米10年債急騰し金利急低下
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
割り込んだドル円は一時108円12銭前後まで急落。
米長期金利が急低下したことや、株価が大きく売られたことから
円買いが進んだ。
高まりユーロドルは1.1520前後まで売られ、約半年ぶりの
ユーロ安水準を示現。
流れを加速させ、ダウは391ドル安。他の株価指数も軒並み安。
記録したことで、安全資産の米国債に資金が流れる。長期金利は
先週末比15bp低下し、2.78%台で取り引きを終える。
観測が強まった。
本日の注目イベント
イタリアでは「5つ星運動」や「同盟」など大衆から支持を集めている政党が、
早期の再選挙を求めていることで、イタリアの政局不安が市場を大きく揺さぶ
っています。
昨日の各金融市場の動きを見ると、2012年の「欧州危機」を彷彿させるほ
ど大きな変化が見られました。
イタリア国債は急落し、相対的に安全である米国債が買われ、長期金利は急低
下しました。米長期金利は2.78%台で取り引きを終えましたが、この水準
は2月の初めにNYダウが1000ドルを超える暴落を見せた時の水準です。
先週末に比べ、一時は17bpまで金利が低下する場面もあり、これは2016
年のイギリスがEUからの離脱を決めた「BREXIT」以来の下落幅という
ことになります。米長期金利の急低下で、金利との相関が強まっているドル円
でも、円買いドル売りが強まり、一時は108円12銭前後までドル安が進み、
一言で言えば「市場全体で一気にリスクオフが進んだ」ことになります。
著名な投資家であるジョージ・ソロス氏はパリで講演し、「イタリアは政治混
迷の中で選挙を迎える」とし、「経済と移民政策の失敗は欧州が存在の危機に
あるというのは、もはやただの言葉ではなく、厳しい現実であることを意味す
る」と述べています。(ブルームバーグ)
ユーロ圏では今年に入り景気の鈍化が確認され、ECBによる量的緩和の停止
や、利上げ観測が急速に後退していました。
そこにイタリアやスペインの政治的リスクが顕在化したことで、ユーロ売りが
加速し、昨日はユーロドルが1.15台前半まで売られ、ユーロ円も124円
台半ばまで急落しています。
ドル円は108円台前半まで下落し、再びドルの底値を試す展開になってきま
した。既に日足を除く短期的なチャートでは下落サインが点灯していますが、
北朝鮮リスクがやや後退したと思ったら、今度は欧州発のリスクオフです。
米中貿易問題もいよいよこれからが『本番』の様相を呈しており、この問題も
今後リスクとして意識しておく必要がありそうです。
3月23日の104円64銭から今月24日の111円40銭までの上昇幅を
見ると、半値戻しが108円02銭と導かれ、昨日はほぼこの水準に近いとこ
ろで下げ止まって
います。また、この値位置は「日足」の52日線にも近く、この移動平均線も
意識されたものと思われます。
今後まだドルの底値を探る動きがありそうですが、日足の雲の上限である
107円60-65銭辺りが、一旦は下値のメドかと予想していますが、円を
取り巻く環境を見ると、円が選好されそうな材料が多くなってきたことには注
意が必要です。
本日のドル円は108円~109円程度を予想しますが、「円高+NY株安」
から日本株が何処まで下げるのかにも、大いに関係しそうです。

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- [2018/05/30 09:09]
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