遠くなって来ましたが、まだトレンドの変化を確認するに
は至っていないと思います。
先週金曜日には、パリで同時多発テロがあり、多くの犠牲者がでています。
世界的に緊張感が高まったことで、今朝のオセアニア市場では円が買われて取引が始まって
います。先週末のNYの引け値からは40銭ほど円高で始まっており、ユーロは対ドルや
円では窓を開けて取引が開始されています。
計画的な犯行のようですが、今後さらにテロが拡大するようだと、ユーロが売られ、円や
スイスフランが買われることも予想されます。
今回のパリでのテロが、米国の利上げに影響を与えることは、現時点ではないと思われま
すが、先週末の小売売上高や、消費者物価指数を見る限りでは、「やはり労働市場以外の
分野では不透明」と言わざるを得ません。
10月の雇用統計の結果は相当インパクトが強く、このままでいけば12月利上げに向けた
流れは変わらないと思われますが、11月の雇用統計の結果が早くも注目されています。
ドル円は上値を徐々に切り下げて来ましたが、目先の下値のメドは122円05銭近辺かと
思われます。ここには日足の「120日線」があり、まずはこのレベルである122円台が
維持できるかどうかが注目されます。
先週末の欧州市場もNY市場も、パリでのテロを織り込んではいないことから、今夜の両
市場、とりわけ株式市場の反応を見極める必要があります。
ここで、両市場で大幅に株価が下落するようなら、ドル円も121円台ミドル辺りまでの
円高もあり得るかもしれません。
そうなると、利上げ観測の高まりだけで維持されてきたドル高の流れに、変化の兆しも
見えるかもしれません。
朝方には日本の7-9月期のGDP速報値が発表されます。
前期比マイナス0.1%と予想されていますが、結果がさらに悪いようだと、一旦後退した
追加緩和観測が再び高まり、ドル高要因になることも考えられます。
本日のドル円の予想レンジは、ややワイドに121円50銭~122円80銭程度を見て
います。
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- [2015/11/16 09:33]
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