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ドル円約3週間ぶりに113円台を回復 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は10月10日以来の113円台乗せ。米国株が全面高と
    なり、長期金利も3.12%台まで上昇したことで、円売りが優勢に。
    ドル円は113円15銭までドル高が進み、この日の高値圏で引ける。

  • ユーロドルは緩やかに下落し、終始1.13台での取引きとなる。
    ユーロ圏の第3四半期GDPが予想を下回ったこともユーロの重石に。

  • 株式市場は大幅な反発を見せ全面高の展開に。消費者信頼感指数が
    高水準を維持していたことや、米中貿易戦争に楽観的な見方も出て
    株価を押し上げた。ダウは431ドル上昇し、その他の指数も大幅高。

  • 株価が大幅に反発したことで債券は売られる。長期金利は
    3.12%台まで上昇。

  • 金と原油は続落。

  • 8月ケース・シラ-住宅価格指数    →  5.49%

  • 10月消費者信頼感指数         →  137.9

本日の注目イベント

  • 豪   豪第3四半期消費者物価指数
  • 日   9月鉱工業生産
  • 日   日銀金融政策決定会合
  • 日   黒田日銀総裁記者会見
  • 中   10月製造業PMI(速報値)
  • 中   10月非製造業PMI(速報値)
  • 中   10月コンポジットPMI(速報値)
  • 欧   ユーロ圏9月失業率
  • 欧   ユーロ圏10月消費者物価指数(速報値)
  • 米   10月ADP雇用者数
  • 米   7-9月雇用コスト指数
  • 米   10月シカゴ購買部協会景気指数
  
トランプ大統領の「アメとムチ」外交が市場を混乱させています。前日、「11月の米中首脳会談で進展がなければ中国からの輸入品すべてに関税を課す用意がある」と発言して、円高ドル安が進み、株価も大きく売られましたが、今度は一転して、楽観的な姿勢を見せました。

トランプ氏は29日に、FOXテレビとのインタビューで、対中貿易に関して「素晴らしい取引を見込む」と述べました。この発言は昨日の東京時間午後には伝えられ、ドル円は112円台半ばを超え、日経平均株価は一時400円を超える上昇を見せました。

この流れは海外市場にも受け継がれ、NYではドル円が約3週間ぶりに113円台まで買われ、米国株は全面高、さらに債券が売られたことから長期金利は上昇し、久しぶりに短期的な「リスクオン」が進みました。10月の消費者信頼感指数が「137.9」と、市場予想を上回り、18年ぶりの高水準を記録したこともドル高・株高につながりました。同指数は「現況指数」と「期待指数」ともに18年ぶりの高水準で、消費者の景気に対する認識は、株価が大きく下げている状況下でも崩れていないことを示しており、米景気はすぐには失速しないことを物語っているのかもしれません。

ドル円はNY市場で113円15銭まで買われ、今朝方には113円17銭前後までドル高が進んでいます。結局先週末のNY市場で111円38銭までドル安が進みましたが、日足の「雲の下限」を下抜けすることなく反転したことになります。現在は「8時間足」の雲の上限近辺で上昇が一旦止まっていますが、その上には目立った抵抗滞は見られません。ただ、約3週間ぶりのドル高水準ということや、米中貿易戦争は依然として不透明なことから、このままドルが上昇を続けるかどうかは疑問です。

米中貿易戦争がさらに激化し、トランプ大統領が口にしたように、中国からの輸入品すべてに関税を課せば、中国だけではなく米国にも相当な打撃があるとの試算もあります。米シティーグループのリポートによると、もし中国からの全製品を対象とし、新規に2670億ドル(約30兆円)の輸入品に10%の関税を課すと、消費への影響は最大で、制裁関税第一弾の10倍になる可能性があると指摘しています。それは、アップルの「iPhone」やナイキのシューズなど、中国で生産される消費財を含めることになるからだとしています。

本日は日本株も上昇するでしょう。300円前後の上昇を予想していますが、円安の影響から500円以上上昇すればドル円のもう一段の上昇が見込めます。一方で、昨日すでに300円を超える上昇を見せているだけに、上昇幅が限定的になることも予想されます。レンジとしては112円70銭~113円50銭程度を予想します。

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ドル円反発し112円台半ばへ 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は先週末の111円台から反発。欧州市場でも
    ドル買いが優勢となり、NY市場では112円56銭までドル高に。
    その後は株価が大幅に下落したことを受け、112円35銭前後まで
    押し戻される。

  • ユーロドルは1.13台半ばから1.14で推移。メルケル独首相
    が党首を退任するとの報道も影響は軽微だった。

  • 株式市場は引き続き乱高下し不安定な取引が続く。
    ダウは1日の値幅が900ドルを超えたが結局245ドル安。
    ナスダックは7000を割り込む場面もあったが引け値は116ポイント
    下落の7050。

  • 債券相場は小幅に反落し、長期金利は3.08%台に上昇。

  • 金と原油はともに反落。

  • 9月個人所得            →  0.2%

  • 9月個人支出            →  0.4%

  • 9月PCEコアデフレータ     →   2.0%

本日の注目イベント

  • 豪  豪9月住宅建設許可件数
  • 日  9月失業率
  • 独  独10月雇用統計
  • 独  独10月消費者物価指数(速報値)
  • 欧  ユーロ圏7-9月期GDP(速報値)
  • 欧  ユーロ圏10月消費者信頼感指数(確定値)
  • 米  8月ケース・シラ-住宅価格指数
  • 米  10月消費者信頼感指数

先週末のNYで111円38銭まで売られたドル円は急反発し、112円56銭までドルが買い戻されています。株式市場では相変わらず乱高下が収まらず、昨日のダウは朝方には買われ、350ドルほど上昇していたものが、午後には下げに転じ、一時560ドルほど下落しました。1日の値幅が900ドルを超える荒っぽい展開でしたが、これもアルゴリズムやAIの影響のようです。このようなシステム売買は「順張り」を基本としており、「相場が下げれば売りに入り」、反対に「上昇すれば買いに入る」というもののようです。その結果「オーバーシュート」が起こり、値幅をより大きなものにします。

株価がこのように乱高下を繰り返しながら下げ続けても、ドル円の動きは緩慢です。安全通貨としての「円」は有事の際に買われる傾向がありますが、今回の世界同時株安局面では、どうやら当てはまりません。貿易戦争や株価の暴落など、投資家はリスク回避の姿勢を強めているにもかかわらず円の上昇は限定的です。トランプ大統領は昨日、11月の米中首脳会談で貿易面での対立を緩和できない場合、米国は中国からの輸入品でこれまでの追加関税の対象となっていなかった品目全てへの関税賦課を、12月初旬までに発表する用意があると、ブルームバーグが報じています。現在2500億ドル(約28兆円)相当の関税引き上げを実施していますが、残りの全てに対しても関税をかけるというものです。昨年の米国の輸入データから算出した場合、総額2570億ドル相当になる可能性があります。

ただ上述のように、為替の反応は限定的でした。トランプ氏が仕掛ける貿易戦争に、市場はもはや慣れてしまった感もあり、このニュースが伝わっても、ドル円はこの日の高値からわずか20銭程度しか下落していません。貿易戦争がさらに激化し、ダウは今月3日の最高値から2400ドルも下げ、ナスダックも高値から1000ポイントの下落を見せているにもかかわらず、為替市場ではゆったりとした流れが続いています。どこかでこの反動が起こるのではないかと懸念しています。

ドル円は結局112円台半ばまで押し戻されたことで、日足の雲抜けには失敗したことになり、再び元のレンジに戻っています。111円台が底堅いのか、それとも112円台後半が重いのか、なかなか判断できない状況です。本日のレンジは111円90銭~112円80銭程度を予想します。

ドル円111円半ばを割り込んだがその後反発 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円は再び米国株の大幅下落に引っ張られる形で
    111円38銭まで下落。その後株価が下落幅を縮小した
    ことで111円台後半まで買い戻される。

  • ユーロドルも上値は重く、1.1338まで売られ、
    約3カ月ぶりのユーロ安水準を記録。ユーロは対円でも
    126円台半ばまで下落。

  • 株式市場は大幅に反落。アマゾンの決算が市場予想に
    届かなかったことが、市場全体のセンチメントを悪化させ下げを牽引。
    ダウは296ドル安となり、ナスダック指数は2%を超える下げに。

  • 株価の下落に伴い債券は反発。長期金利は大きく低下し、
    3.07%台に。

  • 金は小幅に買われ、原油価格も上昇。

  • 7-9月GDP(速報値)               →  3.5%

  • 10月ミシガン大学消費者マインド(速報値)   → 98.6

本日の注目イベント

  • 英  英9月消費者信用残高
  • 英  英9月 マネーサプライ
  • 米  9月個人所得
  • 米  9月個人支出
  • 米  9月PCEコアデフレータ
  • 米  エバンス・シカゴ連銀総裁講演

米株式市場は、アマゾンなどIT株の下落が市場全体の地合を悪化させ、ダウは一時500ドルを超える下げを見せるなど、相変わらず不安定な動きをしています。ドル円も株価の下落に歩調を合わせるように売られ、111円台半ばを割り込み、111円38銭までドル安が進みました。これまでは、111円台半ばから後半が強いサポートゾーンとして機能して来ましたが、この水準を割り込んだことで、市場参加者の目線もやや下方に傾いてきた可能性があります。

ドル円が111円38銭まで売られたのは、9月13日以来となり、111円台半ば~113円のレンジを下方に抜けたことになります。
その後株価が反発し、下落幅が縮小したことで111円台後半までドルが買い戻されてはいますが、軟調な地合が続く株式市場を考えると、ドルの上値が徐々に重くなってきており、下値を切り下げる展開が予想されます。

ドル円はテクニカルでは「日足」の雲の下限で下落が抑えられた形です。現在111円40銭前後にある、この雲の下限を明確に下抜けすれば、株価の動きに比べ、かなり緩慢な動きが続いているドル円も本来の活発な動きに戻る可能性がありそうです。ただ気をつけたいのは、これと似た動きが8月にもあり、この時は雲抜け後に反発しています。8月21日には110円を割り込み、109円77銭までドル安が進みました。チャートを見ると完全に「日足の雲を下抜け」しており、ドルの下落を示唆する動きでしたが、結局そこを底値に反転して今月は初旬には114円台まで上昇しました。いわゆる「だまし」だったということになります。今回も111円台40銭近辺をしっかり抜け、111円前後までドル安が進んだ場合、前回のこの動きを意識しておくべきでしょう。

ドイツではヘッセン州の議会選挙が行われ、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)と、国政での連立与党である社会民主同盟(SPD)が共に大敗し、メルケル政権の基盤が不安定になってきました。連立与党は今月14日に行われたバイエルン州議会選挙でも大敗しており、得票率を大きく減らしたSPDのナーレス党首は記者団に対し、「連立政権の現状は受け入れ難い」とのコメントを残しています。(ブルームバーグ)メルケル与党としては、連立政権維持のため、他の政党を連立に加える必要が出てき
そうです。12月にはCDUの党大会を控えており、メルケル首相は党首再選を目指しているようです。

本日も、米国株の大幅安を受け再び日本株が大きく下げる「負の連鎖」になるのか、注目されます。今週からは日本でも企業決算が本確的に始まります。好調だとされる商社の決算発表も11月1日に予定されており、好決算が市場の悪い流れを変えるきっかけになるのかも注目されます。本日のドル円は111円40銭~112円30銭程度を予想しますが、日経平均が500円も下げるようなら、もう一段の円高方向も予想されますが、そこまで株価は下げないと見ています。

米国株再び大幅下落 

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場


  • ドル円はアジア市場で112円台半ばを超える水準で推移
    した流れから、朝方には112円74銭まで上昇。その後は株価が
    大きく下落したことで112円09銭まで売られる荒っぽい展開に。

  • ユーロドルも売られ、約2カ月ぶりとなる1.1378まで
    ユーロ安が進行。この日発表されたユーロ圏のPMIが市場予想
    を下回ったことが売り材料に。

  • カナダドルが急伸し、ドルカナダは1.2967前後まで下落。
    カナダ中銀が声明で「漸進的なアプローチ」という文言を削除した
    ことで利上げ観測が高まった。

  • 株式市場は大幅に下落。明確な売り材料には乏しかったものの、
    S&P500が節目の2700を割り込んだことで、テクニカルによる
    売りが加速。ダウは608ドル下げ、2万5000ドルの大台を割り込む。

  • 債券相場は大幅に反発。長期金利は3.10%台へと急低下。

  • 金は反落し、原油は小幅に上昇。

  • 8月FHFA住宅価格指数     →    0.3%

  • 9月新築住宅販売件数      →    55.3万件

本日の注目イベント

  • トルコ トルコ中銀政策金利発表
  • 独   独11月GFK消費者信頼感
  • 独   独9月ifo景況感指数
  • 欧   ECB政策金利発表
  • 欧   ドラギ・ECB総裁記者会見
  • 米   9月耐久財受注
  • 米   新規失業保険申請件数
  • 米   9月中古住宅販売件数成約指数
  • 米   企業決算 →インテル、アルファベット、アマゾン、ツイッター

昨日の東京時間では、朝方株価がマイナスで始まったことで112円32銭前後までドル安が進みましたが、午後に株価が急速に切り返し、結局プラスで引けたことでドル円も反発。NY時間にかけて112円74銭までドルが緩やかに上昇しましたが、NY株が再び大幅に下落したことで、ドル円も112円09銭まで売られています。株価の乱高下に振り回される展開が続いており、引き続き株価の動きがドル円のドライバーになっています。

昨日のNY株の大幅下落は、これといって明確な理由を見つけるのが難しい状況です。多くの専門家が「テクニカル的な下げ」という言葉を引用しており、今月の初めに最高値を更新したダウは、既に2000ドル以上も下げています。米中貿易戦争や、サウジの政治的リスクを含む中東情勢の悪化など、投資家がリスク回避の姿勢を強める材料はありますが、これは今に始まったことではありません。「テクニカル的な下げ」でダウが608ドル下げ、ナスダックも329ポイント下げる足元の相場環境が、非常に不安定で、脆弱だということでしょう。

ドル円も株価の下落に伴ってドル売りが進みましたが、それでも112円台を維持しています。「この環境下でよく健闘している」と言えるし、取引そのものが盛り上がらないのではないかとの懸念もあります。もっとも、米長期金利が低下したと言ってもまだ3.1%台であることから、米金利高がドルを支えている側面もあろうかと思います。トランプ大統領は中間層向けの減税を近日中に発表する予定です。11月6日の中間選挙に向けてのアピールと見られていますが、減税の財源が国債の増発である以上、米長期金利の一段の低下は予測しにくいと言わざるを得ません。

ドル円は111円台半ば~113円のレンジが続いていますが、明確な方向感はありません。日足チャートでは一目均衡表の「雲」が下落を抑える構図になっており、まだ上昇トレンドを維持していると見られますが、足もとでは「52日移平均線」などやや短かめの移動平均線にサポートされています。今回の下落局面で5回試して全て押し戻されてきた、111円台半ばから後半のサポートゾーンを割り込むのかどうかは、全て今後の株価次第ということになります。今のところ株価ほど値幅の出ないドル円ですが、油断はできません。1日で1円どころか、2円以上も値を飛ばす事態がないとはいえません。上記レンジを外れる事態も想定しておく必要があろうかと思います。

本日は日本株の下げに伴い111円台テストという展開が予想されますが、注目は今夜のNY株式市場の動きです。注目の「FANG銘柄」の決算発表が予定されているからです。今年前半からのNY株式市場の上昇を牽引してきたのはアップルやアマゾンなどのハイテク株でした。好決算をたたき出し再び株価反転の起爆剤になるのか、あるいは失望売りで相場下落にさらに拍車をかけるのか、注目されます。ドル円の予想レンジは111円50銭~112円50銭程度とし、目線はやや下方を意識しています。

ドル円再び111円台まで下落するも押し戻される 

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は再び112円を割り込み、111円95銭まで下落。

    日本株やアジア株が大きく下げた流れを受け、NY株も大幅に下落。

    リスク回避の円買いが強まり112円を割り込んだ。その後は株価の

    戻りとともに112円台を回復し、112円35-40銭前後で取引を

    終える。

  • ユーロドルは小幅に続落し、1.1449まで下落。イタリア国債

    が反発したが、買い戻しの動きは限定的。

  • 株式市場は主要3指数が揃って下落。ダウは一時500ドルを

    超える下げを見せたが、マクドナルドなど好決算銘柄が買われ、

    指数も反発。ダウは結局125ドル安で引け、S&P500は5日続落。

  • 債券相場は反発。株価の下落が債券買いにつながり、

    長期金利は3.16%台まで低下。

  • 金は反発し12ドル高と、約2カ月ぶりの高値に。

    一方原油は3ドル近い下げを記録し、2カ月ぶりの低水準に。


  • 10月リッチモンド連銀製造業指数   →  15

    本日の注目イベント

  • 日   10月日経日本製造業PMI

  • 日   8月景気動向指数(確報)

  • 独   独10月製造業PMI(速報値)

  • 独   独10月サービス業PMI(速報値)

  • 欧   ユーロ圏9月マネーサプライ

  • 欧   ユーロ圏10月製造業PMI(速報値)

  • 欧   ユーロ圏10月サービス業PMI(速報値)

  • 欧   ユーロ圏10月総合PMI(速報値)

  • 米   8月FHFA住宅価格指数

  • 米   9月新築住宅販売件数

  • 米   ベージュブック(地区連銀経済報告)

  • 米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演

  • 米   ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演

  • 米   メスター・クリーブランド連銀総裁講演

  • 米  企業決算 → ボーイング、AT&T、VISA、マイクロソフト

  • 加   カナダ中銀政策金利発表
      

    米国がくしゃみをすれば、風邪を引いてしまう日本株ですが、昨日は日本株自身で風邪

    を引き、こじらせてしまったようです。折から、日本では首都圏を中心に「風疹」がは

    やっており、米国では妊婦の日本への渡航を自粛するよう、異例の注意も発せられてい

    ます。日経平均株価は、昨日604円もの大幅下げに見舞われ、株式の専門家も「なぜ

    ここまで売られるのか分からない」と嘆いていました。

    株価の大幅下落に伴ってドル円も徐々に下げ、NY市場ではダウが一時550ドル近く

    下げたことで、112円を割り込みました。昨日もこの欄で述べたように、今回の戻り

    局面では、フィボナッチの38.2%は達成したものの、現時点では50%戻しには失

    敗したことになります。米中貿易戦争と中国景気の鈍化に加え、今度はサウジアラビア

    の反体制ジャーナリスト殺害に伴う、中東情勢の不透明感が広がってきました。

    この殺害を巡るサウジ政府の説明にもトランプ政権は納得しておらず、制裁にまで発展

    するリスクが取りざたされています。もし米国がサウジに対して制裁を発動するようだ

    と、サウジとしても保有している米国債の売却や、原油価格を意図的に上昇させるなど

    の行動に出る危険があり、その際には日本にとっても人ごとではありません。

    またひとつ注目しなければならない事態が増えたことになります。

    トランプ大統領と習近平主席との首脳会談は、どうやら11月にブエノスアイレスで開

    かれる「G20」の場を利用して行われるようです。

    クドロー国家経済会議(NEC)議長は23日、「両首脳はアルゼンチンで少しの時間、

    会談する」と記者団に語っています。ただ首脳会談では大きな事態打開は期待していな

    いとも語っています。(ブルームバーグ)

    米中貿易戦争は、米国が中国に対して総額2500億ドル(約28兆1千億円)の関税

    引き上げを発動して以来小康状態です。トランプ大統領はさらに5000億ドルまで引

    き上げると中国に脅しをかけてはいますが、中国が何らかの譲歩を示せば事態が改善す

    る可能性もあります。多くは期待できませんが、こちらにも注目しなければなりません。

    ドル円はそれほど大きな値動きにはなっていないものの、株価の動きと相関関係を強め

    ています。昨日のドル下落も111円台では下げ止まり、底値から50銭ほど反発して

    おり、111円台半ばから後半が極めて強いサポートであることを示しています。ここ

    直近でも、112円割れは5回観測されましたが、全て112円台に押し戻されて

    いることも確認できます。逆に言えば、111円台半ばをしっかりと割り込むようだと、

    下げが加速することも予想されます。

    本日も日本株次第というところでしょう。

    昨日大きく下げているため、NY株が下げたといっても500円も続落する 展開は予

    想していませんが、上値の重い展開は変わりません。

    予想レンジは111円80銭~112円70銭程度でしょうか。


  • ドル主要通貨に対して上昇 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場


  • アジア市場で、上海株や日本株が上昇したことから

    ドルを買う動きが強まり、その流れがNY市場にも波及。

    ドル円は112円89銭まで上昇。

  • ユーロドルは小幅に反落。イタリア国債が売られたことが

    ユーロドルの重石となり、1.1456まで下落。

  • 株式市場はまちまちながら先週末とは異なり、ダウは売られて

    ナスダックは反発。25日にはいわゆる「FANG」銘柄が揃って決算発表

    を行うことで期待が先行し、ナスダックは19ポイント上昇。

  • 債券相場は変わらず。長期金利は3.2%を目前に足踏み。

  • 金は続落し、原油は続伸。

    本日の注目イベント

  • 独   独9月生産者物価指数

  • 欧   ユーロ圏10月消費者信頼感指数(速報値)

  • 英   カーニー・BOE総裁講演

  • 米   10月リッチモンド連銀製造業指数

  • 米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演

  • 米   カプラン・ダラス連銀総裁講演

  • 米  企業決算 → マクドナルド、3M、キャタピラー、ロッキード
     

    昨日はドル円が堅調に推移し、NY市場では先週記録した戻り高値を抜き、112円

    89銭までドル高が進みました。マイナス260円ほどまで下げ幅を拡大した日経平

    均株価が、上海株の大幅反発に引っ張られ、プラスに転じたことでドル円も上昇し、

    その流れがNY市場にも波及した形です。

    ただ昨日の動きはドル円単独で上昇したわけではなく、ユーロとポンドが対ドルで売

    られたことで、「円が連れ安」した側面が強いと思われます。ユーロドルはイタリア国債

    が軟調に推移したことが重石となり、ポンドはEUからの離脱問題で、メイ首相に対

    する与党保守党内の反発が強まっていることへの懸念から売られ、値幅は限定的だっ

    たものの、「ドル独歩高」の様相でした。

    ドル円は113円には届いていませんが、それでも先週記録した112円73銭の戻

    り高値を抜いてきました。これで10月4日に記録した114円55銭から、15日

    に111円63銭まで下げた値幅の、38.2%戻しを達成したことになります。

    今後さらに上昇すれば、フィボナッチの50%戻しにあたる113円09銭近辺がメ

    ドになってきますが、この水準を達成するようだと、「半値戻しは全値戻し」と言わ

    れるように、114円台半ばまで戻る可能性も出てきます。

    長期金利は3.2%を目前に足踏みしていますが、依然として高水準で推移しており、

    金利上昇圧力は継続していると見られます。そうなると、金利上昇観測の中、どこま

    でNY株式市場が落ち着きを取り戻すかが焦点になります。

    何かと話題の尽きないトランプ大統領ですが、11月6日の「中間選挙」を控えて大

    統領は、中間所得層向けの「大規模減税」を検討していると、ブルームバーグが伝え

    ています。早ければ、中間選挙が行われる数日前に発表される可能性があるようです。

    減税案の詳細についてはまだ明らかにされていませんが、実施されれば、2017年

    の減税改革に次ぐ措置となり、中間選挙で共和党が議会での過半数獲得を確実にでき

    るとの期待が広がっています。減税が実施されれば、その原資は国債に頼ることにな

    り、国債の増発は金利上昇圧力になるため、上述のように、金利上昇観測は衰えてい

    ません。

    米中間選挙までちょうど2週間です。多くのメディアが共和党の苦戦を伝えています

    が、現在優位にたっている下院で過半数を維持できるのかどうかが注目の一つです。

    ここで、民主党が過半数を奪回するようだと、ねじれ議会というだけではなく、

    トランプ大統領の「弾劾」にもつながる可能性が出てきます。選挙結果がどちらにこ

    ろんでも、為替は大きく動くと思われます。

    今年のドル円は極めて値幅が小さく、現時点でも年間の値幅が10円を切っている状

    況です。今年最後の「主戦場」と捉えてもいいかもしれません。

    本日のドル円レンジは、112円30銭~113円20銭程度を予想します。


  • 英国のEU離脱問題前進か? 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は112円台で小動き。米長期金利が上昇したことから

    ドルは底堅く、112円65銭まで買われた。

  • ユーロドルは小幅に反発。イタリアが予算案を見直すとの観測も

    あり、ユーロドルは1.1534まで上昇。ただイタリア国債が格下げ

    されたこともあり、上値も限定的。

  • 株式市場はまちまち。ダウは3日ぶりに64ドル反発したが、

    ナスダックとS&P500は3日続落。

  • 債券相場は反落し、長期金利は3.19%台まで上昇。

  • 金は小幅に下落し、原油は反発。


  • 9月中古住宅販売件数    →  515万件

    本日の注目イベント

  •    特段重要なイベントはなし 

    ドル円は111円台後半が底堅いものの、112円台60-80銭近辺が抜け

    きれない展開が続いています。NY発世界同時株安の嵐は、やや収まりそうな

    気配はありますが、まだ収束したとは言えず、ドル円も神経質な動きが予想さ

    れます。今週終わった時点で株価が安定しているようだと、世界同時株安の嵐

    は過ぎ去ったと判断できるかもしれません。ただ、その後には「中間選挙」と

    いう次の嵐が待っています。

    引き続き話題に事欠かないトランプ大統領ですが、今度は旧ソ連との間で結ん

    だ「中距離核戦力廃棄条約」(INF)を破棄する意向を示しました。

    「ロシアや中国が戦力を増強するのに米国だけ条約を順守することは受け入れ

    られない」と、その理由を述べています。北朝鮮に核廃絶を迫りながら、一方

    米国は核開発をさらに進めるなど、トランプ政権は戦力の増強に努めています。

    果たして国際社会に受け入れられるのでしょうか。

    「 Make America great again !」とは、軍事的に米国を強くすることとは思

    えませんが。

    米中貿易戦争は現在小康状態ですが、先週金曜日に発表された中国の7-9月

    期のGDPは「6.5%」と、やはり前期に比べ悪化していました。預金準備

    率を下げるなど、中国政府は米国との貿易戦争の影響を軽減することにやっき

    になっていますが、米国による制裁関税引き上げ

    第三弾の2000億ドル(約22兆5千億円)相当が発動されたのは9月24

    日で、その影響が本格的に出るのは10-12月期と見られます。終わりの見

    えない米中貿易戦争ですが、米中両首脳は「G20」が行われる11月29日

    に会談することで暫定合意したと報じられており、この会談が実現したら、貿

    易戦争の改善に何らかの合意がなされると期待したいところです。

    英国のEU離脱問題でも動きがあったようです。現在、英国領北アイルランド

    とアイルランドの国境管理の問題で混乱が続いている状況ですが、メイ首相は

    22日、EUとの離脱交渉が「95%既に決着している」と議会で説明すると

    のコメントを出しています。(ブルームバーグ)

    ただ英国では再度国民投票を行うことを要求するデモもあり、まだ混乱は続き

    そうですが、本日行われるメイ首相の演説に注目したいと思います。

    ドル円は先週111円63銭までドル安が進む場面がありましたが、再び11

    2円台半ばまで反発しており、「日足」チャートではまだ、上昇トレンドを維

    持していると見られます。

    今週にも113円台まで上昇できるのか、それとも再び111円台半ばを試し

    に行くのかが焦点です。

    本日のレンジは112円~112円80銭程度を予想します。


  • NY株再び大幅下落 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は112円台半ばを超えたものの、そこから上値が重く

    反落。株価が再び大幅に下落したことや、長期金利の低下で

    ドル売りが加速し、111円95銭までドル安が進行。

  • ユーロドルは続落し、1.14台半ばまでユーロ安が進む。

    英国のEU離脱を巡る進展が見られず、イタリアの予算案が修正を

    迫られるなど、ユーロにとっての悪材料が重なる。

  • 株式市場はハイテク株を中心に再び大幅下落。ダウは327ドル安

    で取引を終えたが、一時は400ドルを越える下げも。サウジとの関係

    悪化や、米中貿易戦争への不透明感が重石に。

  • 株価の大幅下落に伴い、安全資産の債券に資金が流れる。

    長期金利は3.17台まで低下。

  • 金は反発。原油価格は大幅に続落し68ドル台に。


  • 9月景気先行指標総合指数          →  0.5%

  • 新規失業保険申請件数             →  21.0万件

  • 10月フィラデルフィア連銀景況指数      →  22.2

    本日の注目イベント

  • 日  9月消費者物価指数

  • 中   7-9月GDP

  • 中   中国 9月小売売上高

  • 中   中国 9月鉱工業生産

  • 米   9月中古住宅販売件数

  • 米  企業決算 → P&G

  • 加   カナダ8月小売売上高

  • 加   カナダ9月消費者物価指数
      

    先週から続いている株価の乱高下はまだ収まる気配が見えません。今週の始めに、

    混乱は1週間程度は続くと予想していましたが、明日のNY株がどのような引け

    方をするのかに注目しています。明日も、昨日のように大幅に下げたまま越週す

    るようだと、この悪い雰囲気が翌週にも持ち越され、反転のきっかけがつかめな

    くなる懸念が残るからです。この辺りまでの株価の調整は想定内ですが、来週も

    同じような動きが続くようだと、今回の株価の調整は長引く可能性があります。

    2月の混乱では、2日続けてNYダウが大幅安となり、その後2日はもみ合いが

    続き、その翌日に再び1000ドルを超える下げを見せました。もっとも、その

    日の引け値が、NYダウの今年の最安値であったことは意識しておくべきでしょ

    う。

    株価の動きに比べ、ドル円の動きは相変わらず鈍いです。ダウが300ドル以上

    下げたにもかかわらず、今朝の本稿執筆時は112円20銭後で推移しています。

    昨日の朝方には112円73銭までドルが買われる場面がありましたが、昨日も

    触れましたが、フィボナッチの38.2%戻しに当たる、112円79銭には届

    かずに反落しています。

    株価大幅下落の割にドル円が思った程下げないのは、ドル円では「ドル安円高」

    の流れになっていますが、ユーロドルでは「ドル高ユーロ安」の動きになってい

    ることが挙げられるかもしれません。その結果ユーロ円が大きく下げ、昨日は約

    5週間ぶりの安値となる、128円台前半までユーロが売られました。

    ユーロが売られた理由は言うまでもなく、イタリアの財政問題とイギリスのEU

    からの離脱問題が混沌としているからです。イタリア政府がEUに送った予算案

    を巡りEU当局者は昨日、イタリアの財務相に宛てた書簡で、イタリアの予算案

    はEU規定を「明らかに著しく逸脱」しているとして、修正を求めました。

    またドラギECB総裁は「EUの財政規律が守られないようなら、全てのEU加

    盟国に悪影響が及ぶ」と、国名は出さなかったものの、暗にイタリアの予算案を

    批判しています。

    さらに、EU首脳会議でイギリスのEU離脱問題を検討していますが、イギリス

    がアイルランド問題で譲歩する姿勢をみせていなことから進展がありません。

    加えて、米国との貿易戦争の影響からドイツを中心に景気の後退を示す

    指標も出始め、通貨ユーロにとっては「三重苦」の状況です。1.14台半ばま

    で売られてきたユーロドルは、「非常に強いサポート」と見られている1.13

    を、再び目指す展開を予想しています。

    本日も日本株は続落が見込まれます。NY株の大幅下落に伴って300円前後下

    げるのではないかと予想していますが、予想外の大幅な下げに見舞われるようだ

    と、ドル円も目先のサポートゾーンである111円60-80銭辺りを試すこと

    になるかもしれません。

    本日のレンジとしては、111円60銭~112円60銭程度を予想します。


  • ドル円112円台半ばを回復 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は続伸。米長期金利が上昇したことや、財務省が公表した

    為替報告書で、中国を為替操作国に認定することを見送ったことが

    材料となり、112円68銭までドル高が進む。

  • ドル高が進んだことでユーロドルは続落。1.1496まで売られ、

    1.16を挟んだ展開から水準を一段切り下げる。

  • 株式市場は反落。FOMC議事録で、今後も数回の利上げが

    実施される可能性が示されたことが重石に。ダウは91ドル下げ、

    その他の主要指数も揃って反落。

  • 債券相場は大幅に下落。FOMC議事録でタカ派の内容が示された

    ことで売りが優勢に。長期金利は3.20%台に上昇し、1週間ぶりの

    高水準に。

  • 金は反落。原油価格も在庫が予想以上に増加していたことを手がかりに

    2ドル以上売られ、約1カ月ぶりに70ドル台を割りこむ。


  • 9月住宅着工件数       →   120.1万件

  • 9月建設許可件数       →   124.1万件

    本日の注目イベント

  • 豪   豪9月雇用統計

  • 日   9月貿易収支

  • 英   英9月小売売上高

  • 英   カーニー・BOE総裁講演

  • 米   9月景気先行指標総合指数

  • 米   新規失業保険申請件数

  • 米   10月フィラデルフィア連銀景況指数

  • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演

  • 米   クオールズ・FRB副議長講演

  • 米  企業決算 → ブラックストーン、アメックス

  • 米   カプラン・ダラス連銀総裁講演

  • 米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演

      

    今回のドル円急落の背景は、米長期金利が急上昇したことで、それまで順調に買われて

    いた株が逆回転し、ほぼ一緒に最高値を更新していた主要3指数が大きく売り込まれた

    ことで、リスク回避の動きが強まり、安全通貨の円が買われ、ドル安が進みました。

    昨日のNY市場でも、FOMC議事録の公表をきっかけに、長期金利が上昇し、株価が下

    落しましたが、今回ドル円は金利上昇に引っ張られる格好で、ドル高に反応しています。

    株価の下落が先週ほどの下げを見せなかったこともありますが、市場の反応はなかなか

    一定ではありません。ドル円は112円68銭まで上昇し、今朝6時前後には112円72銭

    までドルが上昇しています。昨日ドルを押し上げたもう一つの材料が、財務省が半期に一

    度議会に報告する「為替報告書」でした。この報告書の中で、中国が「為替操作国」に認定

    されるのではないかとの予想がありましたが、同省は認定を見送りました。報告書では中

    国に対して、最近の人民元安を受けて相場動向を注視すると通告する一方で、「為替操作

    国」に認定することによって貿易戦争が一段と激化する事態を避けたと見られます。

    (ブルームバーグ)また、中国人民銀行(中央銀行)による直接的な介入はこのところ「限

    定的」だが、中国が為替介入を開示しないことは「極めて遺憾」だとしています。さらに日

    本についても、大幅な対日貿易赤字が続いていることを引き続き懸念していると報告して

    います。

    米中貿易戦争は一向に収まる気配が見えず、もはや「消耗戦」になっています。このまま

    さらに報復合戦が続けば、中国が、よりその影響を受けると見られますが、米国にとって

    も消費の減速を避けることは難しく、結局両国にとっても、あるいは世界経済にとってもマ

    イナスであることは明白です。今回の「為替報告書」で、中国を「為替操作国」に認定しな

    かった背景には、こういった影響を避けたかったことと、11月の「G20」で、トランプ大統領

    と習近平主席のトップ会談が開催される方向であることから、これ以上の刺激を中国に与

    えることは得策ではないとの判断が働いたものと考えます。

    9月のFOMC議事録が公表されました。

    9月の会合では、今年3回目となる利上げが決定されたこともあり、「タカ派的」な内容だ

    ろうと予想していましたが、結果はその通りでした。議事録では「数人の参加者は、政策が

    当面やや抑制的になる必要があるとの見解を示し、他の幾人かはフェデラル・ファンド(F

    F)金利を当局が予想する中立的なレベルを上回る水準へ一時的に引き上げることが必要

    になると判断した」と記されていました。(ブルームバーグ)

    FOMCメンバーの直近の予測では、長期的な中立水準を「3%程度」と予想しているようで

    す。111円台半ばまで売られたドル円は、1週間ぶりに112円台半ばを超える水準まで戻

    してきました。今回のドル円の戻りのメドをフィボナッチで推測すると、38.2%が112円7

    9銭前後となり、今朝の水準に近づいています。

    ここを抜けると、半値戻しの113円09銭前後ということになります。現在「4時間足」の雲の

    下限に抑えられている状況ですが、それ以外にも112円85銭前後には「日足」の転換線や

    基準線が集まっています。本日はNY株が下落したことや、日経平均株価もここ2日で560

    円程上昇したこともあり、日経平均の上値は重いと思われます。そのため、本日の日本株は

    下げると見ていますが、円安が進んでいることから、その下げも本日に限れば限定的でしょ

    う。予想レンジは112円20銭~113円程度と見ますが、どうでしょう。


  • ドル円111円台半ばまで下落 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場

        
    • ドル円は続落し、一時は111円67銭までドル安が進む。
      日本株が再び大幅に下落したことや、サウジ記者を巡る情報緊迫
      から円が買われた。ドル円は終始111円台で推移しこの日の高値
      は111円94銭前後。

    • ドイツの政局不安とドル安の綱引きだったが、ドル安に引っ張られ
      ユーロドルは1.1606まで上昇。

    • 株式市場は比較的落ち着いた取引だったが、サウジとの関係悪化や
      小売売上高が予想を下回ったことなどが材料視され、結局3主要指数とも
      下落。

    • 債券は小幅に上昇。長期金利はほぼ変わらず3.15%台で推移。

    • 金は反発し1230ドル台に。原油は続伸。

    • 10月NY連銀製造業景況指数  →  21.1

    • 9月小売売上高         →  0.1%

    本日の注目イベント

    • 中  中国 9月消費者物価指数
    • 中  中国 9月生産者物価指数
    • 独  独10月ZEW景況感指数
    • 英  英9月失業率
    • 欧  ユーロ圏8月貿易収支
    • 米  9月鉱工業生産
    • 米  9月設備稼働率
    • 米  10月NAHB住宅市場指数
    • 米  企業決算 → IBM、ブラックロック、J&J、モルガンスタンレー、ゴールドマンサックス、

    昨日は日経平均株価が再び大幅な下落をみせ、先週末比423円も下げました。株価の行方に翻弄されているドル円は、徐々に上値が重くなり、夕方にはこれまでのサポートゾーンだった111円80銭台を抜け、NYでは111円67銭までドル安が進みました。
    夕方のドル売り優勢の勢いを見たら、NYではもう一段下げ、111円台前半もあり得ると思っていましたが、NY市場は為替、株ともに比較的落ち着いた動きでした。

    ダウは89ドル安と小幅な下げに留まりましたが、昨日は新たにサウジアラビアとの関係が悪化する事態がドル円の戻りを抑えた形です。CNNは、サウジアラビア政府は失踪したとされるサウジアラビアのジャーナリストについて、取調べを誤った結果死亡したとの報告を準備していると報じました。これまで関与を否定していたサウジアラビア政府が、関与を認めることになりそうです。これに対してトランプ大統領は、失踪の背後には「ならず者の殺人者たち」が存在する可能性を指摘し、ポンペオ国務大臣をサウジに派遣し、サルマン国王と会談させるとツイッターに投稿しました。(ブルームバーグ)

    ユーロ圏でも混乱の芽がゆっくりと育っている印象です。イタリアの連立政権は15日の閣議で、2019年度予算案を承認しました。この案は欧州委員会の審査を受けるため送付されますが、EUの財政ルールを巡りEUと対立する可能性が残っています。
    予算案の内容はまだ公表されていないようですが、イタリアが19年度財政赤字目標をGDPの2.4%にしているようだと、欧州委員会が承認しないことも予想され、混乱の火種になりかねません。

    混乱はドイツでも起きそうな気配です。ドイツでは州議会選挙が行われ、保守の牙城だったバイエルン州議会選挙で政権与党のキリスト教社会同盟(CSU)が大敗しました。CSUはメルケル連立政権の支持基盤の一つであり、国民は難民問題を巡る政策に対してメルケル首相に「NO!」を突きつけた形です。ユーロ圏は、上記2つの問題に加え、英国のEUからの離脱問題でも手を焼いています。ユーロドルは先月1.18台まで上昇しましたが、ちょうど1カ月で400ポイントほど売られたことになります。1.13が強力なサポートになっていますが、折からのドル安傾向で、1.15台では粘り腰を見せていますが、再びドル高傾向に戻ったら、1.13テストもないとはいえません。

    本日は引き続き株価次第ですが、昨日のような大幅安はないと予想します。ドル円は111円40-50銭近辺が目先下値のサポートと見られますが、市場参加者の「相場観」も、徐々に「緩やかな円高方向」にシフトしてきているようです。本日のレンジは111円30銭~112円20銭程度を予想します。


    ドル円111円台半ばまで下落 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場

        
    • ドル円は続落し、一時は111円67銭までドル安が進む。
      日本株が再び大幅に下落したことや、サウジ記者を巡る情報緊迫
      から円が買われた。ドル円は終始111円台で推移しこの日の高値
      は111円94銭前後。

    • ドイツの政局不安とドル安の綱引きだったが、ドル安に引っ張られ
      ユーロドルは1.1606まで上昇。

    • 株式市場は比較的落ち着いた取引だったが、サウジとの関係悪化や
      小売売上高が予想を下回ったことなどが材料視され、結局3主要指数とも
      下落。

    • 債券は小幅に上昇。長期金利はほぼ変わらず3.15%台で推移。

    • 金は反発し1230ドル台に。原油は続伸。

    • 10月NY連銀製造業景況指数    →  21.1

    • 9月小売売上高             →  0.1%

    本日の注目イベント

    • 中  中国 9月消費者物価指数
    • 中  中国 9月生産者物価指数
    • 独  独10月ZEW景況感指数
    • 英  英9月失業率
    • 欧  ユーロ圏8月貿易収支
    • 米  9月鉱工業生産
    • 米  9月設備稼働率
    • 米  10月NAHB住宅市場指数
    • 米  企業決算 → IBM、ブラックロック、J&J、モルガンスタンレー、
          ゴールドマンサックス

    昨日は日経平均株価が再び大幅な下落をみせ、先週末比423円も下げました。株価の行方に翻弄されているドル円は、徐々に上値が重くなり、夕方にはこれまでのサポートゾーンだった111円80銭台を抜け、NYでは111円67銭までドル安が進みました。夕方のドル売り優勢の勢いを見たら、NYではもう一段下げ、111円台前半もあり得ると思っていましたが、NY市場は為替、株ともに比較的落ち着いた動きでした。

    ダウは89ドル安と小幅な下げに留まりましたが、昨日は新たにサウジアラビアとの関係が悪化する事態がドル円の戻りを抑えた形です。CNNは、サウジアラビア政府は失踪したとされるサウジアラビアのジャーナリストについて、取調べを誤った結果死亡したとの報告を準備していると報じました。これまで関与を否定していたサウジアラビア政府が、関与を認めることになりそうです。これに対してトランプ大統領は、失踪の背後には「ならず者の殺人者たち」が存在する可能性を指摘し、ポンペオ国務大臣をサウジに派遣し、サルマン国王と会談させるとツイッターに投稿しました。(ブルームバーグ)

    ユーロ圏でも混乱の芽がゆっくりと育っている印象です。イタリアの連立政権は15日の閣議で、2019年度予算案を承認しました。この案は欧州委員会の審査を受けるため送付されますが、EUの財政ルールを巡りEUと対立する可能性が残っています。
    予算案の内容はまだ公表されていないようですが、イタリアが19年度財政赤字目標をGDPの2.4%にしているようだと、欧州委員会が承認しないことも予想され、混乱の火種になりかねません。

    混乱はドイツでも起きそうな気配です。ドイツでは州議会選挙が行われ、保守の牙城だったバイエルン州議会選挙で政権与党のキリスト教社会同盟(CSU)が大敗しました。CSUはメルケル連立政権の支持基盤の一つであり、国民は難民問題を巡る政策に対してメルケル首相に「NO!」を突きつけた形です。ユーロ圏は、上記2つの問題に加え、英国のEUからの離脱問題でも手を焼いています。ユーロドルは先月1.18台まで上昇しましたが、ちょうど1カ月で400ポイントほど売られたことになります。1.13が強力なサポートになっていますが、折からのドル安傾向で、1.15台では粘り腰を見せていますが、再びドル高傾向に戻ったら、1.13テストもないとはいえません。

    本日は引き続き株価次第ですが、昨日のような大幅安はないと予想します。ドル円は111円40-50銭近辺が目先下値のサポートと見られますが、市場参加者の「相場観」も、徐々に「緩やかな円高方向」にシフトしてきているようです。本日のレンジは111円30銭~112円20銭程度を予想します。


    NYダウ反発するもドル上値の重い展開 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は112円台前半でNYでの取引を終える。

    一時400ドルを超える上昇を見せたダウがマイナスに沈んだことで、

    111円88銭まで売られたが、その後買戻しが入り280ドルを超える

    上昇で引けたことで、ドル円も112円台に戻す。

  • ユーロドルは小幅に反落。EU首脳会談を前にしたポジション調整

    と、ドル高から1.1535まで下落。

  • 株式市場は大きく反発。ハイテク株を中心に買戻しが入り、ダウは

    287ドル上昇。ナスダックも167ポイントの大幅反発。

  • 債券相場は反落。株価が反発したことで、債券は売りが優勢となり

    3日ぶりに下落。長期金利は3.16台に上昇。

  • 金は4日ぶりに反落。原油も小幅に上昇。


  • 10月ミシガン大学消費者マインド(速報値)  →  99.0

    本日の注目イベント

  • 日   8月鉱工業生産(確定値)

  • 米   10月NY連銀製造業景況指数

  • 米   9月小売売上高

  • 米  企業決算 → バンク・オブ・アメリカ

    ドル円は株式市場との相関性を強め、先週は日米株価の大幅下落の影響から111円

    台後半までドル安が進みました。先週後半の2日間で1400ドル近く下げたNYダ

    ウは、週末には大手ハイテク株を中心に買戻しが入り、3主要指数ともに反発しまし

    た。ドル円も戻り高値を試しましたが、上値は112円台半ばで抑えられ、再び11

    2円台前半で推移している状況です。

    ドル円は111円80銭台を3度試して反発しており、この水準がサポートゾーンに

    なりつつありますが、まだ予断は許しません。株価の動きに左右される相場展開が続

    くと見られ、NY株式市場の行方を注視するしかありません。

    米国では四半期決算発表が始まりました。企業業績の結果が株価に影響することは当

    然ですが、先週末、先陣を切って発表された米銀大手3行の決算は事前予想通り好調

    でした。ただ3行の決算発表後の株価はまちまちでしたが、今後続く主要企業の決算

    も概ね良好と見られており、その意味では株価の下落を抑える材料の一つになる可能

    性はあります。

    13日にバリ島で「G20」が開催されましたが、ムニューシン米財務長官は一部記

    者団に「これからの貿易交渉では、どの国とも為替問題を協議していく。日本を例外

    にすることはしない」と述べ、今後行われる日米物品貿易協定に「為替条項」を入れ

    たい意向を示しました。既に合意しているカナダ、メキシコとの協定では「為替介入

    を含む競争的な通貨切り下げを自制する」との文言が明記されており、米国側はこの

    文言を入れたいようですが、日本としては何としても避けたいところです。

    この発言に関して茂木経済・再生担当大臣は昨日、「日米首脳会談を受けた共同声明

    も為替の話はなかった」と述べ、その動きをけん制しています。

    米国の対日貿易赤字の6割以上は自動車です。

    関税を大きく引き上げられないとすれば、為替を円高方向にすれば、日本の自動車産

    業が大きな打撃を受けることを、トランプ政権は十分承知しています。中国、メキシ

    コ、カナダとの貿易問題で、ある程度の成果を挙げてきたトランプ政権は、その矛先

    を日本に向け始めてきたという印象があります。

    ドル円は上述のように、株価がどこで落ち着くのかにかかっています。日米金利差に

    大きな変化はなく、株価が落ち着けば、ドル円も堅調に推移すると見られますが、今

    年2月と同じような動きでは、2日連続して大きく下げた株価はその後2日間もみ合

    った後、3日目に再び1000ドルを超える下落に見舞われました。

    今後1週間程度は乱高下が続くと見ておくべきでしょう。

    本日の予想レンジは111円50銭~112円50銭程度にします。


  • NYダウ大幅続落 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は、NY市場の朝方は株価が戻す場面もあり112円台半ば

    まで買われたものの、その後株価が下げに転じると112円を割り込む。

    111円83銭まで下落し、112円台に戻して取引を終える。

  • ユーロドルでも引き続きドル売りユーロ買いが優勢となり、10日ぶり

    となる1.160まで上昇。

  • 株式市場は大幅続落。朝方はプラスで始まったが、徐々に下げに転じ、

    結局ダウはマイナス545ドルと大幅に続落。ナスダック、S&P500も

    同様に大きく下げる。

  • 債券はリスク回避の流れが続き続伸。長期金利は3.15%台まで

    低下する。

  • ドルが連日売られたことで、金は大幅に続伸。前日比34ドル買われ、

    8月以来となる1220ドル台を回復。原油は大幅に続落し、70ドル台に。


  • 9月消費者物価指数         →  0.1%

  • 新規失業保険申請件数       →  21.4万人

    本日の注目イベント

  • 中   中国 9月貿易収支

  • トルコ  トルコで軟禁中の米国人牧師ブランソン氏の審理

  • 欧   IEA月報

  • 中   中国 9月貿易収支

  • 独   独9月消費者物価指数(改定値)

  • 欧   ユーロ圏8月鉱工業生産

  • 米   10月ミシガン大学消費者マインド(速報値)

  • 米  企業決算 → JPモルガン、ウェルズファーゴ、シティーグループ


    米国発の株価の急落が世界の株式市場に伝播し、日本を含む主要株式市場を大きく

    揺り動かしています。特に東京株式市場はその動揺が大きく「米国がくしゃみをす

    れば、風邪をひく」とまで言われるほど「虚弱体質」です。

    前日831ドル下げたNYダウでしたが、昨日の日経平均株価は915円も下げま

    した。前日に続きダウは昨日も545ドルの大幅安です。本日の日本株の下げがど

    の程度になるのか、注目されます。

    米国発の株安が日本の株安につながり、リスク回避の動きが加速していることで安

    全通貨の「円」に買戻しが入っている状況です。もっとも、株価の下落幅の割には、

    ドル円の下落幅は小幅にとどまっていますが、注意は必要です。

    米国債が買い戻され、長期金利は低下してきているとは言え、それでも足元の水準は

    3.15%で、高水準です。

    これがドル円の下落を抑制している一因とも言えます。



    今回の米国発の株価の急落は、長期金利の上昇と、米中貿易戦争が

    長期化し、さらにエスカレートする可能性のあることが主な要因です。

    これまで株価の上昇を自分の「成果」として誇ってきたトランプ大統領にとって、

    これ以上の株価の下落は、中間選挙まで残り時間が少ないこともあり、何としても

    避けたいところです。

    そのため、連日FRBの利上げを批判し、10日の演説では「FRBは狂って

    しまった。連邦準備制度は常軌を逸した」と、厳しい批判の声をあげています。

    また今朝の報道では、11月のG20会合でトランプ氏が習近平中国主席と

    会談する予定があると、米メディアが報じていることも、その打開策の一環と

    捉えことができます。



    もっとも、今回の株価急落の原因をつくったのは、トランプ氏自身であることは

    論を待ちません。

    景気の拡大を図り金利上昇を招いたのは、財政規律を無視しても実施した

    大型減税であり、「自国主義」を掲げ、自分から仕掛けた「アメリカファースト」が、

    世界を貿易戦争に巻き込んだことは明白です。



    独立性の強いFRBがこの批判の声で、今後の金融政策を変更することは

    ないとは思いますが、ここは、敢えてうがった見方をすれば、FRBの利上げスタンスが

    やや変わってくる可能性もあると予想しています。

    昨日発表された9月のCPIは「0.1%」でした。

    FRBはインフレ率の判断基準としては、「PCEデフレータ」をより重要視している

    と言われていますが、現時点ではインフレ率が2%を大きく超えて上昇する気配は

    ありません。

    今後FRB高官が利上げペースの鈍化を示唆する発言を行うことは、十分想定でき

    ると思います。



    NY市場で111円83銭まで売られたドル円は、ほぼ昨日と同じ水準で戻ってきました。

    上でも述べたように、本日は日本株がどこでまで下げるのか、あるいは粘り腰を

    見せてこの悪い雰囲気を変える「ムード・チェンジャー」になれるのか、注目です。

    ドル円は昨日コメントしたように、「日足」の「52日線」近辺で下げ止まって

    います。もしこのレベルを抜くようであれば、「雲の上限」である111円46銭前後が 

    サポートになると予想しています。

    予想レンジは111円70銭~112円70銭程度とします。


  • 米株価急落でドル円112円台に 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は113円台前半から急落。株式市場で株価が大きく下げ、

    リスク回避の円買いドル売りが加速し、112円25銭まで売られる。

    ドルの買い持ちを減らす動きが優勢となり、この日の安値圏で引ける。

  • ドル安が進んだことでユーロドルも反発。英国のEUからの

    「ハードブレグジット」懸念が後退したこともあり、1.1545まで上昇。

  • 株式市場は全面安の展開。長期金利の上昇や、米中貿易戦争長期化

    への懸念が蒸し返され、ダウは831ドル安。ナスダックも315ポイント安と

    急落。中国関連銘柄の下落が目立った。

  • 株価が急落し、リスク回避の流れから安全資産の債券は買われた。

    長期金利は3.16%台まで低下。

  • 金は反発。原油価格は供給減少懸念が後退したことで大幅安。

  • 9月生産者物価指数     → 0.2%

    本日の注目イベント

  • 亜   G20(インドネシア・バリ島、12日まで)

  • 米   9月消費者物価指数

  • 米   新規失業保険申請件数

  • 米   9月財政収支 


    この欄でも何度か触れたことがありますが、今年2月の初めに、ドル円が円高ドル安

    に転じたきっかけはNY株式市場の急落でした。昨日再び同じような事態が起き、ド

    ル円は約3週間ぶりに112円台前半まで円高が進んでいます。

    NYダウは前日比831ドル(3.7%)下げ、ナスダックは4%を超える下げを見

    せました。今回も米長期金利の上昇が株価急落の原因の一つと伝えられていますが、

    米長期金利の上昇は今に始まったわけではありません。米長期金利は9月の18日に

    再び3%台を回復しましたが、その日のダウは184ドル高と、大幅に上昇して取引

    きを終えています。長期金利はそれから徐々に上昇し、今週9日には3.26%台ま

    で上昇しました。「ドル高・株高」、さらに言えば、「原油高」が続いた「楽観相場」

    、「適温相場」が修正を迫られた格好です。

    昨日の株価急落の理由付けには、「米中貿易戦争長期化への懸念」も挙げられていま

    す。こちらも「今さら」という気がしないでもありませんが、この欄でも今の米中関

    係はここ数年で最悪の状態であると述べてきました。株価の大幅下落に比べ、ドル円

    は円高方向に振れてはいますが、その値幅はまだ軽微です。

    注意したいのは、ここからのNY株式市場の動きです。2月2日(金)に前日比66

    5ドル下落したダウは、翌日5日(月)には1175ドルと、さらに下げ幅を拡大し

    て下落しました。そしてその翌日には567ドル反発し、これで一旦下げ止まったか

    に見えましたが、8日(木)には1032ドル安と、再び1000ドルを超える下げ

    を演じ、株式市場に先行き不安が広がりました。ただ振り返ればこの日記録したダウ

    の引け値、2万3860ドルが今年の最安値で、その後「適温相場」が続き、先週4

    日には2万6828ドルの史上最高値を記録したことはご承知の通りです。

    結局、為替も株式も全員参加で、同じ方向に走って行った時には、いずれは大幅な調

    整が誘発されるということだと思います。

    NY市場では112円25銭まで下げたドル円は、「8時間足」の雲の下限で止まっ

    た形になっていますが、本日の日本株も大幅下落は避けられないでしょう。

    株価の下落に伴ってドル円がどこまで売られるのかが焦点ですが、112円を維持で

    きるかどうかも注目されます。

    112円を割り込んだ場合には、「日足」の「52日線」がある、111円80銭前

    後が次のサポートになりそうですが、「ドルが下げたら買いたい」と考えていた投資

    家がどこまで買いを入れるかにも注目です。

    予想レンジは111円70銭~112円70銭程度と見ていますが、どうでしょう。


  • 米長期金利低下しドル円上値が重い 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場


  • 前日112円台に下落したドル円は朝方には、米長期金利の上昇に

    ドル買いが先行し、113円33銭まで上昇。その後金利が徐々に

    低下したことでドルも下落し、113円を割り込む水準で取引を終える。

  • ユーロドルは小幅に続落。EUとイタリアの交渉が長引くとの

    見方がユーロの重石に。ユーロドルは一時1.1433まで売られ、

    約2カ月ぶりのユーロ安を付ける。

  • 株式市場は下落。貿易を巡る不透明感や世界経済見通しを

    受けダウは56ドル安。ナスダックは4日ぶりに反発したが小幅に

    留まる。

  • 債券相場は軟調に始まり金利は上昇したが、その後ジリジリと

    買い戻しが入り、結局反発。長期金利は3.20%台まで低下。

  • 金と原油はともに反発。

    本日の注目イベント



  • 英   英8月貿易収支

  • 英   英8月鉱工業生産

  • 米   9月生産者物価指数

  • 米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演

  • 米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演

  • 米   ウィリアムズ・NY連銀総裁講演

  • 加   カナダ8月建設許可件数

      

    ドル円は112円80銭台では底堅い動きを見せたものの、上値が重い展開です。

    昨日の海外市場での戻り高値も113円39銭で、現時点では方向感も乏しく、

    次の展開を待っている状況です。

    IMFは9日、世界経済見通し(WEO)を発表しました。貿易戦争を背景に2

    018年の経済成長率の予測を「3.7%」とし、7月の時点からは「0.3%」

    引き下げました。世界経済見通しの下方修正は2016年7月以来2年ぶりです

    が、IMFは、トランプ政権が仕掛けた貿易戦争がさらに激しくなれば、201

    9年以降さらに景気が下振れし、最大で「0.8%」落ち込むとの見方を示しま

    した。

    特に貿易問題で激しさの増している米中両国の成長率は、現状でも2019年に

    は「0.6%」下振れするが、金融不安につながれば成長率が「6.0%」を割

    り込む可能性もあると指摘しています。

    仮に中国の成長率が「6.0%」を下回れば、1990年以来の低成長というこ

    とになります。一方米国もその影響は避けられず、最大で「1.0%」低下する

    と予想されており、大型減税の効果を相殺してしまうとの見方が出ています。そ

    うなると、その影響は米中だけではなく、日本や欧州にも及ぶことからIMFの

    オブストフェルド主席エコノミストは、世界経済の先行きに強い警戒感を示して

    います。

    米中関係はここ数年で最悪の状態であることはこの欄でも述べてきましたが、こ

    のままの状況では、米中の次官レベルでの貿易協議も先行きが見えません。さら

    に、トランプ大統領がもう一段の追加関税の発動を言い出す可能性すらあります。

    貿易戦争がこれ以上激化しないことを祈るばかりですが、当初から懸念されたよ

    うに、この問題が為替や株式市場にもじわりと影響を与えてくる可能性も徐々に

    強まっているように思います。

    トランプ大統領は再びFRBの金融政策に不満を表しています。大統領は9日、

    景気過熱の回避を意図したFRBの利上げについて、「私は気に入らない」と

    ホワイトハウスで発言し、「そう急ぐ必要はないと思う」と語り、さらに、

    「私は低金利が好きだ」とも述べています。(ブルームバーグ)

    FRBは先月の会合で、今年3回目となる政策金利の引き上げを決め、現在F

    F金利は、2-2.25%になっています。

    113円前後で戻ってきたドル円は、もうしばらく調整が続くのか、あるいは

    再び上昇の波に乗って114円台を回復するのか、現時点では判断できません。

    市場全体の見方は、為替だけではなく、再び軟調な地合いを見せている株式市

    場も含めて、「当然の調整局面だ」と受け止めているようです。

    引き続き貿易戦争は大きな懸念材料ですが、目先は米金利と株価の動きがドル

    円の方向を決めると見られます。

    本日の予想レンジは112円60銭~113円50銭程度を見ています。


  • ドル円大幅に反落し112円台に 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は朝方から株価が下げたことや、人民元の下落を材料に

    売られる。一時は113円を割り込み、112円82銭までドル安が進む。

    その後株価が反発したことで、113円25-35まで値を戻して引ける。

  • ユーロドルは続落。ドイツの経済指標が軟調だったことや、イタリアの

    財政問題が依然として重石となり、1.1460までユーロ安が進む。

  • 株式市場は先週までの調整ムードを引き継ぎ、軟調に推移。ダウは

    一時200ドルを超える下げを見せたが、午後には反発。結局ダウは

    39ドル高で引けたものの、ナスダックとS&P500は3日続落。

  • 債券市場は「コロンブスデー」のため休場。

  • 金は、対ユーロでドルが上昇したことから大幅安。原油は小幅に下落。

    本日の注目イベント

  • 日   8月国際収支

  • 日  9月景気ウオッチャー調査

  • 独   独8月貿易収支

  • 独   独8月経常収支

  • 英   英8月小売売上高

  • 米   IMF世界経済見通し

  • 米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演

  • 加   カナダ9月住宅着工件数


    先週木曜日には114円台半ばまで買われ、115円も視野に入ってきたドル円

    でしたが、昨日の大幅下落で、今回の上昇過程では「最大の調整局面」を迎えて

    います。先週末の雇用統計でも上値を切り下げ、113円台半ばまでドル安が進

    みましたが昨日はさらに下げ、一時は112円82銭までドル安が進みました。

    直近高値からは1円80銭程度下げたことになりますが、ダウが連日最高値を更

    新し、ドルが全面高となった楽観的な相場は、そろそろ危険水域に入った可能性

    があると、本稿でも指摘してきましたが、どうやらその為替も、株も「調整局面

    入りした」可能性が出てきました。 

    米10年債利回りが3.2%台と、依然として高水準であるため、このまま円高

    方向へとトレンドを変えるとは思いませんが、上値が重くなってきたことは否め

    ません。市場参加者も再び114円台まで上昇すれば、確実に利益を確定する動

    きに出るものと思われます。

    昨日NY市場ではこれといってドルが売られる明確な理由はなかったように思い

    ますが、米中貿易戦争が継続中で、11月の中間選挙ではトランプ大統領の苦戦

    が伝えられている状況でも、ドル高、株高が続いていました。「好事魔多し」と

    いう言葉があるように、注意しながら臨むべきでしょう。

    北朝鮮で金委員長との会談を終えたポンペオ米国務長官はその足で中国に向かい、

    北京で王毅外相と会談しました。会談では、貿易問題や北朝鮮問題が話し合われ

    たと思われますが、今回の会談では辛らつな言葉のやり取りがあり、米中関係が

    悪化していることを浮き彫りにしていました。

    王外相は、貿易摩擦をエスカレートさせ、台湾問題や内政に介入しているのは米

    国だと非難し、「こうした行動は相互信頼を傷つけ、中国民の利益に全くそぐわ

    ない」と述べました。これに対してポンペオ国務長官は、「王氏が挙げた問題に

    ついて、米国側の見解は根本的に異なる」と答え、「中国がとってきた行動を米

    国は深く憂慮している。米中関係は極めて重要なため、それぞれの問題について

    議論する機会が得られることを楽しみにしている」と続けています。(ブルーム

    バーグ)

    今回の訪中では、習主席との会談も行われておらず、米中関係は貿易戦争を背景

    にここ数年で最も厳しい状況だと言えます。

    ドル円は「4時間足」の「120時間線」で下落が抑えられています。まだ日足

    では雲の上で推移しており、ここから判断すれば、上昇トレンドに変化はないと

    思われますが、早めのサインを出す「MACD」では既に「デッドクロス」を示

    現しています。本日は日本株も軟調に推移するでしょう。

    ドル円も下値を試すことになりそうですが、下値のメドは、NY市場のドルの安

    値である112円80銭前後と、その下では112円45-50銭辺りと見てい

    ます。久々に見る調整局面のため、ドルが下げた場合、どの程度買いが出てくる

    のかも、見る必要があります。

    レンジは112円40銭~113円40銭程度を予想しています。


  • 米株価、原油下げ、ドル円反落。 


    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は反落。米株式市場で、株価が大きく下落したことで

    利益確定のドル売りが優勢となり、113円64銭までドルが売られる。

    為替以外の市場でも、持ち高を解消する動きが目立ち、これまでの

    楽観ムードも一服。

  • ユーロドルは反発。ドルが売られたことや、EU大統領が、「英国の

    EU離脱での合意を真剣に考えている」と述べたことなどが材料となり、

    1.1542まで上昇。

  • 株式市場は急落。中国が米企業をハッキングしていたとの

    ブルームバーグの報道が売り材料となった。ダウは350ドルほど

    下げる場面があったが、引け値はマイナス200ドル。

    ナスダックも大きく売られ、前日比145ポイント下げる。

  • 債券相場は小幅ながら続落。長期金利はやや上昇し、3.187%

    前後で引ける。

  • 金は続落。原油価格は利益確定の売りに押され大幅安に。

    前日比2.08ドル売られ、74ドル台に。


  • 新規失業保険申請件数    →   20.7万件

    本日の注目イベント

  • 豪   豪8月小売売上高

  • 独   独8月生産者物価指数

  • 米   9月雇用統計

  • 米  8月貿易収支

  • 米   8月消費者信用残高

  • 米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演

  • 加   カナダ8月貿易収支

  • 加   カナダ9月就業者数

  • 加   カナダ9月失業率
     

    順調に上昇を続けていたドル円は、久しぶりに「調整らしい調整」を見せました。

    昨日の朝方には114円55銭までドルが買われたものの、上値の重さを感じな

    がらも底堅い動きでしたが、NY市場では株価が大幅な下落を見せたことをきっ

    かけにドルが売られ、114円台を割り込んでからは、ポジションを解消する動

    きも出て、113円64銭までドル安が進行しました。この日の高値からは90

    銭ほど下げる、今回の上昇局面では久しぶりの下落となりました。積み上げたポ

    ジションの利益を確定する動きもドルを押し下げたようです。

    米長期金利は小幅に上昇していることで、ドル売り材料にはなっておらず、ドル

    下落の引き金を引いたのは、株価の大幅下落でした。その株価の下落も、これと

    いった明確な材料が見つけにくい状況でしたが、ブルームバーグの報道が一つの

    きっかけであったことは確かなようです。ブルームバーグは、中国がマイクロチ

    ップを使って米企業をハッキングしていたとの記事を伝えています。

    さらに米中関係にも緊張が高まっている兆しが見られます。ペンス副大統領は

    昨日、中国が米国の選挙に介入していると、異例の発言を行っています。

    NY株式市場の急落をきっかに、為替、原油市場など、これまでリスク選好の高

    まりに伴って買われたものが、巻き戻されたという格好です、76ドル台まで

    上昇したWTI原油価格は昨日2ドルを超える下げに転じています。問題はこれ

    で、リスク選好の流れが変わり、楽観ムードが収束に向かうのかどうかという点

    です。

    クドロー国家経済会議(NEC)委員長はホワイトハウスで、「個人的な見方と

    してドルは安定しており、着実かつ信頼できる」と述べています。また「ムニュ

    ーシン財務長官も、同じ見解だ」とも述べており、足元のドル高を容認するよう

    な発言を行っています。

    昨日この欄で、今年2月には株価急落に伴い円高ドル安が進んだことに付いて触

    れましたが、昨日のNY市場の動きはこれに似ているような気もしますが、単な

    る杞憂に終わると思っています。

    ただ相場というものは、特段の理由がなくても、緩やかな下げが続き、その後に

    大きな下げが発生し、トレンドが変わることもあります。引き続き市場の微妙

    な変化には注意したいところです。

    本日は、日本株の調整は避けられないでしょう。

    焦点は、その際にドル円がどこまで下値を試すのかという点です。テクニカルで

    は113円47銭前後に「200時間線」がり、「4時間足」の雲の上限もこの

    前後にあることから、113円40-50銭辺りが目先のサポートと考えます。

    また、来週月曜日は祝日で、東京市場は3連休になります。

    加えて、今夜は恒例の「雇用統計」があります。今日中に、「利益を確保して

    おきたい」、そう考えるにも意外性はありません。

    同時に、「雇用統計でドルが上にはねたところを売りたい」と考える人も多いは

    ずです。そういった「売り」がどの程度出てくるのかにも注目です。

    本日のレンジは113円30銭~114円50銭と、上記材料を考慮してやや広

    めに予想します。


  • 米長期金利一段と上昇しドル全面高 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • 東京時間に113円52銭前後まで売られたドル円は急反発。

    好調な米経済指標や長期金利が急騰したことを手がかりに、

    114円54銭までドル高が進み、今年の最高値を更新。

  • ユーロドルは続落し、一時は1.1465まで売られる。

    その後、イタリアが財政赤字目標を引き下げる方針を

    示したことでユーロは小幅に反発。

  • 株式市場は良好な経済指標を好感し続伸。ダウは5日続伸し、

    連日で最高値を更新。ナスダックも25ポイント上昇し8000ポイント

    の大台を回復。

  • 債券相場はADP雇用者数の上振れや、ISM非製造業景況指数が

    予想を上回ったことで急落。10年債利回は3.18%台まで上昇。

  • ドル高から金は反落。原油は反発し76ドル台に。イランからの供給が

    減少との予測はあるものの、投機的な資金の流入が価格を押し上げる。


  • 9月ADP雇用者数        →   23.0万人

  • 9月ISM非製造業景況指数  →   61.6

    本日の注目イベント

  • 豪   豪8月貿易収支

  • 日   ラガルドINF専務理事が記者会見(都内)

  • 米   新規失業保険申請件数

  • 米   クオールズ・FRB副議長講演

  • 米   パウエル・FRB議長講演


    ドル円は再び114円台に乗せ、114円台半ばまで上昇し、年初来高値を更新

    しました。昨日の朝方には、日本株の調整を手がかりに113円52銭前後まで

    売られ、短期的な動きを示す「1時間足」では「雲の下抜け」を見せたものの、

    そこから切り返しての上昇でした。この動きは、先月27日と同じ展開で、結局

    「上昇トレンド」が基調となっていることを表しているということです。

    昨日のドル高のドライバーは「米長期金利」でした。3.18%台まで急伸し、

    約7年ぶりの金利高(価格は下落)となっています。一部債券保有者がロングの

    ポジションを解消したと思われ、金利急騰を引き起こしています。

    債券売りを促したのは、引き続き好調な経済指標でした。

    この日発表された9月のADP雇用者数は、予想の「18.4万人」に対して

    「23.0万人」と大きく上振れしました。また、9月のISM非製造業景況指

    数に至っては「61.6」と、手元の資料では確認できないため、ブルームバー

    グデータで調べたところ、1997年8月以来の高水準で、実に21年ぶりの数

    字でした。

    良好な経済指標を背景に、FRBが年内に「もう一回利上げ」をするのではない

    かとの見方も強まっています。日米金利差がさらに拡大していることから、機関

    投資家は一段とリスク選好姿勢を強め、ドルを積み上げているようです。ドル円

    は、すでに年初来高値を更新しており、114円台半ばまで上昇したことで昨年

    11月の114円74銭にも手が届きそうです。115円も視野に入ってきまし

    たが、ドルに対してさらに強気の人は、2016年11月にトランプ氏が大統領

    選で勝利した後に記録した、118円台半ばも「口にする」かもしれません。

    ただ米金利上昇が常にドル高につながることにならないことは、今年2月に十分

    経験したはずです。連日最高値を更新していたダウが、2月2日の取引で665

    ドルの大幅安を見せました。そしてさらに、5日には1175ドルという記録的

    な下げを演じ、8日にも1032ドル下げるなど、坂道を転げ落ちるかのように

    下げ続けました。米長期金利の上昇を嫌気したものでしたが、その長期金利は、

    前日の2.78%から2日には2.84%台まで上昇し、21日には2.95%

    まで上昇しました。本来高金利を嫌う株式市場ですが、この時はまさに「教科書

    通りの反応」を示したわけです。109円台後半で推移していたドル円は、1カ

    月後には105円台まで円高が進んだことを記憶している方も多いのではないか

    と思います。もちろん、当時とは企業業積や経済環境は異なってはいますが、今

    後ドル円が115円を超えていくと予想される中でも、警戒感を持って望むこと

    は必要です。米国発の貿易戦争は進行中です。ドル円がドル高に進めば進むほど、

    トランプ大統領からの「口撃」の可能性は高まります。

    本日のドル円は114円~115円程度を予想します。


  • ユーロドル1.15台前半まで下落 

    ひと目で分かる昨晩の動き

    NY市場

  • ドル円は小幅に反落。イタリアの財政懸念の拡大から円が

    買われる展開となり、113円53銭までドルが売られた。

    長期金利の低下も円買を後押し。

  • ユーロドルはジリ安となり、1.15台で推移。イタリア下院予算

    委員会のボルギ委員長が、同国は独自通貨の導入で財政問題を

    解決できると発言したことを材料に、1.1528までユーロ安が進む。

  • 株式市場ではダウが4日続伸し、最高値を更新。ダウは前日比

    122ドル上昇し、2万6773ドルで取引を終える。一方ナスダックは

    37ポイント下落し、節目の8000ポイントを割り込む。

  • 債券相場はイタリアの財政懸念や英国のEU離脱への懸念から

    反発。長期金利は3.06%台まで低下。

  • 金は反発して1200ドル台を回復。連日高値を更新していた原油は

    小幅に反落するも、75ドル台は維持。

    本日の注目イベント

  • 豪   豪8月住宅建設許可件数

  • トルコ  トルコ9月消費者物価指数

  • 欧   ユーロ圏9月サービス業PMI(速報値)

  • 欧   ユーロ圏9月総合PMI(速報値)

  • 欧   ユーロ圏8月小売売上高

  • 英   英9月サービス業PMI

  • 米   9月ADP雇用者数

  • 米   9月ISM非製造業景況指数

  • 米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演

  • 米   バーキン・リッチモンド連銀総裁講演

  • 米   ブレイナード・FRB理事講演

  • 米   メスター・クリーブランド連銀総裁講演

  • 米   パウエル・FRB議長講演
     

    連日下値を切り上げ緩やかな上昇を続けているドルは、昨日の朝方に114円台

    をワンタッチする場面もありましたが、結局ジリ安となり、NY市場では113

    円53銭まで下落しました。

    一旦は上昇が止まって下落に転じたものの、下落幅は限定的で、ドルが下げたと

    ころを拾いたい投資家にとっては、なかなかそのチャンスが訪れて来ないといっ

    た状況です。114円台までは緩やかに上昇を続けてきたこともあり、いったん

    は上げ止まるのは想定内でしょうが、どこまで下値があるかが問題です。

    昨日のドル円の下落は、トランプ大統領ではなく、イタリアの財政問題でした。

    2019年から21年の財政赤字を、GDP比2.4%としたイタリアに対して、

    EU側は修正を求めましたが、イタリアはこれを拒否しており、さらに下院予算

    委員会のボルギ委員長が「イタリアは、独自通貨の導入で財政問題を解決できる

    だろう」と、ユーロ圏からの脱退をほのめかす発言をしたことで円が買われまし

    た。ECB政策委員会のメンバーである、レーン・フィンランド中銀総裁は「持

    続可能な公的財政がイタリアの経済回復を促進するとは、極めて考えがたい」と

    述べ、イタリアの財政赤字案は「深刻な懸念」であると指摘しています。

    現実問題として、イタリアがかつての自国通貨である「リラ」を採用したら、

    「リラ」は市場で大きく売られ、さらに債券が売られ、金利が急上昇し、インフ

    レが加速し、トルコと似たような状況が想定され、EU及び、通貨ユーロからの

    離脱は簡単ではありません。EUには加盟していながら自国通貨を維持していた

    英国が、EUからの離脱を決めたことで、今だに混乱している姿をみれば、その

    困難さは一目瞭然です。

    パウエルFRB議長は昨日の講演で、「賃金上昇は確認された価格インフレや労

    働生産性の伸びとおおむね整合しているため、労働市場の過熱を示唆しない」と

    語っています。また、「賃金の伸び率上昇だけで、必ずしもインフレ的とは言え

    ない」と続けています。(ブルームバーグ)

    今週末に発表される9月の雇用統計では、平均時給の伸びは2.8%(前年比)

    と予想されており、8月の2.9%からは若干鈍化すると予想されています。

    雇用統計では、非農業部門雇用者数と失業率が極めて安定しており、この2つの

    指標が、今後の金融政策に与える影響は低減しています。そのため市場も平均時

    給の伸びが今後の利上げのタイミングを左右すると見ています。

    ドル円は114円前後では、上昇にブレイキがかかった感じですが、全体的に見

    れば底堅い印象です。

    さすがに今日の日本株は調整すると予想しますが、目先の下値のメドは、113

    円50~55銭あたりと、その下の113円40銭前後と見ています。

    この水準を明確に割り込むようだと、「1時間足」では「雲の下抜け」がはっき

    りと確認されるため、これまでとは異なる「調整」が見られるかもしれません。

    本日のレンジは113円20銭~114円10銭程度を予想します。


  • ドル円114円台に乗せるも勢いなし 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場


    • ドル円は引き続き堅調で、この日は東京市場と同様に
      114円台に乗せたが勢いはなく、113円台に押し戻される。
      高値は114円06銭だったが、動きは緩慢。

    • ユーロドルは前日と同様な動きとなり、1.1564まで
      売られたが反発。

    • 株式市場は、米国がカナダとのNAFTAの再交渉で合意に
      達したことを好感。ダウは一時250ドル以上上昇し、最高値を
      更新する場面があったが引け値では192ドル高。

    • 債券相場は続落。長期金利は小幅に上昇し、3.08%台に。

    • 金は反落し、原油は大幅に上昇。リスク選好の流れから
      買われたとの説明だが、前日比2.05ドル上昇し、75ドル台と、
      約4年ぶりの高値を記録する。

    • 9月ISM製造業景況指数    →  59.8

    本日の注目イベント

    • 豪  RBA、キャッシュターゲット
    • 日  9月マネタリーベース
    • 欧  ユーロ圏8月生産者物価指数
    • 英  英9月建設業PMI
    • 米  クオールズ・FRB副議長上院銀行委員会で証言
    • 米  パウエル・FRB議長講演

    ドル円は東京時間でも、NY時間でも114円台には乗せましたが、予想した通り動きは緩慢で、さらに上値を試す展開ではなかたようです。引き続き日米ともに株価が堅調で、日経平均株価は昨日も125円上昇し、バブル崩壊後の戻り高値を更新しています。
    もっとも、バブルのピークは38,915円で、しかも時期は1989年の大納会だったと記憶しています。この年に生まれた子供でも、すでに30歳にならんとしているわけですから、もう遠い昔の話といえます。NYダウの方も、昨日のザラバでは250ドルほど上昇する場面もあり、こちらは史上最高値を更新していましたが、引け値では先週末比192ドルの上昇に終わっており、最高値更新には至っていません。それでも主要3指数ともに高水準で推移しており、投資家はかなりリスク選好姿勢を強めています。

    リスク選好の流れは原油価格にも及び、昨日はWTI原油価格も大幅に買われ、75ドル台まで上昇しました。OPECが減産体制を維持し、イランからの原油供給量が減るとの見方はあるものの、その前の週の引け値は70ドル台だったことを考えると、原油市場にも新規の投機的な資金が流入してきていることを伺わせます。

    米中の貿易戦争や、不安定な新興国通貨など、依然として不透明な材料はありますが、一方で昨日米国はカナダとNAFTAの再交渉で合意に達しており、足元の市場の反応は「好材料に反応し、悪材料には目をつぶる」動きを鮮明にしています。USTRが公表した、メキシコ、カナダとの新しい協定の名前は「USMCA」(米国・メキシコ・カナダ協定)で、単に3カ国の国名の頭文字を取ってつけたものですが、自動車の数量規制が入っています。メキシコ、カナダからの輸入乗用車をそれぞれ年間260万台として、その枠内のものについては高関税を課さないというものです。またこの協定には、「為替介入を含む競争的な通貨切り下げを自制する」という為替条項も導入されています。

    ドル円はここ20時間ほど、ほとんどもみ合いで動きはありません。短期的な動きを示す「1時間足」のMACDではデッドクロスが出ており、目先調整の可能性もあるかしれません。それでも、深押しする場面が見られないのがこのところの相場ですが、いったん手仕舞いする方法もありそうです。本日のレンジは113円50銭~114円20銭程度と見ますが、昨日のドルの高値である114円05銭前後が抜けるかどうかも確認したいところです。

    ドル円のジリ高続く 

    ひと目で分かる昨晩の動き
    NY市場


    • ドル高の流れが続き、ドル円は113円71銭まで上昇。
      昨年12月以来のドル高水準を記録したが、引き続き動きは
      緩やかで下値を切り上げる展開。

    • ユーロドルは朝方に1.1572前後まで売られたが、その後
      切り返す。1.1629まで買い戻されたことでユーロ円も132円台
      に乗せる。

    • 株式市場は小幅に続伸。ダウは18ドル上昇し、ナスダックも
      4ポイントながら上昇する。

    • 債券は続落。長期金利はやや上昇し、3.06%台に。

    • 金は反発。原油は続伸し、2カ月半ぶりに73ドル台に乗せる。

    • 8月個人所得                       →  0.3%

    • 8月個人支出                       →  0.3%   

    • 8月PCEコアデフレータ                →  2.0%

    • 9月ミシガン大学消費者マインド(確定値)     →  60.4

    • 9月シカゴ購買部協会景気指数           →  100.1

    本日の注目イベント

    • 日  7-9月期月日銀短観
    • 欧  ユーロ圏9月製造業PMI(改定値)
    • 欧  ユーロ圏8月失業率
    • 英  英8月消費者信用残高
    • 米  9月ISM製造業景況指数
    • 米  9月自動車販売台数
    • 米  ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
    • 米  カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
    • 米  ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演

    台風24号は日本列島各地で猛威を振るい、その影響が今朝も出ています。関東地方では朝からJR各線が始発から運休して、通勤に大きな影響を与えています。筆者も駅で電車の動き出すのを待ち、ようやく会社にたどり着いた状況でした。

    ドル円は引き続き堅調に推移し、先週末のNY市場では113円71銭までドルが買われ、昨年12月以来のドル高水準を記録しました。「一歩後退、2歩前進」という流れが続き、今朝も113円85銭前後まで上昇する場面があり、114円には手が届きそうです。

    市場参加者のセンチメントも、ここに来て急速に「ドルブル」に傾いてきており、この点はやや気になるところですが、そうかと言ってドルショートを振っても、切らされる展開が続いています。そろそろ高値警戒感があるものの、素直に付いて行くしかありません。
    今年最もドル高の水準をクリアしたドル円は、昨年11月9日の114円07銭やさらにその上では、11月6日の114円74銭という水準を意識します。上昇したとしても、スピードが極めて緩やかなため、すぐに114円レベルを回復することはないとしても、年内に115円を達成するという見方が強まって来たのも事実です。

    米国とカナダのNAFTA協議が合意に近いようです。ブルームバーグは複数の関係者の話として、両国の交渉は続いており、現時点では相違を克服できないような大きな問題は残っていないと、伝えています。メキシコとはすでに8月に合意ができていることから、カナダとの合意が成立すれば、3各国で「北米自由貿易協定」(NAFTA)が再び再構築されることになります。

    先の自民党総裁選で勝利した安倍首相は、明日にも新内閣を組閣する模様ですが、すでに多くの主要なポストで留任が決まっており、新鮮味はないでしょう。注目されるのは、景気刺激策を含めた「財政出動」の部分です。今朝の新聞では来年の消費税引き上げに伴う景気後退対策として、中小小売店での商品購入に、消費税引き上げ分である2%をポイントで還元するという案が検討されているようです。景気対策がサプライズにつながるようだと、株高を通じてドルが一段高になることも予想されます。安倍首相の「所信表明」も含めて、経済対策の部分には注目したいと思います。

    本日のドル円は114円台テストがありそうですが、仮に114円台に乗せたとしても、そのまま維持できるのかどうかが焦点です。
    予想レンジは113円20銭~114円10銭程度でしょうか。

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    通常、あらかじめ約束した損失の額の水準(以下、「ロスカット水準」といいます。)に達した時点から
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