ドル円105円台半ばから反落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はGDP速報値が2.9%だったことで上昇し、
105円54銭までドル高が進む。その後、FBIがクリントン
大統領候補のメール問題を再調査するとの報道でドルが
急落し104円台半ばまで売られる。 - ユーロドルは緩やかに続伸。1.0992まで買われ、
1週間ぶりのユーロ高水準に。 - 株式市場は、朝方は上昇したもののクリントン候補の
メール問題で反落。ダウは8ドル下げ、その他の指数も
揃って下落。 - 債券相場は小幅に反発。GDPを受けて一時は1.87%台
まで上昇したが、引け値では1.84%まで低下。 - 金は続伸し1276ドル台に。原油も売られ48ドル台後半に。
- 7-9月GDP(速報値) → 2.9%
- 10月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値) → 87.2
本日の注目イベント
- 日 9月鉱工業生産
- 欧 ユーロ圏7-9月期GDP(速報値)
- 欧 ユーロ圏10月消費者物価指数(速報値)
- 英 英9月消費者信用残高
- 米 9月個人所得
- 米 9月個人支出
- 米 9月PCEコアデフレーター
- 米 10月シカゴ購買部協会景気指数
米第3四半期GDPは市場予想を大きく超える2.9%でした。
GDPの上振れを好感して発表直後には株価が上昇し、長期金利も上昇。
ドル円は一時105円台半ばまでドル高が進みましたが、その後の思わぬ
ニュースが「リスクオン」を後退させました。
FBIがクリントン候補が国務長官時代に私的な電子メールを使っていた
問題を巡り捜査を再開したとのニュ-スです。
来月8日の大統領選では3回の公開テレビ討論会を経て、市場はほぼクリ
ントン大統領をイメージしていましたが、FBIの捜査再開で不透明感が
漂い始め、安全資産が買い戻されています。
ブルームバーグによると、クリントン候補はこの問題に対して「不正行為
はないと確信している」とのコメントを発表しています。
ドル円は9月初旬の100円08銭を底値に、約5円50銭もドル高が進
みました。テクニカルでは「ダブルボトム」というより、100円近辺か
らは「トリプルボトム」を形成し上昇してきました。
この間、シカゴ先物市場における投機筋も「円買いドル売り」ポジション
を大きく縮小させています。
上記クリントン候補のメール問題で一旦ドルが売られていますが、ここは
FIBの捜査の進展を見極めるしかありません。
クリントン氏が自ら述べているように不正がないとしたら、やはりドルが
買われる展開が見込めると思われます。
いずれにしても、今回の大統領選ではどちらが大統領になったとしても、
後味の悪さが残る、ある意味歴史的な大統領選になるようです。
GDP2.9%はややサプライズでした。
この数字はここ2年で最大の伸びとなりましたが、その内訳を見ると在庫
の伸びと、大豆の輸出増加が反映されたものでした。(ブルームバーグ)
米GDPの7割以上は個人消費が占めていると言われていますが、その個
人消費は2.1%増と、前期の4.3%増に比べると減速しており、個人
消費は依然として盛り上がりに欠けることが分かります。
大統領選を巡る不透明感がやや増してきましたが、それでもクリントン氏
有利の状況は変わらないと思いますが、仮に共和党候補がトランプ氏でな
かったら、結果はさらに読みにくい状況になっていた可能性もあります。
今後は米長期金利の行方も重要なポイントになってくると思われますが、
長期金利は上昇傾向にあります。
ドル円は105円台半ばまで上昇したことから、103円~108円のレ
ンジに入ったのではないかと思われます。
本日の予想レンジは104円~105円程度を予想します。
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- [2016/10/31 09:41]
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ドル円105円台に乗せる
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は続伸し、節目の105円を抜き105円35銭まで
上昇。株価は下げたものの長期金利が急騰し、これがドルを支え
た。 - ユーロドルも小幅に上昇。ドイツ銀行の決算が黒字だったこ
とから、ドイツの長期金利が上昇し、ユーロ買いに繋がった。 - 株式市場は反落。利上げ観測が重石となり、企業決算はそこ
そこだったにも関わらず、ダウは29ドル下落。 - 債券相場は大幅に続落。失業保険申請件数などが良好だった
ことや、欧州で金利が上昇したことから売りが優勢に。
長期金利は約5カ月ぶりに1.85%台まで上昇。 - 金と原油は小幅ながら上昇。
- 新規失業保険申請件数 → 25.8万件
- 9月耐久財受注 → +0.2%
- 9月中古住宅販売成約指数→ +1.5%
本日の注目イベント
- 豪 豪第3四半期生産者物価指数
- 日 9月消費者物価指数
- 日 9月失業率
- 独 独10月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏10月景況感指数
- 欧 企業決算 → UBS、BNPパリバ、RBS
- 米 7-9月GDP(速報値)
- 米 10月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値)
- 米 企業決算 → エクソンモービル、マスターカード
「テクニカルの勝利」と言ってもいいでしょう。
ドル円は節目の105円を抜き、一時は105円35銭までドルが買われ、
約3ヶ月ぶりのドル高水準を記録しました。昨日のこの欄でも触れまし
たが、一部には米利上げの限界を見越して、ドル円が再び円高方向に
進むとの観測もありましたが、テクニカルでは「ドル高を示唆」している
ことを指摘しました。現時点ではてテクニカルが勝ったと言ってもいいと
思います。
NY市場では105円をあっさり抜け105円35銭までドルが買われ、ほ
ぼこの日の高値圏で取引を終えています。株価は下げたものの、ドル
買いのドライバーととなったのは、米金利の上昇でした。昨日決算発表
のあったドイツ銀行が、予想外の黒字を確保したことで市場に安心感が
広がり、米長期金利は1.85%台まで上昇しました。日米金利差の拡大
が、円を売ってドルを買うという行動につながりドルを押し上げました。
米長期金利は約5カ月ぶりの高水準です。本日発表の第3四半期GDPも
2.6%と予想され、米景気の拡大を見越している部分もあったようです。
ドル円は105円の壁をあっさり越えたことで、これまでの100円―105円
のレンジは上昇修正されたと思います。恐らく102円-107円のレンジか、
103円―108円のレンジを形成するのではないかと予想します。ただ、節
目を越えたからといって、このままドルが上昇し続けるかどうかは不明です。
NYの株価が不安定なことがその一因として挙げられます。NY株式市場は、
代表的な株価指数であるダウやS&P500がここ数カ月ほぼ横ばいか下
落で推移しています。もちろん「利上げ」が材料になっていることは理解でき
ますが、良好な企業決算のわりには株価が上がりません。
株価の上昇は「リスクオン」の象徴で、そうなると本格的に安全通貨の円は
売られることになります。
足元ではドルが上昇してはいますが、まだ手放しでドルを買えばいいとうス
テージには到達していないと見ています。
それでも今後のスタンスはドルが下げたところでは拾っておくべきでしょう。
100円割れのリスクはかなり遠のいたと見られます。
出遅れ感の強い日経平均株価もようやく上昇傾向を強めています。昨日東
証が発表した資料では、外人投資家は3週連続で買い越しに転じていまし
た。彼らは、株価と為替の両方で利益を取れるチャンスが来たと見立ててい
るのかも知れません。本日の予想レンジは104円70銭~105円70銭程度
にしたいと思います。米GDPの結果次第では、さらに上下どちらにも振れが
大きくなる可能性もあります。
=============================
9月の金融政策決定会合で、日銀が長期金利をゼロ%程度に誘導す
ると決めてから1カ月以上が経過しました。
長期金利をコントロールするという異例の政策に打って出たわけで
すが、足元の金利水準はマイナス0.05%程度で推移しています。
問題は、それ以降値動きがほぼ固定されてしまったことです。
10月の値幅はマイナス0.073%~マイナス0.048%と、
わずか0.025%です。
当然ですが、これでは債券トレーダーも腕の見せどころがありませ
ん。外資系の中には債券部門の縮小を決めたところもあるようです
が、債券トレーダーはお互いに情報を交換しながら、戦々恐々とし
ているとか。こんなところにも金融政策の影響が出ているようです。
良い週末を・・・・・。

- [2016/10/28 09:59]
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ドル円再び104円台後半を試す
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は再び上昇し104円62銭までドル高が進むも、
105円には届かず。米長期金利が上昇し、住宅関連指数
が良好だったことからドルが買われた。 - ユーロドルは独IFO景況指数が上振れしたことや
ユーロ圏PMIが良好だったことで買い戻しが先行。
1.09台半ばまでユーロ高が進む、 - 株式市場はまちまち。金融株が買われたが不動産株が
下落。ダウは30ドル上昇したものの、ナスダックはアップル株
が売られたことで33ポイント下落。 - 債券相場は反落。サービス業PMIが良好だったことに反応。
長期金利は10日ぶりに1.80%近辺まで上昇。 - 金は反落。原油価格は在庫が予想外に減少したことで買われ、
50ドル台を回復する場面もあったが続かず。引け値では前日比
78セント下げ、49ドル台前半に。 - 9月新築住宅販売件数 → 59.3万件
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏9月マネーサプライ
- 英 英7-9月期GDP(速報値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 9月耐久財受注
- 米 9月中古住宅販売成約指数
- 米 企業決算 → ツイッター、アルファベット、アマゾン
昨日の東京時間は値幅も出ず、終始上値の重い展開でしたが、NY市場では
再び上値を試し、104円62銭までドル高が進みました。それでも104円台後
半まで上昇する勢いはなく、下値が堅いだけに、方向感に欠ける展開でした。
昨日一日を見渡すと、結局104円台は一度も割り込まずに反発しています。
104円台半ばから上値も重いため、投資家は「ドルが底堅いのか、ドルの上
値が重いのか」判断に迷うところです。
筆者はテクニカルを基本としていることから、ドルが上昇すると予想しています
が、今朝の経済紙などは、むしろドルが再び100円を割りこむ可能性が高い
といった論調でした。
ドルが100円割れを目指すという根拠には、米国の利上げの限界を挙げてい
ます。12月のFOMCでは今年最初の利上げの可能性が高いと思われますが、
そのペースは続かず、来年はせいぜい1回止まりという見立てです。
確かに、今年も当初4回と見られていた利上げが、いまだにゼロで、これがドル
円を100円以下にまで下押しした理由の一つですから、もし来年も利上げが1
回だとしたら、やはりドルが下落する可能性は高いのかもしれません。
ただこれはあくまでも、足元の景気をベースに予想しているだけで、米景気の
力強さを過小評価している面もあります。日米欧で、米国が頭一つ抜けている
ことは論を待ちません。
ドル円は前日に続き104円台半ばをテストしているところです。先日も述べま
したが、104円台半ばから105円にかけてはドル売りが出やすい水準です。
ただこれも何回かテストしているうちに消化され、次第に売りが後退して行きま
す。為替担当者も104円50銭で一度ドル売りの手当てをしてしまえば、今度は
もう一段上のレートで売りたいと思うのが人情です。何度か同じ水準を試すと、
売りが引いてしまうことは良く見られる現象です。従って、104円半ばを超え、
105円をテストできるかどうかが目先の重要な鍵となります。
ドル円は104円台を徐々に値固めしているところですが、本日も上記レベルで
どの程度のドル売りが控えているのかに注目です。104円台半ばで推移してい
ることから、余程のドル売り材料が出ない限り東京時間では104台を維持して
海外市場に引き継ぐと見ています。NYではアルファベット(グーグル)の決算発
表が最大の注目を集めそうです。昨日はアップルの決算が失望を誘い、ナスダッ
ク指数を圧迫した経緯があります。好決算が発表されれば市場全体のムードが
好転します。
予想レンジは104円~105円程度にしたいと思います。

- [2016/10/27 08:45]
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ドル円上昇後反落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
104円台半ばを抜き、104円87銭まで上昇したが
消費者マインドなど、経済指標の悪化に反落し104円11銭
までドルが売られる。
売られユーロ売りの流れは継続。
決算発表は強弱まちまち。ダウは53ドル安で引ける。
買われ、長期金利は1.75%台と小幅に低下。
続落し、50ドルの大台を割り込む。
本日の注目イベント
ドル円は想定通り104円台半ばを抜き、一時は104円87銭まで上昇したが、
発表された経済指標が予想を下回ったことから、絶好の利益確定の場となり10
4円11銭まで売られました。それでも104円台を維持できたことで、今後も
緩やかなドルの上昇を見込んでいます。
ドル円は今月13日につけた104円64銭を抜き上昇したものの、10月の
消費者マインド指数が「98.6」と、事前予想の「101.5」を下回ったこ
とでドルを手放す動きが加速しました。
コンファレンスボードの景気指数担当者は、「景気は短期的には拡大を続けるが、
そのペースは緩やかになろう」と述べています。(ブルームバーグ)
ドル円はこのところ、103円台後半から緩やかに上昇していたことで、
ドルロングも溜まっていたことや、依然として105円に近づく水準では実需の
ドル売りが上昇を抑えたものと思われます。
米国債券が買われていますが、長期金利の下げは緩やかです。
年内利上げの確率も直近では73%(ブルームバーグ)まで上昇しており、
市場はかなり利上げを織り込んできたと見られます。
米大統領選まで2週間を切ってきました。
クリントン候補の優勢が伝えられ、ふたを開けてみるまでは分かりませんが、
クリントン候補の勝利はほぼ間違いなく、これも市場の安定感につながって
います。
利上げ、大統領選、さらには日経平均株価に見られるような株高と、リスクオ
ンにつながる環境が揃ってきました。
ここから一気に105円を抜けてドルが上昇することはないとしても、ゆっく
りと上昇し、105円を抜ける可能性は高いと予想しています。
もちろん昨日のNY市場のように、一方的にドルが買われるわけではありませ
んが、100円割れのリスクは徐々に遠のいています。
市場参加者の相場観も徐々に修正されてきたことを考えると、下値のメドは1
02円程度ではないかと思います。
本日のレンジは103円80銭~104円50銭程度を予想しています。

- [2016/10/26 08:52]
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ドル円再び104円台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
上昇がドルを支えた。ドル円は104円32銭まで買われ、
再び104円台半ばを試す展開か。
買い戻しや、ユーロ圏の総合PMIがユーロ買いにつながった。
見方が広がる。ダウは77ドル上昇。
ことが債券売りを誘った。長期金利は1.76%台まで上昇。
マークイット10月製造業PMI → 53.2
本日の注目イベント
ドル円は再び104円台を回復し、NY市場では104円32銭までドル高
が進みました。
103円台半ばから上では、ドルが底固い動きを見せ、上値の重いことはわ
かっていながらも、上値を試す展開です。
昨日は、マークイット製造業PMIが「53.2」と、1年ぶりの高水準だ
ったことで年内利上げの可能性が高まり、ドルが買われたものです。セント
ルイス連銀のブラード総裁も、利上げに関して言及しています。
総裁は、差し迫った利上げの必要性はないとしながらも、「12月会合が最
も可能性の高い時となる」と語っています。(ブルームバーグ)
この発言自体は市場への影響はそれほどなかったものの、金利先物市場から
推計する12月の利上げ確率は70%になっており、徐々に利上げを織り込
んでいます。
また、シカゴ連銀のエバンス総裁は「来年末までに3回の利上げを見込む」と
述べており、来年の利上げ回数にまで言及し始めていることには注意が必要
です。今朝の東京市場はどうやら、104円台で始まりそうです。
これまでにも何度か指摘して来ましたが、そうなると、これまで上値を抑えて
きた「120日移動平均線」を上抜けすることになります。
「日足の雲と120日線」をしっかりと抜ければ、あとは心理的な節目の「1
05円」が次のターゲットになります。
仮にこの水準に到達しても、恐らく初回では抵抗され一気に抜けることはない
と思われますが、そこを抜けるとストップのドル買いも控えていることは理解
しておくべきでしょう。
日本株も1万7000円の大台を維持しており、この水準を値固めしているよ
うにも見受けられます。
株価とドル円の相関度がやや薄れてきていましたが、今後株高ドル高が足並み
を揃えて同時に進行することも考えられます。先ずは本日、東京時間で104
円を維持して海外市場に引き継げるかどうかに注目します。
東京市場では輸出企業のドル売り意欲が依然として旺盛かと思われますが、
それを吸収するドル買いがあるかどうかです。
また、ユーロドルではドル高ユーロ安がかなり進んできたことも追い風です。
ドルに対して同じような動きをすると見れば、ドル買い円売りの流れが想定
されます。
もっとも、ユーロドルだけが下落して、ドル円が水準を変えないことも考えら
れますが、そうなるとユーロ円が相当下げることになります。
本日の予想レンジは103円80銭~104円80銭程度を見ています。
104円台半ばを抜けるかどうかも、重要なポイントになります。

- [2016/10/25 08:55]
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ユーロドル1.08台半ばへ下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
長期金利の低下にドルが売られる場面もあり、103円52銭
まで下落したが、引け値は103円80-90銭。
売られ、先安観が台頭。
AT&Tの大型M&Aも株価へはプラスだったが、ダウは16ドル下げ、
ナスダックは反発。
も買われ、長期金利は1.73%台へと低下。
本日の注目イベント
ドル円は底堅い動きを見せる一方上値も104円台が徐々に重くなり、やや
膠着感が漂っています。
先週一週間は、103円台前半から104円台前半でもみ合っています。
そんな中ユーロドルは徐々に下値を切り下げ、先週末には1.08台半ばま
でユーロ安が進み、これまで動きが緩慢だったユーロも、本来の荒っぽい動
きが戻ってきた印象です。
ユーロドルが売られたことで、ユーロ円も112円台半ばまで下落し、約1
カ月ぶりの水準まで円高が進んでいます。
なかなか動きにくい展開です。
ドル円は日足では「雲」を上抜けしたものの、その上にある「120日線」
に抑えられる格好となっており、104円台では実需のドル売りに加え、一
段の上昇を見込んでいた市場参加者が上値の重さに、早目の利益確定のドル
売りを持ち込んでいることも104円台半ばが抜けない一因にもなっている
ようです。
相場観の方も、テクニカルを基本とすれば、おそらくドル買いで攻める方向
だろうと思いますが、まだ依然として100円方向への下落の可能性が消え
たわけでもありません。11月のFOMCでは利上げはないとしても、12
月には利上げの確率が高いと思われますが、それでもその確率は60%台の
後半です。FOMCの主要メンバーが利上げに対して前向きな発言を繰り返
している割には盛り上がりに欠けているという印象です。
先週末もサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が講演で、「米経済は利
上げに向けて良い状況にある」と指摘し、さらに、「米経済のこれまでの推
移と今後の動向を踏まえると、年1回の利上げは理にかなっており、来年に
複数回の利上げを実施することも妥当だ」と述べています。(ブルームバー
グ)
市場はこの発言には反応してはいませんが、タイミング的にはそろそろ年内
利上げから2017年に何回利上げが可能性なのかに焦点が移ってきそうで
す。
今週は住宅関連の指標が多く発表されますが、やはりメインは28日(金)
の米7-9月期のGDP速報値でしょう。
この結果で12月の利上げの確率も上下し、それにともなって、ドル円も
上記狭いレンジを抜けるのではないかと思われます。
また、日経平均株価は先週、これまでの壁であった1万7000円を大きく
上抜けしてきました。
売り越していた外国人投資家が久しぶりに買いに転じてきたとの新聞記事も
ありましたが、今週は1万7000円を固めることができるかどうかも注目
されます。株価が今週も堅調に推移するようだと、ドル円も104円台半ば
を再度試すことになろうかと思います。
本日のドル円は103円40銭~104円40銭程度を予想します。

- [2016/10/24 08:59]
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ECB、政策変更見送り
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
が優勢との見方から安心感がで、ドル円は103円台後半まで
上昇。NY市場では104円11銭まで買われた。
示唆。ユーロドルは1.1040まで買われた後急落。
1.0916までユーロ安が進む。
前日急騰した原油価格の下落と、ベライソンなどの決算が
低調だったことでダウは40ドルの下落。
ドル支えた。
1ドル17セント下落し50ドル台半ばに。
本日の注目イベント
昨日の日本時間朝の10時から始まった最後のテレビ討論では、最初は大統領の
資質や政策などの内容だったが、途中からは再び非難の応酬となりました。それ
でもこれまで通りクリントン候補は冷静な対応を見せたことからドル円は103
円台半ばを超え、日経平均株価の方も150円を超える上昇を見せました。
市場はクリントン大統領を意識した反応を見せたということです。
結局日経平均株価は前日比236円高と、この日の高値で引けたことで、ドル円
も堅調に推移し、NY市場では再び104円台に乗せ、104円11銭まで買わ
れています。
ドル円は104円台までは上昇するものの、なかなか104円台が「定着」せず、
昨日も103円台後半まで押し戻されて取引を終えています。底堅い動きを見せ、
上値突破を試しに行くものの、押し戻される展開が続いています。
注目されたECB理事会でしたが、ECBは金融政策の現状維持を決めました。
中銀預金の金利はマイナス0.4%で、資産購入の期限延長は議論されなかった
ようです。ドラギ総裁は記者会見で、「債券購入を唐突に終了する可能性は低い
と思う」と語り、「極めて大規模な金融緩和を維持することに引き続きコミット
している」と述べています。総裁によれば、政策委員会は今回の会合でプログラ
ムの延長もテーパリングも協議しなかったとしていますが、次回12月会合では
何らかの判断があることを示唆しています。(ブルームバーグ)
ユーロドルは直後に買いが先行し、1.1040まで上昇しましたが、
その後は一転して売られ、1.0916までユーロ安が進んでいます。
ドル円は103円台後半で推移していますが、やはりこれまで指摘してきたよう
に、ここから104円台半ばを抜け、さらに105円という重要な節目を抜ける
には支援材料が必要です。
それが、来月の雇用統計になるのか、あるいは日銀やFOMCの政策変更になる
のか難しい判断になります。
多くのテクニカルがドルの上昇を示唆しているものの、まだ100円方向にドル
円が下落するリスクも排除できません。102-105円のレンジがまだ続くと
いう相場観に落ち着くことになりそうですが、ドル円の上昇余地はあると予想し
ています。
本日のドル円は103円台半ばから104円台前半で推移すると見ますが、米大
統領選はひとまずリスクが後退した感があります。引き続き企業決算と原油価格
の動きが相場に影響を与えそうです。
レンジは103円50銭~104円50銭程度と予想します。

- [2016/10/21 08:58]
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ドル円103円台前半まで下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は103円台半ばを下抜けし下落。レンジの上値が
重くなっている中、下値を試し103円17銭までドル安が進む。 - ユーロドルは緩やかに続落。1.0955まで売られ、約2カ月
ぶりのユーロ安水準を記録。 - 株式市場は3日続伸。原油価格が大幅に上昇したことを
受け、エネルギーセクターが大幅高に。ダウは引け際に上げ幅を
縮小したものの、40ドル高で取引を終える。 - 債券相場は小幅に反落。サウジアラビアが175億ドルの国債を
発行するとの報道が重石に、 - 金は3日続伸。原油価格は在庫が予想外に減少していたことで
大幅に続伸。一時は51ドル93セントまで買われ、引け値では
約3ヶ月ぶりの高値となる51ドル60セントで取引終了。 - 9月住宅着工件数 → 104.7万件
- 9月建設許可件数 → 122.5万件
本日の注目イベント
- 豪 豪9月雇用統計
- 独 独9月生産者物価指数
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 英 英9月小売売上高
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 10月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 9月中古住宅販売件数
- 米 9月景気先行総合指数
- 米 企業決算 → ベライゾン、マイクロソフト
ドル円は特段の材料がない中、103円台半ば~104円台半ばの
レンジを下抜けし、103円17銭までドルが下落しました。
WTI原油価格が大幅に続伸し、株式市場もこれを好感し株価が上
昇。さらに債券が売られ、長期金利も小幅に上昇し、ドルが売られ
る材料は見あたらない中での下げでした。
104円台半ばが抜けきれないことから、今度は下値を試す動きに
なったものと思われます。
注目された中国の第3四半期のGDPは6.7%と、市場はどちら
かといえば下振れするのではないかと見ていましたが予想通りで、
これで3期連続で6.7%を記録しました。
GDPが6.7%で下げ止まったことで、景気減速に歯止めがかか
り、安定的な巡航速度に入ったと見ることができますが、一方では
景気刺激策の効果で何とか景気を下支えしており、依然として過剰
設備や過剰人員は解消されていないとの指摘もあります。
今後も中国景気は、一つのリスク要因として見ておく必要はあろう
と思われます。
ベージュブックが公表されましたが、「大半の地区は緩慢ないし緩
やかなペースでの景気拡大を報告した」と記されており、相場への
影響はなかった模様です。日本時間の今日午前中に行われる大統領
候補の最後の討論会に注目したいと思います。
クリントン候補の優位は変わらないと思いますが、トランプ氏の最
後の反撃が見ものです。同氏の発言や姿勢を批判したオバマ大統領
をも批判しています。
ユーロドルにやや動きが出てきました。
目先のサポートと見られていた1.10を割り込み、昨日は1.0
955までユーロ安が進んで来ました。
6月24日のBrexitで記録した1.0907を割り込むと、
もう一段の下落が見込まれます。
本日はECBが金融政策を発表し、ドラギ総裁が記者会見を行いま
すが、現行、月800億ユーロの資産購入を行っていますが、この
期限が来年3月末です。これを延長するのかどうか。また、量的緩
和の限界もささやかれていることから、それについての言及がある
のかどうかも注目されます。
本日のドル円のレンジは102円80銭~103円80銭程度予想
します。仮にドルがさらに売られ、103円前後まで下落した場合、
どの程度ドル買い需要があるのかも見たいと思います。
- [2016/10/20 10:15]
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ドル円104円を挟んでもみ合い
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はCPIの結果に反応し104円台前半まで上昇したものの続かず。
その後は長期金利の低下に103円台後半まで押され、前日と同じ水準で取
引を終える。 - ユーロドルは引き続きECBの理事会待ちの中、1.10を挟んで小動き。
- 株式市場は反発。企業決算が良かったことで、金融株やヘルスケア関連が
上昇。ダウは75ドル値上がりし、他の指数も揃って上昇。 - 債券相場は続伸。CPIではコアインフレ率の伸びが予想を下回ったことから
買いが優勢に。長期金利は1.73%台へ低下。 - 金は続伸。原油はOPEC高官が減産合意に楽観的な見通しを示したことで
買われ50ドル台を回復。 - 9月消費者物価指数 → +0.3%
- 10月NAHB住宅市場指数 → 63
本日の注目イベント
- 中 中国 7-9月GDP
- 中 中国 9月小売売上高
- 中 中国 9月鉱工業生産
- 英 英9月雇用統計
- 米 9月住宅着工件数
- 米 9月建設許可件数
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
- 米 大統領候補の第3回テレビ討論会(ラスベガス)
- 米 企業決算 → モルガンスタンレー、アメックス、eベイ
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
- 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
- 加 カナダ中銀政策金利発表
ドル円は東京時間にも104円台に乗せる場面があったものの勢いはなく、
NY時間にも消費者物価指数の結果に反応し再び104円台を回復したものの、
104円20銭を頭に反落し、昨日と同水準で戻って来ました。
昨日一日を観ても、下値では底堅い動きを見せるものの、104円台半ばが
意識され、ここを抜けるにはもう一つドル高材料が必要なようです。
昨日のNY市場ではゴールドマンなど、企業決算が良好で、これが株価の上昇に
寄与したことで104円台を見ることができましたが、それでも後が続きません。
もっとも、NYダウにしても先週からは上げ下げを規則正しく繰り返しており、
明確な方向性はありません。
この傾向は日本株でも同様で、ドル円をここから押し上げるには、株価の
一段の上昇も不可欠かと思われます。
本日は大統領候補の最後のテレビ討論がラスベガスで行われます。
クリントン氏優勢の中で、追い詰められたトランプ氏が最後の賭けに出るのか
どうかが見ものです。
中傷合戦に終始する大統領候補のディベート内容に、米国民の間では
「もやは、ショーを観ているようなものだ」という声もあがっており、オバマ大統領も
トランプ氏のクリントン氏への批判や姿勢に対して「前代未聞」だとし、
「投票が行われてもいない段階で、選挙や選挙プロセスの信頼性を傷つけようとする
大統領候補など私の人生の中でも、近代政治史においても見たことがない」と
述べていました。(ブルームバーグ)
大統領選については既に結果が見えているように思いますが、「窮鼠猫をかむ」という
ことわざもあります。
どのような反撃に出るのか注目したいと思います。
ドル円は昨日とほぼ同水準で推移しています。
水準が変わらないということで、実需の売り買いも出にくいと観られます。
従って、特段材料がなければ東京時間では静かな展開が予想されますが、
注意したいのは中国の経済指標です。
とりわけ11時に発表される7-9月期のGDPです。
予想は4-6月期と同じ6.7%と見られていますが、これを下回るようだと、
先週貿易収支の発表後のように一気に1円も下落するような事態も予想
されます。
レンジは103円30銭~104円30銭程度と見ますが、上述のように、中国の
経済指標が上下に大きくブレるようだと、この予想レンジを抜けることもあり得ます。
- [2016/10/19 10:24]
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ドル円小幅に反落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
がマイナスに転じたことや、長期金利の低下にドル売りが優った。
ドル円は103円79銭まで売られ、この日の安値圏で取引を終える。
見極めたいとする雰囲気が優勢に。1.10を挟んでもみ合う。
ダウは51ドル下落。
買い戻される。長期金利は1.76%台に低下。
本日の注目イベント
ドル円は104円台を維持できず、小幅ではありますが103円台後半へと押し戻
されています。NY連銀製造業景況指数が前月のプラスからマイナス6.80へ悪
化したことや、10年債利回りが低下したことでドル売りが優勢な展開でした。
気になるのはNYダウなどの米株式市場の行方です。一進一退を繰りかえし、1万
8000ドルの大台は維持していますが、徐々に上値が重くなって来ている印象で
す。株価が1万8000ドルを大きく割り込むようだと、ドル円も再度103円台
前半から102円台後半を試す場面もありそうです。
WTI原油価格が1週間ぶりに50ドルの大台を割り込んだことも、エネルギー株
の下落を通じて円買いを促がしたようですが、いまのところそれ程大きな影響はあ
りません。104円台半ばが壁になりつつありますが、だからと言って100円を
試しに行く展開でもなさそうです。
注目したいのは、先週末に発表されたシカゴ先物市場の建て玉です。
先週11日(火)時点でのネット円買い持ち枚数は4万5909枚でした。
これはその前の週から2万2786枚減少したことになり、5月下旬以来最大の落
ち込みです。ドル円はこの動きを反映して104円台半ばまで押し上げられたと見
られ、ドル高が進んだ背景には、投機筋のドル買い戻しがあったことが鮮明です。
この動きは105円を超えればさらに加速すると思われ、105円の壁を越えると1
07円程度までのドル高もあり得るといった見方の根拠の一つになっています。
もっとも、円買いのポジションが縮小したことで、もし円買いの材料が出た際には再
び「円を買う余地」が出来たことにもなり、上記ポジションの変化がそのままドル
高要因と言えるわけではありません。まだ4万枚以上あるこれらの円買いポジショ
ンが切らされる相場展開になるのかどうかが重要です。
本日は消費者物価指数が注目されますが、この指数は雇用統計のように
予想と大きくブレルことは少なく、材料にはなりにくいと思われます。
仮に下押しした場合に、雲の上限(日足)である103円50銭近辺を抜けて、
雲に入るのか、あるいは雲の入り口で反発するのかに注目したいと思います。
予想レンジは103円30銭~104円30銭程度にしたいと思います。

- [2016/10/18 08:54]
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ユーロドル2カ月ぶりに1.09台後半に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
だったことなどが利上げ観測につながった。高値は104円48銭
と、前日の高値と同水準で上昇を抑えられた。
ユーロ安を記録。
寄りだったことがプラスに働いた。ダウは39ドル高で越週する。
インフレ懸念が広がり、売り物が増えた。長期金利は1.8%に
迫る水準まで上昇。
本日の注目イベント
9月の小売売上高が前月比+0.6%と堅調だったことや、生産者物価指数
(PPI)が予想を上回ったことが、利上げ観測の高まりにつながりドル円
を押し上げました。先週末のNY市場では104円48銭までドルが買われ、
前日の高値と同水準までドル高が進んでいます。
104円台半ばは今回も意識され上昇が抑えられていることから、このレベ
ルが目先のレジスタンスとして機能しつつあります。
従ってここを抜ければ上昇に弾みがつくことも予想されますが、一方で抜けき
れないとすると、102-105円のレンジに収まることも考えられます。
9月の生産者物価指数は+0.3%で7月の+0.5%以来の高水準でした。
インフレ懸念がやや高まったことで債券が売られ、長期金利は1.79%台
後半まで上昇して来ました。
この水準は5月末以来の水準で、米金利高がドルを支える構図になっていま
す。ドルは対ユーロでも1.10を割り込み、1.0971までユーロ安が
進み、こちらは約2カ月ぶりのユーロ安水準です。
イエレンFRB議長が講演を行いましたが、短期的な利上げへの言及がなか
ったことで市場はやや「ハト派寄り」だったと受け止めています。
またダドリーNY連銀総裁の発言をWSJ紙が報じ、総裁は「われわれはや
がてやって来る金融引き締めの時に向って極めてゆっくりと動いている」と
述べています。(ブルームバーグ)
12月利上げの確率は直近では69%程度まで上昇しており、徐々に織り込
む形になっています。
ドル円は足元では100円割れのリスクは遠のいて来ましたが、まだ安心で
きるほどの水準訂正が進んだわけではありません。
テクニカルではドルの上昇を示唆してはいますが、105円を上抜けするに
はもう一つドル高材料が必要なようです。
本日はNY連銀製造業景況指数が発表されますが、これが上振れすれば上記
104円台半ばをテストする可能性があります。
一方下振れしても、12月利上げを否定するほどの材料にはなりにくいと思
われます。
本日の予想レンジですが、103円70銭~104円70銭程度と見ますが、
103円70銭を下回るようだと、雲の下抜け(1時間足)となるため、短
期的なドル売りにつながるかもしれません。

- [2016/10/17 08:59]
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中国リスク広がりドル円反落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
中国の貿易が減少していることから円が買われる展開に。
NYでは103円台半ばを挟んでもみ合う。
ユーロが買われ、ECBのテーパリングも意識される。
世界経済の鈍化につながるとの懸念からダウは朝方には大きく下げたが
45ドル安で取引を終える。
ことから買い物を集める。長期金利は小幅に低下。
本日の注目イベント
昨日の東京市場では朝方、株価の上昇に伴ってドルが買われ、ドル円は
日足の「120日」線を上抜けし、104円63銭まで上昇しました。
「雲」の上限も抜き、予想通りドル高が進んだところまでは良かったですが、
中国の貿易収支が発表されると流れは一変しました。
久しぶりに中国リスクが意識され、ドル円は高値から約1円も押し戻されました。
この流れはNYまで引き継がれ、NYでは103円台前半まで円が買われて
います。
9月の中国貿易収支では、輸出が予想外に落ち込み、これが世界景気の鈍化
を示唆するものではないかとの懸念が広がりました。
このところ為替市場では中国リスクは圏外でしたが、再び意識され材料に
なった感もあります。
ドル円は104円台半ばを超えましたが、これまでの動きはややスピード感も
あったため、昨日の下落は上昇も一服し「調整」と見ることもできます。
足元では102-105円のレンジかと思いますが、依然としてテクニカルで
はドル高を示していると思われます。
ドル高に弾みがつこうとした矢先に、中国リスクが水をさした格好です。
フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、昨日講演で利上げについて「私は比
較的早期が適切だと思う。どの会合も対象から外すべきではないと考えている
が、われわれが直面している一部リスクについて懸念している」と述べ、11
月8日に行われる大統領選を、暗に指摘していると思われる発言をしました。
選挙日が近づくにつれ、どちらが大統領に就任するのかを巡り、相場の波乱材
料になりそうです。
本日は米国の利上げ時期が注目される中、イエレン議長の講演があります。
11月利上げはないとしても、12月利上げに向けタカ派的な発言があるかも
しれません。
昨日発表された週間失業保険申請件数も、42年ぶりの低水準で
好調な労働市場を示唆していました。
また、本日は米大手銀行の決算発表もあります。
今週火曜日には、アルミ大手アルコアの決算が下振れしたことで、
企業決算に対する懸念が広がり、株価が大きく下落した経緯もありました。
こちらにも注意が必要です。
予想レンジは103円~104円程度とします。

- [2016/10/14 08:54]
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ドル円雲抜け完成
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
半ばまで上昇。一時は104円49銭と、2カ月半ぶりのドル高
水準を記録。
2カ月半ぶりの安値をつけ、ドル高の流れが加速。
利上げの時期についてのヒントは見られなかった。
ダウは15ドル反発し、ナスダックは7ポイント続落。
長期金利は1.77%台まで上昇し、ドル高をサポート。
広がり続落。
本日の注目イベント
昨日のラジオ日経「FXショートコメント」のコーナーでも述べさせてもらい
ましたがドル円はテクニカル的には上昇の可能性が高く、104円台に乗せ
れば「雲の上抜け」が完成し、さらにその上にある「120日線」も抜けるこ
とが予想されるとコメントしました。
昨日のNY市場では特段材料がない中、104円台半ばまでドル高が進み、7
月29日以来のドル高水準を記録しました。米長期金利がさらに上昇したこと
で、ユーロドルでも1.10割れ目前までドル高ユーロ安が進み、「あっても、
年内1回の利上げ」とのメインシナリオにもドルを買う動きが強まっています。
今のところ、まだこの水準からドルを新規に買っていく動きは少ないと思われ、
ドル高のドライバーは「ショ-ト筋の買い戻し」が中心と見られます。
先週発表されたシカゴ先物市場の建て玉は、依然として「ドル売り円買い」の
ポジションが高水準で、これらの買い戻しが相場を押し上げたと見られます。
このポジションはまだ相当キープされていると見られ、105円の大台が
抜けるようだと、ストップのドル買いという形で執行されると見ています。
105円台は7月29日を最後に一度も抜けていない水準でもあり、やはり
意識される水準です。多くの市場参加者も、ここを抜けたらトレンドが変わる
と見ているレベルでもあります。
テクニカルではドル上昇を示唆していますが、それでも、以前にも触れました
が「年1回の利上げ」という材料だけで、このまま105円を超えていく力が
あるのか懸念も残ります。
先週末の雇用統計発表後の動きでも、NFPが予想を下回ると102円台後半
まで下押しされるなど、市場もいまいちドル高トレンドへの流れを信じきれて
いない状況です。
明日発表される、シカゴ先物市場の10月11日(火)時点での建て玉で、
どの程度円買いポジションが減少しているのかを見極めたいと思います。
9月20-21日に開催されたFOMC議事録が公表されました。
利上げの時期に関しては特に手がかりはありませんでしたが、メンバーのう
ちカンザスシティー、クリーブランド、そしてボストン連銀の3名の委員が政
策金利据え置きに反対票を投じたことが明らかになりましたが、これは既に判
明しており新鮮味はありません。
多くのメンバーが、経済見通しに対する短期的なリスクはほぼ均衡している
との判断で、今回の据え置きは「ぎりぎりの判断」(ブルームバーグ)だった
ことが分かりました。
さて、104円台で戻ってきたドル円ですが、やはり水準が水準だけに東京タ
イムでは売られる場面もありそうです。
それでも103円台後半か、104円台を維持して留まっているようなら、海
外市場でもう一段のドル高もあり得るのではないかと考えています。
予想レンジは103円70銭~104円80銭程度とします。

- [2016/10/13 08:48]
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ドル円104円台を維持できず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
上値は重く、株価の下落にドル売りが進む。103円17銭
までドル安が進み、103円台半ばで取引を終える。
あったが、動きは緩慢。
アルコアの決算が不調だったことが響いた。ダウは200ドル下げ、
1万8000ドル台で一進一退。
抑える。長期金利は1.76%台へと上昇。
需給は改善しないとの見方から売られる。
本日の注目イベント
昨日の東京時間に、株価の上昇を好感し104円台に乗せる場面もあったドル円
でしたが、NY市場では104円台はおろか、株価の急落に103円台前半まで
押し戻されています。
先週記録した104円17銭という、「直近高値」が意識されたものと思われま
す。米長期金利が上昇していることから、ここからドルが大きく売られる地合い
ではないと思われますが、100円-105円のレンジが、102-107円の
レンジに転換するのかどうかの岐路に差し掛かっていると見られます。
注目されている一目均衡表の「雲」は、結局抜け切れてはいない状態です。
104円台をしっかり固め、翌日の取引が104円台で始まれば「雲抜け」が
完成しますが、今のところはまだ実現していません。
この先、101円~102円台までドルが売られるようだと、再び上値が重くな
り、「今回も雲抜けに失敗」したことになり、再び昨年12月から続く下落トレ
ンドに戻ることになります。
その意味でも102円~103円台は重要なレベルと言えます。
それでも市場を取り巻く環境を見ると、米長期金利は一時の1.4%台から
昨日は1.76%台まで上昇しており、原油価格も反落したとはいえ、50ドル
台を維持しています。
米大統領選でも9日の第2回テレビ討論では、トランプ氏は自らの発言から支持
率を落としたと見られ、クリントン大統領の可能性が高まっており、こちらもひ
とまずリスクを回避できたと思われます。
このように見ると、今後ドルが反発する素地は徐々に出来つつあるように思われ
ます。あとは、ルー財務長官あたりからドル高をけん制する発言が飛び出さなけ
ればいいと思いますが、15日の土曜日は米財務省が半年次為替報告書を議会へ
提出する期限です。財務省、議会などから予想外の発言が出ないとは限りません。
本日はダドリーNY連銀総裁の講演に注目が集まります。
やや軟調な9月の雇用統計でしたが、12月の利上げを排除するほどのインパク
トはなかったと思いますが、どのような発言をするのかを見守りたいと思います。
ダドリー総裁は8月には「9月利上げもあり得る」と発言したこともあり、利上
げには積極的な立場を取っていると見られます。
昨日1万7000円台を回復した日経平均株価も、どうやら「1日天下」に終り
そうな気配です。前日比300円程度の下げ方をするようだと、103円割れを
試す場面があるかもしれません。
本日は102円80銭~103円80銭程度を予想したいと思います。

- [2016/10/12 08:42]
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WTI原油価格4カ月ぶりに51ドル台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
や株高が進んだことからドル円は上昇。103円79銭までドルが
買われ、先週末の水準を回復。
1. 11の節目を割り込むのかどうかが注目される。
受けて、エネルギーセクターが上昇を牽引。ダウは88ドル高で
取り引きを終える。
合意する意向を示したことで買われ、約4カ月ぶりとなる51ドル台に。
本日の注目イベント
先週末の雇用統計を受けて、ドル円は102円台後半まで下落したものの、
昨日のNYでは、コロンバスデーのため薄商いの中、株高、原油高を好感
しドル円は再び103円台後半まで反発しています。
原油価格は、約4カ月ぶりとなる51ドル台前半まで上昇し、ここを起点
にややリスクオンの流れが拡大した格好です。
WTI原油価格は9月19日の43ドル台前半を底値に急反発しています。
OPEC総会で減産合意に向け議論が進んでいたことが背景でしたが、
昨日はロシアのプーチン大統領が減産合意に「加わる用意がある」
と述べたことで買われ、さらにサウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資
源相が、原油価格が年内に60ドルに達するのは「考えられないことでは
ない」との見方を示したことが買いを勢い付かせました。(ブルームバーグ)
約4カ月ぶりの51ドル台乗せは、エネルギー株の上昇を誘い、これが株
価全体のセンチメントを好転させています。
ドル円も素直にこの動きに反応したものと思われます。
103円79銭までドル高が進み、先週金曜日の雇用統計発表後の高値に
迫る水準までドルが買われています。
9月の雇用統計はやや意外でした。
NFPは15万6000人で、失業率は5.0%。いずれも予想よりも悪
化しています。
先週発表された失業保険申請件数やISM製造業、非製造業などの結果か
ら堅調な内容を予想していましたが、下振れしてしまいました。
ただそれでも15.6万人は許容範囲と言え、今後も米労働市場では
緩やかな拡大が続くという見方に変化はありません。
雇用統計の前日に104円台までドル高が進み、「日足の雲抜け完成」
と見ましたが、厳密に言えば、金曜日のローソク足は「陰線」で引けてい
るため、形の上での「雲抜け」は完成されていません。
現状では雲の出口でもみ合っている状況です。この点には注意が必要で、
今週の動きを確認する必要があると考えています。
11月のFOMCでの利上げは考えにくいと思いますが、依然として1
2月の利上げの可能性は高いと思います。
ただそれでも「今年1回の利上げ」ということで、それだけではドルの
本格的な反転には力不足と言えます。
今回はひとまず100円割れを回避して104円台まで上昇したドル円
ですが、今後の方向性を確認するには、いましばらく動きを見極めなけ
ればなりません。
本日は再び104円台を試しにいくのかどうかを注視ながら推移を見た
いと思います。予想レンジは103円~104円20銭程度と見ます。

- [2016/10/11 08:53]
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ドル円続伸し104円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は続伸し104円台に。原油価格が50ドル台に
乗せ、長期金利も上昇。失業保険申請件数の減少も本日の
雇用統計への期待につながり、104円17銭までドル高が進む。 - ドル高が進んだことでユーロは緩やかに下落。1.1140まで
売られたが勢いは見られず。 - 株式市場は小幅に反落。朝方はプラスで推移したものの、
利上げへの警戒感からダウは12ドル安で取引を終える。 - 債券相場は5日続落。利上げ観測が重石となり売りが
優勢に。長期金利は1.73%台まで上昇。 - 金は売られ1253ドル台に。原油は在庫の減少に加え、
大型ハリケーン「マシュー」の影響もあり50ドルの大台に乗せる。 - 新規失業保険申請件数 → 24.9万件
本日の注目イベント
- 日 8月景気動向指数
- 中 中国 9月外貨準備高
- 独 独8月鉱工業生産
- 英 英8月鉱工業生産
- 英 英10月貿易収支
- 米 8月雇用統計
- 米 8月消費者信用残高
- 米 IMF・世銀年次総会
- 米 フィッシャー・FRB副議長講演
- 米 ロレッタ・クリーブランド連銀総裁講演
- 米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
- 米 ブレイナード・FRB理事講演
- 加 カナダ9月失業率
ドル円はついに104円台まで上昇しました。昨日のこの欄でも述べた様に、
ドル買い条件が揃ってきた上に、昨日は新規失業保険申請件数が25万件を
割り込み、24万9000件と、1973年以来の低水準を記録したことで、
本日の雇用統計が上振れするとの観測につながり、ドルを押し上げています。
ドル円が104円17銭まで買われたことで、「日足」チャートでは「雲抜
け」が完成しています。これは昨年12月24日に雲を下抜けして以来、実
に10カ月ぶりのこととなり、目先のトレンドが転換した可能性があります。
厳密に言えば、まだ「遅行スパン」が雲の下限にあるため、この先ドルの上
昇を止められる可能性も残っていますが、本日の雇用統計次第ではここも抜
ける可能性があります。
こうなると、105円が最も近いレジスタンスになろうかと思いますが、そ
の前に120日移動平均線が104円50銭手前にあります。
従って、104円の半ばから105円が重要な「抵抗帯」と言うことになり
ます。本日の雇用統計でこの水準をしっかりとクリアできれば、100円前
後が目先の底値だったと言えるでしょう。
ドルにとって好条件が揃ってきたため、利上げ観測が高まり、ドル円を押し
上げていますが、それでも12月の利上げ確率はブルームバーグが伝えると
ころでは64%程度です。
12月に利上げしても、これで「年内1回」ということになり、当初4回見
込まれていた利上げ回数からは大きくは減少したことになります。
ここからは2017年に何回利上げできるのかということが、徐々に焦点に
なって来ると思われます。
来年は3回程度の利上げができるということになれば、ドル円も年末から来
年にかけて110円を試す展開も予想されます。
本日の雇用統計では、NFPは17.5万人が見込まれていますが、これま
での経済指標の結果を見ると、仮に予想から外れたとしてもそれは、下方で
はなく上方の可能性が高いと見られます。
上でも述べたように、ここで105円を突破できるかどうかが焦点の一つで
す。
来週月曜日は祝日のため、東京市場はお休みです。
注意したいのは9日(日曜日)に大統領候補の第2回テレビ討論会が開催さ
れることです。
トランプ氏が起死回生の攻撃に出て、「トランプ氏優勢」になるようだと株
価が下げ、ドルが売られることも考えられます。「週末」だけではなく、
「週明け」にも注意が必要です。予想レンジはやや広めに、103円30銭
~104円80銭程度とします。
============================
北海道では既に初雪も観察され、紅葉も見られるようです。
今年は沖縄、九州地方や、東北から北海道にかけては台風による被害が
甚大で、関東地方は珍しくほとんど被害にあっていません。
気温の上昇が台風の進路にも影響しているようです。
良い週末を・・・・・。
- [2016/10/07 09:50]
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ドル円一段と上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は103円台に乗せ、103円67銭まで買われた。
ISM非製造業景況指数が事前予想を大きく上回ったことが
利上げ観測につながり、ドルを押し上げた。 - ユーロドルは引き続き動意を見せず、1.12を挟んだもみ合い。
ユーロ円が116円台前半と、約2カ月半ぶりの円安水準に。 - 株式市場は反発。利上げ観測は高まったものの、米景気
そのものへの楽観論が台頭。ダウは112ドル高で、主要指数は
揃って上昇。 - 債券相場は4日続落。良好な経済指標に売りが優勢
となり、長期金利は約3週間ぶりに1.7%台まで上昇。 - 金は続落。原油価格はハリケーンの影響も予想され
50ドルに迫る。 - 9月ADP雇用者数 → 15.4万人
- 8月貿易収支 → -407億ドル
- 9月ISM非製造業景況指数 → 57.1
本日の注目イベント
- 豪 豪8月貿易収支
- 欧 ECB議事要旨
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 G20(ワシントン)
- 加 カナダ8月建設許可件数
ドル円は連日上値を切り上げる形で、103円台半ばまで上昇してきました。
米経済指標が上振れし、連銀総裁の相次ぐタカ派発言に、米長期金利が
1.7%台まで上昇し、これがドル高を演出している構図です。
昨日のNY市場ではADP雇用者数は予想を下回りドルが売られる場面も
ありましたが、その後に発表されたISM非製造業景況指数が予想を大きく
上回ったことがドルの続伸につながりました。
利上げ観測の高まりから連日、安全資産の債券が売られ、市場はにわかに
リスクオンの流れに傾き、これが円売りにつながっていると言えます。
足元ではドル円で、円安が進んでいるだけでなく、対ユーロや豪ドルでも
円の下落が顕著です。
9月のISM非製造業景況指数は「57.1」で、昨年10月以来1年ぶりの高水準です。
項目別では、ここでも雇用指数が前月の「50.7」から「57.2」と大きく伸びており、
先日の製造業景況指数と同様な傾向を示しています。
ここから推測すると、明日の雇用統計もまずまずの数字が予想されます。
ただ、今回の数字の上振れは先月の反動によるものだとの見方もあります。
良好な経済指標に加え、要人発言でも引き続きタカ派的な発言が飛び出して
います。
リッチモンド連銀のラッカー総裁は前日に引き続き、「金利をもっと急速に引き上げる
強い論拠がある」と述べ、シカゴ連銀のエバンス総裁も「11月にも利上げはあり得る」
との認識を示しています。
経済指標の上振れ、相次ぐ連銀総裁のタカ派的な発言、さらには金利の上昇に
原油高も加わり、これだけ材料が揃えばドルが買われるのも無理はありません。
むしろ、では何故9月のFOMCで利上げをしなかったのかと考えてしまいます。
これで、12月の利上げはさらに確実性を増したと思われますが、この利上げが
11月のFOMCへと前倒しになるのかどうかが次の焦点です。
個人的にはまだドルの上昇を全面的に支持するわけにはいかないと思っていますが、
テクニカルでは非常に重要な局面にさし掛かって来ました。
すでに、今年の2月のドル高値から描くことの出来る「レジスタンスライン」を
上抜けしてきました。この上抜けは、もちろん今年初めてのことです。
ひょっとすると、ドルの底値を確認した可能性もあるかもしれません。
現時点ではまだ日足の「雲」を明確に上抜けしてはいないため、今日と、
明日の相場次第では、こちらも上抜けして、トレンドの転換を示すことになる
のかもしれません。
こうなると明日の雇用統計が益々大きな意味合いを持ってきます。
ここで一気に104~105円を試すようだと、上記トレンドの転換が
確認されることになり、下振れするようだと再びレンジ内取引に押し戻される
ことになるからです。
本日は102円80銭~104円程度を予想します。
- [2016/10/06 09:25]
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連銀総裁発言にドル上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は続伸し、103円に迫る水準までドル高が進む。
地区連銀総裁が利上げを強く主張したことで、米金利が上昇し
ドル円を押し上げた。 - ユーロドルは1.11台前半まで売られたものの、そこから
切り替えし、1.12台に乗せる。ユーロ円は約3週間ぶりに
115円台まで上昇。 - ポンドが急落し。対ドルで1.27台まで売られ、31年ぶりの
安値を記録。 - 株式市場は利上げ観測が広がり続落。リッチモンド連銀の
ラッカー総裁が早めの利上げを主張したことに反応。
ダウは85ドル下げ、ナスダックも11ポイント下落。 - 債券相場は3日続落。ラッカー総裁の発言を受け、金利高に
警戒感が広がる。長期金利は1.68%台まで上昇し、ドル高を支える。 - ドルが買われたことで、金は43ドルの大幅安。原油価格は小幅に反落。
本日の注目イベント
- 豪 豪8月小売売上高
- 欧 ユーロ圏11月総合PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏11月サービス業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏8月小売売上高
- 英 英9月サービス業PMI
- 米 9月ADP雇用者数
- 米 8月貿易収支
- 米 9月ISM非製造業景況指数
- 米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
- 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 加 カナダ8月貿易収支
ドル円はNY市場で予想以上に値を上げて来ました。
米国の利上げ問題が再び蒸し返され、金利上昇期待からドルが主要通貨に
対して買われた一方、金利上昇を嫌う株式と債券が売られています。債券が
売られたことで、10年債利回りは1.68%台まで上昇し、これがドルを支える
格好になっています。
利上げ観測の高まりは、リッチモンド連銀のラッカー総裁の発言でした。ラッカ
ー総裁は4日、ウェストバージニア州のチャールストンで講演を行い、「インフレ
圧力はまだ先のことであり、理論上の懸念に見えるかもしれない。ただ、慎重
に先手を取ることで実際に事態が起きた後で大幅な行動が必要となるような、
予測困難な状況を回避する一助になり得る」と指摘。「現時点で政策金利を
1.5%以上にしておくべきだろう」と述べています。(ブルームバーグ)ラッカー
総裁はこのように、具体的なフェデラルファンド(FF)金利の水準にまで言及
していました。
早目に利上げすることが、インフレとインフレ期待値の安定に重要な役割を
果たすと述べたことで、前日のメスター・クリ-ブランド連銀総裁に次ぐ、タカ
派的な発言に市場が反応した形です。メスター総裁は、9月のFOMCでも利
上げを主張した経緯がありますが、ラッカー総裁が利上げに前向きな発言を
したことで、12月の利上げの確率は高まってきたようです。
それでも11月のFOMCでの利上げの可能性は極めて低いと思います。11
月8日に大統領選を控えて、利上げをするには極めてタイミングが悪すぎる
と思われます。そうだとすると、利上げ観測が高まったとはいえ、年内1回の
利上げが順当なところになります。年内1回の利上げだけではドル高への影
響は限られると思っていますが、どうでしょう。
103円台に迫る水準までドルが反発して来ましたが、ここからさらに上昇すれ
ば100-103円のレンジが抜けることになります。103円台に乗せただけで
は「上抜け」したかどうかは判断できませんが、7日には雇用統計が控えており、
この内容次第では104円台もあるかもしれません。
こうなると、テクニカル的にも『上抜け』が完成したと見られ、一段の上昇がある
かもしれないため、ドル安を予想している投資家は注意が必要です。もっとも、
内容が悪かった場合には、再び101円台から100円台に戻ることも十分考え
られます。
本日は約3周間ぶりに103円が見られるかもしれません。仮にそうなった場合、
どの程度ドル売り需要が出てくるのか、興味のあるところです。本日のレンジ゛
は102円30銭~103円30銭程度を予想しますが、103円台に乗せたまま
海外市場にバトンタッチできるようだと、もう少し上値があるかもしれません。
- [2016/10/05 09:35]
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ドル円小動きながらも堅調
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ISM製造業景況指数が市場予想を大きく上回ったことから、
利上げに追い風となり101円66銭までドル高が進む。
1.12台前半から半ばで推移。
利上げに対する警戒感が広がり、ダウは54ドル下げ、
他の主要指数も揃って下げる。
長期金利は1.62%台まで上昇。
場面も。引け値は48ドル81セント。
本日の注目イベント
昨日のNY市場でもドル円は動意がなく、値幅も35銭程度でした。
101円台でもみ合いが続くというよりも、市場参加者は「動かない」と決めこんで
いるような雰囲気です。もっとも、これはドル円に限らずユーロドルはもっとその傾
向が顕著で、日経平均は1万6000円台で、さらにNYダウも1万8000ドル台
で、いずれも一進一退が続いています。
この中でもどれかが一方向へ大きく値を飛ばせば、その影響から動意をみせることも
ありそうですが、なかなかきっかけが掴めない状況です。今週は特に週末に雇用統計
を控えていることもあり、よりその傾向が強いと思われます。
NY市場では9月のISM製造業景況指数が発表され、事前予想の「50.4」に対
して「51.5」と良好でした。この指数は「50」が分岐点で、「50」を上回れ
ば好調とされていますが、前月は「49.4」でした。
項目別でも生産は「52.8」と、前月の「49.6」から大幅に伸びています。
また雇用も拡大が続いていることを示していました。
この指標を受けて利上げ観測はやや高まっていますが、それでも市場が予想する
12月の利上げ確率は60%程度です。
9月のFOMCで利上げを主張した三人のうちの一人であるクリーブランド連銀のメ
スター総裁は、米経済に利上げの機が熟していると述べ、米大統領選に近い日程では
あるものの、11月のFOMCも「ライブ」の会合とみるべきだとの見解を改めて示
しました。メスター総裁は、米国の成長率は2016年後半に上向き、インフレ率は
向こう数年かけて当局の目標とする2%に向うと予想しているとも述べています。
(ブルームバーグ)
本日も材料的には動かすものがないため、緩慢な相場が予想されます。
レンジは101円20銭~102円20銭程度でしょうか。
102円台に乗せる力があれば、新たな動きが出てくる可能性もあります。
102円50銭以上には、徐々にストップの買いも入り始めているとの情報
もあります。

- [2016/10/04 08:43]
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ドイツ銀問題ややリスク後退
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
株価が急反発したことから安心感が広がりドルが上昇。
101円45銭の高値を付け、25-35銭で引ける。
低い制裁金で合意するとの憶測が広がり株価が上昇。
ダウは164ドル上昇し、他の主要指数も揃って反発。
1.59%台へと上昇。
本日の注目イベント
ドル円は101円を中心に上下80銭くらいのレンジをさまよっている様です。
売り買いとも決定的な材料が見つけられず、比較的長いもみ合いが続いて
います。
この日のNY市場では、懸念されていたドイツ銀行の住宅ローン担保証券
(RMBS)問題で、当初見込みよりも低い制裁金で米司法省との合意が近い
との報道に反応し、NY株式市場が急反発し、リスクオフモードが後退。ドル
円も101円台半ばまで買い戻されています。
市場は米利上げ時期を材料にしにくくなっており、日銀の量から金利への
政策変更も不透明なことから、何か他の材料を探している状況です。
ドルの上値が重い中、100円台前半ではドルも底堅さを見せ、上下とも
どちらか一方には動きにくい展開です。
7月末以降、ほぼ100-104円の狭いレンジが続いており、市場参加者
も徐々にストレスを感じ始めているのではないでしょうか。
今週は5日(水)にADP雇用者数が発表になり、7日(金)には雇用統計
が出ます。
今週はひょっとしたら上記レンジをどちらかに抜ける可能性に期待したいと
思います。現在17万5000人程度と予想されている9月のNFPですが、
これが仮に20万人を大きく超えても、年内2回の利上げにはつながらない
でしょう。11月のFOMC開催日程が、大統領選に極めて近いからです。
一方、NFPが10万人程度ということになると、12月利上げも危ぶまれ
ることにもなりかねません。
このように考えると、まだ、ドル下落の方がリスクは高いと言えそうです。
もっとも材料はそれだけではありません。
今月は9日(日)にクリントン氏とトランプ氏の第2回テレビ討論が行われ
ます。第1回の討論会では、終始冷静なクリントン氏に軍配が上がったイメ
ージでしたが、今度は起死回生をはかるトランプ氏が歯に衣着せぬ発言を
復活させるのではないかとの見方もあります。
その結果によっては、翌10日、月曜日の為替に影響が出る可能性がありま
す。10日は日本の祝日にあたり、東京市場は休場です。
市場参加者が極端に減少する11日早朝には注意が必要です。
本日は日本株もやや堅調に推移しそうです。
予想レンジは100円80銭~101円80銭程度を見たいと思います。
朝方発表の日銀短観の内容にも注意したいところです。

- [2016/10/03 08:58]
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