ドル円112円台へ反落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
持ち高調整のドル売りから112円26銭まで下落し、この日の
安値圏で引ける。
ドイツのインフレ統計が重石に。
株価は堅調に推移。ダウは40ドル上昇し、S&P500は最高値を更新。
上昇幅はわずかで、長期金利も2.31%近辺で取引を終える。
本日の注目イベント
前日のNY市場で113円26銭までドル高が進み、昨日の東京市場でも
113円20銭前後まで上昇しましたが、そこを天井にドルは反落しました。
トランプ氏の税制改革への期待がやや後退したようです。ドル円は前日の高
値からちょうど1円下落し、112円26銭前後まで売られています。
9月は今日で終わりますが、考えてみれば、今月初旬に北朝鮮の核実験とハ
リケーン「イルマ」の影響から投資家はリスク回避の姿勢をとり、安全通貨
とみなされる円が買われ、ドル円は107円32銭まで下落しました。
その後ドルがジワジワと反転し、113円台まで上昇。結局今月だけで、6
円もの大幅なドル高円安が進んだことになります。
この急激なドル高の背景はFOMCでのタカ派的な利上げ観測でした。
イエレン議長は12月利上げには前向きで、その後の記者会見と、今週の
講演でもタカ派的な姿勢は一貫しており、ブレてはいませんでした。そこに
トランプ税制改革が加わり、ドル円を113円台に押し上げたことが昨日ま
での動きです。このように考えると、昨日のNY市場での1円の調整は想定
内の動きと言えますが、テクニカル的には「ダブルトップ」を形成しており、
やや気になるところです。今後は所得税も含めた税制改革の中身と、議会で
の議論の行方を見極めることになります。
また、もうひとつの政策の柱である、インフラ投資の実施時期や規模、さら
にはイエレン議長の任期満了に伴う新議長人事にも注目です。
12月のFOMCでの利上げの確率はやや低下してきましたが、現時点でも
66.6%です。
今後よほどの事体が発生しない限り、12月に今年3回目の利上げが実施さ
れると予想していますが、そのころには税制改革の具体的な内容も明らかに
なっていることと思います。
やはり、ドル円は上下を繰り返しながらも115円方向に向かうと予想して
います。
本日は比較的多くの経済指標が発表されますが、注目はPCEデフレータで
しょう。事前予想ではデフレータが年率で1.5%、コアデフレータが1.
4%と予想されています。
イエレン議長は講演で、FRBも目標である2%に届かなくても、緩和政策
を長く続けるのは賢明ではないと述べていました。
結果が事前予想を上回れば再びドルの上昇要因になると思われます。
本日の予想レンジは112円~113円程度と見ています。

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- [2017/09/29 08:47]
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ドル円1カ月半ぶりに113円台に乗せる
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
一時は7月13日以来となる113円26銭までドル高が進んだが、
税制改革の枠組みに関して反対論が出たことで上げ幅を縮小。
傾向を強める。
反発。ダウは56ドル上昇し、5日ぶりに上昇。金融やテクノロジー株が
上昇を牽引。
ことから大きく売られる。長期金利は1カ月ぶりに2.31%台まで上昇し、
ドル高に弾みを。
本日の注目イベント
トランプ税制で、法人税が20%で決着したことを受けてドル円は約1カ月半ぶり
に113円台に乗せてきました。
トランプ氏は公約で法人税を15%に引き下げると主張してきましたが、20%で
決着したことについて「完璧な数字だ」と述べ、これまで15%への減税を主張し
ていたのは、議会との交渉で最終的に20%で決着させることが狙いだったと説明
しています。(ブルームバーグ)
もっとも、この税制改革案は今後議会で承認される必要がありますが、トランプ税
制は同時に個人所得税の簡素化にも着手してますが、こちらは税率の適用区分がま
だ決まっておらず、全体の税の枠組みを巡る反対論も早速出ているようです。
現在7段階に区分されている所得税を、12%、25%、35%の3段階にしよう
というものですが、どこまでの所得を3段階に分けるのかはまだ決まっていません。
現行では最高税率が39.6%になっていますが、富裕層を優遇するとの批判もあ
るようで、今後議会で議論されることになります。
また米企業が海外で稼いだ資金の多くが税率の安い、いわゆるタックスヘイブンに
滞留していますが、この資金を米国に還流される際の税率の優遇も検討されていま
す。
問題はその財源です。トランプ大統領はその財源を「国境税」などに求めていまし
たが、こちらの実現は難しそうで、国債を増発して財源を確保する可能性が高まっ
ています。そのため昨日の米国債市場では国債が大きく売られ、長期金利は1カ月
ぶりに2.31%台に急上昇し、ドル高を牽引しています。
ドル円は113円台まで買われたことで、これまでの107円台-112円台のレンジは
上放れた可能性があります。
北朝鮮問題は常に目の前にぶら下がってはいるものの、武力衝突の可能性がそれほ
ど高くないとすれば、今回の税制改革の実施で、企業収益と雇用の増大が米景気を
一段と上昇させるシナリオも想定されます。年末にかけてドルがさらに上昇するに
は、もう1つの政策の柱であるインフラ投資のメドも必要になります。
この政策の骨子が見えてくれば、ドルの一段高も無理な話ではないと考えます。
今朝の日経新聞一面には「FXのレバレッジ引き下げ」の記事が掲載されています。
金融庁が現行25倍のレバレッジの上限を10倍程度にする案を検討していると報
じています。来年の実施を目指しているようですが、個人投資家にとっては気にな
るところです。
本日のレンジは112円50銭~113円50銭程度を予想しています。

- [2017/09/28 08:52]
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ドル円再び112円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
発言をしたことを材料に112円49銭まで上昇。ただ112円台半ばを
抜けきれずにその後は112円台前半まで押し戻される。
ユーロ安水準まで下落。
S&P500は小幅に上昇したものの、イエレン議長の発言がやや重石に。
やや上昇。
本日の注目イベント
昨日111円台半ばまで売られたドル円は一転して112円49銭まで反発し、
1日でセンチメントが変わる、やりにくい展開です。FRBのイエレン議長が
講演を行い、その中で、「インフレ率が目標の2%に戻るまで金融政策を据え
置くのは賢明ではない」と発言し、緩やか過ぎるペースでの利上げに当局は注
意すべきだとの認識を示したことがドルを押し上げました。
ドル円は112円台半ばまで買われましたが、このレベルは先日の高値でもあ
り、投資家はここからのドル買いには慎重になっていると見え、このレベルか
らは反落しています。
北朝鮮問題では北朝鮮側からコメントが出るたびにドルが売られますが、一方
で先週20日のFOMC以降、12月の利上げ観測がドルの下落を抑える構図
になっており、この日のイエレン議長の発言で、12月に利上げをしたいとい
うイエレン議長の「悲願」が伝わってくるような気もしました。
イエレン氏は来年2月に任期を終える予定で、その後継続するのかどうかはわ
かりませんが、自身の健康上の理由もあり、個人的には仮に再任を要請されて
も辞退するのではないかと予想しています。
そうだとすれば、12月か来年1月のFOMCの2回しか、在任中での利上げ
のチャンスは残っていません。
任期中に出来るだけ金融政策のフリーハンドを得るために、通常の金利水準に
戻したいのは、もはや「悲願」と言ってもいいのではないでしょうか。
この日のドルの上昇はこの発言だけではなかったようです。
アトランタ連銀のボスティック総裁も「12月の段階で金利を変更しようとい
う考えについて、現時点で極めて満足している」と述べています。
また本日にはトランプ政権の柱の一つである税制改革の概要が明らかになるこ
ともドルにとってはプラスに作用しています。
ただ、税率が15%になるのか20%台のどこに決まるのかによっては、失望
のドル売りにつながらないとも言えません。
ドル円は112円台半ばがやや上値の壁になりつつあります。
先週のFOMC以降111円割れは示現しておらず、底堅い動きを見せていま
すが、これは「日足の雲」がドルをサポートしていると見られます。
一方上値の方は、112円59銭がドルの天井になっており、昨日もそうです
が、112円台半ばを抜く力はないように見えます。
北朝鮮問題が常に意識の中にあり、武力衝突の可能性は低いと言っても、言葉
のトーンを聞く限りエスカレートしているのも事実です。
このような状況下では、短期的にはドル高トレンドだとしても、さらなるドル
買い材料が出ないと115円方向に持っていくのは簡単ではありません。
ユーロドルが1カ月ぶりに1.17台まで下落したことを考えると、ユーロの
上昇にやや天井感が出たのではないかと同時に、ドル高傾向が維持されている
と感じます。
次のインパクトのある材料までは112円台半ばより上ではドル売りで、11
1円台半ばより下ではドルを買うスタンスが機能しそうです。
本日は111円70銭~112円70銭程度を予想します。

- [2017/09/27 08:34]
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ドル円北朝鮮リスクで反落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京時間に112円53銭まで上昇したドル円はNYでは反落。
北朝鮮が米国に対して挑発的な姿勢を示したことで円買いが強まり
111円47銭までドル安が進行。 - ユーロドルも続落。NYでは1.1832まで売られ、1.19台には
届かない展開。ユーロ円の売りもユーロドルの上昇を抑え、ユーロ円は
131円91銭前後まで下落。 - 株式市場は続落。北朝鮮リスクが高まりダウは53ドル下落し、これで
3日続落。その他の主要指数も軒並み下げる。 - 債券相場は続伸。北朝鮮の挑発的な姿勢に安全資産の債券が
買われた。長期金利は2.22%台へ低下。 - 金は14ドル上昇し、1300ドル台を回復。原油価格は1ドルを超える
大幅高となり、4カ月ぶりに52ドル台まで上昇。
本日の注目イベント
- 日 日銀金融政策決定会合、議事要旨(7月19日、20日分)
- 米 7月ケース・シラ-住宅価格指数
- 米 8月新築住宅販売件数
- 米 9月消費者信頼感指数
- 米 9月リッチモンド連銀製造業指数
- 米 イエレン・FRB議長講演
- 米 ブレイナード・FRB理事講演
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
昨日の東京タイムには112円台半ばを超える場面もあったドル円でしたが、再び北朝鮮リスクが高まり、株安、金利低下と相まって、111円台半ばまで押し戻されています。米朝間では挑発的な言葉の応酬が続き、昨日は北朝鮮の外務大臣の発言に緊張が高まりました。
北朝鮮の李容浩外相は昨日、北朝鮮には国連憲章によって認められた自衛権として、国際空域で米国の戦略機を撃墜する権利があると発言しました。「国連憲章は加盟国に自衛権を認めている」とした上で、「米国が戦線布告した以上、戦略爆撃機が北朝鮮の領域に入らなくても任意の時点で撃墜することを含め、われわれはあらゆる権利に基づいて自衛に動く」と述べています。(ブルームバーグ)これに対し、 米国の国家安全保障会議(NSC)の報道官は、米国は宣戦布告しておらず、引き続き平和的な方法で朝鮮半島の非核化を模索すると述べていますが、北朝鮮外相の発言はトランプ大統領が「北朝鮮の先は長くない」とツイートしたことに対して発せされた発言だと考えられ、再びトランプ大統領がどのような発言を行うのか注意が必要です。この種の言葉の応酬にも市場は徐々に慣れてきますが、さらにエスカレートした際には緊張が高まることになります。
昨日は発言で円買いが強まり111円台半ばまでドル安が進みましたが、ドイツの連邦議会選挙の結果もユーロ円の売りという形で、円高につながりました。メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は第1党を確保したものの、得票率が1949年以来の最低に落ち込んだようです。議席数を減らしたことでメルケル首に対する信任が低下していると見られます。ユ-ロ円は10日ぶりに131円台半ばまで下落しました。
ドル円は111円台半ばまで落ちてきましたが、ここは「日足」の雲の入り口にあたり、先週金曜日にもドルが下げた時にサポートされたレベルです。北朝鮮問題がこのまま言葉の応酬に留まっているという前提にはなりますが、この水準から110円台半ばでは、どこかでドルを拾っておいてもいいのではないかと考えます。米景気の安定と、それに伴う利上げ。あるいは税制改革などもドルのサポート材料になると思われます。一方で113円~115円に向かうには、新たなドル買い材料が必要なのも事実ではないでしょうか。
本日のレンジは111円20銭~112円20銭程度を予想します。

- [2017/09/26 09:20]
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ドル円112円台で始まる
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
あり、北朝鮮リスクから取引を手控える雰囲気に。
112円18銭を上値に、下値も111円86銭前後に収まる。
1.12台には届かず。
強めたことを受け、軟調な展開に。前日比9ドル下落。
2.25%台へと低下。
本日の注目イベント
トランプ大統領と北朝鮮の金委員長との「舌戦」は留まるところを知らず、
一段とエスカレートしています。発せられた言葉を聞く限り、いつ武力衝
突が起きてもおかしくない状況です。「ロケットマン」と揶揄されたこと
に対し、北朝鮮は太平洋上での核実験の可能性に言及し、同国の外務大臣
は「先制攻撃」もあり得ると述べています。これに対してトランプ大統領
は「ちびのロケットマンの考えを繰り返すなら、彼らの先は長くない」と
ツイートしています。言葉の応酬がさらに過激化したことから、先週末の
NY市場ではドル円は、土日を挟んで何らかの行動があるのではとの見方
から上値が重い展開でした。
前日には112円72銭まで買われたドル円でしたが、この日は利益確定
のドル売りが優勢の流れでした。
米朝の緊張が高まっている中、ドル円は107円台から112円台後半ま
で急速にドル高が進みましたが、背景は米金利の先高感と、懸案事項だっ
た税制改革にメドがたってきたことが挙げられます。
当初トランプ大統領は連邦法人税を現行の35%から15%へ引き下げる
ことを主張していましたが、財源の問題もあり20%台で落ち着きそうな
気配です。今朝の報道によれば、トランプ大統領は依然として15%にこ
だわっているようですが、ムニューシン財務長官は20%台のどこかで落
ち着くとの見方を示しています。
週明けのオセアニア市場では、週を挟んで北朝鮮からの特段の動きはなか
ったことで、ドルがやや上昇して取引が始まっています。
このところの動きを見ると、ドルが上昇したがっているようにも見えます。
米朝の緊張が「舌戦」に留まっているかぎり、ドル円は113円方向に向
かっていくのではないかと思われます。先週のFOMCでは、米景気の先
行きには楽観的な見方が示され、年内もう一度の利上げ観測も維持されま
した。さらに来年も3回の利上げが見込まれています。
一方で日銀は必要ならさらに追加の緩和策を講じるとの姿勢も示しており、
先週は「中銀の金融政策の方向性」にも注目が集まり、円はドルに対し売
られただけではなく、主要通貨に対しては全面安の展開でした。
本日は再び112円台前半までドルが買われていることで、日本株も堅調
に推移すると予想されます。
ドル円も再び上値を試す展開を予想しており、レンジは111円80銭~
112円80銭程度と見ています。

- [2017/09/25 08:51]
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ユーロ円134円台半ばへ
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
112円台は維持。フィラデルフィア連銀製造業景況指数が上振れした
ことで112円59銭まで上昇したが伸びきれず。
下値も限定的。日銀が緩和政策を継続することで金融政策の差から円が
売られ、ユーロ円は134円37銭まで上昇。
下落し、連騰が止まる。
本日の注目イベント
ドル円は112円台で堅調に推移しています。
昨日は112円72銭前後までドル高が進む場面もありましたが、ここからさらに
上値を試す勢いはなく、上昇機運も一服といったところです。しかしドルが売られ
ても112円10銭前後では下げ止まり、底堅い動きを見せています。
昨日、日銀は金融政策決定会合で金融緩和の維持を決め、会合後の記者会見
では黒田総裁が、強力な緩和を進めていくと述べました。今回の会合では金融調
節方針の維持を8人が賛成しましたが、1人が反対しています。
新しく審議委員に就任した片岡委員が、現在の緩和は「不十分」として反対票を投
じました。2019年度ごろに2%の物価上昇率を達成するには、現在の緩和では
不十分というのがその理由でした。
考えてみれば、今年、2017年の相場は展開を予想した時、日米欧で最も顕著
な違いは中銀の金融スタンスの方向性でした。そのため2017年度末にかけて
は「ドル高円安」をメインシナリオにおいていましたが、北朝鮮やハリケーン、ある
いは中国リスクに混乱させられ、今月始めには107円台前半までドルが売られた
ことは記憶に新しいところです。ここに来て、市場は再び中銀の金融政策の違いに
着目してきたと言えます。
FRBは10月からバランスシートの縮小開始を決め、ECBは10月にも緩和政策か
ら舵を切りなおすことも予想されます。またBOEも早明ければ11月にも利上げがあ
ることを示唆しており、RBAも利上げはそれほど遠い先の話ではないと思います。
カナダ中銀は既に利上げを実施しており、先進国で日銀だけが、いわば「蚊帳の外」
で出口は見えていません。
黒田総裁は昨日の会見で「必要があればさらなる緩和も辞さない」姿勢を見せてい
ました。このような状況を勘案すれば円が売られるのも理解できます。
ただ為替は金融政策の違いだけで動くものでもなく、この辺りが個人投資家にとっ
て難しいところです。
本日は政策会合も終わり、「ブラックアウト」期間も終了し、地区連銀総裁の講演
が多く予定されています。
ドラギECB総裁の講演も予定されていることから、「要人発言」には注意したい
ところです。上値は112円台後半を超えられるのかどうか。下値では112円台
を割り込めるかどうかが注目点です。
そのため、予想レンジは112-113円程度に落ち着きそうです。

- [2017/09/22 08:59]
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ドル円FOMCを受け112円台を回復
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
政策金利据え置きで111円12銭まで売られたが、その後は一気に
112円台半ばまで急騰。年内もう一度の利上げが維持されたことで
ドル買いが加速した。
1.18台半ばまで売られる。
これで9連騰。引け値で2万2400ドル台に乗せ、最高値を更新中。
本日の注目イベント
注目されたFOMCとその後のイエレン議長の記者会見を受け、ドル円は上下に
乱高下する荒っぽい動きを見せました。政策金利が据え置かれたことで111円
台前半まで売られたドル円は、イエレン議長のややタカ派的な発言に112円台
半ばまで反発し、この間の値幅も1円40銭程に拡大しました。
年内にもう1回の利上げが維持されたこともドルを押し上げています。
FOMCは声明で、4兆5000億ドル規模の保有証券の縮小を10月から開始
する方針を示し、ハリケーンの経済への悪影響は一時的なものになるとの見方を
示しました。利上げについても年内あと1回、来年3回の利上げ予測を維持して
います。
声明は「ハリケーン『ハ-ビー』、『イルマ』、『マリア』は多くの地域に大き
な打撃を与え、厳しい苦難をもたらした。ハリケーンに関連した混乱や再建は短
期的には経済活動に影響を与えるが、過去の経験から判断すると、これらハリケ
ーンが中期的に米経済の軌道を大きく変える可能性は低いことが示唆される」と
述べています。(ブルームバーグ)
また会合後の記者会見でイエレン議長は、「健全な労働市場を維持し、インフレ
を当局の長期的な目標である2%前後で安定させるため、力強い景気の継続が緩
やかな利上げを正当化すると、われわれは引き続き予想している」と発言してい
ます。さらに今年のインフレ率が上昇しないことについては「不可解」と表現し
ました。(ブルームバーグ)
この発言から、ハリケーンの影響は一時的であり、今年3回目の利上げについて
も思っていたよりも前向きな姿勢が維持されたことで、市場はドル買いで反応し、
株式市場も緩やかな金利上昇を受け入れたような反応でした。
ドル円は112円53銭まで上昇したことで、「日足」の雲抜けを完成し、その
上にある「200日線」も一時的には越えて、約2カ月ぶりのドル高水準を記録
しています。今後は7月の高値である114円50銭がターゲットになりますが、
「日足」の移動平均線を見ると、まだ上昇トレンドは完成されていません。
この辺りが少し気になるところですが、FRBが楽観的な見方を維持しているイ
ンフレ率が、どこまで目標の2%に近付いていくのかを見極める展開になると思
われます。これで、北朝鮮が核実験を行った後に記録した107円32銭が、当面
の底値である可能性が高いと考えます。
本日のドル円は111円80銭~113円程度を予想します。

- [2017/09/21 08:45]
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ドル円112円に迫る
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
一旦下げる場面があったものの、その後は堅調に推移。
111円82銭まで買われ、111円50-60銭で引ける。
先高感がユーロ買いにつながった。安値は1.1961。
6日連続で最高値を更新する。FOMCを控えて小動きだったものの、
依然として資金が株式市場に向かった。
乗せる。
本日の注目イベント
急速に円安が進み、NY株が連日の最高値を更新するなか、さすがの日本株も
昨日は急騰しました。
午後には、一時410円を超える上昇を見せ、同時にドル円はそのタイミング
で111円88銭を記録しました。
112円が見えてきた印象ですが、NYではこの水準を抜けずに、一旦は利食
いに押され、111円20銭前後まで下げる場面もありましたが、株高と金利
高に支えられ111円台半ばで戻っています。
NYダウはこれで8営業日連続の上昇を見せた一方で、安全資産の債券は連日
売られて、長期金利は2.24%台まで上昇してきました。投資家が「リスク
オン」を加速させていると見られますが、事実「VIX指数」も昨日は「10」
を下回る場面もありました。依然として北朝鮮問題では緊張が続いているもの
の、多くの投資家が戦争はないと読んでいることの表れということのようです。
個人的にはそう簡単にこの問題を楽観視できないと思っています。昨日、国連
総会の一般演説でトランプ大統領が演説を行い「米国と同盟国を守ることを迫
られれば、北朝鮮を完全に破壊する以外の選択はない」と述べ、これまでより
さらに強いトーンで北朝鮮を批判しました。北朝鮮に対して「完全に破壊」と
いう言葉を使ったのは今回が初めてですが、これを単なる脅しと見るのか、あ
るいは強い警告とみるのか、いずれ歴史が教えてくれますが、今度北朝鮮が核
実験などを強行した場合には、米国も行動を起こすことは十分考えられると思
います。
ドル円は昨日の東京市場で111円88銭まで上昇しましたが、「雲抜け」を
完成するには至っていません。現在はその雲を抜け切るかどうかの瀬戸際にい
ますが、ここをしっかりと抜ければ112円にも手が届くかと思います。
もし112円台に届けば、久しぶりの水準でもあることから、輸出企業を中心
に相当なドル売り注文が並ぶことは想像に難くないでしょう。それらのオーダ
ーをこなして上昇できるかどうかも注目されますが、112円25銭前後には
「200日線」もあり、極めて重要なレベルと言えます。
本日はFOMCとイエレン議長の記者会見が予定されています。
昨日ここで述べたように、ハリケーンなどの影響を考慮して「ハト派的」なコ
メントや「ドット・チャート」が示されれば、ドルの上値は重いと見られます
が、その逆もないとは言えません。
個人的にはドル下落のリスクのほうがやや大きいと予想していますが、どうで
しょうか。本日のレンジはややワイドに、110円70銭~112円程度と予
想します。

- [2017/09/20 08:51]
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ドル円1カ月ぶりに111円台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は続伸し、約1カ月ぶりとなる111円台半ばを付ける。
株高、金利高に支えられ終始111円台で推移。 - ユーロドルは1.19台でもみ合い。ドル円が円安方向に振れた
ことでユーロ円は2015年12月以来となる133円台半ばまで上昇。 - 株式市場は続伸。ダウは7日続伸し、5営業日連続で最高値を更新。
S&P500も最高値を更新し、株価に対する楽観的な見方が広がる。 - 債券相場は続落し、長期金利は1カ月ぶりに2.23%台まで上昇。
リスクオンが広がり資金が債券や金からか株式にシフト。 - 金は大幅続落し1310ドル台に。原油は小幅に反発。
- 米 9月NAHB住宅市場指数 → 64
本日の注目イベント
- 豪 RBA議事録
- 独 独9月ZEW景況感指数
- 米 8月住宅着工件数
- 米 8月建設許可件数
日本が連休の間もドル円は堅調に推移し、昨日のNY市場では111円66銭までドル高が進みました。北朝鮮が核実験を行ったことで107円32銭までドルが売られ、その後も北朝鮮がミサイルを発射したにも関わらず、ドル円は急速に円安方向に舵を切っています。
この欄でも為替市場の特徴について、「為替に影響を与える出来事も、それが何度か繰り返されると、徐々に反応しなくなる傾向がある」と書きましたが、足元の動きは正にその通りですが、もっと考えれば、「有事の円買いが当てはまらなくなった」のかもしれません。世界のどこかで軍事衝突などの有事が起これば、安全通貨の円は常に買われてきましたが、今回の朝鮮半島での有事は、直ぐ隣の庭で起きているようなもので、日本にも被害がないとは言えません。事実ミサイルは北海道の上空を何度も通過しています。市場参加者もようやくそのことを認識し、北朝鮮問題が深刻化すれば、円が売られる構図になってきたのかもしれません。
このままさらにドルが上昇し、112円台に乗せるようだと、そんなことも意識しなければならないのかもしれません。
本日からFOMCが始まり、明日には政策内容が発表され、イエレン議長の記者会見も予定されています。今回のFOMCでは利上げはなく、バランスシート縮小の工程が明らかになるのではないかというのが、市場の見立てです。今回のFOMCはこのほか、FOMC参加者の金利予測を分布した「ドット・チャート」(ドット・プロット)も公表されます。FOMCメンバーが今回のハリケーンの影響をどのように景気に織り込んでいるのかを知ることができそうです。ややハト派的な予測がでるようだと、ドルが売られることになります。
足元のドル円は「日足」の雲の上限をテストしているところです。ここをしっかりと抜けるようだと、この7月以降、なかなか届かなかった112円が見えてきます。2.03%台まで低下した米長期金利も昨日は、2.23%台まで上昇し、ドル円との相関度が高い米金利の上昇がドル円を押し上げている面もあります。雲抜けを完成し、その上の「200日移動平均線」を抜くことができれば、一段のドルの上昇が見込めるものと考えていますが、その意味ではここから112円台半ばが、新しいレンジに入るのか、あるいは元のレンジに戻されてしまうのか、「正念場」ということになります。
連日最高値を更新中のNYダウに影響され、本日の日経平均株価も堅調な動きが見込まれます。円安も輸出関連株にプラスに働くことから、久しぶりに2万円の大台を回復するのではないかと予想していますが、北朝鮮リスクがどの程度上昇を阻むのかといったところです。予想レンジは110円90銭~111円90銭程度と見ます。

- [2017/09/19 09:40]
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北朝鮮またミサイル発射
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
8月のCPIが予想を超えていたため利上げ観測が高まり
111円05銭まで買われたがその後、北朝鮮リスクが意識され
110円台前半まで反落。
上値が重くなる展開。
連日で最高値を更新したものの、ナスダックは反落。ダウは初の
2万2200ドル台乗せに成功。
ほぼ変わらず。
一時は4カ月ぶりに50ドル台に乗せる。
本日の注目イベント
このコメントの書いている最中に、北朝鮮がミサイルを発射し、ドル円は
110円台前半から一気に109円56銭前後まで売られました。
堅調な動きを見せていたドル円は、昨日のNY市場では8月の消費者物価
指数(CPI)が+0.4%と予想を上回り、前年同月比でも+1.9%
と、FRBがメドとしている2%に近付いたことから利上げ観測が高まり
ました。ドル円はその直後に111円05銭まで上昇し、8月16日以来、
約1カ月ぶりのドル高水準をつけましたが、「北朝鮮がミサイル発射の準
備を行っている」との情報に、110円台前半まで押し戻されていました。
「48時間以内に北朝鮮がミサイルを発射する可能性がある」とした報道
は、結果的に正しかったわけですが、北朝鮮リスクは今後も継続し、そう
簡単には収まらないと、この欄でも指摘してきましたが、まさに現実とな
っています。国連安保理で同国に対する経済制裁が採決され、制裁の内容
をやや軽くしたことで北朝鮮もおとなしくなるのではとも見られていまし
たが、やはりそう簡単ではありませんでした。
安保理での制裁決議が採決された際にトランプ大統領は「これは非常に
小さな一歩にすぎないとわれわれは考える」と発言しました。中国、ロシ
アからに支持を得るために制裁内容を軽くしたトランプ氏ですが、これで
挑発行為をやめる相手ではありません。さらに北朝鮮に対する米国独自の
制裁を強めるのか、トランプ氏の動向が注目されます。
ちょうど1週間前に、北朝鮮が核実験を実施したことで107円13銭ま
で円高が進みましたが、それからドルは順調に買い戻され、111円台ま
で約4円も円安が進みました。
昨日、111円に乗せたところで戻りの天井を付け反落したのは、もちろ
ん北朝鮮のミサイル・リスクでしたが、「日足」の雲の入り口と、「12
0日線」がここにあり、上昇を抑えたとも言えます。
為替をある程度経験したことのある人であれば、110円台から上ではド
ルショートのポジションを作って、売り上がっていたことが容易に想像で
きます。今朝はそのショートポジションを閉じているところでしょう。
本日は今朝のミサイル発射で、好調だった日経平均株価も軟調な動きにな
るでしょう。そのため短期的には再び上値の重い展開に戻ったと見られま
す。ドルがどのような方向性を見せるのかは、今夜のNY時間でホワイト
ハウスからどのようなコメントが出されるのかによります。
また今夜は重要な経済指標も多く発表されることもあり、値動きが大きく
なり、乱高下することも予想されます。
レンジは109円30銭~110円50銭程度と予想します。

- [2017/09/15 09:03]
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ドル、対円対ユーロで上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
米長期金利が一時2.20%台に乗せたことでドルを買い
戻す動きにつながった。税制改革への期待もドル買いを
側面から支援。
最高値を更新。S&P500も1.8ポイント上昇し、最高値を
更新。
確定の売りが出易い状況。長期金利は一時2.20台へ
上昇し、約1カ月ぶりの高水準をつける。
本日の注目イベント
ドル円は110円台をキープし、NY市場では長期金利の上昇を手掛かりに
110円69銭までドル高が進む場面もありました。これで、北朝鮮が核実
験を行いドルが急落した下げ幅を埋めた格好になり、もしかしたら110円
を挟み、109-112円のレンジに戻ってきたのかもしれません。
110円69銭まで買われたドル円は、8月末の水準まで値を戻した格好で
すが、まだその水準は抜けておらず、110円60-80銭辺りが目先のレ
ジスタンス・ゾーンと見られます。
ここからは依然として上値は重いと見られますが、それにしてもドル買いが
断続的に入っているようです。昨日は株価が上昇し、原油価格も上昇してド
ルを支えていましたが、長期金利の上昇が最大の貢献者でした。
米10年国債は、利上げ観測が徐々に後退する中、低下傾向が続き、先週7
日には2.03%台まで低下(価格は上昇)しました。昨日は一時2.2%
台に乗せるなど、ここ4営業日で17bpと急上昇です。この動きはドル円
の動きとほぼ一緒で、ドル円も107円32銭を底値に既に3円以上ものド
ル高が進んでいます。米長期金利の動きにドル円が連動して動くことが鮮明
になっています。ハリケーンと北朝鮮のリスクが後退したとはいえ、やや想
定外のドルと金利の反発です。
先週末に記録した107円32銭が直近の底値だとすれば、再び110円を
中心にもみ合う展開のようにも思えますが、周りを見渡してもドル買い材料
はそれほどありません。
唯一挙げるとすれば、税制改革が年内にも実施されるとの見通しが強まった
ことです。
ムニューシン財務長官は、税制改革の年内実施に楽観的な見方を示していま
すが、税率については当初トランプ大統領が主張していた15%ではなく、
財源の問題から20%台で落ち着きそうは気配です。
このところの株式市場の高騰はこの辺りの動きを先取りしたものとも言える
のではないでしょうか。
本日のドル円は、前述のように、ここからの上値は重いと見ていますが、一
方でドルを売ってもなかなか利益が取れない状況になっているのも事実です。
打診買い、打診売りを繰り返しながら、方向性を探っていく他なさそうです。
予想レンジは110円~111円程度にしたいと思います。

- [2017/09/14 08:48]
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ドル円続伸し110円台を回復
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
予想される兆発行為へのリスクも低下し、ドル円は110円台を回復。
110円26銭までドル高が進み、ほぼこの日の高値圏で引ける。
売られたものの、1.19台はキープ。ユーロ円は131円90銭前後まで
上昇。
半ばまでポンド高が進行。
株式市場へ好影響を与える。ダウは2万2100ドル台に乗せ、
引け値ではわずかに最高値を更新する。
改めて表明したこともあり、債券は下落。長期金利は2.16%台に。
本日の注目イベント
ドル円は110円台を回復してきました。
昨日はクロス円でも急激に円安が進み、ユーロ円は132円目前まで、ポンド円も
146円台半ばまで上昇。また豪ドル円も1カ月半ぶりに88円台前半まで上昇す
るなど、この日は円が最弱通貨になっています。
クロス円での円売りが、ドル円を押し上げた一因とも言えそうです。
ブルームバーグは昨日のドル円の110円台回復について、「モデル指導のファン
ドやその他短期筋があらためて円ショート(売り持ち)を構築したことが背景」と
報じています。これが事実なら、これまでのドルのショートを買い戻しただけでな
く、新規のドル買いのポジションを作っていることになります。
このレベルから112円台に向かうのは簡単ではないと思いますが、長い目で見た
ら、107円台前半で「底値」を記録した可能性も否定できないのかもしれません。
個人的には、ドル円はまだ底値を確認していないと考えています。
北朝鮮への制裁内容が石油全面禁輸ではなかったことや、ハリケーン「イルマ」の
被害が想定よりも軽微であることが、株高、債券安、ドル高をもたらしたわけです
が、北朝鮮情勢はそう簡単には治まらないはずです。トランプ大統領も昨日、「北
朝鮮制裁採択は行動の始まりにすぎない」と語っています。
今回の安保理での制裁決議で、北朝鮮への輸出総額の9割が制裁対象となり、石油
関連商品の3割が輸出削減につながると見られています。この措置で北朝鮮の経済
活動にどの程度の影響を及ぼし、核開発計画に打撃を与えられるのかどうかはまだ
不透明です。また、北朝鮮があらたな挑発行為を行ってくることも十分想定されま
す。つまりこの問題は、まだまだこれからも続くと考えるほかありません。一方で
為替市場の特徴でもありますが、北朝鮮の度重なる「脅し」には、徐々に慣れて、
市場への影響も徐々になくなることも想定されます。その結果、市場の眼は再びF
RBの金融政策やインフレ率などに向かい、「年内にもう一度の利上げ」があるの
かどうかが為替相場にとって最もインパクトのある材料になってくるものと思いま
す。
本日は円安と米国株の上昇から、日経平均株価も続伸が見込まれます。
2万円を回復することはないと思いますが、100円程度の上昇はあるかもしれま
せん。ドル円は110円台半ば前後が重要なポイントと見ていますが、レンジは1
09円50銭~110円50銭程度と予想しています。

- [2017/09/13 08:59]
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リスク後退でドル高株価が進む
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
北朝鮮リスクがやや後退したことや、ハリケーン「イルマ」の被害が想定
されたよりも軽いとの見方からドルの買戻しが活発になる。
ユーロ安ドル高が進む。
当初予想を下回ると見られ、北朝鮮リスクもやや後退したことを
好感。ダウは前日比259ドル上げ、8月16日以来となる2万2千ドル台
を回復。S&P500は最高値を更新。
確定する売りが出た。長期金利は2.13%台へと大幅に上昇。
本日の注目イベント
懸念されていた国連安保理での制裁決議案が、中国、ロシアの立場を配慮し
制裁内容が事前に下方修正されていたことが判明。北朝鮮への石油全面禁輸
を取り下げ、一定の上限を設ける内容に変更されていました。
日本時間の本日午前中には採決される見通しですが、米国側の譲歩を好感し
て、リスク回避の動きが一気に巻き戻され、ドル円は109円51銭まで上
昇しました。昨日のNYでのドル急騰劇は、基本的にはドルのショートカバ
ーであると思われ、新規のドル買いにはつながっていないと見ています。
現時点では安保理の決議はまだ不透明で、議案の修正や、中国・ロシアが拒
否権を行使することも考えられます。
また、リスク回避が後退したもう一つの理由は、ハリケーン「イルマ」の存
在でした。「イルマ」はフロリダ半島に上陸し被害も出ていますが、当初2
1兆円程度に膨れると見られていた被害額が、想定よりも少なくなることを
好感しています。シティグループは被害額が500億ドル(約5兆5000
億円)程度になるとの試算を発表しています。
これらを背景に、株式市場ではダウは前日比260ドルに迫る上昇を見せ、
約4週間ぶりに2万2千ドルの大台を回復し、S&P500も最高値を更新
しました。債券市場でも、リスクが後退したことで大きく売られ、長期金利
は2.13%台へ上昇し、ドルを支えています。
北朝鮮への原油全面禁輸は避けられたようですが、経済制裁は強化され今後
じわじわ影響がでることも予想されます。これに対して、北朝鮮は再度挑発
的な言動を繰り返してくるものと思われます。
本コメントを書いている間に、安保理での制裁決議が採択されたようです。
制裁内容は当初のものから軽減されましたが、米国のヘーリー国連大使は
北朝鮮の核開発プログラムを阻止するためには米国が単独でも行動する用意
があると、制裁決議後に述べています。(ブルームバーグ)
ドル円は先週末に107円32銭まで売られたものの、わずか1日で2円以
上もの反発を見せています。
前述したように、これは売ったドルの買い戻しが主因だと思われ、北朝鮮情
勢とハリケーン「イルマ」に振り回された結果です。
ここが落ち着けば、来週のFOMCでバランスシート縮小開始のヒントがあ
るのかどうかと、その先の利上げの有無がカギになります。
バランスシートの縮小開始に関してはメンバーの中でもそれほど意見が分か
れていませんが、問題は今年3回目となる利上げです。仮に今後の経済デー
タが軟調に推移し、インフレ率が上昇しないようだと利上げの可能性が後退
することになり、ドルの上値は抑えられることになります。
次期FRBの議長、副議長人事や、法人税減税の落ち着きどころ、さらには
債務上限問題の早期解決などが焦点になりそうです。もちろん北朝鮮問題も
まだ重要な波乱要因になります。
本日のドル円は108円70銭~109円70銭程度と予想します。

- [2017/09/12 08:57]
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ドル円窓を開けて取引始まる
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
したドル売りが優勢となり、107円32銭まで円高が進む。
その後レベル感からのドル買いも出て、107円70-80銭で
越週。
一時は1.2067までユーロ高が進み、直近の高値に並ぶ。
まちまち。ダウは13ドル上昇したものの、ナスダックは37
ポイント下落。
小幅安で取引を終える。長期金利は2.05%台に上昇。
本日の注目イベント
先週9日の土曜日は北朝鮮の建国記念日にあたることから、大陸間弾道ミサイルや
核実験など、さらなる挑発行為があるのではないかとの見方が強く、ドル円は10
8円を割り込み、NY市場では107円32銭まで一気にドル安が進みました。
週明け早朝の時点では特に挑発行為はなかったことで、ドル円は大きく窓を開け
108円台前半で取引が始まっています。
ただ、米国が北朝鮮への原油や石油製品、天然ガスなどの禁輸を含む経済制裁を国
連安保理に提出しており、この決議案が本日11日に採決するかどうかで、北朝鮮
の出方も変わってくるものと見られ、まだ緊張は続いています。
ドル円は今朝の早い時間には108円40銭前後まで上昇していました。
大型ハリケーン「イルマ」がフロリダ半島に上陸したものの、「カテゴリー4」と、
勢力をやや弱めていることや、北朝鮮が先週土曜日から挑発行為を封印し、国連
安保理の結果を注視していると見られることで、ややリスクが後退しています。
それでも自国を「原子爆弾、水素爆弾にICBMまで保有する核強国に上り詰めた
」と自賛し、「米国が敵視政策を続ける限り、わが方からの贈り物を引き続き受け
取ることになる」と、国営放送が伝えるなど、挑戦的な言葉を駆使しています。
安保理での結果次第ではさらなる挑発行為の発生があるかもしれません。
先週末のドル円は節目の108円を割り込むと下落が加速し、107円80銭前後
まで簡単に下げ、その後はもみ合いながら下値を徐々に切り下げる展開でした。
NYでは107円32銭までドル安が進み、昨年11月の米大統領選直後の円高水
準を記録しました。本邦輸出企業の平均設定レートが108円程度と言われており、
このまま円高が続けば輸出企業の業績にも悪影響を与えることになり、株価の下落
要因にもなります。輸入企業にとっては予想よりも円高水準でドルを手当て出来る
メリットがありますが、企業全体で見ると、円高には弱いのが実態です。
今朝のドル円は戻り基調にはありますが、上値は限られそうです。
安保理の制裁決議案の結果次第ということになりますが、チャートで見た
上値のメドは108円60-75銭辺りの「雲」ということになりそうです。
仮に制裁決議案が通らなかった場合にはドルの買戻しが活発化し、109円台に
乗せることがあるかもしれませんが、それでも朝鮮半島のリスクは完全には
払拭できません。
スイスが仲介に入り、米朝の劇的な交渉の場でも用意されない限り、まだ安心は
できません。
NY連銀のダドリー総裁は講演で、ハリケーンの影響を考え「次回の利上げが行
われる時期を判断するのはまだ早いが、短期金利がいずれ徐々に上昇する道筋が
今も整っている」と述べ、前回の講演で「年内3度目の利上げを支持する」とし
たコメントからはトーンダウンしています。
ハリケーン「イルマ」の被害額は21兆円にものぼるという見方もあるようです。
本日はNYでの国連安保理の動向も考慮し、107円30銭~108円80銭程
度を予想します。

- [2017/09/11 09:05]
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ドル円一時108円割れ目前
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
下落し、昨年11月以来となる円高水準を記録。米長期金利も2.03%
まで低下し、ドル売りを誘引。その後ドルは買い戻され108円台半ばで取引を
終える。
同時にユーロ高をけん制したことでユーロドルは乱高下。それでも1.2060前後まで
買われ、ユーロ円も131円台に乗せる。
下げたものの、ナスダックは4ポイント上昇。
見極め、買いが優勢に。長期金利は10カ月ぶりとなる2.03%台まで低下。
本日の注目イベント
ECBは理事会で政策金利の据え置きを決めたが、その後に行われた記者会見で
ドラギ総裁は量的緩和の縮小について、「決定の大きな部分は10月に下される
だろう」と述べ、10月の理事会で決定されることを示唆しました。
この発言を受け、ユーロドルは1.19台前半から1.2060前後まで上昇。
対円でも131円台前半までユーロ高が進みました。
一方でドラギ総裁はユーロ高をけん制する発言も行っており、「最近のボラテ
ィリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を
及ぼし得るという点で監視する必要がある」と、語っています。
ユーロドルは直後に売られる場面もありましたが1.20台を維持して今朝を
迎えています。
ドル円はユーロドルが1.20台に乗せ上昇を加速させると、円買いドル売り
が強まり、一時は108円05銭まで売られています。この水準は今年4月に
記録した108円13銭を下回る、昨年11月以来の円高を付けたことになり
ます。昨日の円高ドル安はユーロ高に引っ張られた格好になりましたが、この
欄でも何度か触れたように、周りを見渡せば「ドル安材料」は目白押しで、む
しろ108円台を維持しているドル円の粘り腰に驚いている状況でした。
前日には債務上限問題が一旦片付き、ドル円は109円台まで反発したものの、
12月には議会で、再びこの議題で議論が紛糾することになります。また大型
のハリケーン「イルマ」の被害も懸念されます。それ以前に、北朝鮮のさらな
る挑発行為が明日の建国記念日に実施されるのではとの見方もあり、なかなか
ドルを買える状況ではありません。昨日はさらにドル安に追い討ちをかけるよ
うに、米長期金利が2.04%を割り込み、約10カ月ぶりの低水準を記録し
ました。「周りはドル売り材料一色」と言ってもいい状況です。
108円は割り込んではいないものの、今年の円の最高値を記録したドル円は
108円割れも視野に入った感じがします。円高を嫌気して本日の日本株は大
きく売られる可能性もあります。円高と株安が同時進行する「負の連鎖」も想
定され、足元の関心は「ドルがどこまで下げるのか」といったところです。
さらにこのまま108円台で越週すると、重要な「週足」チャートでは「雲抜
け」が完成します。
「週足」で雲を下抜けすれば、昨年11月の米大統領選直後の水準と同じ形態
を示し、ドルの下落が長く続くことを暗示することになります。本日は108
円を維持できるのか。また仮に108円を割り込んでも、すぐに反発する力が
あるのかどうかがポイントでしょう。ずるずると108円を割り込み、その後
も緩やかに下落が続くような展開は避けたいところですが、どうでしょう。
予想レンジは107円70銭~108円80銭程度と見ます。

- [2017/09/08 08:56]
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ドル円109円台に反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
米国債のデフォルトの可能性が後退したことや、長期金利の
上昇を手掛かりに109円39銭までドルが買われる。
1. 19台前半から半ばで推移。
対ドルで上昇。
3カ月適用停止で合意したことを好感。ダウは54ドル上昇し、他の主要
指数も前日の大幅安から買い戻される。
利益確定の売りが優勢に。長期金利は2.10%台を回復。
原油は続伸し49ドル台に乗せる。
本日の注目イベント
ドル円は前日のNY株の大幅安や金利低下を受け、昨日の朝方に108円50銭
まで売られましたが、今回も108円割れを試すことなく109円台へと反発し
ています。北朝鮮リスクなど、ドル売り材料が目白押しの中、108円台を割り
込まない状況に意外感を感じます。
昨日は、トランプ大統領と民主党が、債務上限の3カ月適用停止で合意したとの
報道でリスクオフが後退し、ひとまずドルや株を買う動きや、買われていた債券
を手放す動きが強まり、ドル円は109円台半ばまで反発しました。
一方で、FRBのフィシャー副議長が10月中旬で辞任するとの報道もあり、ド
ルの上値を抑えることにもなっています。
フィッシャー副議長の任期は来年6月まででしたが、トランプ大統領に辞表を提
出し、10月13日もしくは同日前後をもって辞任する意向を示しています。
(ブルームバーグ)辞任の理由は「一身上の都合」だとしていますが、来年2月
にはイエレン議長の任期も迫っており、このタイミングで辞任することで、今後
FRBの金融政策が不透明になることが懸念されます。今月19-20日にはF
OMCが開催され、バランスシートの縮小やその後の利上げなど、FRBにとっ
ても難しい金融政策の舵とりを迫られている時期です。仮に来年2月にイエレン
議長が退任すれば、経験豊富な議長、副議長がいなくなることになり、FRBの
体制にも影響が出そうです。
絶妙なタイミングというべきか、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)
は現在、次期FRB議長候補で最も有力なコーン国家経済会議委員長を、トラン
プ大統領は指名しないだろうと、報じています。コーン委員長は白人至上主義を
掲げるトランプ大統領とは意見を異にしており、トランプ批判をしていることで、
トランプ氏からは嫌われているようです。
昨日は米中首脳会談が電話で行われましたが、北朝鮮への制裁を巡っては必ずし
も一致しておらず、北朝鮮への石油輸出を停止させようとするトランプ大統領に
対し、あくまでも平和的に解決をすべきという習金平主席との間には溝がありま
した。本日の安保理で北朝鮮への石油輸出停止を含む制裁決議が採択されるのか
が焦点になります。
ドル円は109円台を回復してはいますが、引き続き上値が重い状況は変わりま
せん。今週土曜日の北朝鮮の建国記念日、ハリケーン「イルマ」の存在、そして
今回のフィッシャーFRB副議長の辞任問題など、相変わらずドル売り材料が湧
き出てきます。それでもドル円が112円方向に行くのかどうか注目されます。
本日は108円60銭~109円60銭程度を予想します。
109円65銭辺りを抜ければ、「雲抜け」と「120日線抜け」(1時間足)
を完成させることから、こちらにも注目しています。

- [2017/09/07 09:08]
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ドル円再び108円台半ばまで下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は北朝鮮リスクや利上げ観測が後退したことで109円を
割り込み、108円63銭まで売られる。株式市場でも株価が大幅に下げ、
米金利も低下したことで円を買う動きが強まった。 - ユーロドルではそれほどドル安が進まず、明日のECB理事会を
待つ雰囲気が強まる。ドル円が下げた分、ユーロ円も129円台半ばまで
円高が進む。 - 株式市場は大幅に下落。北朝鮮がICBMの発射準備を行なって
いるとの韓国紙の報道や、ハリケーン「イルマ」の米本土接近を懸念した
売りが拡大。ダウは234ドルの大幅安で取引を終える。 - 債券相場は急騰。北朝鮮リスクと利上げ観測の後退に加え、
株価が大幅に下げたことでリスクオフが進む。長期金利は一気に2.06%台
まで低下し、昨年11月以来の低水準を記録。 - 金は大幅に続伸し1344ドル台に。一時は1349ドルまで買われ、
ほぼ1年ぶりの高値を記録。原油も反発し48ドル台を回復。
本日の注目イベント
- 豪 豪4-6月期GDP
- 米 7月貿易収支
- 米 8月ISM非製造業景況指数
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 加 カナダ中銀政策金利発表
- 加 カナダ7月貿易収支
ドル円は先週末、雇用統計は予想を下回ったものの、ISM製造業景況指数が高水準だったことから110円台半ばまで買われ、110円25銭前後で越週しました。ところが3日に北朝鮮が核実験を実施したことにより、再びリスクが拡大し、109円台までドルが売られ、昨日の連休明けのNY市場では株価の大幅安や長期金利の急低下から108円台半ばまでドル売りが進んでいます。
再び108円台まで売られてきたドル円ですが、7月以来この水準は幾度となく試し、その都度押し戻されたレベルです。そのため「108円台前半から半ばは底堅い」といった相場観が醸成されつつありますが、今回はこれまでとはやや異なるかもしれません。
米長期金利が2.06%台まで低下(価格は上昇)しており、市場は先行きのリスクに過敏になっていると見られます。またリスクが高まると上昇する「VIX指数」も昨日は一時14.06まで上昇し、先週末に比べて38.8%も上昇しました。この指数は「恐怖指数」とも呼ばれ、先行きが不透明になると上昇します。
今月19-20日にはFOMCが開催され、ここでバランスシート縮小の概要が決められるのではないかと見られていますが、その先の今年3回目の利上げについては極めて不透明な状況になってきました。FRBのブレイナード理事は昨日の講演で、物価上昇圧力の弱さを示す指標が続いていることを受けて、追加利上げに動く前に基調インフレに注意を払う必要があるとの認識を示しました。「インフレ率が当局の目標達成にむけた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」と述べています。(ブルームバーグ)FOMCメンバーの中でもダドリーNY連銀総裁など、利上げを支持するメンバーもいますが、意見は割れているようです。
北朝鮮が再び挑発行為を仕掛けてくるリスクは高まっています。昨日韓国紙が、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の可能性に向けて準備しているとの報道を行ったことで、ドル円は109円台前半まで売られる場面がありましたが、今週末9日の建国記念日が最も可能性が高いと見られているようです。北朝鮮リスクが常に目前に迫っている中で、米国では再びハリケーン「イルマ」がカリブ海に接近しています。このハリケーンは5段階で最強の「カテゴリー5」の勢力があり、「ハービー」に次ぐ甚大な被害も想定されます。
本日のドル円の焦点は何といっても、前回の円の高値である108円23銭と今年の円最高値である108円13銭を超える円高になるのかどうかです。108円台半ばから下方では個人投資家や機関投資家のヘッジはずしなどでドル買い意欲が活発だと見られていますが、果たして今日はどうでしょう。日本株もNYの株安を受け、かなり売られる可能性が高いと思われます。108円を割り込むようだと円高が加速することも考えられ、注意が必要です。これまで通り108円台が維持されるのか、今後の為替を占う意味でも重要な水準に差し掛かっています。レンジは107円70銭~109円程度を予想します。

- [2017/09/06 09:40]
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ドル円109円台半ばで次の動きを待つ
ひと目で分かる昨晩の動き
欧州市場
- 朝方のオセアニア市場で109円23銭前後まで売られた
ドル円は欧州市場では109円台半ばから後半で推移。NY市場が
休場のこともあり小動き。 - ユーロドルは1.19を挟んで小動き。今週のECB理事会での
金融政策が最大の注目材料であり、様子見の姿勢が強まる。
本日の注目イベント
- 豪 RBA、キャッシュターゲット
- 中 中国 8月財新サービス業PMI
- 中 中国 8月財新コンポジットPMI
- 欧 ユーロ圏8月総合PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏7月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏7月小売売上高
- 欧 ユーロ圏4-6月期GDP(確定値)
- 英 英8月サービス業PMI
- 米 ブレイナード・FRB理事講演
- 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
昨日の早朝に109円23銭前後までドル安が進み、先週末のNY市場の引け値から1円程度の円高を記録したドル円でしたが、その後はもみ合いに終始し、109円台半ばで戻って来ました。NY市場が「レーバーデイ」で祝日だったことがある意味、幸いしたのかもしれません。仮にNY市場がオープンしていたら、債券市場で安全資産の債券が買われ、金利が低下することでドル売りがさらに強まった可能性があります。ただ、その分本日に持ち越されることも考えられますが、一日クッションを置いたため、特別な動きがない限り影響は限定的だと思われます。
昨日はマティス国防長官がかなり過激は発言を行っていましたが、トランプ大統領は比較的冷静だったと言えます。今朝のブルームバーグはヘイリー国連大使の言葉を伝えており、同大使は北朝鮮が核実験を強行したのは「戦争を懇願する」行為だと主張し、「最強の制裁だけが、この問題の外交解決を可能にする」と述べています。また、トランプ大統領は4日、韓国の文大統領とドイツのメルケル首相とも個別に電話会談をし、高まりつつある危機について話し合ったようです。
北朝鮮の挑発行為はエスカレートする一方で、このままでは今週土曜日9日の建国記念日にも何らかの行動を起こすことも予想されます。トランプ大統領がどのような対応を見せるのかが焦点ですが、今年4月にシリアを突然攻撃したように奇襲攻撃はできないようです。韓国が北朝鮮に対して最大限の非難をしながらも、一貫して戦争は回避する姿勢を見せているからです。そのため市場には武力衝突には至らないという見方が根強くあるようです。もっとも、北朝鮮もその辺りを考えて挑発行為を繰り返しているふしもあるようです。
市場は度重なる北朝鮮からの威嚇行為にも徐々に慣れてきたようにも見受けられます。8月29日のミサイル発射では108円台前半まで円が買われたものの、その後は110円台半ばまで跳ね返されており、北朝鮮材料だけでドル売りを仕掛けるのもリスクがあります。今回の核実験では今のところ109円台前半までの円高で止まっています。このままにらみ合いが続き、武力衝突に発展しなければ、ドル円も110円台を回復し、安定することもあり得ます。一方で、これまでとは異なり、6回目の核実験を実施したことで、米国への核のリスクが高まっているため、米国の言う「レッドライン」を超えているとすればこのままでは収まらないことも想定されます。しばらくは不安定な状況が続くことになるでしょう。本日の予想レンジは109円~110円30銭程度とします。

- [2017/09/05 09:27]
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北朝鮮の核実験でドル円窓を開けて始まる
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
下回りドル売りが先行。ドル円は109円56銭まで売られたが、
その後発表されたISM製造業指数が予想を大きく超えていた
ことでドルが買われ110円台半ばまで上昇。
1.1980まで買われたものの、その後はじり安。
ダウは一時2万2000ドルを回復する場面もあったが続かず、
結局39ドル高で取引を終える。
で売りが優勢に。長期金利は2.16%台へと上昇。
本日の注目イベント
先週金曜日のコメントで、北朝鮮は週末を挟んでミサイルを発射する傾向があり、
来週の月曜日まで『要注意日』ですと書きましたが、今回はミサイルではなく一
段の脅威をもたらす核実験を強行しました。為替市場では早朝から先週と同じよ
うに、先週末のNY市場では110円台前半でクローズしたものが、「窓」を開
けて取引きが始まり、一時は109円20銭台まで円買いが進みました。
それにしても北朝鮮の挑発行為は一向に止むどころか、エスカレートしています。
いくら安保理で経済制裁を決議しても、この状況では挑発行為をやめる可能性は
ないものと思われます。日韓だけではなく、今や米国にも弾道ミサイルが飛んで
くる可能性も出ており、トランプ大統領がどのような対応をみせるのか、さらに
注目が集まります。米国の言う、「レッドライン」は既に超えていると見られ、
軍事的行動を起こす大義名分も揃ってきたように思えます。
ただ韓国は今回の行動に強い非難をしているものの、一貫して軍事的衝突は避け
たいとの意向を維持しており、武力による制裁は米国一国だけの意向で実施する
のは難しい状況です。北朝鮮も、この辺りの状況を承知の上で挑発行為を続けて
いるとも見られます。
先週末の雇用統計は懸念したように、ADP雇用者数が大きく上振れしたことと
は反対に予想を下回る結果でした。予想の18万人に対して15.6万人で、さ
らに7月分も20万9千人から18万9千人に下方修正されています。もっとも
FRBはこの程度では労働市場が減速したとは見ておらず、10万人以上の増
加が続けば「巡航速度」と考えているようです。
むしろその後に発表された8月のISM製造業景況指数が「58.8」だったこ
とがややサプライズでした。前月の「56.3」から大きく伸び、6年ぶりの高
水準です。またミシガン大学消費者マインドも確定値が「96.8」と、速報値
よりも下方修正br>されたものの、3カ月ぶりの高水準を記録しています。
米経済データは強弱まちまちの状況が続いており、利上げ観測の点からも
利上げ見送りを決定づけるほど弱くもなく、かといって、利上げ観測が高まる
こともなく、投資家にとって「悩ましい」状況だと言えます。
本日も神経質な動きが想定されます。
市場も北朝鮮からの「脅し」にも慣れてきており、そう簡単にパニックにはなり
ません。やはり米国の対応が焦点になります。
米国時間になって、どのようなコメントや動きがあるのか。
米国債が買われ、金利が低下するようだとドル円も109円を試す軌道に入るか
も知れませんが、本日の米債券市場は休みです。
本日のレンジは109円~110円30銭程度とします。

- [2017/09/04 08:53]
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ドル円110円台から反落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は110円67銭前後まで買われたものの、経済指標
の結果と米財務長官の発言にドル売りが優勢となる。
110円を割り込み、109円88銭まで下落。 - ユーロドルは朝方つけた1.1823近辺を底値に反発。
ドルが売られたことで1.1912前後まで上昇。 - 株式市場は5日続伸。個人消費支出は予想を下回ったものの、
6月分は上方修正されたことで続伸。ダウは55ドル上昇し、ナスダックも
60ポイント上昇。 - 債券相場は小幅に反発。米財財務長官の発言を好感し買われる。
長期金利は2.11%台へと低下。 - 金は反発し1322ドル台に。原油も大幅に買われ47ドル台を回復。
- 7月個人所得 → +0.4%
- 7月個人支出 → +0.3%
- 7月PCEコアデフレータ → +1.4%
- 新規失業保険申請件数 → 23.6万件
- 8月シカゴ購買部協会景気指数 → 58.9
- 7月中古住宅販売成約指数 → -0.8%
本日の注目イベント
- 中 中国 8月財新製造業PMI
- 欧 ユーロ圏8月製造業PMI(改定値)
- 英 英8月製造業PMI
- 米 8月雇用統計
- 米 8月ISM製造業景況指数
- 米 8月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
- 米 8月自動車販売台数
昨日のドル円は底堅い動きを見せたものの、110円66銭まで上昇し、この辺りが一杯でした。北朝鮮との緊張が続く中、112円方向へ行くにはやや無理があると考えていましたが、昨日はムニューシン財務長官の発言と、注目されたPCE・コアデフレーターが1.4%と、伸びが鈍化していたことでドルが下落に転じたものでした。ただ、懸念されていた法人税減税がようやく動き出し、数週間以内には概要が発表される見通しもついたようです。
ムニューシン財務長官は米CNBCとのインタビューで、「貿易に関しては、一段と弱いドルがわれわれにとっては多少好ましい」と述べ、ドル売りのきっかけを提供した格好になりましたが、これは強いドルが米国にとって好ましいかどうか問われたことに対して答えたもので、その後には「私がこれまで一貫して言ってきたことは短期的には、ドルの強さは準備通貨としての信任、および米経済への信頼の表れだと考える」(ブルームバーグ)とも述べています。同長官は今年始めの就任直後には、「強いドルは国益にかなう」と発言したこともあり、トランプ大統領とは為替に関しては認識が異なると、個人的には見ていました。「米経済の強さを考えれば、ある程度止むを得ない」との立場は維持しており、あくまでも「貿易」の観点から述べたものと思われます。
ドル円は引き続き明確な方向性のない動きを見せています。108円を割り込み急落するリスクはやや後退したものの、上値は依然として重く、108-111円のレンジの中で、経済指標や北朝鮮問題の動き、あるいは昨日の財務長官発言など、要人発言などで上下する展開です。その中でもやはり重要なのは北朝鮮の動きです。北朝鮮は週末を挟んでミサイルを発射する傾向があるため、今日から来週の月曜までは「要注意日」にあたります。
今夜は米雇用統計の発表があります。非農業部門雇用者数は18万人程度と予想されていますが、先日のADP雇用者数の様に上振れするかどうかは分かりません。仮に結果が20万人を超えていても、ドル円は111円程度が一杯で、さらなる上昇は難しいのではないかと考えています。それはシティーグループが提供している「びっくり指数」(Economic surprise index )を見ても明らかなように、同指数は改善傾向を見せているにも関わらず、ドル円は下落傾向を示しており、逆相関の状況です。これはこのところのドル円相場は経済指標の結果よりも、北朝鮮問題など、外部環境に大きく影響されていると考えることができます。
本日の予想レンジは109円40銭~110円90銭程度とややワイドに見ています。

- [2017/09/01 09:50]
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