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ドル円続伸し111円台を回復 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は続伸し、111円32銭までドル高が進む。豪ドル/米ドルで
    米ドルが買われたことや、今夜のパウエルFRB議長の講演も「タカ派的」に
    落ち着くとの見方が広がりドルを押し上げた。

  • ユーロドルは1.15台でもみ合い。1.16台に近付くと高値警戒感も
    出て、上値を抑えた。

  • 株式市場は続落。米中間の貿易対立に緩和の兆しが見えない
    ことを嫌気し、ダウは76ドル下げる。

  • 債券相場は引き続き小動き。前日比やや軟調だったことで、
    長期金利は小幅に上昇。

  • 金と原油は小幅に反落。

  • 新規失業保険申請件数    →  21.0万件

  • 6月FHFA住宅価格指数   →  0.2%

  • 7月新築住宅販売件数    →  62.7万件

本日の注目イベント

  • 日  7月消費者物価指数
  • 独  独4-6月期GDP(改定値)
  • 米  7月耐久財受注
  • 米  パウエル・FRB議長講演(ジャクソンホール)   

今週火曜日には、2カ月ぶりに110円を割り込み、一時109円77銭までドル安が進みましたが、その後は現在まで一度も109円台を覗くことはなく、昨日のNYでは111円32銭までドルが買い戻されています。再び元の鞘に戻ったドルですが、「底堅い」という印象です。個人的には、一時的とはいえ、110円を割り込んだ意味合いは大きいと考えていましたが、どうやらそれは「杞憂」に終わる気配になってきました。

昨日のドル高の背景は、オーストラリアのタンブル首相に辞任圧力が高まり、豪ドルが対米ドルで大きく売られたことで、ドル高の流れがドル円にも波及した形でした。さらに今夜のジャクソンホールでのパウエル議長の講演を巡って、ダラス連銀のカプラン総裁は「われわれの仕事は、政治的影響に関係なく、金融政策と監督に関する決定を下すことだ。それを続けていくと私は確信する」と述べ、今週トランプ大統領がFRBの利上げ政策に「不満」を述べたことで、議長の講演内容にも圧力がかかるのではないかとする市場の懸念を一蹴しました。さらにカプラン総裁は「私がそうすべきと思うように当局が金利を中立水準に引き上げるなら、向こう9カ月から12カ月で、3-4回の利上げが必要になるという意味だと思う」(ブルームバーグ)とも語り、今後も緩やかな利上げスタンスは変わらないことに改めて言及した形になりました。

トランプ大統領自身が指名したパウエルFRB議長が、意に反して利上げを続けていることに「嬉しくない」と述べ、異例の批判をしたこともあり、今夜の議長の講演内容が注目されていましたが、今回のカプラン総裁の「援護射撃」で、トランプ大統領に対する「忖度」は最早考えられないと思います。もっとも、カプラン総裁の発言がなくても、FRBの独立性が揺るぐことはなく、パウエル議長は毅然とした姿勢を示すものと予想していました。

ワシントンでは米中通商協議が行われている中、両国は関税引き上げ合戦第2弾となる、160億ドル(約1兆8000億円)の関税引き上げを発動しました。通商協議からは現時点では成果は見られず、出口の見えない貿易戦争へと突入しそうな気配です。昨日のホワイトハウスでの会議でも、トランプ大統領は「米国は長い間中国に対して甘すぎた」と述べ、強硬姿勢を崩していません。
このままいけば2000億ドルという大規模な追加関税も来月9日以降には発動される可能性が高まってきました。貿易戦争に勝者がいないのは事実ですが、足元の米中貿易の実態を見ると、このままエスカレートすれば、中国に不利なことは明らかです。これがトランプ氏の強気姿勢の背景の一つになっていると見られますが、それだけにこれ以上の悪化を避けるには、中国側の譲歩が不可欠と言えます。

今週最後のレポートもトランプ大統領に関する記事で終わりたいと思います。トランプ氏はFOXテレビとのインタビューで、自身が議会に弾劾される理由は見当たらないとしながらも、「もし自分が弾劾されるようなことになれば、(株式)市場は崩壊すると思う。国民全員が非常に貧しくなる。弾劾されなければその逆の、信じられないような数字が実現するのだから」と述べています。(ブルームバーグ)皆さんはこの発言を聞いてどのように感じるでしょうか?

ドル円は元の水準に戻っては来ましたが、今後上昇するには、ここからが正念場です。これまでにも述べてきたように、111円半ばを中心に上下30銭がレジスタンスゾーンになっています。今夜のパウエル講演でこの水準を上抜けできるのかどうかが、非常に興味深いところです。
予想レンジは110円70銭~111円70銭程度とします。

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