ドル円再び112円台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
発言をしたことを材料に112円49銭まで上昇。ただ112円台半ばを
抜けきれずにその後は112円台前半まで押し戻される。
ユーロ安水準まで下落。
S&P500は小幅に上昇したものの、イエレン議長の発言がやや重石に。
やや上昇。
本日の注目イベント
昨日111円台半ばまで売られたドル円は一転して112円49銭まで反発し、
1日でセンチメントが変わる、やりにくい展開です。FRBのイエレン議長が
講演を行い、その中で、「インフレ率が目標の2%に戻るまで金融政策を据え
置くのは賢明ではない」と発言し、緩やか過ぎるペースでの利上げに当局は注
意すべきだとの認識を示したことがドルを押し上げました。
ドル円は112円台半ばまで買われましたが、このレベルは先日の高値でもあ
り、投資家はここからのドル買いには慎重になっていると見え、このレベルか
らは反落しています。
北朝鮮問題では北朝鮮側からコメントが出るたびにドルが売られますが、一方
で先週20日のFOMC以降、12月の利上げ観測がドルの下落を抑える構図
になっており、この日のイエレン議長の発言で、12月に利上げをしたいとい
うイエレン議長の「悲願」が伝わってくるような気もしました。
イエレン氏は来年2月に任期を終える予定で、その後継続するのかどうかはわ
かりませんが、自身の健康上の理由もあり、個人的には仮に再任を要請されて
も辞退するのではないかと予想しています。
そうだとすれば、12月か来年1月のFOMCの2回しか、在任中での利上げ
のチャンスは残っていません。
任期中に出来るだけ金融政策のフリーハンドを得るために、通常の金利水準に
戻したいのは、もはや「悲願」と言ってもいいのではないでしょうか。
この日のドルの上昇はこの発言だけではなかったようです。
アトランタ連銀のボスティック総裁も「12月の段階で金利を変更しようとい
う考えについて、現時点で極めて満足している」と述べています。
また本日にはトランプ政権の柱の一つである税制改革の概要が明らかになるこ
ともドルにとってはプラスに作用しています。
ただ、税率が15%になるのか20%台のどこに決まるのかによっては、失望
のドル売りにつながらないとも言えません。
ドル円は112円台半ばがやや上値の壁になりつつあります。
先週のFOMC以降111円割れは示現しておらず、底堅い動きを見せていま
すが、これは「日足の雲」がドルをサポートしていると見られます。
一方上値の方は、112円59銭がドルの天井になっており、昨日もそうです
が、112円台半ばを抜く力はないように見えます。
北朝鮮問題が常に意識の中にあり、武力衝突の可能性は低いと言っても、言葉
のトーンを聞く限りエスカレートしているのも事実です。
このような状況下では、短期的にはドル高トレンドだとしても、さらなるドル
買い材料が出ないと115円方向に持っていくのは簡単ではありません。
ユーロドルが1カ月ぶりに1.17台まで下落したことを考えると、ユーロの
上昇にやや天井感が出たのではないかと同時に、ドル高傾向が維持されている
と感じます。
次のインパクトのある材料までは112円台半ばより上ではドル売りで、11
1円台半ばより下ではドルを買うスタンスが機能しそうです。
本日は111円70銭~112円70銭程度を予想します。
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- [2017/09/27 08:34]
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