ドル円株価に翻弄されるも111円近辺で推移
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル売りが加速し、110円46銭まで下落。株価の大幅下落にも
反応した形だったが、株価が急反発したことで111円台を回復。
抜けないものの、1.13台前半も底堅い。
ダウは一時600ドルを超える下落に沈んだが、引けにかけて
反発。前日比260ドル高で取引を終え、2万3千ドル台を回復。
大幅安となり44ドル台に。
本日の注目イベント
前日のNYダウが過去最大の上げ幅を記録したことを受けて、昨日の日経平均株価
も750円高と大幅な上昇を見せましたが、ドル円はジリジリと売られ、一時は1
11円を割り込み、110円85銭前後までドル安が進む場面もありました。株価
が上昇するとドル高に振れる傾向が強い中、個人投資家の方からも「株が上がって
いるのに、何でドルが売られているの?」という問い合わせも何件かあったほど、
昨日はドル円と株価の相関は見られませんでした。ただそれでも再び111円台を
回復する展開でしたが、ドル円の上値の重さは気になるところです。
昨日は、前日110円まで売られたドル円がNYでは株価の上昇に111円台半ば
までドル高が進んだことで、本邦の輸出筋が年末ということもあり、ドル売り注文
を持込み、その額が比較的多かったと理解しています。
日米ともに、株価の乱高下はとまりません。前日大幅高だったこともあり、昨日の
NYダウは一時600ドルを超えるマイナスに沈む場面もありましたが、引けにか
けて急速に買いが入り、結局260ドル高で取引を終えています。
ドル円も株価の大幅下落に110円46銭まで売られましたが、その後111円台
まで値を戻すなど、株式市場の動きに翻弄されています。株価が落ち着きを見せる
までは、この傾向が続きそうです。
昨日のNY朝方のドル円と株価の下げは、軟調な経済指標に反応したものです。
12月の消費者信頼感指数は「128.1」と、予想の「133.5」から大幅に
低下し、7月以来の低水準でした。
ブルームバーグによると、特に労働市場に関する見通しは過去41年で最悪となり、
株式相場の変動や、景気減速で消費者の楽観的な見方が後退しつつあることを示唆
していると報じています。
実際、項目別の数値を見ても、「今後6カ月以内に高額商品を購入する予定」では、
自動車、住宅、大型家電など、すべての比率が低下しています。
前日発表されたリッチモンド連銀製造業指数も、市場予想の「15」に対して「-
8」と、大幅に悪化しており、来年後半には米景気の減速を予想する多くのエコノ
ミストの見方を裏付ける状況になってきました。
ここ数日パウエルFRB議長を巡る報道が増えていますが、ウォールストリート・
ジャーナル(WSJ)は、トランプ大統領は側近に対して、パウエル議長との会談
に前向きで、政治からも独立しているFRB議長が大統領と会談するのは過去にも
例はあるものの、異例だと伝えています。
株式市場が乱高下している中、会談が実現すれば、両者の信頼関係は強固であるこ
とがアピールされ、株式市場には好材料になります。

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- [2018/12/28 09:09]
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ダウ記録的な上昇でドル円111円台を回復
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
超える反発を見せたことでドル円も111円台を回復。111円41銭
までドル高が進み、高値圏で引ける。
売られ、10日ぶりのユーロ安水準をつける。
過去最大に。ナスダックも361ポイント上昇し全面高に。
本日の注目イベント
ドル円は111円台を回復し、111円41銭まで反発しました。
予想外の展開でしたが、久しぶりにこれだけ好材料が揃い株価が急反発すれば
ドルが買い戻されるのはやむを得ないところです。問題は、これでドル円も株
価も底値を見たのかどうかを確認しなければならないということです。
個人的に言えば答えは「ノー」です。ドルも株も大きく売られたところに、
好材料が揃ったことで買い戻されただけのことと考えます。
同時に、ドル円もこれまでのような緩やかな動きから、ボラも出て、値幅を伴
う荒っぽい動きになりそうで、来年の動きを暗示しているように思われます。
それにしても好材料が揃いました。
ハセット米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長は26日、パウエル氏のF
RB議長ポストは安全かとの記者からの質問に対して「もちろん、100%だ」
と答え、「パウエル氏更迭」の火消しを行った形でした。ハッセット委員長は
また、ムニューシン財務長官の辞任に関しても否定した
ようです。株価が連日大幅に下げている状況の中、金融政策のトップが辞任す
るようなことになれば、さらに株価が下落するリスクもあり、現段階でこのよ
うに辞任を否定する発言を行うことは当然と言えば当然です。
さらに好材料は続きます。
アマゾン・ドットコムは26日の発表資料で、今年のホリデーシーズンは極め
て好調で、有料会員サービスの「プライム」の利用により無料で配送された商
品は、米国だけでも10億アイテムを超えたと伝えています。また、マスター
カードはホリデーシーズン(11月1日~12月24日)の売上高が5.1%
増の8500億ドル(約94兆円)を超え、この伸び率はここ6年で最大だっ
たと発表しました。マスターカード・スペンディングパルスによると、オンラ
イン売上高は前年比19%増加したようです。(ブルームバーグ)
米国の個人消費は依然好調であることが確認され、この日の株式市場では小売
セクターが大きく買い戻されています。
米中貿易問題でもやや進展が見られました。
米政府代表団は来年1月7日からの週に中国当局者との貿易協議のため訪中す
るとブームバーグは報じています。代表団は米通商代表部(USTR)のゲリ
ッシュ次席代表がトップを務め、国際問題担当のマルパス財務次官も参加予定
のようです。
これら好材料に株価は大きく反応しました。ダウは前日比1086ドル上昇
し、値上がり幅は「過去最大」です。
大きく売り込まれていたナスダックも361ポイント上昇し、上昇率はダウを
上回る5.8%を記録し、全面高の様相です。
株価の急反発を受けて、リスクオフの流れが急速に後退し、安全資産の債券は
売られ、金利が上昇したことでドル円を押し上げました。
昨日はリスク資産の原油も大きく買い戻され、前日比3ドル69セント上昇し
ています。
今回のドルの下落は113円50銭前後から始まったとすれば、110円まで
の下げの38.2%戻しが111円34銭近辺となり、この水準をクリアした
形です。半値戻しは111円75銭辺りとなり、ここには日足の「転換線」も
あります。
米中貿易問題やトランプ政権の迷走など、今後もドルの上値を抑える状況には
なっていますが、テクニカルでは「分水嶺」に立っていると言えます。
一目均衡表では「日足」では上昇トレンドが完全に崩れていますが、移動平均
線を見ると、長期線(200日)が最も下方にあり、その上に中期線(120
日)、さらに一番上に短期線(52日)と並んでおり、短期線の方向が上昇か
ら下落方向に変化はしているものの、まだ3本の位置は変わっておらず、ここ
では上昇
トレンドが継続していると言えます。
また「週足」では、依然として「雲」が下落を抑える形になっています。
ドルの上値は重くなってきたものの、まだ100%下値目線で構えるわけには
いかず、6:4で、下落を意識するといったところでしょうか。本日は日本株
も1000円を超える上昇が見られるかもしれません。
レンジは110円80銭~111円80銭程度を予想します。

- [2018/12/27 09:14]
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ドル円株価の大幅下落に110円まで売られる
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
本日の注目イベント
ザラ場での日経平均株価1000円安は想定したものの、引け値で1000円を
超えた株価には、個人投資家の多くが驚いたものと思います。NY株の大幅安が
引き金とは言え、下落率を見ると、震源地のNY株よりも大きいという現実。
日本株の弱さを感じざるを得ません。
引け値は1010円安の1万9155円と、2万円の大台などあっさりと割り込
み、1万9000円割れも意識された展開でした。この日のほぼ最安値で引けた
のと歩調を合わせるように、ドル円も110円前後まで円高が進みました。
こちらは8月21日以来となる円高水準です。昨日は東京市場が終わると、クリ
スマスのため取引を行っている市場はなく、その後の動きはほぼ「ポジション調整」
がメインで、動きはありません。問題は本日から今週末までの動きがどのような
ものになるのかといった点です。
株安が止まらないとすれば、ドル円の110円割れは必至でしょうが、急激な株
価の下落に、売り方にも警戒感が出ているのも事実だろうと思います。
ただ、「もはや売られすぎという言葉では説明がつかない」といった専門家の言
葉も聴かれます。今後どこまで下げるかはわかりませんが、仮に下げ止まっても、
日経平均株価が2万4000円台を再び回復するのには相当な時間が必要かと思
います。来年は景気が悪化するのはほぼ間違いないところで、既に企業業績予想
も今年に比べて減収減益が見込まれています。
昨日の株価の大幅安を巡って、新聞テレビではその原因を探る特集が目立ちまし
た。米中貿易問題を根底に、米金利の「逆イールド」、ファーウェイのCFO逮
捕、そして、FOMCでの利上げなどがその根拠として挙げられていましたが、
最も基本にあるのが「トランプ政権の迷走」ではないかと思います。昨日は、マ
ティス国防長官の辞任に続き、側近のムニューシン財務長官を、株価暴落の責任
を取らせる形で解任するのではとの観測も流れていました。
トランプ大統領は今朝のニュースでも、昨日ホワイトハウスで記者団からパウエ
ル議長について問われ、こんなコメントをしています。「当局の利上げペースは
速すぎる。それが私の意見だ。信頼しているのは確かだ。状況は是正されると思
う。彼らが速すぎるペースで金利を上げているのは、経済がとても良好だと考え
ているからだ。しかしもうすぐ理解するだろう。つまり実際、経済があまりにも
良好なので彼らは金利を引き上げた。それは安全のひとつの形だ」と語っていま
す。(ブルームバーグ)
またムニューシン財務長官についても「とても才能のある男。とても賢い人物だ」
とたたえています。
ドル円は、110円の大台をテストした形になっていますが、これは東京市場単
独の動きで、このレベルが本当に底堅いのかどうかは不明です。
本日も英国系のオーストラリアやニュージランド、それに欧州の主要国は休みで
す。メインの市場は日本と米国だけということになるため、本格的な動きは今夜
からということになります。
110円が維持できるかという点と、もちろんその前段階として株価の動きがそ
の方向を決めると見ています。心配なのは、株価が反発せず、ドル円も110円
台前半で推移し年を越してしまうと、来年は海外市場が2日から取引を始め、日
本勢不在の中、ドル円が売られてしまう状況です。
日本勢が本格的に動きは始める4日にはもう「雇用統計」が発表されます。例年
になく金融市場からは目が離せない年末年始になりそうです。
本日の予想レンジは109円80銭~110円70銭程度でしょうか。

- [2018/12/26 08:54]
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米株価大幅続落でドル円110円台前半まで下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
さらに米政府機関の一部が閉鎖され、市場ではリスク回避の
流れが急速に強まり、ドル円は110円27銭まで円高が進む。
近辺で上げ止まる。ユーロ円は125円台後半まで売られ、
8月以来の安値を示現。
ダウは653ドル下げ、2万1792ドル台まで売られる。
2.73%台まで低下。
原油価格は株価の下落に歩調を合わせ大幅下落。先週末比3ドルを
超える下げとなり42ドル台に。
本日の注目イベント
クリスマスムードが吹き飛ぶほどの株価の大幅下落です。
昨日のNY株式市場は「短縮取引」だったにも関わらず、株価の下落は止まらず、
もはや「暴落」といった方がいいほどの下げを記録しました。ダウは先週末も4
14ドル下げましたが、昨日はさらに653ドル下げ、ここ4日間で1900ド
ルほど下落しました。
10月3日に記録した引け値の最高値からは実に5036ドル、率にして18.
7%も下げています。
ナスダックやS&P500指数は、さらに下げがきつく、いずれも最高値からの
下落率は20%を超える状況です。
ドル円は110円27銭まで円高ドル安が進み、リスクオフが進んだわりには存
在感の乏しかった円も、ようやく「安全通貨」の本領を発揮してきた状況になっ
ています。
NY株式市場の「暴落」にはいくつかの要因が重なり、複合的な下落要因を形成
していると見られます。FRBの金融政策の不透明さに加え、米議会では暫定予
算が承認されず、一部政府機関が閉鎖しています。
さらに、予想されてはいましたが、マティス国防長官が辞任し、辞任時期も来年
2月末だったものが、1月1日に前倒しとなりました。これはトランプ大統領の
意向が働いたとの報道です。
こうした中ムニューシン財務長官は24日、米金融当局と電話協議を行い、金融
市場に異常な動きはないとの報告を受けています。
週末には米銀行6行のトップと相次いで電話会談を行い、各行の流動性状況を確
認しています。(ブルームバーグ)
株式相場の「暴落」を受けて、トランプ大統領は株価の下落はFRBが原因だと
ツイートしています。「米国経済が抱える唯一の問題はFRBだ。相場感覚がな
く、必要不可欠な貿易戦争のほか、ドル高、国境問題により民主党が政府機関を
閉鎖したことすら理解していない」と批判し、さらにFRBの政策をゴルフにた
とえ、「FRBは、力は強いがタッチ(アプローチやパターの感覚)がないため
スコアがあがらないゴルファーのようだ。こういう人間はパットなどできない」
とコメントしています。
ドル円は「日足の雲」を勢い良く下抜けしており、目先は「週足」チャートで
サポートレベルを探すといった状況です。「週足」雲の支えが109円70銭前
後にありますが、先ずは110円という節目が維持されるかどうかです。
シカゴ日経平均先物は2万円の大台を大きく下回っています。
本日の日経平均株価が500円以上下げる計算にはなりますが、これを大きく超
えて下落するようだと110円割れを試す展開も予想されます。
本日の株価の下げ具合にもよりますが、予想レンジは109円80銭~110円
80銭程度とみます。

- [2018/12/25 09:00]
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ドル円110円台に急落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
株価の大幅下落や、軟調な経済指標に加え、米政府機関の
一部が閉鎖される可能性が出てきたことが材料視され、
110円82銭までドル安が進む。
1.1485までユーロ高が進行。
きたことで、下落傾向の株価に拍車がかかり、ダウは464ドル安で取引を
終える。
長期金利は2.80%台を回復。
大幅に反落し45ドル台に。
本日の注目イベント
米国発の世界同時株安の流れが止まりません。
前日の米国株の大幅安を受け、昨日の日経平均株価は一時700円も下落する
場面があり、引けにかけてはやや反発したものの、595円安で取引を終え年
初来安値を記録しました。この流れは再びNY市場にも波及し、NYダウは4
64ドル安と、「負の連鎖」は止まるどころか、むしろ加速した形です。
株価だけではなく、原油価格も大幅に下げ、金は買われ、市場では急速に「リ
スク回避」の流れが強まってきました。緩やかな動きが続いていたドル円もさ
すがに昨日は値動きが大きく、昨日のドルの高値からは1円80銭ものドル安
円高が進み、久しぶりに値幅の大きな1日となりました。
今回も震源地はホワイトハウスで、ここでも「トランプリスク」が顕在化した
格好です。今週末の政府機関閉鎖を回避するために上院が19日遅くに可決し
下院に送付された暫定予算案に、トランプ大統領が署名しない意向だと伝わり、
一部政府機関が閉鎖される懸念が広がったことでドルが売られ、株価が大幅に
下落しました。暫定予算案には、トランプ氏が要求するメキシコ国境の壁を建
設する予算や、警備費用の予算などが含まれていないことで大統領が署名を拒
否したようです。ブルームバーグは、21日深夜までに暫定予算が成立しない
場合、国土安全保障省を含む9つの政府機関がクリスマス休暇直前に閉鎖する
ことになると伝えています。
ドルが主要通貨に対し売られ、ドル円は110円82銭まで下落しました。1
10円80銭台は9月以来、約3カ月ぶりの円高水準ですが、今年は値動きが
乏しく、緩やかな市場の動きに慣らされていた投資家にとっては、やや驚きの
展開でした。
大幅に下落したドル円は「日足」でも、雲を下抜けしており、「200日移動
平均線」と、「週足」の「120週移動平均線」でサポートされた形にはなっ
ていますが、上昇トレンドの終わりの『始まり』を意識させる動きと見ること
ができそうです。
まだ110円という重要な節目を割り込んでいないため、完全に目線を下方に
向けるとまではいきませんが、この雰囲気が年末から来年に続くようだと、
110円割れも視野に入れる必要が出てきそうです。
それにしても米国の株安の流れは止まりません。
19日のFOMCでは、市場が期待したほどハト派的な政策は示されず利上げ
を決めたFRBでしたが、前NY連銀総裁だったダドリー氏はブルームバーグ
とのインタビューで「景気が軟化した場合は金融当局は利上げを休止するだろ
う」と述べています。
日米の株式市場で「負の連鎖」が続いている今の状況下では、FRBによる利
上げ休止といったメッセージが必要かもしれません。
米景気の減速を示す指標もわずかながら出てくるようになりました。
今週月曜日に発表された12月のNY連銀製造業景況指数は1年半ぶりの低水
準でしたが、昨日発表されたフィラデルフィア連銀製造業景況指数も
同様でした。市場予想の「15.0」に対して結果は「9.4」と大きく下回
り、これは2016年8月以来となる低水準でした。
仮にこの状態で米中貿易戦争がさらに拡大した場合には、好調だった米経済も
失速し、同時に世界景気が急速に悪化する可能性も出てきました。
FRBによる「利上げ休止」が、予想より早まることも考えられます。
本稿執筆時、ドル円は111円台に戻っていますが、本日も株価次第では11
0円台への下落もあり、日経平均株価の2万円の大台割れが意識されるようだ
と、110円台半ば程度までの下落もないとは言えません。
予想レンジは110円60銭~111円60銭程度と見ます。

- [2018/12/21 09:31]
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FRB今年4回目の利上げを決定
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
まで下落。その後112円台半ばまでドルが反発し、112円40-45銭で
取引を終える。
ドルが売られユーロが買われた。
ダウは351ドル安、ナスダックは147ポイント安でともに、約1年1ケ月
ぶりの安値に沈む。
反発。
本日の注目イベント
今年最後のビッグイベントだったFOMCでは、事前予想通りFRBは利上げを断行し、
政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25~2.50%に引
き上げました。
また2019年の利上げ見通しを、前回の3回から2回に減少させており、ハト派的な姿
勢は見せたものの、市場が期待したほどハト派的ではなかったことから株価は大きく売ら
れました。トランプ大統領をはじめ、著名ストラテジストや投資家などが、今回は利上げ
を見送るべきだといったコメントを発していましたが、FRBは現段階での利上げは適切
だと判断したようです。
声明文では「連邦準備法に定める責務に従い、委員会は最大限の雇用確保と物価安定
の促進を目指す。委員会は、FF金利目標レンジを漸進的にさらに幾分か引き上げるこ
とが、経済活動の持続的拡大、力強い労働市場環境、およびインフレ率が中期的に委員
会の対称的な2%目標付近で推移することと合致すると判断している」としています。
この決定を受けてドル円は112円67銭前後まで上昇しましたが、その後に行われたパ
ウエル議長の会見を受けて、株価が急落し、債券が買われ、長期金利が急落したことで1
12円09銭までドル安が進む場面もありましたが、その後は112円台半ばを超える水
準まで反発しました。パウエル議長は会見の席で、景気は「数カ月前の予想に比べて軟化
を示唆する動きが出てきた」との見方を示しながらも、現段階で「(金融)政策が緩和的
である必要はない」と述べました。
また「政治的な考慮はわれわれの議論や決定になんの役割も果たさなかった」ことを強
調し、トランプ大統領が再三利上げを見送るよう圧力をかけたことを暗に批判した形です。
FRBの独立性を主張し、政治的圧力には屈しないという、毅然とした態度を見せたこと
は賞賛されるべきだと思います。
しかし株価の乱高下は止まりません。
FOMC発表前には買い戻しが活発となり、NYダウは一時380ドルほど上昇しました
が、利上げ決定と、その後のパウエル議長の記者会見を受け、上昇分は全て吐き出し、
前日比マイナス510ドル台まで急落しました。引け値では351ドル安でしたが、これで
先週末からの下落幅は1270ドルを上回り、ダウは昨年11月以来となる安値を記録し
ています。
ハイテク銘柄の多いナスダック指数も昨年10月以来となる6636ポイントで取引を終
えており、「8000」の大台を記録したのが夢のようです。
ドル円も株価に比べ動きは小さかったものの、乱高下しました。金利が大幅に低下しなか
ったことで112円割れは回避していますが、米国株の下落基調が続く中、上値は重くな
っています。本日も日本株が大きく下げるようだと、112円割れをテストする可能性も
ありそうです。米中貿易戦争、世界的な景気の鈍化、いまだに続く米国の利上げスタンス
など、このまま年末を迎えると、2019年もこの流れが継続されそうで、来年はドル安
がさらに進むことも否定できません。「負の連鎖」を断ち切る起爆剤が望まれます。
本日も引き続き112円割れがあるのかどうかに注目しています。
予想レンジは111円80銭~112円80銭程度でしょうか。

- [2018/12/20 09:15]
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米長期金利8月以来となる2.81%台に低下
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は欧州市場で112円25銭前後まで売られたが、NY市場では
やや反発し112円63銭まで上昇。FOMCを前に動きは限定的となり
長期金利の低下に上値がやや重い展開。 - ユーロドルも小動き。1.1350を底値に40ポイント程度の値動きに。
- 2日で1000ドルを超える下げを記録したダウは反発。
一時は300ドルを超える上昇を見せたが、82ドル高で取引を終える。 - 債券相場は続伸。長期金利は8月以来となる2.81%台まで低下。
- 金は小幅に続伸。原油価格は景気への懸念や原油供給の増加を受け大幅に
下落。前日比3ドル64セント下げ、一気に46ドル台に。
本日の注目イベント
- 日 11月貿易収支
- 英 英11月消費者物価指数
- 米 FOMC 政策金利発表
- 米 パウエル議長記者会見
- 米 経常収支(7-9月)
- 米 11月中古住宅販売件数
- 加 カナダ11月消費者物価指数
2日続けて大きく売られた米国株の流れに、さすがに日本株も抗しきれず、昨日の日経平均株価は391円の大幅安で引け、約8カ月ぶりの安値に終わりました。ドル円もジリジリと値を下げ、午後には112円47銭前後まで円高が進みましたが、今回のドル下落も思ったほどの勢いはなく、依然としてボラティリティーの低い展開が続いています。
ただ、その後のNY市場では米長期金利が8月以来となる2.81%台まで低下したことで、112円35銭までドル安が進む場面もあり、その前の欧州市場では112円25銭まで下落しました。この水準は今月に入りこれまで2回試しては押し戻された「サポートレベル」であって、今回も現時点では抜け切れずに押し戻されています。この水準は、日足の雲をわずかに下回ったところですが、ここに「120日移動平均線」があり、これが意識されたものと思われます。「3度目の正直」でも抜け切れなかったこの水準を抜けて、112円割れを試すのか、あるいはここを底値に再び114円を目指す展開になるのか、今夜のFOMC次第ということになります。
そのFOMCでは、今年4回目となる利上げの可能性が高いと見られますが、米株式市場で連日大幅な下げが続いていることもあり、利上げを見送るべきだとする意見も増えてきました。もちろんその先頭に立つのがトランプ大統領です。FOMC開催中の昨日も再び利上げに対する批判をしています。
トランプ氏は「FOMCの出席者はまた誤りを犯す前に、本日のウォール・ストリート・ジャーナル社説を読んだ方がいいだろう」とツイートし、さらに「市場の流動性をこれ以上引き締めるべきではない。500億ドルなどやめろ。相場を感じ、意味のない数字にとらわれるな。幸運を祈る」と続けました。WSJは18日「米金融当局は休止すべき時」と題した社説を掲載し、「インフレの欠如と米経済成長に減速の恐れがある中、金融当局は利上げを見送るべきだ」と論じています。」(ブルームバーグ)
またブルームバーグも「米国株が売り込まれた状況で利上げ断行なら極めて異例の展開」と題し、利上げ停止を求める声が多いことを紹介しています。その中で著名ストラテジストであるデービッド・ローゼンバーグ氏の言葉を引用していますが、そこには「金融市場はこれ以上(利上げは)不要だと告げているが、経済データは追加引き締めが依然として適切であることを示唆している」との分析を紹介しています。
今夜のFOMCではこれまでの、想定された利上げ回数の下方修正は必至だとは思いますが、パウエル議長も「データ次第だ」という言葉を口にしています。17日に発表された12月のNY連銀製造業景況指数は「10.9」と、市場予想を大きく下回り、2017年5月以来の低水準でした。発表される経済指標は「強弱入り混じった」結果になっているのは事実ですが、予想を大きく下回っているものも散見されます。債券市場では3年債と5年債の「逆イールド」も発生しており、今後景気が鈍化することを示唆し始めています。これらを考慮すれば、仮に今回は利上げが決定されたとしても、来年以降の利上げ見通しを極端に低下させるメッセージが発せされることも予想されます。その場合でも、トランプ大統領の圧力に屈したのではなく、データに基づいた判断であると、FRBは主張できます。
ムニューシン財務長官は18日、ブルームバーグとのインタビューで「ドルが強い理由の一部は人々の米国経済への見解や、世界の他の国々の成長と比較した米経済の成長にある」と述べ、強いドルは米経済への「信任投票だ」との認識を示しました。同長官は以前にもこの種の発言を口にしており、市場への影響はなかったようですが、先に行われた米企業の経営者と米通商代表部(USTR)との話し合いの際に、企業側は「為替条項」を織り込むよう要請しています。ムニューシン財務長官のこの発言は、今後の日米物品貿易協議に影響があるかもしれません。今夜のFOMCの内容次第では為替が大きく動く可能性もあります。予想以上に「ハト派的」であれば、株価が急反発し、債券も買われ、金利が低下すると予想されますが、ドル円がどちらの影響をより強く受けるのかによって展開も変わりそうで、なかなか動きを予想するのも簡単ではありません。
予想レンジは111円90銭~113円10銭程度でしょうか。

- [2018/12/19 11:14]
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NYダウ500ドルを超える続落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は113円台を割り込み112円69銭まで下落。米株式市場で
株価が大幅に続落したことや、低調な経済指標が発表されたことで、
来年以降の利上げ観測が後退したことが材料に。 - ユーロドルも買い戻しが優勢になったものの小動き。ユーロドルは
1.1358まで上昇。 - 株式市場は大幅に続落。世界景気の鈍化予測やNY製造業景況指数が
予想を大きく下回ったことなどが売り材料に。ダウは一時640ドルを超える下落を
見せたが、引け値は507ドル安で2万4000ドルの大台を大きく割り込む。 - 株価の大幅下落から債券価格は上昇。長期金利は2.85%台まで低下。
- 金はドル安の影響から10ドルを超える上昇、原油は大幅に続落し、50ドルを
割り込む。
本日の注目イベント
- 豪 RBA金融政策会合議事録
- 独 独12月ifo景況感指数
- 米 11月住宅着工件数
- 米 11月建設許可件数
先週金曜日に約500ドルの大幅下落に見舞われ、週明けの日本株がその影響でどこまで下げるのか見守っていましたが、昨日の日経平均株価は寄りつきからプラスで始まり、ザラ場では150円ほど上昇する場面もありました。「ひょっとすると、日本株主導で株安連鎖が止まるかもしれない」との期待も膨らみ、ドル円も113円53銭前後まで上昇しました。
ところが、一夜明けたら事態はさらに悪化していました。NYダウは一時640ドルを超える下げを見せ、引け値では507ドル安と、下げ幅を縮小しましたが、2日間で1000ドルを超える下落です。やはり世界の株価のトレンドを決めるのはNY市場だということを、改めて知らされたことになりますが、粘り腰を見せ、113円台を維持していたドル円もさすがに「リスクオフの円買い」に押されて、112円69銭辺りまで売られ、1週間ぶりの円高水準をつけています。
株価の大幅続落は、世界経済の鈍化傾向を織り込み、貿易や地政学的緊張、さらには米政府機関閉鎖の可能性が材料として挙げられていますが、どれも決定的ではなく、いやな雰囲気です。株式市場ではプログロム売買が盛んで、「下げればさら売りが出る」といった状況になりやすいのはわかりますが、クリスマス休暇を前に、ファンドマネージャーは休暇どころではないのかもしれません。株式市場は、景気や世の中の動きに先行すると言われています。プログラム売買の後ろには「AI」(人工知能)がいますが、このタイミングで1000ドルを超える下げを演じた「AI」は、一体何を暗示しているのでしょうか?
昨日粘り腰を見せたドル円でしたが、さすがに株価の2日連続の暴落では売られます。それでも株価の動きに比べれば「小動き」と言えますが、注目は今日日本株が大きく下げた際に、どこまで売られるのかという点です。これまでの緩やかな動きを考えれば、それほど急激な円高はないのかもしれませんが、日経平均株価が500円を超える下げに転じた場合には、先週記録した112円24銭をテストすることもあるかもしれません。下値のメドとしては、「日足の雲の下限」である112円45銭前後と、これまでに2度試して抜け切れていない112円23-24銭近辺ということになります。直ぐには考えにくいとは思いますが、112円を割り込むようだと、市場のセンチメントも一変するかもしれません。
本日から今年最後のFOMCが開催されます。市場のコンセンサスは「今年4度目となる利上げ」です。FOMCを前にトランプ大統領は再び利上げを批判しました。トランプ氏は「ドルはとても強く、インフレは事実上存在せず、米国以外の世界は荒れている。パリは燃え、中国は急降下だ。米金融当局がまた金利を上げようと検討しているだけでも、信じがたい。勝利をつかめ!」とツイッターに投稿しました。ドルが強いのは事実ですが、昨日発表されたNY連銀製造業景況指数は1年半ぶりの低水準でした。今後景気の鈍化は米国にも波及する可能性もあり、急降下している中国の震源地はトランプ氏自身であることを認識していないようです。
本日のドル円は112円20銭~113円20銭程度を予想しますが、早朝の動きを見ていると、予想以上に底堅いようにも思えます。

- [2018/12/18 09:54]
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ユーロドル2週間ぶりに1.13を割り込む
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
だった。株価が再び大幅に下げ、長期金利も低下したことから
ドルが下落。113円21銭までドル安が進んだものの、ユーロドルなど
ではドルが買われたことで下落幅も限られた。
ユーロ売りが加速。ユーロドルは約2週間ぶりに1.13台を割り込み、
1.1270まで売られる。
との見方から株価が大きく売られる。ダウは496ドル下げ、2万4100ドル
台に沈む。S&P500も50ポイント下げ、4月以来の安値を記録。
台に低下。
本日の注目イベント
米株式市場が再び大幅な下げを見せ、市場のクリスマス気分を吹き飛ばすような
下落幅を記録しています。この日発表された米11月の小売売上高は+0.2%
と、市場予想を上回り、さらに先月分も上方修正され、好調な米国の個人消費を
裏付けるものでしたが、欧州と中国で景気悪化の指標が相次いで発表されたこと
に株価は反応しました。
中国の成長が鈍化しているとの懸念がアジア市場で株価の下落を引き起こし、追
い討ちをかけるかのように、ユーロ圏のPMIが4年半ぶりの低水準だったこと
が、米国株の下落に拍車をかけました。中国、欧州に比べ、米景気の好調さが際
立っており、ドルが買われる流れにつながっています。
ユーロドルは再び1.13のサポートを割り込み、1.1270までドル高ユー
ロ安が進み、ドル円も一時は売れられたものの、ドル高の流れの中ではドル下落
も限定的でした。
ここでも、欧州通貨の動きにドル円が引っ張られる展開となり、ドル円自体に動
きがないことから、今後も欧州通貨の動きには目配せが必要です。
ECBは先週、計画通り今月で債券購入プログラムの終了を確認しました。この
結果、焦点はいつ金利正常化へのスタートができるのかという点に移ってきまし
た。ドラギ総裁は会見の席で、「少なくとも2019年夏の終わりまで据え置く」
と表明しましたが、域内景気が思っていた以上に冷え込んでいる可能性が出てき
たことで、2019年度内の利上げはないのではないかといった見方も出ている
ようです。
今週は18-19日に今年最後のFOMCが開催されます。すでに街はクリスマ
スモードに入っており、このFOMCが今年最後の大きなイベントで、その後市
場は閑散期に入ると思われますが、今年はそうとも言い切れません。
上述のように、先週末には株価が大きく売られ、今後の欧州や中国の経済指標も
注目されます。ユーロやポンドの動きが波乱要因となり、ドル円も例年のように
「ベタナギ」という訳にはいかないかも知れません。
特にドル円は、秋口から動きが少なく、異例とも言える「低ボラティリティー」
が続いています。
そのため、市場参加者のストレスも「高水準」だと思われ、何かのきっかけで
予想外の大きな動きを見せるかもしれません。
可能性は低いでしょうが、突発的な動きに対するいつも通りの慎重なスタンス
を維持しておきたいものです。
本日は再びドル円の上値は重い展開が予想されます。
先週は一時113円71銭までドル高が進んだものの、株価の下落がややリス
クオフにつながって、ドル円を下押ししましたが、引き続き欧州通貨の動きに
引っ張られる展開が見込まれます。
予想レンジは112円80銭~113円70銭程度といったところでしょうか。

- [2018/12/17 08:56]
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ドル円小幅ながら続伸
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
見方が出て、さらに英国ではメイ首相の不信任案が否決されたことが
好材料に。ドル円は113円台半ばを超え、113円71銭まで上昇。
と発言したことを材料に1.1331まで下落。その後は下げ幅を縮小
したものの買いは続かず。
続伸したが、ナスダックは27ポイントの下落。
用意をしているとの報道が買い材料に。前日比1ドル43セント上昇し、
52ドル台半ばで取引を終える。
本日の注目イベント
ドラギECB総裁は理事会後の記者会見で、地政学的問題や貿易の保護主義、市場
の不安定などさまざまな懸念があると指摘。昨日この欄でも触れたように、正常な
金融政策に戻る道のりは思った以上に遠いことが確認されました。
ユーロドルは会見を受けユーロ売りが先行し、1.1331前後まで下落しました
が、会見の内容にサプライズはなかったことで、その後下落分を埋めています。
ドラギ総裁は、リスクは依然として「おおむね均衡」しているものの、「下方向に
向かいつつある」との認識を示し、金利は「少なくとも2019年夏の終わりまで」
据え置くことを表明しました。
さらに総裁は、入ってくるデータが「予想よりも弱かった」との見方を示し、「成
長の勢いが今後弱まることを示唆している可能性がある」と述べています。
(ブルームバーグ)
これは、ユーロ圏を牽引しているドイツのことを指していると思われ、中国経済と
の結びつきが強いドイツは、すでに中国景気の鈍化の影響を受けています。
米中通商交渉では、妥協点をさぐりさまざまな交渉が行われているようですが、
交渉期限が来年2月末までと決められているため、合意に達するかどうかは不透明
です。懸念材料は残ります。中国がカナダ人2人を拘束し、両国の関係に緊張が高
まっています。
中国当局は「法律に基づいて拘束している」としていますが、カナダでファーウェ
イの副会長が逮捕されたことへの「報復」との見方が強まってます。
ファーウェイ副会長は米国の要請を受けてカナダ当局が逮捕したと伝えられており、
今後は身柄を米国へ引き渡すのかどうかが焦点と思われます。
米中通商交渉に直接の影響はないとみられますが、トランプ大統領は「必要とあら
ば政府が介入することも辞さない」と述べています。
仮に合意に至らない場合には、中国景気がさらに悪化すると見られ、直近第3四半
期は6.5%だったGDPも、5%まで低下するとの、一部観測もあります。
ドル円はゆっくりと113円台半ばを抜き、113円71銭まで上昇してきました。
動きを見るとクリスマスシーズン特有な動きのようにも思えますが、
「閑散に売りなし」の言葉通り、緩やかな上昇を見せています。
今週、「テクニカルに身を委ねるのも一考」と書きましたが、現時点ではそのよう
な動きを示しています。
ドル円は、114円55銭を頂点とする日足のレジスタンスラインで一旦は上昇を
抑えられています。年末に向かっていることもあり、113円50銭から114円
の間には、実需のドル売り注文が相当控えていることは容易に考えられます。
このドル売り注文をこなして114円台に乗せることが出来るのかどうかが焦点で
す。
本日のドル円のレンジは113円10銭~113円80銭程度を予想します。

- [2018/12/14 09:33]
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欧州通貨対ドルで反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
反応せず、113円14銭まで下落。ポンドが対ドルで買われたことに
よる連れ高の側面が強かった。
買い戻しが進む。
一時450ドルを超えて上昇したダウは157ドル高で取引を終える。
ナスダックは66ポイントの上昇。
本日の注目イベント
ここ数日大きく売られていたポンドが、保守党が実施する不信任投票でメイ首相が
信任されるとの観測が強まり、対ドルで1.25台前半から1.26台半ばまで1
00ポイント以上買い戻され、今週に入って下落した半分以上を取り戻した形です。
ユーロドルも結局、1.13を一度も割り込まずに反発し、昨日は1.1388ま
でユーロ高が進みました。いずれも、「ショート筋の買い戻し」の域を出ず、ロン
グを積み上げるというタイミングではなさそうです。
欧州通貨がドルに対して反発したことで、ドル円もその流れの中でゆっくりと下落
しており、113円台は維持していますが、113円50銭あたりが壁になる可能
性も出てきました。特に昨日の東京タイムでは、久しぶりに株価が大きく上昇し、
日経平均株価は450円を超える上昇を見せたものの、ドル円はほとんど反応せず
に、むしろじり安の展開でした。昨日に限って言えば、株価の動きは材料にならな
かったようです。
NY時間では11月の消費者物価指数(CPI)が発表されました。コアCPIは
前月比0.2%の上昇で、前年同月比では2.2%の上昇でした。いずれも市場予
想と一致しており、来週のFOMCの政策決定にはニュートラルと見られます。
つまり市場予想通り、今年4回目となる0.25%の利上げを決めると見られます。
パウエルFRB議長は11月28日の講演で、「金利は中立をわずかに下回る」と
発言し、これをきっかけに利上げ観測が急速に後退し、市場では「利上げ停止」も
近いのではとの憶測まで出てきました。
パウエル議長は中立金利を「景気を加速させないし、減速もさせない」と「定義」
(?)していました。現在政策金利は2.00%~2.25%で、このレンジ内に
フェデラルファンド(FF)金利を誘導しようというものです。
一般的に米国の中立金利は、物価へ影響を与えない自然利子率と同義語とすれば
3.0~3.5%と見られていますが、パウエル議長の発言をヒントにするならば、
限りなく3.0%に近いものと推測されます。
FF金利の誘導目標上限を基準とすれば、あと0.75%の引き上げで中立金利に
達することになります。来週のFOMCで0.25%引き上げれば、2019年に
2回だけ金利引き上げが実施されて、「終了」ということになります。
3年債利回りと5年債利回りが逆転して「逆イールド」が示現した背景にも、この
ような観測が強まったことがあります。米金利の上昇が限定的であれば、日米金利
差との相関が高いとされるドル円は今後それほど上昇しないということにもなりま
す。今年も実質的には残り2週間となり、2019年度の相場展望が意識される時
期になってきました。「2019年には円高が進む」と予想する根拠には、このよ
うな見通しに基づいているものが多いと思われます。
このところドル円自体に材料がないため、欧州通貨の動きに連動しやすいドル円で
すが、今夜はECBの理事会後のドラギ総裁の会見が重要かと思われます。
今月で資産購入プログラムを終了することは決まっていますが、その後の正常な
金融政策への道のりがやや不透明になってきました。来年秋口は政策金利引き上げ
と見込まれていましたが、ユーロ圏ではフランスの大規模なデモをはじめ、混乱が
続出している状況です。正常化への道は予想以上に遠いのかもしれません。
本日のドル円は112円70銭~113円60銭程度を予想します。

- [2018/12/13 09:19]
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ドル円続伸し113円台半ばへ
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
までドル高が進む。ポンドがさらに売られたことも円売りにつながり
ドル円は終始113円台で推移。
戻りは重いものの、1.13が再び壁になる状況が続く。
ダウは400ドル近い上昇を見せたが続かず。結局53ドル安で引ける。
ナスダックは11ポイントながら小幅に上昇。
長期金利は2.87%台へと上昇。
本日の注目イベント
ドル円は株価の動きを睨みながらの展開が続いている中、昨日のNY市場では
朝方から株価が上昇したことで、113円47銭までドル高が進む場面があり
ました。中国で、米国自動車に対する関税を現行の40%から15%に引き下
げる案が国務院に提出されており、数日以内に検討されるとの報道が米中貿易
問題の改善につながるとして、株価を押し上げました。
ただ、米国製自動車の中国でのシエアは小さく、関税が大幅に引き下げられた
からといって、米国製自動車販売が大きく伸びるかどうかは不透明で、米国の
貿易赤字減少にはつながりにくいでしょう。
NYダウはこれまで大きく売られていた反動もあり、一時380ドルほど上昇
しましたが、午後にはマイナスに転じました。メキシコ国境に壁を建設するこ
とに関して、トランプ大統領は民主党のペロシ下院院内総務およびシューマー
上院院内総務と激しく議論し、「私が政府を閉鎖する。あなた方のせいにする
つもりはない」と語り、「国境整備のために政府を閉鎖することは誇らしいこ
とだ」とシューマー議員に告げたようです。(ブルームバーグ)
政府機関閉鎖の可能性が強まったことが株価への悪材料となり午後の株価下落
につながったようです。
ドル円は米長期金利が下げ止まり、2日続伸したとで113円台半ばまで反発
してきました。短期的に見ると、先週木曜日の112円23銭と、今週月曜日
に記録した112円24銭が「ダブルボトム」を形成して反発しています。
112円割れが簡単ではないと同時に、上値では114円乗せも簡単ではあり
ません。結局112-114円のレンジ内の動きですが、テクニカルでは11
4円突破の可能性の方が高いことを示唆しています。
「日足」チャートを見ると、雲の下限ブレイクを何度も試してはいますが、8
月下旬以来完全に抜けてはいません。また、雲の下方にある「120日移動平
均線」もドルの下落を支えているように見えます。
さらに移動平均線の並び具合を見ても、最も長い平均線である「200日線」
が一番下にあり、短い「52日線」が一番上で推移しており、上昇傾向を示し
ています。
同時に「120日線」を含めた3本の移動平均線の方向も、「52日線」は上
記112円台前半を2度試した影響から、やや上昇にブレイキがかかった形状
を見せてはいますが、基本的には3本の移動平均線が右肩上がりの形で推移し
ており、上昇トレンドが崩れていないことを物語っています。
米中貿易戦争の先行きは依然として厳しく、株価も年初来安値を更新している
状況の中、ドルのさらなる上昇は想定しにくいものの、ここは素直にテクニカ
ルに身を委ねるのも一考かもしれません。
本日のドル円は112円90銭~113円80銭程度を予想します。
線のひき方にもよりますが、10月4日の114円55銭の高値から
レジスタンスラインを描くと、今日は113円65銭近辺にあると思われます。
113円80銭あたりをしっかりと上抜けできれば、114円台が視野に入っ
てくるかもしれません。ただ材料不足の感は否めませんが、やはり株価と金利
の動きがメインでしょうか。

- [2018/12/12 09:01]
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英議会混迷でポンドドル1年8カ月ぶりの安値に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は、NY市場ではポンドやユーロが対ドルで大きく下落した
ことで、円売りも加速。113円37銭まで円安が進みこの日の高
値圏で引ける。
1.1351までユーロ安が進行。
ことで、EUからの「合意なき離脱」の可能性が高まりポンド売りが加速。
ポンドドルは1.2509前後まで売られ、約1年8カ月ぶりの安値に。
ダウは500ドルを超える下落を見せたが、その後急反発。結局、小幅ながら
プラス圏で取引を終える。
減速が蒸し返された。
本日の注目イベント
- 独 独12月ZEW景気期待指数
- 英 英11月失業率
- 米 11月生産者物価指数
ドル円は予想外の反発でした。昨日の東京時間に、日経平均株価が一時500円を超える下げとなった時に、112円24銭前後までドル安が進みましたが、その後は株価がマイナス圏で大きく推移していながらも、ドル円はゆっくりと上昇に向かいました。株価の下げに対する抵抗力がさらに増したよう印象でしたが、海外市場ではさらに買われ、113円37銭まで急反発しています。
昨日は112円台が維持できるかどうかに注目していましたが、同時にその前段階として、先週木曜日につけた112円23銭を抜けるかどうかにも注目していました。結局、この水準で下げ止まり、NY市場での113円台につながったことになります。結果的には、「1時間足」の「120時間移動平均線」に支えられた形で反発しました。ユーロや、ポンドが対ドルで売られたことも、ドル円での円売りにつながった側面もありますが、昨日はドル高と言うよりも、主要通貨が弱かったと言った方が正しいのかもしれません。
予想されたことでしたが、イギリスのメイ首相は本日予定されていたEU離脱に関する議会採決の延期を発表しました、採決をしても承認が得られず、議会が混乱することを避けたようですが、EU側は合意案の再交渉は行わないと明言しており、EUのトゥスク大統領はツイッターで「われわれは合意の再交渉を行わない。しかし、批准をいかにうまく進めるかを議論する用意はある」と述べています。(ブルームバーグ)この発表を受けて市場は、「合意なき離脱」の可能性が高まったとして、ポンド売りを加速させ、ポンドは対ドルで1.26台半ばから150ポイントほど売られました。一時は1.2509前後を付け、2017年4月以来となるポンド安を記録しています。政府が議会に報告する期限である来年1月21日までに合意が取りまとめられない可能性も出てきたようです。
燃料税引き上げに反対して始まったフランスのデモは、隣国ベルギーにも波及したようです。ベルギーの首都ブリュッセルでも1000人規模のデモが8日にあり、約400人が警察に拘束されたようです。マクロン仏大統領は事態収拾のため、労働組合や仏経団連の代表と面会し、協議を行っていると伝えられていますが、これもユーロ売り材料と見られ、昨日はポンドと共に、ユーロも売られました。昨日のNY市場では、朝方から株価が大きく売られ、長期金利は小幅に上昇したものの、ドル円が買われる理由を見つけにくい状況でしたが、やはり、「ドル買い・欧州通貨売り」の波に飲まれて上昇したと見られます。
本日のドル円はそれほど上値を試すとも思えません。ただ、欧州時間にユーロやポンドがさらに売られるようだと、113円台半ばを試す可能性はあります。予想レンジは112円60銭~113円50銭程度でしょうか。

- [2018/12/11 09:35]
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米長期金利2.84%台まで低下
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は113円台を前に小幅に下落。米株式市場が
再び大幅に下落し、長期金利も低下したことで112円56銭まで
ドルが売られる。 - ユーロドルは1.13台半ばから上昇し、1.1424前後まで
ユーロ高が進むも、再び押し戻されもみ合いに。 - 株式市場は再び大幅下落。米中貿易戦争の行方や、利上げを
懸念した売り物が加速。ダウは558ドル下落し、ナスダックは
3%を超える下げに。 - 債券相場は7日続伸。株価の下落基調に伴い、新規資金が流入し
価格を押し上げた。長期金利は2.84%台へと低下。 - 金は続伸し1252ドル台に。原油価格はOPEC総会で日産120万
バレルの減産で合意したことを受け上昇。 - 11月失業率 → 3.7%
- 11月非農業部門雇用者数 → 15.5万人
- 11月平均時給 (前月比) → 0.2%
- 11月平均時給 (前年比) → 3.1%
- 11月労働参加率 → 62.9%
- 12月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 97.5
- 10月消費者信用残高 → 25.384b
本日の注目イベント
- 日 7-9月GDP(改定値)
- 日 10月国際収支
- 日 11月景気ウオッチャー調査
- トルコ トルコ7-9月GDP
- 独 独10月貿易収支
- 独 独10月経常収支
- 英 英10月鉱工業生産
- 英 英10月貿易収支
- 加 カナダ11月住宅着工件数
- 加 カナダ10月建設許可件数
米国株が再び大き下落しました。先週末のダウは500ドルを超える下げに見舞われ、ナスダックはさらに下落幅が大きく3%を超え、7000の大台を割り込んでいます。11月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を下回る15.5万人で、10月分も25万人から23.7万人へと下方修正されました。失業率は3.7%と、予想通りでしたが依然としと低水準で、平均時給の方も
3.1%(前年同月比)と、2カ月連続で3%台を確保しており、今回の雇用統計の結果だけでは、「来週開催される今年最後のFOMCでの利上げ見送りにはつながらない」との見方が支配的です。また米中貿易戦争の行方は、先の米中首脳会談を経てひとまず楽観ムードが出てきましたが、先週のファーウェイの副会長逮捕が米中関係に悪影響を与える可能性が出てきたことも株価にとっては悪材料になっています。事実、中国外務省の楽玉成次官は9日、米国の駐中国大使を呼び出し、ファーウェイの副会長逮捕ついて抗議した上で、必要なら「さらなる行動」を取ると警告しました。(ブルームバーグ)
ホワイトハウスからまた重要な側近が一人去ることになりました。ケリー大統領主席補佐官が年末までに辞任することが伝えられています。報道では、現在ペンス副大統領の主席補佐官を務めているニック・エアーズ氏が代理の大統領主席補佐官になる可能性が高いとしています。ここしばらく安定していたホワイトハウスの人事でしたが、ここにきて再びトランプ氏と意見の合わない側近の動きが慌ただしくなってきました。マティス国防長官も年内に辞任するのではないかとの観測もあるようです。
徐々に上値が重くなってきたドル円ですが、上記ドル安材料に加え、米長期金利も2.84%台まで低下してきました。この水準は今年8月下旬以来、約3カ月半ぶりの低水準になります。本来ならドル円は、もう少し水準を下げて、110円~111円でもおかしくはないと思われますが、この条件の割には堅調に推移しており、円高には至っていません。年末に向かってドル需要が膨らんでいることや、欧州通貨がドルに対して売られていることなどが、ドル円をサポートしているものと思われます。もちろん、米中貿易戦争のさらなる悪化や、長期金利の低下がさらに進むようだと、ドルが急落するリスクはありますので、注意が必要です。
ドル円は先週も112円23銭前後まで売られていますが、10月29日以降112円台は一度も割り込んでいません。そのため112円台は目先のサポートゾーンと見られます。足元では112-114円のレンジを形成していると見られますが、それでもここ数日の
ドル円は、反発しても「1時間足」の雲の上限を抜け切れない状況が続いています。引き続き株価の動きに翻弄される市場が続いています。本日の日経平均株価がどこまで下げるのかにも注目です。本日のドル円は112円~113円程度を予想します。

- [2018/12/10 09:57]
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株安と金利低下でドル円続落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は大幅に下落し、112円23銭前後まで下落。ファーウェイの副会長が逮捕されたことで米中関係がさらに
悪化するとの見方から円を買う動きが加速。その後はやや値を戻し、112円65-70銭で引ける。 - ユーロドルでも、ドルが売られたことでユーロが上昇。1.14台前半までユーロ高が進むも、再び1.13台に
押し戻される。 - 株式市場はアジア株の大幅下落を受け朝方から大幅な下落で始まる。ダウはファーウェイの副会長が逮捕された
こともあり、一時は785ドルの大幅下げに。ただその後は急速に下げ幅を縮小し、79ドル安で引ける。
一方ハイテク株が買われたことで、ナスダックは28ポイントの上昇。 - 債券相場は続伸し、長期金利はさらに低下し、2.89%台に。
- 金は小幅ながら反発。原油価格はOPECでの減産合意ができずに総会を終了したことで大幅下落。
前日比1ドル40セント下落し、51ドル台半ばで取引きを終える。 - 11月ADP雇用者 → 17.9万人
- 11月ISM非製造業景況指数 → 60.7
- 新規失業保険申請件数 → 23.1万件
- 10月貿易収支 → -555億ドル
本日の注目イベント
- 日 10月景気動向指数
- 中 中国 11月外貨準備高
- 独 独10月鉱工業生産
- 独 独メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)党首選
- 欧 ユーロ圏7-9月期GDP(確定値)
- 米 11月雇用統計
- 米 12月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
- 米 10月消費者信用残高
- 米 ブレイナード・FRB理事講演
- 加 カナダ11月就業者数
- 加 カナダ11月失業率
昨日も日本株が下げ止らず、朝方113円台だったドル円は、株価の下落が大きくなるにつれて下落しました。前日に下げ渋ったことで底堅い動きを見せた日本株でしたが、この日はあっさりと500円超える下落に、112円58近辺まで円高が進みました。欧州市場では再び113円台に戻す場面もありましたが、NY市場では朝方から株価が大きく売られ、ドル円も112円23銭まで売られています。
中国の通信機器大手ファーウェイの副会長が逮捕されたことで、米中間に「新たな火種」が発生し、今後の貿易戦争にも悪影響を与えかねないといった見方から、NY株式市場の朝方には米国株が大きく売られました。ダウは一時785ドルの下落を見せましたが、その後は急速に下げ幅を縮め、引け値では79ドル安に収まっています。この為、日足チャートでは「長い下ひげ」を示現しています。この「長い下ひげ」は、長ければ長いほど、買い圧力が強かったことを示し、過去の経験則から言えば、短期的な底値を付けた可能性があります。因みにナスダック指数は、プラス28ポイントで取引を終えています。
10月の米国の貿易収支が発表されました。貿易赤字額が555億ドルと前月から拡大しており、対中国との赤字額は過去最高に膨らんでいました。米国の中国製品に対する関税率が25%に引き上げられる可能性があることから、その前に輸入しておこうという、駆け込みの動きが輸入額を拡大させたようです。一方輸出額の方は、中国が米国に対して報復関税を実施していることから減少しており、その結果赤字額が拡大しました。ただ、中国が米中首脳会談直後に米国から大豆とLNGを輸入することを発表しており、駆け込みの反動も見込めることから、来年からは米国の対中貿易赤字額は減少に向かうと予想されます。
ドル円は112円23銭前後で下落を抑えられましたが、これは「日足」の雲の下限が支えた形になっています。「MACD」を見ると、デッドクロスは示しているものの、依然として「プラス圏」での推移です。この先、マックD、シグナルの両線が「マイナス圏」に突入するようだと、ローソク足も上記「雲の下限」を下抜けすることになり、トレンドの転換が意識されることになるため、この水準は重要な値位置と言えます。今夜の雇用統計への期待もありますが、仮に指標が上振れしたとしても、上値は限られそうです。
株価の下げが止らず、頼みの米長期金利も3%を大きく割り込んできている状況下では、市場のセンチメントも徐々にドル安へと傾いてきた印象です。中国から予想外のポジティブなサプライズでも出ない限り、ドルが下値を緩やかに切り下げていく可能性が高まってきました。112円という水準が目先の分水嶺という気もします。仮に112円を割り込むようだと、10月29日以来の111円台ということになります。本日のドル円は112円20銭~113円20銭程度を予想します。

- [2018/12/07 09:55]
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ドル円113円を挟みもみ合い
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 株式・債券市場が休みだったためドル円は小動き。
前日112円台半ばまで売られたドル円は反発し113円24銭前後まで
買い戻しが進む。米中貿易問題を巡りトランプ大統領が、好感触だと
ツイートしたことが材料に。 - ユーロドルは英国のEU離脱を巡り英議会が混乱していることを
手がかりに、1.1312まで下落。 - 株式・債券市場は、ブッシュ元大統領の「国民追悼の日」
のため休場。 - 金、原油はともに小幅に下落。
本日の注目イベント
- 豪 豪10月貿易収支
- 豪 豪10月小売売上高
- 米 10月貿易収支
- 欧 OPEC総会(ウイーン)
- 米 新規失業保険申請件数
- 加 カナダ10月貿易収支
- 加 カナダ11月就業者数
- 加 カナダ8月失業率
昨日のNY市場は、株式と債券市場が急遽休みとなったため為替市場も静かな動きでした。先日亡くなったブッシュ元大統領(父)の「国民追悼の日」ということで、予定されていたパウエルFRB議長の議会証言も中止され、ADP雇用者数などの経済指標発表も延期されました。米国大統領の死去に伴う「国葬」は、今回のブッシュ(父)氏の前は、果たして誰だったのか、いまいち思い出せませんが、もしかしたら「ロナルド・レーガン」だったのかもしれません・・・・・・。
前日800ドルも下げたNYダウの影響で、昨日の日経平均株価も大きく下げるのではとの予想もありましたが、結果は116円安と、小幅安で取引を終えました。もっとも、日経平均株価は、NYダウに先行する形でその前日に500円を超える下げを演じていたため、この程度の下げで済んだのは当然とも言えます。日本株の下落が思ったほど進まなかったことで、ドル円も113円台に乗せる場面もあり、ひとまず米国株急落に伴う「リスク回避」の円買いの勢いにブレイキがかかった格好です。
米中首脳会談を終えた中国がさっそく行動を起こし、米国から大豆とLNGを輸入すると発表しました。また中国商務省は「明確なスケジュールに沿って、積極的に交渉を進める」との発表もしており、90日以内に米国との通商協議を前進させることを表明しました。これに対してトランプ大統領は、「中国からとても強いシグナルが送られている」とツイートし、「青臭い発言に取らないでほしいが、私と長い会談で習近平国家主席が語った全ての言葉を信じている。歴史的な会談だったと願う」と、続けています。(ブルームバーグ)
米国と中国は「知的財産権の侵害問題」を含めて、今後5分野にわたり協議を開始することになっていますが市場の見方は、それぞれハードルが高く、90日間で合意に達するのは難しいと予想しています。この交渉役のトップに、トランプ大統領がライトハイザー米通商代表部(USTR)代表を指名したことも、ハードルを高くしたと見られています。同氏は中国に対する強硬派として知られており、米国側を納得させるのはそう簡単ではないはずです。
本日のドル円は112円50銭~113円50銭程度を予想します。4日に800ドルも下げたNYダウでしたが、昨日休場ということで、冷静さを取り戻し、株価が反発する可能性もないとはいえません。休場明け今夜の、米株式・債券市場の動きが重要です。

- [2018/12/06 16:35]
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米長期金利2.9%へ急落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
米株式市場で株価が大きく下げ、長期金利も2.91%まで
急低下したことで、ドル売り円買いが加速し112円58銭
までドル安が進む。
乗せたものの押し戻される。ユーロ円の売りが活発となり、
ユーロ円は127円台半ばまで下落。
市場で発生した「逆イールド」が意識され、景気に対する
懸念も株価を押し下げる。ダウは800ドルほど下げ、他の
主要指数も大きく下落。
停止観測も高まり、債券に資金が流れる。長期金利は
2.91%台まで急低下。
本日の注目イベント
ドル円はNY市場で112円台半ばまでドル安が進み、昨日の日中の水準から
1円を超える円高が進みました。米長期金利が急低下し、株価も再び大きく売
られる展開から、リスク回避の円買いが強まったわけですが、今回はドル円も
それなりに反応したようです。
予兆はありました。昨日の東京時間には、日経平均株価が特段の理由がないまま
ジリジリと下げ、特に午後に入ると下げが一段と加速し、結局この日の最安値で
ある前日比538円安で引けています。ドル円も歩調を合わせるかのように
113円割れ目前の水準までドル安が進んでいました。
この流れがNY市場へ伝播した形です。ダウは一時800ドルを超える下げを見せ、
長期金利は急低下し2.91%台まで下がり、円を買う材料が整った形です。
債券ディーラーだけではなく、市場全体が注目したのは3年債の利回りと5年債の
利回りが逆転する「逆イ-ルド」が起きたことです。通常金利は、短いほうが低く
長くなるにつれて高くなるのが一般的です。(順イールド)これが5年債の金利の
方が高くなってしまったのです。3年債は短期であることから、政策の影響を受け
易いと言われ、FRBが粛々と政策金利を引き上げていることに反応し、緩やかな
金利上昇が続いています。
今月行われるFOMCでも今年4回目となる利上げは確実視されており、3年債や
2年債には金利上昇圧力が続いています。
一方期間の長い債券では、先週から金利の低下が続いており、長期金利は3%の大台
を割り込み、昨日のNYでは2.91%まで低下しています。
先週パウエルFRB議長はNYのエコノミック・クラブでの講演で、「金利は中立を
わずかに下回る」との認識を示し、急速に「ハト派」に変化してきたとの印象を
市場に与えました。またパウエル議長に先んじて、クラリダ副議長は、今後の利上げ
には慎重になるべきだとの立場を示していました。
FRBの正副議長以外にも利上げに対する慎重な見方が増えており、ここにきて
急速に「利上げ打ち止め論」が広がっており、これが長期金利の低下を促しています。
結局、期間の短い金利が上昇し、長いものが低下することで「逆イールド」が発生
しています。
今回の逆イールド現象は2007年以来のこととなり、2年債と10年債との利回り
も10ベーシスを切ってきており、急速に縮小しています。2年債と10年債で
「イールドカーブの逆転」が起こると、その後ある期間を経て景気後退につながる
可能性が高いことは、過去の経験則がわかっているため、来年には米景気の減速を
背景に株安、ドル安のシナリオが高まってきます。
米経済指標にまだその傾向は明確には出ていませんが、昨日のNY市場での為替、債
券、株式市場での動きは、それを織り込む動きだったのかもしれません。
ドル円は112円台半ばまでドル安が進んで、11月20日以来の円高水準です。
「週足」の雲の入り口で下落が止められた格好ですが、今後は米中貿易問題だけでは
なく、米景気の行方や金利にも細心の注意を払う必要があります。
本日のレンジは112円20~113円20程度を予想します。
- [2018/12/05 13:28]
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米長期金利さらに低下し2.97%台に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
113円71銭で限定的だった。経済指標が良好で、株価も上昇したが
米長期金利の下落が円買いに作用した。
近く上昇したものの、結局287ドル高で引ける。
引け値は53ドルに迫る。
本日の注目イベント
ドル円は結局、昨日の早朝に記録した113円85銭前後を頂点にゆっくりと下げ、
株価が反発したにもかかわらず、113円38銭まで下げ、ここでようやく下げ止
っています。この水準はちょうど「雲の下限」(1時間足)に当たり、一旦は下げ
止まってもおかしくはない水準でした。
NY市場では、米中首脳会談でひとまず貿易戦争の更なる悪化が避けられたことを
好感し、株価が続伸したことでドルが買われ、昨日の朝方の水準で戻ってきました。
ドル円はもう少し上値を試す場面があると予想していましたが、その場面は見られ
ず、株価の動きとは連動しませんでした。米国が中国に対する追加関税の引き上げ
を猶予したものの、90日間という短期間で合意に至らなければ直ちに25%へと
引き上げることや、閣僚レベルでの協議を開始するものの、そこで話し合われる5
分野で合意するにも、ハードルが高く、そう簡単ではないといった見方が、ドル円
の上値を抑えた可能性があります。株価の方は素直に反応したものの、ドル円は円
高リスクが先送りされただけといった印象も残ります。
5分野の中でも特に注目されているのが「知的財産権の侵害」に関する分野ですが、
今朝の報道では、この分野での米中の合意は近いようです。ホワイトハウスのクド
ロー国家経済会議(NEC)委員長は3日、中国による知的財産権の侵害をやめさ
せることで米中両国は合意に「かなり近づいている」と述べています。
クドロー委員長はまた、中国が米国からの輸入自動車への関税を「ゼロ」にすると
予想しているとも述べています。(ブルームバーグ)
中国は輸入自動車全般に15%の関税を課していますが、トランプ政権への対中関
税への報復措置として、現在米国製自動車に対する関税率を40%に
引き上げています。この税率を「ゼロ」にすることで合意するようですが、中国に
おける米国車の販売は304万台弱で、シエアは12.3%(2017年度)です。
中国の自動車販売は米国を抜き、今や世界で段突に1位です。2017年度の販売
台数は2800万台を超えており、米国よりも1千万台以上も多いことになります。
民族系が43.9%のシエアを握り、続いてドイツ車が多いようで、日本車のシエ
アは17%程度と第3位になっています。(中国汽車工業会発表資料より)
ドル円は今日も113円での推移が予想され、上にも下にも行きにくい展開です。
明日のパウエル議長の議会証言や、週末の雇用統計が材料になる可能性はあります
が、それでも動きは鈍く、緩やかな展開が続きそうです。
本日のドル円レンジは113円20銭~114円程度を予想します。

- [2018/12/04 09:01]
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米中首脳会談の結果を受けドル円上昇して始まる
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
株価の動きに伴い113円73銭前後まで上昇したものの、
米長期金利が低下したことで113円41銭まで売られ、
この水準で越週する。
その後1.13台半ばまで戻す。
見方が分かれたものの、買い物が優勢となり、ダウは
199ドル上昇。
買われ、長期金利は2カ月半ぶりに3%の大台を割り込む。
本日の注目イベント
世界中が注目した「米中首脳会談」は、直前まで会談の成果を巡る見方が分かれており、
個人的には、「何らかの合意があり得る」と予想していましたが、結果は、来年1月か
ら予定されていた中国への追加関税引き上げが先送りされ、最悪の事態は避けられるこ
とになりました。
米国が追加関税を課すことを猶予した形ですが、90日という期限を設け、その間に行
われる米中協議で合意がなければ関税引き上げを行うというものです。
トランプ大統領はこの会談を「首脳同士によるすばらしい取引だ」と評価し、ホワイト
ハウスも「大成功だった」との声明を発表しています。また中国側も会談を成功と捉え
ており、今回の追加関税引き上げ猶予だけではなく、500億ドル分についても取り消
す方向で協議するとの認識を持っているようで、会談の成果については米中の間に温度
差があるようです。
G20首脳会議でも、貿易や移民、気候変動などの問題で激しい論争が展開されたよう
ですが、首脳宣言では、結局米国の反対で「保護主義と闘う」という文言は削除されて
採択されています。おそらく、トランプ大統領にとっては、この部分でも「成功」だっ
たのでしょう。マスコミの論調でも、10年を経た「G20」そのものの存在意義に疑
問を投げかける意見も少なくありません。「G20」は、来年からは舞台が「大阪」に
移され、議長国は日本になります。今や米国にもっとも親しい国である日本が、果たし
て保護主義にまい進する米国を「自由主義」の世界に戻るよう説得できるのかどうか、
議長国としての手腕が注目されます。
「米中首脳会談」の結果を受け、ドル円は早朝に113円85銭前後まで買われたよう
です。
ひとまず最悪の事態は避けられたということでドル買いが先行していますが、株式市場
の方も、会談の結果を好感して上昇するものと予想されます。本日の日経平均株価は2
00~400円程度上昇すると見ていますが、その際ドル円がどこまで買われるのか注
目です。また今夜のNY市場の動きも気になるところです。
先週末のNY株式市場では、「米中首脳会談」に対する見方が錯綜しながらも
ダウは200ドル余り上昇して取引を終えています。
今夜もう一段上昇することができるかどうかも、ドル円が114円台を回復できるかど
うかに関係してきます。
本日の予想レンジは113円40銭~114円20銭程度と見ていますが、世界の投資
家がどのような反応を見せるのかどうか注目です。
ひとまず円高要因が一つ取り除かれたと思われますが、先週末には米長期金利が3%を
割り込むなど、ドルを買い進める材料にも変化が出ています。

- [2018/12/03 09:03]
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