ドル円早朝より乱高下
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
政府から金融緩和を求める圧力を受けているとの報道に、105円50銭
まで上昇。その後はやや軟調となり105円20-30銭で引ける。
約2週間ぶりのユーロ高に。
続落し、ナスダックは3日続伸。
との認識を示したことも影響。長期金利は1.50%台に上昇。
前日比78セント下げ、41ドル割れ目前に。
本日の注目イベント
ドル円は早朝に105円30銭台で推移していたが、一気に103円37銭辺り
まで約2円も下げ、既に今日一日の混乱の予兆を見せています。
日銀金融会合を控え、思惑が錯綜しているようです。
昨日のNY時間にもロイター通信の報道で、105円50銭までドルが急伸する
場面があり、本日は、文字通り「熱い一日」になりそうです。
ロイター通信は、日銀には政府から金融緩和を求める圧力が強まっており、イン
フレの動きに弱さが見られる中、29日まで開く金融政策決定会合で追加緩和の
具体的な内容について検討しているもようだと報じました。(ブルームバーグ)
また、政府は、日銀が追加緩和を決めた場合は「声明文」を発表する見通しだとも
伝え、ロイターが確認した声明文の草案まで明らかになっています。
政府が日銀に圧力をかけること自体異例なことですが、日銀の決定に対して声明
文を発表することも前代未聞です。
まるで、試合が始まる前から外野席が燃えている状況と言えます。
因みに声明文の草案は「政府は日銀の決定を歓迎しており、予定している大規模
な経済対策を含む、あらゆる必要な政策措置を講じていく」というものです。
もし追加緩和が決定され、この内容の声明文が出たとしたら、政府の情報管理体
制は、一体どうなっているのか、そちらの方が不安です。
本日は「試合前」から周りは騒然としています。
全ては決定会合の内容次第です。
ロイター通信が報道したように追加緩和に踏み切るのか、あるいは政策変更はな
いのか、固唾を呑んで見守るしかありません。
今回は政策変更なしが、「サプライズ」として受け止められる雰囲気です。
このような状況で予想レンジを考えても意味はありません。
下値方向では、政策変更がなかった場合に100円の大台を割り込むのかどうか
が焦点と、追加緩和があった場合には、先週のドルの戻り高値である107円台
半ばが抜けるかどうかに注目しています。会合の結果は早ければ11時半頃には
公表されると見られますが、遅ければ1時を過ぎることもあり得ます。その場合
には、議論が紛糾している可能性が高く、「追加緩和を織り込む動き」になる
傾向があると考えられます。いずれにしても、早朝には数分で2円程動いたドル
円です。乱高下は必至でしょう。

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- [2016/07/29 09:03]
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FOMC声明文はニュートラル
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
NYでは105円~106円でもみ合う。FOMCで金利が
据え置かれ、声明文でもニュートラルだったことから上値は
限られた。
までユーロ高が進む。
続落したが、ナスダックは29ポイント続伸。
ことで価格が上昇。長期金利は2週間ぶりに1.5%台を割り込む。
前日比1ドル下げ、41ドル92セントで取引を終える。
本日の注目イベント
FOMC定例会合では、予想通り政策金利は据え置き、声明文では「経済見通し
への短期的なリスクは後退した」と指摘されています。
また6月の雇用の伸びは「力強かった」とし、「労働力の活用がここ数カ月に一
定の増加を見せていることを示している」と記述されています。
(ブルームバーグ)
9月の利上げについては特に言及はなかったものの、一方で利上げの可能性を排
除できるものでもなく、ニュートラルだったと判断できます。
それにしても近頃の東京市場の値動きはNYにも負けてはいません。値幅が予想
外に大きくしかも、そのスピードも想定を超えています。
昨日も昼時間に、FNNが「経済対策の財政規模は28兆円」と報じたことで、
104円台後半から一気に106円55銭近辺までドル高が進み、その後は10
5円近辺まで落ちるなど乱高下を繰り返しました。昨日もこの欄で述べましたが、
トレンド・フォローが加速し、逆のポジションを持っている市場参加者が切らさ
れる展開が続いていると見られます。昨日も相当な量のストップが執行されたも
のと思われます。
東京外国為替市場委員会が発表した資料によると、今年4月の調査で東京市場の
スポット出来高は1日あたり平均で1217億ドルでした。
この数字は前回調査(2015年10月)に比べ、4%ほど増えていると報告さ
れています。さらに、主に個人投資家が参加している店頭FXの取引高は1日あ
たり1810億ドルで、インターバンク市場の取引高を上回っており、東京が世
界で最も大きなFX市場になっています。「ミセスワタナベ」と言われる所以
(ゆえん)です。
昨日発表された経済対策28兆円は、「真水」の部分が6兆円です。
低所得者層に1万5000円の現金給付を行うようですが、それが景気浮揚にど
れだけ効果があるかは不明です。
雇用保険料を引き下げ、個人消費を喚起するという政策もしかりで、将来の不安
がぬぐえなければ「貯蓄」に回ってしまうおそれもあります。
昨日の海外市場の動きを見る限りそれ程評価されているとも思えません。
消費増税を延期したこともあり、むしろ財政基盤の悪化が懸念されます。
米FOMCも無風に終り、いよいよ明日の日銀金融政策決定会合に焦点が絞られ
ます。
今回は追加緩和があると市場は予想していますが、仮にあったとして、ドル円の上
値はどこまであるのか今から予想しておくことも悪くはありません。
仮に足元の105円台前半で緩和策が発表されたとして、最大3円程度でしょうか。
その内容にもよりますが、まず110円台乗せは難しいのではないかと見ています。
問題は4月の時のように動かなかった場合です。
4月には6円程円高に進み、日経平均株価も600円程下落したことを考えると、
100円割れも視野に入ってきます。
上で述べたように、値幅が大きくそのスピードも、「スピード違反」そのものです。
ポジション管理には十分注意が必要です。
本日のドル円は104円50銭~106円程度と見ますが、昨日のような動きがあ
ると全く意味を持ちませんので、あくまでも参考程度に留めておいて頂きたいと思
います。

- [2016/07/28 09:02]
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ドル円104円台でもみ合い
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
104円台前半から後半で推移。日米の金融会合を控えている中、
徐々に下値を試す展開。
売りには慎重な展開。1.09台後半で下げ止まる。
19ドル続落したものの、ナスダックは12ポイント反発。
小幅に上昇し長期金利はやや低下。
前日比21セント下げ、3カ月ぶりに42ドル台で引ける。
本日の注目イベント
昨日の東京市場では予想以上に円高が進み、105円台後半から一時は104円割
れまでドル売りが進み、東京時間内で約2円の大幅下落でした。
相変わらず値幅が大きく、先週まで一方的に上昇したドル円は一転してドル売りが
加速するなど、トレンド・フォローがメインの動きになっています。
ドル円のボラティリティーが高水準で推移していることにも関係しますが、円の取
引量が増えていることが分かりました。
イングランド銀行によると、英国で1日あたりの取引高が平均で2兆2100万
ドルと昨年10月から5%増加し、中でもドル円の取引が27%増と、突出して
いました。ドル円の取引量の増加が全体を牽引している構図になっているようです。
今朝の経済紙には「日銀内に追加緩和論」という見出しが躍っていました。
政府が20兆円を超える経済対策を発表するのに合わせて、追加緩和をすべきとい
う意見が高まっているという内容です。
エコノミストの間でも、今回は追加緩和に踏み切るとの観測が強く、ブルームバー
グの調査では約80%の人が「緩和あり」と予想しています。
これだけ緩和観測が盛り上がっている中、菅官房長官も「日銀が適切な措置を講じ
てくれる」と、発言し、金融政策は日銀の専管事項とはいえ、やや外堀が埋められ
てきたようにも思えます。従って、もし何もしなかった場合の反応には十分注意が
必要です。
4月28日の会合では、期待に反して政策据え置きが発表されると、ドル円は4円
ほど下落し、日経平均株価は600円ほど落ちた経緯があり、まだ記憶に新しいと
ころです。
現在のドル円の水準で同じようなことがおきたら、ドル円は100円を割り込むこ
とも十分想定されます。それだけに「今回はゼロ回答というわけにはいかない」と
いった見方も出来ます。
今日からはさすがに動きにくい展開でしょう。
追加緩和観測が非常に強いといっても、もし見送られたことを考えると、それを前
提にポジションを積み上げるわけにも行きません。
黒田総裁も「物価上昇のメカニズムは崩れていない」と繰り返し述べています。
ここは追加緩和の実施を意識しながらも、万が一に備えるしかありません。
明日の3時にはFOMCの声明文が発表されることもあり、本日は動きが少ないと
思われますが、それでもボラティリティーの高さから、そこそこの値幅はあるかも
しれません。
予想レンジは104円~105円30銭程度と見ます。

- [2016/07/27 08:49]
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WTI原油価格一時42ドル台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
意識され始める。株価の下げ、原油価格が一時42ドル台まで
下げたことで105円台に。
レベルで推移し、1.09台半ばまで売られる。
42ドル台まで売られたことでエネルギーセクターが軟調に。
ダウは77ドル下げる。
長期金利は小幅に上昇。
売られ、一時は42ドル台まで売られる。引け値は43ドル13セント。
本日の注目イベント
株価の上昇力にもやや陰りが見え、WTI原油価格も3カ月ぶりに42ドル台
まで売られるなど、ドル円を取り巻く環境もやや変化の兆しが見えています。
依然として底堅い動きを見せてはいますが、107円台半ばからは上値が重い
と見られます。
もっとも、今週は日米で金融政策会合があり、その結果次第ではどちらにも動
く可能性はあります。しかも値幅を伴った大きな動きを見せることも十分考え
られ、「夏の陣」に向けてしっかりと準備をしておく必要があります。
特に29日の日銀会合では、追加緩和があってもなくても大きく動きそうです。
株式関係の人は1000円くらいは動くとも言い、この日は決算発表の集中日
であることも、動く要因として挙げています。
原油価格が下げ足を早めています。
6月には52ドル台まで反発し、市場の材料としては忘れかけていたところで
したが、昨日は42ドル台まで下げる場面もあり、再び市場の波乱要因になっ
てきそうです、在庫が潤沢な状況にもかかわらず、米国の石油リグ(掘削装置)
稼動数が4週連続で増加したことが価格下落の要因だったと、ブルームバーグ
は伝えています。原油価格がさらに下げると、米国の株式市場では時価総額の
大きいエネルギー株が売られ、これが市場全体のセンチメントを悪化させダウ
ど株価指数の大幅下落につながり、リスクオフから円が買われ、ドル安円高に
振れる傾向があります。
市場は再び原油価格の動きに目を向けることになります。
本日からFOMCが開催され日本時間28日の朝方には声明文が発表されます。
今回はイエレン議長の会見もないため、政策変更はないという見方で一致して
います。それでも声明文の内容には注意が必要です。
9月のFOMCでの利上げを示唆するような文言があればドル高に振れると思
いますが、それほど明確な文言でなくとも、例えば「市場を取り巻くリスクが
低下している」といった文言であっても、
利上げし易い環境だと見れば、ドル高要因と考えられます。
イギリスのEU離脱の影響はほぼ沈静化しており、今年に入ってまだ一度も利
上げが出来ないでいるFRBにとっては、ようやく追い風が吹き始めているよ
うな環境に思えます。
今週の本命は何といっても29日の日銀会合です。
今回は4月の会合よりも緩和観測が高く、さらに来月発表になる経済対策も、
財政支出の規模が6兆円との報道もあります。
どの程度の効果があるかは別にしても、いずれも株高円安要因になります。
過剰な期待は禁物ですが、ここからは105円台を中心にプラス・マイナス
3円といったところでしょうか。
本日のレンジは105円10銭~106円30銭程度を予想します。

- [2016/07/26 08:54]
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ドル底堅い動き
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
株高と長期金利の上昇がドルを支え、今週の日銀会合での
緩和観測も徐々に高まっている。
割り込む。
ダウは53ドル高。
取引を終える。
本日の注目イベント
米株式市場は10日ぶりに反落したが、下落は1日だけで、再び上昇したことで
ドル円も106円台を回復しています。
NY市場では106円40銭までドルが買われ、依然として上値を試す展開と見
られます。株価の行方がドル円の方向性を決める流れですが、今週は日米で金融
政策会合があるため、結果次第では、上下どちらにも動く可能性があります。
中国四川省の成都で行われていた「G20」が閉幕しました。
英国のEUからの離脱後最初の「G20」であったことから注目していましたが、
声明文では「世界経済の回復は続いているが、引き続き望ましい水準より弱い」と
指摘し、英離脱の影響には積極的に対応することで合意しました。
また為替問題では、「通貨の競争的な切り下げを回避する」と改めて指摘してい
ます。
会合後の記者会見で黒田日銀総裁は「物価安定のため必要と判断すれば緩和策を
じる」と、いつもの決まり文句を述べていますが、記者団との話しの中で、「中
央銀行が金融を緩和している状況下で政府が財政政策を活用すれば、景気に対す
る効果は大きい」と述べ、政府との協調に前向きな姿勢を見せていました。
今週28-29日に行われる金融政策決定会合では、何らか行動を起こすといっ
た見方は高まっており、これがドル円の底堅さの一因になっていると見られます。
今週日銀が追加緩和に踏み切るかどうかは、個人的にはまだ五分五分と見ています
が、ブルームバーグの調査では、異なっています。
ブルームバーグが15-22日にエコノミスト41人を対象に調査した結果、28
-29日の会合で追緩和を行うとの予想が32人(78%)と圧倒的多数でした。
ただ今年4月の会合前の予想でも緩和実施が多かったにも関わらず「見送り」で、
円高と株安が急速に進んだ記憶もまだ鮮明で、追加緩和実施を前提にポジションを
構築するわけにはいきませんが、今回の調査の78%が「動く」と予想しているの
に対し、4月は緩和期待が高まっていたとはいえ56%だったことは頭の片隅に入
れておくべきでしょう。今回の会合については、それ程「今やるべき」との見方が
強まっており、仮に動かなかった場合には「日銀の本気度が疑われる」といった意
見もあるようです。
政府の経済対策の詳細は来月早々にも発表される見込みですが、「大規模な経済対
策と追加緩和」のセットで実施されれば、やはりその効果は大きいと思われます。
ドル円は現在(日足)雲の下限をテストしているところです。
先週木曜日には107円台半ばまで上昇し、雲の中には入りましたが、抜け切れず
に雲の上限に押し戻されました。
足元では雲が徐々に下降しているため、107円80銭近辺まで上昇すれば「雲の
上抜け」が完成する状況です。今週の日銀会合で上記予想通り追加緩和が実施され
れば、雲抜けも十分可能かと思われます。反対に緩和観測が強まっているだけに、
「無風」だった場合の影響は4月の再来になることも十分考えられます。
本日の予想レンジは106-107円程度見ています。

- [2016/07/25 09:04]
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ドル高、株高も一服
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 107円台で推移していたドル円は、欧州市場で黒田日銀総裁の
発言が伝えられ急落。一時は105円台半ばまでドルが売られたが
NYでは106円を挟んだ動きに終始。 - ユーロドルは前日と同じ動きで、上値は限定的ながら1.10を
割り込むと底堅い。ECBは追加緩和を見送った。 - 株式市場は反落。上昇を続けていたNYダウも10日ぶりに
77ドル反落。その他主要指標も揃って売られる。 - 債券市場は反発。株価が下げたことで債券が買われ、長期金利は
小幅に低下。 - 金は11ドル反発。原油価格は1ドル下げ44ドル台に。
- 新規失業保険申請件数 → 25.3万件
- 7月フィラデルフィア連銀景況指数 → -2.9
- 5月FHFA住宅価格指数 → +0.2%
- 6月中古住宅販売件数 → 557万件
- 6月景気先行総合指数 → 0.3%
本日の注目イベント
- 独 独7月製造業PMI(速報値)
- 独 独7月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏7月総合PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏7月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏7月サービス業PMI(速報値)
- 加 カナダ6月消費者物価指数
- 加 カナダ5月小売売上高
7月8日の雇用統計発表を底値にドル高、株高が続いていましたが、週末を
前にようやく一服といったところです。
ドル円は昨日の東京時間に107円台半ばまで上昇し、依然として底堅い
動きを見せてはいましたが、欧州時間にイギリスBBCラジオの番組で、
黒田総裁が「現段階で、ヘリコプター・マネーは必要性も可能性もない」と
語ったことが伝えられると、ドル円は一気に106円を割り込み、105円
41銭近辺まで下落しました。それ程強いドル売り材料ではないと考えられ
ましたが、市場のセンチメントがドル高に傾いていたことや、ポジションも
ドルロングに傾注していたことで、予想以上にドルの下落が進んだものと思
われます。
100円割れからほぼ一直線に上昇してきたドル円でしたが、これで
105-110円のレンジ形成には至らず、105円中心の取引になるのでは
ないかと予想します。107円台半ばまで上昇したドル円のドライバーは株高
が主因でしたが、昨日に限って言えば、これから発表される経済対策の事業規
模が予想を超えるという一部の報道でした。
今朝の報道によれば事業規模は20~30兆円になると見られ、その規模の
大きさから株価が上昇し、それに伴ってドル買い円売りが進んだと見られます。
一方で、たとえ規模が膨らんだとしても、経済効果という点では疑問視する
声も出ているようです。結局、財政出動期待で上昇したドル円は、「ヘリコ
プター・マネー不要発言」で相殺された格好になりましたが、ドルの上昇基調
が依然として維持されているのかどうかが焦点です。
株高に伴って上昇基調を強めたドル円でしたが、この上昇は予想を超えるもの
でした。相場をある程度経験している投資家であれば、105円以上の水準で
は売り上がっている人も多いのではないかと思います。
ドルの急落を目の前で見ると、どうしても戻りを売り、次の急落で利益を取り
たいと思うのが通常の考え方です。
ただそれでも今回のような予想外の反発があると「つかまって」しまいます。
ここは基本に返り、テクニカルを中心に「順張り」で対処するしかありません。
軽い気持ちで作ったポジションが、のちのち大きな損につながる事態だけは避
けなければなりません。足元の動きも、来週の日銀金融会合の結果を見極める
までは判断できません。言えることは、依然として値幅が大きく、値が飛びや
すいということです。
本日のレンジは105円~106円50銭程度を予想します。
日本株の下げがドル円をどこまで押し下げるかに注意です。
- [2016/07/22 10:49]
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ドル円早朝に107円台半ばまで上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
一時は107円03銭と、6月初旬以来のドル高水準を記録。
株高と、日本の景気対策への期待がドルの支援材料に。
勢いはなく、値幅も出なかった。
つながり、ダウは9日続伸の36ドル高で引ける。
価格は下落。長期金利は1.58%台まで上昇。
反発。
本日の注目イベント
引き続きドル高が続き、ドル円はNY市場では107円台に乗せる場面もありました。
ドル高を牽引したのはこの日も株価の上昇で、その株価は企業決算が好調だったこと
が全体を押し上げ、投資家心理を好転させていると見られます。
前日取引終了後に発表されたマイクロソフトの決算で、利益が予想を上回ったことが
好感され、同社株は3カ月ぶりの高値まで買われ、これを手がかりにテクノロジー株
が広く買われています。構成銘柄にハイテク株が多いナスダック指数は前日比53ポ
イントと、大幅な上昇を見せ、ダウも36ドル上昇し、これで9日続伸し実に3年4
カ月ぶりの好調さです。米株高がドルを支える好循環が、足元のドル高の最大の要因
と見られます。
原油価格は44-47ドルのボックス相場が続き、もみ合いに終始しています。
また、米長期金利もさすがに株高が続いていることから一時の強さは見られず、1.
5-1.6%台でこちらも、もみ合いです。
株価が調整するようだと、再び1.4%台まで買われる可能性はあろうかと思います
が、こうして見ると株価だけが突出して「高パフォーマンス」を演じていることにな
ります。世界的な金利低下の影響から米債券利回りが急低下し、株式の配当利回りの
優位性が高まったことから株式市場に資金流入が続いていますが、株価の大幅な上昇
は、当然ですが増配しない限り配当利回りの低下につながります。
従って、このまま株価が上昇し続けることは考えにくいと思われます。
11月の米大統領選に向けて、共和党は全国大会を経てドナルド・トランプ氏を正式
に大統領候補に指名しました。
当初、大統領候補として名乗りを上げた時、誰がこの事態を予想できたでしょうか。
これで、民主党のヒラリー・クリントン候補との一騎打ちが決まりました。
トランプ氏は「圧勝する」と宣言していますが、今この時点でも、「まさかクリント
ン候補が負けるわけがない」といった見方が圧倒的です。
ただ、先月の英国のEUからの離脱の例もあります。
ポピュリズムを味方にした方が勝つというのが今の風潮です。「二羽目のブラック・
スワン」がいないとは誰にも言えません。
仮にトランプ氏が次期大統領になるようだと、これは円高要因だと見られますが、氏
が演説で度々口にしているように、在日駐留米軍の費用を日本が全て負担することに
なるかもしれません。もしそうなれば、消費増税を延期したばかりの日本にとって資
金負担が増え、国債の増発につながることから「円売り材料」と見られることもあり
得ます。大統領選まではまだ3カ月以上もありますが、いずれ為替市場の注目材料に
なる日が来るはずです。
ドル円は早朝に107円台半ばまで上昇しました。
ドル高、米株高から今日の日本株も上昇するでしょう。
ドル円のレンジは106円30銭から107円80銭程度を予想します。

- [2016/07/21 09:02]
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ドルの底堅さ続く
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
したことで、106円53銭まで上昇。英国のEU離脱前の水準に
ほぼ戻った格好に。
1.11台後半のレンジを抜け切れるかが注目される。
8営業日続伸。マイクロソフトなどの決算が好感された。
債券に資金が向った。10年債利回りは1.55%台に低下。
本日の注目イベント
ドル円は引き続き堅調に推移しています。昨日の東京時間では105円65銭
まで売られる場面もありましたが、そこから反発し、NY市場では106円5
3銭までドル高が進みました。これで、6月24日の「UKショック」から
大きく揺れ動いたドル円は、ほぼ元の水準を回復したことになり、ポンド円な
どのクロス円でも円が売り戻されています。
あの混乱からまもなく1カ月になろうとしていますが、私も含め、為替を専門
的に見ている人たちにとっては予想外な展開が続いていると言っていいと思い
ます。ドル円は再び100円を割り込み、その際には下落の勢いが強いことか
ら、政府日銀が市場介入、あるいは政策発動で円高を阻止し、しばらくもみ合
ってから底堅さが確認された後、ドルが上昇に転じるのではないかと予想して
いました。
しかしこの1カ月間、ドル円は雇用統計をきっかけに一度だけ100円を割り
込みましたが、それはいわば「追い風参考記録」程度の円高でした。それ以来
100円以下の取引はなく、昨日は戻り高値を記録するに至っています。
米国では株高が続いており、これがリスクオンの流れを誘導している面はある
としても、少なくとも1カ月前とはセンチメントが変わってきているように感
じます。
IMFは19日、世界経済見通しを発表しました。
その中で、今年の世界経済の成長が上向くとの見通しを取り下げています。
英国がEUからの離脱を決め、投資家や企業の信頼感が揺らげば打撃はさらに
深刻になりかねないと警告しています。(ブルームバーグ)
発表によると、今年の世界GDP成長見通しは3.1%と、4月時点の3.2
%から引き下げ、2015年と同じ水準としています。
その中でも米経済見通しについては、6月時点の予想を据え置き、今年の成長率
を2.2%としています。
このあたりに足元のドルの底堅さの一因があるのかもしれません。
昨日発表された住宅着工件数もそうでしたが、米景気は思いのほか堅調だという
見方がじわじわと広がっている状況です。
足元では、「米利上げはあっても、年内1回あるかないか」という見方がメイ
ン・シナリオではありますが、「最低でも1回はある」という見方も増えつつ
あります。実際、金利先物市場が示唆する年末までの利上げの確率は44%ま
で上昇しています。
日米欧では米国の景気が頭一つ抜けているという見方は以前から堅持してはい
ましたが、想定よりも早い段階でその認識が広がりつつあるようです。
ただそれでもこのまま110円に向うには材料が足らないと見ています。
ドル円を取り巻くリスクは依然として混在しています。
中国景気、上値が重くなってきた原油価格、あるいは欧州そのものが抱えるリ
スクも多いと思います。イタリアの金融機関の不良債権や、テロ、英国が離脱
するEU経済などが挙げられます。
本日もドル高を好感し、株価も底堅い動きを見せそうです。
予想レンジは105円50銭~106円80銭程度とします。

- [2016/07/20 09:16]
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ドル円再び106円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
トルコでのクーデターが未遂に終わったことで一転して
ドル買い円売りが加速。106円26銭まで買われ、高値圏で
取引を終える。
半ばまで下落。
続伸し、1万8530ドル台まで上昇。
前に売りが広がった。長期金利は1.58%台まで上昇する。
本日の注目イベント
ドル円は先週末に、トルコでクーデターが起きたことから円が買われ、104円台半ば
までドル売りが進んだものの、その後クーデターが未遂に終わったことで、安全資産全
般が売られ、ドル円も再び106円台を回復して来ました。
クーデターはわずか1日で政府軍が掌握する形で、治まっていますが、現エルドアン政
権に対する不満には根強いものもあり、対米国との関係でもまだ不安は残していると見
られます。
それにしても米国株の堅調さにはやや驚いています。
利上げが遠のいたという材料だけで、今月だけでも600ドル以上も上昇しており、ダ
ウは7日連続で上昇しており、過去最高値を更新中です。
昨日はソフトバンクがARMホールディングスを買収するという報道が株価を押し上
げています。
ドル円は先週記録した106円30銭あたりまで上昇しており、再び高値を試す展開で
す。
こちらも6月の雇用統計発表直後に100円を割り込んで以来、急速に買い戻しが進み、
本日は株価次第では6月24日のBREXIT前に付けた、106円85銭が意識され
る展開があるかもしれません。
ドル円のボラティリティーが高水準で推移しているのも、ドル円が今最も市場参加者の
注目を集めている通貨
だからです。
来週には日米で金融会合が開催され、日銀の金融政策に注目が集まっています。
菅官房長官はブルームバーグのインタビューで、28、29日に開かれる日銀会合での
対応については日銀の判断にゆだねたいとしながらも、「日本銀行が金融を緩和するた
めの手段はまだいろいろある」と発言しています。
また経済対策についても「アベノミクスをさらに加速させる経済対策をやるべく準備を
している」と語り財源については「ありとあらゆるものを駆使して確保する」と述べて
います。具体的な内容については今月末までには発表されるものと見られます。
106円台まで値を戻してきたドル円ですが、今日も警戒感がありながらも上値を試す
ものと予想します。106円台半ばからは実需のドル売りもそこそこあろうかと思いま
すが、その売りをこなして上昇できるかどうかに注目しています。
いつものことですが、東京時間ではドル売り意欲は強いものの、海外に入るとあっさり
と上抜けするケースも予想されます。
英国のEUからの離脱は既に「過去のニュース」となり、トルコのク-デターも未遂に
終り、市場には楽観ムードが漂っており、これが円売りにつながっている面もあります。
ただ米株高もそれ程根拠があるとも思ええず、ここからは慎重さが要求されます。
ドル円のレンジは105円50銭~106円80銭程度と予想します。

- [2016/07/19 09:00]
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ドル円一時106円に迫る
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
買われる。世界的に株価が上昇し、イギリスが利下げを行わなかったことも
影響。ただ、NYではドルの上値は重く、105円台前半まで下げる場面も。
ユーロ高が進む。ユーロ円も一段高を演じ、118円台まで続伸。
期待への楽観的な見方も株価を押し上げた。ダウは134ドル高と4日続伸。
長期金利は1.53%台へ上昇。
本日の注目イベント
ドル円は昨日の欧州市場で105円93銭まで上昇し、これで先週末の99円99銭の
底値から約6円もドル高に振れたことになります。
急激に進んだ円高の揺り戻しとしては、かなり異例なことかと思いますが、予想外の展
開で、見通しも見事に外れています。「谷深ければ、山高し」といったところでしょう
か。ただ、そろそろ短期な天井圏を形成しているという見方は維持しています。
やはりドライバーとなったのは株価の上昇でした。
昨日も、東京株式市場の引け際に株価が上げ幅を拡大し、ドル円も105円台に乗せて
来ました。株を買うと同時に、ドル円を買っている状況です。
これで6月24日の英国のEU離脱のショックからほぼ抜け出たと考えられ、急落した
ドル円の9割ほどを埋めたことにもなります。
もう一度振り出しに戻ったとも言えます。ここからドル円がどちらに振れるのかが次の課
題です。
米利上げ観測の後退を背景に、NYダウやS&P500は連日高値を更新しています。
考えてみれば当然かもしれません。
世界的な金利低下から、日独の長期債はマイナス金利に沈み、行き場のない資金は米国
債に向かいました。
当時はまだ1.8%ほどの利回りを確保でき、相対的な魅力から資金流入が続き価格が
急騰し、利回りも一時1.35%程まで低下しました。
米国債の利回り低下は、株価の配当利回りと比較すると魅力が薄れ、今度は資金が株式
に流れたという構図です。
米国では自社株買いが非常に盛んで、もともと配当利回りが高水準のところに自社株買
いが株価を支える流れが出来ていました。
配当利回りと、キャピタルゲインを求めて資金が集まるのも頷けます。
もっとも日本ではこのロジックが機能しないところに、日米の株価の違いが端的に表れ
ていると言えます。
本日も米株高に、日本株も上昇が見込まれます。
日経平均株価は1万6500円台を回復すると見られますが、はたして維持できるかど
うかが焦点です。
ドル円も堅調な株価に支えられ105円台で推移するでしょうが、105円半ばから上値
ではキャップされると予想します。
昨日の欧州市場では106円に迫る水準までドル高が進みましたが、今日の東京では1
06円台に乗せる力はないと予想します。
本日も株価次第というところはありますが、104円50銭から106.00銭程度を
予想します。

- [2016/07/15 08:58]
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ドル円105円は重いものの底堅く推移
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は104円を割り込む場面もあったが、底堅い動きを
見せる。米長期金利が低下し、株価もまちまちではあったが
104円台での取引に終始し、104円台半ばで引ける。 - ユーロドルはレンジ内取引が続く。1.11を挟んでもみ合い、
上値も下値を抜けきれない状況。 - 株式市場はまちまち。ダウは4日続伸し高値を更新したが、
ナスダックは17ポイント下落。 - 債券相場は反発。30年債入札で、過去最低の落札利回りが
記録され、10年債にも資金が向った。長期金利は1.47%台
まで低下。 - 金は6日ぶりに反発し、原油は反落。
- 6月財政収支→ +63億ドル
本日の注目イベント
- 豪 豪6月雇用統計
- 英 BOE金融政策発表
- 英 BOE議事録
- 米 6月生産者物価指数
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
- 米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
- 米 企業決算 → ブラックロック、JPモルガン、
連日上値を切り上げているドル円もさすがに上昇は一服で、昨日は日米の市場で
104円を割り込む場面もありましたが深押しは観られず、底堅い動きでした。
105円を試す機会はありませんでしたが、欧州市場でも104円82銭辺りまで
ドルが上昇する場面もあり、まだ短期的にはドル買い意欲はあるようですが、
米10年債利回りも低下してきており、日本の輸出企業のドル売り注文も105円台
では確実に持ち込まれると観られることから、上値はそれ程伸びないのではないか
と予想しています。
為替を取り巻く懸念材料が徐々に取り除かれている状況が、円の売り戻しを誘発
していると見ていますが、投機筋のポジションも軽くなれば再び円買いを再開する
ことも想定されます。米利上げ観測がなかなか盛り上がらず、基本的にはこの部分
がドルの上値を抑えている状況ですが、昨日発表されたベージュブックでも、経済は
緩慢なペースで成長しているものの、物価圧力は「わずか」で、個人消費も幾分軟化
したと報告されていました。
また、ベージュブックでは「小売売上高や製造業、不動産などの経済の広範囲な
分野にわたって、見通しは概して前向きだった」と指摘しており、全体としては依然として
多くの地区で緩やかな拡大が続いていると観られます。
なだらかな経済成長が続いていることを背景に、昨日はフィラデルフィア連銀のハーカー
総裁が講演で、年内2回の利上げに前向きな姿勢を見せました。
ハーカー総裁は、「インフレ率が来年中には目標に戻ると確信している」とした上で、
「年内に最大2回の追加利上げが適切になる可能性があり、フェデラルファンド(FF)
金利は2018年末までに3.0%に近づくと私は予想する」と述べています。(ブルー
ムバーグ)「年内に1回あるかないか」と予想する市場の見方とは依然として温度差が
観られます。
105円台からさらに続伸するにはそれなりの材料が必要で、そう簡単ではないと
予想していますが、ここからの相場の行方を左右するのは、足もとでは堅調に推移して
いる株価の行方です。NYダウは昨日も史上最高値を更新しており、ここから見る限り米利
上げは当面ないという見方に支えられていると観られます。
今週からは米企業の四半期決算が本格的に始まります。
この決算でグローバルに展開している製造業がどの程度の内容の決算を出してくるのか
が焦点です。年初からの円高が20円を超えるスピードで進んでおり、米企業には追い
風です。この決算が失望に終わるようだと、堅調な株価にも売り圧力がかかることも想定
され、株価の下落がリスクオフから、再び円買いに転換することもあるのではないかと
思います。
短期的な動きを表す「1時間足」では雲が順調に上昇してきており、現在104円の前半では
雲の上限に支えられている状況です。この雲を下抜けすればドル円の下落に拍車がかかる
と観られますが、それには102円80銭辺りを明確に抜ける必要があります。
日本サイドからの政策期待もあり、しばらくは103-104円台でのもみ合いかもしれません。
予想レンジは103円50銭~104円80銭程度と見ています。
- [2016/07/14 10:05]
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ドル円105円に迫る
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は一段と上昇力を強め、104円98銭までドル高が進む。
米株価が最高値を更新し、長期金利も上昇。近く発表される
日本の経済対策や、日銀会合への期待もあり、一気にドルの買い
戻しが進んだ。 - ユーロドルは小動きだったものの、ユーロ円は急騰。
116円台半ばまで買われ、6月24日のBREXIT以来の
水準を回復。 - 株価は3日続伸し、ダウは昨年5月の最高値を更新。
さらにS&P500も連日の史上最高値を更新。米雇用に
対する不安や英国の混乱が収まったことなどが背景。 - 債券相場は3日続落。株価の上昇が続き、リスクオンが
進んだことから債券には売り圧力が強まる。長期金利は
1.51%まで上昇。 - 金は大幅に続落。原油は反発し46ドル台に。
本日の注目イベント
- 中 中国6月貿易収支
- 欧 ユーロ圏5月鉱工業生産
- 米 6月財政収支
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
- 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 加 カナダ中銀政策金利発表
ドル円がよく動きます。昨日はユーロドルは蚊帳の外で、ドル円を
はじめ、円がらみの取引が活発だったようです。
近く発表される10兆円を超える経済対策や、今月末に行われる
日銀の決定会合に対する期待が海外勢を中心に盛り上がり、その
前にポジションの解消に動いているようです。
また、世界中で株式が上昇力を強め、史上最高値圏で推移している
ことも、円売りにつながっているようです。
もっとも日本だけは例外で、連日大幅な上昇を見せているとはいえ
まだ1万6000円台です。
昨日は首相官邸でバーナンキ前FRB議長と安倍首相が会談した
ことも円売りにつながったとの指摘もありますが、それにしても
先週末に99円99銭までドルが下落し、わずか2日でちょうど
5円の反発はかなり急激です。
これで、「円高の潮目」が変わったとは思えませんが、ドルの
ショートポジションはかなり解消されたと見られます。
考えてみれば、6月24日の英国の国民投票前には106円台
後半だったわけですが、ようやくその8割程度を戻したということ
です。
米利上げ観測の急激な後退、英国の予想外のEUからの離脱と、
立て続けにサプライズが続いたことで円買いが強まったわけですが、
その伏線として5月の米雇用統計の悪化があったことも挙げられます。
今回は、混乱していた英国の次期首相選びが、思ったよりスムーズに
いったことや、先週末の雇用統計、そして参院選挙と、徐々に目の
前の「不透明感」が一つづつ外されて来たことが急激なドルの買い
戻しにつながったと見てます。
これで、これまでの100-105円のレンジが崩れたのかどうかは
まだ分かりません。本日は海外株の上昇もあり、日経平均株価は
さらに上値を取りに行くでしょう。
最大で1万6700円台までは見ていますすが、出遅れ感の強い
日本株です。その程度の上昇があってもおかしくはありません。
その際にドル円がどこまで上値があるのかどうかですが、105円
台ではかなりのドル売りが予想されます。
基本は105円台からはドルの売り場を探るスタンスでよかろうと
思います。105円台は多くの輸出企業が社内レートと見ている
水準です。株価が予想以上に上昇しても105円台半ば止まりだと
見ていますが、東京市場で105円台を維持して引けるようだと、
海外市場ではもう一段高があるかもしれません。基本的にはロングは
手仕舞う水準だと思われます。
予想レンジは103円80銭~105円30銭程度と見ます。
- [2016/07/13 09:52]
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ドル円102円台後半まで反発
ひと目で分かる昨晩動のき
NY市場
上値を切り上げ102円台に。NYでは金利高や株高も
加わり102円89銭まで上昇。短期筋の買い戻しが中心で
このままドルが上昇しつづけるかは不透明。
売られ、ユーロ円は113円台後半まで反発。
引き続き買い物を集める。ダウは80ドル上昇し、年初来高値を更新。
S&P500は過去最高値を更新。
長期金利は約1週間ぶりに1.43%台まで上昇。
本日の注目イベント
昨日の東京市場では株価の上昇が切れ目もなく続き、日経平均は一時先週末
より700円を超える上昇を見せる場面もありました。
先週末の雇用統計で、雇用者数の鈍化に一応歯止めが掛かったことで、NY
株が大幅に上昇。加えて、参院選では予想通り自公の圧勝に終り、経済対策
への期待が込められていました。
それでも朝方のドル円は、早朝に100円30銭を付けるなど、円の先高観
が先行する形で取引が始まりましたが、この日は完全に株価に引き寄せられ
るようにドルがゆっくりと上昇して行きました。もっとも、その株価の上昇
も先物主導の買い戻しに過ぎず、本格的な反転とは言えません。
先物ショートで利益をあげている向きも、さすがに今後発表される経済対策
で、株価が上昇するリスクを考えて早めに動いたものと思われます。
ドル円はNYでは103円には届いてはいませんが、それでも1日の上昇ス
ピードとしてはかなり早い
ものでした。しかも値幅も2円50銭ほど出ており、このところ下落スピー
ドの速さに慣らされてきた個人投資家にとっても、上値のメドを掴むという
点で、難しかったかもしれません。しかし、昨日の大幅なドル上昇も、これ
までのショートの買い戻しが主体で、100円で底を打ったからドルを買お
うというものではありません。株高ドル高はまだ、ポジションの巻き戻しの
域を出てはいません。
現在ドル円は1時間足の「雲」を大きく上抜けし、見事な上昇力を見せてい
ます。
4時間足を見ると、103円前後に「120日線」が来ており、これが目先
の抵抗と見られますが、同時に「雲」の中におり、この雲を抜けるには10
3円30銭辺りをしっかりと抜ける必要があります。さらに言えば、この1
03円台前半は、6月24日の「Brexit」後の反発の際にも上昇を抑えられ
た水準でもあり、やはりレジスタンス・レベルとして意識される水準です。
まずはこの水準をしっかりと上抜け出来るかどうかという点がポイントにな
ります。
まだドル円の基本的なレンジは100-105円と見ていますが、その中で
も下値リスクの方が高いことは先週から繰り返し述べてきたことです。
この見方は変わっていませんが、仮に105円を抜けるようだと、「100
円は当面ドルの底値の可能性が高い」という見方も浮上します。
従って105円を抜けるかどうかも今後の相場展開を予想する上では重要です。
ではその可能性はあるのかどうかです。
既に今朝の新聞にも掲載されていますが、アベノミクスの再浮上があるかない
かと、今月下旬の日銀会合で追加緩和があるかどうかにかかっています。
安倍首相はデフレ脱却に10兆円を超える対策を行うと言明しています。
ただ、これだけでは人々のデフレ心理を転換させるには力不足です。
ましてや、そのメインの施策が無年金者の救済と、リニア新幹線の開業前倒し
では、どの程度国民の心理を好転させることが出来るのでしょうか。
安倍首相は「あらゆる政策を総動員する」と述べています。
この中に日銀の追加緩和も想定しているのであれば、上記105円を上抜けす
ることは可能だと考えています。
今月の米利上げの可能性はほぼありません。
だとすると、ドル円反発のきっかけは国内要因に頼らざるを得ません。
今月が相場の行方を観る上で極めて重要な月であることは明らかです。
本日のドル円レンジは、102円~103円50銭程度を予想します。

- [2016/07/12 08:55]
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米雇用統計を受け円乱高下
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
上回ったことで、101円30銭まで上昇したが、5月の雇用者数が
さらに下方修正されていたことで100円割れまでドル売りが加速。
その後は落ち着きを取り戻し100円台半ばで越週。
1.10目前までユーロ売りが進む。
に対する先行き不安が後退。ダウは250ドル上昇し、年初来高値を
更新。S&P500も32ポイント上昇し史上最高値に接近。
需要は旺盛で、10年、30年債の利回りは過去最低を更新。
本日の注目イベント
米雇用統計は時々サプライズはありますが、先週末に発表された6月の雇用統計
にも驚かされました。これで2カ月連続のサプライズでしたが、速報値のため
「ぶれやすい」ことは理解できますが、それでも発表された数字に、全ての金融
市場が反応するわけですから、なんとも「罪作りな指標です」。
6月の非農業部門雇用者数は、事前予想の18万人に対して28.7万人と、実
に10万人以上も上振れしました。
前回5月の時は、市場予想の16万人に対して3.8万人と、こちらは12万人
以上も下振れし驚きましたが、2カ月連続でこれほど予想と食い違いを見せるの
は極めて異例のことと思います。5月の雇用者数は、さらに下方修正され、3.
8万人から1.1万人になっています。
この2カ月の大きな振れの原因が何かは、専門家の分析を待たなければなりませ
んが、2カ月で約15万人とみれば、これまで平均20万人と比較すると労働市
場の減少は否めませんが、FRBとすれば「合格点」を与えられるレベルではな
いかと思われます。
この指標を受けてドル円は101円台に乗せはしたものの、その後100円割れ
まで落とされています。数字を見ればやむを得ない市場の反応かとは思いますが、
仮に良好な内容であったとしても、ドルの売り場を模索していた市場のスタンス
と大きな違いはありません。結局ドル円は100円台半ばで越週しており、先週
金曜日の東京市場と同じ水準で帰ってきたことになります。
昨日は注目の参院選挙がありました。
結果は世論調査通り、与党の圧勝でした。
マスコミは「アベノミクスへの期待」と報じていますが、足元のドル円は100
円割れすれすれで、日経平均は1万5100円台に沈んでいます。
安倍首相は昨日の会見で、経済対策の検討を週内に行うと述べていますが、日本
の金融市場が待ったなしの瀬戸際に追い詰められているのは事実です。
出来るだけ早い時期に、出来るだけ効果のある対策が不可欠だと思います。
重要イベントが次々と終り、今後の焦点は上記景気刺激策の規模と中身です。
そして、今月下旬の日米金融会合に焦点が移ります。
上で述べたように、米労働市場の急ブレイキは一過性のものと見ることができそ
うですが、これで利上げ観測が高まったという兆しはみられません。
今月のFOMCでの利上げの可能性はほぼゼロで、動きません。
そうなると注目は日銀が動くかどうかです。
現在のところ、市場の見方は見送りが優勢とみられますが、問題はそれまで為替
と、株が現在の水準を維持できるかどうかです。
ドル円が100円を大きく下回り、日経平均株価が1万5000円を下回った水
準にいるようだと緩和観測が急速に高まることも想定できます。
円高株安の流れを変える方法がそれ以外に見つからないからです。
本日は、NYダウが年初来高値を更新し、自公が圧勝したことから株価は上昇す
ると見られます。
ドル円のレンジは100円~101円50銭程度と予想します。

- [2016/07/11 09:11]
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雇用統計待ち
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はADP雇用者数が予想よりも良かったことで101円23銭まで
買われたが、上値は重く100円台後半まで反落。雇用統計発表を控え、
様子見気分が広がる。 - ユーロドルが小幅に反落。ポンド同様、上値で売りたいとする向きも多く、
1.11の高値をつけた後1.10台半ばまで下落。 - 株式市場は下落。原油価格が大幅反落したことから、エネルギー株が下げ
全体を押し下げた。ダウは22ドル安。 - 債券相場も下落。ADP雇用者数が良好だたったことから、利益確定の
売りが出た模様。長期金利は小幅に上昇し、1.38%台に上昇。 - 金は反落し、原油価格も45ドル台まで大幅に反落。
- 6月ADP雇用者数 → 17.2万人
- 新規失業保険申請件数 → 26.8万件
本日の注目イベント
- 日 6月景気ウオッチャー調査
- 日 5月国際収支
- 英 英5月貿易収支
- 米 6月雇用統計
- 米 5月消費者信用残高
- 加 カナダ6月失業率
- 加 カナダ6月就業者数
6月のADP雇用者数は17.2万人と、市場予想を上回り、さらに週間失業保険
申請件数も26.8万件と、減少していましたが、それでもドル円の上値は101円
23銭と上値が重いという印象です。ドルは対ユーロやポンドでは素直に上昇しま
すが、対円では引き続き上値が重い展開となり、足元の動きとしては、円が最も
強い通貨として市場が認識していることを裏付けています。
ブルームバーグニュースはこの動きをカナダのトロントドミニオン銀行の為替
ストラテジストのコメントを引用して紹介しています。「雇用統計が非常に弱かっ
た5月からかなり回復を遂げたとしても、ドルの買いが膨らむとは考えにくい。
英国のEU離脱の影響がもう少しはっきりするまで、経済指標に対する市場の
反応はやや鈍くなるだろう」市場のセンチメントを良く言いあらわしている言葉だと
思います。多くの市場関係者が同様な相場観を持っているとすれば、今夜の雇用
統計が仮に上振れしたとしても上値は限られることになります。英国のEU離脱後
のドルの高値は103円台前半です。ここが上値のひとつの目安になるのではと考
えています。
6月の雇用者数の予想は18万人で、予想を見る限りでは通常の水準に戻っています。
これに対して結果がどうでるのかが重要ですが、今回はこれに加えて前回5月の
3万8000人がどこまで上方修正されるのか注目されます。大手通信会社べライゾンが
ストを行なった3万5000人が繰り入れられたとしても、まだ水準はかなり低いと思われ、
ここにどれだけ上乗せがみられるかが焦点です。5月分が15万人以上に上方修正され、
イエレン議長が「異常値」と言及されたことが証明できれば、市場のセンチメントも改善し
てくるかもしれません。
本日は金曜日で、今度の日曜日は参院選挙です。ここまで金融政策の変更はなく、一部で
言われていた「参院選挙前までに日銀が何らかの対策を講じる」といった見方は、どうやら
不発に終わりそうです。ドル円は100円割れを試す展開で、さらに日経平均株価も
1万5200円程度です。水準からすればいつ追加緩和があってもおかしくはありませんが、
本日も無風で過ぎるのでしょう。ただ、頭の片隅には「何かあるかもしれない」とう意識を持っ
て置くべきです。6月24日のコメントでも書きましたが、この日の朝にはほぼ「EUに残留」と
いう見方が支配的でした。ないとは思いますが、「万が一」ということです。
本日のレンジは99円30銭~101円30銭程度にしたいと思います。
- [2016/07/08 09:37]
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ドル円欧州市場で100円台前半まで下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は一時100円20銭まで売られ、英国がEUからの
離脱を決めた6月24日以来の円高水準を記録。
NYでは経済指標が良好だったことや、FOMC議事録では
多くのメンバーが利上げには前向きだったことで、101円台
半ばまで反発。
金融不安などを背景に上値が重いものの、1.10台前半では下げ渋る。
揃って反発。医薬品株などが相場を押し上げダウは78ドル高。
一時は1.31%台まで低下し、引け値では1.36%台まで戻す。
2014年3月以来の高値に。原油も小幅に反発し47ドル台を回復。
本日の注目イベント
いつものように、株安に引っ張られるようにドル円は下落し、昨日の欧州市場では
100円20銭までドル安円高が進み、辛うじて100円割れは回避した格好です。
101円台後半で取引が開始された東京市場でしたが、もみ合い後、日経平均株価が
500円を超える下げを見せると、101円を割り込んで、100円台後半までドル
が売られ、欧州でもその流れが引き継がれ100円台前半までの円高を見ています。
6月24日のドル急落は英国のEUからの離脱が引き金でしたが、昨日の第二弾は、
やはり英国の不動産ファンドの解約停止がきっかけで、これもEU離脱の影響です。
加えて、イタリアの金融不安が台頭し、欧州の銀行株は軒並み売られ、ドイツの大手
銀行にも経営不安がささやかれています。
まさに火元は欧州ですが、対岸の日本が真っ先に炎上し、大火に見舞われ慌てふため
いている状況と言えます。
昨日も述べましたが、100-105円のレンジは今のところ維持されてはいますが、
リスクは依然として下方にあります。
今夜のADPと明日の雇用統計で、雇用者数が大きく伸びていれば再び利上げ観測の
高まりからドルが反発する可能性は残っていますが、それでも多くの市場参加者は
「戻りを売りたい」と待ち構えています。反対に、5月のそれのように予想外な結果
が出ると、一気に100円を割り込み、あのEU離脱時のような展開も十分予想され
ます。
市場参加者が戻りを売る姿勢を何らかの理由で維持できなくなるような事態にならな
い限り、ドルの上値は重いと見ざるを得ません。
米国の利上げ観測の後退が鮮明になり、足元の金利先物が示す利上げ回数は、「あっ
てもせいぜい1回」と、極端に悲観的です。
そこに欧州の混乱が加わり、安全通貨の円が選好されていますが、ある意味避けられ
ないことかもしれません。100円をしっかりと割り込めば、今度は100円が上値
の目途になり、レジスタンスポイントとなることも考えられます。100円以下の
「二桁相場」が定着しないよう、ここは通貨当局の断固とした対応が求められますが、
正直、ここも余り期待できない状況のようです。
思えば5月の大型連休のさなかに、ドル円は一気に105円台半ばまで急落しました。
この時麻生財務大臣は「介入」という言葉を使い、市場に「介入警戒感」植えつける
ことに成功しました。ドル円はその効果もあり、111円台前半まで6円も反発した
記憶はまだ鮮明だろうと思います。今回の英国のEU離脱後の水準は、105円台よ
りもはるかに円高水準ですが、どうゆうわけか、今回は通貨当局からのコメントや
「口先介入」は全くありません。コメントしないのか、できないのかはわかりません
が、これで100円を大きく割りこんでも同じような状況であれば、市場は「介入で
きない」との見方を強め、安心してドル売り円買いを進めてくることも想定されます。
政府日銀が市場介入できないのかどうかは、今月中にははっきりすると思われます。
雇用統計や日米の金融会合、それに英国の保守党党首選など、相場を動かす材料が多
く、今月中にはその結果も判明するからです。
上記材料の一つでも円高が進む内容であれば100円を割込む可能性は高いと見てい
ますが、その際の通貨当局の動きには注意したいと思います。
過度の介入期待は危険ですが、逆に円高方向に楽観的すぎるのも危険です。
100円を割り込めば、「いつ介入があってもおかしくはない」水準だからです。
本日のレンジは100円30銭~101円50銭程度を予想します。

- [2016/07/07 09:11]
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ドル円再び101円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
売られ、英国がEUからの離脱を決めた日以来の円高水準をつける。
半ばまで売られる。ポンドは対ドルで1.3012まで下落し、31年ぶりの
安値を記録。
英国の先行き不安が重石となり先週末比108ドル安で引ける。
を更新。世界的な金利低下が続く中、米国債に割安感が出ていることが背景。
在庫が高水準であることから大幅に下落。前日比2ドル39セント下落し、
46ドル台に。
本日の注目イベント
英国の景気の先行き不安に加え政治的にも混迷が続くとし、ポンドは対ドルで
1.30台まで売られ、実に31年ぶりの安値を記録しました。
ユーロも対ドルでは売られ、ドルは円以外の主要通貨に対して上昇しています
が、ドル円は昨日の水準よりも1円程下落しています。
堅調に推移していた株価に一服感が出てきたことや、米長期金利が再び過去最
低水準まで低下するなど、リスクオフがやや進んだことが背景です。
ドル円の101円台半ばは、先月24日に英国の国民投票でドル円が急落して
以来の円高水準です。102円台でもみ合っていたドル円が下放れした形を見
せていますが、ここから再び100円割れを目指すのかどうかは、今週末の雇用
統計次第ということになります。
昨日もこの欄で、ドル円は下値リスクの方が高いと述べましたが、103円台半
ばから上値が重く、さらに
順調だった株価も、そろそろ上昇が一服すると予想したからです。
昨日はそれに加え、原油価格が46ドル台まで急落したことも株価の下落につ
ながり、円買いを誘発したと見られます。
基本的には依然として100ー105円のレンジ内での推移と見ていますが、
雇用統計前までにどこまで下値があるのかという状況です。
昨日は二人の連銀総裁のコメントが紹介されています。
NY連銀のダドリー総裁は、英国民投票がどのような結果をもたらすのか理解
するには時期尚早だとしながらも、「英国だけにとどまれば、かなり小さい」
と指摘し、「だが、金融市場に広範な影響があれば、EUの安定に対する大き
な疑問につながり、より深刻な結果をもたらす公算がある」と語っています。
(ブルームバーグ)
またサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は、英国民投票でのEU離脱の
選択で米経済が軌道から外れることはないだろうと、米景気に対する楽観的な
見方を示しました。
利上げについては、依然として失業率が今年4.5%に低下し、インフレ率が
加速を続けると予想しているとし、「予想が現実になれば、今年の利上げが適
切だ」と述べています。いずれの発言も市場には影響がなかったようですが、
英国のEU離脱の影響を慎重に見極める必要があるようです。
本日は日本株も軟調に推移しそうです。
いつものように、株価の下落と円買いがセットになれば101円台前半までの
ドルの下落も想定できます。また、日経平均株価が300円を超えるようだと、
101円割れをテストすることも考えられるかもしれません。日経平均株価と
ドル円の相関度は以前よりも低下してはいますが、株価の下落がドル円の上値
を抑えることにはなりそうです。
予想レンジは100.80円~102円程度とみます。ここからは前回の急落
でドルを買えていない市場参加者のドル買い意欲も、そこそこあるのではない
かと予想しています。

- [2016/07/06 08:51]
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連休明けのNY市場に注目
ひと目で分かる昨晩の動き
欧州市場
を繰り返しながらも、上値の重い展開。
買われ、ドル売りがやや優勢に。
本日の注目イベント
イギリスでは独立党党首のファラージュ氏が突然辞任し、これでキャメロン首相、
ジョンソン前ロンドン市長に次ぐ、EU離脱問題の中心人物が辞任しています。
ファラージュ党首はEUからの離脱を勝ち取ったことが、自身の政治家としての
頂点だとして辞任しました。
EUから離脱を決めたイギリスですが、その選挙運動のあり方や、示されたEU
に支払う金額など不明な点も多く、今でも再投票を行うべきだという意見が多く
湧きあがっているようです。次期首相に誰がなるのかは分かりませんが、誰がな
っても今後も混乱が続くことは間違いなさそうです。
IMFのラガルド専務理事はフランス、ルモンド紙のインタビューに答えて、イ
ギリスのEU離脱選択を市場は「比較的うまく」吸収したと語っています。
また、イギリスとEUとの関係がWTOルールに基づくものになるなら、イギリ
スのGDPは2019年までに1.5~4.5%縮小するとも述べています。
(ブルームバーグ)
いずれにしてもイギリスがEUに戻る可能性がない以上、景気の悪化は避けられ
ず、これが通貨ポンドにじわじわと効いてくるものと予想されます。
先月24日の大混乱以来、ドル円は102円~103円台半ばのレンジで膠着が
続いています。103円台ではドル売り意欲も強いため、102円台でのもみ合
いになっています。昨日はNY市場が独立記念日で休みだったため特に動きはあ
りませんでしたが、連休明けの本日、急反発しているNY株式市場がどのような
反応を見せるのか、また、資金流入が続いている米国債がさらに買われるのかに
よって、ドル円が再び103円台に乗せるのか、反対に102円を割り込むのか
が決まって来るように思います。
日米ともに長期金利の低下が一段と進んでいます。
日本では昨日、長期金利がマイナス0.27%まで低下しました。
これは言うまでもなく、日銀がマナス金利を導入していることで、金利低下圧力
が強まっていることが背景です。
日銀は年に80兆円もの国債を購入しており、既に全発行額の3分の1を保有し
ている状態です。常に日銀が市場に買い方として存在することで、価格が上昇し
金利が低下しているわけです。
一方 米国債は利回りが低下したとはいえ、まだプラス1.4%台です。
安全性が担保され、しかも流動性のある国債では稀有な存在です。
日独では利回りがマイナス圏に入っていることから、米国債には相対的に魅力が
高まっているという状況から資金が集まっています。
機関投資家やヘッジファンドの資金の配分先としては、十分な流動性が不可欠で
す。世界最大の市場である米債券市場は、最も流動性の高い市場であると言い替
えることができます。因みに第2位が日本で、第3位がイタリアです。
本日は上述のように、連休明けのNY市場がどのような動きをするのかが焦点に
なります。
イエレン議長にも近い、ダドリーNY連銀総裁の発言には注意が必要です。
予想レンジは102円~103円程度とみますが、下値リスクの方が高いと予想
します。

- [2016/07/05 08:52]
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米長期金利過去最低を更新
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
米長期金利が過去最低を記録するなど、ドル売り材料に反応し102円台
半ばで越週。
ユーロ高が進む。
引け値では19ドル高と上げ幅を縮小したものの、週間の上昇幅は今年最大。
利回りを記録。10年債は一時1.37%台まで金利が低下したが、
1.44%で取引を終える。
本日の注目イベント
イギリスのEUからの離脱で混乱した市場は徐々に落ち着きを取り戻し、ドル円も
下値を切り上げ、先週金曜日には103円43銭近辺までドルが買い戻されました
が、ここからの上値は重く、現在は102円台半ば近辺で推移しています。
米株高がリスクオフを後退させ、安全通貨の円を売り戻す動きも見られますが、今
週は重要指標が多くありその結果次第では再び、リスクオフが強まり、円が買われ
る展開があるかもしれません。100-105円のレンジ形成を強めるのか、ある
いは再び100円割れを試しに行くのかの岐路に差し掛かっています。
先週末のNYダウは結局19ドル高で引け、月曜日以外は連日上昇し、イギリスの
EU離脱で860ドル程下げた分の9割がたは埋めたことになり、米国株の力強さ
を見せられた気もします。背景には、労働市場での変化の兆しと、イギリス発の混
乱で、今月のFOMCでは利上げが見送られる可能性が高まって来たことが挙げら
れます。金利先物が示す利上げの確率は9月もほとんどなく、「年内はせいぜい1
回」の確率が高まって来ました。
利上げ観測の後退はドル売りを喚起させ、ドルの上値を重くしています。
今週末に発表される6月の雇用統計が元のように20万人前後まで戻れば、再び利
上げ観測の高まりも予想されますが、反対に先月のように予想外に低水準だと、
「米労働市場のピークは過ぎた」といった見方が広がり、FRBの金融政策にも大
きな影響を与えます。
一部には「利上げどころか、利下げが必要」といった極端な意見もあるようです。
その意味でも、今回の雇用統計は米労働市場の趨勢を見る上で重要だと言えます。
それでも多くのFOMCメンバーは「緩やかな利上げが望ましい」との考えは維持
しています。
先週末にはフィッシャーFRB副議長がテレビ番組で、米経済指標は改善している
との認識を示していました。FRBとしても、政策金利の水準をある程度上方に持
って行き、政策変更の余地を確保したいとの考えがあり、それを阻んでいるのが、
中国不安や、先のイギリス発の混乱など、外部環境が影響している面が大きいと
考えられます。
今月下旬に行われる日米の金融会合では、米国はほぼ見送られると見られ、焦点は
日銀の動きです。仮に、先月と同じように政策変更据え置きが決められるようだと、
それだけで円買いドル売りが強まり、株価の下落と相まって、再び100円割れを
試すことにもなりかねません。現時点では追加緩和観測はあるものの、それほど高
まってはいない状況です。
ただ、ドル円が100円以下で、日経平均株価が再び1万5000円割れを試す展開
になると、緩和観測は急速に高まってくると予想しています。
本日はNY市場が独立記念日のため休場です。
特に大きなニュースがない限り102円台での静かな動きになろうかと思います。
レンジは102円20銭~103円程度を予想します。

- [2016/07/04 08:58]
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BOE総裁金融緩和を示唆
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
103円台を回復し、103円29銭までドル高が進む。
BOEのカーニー総裁が金融緩和を示唆したことが影響。
売り押され、1.10台前半まで売られる。
BOE総裁の発言を受けてポンドは再び大幅下落。
FTSEが上昇し、その流れを受け大幅高。ダウは235ドル
上昇し先週末からの下落分の8割強を埋める。
1.47%台まで低下。
本日の注目イベント
EUからの離脱を決めた英国で、イングランド銀行(BOE)のカーニー総裁が
講演し、「景気見通しは悪化した。夏の間に何らかの金融緩和が必要になる公算
が大きい」(ブルームバーグ)と語り、今後数カ月以内に金融政策を緩和する必要
があるとの考えを示しました。
この発言を受けて、ポンドは対ドルで200ポイント近く下落し、対円やユーロ
でも売られています。一方金融緩和観測が高まったことで英国株は上昇し、この
影響でNYダウは前日比235ドルも上昇し、リスクオンが拡大したことでドル
円は103円台前半までドル高が進行しました。今朝方には103円40銭近辺
まで上昇しましたが、NYでは先週金曜日の「ブラック・フライデー」でドル円
が急落した後の「戻り高値」水準で上昇を抑えられた格好になっています。
ロンドンの株式市場をはじめ欧州株が上昇したことを受け、NYでは株価が続伸
しドル円をサポートしています。
NYダウはこの日も235ドル上昇し、これで3日連続で200ドルを超える大
幅な上昇を見せ、この間の上昇幅も790ドル近い急反発です、
英国のEUからの離脱を嫌気して大きく売られたNYダウでしたが、この3日間
の上昇を見る限りは欧州不安も払拭された印象です。
カーニーBOE総裁の「市場の反応を予想した」、巧みな対話能力のなせる技だ
と言えます。因みに同総裁はカナダ人で、2013年にカナダ中銀から歴史ある
イングランド銀行に迎えられた人で、カナダ中銀総裁時代から「名総裁」とうた
われた人物です。
英国のEU離脱が決まってから1週間がたち、市場は落ち着きを取り戻して来ま
した。ドル円もあの日以来100円割れを見せてはいません。
英国が正式にEUから離脱すのに、まだ相当な時間を要することや、実際にはそ
の影響を見極めにくいなどといった背景があり、少なくともリーマンショックと
は大きく異なるとの見方があります。ただこのまま元の状態に戻るとは思えず、
今後欧州がその影響を徐々に受けることにはなろうと思います。
昨日もこの欄で述べましたが、それでも「UKショック」のピークは過ぎただろ
うと考えております。
「UKショック」後に初めてとなるFOMCメンバーによる講演がありました。
セントルイス連銀のブラード総裁はロンドンで講演し、年1回の利上げ予想を変
更したかとの質問に対して、「今後2年間に英国のEU離脱が、米国に大きな影
響を与えると予想してないため、今のところ予想を維持する」と述べています。
(ブルームバーグ)
ブラード総裁は6月15日のFOMCでは、年内の利上げを1回と見ている人物
の一人で、同総裁が利上げ予想を変更したとしたら、年内の利上げはないと見
ていることになり、ドル売り材料と捉えられます。
NYダウの大幅続伸を好感し、日本株も上昇が見込まれますが、昨日の様に日
中は一時は200円近い上昇を見せながらも、引け値では結局小幅高に終わ
るようなら、ドル円の上昇も限定的だと予想します。103円台を維持できる
かどうかと、さらには上昇した際に103円台半ばを超えられるかがポイントに
なりそうです。
予想レンジは102円50銭~103円50銭程度とみます。

- [2016/07/01 09:10]
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