原油価格再び下落基調か?
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
原油安、株安に押され120円21銭近辺まで売られ、40-45銭で
引ける。
休場のこともあり、値動きは限定的だった。
エネルギー株を中心に売られ、ダウは23ドル安。
長期金利は2.23%台と先週末から小幅に低下。
あり大幅安。引け値は36ドル81セント。
本日の注目イベント
週明けの昨日はオセアニア市場が休場の中、早朝に、120円14銭までドル安
が進んだものの、日経平均株価が100円を超える上昇を見せたことで、120
円55銭までドルが買われましたが、その後は閑散な取引でした。
NYでは原油安から、株価が軟調となりドルがやや下落。昨日と同じ水準で戻っ
てきた格好です。
ドルの上値が重い印象ですが、今のところ120円の大台は維持されています。
ただ、これは市場参加者がまだ少ない状況で、通常の市場に戻った時に大台が維
持されているかどうかを見極める必要があります。
10月以降120円を割り込んでいないのも事実であり、ここが目先のサポート
になっています。この水準を明確に割り込むと、水準が変わってくることも考え
られ、120円は重要なポイントであると思われます。
本日から海外勢は通常モードに戻りますが、今度は日本勢がお正月モードに入り、
グローバルではまだ正常な状況とは言えません。
為替は今週末まで取引があり、年始は例年2日から取り引きが開始されますが、
来年は幸運にも2日、3日が土日にあたるため、4日からとなり、通常の週末と
変わりません。それでも水準が水準なだけに、120円台が維持できるかどうか
非常に気になるところです。
今週は、それほど重要な経済指標はありませんが、週末の新規失業保険申請件数
とシカゴ購買部協会景況指数は注目されます。
また、元旦には中国のPMIが発表され、むしろこちらの方が注目度は高いと思
われます。
今年は、夏場のチャイナ・ショックに世界の株式市場が大きく揺れ動き、為替も
円高が急激に進んだことは記憶に新しいところです。
中国の経済指標には今回だけではなく、2016年を通して目が離せない状況で
す。中国がソフト・ランディングするのか、それともハード・ランディングに突
入するのかによって、市場のリスク許容度が大きく異なることになるからです。
本日のドル円の予想レンジは119円80銭~120円80銭程度とします。

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- [2015/12/29 08:46]
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ドル円120円の攻防か
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドルが下落。株価が下落し、金利も小幅に低下したことで
120円25銭までドルが売られた。
進行。
2.5ポイント上昇し、4日続伸。
本日の注目イベント
ドル円は昨日の東京市場では株価の上昇にも関わらずジリジリと値を下げ、NYでは
約1ヶ月半ぶりとなる、120円25銭までドル安が進んでいます。
原油価格が、原油在庫や掘削業者のリグ稼動数が減少していたことから、38ドル台
まで反発して来ましたが、株価は、まちまちでした。
FOMCで利上げが決定されたら、ポジション調整のドル売りが優勢になるのではな
いかといった見方がありましたが、やや遅れてその動きが強まってきたようにも思え
ます。
今日は、東京市場が引けた後は、クリスマス休暇のため、取引を行うところは基本的
にはありません。来週の月曜日には、通常のマーケットに戻るため、仮に120円を
割り込んで越週すると、そのまま週明けのオセアニア市場で、円高が進む可能性もあ
ります。そうなると、年明けは「円高」でスタートすることになるかもしてません。
昨年末は急激なドル高で終わり、翌年にもドル高期待を残して年を終えましたが、今
年の年末は、その逆の展開のことも予想されます。
結局、日銀による「追加緩和」観測は、期待だけで終わってしまいました。
今年の初めの予想では、「場合によっては2回緩和があるかもしれない」といった見
方も一部にはあり、肩透かしをくらった感じもしますし、結局日銀が動かなかったこ
とで、ドルの上昇にも限界があったとも言えます。
黒田総裁は、それでも昨日の講演では2%の物価目標実現のために「できることは何
でもやる」と繰り返していました。
「来年こそは」といった期待にはつながりますが、市場はすでに反応を示さない状況
です。本日は120円を割りこむのかどうかが最大の焦点です。
レンジは119円80銭~120円50銭程度を予想します。

- [2015/12/25 08:52]
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ドル円120円台後半で小動き
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
上昇にも関わらず上値が重く、120円82銭までドルが売られる。
上昇したが、閑散な取引の中1.08台後半まで反落。
エネルギーセクターを中心に株価は上昇。ダウは185ドル上げ、
S&P500は3日続伸。
長期金利は2.26%台まで反発。
回復。
本日の注目イベント
クリスマス休暇を控え市場参加者が減少するなか、ドル円はやや円高方向を目指
しているような動きを見せています。
昨日のNYでは、株価が続伸し長期金利も小幅ながら上昇しているにも関わらず、
121円台にも届かない動きでした。
ユーロが対ドルで売られたことで、ユーロ円も再び131円台半ばまで下げ、ポ
ンド円は前日には179円に迫る水準ま下落し、円が最も強い通貨になっていま
す。
米国では、すでに利上げが実施され、ユーロ圏ではさらに追加緩和の可能性が高
い一方、日銀による追加緩和の可能性は、会合が開かれるたびに「ため息」に変
わっていることと無関係ではありません。
今週の「日経ヴェリタス」で、では日銀はどのような環境になったら、緩和に踏
み切るのかという記事が掲載されていました。
それによると、コンセンサスはドル円が115円、日経平均価株価が1万600
0円だそうです。たしかに、そこまで円が買われれば、市場のセンチメントも大
きく変化し、6月の125円86銭が「当面のドルの高値」との相場観が形成さ
れ、ドルが売られやすい状況になるでしょう。
当面は、米国の景気がどこでピークアウトするのかと、それに伴う利上げのペー
スに焦点が当てられます。同時に「選挙」もキーワードの一つになります。
米大統領選は既に始まっていると言えます。
民主党は、クリントン女史で決まりそうすが、共和党の方が不透明です。
今注目されているトランプ氏が共和党の代表候補にならないとも限りません。
もっとも、その場合の市場の反応は今のところ未知数ですが、波乱は避けられ
ないところでしょう。
また日本でも、夏には参院選があります。
こちらも場合によっては、衆参ダブル選挙ということがないとも言えません。
「圧勝」を目指す安倍政権にとっては、景気や株価の行方が支持率に直結する
とも言われており、そうなると「追加緩和」への期待を膨らませるのは、筆者
だけではないと思われます。
本日は、日経平均株価は上昇が見込まれますが、その際ドル円がどこまで追随
するのかが焦点です。上値の重さから、それ程ドル高は期待できないと予想し
ますがどうでしょうか。
予想レンジは120円50銭~121円30銭程度と見ています。

- [2015/12/24 08:59]
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WTI原油34ドル割れ後反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
原油価格も戻り基調をみせたことで、121円20-25銭辺りで
引ける。
ポジション調整からのユーロ買いが優勢だった。
ダウは123ドル上昇し、他の主要株価指数も揃って上昇。
買いが優勢となっており、長期金利は2.2%を割り込む。
引けにかけては買戻され、先週末比1セント高の34ドル75銭で取引を終える。
本日の注目イベント
121円台前半で取引されていたドル円は、WTI原油価格が一時34ドル台を割
り込んだことから円が買われ、120円84銭までドル安が進みました。
引けにかけては、原油も買い戻され、さらに株価も上昇幅を拡大したことから12
1円20銭近辺まで反発しており、昨日とほぼ同じレベルで戻って来ました。
やはり原油価格の動きが為替や株式の方向性も決める展開が続いており、底値が見
えない足元ではドル円の底値も不透明な状況です。
米株式市場は先週末にかけて大きく下落した反動もあり、3日ぶりに100ドルを
超える反発を見せましたが、原油価格と利上げの影響をどのように消化しようかと、
落ち着きどころを探っている状況かと思います。
イランの生産量が増える見込みであることから、世界的な供給過剰感が払拭できず、
これが株価の重しになっているようにも思えます。
ユーロドルも再び1.09台半ばまで反発し、クリスマス休暇を前にして、ユーロ
の買戻しが、ドルを押し下げている面もあります。
どうやら年内は、12月3日に記録した1.05台前半が目先の底値になる可能性
が高いと予想されます。また日足チャートを見ると、この動きは、3月の中旬に1.
0463をつけた後の動きに良く似ています。もし同様な展開になるとすれば、3
月の安値を約2ヵ月かけて1000ポイントほど反発していることから同じ尺度を
当てはめてみると、1.15程度までの反発も想定されることになりますが、
果たしてどうでしょうか。
本日の米NYでは住宅関連の指標が二つと、7-9月期GDP確報値が発表されま
す。GDPについては注意する必要がありますが、ブルームバーグが集計した事前
予想の中央値では、前期比年率+1.9%と、改定値の+2.1%から下方修正さ
れると見られています。
明日は日本が休日で、翌24日はNY市場は開いていますが、欧州市場が短縮か、
休場となり、翌25日は東京以外はほぼ休場です。
従って、本日が最後の通常の取引といえますが、既に休暇入りしている市場関係
者も多いと思われ、相場の急激な変動には注意したいところです。
予想レンジは120円60銭~121円60銭程度と見ています。

- [2015/12/22 08:58]
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原油安、株安続く
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
売られる。日銀会合の結果を巡り、東京時間では乱高下したが、
追加緩和なしに反応した格好。
あったが、この日も1.08台は割り込めず。
先週の利上げを消化している過程との見方で、この先も混乱が続く
との声も。
株安、原油安を材料に買いが続く。
続いていることで供給過剰が見込まれ、34ドル73セントまで売られる。
本日の注目イベント
先週金曜日は為替も株も乱高下しました。
今年最後の日銀金融政策決定会合の結果を巡って、ドル円は2円以上、日経平均株価
も上下で800円を超える大波乱でした。
今回の会合では 金融政策の変更は、まずないというのがコンセンサスでしたが、通
常、結果発表は11時半から12時半の時間帯に発表されることが多いのが、今回は
なかなか発表されず、12時半を過ぎても発表がなかったことから、「何か変更があ
るかもしれない」いった見方から、ドル円はじりじりと上昇に向かい、株価も12時
半から後場の取り引きが開始されるとマイナス圏から急速にプラスに転じました。
そこに、「日銀ETFを3000億円増額」との見出しが飛び込んできたことで、
「追加緩和決定」と見た、ディーラーが飛びついたようです。
「ヘッドラインに踊らされた」、そんな状況だったわけで、その直後、内容が明らか
になると、ドル円も急速に値を下げ、結局この日の安値圏で引けています。
現在実施されている追加緩和の「補完策」として、新たに日銀が行うものですが、
「戦力の逐次投入はしない」と明言していた黒田総裁の言葉とは整合しないとの印象
は残ります。今月初旬のECBの追加緩和では、内容が小粒と受け止められ、ユーロ
急騰劇を演じ、先週のFOMCでは発表後、声明文を好感する反応は見せたものの、
翌日からは株価の急落が始まり、そして今回は日銀会合の結果を巡ってのドタバタで
す。
結局、中央銀行の政策発表に投資家が右往左往されられたことになります。
今年も残り僅かですが、2015年で最も注目されたのが日米欧の中央銀行というこ
とになります。「中央銀行とはけんかをするな」という言葉が思い起こされます。
はっきりしていることは、米国が金融引き締めに入り、日欧では依然として量的緩和
が続いているということです。
ここを基本とすれば、今後もしばらくはドルに対して円やユーロが売られ易い地合い
は続くとみることができます。
まだトレンドが変わり、円高へと推移する展開は予想しずらいと思われます。
同時に2012年末に第2次安倍政権が発足し、2014年末まで急激なドル高円安
が進んだ、あのトレンドも、最終局面にいると考えています。
どのタイミングでドル高のピークを迎えるのか、2016年の大きなテーマの一つで
す。
本日のドル円は120円50銭~122円程度を予想します。

- [2015/12/21 09:12]
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株価反落にもドル円堅調
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
堅調に推移し、NYでは122円88銭までドルが買われた。
ただ引けにかけては、NY株式市場が下げ幅を拡大したことから
122円半ばまで反落。
近辺まで売られる。
割ったことなどから下落に転じ安値引けとなる。ダウは253ドル
下げる。
資金が向った。長期金利も2.22%台まで低下。
前日比57セント下げ、35ドルを下回って引ける。
本日の注目イベント
約10年ぶりの米利上げは、ひとまず無事に消化したようで、株高からドル円
は122円88銭まで上昇しました。
昨日はユーロドルも1.08割れ目前の水準まで売られ、ドル全面高の様相で
したが、引けにかけてはやや変調も見られました。
WTI原油価格が再び35ドルを割り込んだことが象徴的な動きでした。
ドルが買われたことが根底にはあったとはいえ、中国景気の鈍化などで供給過
剰感は払拭できず、下落圧力が強い状況は変わっていません。
これまでと同じパターンですが、原油安からNY株式市場は大幅に下げ、安全
資産の債券が買われ、金利が低下する悪循環です。
FOMCで利上げが決定された昨日は、株高、金利高、さらにドル高と、市場
はこぞって安心感から歓迎する動きを見せましたが、原油市場だけは続落して
おり、他の市場とは異なる動きを見せていました。政策金利が市場予想通り引
き上げられたことで、利上げするのか、据えおくのかという不透明感はなくな
りましたが、市場の目は再び原油価格の動きに集中しそうな気配です。
株価とドル円の相関がやや崩れ、株価が上昇してもドル円がついていかず、昨
日のNYのように株価が下がっても、逆にドル円が下げない展開が散見されま
す。ただ、株価が大幅に下げる中で、ドル円の上昇は考えられません。
FOMCを終え、本日の日銀金政策決定会合が今年最後の重要イベントという
ことになります。原油価格の下落が続いており、日銀の物価目標達成がますま
す困難になることから、一部には サプライズの追加緩和を予想する向きもあ
るようですが、個人的には本日は、まず変更なしと見ています。
もしあったら、本当のサプライズということになります。
ドル円は昨日のNYでの上昇局面でも123円には届いていません。
123円台が重い展開は変わっていませんが、一方で120円も底堅さが確認
されており、クリスマス休暇を考えると、来週からは上へも下へも動きにくい
展開が予想されます。そんな中、注目すべきは上述のように、WTI原油価格
の動きということになります。
本日のドル円は、サプライズがないという前提に立ち、122円~123円程
度を予想します。

- [2015/12/18 09:03]
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FOMC利上げを決定
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は株価の上昇を好感し、122円43銭まで上昇。長期金利の
上昇もドルを支え、約10年ぶりの利上げ局面を無事通過。
下げたが方向感は見られずもみ合い。
文言が効いた。ダウは224ドル上昇し、1万7700ドル台を回復。
本日の注目イベント
FOMCでは予想通り、0.25%の利上げを全会一致で決め、これも予想通り、
利上げのペースは緩やかになるとの文言が声明文にも盛り込まれ、さらに会合後
の記者会見の席で、イエレン議長自身の言葉からも、同様な内容が繰り返されま
した。
フェデラルファンド(FF)金利は、0~0.25%を、0.25%引き上げ、
0.25~0.5%に変更しました。
声明文では、「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、そ
れにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」
と述べられ、明らかに足元の金融市場の混乱を意識した内容だったと思えます。
また会合後の記者会見でもイエレン議長は、「FOMCは経済のパフォーマン
スに影響を及ぼす急激な引き締めを回避したいと考えた」と語っており、ここ
でも利上げによって動揺している各市場を落ち着かせようと配慮したことが窺
えます。
ただ、2016年の金利予測の、いわゆるドット・チャートでは、2016年
には4回利上げを行い、
2016円末の金利予測(当局者17人の中央値)は1.375%だったことは、
やや「タカ派的」だという印象が残ります。
景気回復を背景に、約10年ぶりの金融引き締めへと舵を切ったわけですが、
事前に利上げがある旨のメッセージを何度も発していたことで、混乱はあった
ものの限定的で、現時点では無事に乗り切ったと言えるでしょう。
議長自身も、「景気回復は完全ではないものの、大きな成長を遂げたことは明
らかだ」と述べています。
利上げを受けてドル円は122円43銭までドル高が進みました。一部で言わ
れていた「材料出尽くし」から、ポジションの解消によるドル売りもほとんど
見られなかったことになります。テクニカル的には、この水準から上にはレジ
スタンスは見られません。
従って意識されるのは今月8日に記録した123円05銭ということになり、
123円台が次のターゲットになります。
ただ、明日の日銀金融政策決定会合でサプライズでもない限り、123円台半
ばから124円の「壁」は簡単には抜けないと予想しています。
気になる原油価格の方は、利上げを受けて再び35ドル台に沈んでいます。
依然として供給過剰との見方は変わっておらず、30ドルを目指す可能性も残
っています。原油価格がさらに下落するようだと、先週末から見られたように、
株安・ドル安が進行しやすいことになります。
利上げの余波はここで収束したと考えるのは、やや早すぎると思われます。
本日のドル円レンジは122円~123円程度を予想します。

- [2015/12/17 09:00]
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ドル円121円台後半まで反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
NYではコア消費者物価指数が3ヶ月連続で上昇したことや、原油価格の
反発、長期金利の上昇に、121円79銭までドルが買われ、高値圏
で引ける。
ユーロドルは売られる。
37ドル台まで反発したことで、エネルギー株を中心に上昇。
ダウは156ドルの上昇。
売り物が膨らんだ。長期金利は2.27%台まで上昇。
は37ドル35セントで取引を終える。米国の輸出解禁の動きに反応。
本日の注目イベント
121円台前半が徐々に重くなり、120円台で推移していたドル円が121円
79銭まで反発しました。
言うまでもなく、原油価格の反発が起点になっています。
月曜日には35ドルの大台を割り込み、一時は34ドル58セントまで売られた
WTI原油価格が、昨日のNYでは37ドル台半ばまで上昇したことで、エネル
ギー株を中心に株価の上昇につながり長期金利の上昇と相まってドルを押し上げ
た形です。
昨日は経済指標もまずまずの結果でした。
NY連銀製造業景況指数は前月よりも改善しており、11月の消費者物価指数は
横ばいでしたが、コア指数は2.0%(年率)の上昇で、FRBが予想している
ように徐々にインフレ率が目標値に向ってると見られ、明日の利上げをサポート
する材料と見られます。
日本と同様に、米国でも原油価格の低下分を除くと、着実に物価は上昇している
と考えられます。
120円台前半で下落をサポートされ、121円台を回復してきたドル円ですが、
今のところ120円の大台はしっかりしていそうです。
もっとも、これも繰り返しになりますが、原油価格次第です。
原油価格は37ドル台まで反発していますが、まだ予断は許しません。
実需面からも供給過剰が続くという見方は変わっておらず、ショート筋の買い戻
しが相場を押し上げたに過ぎないと見ることができるからです。
まだしばらくは、「原油本位制」の相場展開は続くと思われます。
明日は朝方4時にFOMCの結果発表で、4時半からはイエレン議長の記者会見
が始まります。
利上げはほぼ間違いないと見られますが、ここまで利上げを前にして為替や、株
式債券市場、さらには原油などの商品市場も大きな影響を受けて来ました。
利上げをすれば、9年半ぶりの金融引き締めとなるわけですから、ある意味当然
のこととも言えますが、
これ以上各市場が混乱を続けると、利上げ後の来年の景気にも影響がでて来る可
能性もあります。
そのため、明日の声明文の中には初回利上げ後も、利上げのペースは極めて緩や
かなものになるというメッセージが込められるのではないかと予想します。
また、もし声明文に盛り込まれなくても、イエレン議長自らの言葉で、そのよう
な内容を示唆する可能性もあると考えます。
その結果、投資家心理に好影響を与え、株高、ドル高が進むと想定しています。
本日はNY株高、金利高を好感し、日経平均株価も300円程度上昇すると見ら
れ、昨日の下落分を埋めることも予想されます。
ただ、地合いは悪く反発力は鈍いかもしれません。
ドル円のレンジは121円~122円程度と予想します。

- [2015/12/16 09:00]
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原油価格34ドル台まで下落後反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
背景に、120円35銭までドルが売られた。その後は長期金利の
上昇や、原油が36ドル台まで反発したことから121円前後まで値を戻す。
前に、買戻しが入り易い状況が続く。
プラスに転じたことも安心感につながった。ダウは103ドル上昇。
変わらないとの見方が広がり債券は売られた。長期金利は2.27%台まで上昇。
その後は急速に買い戻され、36ドル31セントで取引を終える。
本日の注目イベント
昨日の東京時間では、先週末のNY株の大幅安を受けて株価が急落しましたが、そ
の割にはドル円は堅調に推移したと言えます。
121円台を回復し、欧州市場では121円35銭までドルが買われましたが、N
Yではそこから1円も振り落とされました。
ドル急落の引き金を弾いたのは、この日も原油価格でした。
WTI原油価格はイランへの経済制裁が解除になると、市場への供給量が増えると
の見方から、朝方から下げ基調を強め、一時は35ドルを割り込み、34ドル58
セントまで下落しました。
ただ、その後は積みあがったショートポジションが高水準であることや、米議会上
院では40年ぶりとなる原油輸出解禁での合意がまとまりそうだとの情報から、買
戻しが優勢となり、結局先週末比69セント高い、36ドル31セントで引け、7
日ぶりの上昇となりました。原油価格の行方が為替だけではなく、株式や債券ある
いはその他の商品相場にも影響を与える展開がますます強まった印象です。
原油の大幅安や株式市場の下落を前にして、今日から今年最後のFOMCが開催さ
れます。利上げが意識され、各市場が動揺を見せてはいますが、それでも会合での
利上げは動かないと思われます。利上げが決まれば、約9年半ぶりの金融引き締め
ということになり、2008年9月のリーマンショックから米国が完全に立ち直っ
たことを意味します。
政策発表は日本時間17日の朝方4時で、4時半からはイエレン議長の記者会見が
行われることになっています。
ドル円は一時120円割れを試すのではないかと思われる動きを見せましたが、1
21円前後まで値を戻しています。11月2日に記録した120円26銭を割りこ
まずにいたことで、目先は120円の大台はサポートとして意識されそうです。
ただ、まだ予断は許しません。
原油価格が落ち着きを取り戻し、株価の安定を見るまでは乱高下は続くと考えるべ
きで、これはFOMC後も続く可能性があります。
心配なのは、FOMCが終わると、欧米ではクリスマス休暇に入る市場関係者が多
いと思われ、マーケットが薄くなることです。
そのため、ちょっとした情報でも値が飛びやすくなる恐れがあります。
ポジションの管理には十分注意が必要です。
本日はNY連銀製造業景気指数と消費者物価指数の発表に目を向けながら、原油価
格の動きにも引き続き注意をしましょう。
レンジは120円50銭~121円50銭程度と予想します。

- [2015/12/15 08:57]
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原油価格続落でドル円120円台
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
の流れが強まり大幅に下落。一時は11月3日以来となる
120円59銭まで売られ、120円80-90銭で越週。
ユーロが買い戻される。
商品相場も下落したことから、エネルギーや素材株が
下落を牽引。ダウは309ドル下げ、S&P500も2ヵ月ぶりの
安値を記録。
上昇したため債券に資金が向った。長期金利は2.12%台まで低下。
下落に歯止めが掛からず、35ドル62セントで取引を終える。
本日の注目イベント
先週金曜日のコメントでも、「原油価格がもう一段下落するようだと、120円台
もありえる」と書きましたが、先週末のNYでは原油価格がさらに下げ35ドル台
まで売られたことから、ドル円は一時120円59銭まで下落しました。
NYダウは300ドルを超える下げを演じ、米長期金利も2.12%台まで下落す
るなど、典型的な「リスクオフ」状態となり、円買いが進んだものです。
株価の大幅下落で、恐怖指数と呼ばれる「VIX指数」は急騰し、この日は前日比
26%も上昇し、「24.39」まで上昇しました。
今週のFOMCではほぼ利上げが見込まれている上に、原油価格だけではなく、商
品相場全体が下げ基調を強めていることから、リスクの高い株式を売却し、安全資
産の債券を購入する動きが加速しました。
ドル円は120円59銭まで売られ、11月3日以来の円高水準ですが、ここか
ら120円を割り込むのかどうかが注目されます。
120円を割り込むようだと、市場参加者の相場観にも影響を与え、戻りを売る姿
勢に変わってくることも予想され、現時点では123円台半ばから上値が「壁」に
なりつつありますが、その水準が円高方向に修正されてくることも予想されます。
さらに120円を割り込むと、テクニカル的にも「雲」を下抜けし、さらに「MA
CD」でも「ゼロの軸」を抜け、「マイナス圏」に突入することになりそうです。
つまり、テクニカルでも「ドル下落」を示唆することになり、その意味でも120
円の大台は重要な水準であると言えます。
本日の下値のメドは、近いところでNYの底値の120円60銭前後で、その下は
やはり120円の節目が意識されます。
個人的には120円割れはそれほど簡単ではないと予想していますが、もちろん、
それには原油価格が下げ止まることが不可欠です。
今週は今年最後の大荒れ相場になるかもしれません。
米国ではFOMCで利上げが決められる可能性が高く、この決定を受けて市場がど
のように反応するのかなかかな読みにくい状況です。
シカゴ通貨先物市場での建て玉を見ると、さすがに円の売り持ち枚数は減少してい
ますが、利上げを「材料出尽くし」と見て、円を買い戻して来るのかどうか注目さ
れます。
また、週末には日銀の今年最後の金融政策決定会合が開催されますが、ここでの政
策変更はないものと思われますが、今朝発表の「日銀短観」が予想を下回っている
ようだと、緩和観測がやや強まることも予想されます。
本日のドル円は120円20銭~121円50銭程度と予想します。

- [2015/12/14 09:07]
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WTI原油価格続落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
株価が反発したことでドルを買う動きもあったが、一方で
引き続き原油価格の下落が重しに。
上昇を見せたが、原油価格の下落に上げ幅を縮小し、結局82ドル高
で取引を終える。
長期金利は小幅に上昇し、2.23%台に。
だったことを受け、引け値で36ドル台まで下げる。
本日の注目イベント
NY株式市場は4日ぶり反発し、原油価格の下落に伴う「リスクオフ」の流れ
が一服。それでもドル円は121円台半ばの水準で、反発というわけにはいき
ません。欧州時間に121円87銭までドルが反発する場面もありましたが、
長続きはせず、NYでは値幅もほとんど出ていません。
昨日は、週間失業保険申請件数が発表されましたが、28.2万件と、約5ヶ
月ぶりの高水準でした。ただ、この数字はクリスマス・シーズン特有の雇用調
整と見られており、引き続き完全雇用に向けて順調に進んでいる(ブルームバ
ーグ)と見られ、来週のFOMCでの利上げ判断に影響を与えるものではない
と見られます。
NY原油先物市場ではWTIは続落し、約6年ぶりの36ドル台で取引を終え
ています。金やプラチナなどのメタルも下げており、基本的にはドル高の影響
を受けていることで、反発の兆しが見えてきません。
やはり中心となるのは原油価格の動向です。
専門家の一部には30ドルまで下げるといった見方もあるようですが、そうな
ると現在の水準からはさらに20%ほど下落することになります。
さすがにそこまで下げると、米国のシエールオイル産業にも大きな影響がでる
はずで、生産コストの高いノースダコタ州の同産業も、生産調整に追い込ま
れる可能性もあります。
来週のFOMCではほぼ利上げは確実と見られ、米利上げはもはや材料にはな
っていないと考えられます。
ただ来週の利上げまで現在の水準が続くと、利上げ決定後のポジション解消に
伴い120円台への下落もないとは言えません。
それまでは相場を動かす材料が少ないことから、市場の注目は原油価格の動向
に絞られてくるのではないでしょうか。
もっとも、今夜は小売売上高とミシガン大学消費者マインドが発表され、こち
らはやや市場にインパクトがありそうです。
本日も株式市場の動きに目が向けられそうです。
「メジャーSQ」ということで、先物建て玉の精算日にあたります。
幸いに、昨日のNYでは株価が反発したことから混乱はなさそうですが、注意
が必要です。
ドル円のレンジは121円~122円程度と予想します。

- [2015/12/11 08:47]
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ドル円121円08銭まで急落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
122円を割り込むと、ストップのドル売りを巻き込んで121円08銭
まで円高が進む。
以来となる1.1044までユーロ高が進行。
株価も下落。アップルの株価の下げも厳しく、ダウは75ドル安。
本日の注目イベント
今朝は久しぶりの円高に驚いて目を覚ました方も多かったのではないでしょうか。
NYでは11月4日以来となる、121円08銭まで円が買われ、しばらく続い
ていた123円の攻防に終止符が打たれた格好です。
特筆すべき材料があったわけではありませんが、原油安が背景となって、投資家
心理を冷やし、それが株安につながり、リスクオフから円が買われたことのよう
です。言えることは、相変わらず円高方向への動きは早いということです。
原油価格は、前日の急落からアジア時間には買い戻され、38ドル台を回復しま
した。主戦場のNY市場でも先週の原油在庫が357万バレル減少したことが明
らかになり一旦は上昇しましたが、その後は売りが優勢となり結局、前日比35
セント安の37ドル16セントで引け、6年ぶりの安値で取引を終えています。
今週に入ってからは原油安が加速し、原油価格が為替や株価にも大きな影響を与
える状況になっています。金利や株価の動きに加え、今や原油価格の動きにも目
配りが必要です。
ドル円はこれまでサポートされてきた122円台前半を割り込み、121円手前
まで下落しました。日足の移動平均線を見ても、120日線と200日線を一旦
は下回っており、レンジブレイクした可能性も出てきました。
早朝の動きは、NYの安値よりも50銭ほどは反発していることから、再び20
0日線あたりでもみ合っていますが、原油価格がもう一段下げるようだと、12
1円割れもあるかもしれません。ただ、「一目均衡表」の基準線は横ばいとなっ
ていることから、それ程深い下押しはないことを示唆しています。
先ずは、本日の日経平均株価の動きに注目です。
明日の金曜日には「メジャーSQ]を控えており、比較的安定した動きを見せて
いる日経平均株価が、予想外の下げ幅を見せるようだと、円高方向に振れること
になります。サポートレベルは121円~121円20銭辺りかと思います。
欧州時間にはユーロドルの動き、そしてNYでは原油価格の動きに注意しながら、
まだ足元ではドルの買い場を探るスタンスでいいかと思います。
本日のドル円予想レンジは121円~122円30銭程度を見ています。

- [2015/12/10 08:56]
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原油価格一時36ドル台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
売られる。原油価格が36ドル台まで下落したことで、株価も下げ、円を
買い戻す動きが強まった。
ユーロ買戻しが進む。ECBの緩和策発表後は、ユーロの先安感と買い戻しの
せめぎ合いが続く。
素材関連銘柄が売られる。ダウは162ドル安の1万7500ドル台に。
やや値を戻し37ドル51セントで引ける。
本日の注目イベント
NYのWTI原油先物市場では原油価格が下げ止まらず、一時は36ドル65セント
まで売られました。NY株式市場では、原油安を嫌気してエネルギーや素材関連銘柄
が幅広く売られ、ドル円はリスクオフから円を買い戻す動きが強まり、122円72
銭まで円高が進みました。もっともドル円は、このところの膠着感は払拭できず、そ
の後は123円台まで戻しましたが、122円台後半で引けています。
原油価格はその後値ごろ感から37ドル台まで戻していますが、ファンドなどが先物
で売り建てを増やしており、原油の動きが為替や、株式、あるいは債券市場にも影響
を与える展開になって来ました。専門家の見方では30ドル程度まで下落する可能性
があるという見立てですが、これ以上下げると、「オイルマネー」の大幅な減少につ
ながり、サウジなど生産コストの低い国々にも財政への影響が避けられなくなります。
しばらくは「燃える水」の行方に注目が集まりそうです。
それにしてもドル円は動きません。
ここ1ヶ月の値幅は1円50銭程度で、先週からは123円の攻防が続いています。
来週のFOMCで利上げが実施されれば、タイミング的にも多くの欧米のトレーダー
たちは「クリスマス休暇」入りすると見られます。一部には今年は予算を達成でき
ていないトレーダーが多いことから、最後まで市場に参加して、「悼尾の一振」にか
けるのではと言った見方もありますが、残っていても勝てる保障はないわけで、そこ
は割り切ってバケーションを取る人が多いと見ています。そうなると、ここからは2
016年の相場をどう読むかのということが重要になってきます。
ブルームバーグによると、米大手2社は2016年は円が強くなると予想しているこ
とを伝えています。それによると、JPモルガンとモルガン・スタンレーは、過去4
年でドルに対して40%下落した円は下げ止まり、来年は主要通貨に対して上昇する
と予想しています。
その理由としてあげているのが、日本の経常収支の黒字額が増加することで、日銀に
よる景気刺激策を通じた通貨押し下げの効力が鈍っているためとし、1年間日銀のバ
ランスシート拡大につながる緩和措置は予想しないとしています。
原油価格の大幅低下で、原油代金やLNGの代金が劇的に減少することも想定され、
一方で自動車など、輸出の拡大傾向が見込めます。
ただ、中国や欧州の景気見通しが不透明なことから、輸出が拡大傾向を維持できるか
どうかは予断を許しません。
本日のドル円は122円50銭~123円30銭程度を予想します。

- [2015/12/09 09:00]
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NY原油価格大幅下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
原油価格や株価の値動きには反応せず、123円30-40銭
で引ける。
1.08台前半までユーロが売られる。
エネルギー株を中心に素材株なども下げた。ダウは117ドル下げ、
他の株価指数も下げる。
需要が高まった。長期金利は2.22%台へ低下。
ことが影響し、2ドルを超える下げとなり、約6年10ヶ月ぶり
となる37ドル台半ばまで売られる。
本日の注目イベント
昨日の市場の中心は原油価格でした。
上値が重い中、それでも40ドル台を割り込むと買いが入り、一進一退を続
けていた原油価格でしたが、昨日は一気に売り込まれ、先週末比2ドル32
セント(5.8%)安い、37ドル65セントで取引を終えています。
この水準は約6年10ヶ月ぶりのレベルで、OPECが生産抑制を通じた価
格コントロールを事実上放棄したと見られ、今後も供給超過が長引くとの見
方が広がったことが背景です。
また政治的な思惑もあり、サウジアラビアなど、生産コストの安い湾岸諸国
は、コストの高い生産国を市場から締め出す戦略を強化したためだという見
方もあるようです。
原油価格の一段の低下は、われわれの日常生活にはプラスに働きますが、
2016年後半ごろには、2%の物価上昇を目指す日銀にとっては「逆風」が
さらに強まったと言えます。米国にとっても、生産コストの高いシェールオ
イルを抱えていることから、厳しい状況が続きます。原油価格の下げは、米
株式市場でエネルギー株が売られ、これが市場全体の雰囲気を悪くして、
NYダウやナスダックなどの下落につながり、安全資産の債券が買われ、金
利低下を招きます。
昨日はまさに、このような展開になっていましたが、通常このような状況下
では安全通貨の円が買われますが、昨日のNYではほとんど反応していませ
ん。来週のFOMCで利上げをするとの見方がドルを支えていると思われ、
昨日の講演でもアトランタ連銀総裁は利上げの環境は整っているとの認識を
示し、利上げが秒読み段階に入っていることをにおわせています。
本日は株価がやや下値を試すと思われますが、ドル円はそれ程反応するとも
思えません。NY時間に原油がもう一段下げるのかどうかが注目され、その
動きを見て各市場がどのように反応するのかを見極めたいところです。
利上げという、過去10年ほどで一度もなかった政策変更に市場が注目して
いるとしても、もう少し値幅のある値動きを期待したいと思います。
本日は朝方発表の日本の7-9月期GDP改定値と、中国の貿易収支が注目
されます。
ドル円のレンジは122円70銭~123円60銭程度と予想します。

- [2015/12/08 09:04]
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米雇用統計良好でドル上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
講演で、さらに行動する用意があると発言したことで123円台に上昇。
一時は123円38銭までドルが買われ、ほぼ高値圏で引けた。
急騰の影響もあり、1.08台前半まで下落。
369ドル上昇し約3ヶ月ぶりの値を記録。
債券は買われ、長期金利は2.26%台まで低下。
本日の注目イベント
11月の米雇用統計は市場予想を上回り、さらに10月分と11月分も上方修正
されたことから、来週15日から16日に行われるFOMCでは、利上げは確実
な状況になったと思われます。平均時給も+0.2%と、力強さはないものの、
まずまずの内容で、ここから利上げを阻むものはありません。
ドル円は123円台を回復し、123円38銭まで上昇しましたが、そこから上
値のテストは今回もできてはいません。
12月の利上げはすでに織り込んでいることに加え、初回利上げ後の上昇ペース
も極めて緩やかになることが確認されていることが背景です。
また、ユーロドルでも前日急反発した後遺症が残っており、ユーロがそれ程売ら
れなかったこともドル円の上値を抑制したと思われます。
ドラギ・ECB総裁がNYの講演で、ECBの行動に限界はあり得ないと発言しま
した。総裁は、「債務の範囲内でわれわれが手段を講じたいとする意思において、
限界はあり得ない」と語り、「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要
があれば、間違いなくそうする」と述べています。(ブルームバーグ)
前日発表されたECBの追加刺激策は市場が予想していたよりも「小粒」であった
ため、ユーロが大きく買い戻されました。
ドラギ総裁のこの発言は、さらに追加緩和の用意があることを示唆したものでした
が、市場へのインパクトは限定的でした。
米国では雇用は順調に伸びているものの、製造業を中心に景気の伸びはいまひとつ、
という状況が続いています。
上でも述べたように、利上げはほぼ確実ですが、フェデラル・ファンド(FF)金
利の上昇は、2016年末でも1%を下回っていると予想されています。
今後、ドルがさらに上昇するには、製造業の回復が利上げペースを早めるといった
好循環が必要かと思われます。
今週米国では、週末のミシガン大学消費者マインドと小売売上高以外には重要な指
標はありません。
さらにこの二つの指標で、利上げが延期される可能性もほとんどないと思われます。
利上げが徐々に織り込まれている状況下であることを考えると、好材料には反応し
にくく、悪材料には反応しやすいかもしれません。
その意味では、今週は中国の経済指標が多く発表されることから、焦点は「中国」
ということかもしれません。
ここしばらくは「中国」を忘れかけていただけに、再び脚光を浴びることも予想
されます。
本日のドル円は、122円60銭~123円60銭程度と予想します。

- [2015/12/07 08:52]
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ECB緩和策を受けてユーロ急反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円でもドル売り円買いが優勢となり、122円30銭まで下落。
届かなかったことでユーロの買戻しを誘発。ユーロドルは1.06台半ば
から1.0981まで急騰。ユーロ円も134円台まで反発。
下落したことが影響した。ダウは252ドル下げ、1万7500ドルを割り込む。
売りが優勢となった。長期金利は2.32%台まで上昇。
本日の注目イベント
ECBは理事会で追加緩和を決定したものの、一部市場が期待していた内容に
届かなかったことで失望感からユーロドルが急激に買い戻され、ユーロが全面
高の展開でした。追加緩和の内容に失望した流れは、欧州株だけではなく、N
Y株式市場をも直撃し、株価は大きく売られ、本日の日本株にも大きな影響を
及ぼしそうです。
ECBは、少なくとも2016年9月までとしていた実施期間を、少なくとも
2017年3月に引き延ばし、さらに中銀預金のマイナス金利を現行の0.2
%から0.3%に拡大しました。ここまでは市場予想通りでしたが、市場から
の債券購入額を現行の600億ユーロに据え置いたことで市場は反応しました。
ドラギ総裁は何度も「できることは何でもやる」と述べていたことで、市場は
大胆な緩和策を期待していただけに、失望感につながりました。
またドラギ総裁は、提案に対して多くのメンバーが賛成したものの、ドイツ連
銀総裁などが反対したことを認めており、追加緩和を実施するかどうかを巡っ
てはECB内部でも意見の対立があることが露呈した形です。
ドラギ総裁らの提案に反対したのはドイツ連銀やオランダ中銀総裁など、5人
いた模様です。(ブルームバーグ)
それにしても、ユーロドルの反発はすさまじいものでした。
ユーロのショートポジションが積み上がっていたことは分かっていましたが、
発表後ユードルは400ポイント以上急騰し、ドル安ユーロ高が進み、約1ヶ
月ぶりの水準を記録しています。
ユーロドルに引っ張られる形でドル円でもドル売り円買いが見られましたが、
円の買われ方が緩やかだったため、ユーロ円も急騰し、134円50銭まで買
戻しが進みました。
一方、イエレン議長は上下両院合同経済委員会の公聴会で証言を行い、米経済
については慎重ながらも楽観的な見通しを示し、利上げ開始に必要な条件は満
たされていると述べました。また利上げは、ゆっくりとしたペースで動くこと
が重要だとも述べており、前日の講演とほぼ同じ内容でした。
これで、次回FOMCでの利上げは確実になったと考えられます。
ドル円は122円30銭まで下げました。昨日も、前日も123円台半ばまで
何度も上昇しましたが、結局今のところ、123円台後半には届いていません。
本日の雇用統計がどのような内容になるかによって、再び為替市場は大きく反
応すると思いますが、
米利上げはほぼ織り込んでいると思われます。
従って、本日の雇用統計で雇用者数は上振れしたとしても、「利上げ→ドル買
い」という構図にはなりにくいのではないでしょうか。
利上げは確実であり、その後のペースも緩やかであるということまでは織り込
まれつつあることからドル円への影響は軽微のものになるかもしれません。
本日のレンジは121円70銭~123円70銭程度と、ワイドレンジを予想
します。

- [2015/12/04 09:12]
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イエレン発言を受けドル上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
までドル高が進行。12月利上げの可能性がさらに高まった。
ただ、その後は株価が急落したことで引けにかけては
123円11銭までドルが売られる。
売りが進む。一時は1.0550まで売られたが1.05台半ばは
割り込めず反発。
エネルギー株を中心に幅広く売られる。ダウは158ドル下落し、
前日の上昇分を吐き出した格好に。
一方、2年債利回りは利上げを織り込む形で上昇し、約5年ぶりの
高水準に。
膨らんでいたことから売りが優勢となり、節目の40ドルを割り込む。
本日の注目イベント
イエレン・FRB議長は昨日の講演で、「10月のFOMC会合以降の経済
と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見
通しと整合的だ」と語り、利上げに対する前向きな発言を行いました。
さらに議長は、「事実上のゼロ金利時代の幕引きを遅らせすぎると、急激な
引き締めを余儀なくされ、その結果、金融市場が混乱し、6年にわたる景気
拡大が損なわれるリスクがある」(ブルームバーグ)
とも述べ、事実上12月の会合での利上げを認めたような印象を残しました。
ドル円はこの発言を受けドル買いが進み、一時は123円68銭まで上昇、
ちょうど今週月曜日につけたドルの高値と同水準までドル高が進みました。
しかし、これまでも123円50-124円を何度か試して抜け切れない展
開が続いていましたが、昨日も、この水準を高値にドルが反落しています。
NY株式市場が大幅安になったことで、リスクオフの流れが強まったことが
背景です。
原油価格が節目の40ドルを割り込みました。
原油在庫が予想以上に増加していたことに加え、明日開催されるOPEC総
会で、加盟国の過半数が減産に同意するとの見通しですが、サウジアラビア
やペルシャ湾のアラブ諸国が反対しており、減産で合意される見通しが立た
ないことが売り材料になっています。この原油価格の下落がNY株のエネル
ギーセクターの大幅下落につながり、一時123円台半ばを超えていたドル
円を押し下げた要因と言えます。
上述のイエレン議長の発言を加え、昨日はアトランタ連銀のロックハート総
裁も、政策金利は今月引き上げることが望ましいとの考えを示しています。
(ブルームバーグ)
ここまで来ると、明日の雇用統計でよほどのサプライズがない限り、12月
の利上げはほぼ決まったと考えられます。
同時に、12月利上げは市場に概ね織り込まれたと考えてもいいと思います。
焦点は2016年の利上げのペースです。
FOMCの日程を考えると、早ければ3月の会合で2016年度最初の利上
げが見込まれますが、そうなると、その後に少なくとももう1回、場合によ
っては2回あるかもしれません。
都合3回利上げがあれば、フェデラルファンド(FF)金利は1%程度まで
上昇していることになり、ドルのサポート材料になると思われます。
反対に3月に利上げがないとすれば、2016年度の利上げの回数は状況に
よっては1回、あるいは多くても2回ということが想定され、ドル売り材料
になることが考えられます。
前日に発表されたISM製造業景況指数が「50」を大きく下回ったことを
考えれば、米景気は磐石とは言えず、来年の利上げが1回だけという事態も
考えられなくはありません。
今月から来年3月までに製造業がどこまで回復するのかが、2016年の相
場展開を予想する上での分岐点になりそうです。
本日もドル円は底堅い展開が予想されますが、日経平均株価が想定外の下落を
見せると下値のテストもあるかもしれません。
予想レンジは122円80銭~123円80銭程度と見ます。

- [2015/12/03 09:10]
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株価上昇にもドル円123円台を維持できず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
予想を下回ったことや、シカゴ連銀総裁の発言などで反落。
122円台後半まで下げたが、株価の上昇で下落も限定的。
ECBの理事会を前に、利益確定の買いが優った。
168ドル高。ナスダックは高値を更新。
10年債は前日とほぼ変わらず。
本日の注目イベント
ドル円は、なかなか123円台が定着できず、昨日も東京市場では株価が
2万円の大台を回復したにも関わらず、122円後半まで押し戻され、そ
の後のNYでも123円台までドルが買われたが、結局維持できず、12
2円台後半での取引になっています。
日経平均株価は約3ヵ月半ぶりに2万円の大台を回復し、NYダウも16
8ドルの大幅上昇。それでもドル円は123円半ばを試すどころか、12
3円台さえも維持できずに押し戻される展開が続いています。
ドルが底堅いのか、あるいはドルの上値が重いのか判断しかねる状況です。
昨日は11月のISM製造業景況指数が予想外の低水準でした。
好不況の分かれ目である「50」を大きく下回り「48.6」でした。
この水準は2009年6月以来の水準となり、製造業の鈍化を如実に物語
っています。言い換えれば、足元の米景気はサービス業に牽引されており、
雇用の増加もサービス業中心と言えます。
また、昨日はFOMCメンバーのエバンス・シカゴ連銀総裁の講演があり
、総裁は「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド
(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる
可能性が高いと考えられる」と述べ、利上げのペースは極めて緩やかにな
る見通しを示唆しました。
エバンス総裁は11月にも同様の発言を行っており、FOMC全体の意見
を代弁しているようにも思えます。因みに同総裁は今年のFOMCでの投
票権を持っています。
12月のFOMCで仮に利上げが決められても、その後のペースは非常に
緩やかなものになるといった見方や、昨日は経済指標の鈍化がそれを正当
化するような結果だったため、株価が大きく反発しました。
例年12月は株価が上昇する傾向が強く、今年は加えてECBによる緩和
の可能性がさらに、株式市場への資金流入を促がしている面もあります。
ただそれでも昨日の動きに見られたように、ドル円との相関度が低下して
いる状況です。
123円台半ばから上値が「壁」になっている状況ですが、ここを打ち破
るには米利上げとECBの追加緩和という「二つのクリスマスプレゼント」
が必要ではないかと思われます。一つだけでは、もらった方も「期待はず
れ」との印象を強め、反応も限られるかもしれません。その第一弾が明日
のECB理事会です。
本日はイエレン議長の講演が予定されており、利上げをある程度織り込ん
でいることから、初回利上げ後のペースについてヒントが得られる可能性
があります。
予想レンジは122円50銭~123円30銭程度と見ています。

- [2015/12/02 09:01]
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ドル円1週間ぶりに123円台を回復
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
3日のECB理事会での追加緩和観測が根強いことから、ドルが
買われ円も売られた。この日のドルの高値は123円34銭。
追加緩和観測がユーロを押し下げる流れが続く。
経済指標の鈍化に売り物に押され、ダウは79ドル安。
スプレッドの拡大が顕著に。
本日の注目イベント
ドル円は11月23日以来となる123円台に乗せて来ました。特段材料があった
わけではないものの、3日のECB理事会での追加緩和観測が根強く、ユーロドル
が直近安値を僅かながら更新し、1.0558までユーロ安が進んだことで、「円
も売られた」という側面が強いと思われます。
ECB理事会では中銀預金のマイナス幅を拡大するとの見方も強く、そのためドイ
ツ国債など、欧州の債券利回りは軒並み低下しています。
ドイツの5年債利回りはマイナス1.85%で、米国の1.645%を大きく下回
っています。そのため欧州の債券投資には慎重にならざるを得ず、運用難から米国
や日本への投資が増えるといった見方もあります。
今朝の経済紙などにも、欧州の債券資金が日本の株式市場に流入することで、年末
にかけて日本株が上昇する一因になるとの指摘もありました。
日本はともかくとして、米国へ欧州からの資金が流れているものと思われます。
欧州の投資家とすれば、ユーロを売ってドルを買い、そのドルで米国債に投資すれ
ば「高金利と為替益」の両方を享受することができ、この動きがユーロドルを押し
下げていると見られます。
ECB理事会に、イエレン議長の議会証言、さらには11月の雇用統計と、今週は
ビッグイベントが目白押しで、今後の為替水準に大きな影響を与えそうです。
正直なところ、これらのイベントを通過した後、ドル円がどの水準にいるのか、な
かなか予想できません。おそらく、それ程円高水準にはなっていないと思われます
が、市場がどのような反応をみせるのか、予想しづらい状況です。
雇用統計が多少下振れしたとしても、12月のFOMCでの利上げは揺るがないと
予想していますが、反対に、利上げが見送られた場合には大きな「サプライズ」と
して捉えられます。
もちろん、その可能性は低いと思われますが、昨日発表されたシカゴ購買部協会景
況指数を見ると不安がつのるのは正直な印象です。
同指数は「50」が好不況の分かれ目でさが、昨日発表された11月の指数は「4
8.7」でした。10月が「56.2」と、今年最も良好な結果だっただけに、景
況感が急速に悪化したことを物語っています。
雇用は良好でも、それ以外の経済指標はまだらで、特に製造業の鈍化傾向は続いて
います。
本日は中国のPMIをはじめ、市場にインパクトのある指標が多く発表されます。
まだ、足元の方向感のない流れを決定付けるとは思えませんが、それなりに値幅が
出ることは十分あり得ます。
予想レンジは122円70銭~123円70銭程度と見ています。

- [2015/12/01 08:54]
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