ECBフォワードガイダンス示さず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
長期化が確認されたことで111円60銭までドル高が進む。
ただ、経済指標が不調だったことから111円05銭まで売られたが、
こちらも勢いはなく、111円20-30銭で引ける。
弱いとの認識を示したため、ユーロドルは下落。1.0852まで
小幅にドル高ユーロ安が進行。
資金が流れる。長期金利は2.3%をわずかに割り込む水準に。
本日の注目イベント
ドル円は111円台でしっかりとした動きを見せ、昨日は終日111円
台を割り込む場面も見られませんでした。
注目度の低くなっている日銀会合では、政策変更は当然なく、「展望リ
ポート」では9年ぶりに景気判断を「緩やかな拡大に転じつつある」と
上方修正しました。
大手コンビニ各社が商品の値下げに踏み切り、イオンも多くの生活用品
を値下げしています。デフレからの脱却どころか、デフレへの回帰とい
った印象があります。実際の生活面からして景気の「拡大」を感じる人
はそう多くはないと思われますが、どうでしょうか。
ECBは理事会で政策据え置きを決め、記者会見の席でドラギ総裁は
「成長が改善しているのは事実で、状況はますます良くなっている」と
しながらも「基調的な物価上昇圧力は依然として弱く、確信できるよう
な上昇トレンドが見られていない」との認識を示しました。
市場の一部には今回の会合で、将来のテーパリングを示唆する「フォワ
ードガイダンス」があるのではないかといった見方もありました。今週、
ユーロドルが1.09台半ばまで急伸したのは、フランスの大統領選で
安心感が広がったこともありますが、ECBの政策スタンスの変化を先
読みした部分もあったものと思われます。
今週はフランス大統領選をきっかけに、月曜日から「窓あけ」を見せ、
円は主要通貨に対して大きく売られました。
ドル円も111円台後半まで円安が進み、前の週とは市場センチメントが
大きく異なります。
ただ、それでもリスクという観点から見た状況はそれほど変わってはいな
いと思います。
フランス大統領選ではマクロン候補が決戦投票では圧勝するとの見方でし
たが、同候補が、有名レストランで「祝勝会」を開いたことに批判の声が
上がっており、一方のルペン候補は国民戦線の代表を辞任すると共に、支
持率を伸ばすため精力的に選挙運動を行っていると報じられています。
マクロン候補が勝利する確立は高いと思われますが、最後まで分かりませ
ん。
北朝鮮問題に関しては言うまでもありません。米国の戦力が朝鮮半島付近
に集結し、一触即発の状況です。昨日はホワイトハウスに上院議員100
名を集め、北朝鮮への圧力をさらに強めた格好です。
米国から先制攻撃を仕掛けることはないと思いますが、一方で北朝鮮が何
らかの軍事行動を起こせば、米国は直ちに応酬する準備は整っています。
もちろん、中国を仲介役とした外交的な解決の可能性もあると思いますが、
果たして、キム・ジョンウン政権がそのような柔軟な姿勢を見せるでしょ
うか。懐疑的にならざるを得ません。
本日のドル円は110円70銭~111円70銭程度を予想しますが、米
GDPの結果次第ではどちらにも抜ける可能性はあります。ただ上記レン
ジを抜けても上値は112円台前半程度ではないかと思います。やはり下
方リスクの方が大きいと予想します。

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- [2017/04/28 08:56]
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ドル円上値は重いものの底堅く推移
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は底堅い動きを見せ、NY市場では111円78銭まで
ドル高が進む。税制改革の概要が発表されたが、詳細が不明だった
ことで、目先の材料出尽くしとの見方から110円87銭までドル売りが
進み、111円前後で取引を終える。 - ユーロドルは1.08台半ばまで売られたものの、その後反発し
1.09台前半に。本日のECBの政策発表やドラギ総裁の会見が
注目される。 - 株式市場はプラスで始まったものの、税制改革の詳細が不明だった
ことから午後に下げに転じる。ダウは21ドル下落。 - 債券相場は1週間ぶりに反発。トランプ政権の税制改革に懐疑的な
見方も出て債券は買われた。長期金利は2.30%台に低下。 - 金は3日続落。原油価格はほぼ変わらず。
本日の注目イベント
- 日 日銀金融政策決定会合
- 日 黒田日銀総裁記者会見
- 中 中国 3月工業利益
- 独 独4月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 欧 ユーロ圏4月景況感指数
- 欧 ユーロ圏4月消費者信頼感(確報値)
- 米 3月耐久財受注
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 3月中古住宅販売成約指数
- 米 企業決算 → インテル、アマゾン、マイクロソフト、アルファベット、スターバックス
ドル円は111円台半ばからは上値は重かったものの、111円台前半では底堅い動きを見せ、NY市場では一時111円78銭までドルが買われる場面もありました。直近高値の111円58銭を上回ったことで112円台への期待も膨らみましたが、そこを頂点に111円割れまでドル売りが優勢になっています。ホワイトハウスが税制改革の概要を発表しまたが、財源をどのように賄うかについては触れていませんでした。
米史上「最大の減税」と伝えられた税制改革の骨子は、コーン国家経済会議委員長とムニューシン財務長官が公表しました。法人税減税と個人の所得減税がその柱になっており、法人税は15%に、個人所得税も現在7段階ある税率を3つに集約するようです。また米企業が海外に保有する利益、およそ2兆6000億ドル(約290兆円)に対する1回限りの課税も含まれているようです。(ブルームバーグ)
問題はその財源です。これまでは国境調整税をその財源にあてるのではないかと見られていましたが、同税制の適用は今回見送られているようで、今回の減税でざっと2兆ドルの減収になると見られている原資の出所が注目されます。財源を国債の発行で埋めるとすれば、国債増発→国債価格の急落→長期金利の上昇とつながり、ドル高が見込まれることになります。ホワイトハウスは減税により経済成長を高め、その結果税収が増えると見込んでいるようですが、果たしてうまくいくのかどうか未知数です。
5月7日にフランス大統領選を控え、北朝鮮問題では緊張が続いている状況下でもドル円は底堅い動きを見せています。昨日のNYでは110円台後半まで下げる場面があったものの、今朝のオセアニア市場では昨日と同じように再び111円台前判で推移しています。為替相場の特徴の一つには、相場は上昇するとある程度の時間と値幅を伴って上昇し、逆に下げ始めると、同じようにある程度の時間と値幅を伴って下落します。これを「トレンド」と言いますが、為替は実にトレンドが出易い動きをし、長い時間上げ下げを頻繁に繰り返すケースはそうありません。だからこそ『トレンドの見極め』が重要だということになります。先週108円13銭までドル安が進んだ動きまでが下落トレンドの継続だったとすれば、今週月曜の「窓あけ」からの動きは上昇トレンドの始まりだったのかもしれません。
今朝の為替の見通しに関するニュースでも、メガバンクの為替担当者の言葉として「ドル円、売る材料がなくなってきた」という文言を引用しています。つい先週まで「ドルを買う材料が見当たらない」と言っていたのがウソのようですが、それでも実際に市場がそのように動く以上、流れに乗るしかありません。「人より少し早く流れに乗り、人より少し早く降りる」、これがコツですが、そう簡単ではありません。本日の予想レンジは110円70銭~111円70銭程度にしたいと思います。
- [2017/04/27 11:21]
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ユーロ圏景気回復観測からユーロドル1.09台を回復
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は111円台を回復。日米で連日株価が大幅高を演じ、
米金利も上昇したことで111円19銭まで一気にドル高が進む。
緊張が高まる北朝鮮でも特に目だった動きもなかったことで、リス
クオフムードが後退。 - ユーロドルは1.09台半ばへ続伸。ECBがユーロ圏の景気
見通しに明るい見解を示す可能性があるとのリポートを受け、ユー
ロ買いが強まった。ユーロは対円でも121台半ばまで買われ、1
カ月半ぶりのユーロ高を記録。 - 株式市場は大幅に続伸。減税期待が広がった上、経済指標も良
好で、ダウは連日200ドルを超える上昇。ナスダックも41ポイ
ント上昇し、史上初となる6000ポイントの大台に乗せる。 - リスクオフムードが後退したことで債券は続落。
長期金利も一時は2.34%台まで上昇。 - ドル高が進み金は続落。原油は1週間ぶりに反発。
- 2月ケース・シラ-住宅価格指数 → +5.85%
- 4月リッチモンド連銀製造業指数 → 20
- 2月FHFA住宅価格指数 → +0.8%
- 3月新築住宅販売件数 → 62.1万件
- 4月消費者信頼感指数 → 120.3
本日の注目イベント
- 豪 豪第1四半期消費者物価指数
- 米 企業決算 → P&G、ツイッター、ボーイング
- 加 カナダ2月小売売上高
「リスクオフムード」が急速に後退しています。昨日25日は北朝鮮人民軍創建85周年に当たる日で、一部には「Xデー」と目されていましたが、大規模な砲撃訓練はあったものの、核実験やミサイル攻撃もなく、市場には安心感が漂っています。そのため日米では株価が連日大幅な上昇を見せ、NYダウは2日間で450ドル程上昇し、再び2万1000ドルに手が届く水準まで上昇して来ました。フランス大統領選と北朝鮮のミサイル攻撃への脅威から買われていた円は、急速にその「任務」を終えたかのように売られ、昨日のNY市場では111円19銭まで円安が進み、先週の108円台前半から3円も下落しています。
安全通貨の円は、昨日の海外市場では全面安の展開となり、ユーロ円では121円台半ばまで円安が進み、対豪ドルでも83円台後半まで円は売られて来ました。円買いポジションの大規模な巻き戻しが起こっていると見られますが、ストップを巻き込んでの円売りドル買いもあったようです。
ただ冷静に考えると、フランス大統領選ではルペン氏が巻き返すことも想定できるうえ、北朝鮮問題も引き続きにらみ合いが続いている状況です。昨日は原子力潜水艦「ミシガン」が韓国の釜山に入港しており、北朝鮮ににらみを利かせています。攻撃型ミサイル「トマホーク」154発を搭載できる原子力潜水艦「ミシガン」が臨戦態勢を敷いている以上、北朝鮮も安易に挑発行為には出にくいと思われ、長期戦になる可能性も出てきました。
このような状況の中、株価の急騰劇や円が大きく売られる動きには簡単に追随するわけにはいきません。市場はやや楽観的になりすぎているようにも思え、利益を取れるものはしっかりと確定しておくべきでしょう。ドル円は111円台前半までの戻しは想定内です。テクニカルを見ると、「月足」では雲の入り口でサポートされた格好となり、「日足」でも、結局200日線が抜け切れずに反発した形になっています。
本日も米国の株高と円安から日本株は上昇すると見られます。日経平均株価も1万9200~300円辺りまで上昇する可能性があります。それに伴ってドル円も買われるかも知れませんが、目先はNYの高値である111円20銭前後と、仮にこの水準を抜けたら4月10日の高値である111円58銭辺りが意識されそうです。北朝鮮関連にも目配りしながら、110円50銭~111円50銭程度を予想します。
- [2017/04/26 10:13]
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NYダウ200ドルを超える上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は、NY市場では依然として上値は重く110円台は
維持できず。株価や長期金利の上昇にも、109円67銭
近辺まで売られる。
堅調に推移。昨日の早朝には1.09台に乗せたが、NYでは
終始1.08台で底堅く推移。
日欧で株価が上昇したことを好感。ダウは216ドル上昇し、
2万700ドル台を回復。
など、依然としてリスクが残っているとの認識から下げ幅は徐々に
縮小。長期金利は2.27%台へと小幅に上昇。
観測から続落し、約1カ月ぶりの安値まで売られる。
本日の注目イベント
注目されたフランスの第一回大統領選では、事前調査どおりマクロン候補と
ルペン候補が2週間後の決戦投票に進むことが決まり、市場には安心感が
広がり、ユーロは主要通貨に対して全面高の展開でした。
一方、円やドルは売られ、ドル円も昨日の早朝には110円台半ばまでドル
高が進みましたが、依然として地政学的リスクや政治的リスクは払拭されて
いない足もとの状況では、ドルの上値は抑えられる展開でした。
24日公表のフランス大統領決戦投票に関する調査では、マクロン候補が6
1%対39%でルペン候補を破るとの予想が示されています。
今回の選挙で3位だったフィヨン氏と5位だったアモン氏は、共にマクロン
支持を表明しています。ただ4位のメランション氏がルペン候補を支持する
のかどうかは不明のようです。
このままいけば、5月の決戦投票では「マクロン大統領誕生」の可能性が高
いと思われますが、ルペン候補の巻き返しも予想される上、昨年6月のイギ
リスの例もあり、現時点では「まだ五分五分」と考えておいた方が無難かと
思われます。
ひとまず目の前の政治的リスクはクリアしたことにはなりますが、上で述べ
たように、まだ決戦投票が残っています。さらに本日25日は朝鮮人民軍創
建85年の節目にあたります。北朝鮮からのミサイルの脅威が迫っているの
も事実のようです。昨日、トランプ大統領は安倍首相だけではなく、中国の
習近平主席とも電話会談を行ったと伝えられています。
電話会談では、朝鮮半島の非核化に向けた連携で一致したようですが、今の
ところ北朝鮮は挑発行為を止める気配はありません。
米国だけでなく、中国との関係を悪化させることになると、北朝鮮は経済的
にも孤立することになり、常識的に考えると「勝ち目のない戦」ということ
になり、北朝鮮からの攻撃開始は考えにくいということになります。
一方米国にしても攻撃を仕掛けることは得策ではないはずです。
どちらも出来れば「外交的解決」を望んでいるものと思いますが、そうなる
とますます中国の役割が重要になってきます。
本日は北朝鮮情報に耳を傾けながら、日本株の行方を見守る展開になります。
突発的なニュースが起きない限り、ドル円の下値は限定的かと思われ、逆に
動きにくい展開にもなりそうです。
レンジは109円30銭~110円30銭程度を予想します。

- [2017/04/25 08:52]
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仏大統領選を受けユーロ急伸
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
発表するとの報道で119円38銭まで上昇したものの、フランス
大統領選を控え上値も重い展開だった。
やや買いが優勢に。
ダウは30ドル下落。
売りがやや優勢に。長期金利は2.48%台へ。
本日の注目イベント
フランス大統領選の第一回投票の結果は、ルペン氏とマクロン氏が決戦投票に
進む見通しになったことが判明し、早朝のオセアニア市場ではユーロが急伸し
ています。ブルーヌバーグの取引画面では、ユーロドルは1.0937辺りま
で上昇し、ユーロ円も120円90銭台まで買われています。
ドル円も一気に110円を回復し、110円64銭まで円安が進んだようです。
EU残留を訴えるマクロン氏が決戦投票に進出することで、ひとまず最悪の事
態は避けられたといったところです。
第一回投票の開票率3分の1超の段階で、ルペン氏の得票率が24.3%で、
マクロン氏が22.2%と伝えられています。最終的な数字は変わる可能性が
あるものの、上位二人は確定し、フィヨン氏は既に敗北宣言を行ったようで、
メランション氏は4位の18.1%ながら、敗北は認めていないとブルームバ
ーグは報じています。ただ現時点ではルペン氏への支持率がマクロン氏を上回
っています。決選投票は2週間後の5月7日に行われることになっていますが、
フィヨン氏やメランション氏を支持した有権者が、今後上位二人のどちらに流
れるのかまだ予断は許しません。
先週末にトランプ大統領は「水曜日(26日)に税制改革に関する重大な発表
をするつもりだ」と述べました。今週29日で大統領就任100日の節目を迎
えますが、選挙公約であった大規模なインフラ投資と税制改革はいまだに手付
かずの状態です。そのため、トランプ氏の政策実行力に疑問の声も出ており、
これがドル円を108円台前半まで押し下げた一因にもなっていました。
トランプ氏は、「手続きはずっと前から始まっていたが、いよいよ正式に始ま
る」と述べ、「過去のあらゆる減税をしのぐ規模になる」と述べています。
今朝の情報では、政府高官の一人の話として、税制改革には国境調整税は含ま
れない公算が大きいとブルームバーグは報じています。かりにそのような計画
だとすると、大規模減税の「原資」をどこから捻出するのかにも注目しておか
なければなりません。
ドル円は110円台半ばまで上昇しましたが、これはショートカバーによるも
のと推察されます。上で述べたように、まだフランス大統領選でどちらの候補
が勝利するのか分かりません。
また北朝鮮問題でも、明日25日は要注意日に当たる上、この問題が平和裏に、
簡単に解決に向かうとも思えません。従って、ドル円も目先の上値は110円
台後半から111円台前半辺りではないかと見ています。
税制改革やインフラ投資が米景気に好影響を与えるのは、早くとも年後半から
ということになりそうです。
一方でフィッシャーFRB副議長は、年内にさらに2回の利上げが適切との
認識を再度示しています。「政治的、地政学的リスクVS良好な米景気」とい
った構図はまだまだ続く公算が高いと見られます。
本日のドル円は109円50銭~110円80銭程度と、ややワイドな展開を
予想しています。

- [2017/04/24 09:00]
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ドル円米財務長官発言で上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
と発言したことで株価と金利が上昇。ドル円はこれを
手がかりに、109円台を回復し、109円49銭までドル高が
進む。
買われたが、ドル高が進み1.0711まで売られる場面も。
受け、多くの銘柄が買い物を集める。ダウは一時200ドルを超える
上昇を見せたが、引けでは前日比174ドル高。
マクロン氏の支持率が上昇したとの報道が手がかり。
長期金利は2.23%台に上昇。
本日の注目イベント
今週前半には108円13銭近辺まで売られ、108円割れもあろうか
という状況だったドル円は、昨日のNY市場では109円台半ばまで値
を戻しやや安心感も広がっています。
地政学的リスクや政治的リスクに加え、トランプ大統領の政策実行力に
も疑問符が付くようになったことで、ドル売り円買いが活発になったこ
とが背景でした。
昨日はトランプ大統領の政策の柱の一つである「税制改革」に実現の見
通しが出て、これが市場の雰囲気を好転させました。
ムニューチン米財務長官は昨日ワシントンの会合で、「ヘルスケア問題
が片付くかどうかにかかわらず、われわれは税制改革をやり遂げるつも
りだ。かなり早期に大規模な税制改革を打ち出せるだろう」と述べまし
た。(ブルームバーグ)
市場はこの発言に飛びついたところがありますが、気をつけなければ
いけないのが、英文では「by year’s end 」と記されていることで、
「年末までには」と読めることです。今朝のこのニュースに関する記
事では、かなり早期に発表されるとの印象ですが、年末までずれ込む
こともあり得るということは頭に入れて置きたいところです。
ドル円は109円台半ばまで上昇したことで「1時間足」では200
時間の移動平均線を越えて来ました。
この移動平均線が今度は「サポート」になるとすれば、109円15
-17銭あたりが下値のメドとなり、それほど下げないとう見方もで
きますが、日曜日にはフランス大統領選を控えているだけに、予断は
許しません。世論調査では、マクロン候補の支持率が24%に上昇し、
決戦投票ではルペン候補に勝利するとの予想ですが、一方ではシャン
ゼリゼ通りで発砲があり、警察官一人が亡くなっているなど、不穏な中
での大統領選です。何が起きるか分からないと言う意味では、われわ
れは昨年「2度も経験」しているわけです。無理をせずに、高みの見
物でもいいと思います。
「ブラックスワン」を観ることがないとしても、ドル円は110円台
後半からは上値が重いと見ていますが、どうでしょう。
本日のレンジは108円80銭~109円80銭程度と予想します。

- [2017/04/21 08:47]
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ドル円108円台後半でもみ合い
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
まで上昇。ただ前日と同様に、109円台は維持できず108円
90銭近辺で取引を終える。
とする姿勢がさらに強まり、値幅も30ポイント以下に留まる。
エネルギー株を中心に売られる。ダウは118ドル下落し、2カ月
ぶりの安値を記録。一方ナスダックは13ポイント上昇。
上昇。ドイツ国債の利回りが上昇したことや、利益確定の
買いが金利を押し上げた。
いたことを手がかりに大きく売られる。前日比2ドル近い
下落幅を記録し、引け値では50ドル台まで売られる。
本日の注目イベント
108円台前半では底堅い動きを見せるドル円ですが、109円台定着
にはいたっていません。米長期金利がひとまず下げ止まったことを材料
に、NY市場では109円18銭まで上昇したものの、前日の東京市場
でもこの水準で上昇を抑えられたこともあり、108円台後半まで押し
戻されて取引を終えました。
昨日は経済指標の発表もなく、ベージュブックの内容に注目が集まりま
したが、ここでも足元の米景気は強弱入り混じっているとの内容に、特
段材料にはなっていません。
ベージュブックでは、全12地区連銀が景気は拡大しているものの、そ
のペースは「緩慢と緩やかで等しく分かれている」と記述され、「将来
の支出に回す所得が増えているにもかかわらず、自動車以外の個人消費
は軟調だった」と述べられていました。(ブルームバーグ)
108円台前半から109円台前半で、新たなレンジを形成しつつある
ドル円ですが、依然として上値の重い値動きが予想されます。
ペンス副大統領と麻生財務大臣との日米経済対話は、貿易不均衡や
為替問題では懸念されたほど米側からの圧力もなく、具体的な問題につ
いては今後に持ち越されました。
それでも引き続き朝鮮半島での緊張と、欧州の政治的リスクが市場を覆
っており、いずれも、今後の展開次第では為替がどちらにも大きく動く
可能性を秘めています。来週月曜日の午前中にはフランスの大統領選の
結果は判明すると見られますが、北朝鮮を巡る問題は、にらみ合いが続
きそうです。
ドル円は日足の「200日移動平均線」をザラ場では下抜けしたものの、
引け値ベースではまだ抜け切れていません。
このまま上昇し109円台を固める動きになれば、結果的に「200日
線」にサポートされたことになりますが、現時点ではまだ判断できませ
ん。本日はそれほど重要な経済指標もなく、朝鮮半島の動きと、フラン
ス大統領選の支持率の変化に目を向けることになります。
ユーロが対ドルでも、対円でもやや反転の兆しを見せている一方、豪ド
ルは軟調な動きになっています。
オーストラリアの労働市場の不透明さが豪ドル売りを誘っていると見ら
れます。
本日のドル円は108円30銭~109円30銭程度と予想します。

- [2017/04/20 08:59]
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ドル円109円台を維持できず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
金利低下や株安に反応し、108円台前半までドルは下落。
約3週間ぶりのユーロ高に。
表明したことで、対ドルでは1.29台に乗せる。
ことで大幅に下落し、ダウ全体の足を引っ張った。ダウは113ドル安で
取引を終える。
朝鮮半島での緊張や、欧州での政治リスクを手がかりに買われる。
長期金利は2.16%台まで急低下。
本日の注目イベント
昨日の東京時間には109円21銭あたりまで上昇したドル円。やはり上値は重く
109円台は維持できなかったばかりか、108円台前半までドル売りが進み、再
び108円割れを試す雰囲気が漂ってきました。昨日のこの欄でも指摘したように、
109円20-25銭に集まっている抵抗帯で上昇を抑えられた格好でした。
朝鮮半島での緊張の高まりやフランス大統領選に加え、昨日はイギリスのメイ首相
が突然「解散総選挙」を行うことを表明し、欧州での政治リスクが高まってきまし
た。さらに、昨日発表された米住宅関連の指標は予想を下回り、消費者物価指数の
伸びの鈍化と伴に、FRBによる利上げ観測もやや足踏み状態です。
これらを材料に米国債には再び資金が向かい、10年債利回りは2.16%台まで
低下(価格は上昇)してきました。
日米金利差の縮小はドルが売られ易いことから、ドル円の上昇力が急速に低下して
いるのが足元の動きです。
また日本株に目を移しても、連日年初来安値を更新しており、東証1部の売買代金
も今週は2日連続で2兆円を大きく割りこんでおり、盛り上がりません。個人も含
め、投資家の多くがリスクに対して身構え、慎重な姿勢を崩していないことが表れ
ています。
このような状態で、ドル円はなかなか浮上のきっかけをつかめない状況です。昨年
12月にはトランプラリーで、118円台半ばまで上昇したドル円でしたが、すで
にその上昇分の半分は吐き出しています。108円を割り込むと105円台も視野
に入ってきそうです。まだ米利上げ観測がなくなったわけではなく、ここがドル下
落の際の支えになっているのも事実ですが、2015年、16年のように利上げ観
測が急速に後退し、「わずか一回」しか実施できないような状況になると「年後半
にかけてドル高が進む」とうメインシナリオそのものが修正を余儀なくされること
になります。
このように、さまざまなリスクが顕在化しており、なかなかドルを素直に買える状
況にはなっていません。まだしばらくは「ドルの戻り売り」が機能する状況が続き
そうです。
本日の予想レンジは108円~109円程度とみますが、108円台を維持できる
かどうかが一つのポイントでもあります。

- [2017/04/19 08:45]
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ドル円108円割れはひとまず回避
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
加え、ムニューチン米財務長官が「長期的なドル高は望ましい」と
発言したことが背景。
日曜日の仏大統領選を見極めたいとする姿勢が強まる。
反動もあり、ダウは183ドル高で2万600ドル台を回復。
下落幅は小幅に留まる。
本日の注目イベント
朝鮮半島の緊張が高まる中、昨日の東京時間にドル円は一時108円13銭
近辺まで売られ、108円割れも視野に入った印象でしたが、NY市場では
何とか持ちこたえ、米財務長官の発言などで109円台までドルが買い戻さ
れています。「リスクオフ」の流れが一旦止まったことで、為替、債券、株
式で巻き戻しの動きが出たものと思われます。
ただ引き続きペンス副大統領が過激な発言を行っており、そのペンス氏と本
日は、日米経済対話が始まることで、まだ円高リスクは依然として残ってい
ると見られます。
ムニューチン財務長官は英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙とのインタ
ビューで、「長期的に見て強いドルは良いことだ」と再び言及しました。
これは就任直後に示した認識と同じものでしたが、「準備通貨」としてのド
ルの価値について述べたものと思われ、先週のトランプ氏の「ドルは強すぎ
る」との発言とは全く相反するものです。ただその真意は、「トランプ大統
領は短期的なドルの強さについて事実に基づく発言を行った」とムニューチ
ン氏は説明しています。
ドル円はこの発言に反応し一時は109円台まで反発しましたが、まだドル
の上値の重さが感じられることに変わりはありません。北朝鮮問題では米国、
北朝鮮がともに強硬姿勢を崩してはおらず、「一触即発」の状況は変わって
いません。とりわけ訪韓中のペンス副大統領の発言は注目されます。
ペンス氏は昨日韓国で記者会見を行い「北朝鮮への戦略的忍耐は終わった」
と発言し、「北朝鮮は大統領の力と決意を試すべきではない」と述べていま
す。さらに中国へも一段と圧力を加え「中国が北朝鮮に適切に対応すると信
じているが、中国が問題に対処しなければ米国と同盟国が行動する」とも述
べています。副大統領であるペンス氏の言葉は、ある意味トランプ氏の言葉
を代弁しているともとれ、米国が北朝鮮に対して依然として強い態度で臨ん
でいることが窺えます。
そのペンス氏が本日来日し、麻生財務大臣と日米経済対話に臨むことになっ
ています。今朝のブルームバーグの報道によると、会合は本日の午後都内で
行われ、日米とも他の閣僚は参加せず、両者で合意した議題を両国に持ち帰
り、各省庁が検討することになっているようです。
本日はさすがに日本株も上昇するものと見られますが、109円台でどこま
でドルが買われるのかに注目しています。109円20―25銭には「雲の
上限」と「120日線」(1時間足)が集まっており、先ずはこの水準をク
リアできるかどうかです。
予想レンジは108円50銭~109円50銭程度と見ます。

- [2017/04/18 08:57]
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ドル円続落し108円台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は米国が北朝鮮への攻撃があるかどうかを意識
するなかで緩やかな下落。108円55銭まで売られ、引き続き
円が買われ易い状況が続く。 - ユーロドルは小動き。1.06台前半で推移し、この日は米株式、
債券市場が休場だったことも値動きを小幅にした。 - 3月消費者物価指数 → -0.3%
- 3月小売売上高 → -0.2%
本日の注目イベント
- 中 中国 1-3月GDP
- 中 中国 3月小売売上高
- 中 中国 3月鉱工業生産
- 米 4月NY連銀製造業景気指数
- 米 4月NAHB住宅市場指数
- 米 フィッシャー・FRB副議長講演
週末には、懸念されていた北朝鮮の核実験は行われなかったももの、北朝鮮はミサイルを発射し失敗に終わっています。北朝鮮からは依然として挑発が続いており、15日の軍事パレードでは「米国が無謀な挑発をすれば即時打撃する。全面戦には全面戦で対応する」といった姿勢を見せています。
米国側も、すでに空母カールビンソンは朝鮮半島に到着したとしており、一部の米メディアは「北朝鮮が核実験場に踏み切った場合、米軍が通常兵器で先制攻撃する準備に入った」と伝えているようです。また、今朝の情報では韓国の黄教安大統領代行と同国を訪問中のペンス米副大統領が17日午後3時から共同記者会を開くと発表しています。米国の、シリアやアフガニスタンに続く攻撃はどうやら避けられない状況になってきた印象です。
ドル円は先週末のNY市場では108円55銭まで売られています。地政学的リスクが高まっている中、前日にトランプ大統領が「ドルは強すぎる」と発言し、さらに週末に発表された3月の小売売上高が2カ月連続で減少していたことで、米景気の持続性に不透明感も出て来ました。
テクニカル上でも重要な日足の200日移動平均線も、先週末には一時的には割り込んでおり、市場のセンチメントは急速に円買いに傾いています。株式市場でも、連日年初来安値を更新する展開が続いており、急速に「リスクオフ」が進行しています。本日も株安ドル安の流れが強まると、108円台前半までの円高があるかもしれません。だだし先週にも触れましたが、地理的にも日本に近い朝鮮半島で「有事」が起きた場合、はたしてこれまで通り、「安全通貨の円を買う」という行動でいいのかどうか、難しい判断です。「有事」の場合には、先ずは円買いで反応するとは思いますが、その後の動きも慎重に見極める必要があります。
本日はやはり上値の重い展開が想定されます。上述のように、朝鮮半島での緊張は高まっています。株価がどのように反応するのかを見ながら、108円~109円程度のレンジを予想します。
- [2017/04/17 09:25]
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ドル円反発するも限定的
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は109円台を回復し、109円39銭近辺まで買われた
ものの、米国がアフガニスタンの「イスラム国」の施設を攻撃した
との報道から反落。109円割れまでドルが売られ、109円
10銭前後で取引を終える。 - ユーロドルは1.06台前半で小動き。対円では115円台まで
売られ、直近安値を更新。 - 株式市場は朝方には前日比プラス圏で推移していたが、
米国の「イスラム国」施設への攻撃が伝わると急落。
ダウは115ドル下落し、2万500ドル台を割り込む。 - 債券相場は地政学的リスクがさらに高まってきたことから
続伸。長期金利は2.23%台まで低下。 - 金は続伸し、一時5カ月ぶりとなる1290ドル台まで買われる。
原油価格も小幅に反発。 - 3月生産者物価指数 → -0.1%
- 新規失業保険申請件数 → 23.4万件
- 4月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 98.0
本日の注目イベント
- 米 3月消費者物価指数
- 米 3月小売売上高
- 米 グッドフライデーのため債券、株式市場は休場
ドル円は昨日の朝方、株価の下落に伴い108円73銭近辺まで売られたが、その後はもみ合いを続け、夕方には109円台を回復。NY市場では109円39銭あたりまで反発しました。ただ、その後は米国がアフガニスタンにある「イスラム国」の施設を攻撃したことが伝わり、株安、金利低下、と再び地政学的リスクが高まり円が買われています。
この日は、ミシガン大学消費者マインドなど、経済指標は良好で、さらに、JPモルガンの好決算があったにもかかわらず、米国が「イスラム国」施設を攻撃したことで、北朝鮮への攻撃もあるのではないかとの観測も高まって来ました。今回米国が使用した爆弾は、核以外では米軍最大の破壊力を持つ大規模爆風爆弾兵器(MOAB)を使ったと伝えられ、このあたりにも、トランプ大統領の「あせり」のようなものを感じます。大統領就任時には演説で、「米国はもはや、世界の警察ではない」と述べましたが、どうやら、米国は再び世界の警察の任務に戻ったようです。
ドル円は注目されていた日足の「200日移動平均線」がある、108円60-70銭の手前で反発しており、この水準が意識されていたことが窺えます。また「月足」でも現在雲の上限に差し掛かっており、この雲の中に入るのかどうかも意識されています。この雲は昨年6月の「BREXIT」に伴い急激な円高が進んだ際にも、しっかりサポートされた「実績」があります。今回も再びこの雲入りを試しており、上記「日足」の200日線と考えると、重要なレベルと言えます。
それにしても、トランプ氏が大統領に就任してからは、予想はしていましたが、円高圧力が強まっています。もともとドル高を受け入れるとは思っていませんでしたが、それでも財務長官のムニューチン氏が「長期的にはドル高は有益だ」と発言するなど、110-120円の水準なら許容範囲なのではないかとの見方もありました。地政学的なリスクの高まりに加えて、「ドルは強すぎる」といった発言で短期的なドル円のレンジは105-110円に下方修正された可能性もあります。
本日は再び軟調な株価の動向が気になります。
NYタイムは株式、債券市場が休みのため、ドル円の値動きも限られると思われますが、米空母は15日にも朝鮮半島付近に到着するとの報道もあり、依然として緊張が続きます。予想レンジは108円50銭~109円80銭程度とみます。
======================================
ウェスチングハウス(WH)。
不正決算で大揺れに揺れた東芝が2006年に買収した原子炉メーカーですが、今や、その名門企業東芝の運命を左右するほどの「重荷」になっています。このウェスチング社をどこに売却するのかを巡って連日紙面をにぎわせています。一方、朝鮮半島に向け航行中の米原子力空母「カールビンソン」も、いつ目的地に到着するのか、こちらも話題に事欠きません。なにしろ映画「トップガン」にも登場した世界最強の空母です。空母には5000人ほどの人が働いており、さながら「動く小さな街」のようだそうです。この「カールビンソン」、動力は原子力です。しかもその原子炉がウェスチング社製というのは、何か奇妙なめぐり合わせです。
良い週末を・・・・・。
- [2017/04/14 09:34]
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ドル円トランプ発言で108円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は一段と下落し、一時108円96銭まで円高が進む。
トランプ氏がWSJ紙とのインタビューで、「ドルは強すぎる」と発言
したことが伝わるとドルは109円台後半から急落。 - ユーロドルは反発。1.05台では底堅く推移し、トランプ氏の発言で
1.0675までユーロ高が進行。 - 地政学的リスクを背景に株式市場は揃って続落。ダウは59ドル下げ、
2万600ドルを割り込む。 - 債券相場は続伸。トランプ氏の「低金利が望ましい」との発言に
反応して買われる。長期金利は2.23%台へとさらに低下。 - 金は続伸。原油は8営業日ぶりに反落。
- 3月財政収支 → -1762億ドル
本日の注目イベント
- 豪 豪3月雇用統計
- 中 中国 3月貿易統計
- 米 3月生産者物価指数
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 4月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
米国による北朝鮮への「攻撃」の可能性が高まり、地政学的リスクの上昇を背景に円が買われる展開が続いていますが、それに加え昨日はトランプ大統領による「口撃」に一段と円高が進み、108円台に入って来ました。
昨日の東京時間にドル円は、一時109円35銭まで売られる場面はあったものの、その後は株価の大幅下落の割には底堅く、NY市場では109円台後半まで反発しましたが、トランプ氏のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙とのインタビューが伝えられるとドル円は急落し、108円台後半まで円高が進んで来ました。
トランプ大統領は「ドルは強くなりすぎていると思う。これはある程度私のせいでもある。人々が私を信頼しているためだ。しかし、これは痛手となっている。最終的に痛手となる」と語っています。支持率が40%を切る中で、「トランプ氏への信頼」と述べることは、やや滑稽にも聞こえますが、市場は素直にドル売りで反応しています。トランプ氏はさらに「中国は為替操作国ではない」とも発言し、「ドルが強く、他国が自国通貨を切り下げている状況で競争するのは極めて難しい」とも述べています。
また、イエレンFRB議長の再指名に含みを持たせるとともに、「低金利政策が望ましい」と語っています。(ブルームバーグ)同氏は、昨年の大統領選の最中から、「大統領に就任したら、その日に中国を為替操作国に認定する」と豪語し、イエレン議長も「交代させる」と言い放っていました。米国の大統領ともあろう人が、こうも軽々と自分の信念を変えるのはいかがなものかと言いたくなりますが、それで市場が動いたのも事実です。
ドル円は早朝に108円92銭までドル安が進み、昨日も述べましたが、いよいよ200日線のある108円62銭近辺が意識される展開になって来ました。日足で200日線を下回るようなことがあれば、昨年11月10日以来ということになり、あの大統領選の翌日以来ということになります。そのような状況になると、市場参加者の相場観もさらに下落を予想するようになり、105円と言う数字が聞こえてくることになります。
市場を取り巻く環境が「円買い一辺倒」に傾きつつある中、忘れてはならないのは米景気の好調さです。年内さらに2回の利上げの可能性も消えたわけではありません。目先円が買われ易い状況であることは事実ですが、このような時こそ冷静に状況を見極める必要があります。本日も円高を理由に日本株は軟調でしょう。既に年初来安値を更新していますが、本日も売り先行で始まると思われ、株価反発のきっかけは見つかりません。結局、NY株式市場が反発するのを待つしかないようです。
予想レンジは108円50銭~109円80銭程度と見ています。
- [2017/04/13 09:43]
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ドル円110円を割り込む
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
割り込むと一気に109円80銭あたりまで下落。北朝鮮問題
など、地政学的リスクが高まり、円が全面高に。引けにかけては
109円台半ばまで円高が進む。
ユーロ円の売りも出て、1.06近辺で推移。
安で終わりダウは6ドル安。一方で「VIX指数」は急上昇。
強硬姿勢を見せたことから買いが優勢に。長期金利は2.29%台
へと急低下。
原油価格も32セント高と続伸。
本日の注目イベント
昨日この欄でも懸念したように、ドル円は110円の大台を割り込み、
大きく円高方向にシフトしました。
シリア情勢に加えて、北朝鮮に対しても米国が軍事行動に出る可能性
が高まったことで、安全通貨の円が全面高の様相です。
ドルの代替資産としての役割がある金も20ドルを超える上昇を見せ、
安全資産の国債も買われ、長期金利は2.3%の節目を割り込んで来
ました。投資家は急速にリスクを回避する行動に出ています。
トランプ大統領はツイッターで「中国が協力しないのなら、われわれ
だけで問題を解決する」と述べ、単独でも行動する姿勢を示していま
す。一方北朝鮮は昨日、最高人民会議を開催し、「核強国、軍事強国
としての威力を強化する」との方針を示しており、朝鮮半島での緊張
が一段と高まって来ました。
米中首脳会談の最中でも、シリアへの攻撃命令を出すなど、トランプ
大統領はいい悪いは別にしても、われわれが想像するよりも強硬で、
決断力があるのかもしれません。
米国が軍事行動に出るのかどうかも重要ですが、同時に中国が北朝鮮
に対してどのような行動を示すのか、あるいはロシアの出方にも注目
が集まります。
ドル円は5カ月ぶりに109円台まで円高が進んで来ました。朝方も
109円54銭まで円が買われ、ユーロ円も116円台前半まで下げ、
豪ドル円も82円目前まで下げています。
円が全面高の展開になっていますが、今回の緊張の高まりは朝鮮半島
での有事の可能性が震源地です。
万が一米国の攻撃に対して北朝鮮も反撃するようだと、日本もその対
象国になることも想定され、果たして円を買っていていいのかという
疑問も出てきます。
これまでの有事は、中東だったり、クリミア半島だったり、日本から
は相当距離を置いての緊張でした。
もし軍事行動が開始された場合には、このあたりのことも頭に入れて
おきたいと思います。
本日は神経質な動きが予想されます。
NY株式市場は結局小幅安で引けていますが、恐怖指数と呼ばれる
「VIX指数」は15まで急上昇しており、本日の日本株も、どこま
で下げるのかというのが焦点です。下値のメドは109円近辺ですが、
これも今後の米国の行動次第です。
予想レンジは109円~110円30銭程度と見ますが、市場が落ち
着いた動きを見せるようだと、110円台への回復もあるかもしれま
せんが、その場合でも
これまでのサポートであった110円10-20銭あたりが、今度は
レジスタンスとして機能することも想定されます。

- [2017/04/12 09:06]
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ドル円111円台半ばからは上昇し切れず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
上値は重く反落。110円81銭までドル売りが進む。
長期金利の低下やフランス大統領選の不透明感が重石に。
高まっているとの報道に、1.0573まで売られる
が増していることで様子見気分が拡大。ダウは1ドル上昇し、
他の主要指標も小幅に上昇。
53ドル台に乗せる。
本日の注目イベント
110円台前半で買い、111円台前半で売るという「レンジトレーディング」が
昨日の東京時間には上抜けしたことで、もしかしたら「レンジブレイク」か、との
期待も膨らみましたが、結局110円台後半まで押し戻されて戻って来ました。
アジアや中東での地政学的リスクの高まりに加えて、フランス大統領選も最後ま
でわからない状況です。無いとは思いますが、「FRXIT」も意識しないわけにはい
きません。
米中首脳会談が終わらないうちに、シリアへの攻撃が始まり、さらに朝鮮半島では
緊張が高まっています。そしてフランス大統領選は2週間を切ってきており、市場
を取り巻く環境が落ち着きません。
そのため円が買われ易い状況が続いています。
110円台前半には「壁」があるかのように、この水準では反発をしますが、ブル
ームバーグなどの情報でも、この110円を挟んだ水準には相当のドル買い注文が
並んでいるとか。しかし、過信してはいけません。為替に絶対破れない「壁」とい
うものは存在しません。一次攻撃では跳ね返されても、何度も繰り返しているうち
に抜けてしまった例はいくらでもあります。
そしてそれらの例は、完全に抜けてしまうと一気に上げ下げを加速させています。
底堅いとは思いますが、注意は必要です。
昨日はイエレン議長の講演がありましたが、市場への影響はなかったようです。
議長はミシガン州で講演を行い、「以前は、われわれは可能な限り活力を米経済に
与えようとアクセルを踏み込まなければならなかったが、現在はアクセルを強く踏
むほどではない」(ブルームバーグ)と述べ、米経済が巡航速度を保っているとの
認識を示しました。利上げに関する発言はなく、年内あと2回の利上げがあるのか
どうかも意見が分かれていますが、直近の金利先物市場から算出される利上げ確
率は、6月が63.2%で、9月も82.9%と高水準を維持しています。さすがに5月
のFOMCでの利上げ確率は13.3%と低くなっています。
本日は特筆すべき材料はありませんが、北朝鮮では最高人民会議が開催されます。
米原子力空母が朝鮮半島に向かっていることから、北朝鮮がさらに態度を硬化させ、
挑発行為に出る可能性も否定できません。最高人民会議がリスク要因だとすれば、
ドル円は再び下値を試す展開が予想されます。
予想レンジは110円20銭~111円20銭程度と見ます。

- [2017/04/11 09:33]
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ドル円111円台で落ち着きを見せる
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は110円台前半まで売られたが底堅く推移。
株価も大崩せず、長期金利も上昇したことで111円台で
取引を終える。
ユーロ安水準を記録。
下げたものの、引け値ではほぼ変わらず。ダウは6ドルの下落に留まる。
下げに転じる。長期金利は2.38%台へと小幅に上昇。
本日の注目イベント
かなりの驚きでした。
金曜日の朝方10時前、それまで111円手前で推移していたドル円が突然下落し
110円14銭まで急落。すぐにその材料を探したところ、「米イラクを爆撃」と
のニュースが流れていました。市場は米中首脳会談の行方を注目していただけに驚
き、ドル売りで反応しました。
ただ市場は比較的落ち着いた動きを見せ、NY市場でも110円台前半までドルが
売られましたが、111円台に戻して越週しています。今回の米国の攻撃は、シリ
アのアサド政権側の化学兵器による一般市民殺害に対するものでした。
トランプ大統領は前日にも「一線をこえた」と語っており、何らかの行動に出るこ
とを示唆していましたが、米中首脳会談の最中だったという点では驚きでした。
今回の行動は中国にも早期に行動するように求めた面もありますが、同時に北朝鮮
に対しても、これ以上挑発を続ければ行動を起こす可能性があることを示したもの
と理解できます。地政学的リスクが高まり、円が買われ易い状況が続きそうですが、
110円台前半では判で押したように反発しています。
この水準は、日足ベースで見ても既に5回も試していますが、押し戻されており、
「相当しっかりしたサポートレベル」と見られます。もちろん、だからと言って抜
けないわけではありませんが、市場参加者の多くが110円台前半で買って、11
1円台前半では決済することを繰り返していると言えます。
米国のシリアへの攻撃でやや存在感が薄れましたが、3月の雇用統計もやや驚きで
した。失業率は4.5%で、予想を2ポイント下回り、約10年ぶりの水準でした。
一方非農業部門雇用者数は、市場予想の18万人を大きく下回る9.8万人でした。
これは米北東部の大雪の影響によるものとの見方もありますが、好調な米労働市場
に減速の兆候が出てきたといった見方も出来、もう数ヶ月の数値を確認しなければ
なりません。
ドル円は110-112円の狭いレンジ内で推移しそうですが、その中でも下値を
試す可能性の方が高そうな気配になっていると思われます。
シリアの報復にも注意が必要ですが、米海軍のカール・ビンソンや誘導ミサイル駆
逐艦、巡洋艦など、当初オーストラリアに向かう予定だった空母打撃郡は朝鮮半島
に向かっているとの報道です。
これに対して北朝鮮がさらに挑発を続けるようだと、一触即発という状況になり、
朝鮮半島での地政学的リスクが一挙に高まることにもなります。
週明けのドル円は111円台前半で推移しており、特に異常な動きは見せていませ
ん。本日の予想レンジは110-111円50銭程度と見ますが、上述のように、
突発的なニュースがいつ飛び込んで来るのか分かりません。
ポジションの保有は慎重に行ってください。

- [2017/04/10 09:14]
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米中首脳会談と雇用統計待ち
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
後半で引ける。株価の上昇やサンフランシスコ連銀総裁の発言を
手がかりにドルが買われたが上昇は続かず。
姿勢を見せたことで1.0638までユーロ安が進む。
ことを好感し、ダウは14ドル高と小幅に上昇。
待つ姿勢が強まる。
本日の注目イベント
ドル円は上値が重い一方下値も底堅く、膠着状態が続いています。
昨日も朝方、株価の大幅下落を見ながら110円29銭まで下落し、110円
割れを意識させられました。
日経平均株価が230円ほど下げた時でも、ドル円は110円40銭近辺で推
移しており、「株価下落の割には、意外に底堅い」といった印象でした。
その後、NY市場では111円15銭近辺まで上昇しましたが、再度110円
台に押し戻されています。
ドル円ロングの市場参加者には「薄氷を踏む思い」をさせながらも、ショート
の投資家には「110円割れは無理なのでは・・」といった印象を残していま
す。110円台前半でロングを仕込んで、111円台前半で売り逃げる戦略を
粛々と実行するしかないような状況です。
それにしても、昨日の日本株の弱さには改めて失望させられました。NYダウ
は41ドルマイナスにもかかわらず、日経平均は一時300円を超える下げに
見舞われ、対岸のボヤがいつの間にか自宅の母屋で大火事になったイメージで
す。200ドル近くまで上昇したものがマイナスに転じる下げを見せたとはい
え、FOMC議事録で、バリュエーションからすると米国株の割高が議論され
たことが背景でした。その影響から日本株が下げ、日経平均株価が年初来安値
を記録する動きは、なかなか理解に苦しみます。
米中首脳会談が始まりましたが、現時点ではまだ詳細は入って来ていません。
トランプ大統領はFOXニュースとのインタビューで、習近平主席との会談は
「非常に面白くなる」とした上で、「米国は中国にボールを投げていく。われ
われは非常にうまくできると思う」と語っています。
また中国との貿易問題では「貿易はもう何年も公平な扱いを受けていない」と
述べ、北朝鮮問題でも「北朝鮮は大きな問題だ」と述べました。(ブルームバ
ーグ)
基本的には、このように貿易や北朝鮮、あるいは為替問題について議論される
ものと思われます。
本日は3月の雇用統計が発表されます。
先日のADP雇用者数の上振れで、雇用統計にも上振れ期待が高まっています
が、実際に、事前予想もこれまでの17.5万人から18万人に上方修正され
ています。2月の実績がこれと全く同じだったことで、むしろ下振れした際の
反応の方が混乱が大きいのではないかと懸念されます。昨日発表された週間失
業保険申請件数も23.4万件と予想を大きく下回っていました。
労働市場は依然として拡大を続けていると見られます。
本日の予想レンジはワイドに、110円20銭~111円50銭程度とします。

- [2017/04/07 09:02]
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ADP雇用者数とFOMC議事録でドル円乱高下
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
買われたものの、その後に発表されたFOMC議事録の内容に
反応し反落。上昇していた株価がマイナスに転じたことや、長期金利の
低下もドル円を押し下げ、110円56銭まで売られる。
近く上昇したものの、FOMC議事録では株価は高すぎるとも取れる
議論があったことから急落。結局ダウはマイナス41ドルで引ける。
と受け止められ買われた。長期金利は2.33%台に低下。
本日の注目イベント
3月のADP雇用者数の発表と、FOMC議事録の公表を受けて、ドル円は
「往って来い」の展開となり、結局大引けは昨日の東京タイムの水準と変わ
っていません。明日の雇用統計への期待は膨らんだものの、本日から始まる
米中首脳会談の行方や、フランス大統領選、さらにはシリア問題や北朝鮮問
題なども目先の課題として迫っており、安全通貨の円は買われやすい状況が
続いていると言えます。
3月のADP雇用者数は、事前予想の18.5万人を大きく上回る、26.
3万人でした。
2月に引き続き大きく上振れしたことで、米労働市場の拡大が続いている
ことが再確認されると同時に、明日の雇用統計も上振れ期待が高まって来
ました。
ドル円はこの内容を受けて111円台まで上昇し、一時は111円45銭
まで買われましたが、その後に公表された3月のFOMC議事録がドルの
失速を促すことになりました。
今回の議事録は3月14-15日に、今年最初の利上げを決めた会合だっ
ただけにどのような議論があったのか注目されていました。
議事録では、大部分の当局者は4兆5000億ドル(約500兆円)のバ
ランスシートの縮小開始につながる政策変更の年内実施を支持していまし
た。「大部分の参加者は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な上
昇が継続すると予想し、FOMCの再投資政策の変更が年内に適切になる
可能性が高いと判断した」と記されています。(ブルームバーグ)
また、株価の水準に対する議論も行われており、「一部の参加者は株価に
関して、標準的なバリュエーションの指標と比較して、非常に高い水準と
捉えた」とも記されていました。
ADP雇用者数の上振れを受けて前日比200ドル近く上昇していたNY
ダウは、議事録公表後には一気に上昇分を吐き出しただけではなく、マイ
ナス41ドルで引けています。
ドル円も株価の動きに呼応するかのように111円45銭まで買われた後、
110円台半ばまで売られ、高値から1円ほど下げました。昨日この欄で
も述べましたが、111円台に乗せるとすればADP雇用者数の上振れが
引き金になり易いし、111円台に乗せたとしても上値が重い展開を予想
しましたが、概ね予想に沿った動きでした。
ドル円は再び110円台半ばを割りこみ110円をテストする気配が漂っ
ています。
110円の大台割れは、今年何度も試して跳ね返されている水準です。
テクニカル的に言えば、強いサポートであればあるほど一旦抜けると、
その後の勢いは加速する傾向があります。
110円割れには注意が必要ですが、トランプラリーの半値戻しが109
円93銭であることも頭に入れておいて下さい。
ドル円は再び短期的な下落を示す「雲抜け」を見せています。
これまでと同様、粘り腰を見せて110円台は維持するのか、あるいは
今回は110円割れを試しに行くのかは、今夜から始まる米中首脳会談
の内容や、明日の雇用統計の結果次第ということです。
本日のレンジは110-111円程度を予想します。

- [2017/04/06 08:58]
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クロス円大幅下落後反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
まで下落。そこからは株価や金利が上昇したことを受け反発。
110円81銭近辺までドルが買われて引ける。
広がり、1.06台半ばで推移。
ダウは39ドル上昇。エネルギー株が買われる。
にいたことから買いが優勢に。長期金利は2.36%台へと上昇。
続伸。約1カ月ぶりに51ドル台に乗せる。
本日の注目イベント
引き続き上値の重いドル円は欧州市場からNY市場の朝方の時間帯に110円
27銭までドル安が進みましたが、そこをボトムに反発し、今回も今のところ
110円割れは回避しています。株価の低迷と、長期金利の低下傾向が背景と
なっており、そこに明日から始まる米中首脳会談の行方や、ロシアでのテロ、
あるいはフランスの大統領選と、投資家はリスクをとることに慎重になり、身
構えている状況です。
昨日はそれでも株価も小幅ですが反発しています。
2月の米貿易収支が436億ドルの赤字に縮小し、市場予想を50億ドル近く
下回っていました。米中首脳会談を控えて、貿易赤字の拡大は、より会談を不
透明にする材料と見られていただけに、やや安心感も出ているようです。
昨日はクロス円の下落がドル円を押し下げた一面もあったようです。ユーロ円
は約4カ月ぶりのユーロ安水準まで売られ、豪ドル円も83円台前半まで売ら
れました。いずれもテクニカル上の重要なサポートを割り込んだことで、スト
ップロスの売りや、一段の下落を見込んだ新規の売りが膨らんだものと見られ
ます。クロス円の売りは、ドル円でのドル売り円買いという形で影響します。
トランプ大統領は昨日ワシントンで会社経営者と会談し、中国との貿易につい
て「われわれはもっとうまくやる必要がある」と述べたようです。
もともと中国との交渉については「簡単ではない」と語っており、トランプ氏
にとっても、今後政策を実施していく上での一つのハードルと言ってもいいと
思います。北朝鮮問題がメインになるとは思いますが、中国に対する「為替操
作国」問題がどのように扱われるのかに注目しています。
本日はやや下値不安は後退していますが、だからと言って、それほど上値も期
待できる状況ではありません。株価の戻りがあると思われますが、ドルが買わ
れても111円台前半がいいところではないでしょうか。
もし、それ以上にドルが上昇するとすれば、ADP雇用者数の上振れなどを材
料に、海外市場で見られるかもしれません。111円05-10銭あたりが雲
の入り口で、抵抗帯として意識されますが、一方で、111円30銭あたりを
しっかりと抜ければ、短期的な「雲抜け」が完成し、上昇の余地はあります。
本日は110円20銭~111円40銭程度を予想します。

- [2017/04/05 08:49]
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米長期金利低下でドル円再び110円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ISM製造業景況指数が前月より悪化し、製造業活動が鈍化
したことでドル売りが優勢となる。
ユーロ円が118円14銭近辺まで売られ直近安値を下回る。
販売台数が低調だったことで自動車株が売られ、金融、エネルギー
株も続落。ダウは13ドル安で取引を終える。
債券への需要が高まり、長期金利は2.31%台まで低下。
本日の注目イベント
ドル円は東京タイムで買われても、海外市場では上値が重くジリジリと売られ
る展開が続いています。昨日も、111円53銭近辺まで買われたドル円は、
NY市場では111円を割り込み、110円86銭までドル安が進み、ほぼこ
の日の安値圏で戻って来ました。
経済データに反応して長期金利が低下したことが、ドルの上値を抑えた形でし
た。
発表された3月のISM製造業景況指数は事前予想通りでしたが、前月からは
0.5ポイント低下しており、製造業活動の拡大が鈍化していることが見られ
ます。項目別では、新規雇用は順調でしたが、新規受注指数が前月よりも低下
しています。
この指数だけで全体を判断するわけにはいきませんが、市場が良い数字には反
応が鈍く、悪い数字に素直に反応する流れは気になるところです。
フランス大統領選まで3週間を切りましたが、3日公表の世論調査ではマクロ
ン氏の支持率は26.0%と変わらずでしたが、ルペン氏の支持率は25.5
%で、こちらはプラス0.5ポイントでした。また決戦投票ではマクロン氏が
60%対40%でルペン氏に勝つ見通しであるとの調査結果になっています。
フランスの代表的新聞であるルモンド紙はマクロン氏とのインタビューを
伝え、同氏は「決戦投票でルペン氏は勝てないという人々は、トランプ氏の勝
利はあり得ないと言っていた人たちと同じだ」と述べ、ルペン氏の勝利の可能
性を排除できないと語っています。(ブルームバーグ)
本日は2月の米貿易収支が発表されます。
6日から米中首脳会談が行われますが、この貿易収支で、対中国との貿易赤字
が増えているようだと、会談でも「為替操作国」問題が話し合われる可能性も
でてきそうです。トランプ大統領は英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙との
インタビューでも、「中国に現状のような不公平な条件では貿易を続けられな
いと伝える。とても不公平だ」と語っています。
ドル円は、動きにくい状況ですが、上記フランス大統領選や米中首脳会談など
を控え、円が買われやすい地合いが続いていると見られます。米10年債が買
われ、長期金利の低下傾向が続いているのも、そのような背景を映し出してい
ると見られます。仮にドルがさらに売られた場合、先週付けた110円10銭
前後が再び重要なサポートレベルとして意識されます。先週のトライアルでは、
ここを抜けきれずに反発しており、110円前後は大台という意味でも、また
トランプラリーの半値戻しにあたる値位置としても重要なレベルです。
本日のドル円は110円30銭~111円30銭程度を予想します。

- [2017/04/04 08:55]
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ユーロ円2月下旬以来となる118円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
長期金利の低下や、NY連銀総裁の発言から利上げは緩やかになる
との見方がドル売りにつながり111円25銭までドルが下落。
2月24日以来となる118円64銭近辺までユーロ安が進む。
かけて金融やエネルギー株が売られ、マイナス圏に沈む。
ダウは65ドル下げ、前日の上昇分を吐き出す。
利上げを示唆したことで買い物を集める。長期金利は2.38%台に
低下。
本日の注目イベント
ドル円は先週末の東京市場では期末要因もあり、112円20銭近辺までドル高が
進みましたが、海外市場では112円台を維持できていません。NYでは111円
25銭までドルが売られ、元の水準に戻っています。前日にややタカ派的な発言を
行ったNY連銀のダドリー総裁がこの日は、今年あと2回の利上げは妥当なように
思えるが、「早いペースでの政策引き締めを余儀なくされるような非常に急がされ
る状況ではない」と発言したことで、今後の利上げは緩やかなものになるとの見方
につながり、ドル売りが優勢になっています。
またダドリー総裁はテーパリングについても、「年内ないし、2018年のどこか
の時点で、満期を迎えた証券を再投資せずにそのまま償還させる措置を徐々に開始
しても、私としては意外ではない」(ブルームバーグ)と述べ、FRBの資産縮小
についても前向きな考えを示しました。今後は利上げだけではなく、テーパリング
を併用することで、短期金利の緩やかな上昇を誘導する政策も視野に入ってきそう
です。
3月の相場は足元のレンジ通りで、結局110円台から115円台で推移しました。
トランプ氏の経済政策の遂行力に疑問符がついたことでドル売りが進み、110円
に迫る円高水準をつけましたが、一方で米景気の良好さがドルを支える役割を担い、
どちらにも決定的な方向性は見い出せていません。今月は上記レンジをどちらかに
抜け、ある程度の方向性がでるのではないかと予想していますが、予算教書の議会
への提出は5月中旬と見られており、注目される税制改革も保守派の一部が反対し
ていることから遅れており、8月にずれ込むのではないかといった観測も出ていま
す。もしそのようなことになると、4月も上記レンジをどちらにも抜けきれず、そ
れほど大きな値幅は見込めないかもしれません。
ドル円は111円25銭まで売られたことで、再び雲の下限(1時間足)を抜ける
かどうかの展開になってきました。この雲を抜け切れば110円台後半を試す動き
もありそうですが、それでも勢いが増すとも思えません。
米長期金利も2.4%を挟んでもみ合いが続き、NYダウも2万500-700ド
ル台で一進一退です。
為替市場だけではなく、これらの市場でも明確は方向性は出ていません。
本日の予想レンジも110円90銭~111円90銭程度とみています。

- [2017/04/03 08:50]
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