ドル円再び111円台に反発
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 東京時間に110円36銭まで売られたドル円は再び反発。
米長期金利が上昇したことや、英議会が離脱に関する政府方針を
承認したことで円売りが強まり111円07銭まで上昇。 - ユーロドルは1.13台半ばから後半で小動き。
- 株式市場はまちまちながら、ダウは続落。ライトハイザー
USTR代表が、楽観的な米中通商協議の見通しをけん制する
発言を行ったことが材料となった。ナスダックは小幅ながら反発。 - 債券相場は反落。長期金利は2.68%台まで上昇。
- 金は続落。在庫が予想以上に減少していた原油は大幅に
続伸し57ドルに迫る。 - 1月中古住宅販売件数成約指数 → 4.6%
- 12月耐久財受注 → 1.2%
本日の注目イベント
- 日 1月鉱工業生産
- 独 2月消費者物価指数(速報値)
- 米 10-12月GDP(速報値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 2月シカゴ購買部協会景気指数
- 米 クラリダ・FRB副議長講演
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
- 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
111円台定着に失敗し、じりじりと値を下げてきたドル円は、昨日の東京時間には110円36銭前後まで売られ、上値を試して失敗したため「今度は下値を試す展開」かと思われましたが、そのレベルを底値に大きく反発し、111円台まで上昇しました。
パウエル議長は前日に続き昨日は下院で証言を行いました。議長は辛抱強いアプローチが正当化されるとの前日の見解を
繰り返したに留まり、市場への影響はありませんでしたが、影響を与えたのは「伏兵」のライトハイザーUSTR代表の証言でした。
ライトハイザー氏は27日、下院歳入委員会で証言を行い、中国が米側の要求に応じて譲歩するかどうかを判断するのは時期尚早だと発言し、「より公平な条件をもたらす著しい構造的変化を米政権は求めている知的財産権や技術移転の問題に関しては特にそうだ」と指摘し、米中の間で議題になった問題は「あまりにも深刻なため、追加購入の約束では解決されない」と述べ、米中通商協議に対する楽観的な見方をけん制しました。(ブルームバーグ)トランプ大統領との不仲が噂さされるライトハイザー氏ですが、ここでも今回の協議の成果を評価しているトランプ大統領とは立場を異にし、両者の間にある「溝」を感じる印象です。
米朝首脳会談がハノイで始まりましたが、まずは良い出だしだったという印象です。トランプ氏は初回会談の成功に続いて、「今回も同等かそれ以上の成功を期待している」と述べたのに対して、金委員長は、「全ての人に喜んでもらえる素晴らしい成果を出せると確信している。最善を尽くす」と言明しました。焦点は米国が望む「完全非核化」を金委員長が受け入れるかどうかですが、北朝鮮側も、仮に受け入れるとしてもそれなりの要求を求めてくることが予想されます。完全非核化を受け入れれば、経済支援を行い、成長率が急速に伸び、北朝鮮は豊かな国になれるといった「甘言」だけで、金委員長が首を縦に振るとも思えません。本日、2日目の会談が注目されます。
米朝首脳会談は相場への影響はほぼないと思われます。足元の材料は「Brexit」と、ややきな臭くなってきたインドとパキスタンの
状況です。英国では昨日、メイ首相が提案したEU離脱を巡る政府方針を下院が承認しました。今後はEUとの離脱合意案の見直しに向けた協議を経て、3月12日までに修正案を下院で採決し、否決された場合は「合意なき離脱」の是非を問い、さらに否決されたら3月29日と決められている離脱期限の延長を議会に諮ると、メイ首相は約束しています。離脱期限が迫る中、「再国民投票」の可能性も含めてぎりぎりまで混乱が続きそうです。
本日のドル円ですが、再び111円を試す雰囲気ですが、111円台を維持できるかどうかが、再度注目されます。111円台が維持できなくても、110円台後半で推移しているようなら、日足の200日移動平均線を試すチャンスはあるのではないかと予想します。
予想レンジが110円50銭~111円30銭といったところでしょうか。

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- [2019/02/28 09:32]
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ドル円111円台は維持できず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は111円台を回復できず。パウエル議長の議会証言は
影響がなく、長期金利が低下したことで110円41銭までドル安が
進む。 - ユーロドルは反発。ドルが売られたことで、直近レンジの上限と
見られる1.1402まで上昇。 - 前日比小安く始まった株式市場は、消費者信頼感指数など
良好な経済指標に反応しプラスに転じたが、その後反落。
ダウは33ドル下げ、他の主要指数も小幅ながら下落。 - 債券相場は反発。長期金利は2.63%台へと低下。
- 金と原油は小動きながらまちまち。
- 12月住宅着工件数 → 107.8万件
- 12月建設許可件数 → 132.6万件
- 12月FHFA住宅価格指数 → 0.3%
- 12月ケース・シラ-住宅価格指数 → 4.2%
- 2月消費者信頼感指数 → 131.4
- 2月リッチモンド連銀製造業指数 → 16
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏1月マネーサプライ
- 欧 ユーロ圏2月消費者信頼感(改定値)
- 米 1月中古住宅販売件数成約指数
- 米 12月耐久財受注
- 米 米朝首脳会談(ベトナムで28日まで)
- 米 パウエル・FRB議長、下院銀行委員会で証言
- 加 カナダ1月消費者物価指数
パウエルFRB議長が上院で半期に一度の議会証言を行いました。議長は、インフレ圧力が抑制される中、FOMCは、金融当局の行動や世界・金融情勢、そして政府政策に関する不確実性が続いていることによる累積的な影響から、将来の政策変更に関して「辛抱強い」アプローチを取ることが正当化されると判断し、政策金利据え置きを決定したと説明しました。
1月FOMC終了後の記者会見で述べた言葉に沿った説明でしたが、その上で議長は、「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する」と述べています。(ブルームバーグ)この点に関しても、データ次第では利上げの可能性は排除していないと考えられます。今後のリスクについての言及もあり、「昨年の金融市場は、年末に近づくにつれて変動性が高まった。金融環境は現在、昨年の早い段階ほど成長を支えていない」とし、その原因の一部として「海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」と指摘しています。昨日の証言では、これまでと比べ特段新鮮味はなく、市場への影響はニュートラルでした。
ドル円は結局今回も111円台は維持できず反落しています。昨日は、2月の消費者マインドが市場予想を上回り、ドル円と株価を
押し上げる場面もありましたが、短命に終わっています。こうなるとドルの上値が重いのか、それとも底値が堅いのか、判断に迷うところですが、そのカギを握っているのは米長期金利の動きだと考えています。
米10年債利回りはFOMCが1月30日に「辛抱強くなれる」との文言を発表して以来、12bp強の狭いレンジで推移しています。昨年11月には3.2%台まで急騰した10年債利回りでしたが、金利急騰を嫌気して株価が直近高値から20%以上も下げたことで、債券が買い戻され長期金利は2.5%台まで低下した経緯があります。今月に入ってからは2.6台から2.7%台での狭いレンジで推移しており、この金利がどちらにブレイクするかで、ドル円の水準も決まってくると予想されます。
本日はパウエル議長の下院での議会証言がありますが、材料にはなりにくいと思われ、米朝首脳会談も同様かと思います首脳会談は日本時間午後8時40分から行われる予定になっているようですが、明日の午前中にも予定されています。本日に予想レンジは110円20銭~111円程度を予想します。

- [2019/02/27 09:48]
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ドル円2カ月ぶりに111円台円半に
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
受けて、ドル円は上昇。111円24銭までドルが買われ、約2カ月
ぶりのドル高をつける。
1.13台半ばで推移。
ユーロ円が買われ、昨年末以来となる126円30銭前後まで
ユーロ高円安が進む。
株価は続伸。ダウは60ドル、ナスダックも26ポイント上昇。
債券に売りものが増えた。長期金利は2.664%台に上昇。
と批判したことで大幅安。前日比1.78ドル下落し、55ドル台に。
本日の注目イベント
米中通商協議が進展し、最終合意には至っていないもののトランプ大統領は
「大きな進展があった」と評価し、3月1日の交渉期限を延長し、中国に対する
関税引き上げの発動も延期することを表明しました。
トランプ氏は「米国が中国との貿易協議で知的財産権保護と技術移転、
農業、サービス、通貨や他の問題を含めて重要な構造問題でかなり前進した」
とツイートし、「こうした非常に生産的な協議の結果、私は3月1日に予定して
いた米国の関税引き上げを延期する」と表明しました。
金融市場は、予想していたとはいえ、明確な「休戦」状態に入ったことを評価し、
リスク選好から円がドルをはじめ、主要通貨に対しても売られ、ドル円は昨年1
2月27日以来となる111円24銭まで円安が進みました。また米株式市場で
は株価が続伸し、ダウは約4カ月ぶりの高値を記録し、債券も売られ長期金利は
小幅ですが上昇しています。
昨日のNY市場では、特に円が売られた印象ですが、それでも上値の重要なレジ
スタンスと見られている「日足」の200日移動平均線は抜けていません。
現在111円30銭前後にありますが、この水準をしっかりと上抜けできればも
う一段の上昇余地があると予想しています。現在の水準からはそれほど遠くはな
い水準ですが、東京時間に完全に上抜けすることができるかどうか、注目されま
す。手の届く水準ですが、簡単ではないと予想しています。
本日の材料は、まずベトナムで行われる米朝首脳会談です。焦点は北朝鮮が完全
な非核化を受け入れるのかどうかという点です。
トランプ氏はハノイに向け出発する前に、「完全な非核化を進めれば、北朝鮮は
すぐに経済大国になるだろう。非核化しなければ、同じような状況が続くだけだ」
と述べています。(ブルームバーグ)
また本日はFRBのパウエル議長の証言が米議会上院であります。ここで議長が、
金融政策に慎重な姿勢を見せるようだと、株価は上昇し、ドルが売られる展開も
想定できます。保有資産の縮小についても、1月のFOMC議事録では「多くの
委員が年内の縮小終了を予想している」ことが判明しており、ここでも利上げ停
止と同じような効果が見込めます。
このような内容に沿った証言であれば、市場への影響は限定的と予想しています。
EUからの離脱問題で混迷を深めている英国でも、本日はメイ首相がEU離脱手
続きを定めるリスボン条約50条の適用延長問題を閣議の議題にする予定です。
「Brexit」を巡り与野党から多数の離脱者が出ている英議会は非常に混
乱しており、いまだに「合意なき離脱」に追い込まれるのか、あるいは「国民投
票」が再び実施されるのか、出口の見えない状況が続いています。
EU離脱を巡って、ポンドやユーロが対ドルで大きく売られる展開になるようだ
と、ドル円も上記レジスタンスを抜けないとは言い切れません。引き続き欧州通
貨の動きもカギになります。
本日のレンジは110円70銭~111円50銭程度と予想します。

- [2019/02/26 09:05]
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ドル円110円台で動かず越週
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
米長期金利がやや低下し、ドルが売られたものの
110円台半ばで下げ止まる。結局先週は110円台を
上へも下へも抜け切れない展開に終始。
動きが続く
ダウは181ドル上昇。約3カ月半ぶりに2万6000ドルの
大台を回復。
買い優勢となり上昇。長期金利は2.65%台へ低下。
本日の注目イベント
米中通商協議は3月1日の交渉期限を前に、精力的な話合いが続き、双方の妥協点
を探る最終的段階に差し掛かっているようです。米国と中国は22日までの閣僚級
会議で、中国による米国製品の輸入拡大や人民元誘導の制限で大筋合意しました。
ただ今朝の報道では、為替条項での合意という非常に重要な問題では両国の意見は
一致しておらず、引き続き交渉は続けられていると伝えられています。
最終合意には両国のトップが署名する必要があるため、ベトナムでの米朝首脳会談
を27、28日に予定しているトランプ大統領が、米中の最終協議に臨むのは物理
的にも不可能で、トランプ氏は交渉期限を1カ月延長する方向で検討しているとの
報道もあります。
この結果、中国製品2000億ドル(約22兆1000億円)への関税引き上げは
回避できそうな見通しです。交渉責任者であるライトハイザー米通商代表部(US
TR)委員長は、中国の産業政策の抜本的な見直しを求めており、最終合意には至
っていないとの報道もあります。
また中国との交渉を巡って、トランプ氏とライトハイザー氏との関係がぎくしゃく
しているとブルームバーグは報じています。トランプ氏の不満は交渉の際に、「覚
書」という形式をとったことに対するもので、「覚書」は何の意味ももたないとす
るトランプ氏のこれまでのビジネス経験に基づいたもののようです。
先週もこの欄で述べましたが、米中通商協議での合意を目指す交渉が進展している
一方、EUとの貿易問題が新たな課題として出てきました。EUはトランプ政権が
EUからの自動車や部品の輸入に追加関税を発動した場合、キャタピラーやゼロッ
クス、サムソナイトといった米国製品に報復関税を課す準備に入っています。
報復関税の対象となる米国製品は200億ユーロ(約2兆5000億円)にのぼる
とみられています米中貿易問題に比べまだ規模は小さいものの、こちらも「報復合
戦」に発展する可能性を秘めています。
先週1週間のドル円はほとんど動きがなかったと言っていい状況でした。連日同じ
ような水準であったため、実需や個人投資家の動きも乏しく、それがさらに値動き
を小さくしたようです。
今週は活発な値動きを期待したいところですが、やや材料難の感は否めません。
パウエル議長の議会証言が予定されていますが、ここでは従来通り、「ハト派的」
な内容になる可能性が高いと予想されます。
本日のレンジは110円50銭~111円20銭程度を予想します。

- [2019/02/25 08:58]
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欧州景気一段と減速
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は米経済指標の悪化で売られたものの、110円台半ばまでで、
引き続き動意の見られない展開。高値も110円83銭前後と膠着相場が続く。 - ユーロドルも1.13台でもみ合い。ユーロ圏の経済指標が下振れし、
1.1324まで売られたものの、相場への影響は限定的。 - 株式市場は反落。連日上昇を続けていたナスダックも29ポイント下落し、
上昇も一服。 - 債券相場は大幅に続落。長期債を中心に売られ、10年債利回りは
2.69%台へと上昇。 - 金は反落。原油価格も7営業日ぶりに下落。在庫と生産がともに増えたことが
重石に。 - 新規失業保険申請件数 →21.6万件
- 12月耐久財受注 →1.2%
- 1月景気先行総合指数 →-0.1%
- 1月中古住宅販売件数 →494万件
- 11月フィラデルフィア連銀景況指数 →-4.1
本日の注目イベント
- 日 1月消費者物価指数
- 独 独10-12月期GDP(改定値)
- 独 独2月ifo景況感指数
- 欧 ユーロ圏1月消費者物価指数(改定値)
- 欧 ドラギ・ECB総裁講演
- 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 加 カナダ12月小売売上高
ドル円は110円台での膠着が続いていますが、ユーロドルも1.13台で動きが鈍くなり、昨日は英国のEU離脱問題がやや好転する兆しや経済指標の発表があったものの、ユーロドルの動きは1.13台で限定的でした。
3月1日の交渉期限を考えると、今回の協議がヤマ場の可能性が高いと見られる米中通商協議が、昨日からワシントンで再開されました。報道によると中国側は、LNGや大豆、半導体などの分野で具体的な数値目標を提示し、米中の貿易不均衡を是正する強い姿勢を見せているようです。農産物については、大豆だけではなく、トウモロコシや小麦を含み年間300億ドル(約3兆200億円)増やす計画を提案する(ブルームバーグ)模様です。
今回の協議ではエネルギーや農産物の輸入量拡大だけではなく、知的財産権や人民元相場を含め分野で「覚書」をまとめることでも合意しており、最新の情報ではトランプ大統領が中国の劉鶴副首相と22日午後にワシントンで会談する予定であることも伝わっています。トランプ氏自らが中国側の交渉責任者である劉鶴氏に会うということは、今回の協議が「合意」に近いことを窺わせます。最終的にはトランプ氏と習近平主席が直接会って合意する必要があるとは思いますが、その前段階に近いと思われ、その席で3月1日の期限を延長することや、習近平氏との会談日程なども発表される可能性があると予想しています。いずれにしても今回は合意に近い何らかの行動が示されるものと思われます。
ユーロ圏とドイツのPMIが発表され、欧州景気が一段と減速していることが確認されています。昨日発表された2月のユーロ圏製造業PMIは「49.2」と、約6年ぶりの低水準を記録しました。PMIは「50」が景気が拡大しているか、縮小しているかの判断の目安になっています。またドイツの2月製造業PMIも「47.6」と、「50」を割り込み、実に6年ぶりの低水準でした。ユーロ圏経済のけん引役であるドイツでは、中国向けの自動車輸出が貿易戦争の影響から大きく落ち込んでおり、域内全体の景気の足を引っ張っている状況で、ECBは低金利の融資枠を計画していますが,このままの状況が続くようだと、利上げはおろか、再び緩和策の導入を考えなければならない可能性も浮上しそうです。その意味では本日予定されているドラギ総裁の講演が注目されます。
ドル円は連日110円台でのもみ合いで、コメントのしようもありません。まだ1日を残してはいますが、今週は110円台を割り込まないし、111円台にも乗せていません。「1時間足」を見ても、値幅が小さいことから、一目均衡表の「雲」は常に薄く、その薄い雲さえも上下に抜け切れません。「動かない」と安心しきることはできませんが、活発な動きも期待できません。本日に予想レンジは110円20銭~111円程度でしょうか。

- [2019/02/22 10:00]
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米株式FOMC議事録を好感
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は引き続き小動きながら底堅く推移。
FOMC議事録では、予想されたほど「ハト派色」ではなかった
ことからドル円は110円91銭まで上昇。 - ユーロドルは反発し、1.1371まで上昇。
本日、EUのユンケル委員長と英国のメイ首相の会談が
予定されていることから、買い戻しが優勢に。 - 株式市場は続伸。FOMC議事録公表後はもみ合いながらも
ダウは63ドル上昇し、2万6000ドルの大台手前まで買われる。 - 債券相場は小幅ながら反落。長期金利は2.64%台へと上昇。
- 金と原油は続伸。金は3ドル上昇し、昨年4月以来となる1347ドル台に。
本日の注目イベント
- 豪 1月雇用統計
- 独 1月消費者物価指数(改定値)
- 独 2月製造業PMI
- 独 2月サービス業PMI
- 欧 ユーロ圏2月総合PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏2月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏2月サービス業PMI(速報値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 12月耐久財受注
- 米 1月景気先行総合指数
- 米 1月中古住宅販売件数
- 米 2月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
ドル円は小動きの中、引き続き堅調に推移しています。昨日のNY市場では一時110円63銭前後まで売られる場面もありましたが、FOMC議事録公表後は上昇に転じ、110円台後半までドル高が進みました。111円台乗せには至っていませんが、株価の上昇と、米中通商協議への期待感からドル円は底堅い動きが続いており、これで今月11日に110円台に乗せて以来、10日ほど110円台を割り込んでいません。
1月29-30日会合のFOMC議事録が公表されました。議事録では「ほぼ全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止
する計画をそう遠くない将来に発表するのが望ましいとの考えを示した」と記されていました。1月のFCOMでは利上げ停止や、バランスシートの縮小に関して柔軟になる用意があることを示唆していましたが、議事録の内容はそれを裏付けた格好になっています。(ブルームバーグ)一方で、景気が想定どおりに推移すれば、年内の利上げは必要との意見があったことも明らかになっています。ただ総じて、今後のFRBの金融政策は「ハト派寄り」になるとの見方から、米株式市場には資金が流入し、ダウは昨年12月の下落分の8割方を回復しています。
昨日本欄で、EUは米国が自動車関税を発動したら速やかに報復することを表明したと記述しましたが、トランプ大統領は引き続きEUに圧力をかけています。トランプ氏は20日、米国がEUと通商合意に達することができなければ、EUからの自動車輸入に関税を課すとあらためて表明しました。また「EUは取引相手として非常に手ごわい」とも語っています。(ブルームバーグ)EUもドイツを中心に域内の景気鈍化は鮮明です。できれば米国との貿易戦争は避けたいところですが、仮に関税引き上げが発動されても、中国ほど大きな影響を受けないと見られていることから、米国の圧力には屈しない姿勢を見せる可能性は高いと思われます。
ドル円は動きが少ない中でも、ややドル高傾向に傾いているように見えます。日足の「200日移動平均線」が位置する、111円30銭前後が目先の重要な節目と見ていますが、すでにある程度の材料を消化しての現在の値位置です。ここから「200日移動平均線」をしっかりと抜け切るには、それなりの支援材料が不可欠と思われます。目先の材料とすれば、引き続きワシントンで行われる米中通商協議と来週27、28日にベトナムのハノイで行われる第二回米朝首脳会談ということになります。いずれも緊張が和らぐと見られていますが、果たしてどの程度のドル支援材料になるのかは不明です。あるいは、「材料出尽くし」ということも考えられます。
本日のドル円は110円40銭~111円20銭程度を予想します。

- [2019/02/21 10:20]
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ドル円110円台で動かず
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドルの上値も重く、110円台半ばまで下落。
振れる。1.12~1.14のレンジが続く。
牽引したが、引けにかけて上げ幅を縮小。ダウは結局
8ドル高で取り引を終える。
売られたことで買われたとの見方。10カ月ぶりとなる
1344ドル台で引ける。原油価格も5日続伸し56ドル台に。
本日の注目イベント
-
ドル円はますます膠着感を強めています。
昨日1日の動きを見ても、値幅は25銭にも届かず、さすがのNY市場でも
動きは限定的でした。ユーロドルやポンドに動きが見られたものの、ここで
も円は「蚊帳の外」といった感じです。
昨日もこの欄で述べましたが、株式市場は日米で活況で、特に米国株は好調
で、昨日ダウは一時2万6000ドル台に乗せる場面もありました。
一方、債券市場は極めて動きが鈍く、ドル円は米長期金利との相関性が強い
ため、足元のボラの低さは、この影響かと思われます。米長期金利は2月に
入ってほとんど動きがなく、2.7%台に乗せた日が2日あった他、全て2.
63-2.69%のレンジ内で推移しています。ここは、米長期金利が動き
出すのを待つしかありません。
米中通商協議は北京での会合を終え、舞台はワシントンに移ります。
交渉責任者である劉鶴中国副首相一行は、昨日ワシントン入りをしたようで
すが、交渉期限である3月1日まで、残すところ10日余りしかありません。
ブルームバーグによれば、米国は対中貿易交渉の一環として、人民元相場の
安定を維持するよう求めているようです。米国が課す関税の効力を相殺しよ
うとして、中国が人民元を切り下げる手段を封じることが狙いだと報じてい
ます。
仮に交渉が最終的にまとまらず、関税が25%に引き上げられると米国内で
の中国製品は値段が上がり、物が売れなくなるのは目に見えています。
上昇した関税分を値段に織り込み、輸出価格を下げれば、今度はそのつけが
中国側メーカーを直撃し、収益力が急速に悪化することになります。
値段を上げずに、収益力を維持する方法は、為替レートしかありません。
極端に言えば、人民元がドルに対して25%切り下がれば、全てうまくいき、
これまでと変わらないことになります。米国は先回りをして、その芽を摘み
取ろうとしているわけです。
報道によると、両国は「覚書」に為替政策をどのように盛り込むかを議論し
ており、最終的にはトランプ大統領と習近平国家主席の承認が必要になると
見られます。トランプ氏は19日、進行中の米中交渉について、「順調に進
んでいる。これまで提言されたことをわれわれは全て求めている」と述べ、
中国との貿易合意に関して言えば、「3月1日は魔法の期日ではない」と語
っています。最後は両国トップが直接会って合意文章に署名すると見ていま
すが、おそらく合意までのプロセスを経るには時間が足りず、期限を延期し
た上で、最後の舞台を整えるのではないかと予想しています。
本日は、市場の利上げ観測の見方に大きな影響を与えたFOMC会合の議事
録が公表されます。動きが出ることを期待したいと思います。
予想レンジは110円20銭~111円10銭程度と見ています。

- [2019/02/20 09:00]
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NY市場、休場で動かず
ひと目で分かる昨晩の動き
欧州市場
- ドル円はほぼ動きがなく110円台半ばで推移。110円52-62銭でのもみ合いに。米国市場が休場のため終日薄商いに。
- ユーロドルも小動きの中、やや買い戻しが優勢に。1.1333近辺まで反発。
本日の注目イベント
- 豪 RBA議事録
- 独 独2月ZEW景況感指数
- 欧 ユーロ圏12月経常収支
- 英 英1月失業率
- 米 2月NAHB住宅市場指数
- 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
NY市場がプレジデンツデーで休場のため動きはほとんどありません。昨日の東京時間では、日経平均株価が400円を超える上昇を見せたにもかかわらず、ドル円は「蚊帳の外」状態でした。さすがに下落はしなかったものの上昇力もなく、110円台半ばで推移。改めて株価とドル円の相関性の低さを目にした感じです。重要イベントを通過してやや材料不足が予想されるため、ますます膠着状態が続くのか懸念されます。
米中貿易戦争は、どうやら最悪のシナリオは避けられそうな状況になってきましたが、今朝は、今度は対EUとの争いが激化しそうな気配です。トランプ政権はすでにEUに対しても関税引き上げを実施していますが、今朝の報道では、EUは米国が輸入自動車に追加関税を課すとの脅しを実行に移した場合は、速やかに報復すると表明したようです。
ブルームバーグによると、EUはトランプ政権が輸入自動車・部品への関税措置を発動した場合、米国からの輸入品200億ユーロ(約2兆5000億円)相当への報復関税を準備していると伝えています。米国ではすでにEUに対して鉄鋼・アルミニウム関税を導入しており、これに対してEUは、米国からのハーレー・ダビッドソンのオ-トバイやリ-バイ・ストラウスのジーンズなど28億ユーロ相当の米輸入品に報復関税を課しています。米国の関税導入は、中国への関税措置と同じく「国家安全保障を脅かす」との理由によるものです。
米国のEUとの貿易赤字の多くはドイツが占めています。トランプ氏とメルケル氏との「冷戦」は昨年の「G20」でも確認済みですが、さらに関係が悪化する可能性もあります。そのトランプ氏の来日が5月26-28日に決まりそうな報道があります。実現すれば初来日ということになりますが、6月には大阪で「G20」が開催されるため、こちらは来日が決まっているようで、5月に来日すれば
2カ月連続ということになり、「異例なことだ」という論評です。ノーベル平和賞へ推薦してくれたことへの、お礼の意味もあるかもしれません?
本日は引き続き110円台での推移が予想され、110-111円がともに抜け切れない展開が見込まれます。短期の動きを示す「1時間足」では110円70銭あたりを明確に抜けると雲抜けを完成させるため上昇の余地があるかもしれません。目先の動きではこのレベルが最初のレジスタンスになりそうです。
予想レンジは110円20銭~111円程度でしょうか。

- [2019/02/19 08:59]
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ドル円米重要イベントにも反応せず110円で推移
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は米中通商協議が引き続き行われることを
好感し110円68銭まで買われたが、鉱工業生産指数の悪化で
上値は重く110円台半ばで引ける。 - ユーロドルは軟調となり1.1234まで下落。1.13を挟む
展開が続く。 - 株式市場は大幅に上昇。米中協議の継続や、政府機関閉鎖が
回避されたことを好感。ダウは443ドル上昇し、昨年11月11日以来
となる2万5800ドル台を回復。 - 債券相場はほぼ変わらず。長期金利は2.66%台へと小幅に上昇。
- 金と原油はともに上昇。
- 月NY連銀製造業景況指数 → 8.8
- 1月輸入物価指数 → -0.5%
- 1月鉱工業生産 → -0.6%
- 月設備稼働率 → 78.2
- 月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 95.5
本日の注目イベント
- 米 株式、債券市場休場 (プレジデンツデー)
北京で開かれていた米中通商協議が先週末で終了しました。中国による米国製品の輸入拡大など、一定の前進は見たものの、
技術移転問題や構造改革問題ではなお米中間では溝があり、協議は来週も引き続き舞台をワシントンに移して行われることになりました。
ライトハイザーUSTR代表とムニューシン財務長官は協議終了後習近平国家主席と会いましたが、習主席は「食い違いは協力で解決したいが、協力には当然原則がある」と語り、米国が求める構造改革が中国の体制に抵触する可能性があることを示唆したものと受け止められています。3月1日期限まで残すところ10日程しかありませんが、今回の会合を終えてトランプ大統領は、「合意に近く、正しい方向に向かっていれば、延長する可能性はある」と語っており、「いつかの時点で中国の習近平国家主席と会う」
とも述べています。
そのトランプ氏は15日、超党派の予算案には署名し、政府機関の再閉鎖を避けましたが、同時に国家非常事態宣言にも署名し、壁建設費として計81億ドル(約9000億円)を確保し、あくまでもメキシコ国境に壁を建設する意向です。これに対して民主党や一部共和党内からも反対の声が上がっており、最終的には最高裁で判断されるとの見方のようです。
ドル円は110円台でもみ見合いが続いています。今回の米中協議や政府機関閉鎖問題がきっかけとなって、どちらか一方に大きく動くと期待していましたが、動意を見せずに110円台に留まっています。株式市場では、ダウが約3カ月ぶりに高値まで買われていますがドル円との相関は弱く、影響はほとんどありません。米長期金利に動きがなく、足もとのドル円は金利の動きを反映して
可能性があります。
先週末には比較的重要な米経済指標も多く発表されました。鉱工業生産指数が予想を下回ったものの、NY連銀製造業景況指数
など、他の多くの指標は良好でした。依然として米景気はまだら模様ではあるものの、リセッションに入る可能性は低く、日米欧を比較した場合には明らかに底力の違いを見せています。とリわけ欧州との景気の差は歴然としており、ユーロドルは下値を試す
動きが想定されます。
本日はNY市場が休場のため、活発な動きは期待できません。先週末の米国株の大幅上昇を受け、日経平均株価も2万1000円を回復するものと思われます。ドル円もこの動きに呼応し、やや円安に振れると予想しています。本日のレンジは110円20銭~110円90銭程度でしょうか。

- [2019/02/18 09:59]
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米経済指標の悪化でドル円反落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
予想外に低調だったことで、ドルに対する楽観的な見方が一変。
一時は110円46銭近辺まで売られ、この日の安値圏で引ける。
GDPが横ばいで、依然景気の先行きは厳しいとの見方がユーロの
上値を抑える。
小幅に上昇し、4日続伸。
2.7%台乗せは短命に。
本日の注目イベント
順調に上昇を続けていたドル円は昨日の昼ごろ、株価の上昇に連動する形で111円
13銭までドル高が進みましたが、さすがに111円台を固める動きにはなっていま
せん。NY市場でも底堅い動きで始まりましたが、NY時間8時半に発表された12
月の小売売上高の結果が市場のセンチメントを大きく変えています。市場予想の「+
0.1%」に対して結果は「-1.2%」と、予想外のマイナスで、11月分も下方
修正されました。12月分の減少率は過去9年間で最大となり、年末商戦は好調だっ
たと見られていただけに、市場にはショックを与えたようです。
一部のエコノミストの間ではこの結果を疑問視する向きもあるようですが、発表後に
ドル円は111円台から110円台半ばまで売られ、株価も下げに転じており、リス
クオンムードに水をさされた格好です。労働市場を見れば、米国の景気拡大は続いて
いると考えられる一方、今回の小売売上高のように、米景気の減速を如実に示す指標
が出てくるのも、今の米景気の特長とも言えます。
もっとも、昨日は労働市場に関する指標である、週間失業保険申請件数も予想外に悪
化していました。問題は、今回の予想を大きく下回る数字が一時的なものなのかどう
かという点で、FRBの金融政策にも影響することから、今後も注意深く見ていかな
ければなりません。
ドル円は結局押し戻されてはいますが、それでも110円台半ばを維持しています。
今週月曜日に110円台前半を上抜けして以来、110円を一度も割り込んでいませ
ん。米中通商協議に明るい見通しが出てきたことと、本日期限の来るつなぎ予算にも、
新たな予算案にトランプ大統領が署名し、政府機関の再閉鎖が回避できる見通しが出
てきたことが、ドルを押し上げました。昨日の夕方には、トランプ大統領が中国との
交渉期限をこれまでの3月1日から60日間延長することを検討していると、ブルー
ムバーグが報じたことで、米中が貿易問題で合意する可能性がさらに高まりました。
最終的な合意を見るまではまだ予断を許しませんが、市場の雰囲気は悪くはありませ
ん。仮にこのまま順調に問題が解決すれば、ドル円は緩やかに上昇する可能性があり
ますが、今度は材料不足からそれほどはっきりとした動きは見せないのではないかと
予想しています。足元では、111円台から押し戻されたドル円のサポートレベルを
探る展開でしょう。
ここでも、110円台が維持できるのかどうかが重要なポイントとなります。
110円台を割り込むようだと、「やっぱり111円台はトピッシュ」といった見方
が増え、110円を挟む展開に移行することも予想されるからです。
今朝方ドル円は110円40銭まで売られ、これで短い「1時間足」ではローソク足
が雲の下抜けを完成させています。やや上値が重くなりつつあります。
予想レンジは110円~111円といったところでしょうか。

- [2019/02/15 09:03]
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ドル円続伸し111円台を示現
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
米中通商協議の進展や、米政府機関再閉鎖が回避できるとの
見方から、円売りが加速。
ユーロ圏の鉱工業生産が予想を下回り、ユーロ圏の景気鈍化が
確認されたことでユーロ売りが再燃。
材料に続伸。ダウは117ドル上昇し、2カ月半ぶりに
2万5500ドル台を回復。
本日の注目イベント
市場環境が好転してきたことで、リスク回避の流れが後退してきたというよりも、
昨日の動きを俯瞰すると、「リスクオン」に向かっているような印象を受けます。
米国株は続伸し、ダウは2万5500ドル台を回復し。出遅れていた日本株も連日
で大幅高を演じ、ここ両日の日経平均は800円を超える上昇を記録しています。
ドル円は昨日のNY市場で111円台に乗せる場面もあり、昨年12月27日以来
となるドル高を記録しています。米長期金利が2週間ぶりに2.7%台まで上昇し、
ドル高に一役かっていますが、リスクのある資産と通貨が買われ、安全な資産と通
貨が売られる展開です。明日に迫った米政府機関再閉鎖の可能性が低下したこと
が背景です。
トランプ大統領は国境警備に関する超党派合意を不本意ながら受け入れ、予算案に
署名するとの見方が強まってきました。
トランプ氏は昨日ホワイトハウスの執務室で、「私は政府機関の閉鎖を見たくない」、
「政府機関を閉鎖する理由は見つからない」(There is no reason to shutdown)
と発言し、期限の15日までには予算案に署名する見通しとなりました。
ただあくまでもメキシコ国境の壁建設にこだわるトランプ氏は、署名したとしても
直ちに大統領権限を利用して国境警備を強化する追加措置の資金を確保する
公算が大きいと見られています。(ブルームバーグ)
まだ15日の期限を迎えてみないと分かりませんが、どうやら政府機関再閉鎖とい
う最悪の事態は避けられる見通しになったようです。
もうひとつの懸念材料である「米中通商協議」についても、明るい見通しが優勢と
なってきました。
米国と中国との貿易戦争を解決するための協議は順調に進んでいると伝えられてい
ますが、トランプ氏は「極めて順調に進行していると思う」と述べ、「彼らはわれ
われに大きな敬意を払っている」と付け加えています。今朝の情報では、習近平国
家主席も、最後にこの会合に出席するのではとの報道もあるようです。
3つの懸念材料のうち2つに明るい見通しが出てきたことで、投資家は楽観的な投
資姿勢にシフトしつつあります。特に最大の懸念材料である「米中通商協議」で中
国に対する関税引き上げが回避できれば、中国はもとより米国や日本にとっても大
きな好材料になります。
これら朗報に加え、米国の景気に対する楽観的な見通しもFRB高官から報告され
ています。
クリーブランド連銀のメスター総裁は「(米景気は)非常に良好な状態」と表現し、
カンザスシティー連銀のジョージ総裁も「極めて良好な状態」と評価し、先に「米
経済は良好な状態」と述べたパウエルFRB議長の認識と、足並みを
そろえた形です。
さらにアトランタ連銀のポステック総裁は、「全てが予想通りに展開すれば、私は
2019年に1回の利上げを予想する」とし、「経済は2018年ほど力強くは
ならないが、長期の潜在成長率は上回るというのがわれわれの予想だ」と語り、
(ブルームバーグ)「今年の利上げはゼロ」とする市場のコンセンサスよりも「タ
カ派寄り」の認識を示しています。
日米欧を比較した場合、これまでほどではないとしても、依然として「米国の一人
勝ち」は続いており、成長率や金利水準の差がそれを物語っていると見られます。
本日も米国株が上昇し、円安が進んだことから日本株は続伸すると予想します。
111円台に乗せたドル円は111円20-25銭にある「200日線」あたりが
目先のレジスタンスと見ていますが、ここを明確に抜けると輸出を中心とする
実需筋には相当な「余裕」が生まれ、ドル売り注文を手控えることも予想されます。
110円台を固めたようにも見えますが、ここは110円を挟んだレンジを形成し
ていると見ておいた方が無難でしょう
予想レンジは110円50銭~111円40銭程度でしょうか。

- [2019/02/14 09:14]
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ドル円110円台半ばで堅調に推移
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
110円35銭から55銭の間で、値幅もわずか20銭に留まる。
前日の1.12台半ばでは下値警戒感も出ており、利益確定の
買い戻しが優勢に。
したことを好感。ダウは372ドル上昇し、ほぼ全面高となり、
他の主要指数も揃って大幅に上昇。
商いは盛り上がらず。
本日の注目イベント
ドル円は110円台半ばで堅調に推移しているものの、日米の株価が大幅に
上昇した割には、上値を追えていない印象です。昨日の日本株は、出遅れ感
や割安感などから大幅に買われ、予想外の上昇を見せました。
日経平均株価が今年最大の上げ幅となる531円高で引け、この流れを受け
たNY株式市場でも、ダウは372ドル上昇し、こちらも今年の最高値で引
けています。それでもドル円の高値は東京時間に記録した110円65銭前
後で、いまいち盛り上がりに欠けています。
もっとも、ドル円の110円台半ばという水準も、今年のドル最高値であっ
たことから個人投資家を中心に利益確定のドル売り注文も多かったのではと
推量できます。
注目の米政府機関の再閉鎖問題ではやや進展がありました。米上下両院のメ
キシコ国境警備予算を巡る交渉担当者は11日夜、再度の政府機関閉鎖回避
に向け「原則合意」に達したことを発表しています。(ブルームバーグ)
ただこの暫定案に盛り込まれた壁建設予算は、トランプ大統領が議会に求め
てきた57億ドル(約6300億円)にはほど遠い13億7500万ドル
(約1500億円)であることから、このままトランプ氏が暫定予算案に
署名するかどうかは依然として不明です。
トランプ氏は11日、メキシコ国境に近いテキサス州エルパソの選挙集会の
会場で支持者を前に、「私は壁をつくる」と宣言しています。暫定予算の
切れる15日まで、本日を含めて3日しかありません。市民生活が再び混乱
するのを回避するのか、あるいは非常事態宣言を発動して、あくまでも壁建
設にこだわるのか、トランプ氏の心ひとつです。最新の情報では、国境警備
予算についてトランプ氏は、満足はしていないが検討はすると述べているよ
うです。
個人的には、共和・民主両党で合意した壁建設予算に署名すると予想してい
ます。再び市民生活を混乱させることは、共和党内部からも反感を招くこと
になり、2020年の大統領選にも影響してくる可能性があるからです。
昨日の米国株が大幅上昇した背景には、そんな読みもあったのではと思いま
す。15日には暫定予算の期限が来ますが、それだけではありません。
米中通商協議も大詰めを迎えるようです。昨日から北京で行われている次官
級協議に、本日からはUSTRのライトハイザー代表とムニューシン財務長
官も参加する予定です。
トランプ氏は「真の取引だと考えられるような合意が近く、実際に成立させ
られるとの手応えがこちらにあるようなら、少しの間、期限を大目に見るこ
とが可能だ」(ブルームバーグ)と述べ、3月1日の交渉期限延長に柔軟な姿
勢を見せています。
このように、市場ではややリスク回避の流れが後退しつつあります。株価の
底入れ感も出ており、「VIX指数」も15程度で安定しています。
ドル円が110円台半ばまで上昇したのも、そのような背景があったからだ
と思われます。
昨日は、売リ込まれていたユーロドルが反発したことで、ドル円の上値も重
かったようですが、それでも現時点では下落も限定的です。
チャートを見ても、「日足」までの足では全てローソク足が「雲」を上抜け
しており、これは昨年12月中旬以来のことになります。
米政府機関再閉鎖問題や米中通商協議の行方、さらには、より大きな問題で
ある連邦政府債務問題もあり、この期限も3月1日です。
チャート上ではドルの上昇を示唆してはいますが、これらの諸問題がどのよ
うな決着を見せるのかで、相場は上にも下にも行きそうです。
本日のドル円は110円~110円90銭程度を予想します。

- [2019/02/13 09:01]
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ドル円1ヵ月半ぶりに110円台半ばへ
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ユーロドルが1.13を割り込み、ユーロ安が進んだことで円も
つれ安となる。この日のドル円は終始110円台で推移。
安が進む。英国のGDPが悪化していたこともあり、ユーロ圏の
景気に弱気の見方がユーロ売りにつながる。
一方ナスダックは9ポイント上昇。
やや反発。
本日の注目イベント
ドル円は昨年末以来となる110円台半ばまでドル高が進んできました。
これまで110円台を何度かテストしたものの、全て押し戻されていましたが、
今回はしっかりと110円台で安定し、半ばまで上昇しました。110円台を
固めることができるのかどうかが焦点になりますが、1カ月半ぶりのドル高水
準であることから、110円台半ばから上ではドル売り注文も多く出ると見ら
れますが、それでも110円台を維持することができれば、上昇トレンドを明
確にすることができるかもしれません。
昨日のドル円の上昇は特に円を売る材料があったわけではありません。
ユーロ安に引っ張られたことが背景と見られます。ユーロドルは1.1267
前後まで売られ、昨年11月28日以来となるユーロ安をつけています。
ユーロは域内の景気減速が鮮明で、先週欧州委員会は、2019年域内の実質
経済成長率の見通しを昨年11月に発表した1.9%から0.6ポイント低い
1.3%に下方修正しました。
域内のけん引役であるドイツの低迷がユーロ圏全体の成長を押し下げていると
見られています。またイタリアの成長率も1.2%から0.2%へ引き下げら
れており、ドイツやフランスで政治的な不安定さも顕著になってきている中、
経済成長の鈍化がユーロ売り、ドル買いを加速させているようです。
1.12台半ばまで売られたユーロドルですが、ここからは昨年11月12日
に記録した1.1216前後を割り込み、1.11台まで売られるのか
どうかが注目されます。1.11台へ突入するようだと、ドル円でもさらにド
ル高が進む可能性があります。
ただその場合でも、ユーロドルの下落よりもドル円の上昇スピードの方が遅い
と見られ、ユーロ円が緩やかに下落すると予想しています。
英国が合意なき離脱に追い込まれるのかどうかも、ユーロにとっては重要な変
動要因です。
3月に向けて、いよいよユーロの動きが活発になる可能性が高まって来ました。
米中次官級協議は14日から15日の予定で行われます。日程後半では米国側
の交渉責任者であるライトハイザーUSTR代表やムニューシン財務長官も交
えて協議になるようですが、先週突然トランプ大統領は習近平国家主席との会
談は行わないことを示唆しています。交渉期限まで3週間を切ったことを考え
ると、今回の協議が合意に向けてはかなり重要な会合になるのではないかと思
われます。
今週は再び米政府機関閉鎖が焦点になります。メキシコ国境の壁建設費用を巡
って15日までに予算が決まらないと、
再び政府機関の一部が閉鎖されることに加えて、債務上限の適用が3月上旬に
再開されるのに伴い、より大きなリスクが生じる見通しも強まっているとブル
ームバーグは伝えています。
米法定債務上限の適用期限は3月1日で、それ以降も閉鎖が続くようだとさら
に交渉が複雑化すると見られています。このような状況になると、ドルの上値
も限られるかもしれません。
本日のドル円は109円90銭~110円70銭程度を予想します。

- [2019/02/12 09:20]
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米中貿易問題再燃の可能性浮上
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
維持できず反落。NY時間では株価が下げ、長期金利も
低下し、さらに米中貿易問題の再燃懸念から109円61銭まで
ドル安が進む。
1.1330まで売られ、下値を徐々に切り下げる展開に。
理由に下げ幅を拡大。ダウは220ドル下げ、他の主要指数も
揃って続落。
へと低下。
本日の注目イベント
ドル円は109円台半ばから110円台前半でのもみ合いが続いています。
昨日も110円台を何度かテストした後、109円60銭前後まで売られ、その後
再び109円台後半まで反発しています。米政府機関が再び閉鎖されるリスクと、
米中通商協議の行くへの不透明感が払拭できないことから、投資家がポジションを一
方方向に傾けにくいことが根底にありそうです。
その米中通商協議を巡って、今月末にも予定されていたトランプ大統領と習近平国
家主席との直接会談の可能性がなくなったようです。トランプ大統領は7日ホワイ
トハウスで、対中関税引き上げ回避に向けた米中通商協議の交渉期限である3月1
日までに中国の習近平国家主席と会談することにはならないだろうと述べました。
トランプ氏は記者団から今月中に習近平主席と会談するかどうか尋ねられ、「しな
い」と答え首を横に振り、「可能性は低い」と述べたと、ブルームバーグは報じて
います。
今週初めまでは会談は中国海南島で行われると、会談場所まで決まっている雰囲気
でしたが、突然の会談取り止めに市場はやや戸惑っている状況です。ただ、ホワイ
トハウスのクドロー国家経済会議(NEC)議長はこの日、トランプ大統領の発言
に先立ち、米中首脳会談は「かなり先」になるが、ある時点で会談が行われると依
然確信していると述べています。
また、来週にはムニューシン財務長官と、ライトハイザーUSTR代表が北京を訪
問し、首脳会談の日程も含めて話し合いが持たれることになっているため、会談の
実現の可能性が全くなくなったとは言い切れない状況かと思われます。
これもトランプ氏得意の「ディール」のひとコマかもしれないと考えるのは勘ぐり
すぎでしょうか?
トランプ氏の発言を受けて、対中関税引き上げの可能性が高まったとの見方が強ま
り、ドル円は下落し、株価はマイナス幅を拡大しています。それでもドル円の下落
は今のところ限定的です。
ユーロドルがさらに売られ、「ドル高ユーロ安」が進んでいることから、ドル円で
も「円売り」の動きが出ているようで、ドル円の下落を抑制しています。
110円台乗せを何度も見せながらも、それ以上の上昇が抑えられているドル円で
すが、109円台半ばをしっかりと割り込むと、ドル下落の勢いが強まることも予
想されます。
本日は米国株がここ1週間の中では下げ幅が大きく、さらに長期金利も上値が重く
なっています。
本日の日本株が思いのほか下げ幅を拡大するようだと、ドル円もサポート水準をブ
レイクして下げ足を早めるかもしれません。ユーロドルの動きとともに見ていく必
要があります。
本日の予想レンジは109円20銭~110円10銭程度と見ています。

- [2019/02/08 09:13]
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ユーロドル再び1.14を割り込む
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
売られたものの、NY時間には再び110円台まで上昇。
ユーロドルでユーロ安が進んだことで円も連れ安に。
1.14を割り込み、1.13台半ばまでユーロ安が進行。
され、ダウは4日ぶりに下落。ナスダックも26ポイント下げ、
上昇も一服。
変化なし。
本日の注目イベント
昨日の日本時間昼前に行われたトランプ大統領の「一般教書演説」は、予想された
ように、雇用や賃金など経済面での自身のこれまでの成果を誇示する一方、メキシ
コ国境の壁建設では譲歩することはなく、「必ず建設する」と強調し、米中通商協
議については、楽観的な見方を示しながらも、予断を許さない状況であるとの認識
を示しました。
トランプ氏は「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は
現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」とした上で、「しかし、
合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用
を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」と述べました。
さらに「われわれは中国に対し、米国の雇用と富を窃取する時代は終わったと明瞭
に告げている」と語り、そのため中国から巨額の税を受け取っているとも述べてい
ます。(ブルームバーグ)
ドル円は演説が始まるとすぐに110円台に乗せる場面もありましたが、その後は
ジリジリと値を下げ、夕方には109円55銭近辺までドル安が進みました。トラ
ンプ氏が壁建設に依然として固執していることが判明し、現時点では撤回する可能
性が低いことからすると、一時的に閉鎖が解除されている政府機関が来週16日以
降再び閉鎖されるリスクが意識されました。ドル円が109円台半ばまで売られた
のは、そういった見方が強まったことが背景かと思います。
ドルはその後再び買い戻され、ドル円は110円04銭近辺まで上昇しました。
ただこのドル高円安は、ユーロドルの影響を受けた円安の側面が強かったようです。
ユーロドルは1月25日以来となる1.14を割り込み、1.1361前後までユ
ーロ安が進みました。IMFがイタリアは必要な改革が不十分だとし、成長率は2
023年末までに1%未満に留まるとの見方を示したことや、ドイツの製造業受注
指数が2カ月連続で低下したことなどを理由にユーロ売りが再燃しました。
昨日も述べたように、ドル円には明確な方向性が見られません。110円台前半ま
では上昇するものの、110円台維持には失敗しています。
一方昨日のように、ドル売りセンチメントが強まっても109円台半ばからは押し
戻されています。
結局、米中通商協議という大きな材料が依然不透明だということが相場を安定させ
ない最大の理由になっていると見られます。
ムニューシン財務長官とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が来週中に、
予定されているトランプ大統領と習近平国家主席とのトップ会談の下準備のため北
京を訪問することが発表されています。先の劉鶴中国副首相との協議も「かなり議
論が進展した」と、ムニューシン長官は述べており、残された時間は少ないものの、
合意に向けた米中の前向きな努力は評価されます。
本日はパウエルFRB議長の講演が予定されています。
先月のFOMC後の会見でハト派寄りの発言を行い、市場にはサプライズと受け止
められましたが、そのスタンスには変化がないと思われます。
予想レンジは109円50銭~110円40銭と、昨日の予想とほぼ同じです。

- [2019/02/07 09:02]
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市場は米大統領の「一般教書演説」待ち
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
本日の一般教書演説を前に様子見の雰囲気となり、109円台後半
での動きに収まる。
ダウは172ドル高で2万5400ドル台を回復。
本日の注目イベント
ドル円は昨日の東京時間にやや下押しされる場面はあったものの、海外市場では
再び110円台に乗せるなど、底堅い動きが続いています。
NYダウは3日続伸し、2万5400ドル台を回復したことで、一時の株価大幅
下落の恐怖は後退しており、「VIX指数」も15台半ばまで低下しています。
リスクオフの流れが弱まったことで、低金利の円が売られる展開が続き、ドル円
をサポートしていると見られます。
それにしても、あれだけ大きく売られた米国株が急速に値を戻しているのには驚
きです。ダウは昨年12月24日には、その日だけで653ドルも下げ、引け値
では2万1800ドルを割込んでいました。10月3日の最高値である2万68
00ドル台から、わずか2カ月強で5000ドルの下げでした。
通常、高値から15%程度下げると「調整局面入り」と考えられ、上値が抑えら
れしばらくは戻りが売られる展開が続くのが一般的です。実際昨年末には「株式
市場は明らかに調整局面に入った」という声が、あちらこちらから聞かれました。
ダウはそこから3800ドル(17.4%)ほど戻したことになります。
こうなると、すでに調整局面は終わったことになります。日本株が低迷している
中、改めて米国株のダイナミズムには驚きます。
米長期金利は2.7%を挟んで一進一退が続いているため、ドル円は米国株の堅
調さに支えられている部分もあります。足元では108円台を固め、110円突
破を図っている状況かと考えられますが、ここから一段と上値を試すのか、ある
いは再び下落基調に戻るのかなかなか難しい判断です。
本日は午前11時にトランプ大統領の「一般教書演説」があり、まずはこの演説
内容に注目です。
演説では大統領自身の計画を表明すると思いますが、政治的対立がエスカレート
するのかどうかという点と、通商協議の行方を占う上でのヒントがあるかどうか
に関心が集まります。
メキシコ国境の壁建設費用を巡って民主党との対立を深めているトランプ氏が
「非常事態宣言」という「伝家の宝刀」をちらつかせるようなら、ドル円も、株
価も下落に転じると思われますが、一方で、予算の額を巡って民主党と交渉の余
地を見せるようなら、市場は好感するのではないかと思います。また、中国に農
産物やエネルギーで大規模な輸入を確約させたことや、
北朝鮮との核廃絶に向けた交渉などを「手柄」としてアピールするのではないか
と予想しています。
結局演説では、どこまで強気の姿勢を見せトランプ色を出すのかで、市場への影
響度が決まってくるということになりそうです。
株式市場に比べて動きが穏やかなのが米債券市場です。米長期金利は、足元では
2.7%を挟んでもみ合っていますが、市場のコンセンサスである「年内利上げ
なし」との見方が金利上昇を抑えています。
ただ、債券市場に対して弱気の見方を維持しているフランクリン・テンプルトン
の債券グループの責任者は、利上げはないという見方に警鐘を鳴らしています。
「大きな外的ショックがない限り、米国がリセッションに陥るとは思わない。米
国の労働市場は強く、それが賃金を押し上げ始めている。また、堅調な消費が
企業の価格決定力を支える」と、その理由を述べています。(ブルームバーグ)
米長期金利が再び3%台を回復するようなら、ドル円は115円方向を目指す可
能性がありますが、米国では財政赤字が拡大しており、需給面からは金利上昇圧
力が強まっていることは確かです。
本日のドル円は109円50銭~110円40銭程度を予想します。

- [2019/02/06 08:57]
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ドル円昨年末以来の水準を回復
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
米長期金利が上昇し株価も大幅に上昇したことで円を
売る流れが加速。ドルショートの買い戻しが相場を
押し上げたとの観測も。
小幅に留まる。ユーロ円は昨年末以来となる126円手前
まで上昇。
ダウは175ドル高と、約2ヶ月ぶりの高値を記録。
ナスダック、S&P500も揃って上昇。
本日の注目イベント
ドル円は昨日の東京市場での底堅い動きを受け、NY市場では110円台を回復し、
昨年末以来となる110円16銭までドル高が進みました。長期金利が上昇し株価
も続伸。さらに「VIX指数」も16を割り込むなど、リスクオフが後退してはい
るものの、特にドルを押し上げる材料は見当たらず、ショートカバーによるドル買
いが相場を押し上げたものと見られます。
ユーロドルもやや下落しましたが、ドル高が進んだ割には、ユーロの下落幅は小幅
でした。円はユーロに対しても売られ、ユーロ円は126円近辺まで上昇しており、
結局、円が主要通貨に対して売られる展開でした。
これでドル円は1月3日の急落前の水準を回復し、元に戻ったことになります。
ここから110円以下を底固めできるのか、あるいは110円台が戻りの限界なの
かを見極めていく必要があります。
その際に鍵になるのは言うまでもなく米中通商協議の行方ですが、その前にメキシ
コ国境での壁建設問題があります。米東部時間5日の夜9時にトランプ大統領の
「一般教書演説」が予定されており、ここで壁建設費用に関する自身の考えをアピ
ールするものと思われます。トランプ氏は、国境警備予算を巡る協議については時
間の無駄だと繰り返し指摘しており、「一般教書」では自身の計画についてさらな
る詳細を明らかにすると述べていました。計画には、議会の承認を得ずに国境の壁
建設を開始できる「国家非常事態宣言」が含まれる可能性があることを示唆してい
ます。(ブルームバーグ)演説は日本時間明日の午前11時です。
これに対して民主党はあくまでも拒否する構えで、壁建設費を認めない意向です。
ペロシ下院議長は「駆け引きを続けてもよいが、勝つのはわれわれだ」と述べて
おり、共和党対民主党というよりも、トランプ氏対ペロシ氏の対決の様相を見せ
てきました。
壁建設費用が認められない場合には現在、一時的に政府機関の一部閉鎖を解除し
ていますが、その期限が来週15日に来ることで再び閉鎖という事態も予想され
ます。先の閉鎖は1カ月以上も続き、市民生活にも影響が出始めていました。再
び閉鎖ということになれば、市場はドル売りで反応すると見られ、再びドルの下
値を探る展開があるかもしれません。
110円台を回復したドル円は、今朝の段階ではやや押し戻され、109円後半
で推移しています。
本日も日経平均株価は続伸すると見られ、株価の上昇に伴ってドル円がどこまで
上値を伸ばせるかという点が焦点です。NY市場の高値である110円15-2
0銭辺りが目先のレジスタンスということになりますが、その水準をしっかりと
抜けきれるかどうかも見極めたいところです。
予想レンジは109円50銭~110円40銭程度でしょうか。

- [2019/02/05 08:53]
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米雇用統計好調でドル上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
予想を大きく上回ったことでドル円は上昇。長期金利の上昇も
あり、109円58銭までドル高が進み、高値圏で越週。
ドル高の流れが上値を抑える。
上昇したが、ナスダックは17ポイントの反落。
本日の注目イベント
1月の雇用統計は市場予想を大きく上回り、ドル円の上昇を促しました。失業率は
4.0%と、市場予想の3.9%を上回り悪化しましたが、これは政府機関の一部
閉鎖の影響で、一時帰休に伴う失業者は17万5000人でしたが、そのうちの多
くが連邦職員だったようです。
非農業部門雇用者数の方は予想を大きく超え、30.4万人でした。同時に12月
分が下方修正されてはいますが、直近3カ月でみれば24万人と、かなりの好調さ
を維持しています。
また賃金に関しても、平均時給が前年同月比で3.2%増えており、これで、6カ
月連続で3%を台記録しています。賃金上昇は将来のインフレにつながる可能性が
あるため、一部のエコノミストの中にはFRBによる利上げが夏までに少なくとも
1回はあるとの予想をしている向きもあるようです。いずれにしても景気の鈍化を
示し指標が散見される中、労働市場の拡大が続いていることは確かなようです。
今後はこの影響が景気全体の底割れを防ぎ、米景気を再び押し上げる牽引役になる
のか、あるいは労働市場にも景気鈍化の波が押し寄せ悪化していくのかどうかを見
極めていく必要があります。それらも全ては、米中通商協議の行方にかかっていま
す。
先週2日間の日程で行われた米中通商協議は、具体的な合意内容はありませんが、
トランプ大統領は「中国との交渉は極めて順調にいっている」との言葉を残してい
ます。3月1日の交渉期限を前に、トランプ大統領は今月末までに中国の習近平主
席と直接会談を行い、最後の交渉に望む意向です。米中貿易問題はひとまず次のス
テップ待ちですが、もうひとつの懸念事項は米政府機関の閉鎖問題です。
政府機関は現在一時的に解除していますが、その期限も来週15日です。トランプ
氏はメキシコ国境の壁建設費用が認められない場合は、再度政府機関の一部を閉鎖
することも辞さないと発言しています。明日5日には、大統領の「一般教書演説」
が予定されています。ここで、壁建設予算の議会承認を迂回する非常事態宣言など、
自身のさらなる計画を公表する可能性が高いと見られています。
ドル円は108-110円というよりも、109円台での推移が長く、安定してい
るようには見えますが、まだ110円を超えて上昇する勢いはないように思います。
相場の基本と言われる「日足」チャートを見ても、上昇トレンドへの転換は確認さ
れません。
従って、実需の輸出筋や個人投資家の多くは、「戻り売り」のスタンスを変えては
いないと見られます。こういった市場関係者がスタンスを変えざるを得ないような
状況になれば、トレンドの転換も確認できると思われますが、まだ時間がかかりそ
うです。米国株がやや安定を見せ、「VIX指数」も危険水域の「20」を下回る
水準にいることで、ドル円が109円台で底堅い動きを見せていると言えます。
本日のレンジは109円~109円80銭程度を予想します。

- [2019/02/04 09:25]
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ドル円108円台半ばまで下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
108円50銭前後まで下落し、1月16日以来となる円高水準を記録。
その後、米中通商協議進展への期待感からドルの買い戻しが進み
108円94銭まで反発。
予想を下回ったことなどが重しとなり、1.1435まで下落。
98ポイント上昇し、S&P500も続伸して引ける。
2.62%台まで低下。
原油価格は反落し54ドルを割り込む。
本日の注目イベント
前日のパウエル議長による「ハト派寄りの発言」から、米国株が大幅高になったこと
を受け、昨日の日経平均株価も一時は300円ほど上昇する場面もありました。引け
値では216円高と、やや押し戻されましたが堅調な動きでした。
ドル円は「米金利は今後上昇しにくい」との見立てから、株価の上昇にも関わらずジ
リジリと値を下げ108円64銭近辺まで売られ、NY市場ではその流れから、10
8円50銭までドル安が進みました。
ただその後は米中通商協議の進展期待から、108円台後半まで反発しています。最
終日を迎えた閣僚級の米中通商協議について、トランプ大統領は交渉がうまくいって
いると述べ、「友人である中国の習近平国家主席と私が近い将来に会談し、長年にわ
たる困難な問題のいくつかで合意するまで、最終的な決着はない」とツイートしてい
ます。
また、「中国からの輸入に対して関税は3月1日に25%に上昇する。従ってその日
までに完了できるよう全員が懸命に取り組んでいる」(ブルームバーグ)と述べ、こ
れまでになく前向きな言葉を発しています。
注目された米中通商協議は予想したように、両国とも最悪の事態は避けたいという前
提に立って話し合われた模様で、現時点では詳しい内容は明らかにされてはいません。
最終合意には至っていないものの、期限の延長も含めた継続協議に向かっているよう
で、今朝のウォール・ストリ―ト・ジャーナル(WSJ)は劉鶴副首相率いる中国の
通商代表団はトランプ大統領と習近平国家主席との会談を2月末に中国・海南省で開
催することを提案したと伝えています。
このように米中協議は最終的な合意の可能性を残しながら終了したようですが、もう
一方の懸念材料である米政府機関の一部閉鎖問題は、メキシコ国境の壁建設費用を巡
って依然不透明です。先週、トランプ大統領が暫定予算に署名し、3週間の閉鎖解除
を決めましたが、その期限は今月15日です。
トランプ氏はあくまでも壁建設予算の確保に固執しており、「2月15日に委員会は
ホワイトハウスに再び訪れるが、壁が含まれていない場合は時間の無駄なので結論を
読みたいとも思わない」と発言し、これに対しペロシ下院議長は、「法案には壁の予
算は盛り込まないだろう」と語っています。
仮にこの状況で2月15日を迎えた場合、再び政府機関の一部が閉鎖されることにな
りそうです。
上値の重いドル円は109円台を回復できるかどうかが注目されます。上記米中通商
問題でやや明るい兆しが見えてきたものの、まだ最終的に合意できるかどうかは不透
明です。今週から日本企業の第3四半期決算開示が始まりましたが、円の先高観が強
まっていることから、キャノンなど、輸出企業の中にはドル円の社内想定レートを下
方修正する動きも見られます。そのため、ドルが上昇する局面ではドル売り注文が多
く持ち込まれることも予想されます。
現状では109円台での戻りは限定的と見ています。
本日のレンジは雇用統計があることも考慮して、108円30銭~109円50銭程
度を予想します。

- [2019/02/01 09:30]
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