ドル円続伸できず反落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
輸入品に2000億ドル相当の関税を発動したいとの考えを示したことや、
アルゼンチンペソなど、新興国通貨が再び値下がりしたことで、
円が買われた。ドル円は一時110円95銭まで下げる。
まで売られる。
売りものが優勢となる。ダウは137ドル下落し、その他の主要株価指数も
揃って反落。
まで低下。
本日の注目イベント
昨日のコメントでドル円に上昇の余地が出てきたと予想しましたが、結果は真逆
の動きでした。東京時間では堅調だったドル円は、NY市場に入ると111円台
半ばを頂点にジリジリと下げ、111円を割り込む水準までドル安が進行しまし
た。前日111円83銭までドル高が示現したことで、111円台半ばのレジス
タンスゾーンを抜け、日足で「雲抜け」も完成させていましたが、MACDでは
「シグナル」が依然としてマイナス圏に留まっていることに警戒感はありました
が、指摘していたように、MACDに収れんされる形でドル円が押し戻されまし
た。111円台半ばでは、もう少し踏ん張れるものと予想していましたが、ここ
は見事に外してしまいました。
ドル売りのドライバーになったのが、今回もトランプ大統領の発言でした。
既に手続きが進行中でもあり、周知のことではありましたが、トランプ氏が改め
て中国への追加関税を発動したいと考えていると、一部の報道が伝えたことが円
買いを促しました。またメキシコとの貿易協定には大筋合意しましたが、その協
定文書には、輸入自動車に対する数量規制が盛り込まれていることが判明し、こ
れも円買い材料になっています。
メキシコからの輸入自動車が一定の数量を超えた場合には25%の関税を適用す
るというものです。
一定数とは240万台と見られており、今すぐに適用されるものではありません
が、メキシコからの自動車輸入は着実に増加しており、数年後には240万台に
達すると見られています。
問題は、トランプ政権が同じことを日本に対しても行ってくると見られているこ
とです。米国の自動車販売台数は今年に入ってからは伸びず、やや頭打ちです。
それでも昨年日本からは170万台もの自動車が米国に輸出されています。
日本の自動車メーカーが、軸足を米国から中国にシフトしているとはいえ、今後
この問題が公にテーブルに載るようだと、円が買われることになりそうです。
アルゼンチンペソなど、新興国通貨が再び下落基調を強めてきました。昨日は、
アルゼンチンペソと、インドルピーが過去最安値を更新しており、ブラジルレア
ルも大きく下げています。
一旦6.00近辺まで上昇したトルコリラも、再び下げ足を早め、6.90近辺
まで売られています。
このように、新興国通貨が下落すると、それらの国に対するエクスポージャーが
多い欧州の銀行などの株が売られ、ユーロなどの下落にも波及します。
ドル円は再び元のレンジに戻った可能性もありますが、ここから先は上述の米中
貿易問題と自動車関税の動向次第です。
円が買われたとはいえ、まだ111円前後での動きです。
依然として、明確な方向を見つけるのに苦労する展開は変わりません。
本日のレンジは110円60銭~111円50銭程度を予想します。

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- [2018/08/31 08:53]
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