ドル円110円台まで売られるも勢いなし
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
までドル安が進む場面があり、NY市場でも110円90銭までドルが売られた。
米中の貿易摩擦が一段とエスカレートしたことや、英国のEU離脱問題で
リスク回避の流れが進んだことが背景。
買われたものの、切り返して1.1574まで売られる。
発動することが発表されたが、影響は軽微。原油価格が大幅に下げたことで、
石油株が売られ、ダウは45ドル安。一方ナスダックは7日続伸。
激化すれば原油消費量も減るとの見通しから大幅安。前日比2.23ドル安の
66.94ドルで引ける。
本日の注目イベント
ドル円はこれまでより若干上値を抑えられている状況です。昨日も朝方の111円35銭
近辺からドルが緩やかに下落し、欧州時間には110円84銭までドル安が進んでいます。
前日よりはやや深押ししましたが、それでも売り方に勢いはなく、懸念材料があるものの、
依然として110-113円の「基本レンジ」は維持していると考えられます。
米国が160億ドル(約1兆7800億円)の追加関税を23日に発動することを受けて、
中国は新たに同額の米国製品を対象に今月23日から25%の報復関税を課すことを発表
しました。
この事態は予想されていたため、市場への影響はありませんでしたが、これにより先にト
ランプ政権が発表した追加関税と同規模な500億ドル相当の関税額にまで膨れ上がって
きました。中国政府は発表文で、中国製品160億ドル相当に25%の追加関税をかける
という米国の決定は「非常に理不尽だ」とし、正当な利益と多国間貿易体制を守るため報
復せざるを得ないと表明しました。この声明文の内容を読むと、米中どちらが、かつての
西側諸国か東側諸国か、判らなくなってきます。
問題はこの後、トランプ政権が現在検討している2000億ドル相当の追加関税までエス
カレートしてしまうのか、そして場合によっては5000億ドルという、中国からの
輸入額全てに高関税を課すところまで行くのかどうかです。2000億ドルの追加関税に
ついては、9月6日の意見公募期間終了後に直ちに発動される可能性もあり、中国側も、
もし同関税が発動された場合、米製品600億ドル相当に関税をかける用意が整っている
と、ブルームバーグは伝えています。「貿易戦争」という名の足音がひたひたと迫って来
ている印象です。
貿易問題ではやや蚊帳の外のイメージの日本ですが、本日からワシントンでは日米閣僚級
の貿易協議が行われます。2017年1月のトランプ政権発足時からの親密な日米関係を
考えれば、「日本は例外的」だとする見方もあるようですが、個人的にはそのようなこと
はないと思っています。
トランプ大統領はかつて、日本はこれまで米国をだましてきて、貿易で甘い汁をすってき
たが、もう 米国はだまされない。といった趣旨の発言をしています。貿易赤字を減らす
ことが趣旨であれば、その最大の品目は自動車です。自動車の輸入問題を除外することは
考えられません。
現在日本から米国へは約170万台の車が輸出されています。さらに、日本の自動車メー
カーはメキシコやカナダからも現地で生産した車を米国に輸出しています。
トランプ政権がこれに手をつけないことはないと思われ、何らかの圧力をかけて来ると予
想されます。足元のドル円がやや軟調なのもこれが重石となっている部分があります。
本日のドル円は110円50銭~111円30銭程度と予想します。
明日10日(金)~14(火)の「アナリストレポート」はお休みとさせていただきます。
ご愛読の皆様にはご迷惑をお掛けしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上げます。

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- [2018/08/09 08:56]
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