ドル円106円台で堅調に推移
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は小動き。米経済指標が弱かったことで106円27銭前後を試したが、
勢いはなく、106円台半ばで引ける。 - ユーロドルは1.23を挟んだもみ合い。依然として明確とした方向性が
見られず。 - 株式市場は反発。重石であったハイテク株が反発したことで、ダウは
254ドル上昇。ナスダック指数も114ポイント上昇。 - 債券市場は反発。長期金利が2.74%台と2月5日以来の低水準。
- 金は3日続落し、原油は反発。
- 2月個人所得 →+0.4%
- 2月個人支出 →+0.2%
- 2月PCEコアデフレータ →+1.6%
- 新規失業保険申請件数 →21.5万件
- 3月シカゴ購買部協会景気指数 →57.4
- 3月ミシガン大学消費者マインド(確定値)→101.4
本日の注目イベント
- 日 2月失業率
- 日 2月鉱工業生産
- 米 株式、債券市場休場(グッドフライデー)
前日のNY市場で2週間ぶりに107円台を付けた事で、昨日の東京市場の動きに注目していましたが、久しぶりのドル高水準であったことから、輸出筋を中心に断続的にドル売り注文が出た模様でドル円は106円の半ばまで押し戻されました。
昨日のNY市場では、インフレ率や個人消費支出が発表されましたが、これらは予想値と完全に一致しており、為替への影響はありませんでした。ただミシガン大学消費者マインドの確定値が、下方修正されたことでドル円は下値を試し106円27銭前後まで、売られる場面がありました。
市場全体を見渡すと北朝鮮の金正恩委員長の電撃的な中国訪問で北朝鮮リスクは後退してます。来月27日には南北首脳会談が、11年ぶりに開催されることも決まり、北朝鮮リスクは大きく後退すると思われます。一方もう一つのリスクである米貿易問題は予断を許しませんが、米国側は今後対象品目を選定する予定ですが、どうやら60日の猶予期間を設けるようです。幸い中国側が米国に対する対抗措置を検討していますが、その規模は小さく今後は水面下で両国が交渉を行う可能性があります。一部にはトランプ大統領は本気で中国と貿易戦争を行う気持ちはなく11月の中間選挙をにらんだパフォーマンスとの見方もあります。トランプ大統領自身の支持率は直近でも40%前後と低く支持しない人は50%を大きく越えてます。このままで行けば11月の中間選挙では共和党が負ける可能性が高く大統領は、起死回生を狙った行動に出ているという見方にもうなずけます。
本日はグッドフライデーのため、米国では株式市場と債券市場が休場です。このところの為替相場は両市場の動きがドライバーとなり上下しています。そのため本日は106円台での動きが予想されます。レンジは106円の20銭~106円80銭程度と見ています。
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- [2018/03/30 10:41]
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ドル円2週間ぶりに107円に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ことで一気に107円台まで急反発。ショートカバーの買い戻しもあり、
一時は2週間ぶりにとなる107円01銭までドル高が進む。
銘柄が重石となりナスダックは大幅続落。
原油価格も3日続落。
本日の注目イベント
ドル円は急反発して約2週間ぶりに107円台に乗せました。
もっとも、107円台に乗せたといっても、『かすっただけ』で、107円台での
滞空時間はほとんどありません。特段材料がない中、北朝鮮問題が緩和したことや、
月末需要でドルが買われたとのNYからのコメントですが、106円台半ばを超え
た辺りからはストップのドル買いがドルを押し上げたとの見方もできそうです。
私も含めて多くの専門家は、105円という節目を割り込むと、103円程度まで
は急速にドルが下げるのではと予想していました。
105円前後が重要な節目であったことや、その下方にはテクニカル的にも目立っ
たサポートが見当たらなかったことなどがその理由でした。ドル円は先週、米中の
貿易戦争懸念からNY株が大きく下げたことで、105円を割り込みました。
105円を割り込んでからのスピードは予想通り速かったものの、104円台半ば
で下げ止まり、その後はじりじりと戻す展開から、昨日は107円ワンタッチとい
う具合です。
相場予測の基本が「日足チャート」にあるのだとすれば、ドル円の上値はまだ重く、
上昇トレンドへの転換にはまだ時間がかかると見て取れます。ただ注意したいのは
「MACD」では依然としてマイナス圏で推移しているものの、既にゴールデンク
ロスは完成させています。また、今年1月8日の113円39銭を頂点に右下方に
描くことができる「レジスタンスライン」では、昨日上抜けしてきました。
米中の通商問題やロシア疑惑など、まだドルがこの先売られる材料は残っています。
従って目先の方向性は依然下方トレンドとの見方は変えていませんが、
上記2つの「変化」が、トレンド展開の「始まりの始まり」であることも考えられ
ます。今後の動きに注意したいところです。
昨日の動きは例外でしたが、このところ米国株の乱高下が再び為替相場のかく乱要
因になっています。NYダウが1日で400~700ドル上下する中で、ドル円も
日替わりメニューの様に方向感もなく動いています。
ここ2、3週間の動きでは、個人投資家だけではなく、いわゆるビッグプレーヤー
と言われる投資家でもなかなか利益をあげるのは簡単ではないと思われます。
無理をせず、早めの利益確定を心がけたいところです。
本日の予想レンジは106円20銭~107円20銭程度とみたいと思います。

- [2018/03/29 09:00]
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NY株の乱高下収まらず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は底堅い動きを見せ、105円90銭前後まで買われたものの、
そこを頂点に反落。株価の下落や長期金利の急低下から円を買う動きが
強まり、105円33銭近辺まで売られる。 - ユーロドルは小動き。ドルが下落したことに伴い、1.2416近辺まで
ユーロ高が進む。 - 株式市場は前日の大幅高から一転下落。トランプ政権が中国に対し
重要な技術に対する中国からの投資を制限することを検討しているとの
報道から、テクノロジー株を中心に売られる。ダウは344ドルと大幅安。 - 債券は大幅高。10年債利回りは1月末以来となる2.8%台を割り込み、
2.77%台まで低下。 - 金と原油価格は反落。
- 1月ケース・シラ-住宅価格指数 → +6.40%
- 3月消費者信頼感指数 → 127.7
- 3月リッチモンド連銀製造業指数 → 15
本日の注目イベント
- 米 10-12月GDP(確定値)
- 米 2月中古住宅販売成約指数
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
NY株が再び大幅安に見舞われたことで、戻り基調だったドル円も105円90銭前後を頭に反落しています。昨日の東京市場は、3月末配当の権利確定ということもあり、日経平均株価は551円高と、今年2番目となる上昇幅を記録して取引を終えました。ドル円も堅調な動きを見せ、NYでは106円に迫る水準までドル高が進みましたが、再びトランプ政権の通商政策の行方にリスクが高まったようです。
前日、米中の貿易戦争が回避できるのではとの観測から株が大きく買われましたが、対中国からの貿易赤字を何としても減らしたいトランプ大統領は、そう簡単には手綱を緩めません。トランプ政権は極めて重要な技術に対する中国からの投資を抜本的に制限する選択肢として、国際緊急経済権限法の発動を検討していると、ブルームバーグは事情に詳しい複数の関係者の話として伝えています。財務省が半導体や次世代高速通信5Gなど、中国企業からの投資を禁じる技術セクターを特定する作業に入っているというものです。ロス商務長官もFOXテレビのインタビューで「外国からの投資に制限が設けられる」と述べています。
この報道を受けNY株式市場では再びリスク回避の動きが強まり株価は大きく値下がりしました。特に、ハイテク銘柄の多いナスダック指数は277ポイント安と、前日比2.9%を超える下げを記録しています。米中貿易問題では、李克強中国首相が「貿易戦争に勝者は存在しない」と発言するなど、これ以上の関係悪化が避けられそうな状況でしたが、まだ先行きはかなり不透明のようです。
ドル円は昨日のレンジ予想で105円90銭程度が上値のメドであることを書きましたが、偶然ですがそこを頂点に反落しています。
テクニカルでは「1時間足」チャ-トの「200時間移動平均線」を、結局抜け切れなかったことになります。この上にも「4時間足」では幾つかのレジスタンスがあり、106円前後は戻りの重要なポイントと見られます。
本日はNY株の大幅安と権利落ちで、日経の大幅安は避けられない印象です。株価の下落に、ドル円は105円台を維持できるかどうかが注目されますが、株式市場では本日から実質新年度入りとなります。新年度入りで新たな資金が株式に向かえば下げ幅も限定的となり、ドル円も底堅い動きになるかもしれません。予想レンジは104円90銭~105円80銭程度と見たいと思います。

- [2018/03/28 09:54]
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ドル円105円台を回復
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は反発。昨日の朝方104円台半ばまで売られたドル円は
105円台を回復し、105円48銭まで上昇。NY株式市場が大幅に反発した
ことや、米金利の上昇が手掛かりに。 - ユーロドルも急反発。1.2461までユーロ高が進み。約1カ月半ぶりの
水準を記録。ユーロは対円でも131円台を回復。 - 株式市場は大幅に反発。米中貿易問題の緊張がやや和らぐ観測も
出たことで、ダウは先週末比699ドル上昇。他の主要指数も軒並み上昇。 - リスクがやや後退したことで債券は売られる。長期金利は2.85%台
へと上昇。 - 金は4日続伸。原油は小幅に反落。
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏2月マネーサプライ
- 欧 ユーロ圏3月景況感指数
- 欧 ユーロ圏3月消費者信頼感(確報値)
- 米 1月ケース・シラ-住宅価格指数
- 米 3月消費者信頼感指数
- 米 3月リッチモンド連銀製造業指数
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
今朝の新聞には、北京の迎賓館で厳重な警戒体制がとられていることから、北朝鮮の要人が訪中した可能性が高いと伝えていましたが、今朝のブルーバーグは北朝鮮の金委員長が中国を電撃訪問したと報じています。米朝とトップ会談が予定されていますが、中国の仲介でさらに実現しそうな気配です。訪問の目的はまだ明らかにはされていませんが、中朝関係の修復もありそうです。
ドル円は105円台半ばまで反発しています。上記、金委員長の訪中も好感されているかもしれませんが、米国の中国製品に対する関税引き上げに、中国側は米国製品の輸入拡大を検討するなど、対抗措置を示しておらず、李克強首相も、「貿易戦争に勝者は存在しない」との見方を示しており、緊張は和らいでいます。
米中貿易戦争が、これ以上エスカレートすることが回避される気配が出てきたことで大きく売り込まれたNY株式市場が急反発し、ドル円も買い戻され、105円台半ばまでドル高が進みました。昨日の朝方には、104円66円銭前後までドル円が売られ、 日経平均株価も一時270円ほど下落しましたが、引けにかけてはプラスに転じ、結局高値引けで取り引を終えました。先週末のNYダウが424ドル下げたにも関わらず、プラスで取り引を終えたこともNY株急反発につながったと言えます。
リスクオフムードがやや後退した印象ですが、まだ予断は許しません。トランプ大統領の保護貿易主義の矛先が日本に向かって来ることも考えられます。場合によっては為替水準にも言及してくる可能性もないとは言えません。まだ、ドル円の上値は重いと認識しておく必要がありそうです。注意したいのが本日の『森友問題』に関連した、佐川前国税庁長官の証人喚問です。
ここでどんな証言が出てくるのかわかりませんが、決裁文書の改ざんを財務省理財局だけの判断で行ったのか、政治家の関与がなかったのかどうかが焦点になりそうです。証言内容から、安倍首相の責任問題にまで発展するようだと、ドル売り円買いが強まる可能性があります。佐川氏の一言一句を確認しながら、本日の為替も動くことになろうかと思います。また、本日は3月決算企業の期末配当の権利確定日にあたり、配当取りの買い物が増えれば株価の上昇も見込めそうです。ドル円は「1時間足の雲」を上抜けできるかどうかもポイントになりそうで、レンジは104円90銭~105円90銭程度を予想しています。

- [2018/03/27 09:32]
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NYダウ連日の大幅下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は米国が中国への大規模な関税賦課を決めた
ことで、米中間の貿易戦争拡大懸念から104円66銭まで下落。
ダウ指数が連日の大幅安になったことも円を買う動きに。 - ドル安が進み、ユーロドルでもユーロ買いが優勢に。
1.2373まで買われたが勢いは出ず。 - 株式市場は連日の大幅安に。米中貿易問題が世界経済へ
悪影響を及ぼす懸念も意識される。ダウは424ドル下げ、2日間で
1100ドルを超える。 - 株価が大幅に下げたことで、債券には買いが集まる。
長期金利は2.81%台まで低下。 - ドル安が進んだことで金は大幅高に。原油も買われ65ドル台に。
- 2月耐久財受注 → +3.1%
- 2月新築住宅販売件数 → 61.8万件
本日の注目イベント
- 仏 仏10-12月期GDP(確報値)
- 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
- 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
トランプ政権は中国が知的財産権を侵害しているとして最大で1300品目、600億ドル(約6兆3000億円)分に25%の関税をかける措置を決めました。米通商法301条に基づく対中制裁に踏み切ったことになります。GDP世界1位と2位の両国が保護貿易問題でエスカレートする事態は、世界にとっても重大な懸念材料となり、日本にとっても景気にも影響を与えるほど、大きな問題になる可能性を秘めています。
米中貿易問題の懸念が米株式市場にも影響を与えています。ダウは前日724ドル下げたにも関わらず、この日も424ドル下げました。1月26日には2万6616ドルまで上昇した株価は、2万3500ドル台まで下げています。米国の制裁に対して中国側も対抗措置を検討しているとの報道が株価への重石になっています。
中国への制裁に対して崔・駐米大使は「あらゆる選択肢を検討している」と強くけん制しています。この中には米国債の購入額を減らすことや、保有する米国債の売却も入っていると見られます。報道によると、中国は1月末時点で1兆1700億ドル(約120兆円)の米国債を保有しており、世界最大の米国債保有国です。米国が中国製品に対して大規模な関税をかけるのであれば、保有する米国債売却をちらつかせて、交渉の「武器」にしようとういうことのようです。
もしこれが実際に行われるようなら、金利上昇圧力の強まっている米長期金利がさらに急騰することになります。もともと、昨年末の税制改革で法人税減税を決め、その原資を国債の増発で賄うという見方があり、さらには10年で1兆5000億ドルにのぼるインフラ投資の財源につても同様に見られています。そこに、中国政府による購入控えや売却が加われば、米国債が大きく売られるのは避けられません。
ただ、実際問題としてそう簡単に中国が米国債を売るとも思えません。保有額が大きいことと、中国が売却するという報道だけで、市場が動いてしまい、結局は自分で自分の首を絞めることになります。「Too big to sell 」といったところです。また、中国にとっても、米国債以外に大量の資金の投資先を見つけることは簡単ではないし、まず見つからないという状況です。ムニューシン財務長官は中国製品への関税を賦課する必要性を未然に防ぐために、米国が中国と合意をまとめられるとの楽観的な見方を示していますが、トランプ大統領の強気の姿勢からすると、このまま行きそうな気配もあります。(ブルームバーグ)
本日もドル円は下値を探る展開が予想されます。シカゴ日経平均先物は先週末の引け値からは450円ほど下げており、本日も日本株の大幅安は避けられない状況です。株価とドル円との関係がそれ程強くはなっていませんが、それでもリスク回避の円買いが強まりそうです。
本日のドル円は104円~105円30銭程度の動きを予想します。

- [2018/03/26 09:36]
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米、中国に対する関税引き上げを決定
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
関する大統領令に署名したことで、貿易戦争への懸念が高まり
リスク回避から円が買われる。ドル円は105円26銭までドル安が進み、
この日の安値圏で取引を終える。
リスク回避の流れが強まったことで、ユーロ円も下落し、129円台半ば
までユーロ安が進む。
ダウは前日比724ドル下げ、2万4000ドルの大台を割り込む。
集まる。長期金利は2.82%台まで低下。
本日の注目イベント
昨日のこの欄でも述べましたが、トランプ大統領が幅広い中国製品を対象に
関税を課すための大統領令に署名しました。
米通商代表部(USTR)は、中国からの航空宇宙、機械、テクノロジーの
輸入に対して25%の関税賦課を提案する考えを明らかにしています。
ロス商務長官は、輸入関税の余波は深刻なものにはならないとし、今後交渉
が行われることになると説明しています。(ブルームバーグ)
大統領令を受けて、USTRは関税引き上げ対象リストを15日以内に取り
まとめるようですが、既に高まっている米中通商関係が一段とエスカレート
する懸念が広がっています。
トランプ大統領は「ここまでたどり着くのに長い時間を要した」と述べ、
「中国によって知的財産権が著しく侵害される状況が続いており、貿易への
影響は1年間で数千億ドルに達する」と指摘しました。中国側はこれに対し
て報復措置を検討していると、ブル-ムバーグは伝えています。
NYダウは700ドルを超える下落を記録し、2月初旬の株式市場の混乱が
再び繰り返されそうな気配です。リスク回避が一気に進み、安全資産の債券
が買われ、為替市場では円が主要通貨に対して全面高の展開になってきまし
た。ドル円はNY市場では105円台を維持していましたが、今朝方には1
05円を大きく割り込み、円高がさらに加速する勢いを見せています。
ドル円は105円という重要な節目を割り込んだことで、下値にはサポート
が見つけにくい状況になっています。
2016年11月には、米大統領選の結果が「サプライズ」だったことで、
99円台まで円高が進む場面がありましたが、今回も再び円高の引き金を引
いたのはトランプ大統領で、これも何かの巡り合わせのような気もします。
本日はNY株の大幅下落と円高が急速に進んだことから、日経平均株価の大
幅安は避けられないでしょう。
上下を繰り返しながらも、103円台までドル安が進む可能性も否定できま
せん。財務省から『口先介入』が出ることは予想できますが、この段階で実
弾による市場介入は考えにくいと思われます。
予想レンジは104円~105円30銭程度とします。

- [2018/03/23 09:08]
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FOMC利上げを決める
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
64銭前後まで上昇したが、利上げ回数見通しは維持された
ことで106円を割りこむ。
1.23台半ばまでユーロ高が進行。
その後マイナス圏に沈む。今後とも利上げが継続されるとの見方が
重石に。主要3指数は揃って下落。
ことを好感、長期金利は2.883%台へと低下。
1ドル63セント上昇し、約1カ月ぶりに65ドル台に乗せる。
本日の注目イベント
注目されたFOMCでは予想通り0.25%の利上げを決定し、FF金利の誘導目標
は1.5%~1.75%としました。
さらに注目された「ドットチャート」では、今年3回の利上げを予想するメンバーの
数は15人中13人でした。昨年12月時点では16人中10人だったことを考える
と、メンバーが金利軌道予想の傾斜を強めてきたことは理解できるものの、事前予想
ほどタカ派的ではなかったことになります。そのためドル円は発表直後にはドルが買
われ、106円64銭前後までドル高が進んだものの、その後は106円台を割り込
むなど、依然としてレンジブレイクの展開には至っていません。
声明では「経済見通しはこの数カ月に力強さを増した」と指摘し、「金融政策スタン
スのさらなる漸進的な調整」を予想する文言を維持し、イエレン路線を踏襲した形に
なりました。政策発表後、パウエル議長は記者会見で「雇用市場は引き続き強く、景
気拡大は続いている。インフレ率はFOMCの長期的な目標である2%に向かってい
るようだ」と述べています。
ただ、トランプ政権の貿易政策が企業にとって懸念事項になっているとも指摘してい
ます。
今回の利上げ回数を巡っては当局者の間でも意見が分かれており、7人のメンバーが
4回以上の利上げが適切と予測しているのに対し、8人は3回以下が適切だと見てい
ました。(ブルームバーグ)結局今回のFOMCでは事前予想されたほどタカ派的で
はなかったことで、ドル円は上値を抜け切れないと同時に、105円台では底堅い動
きを継続しています。FOMCという重要イベントを通過しても、レンジブレイクで
きないドル円です。ここしばらくは膠着状態が続き、材料としては再び「森友問題」
と「トランプ大統領の通商政策」さらには、「米朝首脳会談の実現性とその内容」と
いうことに絞られそうです。
その中でも、早ければ本日にもトランプ大統領は中国による知的財産権侵害に対する
制裁関税を発表する見通しと、ブルームバーグは伝えています。その規模は約500
億ドル(約5兆3000億円)にものぼる予定で、対象品目も100種類を超えると
見られていますが、アマゾンやウォルマ-トは、中国製品に対する大規模な制裁措置
を講じれば、消費者物価上昇を招くほか、株式市場も打撃を受ける可能性があると警
告しています。(ブルームバーグ)
本日の予想レンジは引き続き105円50銭~106円50銭程度とみています。

- [2018/03/22 08:54]
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ドル円往って来いの展開
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
106円30銭まで買われた後、株価が大幅安を記録したことで
105円78銭まで売られ、106円前後で取引を終える。
方向感も掴めず。
ハイテク株が下げを牽引。ダウは335ドル下げ、ナスダックも137ポイント
下落。
売られ、長期金利も上昇。
本日の注目イベント
ドル円は膠着感が強まってきました。
106円を挟んだ取引が続き、上値の重さは確認されるものの、105円台半ば
近くになるとドル買いも根強く、昨日の東京市場でも105円68銭前後までド
ル安が進んだものの、NYでは106円台に押し戻されています。
昨日の東京タイムには日経平均株価が一時300円ほど下げたことで、ドル売り
が強まり、105円台半ばまで下げましたが、その後は海外市場でドルが買い戻
され、結局、これまでのレンジをさらにせばめる動きになっています。
本日から始まるFOMCでは、米景気に対する強気な見方や、利上げスタンスも
タカ派的になるとの見方が強まり、106円30銭近辺までドルが買われました。
ドルの上値が重いという認識が強まっているものの、105円台でのドル売りは
なかなか機能しない展開です。
「森友問題」や「米国の保護貿易主義の高まり」、さらには「トランプ政権の専
制的な人事」など、ドル安材料が多くあるなか、105円台前半から半ばでは底
堅い動きが続いています。
ワシントンポストは、トランプ大統領が中国への年間600億ドル(約6兆36
00億円)の関税計画を23日までに発表する可能性があると伝えています。
関税の対象は100品目を上回る可能性があり、トランプ大統領は中国企業が
企業機密を盗んだり、米企業に引き渡しを強要したものだと主張していると報じ
ています。(ブルームバーグ)
先週、鉄鋼とアルミニウムの輸入関税をそれぞれ25%と10%に引き上げる措
置に署名し、今週末には実施される予定です。今回の措置は、米国の貿易赤字の
半分以上を占める中国に対する個別の
制限措置になりますが、これに対して中国側がどのような対応を見せるのか注目
されます。さらに、日本に対しても同様な政策が取られる可能性が高いとみられ
ます。
本日からFOMCが開催され、22日未明には政策金利の発表と、パウエル議長の
会見が行われます。
利上げはほぼ確実と見られていますが、注目はその後の議長会見と、メンバーによ
る政策金利の見通し(ドットチャート)です。
昨年12月の見通しでは3回の利上げが見込まれていましたが、それが4回に上方
修正されているかどうかがポイントの一つになります。
FOMCは年に8回開催されますが、議長の会見があるのはその半分の4回です。
これまで5回の利上げが実施されてきましたが、利上げを決めた会合は全て議長の
会見がある会合です。仮に今年4回の利上げが見込まれるのであれば、今回も含め、
議長会見のある全ての会合で利上げが決定されることになります。
もっとも、今ワシントンでは年8回の全ての会合後に記者会見を行うべきだとの意
見が多く出ているそうです。金融政策の透明性を高め、より柔軟にするために年8
回の記者会見にすべきだとの意見です。
本日は昨日同様に、株価の動きに合わせてドル円も上下することになりそうです。
レンジは105円50銭~106円50銭と、106円を挟んだもみ合いが予想さ
れます。

- [2018/03/20 09:44]
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ドル円、ユーロドルともにもみ合い
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
105円62銭まで売られたが反発。ミシガン大学消費者マインド
など、経済指標が好調だったことや、株価の上昇が支えとなり、
106円23銭までドル高が進み、106円前後で越週。
1. 23を挟んでのもみ合い。1.2329まで買われたが、1.2285前後
で取引を終える。
上回ったことを好感し続伸。ダウは72ドル上昇したものの、
2万5000ドル台には届かず。
長期金利は2.84%台に上昇。
回復。
本日の注目イベント
ドル円は先週後半にも105円台半ばを試しましたが、106円台に戻されています。
上値が重く、市場ではドルの下値を探る展開が続いていますが、節目の105円には
なかなか届かない動きが続いています。
そのため、『上値が固いのか、下値が固いのか』判断しにくい状況です。
米長期金利は高水準を維持してはいるものの、極めて安定した動きに戻っています。
そのため株価の方も、1日の値幅は引き続き大きいものの、一時ほどの乱高下は
見せていません。
注目の「VIX指数」も直近では「15.8」程度まで低下しており、危険といわれ
る「20」を大きく下回っています。
本来ならもう少しドルが買われてもおかしくはない環境ですが、ドルの上昇を妨げてい
るのが、トランプ大統領の言動そのものです。保護貿易を大統領権限で協力に推し進
め、鉄鋼とアルミニウムの関税引き上げを強行しました。
今週にも中国に対する輸入制限を発表する可能性がもあり、日本に対する貿易赤字に
も不快感を示していることから、日本も例外ではないかもしれません。中国側は今の
ところ平静を保っていますが、「全人代」で再選が決まり、こちらも権限を強化して
いる習近平政権が、どのような対抗措置を出してくるのか注目されます。
さらにドルの上値を抑えているのがトランプ政権の相次ぐ閣僚の解任です。
政治的リスクが高まったと言えますが、コーン国家経済会議(NEC)委員長に次い
で、先週は電撃敵にティラーソン国務長官を解任しました。また、マクマスター大統
領補佐官(国家安全保障担当)も解任する方針だと、ワシントンポストは報じていま
す。さらに先週末には大統領とケリー主席補佐官との不仲も報じられています。
ホワイトハウス内での会話はわれわれが知る由もありませんが、大統領の政策に反対
した人物を容赦なく切り捨てているようにも思います。11月の中間選挙を意識した
行動かもしれませんが、米国民にとっては逆効果のように思えます。
発表された3月のミシガン大学消費者マインドは「102」と、2014年初頭以来
の高水準でした。
2008年のリーマンショク後には「50前後」まで低下した同指数でしたが、イン
フレ期待値も上向いています。2月の雇用統計では労働市場の一段の拡大も確認され
ており、今週水曜日のFOMCでは利上げがほぼ確実と見られます。
市場の注目は今や、今年の利上げが「3回なのか、4回になるのか」という所まで来
ていると見られます。
本日は明日からのFOMCを控え大きな動きはないと予想しています。ただドルの上
値は徐々に切り下がっていることには注意が必要です。
予想レンジは105円50銭~106円50銭程度と見ています。

- [2018/03/19 09:00]
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ドル円レンジトレード続く
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
長期金利も上昇したことで、ドル円は106円台に乗せ、106円42銭
まで上昇。
130円台半ばまで続落。
そのため、ナスダックとS&P500は下げたものの、ダウは115ドル高と
4日ぶりに上昇。
だったことで、債券売りが優勢に。長期金利は小幅に上昇。
本日の注目イベント
ドル円は行ったり来たりの展開で、結局昨日も株価の下落に伴い、
105円79銭近辺までドル安が進んだものの、105円台半ばは試さず、
NYでは106円42銭まで買い戻されています。前日ドルが売られた理由
の反対の動きがあったため、ドル高に振れたものです。
発表された経済指標が概ね良好で、金利が上昇し、ダウが反発したことでド
ルが若干買い戻されました。
この欄でも何度も触れていますが、ドル円はトランプ政権の保護貿易主義の
強化や国内では森友問題などで上値が重く、108円台が遠いイメージです。
ただそれでも、105円を割る勢いはなく、105円という重要な節目を割
り込むにはそれなりの材料が必要なことは明らかです。
そのため、上値は重いものの昨日の展開のように、勢い良く106円割れを
試しはするものの、105円台半ばには届きません。
結局105円台半ば~107円台半ばでのレンジが続いていることになります。
このような不況では、「順張り」はなかなか機能しません。雲を上下に抜けた
からといった、放置しておけば反転してしまい、含み損を抱えることになり、
ストップをセットしておけば、それが執行され、また元に戻るといった展開で
す。ここはレンジと割り切り、105円台半ばから後半でドルを買い、ストッ
プを105円割れにセット。
一方で107円台のどこかのレベルでドルを売り、107円半ばを抜けたレベ
ルにストップを置くような戦略が機能しそうな相場つきです。
現時点ではどちらにも抜ける可能性があり、特に105円を抜けた場合には
勢いが加速すると予想しています。そのため上記「逆張り」のエントリーで
は、「ストップ」は必須です。
先週解任されたコーン国家経済会議(NEC)委員長の後任には、クドロー氏
が就任します。氏はエコノミストで米経済専門テレビCNBCのコメンテータ
ーでした。ブルームバーグニュースによると、クドロー氏は14日のCNBC
とのインタビューで米景気拡大について「市場の機能は自律的だ。金融当局は
やるべきことをやるだろうが、やり過ぎないようにしてほしい」と語った、と
伝えています。同ニュースは、クドロー氏は、低金利を望むトランプ大統領と
スタンスが近く、コーン氏との見解の違いが際立つと論評しています。
本日は106円台を回復したといっても、ここから直ぐに107円を目指す相
場でもないと思われます。
上記レンジが続いているとすれば、利益もおのずから限られます。
早目の利益確定が望まれるでしょう。
予想レンジは105円80銭~106円80銭程度とみます。
- [2018/03/16 09:00]
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米長期金利低下でドル円続落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
前後までドルが売られる。小売売上高が予想に反してマイナスだったことや
米長期金利の低下がドルの重石に。
こともあり、1.23台半ばまで下落。
悪化を嫌気してダウは248ドル下落。他の主要指数も揃って下落。
2.81%台まで低下し、約5週間ぶりの低水準を記録。
本日の注目イベント
ドル円は続落し、106円割れも見えてきた水準までドル安が進んで来ました。
今週始めには107円台半ばまでドルが反発し、「105円割れのリスクがやや
遠のいた」矢先に、ティラーソン国務長官の解任が発表され、ドル円が1円ほど
円高方向に動き、その後はジリジリとドルが下落する展開になっています。
日米ともに政治的リスクが高まり、ドル浮上のきっかけが掴めない状況です。
昨日のNY債券市場では、株価が下落し、2月の小売売上高も市場予想に反して
前月から減少しました。市場予想を下回ったのはこれで3カ月連続となります。
さらにアトランタ連銀が予測する「GDPナウ」のモデルが示す1-3月期の
経済成長率が1.9%(前回は2.5%)に低下したことで、米経済減速懸念か
ら債券が買われています。
この結果、長期金利は2.81%台まで低下し、これは2月7日以来の
低水準ということになります。
これまでならば、長期金利の低下を好感し株価が上昇していましたが、昨日は
トランプ政権高官の入れ替えで、今後さらに保護貿易が強まるのではとの懸念が
株価をも押し下げています。
トランプ大統領は中国に対しても知的財産権侵害への制裁措置として最大600
億ドル(約6兆4000億円)の関税を課す可能性があると、米メディアは報じて
います。ロイター通信は、電気製品や通信機器など、知的財産侵害の疑いがある
品目は100を超えるとも報じています。
これに対して中国側は今のところ正式なコメントをしてはいませんが、この関税が
実際に実施されるようだと、「貿易戦争」という言葉も現実味をおびてきそうです。
米保護貿易の進展も、「森友問題」の行方も、ここは事態を見守るしかありません。
いずれもドルの上値を抑えることになるため、まだドルの反転は見込めない
状況です。再び105円割れを意識しなければならない状況になるのか、あるいは
105円台半ばから107円台半ばのレンジが維持されるのか、上記2つの
動きに加え、来週のFOMCでの利上げと、その後の利上げ回数の見通しが焦点に
なります。
本日のレンジは105円70銭~106円70銭程度を予想しますが、NY市場の
ドル安値である106円07銭辺りが抜けるかどうかが、目先のポイントと見てい
ます。

- [2018/03/15 08:57]
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米国務長官解任でドル円下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
に乗せ、107円30銭近辺までドル高が進む。その後はティラーソン国務長官
解任の報道から一気にドルが売られ、106円台半までドル安となり、
元の水準に。
ユーロ円も約3週間ぶりに132円台半ばまで上昇。
さらに強まるとの懸念からダウは171ドル下落。
低下し、2.95%台まで上昇後、最も低水準を記録。
本日の注目イベント
まさに「内憂外患」とはこのことです。
国内では「森友問題」がにわかに慌しくなり、円高材料として捉えられる雰囲気に
なっていきました。現時点では安倍政権そのものへの影響は限られるとして、昨日
は株高からドル円は107円台を回復しましたが、それもつかの間、トランプ大統
領がまたやってくれました。
トランプ大統領は国務長官のティラーソン氏を解任しました。この解任は唐突では
ありましたが予想されたことでもありました。先週7日に、突然コーン国家経済会
議(NEC)委任長を解任した後、まだ候補者が2~3人いるとつぶやいていたか
らです。
また北朝鮮への対応を巡っても、平和的な対話を求めるティラーソン氏の行動に
対して「時間の無駄だ」と非難もしていました。
解任は時間の問題だったと言えます。
ただ、今回の国務長官の解任はこれまでとは重要度が違います。米国の外交政策
の最高責任者であり、副大統領に次ぐ、「ナンバー3」の存在です。
そのため、107円30銭前後まで買われていたドル円が、この報道をきっかけ
に約1円ほどドル安が進んだものと思われます。今朝のブルームバーグニュース
では、「NYタイムズは、今週さらに主要な人員交代を想定していると、ホワイ
トハウスに近い関係者が述べた」と報じています。
それにしても、こうも不祥事が多発し、その都度為替が大きく変動するとテクニ
カルや、今年利上げが何回かという、本来相場に大きな影響を与える基本的な材
料も影が薄くなります。昨日も107円台前半まで回復したドル円でしたが、仮
に今回の解任がなければ、107円台半ばを試した可能性はあったのではないか
と思います。改めてトランプ大統領自身がリスクであることも認識しておくべき
でしょう。
米2月の消費者物価指数(CPI)は市場予想と同じ「+0.2%」でした。安
定していたことで、FRBが急激に金利を引き上げるとの見方は後退。やや「適
温相場」が戻ってきた印象です。CPIの緩やかな上昇と国務長官の解任劇を受
け、債券が買われ、一時は2.95%まで上昇し、3%も視野に入った長期金利
は約3週間ぶりに2.84%台まで低下してきました。
VIX指数はやや上昇して「16台」まで来ましたが、安定しており、米金利の
急上昇から株価が大きく売られ、リスクオフの拡大から円が買われるというパタ
ーンは後退しています。引き続き、「森友問題」に関連して安倍政権の本丸にま
で迫る事態になるのかどうかと、トランプ政権の保護貿易主義の行方が相場を動
かしそうです。トランプ政権の解任劇については、仮にこれからも何人か政権を
去る人物が出たとしても、市場は「またか」という具合に、徐々に材料視しなく
なると思われます。
本日のレンジは106円~107円程度を予想します。

- [2018/03/14 08:54]
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ドル円「森友問題」が重石に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は106円台で小動き。日本の「森友問題」を手掛かりに
緩やかに円が買われ106円31銭まで下落。 - ユーロドルは引き続き1.23を巡る攻防。方向感もなく、
やや手詰まり感が台頭。 - 株式市場は高安まちまち。前日大幅な上昇を見せたダウは
反落。一方ナスダックは27ポイント上昇し、続伸。 - 債券は小幅に買われ、長期金利は2.86%台へ低下。
- 金、原油はともに反落。
本日の注目イベント
- 米 2月消費者物価指数
- 米 ペンシルベニア州補欠選挙
ドル円は結局107円台には届かず反落しています。昨日の朝方は株価の上昇にも関わらず、106円95銭前後が壁となり107円台乗せには失敗しています。NY市場では、薄商いの中、ロシア疑惑捜査を巡る展開や財政赤字への懸念を反映してドル売りが優勢となり、106円31銭近辺まで値を下げています。(ブルームバーグ)
「森友問題」に関連して財務省が決済文書の書き換えを認めたことで、麻生財務大臣や安倍首相への責任問題に発展する可能性が浮上してきたことも、ドルの上値を抑えているようです。麻生氏は、今回の書き換えは財務省としての不祥事ではなく、理財局独自で判断したこととして、責任を回避する姿勢を見せてはいますが、一旦下火になった「森友問題」が、今後の進展次第では安倍政権の崩壊にもつながりかねない事態になりそうです。この問題が、株価とドルの上値をじわりと抑えています。アベノミクスの推進で「ドル高円安」が進んだこともあり、安倍政権が終わるようだと、円高が加速するというのが市場の見方ですが、個人的にはやや違和感を覚えます。
「安倍一強」と言われ、それに対する評価は様々ですが、日本の政治体制が安定し、強化されたことは事実です。仮に安倍政権が終わるとすれば、再び日本の政治的混迷が繰り返されるリスクはあります。政治的混迷が深まれば、財政再建や消費税増税など、待ったなしの政策が大きく遅れ、日本経済にもダメージを与えることにもなりかねません。それはすなわち、弱い円につながり「円売り材料」とも考えられます。今回の不祥事がそこまで政権に影響を与える可能性は低いと思われますが、株価にとってはリスク要因の一つになろうかと思います。
さらにドル円の上値を抑えているのがトランプ政権の貿易政策です。EUは米国の保護貿易主義に対して一歩も引かない構えを見せ、輸入自動車に関税を課すことを辞さないとするトランプ大統領の警告を一蹴し、「弱いものいじめに立ち向かう」と欧州委員会のマルストローム委員(通商担当)は述べています。
先行き不透明な状況が続いていますが、市場の関心は来週のFOMCに移っていると言えます。今回のFOMCでは今年初めてとなる利上げはほぼ間違いないと見られていますが、焦点は今回も含めて今年何回利上げが実施されるのかという点です。既に「今年2回」といったこれまでの見方は大きく後退しており、「3回か4回か」というところに絞られており、一部には「今年5回もあり得る」といった観測も浮上しているようです。21日の利上げ後のパウエル議長の会見が注目されます。
本日のレンジは105円90銭~106円80銭程度を予想します。

- [2018/03/13 09:23]
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米株高を受けドル円小反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
予想よりも鈍化しており、株価が上昇したことでドルが買われ
一時は107円05銭までドル高が進む。
まで売られたが、1.23台に戻して引ける。
いることを好感。ダウは440ドル上昇し、2万5000ドル台を回復。
長期金利は2.89%台へと上昇。
本日の注目イベント
ドル円は約1週間ぶりに107円台に乗せる場面がありました。
2月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が市場予想を大きく上回る
31.3万人で、さらに1月分も速報値の20万人から、23.9万人に上方修正
されました.失業率は先月と同じ4.1%でしたが、米労働市場は極めて良好な状
況を維持していると言えます。
前回、長期金利の上昇と株価の急落を招いた賃金上昇率が、今回は市場予想に届か
なかったことで、株価の急騰につながっています。平均時給は前月比で「0.1%」、
前年比で「2.6%」と、いずれも市場予想を下回ったことでインフレ懸念が後退し、
株価はこれを好感した格好です。ダウは前日比440ドル上昇し、前日分と合わせる
と500ドルを超える上昇です。賃金上昇率が適度だったということで再び株価の上
昇につながり、VIX指数も前日比10%以上も低下し、「14.6」前後に収まっ
てきました。
ただ、それでも為替の方の反応はいま一つです。
本来ならもう少しドル高が進んでもおかしくはない状況ですが、ドル円は107円台
に乗せるのが精一杯だった印象です。
背景にあるのが、トランプ大統領の通商政策です。鉄鋼とアルミの関税引き上げに関
する大統領令には署名を済ませており、その後、オーストラリアとの間では輸入制限
の対象国からはずしてはいますが、日本が適用除外国になるかどうかは不明です。
トランプ大統領は「日本との貿易不均衡は不公平だ」と述べており、今後の交渉の余
地は残すものの、不透明です。
上値の重いドル円でしたが、結局現時点でも105円割れは回避でき、107円台ま
で反発したことで、「4時間足」までの短期のチャートではドル上昇を示唆する形を
見せています。本日は小幅な円安とNY株の大幅高から、日経平均株価も大幅な上昇
が見込めます。ドル円は107円テストが見られると思いますが、107円台半ばから
上値が目先のレジスタンスと思われます。
予想レンジは106円50銭~107円50銭程度とみます。

- [2018/03/12 08:55]
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ECBフォワードガイダンスを微調整
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
やや和らいだことで、106円32銭までドル高が進んだが、
今夜の雇用統計を見極めたいとする雰囲気が優勢に。
ユーロドルは1.2446まで上昇。ただその後はドラギ総裁の
発言を材料に1.23割れまで急落。
ものの、カナダとメキシコへの適用を除外し、その他の同盟国にも
除外する可能性を残したことを好感。ダウは3日ぶりに上昇。
本日の注目イベント
注目されたECB理事会では、予想通りフォワードガイダンスが微調整され、
発表直後はユーロが買われ、ユーロドルは1.2446前後まで上昇。とこ
ろが、その後のドラギ総裁の会見後には反落し、1.23割れまでユーロ安
が進み、この日までの上昇分を吐き出した形で取引を終えています。
ECB政策委員会はフォワードガイダンスの中の「必要なら債券購入プログ
ラムの規模を拡大する」との文言を削除しました。
貿易戦争やポピュリズムの台頭など、不安材料があるものの、景気の先行き
には自信があることの表れかと思われます。
9月まで実施予定の、現行月300億ユーロ(約3兆9500億円)の資産購
入は据え置かれ、期間延長の可能性は残されました。
資産購入プログラムの終了は今回の声明には盛り込まれず、6月の理事会に
持ち越された形になったことで、ユーロドルはその後売り物に押され、1.
23台割れまで下落しました。
ドラギ総裁は記者会見でトランプ大統領の通商政策ついて、「戦争とはまだ
呼ばないものの、同盟国に輸入関税を課すなら、敵は誰なのかわからなくな
る」と批判しています。
景気回復が続き、物価上昇も鮮明になってきたユーロ圏では、できるだけ早い
段階で金融正常化への軌道に乗せたいとの「悲願」はありますが、同時に拙
速な政策変更は避けたいという意向もあり、明確な政策変更に関するガイダ
ンスは6月に持ち越された格好です。
ドル円は106円を挟んでのもみ合いが続いています。
現時点では、午後の日銀総裁の記者会見と、今夜10時半発表の米2月の雇
用統計が材料になります。
日銀金融会合では政策変更はないと見られますが、注目は黒田総裁の会見での
発言です。
「引き続き2%物価上昇達成に最大限の努力をする」という、これまでの考え
を述べると思われますが、今週も国会答弁の際にもありましたが、これまでの
発言を繰り返しただけで、一気に円高が進む事態にもなりかねません。
メディアのヘッドラインだけを瞬時に読み取り売買を繰り返す「アルゴリズム
取引」が活発なのが背景ですが、注意が必要です。
雇用統計での注目点は引き続き「平均時給」です。
前回は、発表された1月の「平均時給」が予想を大きく上回ったことで、米長
期金利の急騰から株価が急落し、あの2月の大混乱につながったことは記憶に
新しいところです。今回も引き続き賃金上昇が続いているのかどうかという点
がポイントになります。市場予想は「前月比0.2%」で「前年比2.8%」と
、いずれも前月よりは上昇率が鈍化すると見込んでいます。
この予想よりも伸び率が低下しているようだと米長期金利が低下し、株価の上昇
が見られそうです。
その際ドル円は「リスクオフの後退」から、円売りが優勢になると思われますが、
ここはやや不透明なところです。
本日のレンジは105円50銭~106円80銭程度を予想します。

- [2018/03/09 09:01]
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ドル円良好な雇用数字に反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はアジア市場の105円台から反発。
雇用を示す指標がよかったことや、大きく下げた株価が
下げ幅を縮小したことで106円23銭まで戻す。 - ユーロドルは堅調に推移。1.2425まで買われたが、
1.24を挟む展開。 - 株価は朝方大きく値を崩したものの、午後には下げ幅を
縮小。ダウは結局82ドル安で取引を終え、S&P500は7ポイント
上昇。 - 債券は小幅に上昇。長期金利は2.87%台後半まで低下。
- 金、原油は反落。
- 2月ADP雇用者数 → 23.5万人
- 1月貿易収支 → -566.0億ドル
- 1月消費者信用残高→ 1390.6億ドル
本日の注目イベント
- 豪 豪1月貿易収支
- 日 2月景気ウオッチャー調査
- 日 10-12月GDP(改定値)
- 中 中国2月貿易収支
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 10-12月期家計純資産
- 加 カナダ1月住宅着工件数
- 加 カナダ1月建設許可件数
昨日の朝方、コーン米国家経済会議(NEC)委員長の突然の辞任で、105円台半ばまで急落したドル円は、その後も上値は重く、105円台半ばから後半で推移していましたが、NY市場ではコーン氏の辞任はそれほど問題視されなかったことから106円台前半までドルが買い戻され、結局昨日の朝の水準に戻っています。コーン氏は、トランプ大統領の示した鉄鋼とアルミの関税引き上げには反対しており、同氏が辞任したことでさらに他品目への関税引き上げへの可能性もあったことで、辞任報道では安全通貨の円が買われました。
ドル円は結局105円台半ばを底値に反発しており、この動きは先週にも2回見られました。ドルの上値が重いのは事実ですが、一方で105円台半ば前後が底堅い展開が続いており、105円台でのドルショートがなかなか機能しない状況になっています。105円という水準が今後の相場展開にとって重要な節目であることはこの欄でも何回か述べていますが、105円を明確に割り込めば、政府日銀も何らかの行動を起こすことも予想されます。実弾による介入はないにしても「口先介入」程度は想定され、「警戒感」もあり、一旦は105円手前ではドルの買い戻しが出やすいと言えます。
2016年11月の大統領選挙でトランプ氏が勝利して以来、市場の混乱は続いていると言っていいと思います。「トランプ大統領自身がリスクだ」とも記述しましたが、歴代大統領でこれほど市場を揺さぶった大統領は見当たりません。ブルームバーグは、トランプ大統領は自身の鉄鋼・アルミニウム関税賦課計画を始動させるため、8日にも大統領布告に署名したいと考えていると伝えています。署名が完了すれば、適用が免除される国がない場合、世界的に関税は鉄鋼が25%アルミが10%になります。これに対してEU、中国、カナダは直ちに反対を表明し、EUは同じように米国からの輸入品に対して関税を引き上げる姿勢を示しています。
このまま進むと、「アメリカ・ファースト」が世界的な「貿易戦争」へと向かいかねない状況になりますが、一部にはこれも「政治ショー」だとする見方もあります。11月の中間選挙では、現時点での支持率からすれば共和党が負ける可能性は高く、選挙を意識したパフォーマンスであるとも言えます。ホワイトハウスからは側近が次々と辞め、ロシア疑惑に関する追求も迫っているトランプ氏です。まだまだ大きな余震は何度もありそうです。
アトランタ連銀のボスティック総裁は講演で、「今年は2回、3回、4回の利上げを想定している」と発言しました。また同時に「貿易面でどのような展開があるかまだ分からないが、それが景気拡大の勢いをいくらか止めかねない不確実性を生んでいる」とも述べています。共通していることは、FOMCメンバーの多くが米景気の先行きには依然として楽観的であるという点です。ハト派の代表格でもあるブレイナ-ドFRB理事でさえも、今年に利上げ回数の上振れの可能性に言及しています。
105円―106円台半ばのレンジで推移しているドル円ですが、ここはどちらか抜けた方に付いていくしかありません。そして、利益確定も早めに行う方がよさそうです。本日の予想レンジは105円50銭~106円50銭程度とします。

- [2018/03/08 09:42]
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コーンNEC委員長辞任
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は北朝鮮問題が良い方向に進展する可能性が出てきた
ことで円売りが強まる。105円台後半から106円44銭までドル高が
進み、主要通貨に対しても円が弱含む展開。 - ユーロドルは続伸。ユーロ円が大きく買われたこともあり、
2週間ぶりに1.24台に乗せる。 - 株式市場は続伸。朝鮮半島での南北首脳会談実現を好感し、
ダウは小幅高。ナスダックは41ポイント上昇。 - 債券相場は小動き。長期金利も2.88%台でほぼ変わらず。
- 金は大幅に反発。原油は続伸。
本日の注目イベント
- 豪 豪10-12月期GDP
- 日 1月景気先行指数
- 中 中国2月外貨準備高
- 欧 ユーロ圏10-12月期GDP(確定値)
- 米 2月ADP雇用者数
- 米 1月貿易収支
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 1月消費者信用残高
- 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
- 加 カナダ1月貿易収支
- 加 カナダ中銀政策金利発表
昨日この欄で北朝鮮問題に触れ、米朝での武力衝突の可能性は低くなったと述べましたが、北朝鮮問題はさらに進展しそうな状況になってきました。韓国と北朝鮮のトップが4月末に直接会談を行うことになりました。冬季オリンピックを契機に北朝鮮の対応が急速に柔軟になり、南北首脳会談が実現することになったものです。
韓国大統領府の発表によると、北朝鮮側は非核化問題の協議や米朝関係正常化のため、米国と対話する用意があるとも発表しています。ただその前提条件は、北朝鮮への軍事的脅威が解消され、体制の安全が保証されれば核を保有する理由がないということで、これまでの北朝鮮側が再三述べてきたこととは180度異なっています。ただこの点に関してはこれまでも、ティラーソン米国長官が同様の提案を北朝鮮側に示しており、金正恩体制は維持すると米国は述べていたこともあり、条件自体は障害にはなりにくいと思われます。北朝鮮の現体制を維持することを条件に、北朝鮮側が核開発を停止するのかどうかが焦点です。
今回の報道を受け、トランプ大統領は北朝鮮との対話に対してオープンな姿勢を見せています。トランプ大統領は6日、記者団に対して、「彼らは前向きに行動しているようだ。楽観的になりたいと思う」と述べており、「北朝鮮との対話に対して、事体が前進している可能性がある。全ての当事者が真剣に取り組むのは久しぶりだ」とツイートし、さらに「固唾を(かたず)をのんで見守っている!偽りの希望かもしれないが、米国はいずれの方向にも強く進む用意がある」と表明しています。(ブルームバーグ)
南北首脳会談実現が発表されたことで、安全通貨の円やスイスフランは軟調な動きになっています。海外市場では105円85銭前後まで売られていたドル円は、その後106円台半ばまで円売りが進み、対ユーロでも132円まで円安が進みました。南北首脳会談で緊張緩和に向けた何らかの合意がなされ、米朝関係が進展すれば市場のリスクが一つ後退することになり、為替や株式市場にとっては好材料になります。現時点ではまだ予断を許しませんが、厳しい経済制裁を受けている北朝鮮が名より実を取ったと考えられ、今後の進展を見守りたいと思います。
ドル円は105円割れのリスクはやや後退したものの、106円台半ばが壁になりつつあります。トランプ大統領の保護主義の強化もまだ不透明で、ライアン下院議長の「説得」にも耳を貸さない状況です。昨日は小動きだった米株式市場も、債券市場の荒っぽい動きが一服したことで一時の大混乱は治まっていますが、まだ不安定です。引き続き105円台が維持されるかどうかが、今後の相場展開に大きな意味を持っていると思われます。
ドル円は今朝7時30分ごろから急落しています。鉄鋼・アルミに輸入関税に反対していたコーン・国家経済会議委員長が辞任したとの報道がきっかけで、106円台前半から105円台半ばまでドル安が進みました。本日も荒っぽい動きが予想され、レンジは105円~106円20銭程度とします。

- [2018/03/07 09:29]
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ドル円106円台に反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
さらに貿易戦争への懸念が後退したことで106円24銭前後
までドルが買い戻される。
メドがたち、政治的リスクが後退。1.23台半ばまでユーロ高が進む。
いたが、引けにかけては上げ幅を縮小し336ドル高で取引を終える。
本日の注目イベント
昨日の東京タイムでも終始105円台半ばで推移してドル円は、105円割れは
回避し106円台に乗せてきました。NY株が大きく反発したことでドル円にも
買い戻しが入り、円は他の主要通貨に対しても売られ、クロス円全般が上昇して
います。円高が一服というところですが、まだ流れは依然として円高方向だと見
られます。
トランプ大統領が貿易を巡り強硬な発言を繰り返してはいるものの、それが極端
な保護貿易政策につながることはないとの観測を後押しする材料が増えた(ブルー
ムバーグ)ようです。
ライアン下院議長がトランプ大統領に、鉄鋼・アルミの輸入関税を引き上げの再
考を促したことで、貿易戦争への懸念が薄らいでいます。また、トランプ大統領
はその性格からして終始強気の姿勢を見せるが、それは一種の「政治ショー」で
あるといった見方もあるようです。
日銀の新しい副総裁に就任予定の二人が国会で所信表明と質疑をしました。
その中で、若田部早稲田大学教授は「(2%の物価上昇には)達しておらず、
あらゆる手段を駆使すべきだ」と述べ、「必要なら追加緩和を提案する」とも述
べ、出口戦略についても「2%達成以前に出口戦略を発動することはありえない」
と語っており、リフレ派の片鱗を見せていました。
また雨宮氏も政策の影響を懸念する声に対して「副作用はあるが、全体として効
果が上回っている」と述べています。この日の所信表明は想定どおりの内容で、
為替市場への影響はほとんどありませんでした。
朝鮮半島の緊張がやや後退してきました。
韓国の文在寅大統領が派遣した特使団は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と4時
間強にわたって会談しました。
今回の訪朝では当初、金委員長と会談があるのかどうかが焦点の一つでしたが、
4時間以上も会談は行われ、この会談には金委員長の妹と夫人も同席したと報じ
られています。韓国特使団はここで北朝鮮の核開発の中止を申し入れたものと思
われますが、金委員長が受け入れるはずもなく、どのような会話があったのか
、いずれ明らかになるものと思われます。
昨年後半には米朝で非難の応酬が繰り返され、一触続発の状況にまで緊張が高ま
っていましたが、軍事衝突の可能性はかなり後退してきたと思います。
ドル円はまだ105円割れのリスクを抱えており、市場参加者の多くはドルの戻
りを売る姿勢を崩してはいません。ただ、今回の混乱の震源地である債券市場は
このところ落ち着きを取り戻しているように見えます。
米長期金利が4年1カ月ぶりに2.95%まで上昇し、3%も視野に入ったのは
先月21日でした。
そこからは徐々に低下し、足もとでは2.8%台の後半での推移です。
米金利については依然として上昇圧力があるものの、なだらかな金利上昇であれ
ば株式市場も受け入れてくることも考えられ、債券・株式が落ち着けば「リスク
オフ」が後退することも予想されます。戻り売りのスタンス維持の中でも、そう
いった意識をもっておくことも必要です。
本日のレンジは105円70銭~106円70銭程度を予想します。

- [2018/03/06 09:23]
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ドル円1年4カ月ぶりに105円台前半に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は2016年11月以来となる105円台前半までドル安が
進む。日銀総裁が出口戦略に言及したことや、米国の保護貿易が
強まったことへの懸念が背景。引けにかけてはややドルは買い戻され
105円75銭近辺で取引を終える。 - ユーロドルはイタリアの選挙などを控え小動き。1.23を挟んだ
もみ合いが続く。対円ではドル円が下落したこともあり、129円台半ばまで
円高が進む。 - 株式市場はまちまち。ダウは3日続落したものの、ナスダックと
S&P500は反発。 - 債券相場はほぼ変わらず。株式市場に比べ、こちらはやや落ち着いた
動きを見せ、長期金利は2.86%台で越週。 - 金は大幅に反発し、原油も上昇。
- 2月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 99.7
本日の注目イベント
- 豪 豪1月住宅建設許可件数
- 欧 ユーロ圏1月小売売上高
- 英 英2月サービス業PMI
- 米 2月ISM非製造業景況指数
ドル円は下落が止まらず、2週間前に記録した105円55銭を抜け、NYでは105円24銭までドル安が進みました。かろうじて105円割れは回避できたものの、この水準は2016年11月のトランプ大統領誕生の時以来の円高水準になります。黒田日銀総裁が2019年ごろには「出口戦略を検討するだろう」と発言したことを材料視したことや、米国では保護貿易が一段と強まるとの懸念が
広がったことが背景です。
トランプ大統領は鉄鋼とアルミニウムを対象とする輸入制限を発動することを表明し、ロス商務長官は『全ての国が対象になる』と述べています。懸念されていた「アメリカファースト」が具体化してきたとの印象ですが、今朝の報道では、中国がその姿勢を批判し、座視しない考えを示しています。またEUもユンケル欧州委員長はハーレーダビッドソンなど、米国からの輸入品に対して25%の関税をかけるなどと、対抗措置に出る姿勢を示し、「貿易戦争」という言葉が久しぶりに現実味を帯びて来ました。トランプ大統領もこれに対して「貿易戦争、いいだろう。容易に勝てる」とツイートしています。(ブルームバーグ)
欧州ではメルケル独首相の第四期政権の可能性が高まり、イタリア選挙ではベルルスコーニ元首相率いる中道右派が五つ星をリードしていると伝えられており、今朝はユーロがやや買い戻されている展開です。これでユーロドルが再び1.25を目指す動きになると、ドル安の側面がさらに強まり、ドル円の105円割れも視野に入ってきます。105円というレベルは非常に重要なレベルであることはこれまでにも述べて来ましたが、「心理的な節目」であるだけではなく、このレベルを抜けると101円程度まで、サポートらしいサポートが見当たりません。そのため、一気に円高が進む恐れもあり、100円台も意識される展開も予想されるかもしれません。
もっとも、そのような状況になれば、政府日銀も何らかの行動に出る可能性がありますが、その先には日銀による「追加緩和」も、場合によっては議論されるかもしれません。今週も、米長期金利の動きに株価の推移、さらにはトランプ政権の通商政策にも
目配りが必要になります。本日の予想レンジは105円~106円程度と見ます。

- [2018/03/05 09:38]
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ユーロ円続落し130円台前半に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
連日の株価の大幅安でリスクオフの姿勢が再び強まる。
1. 2188までユーロ安が進み、対円でも130円05銭近辺まで
下落する。
利益確定の売りや、エネルギー株が下落を牽引した。ダウは380ドル
下げ、値幅の大きい動きが続く。
大幅に反落し61ドル台に。
本日の注目イベント
昨日の朝方には107円台半ばまで上昇したドル円は、朝10時に発表された
中国のPMIが予想を下回ったことを「好機」と捉えたドル売りに押され、そ
の後は終始上値の重い展開となりました。NY市場では長期金利は低下したも
のの、株価が前日の下げをさらに上回る380ドルほど下げたことで、ドル円
も再び106円台半ばまでドル安が進んで来ました。
足元の基本レンジは105-108円程度と予想していますが、市場関係者の
多くが一段のドル安を予想している状況です。今夜も、パウエルFRB議長の
証言が上院で行われますが、結局下院での景気に対する強気の発言が今回の株
安につながったと言えます。ダウは2日間で680ドルも下落しています。パ
ウエル議長がもう少し足元の金融市場の混乱を配慮した発言を行ってくれてい
たら、という気がしないでもありません。
議会証言の前日まで3日間続伸した上昇分を、全て吐き出した格好です。
一方債券相場はやや落ち着きを取り戻してきました。一時は3%の大台まで、
わずか5bpの水準まで金利が高騰し、4年1カ月ぶりの高水準を記録しまし
たが、昨日は2.86%台まで低下しています。同時に、一時「瞬間50」を
超えたVIX指数も、「20」を割り込んでおり、こちらも落ち着いてきまし
た。株や債券市場ほど混乱はしていませんが、為替市場では両市場をにらんだ
神経質な展開が続いています。
今日もNYダウの大幅安と円高が重なり、日本株は軟調な展開が予想されます。
そのため、ドル円も再び下値を探る展開が予想されます。
NYでは106円67銭前後までドル安が進みましたが、本日はこの水準を下
回り、どこまでドル安が進むかが焦点の一つです。
ここでは「ドル安」という言葉を使いましたが、実態は「円高」が進行してい
るのが実情です。
円はユーロやポンドに対しても強含んでおり、昨日はユーロ円が130円台割
れ目前まで売られ、ポンド円も146円台まで下げ、ともに昨年9月以来の円
高水準をつけています。投資家のリスクを回避する動きが現れていると考えら
れます。気になるのはドル円の買い持ち額の急増です。
これまでも円高局面ではドルを買い下がることから、ドルロングが増える傾向
にはありましたが、今朝の時点でのネット買い持ち額は約2年ぶりの高水準に
なっています。
皆さんも目の前の取引画面で確認できますので、是非一度確認してみてくださ
い。ドルロングはいずれドルの下落要因になります。
本日はドル円の下値がどこまであるのかが注目されます。
今週月曜日には106円55銭をつけた後、反発していることから106円台
半ばが、まず最初のサポートということになります。
予想レンジとしては106円~107円20銭程度とみますが、今夜の議会証
言でここ2日間の株価急落を意識した発言があるのかどうかにも注目しましょ
う。
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明日2日(金)のアナリストレポートは都合によりお休みとさせていただきます。
読者の皆様にはご迷惑をお掛けしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上げ
ます。

- [2018/03/01 08:57]
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