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米利上げペース鈍化にドル安株高 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 前日のイエレン発言の影響が残り、ドル円は夕方には112円近辺まで

    下落。NYでは112円前半から半ばで推移し、動意に乏しかった。

  • ユーロドルは続伸。米利上げペースがさらに遅くなるとの見方から

    ドル売り、ユーロ買いが優勢となり1.1365まで上昇。

  • 株式市場は続伸。4月利上げの可能性が低下し、株式には買い安心感が

    広がる。ダウは4日続伸し、1万7700ドル台を回復。

  • 債券相場は30年債を中心に反落。明日の雇用統計を前に、取引は

    盛り上がらず。長期金利は小幅に上昇し1.82%台に。

  • 金は反落。原油は朝方は売られたが小幅に反発して引ける。


  •  3月ADP雇用者数 →  20.0万人

    本日の注目イベント

  • 独   独2月小売売上高

  • 独   独3月雇用統計

  • 欧   ユーロ圏3月消費者物価指数(速報値)

  • 英   英10-12月期GDP(確報値)

  • 米   新規失業保険申請件数

  • 米   3月シカゴ購買部協会景気指数

  • 米   ダドリー・NY連銀総裁講演


    前日のイエレン議長の発言を材料に、引き続き株価は上昇しドルが売られる

    展開です。ドル円は昨日の夕方には112円近辺まで売られ、下値を試す流

    れになっています。米利上げのペースがゆっくりとしたものになるとの見方

    が優勢となり、NYダウは4日続伸。1月から2月にかけて見られた株式離

    れが、まるでうそのような展開です。ダウは昨年11月に記録した史上最高

    値に100ドル余りの水準まで買われ、日経平均株価との違いを鮮明にして

    います。

    先週急速に高まった4月利上げ観測が、イエレン議長の利上げに関する慎重

    な発言で一気に後退し、ドルは主要通貨に対して下落しました。

    ドル円は1週間ぶりに112円前後まで売られ、ユーロドルも「目先の上限」

    に近い1.130-50水準を再び試す展開です。

    ユーロドルは2月11日と3月17日にもこの水準をテストし、いずれも押

    し戻されています。この水準を上抜けできれば、1.15辺りまで上昇する

    可能性も出てきそうです。

    米追加利上げが4月なのか、あるいは6月にずれ込むのかが、為替の水準を

    決めているような動きになっていますが、昨日は「ハト派」の重鎮であるシ

    カゴ連銀のエバンス総裁が講演で、「例えばFOMCが3月に発表した予測

    中央値で示されたように、向こう3年間の金融正常化は非常に低い軌道をた

    どるのが最も適切だろう」と述べています。(ブルームバーグ)

    また同総裁は年内2回の利上げは十分可能だとしながらも、4月利上げには

    否定的な考えを示し、早くても6月との見方を示しています。

    昨年12月の初回利上げの際には、米景気の堅調さを強調し、FOMCメン

    バーのドットチャートでは今年4回の利上げが見込まれましたが、その後の

    原油安や、中国景気の減速で、利上げのギアを下方にシフトした印象があり

    ます。

    ただ米景気の実態は、そのころと大きな変化はありません。

    昨日のADP雇用者数も20万人と、僅かですが市場予想を上回り、明日の雇

    用統計に期待をつなげた格好です。

    鈍化が懸念される製造業についても、米大手投資銀行は「底入れの兆し」が

    あるとのレポートを発表しています。

    事実、NY連銀製造業景況指数やフィラデルフィア連銀指数など、多くの製

    造業指数が急速に回復しています。

    そのため、今後の経済指標次第では再び4月利上げ観測が高まることも、な

    いとはいえません。110-115円のレンジが抜けるとすれば、110円

    の可能性の方が高いと、個人的には予想していますが、まだ確信をもてる程

    のものではありません。

    本日は昨日と同水準で推移している上、雇用統計を明日に控え動きにくい展

    開が想定されます。

    112-113円程度を予想します。


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    イエレン発言でドル急落 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場


    • ドル円は113円台後半から急落。イエレン議長が利上げに
      対する慎重な姿勢を示したことで、112円61銭まで売られる。

    • ドルが売られたことからユーロドルも反発。約10日ぶりに
      1.13台までユーロ高が進む。

    • 利上げ観測が後退したことから株価は続伸。ダウは3日続伸し、
      1万7600ドル台まで買われ、年初来高値を更新。

    • 債券相場も続伸。イエレン議長の「ハト派」発言を材料に
      買われ、長期金利は1.80%台まで急落。

    • 金、原油はともに続落。

    • 1月ケースシラー住宅価格指数 → +5.75%

    • 3月消費者信頼感指数     → 96.2

    本日の注目イベント

    • 日   2月鉱工業生産
    • 独   独3月消費者物価指数(速報値)
    • 欧   ユーロ圏3月景況感指数
    • 米   3月ADP雇用者数
    • 米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演

    4人のFOMCメンバーが揃って、利上げに前向きな発を繰り返し、ドル
    円は113円台後半まで緩やかに上昇しましたが、昨日のイエレン議長の
    講演で、利上げ観測が後退し一気に円高に振れています。
    一時112円61銭までドルが売られ、再び111-114円のレンジに
    押し戻された形です。

    イエレン議長はNYのエコノミッククラブで講演し、「FOMCは政策調
    整を慎重に進めるのが適切だと私は考えている」と発言し、政策金利が
    再びゼロになった場合にFOMCには政策を緩和する「かなりの余地が
    なおある」と指摘しました。(ブルームバーグ)米金融当局が利上げを
    慎重に進めることが適切との認識が示されたことで、予想以上に「ハト派」と
    受け止めた市場は、ドルを売り、株式と債券を買い、その結果長期金利が
    低下しました。

    市場には、場合によっては4月にも利上げがあり得るのではないかといった
    雰囲気が支配的だっただけに、冷や水を浴びせられた格好になりましたが、
    この景色は以前にも見たことがある景色で、2月の議会証言後の動きと酷似
    しています。FOMC内でも、イエレン議長が特に「ハト派色」が強い
    ような印象が残っています。

    これでドル円も再び振り出しに戻った感があります。114円にも届かず
    戻ってきたドル円は、今度は下値をトライすることになるかもしれません。
    ただ、米経済指標を見る限りそれほどドルが売り込まれる状況ではありま
    せん。昨日も3月の消費者マインド指数が発表されましたが、景気の先行
    きに関するマインドは決して悪くはありません。またイエレン議長に近い
    サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は昨日、米経済は世界経済の成
    長減速を乗り切りつつあると見受けられると述べるとともに、米金融当局が
    緩やかなペースで利上げするとの見通しを改めて示しています。

    今週末には3月の雇用統計が発表され、この結果が4月のFOMCに
    大きな影響を与えることには変わりはありません。
    昨日のイエレン発言を受けた今でも、利上げの可能性は五分五分と見られ
    ます。結局、雇用統計次第ということです。

    テクニカルを見ても特段明確なヒントは得られません。
    下値のサポートは「1時間足」の200日線がある112円45銭あたりと、
    「4時間足」の雲の下限である、112円35-40銭近辺がひとまず
    重要と見られます。

    予想レンジは112円20銭~113円20銭程度と見ます。

    インフレ率鈍化で利上げ観測やや後退 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場


    • ドル円はアジア市場で113円68銭近辺まで上昇したが、NYでは
      上値を抑えられた。インフレ率が予想ほど上昇していなかったことから、
      利上げは急がないといった見方が広がり、113円15銭まで反落。

    • ユーロドルは反発。1.1220まで買われ、ユーロ円も約3週間
      ぶりに127円台に。

    • 株式市場は利上げの見通しが定まらずまちまち。ダウは19ポイント
      上昇したものの、ナスダックは6ポイント下落。

    • 債券相場はもみ合いから反発。PCE・コアデフレーターが
      伸びなかったことから買いが入った。長期金利は1.88%台に低下。

    • 金は続落し、原油も小幅に続落。

    • 2月個人所得        →   +0.2%

    • 2月個人支出        →   +0,1%

    • 2月PCEコアデフレーター →   +1.7%

    • 2月中古住宅販売成約指数  →   +3.5%

    本日の注目イベント

    • 日   2月失業率
    • 欧   ユーロ圏2月マネーサプライ
    • 米   1月ケースシラー住宅価格指数
    • 米   3月消費者信頼感指数
    • 米   イエレン・FRB議長講演
    • 米   カプラン・ダラス連銀総裁講演

    ドル円は昨日しっかり113円台に乗せ、一時は113円68銭あたりまで
    買われました。一部報道で、政府が2017年4月の消費税増税を延期する
    方針を固めたと伝えられたことが材料となり、ドル買い円売りが強まりました。
    その後、菅官房長官が「そのような事実はない」と否定していましたが、
    どうやら方向としては「延期」に向っているように思えます。

    ドル円はそれでも上値は限定的で、NYでは113円台半ばを超えていません。
    むしろ、PCE・コアデフレーターが予想を下回り、さらに先月分が下方修正
    されたことから「利上げは急がない」といった見方も出て、ドル売りが優勢に
    なっています。

    2月のPCE・コアデフレーターは1.7%と、わずかな増加にとどまり、消
    費者が所得の増加分を貯蓄に回したことが示されました。
    FRBが注目するインフレ指標が鈍化したことで、先週から急速に高まった
    4月利上げ観測がやや後退した格好です。
    市場は利上げの道筋を見極めにくく、方向性も見つけにくい展開が続いている
    (ブルームバーグ)といった雰囲気です。

    米利上げは早くとも6月と見られていましたが、相次ぐ連銀総裁の「タカ
    派的」発言で、イエレン議長の記者会見がなくとも、4月利上げの可能性が
    出てきました。もちろん、それも経済指標次第というところですが、その鍵を
    握るのが昨日のPCE・コアデフレーターと、今週末の雇用統計です。
    前者は4月利上げの追い風にはなりませんでしたが、雇用統計の前に、今夜は
    イエレン議長の講演があります。

    講演はNYで、夜中の1時20分から予定されていますが、ここで議長が先週
    聞かれたような利上げに前向きな発言をするようだと、4月利上げの可能性が
    さらに高まることになります。利上げに対する市場の見方がややネガティブな
    ことから、修正する意味で、「タカ派的」発言をしたのではないかとの見方も
    ありますが、もしそうだとすれば、イエレン議長もFOMCメンバーと同様な
    発言をする可能性が高いと予想されます。

    先週末に発表された10-12月期のGDP確定値も上方修正され、中国不安も
    後退しています。1月から2月にかけて市場が大きく混乱し、乱高下したこと
    から3月利上げが見送られたわけですが、これら外部環境が落ち着きを取り
    戻していることを考えれば、4月利上げも全くないとは言えません。先週の
    相次ぐ「タカ派発言」を、フォワードガイダンスの一種と考えることもできる
    のではないでしょうか。
    本日のドル円は112円70銭~114円程度と予想します。

    米GDP上方修正される 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • グッドフライデーで、欧米の株式、債券市場が休場のため

    ドル円は動かず。113円台前半で推移し、値幅も15銭前後。

  • ユーロドルも小動き。1.11台半ばで推移し、動意なし。


  • 10-12月GDP(確定値)  → +1.4%


    本日の注目イベント


  • 英 ロンドン市場休場(イースター休暇)

  • 米   2月個人所得

  • 米   2月個人支出

  • 米   2月PCEコアデフレーター

  • 米   2月中古住宅販売成約指数

    先週の金曜日はグッドフライデーのため、為替はほとんど動いていません。

    10-12月期の米GDP確定値が発表になり、上方修正されたため、利

    上げ観測がやや高まりドル買いが優勢にはなりましたが、基本的には小動

    きでした。

    確定値は+1.4%で、改定値の+1.0%から上振れしています。

    先週は、FOMCメンバーによる「タカ派」発言が相次ぎ、4月利上げの

    可能性が急浮上して来ました。特に、セントルイス連銀のブラード総裁は、

    「利上げの時期が近づいている可能性がある」と発言し、最も積極的な姿

    勢をみせていました。そこに、GDPの上振れという追い風が加わり、週

    明の欧米市場がどのような反応を示すかにも注目ですが、今朝のオセアニ

    では既にドルが小高く始まっています。

    今週末には3月の雇用統計が発表されます。

    ここで、安定した内容の結果が示されると、4月利上げの可能性がさらに

    高まってくる

    ことも予想されます。

    4月の会合ではイエレン議長の記者会見は予定されていません。

    それだけに、当初はノーマークだったわけですが、俄然注目を集める状況

    に変わってきました。また、記者会見は予定されていませんが、明日(火

    曜日)にはイエレン議長の講演があります。

    講演時間は30日夜中の0時30分からということになっています。

    ここで他のメンバーと同じように、利上げに前向きの発言がでるようだと、

    一層可能性が高まります。

    今月のFOMCでは2016年の利上げ回数が、ドットチャートでは2回

    に下方修正されたことで、ドル円は一時110円68までドル安が進みま

    した。

    米金利は当面上がらないとの見方がドル売りにつながったわけですが、先

    週からはその見方が徐々に修正されてきたことから、ドルがジワジワと買

    われています。

    このまま115円に向うとも考えにくいですが、先ずは明日のイエレン議

    長の発言と、週末の雇用統計を見極めたいと思います。

    本日の予想レンジは112銭70銭~113円80銭程度を予想します。


  • ドル円112円台で変わらず 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は東京市場の夕方に113円まで買われる場面も

    あったが、NYでは経済指標の悪化に112円台前半まで押される。

    その後ドルは連銀総裁の発言に再び112円90銭まで反発し、

    高値圏で引ける。

  • ユーロドルは1.11台半ば近辺でのもみ合い。グッドフライデー

    前と言うこともあり取引は低調。

  • 株式市場はまちまちながら前日とほぼ同水準。ダウと

    ナスダックは小幅に上昇し、S&P500は続落。

  • 債券相場は反落。4月利上げの可能性が浮上してきたことを

    材料に売られる。長期金利は1.90%に。

  • 金は小幅に上昇。原油は在庫増が引き続き材料視され続落。

  • 新規失業保険申請件数 → 26.5万件

  • 2月耐久財受注    → -2.8%

    本日の注目イベント

  • 日   2月消費者物価指数

  • 英   ロンドン市場休場(グッドフライデー)

  • 米   NY市場休場(グッドフライデー)

  • 米   10-12月GDP(確定値)


    ドル円は昨日の夕方113円まで上昇する場面がありましたが、今回も勢いはなく、

    NYでは耐久財受注が悪化していたこともあり、112円37銭まで落とされまし

    た。その後連銀総裁の発言や長期金利の上昇を手がかりに再び112円台後半まで

    ドル高が進んでいます。

    110円割れのリスクはやや後退しているものの、上値を追う展開でもありません。

    翌日は主要欧米市場が休みということもあり、ポジション調整に終始した印象です。

    このところ連銀総裁の「タカ派的」発言が相次いでいますが、昨日もセントルイス

    連銀のブラード総裁の発言を受けて市場は上下しました。

    ブラード総裁はNYの講演で「3月の経済予測での比較的小幅な下方修正は、景気

    動向が予想通りに展開した場合に次回利上げがはるか遠くではないことを示唆して

    いる」と発言し、4月のFOMCでの利上げもあり得るとの認識を示しました。

    同総裁はまた、見通しやデータに変化がない場合、「計画通りに行動を遂行しない

    のは金融政策当局としての信用を損なう恐れがある」とも述べています。

    (ブルームバーグ)

    これでサンフランシスコ連銀総裁に始まり、4地区連銀総裁が利上げに前向きな発

    言を行い、中にはハト派の代表格であるシカゴ連銀のエバンス総裁も含まれていま

    す。一連の発言は、市場の利上げに対する悲観的な見方を修正しようとしているよ

    うに見られ、米景気に対する自信の表れととることもできそうです。

    ドル円は「日足」では5日連続で陽線を見せており、これは昨年11月以来のこと

    です。依然として114円台半ばから115円にかけてはドル売り意欲が強いと思

    われます。短期的な動きを表す「4時間足」までは雲抜けを完成させてはいますが、

    現在は「8時間足」の雲の下限で上昇を抑えられている状況です。

    レンジ内での取引が続いており、まだ明確な方向性は見えません。

    従って下げたところを拾って、じっくり待つ相場展開でもありません。

    ここはレンジ相場だと割り切り、確実に利益を積み上げていくほかありません。

    本日は市場参加者が減少し、流動性が低下するなか、米GDP確報値が発表されま

    す。大きな値動きにはならないと思いますが、注意は必要です。

    予想レンジは112円20銭~113円20銭程度とみます。


  • ユーロドル再び下落基調へ 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場


    • ドル円は112円90銭まで上昇。セントルイス連銀総裁が4月利上げの
      可能性に言及したことが背景。ただその後は米長期金利の低下や原油価格の
      下落にドル売りが優勢となり、112円34銭までドル安が進み、この日の
      安値圏で取引を終える。

    • ドル高が進んだことでユーロドルも下落、1.12台を割り込み、
      1.11台半ばまでユーロ安が進行。

    • 株式市場は続落。原油価格の下落がひびき、エネルギー株を中心に
      売られる。ダウは79ドル安く、その他の株価指数も揃って下落。

    • 原油安、株安から債券相場は反発。価格は上昇し、利回りは
      1.87%台まで低下。

    • 金は続伸。原油価格は輸入量が増え、在庫も増加していた
      ことで大幅に下落。

    • 2月新築住宅販売件数    → 51.2万件

    本日の注目イベント

    • 欧   ユーロ圏3月総合PMI(速報値)
    • 欧   ユーロ圏3月製造業PMI(速報値)
    • 欧   ユーロ圏3月サービス業PMI(速報値)
    • 欧   ECB経済報告
    • 英   英2月小売売上高
    • 米   債券短縮取引
    • 米   新規失業保険申請件数
    • 米   2月耐久財受注
    • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演


    昨日のNY市場ではドル円が112円90銭近辺まで買われ、約1週間ぶりの
    高値を付けています。FOMCメンバーのによる4月利上げの可能性を示唆す
    る発言が相次いでおり、市場に「もしかしたら」という見方が強まってきた
    ことが背景です。昨日は、セントルイス連銀のブラード総裁の発言がきっけ
    でした。

    ブラード総裁はブルームバーグとのインタビューで、「雇用統計では力強い
    内容があらためて示され、労働市場は改善しつつあると見受けられる。4月利
    上げを支持する論拠といえそうだ」と述べています。また、「最終的にインフ
    レ率は目標を上回り、失業率は自然失業率を下回りそうだ」、「FOMCは
    のちのち、より早いペースでの利上げを余儀なくされる可能性がある」とも
    述べています。

    今週は、サンフランシスコ連銀総裁や、アトランタ連銀総裁も同様な発言を行っ
    ており、ハト派のシカゴ連銀総裁までもが、米景気の良好さに言及しています。
    4月のFOMCはイエレン議長の記者会見が予定されていないため、これまでの
    例では「政策変更」は実施されにくいことが分かっており、「無風」だと予想さ
    れていました。「今後の経済指標次第」との条件はつくものの、4月利上げの
    可能性がにわかに浮上してきました。

    ドル円は113円目前の水準まで買われましたが、勢いは感じられません。
    4月利上げの可能性が浮上してきたとはいえ、まだ115円を試す展開でもあり
    ません。背景には、原油価格は下げたとはいえ40ドルを若干下回った水準で、
    2月に比べれば高水準です。米長期金利も1.7%台で推移していたころと比べ、
    足元では1.8%台後半です。ドル円の重石となっているのが、日経平均株価の
    低迷に一因があるように思えます。

    もっとも、これは株式関係の人と言わせると、「ドル円が戻さないから株が上が
    らない」、「株価が上昇しないのは円高が原因だ」と声を揃えて言います。
    どちらが先なのかは判断が難しいところですが、両者が強い相関関係にあること
    は確かです。2013年からはアベノミクスで、ドル高株高が急速に進みましたが、
    そのアベノミクスにかつての輝きがなくなり、期待値も低下していることにも関係
    がありそうです。110ー115円のレンジがどちらも抜けきれない展開が続いて
    います。

    ユーロドルは今月10日にECBが追加緩和を実施し、その後のドラギ総裁の発
    言をきっかけに買い戻しが進み、1.13台半ばまで上昇しましたが、再びユーロ
    がじわじわと下落に転じてきました。この動きは昨年12月のECB理事会後の動
    きと全く同じです。ドラギ総裁の口先介入でユーロ安が進み、ユーロショートが
    ある程度積み上がったところでECB理事会を迎え、その後失望から急速に買い戻
    され、再び時間をかけながら下げて来るという展開です。
    これは長い目で見れば、昨年1年を通じても同じような展開だったと言えます。

    ドル円は4月利上げの可能性が浮上したことで110円割れのリスクがやや後退し
    たと見られますが、まだ確信は持てません。
    原油価格や中国のリスクは潜在的に残っており、こちらが大きく変動すれば110
    円を試しに行くことはそう難しいことでもありません。
    ここは、レンジ相場が続いていると認識し、レンジを外れた際にはその方向に追随
    するしかありません。
    本日の予想レンジは111円80銭~113円程度とします。


     

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場


    • ドル円はベルギーの首都ブリュッセルで連続テロがあった
      ことから円買いが進み、111円台前半までドルが売られる。
      その後は連銀総裁の利上げに前向きな発言が伝わったことから
      買い戻しが入り、112円49銭までドルが反発。

    • ベルギーのテロでユーロが続落。ユーロドルは1.12近辺
      まで売られる。EUからの離脱の機運がさらに高まるとの観測から
      ポンドも下落。

    • 株式市場は8日ぶりに反落。ベルギーでのテロに米国でも警戒感が
      強まり、ダウは41ドル安。輸送関連株が大きく売られた。

    • 債券相場はハト派のシカゴ連銀総裁が、利上げに前向きな発言を
      したことが逆風となり下落。長期金利は1.94%台まで上昇。

    • 金は小動き。原油も小幅に反落。

    • 1月FHFA住宅価格指数     →  +0.5%

    • 3月リッチモンド連銀製造業指数   →  22

    本日の注目イベント

    • 欧   ユーロ圏3月消費者信頼感(速報値)
    • 米   2月新築住宅販売件数

    ベルギーの首都ブリュッセルで空港や地下鉄駅で爆発があり、30人以上の人が
    犠牲になりました。ブリュッセルは欧州の中心で、ハブ空港の役割もあり、EU
    本部など重要な国際機関も多くあります。
    イギリスや、フランス、それにベルギーやトルコなど、欧州のテロに対するリス
    クは相当高まっていると思われます。
    5月にサミットを開催する日本も例外ではなく、厳重なテロ対策が求められます
    が、自爆テロを事前に防ぐ手段はなかなか難しいようです。

    ドル円はテロの報道に、一時111円38銭まで円買いドル売りが進みました。
    ユーロが売られ、さらにテロの影響からEUからの離脱の可能性が高まるとの
    見方からポンドも売られました。ヨーロッパ全体の地政学的リスクが高まって
    いると言えます。

    ドル円は下値を試しましたが、その後は112円台半ばまで反発しています。
    ハト派で知られるシカゴ連銀のエバンス総裁は講演で、「今年の米経済成長率を
    2-2.5%と予想し、ファンダメンタルズが非常に良好な状態にある」と発言
    しました。また、労働市場の一層の改善や賃金のさらなる上昇で、インフレ率も
    当局が目標とする2%に向って加速するとの認識も示しました。(ブルームバー
    グ)

    先週のFOMCでは利上げが見送られましたが、その点に関しても「3月の金利
    変更見送りは、2016年の経済:金融リスクが利上げを開始した昨年12月よ
    りも幾分高いように見えることが論拠だ」と指摘しています。
    サンフランシスコ連銀のウイリアムズ総裁、アトランタ連銀のロックハート総裁
    に続き、エバンス総裁も利上げに前向きな姿勢を見せたことで、これまでノーマ
    ークだった4月のFOMCが俄然注目を集める状況になってきました。

    このままでいくと米利上げは、「あっても年内1回」と予想している市場の見方
    はやや悲観的すぎるということになりますが、これら一連の発言で、今後の経済
    指標次第では「4月利上げ」が現実味を帯びてくることにもなります。
    それは、ドルにとっての追い風となり、115円に向ってドル円が上昇する
    きっかけにもなり得ます。今のところ連銀総裁の発言は、弱気すぎる市場の見
    方をけん制する意味合いもあると思われますが、
    110円を割り込むと円高が加するという相場観が広がっている中で、ドルの
    サポート要因になるかもしれません。

    本日は材料的には特段相場を大きく動かすものはありませんが、欧州時間に
    入ったら一応注意が必要です。予想レンジは111円70銭~112円70銭
    程度と、昨日と変わりません。

    米4月利上げの可能性浮上 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円はアトランタ連銀総裁が利上げに言及したことで

    上昇。それでも112円には届かず、上値の重い展開が続く。

  • ユーロドルは反落。米利上げが4月の可能性も出てきたことで

    ドルが買われユーロが売られ、1.12台半ばまで下落。

  • 株式市場は7日続伸。ダウは21ドル上昇し、1万7600ドル

    台に。主要3指数は揃って上昇。

  • 債券相場は反落。連銀総裁が早ければ4月にも利上げの可能性に

    言及したことで売られる。長期金利は1.91%台に上昇。

  • 金は反落。原油は供給過多が弱まるとの見方から下落。


  • 2月中古住宅販売件数    → 508万件

    本日の注目イベント

  • 独   独3月製造業PMI(速報値)

  • 独   独3月サービス業PMI(速報値)

  • 独   独3月IFO景況指数

  • 独   独3月ZEW景況感指数

  • 英   英2月生産者物価指数

  • 英   英2月消費者物価指数

  • 英   英2月小売売上高

  • 英  英2月財政収支

  • 米   1月FHFA住宅価格指数

  • 米   3月リッチモンド連銀製造業指数

  • 米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演

  • 米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演


    NYダウは7日連騰で、この間の上げ幅は630ドルほどになっています。

    これまでは、株価が上昇するとドル高が進み、株価とドルには強い相関関

    係がありました。しかし、ここ数週間は株価が上昇してもドル円がついて

    いきません。株価はドル安の影響を受けて上昇している面もあり、昨日も

    ドル円は111円台後半まで上昇しましたが、これは米国で早ければ、4

    月にも再利上げがあるかもしれないことに反応したものです。

    アトランタ連銀のロックハート総裁はジョージア州で講演を行い、「早け

    れば4月末に予定されている会合も含め、今後の会合での追加措置を正当

    化するだけの勢いが景気にある。その勢いは経済データが裏付けている」

    と述べ、早くても6月と見られている利上げが、やや前倒しになる可能性

    が出てきました。

    先週のFOMCでは利上げが見送られました。4月26-27に開催され

    るFOMCでは、イエレン議長の記者会見が予定されていないことから

    「無風」と見られていましが、ロックハート総裁の発言で、その可能性も

    浮上して来ました。

    同総裁はさらに「一段の金利正常化は今年、経済情勢により正当化される

    可能性が高いと考えられ、その時期は比較的早く訪れる可能性もあるが、

    私としては3月会合で辛抱強いアプローチが理にかなっていると感じた」

    と述べ、その背景として、「リスクと不安定要素はいくらか変化した」と

    しています。(ブルームバーグ)

    ドル円は先週、一時110円67銭まで売られ、110円割れも視野に入

    ってきた雰囲気です。その最も大きな理由が、「米利上げ観測の後退」で

    あることは言うまでもありません。中国発の混乱は一旦なりを潜めており、

    原油価格も先週は40ドル台を回復するところまで戻って来ています。

    加えて、上でも述べているように株価も大きく反発しており、年初以来高

    値を更新中です。これらを考え合わせると「リスクオン」がいつ加速して

    もおかしくはありません。「米利上げが年内に1回あるかないか」という

    観測が、かなりドルを上値を抑えて来たと思われます。

    仮に4月にも利上げが行われると、先週のFOMCメンバーのドット・チ

    ャートが示しているように、年内2回の利上げは十分考えられます。

    そなると、ドル円も115円に向って「修正」を迫られる場面もあろうか

    と思います。

    米景気が引き続き拡大しているという前提に立てば、ドル円浮上の鍵を握

    っているのは、「消費税増税の凍結と景気対策」と見ています。

    2017年からの消費税引き上げに関して、安倍首相の言い回しも微妙に

    変化してきました。先週は「消費税を引き上げて景気を悪化させては元も

    子もない」との言い方をしています。

    既に2回開催された「国際金融経済分析会合」も、消費税引き上げ延期の

    ために「外堀を埋めている」との印象を持ったのは筆者だけではないと思

    われます。クルーグマン教授という真打登場で、決着をみるのでしょうか。

    本日のドル円はやや上値を意識した展開を予想しています。

    既に112円台に乗せていることもあり、111円70銭~112円70

    銭程度をみたいと思いますが、日経平均株価の戻りが鈍いようだと、上値

    は抑えられるかもしれません。


  • ドル円一時110円台半ばまで急落 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円はFOMC後のドル売りの流れがさらに加速し、一時110円67銭

    を記録。急激な円高が進んだことで、日銀による「レートチェック」の噂

    も出て、112円近辺まで値を戻したが、再び売りに押され、

    111円30-40銭で引ける。

  • ドル安の流れが加速し、ユーロドルは1カ月ぶりに1.13台半ばまで

    買われ、ECBの追加緩和以前の水準に戻る。

  • 利上げ回数が減少するとの見方を背景に株価は大幅に続伸。ダウは155ドル

    上昇し、1万7481ドル台まで上昇。年初からの下げ幅を全て埋めた格好。

  • 債券相場も続伸。FOMCの声明文の効果もあり、長期金利は1.9%台を

    割り込む。

  • ドルが売られたことから、金は35ドルを超える大幅高。原油も大幅に

    続伸し、引け値で12月以来の40ドル台回復。


  • 新規失業保険申請件数       → 26.5万件

  • 3月フィラデルフィア連銀景況指数 → 12.4



    本日の注目イベント

  • 日   日銀金融政策決定会合、議事要旨(1月28日、29日分)

  • 独   独2月生産者物価指数

  • 米   3月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)

  • 米   ダドリー・NY連銀総裁講演

  • 米   グアテマラ・ボストン連銀総裁講演

  • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演

  • 加   カナダ1月小売売上高

  • 加   カナダ2月消費者物価指数


    FOMC声明文前には113円82銭まで上昇していたドル円は、米利上げ

    の回数が下方修正されたことからドル売りが進み、昨日のNYではついに1

    11円を割り込み、一時は110円67銭まで急落しました。

    ドルは、ユーロやポンドなど主要通貨に対しても下落しており、「ドル全面

    安」の展開です。

    一方で、金利は当面上がらないとの見方を背景に株価は大幅に上昇し、ダウ

    は昨年12月の水準を回復しています。

    WTI原油価格が、今年初めて引け値で40ドル台を回復し、エネルギー株

    が急反発しています。加えて、足元ではドル安が進んでいることから、グロ

    ーバル企業を中心に業績の急回復も想定され、これらが株価を押し上げてい

    る状況です。
    NY株式市場が年初来高値に沸いているにもかかわらず、日経平均株価は伸

    び悩んでいます。まだ昨年の最高値からは3000円以上も低い水準で推移

    しています。これは円高がネックになっていることは明らかです。

    株価上昇のためには、2017年4月からの消費税率引き上げを一旦「凍結」

    し、さらに大規模な景気刺激策の導入が不可欠です。

    ドル円の110円台半ばというのは、2014年10月下旬以来の水準です。

    2014年10月といえば、月末に日銀が「追加緩和」を決定し、市場に大

    きな「サプライズ」を与えた月です。

    つまり、昨日のドル円の水準は「追加緩和」直後の水準に戻ったことになり

    ます。株価の方はそこまで下げてはいませんが低迷しており、「アベノミク

    ス」の終焉がささやかれる根拠になっています。

    昨日のNYでは110円67銭をつけたあと、112円ちょうどまで急速に

    反発しました。

    日銀が「レートチェックをしている」という噂が流れて、ドルの買い戻しを

    誘発したものですが、これが事実かどうかは分かっていません。

    ただ110円という水準は非常に重要な水準で、ここを下抜けするようだと

    一気に105円方向を目指す可能性があります。

    その水準までドル安が進むと、国内の多くの輸出企業の業績を下押しします。

    株価もさらに下がり、円高のため輸入物価が下がり、2%の物価上昇どころ

    か再びデフレへと戻ることにもなります。

    日銀が「市場介入」という伝家の宝刀を抜かなければならなくなるのも頷け

    ます。

    本日もドル円は海外の流れを受け、110円台を覗きに行く展開が予想され

    ます。もしそうなった場合、果たして「レートチェック」があるのかどうか、

    見守りたいと思います。

    予想レンジは110円50銭~112円程度にしたいと思います。


  • FOMCを受けドル下落 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は東京市場の流れを引き継ぎ、113円台後半

    で推移したが、FOMC後に急落。利上げ見通しが引き下げられた

    ことからドル売りが活発になり、112円34銭まで下落。

  • ユーロドルもFOMCの結果を受け、ユーロ買いドル売りが

    強まり、1.1244まで上昇。

    ECBの追加緩和発表後の高値を抜く。

  • 株式市場は利上げペースの減速が示唆されたことから続伸。

    ダウは74ドル上昇し、S&P500は年初来高値を更新。

  • 債券相場も続伸。年内の利上げ回数が減少する見通しを好感し、

    長期金利は1.90%台まで低下。

  • 金は小幅に下落。原油は産油国が4月に生産維持に向けた

    会合を開くとの報道に大幅反発。前日比2ドル12セント上昇し

    38ドル46セントで取引を終える。


  • 2月住宅着工件数  → 117.8万件

  • 2月建設許可件数  → 116.7万件

  • 2月消費者物価指数 → -0.2%

  • 2月鉱工業生産   → -0.5%


    本日の注目イベント

  • 豪   豪2月雇用統計

  • 日   2月貿易収支

  • 欧   ユーロ圏1月貿易収支

  • 欧   ユーロ圏2月消費者物価指数(改定値)

  • 英   BOE金融政策発表

  • 米   新規失業保険申請件数

  • 米   3月フィラデルフィア連銀景況指数

  • 加   カナダ1月卸売売上高


    来年の消費税引き上げ延期の可能性もでてきたことから、ドル円では円売り

    が強まり、113円台後半までドルが上昇したものの、FOMC声明文が発

    表されると利上げのペースが減少することが示唆され、一転してドル売り円

    買いが強まりました。一時112円34銭までドル安が進みましたが、こ水

    準はこのところのレンジの下限に近く、NYの引けにかけてはドルがやや買

    い戻されて取引を終えています。

    声明文では「金融政策スタンスの漸進的調整により経済活動が緩やかなペー

    スで拡大し、労働市場の指標は力強さを増し続けると見込んでいる。ただし、

    世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたらしている」と記述されてい

    ます。

    注目されていた当局者の金利予測(ドット・チャート)では、2016年末

    の中央値で0.875%と、年2回の利上げを示唆するものとなっていまし

    た。

    前回12月の時点では1.375%と、4回の利上げを見込んでいたため金

    利見通しが下方修正されたことになります。

    利上げを見送り、今年の利上げ回数の減少も示唆されたことで、株と債券が

    買われドルが売られ、市場は素直に声明文の内容に反応したと言えます。

    ただ株価の上昇と原油価格の上昇を考えると、ドル円はもう少しドル高に振

    れてもおかしくなかったという印象は残ります。

    インフレ率についても、イエレン議長は会見で、2-3年後には2%に上昇

    するとの認識を示しており、1.7%まで上昇してきた足元のコアインフレ率

    は、エネルギー価格の影響が弱まったことを示していると述べています。

    これで、先週から始まった日米欧3中銀の金融政策会合が全て終了しました。

    この会合をきっかけにドル円がレンジ相場を抜けるのではないかと期待して

    いましたが、結局112~114円台半ばのレンジは維持されています。

    重要イベントを無事にこなした格好になりましたが、この先ドル円はさらに

    膠着感を強めてくるかもしれません。

    本日も昨日に引き続き「国際金融経済分析会合」の2回目が開催されます。

    昨日のスティグリッツ教授の発言で、やや円安に振れる場面もあったように、

    本日はジョルゲンソンハーバード大学教授の意見が注目されます。

    安倍首相のブレーンと言われる浜田・本田両氏は、ともに消費税引き上げは

    延期すべしと述べています。7月には参院選もあり、「消費税引き上げ延期」

    の世論が徐々に盛り上がってきそうな雰囲気に

    なってきました。

    安倍首相は「現時点では予定通り実施する」とは述べていますが、有名経済

    学者の「お墨付き」を得て、延期を決定することも考えられます。

    「消費増税延期」と「景気対策」がセットで発動されれば、円安材料になる

    と考えています。

    本日のドル円はやや下値を試すと予想して、112円~113円50銭程度

    を見ています。


  • FOMC利上げ見送りか? 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は日銀が金融政策据え置きを決めたことで円が買われ、

    NYでは112円63銭まで円高が進む。NY連銀製造業景況指数が

    予想を上回ったことを好感し、113円台まで反発して引ける。

  • ユーロドルは方向感がなく、1.1を挟んでのもみ合い。

  • 株式市場は経済指標と原油価格の動きに上下したものの、ダウは

    小幅ながら3日続伸。ナスダックとS&P500は軟調。

  • 債券相場は反落。2年債が売られ金利が上昇したことにつられ、

    長期金利も小幅に上昇。

  • 金は3日続落し1231ドルに。原油も売られ36ドル台に。


  • 2月小売売上高       → -0.1%

  • 2月生産者物価指数     → -0.2%

  • 3月NY連銀製造業景気指数 → 0.62

  • 3月NAHB住宅市場指数  → 58

    本日の注目イベント

  • 中   中国 全人代閉幕

  • 英   英2月雇用統計

  • 米   FOMC 政策金利発表

  • 米   イエレン議長記者会見

  • 米   2月住宅着工件数

  • 米   2月建設許可件数

  • 米   2月消費者物価指数

  • 米   2月鉱工業生産


    日銀は予想通り現行の金融政策維持を決め、黒田総裁は必要なら追加緩和も

    辞さないと、これまでの発言を繰り返していました。

    市場は政策変更なしを予想していたものの、昼過ぎからドルがジリジリと売

    られ、夕方の記者会見が始まると113円台前半まで円が買われ、「変更な

    しはドル売り」で反応しました。

    海外市場でもこの流れを受け、欧州では112円台後半までドルが売られ、

    NYでは原油価格が続落したこともあり、112円63銭までドル安が進む

    場面もありました。ただそれでも一方方向への勢いがないのが今の相場展開

    です。

    その後は経済指標の上振れもあり、113円台に戻し本日のFOMCを待つ

    姿勢を強めています。

    原油価格は2日続落し40ドルには届かず反落しましたが、それでも36ド

    ル台で推移し、一時ほどの悲観的な見方は後退しています。

    また株式市場も、NYダウは小幅ながら連日で今年の最高値を更新している

    状況です。こちらも一時の「総弱気相場」からは抜け出ています。

    さらにもう一つの懸念材料だった中国景気も、全人代では6.5~7%の経

    済成長を目指すとし、交通インフラに34兆円もの資金を投入することが確

    認され、中国リスクはやや後退しています。このように、全体を見渡せば極

    端な「リスクオフ」からは抜け出た印象です。マイナス金利導入後、イール

    ドカーブは低下し、10年もの金利までマイナスに転じていることを考える

    と、もう少し円安に振れてもおかしくはない状況です。

    黒田総裁も昨日の記者会見では「貸し出し金利や住宅金利が下がっており、

    金利面では効果が出ている」と、マイナス金利の効果をアピールしていまし

    たが、もう一つ想定されていた、円安効果は見られません。

    円から大量の資金シフトが起こり、その資金が外貨や株式市場に流れ込むと

    いう現象は、今のところ見られません。

    このことについて総裁は「効果が表れるには時間がかかる」と述べ、いずれ

    は資金シフトが起きるとの考えを維持しています。

    ユーロドルは、先週のECBの追加緩和で一旦ユーロが買い戻されましたが、そ

    れでも上値は徐々に重くなっており、昨年12月の動きに似てきました。

    一方ドル円は膠着感を強め、112-114円台半ばでのレンジが定着しそう

    な雰囲気です。明日明け方のFOMCに期待したいところですが、ここが無風で

    終えるようだと、さらに膠着感が強まるおそれもあります。

    そのFOMCは明け方3時に政策発表があり、その後にイエレン議長の記者会見

    が予定されています。利上げは見送られるとの予想が支配的ですが、極めて低い

    確率ですが、万が一に備えて利上げも頭の片隅には意識しておく必要はあります。

    利上げが見送られた後のイエレン議長の発言内容が注目されます。

    議長は「米景気は底堅く推移しているものの、不安定な外部環境を考慮して利上

    げを見送った」という趣旨のコメントを残すのではないかと予想しています。

    予想レンジは112円50銭~114円程度と見ています。


  • ドル円ややこう着状態 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • 日銀決定会合を控えてドル円は小動き。長期金利が低下した

    ことで113円台半ばまでドル売りが進んだが、勢いはなく

    113円70-80銭で引ける。

  • ユーロドルはドル買いユーロ売りが優勢。1.1135を上値に

    徐々に下落したが1.10台は維持。

  • 株式市場は高安まちまち。ダウは15ドル上昇したがナスダックは

    2ポイント反落。

  • 債券相場は反発。原油価格が反落したことで債券に買いが集まった。

    長期金利は小幅に低下し、1.95%台に。

  • 金は続落。原油価格は産油国間で資産凍結が進まないとの見方から

    下落し37ドル台に。


    本日の注目イベント


  • 豪   RBA議事録

  • 日   11月鉱工業生産(確報値)

  • 日   日銀金融政策決定会合

  • 日   黒田日銀総裁記者会見

  • 米   2月小売売上高

  • 米   2月生産者物価指数

  • 米  3月NY連銀製造業景気指数

  • 米   3月NAHB住宅市場指数 


    ドル円はやや膠着感を強めて来ました。

    原油価格や株価が大きく動いても、114円台には届かないし、112円を

    試す動きも見られません。昨日などは、日経平均株価が350円も上昇する

    場面があったにも関わらず114円をワンタッチしただけで、勢いはありま

    せんでした。

    114円台半ばから115円にかけては実需のドル売りが控えており、注文

    が集まっていると思われる一方、112円以下では外債投資用のドル買いと、

    レベル観からのドル買いもあるようです。シカゴ先物の建て玉を見ると、依

    然として円買いドル売りのポジションが積みあがっており、投機筋は円の先

    高観を維持していることが分かります。

    110-115円のレンジが今後も長期間にわたって続くとも思えず、どち

    らにしても抜けたら、それなりの値幅が出るように思います。

    ここは、どちらか抜けたら、抜けた方について行くしかありません。

    本日は日銀決定会合です。

    既に政策変更はないとの見方が市場を覆っており、期待感はこれまでほど強

    くはありませんが、その場合には少しドルが売られる場面もあるかもしれま

    せん。黒田総裁もこれまで通り、「必要ならちゅうちょなく行動する」とい

    った言葉を繰り返すことになりそうです。

    ただ今回は政策変更が見送られても、次回6月の会合で追加緩和が実施され

    るとの見方は根強くあります。

    2%の物価上昇はほぼ達成が難しくなっており、このままでは「デフレから

    の脱却」が道半ばになってしまう可能性があるからです。

    黒田総裁もここだけは何としても実現したいと考えていると思われます。

    今朝の経済紙でも触れていましたが、2017年4月からの消費税率引き上

    げも、今後為替に影響を与える可能性があります。

    安倍首相の判断で既に1度先送りし、2017年4月から10%へ引き上げ

    られる予定ですが、ここにきて「再度延期すべし」との議論が高まってきま

    した。

    日本の財政規律という観点からは実施すべきという意見が多いなか、そもそ

    も10%へ引き上げることによって景気を大きく悪化させることになれば、

    本末転倒だという意見が増えています。税収を長期的に増やしていくには、

    景気を拡大させるか、消費税率を上げるしか方法はありません。

    円安が企業業績の拡大につながり、これが株価を押し上げ、株式市場が活性

    化し投資家も利益を享受し、消費につなげていく。

    2013年からの税収の上振れは、このような一連の流れから生まれたもの

    です。税率10%への引き上げは、移行作業等の関係もあり、遅くとも9月

    あたりまでには判断しなければなりません。

    今月16日には「国際金融経済分析会合」が行われます。

    この会合は5月の伊勢志摩サミットまでに5回以上開催されるようですが、

    これは日本だけではなく、世界の有識者から意見を聞こうというものです。

    もっとも日本人以外は、コロンビア大学のスティグリッツ教授など、米国

    人だけです。

    首相はこれらの意見も参考に判断しようとしているものと思われます。

    引き続き動きにくいドル円ですが、予想レンジは昨日とほぼ同じ113円

    20銭~114円40銭程度にしたいと思います。


  • 日米金融政策を見極める展開か 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は株高と金利の上昇を背景に底堅く推移したものの

    114円には届かず、依然として上値の重い展開が続く。

  • ユーロドルも堅調に推移。1.11台後半まで買われ、ECBの

    追加緩和の影響を見極める展開。ユーロ円は約3週間ぶりに127円台に。

  • 原油価格が堅調なことから、株価は続伸し、ダウは218ドル高と

    今年の最高値に迫り、S&P500は最高値を更新。

  • 原油高、株高に債券相場は軟調に推移。長期金利は1.98%台まで

    上昇し、3週連続で下落する。

  • 金は反落。原油は66セント上昇し、38ドル台半ばに。


    本日の注目イベント

  • 欧   ユーロ圏1月鉱工業生産


    原油価格が安定し、これを好感してNY株が続伸しS&P500指数は、つ

    いに今年の最高値を更新して来ました。

    年初から大きく売られた株価が戻ってきたなかで、年初の水準を確保できて

    いないのがドルと金利です。ドル円は120円からは大きく円高方向で推移

    しており、ユーロドルも円ほどではないにしろ、ユーロ高に振れています。

    ドルが年初の水準に届いていないのは、米国の利上げ観測が後退しているこ

    とが最大の原因です。今年は4回利上げが見込まれていたものが、足元の金

    利先物から推計すると1回程度ということになり、これがドルの上値を重く

    しているためです。今週後半には今年2回目のFOMCが開催され、ここで

    利上げがあるのかないのかが注目されますが、大方の見方は「利上げ見送り」

    に傾いています。

    米国では依然として労働市場は拡大しており、2月の雇用統計でも雇用者数

    は予想を上回っていました。またインフレ率も、1月のPCEコアデフレー

    ターは1.7%と、FRBの目指す2%には届いていないものの、じりじり

    と上昇傾向にあります。この2つを見る限り「利上げ」も視野に入りますが、

    問題はそれ以外の経済指標が冴えないことで、今回の利上げは見送られると

    の観測が高まっています。個人的にはそれ以外にも、原油、中国といった不

    安定要素がまだ払拭できないことが、もうひとつの大きな理由かと考えてい

    ます。

    上で述べたように、原油価格と株価は一時ほどの混乱を見せてはいませんが、

    ここはまだ「小康状態」と思われます。

    米長期金利は年初には2.2%台で推移していました。

    WTI原油価格が26ドル台を記録した2月11日には、1.65%台まで

    金利は急低下しました。これは米国債が世界で最も安全な資産の一つである

    ということと、流動性が高くいつでも売ったり、

    買ったりできることも、選好される理由の一つです。

    また、ECBや日銀など幾つかの国でマイナス金利を導入していることも影

    響しています。

    自国の中央銀行に資金を預けたら金利を払わなければならないだけではなく、

    リスクをとらずに金利を得る手段がなくなっている状況です。

    そのため、低金利とは言え、金利のつく米国債に資金が向うのは自然なこと

    です。

    市場が落ち着きを取り戻し、投資家がリスクを取れるようになれば、さらに

    株価が上昇し、債券が売られ金利が上昇することになりますが、それにはま

    だ時間が必要です。

    少なくとも原油価格が40ドル台を回復する必要があり、50ドル台まで反

    発するようなら米長期金利も2%台中頃まで上昇している可能性があります。

    今週は、上記FOMCの前に日銀の金融政策決定会合もあります。

    先週のECB同様、これらの会合結果を受けて市場が混乱するのは必至でし

    ょう。

    ドル円では110-115円のレンジが、どちらに抜けるのかを見極めるこ

    とになります。

    本日のドル円は113円~114円30銭程度を予想します。


  • ECB決定会合を受けユーロ乱高下 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は乱高下。ECBの政策変更を受け、直後に

    114円45銭までドルが買われた。その後の記者会見を

    きっかけに、ドルが急速に売られ112円台前半まで下落し、

    113円10-20銭で引ける。

  • ECBが追加緩和を決めたことからユーロドルは1.08台前半

    まで売られたものの、記者会見でドラギ総裁が利下げの打ち止めを

    示唆したことからユーロは急騰。1.1218まで買い戻しが進む。

  • 株価も乱高下。ECBの決定を受け上昇したものの、その後は

    大きく下げ、ダウは結局小幅安で取引を終える。

  • 債券相場は続落。長期金利は2月1日以来となる1.93%台まで

    上昇。債券王と言われるグロース氏が利回りは底入れしたとの

    見方を示したことも影響したとの声も。

  • 金は大幅反発。原油は小幅に反落。


  • 新規失業保険申請件数 → 25.9万件

  • 2月財政収支      → -1926億ドル

    本日の注目イベント

  • 独   独2月消費者物価指数(改定値)

  • 英   英1月貿易収支

  • 加   カナダ2月失業率

  • 加   カナダ2月就業者数

    ECBは理事会で予想通り追加緩和を決定しました。

    マイナス金利の拡大や政策金利をゼロにするなど、想定以上の政策変更だったと

    思われますが、市場は、その後のドラギ総裁の記者会見をきっかけに乱高下し、

    今年も中銀の政策変更に翻弄される相場展開が予想されます。

    ユーロドルは発表直後に1.0822まで売られ、政策内容をそれなりに評価し

    た反応を見せましたが、ドラギ総裁が記者会見で「一段の利下げが必要だとは

    考えていない」と発言したことで、急速にユーロの買い戻しを誘いました。

    ユーロドルは底値から約300ポイント上昇したことになります。

    結果だけみれば、昨年12月の政策変更後の動きと似ていて、ショートの買い戻

    しがあぶり出されたことになります。

    ドル円もユーロドルに連動する形で乱高下しました。

    発表直後には114円45銭までドル高が進みましたが、これまでの壁となって

    いた、「114円台半ばから115円」は抜けきれずに反落しています。

    ユーロドルが大きく買い戻されたことで、112円61銭までドル安が進み、1

    13円台に戻して引けていますが、110-115円のレンジを1円程狭めた範

    囲での取引が続いています。

    そのなかで、米長期金利は1.93%台まで上昇して来ました。

    債券王の異名を取るビルグロース氏が、利回りの底入れをツイートしたとのこと

    ですが、今後株価が上昇し、債券が売られることを想定しているのかもしれませ

    ん。ただ、米国は別にしても日欧で「緩和政策」が強力に推し進められている状

    況下で、現状では大量の資金が債券から株式にシフトするイメージは出てきませ

    ん。それでも足元では日米金利差の拡大につながり、ドル円のサポート材料にな

    ることは想定できます。

    本日も日本株の動きに連動する形でドル円も乱高下しそうです。

    来週には日米で政策決定会合があるため、そこでどのような変更が行われるのか

    を読みながら、ドル円も上下どちらもありそうです。

    言い換えれば、FOMCまでは110-115円はどちらにもに抜け切れないと

    思われ、FOMCで想定外の利上げがあれば、115円を抜ける可能性も残って

    います。ここはレンジ相場と割り切り、ある程度の利がのったらしっかり確保し、

    次の展開に備えるべきでしょう。

    予想レンジは112円20銭~113円70銭程度とします。


  • 円、資源国通貨を中心に下落 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • 上値の重いドル円は欧州市場で112円23銭まで下落したが、

    NYでは原油高に反応し113円台を回復。資源国通貨が買われた

    ことで、カナダ円などが上昇しドル円を押し上げた。

  • ユーロドルは朝方1.09台半ばまで売られたが、そこから反発し

    1.10台半ばまで買い戻される。ECBの政策発表前に、ポジション

    調整もかなり進んだとの声も。

  • 株式市場は反発。原油が上昇したことからエネルギー株が

    買い戻された。ダウは36ドル高く、1万7000ドル台を1日で回復。

  • 株価の上昇に債券価格は反落。長期金利は再び1.87%台まで

    上昇。

  • 金は続落。原油価格はガソリン在庫が減少していたことから反発。

    引け値で38ドル台に乗せる。

    本日の注目イベント

  • 中   中国2月消費者物価指数

  • 中   中国2月生産者物価指数

  • 独   独1月貿易収支

  • 独   独1月経常収支

  • 欧   ECB金融政策発表

  • 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見

  • 米   新規失業保険申請件数

  • 米   2月財政収支


    相変わらず原油価格の動向に左右させられる展開です。

    昨日の夕方には一時112円23銭あたりまで売られたドル円は、今朝は

    1円ほど反発しており、原油価格の上昇がセンチメントを一変させていま

    す。

    WTI原油価格は週間在庫統計でガソリン在庫が453万バレル減少した

    ことを好感し、先物が大幅に反発。前日比4.9%高い、38ドル29セ

    ントで取引を終えています。この水準は3カ月ぶりの水準で、エネルギー

    関連株の上昇につながり、これが市場全体の雰囲気を好転させました。

    長期金利も上昇し、ドル円は113円45銭近辺まで買い戻されています。

    また昨日は、資源国通貨が買い戻され、カナダ円や豪ドル円などのクロス

    円が上昇し、これもドル円を押し上げたと見られます。

    そのため、円は前日と打って変わって、ほぼ全面安の展開でした。

    110-115円のレンジ相場に入っている中、今週はさらにレンジが狭

    められ、112-114円程度の取引が続いています。

    ただし本日はECBの政策発表があるため、上記レンジに収まるかどうか

    は不透明です。ECBの政策発表は21時45分に行われ、その後ドラギ

    総裁の記者会見が予定さてれています。ドラギ総裁は昨年12月から政策

    変更の見直しが必要だと繰り返し述べてきました。

    さすがに今回は「ゼロ回答」はないと思いますが、注目はその変更内容で

    す。現在マイナス0.3%の中銀預金金利をさらにマイナス幅を拡大させ

    ることや、市場からの債券購入額の増額などが見込まれています。

    一方では、ECB内部でもさらなる量的緩和に反対の立場を取る、ドイツ

    連銀やオランダ中銀などを説得する必要もあり、「それ程大胆な政策は取

    りにくい」といった見方もあります。先月26日に上海で行われた「G2

    0]でも、金融政策で自国通貨安に誘導することへの批判的な議論もあり

    ました。

    ここはドラギ総裁がユーロ圏の景気回復とインフレ率を押上げることに専

    念できるか、注目されます。

    本日のECBの政策変更は来週に予定されている日銀とFRBの政策にも

    影響を与える可能性があります。

    ブル-ムバーグは「FOMCは後出しジャンケンへ」という見出しで、E

    CBと日銀の結果次第でFOMCでの金融政策も左右されるとの記事を掲

    載しています。

    先週末の雇用統計に見られたように、米労働市場は依然として拡大基調に

    あります。

    しかし、ドル高の影響から米国の輸出は減少傾向が続いており、ECBと

    日銀の政策変更がドル高につながるようなら「利上げを見送る」との観測

    も、それなりに説得力を持っているように思います。

    まずはトップバッターのECBの動きに注目したいと思います。

    本日のドル円は112円50銭~114円程度と、ややワイドに予想して

    います。


  • ドル円再び下値をテストか? 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は上値が重く、株安、金利低下に反応し、112円42銭

    まで下落。円は主要通貨に対してほぼ全面高の展開。

  • ユーロドルはECB理事会を控え、ポジション調整の動き。

    1.10割れでは買い戻しも入り、ユーロは底堅く推移。

  • 株式市場は反落。原油高が一服し、アジア株も下げたことで

    主要株価指数は下落。ダウは6日ぶりとなる109ドル安。

  • 債券相場は3日ぶりに大きく反発。株価が反落したことや、

    日本国債が買われたことも影響。長期金利は1.82%台まで低下。

  • 金は小幅に反落。原油価格はこのところの上昇に、利益確定の

    売りが優勢となり反落。

    本日の注目イベント

  • 英   英1月鉱工業生産

  • 加   カナダ中銀政策金利発表


    NYでは特にドル売り材料が出たわけではなかったものの、昨日のアジア市場で

    113円割れがあった流れを受け、上値の重い展開が続いています。

    日本株が下げ、中国の貿易収支が景気の減速を示唆し、さらにNYでは戻り基調

    だった原油価格も反落し、円が買われ易い状況だったことは否めません。

    ただ、先週から今週初めにかけては、上記市場はドル上昇をサポートしていなが

    らもドル円が上昇できなかったのは、それ以外の要因もあるのではないかと思わ

    れます。

    テクニカル的には、115円が壁になっていることから、114円台半ばから上

    にはドル売り注文が入り安い状況です。

    今月は決算月ということもあり、海外で稼いだ資金が日本に戻されることも、そ

    れに輪をかけているのでしょう。

    また、120円割れからのドルの下落スピードが速かったことも挙げられます。

    111円割れまでの円の急騰は想定されていなかったことから、輸出予約の遅れ

    も、ドルの戻りを抑制していると思われます。

    ドルが戻ったところは確実に売り注文を出してくるといった状況が想定されます。

    115円が重くなっているとはいえ、下値も今のところは限定的と見ています。

    110-115円のレンジはなかなか抜けそうもありません。

    112円から下では、外債投資のためのドル買い需要もありそうです。

    昨日の本邦債券市場では長期金利が一段と低下し、ついに日銀が導入したマイナ

    ス金利に並ぶ、マイナス0.1%まで下げました。

    運用難が続いている銀行などは金利が取れる長期債なども買い進めており、20

    年から40年の超長期債の金利も急低下しています。

    この動きは、融資先が限られている地方銀行にまで波及しているとの報道もあり

    ます。

    1月末のマイナス金利導入以来、国債の金利は急速に下がっており、その意味で

    は日銀が意図したイールド・カーブ全体を引き下げるという目的は順調に進んで

    いますが、一方で株価の上昇と円安はいま一つです。

    黒田総裁も今週月曜日の講演では、現在はマイナス金利の影響を見極めている段

    階で、今後、株高と円安が進むとの見方を示しています。

    明日はECBの政策発表です。

    ここを皮切りに、日銀、FRBと重要会合が続きます。

    為替もこれらの会合を読みながら乱高下することも予想されます。

    足元では安定していた各市場が、重要会合前にも関わらず再び変化を見せ始めた

    ことが気になります。「G20」や中国の「全人代」などで、ある程度の政策出

    動も打ち出されたことで、1月末から2月中旬に

    見られたような大混乱はないとは思いますが、ここは再び慎重にならざるを得ま

    せん。

    ドル円のレンジは111円90銭から113円10銭程度を予想します。


  • WTI原油価格38ドル台に 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は113円台で小動き。株価は上昇し、長期金利も

    上昇したもののドル円の上値は重く、113円台半ば前後で

    もみ合い。

  • ユーロドルも1.10を挟んで小動き。ECB理事会を控えて

    様子見の雰囲気が支配的。

  • 株式市場は原油価格の反発に、エネルギー株を中心に続伸。

    ダウは67ドル上昇。一方ナスダックは小幅に反落。

  • 債券相場は続落。株価の上昇にリスクオンの流れが広がり、

    債券は12月以降最長の下落局面に。長期金利は1.91%台

    まで上昇。

  • 金は反落。原油価格は米国のリグ稼動数が減少していたことや、

    生産調整の会合が開かれるとの見通しが買い戻しにつながり、一時は

    38ドル台まで上昇。


  • 2月労働市場情勢指数(LMCI)→ -2.4

  • 1月消費者信用残高       → 105.38億ドル

    本日の注目イベント

  • EU財務相会合(於;ブリュッセル)

  • 中国2月貿易収支

  • 豪2月NAB企業景況感

  • 独1月鉱工業生産

  • カーニーBOE総裁、カンリフBOE副総裁、講演

    NYダウは5日続伸し、長期金利は一時1.91%台まで上昇。

    さらにWTI原油価格は、約2カ月ぶりとなる38ドル台まで上昇しました。

    ドル円が買われる状況が整っているにも関わらず、114円台が重く、昨日

    のNYでは113円23銭まで下落する場面もあり、ドル円の動きが不透明

    になってきました。

    114円台半ばから上値では輸出企業を中心にドル売り注文が多く、さらに

    3月決算ということもあり、海外で稼いだ資金の還流もドル円の上値を抑え

    ていると思われます。また、今週からは日米欧で政策会合が開催されること

    も、動きを小幅にしている面もありそうです。先月中旬頃に比べると、1日

    の値動きが極端に少なくなっています。

    木曜日にはECBの金融会合があり、ここでECBは何らかの追加緩和策を

    決定することは、ある程度市場は織り込んできています。

    翌週に会合を行う日銀も追加緩和を実施しやすいとの見方もあるようですが、

    昨日都内で講演した黒田総裁は「今すぐに何かをやるということは考えてい

    ない」と発言し、市場の先走りをけん制するような発言を行っていました。

    もっとも、黒田総裁はマイナス金利についても「まったく考えていない」と

    発言した後に導入を決めたこともあり、発言をそのまま鵜呑みにできないと

    ころもあります。

    総裁はマイナス金利についても、今はその効果を見極めている段階で、徐々

    に株高と円安への効果がでてくるとの認識も示しました。

    足元では、確かに一時の混乱は小康状態です。

    原油価格は、20日にはサウジなどOPEC加盟国とロシアで、さらに一歩

    進んだ合意がなされるとの見方もあります。

    昨日はアラブ首長国連邦(UAE)の石油相が「増産しても、何の意味もな

    い」といった発言をしておりゴールドマンなどが予想した「WTI原油価格

    は20ドルまで下げる」という見方は急速に後退しています。

    ドル円は動きにくい展開ですが足元の動きは、現在113円30銭前後にあ

    る「1時間足」の200日線で下落を抑えられており、一方上値は113円

    65銭前後にある120日線で上昇を止められている格好です。

    本日は、このどちらが抜けるのか注目されます。

    予想レンジは112円80銭~113円80銭程度にしたいと思います。


  • 米雇用統計強弱まちまち 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は、雇用者数が大幅に伸びたことで114円25銭まで

    上昇する場面があったものの、賃金の伸びが鈍化していたことで

    113円12銭まで下げるなど、荒っぽい動きを見せる。その後

    株価が続伸し、113円80銭近辺まで反発して取引を終える。

  • ドルが売られたことでユーロドルは1.10台半ばまで上昇。

  • 株式市場は続伸。雇用統計の結果を好感し、ダウは62ドル高く、

    1万7000ドルの大台を回復。S&P500は、昨年10月以来となる

    4日続伸。

  • 債券相場は続落。雇用の伸びが予想を上回ったことから、利上げ観測が

    やや高まった。長期金利は1.87%台まで上昇。

  • 金は続伸し、直近高値を更新。原油も35ドル台後半まで反発し、

    2カ月ぶりの高値に。


  • 2月失業率          →  4.9%

  • 2月非農業部門雇用者数    →  24.2万人

  • 1月貿易収支         →  -456.8億ドル

    本日の注目イベント

  • 中   中国外貨準備高

  • 日   黒田日銀総裁講演

  • 米   2月労働市場情勢指数(LMCI)

  • 米   1月消費者信用残高

  • 米   ブレイナード・FRB理事講演

  • 米   フィッシャー・FRB副議長講演


    米労働市場は依然として拡大傾向を示しています。

    2月の非農業部門雇用者数は市場予想を大きく上回る24.2万人の増加でした。

    ドル円は発表直後に114円台に乗せ、114円25銭まで買われましたが、そ

    の後発表された平均賃金が、1月に比べ伸びが鈍化していたことから113円台

    前半までドルが下落する場面もあり、荒っぽい動きを見せています

    今回の雇用統計では、雇用者数の伸びよりも、賃金がどの程度伸びているかが注目

    されていました。平均時給は前年比2.2%の伸びで、1月の2.5%からは鈍化

    していました。1月の雇用者数も上方修正され、雇用が伸びている中、賃金がそれほ

    ど上昇していない状況です。

    これが来週のFOMCでの利上げの判断にどのような影響を与えるのか、依然とし

    て不透明であり、利上げを決断するほど良い経済指標ではないが、利上げする余地

    が全くないほど悪いわけではないというのが、今の状況です。

    筆者は個人的には利上げが見送られると予想していますが、市場全体を見渡せば、

    1月から2月にかけて混乱した市場は、落ち着きを見せています。

    特に、多くの市場に影響を与える原油価格の動きが安定して来ました。

    WTI原油価格は先週、前日比1ドル35セント上昇し、35ドル92セントで取

    引を終えています。この水準は1月5日以来の水準で、26ドル台の「ダブルボト

    ム」を形成したことが、テクニカル上では短期的な底値を付けたことを如実に物が

    たっています。

    原油価格が安定的に推移していることで、NYダウは先週末には1万7000ドル

    の大台を回復し、こちらも1月5日以来の高水準を回復し、原油価格と株価との強

    い相関を表しています。ただ、ドル円は年初の水準からは程遠いのが現状です。

    これは中国景気の不透明さや中東の地政学的リスクが重石となって、安全資産の債

    券が買われていることと無関係ではありません。

    先週から始まった中国の全人代では、2016年の経済成長率の目標値を6.5~

    7.0%に下方修正されました。

    中国政府も、かつてのような二桁成長は望めないことを十分に理解し、構造改革を

    行うことを目標に掲げています。

    過剰設備や過剰人員の整理を積極的に行っていくとの方針を明確にしています。

    交通網の整備に、年34兆円ほどの資金を拠出して行くことも確認されています。

    いよいよ今週から日米欧3中銀の金融政策会合が開催され、市場の注目もこの一点

    に注がれます。まずは、10日にECB理事会が先陣を切って開催されます。

    ここでは、追加緩和策が決定される可能性が高く、問題はその中身です。

    マイナス金利の拡大や、量的緩和の拡大などが候補に挙がっていますが、昨年12

    月のように、その内容が「小粒」であると、失望からユーロが大きく買い戻される

    ことになりますが、今回はその可能性は低いと予想しています。

    本日もNYダウが1万7000ドルの大台を回復したことを好感し、株価は底堅い

    動きを見せそうです。

    それでもドル円は上値が重い展開が続きそうです。

    レンジは113円20銭~114円20銭程度を予想します。


  • ユーロ買い戻しに反発。 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円はアジアから欧州市場にかけて114円台を回復したものの、

    NYではISM非製造業景況指数などが悪化していたことで反落。

    113円30銭まで売られた後、株価の上昇に伴い113円70銭近辺まで

    戻す。

  • ユーロドルはショートの買い戻しに反発。1.08台半ばから1.09台

    後半まで利益確定のユーロ買いに押し戻される。

  • 株式市場は小幅ながら3日続伸。軟調な展開ながらも買い戻しが優勢となり

    ダウは44ドル上昇し、1万7000ドルの大台に接近。

  • 債券相場は小動き。FOMCまでは動けないとの雰囲気の中、株価の反発に

    小幅に上昇。

  • 金は大幅に続伸し直近高値を更新。原油は小幅に反落。


  • 新規失業保険申請件数       → 27.8万件

  • 2月ISM非製造業景況指数    → 53.4

  • 10-12月期労働生産性(確定値)→ -2.2%

  • 1月耐久財受注          → 4.7%

    本日の注目イベント

  • 豪   豪1月小売売上高

  • 米   2月雇用統計

  • 米   1月貿易収支

  • 加   カナダ1月貿易収支


    株価や原油価格の底堅い動きに伴い、ドル円は何度も114円台に乗せ上値を

    試す動きを見せるが、114円台半ばから上値が重い展開が続いています。

    昨日のNYでもダウ工業株価指数は3日続伸したものの、ドル円は113円台

    前半まで下落する場面もあり、まだドルの上昇に確信が持てない状況です。

    欧州市場では日本株の上昇を好感し、114円27銭辺りまでドルが買われたが、

    NYでは失業保険申請件数が予想を上回ったことや、原油価格の上昇が止まっ

    たことなどからドル円の上値が重くなり、113円台前半を試したものです。

    もっとも 今夜の雇用統計を見極めたいとする雰囲気も強く、午後には積極的

    な取引は控えられ、株価が上げ幅をやや拡大したことで113円60-70銭

    でNYの取引を終えています。

    特徴的だったのはユーロドルの動きでした。

    前日1.80台前半まで売り込まれましたが、直近の安値である1.08前後

    まで来ると、買い戻しも活発になるようです。

    昨日もこの水準は試さずに、1.09台後半まで反発しており、来週のECB

    理事会での追加緩和策の実施をかなり織り込んできたことも反転のきっかけに

    なっています。

    ブルームバーグによると、ECBは現行のマイナス金利をさらに引き下げる方

    法も検討しているが、その場合、銀行の収益を圧迫する恐れがあるため、中銀

    預金金利に階層構造を設ける案もあり得ると伝えています。

    また量的緩和の月ごとの購入額を増やすことも検討されているようです。

    いずれにしても今回は、昨年12月に行ったような「小粒」な政策内容では市

    場の信認は得られず、ドラギ総裁も、ECB内部の反対勢力をどこまで説得で

    きるのかという問題にも注力しているようです。ECB理事会は来週10日に、

    3中銀の先陣を切って開催されます。

    ドル円は110ー115円のレンジの上方を試していますが、115円を抜け

    る気配は今のところありません。

    115円が抜けないとすると、今度は下値を試すことも考えられます。

    小康状態を保っている原油価格が何かのきっかで再び30ドルを割り込むよう

    だと、株安、ドル安が一気に進むことも想定されます。

    また本日は恒例の米雇用統計が発表されます。

    失業率は4.9%と前月と変わらず、非農業部門雇用者数は19.5万人と、

    こちらは前月よりも改善が見込まれています。

    微妙なのは、仮に大きく上振れて25万人だった場合、後退している利上げ観

    測が再び強まりドル高要因にはなりますが、株価にとってはマイナス要因にな

    るという点です。

    反対に15万人を下回る結果になった場合、ドル安要因にはなりますが、株価

    にはプラスです。どちらにより強く反応するのかということと、その時のポジ

    ションの偏りが、決め手になってきます。

    3月のFOMCでの利上げ観測は、一時は相当後退していましたが、原油価格

    が反発し、株価も戻り基調な上、2日に発表されたISM製造業景況指数など

    も「底入れ」したとの見方も出てき、再び盛り返してきています。

    またFOMCメンバーの中にも、利上げできる環境は残っているとする意見も

    あります。

    個人的には「見送り」を予想していますが、今夜の数字次第ではその可能性は

    「五分五分」になることも考えられます。

    本日のレンジはワイドに、112円80銭~114円80銭程度を予想します。


  • ドル円114円半ばから反落 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は日本株の大幅上昇を背景に海外市場では続伸し、

    NYでは114円56銭までドル高が進む。ただ、115円を

    試す勢いもなく、その後は113円台半ばまで1円以上も

    反落。

  • ドル高に引っ張られる形で、ユーロドルも1.08台前半

    まで続落。1カ月ぶりのユーロ安水準を示現。

  • 株価は上下を繰り返しながも小幅に続伸。ADP雇用者数が

    上振れしたことで、利上げ観測がやや高まり上値は抑えられた。

    一方で米景気に対する楽観的な見方も台頭し、ダウは34ドル高。

  • ADP雇用者数が伸びていたことで債券相場は続落。

    長期金利は1.84%台まで上昇し、約3週間ぶりの高水準。

  • 金は反発し1241ドルに。原油価格も在庫が減少していた

    ことから続伸し、一時は35ドル台を記録。


  • 2月ADP雇用者数 → 21.4万件


    本日の注目イベント

  • 豪   豪1月貿易収支

  • 欧   ユーロ圏1月小売売上高

  • 欧   ユーロ圏2月総合PMI(改定値)

  • 欧   ユーロ圏2月サービス業PMI(改定値)

  • 英   英2月サービス業PMI

  • 米   新規失業保険申請件数

  • 米   2月ISM非製造業景況指数

  • 米   10-12月期労働生産性(確定値)

  • 米   1月耐久財受注


    昨日の東京時間では、株価が終始堅調で一時は700円を超える上昇を見

    せました。それでもドル円は、114円台に乗せると押し戻され、昨日こ

    こで述べたように、実需のドル売りがかなり持ち込まれたと思われ、上値

    が抑えられました。

    しかし海外市場に入ると、株価の上昇を好感したドル買いが活発となり、

    114円台半ばまで続伸し、NYでは114円56銭近辺までドル高が進

    行しました。

    「114円台半ばから上値は重い」とこの欄で指摘したように、NYでは

    高値を付けたあと急速にドルが売られています。

    まだまだ先行きの不透明感が強い状況下では、市場参加者の多くが、11

    5円を大きく超える円安は簡単ではないと予想していることが窺えます。

    結局114円台半ばで折り返してきたことで、110-115円のレンジ

    の可能性が高まったと見られます。

    このところ原油価格が底堅い動きを見せており、昨日は35ドル台前半ま

    で上昇する場面もありました。

    サウジアラビアを含むOPECとロシアが協議のテーブルに着いたことが、

    今後の「減産合意」につながるのではないかといった見方が相場を支えて

    いますが、まだそれほど楽観できません。

    「体力勝負」の状況下で懸念されるのはむしろ、米国のシェールオイル業

    界です。生産コストが50-60ドルとも言われ、「掘れば掘るほど赤字

    が膨らむ」状況です。そのため、掘削設備であるリグの数は、ピークの3

    分の1にまで減少しているとの報告もあります。

    今後、シェールオイルの資金を拠出しているファンドの破綻なども考えら

    れ、ここをきっかけにドルが売られる場面もないとは言えません。

    原油価格の下げ止まりや株価の上昇に加え、米長期金利も昨日は1.84

    %台まで反発し、ドル円を取り巻く環境は、以前ほど悪くはありません。

    それでも今の市場は1日でセンチメントが180度変わることも珍しくは

    ありません。ここはレンジ相場だと割り切り、回転を利かすしかなく、大

    きな利益は見込めないと考えるしかありません。

    米大統領候補もどうやら、クリントン候補とトランプ候補に絞られてきま

    した。

    どちらが大統領になっても、円が売られる可能性は低いとみられ、円高傾

    向が強まるとの見方が優勢です。

    二人とも円安が米景気を悪化させているとの論調ですが、これは支持を得

    るためのリップサービスと考えられます。

    どちらが大統領になっても、みずからの口で同じ発言をするとは思えませ

    ん。それでも仮にトランプ氏が大統領に選出されたら、あの歯に衣着せぬ

    発言は脅威です。既にアメリカの雇用については「中国が米国人の雇用を

    奪っており、日本が奪っている、日本がだ」と発言しています。

    同氏が次期大統領になる可能性は低いと見られますが、米国人自身が変わ

    ってきているため、何が起こるかわかりません。

    本日は引き続き上値は重いと見られますが、株価は大きく崩れないと思わ

    れ、下値も底堅いと見ています。

    予想レンジは113円~114円20銭程度とします。


  • 株高、原油高でドル円114円台に反発 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • 株高、原油高、さらに長期金利が上昇したことで

    ドル円は急反発。114円18銭辺りまでドル高が進み、

    約2週間ぶりの水準を記録。

  • ユーロドルは続落。ドルが買い戻されたことや、来週の

    ECB理事会を控え、ユーロ売りが強まり、1.0834

    近辺まで下落。

  • 株式市場は大幅に反発しほぼ全面高。中国の追加刺激策を

    好感したことや、製造業が長期の不振から脱出しつつあることが

    示唆されたことが背景。ダウは348ドル上昇し、ナスダックは

    昨年8月以来の上昇幅を記録。

  • 債券相場は大幅安。株高が大きく進んだことで、リスクオフの

    流れが後退。長期金利は1.82%台まで急上昇。

  • 金は小幅に反落し。原油価格は底堅い動きとなり34ドル台を回復。



  • 2月ISM製造業景況指数 → 49.5


    本日の注目イベント

  • 豪   豪10-12月期GDP

  • 日   2月マネタリーベース

  • 欧   ユーロ圏1月生産者物価指数

  • 米   2月ADP雇用者数

  • 米   ベージュブック(地区連銀経済報告)


    昨日のNYではドルが買われて円が売られる環境が整い、ブルームバーグによると

    円は主要31通貨全てに対して下落し、「全面安」の展開でした。

    前日には円が買われ「全面高」の流れでしたが、わずか1日でセンチメントが18

    0度変わってしまうところが、足元の相場の難しさを物語っています。

    リスクを何処まで取れるのかをしっかり把握し、ストップ注文などを駆使し、大き

    な損出を避けるよう取引をする必要があります。

    昨日のドルの上昇スピードを見ると、ドル円は再び120円に向っているような

    「印象」さえ感じる動きでした。

    多くの市場関係者がドルの先安観をイメージしている状況ですが、現状では確信を

    持てません。来週から始まる日米欧の中銀による政策変更を見極め、その上で方向

    性をつかめればと思います。

    NYでは2月のISM製造業景況指数が予想を上回ったことで、長期間低迷してい

    た製造業に明るさが出て来ました。

    特に新規受注と生産が拡大しており、「製造業の状況はよい方向に進む準備ができ

    ている」といった声もあがっています。(ブルームバーグ)

    ただ結果は「49.5」と、依然として好不調の分かれ目である「50」は下回っ

    ており、進行中のドル安の影響を加味したとしても、米製造業が底入れしたかどう

    かを判断するには、今後のデータを待つしかありません。

    ドル円は昨日の上昇で114円18銭まで買われ、114円近辺の「壁」は超えて

    います。ここから上では、2月18日に付けた114円33銭あたりが超えられる

    かどうかですが、上値ではドル売り需要も相当強いと予想されます。

    輸出企業が確実にドル売り注文を出して来ると見られるからです。

    市場の相場観が「ドル先高」に変わらない限り、この状況は変わらないと思われ、

    従って上値も今のところ限定的と見ています。

    先週から述べているように、ドル円を取り巻く環境は以前ほど悪くはありません。

    WTI原油価格は昨日、34ドル76セントまで買われ、1ヶ月ぶりの高値を付け

    ています。

    NYダウは引け値では1万8650ドルと、昨年末の400ドル以下の水準まで値

    を戻して来ました。残りは米長期金利と日経平均株価の水準です。

    米長期金利が低水準で安定しているのは、世界的なデフレ傾向と、金融緩和政策の

    拡大が続いているからで、ある意味当然です。

    日本やユーロ圏、スイスなどの「マイナス金利政策」も米金利の低下を支えている

    と言えます。本日の日経平均株価は、ドル高円安に米株価の大幅上昇が加わり、3

    00円から500円程度の上昇が見込まれます。

    株価がさらに上昇するようだと、上記114円33銭を上抜け、114円台半ば越

    えもあるかもしれませんが、それには株価の予想以上の上昇が不可欠です。

    本日のレンジは113円50銭~114円80銭程度を予想します。


  • ドル円再び下げ足を早める 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • 株安に加え、経済指標も軟調だったことからドル円は

    112円66銭辺りまで下落。中国の預金準備率引き下げ効果も

    経済指標の悪化に相殺された形。ドル円はほぼこの日の安値圏で

    引ける。

  • ユーロドルは続落。2月の消費者物価指数が低下した

    ことで、10日の理事会で緩和策を拡大するとの見方が

    強まり、1.0860近辺まで売られ、1ヶ月ぶりの

    安値を付ける。ユーロ円も122円台半ばまで急落。

  • 株式市場は続落。原油が反発したにも関わらず、シカゴPMIが

    予想を下回ったことで売りが優った。ダウは123ドル下落。

  • 経済指標の悪化を背景に債券は反発。住宅関連の指標も

    下振れしたことで買い物を集めた。

  • 金は反発。原油価格はサウジが原油価格について他の産油国と

    協力する意向を示したことで上昇。


  • 2月シカゴ購買部協会景気指数  →  47.6

  • 1月中古住宅販売成約指数    →  -2.5%


    本日の注目イベント

  • 豪   RBA、キャッシュターゲット

  • 豪   豪1月住宅建設許可

  • 日   1月失業率

  • 中   中国 2月製造業PMI(速報値)

  • 中   中国 2月非製造業PMI(速報値)

  • 中   中国 2月財新製造業PMI

  • 独   独2月雇用統計

  • 欧   ユーロ圏1月失業率

  • 英   英2月製造業PMI

  • 米   2月ISM製造業景況指数

  • 加   カナダ10-12月期GDP


    昨日の日本株は朝方だけは元気でしたが、午後上海株が下げると急速に値を崩し、

    結局マイナス161円で終わっています。

    ドル円も朝方は114円手前で推移していたものの、株価の下落に伴い113円

    台を割り込み、112円65銭近辺までドル売りが進みました。

    NYでも同じような展開で、112円台半ばでは下げ止まっていますが、この水

    準を割り込むかどうかが一つのポイントになります。

    112円を割り込むようだと、再び円買いが強まり、先週付けた111円近辺の

    「ダブルボトム」の水準を試しに行くかも知れません。

    中国人民銀行は29日、預金準備率を0.5%引き下げました。4ヶ月ぶりの引

    き下げで、市場に資金が潤沢に行き渡ることを意図したものですが、好感はされ

    たもののその効果も一時的で、本日の上海総合の行方を見極める必要があります。

    中国では5日に日本の国会にあたる全人代が開催され、ここでも景気刺激策や、

    構造改革につながる政策が期待されています。

    一方で、中国は今年の成長率を6.5~7.0%を目標に置いており、成長率を

    低めに設定していることで、過剰設備や過剰債務の解消が遅れるのではといった

    懸念も残ります。

    ユーロが対ドルや対円で弱含んでいます。

    来週10日に理事会が開催され、ここで何らかの緩和策を講じるとの見方が強ま

    って来ました。昨日発表された2月のCPIは前年同月比0.2%低下しており、

    足元のユーロ安にも関わらず目標値の2%を大きく下回っています。

    先週発表されたPMIでも同様に景気の下振れを示唆しており、今回はドラギ総

    裁が繰り返し発言して来た、「できることは何でもやる」を実践すると見られま

    す。

    ドル円は再び下げ足を強めて来ました。

    ただ「日足」の一目均衡表では「基準線」はまだ横ばいです。

    「転換線」は急速に下落してはいますが、「基準線」との関係では、ここからは

    それほど下げないと見ることができますが、どうでしょうか。

    サポートは112円と111円半ばですが、原油価格が下げていないことはこれ

    までの環境とはやや異なります。

    本日のレンジは111円70銭~112円80銭程度を予想します。

    米大統領選の予備選・党員集会は、本日「スーパー・チューズデー」です。

    クリントン対トランプに決まるのか、こちらも注目です。


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