ユーロ円125円割れまで下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
さらに悪化するとの見方からドル円は110円44銭前後まで下落。
その後株価がマイナス幅を縮小したことで、110円70-80銭
近辺までドルの買い戻しが進む。
ユーロ安が進む。ユーロは対円でも125円を割り込む。
ダウは一時300ドルを超える下落幅を記録したが、トルコが米国との
対話にやや柔軟な姿勢を見せたことで下げ幅を縮小。ダウは前日比
137ドル下げ、他の主要株価指数も揃って下落。
まで低下。
売られ、前日比2.03ドル下げる。
本日の注目イベント
米国は対中国だけではなく、対トルコとの関係も泥沼化しそうな勢いです。
トランプ政権がトルコ産の鉄鋼・アルミニウムに対して関税を引き上げたことに
対して、トルコは一歩も引かず報復措置を発表しました。22品目の関税引き上
げを発表し、コメに50%、アルコール飲料に140%、乗用車や他の自動車に
120%、さらに化粧品に対しても60%の関税をかけることを決めました。
この報道を受け、ドル円は再び110円41銭前後まで売られ、NYダウも一時
は300ドルを超える下落を見せ、2万5000ドルの大台を割り込む場面もあ
りました。
ただその後、トルコは、米国からの脅しがなければ、話し合う用意があると、
ロイター通信が伝えたことから、株価が下落幅を縮小し、結局ダウは前日比13
7ドル安で取り引きを終えています。ドル円も歩調を合わせるように、110円
70-80銭近辺まで値を戻しています。
これ事体は米国への影響はそれ程大きいとは思えませんが、今後中国やロシアと
歩調を合わせ、「アメリカ包囲網」につながる可能性は懸念されます。
実際トルコは米国との関係を清算し、他の同盟国を探しているとも報じられてい
ます。
昨日もこの欄で111円台半ば前後が重くなって来たと述べましたが、昨日は米
長期金利が約1カ月ぶりの低水準となる、2.86%台まで低下し、ドルの上値を
抑える役割を演じています。さらに昨日は金利の低下だけではなく、金も売られ、
こちらも一時は1年7カ月ぶりの安値に沈んでいます。
また原油も大幅に売られ、前日比2ドルを超える下げを記録しました。
ドルが大幅に買われたのであれば、このような動きも理解できますが、円は買われ
ています。ドルに対してはユーロの下落が目立った程度でした。あえて言えば、
「ドル高、円高」が進んだ状況です。米国の孤立感がさらに強まったことで、リス
ク回避の円買いが強まる一方、「米国の一人勝ち」が、ユーロも含めた上記商品の
下落にもつながったと考えられます。
ドル円は現時点では依然として110-113円のレンジ内で推移しており、足元
ではレンジの下限を試していると見られます。
それでも今週は110円11銭前後までドル売りが進みましたが、110円割れに
は至っていません。
しかし、ドル円ではそれ程円高が進んではいませんが、ユーロ円などのクロス円を
良く見ると景色がやや異なります。
ポンド円は140円台を割り込み、1年ぶりの水準まで円高が進んでいます。
また豪ドル円の80円台割れも、実に2016年11月以来の水準です。
このように、クロス円の売りがじわじわと進んでおり、これがドル円の上値を抑え
ることにもつながっていると見られます。
結局米中の貿易問題に加え、対トルコとの関係悪化も、安全通貨の円を買う動き
を、ゆっくりですが促していると見られます。既にEUやカナダとは制裁関税は発動
されており、今後、ロシアやメキシコとも同じような事態が想定されます。
トランプ大統領はあのような性格であり、途中で刀を引っ込めることは考えられま
せん。
少なくとも11月の中間選挙で、ある程度勝利が見えてくるまでは、強気姿勢を維
持することでしょう。
今後、米国に輸入されるかなりの商品や原材料が値上がりすると予想されます。
インフレ率の上昇は、米利上げ観測の高まりにつながり、ドル高要因ですが、同時
に消費が急即に冷え込むことも考えられ、こちらはすぐにGDPの下振れという形
で表れてきます。
この辺りは今後ともしっかりと見ていく必要があろうかと思います。
本日の予想レンジは110円10銭~111円10銭程度というところでしょうか。

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- [2018/08/16 09:37]
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