ドル円109円台を回復するも小動き
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
米長期金利が上昇したことがドルの支えになった。
ただ上値も限定的で、108円90銭近辺で取り引きを終える。
ユーロは対円でも127円台前半まで上昇。
前日大きく買われた米国債も反落したことでダウは306ドル高。
他の指数も揃って大幅高。
優勢となり下落。長期金利は2.85%台まで上昇。
本日の注目イベント
前日「リスクオフ」が加速し、大きく値を下げた市場は反発し、一方大きく買われた安全
資産は売られました。前日の各市場の動きはやや過剰反応だったようです。
恐怖指数と呼ばれる「VIX指数」を良く見ると、あれだけの混乱でも「17」前後で、
恐怖が高まるとされる「20」を超えることはありませんでした。もちろん、イタリアの
政局が混沌としていることに変わりはなく、この先同じような動きになることは十分考え
られることから、引き続き南欧の政局には注目していかなければなりません。
ドル円は昨日の東京時間でも、株価が一時は400円以上も下落する場面があったものの、
底堅い動きを見せていました。その流れが欧州市場でも継続され、大きな値動きにはつな
がらなかったものの、NY市場では109円07銭前後までドルが買い戻されています。
イタリアでは5年債と10年債の入札がありましたが、無事に通過したことで長期債も買
われ、長期金利は前日に比べ28bp以上も下落し、2.84%台まで低下し、落ち着き
を取り戻しました。
米国債も、市場の落ち着きを好感し、前日大きく買われた反動もあり、この日は下落。長
期金利も2.85%台まで上昇し、ドル円のサポート材料になっています。
ドル円は一時109円台まで反発したものの動きは緩慢です。イタリア情勢の不透明さは
やや後退したものの、米朝首脳会談や、米中貿易問題、あるいは自動車の関税引き上げ問
題など、まだ先行きが読めない材料が残っていることで、投資家も積極的に取引に参加で
きないことが背景かと思われます。特に米中貿易問題では、トランプ大統領は譲歩する姿
勢は見せず、中国が米国の知的財産権を侵害したことに対する制裁として、6月中にも中
国製品に追加関税を発動すると発表しています。
3回目の米中貿易協議は来月2~4日に開催されますが、米国側は中国に対して2000
億ドル(約21兆1800億円)の貿易赤字削減を求めていますが、中国側がどこまでこ
れに応じるのか予断は許さない状況です。以前と比べ、中国側の対応もこれまでよりは硬
化してきた印象もあります。引き続き、この問題と自動車の輸入関税引き上げ問題は円の
上昇圧力として意識しておかなければなりません。
本日のドルは堅調な動きを見せると思われますが、上値も上記材料を考えると大きく伸び
るとも思えません。明日は5月の雇用統計が発表されることもあり、活発な値動きは期待
できません。
予想レンジは108円50銭~109円30銭程度とみています。

スポンサーサイト
- [2018/05/31 08:50]
- デイリーコメント |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
- | HOME |