ドル円再び110円をテストか?
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
流れを受け、109円83銭まで買われる。米長期金利が3%台の
大台に乗せたことも支えに。
前日の安値を更新。NYでは1.18台半ばから後半で推移し、下落は
小休止。
解放したことを手掛かりに、リスク選好が拡大。銀行株を中心に
ダウは182ドル高で取り引き終える。
10年債入札では投資家の需要が確認されたものの、リスクオンが進む。
大幅に続伸。71ドル台まで上昇して引ける。
本日の注目イベント
為替市場では大きな動きはなかったものの、米国が正式にイラン核合意からの
離脱を発表したことで原油価格が一段と上昇し、昨日のNY原油先物市場では
WTI原油価格が前日比2ドルを超える上昇を見せ、引け値で71ドル台に乗
せました。これは2014年11月以来ということで、米国では折からのイン
フレ懸念が広がっているところに、正に「火に油を注ぐ」状況になってきまし
た。FRBが最も注目しているとされるインフレ指標の『PCEコアデフレー
ター』は、直近で1.9%まで上昇しており、原油高から輸送費の上昇が見込
まれ、2%の大台乗せは近いものと思われます。
そして、その先にあるのが政策金利の引き上げです。市場は今年さらに2回の
利上げを織り込んでいますが、さらに1回増えて、3回という可能性も高まっ
てきます。米長期金利も昨日は再び3%の大台に乗せてきました。
前回3%の大台に乗せた際には、大台での滞空時間は短く、今回は3%台を固
めるのかどうかが注目されます。米長期金利との相関関係が戻ってきたドル円
は、今後金利が上昇すればもう一段ドル高が進むことも予想され、こちらも1
10円台に乗せ、その水準を固められるのかどうかが焦点です。
ドル円はそれほど目だった動きはないものの、109円台後半までドル高が進
んできました。昨日の東京時間の朝10時辺りからドル買いが目立ち、109
円20銭前後で推移していたドル円は109円60銭前後まで、比較的スピー
ド感を伴って上昇しました。リクルートが米国の人材関連会社のグラスドアを
12億ドル(約1300億円)で買収するというニュースがきっかけとの事で
した。実際にその玉が市場で手当てされたのかどうかは分かりませんが、連日
政治的ニュースや地政学的ニュースだけに翻弄されている市場にとっては、格
好の材料だったのかもしれません。
結局ドル円は、これ以降109円台半ばを下回ってはおらず、NYでのドル堅
調な流れにつながっています。
北朝鮮の融和政策は現時点ではさらに前進しているようです。ポンペオ国務長
官の2度目の訪朝で、拘束されていた3人の米国人の解放が決まりました。
トランプ大統領もこの措置を評価しており、歴史的な米朝首脳会談開催が着々
と進んでいるようです。ここまできたら、日本人の拉致被害者も一気に解放へ
と進んで欲しいと願うのは筆者だけではないと思います。
拉致被害者家族の高齢化が進み、残された時間はそう多くありません。
今回のこの融和ムードが最後のチャンスかもしれません。
ドル円は109円を中心に上下50銭のレンジを上抜けしてきました。本日の
上値のメドは当然110円ということになります。
前回の110円を巡る攻防では、110円台には乗せたものの、『ワンタッチ』
と言ってもいい程度のものでした。しかも日本がGW中でもあり、いわば蚊帳
の外での出来事だった印象もあります。
本日この水準をテストする場面があれば、110円から上方ではドル売り注文が
相当並ぶことは想像に難くありません。
昨日決算発表を行ったトヨタ自動車も、2019年3月期前半の為替レートは
「105円」に設定していました。
トヨタの場合、単純計算で5円の円安は2000億円の増益要因になります。
ということで、本日の予想レンジは109円20銭~110円20銭程度にし
たいと思います。
一気に110円を目指すことにはならないと思いますが、株価の安定を背景に
ドル円は底堅い動きになると予想しています。

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- [2018/05/10 09:00]
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