ドル円113円台乗せ後反落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はFOMCでの利上げを受け113円14銭まで上昇し、
7月以来の高値をつけたが、その後反落。声明文で「緩和的」の文言が
削除され、長期金利が低下したことで112円74銭前後までドルが
売られた。 - ユーロドルは1.17台で推移し、利上げ後は1.1726まで
売られたが、その切り替えし1.18手前まで上昇。 - 株価は朝方には堅調に始まったものの、FOMC後に上げ幅を
失う。ダウは3日続落し、その他主要指数も揃って下落。 - 債券相場は大幅に反発。長期金利は3.04%台まで急落。
- 金、原油はともに下落。
- 8月新築住宅販売件数 → 62.9万件
本日の注目イベント
- 中 中国 8月工業生産
- 独 独9月消費者物価指数(速報値)
- 独 独10月GFK消費者信頼感
- 欧 ユーロ圏8月マネーサプライ
- 欧 ユーロ圏9月消費者信頼感(確報値)
- 欧 ユーロ圏9月景況感指数
- 欧 ECB経済報告
- 英 カーニー・BOE総裁、パネルディスカッションで司会
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 4-6月GDP(確定値)
- 米 8月耐久財受注
- 米 8月中古住宅販売件数成約指数
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
FOMCでは事前予想通り、今年3回目となる利上げを全会一致で決めました。ドル円はその直後に113円14銭まで上昇し、今年7月19日以来となるドル高水準をつけましたが、その後の声明文で、今後の政策について「緩和的」との文言が削除されたことで、ドル売りが加速。112円64銭近辺までドル安が進み、この日の安値圏で取引きを終えています。
注目された金利見通しでは、年内の利上げをもう1回とし、2019年は3回、さらに2020年に1回利上げするとのメインシナリオが描け、2021年は利上げはゼロとなっています。この結果、シナリオ通りでいけば、政策金利は3.25%~3.50%がゴールのメドと見られます。
パウエル議長は会合後の記者会見で、「緩和的」との文言の削除は、政策経路の見通しの変化を示唆するものではないと述べていますが、同時に、貿易問題にも言及し、「米企業からの貿易懸念の『声の高まり』を耳にしている」とし、「FRBは貿易政策に責任がないが、長期間にわたる広範囲な関税は米国にとってよくないだろう」と述べています。またNYで日米首脳会談に臨むトランプ大統領は今回の利上げに関して、「残念ながら、FRBが今しがた利上げをした。私はそれに不満だ。私は彼らが利上げを好んでいる様子だという事実を懸念している」と発言しています。(ブルームバーグ)
ドル円は113円台乗せは果たしたものの、直近高値である113円18銭を抜くことはできずに反落しています。現在は、「1時間足」の雲の下限を抜けるかどうかの攻防で、この近辺には「120時間移動平均線」もあります。もうひとつの注目材料であった日米貿易協議(FFR)では、今後も2国間協議で交渉を続けていくことで合意し、交渉中は自動車関税を引き上げないことで一致した模様です。この結果、日本としては「最悪の事態」は回避できたわけで、ひとまず自動車問題が円高要因になることは、現時点ではないものとみられます。
本日は、上記「1時間足の雲」や、「120時間線」を完全に下抜けできるのかどうか。ここを底値に再び上昇基調を維持していくのか、というところが注目されます。昨日も上昇し、好調な日本株ですが、先行していた米国株はやや調整ムードも漂ってきました。
「Buy on dip」のスタンスは変わらないものの、どこまで下値があるのかを確認する展開です。本日のレンジは112円30銭~113円程度を予想します。

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- [2018/09/27 09:52]
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米長期金利、一時3.11%台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
したことがドルを支え、112円98銭までドル高が進み、この日は
ほぼ112円台後半での取引に。
ではないと発言したことで上昇。一時は、1.3193前後まで上昇。
「受け入れられない」と発言したことを嫌気した。ダウは続落し、一方
ナスダックは小幅ながら続伸。
まで上昇し、3.09%台で取引を終える。
なり続伸。引け値では72.28ドルと、約4カ月ぶりの高水準に。
本日の注目イベント
トランプ大統領は昨日国連総会で演説を行い、これまでの自分の主張をまくし立て
ました。まずは中国でした。中国の習近平主席を「尊敬」しているとした上で、中
国による貿易・経済面での乱用を「容認することはできない」とし、「国民を守る
ことについて、米国が謝罪することは決してない」と述べました。
また、OPECに対しても批判の矛先を向け、「OPEC加盟国は相変わらず世界
の他の国々を搾取している。私はそれが気に入らない」と主張しています。さらに
イランに対してもイラン核合意離脱の正当性を主張し、「経済的圧力」をかける
米国のやり方は、イランの攻撃性を抑制する」とも述べています。(ブルームバー
グ)
一時延期された日米貿易協議が始まりました。日本側は自動車への関税引き上げを
何としても避けたい意向で、そのため本来は米国をTPPへ復帰させたいところで
すが、米国側が求める「2国間協議」を受け入れる方針と伝えられています。
ただ、これは茂木経済再生担当相とライトハイザーUSTR代表での話であって、
本日予定されている安倍首相とトランプ大統領とのトップ会談でも受け入れられる
のか予断は許しません。トランプ氏は既に日本に対しても、これまでとは異なる対
応をすることを示唆していました。
本日はFOMCが開催され、今年3回目となる利上げが決定されると見られます。
注目は、会合後に公表される政策金利の見通しです。今年さらにもう1回の利上げ
があるのかどうかを探ることになりそうです。8月のジャクソンホールで行われた
パウエル議長の講演では、「利上げは急がない」との発言があり、一部には「政策
金利引き上げ停止も近い」といった見方も浮上してきました。
またFRB内にも、ブラード・セントルイス連銀総裁のように、「金融を引き締め
すぎて景気後退のリスクを不必要に高めてはいけない」といった意見も出ています。
12月利上げの可能性が再び高まるようだと、ドル円は113円台にしっかり乗せ、
さらに上値を試すことも予想されますが、一方で12月利上げの可能性がさらに低
下することも考えられます。
ドル円の動きは非常にゆっくりです。しかし確実に下値を切り上げ、ドル高傾向を
示しています。足元の動きは113円台乗せを試している状況と思われます。
113円台前半には、7月19日に記録した直近高値である113円18銭があり、
さらに「週足」では、「200週移動平均線」が113円20銭前後に位置してい
ます。ここをしっかりと抜け切れば、ドル円の今年の最高値である113円39銭
あたりが視野に入ってきます。
今や「貿易問題はドル高要因」と思えるほど、市場は貿易問題に楽観的です。加え
て、米長期金利も緩やかな上昇傾向を示しており、今回は3%台を定着させるよう
な動きを見せています。ドル急落のシーンを忘れるわけにはいきませんが、その場
面にもなかなか遭遇しません。「Buy on dip 」ということでしょうか。
本日のレンジは112円50銭~113円30銭程度を予想します。日本株は本日
「権利落ち」ということで、理論的には配当相当分の下げが見込まれます。
焦点は、それでもプラスで引けることになるのかどうかです。

- [2018/09/26 09:04]
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ユーロドル2カ月ぶりに1.18台を回復
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円はNY市場では緩やかに上昇。112円84銭までドル高が
進み、ほぼこの日の高値圏で引ける。
1. 1815と、6月中旬以来となるユーロ高をつける。ユーロは対円でも
133円台に乗せる。
5日ぶりとなる181ドル安。一方ナスダック指数は6ポイントの上昇。
長期金利は3.08%台で引ける。
見方が広がる。
本日の注目イベント
ドル円は112円台半ばから後半で堅調に推移しています。
昨日は東京市場が祝日で休みで、アジア時間に112円台半ばまで売られた場面も
あったようですが、NY市場では112円84銭まで買われ、先週金曜日に記録し
た112円88銭にわずかに届かない水準までドル高が進んでいます。
ドル円の動きは、上げるにしても下げるにしても、そのスピードは緩やかなのが、
このところの特徴です、また昨日もクロス円からの円売りの影響があったと思われ、
特にドラギECB総裁の発言もユーロ買いにつながりました。
総裁は講演で、「ひっ迫しつつある労働市場が賃金の伸びを加速させる中で、向こ
う数カ月に基調的なインフレ率はさらに上昇する見込みだ」とし、「域内の価格圧
力は強まりつつあり、裾野を広げている」と述べました。来年終盤の利上げ実施見
通しに向け、順調に進んでいることを印象付けユーロ買いを誘いました。
ユーロドルは6月14日以来となる1.1815まで上昇し、この結果、上値は限
定的だと見ていた相場観も修正を迫られる状況が近いかもしれません。
日足チャートでユーロドルは、既に「雲抜け」を完成させており、MACDでは両
線ともプラス圏に入っています。
今後1.17台を固めるようだと、もう一段上昇し、「200日移動平均線」のあ
る1.19台半ばまでの上昇もないとは言えません。
ただドル円ではドル高が続いており、この状態でユーロドルが上昇すれば、ユーロ
円はさらに上昇するということになりますが。どうでしょう・・・・。
今朝も話題の中心はトランプ大統領です。訪米中の安倍首相は24日夕、トランプ
大統領と会談を行い、26日の首脳会談後に通商問題に関する最終決断を行う模様
ですが、その前には本日、茂木経済再生担当相がライトハイザー米通商代表部代表
と協議を行う予定でしたが、日本時間の今朝、突然米国側から延期の申し出があり、
延期が決まったようです。茂木大臣は、記者団に、「何か両国の間に揉め事があっ
たわけでは全くない」と語っていましたが、日米の通商問題をめぐる溝が埋まって
いないことが「原因」である可能性もあります。
いずれにしても、今回の首脳会談では、これまでのような和やかな雰囲気で「シン
ゾウ、ドナルド」とお互いを称えている状況ではありません、
11月の中間選挙では苦戦をしており、何としても「成果」の欲しいトランプ氏が
どこまで本音をむき出しに貿易赤字削減を迫ってくるのか、見ものです。
ドル円の動きは鈍いですが、下げるイメージが徐々になくなってきたような印象で
す。先週の18日(火)に112円台を回復して以来、まだ一度も112円を割り
込んではいません。
一方で112円80銭から上値がやや重くなり始めており、これで113円には届
かない展開になってはいますが、クロス円全般の上昇傾向、米長期金利の上昇傾向
と、ドル円を支える材料があるため、いずれ113円台乗せはあるとは思いますが、
「好事魔多し」と言います。もしかしたら、今回の日米首脳会談がそのきっかけに
なるかもしれません。ここは一旦利益を確定するチャンスを探してもいいのではな
いかと思います。
本日のドル円は112円30銭~113円10銭程度を予想します。

- [2018/09/25 09:12]
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NYダウ最高値更新でリスク選好さらに強まる
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
総裁選で安倍氏が勝利し、NYではダウが最高値を更新。
投資家のリスク選好が進む。
ユーロ高が進む。ユーロ円も132円52銭まで買われ、この日は
円全面安の展開。
過去最高値を更新。経済指標が引き続き良好だったことで、主要3指数が
揃って上昇。
長期金利は3.06%のまま変化なし。
本日の注目イベント
昨日行われた自民党総裁選では予想された通り安倍氏が勝利しましたが、
注目された「勝ち方」を見ると、石破氏の「善戦」がひかり、反安倍勢力の
多さや、「隠れ石破支持」が多かったようです。実際、安倍氏が553票を
獲得して勝利したことが決まると、株価は下落に転じ、ドル円も円高に振れ
る場面がありました。マスコミ的に言えば、今後の石破氏の処遇がどのよう
なものになるのか、今度はこちらが注目されそうです。
結局石破氏の善戦により、今回の自民党総裁選は為替にも、株価にも影響は
ほとんどなかったということになります。もちろん、今後財政出動など景気
浮揚策を講じてくれば、その時には影響があるとは思いますが、昨日のドル
高はあくまでもNY市場での材料によるものです。
NYダウは251ドル上昇し、3主要株価指数の中では唯一1月に記録した
水準を抜いていませんでしたが、昨日ようやく8カ月ぶりに更新しました。
経済指標が予想を上回り、米企業業績の上振れを先取りする形で株価が上昇
しました。フィラデルフィア連銀景況指数は予想を大きく上回り、失業保険
申請件数にいたっては、実に49年ぶりの低水準だったようです。
昨日のドル円と株価の動きを見る限り、そこには「貿易戦争」などという言
葉は微塵も感じられなかったと言えます。
ドル円は112円台半ばを超える水準まで上昇しましたが、そのスピードは
極めて緩やかです。このところの上昇の特徴は、クロス円主導のドル高円安
が進んでいることです。昨日も、ユーロ円は132円台半ばまで買われ、豪
ドル円も1月半ぶりに82円台を回復し、ポンド円も149円台まで上昇し
ており、円全面安の様相でした。クロス円の買いは、ドル円でもドル買い円
売りに波及します。今後クロス円がもう一段の上昇を見せるようだと、ドル
円も113円台乗せの可能性が高まってきそうです。
本日は、NYダウ最高値更新に加えドル高です。日本株も一段の上昇が予想
されます。2万3000円を超えてからの上昇ピッチが速すぎるのが気がか
りですが、米国株に比べると明らかに出遅れていたことを考えると、上昇の
余地はあるでしょう。
本日のレンジは112円20銭~113円程度と予想します。

- [2018/09/21 08:56]
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米長期金利3.09%に上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
上値を試すこともなく小動き。112円前半から半ばで推移し、上値がやや重く
なってきたが、米金利の上昇がドルをサポート。
人民元切り下げを否定したことで、新興国通貨や豪ドルが上昇。
米長期金利が続伸したことで、ダウは金融株を中心に158ドル高。
ダウは3日連続で3桁の上昇を見せ、引け値でも2万6400ドル台に。
今回の上昇で、今後3%台が定着するとの見方も強まる。
大幅高。前日比1.27ドル上昇し、71ドル12セントで引ける。
本日の注目イベント
昨日のNY債券市場では、10年債利回りが一時3.09%台まで上昇(価格は下落)
し、ドルを支える材料になりました。今週火曜日から3%の大台に乗せ、それ以降も
ジリジリと上昇が続いています。米中貿易問題も、市場は悪材料と見ていないという
ことのようですが、今回は3%台が定着するといった見方も強まってきました。
昨日は10年債だけではなく、20年債や30年債といった超長期債も揃って上昇し
ており、イールドカーブのフラット化にもやや変化が出てきました。
ブルームバーグデータによると、短期債との利回り差はこの1カ月余りで 最大に広
がっています。昨日の日銀決定会合では政策の変更はなく、黒田総裁は会見で(出口
戦略は)「あくまでも2%の物価目標を達成してから」と語り、今後も現行の超低金
利政策を継続していく姿勢を改めて示しました。
日本の金利がまだ当分上がらず、一方で米国の金利が今後も緩やかに上昇すれば、日
米金利差はますます拡大し、ドル円にとってもドルの支援材料になるはずです。
もちろん、為替の水準は金利差だけでは決まりませんが、長い目で見ると、金利差は
為替に大きな影響を与えていることも事実です。
ドル円はチャートから見ても上昇傾向を示しており、足元の動きは112円台を固め
ている状況かもしれません。日米で株価が堅調であることから、「リスクオン」の流
れが強まっており、特に出遅れ気味だった日本株は連日大幅高を見せています。
日経平均株価は「2万3000円の壁」を超えてからは一気に上昇速度を速め、2万
4000円も視野に入ってきました。加えて、朝鮮半島では、南北の融和ムードが高
まり、北朝鮮は条件付きながら非核化に向けた姿勢を示しています。
ポンペオ米国務長官は、国連総会に出席するため訪米中の北朝鮮外相と会談する予定
もあるようです。
本日は自民党の総裁選があります。午後には結果が判明するようですが、安倍氏が総
裁に選ばれるのは確実で、焦点はその「勝ち方」です。
再び安倍政権が立ち上がれば、「アベノミクス」にも再点火され、株価の支援材料に
なります。
上でも触れたように、今週に入り日本株が上昇基調を強めているのも、そのあたりを
先読みしているのかもしれません。株価の上昇はドル円の支援材料にもつながります。
ただ、仮に僅差の勝利に終わるようだと、安倍氏の求心力にも疑問が付き、今後の波
乱要因になるかもしれません。今朝のブルームバーグ・ニュースでは「安倍氏が僅差
の勝利という結果になれば、安倍政権の終わりの始まり」という見方を紹介していま
す。米長期金利の上昇、朝鮮半島の平和的なムード、さらには堅調な日米の株価、と
いった好材料が揃っている中、米国発貿易戦争への警戒感は徐々に薄れつつあります。
ドル円も上値を一気に突き抜ける地合いではないものの、底堅い動きが予想されます。
本日の予想レンジは、安倍氏が圧勝するとの前提に、112円~112円80銭
程度を見ています。

- [2018/09/20 09:05]
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ドル円112円台半ばまで上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
中国への追加関税では、関税率が10%であったことから、今後も交渉の
余地があるとの見方や、米長期金利が3%を大きく上回ったことで
ドル買いが膨らんだ。
1. 1725までユーロ高が進み、ユーロ円も131.50銭前後まで
買われ、7月18日以来の水準に。
日本を含むアジア市場の株式が堅調だったことで、米株も上昇。
ダウは184ドル上昇し、2万6200ドル台に。
長期金利は3.05%台まで上昇。
本日の注目イベント
トランプ政権は、昨日中国に対する追加関税第3弾を発表し、24日に発動する
ことを決めましたが、市場の反応は朝方の東京時間限定でした。ドル円は111
円67銭前後まで売られましたが、直ぐに切り返し、昼ごろには112円台に乗
せました。日経平均株価が朝方のマイナスから徐々に買われ、プラスに転じたこ
ともドル買いにつながったようですが、株価は300円を超える上昇で引けてい
ます。関税率が当初の25%ではなく、10%であったことから、米中は今後も
交渉の余地があるといった見方や、「これでひとまず材料が出尽くした」といっ
た見方が「リスクオン」に向かわせたようです。
市場は、今回の追加関税に関しても筆者が考える以上に楽観的のようです。
実際に昨日の市場の反応は、円が主要通貨に対して全面安の展開となり、リスク
が高まった際に買われる傾向のある金や米国債は売られています。とりわけ米1
0年債は大きく売られ、5月に記録した3.12%に次ぐ高水準まで長期金利は
上昇しました。
今回の追加関税の特徴は、その対象品目に消費財が多いことです。
家具やかばんなど生活に関連する品目が多いことから、24日の発動までには個
人が生活防衛のために消費を活発にすることが予想されます。中国側も米国に対
して600億ドル(約7兆2000億円)の報復関税を24日に発動することを
発表しており、昨日のメディアの言葉を借りれば「泥沼化」してきたと思われ、
貿易戦争は「長期化」する可能性が高まってきました。個人的には足元の「ドル
高・株高」を基本とするリスク選好の流れは、直ぐではないとしても、どこかで
逆流する場面があると考えています。
ただドル円は112円台半ばまで上昇したことで、チャートでは明らかにドル高
を示唆しています。
「日足」では雲抜けを完成させ、「週足」でも、2015年6月を頂点に描ける
トレンドラインを抜けてきました。
これで目先のレジスタンスは「120週線」が示す、113円台前半まで目立っ
たものはありません。
「日足」では7月に記録した113円20銭という、直近高値がありますが、こ
れは上記「120週線」とほぼ同じ水準と考え、113円~113円30銭あた
りが、次の重要なレジスタンスかと思われます。
追加関税第3弾の発表が終わり、今度は注目材料が国内に移ります。明日は、結
果は見えていますが、「自民党総裁選」があります。すでに体勢は決まっている
ようですが、問題は「勝ち方」でしょう。 安倍さんが圧勝しないと、求心力が
問われ、今後の政権運営に支障が出てくる可能性があります。
一方、石破さんの劣勢は避けられないようですが、どこまで支持票を伸ばせるの
かといったところでしょう。
安倍さんが圧勝すれば再び「アベノミクス」に関心が移り、何らかの景気刺激策
が浮上することも考えられ、その場合、株価の上昇を通じてドル円の支援材料に
なる可能性があります。そして、明日からは日米通商協議も始まり、安倍さんが
勝利した場合には、25日には日米首脳会談も予定されているようです。
今回の会談では、トランプ大統領も「外交的な対応」でなく、「本音」で貿易不
均衡を議題にしてくることも予想されます。
ドル高傾向とはいえ、このままどんどんドルが買われる地合いではなさそうです。
本日の予想レンジは111円80銭~112円80銭程度と見ます。

- [2018/09/19 09:05]
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米国、中国への追加関税引き上げを24日に発動
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
こと。それを嫌気し株価が下落したことでドル売りが優勢に。
111円76銭まで売られた後、111円85-95銭で引ける。
値幅も30ポイント程度で値動きは閑散。
ぶりに売られ、92ドル安。ナスダック、S&P500も大きく下げる。
本日の注目イベント
成り行きが注目されていたトランプ政権の対中国追加関税引き上げ第3弾、
2000億ドル(約22兆円)がまもなく発表される模様です。本コメン
ト執筆時である6時30分にはまだ正式発表はされていませんが、ブルー
ムバーグは、米国市場終了後に発表される見込みと報じています。
ただ税率は当初言われていた25%ではなく、10%になる見込みとのこ
とです。またブルームバーグによれば、今回の追加関税のうち米アップル
の「アップルウオッチ」や「エアポッド」を含むハイテク製品分野を除外
する意向のようです。読者の皆さんが本稿を読む頃には内容が明らかにな
ると思いますが、今、速報が入り、トランプ大統領は24日に追加関税を
発動することを決め、USTRに指示したようです。
米当局者は発表後に「われわれは中国の成果を抑制しようとはしていない」
とし、「中国との交渉にオープンだ」とコメントしています。
ただ、中国側は既に「関税が発動されたら、貿易協議には参加しない」こ
とを表明しており、「頭に銃をつきつけられた状態で協議には臨めない」
と反発しています。
税率が当初よりも軽減されたとはいえ、これで中国からの製品の2500
億ドルに対して関税が引き上げられることになります。
中国からの輸入品のおよそ半分に高関税を課すことになるわけですが、今
後輸入品の値上がりが米国の消費者物価を押し上げ、物価が上昇すれば、
反対に個人消費を鈍らせることにもつながります。「一人勝ち」の米国に
とっても景気を冷やすリスクがありますが、問題はこの後の中国側の出方
です。これまでのように、同額の報復関税引き上げで対抗することは不可
能であることから、関税以外の、どのような「報復措置」を打ち出してく
るのか注目されます。
ドル円は112円前半を3度も試し、大きな下げにはつながってはいませ
んが、徐々に上値を重くしているように見えます。
先週金曜日からの動きを見ると、下値は111円70-75銭前後がサポ
ートになっていましたが、本日の発表で111円台半ばを割り込むのかに
注目です。サポートは日足の雲の上限である、111円35-40銭辺り、
さらには111円前後と予想しています。
本日のレンジは111円10銭~112円10銭程度でしょうか。

- [2018/09/18 08:48]
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ドル円112円を示現
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
進む。ユーロ円など、クロス円の上昇がドル円を押し上げた面が
強く、ドル円はレンジをやや上抜けした可能性も。
ドラギECB総裁が景気の先行きに楽観的な見方を示したことが背景。
ユーロは対円でも130円94銭近辺まで買われ、1カ月半ぶりの
高値を記録。
ことや、米中通商問題が改善するとの観測が支えに。ダウは147ドル上昇し、
約2週間ぶりに2万6000ドルの大台を回復。
落としたことで大幅反落。
本日の注目イベント
ドル円は約1カ月半ぶりに112円まで上昇しました。
この欄でも、テクニカル的には「どちらかと言えばドル高方向」を示していると
書きましたが、現時点ではテクニカルの勝利です。NY市場では、主要株価指数
が揃って上昇し、「リスクオン」を誘いました。トルコ中銀が予想以上の利上げ
に踏み切ったことも同様に、市場に安心感を与えました。
さらに、ポンドやユーロに対して円が大きく売られたことも、ドル円を上昇させ
たと見られます。111円半ばから後半のレジスタンスゾーンを抜け、112円
までドル高が進みましたが、現在は大枠のレンジ(110-112円)の上限を
試している段階で、ここからがドル円にとっての正念場と言えます。
トルコ中銀は昨日、政策金利の引き上げを決めました。
1週間物レポ金利を6.25%引き上げ24%にしました。市場も引き上げを予
想していましたが、コンセンサスは3.25%で、今回の引き上げ幅は市場予想
を大きく上回るサプライズだったと言えるでしょう。発表後、トルコリラには買
戻しが入り、ドルリラは6.40前後から6.10を下回る水準まで急騰してい
ます。トルコ中銀は、利下げを求めるエルドアン大統領にも屈せず、市場に中銀
の独立性をアピールすると同時に、ひとまず信頼を勝ち取った形です。
ECBは理事会で、政策金利の据え置きを決め、資産購入額を10月から現在の
半分の月150億ユーロにすることを決めました。
また、今後景気や物価情勢に大きな変化がない限り、12月には予定通り量的緩
和政策を終了することになります。ドラギ総裁が記者会見で、ユーロ圏の景気の
先行きに楽観的な見方を示したことで、ユーロ買いが強まり、ユーロドルは1.
17台に乗せる場面もありました。同時にドラギ総裁は保護主義にも言及し、
「世界で広がる保護主義は不確実性の主な源泉だ」とも述べています。
中断されていた米中貿易協議も再開のメドがたってきました。中国国務省の報道
官は13日、米国から貿易問題をめぐる閣僚級協議を再開する提案があったこと
を発表し、中国もこれを歓迎すると表明しました。 具体的な日程は今後早急に
つめるようですが、新聞報道によれば、数週間以内にムニューシン米財務長官と
中国の劉副首相が会談するようです。こうなると、中国に対する追加関税第3弾
が発動されるタイミングも先送りされると考えられますが、今朝のブルームバー
グニュースではトランプ大統領は「われわれには中国とのディールを成立させな
くてはならないプレッシャーはない。プレッシャーを受けているのは中国だ」と
述べたこと紹介し、さらに、「米国は近く関税措置で数十億ドルを獲得し、自国
で製品を生産するだろう。米中が会談するとして、会談になるのか?」と伝えて
おり、このまま追加関税第3弾が取り下げられる可能性は、かなり低いと予想さ
れます。
本日はドル円の上値を試す展開を予想していますが、昨日に引き続き日本株がど
こまで伸びるのかにも注目したいと思います。
予想レンジは111円50銭~112円50銭程度といったところでしょうか。

- [2018/09/14 09:15]
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ドル円上値も下値も限定的
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 昨日の東京時間に111円65銭まで上昇したドル円は引き続き貿易問題への懸念から
ジリジリと値を下げる。111円12銭まで売られ、111円台はキープしたものの、
依然として上値を抜け切れない展開が続く。 - ユーロドルもレンジに変化はなく、1.16を中心に推移。1.1650まで
上昇したが勢いはなく押し戻される。 - 株式市場は朝方は上昇したものの、その後はまちまち。ダウは27ドル上昇したが、
引け値では2万6000ドルに届かず。 - 債券相場は反発。長期金利は2.96%台へと小幅に低下。
- 金は続伸。原油も大幅に買われ、70ドル台を回復。
- 8月生産者物価指数 → -0.1%
本日の注目イベント
- 豪 豪8月雇用統計
- トルコ 金融政策決定会合
- 独 独8月消費者物価指数(改定値)
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 欧 IEA月報
- 英 BOE金融政策発表
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 8月消費者物価指数
- 米 8月財政収支
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
ドル円は上値を試したものの、今回も一目均衡表の「雲の上限」を抜け切れず、押し戻されています。先週から今週にかけては111円25銭を2度付け、その後押し戻され、今回はその水準を抜け、111円65銭までドルが買われ、「今回こそ」との期待もありましたが、この水準も2度記録した後、111円台前半まで再び押し戻されています。
米中貿易問題だけではなく、日本に対しても圧力を強めてきたトランプ大統領の「口撃」が次第にエスカレートする中、好調な米景気という材料だけではドルの一段高を望むのは簡単ではないようです。一方でドルの下値の方も、110円台半ば辺りが底堅く、足元では111円前後も徐々に固めているようにも見えます。どちらに抜けるか判断の難しい展開が続いていますが、ここはめげずに市場と対峙するしかありません。
NY時間には米中貿易問題に関するやや明るいニュースも出ています。関係者が明らかにしたところによると、米国は中国との貿易関係のさらなる悪化を回避するため、中国に新たな通商交渉を行うことを提案したとのことです。ブルームバーグは、ムニューシン財務長官を中心とする米政府当局者が、中国の当事者に協議を申し入れたと報じています。先週には、6日に公聴会を終えればトランプ大統領はすぐにでも中国に対する2000億ドル(約22兆円)の追加関税を発動するとの観測があり、為替や、株式
市場などは、それに備える動きを見せる場面もありましたが、まだ発動はされておらず、上記のように、できれば更なる悪化は避けたいといった「水面下の交渉」も行われているようです。
ただ相手はトランプ大統領です。そう簡単に振り上げた刀をおさめることはないでしょう。特に中間選挙に向けて支持率を落とし、予備選挙でも苦戦を強いられているところに発売された「内幕本」でさらに苦境に立たされています。「FEAR」(恐怖)と題した本は、皮肉なことにトランプ大統領がよく批判しているアマゾンでは、売り上げがトップになっているようです。小生も是非手にとって読んでみたいと思いますが、本はトランプ氏の大統領としての資質に大きな疑問を投げかけているとのことです。トランプ氏も、さらに大きな成果を上げ、国民の注目を引く必要があり、貿易問題がさらにエスカレートすることも考えられます。
本日は、ドル円以外の通貨が動きそうです。ユーロ圏と、イギリス、トルコでは政策金利の発表があり、オーストラリアでは雇用統計の発表があります。クロス円を通じて、ドル円にも影響があるかもしれませんが、ドル円は111円台を維持できるかどうかが注目されます。111円をしっかりと割り込むようだと、再び下値を試しに行く可能性があると見ています。大きくは、110-112円のレンジを抜け切るまでは「逆張り」に分があるようです。予想レンジは110円80銭~111円60銭程度と見ています。

- [2018/09/13 10:25]
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ドル円再び上値をテストか?
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は小幅ながら緩やかに続伸。米長期金利が1カ月ぶりの
高水準に達し、株価も3市場揃って上昇したことでドル買いが優勢に。
ドル円は111円64銭まで買われ、直近につけた高値を抜いてきた。 - ユーロドルは前日と同じく、1.16を巡る展開となり、上下50ポイント
の値幅に収まる。 - 株式市場は3市場揃って上昇。ダウは3日ぶりに113ドル高
となり、カナダとの通商交渉が進展しそうなことと、原油高から
エネルギー関連株が上昇を牽引。 - 債券相場は続落し、10年債利回りは一段と上昇。一時2.98%台に
乗せ、約1カ月ぶりの高水準に。 - 金は反発。原油価格は前日比1.71ドルの大幅高に。大型ハリケーン
「フローレンス」が東海岸南部に上陸の可能性が高まったことを材料に
買われる。
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏7月鉱工業生産
- 米 8月生産者物価指数
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
昨日の東京市場では、日経平均株価が久しぶりに大幅に上昇したことで、ドル円も順調に上昇し、先週からやや「壁」になりつつある111円25銭をしっかりと上抜け。NY市場では111円64銭までドル高が進んでいます。米中貿易問題の悪化が懸念されている中、目先は先週のドルの高値である111円76銭前後が抜けるかどうかが焦点になります。
先週は、ここを頂点に下げに転じ、110円台半ばまでドルが売られました。本日この水準を試すような状況になれば、ドル売り注文も集まりやすいとは思いますが、抜け切れば、112円も視野に入ってきそうです。NY市場の高値の111円64銭は、日足の一目均衡表のちょうど「雲の上限」にあたります。言うまでもなく、「雲の上限」を抜け切れば、均衡が破れたという意味でドルが一段と上昇することは十分考えられます。
前回とは米長期金利の水準も異なっており、ドルを支える構図にはなっていますが、一方で貿易問題を巡るトランプ大統領の「ツイッター」がいつ飛び込んでくるのかわかりません。ドルロングを仕込んでも、なかなか長期に維持できないのも事実ですが、雲を抜けきれば、テクニカルでもドル高が示唆されるのも、また事実です。ドルが下げても深押しはなく、米景気の強さを背景に直ぐにドルが反発する展開が続いており、まだ明確な方向性は出ていないと判断しています。先週後半にかけてはドルの下値を試し、抜け切れなかったことから今度は上値をテストしている段階だと理解しています。
米国とカナダは、NAFTAを巡る再交渉を行いました。カナダ側は好ましくない協定には署名しないと主張していますが、カナダの
フリーランド外相は、「非常に生産的かつ建設的な話し合いを持った。雰囲気は引き続きなごやかであり、双方とも友好的だ」と語り、「通商交渉では当然ながら、決まる時には一挙に決まる」と述べ、引き続き交渉には臨むようです。またトランプ大統領は「カナダ側は取引を強く臨んでいる。私としては成功すればいいし、成功できなくても問題ないという立場だ」と、ホワイトハウスで語っています。(ブルームバーグ)
また現時点で最も注目されている米中の関税問題では、中国は「米国がWTO(世界貿易機構)の判断を順守していない」として、WTOに対して、米国に報復するための許可を今月求める方針だと伝えられています。このように、中国側も今のところ妥協する姿勢を見せてはいないことから、トランプ大統領が今日にでも2000億ドルの追加関税に言及してもおかしくはない状況です。
本日は日本株も堅調な動きかと思います。昨日、日本株は大きく上昇し、上げ幅を拡大しましたが本日も、もし同じような動きが見られれば、上記水準のテストがあるかもしれません。出遅れている日本株がどこまで続伸できるのか、東京時間ではそれが材料になると見ています。予想レンジは111円10銭~112円程度でしょうか。
- [2018/09/12 13:30]
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英国のEU離脱に前向きな発言でポンド上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
不透明な通商問題がドルの上値を抑える。その後111円台で推移
しながら、111円05-15銭で取引を終える。
下値とも限定的だった。
ナスダックは5日ぶりに反発。
ともに続落。
本日の注目イベント
再び動きの鈍くなったドル円は、111円を挟む展開となり、先週と同じ水準を
維持しています。昨日の朝方には110円87銭前後までドル売りが進みました
が、その後はもみ合い、NY市場ではドルが買われましたが、111円25銭で
上昇が止まっています。この水準は、先週末の雇用統計発表直後にドル高が進ん
で記録した水準とまったく同じレベルです。
上にも行けず、さりとて下にも行けないドル円は、次の材料を待っている状況で
す。
昨日は全般的に好材料が出て、「リスクオン」の流れに傾いた印象でしたが、そ
れでもドルの上値は「貿易戦争」という壁に阻まれているようです。北朝鮮の金
正恩委員長がトランプ大統領との2回目の首脳会談を要請したとのニュースがあ
りました。会談の目的は明らかにされてはいませんが、ホワイトハウスは「非常
に温かく、非常に前向きなようだ」として、米国側も既に調整のプロセスにある
ことを発表し、実現に向けて会談場所などの選定を行っているようです。
(ブルームバーグ)
昨日はさらに、英国のEU離脱が現実に近づいてきたようなニュースもありまし
た。EUのバルニエ交渉官は昨日スロベニアで、「なおいくつかの問題は残って
いるものの、英国のEU離脱に関する合意を8週間以内に結ぶことは現実的」と
の認識を示しました。この発表を受けポンドドルは1.29台半ばから100ポ
イントほど上昇しています。
また財政赤字の拡大が懸念されるイタリアでは、トリア財務相が成長促進のため
に債務削減と財政赤字抑制が必要であることを政府は理解していると発言してい
ます。
これらはいずれもドル買い材料と見られますが、今週は特に中国に対する追加関
税の発動が予想され、これがドルの上値を抑える展開です。加えて、トランプ大
統領は先週あたりから日本に対する貿易不均衡にも言及し始めており、今月下旬
に予定されている日米貿易協議の結果次第では、さらに日本に対しては一段と厳
しい「口撃」をしてくる可能性があります。
方向感のないドル円は、先週はほぼ雲の中(日足)に留まっており、上下とも抜
け切れない状況です、米長期金利が再び3%を目指す動きになっていることがド
ルの下値を支えてはいますが、111円台半ばを抜け112円に行くには、どう
しても不透明な貿易問題に一筋の光が差し込む必要があります。
ここは我慢するしかありません。
本日の予想レンジは110円70銭~111円40銭程度でしょうか。

- [2018/09/11 09:05]
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好調な米雇用統計でもドル円伸びず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
まで上昇。その後トランプ大統領が中国への関税をさらに拡大する
発言を行ったことで、110円74銭まで反落。引けにかけては111円台に
乗せ111円05-10銭で越週。
その後は反発。1.1622前後まで上昇。
ことが嫌気された。ダウは79ドル下げ、S&P500は4日続落。
上昇し、2.93%台後半で引ける。
本日の注目イベント
8月の雇用統計は概ね良好でしたが、特に平均時給の伸びが目を引き、
発表直後はドルが買われました。
平均時給は前月比で「+0.4%」、前年比で「+2.9%」と、2
009年以来の高水準でした。
賃金の上昇が消費を拡大させ、インフレにつながるという連想から、
今後も利上げが続くといった思惑が働きドルが買われました。
もっとも、今月25-26日に開催されるFOMCでは利上げが確実
視されており、市場の焦点は12月FOMCでの利上げの有無に移っ
ています。
上値の重かったドル円は、雇用統計発表後に111円25銭までドル
高が進みましたが、その後、再びトランプ大統領の貿易に関する発言
でドルが売られています。トランプ氏は「(中国に)新たに2670
億ドル(約29兆円)分の関税を課す準備はできている」と遊説先に
向かう大統領専用機の中で報道陣に語りました。すでに500億ドル
が実施され、さらに2000億ドルの追加関税が発動されるのも「時
間の問題」となっている状況の中、さらに強気の発言を行っています。
仮に、この分までも実施されるようだと、中国からの全輸入品に対し
て関税を引き上げることになり、このままでは市場が予想しているよ
りもさらに厳しい状況になりそうです。トランプ大統領が仕掛けた
「貿易戦争」に終わりは見えそうもありません。
大統領はさらに、前日に続き日本に対してもじわじわと攻撃していま
す。大統領は7日、日本との貿易協議について「合意に達しなければ
日本は大変な問題になる」と述べ、合意がなければ報復することを示
唆しました。さらに大統領は「日本との貿易協議に本腰を入れてこな
かった唯一の理由は、中国と協議していたことだ」と説明しています。
日米貿易協議は今月下旬に行われるようですが、トランプ政権はいよ
いよ日本も標的にし始めたと思われます。
今回の雇用統計で、米景気の良さが再確認されました。
昨年末の大規模減税に加え、株高による資産効果、さらには今回確認
された賃金上昇と、個人消費を拡大させる材料に事欠きません。
4-6月期のGDPも「4.2%」と上方修正され、やはりG20諸
国内では頭一つ抜けていることは疑う余地もありません。
米国発の好景気が世界の景気に好影響を与えることで、世界景気が巡
航速度を保って伸びていけば、米国が好景気の牽引車ということにな
りますが、この先は不透明です。
貿易戦争がさらにエスカレートすれば、米国自身もその影響を避ける
ことはできません。
好調だった米IT株が低迷しているのは、対中貿易の不透明感がその
理由の一つです。
アップルのiPhoneは、基本部分の設計は米国内で行い、日本の素材を
用いて中国で生産し、世界中に輸出していると言われています。
先週6日に締め切られた、中国への2000億ドルの追加関税公聴会
では、アップルは正式に反対意見を述べています。
今週は上記2000億ドルの追加関税がどこで発動されるのか、ある
いは中国側が何か妥協案を示してくるのかが最大の焦点でしょう。
好調な米経済でもドル円の上値が抑えられていますが、トランプ政権
が日本に対する圧力をさらに強めてくるようだと、ドル円が水準を変
えてくることも予想されます。
本日の予想レンジは110円40銭~111円30銭程度と見ます。

- [2018/09/10 09:05]
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ドル円110円台半ばまで下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は大幅反落。ADP雇用者数が予想を下回り、長期金利が
低下した。さらにトランプ大統領が日本との貿易関係に不満との報道が
円買いを加速させ、110円51銭までドル安が進む。 - ドルが売られたことでユーロも上昇。ユーロドルは1.1655まで
買われ、終始1.16台で推移。 - 株式市場は前日と同じような動きを見せたが、この日はダウが
小幅ながら20ドル上昇し、ナスダックは続落。 - 債券相場は反落。長期金利も低下し、2.87%台に。
- 金は3日続伸。原油価格は4日続落し68ドルを割り込む。
- 新規失業保険申請件数 → 20.3万件
- 8月ADP雇用者数 → 16.3万人
- 8月ISM非製造業景況指数 → 58.5
本日の注目イベント
- 日 7月景気動向指数
- 中 中国 8月外貨準備高
- 独 独7月鉱工業生産
- 独 独7月貿易収支
- 欧 ユーロ圏4-6月期GDP(確定値)
- 米 8月雇用統計
- 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
- 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
- 加 カナダ8月就業者数
- 加 カナダ8月失業率
ドル円は結局「元の鞘」に戻ったようです。個人的にはこれまでの流れにやや変化が出たことで、ドル高の可能性を意識していましたが、昨日はドルが大きく売られ、今回も震源地はトランプ大統領でした。トランプ大統領は日本の指導者とは良好な関係だとしながらも、「もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」と述べと、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が伝え、トランプ大統領が依然として対日貿易に悩まされているようだと報じたことで、ドル売り円買いが強まり、110円台半ばまで円高が進みました。
対中国への追加関税発動が近いのではとの観測が高まっていますが、米国の貿易赤字解消という点では、日本との貿易赤字の改善を図ることは避けて通れません。対中国との制裁関税がひと段落すれば、日本を「口撃」してくることは十分予想されます。
WSJが伝えたトランプ大統領の発言から判断する限り、大統領は日本のトップとの良い関係を維持してはいますが、心の中ではいつ「本題」を切り出そうか考えているようです。
本日は8月の雇用統計が発表されます。昨日発表されたADP雇用者数が予想を下回ったことで、今日の数字も下振れするのではないかといった観測も出てきましたが、この両者の相関関係はそれほど強くはありません。予想では、失業率がさらに改善していて「3.8%」、非農業部門雇用者数は先月の17万人から「19.4万人」に増えると予想されています。このところ、雇用統計の結果では為替は動きません。予想より多少多くても少なくても、為替への影響は限定的で、基本的には「米景気は好調」との見方はぶれないということでしょう。ただそれでも、為替へは最も影響力のある経済指標であることに変わりはありません。用心するにこしたことはありません。
昨日のこの欄で、NYで111円76銭までドル高が進んだ後、軟調な動きになっても111円26銭前後にある日足の「転換線」を上回っていれば、まだ上昇の余地があると書きましたが、足元ではこの水準を大きく下回ってしまいました。この結果、再び111円台半ばが重い展開になるものと予想されます。本日の下値のメドはまずは110円台半ばが意識されます。
昨日までの上昇で、結局「日足の雲の上限」が抜け切れないため反落しましたが、今度は同じ雲の「下限」が抜けるかどうかです。
一目均衡表の「雲」は抵抗帯です雲がローソク足よりも下にある時は下落を支え、上にある時は上昇を抑える役目をします。もちろん、絶対に抜けないということではなく、「抜けにくい」ということです。仮に110円50銭を明確に下抜けした場合は、110円台前半と、109円80-90銭あたりが次のメドと予想しています。本日のレンジは110円10銭~111円10銭程度でしょうか。土日に、中国への追加関税第3弾がニュースにならなければいいのですが。

- [2018/09/07 10:28]
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ドル円上値を試すも伸びきれず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は上値が重いものの堅調に推移。アジア市場の流れを
引き継ぎ、111円76銭までドルが買われた。 - ユーロドルは前日より小幅に上昇。英国のEU離脱交渉を巡って
英国とドイツが主要な要求を取り下げたと伝わり、ポンドとユーロが
買われた。ユーロドルは1.1640まで上昇し、ポンドドルも1.2908
まで買われる。 - 株式市場はまちまち。アップルなどIT株が下げ、ナスダックは96
ポイントの下落。一方ダウは22ドルの上昇で取引を終える。 - 債券相場には大きな動きは見られず、小幅に下落。
長期金利はやや上昇し、2.90%台に乗せる。 - 金は反発し1200ドル台を回復。原油価格は1ドルを超える大幅反落。
- 7月貿易収支 → -501億ドル
本日の注目イベント
- 豪 豪7月貿易収支
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 8月ADP雇用者数
- 米 8月ISM非製造業景況指数
- 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
- 加 カナダ7月建設許可件数
昨日の東京時間朝方に111円71銭まで上昇したが、その後111円40銭前後まで押し戻されたドル円は、NY市場では再び上値を試し、111円76銭と、東京での高値を若干ですが上回る場面がありました。短期的な動きを示す「1時間足」を見ても、先月末に記録した110円70銭前後を底値に下値を切り上げる動きになっています。米中貿易問題では、今週中にもトランプ大統領が中国に対して追加関税第3弾を発動するのではないかという懸念が高まっていることで、上値を大きく超えていく展開ではありませんが、これまでの動きとはやや異なってきたというのが大方の印象でしょう。
NY市場の引け値は111円台半ばと、高値からはやや反落して取引を終えていますが、111円台前半でショートを振った投資家にとっては落ちつかない動きが続いています。中国に対する追加関税が発動されれば、市場はまずドル売りで反応すると予想され、ショートポジションをうまく手仕舞うことができそうですが、そのタイミングが分かりません。引き続きレンジ内での動きで、「そのレンジの上限を試しているところ」と、見られなくはありませんが、もしこの先もドルが緩やかに上昇するようなら、メドは8月1日につけた112円15銭ということになります。ここから徐々に下げる可能性もありますが、米中貿易問題に加え、明日は雇用統計も
あり注意が必要です。
ドル円はテクニカル面でも非常に重要な局面にいます。NYで111円76銭を記録したとはいえ、引け値で下げていることで、まだ完全に日足の雲抜けが完成されたわけではありません。今朝の時点では、雲の上限は111円50銭をやや下回ったところに位置しています。本日の引け値がここを下回って引けるようだと、結局高値を抜けずに押し戻されたことになり、再び「弱気相場入り」となる可能性もあります。もっとも、その場合でも雲の中段にある「転換線」が111円26銭近辺にあるため、ここを下回らなければ、上昇基調は維持されていると判断できます。
また「MACD」でも同じように、「マックD」はプラス圏に入り、上昇をうかがわせていますが、「シグナル」はゼロの軸にかかっており、まだプラス圏に入ったとは言えず、こちらも微妙なレベルにいます。「移動平均線」でも同様に、中期線として見ている「120日線」が、現在長期線の「200日線」と交わっているところで、「120日線」がもう一段上昇すると、下から「200日線」、「120日線」そして短期線として見ている「52日線」が順列に並び、ドル高トレンドを完成させることになります。 8月1日に記録した112円15銭に達すれば、上記テクニカルは全て強気サインを点灯すると見られます。
このように、今週に入りジリジリと上昇してきたドル円は、米中貿易問題を引きずりながらも112円方向に向かってきました。ドル円がこの先、再び元の鞘に戻るのか、あるいはここから明確な上昇トレンドを形成して行くのか、分水嶺になります。本日のレンジは111円10銭~112円程度を予想します。
- [2018/09/06 09:55]
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ドル円111円台半ばが抜けず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は東京市場でのドル高の流れを受け上昇。
経済指標が上振れしたこともあり、111円51銭までドル高が
進んだが、米中貿易問題のさらなる悪化もあり、上値では
高値警戒感も。 - ドル高の流れからユーロドルは小幅に低下。1.1531前後まで
売られ、徐々に下値を切り下げる。 - 株式市場は貿易問題の不透明感から小幅ながら揃って下落。
ダウは7ドル安と、ナイキやフェイスブックなどの下げに押される。 - 債券相場は続落。長期金利は2.89%台後半まで上昇し、
2.90%台も視野に。 - 金は続落し1200ドルを割り込む。原油も小幅に続落。
- 8月ISM製造業景況指数 → 61.3
- 8月自動車販売台数演 → 16.6M台
本日の注目イベント
豪 豪4-6月期GDP
中 中国 8月財新サービス業PMI
中 中国 8月財新コンポジットPMI
欧 ユーロ圏7月小売売上高
欧 ユーロ圏8月総合PMI(改定値)
欧 ユーロ圏8月サービス業PMI(改定値)
米 7月貿易収支
米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
加 カナダ7月貿易収支
加 カナダ中銀政策金利発表
ドル円は昨日の夕方から最近としては珍しく上昇基調を強め、111円台半ばまで上昇しました。このままの勢いでいくと、111円台後半までのドル高の可能性もあるのではとの期待もありましたが、NYでは上値もなく、111円51銭前後で上昇は抑えられています。背景には、やはり今週中にも発動される可能性のある「米中貿易戦争」の影がちらついたものと思われます。
同時にこの水準は、一目均衡表(日足)の雲の上限にあたり、ここを明確に上抜けできれば、上昇に弾みがつく重要な値位置でもあります。足元の値動きが依然として「レンジ相場」であると考えれば、一旦はドルを売っておきたいレベルとも言えます。8月のISM製造業景況指数が予想を上回ったことで、もう一段のドル高期待もありましたが、引き続き米中貿易問題の行方が、鍵を握っていると見られます。
ドル円は111円台半ばでは一旦上昇を抑えられていますが、チャートの形態を見る限り、上昇余地があるように見えます。米中貿易問題を引きずりながらも、どこまでドルが買えるのかという状況です。その貿易問題を巡っては、現時点ではなんら解決の兆しはありません。この欄でも何度も触れてきましたが、中国側が思い切った譲歩を示さない限り、2000億ドル(約22兆3000億円)の追加関税が発動される可能性は高まっています。
今週6日に公聴会が終わりますが、ホワイトハウスの側近は、「トランプ大統領は公聴会が終わり次第直ちに実行するだろう」と述べています。追加関税第3弾が先か、それとも雇用統計が先かという状況です。
本日は日本株がやや堅調な動きを見せると予想し、ドル円もNY市場での高値を超えて来るのではないかと見ています。レンジは111円10銭~111円90銭程度を予想します。

- [2018/09/05 09:38]
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トルコ8月のCPIは15年ぶりの高水準
ひと目で分かる昨晩の動き
欧州市場
110円95銭近辺から111円17銭での動き。
ユーロ高が進む。
本日の注目イベント
NY市場が祝日で休場だったことで、為替は動きがありません。
昨日の東京時間では上値が重く、株価も軟調だったことで、111円台から
緩やかに下落し、110円80銭前後までドル安が進みましたが、欧州市場
に入ると、今度は緩やかに上昇し、111円17銭までドルが買い戻されて
います。注目は新興国通貨の動きでしたが、昨日はトルコの8月の消費者物
価指数が発表されました。
事前予想は「17.6%」と、既に高めの予想でしたが、「17.9%」と
発表され、予想を上回っていました。
今年4月には12%を下回っていたものが、わずか4カ月で6%の上昇です。
トルコリラはこの発表後売られましたが、トルコ中銀が声明を発表したこと
で下げ幅は縮小しています。
トルコ中銀は、「使い得るあらゆる手段を駆使し、13日の政策会合で金融
政策のスタンスを調整する」と表明しました。
インフレが急速に進んでおり、市場では物価の安定には5%以上の利上げが
必要だとの観測もありますが、エルドアン大統領が利上げどころか、「利下
げ」を望んでいることから、中銀もその意向を無視できない状況が続いてい
ます。インフレが加速しているにもかかわらず利上げができないことで、通
貨リラがさらに売られ、これがインフレをさらに上昇させるという「悪循環」
に陥っています。ここはトルコ中銀がむしろサプライズを演出するくらいで
ないと、この「悪循環」を断ち切れません。
トルコはロシア寄りの姿勢を示していることから、対米国との関係も悪化し、
先月にはトルコに売却予定であった「ステルス戦闘機」を、トランプ大統領
は売却凍結を指示したばかりです。
米国人牧師がトルコに拘束されていることもあり、トランプ大統領はさらな
る制裁を発動するかもしれません。
来週13日の中銀政策発表が注目されます。
本日も東京時間中は余り動きがないものと思われます。
米国株に比べ上値の重い日経平均株価も、ドル円の上昇を抑えそうです。
ただ、今週末の雇用統計を皮切りに、今月は内外でイベントが多く予定さ
れているため、さすがのドル円も動きが出るものと予想しています。
早ければ今週末から来週にも発動予定が発表される可能性のある、
中国に対する「制裁関税第3弾」が最大の焦点になりそうです。
本日のレンジは110円70銭~111円50銭程度を予想します。

- [2018/09/04 09:02]
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新興国通貨の下落一服
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 110円台半ば近辺まで売られたドル円は小幅に反発。
米国とカナダとのNAFTA再交渉は合意に至らなかったが、
引き続き5日から再開されることで、市場への影響は軽微。
前日急落したトルコリラなど新興国通貨が値を戻したことも
あり、111円13銭までドルが買い戻される。 - ユーロドルは緩やかに下落。一時は1.160を割り込み、
1.1585まで売られる。 - 株式市場は高安まちまちながら、全体としては横ばい。
ダウは22ドル続落したが、ナスダックは21ポイントの上昇。 - 債券相場はほぼ横ばい。長期金利は2.86%台に。
- 金は4日ぶりに反発し、原油は反落。
- 8月シカゴ購買部協会景気指数 → 63.6
- 8月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 96.2
本日の注目イベント
- 中 8月財新製造業PMI
- 欧 ユーロ圏8月製造業PMI(改定値)
- 英 英8月製造業PMI
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
上値の重くなった東京市場の流れを受けたドル円は、NY市場では110円69銭までドル安が進みましたが、結局今回もそれ以上の下値を試すこともなく、111円台まで値を戻しています。ドルの底値が硬いのか、あるいは上値が重いのか、判断しづらい展開が続いています。
NY時間では相変わらずトランプ大統領を中心とした情報が相場の撹乱要因で、この日はカナダとのNAFTA再交渉の行方でした。メキシコとの交渉では大筋合意にこぎつけたものの、カナダのトルドー首相との交渉は、結局8月末期限までには合意に至らず、今週5日から再交渉の余地は残しているものの、楽観はできない状況です。
トランプ大統領はさらにカナダに対して圧力をかけ続け、1日のツイッターでは「新たなNAFTAの取り決めにカナダをとどめておく政治的な必要性はない。何十年にも及ぶ地位の乱用があった後で、われわれが米国にとって公正な合意を結ぶことにならなければ、カナダが出て行くことになる」と主張し、「議会はこの交渉に介入すべきではない。さもなければ私はNAFTAを完全に終わらせる。そのほうがずっと良い状態になるだろう」(ブルームバーグ)と述べ、NAFTAの制度そのものを撤廃することにも言及しました。
再交渉は5日に再開されますが、交渉は数日間ではなく、数週間単位で続く可能性があるようです。
先週木曜日に再び急落したトルコリラなどの新興国通貨が反発しています。トルコリラでは、トルコ当局がドル建ての預金に課す税率を引き上げる一方、リラ建てに対しては1年超の預金についてこれまで10%だった税率をゼロにし、リラ預金の方が有利になる措置をしたことが効いたようです。しかし、この小手先の措置がリラの下落を止めるとも思えません。この措置は、利息に対する税率をゼロにしたものと思われますが、1日で20%も値下がりするリラが、預金利息に対して10%軽減されても、それほど意味はありません。
そもそも直近のインフレ率が16%近いわけですから、本来は、政策金利を大幅に引き上げ、まずはインフレを封じ込める必要があるはずですが、国民に手持ちの金やドルを売って、リラを買うように要請するなど、今回の措置も含めて、政策が手詰まりであることを物語っているようです。8月の消費者物価指数は本日発表されますが、事前予想では「17.60%」と、さらにインフレが加速していると予想されています。
本日のドル円は110円60銭~111円40銭程度と予想します。

- [2018/09/03 11:17]
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